オリss書いてく9

  • 1125/09/02(火) 09:40:18

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  • 2125/09/02(火) 09:44:31

    登場人物・用語解説
    ◯魔術使い
    ヒトと共に暮らし、ヒトより高い身体能力と特別な術『妖魔法術』を有する希少で特別な生き物。
    容姿はほぼヒトと変わりないが、中には獣の耳や尾を持つ個体も。

    ◯魔術科学園
    魔術使いが強力かつ安全な魔術の使い方を学ぶ為に入学する公立の学園。
    日本には札幌校、渋谷校、名古屋校、大阪校、高松校、福岡校の計六つがある。
    中高大一貫校で、学年は九つ。

    ◯夏伊勢也(なついせいや)(13)(♂)
    先端が赤く染まった白い短髪に金の瞳、チーターのような獣の耳と尻尾を持つ魔術科学園名古屋校の中等部二年生の男子。
    暴れん坊だが明るく天真爛漫な性格で、嫌いなことから逃げるのが得意。

    ◯鳴神新(なるかみあらた)(16)(♂)
    紺色と薄水色の長髪に紫の瞳、ユニコーンのような耳と尻尾、角を持つ魔術科学園名古屋校の高等部二年生の男子。
    美しい容姿を活かしてモデルとしての活動をしており、穏やかな物腰とは裏腹に非常に自分に対してストイックである。

    ◯鴨橋立(かものはしだて)(16)(♂)
    前髪のみがオレンジ色に染まった白い髪、青い瞳、カモノハシの尻尾を持つ魔術科学園名古屋校の高等部二年生の男子。
    おちゃらけた性格で、どんな時も騒がしく賑やか。

    ◯得田家路(とくたいえろ)(16)(♂)
    センター分けにした黄色い髪に紺色の瞳、虎の耳と尻尾を持つ魔術科学園名古屋校の高等部二年生の男子。
    常に論理的かどうかを重視し、非科学的なことに弱い。

  • 3125/09/02(火) 09:47:04

    ◯東海望(とうかいのぞむ)(18)(♂)
    紺のメッシュが入った白い髪にオレンジの瞳、羊の角を持つ魔術科学園名古屋校の高等部三年生。
    元生徒会長で、自分のことがとにかく大好きなナルシスト。

    ◯鮫島光(さめじめひかる)(19)(♂)
    灰色の髪に緑のメッシュと瞳、サメの尻尾を持つ魔術科学園名古屋校の大等部一年生。
    口が悪いので誤解されやすいが、本当は面倒見が良くて優しい。

    ◯初雁隼(はつかりしゅん)(15)(♀)
    先端が水色に染まった銀の長髪に右が青で左が金の瞳、ユキヒョウのような耳と尻尾を持つ魔術科学園渋谷校の高等部一年生。
    北海道にある剣術の名家初雁家に双子の妹の狛と共に生まれており、剣術の達人。
    真面目な性格だが、時に年頃の女子らしい一面も。

    ◯初雁狛(はつかりこま)(15)(♀)
    先端が赤に染まったツインテールの黒髪に右が金で左が青の瞳、クロヒョウのような耳と尻尾を持つ魔術科学園渋谷校の高等部一年生。
    隼とは双子の姉妹だが、姉とは違って剣術よりもおしゃれやランチが好き。

    ◯獅子賀煌輝(ししがこうき)(15)(♂)
    センター分けにした銅色の髪にライオンのような耳と尻尾、赤い瞳を持つ魔術科学園渋谷校の高等部一年生。
    誰に対しても用心深い性格で簡単に信用しようとせず、仲良くなることは難しい。

    ◯雲雀椿樹(ひばりつばき)(13)(♂)
    コーラル色のインナーカラーが入った茶色のふわふわとした髪に柴犬のような耳と尻尾、緑色の瞳を持つ魔術科学園渋谷校の中等部二年生。
    初雁家に代々仕えている雲雀家の出身で、隼と狛は幼少期から従者として奉仕してきた幼馴染。
    右目が長い前髪で半分ほど隠れているが、非常に怖がりで臆病な主人や勢也などの信頼している人物以外にはそれを頑なに見せたがらない。

  • 4125/09/02(火) 09:48:12

    上郷山陽(うえさとさんよう)(18)(♂)
    青のメッシュの入った灰色と黒の髪に緑の瞳、褐色の肌、龍の尻尾を持つ魔術科学園大阪校の高等部三年生。
    必要最低限なことしか話さず、助詞をよく省略しているので言いたいことが伝わらないことも。

    桜燕(さくらつばめ)(16)(♀)
    漆色と白の髪にピンクの瞳、燕の尻尾を持つ魔術科学園福岡校の高等部二年生。
    ボーイッシュな容姿だが、男に間違われることは少ない。

  • 5125/09/02(火) 09:50:32

    【第十二話】絶望!終わらないかくれんぼからの脱出

  • 6125/09/02(火) 09:51:41

    桜燕は、魔術科学園福岡校の廊下を鬱々しげに歩いていた。

    「期末試験が終わったのがよりにもよって月曜日なせいで、試験が終わった後四日間も学園に行かなきゃいけないなんて………最悪。」

    飲み終わったジュースの缶を空き缶入れに放り投げ、ぶつくさと文句を垂れながら地面を蹴るように強く踏んで歩く。

    雰囲気が普段のように明るくない理由は、本人のぼやきの内容のままだ。

    「ここ最近試験勉強のせいで全然休めてないもんな………肩もすごく凝ってきたし。一晩の睡眠で果たして回復できるかどうか………いっそもう、理由をつけて休んでしまおうかな。いやいや分かってますって、何となく言ってみただけだよ。分かってるから怒らないでよ〜。」

    「何一人でぶつぶつ言ってるの?」

    「うぇぇっ!?!?」

    他に誰もいない空間にも関わらず、誰かと話しているような口ぶりの燕に背後から現れた彼女の親友の碧が思わず声を掛ける。

    「み、碧………?」

    独り言をぶつぶつと言っている姿を目と耳でバッチリ捉えられてしまい、燕は驚いて思わずよろけた。

    「い、今の聞かれてた?」

    「一部始終聞こえてた。………はあ、気持ちは分からなくもないけどさあ。そうやって文句ばっかり言ってたら気分が悪くなっちゃうよ? 他の人も燕自身も。」

    「そうだよね、うん………ごめん。」

    きまりが悪そうに謝る燕の、両腕を握り目を合わせ碧が言う。

    「何か楽しいことして気分上げない? 例えば………大阪校でかくれんぼとか!!」

  • 7125/09/02(火) 09:52:41

    二人は転移装置を使い、ほどなくして大阪校へと着いた。

    二人は燕と仲良しの先輩、上郷山陽のいる高等部三年生の教室に学園を使う許可を貰いに行く。

    「山陽! 播州先輩! この学園でかくれんぼをしていい?」

    「そういうのってワイらやなく教師の連中に聞くもんとちゃうか?」

    山陽の傍らにいた彼の同級生、播州網干が冷静に碧にツッコミを入れる。

    その早さ、そのテンポ、そのノリの良さ………三拍子揃った笑いの基本、流石は大阪人というべきか。

    「えへへ………確かにそうだよね。でも山陽や播州先輩が許可してくれたら、先生の許可と同じぐらい信用と信頼に値すると思うんだけどなぁ………。」

    「おっ、流石分かっとるやないかい。」

    おだて上手な燕は、山陽と網干をいい気分にさせ「いいよ」の一言を引き出す。

    その意図は結果的に成功し、とうとう学園でかくれんぼをすることが許された。

    「ええで、好きなだけかくれんぼしーや。ああでも、あんま走り回ったり物壊したりせんといてな。特に書道部の人達の前では。」

    「はい! ボク自身も書道部であの人達が作法にうるさいことはよおく分かってるので大丈夫でーす! 気をつけまーす!!」

    「もし発生問題事件自己怪我、お前達所有義務迅速我々報告。」

    「分かった! 二人ともありがと!!」

    山陽と網干に見送られ、燕達はかくれんぼをしにその場を後にしていった。

  • 8二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 09:53:01

    このレスは削除されています

  • 9125/09/02(火) 09:53:43

    その後燕と碧は廊下にて、かくれんぼの範囲内をどこまでとするか話し合っていた。

    「広すぎると見つけるの大変だから、ここは範囲を二人で決めるべきだね。」

    「えー、それじゃつまらないよ! せっかく許可を貰ったんだから、学園全体を隠れていい場所にしなくちゃ。ボク達には相手の気配を察知する妖魔法術もあるんだしさ。ね?」

    「んー、そこまで言うなら………分かったよ、学園全域を範囲にしてみよっか。」

    「やった! じゃあボク必要なボールを取ってくる!!」

    「ちょっと!! かくれんぼにボールはいらないでしょ!!」

    二人の対等な話し合い………? の末、範囲は学園全域と決まった。

    その途端に燕は即座に、何処かへと走り去ってしまった。

    「走り回るなって言われたのに………。」



    燕が隠れ家に選んだのは、体育館のステージ下のパイプ椅子を収納しておくスペース。

    そこにはレールが敷かれており、椅子が積まれた車輪つきの台車を引き出して使う仕組みとなっている。

    八対のレールに対して台車も八台あるが、そのうち一つは予備という意味合いが強いのか椅子が全く積まれておらず、つまるところ台車一つ分の大きなスペースが確保されている。

    平均的な女子高生の背丈をしている燕なら、しゃがむか這えば入れる広さだ。

    加えてそこに隠れているとは中々誰もが想像しづらく、完璧な隠れ場所を見つけた………と、その時だけは思っていた。

  • 10125/09/02(火) 09:55:06

    しばらくすると、何物かの足音が聞こえてきた。

    「碧!?」

    そんなあ、せっかく見つけた隠れ場所なのに。

    こんなにも早く見つかってしまったら、全く勝負になってないじゃないか。

    そう思った燕は、せめてもの気持ちで少しでも相手に見つかるのを遅らせようと台車の奥へ進んだ。

    蛇のように身体を這わせながら、忍者のように静かに。

    やがて段々と近づく足音が大きくなる。

    コ、コ、コッ、コッ、コッ、ゴッ!!

    「!!」

    ああ、もう見つかるのは時間の問題だ。

    無駄な抵抗をやめて、潔く負けを認めようと思ったその時だ。

    「ああもう、開けっぱになってる。誰だよ、ここを開いてそのままにしたのは。」

    「………えっ?」

    聞こえてきたのは、碧のものとは明らかに違う男子生徒の声であった。

    その声の主は燕が中にいるのに気付かず、勢いよく扉を閉めてしまった。

  • 11125/09/02(火) 09:56:12

    「そんな!!」

    ガチャンと扉が閉ざされた途端、僅かな隙間から漏れる光を除いてその視界は黒一色になった。

    墨に浸された紙のように、黒以外の何の色も見えない。

    慌てて扉に駆け寄る………ことはできず急いでそこに這っていく。

    しかし惜しくも間に合わず、その男子生徒は何処かへ立ち去ってしまった。

    僅かな隙間越しに外を見る。

    その生徒は体育館の扉に鍵をかけようとしていた。

    「!? だめだめだめだめだめっ!!!!」

    しかし彼女の心声が届くわけもなく、彼は容赦なく鍵をしてしまった。

    決して意地悪で冷酷なことをしているわけではない。

    最後に体育館を使う者は鍵を閉めなければならない………この学園に古くからある校則に、ただただ従ったまでだ。

    「くっ、開かない………!!」

    扉はどうやら、内側からは開かない仕組みになっているようだ。

    腕を伸ばして押してみたり、頭突きでこじ開けようと試みるもその壁は果てしなく硬く固い。

    誰かに助けを求めようにも、スマホの充電も切れてしまった。

  • 12125/09/02(火) 09:57:20

    「そういえば、もうすぐ夏休みだな………。」

    夏休みに入り生徒達が来なくなったら、より一層見つけてもらいにくくなる。

    そうしたら自分は一生、ここでこのまま過ごすことになるのだろう。

    それ以前に夏休みが始まる前に、飢えて命を落としてしまうかもしれない。

    ………いや、まだ夏休みまでは四日間ある。

    四日間もあれば誰かが流石に気付いて………あれ?

    『期末試験が終わったのがよりにもよって月曜日なせいで、試験が終わった後四日間も学園に行かなきゃいけないなんて………最悪。』

    『いっそもう、理由をつけて休んでしまおうかな。』

    「あの時あんなことを思ったから………願ったから………。」

    確かに何処かから不可抗力で出られないとなれば、合法的に学園を休むことはできる。

    しかしそれは燕の望んだ在り方ではなく、願いが歪んだ解釈をされて叶った形となってしまった。

    「うぅ………ここから出られるなら………明日も明後日も学園に行くよ………自分勝手な理由で、休みたいとか二度と思わないよ………。」

    絶望の淵に立たされ、思わず瞳から涙が溢れ出てきた。

    あれほど行きたくないと思ったのに、二度と行けなくなると思うとこんなに悲しくてたまらないだなんて。

    「会いたいよ………先生にも………友達にも………碧にも………グスッ、グスッ。」

  • 13125/09/02(火) 09:58:22

    一方碧の方はというと、いつまでも見つからない燕を心配し学園を捜し回っていた。

    事情を聞いた山陽と網干も、同行し共に燕を捜す。

    「燕〜!! もう降参だよ!! 碧の負けってことでいいから出てきて!!」

    「なんで見つからへんのや………あれから一時間以上立っとるやろ!!」

    「推測、事故。事件。誘拐………」

    「ちょっと!! 不穏なこと言わないでよ!!」

    「せやで!! 希望を忘れたらアカン!!」

    そう口では前向きに言う碧と網干も、内心はすごく不安であった。

    空き教室は当然のこと、音楽室も美術室もロッカーも隈なく探索。

    燕ならそのぐらいすると思い、学園長の許可を得た上で学園長室を確認。

    それでも見つからないのだから、最悪の事態を考えてしまうのも無理はないというものだろう。

    かくなる上の最終手段として、網干が警察に連絡をしようとしたその時。

    あることを思い出した碧が、唐突に大きな声で叫んだ。

    「名古屋校にいる燕の『ししょー』!! あの人ならきっと助けてくれる!!」

    燕が名古屋校にいた頃に彼女の妖魔法術の特訓に付き合ってくれた「ししょー」こと鴨橋立………彼が最近属している軽音部が音楽と並行して何でも屋のような活動を始め、他校からの依頼も喜んで受け付けると言っていたことを思い出したのだ。

  • 14125/09/02(火) 09:59:27

    碧が橋立に電話で現状を話し、救助を依頼してから約十五分後。

    橋立は軽音部の他の面々と共に大阪校に到着するなり、すぐに職員室で教師から鍵を借りて体育館へと向かった。

    「ハシダテズ・ケイオンブ。トゥ・ザ・レスキュー!!」

    「ちょっと、ししょー!?」

    「あの野郎何考えてやがる!?」

    勝手なことをしたと思い止めようとした光と望を、新が逆に制止する。

    「今は彼の直感を信じよう。咎めるのは、それが間違っていると分かってからでも遅くはないよ。」

    体育館に入った橋立は真っ先に、ステージ下の台車の入った扉へと目をつけた。

    彼の足音と持っているランプの光は僅かな隙間越しに燕の元へと確実に届き、彼女の瞳に差す木漏れ日となった。

    並んだ扉を左から一つずつパカッ、パカッとこじ開けていき、そして最後に………

    ガハッ!!!

    「みいつけた!!」

    「ししょー!!」

    目の前でこちらに手を伸ばす橋立を見て、燕は視界だけでなく心にも光が灯ったような気がした。

    二人は再会を喜び、握手だけでは飽き足らず熱く暖かい抱擁を交わし合った。

  • 15125/09/02(火) 10:00:27

    橋立が体育館で燕を見つけたと知り、碧、山陽、網干と軽音部の面々がそこに集合した。

    「どうしてボクが体育館にいるって分かったの?」

    「それはね………三年前のボクが、全く同じことをしていたからさ!!」

    橋立が今の勢也と同じ中等部二年生だった三年前。

    今日の燕達と同様に、家路と共に大阪校に遊びに行きそこでかくれんぼをしていた。

    そしてあそこに隠れ………閉じ込められてしまい、当時中等部三年生だった山陽に助けられた。

    あの時助けてくれた山陽の親友である燕を、あの時の自分と同じ状況から救い出すという三年越しの恩返しだったのだと橋立はそこにいる皆に語った。

    「そういうことがあったのか。あの時私が見つけられなかった君を見つけた上郷先輩はもちろんのこと、三年越しに同じことを成し遂げた君も論理的に言えば賞賛に値する。」

    「ほほう、山陽! そんなヒーローのように格好良い活躍をしていたなら、何故親友である吾輩にすら自ら明かさなかった?」

    「俺思う。自慢、無価値。」

    「何っ!? それはいつも自慢ばかりしている吾輩への宣戦布告か!?」

    一同の笑い声が響き渡る中、燕はひとり反省していた。

    自分に居場所を与えてくれて、友達にも会わせてくれる学園に行きたくないだなんて二度と思わないと胸に誓った。

  • 16二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 11:55:44

    各話タイトルまとねた
    【第一話】緊張! はじめてのデート大作戦
    【第二話】創設! 問題解決部
    【第三話】ドキドキ! あの子のパンドラの箱
    【第四話】噴火!? ふきげんな燕の行く先
    【第五話】創設! 問題解決部
    【第六話】恐怖!誰にも心配されない世界
    【第七話】窃盗!ぬすっとギツネをつかまえろ
    【第八話】落胆!大切なものを失った日
    【第九話】初耳!他人は自分の鏡ってホント?
    【第十話】迷惑!魔物ナゲルサル
    【十一話】対立!好きの違いを分かち合え
    【十二話】危険!暴走族を食い止めろ
    【十三話】終わらないかくれんぼからの脱出

  • 17二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 11:56:47

    誤字修正版
    【第一話】緊張! はじめてのデート大作戦
    【第二話】創設! 問題解決部
    【第三話】ドキドキ! あの子のパンドラの箱
    【第四話】噴火!? ふきげんな燕の行く先
    【第五話】創設! 問題解決部
    【第六話】恐怖!誰にも心配されない世界
    【第七話】窃盗!ぬすっとギツネをつかまえろ
    【第八話】落胆!大切なものを失った日
    【第九話】初耳!他人は自分の鏡ってホント?
    【第十話】迷惑!魔物ナゲルサル
    【十一話】対立!好きの違いを分かち合え
    【十二話】危険!暴走族を食い止めろ
    【十三話】絶望!終わらないかくれんぼからの脱出

  • 18二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 13:50:55

    コテ外しに使わせてもらうわ

  • 19二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 18:10:15

    このレスは削除されています

  • 20二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 18:27:21

    ああそうか
    ダイスやトリップの練習とか画像置き場に使えばいいのか

  • 21二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 18:41:46

    以下好きなポテチ
    堅あげポテト ブラックペッパー

  • 22二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 22:27:15

    このやり方で画像連投できるらしいけど…

    フラダンサーが描かれた外国のポテチ好き

  • 23二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 22:43:52

    このレスは削除されています

  • 24二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 23:46:42

    前から最大値ダイスやってみたかったんだよね

    dice10d9999=6618 5336 829 3107 5620 7455 1042 6488 6705 9198 (52398)

  • 25125/09/03(水) 02:27:53

    各回の主役
    【第一話】緊張! はじめてのデート大作戦
    隼、椿樹
    【第二話】創設! 問題解決部
    隼、椿樹、勢也
    【第三話】ドキドキ! あの子のパンドラの箱
    隼、椿樹、勢也
    【第四話】噴火!? ふきげんな燕の行く先

    【第五話】創設! 問題解決部
    隼、狛、椿樹、煌輝
    【第六話】恐怖!誰にも心配されない世界

    【第七話】窃盗!ぬすっとギツネをつかまえろ
    隼、梓
    【第八話】落胆!大切なものを失った日
    隼、椿樹
    【第九話】初耳!他人は自分の鏡ってホント?

    【第十話】迷惑!魔物ナゲルサル
    隼、來
    【十一話】対立!好きの違いを分かち合え
    隼、椿樹、勢也、新
    【十二話】危険!暴走族を食い止めろ
    勢也
    【十三話】絶望!終わらないかくれんぼからの脱出


    隼8、椿樹6、勢也と燕4、他1か0

  • 26125/09/03(水) 02:30:46

    >>25

    振り返ってみれば隼椿優遇しすぎたかもね

  • 27二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 05:13:41

    【第十四話】たーまや!あの人へ届け散乱光!

  • 28二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 05:15:03

    「こっちこっち! ほらちゃんとついて来てくださいよセンパイ〜?」

    「分かったぜ分かったぜ、分かったからそう急かすな!!」

    ある日の夕暮れ。

    放課後を迎えた魔術科学園渋谷校の校舎を、狛が一人の男子生徒を連れて飛び出した。

    男子生徒は前髪のみが黒く染まった紅い髪に紫の瞳、後ろ向きに被った「N'EX」のサインが入った黒いキャップ、コヨーテのような耳と尻尾を持つ派手で特徴的な容姿をしていた。

    彼の名は英峯斗禰󠄀楠(えいほうとねくす)。

    この学園の高等部二年生に属し、狛からすれば一学年先輩にあたる存在だ。

    彼は飛行機のパイロットである父親のことを非常に誇らしく思っていたが、同時に多忙で会える日の少なきことを寂しく思っていた。

    そこで空港の近くで自身の妖魔法術を使い花火を打ち上げれば、父の目に届き言葉を交わせずとも彼を喜ばせられると考えた。

    しかしそこまで妖魔法術が強いわけではない禰󠄀楠。

    花火を打ち上げようとも途中で曲がったり風にかき消されてしまい、中々飛んでいる飛行機の操縦席から見えそうな高さにはできない。

    そのことで悩んでいたところを問題解決部の部員と名乗る後輩の初雁狛と出会い、助けてあげると言われたことで藁にもすがる気持ちを持ってこうして彼女について来たのだ。

    校門の正面にある入り口を出て、そこから校舎を囲い回り込むように左に二回曲折する。

    最終的に禰󠄀楠は、校舎裏に停められたボロボロの怪しげなキャンピングカーの元へと案内された。

    「ここで〜す!」

  • 29二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 05:16:36

    狛は禰󠄀楠にその場で待つようジェスチャーし、中にいる部員に声を掛けた。

    「狛ちゃんさんじょ〜!! 依頼人を連れてきたよ!!」

    「ありがとう狛。中々やるじゃない。」

    部長にして彼女の双子の姉である隼が声を掛ける。

    隼に褒められて、狛はいい気になっていた。

    「さ入って入って。足元気をつけてくださいね〜。」

    「あ、ありがとな………。」

    狛が禰󠄀楠を連れて車内に入ると、そこにはもう二人の部員である椿樹と煌輝が依頼者の到来を待っていた。

    連絡を受けて事前にこのこと知らされていたので、既に両者は仕事モードとなっている。

    「「依頼人の方ですね。問題解決部へようこそ。」」

    彼らに取っては、既に言い慣れたフレーズ。

    丁重に丁寧に禰󠄀楠をもてなし、緊張と強張りを解いてやる。

    煌輝が車内に設置された座席に禰󠄀楠を座らせ、椿樹が飲み物をお出しする。

    「それで、本日はどのようなご用件ですか? 英峯斗先輩。」

    禰󠄀楠は依頼内容である悩み事の、一部始終を四人の部員に明かした。

  • 30二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 05:17:47

    「………依頼内容は承知しました。飛行機を操縦なさっているお父様が見えるように花火を打ち上げたい、ということですね。」

    全部員が禰󠄀楠の語ることを聞き終え、意味をしっかりと理解した。

    「パパが自慢なんだよね〜。その気持ち分かるよめっちゃねものすごく。」

    「なら普段からもう少しお父様の偉大さに恥じない言動をしたらどう?」

    「ウチにこんなのが娘で恥ずかしいってパパが思うような要素ないもん!」

    「言い合いはそのぐらいにして、真剣に依頼について考えろ。今回は難易度が高いぞ、成田空港付近の公園で木々を燃やさずかつ風にかき消されない花火を打ち上げろと言っているわけだからな。」

    煌輝の言う通り、今日の依頼内容は一筋縄ではいかないものだ。

    ぶどうの果樹園を襲うぬすっとフォックスや物を投げつけてくるナゲルサルも中々に厄介ではあったが、今回はそれを遥かに上回る。

    懲らしめれば去っていく魔物と違い、風という自然現象や禰󠄀楠の下手な妖魔法術は意思を持たぬ故にそれも効かない。

    下手すればこれは、問題解決部史上最高の難易度の課題と対峙することになるのだ。

    ともなればここは問題解決部の四人だけでは、武器としては威力が足りない可能性がある。

    というわけで………

    「………ならさあ、狛が助っ人を呼んでくるよ。それぞれ大阪校と福岡校にいる、頼れる二人の助っ人をね。」

    「助っ人………?」

    その晩、問題解決部の四人と禰󠄀楠、そして「助っ人」の二人は成田空港付近の公園に集合していた。

  • 31二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 05:18:48

    「わざわざ福岡から来てあげたんだから。ボクに感謝してよね!」

    「転移装置使用、俺達可能一瞬到来此処。」

    「うぅ………確かにそうだけどさぁ………。」

    助っ人として呼ばれたのは、大阪校高等部三年生の上郷山陽と福岡校高等部二年生の桜燕。

    狛とは以前知り合ったことがあり、困ったことがあればすぐに相談するように彼女に約束させていたのだ。

    学年も学園も違う者が知り合いにいるのは、流石は顔の広い狛というべきか。

    「助っ人を連れてきてくれてありがとう、狛。山陽先輩と燕先輩も来てくれてどうもありがとうございます。」

    「まあ別に? たまたま暇だったから手伝ってあげてもいいって言うかー?」

    皆が話をしている間に、山陽は周囲の様子を見ていた。

    立てた親指と皆の尻尾の動きで、風の向きを読む。

    「出所北北西。隼使用風系妖魔法術、打ち消し可能。」

    彼は隼の風の妖魔法術を使えば、風が相殺され飛ばしやすくなると考えた。

    空気の乾燥による危険性も、幸いにも今は夏なので問題ない。

    それよりもっとずっと山陽が危惧していることは、彼が見上げた先にあった。

    「照明、過剰。」

  • 32二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 05:24:03

    山陽は危惧しているものをじっと見つめる。

    それは花火を美しく見せるには、あまりにも明るすぎるその夜空。

    光は闇があってこそ輝く。

    光と闇は相容れぬ敵ではなく、互いという共演者を美しく魅せる為のコントラスト。

    舞台セットの闇が整ってこそ、俳優の光が煌めくというもの。

    山陽が求めるのはただ一つ、烏のような黒一色。

    花火を唯一輝かせられる、空を満たせし暗黒のカーテンだ。

    「ならば………俺所有、策。」

    一つ計画を思いつき、山陽はそれを話しに皆の元へ向かった。



    「それで禰󠄀楠先輩、どれがパパの乗ってる飛行機って分かんですか?」

    「もちろんだぜ! 事前にどの便に搭乗・操縦するのか教えてもらったからな!!!」

    「そう、それは身内ならではの強みね………。」

    「皆、俺要求お前達拝聴我が話!!」

    「あー、山陽の言葉遣い分かりづらいからボクが翻訳するね。」

  • 33二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 05:29:01

    「………なるほど。」

    燕の懸命な翻訳もあって、皆は山陽の計画を理解できた。

    しかし成功するとは限らない。

    安定の為にもやはり、練習が必要となることだろう。

    「ねえ練習時間欲しくない? また飛行機が来た時にさ。」

    「残念だけど、それは無理だぜ。」

    えっ?

    えええっ??

    禰󠄀楠の返した言葉は、その場にいた全員を困惑させた。

    「どういうこと? ボク達にちゃんと説明してよ、禰󠄀楠!」

    「時間的に、次来る飛行機が絶対親父が乗ってるやつなんだ。だからもう本番まであんまり余裕がないぜ。」

    「ぶっつけ本番ってことかよ………。」

    先ほど聞いたばかりの作戦をいきなり実行しなければならず、しかも一回で成功させるなんて絶対に無理に決まっている。

    その場の誰もがそう思ったが、すぐに気持ちを切り替え弱気を捨てた。

    「どのみちやるしかないなら、悔いの残らないよう存分にやってやりましょう!!!」

  • 34二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 05:38:14

    まずは山陽が闇を作り、花火を魅せる下地を作る。

    「常闇の妖魔法術、威力I!! 暗雲の帷幕!!!」

    空は一瞬にして墨を垂らしたように、黒ただ一つに染め上げられた。

    次に隼が北北西に向かって、風を起こし相殺する。

    「旋風の妖魔法術、威力I!! 悪戯風!!!」

    相討ちとなって風が止み、尻尾も揺れない無数の空間となった。

    そして狛と禰󠄀楠の出番だ。

    『禰󠄀楠先輩! 最高火力見せちゃってください!!』

    『本当にやっていいのか、狛?』

    バチバチッ。

    『キュートなあたしに、メロメロになってね!』

    『地獄の業火にアクセスじゃあ!!』

    狛の雷と禰󠄀楠の炎の妖魔法術が見事な化学反応を起こし、天へと高く打ち上げられた。

    そしてそれは段々と星のように小さくなり………パアアアァァァン!!! と爆音を立てながら爆ぜた。

    赤や青や黄色や緑、紫や橙や桃色や白の夢のように彩り豊かで鮮やかな閃光が、尾を引きながらその周辺に散った。

  • 35二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 05:42:58

    飛行機の操縦室にて。

    パイロットである男は着陸に向けた準備中、空に開花した鮮やかな炎を見た。

    「機長。あそこに花火が!」

    「花火? ………ああ、あいつか。」

    「あいつとは?」

    「いや、こっちの話だ。気にするな。」

    「左様ですか。では、着陸の用意といたしましょう。」

    「ああ。」

    (あんな大きくて立派な花火、あいつ一人が出せるわけがない。)

    ガチャリ。

    カチャンカチャン。

    (きっと友達の助けを借りたんだな。渋谷校でいい友を持ったものだ、あいつも。)



    花火を出し終えた狛と禰󠄀楠、そして万一に備えて水の妖魔法術の用意をしていた椿樹は他の皆と共に空港の見えるデッキへ向かった。

    そしてあの灯火が父の瞳に宿ったことを願いながら、計画の成功を祝ったのであった。

  • 36二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 09:25:29

    >>21

    王道のうす塩ポテチ

  • 37二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 10:20:20

    サワークリームオニオンくそ美味い

  • 38二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 13:39:22

    書き込めるかな?

オススメ

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