(CP閲覧注意)慰めるよ…3回目

  • 1二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 18:13:18

    ドスケベ卑しか雌猫ニャアンがエグザベくんを毎夜毎夜妄想して自分を慰めるだけでは飽き足らず、本体にも手を出し、本体からも手を出されてドスケベするSS続編です。


    初代スレ

    https://bbs.animanch.com/board/5486679/?res=188

  • 2二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 18:15:40
  • 3二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 18:17:25

    夕食を終え、二人で洗面所の鏡の前で並んで歯を磨く。
    心なしか2人ともいつもより念入りに歯を磨いているようだった。

    ベッドに入った2人は身を寄せ合い、しばらく深い口付けをした後、互いの衣服を脱がせる。

    まだ2回目では恥ずかしさが残る。
    ニャアンは背中を丸めて身体を隠そうとするのを、エグザベが両腕と片足を掴んで阻止してしまう。

    「えっち……」
    暴れてみてもびくともせず、ニャアンは消え入りそうな声で彼を咎める。

  • 4二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 18:18:54

    「ニャアンのそういうところのほうがえっちだと思うんだけどな」

    まだ互いに緊張している。
    エグザベは誤魔化すように拘束を解き、ニャアンを抱きしめた。
    そして頭のてっぺんからつま先までキスを落とす。

    キスされるたびにニャアンは子猫のような声で鳴く。
    触れるだけでにゃんにゃん鳴かられるのだから、エグザベはどんどん情欲を掻き立てられる。

    お互いを感じ、昂まり合ったころ、本番が始まる。

  • 5二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 18:20:06

    前回よりは痛みを感じなくなったのか、ニャアンは身体をしならせ、色香を帯びた顔と声で更にエグザベを煽った。

    キスをするとニャアンの中がきゅぅっと締め付ける感覚がする。

    「(キスしながらされるのが好きなんだな)」

    エグザベは更に激しいキスをする。
    その度に締め付けられている感覚が強くなる。

    自分の中に侵入してきた雄を捕食して離さない。
    ニャアンはもはやただのいやらしい生き物のようだった。

  • 6二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 18:21:06

    堪えられなくなってしまったのか、ニャアンはエグザベの背中に爪を立て、首筋に噛み付いた。
    エグザベはそんなことに構わず、どんどんニャアンを貪る。

    互いを喰い合う、飢えた野生の獣のような行為は果てるまで続いた。

  • 7二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 18:22:07



    ニャアンは真っ赤になって蕩けた顔で、肩を激しく上下させている。
    エグザベも汗を拭う。

    熱くてたまらないのに、エグザベはニャアンを抱きしめる。
    ニャアンもそれに応える。

    「身体……また洗わないとですね」

    鳴き疲れたのだろう、蚊の鳴くような声だった。

    「お風呂場まで連れてって……私の身体、洗ってください」

    「はいはい」

    君はわがままなお姫様みたいだねと言おうとしたが、すぐにエグザベは考えを改める。

    「(どちらかと言うと甘えたがりの猫だ……)」

  • 8二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 18:23:19


    翌日。

    マチュはむすっとした顔でニャアンを見ている。
    遡ること数分前、ニャアンと歩いていたマチュは偶然エグザベに会った。
    マチュが何か言おうとするが、2人の様子はおかしい。

    互いに顔を赤らめて、目を合わせようとしない。
    小さな声で「おつかれさま、ニャアン」「はい、また……」と言ってそそくさとエグザベは去ってしまった。

    「2人ともスケベしたんだ。私が外鍵の部屋で1人寂しく寝てる間に」

    否定はできなかった。
    ニャアンはごめんねと言いながら、背中を丸くする。

    「別にいーけどねー。私だってシュウジとスケベしたもん」

    対抗するようにマチュは言う。

    「……どうだった?」

    思わずニャアンは聞いてしまう。
    するとマチュは真っ赤っかになりながら「べ、べべべべつにぃ!? ふ、フツーだったよフツー!」と早口に言って手のひらで顔を隠してしまった。

    「普通かぁ……」

    私と少尉のは普通だったかな?
    ニャアンが経験したのはエグザベ1人のため、比べようもない。

    「(今夜もしたいかも……2日連続はダメかな……スケベと思われたらどうしよう)」

  • 9二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 18:24:39



    「(もうダメだ、ニャアンを見るだけで良くない感情が出てくる)」

    「(さすがに2日連続はニャアンの負担になるよな……)」

    「(節操のない男だと思われたくないし……今晩は我慢しよう)」

  • 10二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 18:31:45



    その日の晩。

    「(今日に限って早めに仕事を終えられるなんて……)」

    徹夜で仕事している方がマシだったのかもしれない。
    ニャアンの姿はない。
    時間帯的に、彼女も今日の仕事を終えて医療スタッフ用の寮でレポートを書いているのだろう。

    エグザベはシャワーを浴びようと脱衣所に入る。

    案の定、自分の局部は血管を立てていきり立っていた。

    「はぁ……」

    自分も男なんだなと思うと同時に、今日は我慢しようと頭では思っていても、身体は正直なところが情けなくて仕方なかった。

    「(時間が経てば落ち着くはずだ。とっととシャワーを浴びてしまおう)」

  • 11二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 20:06:50

    シュウマチュスケベおめでとう17歳がスケベスケベ口に出すんじゃない

  • 12二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 21:40:39

    シュウマチュはまだ身体を重ねてなかったんだっけ?
    おめでとう…!
    彼女同士で彼氏との睦言の話とかできるといいね……?

  • 13二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 22:59:32

    幸せなカップルを見るのは健康にいい

  • 14二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 23:13:01

    >>12

    シュウジは本編最終回時点で向こう側に帰ったしマチュもこの間まで向こう側に言ってたからその間の動向は不明

    でも多分スケベはしてると思う

  • 15二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 23:47:01

    レポートの提出を終えたニャアンは、マチュの面会へ行く。
    マチュのいる部屋に入れてもらい、2人はベッドに腰掛けて会話に花を咲かせた。

    「ねえ……マチュ、マチュの初めてってどんな感じだった?」

    「ニャアンはスケベだねぇ」

    「私は何に関する初めてかは提示してないよ」

    「言っておくけどその話術が通じるのはザベちだけだからね!?」

    「じゃあ初めてのスケベってどんな感じだった?」

    ニャアンはジトっとした目でマチュを見つめる。

    「だから普通だって……綺麗な海の見える丘の上で……」

    マチュは顔を真っ赤にしてもじもじとし出す。

    「!?」

  • 16二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 23:53:41

    初回襲いかかった(語弊)ニャアンさんに痛恨の一撃

  • 17二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 00:21:18

    たしかにマチュはムードとかシチュエーションとか大事にしそうな感じはある

  • 18二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 05:57:44

    面会を終えたニャアンは、お馴染みとなりつつあるエグザベの部屋に向かう。

    部屋に入るとシャワーの音が聴こえる。

    「(少尉……今日はお仕事早く終わったんだ。一緒にお風呂入りたかったな)」

    「(今日の夕飯……パパッとパッタイとかでいいかな。冷凍エビが残ってるはず……)」

    ニャアンが冷凍庫の中から目当ての食材を取り出し、調理の準備をしていると後ろから突然抱きしめられた。

    「ひゃっ!?」

  • 19二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 05:58:44

    恥ずかしさよりも先にニャアンの身体は寒さで縮み上がる。
    なぜかお風呂上がりのはずのエグザベの身体は冷え切っており、髪からは水が滴ったままだった。

    「お疲れ様、ニャアン」

    「少尉! なんでこんなに冷たいんですか!」

    「ちょっと頭冷やしたくて、冷水浴びてただけだよ」

    エグザベはいつも通りのあっけらかんとした態度で、それでもニャアンを抱きしめたままだった。

    「風邪ひきますよ。ちゃんと髪の毛乾かしてください」

    エグザベがこのようなことをするのは珍しい。
    普段の彼ならば背後から突然襲いかかるような真似はしないはずだ。

    「何かあったんですか」

    エグザベは少しを間を置いた後、答える。

    「キッチンに立ってる君を見てたら、なんだか家族みたいだなって思ったんだ……それでつい」

    エグザベはニャアンから離れ、照れ隠しのようのタオルで髪をガシガシと拭き始めた。

  • 20二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 05:59:57

    家族。
    どちらもそれを失っている。
    もしまた家族ができたら、きっとそれは宇宙一大切な存在となり、愛しくてたまらないものになるだろう。

    「髪……私が拭いてあげます」

    ニャアンはエグザベからタオルを奪い、優しい手付きで髪を拭いてやる。
    慈しんで頭を撫でるように、風邪をひいてしまわないように。

    「あとは自分でやってください。私は夕食を作ってしまうので」

    「何か手伝うことは……?」

    「ないです。調理中は危ないので離れていてください」

  • 21二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 06:32:44

    夕食を終え、後片付けを終え、ニャアンもシャワーを浴びに行く。
    湯船に浸かってゆっくりする気にはなれなかった。

    「(早く少尉といちゃいちゃしたい……)」

    考えるだけで下腹部がきゅぅきゅぅと締め付けられる感覚になる。

    「(したいけど……2日連続で自分から切り出すのは恥ずかしい……)」

    「(少尉から誘ってくれたりしないかな……)」

    嫌がる私を少尉が無理矢理……みたいなシチュエーションを妄想するが、彼はそんな人間ではない。

    シャワーを浴び、ニャアンは勝手に持ってきたエグザベのシャツを着用し、髪を乾かす。

    「(こうしてる間に少尉、寝ちゃってるかも……)」

    髪を乾かすだけで時間がかかる。
    もどかしいけど、彼から髪を触られるのは好き。

    髪の手入れを終えたニャアンは洗面所を出て、彼の様子を伺った。

  • 22二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 06:33:48

    「(よかった。起きてる)」

    ベッドに横たわり、携帯電話で何かを見ているようだ。
    近づいて中身を確認すると、蟹の動画だった。
    蟹の人生を負う形式で、ナレーションが蟹の解説をする。

    「蟹……食べたいんですか?」

    「たまたま放送してたから、とりあえず観てみたら結構面白くて……」

    エグザベは嘘をついた。
    本当は自分の意識をニャアン以外に向けたかっただけなのだ。

    「(明日はカレーにしようかな……お店に蟹缶あるといいな)」

    ニャアンはそんなことなどつゆ知らず、エグザベの横たわるベッドに潜り込む。
    エグザベはあまりニャアンの姿を見ないように彼女に背を向け「今日はもう寝ようか」と発言する。

    ニャアンはむくれた顔になり、エグザベの背中に自分の身体を寄せた。
    一瞬彼の身体が反応した気がした。

  • 23二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 06:34:52

    「少尉の身体……熱くなってますね。やっぱり風邪ひいちゃったんじゃないですか」

    「あれくらいじゃ風邪なんてひかないよ」

    ニャアンは期待を込めて、彼の下半身に手を伸ばした。
    エグザベは驚きの声を漏らす。

    「固くて、大きくなってる……少尉のえっち」

    ニャアンの細くてしなやかな指が、服の上から彼のものをなぞる。
    ぞわぞわと背筋を震わせている感覚が伝わってくる。
    ニャアンはその反応が見たかったとばかりに、触れるのをやめなかった。

    「あんまり異性を揶揄うと、痛い目に遭うよ」
    エグザベが震える声で言う。

    「痛い目に遭いたいです」

    その言葉にエグザベは堪えきれず、姿勢を変えてニャアンを抱きしめる。

    「少尉って、ハグがお好きですよね」
    ニャアンの声には喜びが混じっていた。

    「君だってすぐキスしてくるじゃないか……」

    応えるようにニャアンは彼にキスをする。

    「ほんの数日前はあんなに痛がってたのに、ニャアンのほうがえっちだよ」

    2人は3回目となる行為をした。

  • 24二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 07:26:47

    フフフ…ゼクノヴァ!

  • 25二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 14:30:57

    朝、目が覚めると隣には誰もいなかった。

    「(少尉……もうお仕事?)」

    ニャアンは携帯電話の電源を入れて時刻を確認しようとすると、エグザベからのメッセージの通知が来ていた。

    『急ぎの任務が入りました。数日ほどサイド3を離れます』

    「……」

    仕方がない。
    そういう仕事なんだから。

    という感情と同時にニャアンの中で怒りの感情がふつふつと湧き上がる。

    「(普通起こすなりしていってきますの挨拶くらいするよね?)」

  • 26二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 14:32:09



    「ニャアン、今日ずっと目が座ってない? 何かあった?」

    マチュは昼食として出された、プレートの上の人工的な色のペーストをスプーンでつつきながらニャアンに聞く。
    ニャアンはとっくにそのプレートは平らげ、自分で用意したおにぎりを食べている。

    「……少尉が仕事でいなくなっちゃった」

    「そっかー。いつごろ帰ってくるの?」

    「わかんない……メッセージには数日って書いてあった」

    「数日ならすぐじゃん。ニャアンは私のこと一年半も待っててくれたんだから」
    マチュはニャアンを引き寄せて、頭を撫でてやる。
    ここ数日とは真逆の構図だった。

    「うん……」

    勉強に専念しよう。
    気が利かない少尉なんかに使う時間はない。
    ニャアンはそう決意した。
    その晩、ニャアンは医療スタッフ用の寮でオンライン講義と看護実習、少し早い試験勉強に勤しんだ。

    「(少尉なんて知らない、帰ってきたら……)」
    ペナルティを与えてやろうと思いかけて、止まった。

    「(無事に帰ってきますように)」

    翌日もニャアンは粛々と自身のタスクをこなしていった。

  • 27二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 14:34:53


    三日目、施設内の中庭でニャアンはベンチに腰掛けた青い髪の青年を見かける。

    「シュウちゃん……!?」

    シュウジは中庭でスケッチブックを片手に何かを描いているようだった。
    「どうしてここに?」

    「部屋のロック……解除できたから、気分転換」

    シュウジならそれくらいは可能なのだろう。
    彼はスケッチブックに何やら抽象的な絵を描いている。

    「(MS……かな。向こう側の)」

    「忘れてしまわないように、絵に書いて残そうと思って」
    ニャアンの思考を読み取ったかのようにシュウジは答える。
    シャリアさんもだけど、シュウちゃんに隠し事はできないな。
    ニャアンはシュウジの隣に腰掛ける。

    シュウちゃんのことも好き。
    大事な友達として。

    「身体の調子はどう?」
    ニャアンはシュウジに質問する。
    シュウジはこちら側への帰還時に意識がなく、怪我もマチュよりずっとひどい状態だった。
    今現在も顔には絆創膏、片腕には包帯が巻かれている。

    「おかげさまで絶好調」
    シュウジはふにゃっと笑ってみせる。

  • 28二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 14:35:56

    「そっか、よかった」

    そこで会話は終わり、ニャアンはしばらくぼんやりと中庭から見える空を見上げた。
    本当はシュウジを部屋に帰さねばならないが、ふわふわした様子の彼を見ているとそんな気はなくなってしまう。

    すんっ、とシュウジはニャアンの頭のにおいを嗅いだ。

    「!?」

    「ニャアン、柔らかくなった」

    「今のニャアンも、僕は好きだよ」

    その言葉を聞いて、ニャアンは顔を赤くしながらも彼に注意した。

    「ダメだよシュウちゃん! 異性に気軽に好きって言っちゃ! マチュに言いつけちゃうよ!?」

    「それ、マチュからも言われた……」

    シュウジはしょげた様子になる。

    彼は言葉足らずなだけで、悪気はないのはわかっている。
    今の好きという言葉の意味も、LOVEではなくLIKEとしての好きなのだ。
    自分が過剰反応を起こしているのもわかっている。

  • 29二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 14:37:04

    「ニャアン」

    背後から聞き覚えのある声がする。

    「エグザベ少尉!」

    ニャアンはすぐに立ち上がり、彼に駆け寄る。
    抱きしめようとしたが、ここが公衆の場であることと、シュウジが近くにいることに気付きすぐにやめた。

    「僕は部屋に帰るよ」

    シュウジがベンチから立ち上がる。

    「だったら部屋まで送るよ」

    シュウジは黙ってエグザベについていく。

    「(少尉……?)」

    疲れているのかな、なんだか少尉の様子がいつもと違う気がする。
    穏やかな笑顔と物腰だが、ニャアンの中にそのような疑念が生まれた

  • 30二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 14:38:37



    突然入ったアルテイシア公女の護衛任務を終え、サイド3の基地に戻ったエグザベは、中庭で見知った後ろ姿を偶然発見する。
    綺麗な長い髪に、華奢な身体。
    すぐに近づこうと思ったが、彼女の隣には青い髪の青年がいた。

    「(あれは……シュウジくん?)」
    どうやってここまで来たんだ?
    検査と調査の間以外は彼は専用の個室で待機だったはず。

    二人は気心の知れた仲のようで、ニャアンも穏やかな表情をしている。
    シュウジはニャアンの頭に顔を寄せて、何かを言った。
    するとニャアンの顔がみるみる赤くなり、慌て始めた。
    その様子を見て、胸の奥がざわついた。
    「(ニャアンはシュウジくんを探すために、キシリア様の作戦に参加していた)」
    「(大切な友達とは聞いているけど、やはり同年齢なこともあってそういう感情があったのだろうか)」
    自分にもこのような感情があることに戸惑いつつも、エグザベはいてもたってもいられずに二人に近づいた。
    ニャアンが笑顔で自分に駆け寄ってくれる。
    それだけで良いはずなのに。
    「だったら僕が部屋まで送るよ」
    ニャアンにはこの青年の近くにいてほしくない。
    そんな考えが頭をよぎった。

    「ザベちさん……ニャアンと同じ匂いがする」

    基地内を案内されている道中の言葉だった。
    エグザベはぎくりと身体を強張らせる。
    「どんな匂いなんだい、それって」

    「……言葉では表現できないよ」

  • 31二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 14:43:07

    お…彼女持ち同士……というか二人とも彼女と肌を重ね合わせてるからなんだか空気が…?

  • 32二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 18:01:39

    同じシャンプー使う機会も増えてそうだな

  • 33二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 18:58:07



    機体の整備とアルテイシア公女護衛任務の報告書作成で時刻はあっという間に深夜になっていた。

    自室に戻るとベッドの上でニャアンが身体を丸めてすやすやと寝息を立てている。

    テーブルの上にはラップのかけられた食事が置かれていた。

    今すぐ起こしてただいまと言いたかったが、こんなに幸せそうな寝顔をしているのに起こしてしまうのは忍びなかった。

    エグザベはニャアンから離れ、浴室に入る。
    シャワーを浴びた後、ニャアンが用意してくれていた食事を温めようとする。

    「しょうい……おかえりなさい……」

    寝ぼけ眼のニャアンがよたよたとした足取りでエグザベに近づいてくる。

    「ごめん、起こしちゃったよね」

    「起きて待ってるつもりでした……」

    ニャアンがエグザベに寄りかかる。
    普段は揶揄われることが多いので、こうやって素直に接してもらえることをエグザベは嬉しく思う。

  • 34二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 18:59:19

    「夕ご飯ありがとう。今から食べるね」

    「……よかった」

    「?」

    ニャアンの言葉に、エグザベは首を傾げる。

    「昼間の少尉、いつもと違ったから……何かあったのかと思いました。でも今はいつもの少尉で、安心しました」

    「いつもと違ったかぁ……」

    心当たりしかなかった。
    だが自分が年甲斐もなく、ニャアンの大事の友人・シュウジと彼女の関係に不信感を抱いていたなど、言えるはずがなかった。

    「少尉、私は怒っているんですよ」

    「え?」

    「突然の任務だからってメッセージだけ残して私を一人にしたことを」

    「時間が時間だったから、起こしたら迷惑かなって思ったんだよ」

  • 35二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 19:02:05

    「その状況なら一度は起こしていってきますの挨拶くらいしますよね」

    「朝起きてベッドに自分しかいないから、不安になりましたよ」

    不安か。
    僕だって不安な気持ちになったよ。

    ごめん、次から気をつけるよ、という類の言葉を出す前に、エグザベはニャアンに口付けした。

    「んっ……」
    ニャアンの声が漏れる。
    さっきまで仏頂面だったのに、今は蕩けた表情で、恍惚の眼差しになっている。

    自分しか見られない顔だ。
    今も、これから先も。

    僕は弱い。
    大切なものを失うことに慣れていたつもりで、今までずっと目を逸らしていただけなのだ。
    もうこれ以上失いたくない。
    誰にも奪わせない。

    エグザベはニャアンを抱えてベッドに向かい、押し倒した。
    ニャアンは動揺しているが、目には期待の色が見られた。
    ずっと思っていたが、この子は少し意地悪をしたときの反応もかわいい。
    腕を掴んで動けなくすると暴れるふりをしながら、やけに艶かしい表情で自分を見上げる。
    こちらから一方的に彼女の大事な場所をいじめると、目に涙を溜めて顔を真っ赤にしながら、いや、やめてと言いながら長く細い足を自分に絡めてくる。

    「今日はあんまり……優しくできないかも……」

    エグザベの言葉に、ニャアンは胸を高鳴らせながら頷いた。

  • 36二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 19:03:12



    その日の行為は今までとまったく違うものだった。

    今までだったら抱き合って、キスをしてお互いの愛を確かめながら果てる。
    だが今日は動物同士がするような、ニャアンが一方的に征服されるような行為だった。

    後ろから抉るように、激しく行われるそれはニャアンをただの哀れな雌猫に変えた。
    ニャアンは下腹部に衝撃を受けるたびに情けない声を上げた。

    「(私、おもちゃにされてる、ただの穴扱いされてる)」

    すごく酷いことをされているのに、身体は衝撃を受ける度に跳ね、鳴き声には喜びすら混じっているようだった。

    「(私の身体、少尉の専用になっちゃう……もう戻れなくなっちゃう……)」

    エグザベがどんな表情で、どんな気持ちでこんなことをしているかわからない。
    だがニャアンは今この瞬間の快楽を貪っていた。

  • 37二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 19:04:20

    自分の中に侵入するものの形を覚えるように、ニャアンの恥ずかしい部分はそれを締め付け、痙攣する。
    ここには僕以外誰の侵入も許さないと言わんばかりに、身体に彼の形を叩き込まれる。

    「しょいうなんて、きらい……」

    精一杯の強がりだった。
    自分はこんなことをされて喜ぶ雌猫ではないと示したかった。

    「僕はニャアンのこと好きだよ」

    重いひと突き。
    ニャアン目からボロボロ涙を落とし顔はぐちゃぐちゃで、下半身はガクガクと震え、もはやエグザベに支えられている状態だった。

    「うそっ、ついて、ごめん、なさい……ほんとは、わたしもっ、すきっ」

    ご褒美と言わんばかりに激しく打ち付けられ、ニャアンは背筋を反らして一際大きな鳴き声を上げた。

  • 38二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 19:24:42

    どんどん躾けられちゃうねぇ

  • 39二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 19:58:39

    エロいです…(語彙の喪失)

  • 40二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 20:08:28

    やきもち少尉・・・

  • 41二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 20:42:33

    XAVIER‘S NYAN HAKUJI-PACKS

  • 42二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:54:16

    エグザベくん正気に戻った時うあああああってなりそう

  • 43二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 00:57:51

    ニヤニヤが止まらねぇや
    ぷりぷり怒ってるニャアンかわいい

  • 44二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 02:25:39

    「私はエグザベ少尉のハクジ容れってわけですか」
    バスチェアに座らされたニャアンは、エグザベに身体を洗われながら呟く。
    指の一本も動かせぬほどの疲れで、ニャアンは脱力している。

    「ごめん……」
    そんな人聞きの悪いことを、と言おうとしたがそう思われるのも仕方がないだろう。

    「否定しないんですか?」

    「そう思われても、仕方ないことをしたから……」

    子犬のような顔。
    そんな顔をされると揶揄いたくなってしまう。

    「じゃあ私ってなんですか」

    「大切な人だよ」

    「それだけですか?」
    ニャアンはつま先で、跪いているエグザベの肩をちょんちょんと突く。

    エグザベは抵抗せず、言葉を探す。
    「……愛してるよ、絶対に失いたくないし、誰にも奪われたくないくらい」

    そう言うと、エグザベはニャアンのつま先にキスをした。
    くすぐったかったのか、ニャアンは僅かに身体を震わせる。

    「そんな言葉に絆されるほど、私は単純な人間じゃないですから」

    ニャアンはエグザベから顔を逸らした。

  • 45二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 03:23:40

    性に目覚めたての学生カップルみたいな頻度とそれにそぐわないやらしいやり取りいいねになる

  • 46二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 07:16:35

    ニャアンがおしおきを試みるのもイイね

  • 47二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 08:13:02

    ひどいことをしてしまった。
    自分は最低な人間だ。

    他者の心を完全に意のままにすることなどできない。
    だから社会制度は人と人との繋がりを『国民』や『家族』などと定義し、その中のルールを逸脱するとペナルティを発生させる。

    それでは自分は何をした。
    ニャアンの心は完全に自分にものにならないのならば、せめて彼女の身体だけでも独占しようとした。
    自分専用の身体に作り変えてしまって、一生自分から離れられないようにしてしまいたかった。

    それは愛とは呼ばない。

    自分の存在を受け入れるたびに強く強く締め付けてくる彼女の体内の感覚に夢中になりながら、心の奥底で愉悦に浸りながら、だが同時に虚しさにも襲われ、自分がその時どんな顔で彼女を求めていたのかわからなかった。

    ニャアンに『愛している』と言ったとき、彼女は自分から顔を逸らし、横目で自分の姿を捉えていた。
    その目は冷たく、自分に対する不信感すら感じた。

    きっと自分の醜い感情を見透かしているのだろう。

    ニャアンの身体を洗い終えると、彼女はすぐに服を着て、ベッドに横たわり、自分に背を向けてそのまま眠ってしまった。
    習慣になっていたおやすみのキスやハグはなかった。

    とても寂しい。

  • 48二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 08:52:08



    ニャアンはいつもより早く起きて、ベッドから降りる。
    浅い睡眠を取っていたエグザベはすぐにそれに気づいた。

    「(今日は早起きだな……)」

    ニャアンはしばらく洗面所に籠ると、ベッドには戻らずにエグザベの部屋を後にした。

    ドアの開閉音にエグザベは困惑した様子で跳ね起きた。

  • 49二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 08:53:18



    実は今日は看護実習の予定はない。
    オンライン講義もここ数日分のものを受講し終え、講義レポートを提出して承認の可否を待っている。
    強いて言うならマチュの子守りはあるが、この時間はまだマチュは寝ている。

    エグザへのお仕置きの意図もあるが、もう一つの目的がある。
    マチュとシュウちゃんの検査が長引いている。

    特にマチュは身体の方に『所見あり』と診断が降りており、研究員と医療スタッフの人たちが朝から晩までマチュのデータを調べている。
    このままマチュがジオン軍基地から出られなかったらどうしよう。

    そんな不安に駆られたニャアンは、こっそりと研究室にいる人たちの会話を盗み聴くことにしたのだ。
    専門用語が飛び交う中、ニャアンでもわかる単語を耳にする。

    「(体内にミノフスキー粒子が蓄積されている……?)」

    一部の医療機器がその影響で正確な検査結果を算出できない。
    だが体内のミノフスキー粒子の蓄積量自体はは少しずつ減ってきているらしい。

    そんなの聞いたことがない。
    マチュ自体は至っては元気そうなのが不幸中の幸いなのか。

    一年半前、マチュは地球の海の浜辺でゼクノヴァと共に一度は消えた。
    そして宇宙を埋め尽くすキラキラと共に、あちら側の人物を引き連れて帰ってきた。
    全て前例がない出来事なのだ。

    マチュの扱いは丁重で、人道的だ。
    シャリアさんとすぐ連絡の取れる自分が毎日一緒にいても良いのだから、ひどい実験はされないと思いたい。
    もしそのようなことがあれば自分が無理矢理にでも邪魔するし、マチュだって大人しく実験対象にされるような人間ではないだろう。

  • 50二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 09:00:53

    ニャアンはその日はずっと、許される限りマチュのそばにいた。

    「どしたのニャアン? もしかして甘えんぼさんモード?」

    「別に……」

    そっけない態度とは裏腹に、ニャアンの手はマチュと強く繋がれている。

    「マチュ、もしものことがあったら……私がマチュを守るからね」

    「変なニャアン。じゃあニャアンのことは私が守ったげる」

    マチュはニャアンにハグをする。
    二人はしばらく身体を寄せ合った。

  • 51二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 09:29:02



    ニャアンがエグザベの部屋に向かったのは夜遅くになってからだった。
    マチュと面会時間ギリギリまで一緒に過ごした後、医療スタッフ用の寮で『調べもの』をして時間を潰し、今に至る。

    彼を避けてはいない。
    昨日の仕打ちにどんなお仕置きをしてやろうかと考えていただけ。

    自分も悦んでしまったとはいえ、あのようなことをするなんてひどい。
    相手がエグザベでなければ、ニャアンはとっくにそれをする人間を嫌いになって、そのような行為自体にもトラウマを持っていたことだろう。

    何よりも許せないのは、あれに陶酔し、しかも思い出すだけで不健全な気持ちになる自分だった。

    「(またあれをされたら……私、本当におかしくなっちゃうだろうな)」

  • 52二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 09:31:54

    「ニャアン、お疲れ様!」

    部屋のドアを開けるとエグザベがニャアンを出迎える。
    眩しい笑顔で、そこには安堵も含まれていた。
    彼はおそらく今日はずっと不安を抱えながら生活をしていたのだろう。

    「部屋の中が……焦げ臭いですね」

    ニャアンが眉を顰める。
    エグザベは申し訳なさそうに言う。

    「作ってもらってばっかりで申し訳ないなって思って、久しぶりに僕も料理したんだけど……」

    テーブルの上には真っ黒に焦げた卵料理のようなものがあった。
    だがお鍋の方からは良い匂いがする。
    ニャアンが鍋蓋を開けると、中身はいろんな具材が入ったスープだった。

    「西洋おでんですか、こっちは美味しそうですね」

    「ポトフだよ。これなら具材を切って煮込むだけだからね」

    自分も餃子を包んだりするのは苦手だ。
    彼にもそういう部分があると知れたのは、思わぬ収穫だった。
    何より信用している人間からの手料理ほど嬉しいものはない。

    「(まあ少尉は普段はノンデリのポンコツですけどね)」

    「少尉、ありがとうございます」

    二人はテーブルを囲み、焦げて苦い卵料理と温かいポトフを食べた。

  • 53二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 14:20:01

    根っこにあるのが嫉妬からくる不安だからお互い素直に飲み下せない
    でも信じてるぞいつか合意で獣プレイできる日が来ると

  • 54二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 17:05:01

    "「(体内にミノフスキー粒子が蓄積されている……?)」"
    もしかしてマチュ…?
    これからどうなるんだ……

  • 55二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 18:20:37



    夕食を終え、湯船に浸かりながらニャアンは考える。

    「(ちゃんと調べた。ここ数ヶ月の記録も確認した。大丈夫……きっと、おそらく)」

    ニャアンはお風呂から上がり、寝支度を整える。
    エグザベはソファに座り、タブレットで何か調べごとをしている。

    「お仕事ですか?」

    「いいや、なんとなくニュースを見てただけだよ」

    エグザベはタブレットの電源を落とす。

    「少尉、次の試験のために確認したいことがあって……手伝ってもらっていいですか?」

    ニャアンが切り出す。

    「もちろん。僕で良ければ何でもするよ」

    何でも。
    そうやって自分で自分の墓穴を掘るのが少尉のダメなところ。

  • 56二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 18:22:10

    「ではベッドに横たわってもらっていいですか」

    「もしかして患者さん役だったりする?」

    エグザベは何の疑いもなくベッドに横たわる。

    「まあ、そんなところです。両腕を挙げてもらっていいですか。真上ではなく、頭の上です」

    エグザベは言われた通りに両腕を挙げる。
    両手がベッドフレームに当たる。

    ニャアンは清潔な布を取り出すと、エグザベの両手首をベッドフレームに手早く縛り付けた。

    「えっ……?」

    エグザベは自分が置かれている状況にぽかんとした顔をしている。

    「少尉って……こういうところが抜けてますよね」

    ニャアンはエグザベの上に跨る。

    「警戒心が無さ過ぎですよ? 本当に軍の人ですか?」

    ニャアンは細く長い指をエグザベの頬や胸に沿わせる。

  • 57二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 18:23:47

    「変な悪戯はやめなさい……」

    エグザベは顔をわずかに赤らめ、諌めるような目つきでニャアンを見上げる。
    この状況ではただただ哀れなだけなのだが。

    彼が本気で拘束を解こうと思えばできるはずだ。
    それほどきつくは結んでいないはずだし、両足は自由なのだからいくらでも暴れることはできる。
    それをしないということは、同意ととっても差し支えがないだろう。

    「あっ、こらっ!」

    ニャアンは淡々とした様子で彼の上に着ていたものをたくし上げ、下に履いていたものを下ろそうとする。

    それを阻止をしようと、エグザベは両足を折り曲げニャアンの行動を邪魔しようと動かす。

    「!」

    そんなに力を入れたつもりはなかった。
    ニャアンの肩にエグザベの膝がぶつかり、彼女は声を上げる間もなくベッドに倒れ込んだ。

    「ご、ごめん……」

    そんなつもりはなかった。

  • 58二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 18:25:31

    ニャアンは突然の衝撃で状況の理解が遅れていたようだが、すぐに起き上がってじとっとした目つきでエグザベを見下ろす。

    「私がこれくらいで怯むとをお思いですか?」

    抱きしめたり頭を撫でながら釈明をしたかったが、拘束された腕ではできない。

    ニャアンがエグザベの下半身に手を伸ばす。

    「興奮してますね……こんな状況なのに、やっぱり少尉は変態です」

    「や、やめろ……」

    エグザベは顔を逸らして枕に埋めながら言う。
    少し手で刺激すると、血管が波打つのが伝わるほど硬くした。

    先端を舌先で舐めてみる。

    エグザベの吐息が聞こえる。

    まずい。

    ニャアンは渋い顔になる。

  • 59二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 18:26:52

    でもこのままだと入らない。
    ニャアンは口を開き、咥え込んだ。

    大きい。苦しい。全部入り切らない。

    「ばか! 君はなんてことを……!」

    エグザベの声を無視して、なるべくたくさん唾液を含ませながら、それをしゃぶって、ねぶる。
    エグザベの足がもぞもぞと動き、その感覚に耐えようとしているのがわかる。

    昼間に見た映像を真似ながら、ニャアンは彼のものを刺激しようとする。

    「(映像だと簡単そうだったのに……全然できない)」

    そもそも映像で見たものとは大きさから違っていた。
    ニャアンの小さい口にはそれは大きすぎた。

    けほっ。
    小さな咳をしながらニャアンはそれから離れる。
    ニャアンの唾液と、刺激と興奮で分泌された液で、ニャアンの眼前のものはいやらしく湿っている。

    「ニャアン、もういいだろ……? こんなことはやめてくれ」

    エグザベの不安げな声。
    ここまでニャアンは一度も彼の顔を見ようとしていなかった。

  • 60二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 18:28:04

    ここまですれば、なんとかなるだろうか。

    ニャアンは履いていたショーツを下ろし、いやらしく湿ったそれの上に跨った。

    「(よかった……私も湿ってる)」

    苦くて大きいものを舐めただけでこんなに興奮しているなんて、自分はつくづく単純な人間なのだと痛感し、ニャアンは恥ずかしさを隠すように自嘲してみせた。
    初めてエグザベの顔を見る。
    真っ赤になって、不安そうな顔をしている。

    「ニャアン、避妊具は……?」

    この期に及んでそんな心配なんて無意味なのに。

    「大丈夫ですよ。今日は妊娠し辛い日なので」

    「そんな都合の良い日あるわけないだろ!」

    「医療従事者は毎日検温しないといけないんです」

    「だから大体わかるんですよ。排卵日の前後が」

    ニャアンはそれを自分の中に入れようと試みる。
    やっぱりまだ痛みは感じる。

    エグザベのだめだ、いけない、といった声が聞こえるが、先ほど意図せずともニャアンを蹴飛ばしてしまったことに罪悪感があるのか、エグザベの動きはおとなしい。

    苦しい。串刺しにされてるみたい。
    呼吸が浅くなる。
    自分の中に全て受け入れるだけで、ニャアンは胸を大きく上下させた。

  • 61二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 18:29:32

    まだこれから。
    ニャアンは苦しそうな表情で、頼りない動きで腰を動かした。
    それは見ていることしかできないエグザベは、興奮よりも痛ましさを感じた。

    「(どうしてこんなことを……?)」

    ニャアンの目には涙が溜まっている。
    襲われているのは自分のはずなのに、罪悪感が込み上げてくる。

    「しょう、い……きもちい、ですか?」

    吐息混じりの質問。

    そんなことより君が苦しそうだ。

    この体制だとよく見える。
    ニャアンの細い身体のどこに、異物を受け入れる隙間があるのだろう。
    下腹部には自分のものが入っていると教えるかのように、薄い影が落とされていた。

    彼女の自傷行為のような一連の行動に悲しみが込み上げる。
    だがエグザベのそれは、小さな身体に咥え込まれ、艶かしい動きで捕食されているこの状況に興奮を覚えている。

    だめだ。だしてはいけない。我慢するんだ。

    「ニャアン……キスしたいな」

  • 62二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 18:31:07

    ニャアンはその言葉に僅かに反応すると、身体をエグザベに寄せてキスをする。

    長いキス。

    その間にエグザベは拘束を解こうとする。
    ギシギシとベッドフレームが軋む音がする。

    エグザベに身体を預けたまま、ニャアンが耳元で囁く。

    「しょういは……いやですか? わたしのなかに、だすの?」

    嫌なわけがない。
    だがそういう問題じゃないんだ。

    どこにそんな力が残っていたのか、ニャアンは腰を激しく上下させる。
    息を切らせて、長く綺麗な髪を乱し、全身をしならせて。

    視界を自分に跨って官能的に乱れる美しい人に奪われて、感覚はどんどん鋭敏になって、理性がどんどん崩れていくのを感じる。

    どうしてこの子は────

    布が破ける音がして、拘束を解くことに成功する。
    エグザベは自由になった両腕で真っ先にニャアンを抱きしめた。

    この行動は彼にとっては逆効果だった。
    愛しさが込み上げ、堰き止めていたものが決壊した。

    ニャアンは自分の中にあたたかな液体が流れ込み、混じり合うのを感じた。

  • 63二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 18:34:57

    初めてのフェのあと初めての生での初めての騎乗位により初めての中田氏か…
    卑しいニャンコだ…

  • 64二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 20:20:18

    思わず拍手しちゃった

  • 65二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 20:31:11

    つよつよニャンコだ・・・

  • 66二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:07:57

    僕が悪かったけどこれはやりすぎだよって叱る少尉
    お仕置きの輪舞が始まる…?

  • 67二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:56:44

    「ニャアンの馬鹿! もっと自分を大事にしろ!」

    エグザベはニャアンを抱きしめながら叱りつける。
    その声をぼんやり聞きながら、ニャアンは目的を果たせたことに満足して目を瞑り、疲れからそのまま眠ってしまった。

    「こら! 寝るな!」

    ニャアンの穏やかな寝顔を見ていると、だんだん彼の激情が引いてゆく。
    ため息を吐き、とりあえず彼女をベッドに寝かせ、浴槽にお湯をためる。

    その間に自分はシャワーで身体に付着した体液を洗い流す。

    「ニャアン、お風呂入るよ」

    ニャアンが起きる気配はない。

    「仕方ないか……」

  • 68二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:57:59

    眠る彼女の髪をまとめてやり、浴室へ連れていく。
    浴槽に入れて、身体を洗ってやる。

    整った顔立ちと、細い四肢に、なめらかな肌。
    呼吸をしていなければ精巧な人形と勘違いしてしまうかもしれない。

    丁寧に身体を拭いて、服を着せて、ベッドに寝かせる。
    起きたらしっかりと説教しなければ。
    先ほどの行為の余韻で、自分も頭がクラクラする。
    とりあえず今晩は寝てしまおう。

    「(アフターピルって男でも買えるのかな……?)」

  • 69二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 23:06:36



    翌朝、ニャアンは目を覚ますや否やトイレに駆け込んだ。

    ショーツの中の違和感と下腹部の痛み。
    案の定、ショーツには血の汚れがついていた。
    それは破瓜の血とは異なる、赤黒くおぞましいものだった。

    お腹が痛い。
    早く痛み止めを飲まないともっとひどくなる。

    「(妊娠し辛いタイミングだったのは本当……)」

    「(でも基礎体温も生理周期も簡単に乱れるから信用ならない)」

    「(だから可能性は0ではなかった……)」

    「(でもまさか翌朝に来るとは思わなかった……)」

    ニャアンはショーツを脱ぎ、洗面所の水道で血の汚れをこすり落とす。

    少しの間だけエグザベが不安になればいいと思った、妊娠の確率なんて低いんだから。
    そう考えてから、自分がひどいことを考えていると気付き、唇を噛み締めた。

  • 70二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 23:08:13

    「(私、無意識に命を軽視してる……)」

    自分には命を扱う資格なんてないのではないか。

    「(おこがましいのかもしれない……たくさんの命を奪った私には)」

    自分が子供を持つことも、子供を愛する姿も想像できなかった。
    でもその子供の半分が、愛する人だったら……

    ニャアンはその考えを振り払う。

    「(簡単にいのちなんて、作れるものではない……それに、相手を繋ぎ止めるためにいのちを作るなんて、生命への冒涜だ)」

    本当は自分には幸せになる資格なんてない。
    マチュやエグザベ少尉の優しさに甘えて、小さな子供のようにただひたすら目の前の幸せに飛びついているだけ。

    向き合わなければいけないことから目を逸らして、君は何も知らされずに、ただ命令通りにスイッチを押しただけだからと慰めの言葉を与えられ、誰も自分を責めてくれない。
    それどころかとても大切にしてくれるのだ。

    少尉からモノのように扱われた時、これが自分に相応しい立場なのだと思った。
    自分は彼に飽きられて捨てられるまで使い潰される、容れ物のほうがお似合いなのだ。

  • 71二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 23:09:16

    「(少尉にはきっと、私よりもっとずっと相応しい人がいる……)」

    もしも少尉がその人に心を奪われることがあったら、自分は大人しく身を引こう。

    マチュとシュウちゃんの邪魔もしたくない。

    一人で、遠いところで、慎ましく暮らして死を待とう。
    億が一でも、エグザベ少尉に報せが届かぬほどの遠いところで。

    “死”

    ニャアンは吐いた。

    洗面所の嘔吐物の中には、彼の作ってくれた食事が混じっていた。
    これが悪阻によるものじゃないことは、腹部の痛みと出血が証明している。

    「ごめんなさい……」

    ニャアンはその場に座り込む。

    作ってくれたご飯、無駄にしちゃって。
    少尉の大切な人の場所を奪ってしまって。
    少尉の大切な友達も殺してしまって、たくさん人の命を奪って。

    自分なんて、あの日故郷と一緒になくなっちゃえばよかったんだ。

  • 72二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 23:11:26

    「ニャアン、大丈夫?」

    エグザベの声。
    異変を察知したのか。

    ニャアンが入ってこないでと言う前に、扉が開いた。

    「……え? 吐いちゃったの? 血も出てる……? え……?」

    エグザベの顔がみるみる真っ青になる。

  • 73二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 23:19:37

    思考があかん方向に・・・

  • 74二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 00:00:13

    言ったら何だけどキシリア様の所の子だなぁ……
    子供の親になれない、温かい家庭を築けないって悩んじゃうの……
    キシリア様はたぶん確かにあったであろう温かい家族への憧れとかそういうものを切って捨ててしまったから……
    それはそれとしてエグザベ専用ニャンなんて囃し立ててしまってごめんよ

  • 75二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 00:04:55

    体調悪いときは変な方向に考えがいっちゃうよな…

  • 76二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 01:56:35

    「ニャアン! すぐに医務室へ行こう!」

    エグザベがニャアンを抱え上げる。
    ニャアンは慌ててそれを制止する。

    「大丈夫です! 少尉、ただの生理です!」

    「吐いてるじゃないか! 顔色も真っ青だし……どこか悪いんじゃないか!?」

    「違います! 本当に違うんです……」

    このままだと本当に医務室に連れて行かれる。
    ニャアンは必死にこれは大丈夫なものだと訴える。

    「吐いちゃったのも生理のせいです! 生理中は何もかもが不安定になっちゃうから……」

    半分嘘をついた。
    生理中じゃなくても自分は何もかも不安定だ。

    「本当?」

    エグザベの足が止まる。

    「こんなのが毎月来るの? 僕は男だからわからないけど……それって本当に大丈夫なの?」

    ニャアンは黙って頷いた。

    「軍医の先生に……相談してみます」

    エグザベはようやく納得したのか、ニャアンを解放した。

  • 77二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 01:58:23

    「洗面所……掃除してきます」

    「いいよ、僕がやるよ。ニャアンは休んでたほうが……」

    「歯を磨きたいし、シャワーも浴びたいので」

    「じゃあ先にシャワーを浴びればいい。その間に洗面所は掃除しとくから」

    「……」

    親切な人。
    どうして放っておいてくれないんだろう。

    上から吐瀉物、下から血液を出している惨めな状態の自分を見て、汚らしいと避けてくれたらよかったのに。

    ニャアンは黙って洗面所を通り、浴室に入った。
    エグザベはそれと同意と受け取ったのか、洗面所の水を流す音が聞こえる。

    自分の出したものの後始末すらできないなんて。

    「(恥ずかしい……このまま消えたい……)」

  • 78二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 08:13:25

    エグザベくんはエグザベくんで自分のせいだと思ってそう。話し合え〜
    そして仲直りイチャイチャを…

  • 79二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 11:25:33

    お風呂から上がったニャアンは、洗面所に自分の衣服がないことに気付く。
    代わりに置かれていたのはエグザベのシャツとズボンだった。

    どういうつもりなの。

    「少尉、私の制服をどこにやったんですか?」

    ドア越しに問いかける。

    「教えない」

    エグザベはドアのすぐ向こう側にいた。
    彼は声には少し呆れが含まれていた。

    「制服がないと実習に行けません」

    「休ませてもらえるように僕から伝えたよ」

    「勝手なことを……」

    「どっちにしろ無理だよ。今日はゆっくり休んで……お願いだから」

    小さな子供を諭すような、優しい声だった。

  • 80二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 11:26:51

    ずっと下着姿のままでいるわけにもいかず、ニャアンは渋々彼の衣服を手に取る。

    「(ズボン……おろしたてのやつだ)」

    軍の支給品ではなく、おそらく彼の私服だった。
    よく見ると近くにベルトが置かれている。

    洗面所の扉を開けると、すぐ近くの壁際にエグザベが立っている。
    ずっと待っていたのか。

    「洗面台の掃除……ありがとうございます」

    言いたいことはたくさんあったが、それしか言葉が出なかった。

    「僕の服でごめん。売店に行って女性用のものを買ってくるよ」

    「これでいいです」

    これがいい。

    「そう? じゃあ他に必要なものはない?」

    「今のところ……常備薬も生理用品も残ってるので大丈夫です」

  • 81二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 11:41:00

    「じゃあ僕は仕事に行くから、今日はちゃんと休んで。何かあったらすぐ連絡して」

    やだ。
    いかないで。

    反射的なものだった。

    ニャアンはエグザベに抱き付く。
    抱きしめる腕の力は弱々しかった。

    行かないでほしかった。
    無理な話なのはわかっている。
    だからそれを言葉にはしなかった。

    エグザベもニャアンを抱きしめ、頭を撫でた。

    「……ごめんね」

    何であなたが謝るの。
    こうなったのは私の自業自得なのに。

    「休憩時間になったらまた様子を見にくるから」

    ニャアンは部屋を出て行く彼の背中を見送った。

  • 82二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 12:00:39

    本当によわよわになってるニャアンを見ると胸が痛む・・・

  • 83二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 12:01:27


    出勤して早々に、シャリアがエグザベを個室に呼び出した。
    何やら連絡事項があるらしい。

    「実はマチュさんの体内からミノフスキー粒子の反応が見られました」

    「!?」

    突拍子もない話にエグザベは目を丸くする。

    「ご安心ください、少しずつ減っています」

    「マチュさんの検査結果がずっと安定しなかったのは、彼女の体内にあるミノフスキー粒子が邪魔をしていたから」

    「高額な医療機器を修理に出す羽目になったと聞いております」

    シャリアは続ける。
    マチュとずっと共に行動していたはずのシュウジにもそのような兆候はない。
    偶然だったのか、何か法則性の方なものがあるのか、とにかくデータが足りない。

    ただわかるのは……

    「薔薇を新たに作れる可能性が生まれてしまったのです」

    マチュの体内に蓄積されたミノフスキー粒子。
    ゼクノヴァを発生させ、こちら側とあちら側を行き来できた実績。
    それらは彼女の意思で行われた。

    冗談ではなかった。

  • 84二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 12:02:41

    「研究データを破棄し、全てなかったことにします。アルテイシア様からそのようにと密命を受けております」

    その言葉に、エグザベは身体が脱力するのを感じた。

    「(よかった……)」

    「マチュさんは体内からミノフスキー粒子が完全になくなるまでこちらに残っていただくことになります。マチュさんが暴れるのでニャアンさんも」

    シャリアは口角を上げる。

    「何もなかったということで、マチュさんたちは晴れて自由の身。次は進路相談というところでしょう」

    「エグザベ少尉、あなたの進路も考えましょう」

    「え?」

  • 85二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 12:04:42

    シャリアは突然真剣な眼差しになり、エグザベを見つめる。

    「エグザベ少尉、二階級特進にご興味はありますか?」

    なんて恐ろしいことを言うんだ。

    「あぁ、すいません。語弊がありましたね」
    シャリアは片方の眉を上げてみせる。

    「エグザベ少尉の今までの活躍を考えれば、もっと早く昇格していたはず」

    「それができなかったのは、私たちの立場上、動きやすい肩書きでなくてはならないからです……ですが状況が変わりました」

    「アルテイシア公女は現在のジオン公国の維持ではなく、共和政への移行を考えております」

    「反対派はもちろん、ザビ家の再興を考える勢力の台頭、さらに地球連邦にも不穏な動きがあります。この状況では水面下で動く方が危険だと考えました」

    「アルテイシア様のために、共に私の新設する部隊に来ていただけませんか?」

    「私設部隊のようなものなので今までよりずっと自由な行動が取れるはずです」

    「私のために頼れる大尉になっていただけませんか? エグザベくん」

    シャリアは右手を差し出す。
    彼の目は強い意志に満ちている。
    エグザベは迷わず彼の手を取った。

    「ありがとうございます。ちなみに医療クルーは民間協力者を自由にスカウトしてくれて構いませんよ」

    「からかわないでくださいよ……」

  • 86二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 12:09:05

    マチュが「そういう」可能性ではなかったけど、いったい何故ミノフスキー粒子が体内に…?どうなるどうなる……

  • 87二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 12:20:20

    昇進したって聞いたらますますニャアンは色々考えてしまわないか……?

  • 88二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 13:20:37



    仕事を終えたエグザベは自室に戻る。
    手には買い物袋が下げられている。
    中には食事とカイロ、ネットでおすすめされていた身体に良いお茶が入っている。

    「ただいま」

    ニャアンはベッドの隅っこで膝を曲げて身体を丸め、ぼんやりとした様子で携帯電話をいじっている。

    「休憩取れなくて、ずっと一人にしてごめん」

    「別に……大丈夫ですから」

    彼女の様子は明らかに大丈夫ではない。

    「マチュのほうが心配……一人で大丈夫だったかな」

    友達の心配をしている場合ではないのに、ニャアンはそのようなことを口走る。

    「中佐から聞いたけど、マチュさんはもう大丈夫だって」

    ニャアンがパッと顔を上げる。

    「近いうちにここから解放されるよ。君にも不便をかけたね」

  • 89二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 13:23:02

    少しだけニャアンの表情が和らいだように感じる。
    やはり友人の無事は何より嬉しいことなのだろう。

    だがすぐにニャアンは俯く。

    「不便な思いなんて……してないです」

    「私は少尉と一緒にいられて……幸せですよ」

    エグザベは胸が締め付けられる感覚がして、手に持っていた荷物をテーブルに置くとベッドに腰掛けた。

    「僕もニャアンと一緒にいられて幸せだよ」

    ニャアンは自身の膝に額を預けて、長い髪で顔を隠してしまった。

    「ニャアン、酷いことしてごめんね」

    「私もしたから……ごめんなさい」

    「君は自分を傷付けただけだよ……僕を使って」

    エグザベは丸まったニャアンを抱きしめる。
    気の利いた言葉が出てこない彼には、これが精一杯の感情表現だった。

    「もうしないって約束して」

    「……」

    「約束しないと……」

  • 90二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 13:24:20

    どうしよう。
    彼女に与える罰が思いつかない。

    「僕が悲しくなる」

    結局出てきた言葉は、ありのままの感情だった。

    ニャアンが声を絞り出す。

    「少尉は……あの時、私をどうしたかったんですか」

    あの時、酷いことをした時。

    「自分だけのものにしたかった」

    間髪入れずに出された回答に、ニャアンは固まる。

  • 91二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 13:25:27

    「君が君の大切な友達と一緒にいた時……僕は不安になった。君を取られてしまうんじゃないかって」

    「君の心は君だけのもので、完全に僕のものにすることはできない。でも肉体だったら……物理的にそうすることができる」

    「気持ち悪いよね、こんな考え……」

    軽蔑されてもいい。
    怖がられて、嫌われてしまっても仕方ないことを言っているのだから。

    それでも。

    「お願いニャアン、僕から離れないで」

    全てを失ってきた彼から出てくる、しがみつくような言葉。

  • 92二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 13:26:31

    ニャアンの瞳が潤んで光を帯びる。

    「私も……」

    ニャアンが体勢を変えて、エグザベを抱きしめ、頭を撫でる。
    いつも彼がしてくれるように、優しく、慈しむように。

    「ずっと一緒にいてくれる?」

    普段のエグザベらしくない、甘えたような言い方。
    でもその声には彼の人生の中で背負ってきたものの重みが含まれていた。

    「はい」

    「じゃあ、僕の傷を治してよ」

    「傷?」

  • 93二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 13:27:42

    「ニャアンが無事に学校卒業できたら、僕と一緒に宇宙で生きてほしい」

    「僕はこの生き方しかできないから……君が傷を治してくれるなら、きっとずっと頑張れる」

    「……絶対に死なないって約束してくれるなら」

    「君が傷を治してくれるなら、絶対に死なない」

    「わかりました。じゃあそうしましょう」

    エグザべはその言葉に安堵し、笑みをこぼした。
    二人は口付けを交わす。

  • 94二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 13:28:56

    ニャアンはエグザベの小指と自分の小指を絡めた。

    「ゆびきりげんまん、うそついたら、はりせんぼんのーます」

    「なに、その歌」

    「少尉が死んだら、ぶっ生き返らすってことです」

    次の進路希望には、救急医療の分野に進みたいと書こう。

  • 95二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 20:17:00

    エグザベ素直になれて良かった
    少尉も悩むし傷つくただの男だって知れたのはニャアンにとっても良かったと思う

  • 96二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 20:23:45

    ちゃんとお話できてほっとしたよ
    2人がすれ違うのは悲しいからなあ

  • 97二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 22:31:23

    やっとわずらわしい生理が終わった。

    ニャアンは晴れやかな顔で浴室から出る。
    夕食の準備はできている。
    少尉が帰ってきたら温めるだけ。

    「(早く帰ってこないかな)」

    生理が終わったらやることは一つしかない。
    待ち遠しくて何をするにも浮き足立ってしまう。

    「(なんだか新婚さんみたい)」

    自分で考えて、ニャアンは顔を赤らめる。

    「(まだ早い……)」

  • 98二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 22:34:36

    マチュが地球に帰れる日が決まった。
    学校があるのでニャアンも一緒に帰る手筈になっている。
    そしてシュウジも一緒に地球へ来ることになった。
    しばらくは三人で一緒に生活する予定だ。

    それまでは彼と過ごせる時間を満喫したい。

    暫しの別れとなるというのに、ニャアンの表情は晴れやかだった。
    卒業後の進路がもう決まっているからだ。

    卒業後は民間協力者としてシャリアの率いる部隊への配置が決まっていた。
    すでに学校にもそのことが通達されており、ニャアンの受ける授業カリキュラムの変更が通知されていた。

    好きじゃない勉強も、彼のためなら頑張れる。

    こんなに未来を楽しみにする日が来ると思わなかった。

    ドアが開く音がする。

    「ただいま」

    エグザベの穏やかな笑顔。
    つられてニャアンも笑う。

  • 99二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 23:11:52

    ラブラブイチャイチャな日々・・・!!

  • 100二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 05:50:06

    ハッピーだねえ……

  • 101二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 10:27:47



    「少尉、今日はお疲れですか?」

    お風呂上がりのエグザベに、ニャアンは後ろから抱きつく。
    濡れた髪がニャアンの顔にあたる。

    「元気だよ。どうしたの?」

    「生理がやっと終わったので」

    「ほしいです……少尉の」

    エグザベはニャアンの目的を察し、恥ずかしそうに顔を伏せる。

    「はい……」

    エグザベはすぐに髪を乾かし、ベッドに向かう。
    ニャアンが両手を広げて彼を迎え入れる。
    抱きしめ、エグザベの頭を撫でる。
    小さな子供扱いされているようで恥ずかしくもあったが、心地良かった。
    ここ1週間ほどは、行為ができない代わりにスキンシップが増えた。

    エグザベも彼女を抱きしめて頭を撫でるし、ニャアンもそうする。
    ニャアンから膝枕をされて、最初は恥ずかしくて落ち着かなかったのに、だんだん安心して眠ってしまいそうになったこともある。

  • 102二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 10:39:11

    キス。
    キスしながら互いを確かめ合うかのような長い愛撫。

    「ねえ、ニャアン……僕のこと少尉って呼ぶの、やめてほしい、かも」

    「それじゃあ……大尉?」

    これから昇格するのだから、少し早いが正しい階級で呼んだほうがいいということだろうか。

    「階級じゃなくて、呼び捨てで……」

    確かにそうか。
    私達は恋人同士なのだから、そうしたほうが自然のはず。

    「えぐざべ……」

    言ってみて、ニャアンは恥ずかしくなって顔を枕に埋めた。
    エグザベも少し照れくさそうに笑う。

    「僕のことそうやって呼んでくれるの、すごく嬉しい」

    「……はい、エグザベ」

    ニャアンはまだ言い慣れないのか、辿々しい言い方だった。
    照れ隠しのように、ニャアンは彼の下半身に自身の下腹部を押し付けた。

    「きて、エグザベ……」

  • 103二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 10:49:04

    行為が始まる。

    手を繋ぎながら、互いを確かめ合う。
    エグザベのものを受け入れながら、ニャアンは何度も彼の名を呼んだ。
    エグザベもそれに応えてニャアンの名前を呼び返した。

    「かわいいよ、ニャアン」

    高揚し、はあはあと息を上げているニャアンの頬にキスをする。

    「えぐざべの顔、まっか。りんごみたい」

    「君もだよ」

    エグザベが突くたびに、ニャアンは甘い声を漏らす。
    もっとほしいと言わんばかりに、ニャアンの中はきゅうきゅうと締め付けてそれを離すまいとする。

    「えぐざべ、わたしのなか、きもちいい?」

    行為中に舌ったらずになるのも、たまらなくかわいい。

    「うん。とっても」

    エグザベはぐいっと、彼のものを彼女の奥深くに押し付ける。
    ニャアンの身体が弾かれるように反れる。

  • 104二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 11:00:20

    「そこ、だめ……」

    「苦しい?」

    「くるしくないけど、だめ……」

    「なんでダメか教えてくれないと、やめられないよ」

    もう一度同じことをする。
    ニャアンは色気を帯びた声で鳴いた。

    「おかしくなるから、だめ、ほんとに、だめ」

    「なんでこれがおかしくなるの?」

    ニャアンは潤んだ目でエグザベを見上げ、節目がちになりながら言う。

    「いじわるしないで……」

    そんなことを言うのに、彼女の中はエグザベを絶対に離そうとしない。
    繋いだ手を強く握り締め、細い脚を彼に絡めながら言う。

    そんな可愛い反応をされると、やめられなくなる。

    繰り返した。

    ニャアンは何度も恍惚の声を上げ、だめ、だめと言いながらその表情は蕩け、もっとちょうだいとおねだりするように、身体を強く密着させる。

  • 105二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 11:06:36

    二人は果てて、息を切らしながらベッドに倒れ込む。

    「えぐざべは、いじわるです……」

    その顔はいつものジトっと表情ではなく、甘えたような、すがるような、母猫をさがす子猫のようだった。

    「嫌いになった?」

    君の反応がかわいくて、いじめたくなる。
    そんなことを言ったら猫パンチでもされてしまうのだろうか。

    「ばか」

    ニャアンは彼を抱きしめて、小さな声で呟く。

    「すき……」

    エグザベもニャアンを抱きしめる。

    「僕も好き、愛してる」

    この時間がずっと続けばいいと思った。

  • 106二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 11:53:40

    名前呼びに慣れてなくて全部平仮名なのかわいい

  • 107二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 11:54:12

    ふふふ・・・これが見たかった・・・!

  • 108二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 12:39:37

    甘えん坊だぁ・・・

  • 109二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 16:17:41

    お互いニャンニャンに甘くいちゃついてるの好き

  • 110二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 19:54:48

    翌日の夜。
    「えぐざべ……今夜も」

    「うん……」


    翌々日の夜
    「えぐざべ……」

    「う、うん……」

    翌三日の夜
    「……」

    「僕はともかく君の身体が心配になって来るよ……」

    無言でエグザベの服を掴み、こちらを見つめるニャアンに対し、不安げな声を漏れる。

    「だって……地球に戻ったらしばらくエグザベとお別れになるので……それまではいっぱいして……貯めておきたい、です」

    顔を真っ赤にして、おどおどと喋るニャアンにエグザベは胸を締め付けられる。

    「断れなくなっちゃうから、そういうのやめて!」
    エグザベもニャアンと同じように顔を真っ赤にし、彼女を強く抱きしめる。

    「同意ということでいいですね?」

    「あんまり負担かけないよう頑張るけど……」

    二人は夜の営みを始める。

  • 111二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 20:14:52

    三人が地球へ行く日が訪れた。
    戦艦が地球のジオンの管轄地域に降り、自宅までの道のりはエグザベが自動車で送り届けることになっていた。

    「お邪魔虫が二人もいて申し訳ないっすね〜忌憚のない意見ってやつッス」
    後部座席のマチュがエグザベとニャアンをからかう。
    助手席にはニャアンが座っている。

    「家に帰ったら私がお邪魔虫になるもん……」
    ニャアンは狼狽えた声で答える。

    「ニャアンはお邪魔虫じゃないよ……」
    マチュの隣に座っているシュウジが庇う。

    「僕は雨風が凌げるだけでどこでもいいから……二人の家に近くに小屋でも建てるよ」

    「シュウちゃん、ペットじゃないんだからそれはダメだよ……」

    「そーだよ! シュウジは今日からまた私と一緒に寝るもんね!」

    エグザベは運転しながら、三人の会話に耳を傾けている。

    「(マチュさんもシュウジくんも、元気そうでよかった)」

    それに助手席のニャアンも、いつも通りの様子だ。

    「(結局今朝もやってしまった……)」

    しばらくお別れだからというニャアンからの『お願い』を断れなかった。

    ほんの少し前までベッドで蕩けた状態になっていたニャアンを思い出し、エグザベはわずかに顔を赤くした。

  • 112二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 20:42:17

    マチュとシュウジ、そしてニャアンの三人生活は賑やかなものだった。

    ニャアンは学生の身分だったので、マチュとシュウジは積極的に家事をした。

    「今日のご飯、すごく美味しい……すごいね、マチュ」

    「ニャアン……今日の夕食は僕が作ったんだ……」

    「えっ!? そうだったの!?」

    「どーせ私は不器用ですよ」

    「マチュのご飯だっておいしいよ……!」

    「ニャアンの言う通り……僕はマチュが作ったなら炭でも好き……!」

    「慰めの言葉が余計に刺さるからやめて〜」

    三人で過ごす日々はあっという間に過ぎて、ニャアンが看護学校を卒業する日が訪れた。

  • 113二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 20:50:32

    「ニャアン! 卒業おめでとう!」

    マチュがニャアンに抱きつく。

    「おめでとう、ニャアン」

    卒業式を見に来ていたマチュとシュウジが、ニャアンに駆け寄る。

    ニャアンの目には涙が溜まっていた。
    それは卒業の喜びによるものではなかった。

    「マチュたちとお別れになるの……寂しいよ」

    ニャアンの就職先はジオン軍の、シャリアの率いる部隊の医療クルーだった。

    「そんなことで泣かないでよ! 今生の別れじゃないんだし!」

    そう発言するマチュは、すでに大粒の涙をボロボロとこぼしていた。
    マチュは卒業式の時点で、すでに涙を流していた。

    堪えきれなくなった二人は、子供のように泣きじゃくる。

    その様子を見ていたシュウジは微笑む。

    「(二人は一生の友達だと……ガンダムが言っている)」

  • 114二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:11:45

    みんな大人になっていく・・・

  • 115二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:44:50

    シュウジはいつの間にか運転免許と改造の施されたワゴン車を手に入れていて、マチュと共にニャアンをジオンの管轄区域まで送る。
    そこにはシャリアとコモリ、そしてエグザベがいた。
    マチュは久しぶりに会うシャリアとコモリに笑顔で挨拶した後、エグザベをジロリと見ながら「ニャアンのことお願いします」と珍しく敬語を言う。

    「ニャアン! 休みには地球に来てよね!」

    「うん。見送りありがと。マチュ」

    湿っぽいのはマチュとニャアンには似合わない。
    シュウジの運転するワゴン車が発進する。
    マチュは窓から身を乗り出し、手を振る。
    ニャアンも手を振る。

    「ニャアン! 頑張ってね!」

    「マチュ! シュウちゃん! またね!」

    二人の乗った車が完全に見えなくなると、ニャアンはシャリアたちに向き直って敬礼をする。
    「本日から配属となりました。ニャアン・オリベです。よろしくお願いします」

    「はい。よろしくお願いしますオリベさん」

    「オリベさん、そんなに固くならなくていいよ」

    シャリアとコモリがおどけた様子で返事する。

    「二人ともまたそうやって……!」
    エグザベは恥ずかしさ半分、もうすでにこの手のからかいは慣れたことによる呆れが半分の態度だった。

    「あはは。冗談ですよ冗談。エグザベ大尉、ニャアンさんに職場を案内してあげてください」

  • 116二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:52:41

    「ジオン国籍がないと軍属になれないからって、急遽籍を入れることになると思いませんでした」

    シャリアが艦長を務める戦艦内を案内されながら、ニャアンは呟く。

    「すまない……こんな形で籍を入れることになるなんて、不本意だったよね」

    「私があなたの籍に入ることには何の疑問も持たないんですね」

    「むしろ僕は、君が学校をちゃんと卒業するまで待ってたんだけどな」

    エグザベは屈託なく笑う。
    今更何かを躊躇する必要などないだろう。

    ニャアンは顔を赤くしながら、エグザベから目を逸らす。

  • 117二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 23:30:12

    おっ?籍入れたのか
    ・・・いつ子供出来ても大丈夫だな

  • 118二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:50:02

    「エグザベ……私はずっとさがしていたのかもしれません」

    「なにを?」

    「つかまえて」

    ニャアンが単語を発する。

    つかまえて?
    捕まえてほしい、という意味で発された言葉のイントネーションではなかった。

    ニャアンが立ち止まる。
    エグザベも立ち止まり、彼女の次に発する言葉を待つ。

    「私、ずっと……地に足がついてなくて、気付いたらどんどん坂道を転がり落ちていた」

  • 119二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:51:12

    故郷を失ってからがむしゃらに生きてきた。

    自分は追いかけてくる“死”から逃れるために走り続けていた。
    本当は道中で出会った人たちと一緒に歩きたかった。
    しかし自分は走り続けないとどんどん溺れてしまう。

    友達のために違法な賭けに参加して、友達から責められて。
    母親のように自分を大切にしてくれる人の言う通りにしたら、たくさんの命を奪ってしまった。
    挙げ句の果てに、友達のためにその“母”を撃って。

    つまり……私を生きているだけで他人に迷惑をかけてしまう人間だ。

    本当はマチュと二人で地球の家にいる時も怖かった。
    マチュは私なんかよりシュウちゃんの方が好きで大事に決まってて、世界もマチュとシュウちゃんの二人を祝福している。
    マチュとシュウちゃんの二人の物語に、私は不要だ。

    何かの間違えで混入してしまった、いらないもの。

    マチュがシュウちゃんを探しに私を置いて出て行ってしまったら、シュウちゃんが戻ってきたら、私はどこに行けばいいのか。

  • 120二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:52:54

    現実を考えると苦しくて、空想の世界に逃げた。
    でも想像力の乏しい自分には完全無欠の自分にとって都合の良い存在なんて作れなかrた。
    だから人となりを知っていて、自分に親切にしてくれた人をモデルにした。

    その人は誰にでも親切で、私だけが特別というわけではなかった。
    でもその人にとってはなんでもない親切が、私の拠り所になる程度には、私は飢えていた。

    今でもあのドッグタグは首にかけたまま。
    服で隠して、私だけにしかわからないように。

    あの頃の自分はこのドッグタグに何度もキスをしていた。
    キスをする度に冷たくて偽物だとわからされるのに。

    わからされるたびに、本物をわかりたいと思ってしまうのに。

    また転がり落ちちゃうよと、自分の理性が言う。
    だが自分はわかりたかった。わかってほしかった。わかり合いたかった。

    全てを照らす光を、私だけの灯りにしたかった。

    「もう私にはこれ以上落ちる場所がないとがむしゃらに伸ばした手を……あなたはつかまえてくれた」

  • 121二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:54:20

    人生の中のわずかな間だけでも、光に照らされる時間があればよかった。
    いつかあなたも私から離れると思っていた。

    それなのに、あなたは私の手を離さないでくれた。
    ずっとあたたかで穏やかな光に包まれていると安心できて、これが愛なのだと知った。

    「私をつかまえて、引っ張り上げてくれる人」

    「エグザベ、あなたは私のつかまえてくれる人……キャッチャーです」

    ────ライ麦畑でつかまえて。
    古典の本のタイトルがエグザベの脳裏に浮かぶ。
    学校の授業で読んだ記憶がある。

    どんな話だったかほとんど覚えていない。
    崖に面したライ麦畑で遊ぶ子供たちが遊びに夢中になって落ちそうになったら、助けてあげたいと夢想する主人公がいたのは覚えている。

    「僕だったら、子供をそんな場所で遊ばせないけどな」

  • 122二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:56:27

    エグザベの言葉に、ニャアンは微笑む。

    「エグザベ、ありがとう。私の“つかまえて”になってくれて」

    ニャアンはエグザベに触れるだけのキスをした。
    ここは戦艦内の通路だから、すぐにニャアンは距離を取る。

    「マチュ、妊娠してるんです」

    「えっ!?」

    予想外の言葉にエグザベは驚きを隠せなかった。
    ニャアンと同じ年齢のはずだから、あの子はまだ21になるかならないかではなかったか。

    「シュウちゃんが運転免許と車を手に入れたのは、きっとそのため」

    「シュウちゃんの絵……高く売れるんです。だからシュウちゃんは前よりたくさん絵を描くようになりました」

    「まだマチュは初期の初期なのに、シュウちゃん張り切ってて……お腹の子供が生まれたら体力不足で困らないようにって、生活に気を使い始めて、毎日ランニングにも行くようになったんです」

    ニャアンの表情は優しい。

    「ねえ、エグザベ……」

  • 123二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:57:56

    「もし私とあなたに子供ができたら、危ないところには行かせないようにしましょう」

    危ないところ。
    そこにはたくさんの意味が含まれていることを、エグザベは感じた。

    「あぁ、そうだね。危険なところに近づこうとしたら、ちゃんとつかまえてあげよう」

    僕たちのような人生を、子供には歩ませない。
    エグザベの覚悟を感じ取ったのか、ニャアンは満足した顔になり、再び歩き出した。

  • 124二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:59:48

    スレ主です。
    スケベ書きたいんで明日以降はスケベしか書きません。
    何卒よろしくお願い致します。

  • 125二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 02:09:31

    あったかいね……
    それはそれとして主コメ温度差でライ麦畑生える

  • 126二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 02:09:36

    >>119

    胸が痛すぎる

  • 127二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 07:58:24

    あったけえ…涙がにじむ…

  • 128二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 11:01:40

    うおおお騎乗と後ろからリベンジ、しよう!!

  • 129二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 12:58:01

    ニャアンの仕事は軍医の補助だった。
    シャリアの率いる部隊は常に前線に立っている状態で、エースパイロットであるエグザベは怪我が絶えなかった。

    エグザベが怪我をする度にニャアンは彼を甲斐甲斐しく看病する。
    それを他のクルーたちは新婚夫婦がイチャイチャしてるぞと囃し立てる。

    「エグザベ大尉は怪我をし過ぎです。看病する身にもなってください」

    仕事中のニャアンは彼のことを階級で呼ぶ。

    「これでも怪我は減ったよ? 戦闘が終われたすぐにニャアンに会えると思うとモチベーションが上がるんだ」

    「じゃあもっとモチベーション上げて無傷で帰ってきてください」

    ニャアンは彼の顔に絆創膏を貼りながら、耳元で囁く。

    「私の仕事が終わったら……どうですか?」

    「これでも怪我人のはずなんだけどな……」

    満更でもなさそうな様子でエグザベは答える。

    「その程度の傷、大尉だったらすぐ治るでしょ」

  • 130二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 12:59:57



    「いつの間にコンドームなんて手に入れたんですか」

    ニャアンはジトっとした目でコンドームを見つめる。

    「用意するだろ、当然」

    「ふーん、エグザベはえっちですね。この状況を想定してたなんて」

    「君から誘ったんだろ」

    ニャアンはジトっとした目のままエグザベに近づき、キスをする。
    「久しぶりですね、するの」

    「ずっとこうしたかったよ」
    すっかり慣れた様子のエグザベを、ニャアンは照れ隠しするようにベッドに押し倒す。

    久しぶりの行為は激しいものだった。
    戦艦内の割り当てられた部屋だと声が漏れる可能性もあり、ニャアンは迫り来る至福の感覚に、口を片手で押さええて鳴かないように耐える。
    その様子が愛しくて堪らず、そして久しぶりの行為に高揚していたエグザベは彼女の弱いところを徹底的に攻める。

    「んっ……んんんっ!」

    顔を真っ赤にして必死に声を抑える姿は嗜虐心をそそる。
    だが同時に彼女は何よりも大切な宝物で、エグザベは彼女が自分の口を塞いでいる手を退かし、キスをする。
    強く抱きしめながら、攻める。
    部屋中に甘い声が響き渡る。

    流石にこれは聞かれたかもしれないと思いながらも、今は目の前の愛しい人を感じるのに夢中で、そんなことを気にする余裕なんてなかった。

  • 131二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 13:17:24

    急なことで結婚式とかはしてないんだろうな
    でもいつかするかもなとか赤ちゃんと一緒にとかでもいいね

  • 132二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 16:44:51

    「ニャアン! お仕事どう? 順調?」

    マチュとのビデオ通話。

    「順調だよ。マチュはどう? 体調は大丈夫?」

    「ダイジョーブ! 悪阻とか今のところないし、お腹の子も順調だって」

    マチュは満面の笑みでお腹を撫でてみせる。

    「食事量が増えちゃってさあ、このままじゃ太っちゃうよ。シュウジがたくさん食べてって毎日たくさん料理を用意するの。もしかして無事に子供産まれたら私、食べられちゃうのかな」

    「それだけマチュのことが心配ってことだよ」

    そうかな、やっぱそうだよね。とマチュは笑う。

    「ニャアンはどうなの? ザベちと仲良くしてる?」

    ニャアンは照れ隠しに笑う。
    そりゃあもうしっぽり、なんて言えるほどニャアンは開き直れてなかった。

    「か〜! いつまでおぼこいねん! 新婚さんは甘いねえ!」

    マチュはずいっと、画面に顔を近づける。

    「ニャアンにも赤ちゃんできたらさ、私とシュウジの子供と仲良しになれたらいいね」

    「気が早いよ……」

    「まあニャアンは結婚式もしたいもんね。私も赤ちゃん産まれたら白いドレス着ちゃおうかな」

  • 133二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 18:58:57

    結婚式……?
    私とエグザベが神様に永遠の愛を誓うの……?

    考えたこともなかった。

    確かに入籍はしたが、それで私とエグザベに何か変化があったわけではない。
    そもそも入籍をしたのもジオン軍で働くための国籍目当てという不純なものだった。

    「……」

    ニャアンはベッドに横たわり、目を閉じる。

    「(神様は私が少尉を愛することを許してくれるの……?)」

    ニャアンは神様の存在を信じていなかった。
    もしいるなら、きっと憎んでしまっていたから。

    でもエグザベと出会えたことが神様の手によって行われたことだったら、今まで神様が私に課した困難を全て受け入れよう。

  • 134二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 19:01:55



    「ニャアンって、結婚式とかに興味ある?」

    戦艦内の共有スペースで、エグザベが何の気無しに聞く。
    共有スペースにはニャアンとエグザベしかおらず、二人は遅い昼食を一緒に摂っていた。

    ニャアンは口に含んでいた食事が気道に入りかけ、咽せた。

    「だ、大丈夫!?」

    「大丈夫……です。まさかエグザベから聞かれると思わなかったので、驚いただけで」

    「軍から一週間の慶事休暇が貰えるから、そんなに休めるならちゃんとしたほうがいいのかなって」

    「意外です……興味ないと思ってました」

    「あんまり興味はないよ、でもニャアンのドレス姿はきっと綺麗だろうし、それにちゃんとプロポーズできなかったことも申し訳ないって思ってるんだ」

    君の残りの人生に僕は責任を持たないといけないのに、とエグザベは付け加える。

  • 135二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 19:03:25

    「……神様に、永遠の愛を誓ってくれるんですか」

    ニャアンの問いに、エグザベはまっすぐとした瞳で答える。

    「誓うよ、もちろん君にも」

    「じゃあ……したいです。ちゃんと、誓いたいので……」

    ニャアンは顔を真っ赤にして声を絞り出す。

    「うん、わかった。じゃあ色々決めないとね」

    葬式以外の式ができるなんて嬉しいな。
    しかもその相手が君でよかった。
    エグザベは心の中で呟いた。

  • 136二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 19:04:56



    その日の夜。
    ニャアンは自分に猿轡を噛ませる。

    「何してるの……?」

    エグザベは困惑顔でニャアンに聞くと、ニャアンはジトっとした目になり、携帯電話を操作し始めた。

    『声が漏れないようにしてるんです』

    ニャアンからのメッセージ。

    「えぇ……? 何もそこまでしなくたって、みんな寝てるから大丈夫だよ」

    ニャアンの目はジトっとしたままだ。

    「その……すごく悪いことしてる気分になるし……」

    「むぅ……」

    ニャアンは自分の猿轡を外そうとしない。
    それどころか、手に持っていた長めのタオルをエグザベに差し出す。

    「もしかして僕も口を塞ぐ感じ?」

    ニャアンは首を横に振り、両手首を揃えて彼に差し出す。

  • 137二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 19:06:08

    「まさか……君を縛れと……?」

    「むぐ……」

    ニャアンは頷く。

    「できるわけないでしょ!」

  • 138二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 19:16:18

    このレスは削除されています

  • 139二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 19:17:11

    ソフトSM…

  • 140二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 20:12:41

    ドスケベ猫じゃん
    やったぜ

  • 141二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 20:21:45

    自分から言い出すのかよ!?
    ドスケベにゃんこ!ありがとう!

  • 142二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 22:58:47

    「むぐっ」

    「……」

    ニャアンは何も言わずに、エグザベの胸部に自分の頭を擦り付ける。

    「ニャアン、いい加減口のやつを取りなよ」

    「……むぅ」

    ニャアンは頭だけでなく、全身をエグザベに擦り付け始める。

    「嫌じゃないの? 優しくされないのは」

    わかってないですねエグザベは。
    愛されているとわかった上でやるから良いのですよ。

    猿轡をしているニャアンはそれを伝えることはできない。
    代わりにベッドに横たわり、じっとエグザベを見つめた。

    「まあ……君も昔、僕を騙してベッドに縛り付けて襲ってきたよね」

    でもエグザベ、とても興奮してたじゃないですか。

    「その目……でもあなた興奮してましたよね、とでも言いたそうだね」

  • 143二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 23:00:32

    エグザベは横たわるニャアンに覆い被さり、胸に耳を当てた。

    「心臓、ドキドキしてる」

    「むっ……」

    ニャアンはエグザベから目を逸らす。

    「僕は聖人じゃない……だから君にそういうことされると歯止めが効かなくなるよ」

    エグザベはニャアンの心臓の鼓動を聞きながら、先ほど渡されたタオルに手を伸ばす。

    自身の身体も彼女を欲して興奮している。
    彼女がそれを望むのなら、自分もしたい。

    ニャアンの両手がベッドのフレームに縛り付けられる。
    だがそれは非常に緩いもので、ニャアンの細い腕なら簡単に抜くことができそうなものだった。
    当のニャアンにそれをする意思はないのだが。

    「本当に君は、困った子」

    「君は僕をどうしたいんだ」

    エグザベがニャアンの胸部を服の上から撫でるように触れる。

  • 144二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 23:02:01

    「んっ……」

    ニャアンは身体をびくつかせ、物欲しそうな目でエグザベを見つめる。
    優しく撫でているだけで、彼女の蕾が触れてほしいと言わんばかりに芽吹く。
    それを指で軽くはじくと、ニャアンは刺激に耐えかねて身体を弓なりに逸らした。

    「本当に」

    「むぅ!」

    「君は」

    「むぐぅっ!」

    「僕をおかしくする」

    「んんんーっ!」

    服の上からいじめるだけでそんな反応をされたら、行為中の彼女はどれほど乱れるだろうか。

  • 145二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 23:03:33

    ニャアンの衣服をたくし上げると、真っ赤な蕾が突出して、震えながら胸を上下させるニャアンの身体に連動して微かに震えている。

    「かわいい……」

    思わずそんな言葉が出てきてしまう。
    ゆっくりと口に含み、ねぶるとニャアンは呻き声を上げながら両脚をもぞもぞと動かす。
    甘噛みをすると、身体が跳ね上がる。

    「なんで酷いことされてる時の方が、いい反応するの」

    彼女を揶揄う気持ちが半分と、純粋な気持ちが半分だった。
    やや乱暴に彼女の履いていたショーツを剥ぎ取り、普段そこに隠されているものに触れると、熱いものが溢れ、とろとろと滴らせていた。
    指で撫でて弄ぶと、呻き声に混じってふーふーと吐息が聞こえる。

    「昔はここに指を入れるだけで泣いて怖がって、痛がってたのにね」

    今は自分のものを受け入れて、そう簡単には離してくれない。

  • 146二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 23:05:25

    「かわいいよ、ニャアン」

    エグザベは彼女の口に巻かれていたタオルを外してやった。
    予想通り、ニャアンの咥内は唾液まみれで、はぁはぁと吐息が漏れている。

    「こういうところが、とくにかわいい」

    恥ずかしさを誤魔化しているのかな、睨んでる顔もかわいい。

    「そう言えば、私のきげんが、よくなるとわかって……」

    猿轡などではなく、エグザベはキスをして彼女の口を塞ぐ。

    「ニャアン、腕、痛くない?」

    「いたくない……」

    「そっか、よかった。それなら……」

    ニャアンが甘美な声を上げる。
    彼のものが私の中にいれられた。

    襲いかかる快楽に逃げる場所もなく、ニャアンは雌猫のように鳴き続けた。

  • 147二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 23:15:19

    声が漏れちゃうのでは・・・フフフ

  • 148二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 23:19:06

    口が押えられないから鳴き声が響いちゃうね

  • 149二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 23:32:53

    SMは互いの信頼関係が大切だよね
    今ならいろんなことを試せるね

  • 150二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 23:32:59

    「(エグザベ大尉……居住スペースの通路で聞こえてくると報告があったのです……甘えた猫ちゃんのような鳴き声が聞こえると)」

    「(適当な理由をつけてエグザベ大尉には突き当たりの部屋に引っ越してもらいましょう……)」

    「(突き当たりの部屋にセキュリティ強化のためとでも言って防音シートを貼り付けさせれば……かなり改善されるでしょう)」

  • 151二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 00:19:19

    定期的に行われるマチュとニャアンのビデオ通話。
    二人とも他愛もない会話ができるこの時間をいつも楽しみにしていた。

    「おっ、ついに結婚式やるんだー! ニャアンのドレス姿楽しみー!」

    「うん。地球でやることだけは決めてるよ。でもマチュの身体のこともあるからいつにしようか迷ってて……」

    「あー、確かに」

    マチュは自分のお腹を見る。
    現在妊娠3ヶ月を過ぎたあたり。
    まだお腹は膨らんでいないが、悪阻や身体の変化があってもおかしくはないはず。

    「なんか私、あんまりつわりとか感じない体質みたいでさー、実感ないっていうか、気を遣われる方がだるいかも」

    「でも心配しないほうが難しいよ……」

    「じゃあ私の安定期に式やって! 参列用のドレスのこともあるし、なるべく早めの方が嬉しいかな?」

    妊娠5ヶ月から7ヶ月までが安定期と呼ばれる。
    つまり2ヶ月後から6ヶ月後の間に執り行えばマチュの希望通りになるということか。

  • 152二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 00:20:30

    「本当にいいの……? シュウちゃんだって心配するはずだよ」

    「僕は構わないよ」

    画面にシュウジが映り込む。

    「見て見て、ニャアン」

    シュウジがキラキラとした白くて綺麗な布を画面に映す。

    「マチュがとても元気だから……マチュのためにマタニティ用のウエディングドレスを作るよ」

    「「えっ!?!???」」

    シュウジの言葉にマチュとニャアンは驚きの声を上げる。

    「ちょ、ちょっとシュウジ! 聞いてない聞いてない! 何それどういうこと!?」

    画面の向こうで、顔を真っ赤にしたマチュがシュウジに詰め寄っている。

    「マチュがニャアンのドレス姿を見たいように、僕もマチュのドレス姿が見たい……」

    「だからニャアンが地球で結婚式してくれるなら、その前後の日に僕たちもする。そうすればみんなで一気にお祝いできて……すごく楽しくなる」

    そういうことだからよろしくねと言って、シュウジは布を抱えて画面の外に消えた。

    「はぁ〜!? 何勝手に決めてんのよばかシュウジ! ごめんニャアン! 切るね!」

    マチュは顔を真っ赤にしてぷりぷりと怒りながらシュウジを追いかけていった。

  • 153二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 00:22:41



    「ということなので、マチュとシュウちゃんの住んでいる地域の気候がちょうど良くなる3ヶ月後あたりを目処にいかがでしょうか」

    「僕は構わないよ、多分中佐やコモリ少尉くらいしか呼ばないだろうし」

    「私もマチュとシュウちゃんしか呼びません」

    「じゃあ、気楽にいこうか」

    「そうですね。神様に愛を誓って、みんなで美味しいご飯を食べられたらそれでいいです」

  • 154二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 00:42:06

    シュウちゃんほんとヒイロ並みにお裁縫でも何でもできるな…ドレスの縫製できるのは凄すぎるぞ……

  • 155二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 07:36:43

    幸せのイベント…!

  • 156二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 09:41:50

    結婚式の準備はニャアンとマチュの二人によって着々と進められていった。

    決行日は3ヶ月半後、場所はマチュとシュウジが暮らす家からそう離れていない場所にある、集まってみんなで食事のできる広さの庭を備えた小さな教会に決定した。
    結婚式で使われることは滅多にないので、その教会の神父は2日連続の結婚式に快諾してくれたらしい。

    食事はマチュがお勧めするレストランに依頼する。
    一日目も二日目もすっごく美味しいところに頼むから楽しみにしててねとマチュは言う。

    色々マチュにやってもらっていて申し訳ないからと、庭でパーティをするための会場準備や装飾はニャアンとエグザベでやることになった。

    残す問題は一つ。
    「(私が着るドレス……どうやって探せばいいの……?)」

    エグザベは軍の正装で挑むらしいが、ニャアンはそうもいかない。
    ニャアンは戦艦勤務、当然のようにドレスショップの類には行けない。

  • 157二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 09:45:24

    軍艦が燃料補給やメンテナンスでコロニーに停泊するときに探しに行く……?
    そんな時間ある……?
    それに地球で着るんだから返却が大変になるよね……?

    「ニャアン? どうしたのそんな顔して」

    「エグザベ……」

    ニャアンはエグザベに事情を話す。

    「軍艦勤務だと常に出勤扱いだし、中佐たちに相談してお休みをもらって、マチュさんたちと合流したら?」

    軍艦勤務の場合は母港に戻った際にまとめて休暇が付与される。
    戦争中ではないとはいえ、シャリアの率いる戦艦は反アルテイシア派や地球連邦の息がかかった勢力との戦闘に明け暮れている。
    母港に戻れるのは半年に一回程度、ならばニャアンだけでも先に地球へ行って結婚式の準備をすればいいんじゃないかな、というのがエグザベの言い分だった。

    「女の人は色々やることも多いだろうしね」

    「迷惑……かけちゃいません?」

    「僕が怪我しなければ仕事も減るから、怪我しないようにする」

    この戦艦で一番怪我が絶えないのはエグザベだ。
    他の隊員をまとめ上げ、彼が先陣を切っているのだから当たり前だろう。

    「……じゃあ、エグザベの実力を信じますからね」

  • 158二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 09:59:58

    俺この次の休暇で結婚式するんだ

  • 159二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 11:57:58

    「さてエグザベ、前回は私が縛り付けられて一方的に責められたので、今日は私が責めてあげましょう」

    「君からの要望だった気がするんだけどな……」

    ニャアンはエグザベに抱きつき、そのまま二人はベッドに倒れ込む。

    口では責めてあげましょうと言った割には、ニャアンは顔を真っ赤にして、エグザベの顔すらまともに見れていない。

    「無理しなくてもいいんだよ」

    「無理なんてしてないです」

    ニャアンはエグザベにキスをして、服を脱がせ始めた。
    その手は震えている。

    「君のそういうところ、見てて不安になるよ」

    エグザベはニャアンの手を握り、頬に寄せた。

    「やりたいことを上手にできないだけです……」

    いつもエグザベから鳴かされて、ニャアンの羞恥心は限界突破していた。
    いい加減私だってエグザベをにゃんにゃん鳴かせてやりたい。

    そんな思いでニャアンはエグザベの上に着ていた服を剥ぎ取る。

  • 160二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 11:59:21

    対抗するかのようにニャアンに跨られているエグザベは腕を伸ばし、ニャアンの着ていた服を掴んでそのまま引っ張り上げた。

    「なっ、何するんですか!」

    上裸になったニャアンは腕で身体を隠しながら背中を丸める。
    だがエグザベの目線は別の一点に向けられていた。

    「ドッグタグ……今もつけてくれてるんだ」

    エグザベはニャアンの首を指差す。
    まだ彼が少尉だった頃のドッグタグ。

    普段は服の下に隠しているし、行為の前は外しているから、そういえばここに来てから見られるのは初めてだった。

    「大事な……お守りなので」

    ニャアンはドッグタグを大事そうに手に取る。
    エグザベはその様子を見て焦ったくなったのか、ベッドに脱力する。

    「もう好きにしてくれ……」

    そう発言するエグザベの表情は切なげだった。

  • 161二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 12:01:04

    「言われなくても」

    ニャアンはエグザベの身体中にキスをする。
    時々彼にキスマークをつける。

    「服で隠れないところはやめて」

    やめてと言う割には、抵抗はされない。
    ニャアンは首元にキスマークを残す。

    エグザベの身体がわずかに反応する。

    「もしかして、首、弱いんですか」

    「首が強い人類なんていないと思うけどな……」

    「誤魔化してますね」

    ニャアンは彼の耳の下から肩にかけてのライン────側頸部に舌を這わせた。
    彼の身体がゾクゾクと震えるのを感じる。

    「かわいいひと」

    ニャアンの声には妖艶な響きが含まれていた。

  • 162二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 12:02:12

    「ここが弱いなら、こっちはどうでしょうか」

    ニャアンは彼の耳にふぅ、と息を吹きかける。
    正解だった。エグザベの喉奥から吐息に混じって震えたような声が漏れる。

    そのまま耳をねぶって、咥えて、徹底的にいじめた。

    エグザベはたじろぎながらそれから逃れようとするが、ニャアンは離さなかった。

    やっと見つけた、あなたの弱点。

    ニャアンは徹底的に彼の弱い部分をいじめ抜き、エグザベの息が荒くなったのを感じると身体を起こした。
    ショーツを脱ぎ、彼を見下ろす。

    今度こそ上手にやる。

    ニャアンの身体は彼を受け入れる準備ができていた。

  • 163二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 12:04:55

    ゆっくりとそれを体内にいれていく。

    「あっ……ん……」

    息を吐きながら、ニャアンは腰を落とす。
    淫靡な表情で、腰をくねらせながらそれをする様子に、思わずエグザベは見惚れてしまった。

    それは完全に彼女の中に飲み込まれた。

    「あっ、避妊具……」

    エグザベが動揺した声を上げる。

    「今更気付いたんですか」

    もうおそいですよと、ニャアンは腰を動かす。

    「だ、だめだ……」

    だめだったら今すぐ突き飛ばせばいいのに。
    ニャアンは彼を刺激する行為をやめなかった。
    二人の呼吸が乱れていく。

    ニャアンの胸のドッグタグが揺れるたびに金属が擦れる音がする。
    甘い声に、自分のものを受け入れながら恍惚とした表情をする彼女に、エグザベはこれが現実だということを忘れそうになった。

  • 164二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 12:06:00

    疲れてしまったのか、ニャアンの動きが鈍くなる。
    肩を上下させて、髪は乱れてしまっている。

    仕方のない子だな。

    エグザベは彼女の臀部に手を置き、下から突き上げた。
    ニャアンは予想外の反撃に一際大きな鳴き声を上げた。

    何度も何度も責め上げると、耐えられなくなったニャアンはついに倒れ込み、自身の身体を彼に預けてしまう。
    それでもやめずに、彼女に教え込むように、逃れられぬように捕まえて、責め続けた。

    ひゃぁ、ぁあ、だめ、だめと甘えた声が聞こえる。
    ニャアンの腕が彼の頭に回され、意図せず胸を押しつける形になる。
    エグザベはそれを甘噛みしてみせた。

    「〜〜〜〜〜〜〜!」

    きゅぅっ、とニャアンの恥ずかしい部分が締め上げる感覚がする。
    そのままニャアンは脱力してしまう。

    「僕はまだなんだけど……」

    エグザベは腕にこめていた力を強める。

    「これ以上は、もう……」

    ニャアンは泣きそうな顔で言う。

    君が始めたことだろうに。
    ニャアンはごめんなさい、ごめんなさいと言いながら快楽の中に溺れていった。

  • 165二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 17:32:23

    う~ん健康にいい
    これはいいスケベ

  • 166二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 19:15:31

    やっぱりよわよわにゃんこ

  • 167二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 21:08:30

    上下リベンジしたけどにゃんにゃん鳴かされましたね

  • 168二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 00:50:50

    スキあらば0距離接触を狙うとは油断ならぬにゃんこ

  • 169二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 01:28:33

    あっという間に3ヶ月が経った。
    予定通りニャアンはエグザベより少し早い休暇を貰い、地球にやってきた。

    「ニャアン! 久しぶり!」

    マチュが満面の笑みでニャアンを迎える。
    マチュのお腹は丸みを帯びていた。

    「マチュ、体調はどう?」

    「聞かれると思ってた。めっちゃ元気だよ」

    マチュは自分のお腹を撫でた。
    その表情は慈愛に満ちていた。

    「マチュの赤ちゃんは、きっと幸せだよ。マチュがお母さんだもん」

    「なにそれ」

    マチュはいつもの屈託のない笑顔になる。

    明日はあらかじめ調べておいたドレスが買える場所をめぐる予定だ。
    自分一人で行く予定だが、マチュのことだから絶対に同行してくるだろう。
    ニャアンは少ない手荷物を鞄から取り出しながら考える。

    そんな中、マチュの携帯に着信が入る。

    「はい、イトウです」

  • 170二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 01:29:35

    携帯電話に耳を当てているマチュは、困惑した表情になる。

    「え? そうですか……マジか……」

    通話が終わったのか、マチュは携帯電話の電源を落とす。

    「どうしたの?」

    「教会……改修工事が入ってたみたいで、二日目の使用を別日に変えられないかって……」

    そんなハプニングがあるのか。
    マチュはため息を吐き、続ける。

    「ヒゲマンたちの仕事の兼ね合いもあるし、私とシュウジはいつでも大丈夫だから、今回はニャアンだけでやっちゃう?」

    「それはダメ、私はマチュのこともお祝いしたい。シュウちゃんだってお裁縫頑張ってるんだし」

  • 171二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 01:30:57

    二人は代替案を考える。
    導き出された解決策は……

    「もうさぁ……朝から晩まで祝っちゃわない?」

    話し合った末、昼にマチュ、夜にニャアンがメインで式を挙げることになった。
    二人は大慌てでエグザベやシャリアに予定変更の連絡を入れる。

    「それはまた面白いですね。私は何も困らないので構いませんよ」

    電話越しのシャリアは笑いながら答える。

  • 172二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 01:38:36

    「まさか一日のうちに全部やることになるなんてね」

    休暇を貰ったエグザベは、教会の庭で設営をしながら言う。

    「緊張するので、助かりました」

    飾り付けをしながらニャアンが答える。
    仮にも本日の主役だと言うのに、二人は至っていつも通りの様子で教会の庭を動き回る。

    「ニャアンは体力温存した方がいいんじゃない? 残りは僕がやるから」

    「私は昨日までやることがないからいっぱい休んでました」

    働き詰めのあなたの方が心配ですよ、とニャアンは付け加える。

  • 173二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 01:39:46


    昼。
    キラキラとしたチュール生地で作られた、ふわふわのドレスを着たマチュは、小さな身体も相まってさながら妖精のようで、とてもかわいらしかった。
    頭にはドレスと同じ生地で作られた花飾りとショートヴェールがつけられていた。
    全てシュウジの手作りだった。

    神父からの「生涯を共に歩むことを誓いますか」という問いにマチュは「誓います!」と元気に答える。

    あまりにも無邪気な様子に、思わず会衆席からは笑いが溢れる。

    二人は誓いのキスをして、式は庭でのお祝いに移行した。

    「夜もあるんだから、みんな体力温存してね!」

    マチュは白いドレス姿のまま、シャンパンの栓を抜いて泡を吹き出させる。

    「ちょっと! 危ないでしょ!」

    シュウジくんがせっかく作ってくれたドレスが汚れちゃったらどうするのと、コモリはマチュに注意するが、その顔は楽しくて仕方がない様子なのが隠しきれてなかった。

    「マチュはジュースだよ」

    シュウジは甲斐甲斐しくマチュの世話をする。

    ワイワイと昼間のパーティは和やかに進められた。

  • 174二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 01:41:29



    夜。
    ニャアンは悩んだ末にエンパイアラインのドレスを選んだ。
    既製品のドレスだったが、マチュとシュウジと三人で裾に小さな飾りをつけた。
    せっかく綺麗な髪をしているのだからと、ヘアセットは最小限でヴェールを被った姿はさながら月の女神様のようだった。
    礼装姿のエグザベと並ぶと、同じ教会の聖堂なのに昼の賑やかでゆるりとした雰囲気とは打って変わって、厳かな雰囲気に包まれる。

    あなたは病める時も健やかなる時も愛し、敬い。生涯を共に歩むことを誓いますか。

    神父からの問いかけにエグザベは迷いなく「誓います」と答える。
    同じ質問に、ニャアンは真剣な眼差しで答える。

    「誓います」

    エグザベはニャアンを引き寄せ、キスをした。

    「!?」

    恥ずかしいから自分達はやらない予定だった。

    「ごめん……ニャアンがあまりにも綺麗だったから」

    耳元で囁かれる。
    庭でのパーティはみんな昼間にはしゃいで疲れているだろうからと、ゆったりとした雰囲気のものだった。
    テーブルにはキャンドルが灯され、温かな食事が用意された。

    「こういうのもロマンチックでいいじゃん」

    コモリはキャンドルの火が揺れているのを見ながら呟いた。

  • 175二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 01:48:54

    結婚式という名のパーティはつつがなく終了し、それぞれが帰路についた。
    エグザベとニャアンは教会の近くで宿をとっていた。

    「ニャアンは先に休んでなよ。僕は荷物の整理しちゃうから」

    エグザベが背を向けて荷物の整理をしている間、ニャアンは着ていた衣服を脱ぎ、先ほど着ていた白いドレスに再び身を包み、鏡の前に立った。

    「どうしたの?」

    「緊張してて、自分がどういう姿をしてたかちゃんと見れてなかったので……今見ておこうと思って」

    ニャアンが後ろ姿を見ようと身体を回すと、ひらりとドレスの裾が揺れる。

    「綺麗だね」

    「ありがとうございます」

    ニャアンはエグザベに近付く。

    「レンタルではないので……この服、汚しても洗えば大丈夫なんです」

    高い買い物ではあったが、ブランドものでもオーダーメイドでもないドレスだ。
    軍で働き続けていてお金を使う暇がないニャアンであれば、一生に一度だからと腹を括って、苦い顔をしながら購入できる程度の価格のドレスだった。
    ドレス以外にかかったお金は全てエグザベが出していたので、せめて自分のドレスくらいは自分で用意したかったし、どんなドレスを着るかは秘密にしてエグザベをびっくりさせたかった。

    「それって……」

    どういうことと言い終える前に、ニャアンはエグザベを抱きしめ、キスする。

    「いまからしませんか、この格好で」

  • 176二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 01:56:59

    「そ、それは、その……本気なの?」

    エグザベはゴニョゴニョと口籠る。

    「エグザベといっぱいしたのに、今日はヴァージンロードを歩いたんですよ。ならこういうこともしたくなってしまうじゃないですか」

    ニャアンは挑発するようにエグザベにもたれかかる。

    「その格好は、さっきまでとのギャップで……」

    「背徳感がする?」

    エグザベは顔を赤くしながら頷く。

    「この機会を逃したら、もう二度とないですよ」

    エグザベは葛藤した様子で、震える手でニャアンの肩を掴む。

    「いいの?」

    「ん」

    ニャアンはエグザベにキスをする。
    それを合図に、二人の堕落した契りが始まった。

  • 177二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 02:12:07

    女神様のように美しい花嫁をおかす。

    エグザベは興奮と後ろめたさで脳がごちゃ混ぜになり、だが己の欲望には逆らえず、ひたすらニャアンと深い口付けを交わし、彼女の細い腰を自身に引き寄せて離さない。

    ニャアンは恥じらいながらもドレスの裾をたくし上げて、一言だけ「きて」と言う。

    いやらしい。
    白い布を隔てた先にあるものは、火照りきってひどく潤っている。
    さっきまでのニャアンと本当に同じ人間なのだろうかと疑うほどの落差だった。

    これを拒める人間などいない。

    エグザベは自身のアイデンティティが崩壊しているのを突きつけられる。
    普段の彼からは想像できない、理性も良識もかなぐり捨て、ただの雄として、飢えた獣のように彼女を貪った。

    避妊する間も惜しんで、彼女の中を感じたかった。

  • 178二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 02:25:21

    エグザベはわるいひと、こんなに激しくして、私が壊れちゃったらどうするつもりですか。

    喘ぎ声混じりにニャアンが言う。
    壊したくない。でも止められない。

    普段の彼ならば大切な宝物のように彼女を扱うのに。
    それができぬほどの衝動だった。

    好きだ、愛してる、許してくれ。

    そのようなことをエグザベは口走る。
    ニャアンはそんな彼に腕を伸ばす。

    ニャアンの胸の中で、そのぬくもりにエグザベは安堵を感じた。
    だがそれでも息は荒く、動きは激しくなる。

    ニャアンは堪えられなくなったのか、エグザベの背中に爪を立てる。
    彼の背中からじわりと血が滲む。

    喉が枯れるほどの喘ぎ声に混じって、ニャアンは「あげない」と言った。
    それは彼女自身の喘ぎ声にかき消されてエグザベの耳には届かなかった。

    だれにもあげない。
    わたしがこのひとのものであるように、このひともわたしのもの。
    ぜったいにはなさない。

  • 179二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 02:33:55

    二人は果てた。

    ニャアンは身体をわずかに痙攣させて、胸を大きく上下させている。

    彼女の赤い場所からは、白濁とした液体がどろりとこぼれ落ちる。

    ああ、だめ。逃げちゃだめ。

    ニャアンはすぐに開かれていた足を閉じて、身体を丸めた。
    まるで体内に擦り込むように、内腿を擦り合わせる。
    中に出されたものを、一滴だってこぼしたくなかった。
    これはもう私のものなのだから。

    エグザベはそんな様子を不思議に思いながらも、ニャアンを強く抱きしめた。

    「ごめん」

    「なんで謝るんですか」

  • 180二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 02:36:43

    「壊しそうになった」

    「壊れてないですよ」

    「本当に?」

    「エグザベ、あなたは壊れてませんか?」

    「壊れた……君のせいだ」

    「じゃあ責任を取らないとですね」

    お腹の中が熱い。
    きっと私の中で、あなたのものが泳いでる。

    ねえお願い、私の一番奥に辿り着いてみせて。

  • 181二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 02:39:24

    スレ主です。
    書きたいスケベがまだあったので明日の夕方以降に新スレ建てます。
    建てたらこちらで報告します。

    フフフ……セクノヴァ!

  • 182二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 06:32:07

    ニャアンに似合うドレスはマーメイドかエンパイアかなーマーメイドだと大人っぽくなりすぎるからエンパイアの方がいいかなーって思ってたらマーメイドじゃ絶対にできないドスケベか出てきた……

  • 183二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 06:49:21

    ドレスでとは予想外のスケベだった…
    子猫ができちゃいます

  • 184二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 07:21:52

    この世界にはセクノヴァが多発する…!

  • 185二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 16:30:42

    スレ主です


    次スレ立てました

    卑しか雌猫のドスケベを書きます

    こちらは埋めてくれると助かります

    よろしくお願いします


    https://bbs.animanch.com/board/5591755/?res=2

  • 186二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 17:33:54

    >>185

    おつです


    ラブフォーエバー!

  • 187二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 21:20:19

    時々シリアスになるの心臓に悪いぜ

  • 188二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 21:29:28

    幸せになれ・・・!

  • 189二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 22:03:25

    たくさんイチャイチャチュッチュしてくれ

  • 190二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 23:42:56

    幸せなエグニャアが見たい

  • 191二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 00:04:18

    やはりスケベ・・・スケベは世界を救う・・・

  • 192二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 00:35:24

    フフフ・・・セクノヴァ!

  • 193二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 00:50:55

    エグニャアやっぱ好きだ

  • 194二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 06:59:00

    2人のイチャイチャを見てると元気でる

  • 195二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 07:32:30

    うめ

  • 196二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 16:18:33

    こことペナキススレは定期的に1から読み返してしまう

  • 197二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 17:00:43

    ここと罰ノヴァしそうなスレでエグニャアに目覚めました。
    ありがとうございます。

  • 198二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 17:40:49

    >>197

    おまおれ

  • 199二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 21:23:15

    >>197

    いいよね・・・

  • 200二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 21:36:13

    200ならハッピースケベ!

オススメ

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