- 1◆EPynOvGJx225/09/01(月) 23:09:49
- 2◆EPynOvGJx225/09/01(月) 23:10:43
- 3◆EPynOvGJx225/09/01(月) 23:19:30
続き
アメジオはゆっくりと瞼を持ち上げた。
(……俺は眠っていたのか?)
ぼんやりとした頭に疑問が浮かぶ。身体は柔らかな寝具に包まれているわけでも、床に横たわっているわけでもない。霞んだ視界に瞬きをすれば、身体は宙に浮かんでいるように見える。
(ここはどこだ……?)
アメジオは記憶を必死に辿る。自分はついさっきまでギベオン様に謁見していたはずだ。それがどうしてこんな場所に?
混乱する頭の中に、不意に聞き慣れた声が入ってきた。
「おはようございます。と言っても、貴方の意識が途切れていたのはほんの数秒ですが」
アメジオが反射的に顔を上げると、薄闇の中に浮かび上がったのは忌々しい男の姿だった。
「スピネル……ッ!なぜお前が……ッ!」
そう言った瞬間、アメジオは異変に気づいた。声と同時に動かそうとした腕も足も、どんなに力を込めても微動だにしない。
「な……ッ!?」
アメジオは顔を動かし四肢が金属の塊にすっぽりと覆われているのを見て驚く。
dice1d4=3 (3)
1.「ここはどこだ!なぜ俺は拘束されている!」
2.「俺をはめたのか!」
3.「そのポケモンは……?それとあそこの赤と青のヤツらは誰だ……?」
4.「なんだその髪型と服装は!」
- 4◆EPynOvGJx225/09/01(月) 23:51:59
アメジオは再びスピネルの方へ顔を向け、訳を問いただそうと口を開きかけた。しかし、目の前の巨大なケースに注意を奪われた。
その中には見たことのないポケモンが入っていた。ピンクのもやに身体を包まれ、瞳は眠っているように閉じられている。
(このポケモンは……?)
アメジオは眉をひそめ、さらに周囲へ視線を巡らせた。そこで気づいたのは、近くに立つアゲートの存在とその奥に控える二人組の存在だった。赤と青の髪色が特徴的な男女だが、アメジオには一切見覚えがない。彼らの着ている制服も見た事のないデザインだった。
「そのポケモンは……?あそこの赤と青のヤツらは誰だ……?」
溢れる疑問を口に出すと、普段と装いの異なるスピネルはそれに答えず、逆にアメジオに問いかけてきた。
「貴方は今までどこにいましたか?」
その質問を怪訝に思いながらも意図は掴めず、結局正直に答えることにした。
「……俺はついさっきまで、ギベオン様に呼ばれ直々に会って話をしていた」
その言葉を聞いた途端、スピネルは何かを思案するように口元へ手を当てた。広い空間に流れる沈黙が、アメジオの胸にざわりとした不安を作り出す。
- 5二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 00:05:39
赤と青のヤツら…確かに
- 6◆EPynOvGJx225/09/02(火) 00:56:39
- 7◆EPynOvGJx225/09/02(火) 02:07:31
「ラクリウムの影響だと……?」
ラクリウムは祖父が求める、この世界に永遠のめぐみをもたらすもの……それをなぜ、スピネルがこんな場所で口にしたのだろうか。
「その様子だとラクリウムの作用についてまだ何も知らないみたいですね。まあ実験には何ら関係のないことですが」
スピネルは薄く笑い、背後に控える二人へ視線を流した。
「ルーベラ、インディ。ユクシーを移動させてください」
「「はっ!」」
名前を呼ばれた二人は即座に動き、アメジオの目の前に置かれた巨大なケースに黒い布を被せ、キャスターの軋む音と共に慎重に出口へ押し運んでいく。どうやらユクシーと言うのはケースの中に眠るポケモンの名前らしい。
アメジオがその光景を目で追っていると、いつの間にかスピネルがアメジオのほぼ真下の位置まで詰め寄っていた。
- 8◆EPynOvGJx225/09/02(火) 02:12:15
「……っ」
アメジオは思わず身を引こうとするが、四肢は縫いつけられたように動かない。スピネルの白い手が伸びてきて、アメジオの首元に指先が滑り込んでくる。
急所に触れられ息が詰まった。首を絞められるのではないかと危惧したが、スピネルの手は襟の先を掴むだけに留まった。
「早速実験を再開しましょう。アゲート、貴方もそこで見学されますか?」
スピネルはアメジオに視線を向けたまま問いかけた。
「私は監視と警備で忙しいのでな。失礼する」
アゲートは短い返事の後、ユクシーを運ぶ二人を追い抜き扉の向こうへと姿を消した。
スピネルの薄い唇が弧を描く。
「さて……服を脱ぎましょうか」
襟元を指先でなぞられ背筋がゾワリとした。
「俺に触れるな……っ」
「おや、自分で脱ぎたいのですか?それならケースの蓋を閉じてから手足を自由にして差し上げますよ」
dice1d2=1 (1)
1.「自分で脱ぐ……」
2.「お前は何を企んでいる!」
- 9◆EPynOvGJx225/09/02(火) 02:48:15
「……自分で脱ぐ」
アメジオは低く吐き捨てるように言った。実験の詳細については何も分からないが、とにかくここから逃げた方がいいのは確実だ。手持ちのボールを奪われているのが窮地だが、手足が自由になれば僅かにでも脱出する望みが生まれるかもしれない。
「やけに素直ですね。ではケースを閉じます」
スピネルがケースに組み込まれた機械を操作した直後、片側から分厚いガラス板が現れしゅるりと音を立てながらアメジオを中に閉じ込めた。構造はユクシーの入っていたケースと変わらないだろう。少しの衝撃を与えた程度では恐らくびくともしない。
「どうしました?早く裸になってください。服を着たままでは身体の変化が分かりづらいでしょう?危険があっても気づかず対処できないかもしれませんよ」
ガラス越しでも伝わる流暢な語り。スピネルはアメジオの思惑など見通していたのか、追い詰めるように言葉を連ねる。
dice1d2=2 (2)
1.襟のボタンに手をかける
2.スピネルを睨みつける
- 10◆EPynOvGJx225/09/02(火) 03:19:40
拘束が解かれ、落ちた際に硬い床とガラスにぶつけた膝や額がじんと痛む。よろめきながら立膝をつき、ガラス越しにスピネルを睨みつけた。
前々から怪しい男だと思っていた。ジルとコニアに見張りを付けさせていたが、謁見後に受けた報告ではエクシード社を出てどこかに移動したと聞いた。自分はエクスプローラーズの本部にいたが、そこで捕まってしまったというのだろうか。一体どんな手を使って?そもそもここはどこなのだろう。考えれば考えるほど疑問ばかりが頭を覆い尽くし思考はまとまらない。
「脱がないようなら、このまま実験を始めてしまいましょうか」
スピネルの指先が機械に触れようとした、その瞬間だった。
「dice1d5=3 (3) !」
(1.サイコカッター2.かえんほうしゃ3.シャドーボール4.みずのはどう5.メガホーン)
- 11◆EPynOvGJx225/09/02(火) 08:09:17
保守
- 12◆EPynOvGJx225/09/02(火) 16:06:21
保守
- 13二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 17:25:42
うーん脱がないか
- 14◆EPynOvGJx225/09/02(火) 22:33:36
「シャドーボール!」
鋭い声が部屋に響いた。同時に側の壁に黒い球体が炸裂し、爆発音と共に黒煙が立ち込める。
「くっ……」
ガラスに守られたアメジオに対し、スピネルは顔を腕で覆い煙の中に消えた。
「ハンベル……!」
アメジオは助けに来た相手を確信してその名を呼んだ。すると黒い煙の中で一瞬何かがきらりと光った。
「ブレイッ!」
鳴き声と共に鋭利な刃が現れ、アメジオを閉じ込めていた分厚いケースが上下に真っ二つに裂けた。ガラスは綺麗に分割され、上部分が床に滑り落ち大きな音を立てながら破片を撒き散らす。アメジオはすぐさまケースを出た。
- 15二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 06:56:41
ソウブレイズ登場か!
今までどこにいたんだろう…?