トレーナーさんのご実家で迎える朝

1二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 09:16:40

朝、仄かに香る源泉を持ち上げる。
艶のある白米が盛られた茶碗に箸を向け、掴んで口に運ぶ。
噛み締めるたびに口が、鼻腔が甘い匂いに満ちていく。
────あぁ、満たされる。
朝食のおかずは塩麹を使い蒸した鮭。
焼くのとは違ってふっくらした身に箸を入れればほろりの崩れる。
掬って一口、程よい塩気と噛み締めるたびに溢れる味に再び茶碗の米を一口。
合間に味噌汁を一口啜る。
白味噌でほんのりと風味付けられた汁は出汁が効いていて、その温かさにほっと一息が漏れ出す。
小鉢に入っているのは卵焼き。
一般的には塩味だが、他のおかずが塩気の強いものだからか甘い味付けのようだ。
ふわふわの卵焼きを一口食べれば、さながらカステラのような甘さを感じながらも後味はすっきりとしていて
それがまた、しょっぱいものを欲しがってしまう。

「……る」
鮭、白米、味噌汁、卵焼きを一連の流れとして繰り返すたびに新鮮の想いが湧き出す。
これだけのものを頂けるなんて、なんて幸せなのだろうか。
「スティルちゃん、おかわりは？」
「……はい？」
気が付けば茶碗が空になっていた。
トレーナーさんと器、そして膝を交えているお義母様を見据えて数刻。
「…………ぉ、お願いします」
はしたない。恥ずかしさを堪えながらも差し出した茶碗を持つ手、薬指に光るそれを見てまた物思いにふける。

トレーナーさんの左手に同じ輝きを横目で一瞥し、満面の笑みでご飯を盛るお義母様を見つめながら
私、スティルインラブは確かな幸せを感じている。

的な感じで、無事日常に戻れたスティルがご飯しこたま食べてるのが見たい