- 1◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 21:02:18
《WARNING》
このスレはxaazwm17IRZas様の
バトロワするからオリキャラ募集します|あにまん掲示板あにまん学園(仮)の1クラスがデスゲームに巻き込まれてしまった…という体でデスゲーム小説書くのでオリキャラ募集しますデスゲームの内容としては「バトル・ロワイヤル」の予定(要相談)学園の規模とか異能の有…bbs.animanch.com上記スレをリスペクトしたバトロワスレです。
(本作の舞台となる世界はxaazwm17IRZas様のスレと世界観を共有していません。)
◾️アニーマーン魔法魔術学校に通う生徒たちがデスゲームに巻き込まれてしまった、という体でデスゲーム小説を書くのでオリキャラを募集します。
◾️デスゲームの内容はバトルロワイヤル。
人数は4つの寮からそれぞれ6名ずつ、合計24名が定員とさせていただきます。
◾️上記スレをご存知の方ならお分かりかと思いますが、皆様からいただいたオリキャラはダイスの出目とストーリーの都合次第で簡単に死ぬ可能性があります。ご了承ください。
◾️不定期更新。また、原作から一部仕様が変わっている部分がございます。
- 2二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:03:31
このレスは削除されています
- 3二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:04:00
キタ━(゚∀゚)━!!
- 4◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 21:04:03
《作中世界観について》
◾️本作のテーマはハリー・ポッターライクの学園モノです。登場人物は基本的に「アニーマーン魔法魔術学校」の学生であり、魔法を使います。
◾️魔法生物、杖、禁じられた呪文のようなお馴染みの概念は本作にも登場する可能性がありますが、必ずしも既存のそれと同じ意味であるとは限りません。皆様からいただいたキャラシートを拝見した上で、設定を擦り合わせてゆきます。
◾️あくまでハリーポッターライクな世界観はベースであり、キャラ作成の参考にしていただければと考えております。
(つまり、JKローリング氏のハリー・ポッターを知らなくても参加するには全く問題ございません。) - 5二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:04:06
クワクワ
- 6二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:04:12
おつおつ
- 7二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:05:49
ハリポタライクなら現代世界に魔法学校が秘匿された状態で存在するってことかな?
- 8二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:06:21
ハリーポッターよく分からない……普通の能力バトルスレのノリで出しちゃダメなことは分かる
- 9二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:07:13
何が始まるんです?
- 10◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 21:07:28
◾️本編に先立ちまして、皆さまと幾つかの基本的な設定を共有させていただきます。勿論何事にも例外は存在しますので、これらの設定も絶対のものではありません。キャラクターを投げる上での目安程度に考えていただければと思います。
【魔法使い】
魔法を使う魔法族(ウィザード)。
非魔法族(マグル)と外見的にはさほど変わらないが、最大の差異として体内に魔力を持つ。
【杖】
魔力を帯びた木の枝になんらかの芯を入れ、形を整えたもの。
魔法使いの半身と言ってもよく、彼らが魔法を使う際に必須のマジックアイテムである。
【魔法】
呪文を唱えることで発火や飛行などの超常現象を引き起こす超能力のようなもの。
所謂固有魔法とは違い、基本的に魔法使いであれば誰でも使える可能性を秘めた体系的な学問である。
ただし魔法使い各自に得意/不得意な魔法は存在する。 - 11二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:07:39
- 12◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 21:09:35
暖かいお言葉をありがとうございます。
それでは早速キャラ募集…と行きたいところなのですが、皆さまにキャラを熟考していただけるよう先んじて【序文】をご用意させていただきました。
ぜひとも、投下するキャラを考えながらご覧ください。 - 13二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:10:12
このレスは削除されています
- 14二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:11:03
既存のバトロワスレとはちょっと勝手が違うっぽいからキャラシも練り直さなきゃな
- 15◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 21:11:19
【序文・新入生各位へ】
霧深き森の奥深く、かつて「妖精郷」と呼ばれた未踏の地に、一つの古城がある。
その城を誰が築いたのか、また、いつからそこに佇んでいるのか――誰も知らない。悠久に近い時の流れの中で歴史は失われ、いまやただ古びた城の亡骸だけが、沈黙の中に横たわっている。
だが、やがてその忘れられた城に、人ならぬ者たちが集いはじめた。彼らは常に社会の異端者であり、生まれながらにして特殊な力を宿した者たちであった。
彼らこそ、我ら魔法族の始祖にほかならない。
アニーマーン城と名付けられたその古城は、やがて魔法使いたちの社会の根幹――すなわち学び舎としての役割を担うようになり、今日では我らが誇るかけがえのない故郷となった。
諸君、あらためて入学おめでとう。
アニーマーン魔法魔術学校は、最大限の敬意をもって諸君を迎え入れる。 - 16◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 21:14:07
【序文2・入寮手続きについて】
新入生諸君、アニーマーン魔法魔術学校へようこそ!
本日は入学式に先立ち、学園生活において最も重要な事柄を伝えよう。その内容とは――ずばり、入学初日に行われる「組分け」の儀式だ。諸君らがどの寮に所属するかを決めるこの儀式は、今後七年の運命を大きく左右する。
我が校には以下の四つの寮が存在し、それぞれに異なる気風と象徴がある。 - 17◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 21:15:08
《デュランダル寮》💛
シンボルは黄金の剣を掲げる騎士。
勇気と正義を重んじる、主人公気質の寮風。
《ファフニール寮》❤️
シンボルは炎を吹く真紅の東洋龍。
暴力と無秩序を重んじる、実力主義の寮風。
《ディオメデス寮》🧡
シンボルは朱色の槍を咥えた魔犬。
努力と友情を重んじる、団結力の高い寮風。
《ミネルヴァ寮》💚
シンボルは翼を広げた緑の大梟。
知恵と伝統を重んじる、賢く歴史ある寮風。
もっとも、吾輩には詳しくは分からぬが――どうやら四つの寮から、それぞれ最も相応しい六名が選ばれ、恐るべき“バトルロワイヤル”に臨むらしい……。
いずれにせよ、組分けは軽々しく考えるべきではない。諸君の未来を定める重大な決断となるのだからな。
当日までに己を見つめ直し、心を決めておくことだ!
……フハハハハハ!! - 18二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:16:56
このレスは削除されています
- 19二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:18:36
4×6=24人…ってコト?
- 20◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 21:19:52
◾️上記の世界観を初期設定として生やさせていただきます。キャラシ作成に際して、皆さまには各々のキャラクターの所属をデュランダル/ファフニール/ディオメデス/ミネルヴァの4寮から選んでいただきたいのです。
少しだけ時間を置いてキャラ募集を開始させていただきます。 - 21二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:19:57
チーム戦…って訳でもない感じ?
同じ寮でも敵同士? - 22二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:20:18
キャラシートテンプレートなどありますか
- 23二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:20:22
- 24二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:20:26
一人何枚までとかある感じ?
- 25二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:21:09
固有魔法的なやつは無しで、世界観の属性魔法に則る感じ?
- 26二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:21:23
このレスは削除されています
- 27二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:21:29
質問です。ぶっちゃけどこまで設定を盛っていいですか?
- 28二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:21:43
キャラシちょーだい☆
- 29二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:22:29
流石にその辺の生徒が息絶えよ持ってたら不味いよなぁ……
- 30◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 21:22:32
◾️メタ的なことを申しますと、寮の概念は私の脚本力不足から生えたものです。
元ネタとなるホグワーツ魔法魔術学校は7年制の学校であるため、学年やクラスで生徒たちの繋がりを見出すことができず、代替として寮のシステムを生やさせていただきました。
- 31二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:23:12
なるほどそういう経緯ね
- 32二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:24:27
参加者は全員バトロワを了承してる感じかね
序文を読むに - 33二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:24:55
入学年齢は何歳から?
- 34二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:25:14
時代は現代で~よさそう?
- 35◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 21:25:56
- 36二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:26:00
ハリポタあんま知らないけど、主的にはどこまで原作とブレてても許してくれる?
- 37二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:27:24
- 38◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 21:31:10
- 39二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:32:27
だいたい高校までか 結構みんな幼いのね
- 40二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:33:40
一撃即死みたいな無法でなければオリジナル魔法持ってきてもok?正直元ネタ結構うろ覚えで…
- 41二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:34:42
バトロワのエリアってどんな感じ?
- 42二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:36:06
あんまり質問攻めにしたらスレ主困っちゃうよ
- 43二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:36:21
でも色々気になるのだ……
- 44二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:36:42
キャラシート作成に関して制約が多いっぽいしなぁ
- 45二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:36:56
一先ずライブ感でもいいんじゃないですかね!
- 46◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 21:37:27
- 47二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:37:53
とりあえず出してから詳細な部分考えてみる?募集いつまでか分からないけど……
- 48二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:42:08
質問タイムを設けるにしても一旦主のテンプレを見てみたい感はある
- 49◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 21:43:02
それでは、皆さまお待たせいたしました。
いよいよキャラクター募集をさせていただきます。以下のテンプレートを参考にキャラクターを作っていただければと考えております。
《名前》
《性別》
《外見》
《性格》
《学年》1〜7年生
《所属寮》(デュランダル/ファフニール/ディオメデス/ミネルヴァから選んでください)
《趣味》
《好きなもの》
《嫌いなもの》
《得意科目・魔法・特技》
《詳細》
《備考》
また、先にお詫びさせていただきますが、指定したテンプレートから大きく逸れたもの等については採用できない場合がございます。いただいたキャラクターを全て採用できないのは心苦しいですが、どうかご了承ください。
募集期間はこのレスから30分間。
その後、各寮ごとに6名ずつの代表選手をダイスで選出させていただきます。(もしも時間内に集まった人数が4×6=24名に満たない場合、期間を延長します。) - 50二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:48:48
《名前》アリス・ライトニング
《性別》女
《外見》長い青髪を三つ編みにした、ギザ歯の勝ち気で活発な雰囲気の少女。
ゴーグルを額に装着し、首から下を覆う青色のボディスーツの上にツールベルトやツールベストを着用している。
《性格》大のイタズラ好きで派手好き。しかしイタズラの域を超えた悪さは決してせず、むしろそうした非道は「ダサい行い」であると認識し、毅然として立ち向かう正義感も併せ持つ。
イタズラには構ってもらいたいが故の部分もあり、寂しがり屋でもある。
「カッコいい!」と感じた相手にはとても素直。
《学年》2年生
《所属寮》デュランダル
《趣味》発明、イタズラ
《好きなもの》カッコいい事、カッコいい人
《嫌いなもの》ダサい事、ダサい奴
《得意科目・魔法・特技》
周囲の大気に含まれるマナ、あるいは体内の魔力を青く輝く電光に変換し、放出する雷魔法。
その変換効率は凄まじく、自分に向けられた実体の無いある程度の魔力攻撃であれば瞬時に電気に変換、無効化して自分の魔力にしてしまうほど。
戦闘ではこの雷を使った遠距離攻撃を主体とするほか、電磁バリアによる防御、体内の電気をオーバーロードさせて身体能力を底上げた状態での接近戦も熟す。
必殺技は発明品と魔法を組み合わせた電磁砲(レールガン)。
《詳細》
学園一の問題児。ウィザードの血筋ではなく、マグルであったが、魔力を電気に変換する特異体質と才能を見出されて入学した。
一般の生まれゆえに機械に対して拒否感がなく、よく発明と称して外から持ち込んだ機械を魔法で改造していたりする。
《備考》
座学を真面目に受けず、抜け出してイタズラを仕掛けては風紀委員的ポジションに追いかけられている光景が学園の日常となっている。 - 51二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:49:02
- 52二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:49:44
《名前》マルコ・ヴァレンテ
《性別》男
《外見》黒髪で小柄。
《性格》どんくさいが調査と準備を怠らない努力家。
《学年》4年生
《所属寮》ミネルヴァ
《趣味》情報収集、遺伝子改良
《好きなもの》蟲
《嫌いなもの》強い光、潔癖な人間
《得意科目・魔法・特技》自力で複雑な魔法を構築できないため、独自に品種改良し殺傷能力を底上げした虫の大群に魔力信号を送って操作する。生命力が強く、士気減衰効果が高いためゴキブリを多用する。魔力消費が極めて小さい為、とにかく継戦能力が高い。
《詳細》魔力量は少ないが、虫の生命力と持久戦術で戦果を上げる異能者。忌避されがちだが戦術的価値は大きい。
《備考》24mプール級の培養槽を所有している。 - 53二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:50:27
《名前》ヴァルキュリア・フォン・シュタウフェンベルク(人前ではエイル・シュタウフェンベルク)
《性別》女
《外見》波のように揺蕩う銀髪ロング、スレンダーだけど長身
《性格》厳しく真面目な性格。
個人の正義よりは全体の秩序を重んじる。ただ、ルールに則るなら多少のグレーは許してくれる。
《学年》1〜7年生
《所属寮》ミネルヴァ
《趣味》魔法の練習
《好きなもの》秩序
《嫌いなもの》自分の名前、無秩序
《得意科目・魔法・特技》魔法は一通り熟すが、羽根を生み出す魔法が得意。簡易的なベッドやクッションを杖の一振りで作れる。
《詳細》魔法使いの両親の下に生まれ厳しく育てられた。そのおかげが魔力もそれなりに高く習熟度も同期の中では高い方。ペットはシロフクロウのシグルド。
《備考》ヴァルキュリアという名前は立派な女性となるようにと願いが込められてるが本人的にはいい気持ちはしないので人前では仮の名前のエイルで通す。 - 54二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:50:50
《名前》ローウェン・エリス
《性別》男
《外見》金髪碧眼、紫のフードに身を包んだショタ
常に嘲笑うような笑顔でギザ歯、ニヤニヤして棒付きキャンディをよく舐めてる
《性格》人をからかったり怖がらせたりするのが大好き、恐怖に歪んだ人間の顔を何より好む
人を舐めてる
少年系の若い口調、言葉を繰り返すのが口癖
「ね、ビックリした?ビックリした?スリラー、スリラー!」
《学年》3年生
《所属寮》ファフニール
《趣味》イタズラ
《好きなもの》イタズラ、恐怖の表情
《嫌いなもの》納豆
《得意科目・魔法・特技》変身術
魔法:【スリラー】
《詳細》周囲を暗闇にし、怪物の幻覚を召喚する能力
怪物はその人間の心理がもっとも恐れる存在の見た目として出力される
幻覚はどれも真に迫っていて文字通り死ぬほど恐ろしいが、幻覚であるため物理的なダメージは0
能力を使って通りすがりの人間を怖がらせては笑っている
《備考》実は意外と責められるのに弱い、割とちょろい - 55二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:51:01
《名前》レオ・ハーグリーヴス
《性別》男
《外見》赤茶の短髪、精悍な顔立ち。制服を崩して着る傾向がある。
《性格》短期で粗暴だが、どこか冷めている。
《学年》5年生
《所属寮》デュランダル
《趣味》スポーツ全般
《好きなもの》熱い食事
《嫌いなもの》閉所、家族
《得意科目・魔法・特技》爆炎を発生させる魔法。消費した魔力の残り滓に再度術式を通して点火することで、短期間に超高密度の焔の嵐を形成する。周囲の魔力全てを焼き尽くすまでとまらない。発動の触媒にライターを用いる。
《詳細》炎魔法の扱いは天才的だが、制御不能の危険性を常に孕む。停学スレスレの暴走を繰り返す。
《備考》優秀な兄たちに劣等感を持っている。 - 56二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:51:18
- 57二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:51:45
- 58二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:51:51
- 59二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:53:19
《名前》アリス・A・チェシャー
《性別》女性
《外見》身長148cm。黒髪ボブヘア。赤眼。服装は黒を基調にしたゴシックロリータ風のドレスとケープを着用。靴は編み上げブーツ。
《性格》物静かに見えるが、その実、常識に囚われず、奔放かつ熱狂的な性格。ものすごく興味が無い分野のこと以外はほとんど人並みにこなせる秀才。興味が出なければ察しようともしないが。
《学年》6年生
《所属寮》ミネルヴァ
《趣味》推理小説鑑賞
《好きなもの》謎、甘すぎないチョコクッキー
《嫌いなもの》非論理的な言動や身勝手な思考(アンタも大概だろうとよく言われる)
《得意科目・魔法・特技》探偵特権
《詳細》アリスが持つ強烈な探偵像を世界へと押し付け、彼女の行動に対して「探偵であるのだから不思議なことではない」と騙す魔法。どんなに異常な行動や推理があっても最終的には、彼女が真犯人(人でないモノも対象になるが)に対して推理を突きつけることになる。ただし世界法則に反するように改変することはできない。またアリスが興味を持たない事象には、能力が発動しない。弱点は対話しようともしない一方的な暴力。
《備考》彼女の興味は、ただ目の前に起こる混沌とした事象を、いかにして自分の手で面白可笑しく解決するか、その一点しか存在していない。自称「反解決探偵」。ちなみに一人称は「僕」。 - 60二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:53:49
《名前》イザベル・クローヴァー
《性別》女
《外見》銀髪、青白い肌、常に無表情。黒いローブを纏う。
《性格》冷徹で合理的。感情的なやり取りを嫌う。
《学年》6年生
《所属寮》ファフニール
《趣味》廃墟巡り、古書収集
《好きなもの》曇天、静寂
《嫌いなもの》清浄魔法、健康的な人間、新品の白衣
《得意科目・魔法・特技》死霊魔術の一種。死、病気、不浄、怪我などにまつわる物体から「穢れ」を抽出し、物質化して操る。「穢れ」は濁った黒色で、油のような光沢のある粘つく液体。攻撃や防御、足場に使える他、触れているだけで肉体と精神が徐々に鈍磨していく毒性を持つ。
《詳細》危険視される魔術の使い手。戦闘では汚染を広げる脅威。
《備考》幼少期は病弱で、長期入院経験を持つ。 - 61二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:54:16
《名前》メイヴ・エイルウィン
《性別》女性
《外見》茶褐色のローブを身に纏った、緑色のロングヘアと瞳を持つ少女。
《性格》常にのほほんとした不思議ちゃん。気遣いの天才。
《学年》1年生
《所属寮》ミネルヴァ
《趣味》花冠や香水など草花を素材にしたグッズを作ってプレゼント
《好きなもの》自然、草花、甘いお菓子
《嫌いなもの》自然を穢す者
《得意科目・魔法・特技》
ドルイド僧に伝わる樹木を司る魔術を操る。
蔦で相手を拘束したりイチイの猛毒を与える、
樹木を急成長させて巨大な樹海を一瞬のうちに作り上げて大質量攻撃、
巨大な木人形ロボ(ウィッカーマン)を作り出して戦わせる、
などの攻撃を行う。
《詳細》アイルランドからやって来た留学生。
生まれながらにして魔術と関わって来たため、その技量と順応性は幼くして学園でもトップクラス。
《備考》殺し合いに関しては掛かる火の粉は振り払うタイプ。現代でも生き延びるドルイドなので荒事にも強い。 - 62二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:54:26
- 63二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:54:47
- 64二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:55:26
- 65二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:55:35
《名前》ジョアンナ・ロール
《性別》女
《外見》地毛の金髪と黒目、183cmの高身長
黒を基調とした魔法使い服、赤いハートのペンダント、赤いハートのイヤリング
銀色の杖がお気に入り
きょにゅー
《性格》普段は面倒見のいい一般人
過激なまでに純愛が大好きな純愛過激派
純愛好き相手には有効的に接するが、純愛を嫌うものには異様に熱心に布教してくる
純愛を穢すものは殺す
《学年》7年生
《所属寮》ディオメデス
《趣味》純愛小説書き
《好きなもの》純愛
《嫌いなもの》純愛でない
《得意科目・魔法・特技》『キラクイン』
瞬間的な痛みのない死
《詳細》純愛を穢すものを殺す為、死の呪いを扱うことに成功したが、バレたら流石に死なので秘匿している
《備考》既に純愛を穢した者を何人か殺している
純愛なら他にどんなジャンルが組み合わさっていても、イラストでも小説でも漫画でも映画でもなんでも行ける - 66◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 21:55:57
- 67二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:56:07
- 68二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:56:19
《名前》フローラ
《性別》女
《外見》左目に眼帯をつけ、英国紳士風の狩装束に身を包んだ銀髪碧眼の12歳程度の外見の少女。
魔法生物の皮で出来たロングコートを身にまとい、中に様々なモノを仕込んでいる。
《性格》諦観しており悲観的で孤立主義、だが自身の犠牲を全く厭わない精神性を持ち不屈
《学年》5年生
《所属寮》ディオメデス
《趣味》機械いじり
《好きなもの》努力、研鑽、死ぬこと
《嫌いなもの》自分自身、自分をこんな体にしたくそったれ、豆
《得意科目・魔法・特技》魔法の実践以外の全般・得意魔法ナシ・特技は見極める事、モノづくり
《詳細》元は純血主義の名門に生まれ、自身の能力におごることなく研鑽を続ける明朗快活な少女だったが自身の一族に刻まれた呪いにより自身の家族を生贄に無理矢理自身の魂を分霊箱に収められ不死となってしまい、自身の成長が止まってしまった。
今はこの学園に隠された自身の魂を探しており、未だに見つけられていないが『禁域』にある事を突き止め、自らバトロワに志願した
《備考》自身の魂が分霊箱に収められた際、魔力のほとんども奪われてしまい、魔法はほんの少ししか使えないようになってしまったため、自身の自衛のためであり、取り返す際に戦闘になるだろうことも考え様々な現代兵器を所持している。
昔と性格が豹変しており、周囲からは不気味がられている。
分霊箱を取り戻す理由は魔力を取り戻す為と正しく死ぬため - 69二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:56:24
ディオメデス以外はもう定員か さすがに早いな
- 70二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:56:39
《名前》ソフィア・リス
《性別》女
《外見》金髪で可憐な雰囲気。薄紫色の瞳。
《性格》夢見がちで温和だが、内面は芯が強い。
《学年》3年生
《所属寮》ディオメデス
《趣味》小瓶に小物を詰めること、夜の散歩
《好きなもの》蛍、オルゴール、光の粒子
《嫌いなもの》急かされること
《得意科目・魔法・特技》•触れると爆発する、光る蝶のような使い魔を作成する。動きは遅いものの、追尾機能がある。時間経過で消滅しない為、時間をかければかけるほど周辺地域が機雷で埋め尽くされていく。
《詳細》戦場を光蝶で埋め尽くす戦術は脅威であり、同時に嫌われる。
《備考》蝶のスケッチブックを常に携帯。 - 71二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:57:06
《名前》シガレッタ・S・シュガースコール
《性別》女性
《外見》白髪緑目でいつも笑顔の女の子
《性格》悪戯っ子で、人と関わることが多い。
《学年》5年生
《所属寮》ミネルヴァ
《趣味》悪戯、お菓子作り
《好きなもの》お菓子、楽しいこと、ゲーム
《嫌いなもの》楽しくないこと、ゲームに負けること
《得意科目・魔法・特技》
得意科目 魔法薬学
得意魔法 甘味よ(サッカルム)。無限お砂糖魔法。
特技 悪戯、友達作り
《詳細》悪戯好きな問題児。毎週何かしらの事件を起こしていることで有名。
《備考》「甘味よ(サッカルム)」砂糖を大量に出す魔法。これ自体には殺傷力は無いが、他の呪文と組み合わせることで様々な武器や道具に加工できる。その場合「サッカルム~」の後に加工後の姿をラテン語で示した呪文になる。彼女はこの魔法を主に悪戯に使っていた。 - 72二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:57:15
《名前》ヘパイス・ハーミュス
《性別》女
《外見》黒髪ロングの顔立ちの整った生徒。いつでも長袖の制服を着ており、黒いマスクで口を隠している。
《性格》とても不真面目な生徒。遅刻はしょっちゅうで試験の成績も悪く教師にも素直には従わないが、言動に人を惹きつけるミステリアスさとリーダーシップがあるため、取り巻きやシンパのような人間が多い。頻繁に人を煙に巻くような事を言い、あえて人を避けているような行動を見せるが、本人は特に何も考えていない。めんどくさいことをやらず面白そうなことをやるというだけの人間。
《学年》3年生
《所属寮》ディオメデス
《趣味》詩を書くこと。それっぽいことを感覚で書ける天性の才能がある
《好きなもの》たのしいこと。いたずら
《嫌いなもの》めんどいこと。
《得意科目・魔法・特技》外国語教科と精神操作系の魔法が得意。
《詳細》魔法界で絶大な影響力を持つ某家の1人娘。家族も手を焼いており、学校からは密かに目をつけられている。
《備考》1人が好きなように振る舞うが、取り巻きができるのは嫌いじゃない、むしろ大好き。自分からは突き放すけど、いざという時は守ってほしいと思っている。 - 73二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:57:47
《名前》ダリア・オクタヴィアス
《性別》女
《外見》金髪を三つ編みにした、まるで人形のような美貌を持つ美少女。
正体は一匹一匹が馬鹿でかい蛆虫の集合体であり、寄せ集まって人間に擬態している。
《性格》表向きは心優しく、誰にでも分け隔てなく接するが掴みどころがない性格。
裏は傲慢そのもので周囲を見下しまくる性格。傲慢ではあるが分析力が非常に高いので隙はなく、探究心や向上心がとても強い。
《学年》7年生
《所属寮》ディオメデス
《趣味》お菓子作り(表向き)、人体実験
《好きなもの》邪神
《嫌いなもの》凡俗共
《得意科目・魔法・特技》『ウェルミス・ミステリィス(妖蛆の秘密)』と呼ばれる魔書により、召喚魔術の特異な応用として自らの肉体を分解・再構築し、無限に増え続ける蛆虫の集合体となっている。
大型の魔獣すら一瞬にして骨にしてしまう赤黒い津波を思わせる肉食の蛆肉の群れはハエにはならず、ひたすら巨大化していく。
蛆の大軍による攻撃のみならず、蛆の一匹を他人の体に潜伏させて肉体を乗っ取る禁呪を操ったり、蛆を生贄・媒介とする事で『星の精(スター・ヴァインパイア)』と呼ばれる不可視の異界生物を召喚・使役する。
即座に、そして無限に増え続ける蛆の集合体を滅ぼし切るのは不可能に近いが、弱点として一匹だけ本体が居るので、それを攻撃されると全てが活動を停止してしまう。
《詳細》かつて邪法に手を染め、蛆の集合体となった魔法使い。学園には生徒に擬態して潜り込んだ。
すでに数千年を生き続ける魔人であり、自らが崇める邪神を完全降臨させることを最終目的とする。
《備考》
バトロワ運営とは協力関係にあり、殺し合いを誘発させることを目的としている。 - 74二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:58:35
- 75二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:00:13
《名前》ラグン・ヴァルドル
《性別》男
《外見》フード付きのマントで全身を覆い隠した茶色の長髪の男性。マントの下は戦装束とギリシャ彫刻の如き鍛え上げられた肉体、隻眼の険しい顔付きが隠されている。
《性格》良く言えば律儀で義理堅い。悪く言えば頑固。
《学年》7年生
《所属寮》ファフニール
《趣味》遊猟
《好きなもの》家族、槍の手入れ
《嫌いなもの》運営陣
《得意科目・魔法・特技》
魔法を持たず、魔法に匹敵するレベルの身体能力と、絶技と言うべき槍術で戦う。
また、固有武装の長槍は『魔法を初期化』(ルールブレイカー)する力を持つ魔法殺しの槍。
《詳細》バトロワ開始直前に転校してきた謎の生徒。
かつて一族を運営陣に皆殺しにされ、自らの片目を奪われた。その復讐のためにバトロワに参加している。
《備考》
最終目的は復讐相手の運営陣を殺す事なので、一番運営に出会える手っ取り早い方法として基本的に優勝狙いの方針だが、説得されれば対運営に回るだけの器量はある。
復讐対象はストーリーによってお任せします。 - 76二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:00:54
《名前》ルクレティア・プログレッシブ
《性別》女
《外見》肩・背中・へそ全部出しの真っ赤な服に黒長髪、目には濃い隈があり瞳は緑
耳と舌にピアスを付け、赤いネイル、左頬にはタトゥーを入れている
爆乳
《性格》口が悪く男言葉、横暴
本能に忠実に生きている、規則は無視する
《学年》7年生
《所属寮》ファフニール
《趣味》喫煙
《好きなもの》赤色
《嫌いなもの》敵
《得意科目・魔法・特技》【エピタフ】
現在から数えて5秒先までの相手の肉体の動作が残像のように透けて見える
発動中は目が赤に染まる、長時間使うと目が痛くなる
《詳細》家族は上流階級で、自由奔放な性格を理解せず放任
過保護ではないが本人が反抗的なので問題児扱いされがち
《備考》未成年喫煙者、普通に違法である
アニメ化されたら黒塗りになっちゃうぞ - 77二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:01:08
《名前》神崎 優(かんざき ゆう)
《性別》女
《外見》赤いリボンがトレードマークの黒髪ポニーテールの少女、年相応で普通な印象、私服は巫女服
《性格》戦闘狂
《学年》3年生
《所属寮》ファフニール
《趣味》戦闘、空から夜景を眺めること、鍛錬
《好きなもの》生き物を殺る時の感覚、スイーツ
《嫌いなもの》手加減、たばこ
《得意科目・魔法・特技》短距離ワープ、劣化分身、光弾が得意でその3つに限って無詠唱でバカスカ使える
そこに鍛錬された肉体による研ぎ澄まされた格闘技を組み合わせ、中〜近距離で攻め立てるのが戦闘スタイル
体育会系っぽいが意外と座学の成績もいい
《詳細》戦うのが大好きで殺るのも好きな危険人物、戦闘経験は7年生と比べても多い程度には豊富な修羅
《備考》日本からの留学生 - 78二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:01:36
- 79二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:02:30
《名前》マチルダ・ロッキーニ
《性別》女
《外見》オールバックポニーテールに眼鏡のチビ助。ただし眼光は鋭く顔つきは険しい。
《性格》仲間思いかつ非常に面倒見がいいが彼女にとっての仲間内の輪から外れているものには極端に冷たい
《学年》7年生
《所属寮》ディオメデス
《趣味》金属を磨くこと
《好きなもの》復讐
《嫌いなもの》仲間を害する連中
《得意科目・魔法・特技》金属魔術・鎖の操作・喧嘩殺法
《詳細》全身に鎖を巻いての喧嘩殺法を得意とする。また眼鏡にも金属魔術による強化を施している。
《備考》魔法が封じられたとしても単純に鎖を用いての喧嘩殺法は脅威でありまともな魔法使いではその小さな体格と相待って対処が難しい。 - 80二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:02:55
《名前》ミコト・スメラギ
《性別》女
《外見》日本の巫女を思わせる白衣と緋袴を着用している、狐のような雰囲気の少女。
通常時は黒髪の姫カットロングだが、後述の憑依時には白髪に同色の狐耳と尻尾が生える。
《性格》話していると『狐につままれたような』気分になってしまう掴みどころの無い性格。
誰とも仲良くなれるが、深くまでは入り込めない。
《学年》5年生
《所属寮》ディオメデス
《趣味》式神と戯れる事、異国のお菓子を食べ歩き
《好きなもの》甘いもの
《嫌いなもの》面倒ごと
《得意科目・魔法・特技》式神を操り、攻撃・防御させたり、偵察を行う。
本気を出すと狐の式神を自分の身体に憑依させ、戦闘能力を爆増させて日本刀で接近戦を行う。
《詳細》日本のマホウトコロ学園からやって来た留学生。
《備考》
実は密命を受けてバトロワについて調査を行うために潜伏中だった。 - 81二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:03:21
《名前》ダンダリオン
《性別》女
《外見》常に本を片手に持つだらしない恰好に白衣のボサボサロングで小柄な女性
《性格》知的好奇心にあふれなんでも知りたがる、魔法生物が好き
《学年》6年生
《所属寮》ミネルヴァ
《特技》観察
《好きなもの》魔法生物、制作
《嫌いなもの》倫理、道徳
《得意科目・魔法・特技》化学、魔法生物関係・魔法生物《キメラ》の制作と幻術・観察眼だけで敵を識る事
《詳細》魔法生物研究に没頭し、様々な禁断の生物を生み出した研究者がおり極刑に処された人物がいたのだが彼女はその転生体であり、今回は国から認可を得、合法的に研究を行うためこの学園に入学した女性。
正面戦闘や運動はからきしだが搦め手が得意
《備考》ウィザードではない者にも敬意を払い知見を吸収する貪欲さを持つ - 82二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:03:24
《名前》ヤイユ・エイ
《性別》女
《外見》全く特徴のない顔、そうとしか言いようがない。茶色いセミロングヘアと丸メガネがせめてもの特徴。
《性格》真面目系ツンデレガール。いつも生活に物足りなさを感じており、普通の自分を変えてくれる刺激を欲しがっている…つまり恋がしたい。そのため危険なことが起きれば、案外ノリノリになるかもしれない。
《学年》5年生
《所属寮》ミネルヴァ
《趣味》読書、スイーツ
《好きなもの》遊びを知ってる人
《嫌いなもの》不真面目な人
《得意科目・魔法・特技》全部ふつーにそつなくこなす。オールラウンダーと言えば聞こえはいい。手の関節が柔らかいことが特技。
《詳細》魔法使いの家で普通に育ち、普通に学校に入った普通の子。普通に少しイケてない方のグループに入り、普通に休日は家族と外に行く。幸せな生活かもしれない。
《備考》チョコミントが好き。 - 83二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:04:49
- 84二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:05:34
このレスは削除されています
- 85二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:05:47
《名前》マイカ・エルデボア
《性別》女
《外見》銀髪 モノクル 灰色と赤色の瞳 モノクルを付けてる側が赤 軍服風 腰にサーベルと杖 家紋付きのマント
《性格》真面目で委員長気質 余裕があれば積極的に人助けをする しかし自分も共倒れにならないようにする冷静さを持つ
《学年》5年
《所属寮》ディオメデス
《趣味》馬術
《好きなもの》犬 秩序 本
《嫌いなもの》猫 辛いもの 騒音
《得意科目・魔法・特技》記憶力が良く単純に知識を問うならどの分野でも 魔法は基礎的な魔法を高いレベルで使い熟すタイプ 特に風魔法が得意 本人は犬の言葉がわかると主張
《詳細》魔術師を代々輩出する貴族の生まれ エルデボア家は魔眼と呼ばれる特殊な体質の持ち主が稀に産まれる 差別意識などは持たない サーベルはかなりの腕前
《備考》真識の魔眼と呼ぶ特殊な眼を持つ 魔力や霊体あるいは電磁波などの通常の視界では見れないものを見たり透視や離れたものを見れる 相手の魔力や筋肉の動きなどから短期的な未来予知を可能とする - 86二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:07:04
《名前》カイ・アルバート
《性別》男
《外見》風に乱れた白金の髪。細身で背は高め。常に空を見上げる癖がある。
《性格》偏執的で研究熱心。飛ぶこと以外にあまり関心を示さない。
《学年》5年生
《所属寮》ファフニール
《趣味》飛行術の研究、鳥の観察、風景画を描くこと
《好きなもの》空、風、鳥、飛行機械
《嫌いなもの》地に縛りつける鎖や柵、閉鎖的な空間
《得意科目・魔法・特技》飛行魔法の体系化。慣性制御、熱遮断、酸素保存など、飛行に必要な術式を網羅している。長時間・高高度の飛行を実現できる。
《詳細》幼少期に墜落事故を経験して以来「完璧に飛ぶこと」に異常なこだわりを持つ。魔力量の大半を飛行に注ぎ込むため、攻撃魔法は不得手。
《備考》授業中も窓の外ばかり見ており、教師に注意されがち。ノートの端には飛行ルートや風の図がびっしり書き込まれている。 - 87二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:09:16
- 88二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:11:11
《名前》マリネッタ・ドゥーニ
《性別》女性
《外見》不気味なほどに整った人形のような顔と体型をした椎茸目の女性 クラシックな服装をしている
《性格》常識がなく善悪の概念も薄いなんなら人の心もあまりわかっていない 知りたがってはいる
《学年》1年生
《所属寮》ディオメデス
《趣味》人形作り 人の事を知る
《好きなもの》人 理解できないもの
《嫌いなもの》自分を嫌う人
《得意科目・魔法・特技》得意科目は無く全体的に高得点を維持している 魔法は精神や物を動かす魔法が得意で 特技は物作り、特に人形高級品として売れるほど
《詳細》人と人形の間に出来た子で母親ほど人形として完成度は高くなく、父親ほど人でもない中途半端に人形で人 趣味の人形作りは子供の頃家族全員で人形を作った時に教えてもらいその時からハマっている
《備考》母親はたくさんの愛情をもって接しているが、父親は母親の愛情を自分から一部でも奪ったマリネッタを嫌っている ちなみに父親は人形作りに関してはかなり凄い人 - 89二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:11:15
《名前》エルド・ファブニール
《性別》女
《外見》2mを超える長身に黄金で出来た龍の角を持つ女性、服装は軽装で動きやすい
《性格》明朗快活で豪胆なアネゴ肌、人望も厚い
《学年》6年生
《所属寮》ファフニール
《趣味》喧嘩、ギャンブル
《好きなもの》戦い、キラキラしたもの、甘い物
《嫌いなもの》虫
《得意科目・魔法・特技》肉体系・炎系統、宝石系統、肉体強化等・見極め
《詳細》ファフニール寮の語源ともなった邪龍《ファブニール》を祖先に持つ種族の末裔であり山奥に住まう種族で合ったがここ最近で交流が回復し、交流のため長の一族であり最も血の濃い彼女が友好の証として入学した。
キラキラしたものが大好きでアネゴ肌なため寮内で一代勢力を築いており、色々集めさせている、悪名高いらしい
《備考》実は虫が苦手という噂が根強く、カフェなどに彼女の変装した姿が見られるらしい - 90二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:11:29
《名前》ススム・ヒメザワ
《性別》男
《外見》金髪オールバックで制服を着崩した、いかにも不良という見た目のアジア系の生徒。160cmほどと、背が低いのがコンプレックス
《性格》反骨心旺盛、雑で不良で勢い任せで荒くれているが、仲間のためならガンバれるタイプ。そのガッツで魔術バスケの学年大会で毎年1位を取ってもいるのだ!
《学年》3年生
《所属寮》ディオメデス
《趣味》魔術バスケ、ビデオゲーム、音楽鑑賞
《好きなもの》仲間、まっすぐな奴、デカ盛りご飯、牛乳、プログレッシヴ・ロック
《嫌いなもの》身長が高い奴。
《得意科目・魔法・特技》もちろん体育が得意。身体強化魔法でがっつり殴り合っていく、珍しい魔法使い。
《詳細》反省文を4枚ほど書いたことがある
《備考》友達100人を目指しており、現在87人 - 91二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:12:51
- 92◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 22:13:08
30分が経過いたしましたので、ここまでとさせていただきます!!
皆さま、本当に沢山のご応募をありがとうございます…!!
それでは、キャラを集計させていただきますので少々お待ちください… - 93二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:13:36
《名前》ジネヴラ・レンハイド
《性別》女性
《外見》透き通る様な碧眼に白磁の様な肌、緩く波打つアッシュカラーの髪を長く伸ばしている
四肢を事故で欠損しており義肢に置き換えられている
《性格》理知的で物腰柔らか、誰に対しても礼儀正しく楚々とした性格
《学年》5
《所属寮》ディオメデス
《趣味》園芸、人間観察
《好きなもの》未知、魔法植物
《嫌いなもの》冬
《得意科目・魔法・特技》マジックアイテム作成関連・電気魔法・我流の近接格闘術
《詳細》掌から電撃を放つ、電撃を掴み取って雷霆へと加工して投擲する、打撃と同時に体内へ電撃を流し込んで臓器破壊を行うなどの攻撃的な術式を多数習得している
《備考》四肢を中心として肉体の多くの部分を機械で構成している。本人の魔力に依って稼働するこれらのパーツは失われた部分を補って余りあるほどの性能を有し、超人的な運動能力を与えている。また義腕と義脚には杖と隠し玉となる武装が内包されており、戦闘力の一端を担っている。見た目にはほぼ人体と変わらない質感と形状 - 94二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:14:01
結構ガッツリ集まったねぇ
- 95二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:14:10
間に合わんかった無念…
- 96二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:14:55
やはり殺し合いは人気だねぇ(語弊がある言い方)
- 97二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:15:04
《名前》シーシャ・オクルス
《性別》男性
《外見》褐色肌の怪しい雰囲気な長身眼鏡君
《性格》真面目で規律を尊ぶ変わり者のファフニール生。ただし喧嘩を売られたら恐怖のドン底まで見せるし、物凄く根に持つ。
《学年》7年生
《所属寮》ファフニール
《趣味》風紀委員(自主的)
《好きなもの》魔法比べ
《嫌いなもの》乳製品
《得意科目・魔法・特技》
得意魔法 《歌え(カントゥス)》
口のみを僅かな間支配し、思い通りのことを言わせる魔法。呪文の誤発動や失敗に使える。
《詳細》座学・実技ともに優秀。将来は警備関係の仕事に就きたい。
《備考》直接的な暴力に走らない分別の所が怖いタイプのファフニール。キレた時に逆光眼鏡になる。 - 98二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:16:51
《名前》
《性別》女
《外見》白髪のロングヘアで水色の瞳の猫耳と尻尾が生えた幼女、1年生くらいの非常に幼い外見年齢
《性格》好奇心は旺盛だが慎重でリスク管理がしっかりしている
《学年》7
《所属寮》ミネルヴァ
《趣味》実験、情報収集、空想
《好きなもの》煙草、甘いもの
《嫌いなもの》音がデカ過ぎるやつ
《得意科目・魔法・特技》全体的に成績は高い。得意魔法は自分の体に変化を与える系の魔法で不得意はシンプルな攻撃魔法
とくに得意魔法は散々自分で研究した結果、動物の身体的特徴を手に入れたり生き物として成立したまま水等の別の物質に変化したりなど出来るようになった。しかしこれでもまだ未完成で弱点も多い
《詳細》変人で有名な先輩。やたら実験ばっかしてるように見えるが、その間も水化して壁の隙間等から盗み見盗聴とかしてる
一番おかしいのはそれを全部正確に処理してる情報処理能力かもしれない
《備考》 - 99二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:17:25
間に合わなかった上名前忘れてる…
- 100二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:19:00
即急で30分は難しいよねぇ
- 101二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:19:18
シガレッタちゃん投げたけどすぐ下にいる子と仲良くなれそうで笑ってる
- 102◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 22:19:26
- 103二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:20:19
- 104二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:21:05
そらもう一人に全てを懸けるスタイルよ
- 105二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:21:23
- 106二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:21:39
種はあったとはいえ3人作れたのが限度だったなあ…
- 107二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:22:08
間に合ったのは一人かな
- 108◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 22:22:20
皆さま、朗報です!!
集計の結果、私に間違いがなければ膨大な数のご応募にも関わらずデュランダル寮の席が2枠空いていることが判明しました!
引き続きデュランダルの寮生のみ募集させていただきます! - 109二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:22:25
- 110二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:22:38
漢は黙って一人に全身全霊よ
- 111二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:22:40
名前を拾ったりしてたら一人しか書けなかったよ、
- 112二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:23:45
このレスは削除されています
- 113二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:24:14
- 114二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:24:25
このレスは削除されています
- 115◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 22:25:15
こちらはこのレスから向こう10分とさせていただきます。
その間、他の量の代表選手たちを先んじて選抜いたします。
また、リミットについて私のミスがございましたので、現時点で投げられているキャラクターに関しましては全てダイスの範囲に含ませていただきます。
- 116二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:26:47
デュランダルは選抜無しでいけそうやね
主人公枠なのに意外 - 117二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:26:49
キャラ自体は自分でも引くぐらい蓄えてたがハリポタ世界観で使えるキャラとなると3人が限界だったな…
- 118二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:28:37
これってデュランダル寮かなぁ…駄目だったら除外してください…
《名前》ヴェロニカ・リーゼロッテ・フィリップス
《性別》女性
《外見》肩まで伸びる深い森のような緑色の髪。瞳は常に鋭く周囲を観察している。
《性格》情熱的で過激な理想主義者。自然の守護者として、環境破壊を許さない強い信念を持つが、それが時に暴力的で独善的な行動に繋がる。仲間に対しては優しく協力的だが、敵と見なせば容赦ない。
《学年》4年生
《所属寮》デュランダル寮
《趣味》植物栽培。魔法を使って希少種の花を育て、秘密の温室で実験的な生態系を構築する。
《好きなもの》豊かな森、野生動物、清らかな川の流れ。
《嫌いなもの》非魔法族の無知な環境破壊行為、自然を無視した利己的な魔法使い。
《得意科目・魔法・特技》植物学と自然魔法が得意。特に「成長促進の呪文」や「棘の鞭生成」などの植物操作魔法に長け、戦闘では周囲の植物を武器化する。
《詳細》過激な環境保護主義者の両親のもとに生まれ、幼少期から森の奥深くで育てられた。両親は魔法界の伝統を批判し、非魔法族の工業化が引き起こす汚染を魔法で阻止しようとするテロリストだったため、彼女もその影響を強く受けている。
《備考》バトルロワイヤルに巻き込まれた今、彼女はこの「プログラム」を、環境破壊者への粛清の機会と捉えている。もし環境を害する敵がいれば、植物の根で絡め取って息の根を止めるだろう。 - 119二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:28:42
- 120二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:29:00
- 121二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:29:16
《名前》トリス・ガウェイン
《性別》女
《外見》華奢な女騎士というべき風貌だが魔女のような風貌
《性格》綺麗好きな騎士道を重んじる性格で威風堂々
《学年》6年生
《所属寮》デュランダル
《趣味》読書、素振り
《好きなもの》本、物語、運動
《嫌いなもの》卑怯な事、不潔なもの
《得意科目・魔法・特技》全教科・錬成魔法、日輪の力を借りる魔法、音を用いる魔法・歌
《詳細》アーサー王伝説に憧れた少女であり名門一族の御令嬢、元々は蝶よ花よと育てられた心優しき少女だったが本人のおてんば気質も噛みあいこのような人物になった。
かの伝説の影響により物書きとしても研鑽しているがなかなか実らないが努力を続けている、またかの伝説の剣たちを再現すべく努力している
《備考》好奇心でまれに良くやらかす - 122二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:29:33
わーお一気に来た
- 123二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:31:31
- 124二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:31:42
えっと今来たんだけどデュランダル寮はまだ募集中ってことかな?
- 125二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:31:43
《名前》ヒュドラ
《性別》女
《外見》金髪ハーフツインの褐色ロリ、白いマイクロビキニを着ている
《性格》陰険でジメジメしてる、しかし正義感は強く芯がしっかりしている
《学年》5
《所属寮》デュランダル
《趣味》本を読む事
《好きなもの》毒物
《嫌いなもの》明るい場所、明るすぎる人
《得意科目・魔法・特技》得意魔法は毒や呪いに関するもの
特に毒に関しては学校1レベルで、彼女に触れると猛毒に襲われる上に近づくのすら危険が伴う
しかしちゃんと制御されているので味方には当てないように出来るし、解毒どころか毒を治癒能力に変えることすらも可能
《詳細》普段は大人しく得意魔法も相まって遠巻きにされているが、真面目に仲間と組んで大きなことを成すなら間違いなく力になれる
《備考》服が水着なのは毒液でいつもびちょびちょになるから&素肌から毒液を出しやすいから - 126二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:31:57
- 127◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 22:32:19
- 128二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:32:49
わかんない!たぶんもうだめかも!?
- 129二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:32:51
間に合わなかった…
- 130二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:34:22
《名前》メルメルメ
《性別》男
《外見》朽ちた王冠 虫食いのマント 血で染まった杖 ボサボサの黒髪 狂気を宿す黒目
《性格》傲慢だが横暴ではない 同じ寮生を自分の臣下として扱う
《学年》2年生
《所属寮》デュランダル
《趣味》演説
《好きなもの》黄金 狭い場所
《嫌いなもの》炎
《得意科目・魔法・特技》闇属性と忘れられた古い呪術を使う
《詳細》自らを滅んだ王国の王と主張する 狂気に囚われているような大袈裟な言動 しかし突然感情が抜け落ちたようになったりする
《備考》素性不明 校長が何処かから連れて来た - 131二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:34:24
Wow 見事に外れてら
- 132二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:34:30
《名前》アリア
《性別》女性
《外見》金髪の美少女
《性格》活発な性格で同じことに打ち込む集中力もある
《学年》1年生
《所属寮》デュランダル
《趣味》格闘技
《好きなもの》趣味に打ち込む時間
《嫌いなもの》格闘技を悪用する人
《得意科目・魔法・特技》
肉体強化魔法と風系統の魔法を得意としている
また格闘技が得意
《詳細》
格闘技を愛する少女でその努力は高く買われている
その努力する姿に好感を持つ人は多い
成績は普通ぐらいらしい
《備考》
スリルがあることが好きな一面がある - 133二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:35:12
一気に二人アウト
うまくいかないもんですね、人生 - 134二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:35:32
一度範囲外なりかけた逆光鬼畜眼鏡君が当たるとはね…
- 135二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:35:39
よーし当たり!
- 136二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:36:32
同じ寮に戦闘狂の日本人が二人おるのイカれとるやろ
- 137二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:36:35
こういう系で珍しく当たったぜ
しかも今回1人しか出してねーのに
今画面の前で狂喜乱舞してる - 138◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 22:37:13
池上 裕佳里(いけがみ ゆかり) 様
イザベル・クローヴァー 様
神崎 優(かんざき ゆう) 様
ラピドゥス・リッター 様
エルド・ファブニール 様
シーシャ・オクルス 様
入寮おめでとうございます!!
以上6名が今回のファフニール寮のメンバーとなります。 - 139二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:38:07
くぅそ、元々デュランダルだけど少ないらしいから採用されると思ったのに、
- 140二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:38:21
やはり狭き門なのかアニーマーン魔法魔術学校
- 141二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:40:09
- 142二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:40:56
寮で無事を祈るSSとかを作ってもいいと...天才か?
- 143二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:41:30
- 144◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 22:44:07
- 145◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 22:45:28
間違いました…
被りは一個下です
dice5d12=12 11 12 6 3 (44)
- 146二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:47:50
このレスは削除されています
- 147二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:48:35
アントン・ヴェルナーさん以外何というか...かわいらしいな
ヴェロニカさんもいうて年相応の女性の身長だろうし - 148二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:49:39
一人だけ投げたほうが運が分散されないから当たる説
- 149◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 22:49:40
アリス・ライトニング 様
アントン・ヴェルナー 様
ヴェロニカ・リーゼロッテ・フィリップス 様
ナチア=ラプトン 様
ヒュドラ 様
ファー・クリント 様
入寮おめでとうございます!!
デュランダル寮へようこそ!! - 150◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 22:56:08
- 151二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:56:16
アントンさんの生焼け肉は毒好きなヒュドラさんが食べてそう
- 152二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:58:25
危険人物多!
- 153二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:59:09
- 154◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 22:59:24
ジョアンナ・ロール 様
ソフィア・リス 様
ダリア・オクタヴィアス 様
ミコト・スメラギ 様
ススム・ヒメザワ 様
ジネヴラ・レンハイド 様
入寮おめでとうございます!!
ディオメデス寮へようこそ!! - 155二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:00:07
んー無念
- 156二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:00:30
ハズレタァ!
- 157二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:00:37
マホウトコロってなんやそのトンチキジャパン…?
- 158二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:01:19
マホウトコロは確か元ネタの関係だったような
- 159二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:01:19
原作要素…
- 160二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:02:16
はえーサンガツ
- 161二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:02:24
ほぼアバダみたいなの撃てるやつおる…
- 162二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:04:33
まあ出したの一人だけだしな、
- 163二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:04:57
フフフフフハフハ(歓喜)
- 164◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 23:05:11
- 165二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:06:15
硫黄島にあるんだマホウトコロ。なぜ…
- 166二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:08:11
当たった方おめでとう🥳🎉
- 167二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:08:40
間に合わなかったと思ってたら当たったでござる
後からちゃんと名前つけてあげてマジで良かった…… - 168◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 23:09:27
アリス・A・チェシャー 様
ダンダリオン 様
ヤイユ・エイ 様
ユウリ・カブラギ 様
ユウキ・シドウ 様
カンデラ 様
入寮おめでとうございます!!
ミネルヴァ寮へようこそ!!
奇しくもデュランダル寮のアリス・ライトニング嬢と名前被りが発生してしまいましたが…まぁ問題ないでしょう。 - 169二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:10:09
アリスってよくある名前だからね
ちなみに現地だとおばあちゃん世代の名前らしいぜ!! - 170二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:10:45
6人抽選して3人か
頑張って作って良かった
マジで楽しみ - 171二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:10:54
ユウキくんも日本人っぽい感じするね
- 172二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:12:41
今からどの寮が一番終盤まで残れそうか予想しようかな…
- 173二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:13:55
モチロン主人公寮のデュランダル!だよな!
- 174◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 23:14:02
◾️さて、今度こそ最後になります。
私は募集開始のタイミングで4寮×6人の合計24名がバトルロワイヤルの代表選手とお話ししました。
……ですが、私のミスによりデュランダル寮の席が余ってしまい、結果として皆さまにご不便をお掛けし、不安な思いをさせてしまいました。 - 175二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:14:21
おお
- 176二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:16:07
これ何らかの代表ってことくらいは関係ない他生徒にも伝わってるのかな?前夜に寮でパーティーとかしてそう
次の日にはバトロワだけどな! - 177二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:17:22
死の呪い使えるやつ居てとても怖い
- 178二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:17:45
一般通過気にしないでおじさん「まあ不可抗力だったから 気にしないで」
- 179二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:17:51
キャラの追加とかはあるのかな、
- 180二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:19:30
参加者名簿まとめくれー
- 181二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:19:49
キルスコア持ちが参加者に2人以上いるという恐怖
- 182二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:20:59
このレスは削除されています
- 183◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 23:21:17
- 184二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:22:47
このレスは削除されています
- 185二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:23:12
並びどうなってるんだこれ、
- 186二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:23:36
よくわかんね!
- 187◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 23:23:55
レオ・ハーグリーヴス 様
入寮おめでとうございます!
デュランダル寮へようこそ!!
皆さま、沢山の募集をありがとうございます。
アニーマーン魔法魔術学校における此度のバトルロワイヤル代表選手に選出されましたのは、以上の25名に決定いたしました。
勇敢な生徒諸君に今一度大きな拍手をお願いいたします。 - 188二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:24:36
おお?おお
- 189◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 23:24:43
並びについては寮ごとのものを流用させていただきました…
- 190二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:26:49
わーパチパチパチパチ
- 191二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:28:34
イベント、頑張ってこいよ!
俺たち寮からでも応援してっからさ! - 192二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:29:56
選ばれなかったのが残念に思いつつも殺される心配がないことに安堵もしつつ...応援します!
- 193二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:30:11
レオくんファブニールじゃないのが意味深
兄へのコンプレックスなんだろうな - 1948325/09/04(木) 23:31:30
すいませんユウリの学年は1年生ってことでお願いします
間違えがあったので書き直しました
すいません - 195二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:32:52
誰が勝ち残るとみなさん思いますか?
- 196二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:34:13
もちろん自分の出したキャラ(身蓋無)
- 197◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 23:34:19
現在、名簿を制作中です。少々お待ちを…
また、その間30分ほどこのゲームの黒幕となるアニーマーン教師を1名募集させていただきます。
以下テンプレート
《名前》
《性別》
《外見》
《性格》
《担当科目》
《趣味》
《好きなもの》
《嫌いなもの》
《得意科目・魔法・特技》
《詳細》
《備考》 - 198二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:35:17
内心どう思ってるかはともかく一応エールは受け取ってくれるファフニール寮のみんな
- 199二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:35:19
- 200二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:35:49
教師、倍率高そうだな……
- 201◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 23:36:24
◾️教師に関しましては、生徒たちへの説明役兼黒幕の茜音沢のような枠を想定しています。
つまり、ゲームの真の黒幕は別に存在する可能性もあります。 - 202二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:36:27
4人だして2人当たったね
- 203二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:39:28
ノ(三人投下して、探偵気取りとエコテロリストが当たった人)
- 204◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 23:42:33
- 205◆sUNOdUXYScMw25/09/04(木) 23:42:51
- 206二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:43:49
《名前》アキヤマ・リンネ
《性別》女性
《外見》黒髪でスタイルがいい美人
《性格》仕事以上のことはしないが、情はある
《担当科目》歴史
《趣味》読書、スイーツを食べること
《好きなもの》スイーツ、本
《嫌いなもの》残業
《得意科目・魔法・特技》
極めて優れた風魔法の使い手で自由自在に空を飛ぶこともできる
また凄まじい範囲魔法を使える
《詳細》
めんどくさがりだがある程度の情はあり、逆らいこそしないがルールにわずかでも複数人の生存の可能性を残そうとしている一面もある
ただ自分に危険が迫ることは一切許容しない
《備考》
給料以上の仕事はしないため、給料以上の働きが必要になったら契約に従い勝手に帰宅する - 207二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:45:00
- 208二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:45:30
《名前》ソロモン
《性別》男
《外見》灰色ロングの優男系イケメンで仰々しいローブを身にまとい72の指環を身に着けたイケメン
《性格》優しいがスパルタ系で物事を長期的に見える人物だが何処か諦観している
《担当科目》特になし
《趣味》ガーデニング
《好きなもの》家族、魔術
《嫌いなもの》イレギュラー
《得意科目・魔法・特技》特になし・未来視、悪魔召喚・予言
《詳細》現教頭の先生で市井の生まれ悪魔との契約により使役しており72柱の悪魔を自在に扱う、未来視の魔術を生まれつき持っており未来のための行動をしている。
家族の事は生徒には伏せており、その話になると哀し気な表情になる
《備考》愛妻家であり必要な事以外はしない - 209二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:45:49
誤字、×出なくてもいい 〇でなくても良い
- 210二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:46:08
教師キャラって……難し!!
《名前》キャサリン・クリスティー(レイチェル・テンパランス)
《性別》女
《外見》華奢で長い黒髪、穏やかな雰囲気を漂わせる女性
は能力によって変装した偽の姿、本来はボサボサの金髪に碧眼、長身で巨乳の女性
《性格》研究のことしか考えていない
《担当科目》変身術
《趣味》研究
《好きなもの》研究
《嫌いなもの》研究の邪魔
《得意科目・魔法・特技》大体の魔法は幅広く扱えるが、あくまでも本来のキャサリンが使える範囲内の魔法に留めている
魔法:【ピンクフロイド】
身長体重ありとあらゆる外的特徴を対象の人物と全く同じに変える
内面は変えられないため圧倒的ななりすましのセンスで補っている
《詳細》クールで口の悪い男勝り系口調
《備考》異能研究のため、本来のキャサリンを殺しキャサリン先生として振舞っている
倫理観に乏しいため研究のためであれば如何なることも厭わない - 211二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:46:33
《名前》レイパルド・ライズナー
《性別》男
《外見》窪んだ両目から除く金と青のオッドアイが特徴、猫背で長身
《性格》陰湿、冷酷
《担当科目》魔法植物学
《趣味》魔法植物飼育
《好きなもの》魔法植物
《嫌いなもの》人・魔法使い全て。害虫
《得意科目・魔法・特技》魔法植物を操作する。とりあえず魔法っぽい特性を持つ植物の種を持ち歩き有事の際に急成長さえる。拘束だったり防御だけでなく、毒を用いた攻撃も扱う。闇の魔術を応用した交配により攻撃性が高くなっている植物を奥の手として持つ。
《詳細》人嫌いで常に人の悪い点を探してはそれをネチネチと指摘する先生。好きな先生ランキングがあれば最下位を争えるレベル。植物の知識から教師としてスカウトされた。最初は嫌がっていたが魔法植物の飼育が自由に行えることから学園に渋々所属している。
《備考》飼育の一環で肉体を使うこともあるので身体能力は高い。 - 212二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:48:22
《名前》レン・アンザイ
《性別》男
《外見》痩せぎすで長身。白いシャツを着ており、表情は柔和。常に自身の信仰の為に動く。
《性格》寡黙で淡々としているが、内心は異常性を誇りとしている。表では生徒に優しい態度を見せるが、その裏では観察対象としてしか見ていない。
《担当科目》宗教学・禁呪史
《趣味》古い祈祷書や断片的な碑文を集めて写すこと
《好きなもの》他者の痛みを引き受ける感覚、寒村の雪景色
《嫌いなもの》凡俗な教師陣
《得意科目・魔法・特技》零落し、地上に堕ちた名もなき神格の唯一の信奉者にして神官。本人は魔術の素養を持たない。
名もなき神格:劣化しきっていようと神格の一柱であり、世界を歪める不条理な権能を持つ。司るのは「痛みを通貨として用いる」という概念。それを表す言葉は遠い過去に失われている。他者の痛みを引き受けることで、痛みを持つ部位を自身の体の一部として動かすという現象が、単なる物理法則として成立する。空から伸びる白く細長い二本の腕として顕現し、彼を労るような動作をする。
《詳細》元は辺境の寒村出身。信仰する名もなき神格は零落し、彼を唯一の信徒とする。学園に教師として迎えられたのは表向きには「宗教学研究者」としてだが、裏では神格の権能を使い、信仰を全うする為に動く。
《備考》自らは戦わず、観察と介入を繰り返す「神官」。 - 213二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:51:06
名前》シラスト・トレヴェイン
《性別》男
《外見》銀髪を後ろに撫でつけた壮年の男。冷たい琥珀色の瞳を持ち、常に上質なローブを纏っている。杖ではなくペンを持ち歩く。
《性格》冷徹で策謀家。生徒や同僚を「素材」としか見ない。表面上は礼儀正しいが、裏では人間関係を操ることに愉悦を覚える。
《担当科目》戦術魔法・応用術式論
《趣味》チェス、学園内の監視カメラの映像を眺めること
《好きなもの》統制の取れた混沌、駒として動く人間
《嫌いなもの》予測不能の天才、思考を放棄する者、偶然の勝利
《得意科目・魔法・特技》自力で複雑な魔法を構築できないため、独自に品種改良し殺傷能力を底上げした虫の大群に魔力信号を送って操作する。生命力が強く、士気減衰効果が高いためゴキブリを多用する。魔力消費が極めて小さく、無尽蔵の物量を持つ。 一般家庭の生まれで、努力でのし上がってきた。
《詳細》目的は「最も強靭で異端的な魔術師を選び抜くこと」。
《備考》実務的で、学園運営側との折衝も担当する。 - 214二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:52:07
《名前》マダム・スカル
《性別》女性
《外見》年齢不詳。いかにも魔女といった服装の、大柄な女性
《性格》徹底した実力主義者。口先だけの者に意味は無いと公言し、力を示せば気に入らないやつだろうとある程度認める。
《担当科目》実戦魔法学
《趣味》実戦魔法学の論文作成、新たな魔法の開発
《好きなもの》力ある者
《嫌いなもの》知識だけため込んだやつ
《得意科目・魔法・特技》
得意魔法 『流れろ(フルーメン)』
あらゆるものの力の流れを変える魔法。
自分に飛んできた魔法や物を別の方向へ変えることができ、応用すれば反射も可能。
《詳細》実戦魔法学の腕前を見込まれて招かれた教師だが、年々穏やかになりつつある学校に嫌気が差している。
《備考》これが本当の『実戦魔法学』だ!した結果バトロワになった(彼女の独断) - 215二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:52:58
《名前》エリオット・グレイモア 《性別》男 《外見》白金の髪を後ろで束ねた端正な青年教師。年齢はまだ二十代半ばだが、群青の瞳に油断のない光を宿す。制服ではなく、貴族風の刺繍入りローブを常に羽織り、気品と威圧感を放つ。 《性格》知的で冷静、誇り高い。自信家で生徒にも同僚にも常に上から目線で接するが、誰よりも実力と論理で裏打ちされている。外面は「模範教師」だが、内心では学園を一つの駒盤として見ている。 《担当科目》高等戦術魔法・属性論 《趣味》チェスや将棋などの戦略ゲーム、詩作、舞踏会への出席 《好きなもの》精緻な術式、美しい勝利、紅茶 《嫌いなもの》血統を軽んじる者 《得意科目・魔法・特技》
* 魔法の属性を書き換える絶技の使い手。
* 複数属性を同時に扱う擬似万能魔術師。
* 他者の魔法を「属性変更」し、無効化や逆転させる奥の手を持つ。 《詳細》大魔法貴族グレイモア家の嫡子。表向きは「若き英才」として学園で教鞭を執る。表面上は生徒から憧れられる存在だが、学園を「淘汰の場」とみなし、選び抜かれた強者だけが未来を担うべきだと信じている。 《備考》教師陣の中でも表と裏の顔が最も乖離している人物。 - 216二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:53:45
《名前》メイリック・シープ
《性別》女
《外見》白髪のもじゃもじゃ頭の両側から羊の巻角が生えた女性。
とても温和な糸目だが、時たま百戦錬磨の魔法使いでもたじろぐ程の一文字の瞳孔を持つ鋭い眼光を見せる。
《性格》いつも優しいニコニコ笑顔の親しみやすい先生。裏の顔は全てを計算づくで動かすような冷徹さを持つ。
《担当科目》闇の魔法への抵抗学
《趣味》チェス
《好きなもの》計算が上手く行かないこと、それに対処する瞬間
《嫌いなもの》計算通りに行き過ぎること
《得意科目・魔法・特技》
相手を眠らせる、凡庸な魔法…と偽っている。正体は夢を操る魔法。
『夢の世界では無敵』の概念を持ち、夢の世界では如何なる上位存在であってもあらゆる干渉を受け付けない。集合的無意識から個人の夢の世界に接続、入り込むことができる。
夢への干渉は二つ、
1.【相手の記憶を夢の中から弄ること】
夢の中は無防備な精神世界であるため、相手の記憶を弄って記憶にロックを掛けて都合の悪い出来事を忘れさせたり、思い出せなくさせる能力。
2.【相手に自分にとって都合の良い選択をさせること】
「夢で見たので今日はこういう行動を取ろう」という形で相手の行動を制限、誘導する能力。
ただし何でも思い通りにできるわけではない。例として、「今日は自殺の機敏だから自殺しよう」という選択肢が日常に無い者を自殺させる事はできない。
《詳細》バトロワの盤面を操る先生。自分の想像を超えて欲しいと思っている。
運営に忠誠を誓ってはいないが、職務にとても忠実。
《備考》生徒たちのことは心から愛している。しかしその愛は、チェスプレイヤーが自分の駒を愛用するのと同義のもの。 - 217二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:54:24
《名前》ピエール・ハイド
《性別》男
《外見》白いローブに身を包んだ、白髪の壮年男性
《性格》一見すると非常に厳格だが、長い教師経験から授業は巧く、豊富な知識量や学校外での遊び心、そして何より生徒と学問への深い愛を持つ教師。完璧主義者に見えて、意外とポンコツな一面がある。
《担当科目》闇の魔法からの防衛術・魔法基礎学・国語など
《趣味》なし。
《好きなもの》生徒。自らの研究分野。
《嫌いなもの》戦争行為
《得意科目・魔法・特技》不明。だが、学校の設計に関わっており、学校内あらゆる施設を自在に操ることができる…とも言われる。
《詳細》プライベートの姿は誰も見たことがないとか…ミステリアスなのである
《備考》研究分野は『禁忌魔法歴史学』 - 218二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:56:20
《名前》ロロシア・アイスマン
《性別》女
《外見》身長250cm 金髪碧眼 ギリシア彫刻のような完全な肉体 肉体美を晒す為最低限の衣服のみ身につけている
《性格》自信満々 生徒思い 魔法族至上主義 非魔法族を不完全な生き物として憐んでいる
《担当科目》魔法による戦闘術・対現代兵器
《趣味》格闘技
《好きなもの》魔法 筋肉
《嫌いなもの》苦い野菜 野球
《得意科目・魔法・特技》空間操作を得意とする 同時に複数の異なる魔法を使う事が非常に得意 料理がプロ級
《詳細》教師になる前は名の知れた傭兵 各地で活躍しており関係者からは恐れられている
《備考》担当科目は対現代兵器だが本人は戦闘全般が得意である 趣味の格闘技も容易く人を殺せるレベル 戦闘に有効なら銃とかも普通に使う - 219二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:57:45
《名前》フルム・ダンベール
《性別》男
《外見》白の長髪を腰まで伸ばした若い男。身なりは整っており清潔な印象を受ける
《性格》物静かで理知的。ただし物事を俯瞰的に見すぎるきらいがあり、人命についても同じ
《担当科目》魔法史
《趣味》化石収集
《好きなもの》ドラゴン、歴史を感じさせるもの
《嫌いなもの》特になし
《得意科目・魔法・特技》時間操作魔法。物体に流れる時間を操り、過去の状態に戻すことができる
《詳細》戦闘の際は上記魔法を用い、古代魔法生物の化石を復元し強力な使い魔として使役する
《備考》率先して戦うタイプではないと思います - 220二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:59:42
《名前》ラヴ・ネット
《性別》無
《外見》女性的な外見で人形のようで恐ろしいほどの美形 ゴシックの服を着ている
《性格》性格や言動はいつでもどのようにでも意図的に振る舞えるためほぼ無いがいつもは明るく元気で活発に振る舞っている
《担当科目》マグル学・天文学
《趣味》物作り
《好きなもの》ぬいぐるみやドール
《嫌いなもの》虫や動物全般
《得意科目・魔法・特技》得意科目は天文学で魔法は生物を無機物に、無機物を生物にする魔法を最も得意としている
《詳細》ある男によって作られた人形であり男の死後も動き続けている 根本的に今の人を理解しておらず本人はそのままでは駄目と思っている
《備考》生物を無機物にする魔法は隠している - 221二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 00:03:02
《名前》エデン・フラワー・ブラウン
《性別》男
《外見》茶髪の非常に長いローポニーで瞳は緑色。中性的で背は低く華奢でとても可愛らしい。服はややダボついていて、本などは抱きしめるように持ちがち
《性格》真面目で優しく、時に可愛らしく時に頼りになる良き先生
本当に?
《担当科目》天文学、占い学
《趣味》音楽鑑賞
《好きなもの》魔法、生徒たち、ドーナツ
《嫌いなもの》スクイブ
《得意科目・魔法・特技》占いが得意、(誰も知らないが一番得意なのは精神干渉)
《詳細》占いの精度は高く、未来予知が割と当たる程度
精神干渉は途轍もないレベルで、効力の弱いものなら防御を掻い潜った上気付かせもせずに行える。条件が整っていれば数分で頭の中身を丸々改変出来たりもしてしまう
《備考》マグルのことは嫌ってないし、マグルのテクノロジーも割と好んでいる。視点が違うものは意外と魔法研究の参考にもなるらしい。(あと魔法を使わない不意打ちとか色々使い道はあるらしい)
意外と年をくっている。教師陣でも古参。しかし見た目と雰囲気で舐められがち(それだけ油断させられるという事でもある)
よく生徒や同僚に揶揄われて、ぷんすこと冗談気味に怒りながら頭を撫でられ宥められてる
ガチ悪人でもガチ善人でも構いませんよ - 222◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 00:04:27
◾️ここまでとさせていただきます。
皆さま、本当に沢山のご応募をありがとうございます。
準備出来次第早速ダイスを振らせていただきます。 - 223二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 00:05:17
《名前》ヘルシア・ウェルディ・グレイシアス
《性別》女性
《外見》目元を金属製のバイザーで隠し、軍服に似たローブを身につける30代前半の女性
右手が木製の義手になっており、常に帯剣している
《性格》胡散臭く腹黒いが生徒に対して教師として大事にしようとしている
《担当科目》兵法、防衛術、木霊術
《趣味》鍛錬、研究
《好きなもの》チョコレート
《嫌いなもの》焼けた血液の匂い
《得意科目・魔法・特技》
《詳細》かつてのマグルの大戦に一兵士として参加し、心を壊しながら戦った軍人
大戦でにより両目は失明しており、その際に右腕も動かなくなったが杖と肉体を融合させることで動かせるようになった
《備考》既に人間とは言えない状態となっているが、自認としては人間のつもりでいる - 224◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 00:07:09
- 225◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 00:09:12
バトルロワイヤルの黒幕となる教師は、
天文学/占い学のエデン・フラワー・ブラウン先生に決定いたしました。 - 226二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 00:09:31
あれ少し過ぎてるけど採用するのか、そして惜しかった、1違い、
- 227二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 00:09:32
これは…どちらでもおいしそうなポジ
- 228二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 00:09:38
マジか
フィーバー来てる?それともここで運使い果たした?
めちゃくちゃ嬉しいがこの倍率で当たったのめっちゃ怖い - 229二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 00:10:11
まあ黒幕が善人な訳ないんですけどね、初見さん
- 230二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 00:12:37
まぁ十中八九悪人だろうねぇ…脳みそ弄れる魔法持ってるし
- 231◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 00:12:42
◾️皆さま、改めまして沢山のキャラクターを本当にありがとうございます。
これにて、デスゲームを開催するに当たっての全ての準備が整いました。
それでは早速、本編プロローグを開始させていただきたいと思います。 - 232◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 00:15:08
- 233◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 00:15:35
- 234二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 00:15:53
こっちだとデストラップとかは無くて個々人の魔法だけで勝負する感じか
- 235◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 00:16:25
【登場生徒】
dice3d25=19 4 3 (26)
【視点生徒】
dice1d3=3 (3)
【教師】
エデン・フラワー・ブラウン
- 236◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 00:18:23
プロローグには、
デュランダル寮からヴェロニカ・リーゼロッテ・フィリップス様とナチア=ラプトン様
ディオメデス寮からジネヴラ・レンハイド様が登場するようでございます。 - 237二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 00:18:36
おー、さすがに主人公ポジの寮
- 238◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 00:20:19
ご安心ください、アイテムもデストラップもございます。
ただ世界観の説明に今暫く時間がかかりますので、プロローグが終了するまでお待ちいただければ幸いです。
プロローグ①の投下は本日夜〜明日の朝を予定しております。
- 239◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 00:23:02
それでは皆さま、しばしお待ちを……
- 240二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 00:24:34
徹夜……ってコト!?
- 241二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 00:27:53
すごい気合だァ…(ふとんに入りながらスマホ見)
- 242二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 00:28:43
俺は明日も仕事だし一足先に寝るとしよう
先に言っておこう
おやすみ、そんで乙 - 243二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 00:37:46
明日は台風で休みになることを見越してまだ起きるのだ
- 244二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 07:34:20
おはようございます
- 245二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 07:39:55
オープニングから自然派過激主義者と四肢を機械化してる人が一緒に居るのやべぇ…
ゲイのオスガキ!なんとかしてくれ! - 246◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 09:13:13
寝落ちしてました…お待たせしてすみません!!
それでは、プロローグ①を投稿させていただきます。 - 247◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 09:16:19
ジネヴラ・レンハイドが四寮間対抗試合の代表選手に立候補することを決めたのは、半年前――五年生に進級したばかりの頃だった。
「ディオメデス代表の枠が丁度ひとつ空いたんだよ。七年生は問題児ばかりでね。間を取り持てる聡明な生徒が必要なんだ。君ならきっと素晴らしい活躍ができる」
そう告げたのは、ベージュのコートを羽織った男。中性的で華奢な体つきに、疲れを隠すような微笑み――ディオメデス寮の寮監、エデン・フラワー・ブラウンだった。
本当のところ、ジネヴラは競争に興味などなかった。彼女は魔導技術師だ。破壊よりも創造を、決闘よりも研究を好む。冷たい機械仕掛けの身で熱気に包まれる舞台に立つ自分を想像できるはずもない。
それでも耳を傾けたのは、彼に対して抱いていた淡い好意のためだった。 - 248◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 09:16:56
「ご記憶いただいていて光栄です、先生。でも……代表選手は前にもお断りしました。私に拘らなくても、相応しい方は沢山います」
「もちろん覚えているとも。君は礼儀正しく、観察眼も鋭い。まるで星の運行を読む占星術師みたいだ」
占い学の教師であるエデン・フラワーは、学園でも人気者だった。華奢で可愛らしい外見に、頼り甲斐のある声。冷静なジネヴラですら、その魅力に心を揺さぶられる。
彼が優秀な教師であることも疑いようがなかった。努力を誰よりも認めてくれる。だが同時に、ジネヴラは無意識に距離を取っていた。彼は人を褒める時、決して顔を見ていない気がするのだ。言葉は本気とも冗談ともつかず、生徒を心の内に招き入れない。その曖昧さが、彼女には恐ろしく思えた。
「お褒めにあずかり恐縮です。ただ、私は空よりも、人の振る舞いの方が読みやすく感じられますので」
「ふふっ、それもまた才能だよ。人は星より複雑で――時に、もっと操りやすい」
ジネヴラは思わず眉をひそめた。
「……先生は冗談をおっしゃるのが上手ですね」
「はは、そうかもしれない。だがね、レンハイド嬢。未来は常に“見られている”ものだと心得ておきなさい。君はいずれ代表に立候補したくなるはずさ。僕が保障するよ――最高にイカした活躍ができるだろうってね」
そう言って彼女の肩を軽く叩くと、エデンは人混みに消えていった。義体の腕に残るのは軽い感触。だが、何故か氷のように冷たい余韻だった。
そして気づけば、警戒心は氷解していた。
ジネヴラが代表選手に立候補するのは、このすぐ後のことになる。 - 249◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 09:17:52
◇
半年後、現在。
学校で一番高い時計塔の、巨大な文字盤の裏に位置する大教室。
その部屋には、ジネヴラを含む総勢25名余りの生徒たちが集結していた。
歯車仕掛けがカチカチと時をきざむ講堂の中心に位置取るのは、4色のクロスに彩られた長テーブル…
すなわち、『デュランダル』、『ファフニール』、『ディオメデス』、『ミネルヴァ』各寮の代表選手たちが座すテーブルである。
4寮間対抗試合、代表選手のテーブル。今この瞬間、この座に就くまでの過程で、彼ら10代の若者たちが歩んできた道は決して楽なものではなかった。
代表選手とは各寮の旗と誇りを背負った先鋭だ。他寮と、時には自寮の仲間たちと競い合い、蹴落とし合い、誰かから託されてやっとの事で僅か6つの席にしがみついた。
隣に座っている者へ、あるいは向かいのテーブルに見える影への憎悪か激情に燃え、今すぐに叫び出したい者もいただろう。
しかし、そんな彼らが今この瞬間だけは心ひとつに沈黙を保ち続ける。神経を尖らせ、講堂の演台に座す者の話に耳を傾けるためであった。 - 250◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 09:19:06
「やあやあ代表選手のみんな、よく集まってくれたね。まず最初に言わせてほしい――選抜試験の突破、おめでとう!」
大教室に高らかな声が響く。
ここに集った二十五名は、四寮間対抗試合の最終プログラムに臨む者たち。互いに競い合い、仲間を蹴落とし、血を吐くような努力の末に辿り着いた精鋭だ。
「君たちはこれから互いに戦うライバルであり、同じ舞台に立つ戦友でもある」
演台に立つのは、一見頼りなげな小柄の男だった。サイズの合わないベージュのコートに華奢な体。だがその正体は、アニーマーンの教師にして天文学と占い学の世界的権威――エデン・フラワー・ブラウン教授である。
普段は真面目で優しく、生徒たちから慕われてやまない人気者。その彼が、今日は珍しく強張った表情を見せていた。
「実のところ、僕は確信しているんだ。今この場にいる君たちこそが勝利を掴むに相応しい者たち――すなわち、『死を制するもの』だとね」
瞬間、教室がざわめいた。
誰かは息を呑み、誰かは笑みを浮かべる。若者たちの視線は一斉に、演台の上に置かれた“ある物体”へと吸い寄せられていた。 - 251◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 09:20:09
「約束通り、優勝の暁にはトロフィーに代えてこれを授けよう。魔法界に三つあると伝わる『死の秘宝』――そのひとつ、『ニマンアの杖』だ」
演台に置かれていたのは、黒ずんだ木の枝のような杖だった。形はひしゃげ、不格好。しかし、見る者の胸をざわつかせる不可思議な力を宿している。
それがただの杖でないことを、生徒たちは直感していた。
【あらゆる決闘に勝利をもたらす最強の武器――『ニマンアの杖』】
【死をも凌辱する生者の夢――『蘇りの石』】
【何ものにも隠される空間――『透明マント』】
『死の秘宝』の物語は、魔法界ではあまりにも有名だ。伝承の真偽はともかく、その名を知らぬ者はいない。
だからこそ理解できてしまう。
この場に集った二十五名は皆、ライバル同士。至高の魔法使いとなるため、いずれはこの『ニマンアの杖』を奪い合う運命にあるのだと。 - 252◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 09:20:40
「そ、それはまさしく本物の『ニマンアの杖』……!
先輩方、どうか見ていてください! このボクが必ずや栄光あるデュランダルに秘宝を持ち帰り、全ての敵を討ち果たして、新たなる伝説を刻んでみせますっ!」
真っ先に声を上げたのは、小柄な一年生の少年だった。
金糸のような髪はふわりと揺れ、瞳は星屑のようにきらめく。外見は人形めいて幼い。だが背筋を真っすぐに伸ばしたその立ち姿は、彼が紛れもなく「騎士」であることを示していた。
名はナチア=ラプトン。
入学早々、決闘の腕と真摯な騎士道精神を買われ、代表に抜擢された新星である。
その熱に浮かされた宣言は、しかし他寮の生徒たちを一斉に苛立たせた。
冷ややかな視線。鼻で笑う声。敵意が波のように押し寄せ、場の空気を張りつめさせる。
「おやおや、誰かと思えばラプトン君か」
だが、エデン・フラワーは動じなかった。演台の上で微笑みを崩さず、少年に視線を向ける。
「元気なのは結構だけど……できれば話に割り込まないでくれるかな。質問や意見があるなら、手を挙げるんだ」
咎める言葉のはずなのに、声は優しく響く。だが次の一言が、氷の針のように突き刺さった。
「君は誇り高い決闘者だ。けれど――先走りすぎて、いつか足元を掬われるかもしれないね」
ナチアの胸をかすめるのは叱責か、予言か。答えを示すことなく、エデンは穏やかに続けた。
「とはいえ、君の言う通りだ。最終プログラムで君たちに課されるのは、敵を討ち払い、生き残ること。その意味では、間違ってはいないよ」 - 253◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 09:23:10
「試験の内容をお伝えしよう」
エデン・フラワーは声を張った。その声音は講堂の壁に反響し、歯車仕掛けの音すらかき消す。
「最終プログラム――君たちに課されるのは『死』だ」
ざわめきが広がる。息を呑む音、誰かの小さな悲鳴。
しかし、エデンはそれらを気にも留めず、淡々と続けた。
「死と向き合い、死を越えること。それこそが、真に魔法使いとして相応しい『死を制する者』を選び出す方法なんだ」
その瞬間、一人が声を張り上げた。
「死ですって?」
挑むように立ち上がったのはヴェロニカ・リーゼロッテ・フィリップス。森の化身のような深緑の髪が揺れ、鋭い瞳がエデンを射抜く。
「あたくしの受け取ったフクロウ便によれば、最終プログラムは校長先生との面接。敵を蹴散らすだの、貴方の関与だの――そんな話は一切なかったはずよ!」 - 254◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 09:24:36
その声は、場にいた誰もの胸に同じ疑念を蘇らせた。
そうだ。確かにそんな通知だったはずだ。だが、どうして今の今まで疑問に思わなかったのか――。
ジネヴラの背筋に鳥肌が走る。忘れていた何かが、頭の奥で鈍く蠢いている。
記憶が書き換えられていたのだ。今この瞬間まで、誰もが気づかぬままに。
「ええ、そうだね」
エデンは肩を竦め、ため息交じりに笑った。
「もう取り繕うのも面倒になってきた。……でも仕事は仕事、きっちりこなさないとね」
そして緑の瞳が細められる。
次の瞬間、ジネヴラははっきりと感じた。見えない糸が意識を絡め取り、頭の中をこじ開ける。
――侵入されている。
その感覚はあまりに滑らかで、ほとんど痛みも抵抗もない。
記憶が塗り替えられ、言葉が植えつけられ、心そのものが他人のものになっていく。
今さら気づいても遅い。すでに何度も、こうして操られていたのだ。
「最終プログラムの名は『バトルロワイヤル』」
エデンは宣言した。
「マグルの小説から取った言葉さ。――最後の一人になるまで続く殺し合い、という意味だ」
講堂は凍りついた。
誰もが記憶を取り戻しつつあった。しかし、それが真実か虚構かを判別できない。
自分がなぜここに、時計台裏の廃教室に座り、なぜこの男の言葉を信じていたのか。答えはひとつも見つからない。 - 255◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 09:25:07
「ということで――」
エデンは演台の上で両腕を広げ、あくまで朗らかに言った。
「これから君たちには、生き残りを賭けて戦ってもらう。優勝の証、『ニマンアの杖』を求めてね。
最後に立っていた者こそが、真の勝者だ!」
歯車が回る音がやけに大きく響いた。
その音が、死を刻むカウントダウンのように聞こえた。 - 256◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 09:25:59
◇
「ディオメデス代表の枠が丁度ひとつ空いたんだよ。七年生は問題児ばかりでね。間を取り持てる聡明な生徒が必要なんだ。君ならきっと素晴らしい活躍ができる」
半年前、そう告げたのはベージュのコートを羽織った男。中性的で華奢な体つきに、疲れを隠すような微笑み――ディオメデス寮の寮監、エデン・フラワー・ブラウンだった。
ジネヴラは眉を顰め、警戒心を抱きながらも返事を返そうとし――
「ご記憶いただいてたとは光栄です、先生。……でも代表選手の件は、前にもお断りしました。私に拘らなくても、相応しい方はディオメデスに大勢――」
言葉を言い切る前に、エデンの声が割り込んだ。
「ごめんね」
柔らかい声音だった。だが、その響きはジネヴラの胸に冷たく沈んだ。
「僕もね、本当は心苦しいんだ。何度も頼んだのは、あくまでダメ元さ。できれば生徒自身の決断で参加を選んでほしかった」
そう告げると、華奢な指先が彼女の額に触れた。触れた瞬間、碧眼が大きく見開かれ、世界の色が闇に沈む。
「でも――君は優秀すぎた。逃すわけにはいかなかったんだ。だから少しだけ、魔法で手荒な真似をした。……許してくれるよね?」
ジネヴラの唇は震えただけで、声にならなかった。杖先から伸びた銀色の糸が額を貫き、思考を絡め取り、意識を呑み込んでいく。
「ようこそ、四寮間対抗試合の代表候補へ。ジネヴラ・レンハイド。君が『バトルロワイヤル』まで進んで来ることを、心の底から願っているよ」
エデンの右手が差し伸べられた。
陶器のような左手が、そっと応じて握り返す。
エデン・フラワーの冷たい手の感触が義手越しにジネヴラの掌に伝わり、いつまでも、いつまでも残り続けていた。 - 257◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 09:28:09
以上でプロローグ①を終了させていただきます。
時間をおいてプロローグ②を投下いたします。
プロローグ②ではゲームの詳細なルール説明の他、皆さまお待ちかねの「アイテム」「地形」「デストラップ」についても言及させていただく予定です。 - 258二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 12:26:33
すいません>>91のユウキの学年は5年生ということでお願いしたいです
記入漏れがあって申し訳ない
- 259二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 12:29:43
ルール次第では同じ寮生たちで序盤は組むとかありそうではあるな
- 260二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 12:38:28
エデン先生怖い…
なんというか、ガチガチに組んだファイアーウォールをいつのまにかすり抜けてそうな怖さ - 261二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 18:06:07
プロローグ②はどんな感じで何時ぐらいに投稿されるかな
めっちゃ楽しみ - 262◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 20:11:34
話がまとまらずかなり長くなってしまいましたが、プロローグ②は本日9時ごろに投稿予定です。
その後、デストラップ/アイテム/地形に関するレギュレーションを発表し、募集を開始させていただきます。 - 263二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 20:13:51
すみません 今言うのも遅いかもしれませんが自分の出したキャラの性格や魔法などを大きく変更しない程度に書き足すのってOKですかね…?
- 264◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 20:27:47
- 265二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 20:59:36
【キャラシートの情報に併せて追記】
《性格》非常にフレンドリーかつお調子者でありながら、意外と常識人。危険な場面ではおちゃらけた態度を崩さないながらも冷静な判断や的確な指示をする。
《得意科目・魔法・特技》戦闘は手慣れており、体格の小ささと得意の炎魔法を応用して素早くエネルギッシュに動き回る。
《詳細》身長が低いのは彼のが受けた呪いの影響によって5歳から身体の成長が阻害されていることによるものである。
- 266◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 20:59:52
それでは、プロローグ②を投下させていただきます。
- 267◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:02:11
「殺し合い、と仰いましたの?」
深緑の瞳で油断なくエデンを見据えながら、デュランダル寮四年のヴェロニカ・リーゼロッテ・フィリップスが再び口を開いた。
その背後には、彼女に庇われるようにしても、騎士としての誇りから勇気を振り絞り、なおも教師を睨みつける一年生――ナチア=ラプトンの姿がある。
「言ったとも」
エデン・フラワー・ブラウンは、二人の威圧に呑まれることなく、淡々と続けた。
「『バトルロワイヤル』に馴染みがないかな? マグルの世界では流行った概念だが、魔法界にはまだ『デスゲーム』という発想すら浸透していない」
彼は演台に手を置き、積み上げられた古書――アルバムのようにも見える一冊を取り上げる。
「マグル文化は意外と参考になる。『バトルロワイヤル』もそうだ。僕は何度も記憶を書き換え、この儀式を繰り返すうちに、占い・予言――ひいては“運命”の真髄を見た」
華奢な指がぱらぱらと頁を繰る。そこに在ったのは魔導書ではない。魔法と無縁の、しかし誰もが目を逸らせない類の本だった。 - 268◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:02:36
「端的に言えば、僕のライフワークさ。研究が世に認められて久しいが、最初の目的はもう忘れた。……愛しい教え子たちがこの世からこぼれ落ちていくのを見るのが、今はただ楽しい。最近は、この趣味を理解してくれる協力者も増えたしね」
ヴェロニカとナチアが息を呑む。
頁から滑り落ち、床に散らばったのは数十枚の写真――アニーマーンの制服姿の生徒たちだ。傷んだもの、白黒のもの。丁寧にファイリングされた束もある。総数は、軽く数百に届くかもしれない。
どうして忘れていたのか。比較的新しい写真の幾枚かには、ジネヴラやヴェロニカの見知った顔も混じっていた。彼らは毎年、ある時期に忽然と姿を消し、二度と教室に戻らなかった者たち――。 - 269◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:03:21
講堂は、恐怖と混乱の渦に呑まれた。
勇敢なデュランダルのナチアでさえ、機械仕掛けのジネヴラでさえ、その波に足を取られる。場に「正常な判断」を保てる者はいない――ただ一人を除いて。
「なるほど、そういうことでしたの。事情は理解したわ」
ヴェロニカ・リーゼロッテ・フィリップスは席から一歩も動かない。深緑の淑女は根を張るように腰を据え、三度エデンに向き直った。
「アニーマーンの教師が、非魔法族の野蛮な破壊行為に手を染めるなんて。……本校の品位も地に落ちたものね」
世間は彼女を、情熱的で過激な理想主義者だと評する。その通りだ。だが一つ誤解がある。
ヴェロニカにとって“自然”とは、生態系そのもの――そこには自然に与する人間、すなわち魔法族とアニーマーン魔法学校も含まれている。
今、彼女の中で独善的かつ偏見に満ちた人物相関図が完成しつつあった。
――エデン・フラワー・ブラウンこそ大自然と魔法族に牙を剝く逆賊。ならば排除するのが地球の意志である。
その確信が、すべての恐怖を焼き尽くすほどの憤怒へと転じていく。 - 270◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:04:10
「それで――“バトルロワイヤル”のルールを聞かせていただけるかしら?」
ヴェロニカは震える後輩の肩に軽く指を置く。
「ナチア、あなたも聞きなさい。情報を取りこぼして我がデュランダルにこれ以上の犠牲を出したら、末代までの恥よ」
怒りで煮えたぎる頭脳とは裏腹に、彼女の口調は徹底して冷静だった。
デュランダルの古い教えがある。“真の勇者は殺すことを優先しない。強大な悪から弱きを守り抜くことこそ栄光であり、それができぬ者は蛮勇だ”。
目の前の男は上級生ですら容易く欺いた。今、後輩を守ることを放棄してまで突っ込むのは蛮勇だ――ヴェロニカはそう判断する。
彼女は素早く前に出て、寮の仲間を制し、教師に視線を戻した。実際、中学年ながらも問題児の多い今年のデュランダル代表をまとめるサブリーダー的な立ち位置にあるのが、彼女である。
「いやはや、見事だよ、ヴェロニカ嬢」
エデンは杖を引き、軽く拍手した。
「正直、洗脳が解けた後の混乱は手に余ると思っていた。見せしめを用意する気でいたが――君は後輩を救った。おめでとう」
この時になって、ナチア=ラプトンは、さきほど自分に向けられていた杖先に気づき、さらに青ざめた。
「さて、質問も出たし、ルールの説明に移ろう。……ただ、一から話すのも味気ない。せっかくだから、先生の魔法の一端を“直接”見せようか」 - 271◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:05:24
突如、鋭い痛みが頭を貫いた。
呻き声を上げる間もなく、光の文字列が脳裏を奔り、思考の奥底へ焼き付く。
【曰く、これは“三日間の殺し合い”である】
【最後の一人になるまで『禁域』からは出られない】
【脱出の試み、ルール破壊、期限超過――いずれも『死の呪い』が発動し全員死亡】
言葉での説明ではない。魔法による強制的な“理解”。抗う間もなく、全員が把握し、同時に絶望を共有した。
「ふざけるな! そんなの試合じゃない、虐殺だ! ここまで来たボクたちの努力を、何だと思ってる!」
静寂を破って、ナチアが叫ぶ。声は震え、必死の抗議だった。
エデンは薄く笑みを浮かべる。
「愚かだね、ナチア君。先輩が作った機会を棒に振るのか。……占い学者としての直感だが、君は生かしておいたほうが面白い。偉大なるデュランダルを巻き込んで、どう自滅するか見てみたい」
「だから――代わりを用意しよう」 - 272◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:06:01
彼は視線を巡らせ、一角の一年生を指差した。本来ここにいるはずのない顔――取材目的か、好奇心で潜り込んだモブ生徒。
名を、フシタロ・タナカ。
「せ、先生……もう帰ってもいいでしょうか。友達の活躍が見たくて、代表でもないのに来てしまったのはごめんなさい、でも……もう寮に戻らせてください」
必死に頭を垂れるフシタロ。しかし逃げなかったのは、恐怖のせいではない。
彼には《ゾンダネーヴォ(回生)》という異能があった。通常は巨大な方陣と百年単位の儀式を要する“肉体再生”を、己の身ひとつで完結させる現代の異能。――ゆえに確信していた。死の呪文でも生き延びられる、と。
その自信が、破滅を呼ぶ。
「記憶は弄れるから、逃がしてもよかった。でも、ごめんね。予言者としての勘が告げている。今は君より、ナチア君の未来が面白い」
「せ、先生、なにを――」
「見せしめだ。――サーナトス、『蝕め』」
次の瞬間、フシタロの胸が内側から弾けた。心臓を握り潰される衝撃。彼は血を吐いて崩れ落ち、二度と起き上がらなかった。
悲鳴が講堂を満たす。
「これが『呪い』だ」
エデンは淡々と告げる。
「代表全員の心臓にも同じものが仕込まれている。ルールを破れば即死。逃げ場はない」
笑顔は穏やかだが、その確信は冷たい刃のようだった。 - 273◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:06:45
「君たちが戦う舞台は『禁域』。アニーマーン城の敷地を丸ごと写し取った異界だ。生徒も教師もいない、空虚に再現された校舎と森と湖――好きに使うといい」
エデンが指さす。背後には巨大な“逆さの文字盤”。
「この時計塔は禁域のどこからでも見える。時刻を知らせるのは鐘の音――それが合図。……死へのカウントダウンだ」
「こんな茶番、受け入れられるか!」
ナチア=ラプトンが椅子を蹴って立ち、演台へ躍り出る。杖を握り、魔法を放とうとした。
横合いからヴェロニカが肩を掴み、全身で押さえ込む。
「今は抑えなさい、ナチア。――私とデュランダルの先輩方が、必ず全員をこの“ゲーム”から救い出す」
慰めに過ぎない。それでも、尊敬する先輩の叱咤に、ナチアは辛うじて怒りを呑み込む。
だが、起動した魔法は消えず、火花が飛ぶ。光弾がエデンの頬をかすめた。
彼は微動だにしない。片手をひらりと振ると、まるで初めから当てる気がなかったかのように弾道は逸れ、霧散する。
「元気があってよろしい。だが、その情熱は“敵”にぶつけなさい。僕に向けるのは無駄だよ」 - 274◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:07:25
「さあ、ここからが本番だ。代表二十五名は、この場から禁域各所へ転移する」
言葉と同時に、床の転移陣が眩く発光した。刻まれた魔法陣が唸り、歯車の音と重なり合う。
「三日後、最後の一人になるまで戦い続ける。……生き残ってみせてごらん」
エデンの声が遠ざかる。
白光が爆ぜ、視界が塗り潰され――次の瞬間、生徒たちはそれぞれ、禁域の異なる地点へと散り飛ばされていた。
◇
「それじゃあ、みなさん――良い旅を」
ぱちん、と指が鳴る。代表たちの姿はすでに消えていた。
複数人を一挙に巻き込む広域転移。精神干渉に加え、空間魔術までも極めていなければ不可能な神業――協力者なしには。
「どうか、生徒たちの命に、幸運がありますように」
エデンは静かに目を閉じ、フシタロ・タナカの遺体へ祈りを捧げる。
そして俯いていた顔を上げると、暗がりを出て、逆さの文字盤の下――ランプの灯のもとへ歩み寄った。 - 275◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:08:19
「おお、上手く行ったようですね」
「まあ、新鮮な未成年の死体ですよ」
「しかしエデンくん、君の司会進行は素晴らしい。このゲームが終わったらぜひ私の専属デスゲーム進行者にならないかね!」
――死の秘宝のひとつ《透明マント》。
何もない空間がはらりと剝がれ、エデン・フラワー・ブラウンの“愛すべき協力者”たち――この遊戯を支配する邪悪が姿を現した。
魔法暗黒富豪。上等なシルクローブに仮面の老人たちは、上品に装いながらも、開幕した“闇の遊戯”にどす黒い欲望を隠しきれない。
「……お褒めに預かり光栄です。
僕はただ趣味を楽しんでいるだけなのに、こんなにも沢山の方々のご支援をいただけるなんて…」
貼り付いたような笑みで一礼し、エデンは演台へ向き直る。床に散った写真を拾い上げるため、膝を折った。
彼のアルバムには、真新しい二十五枚の顔写真が、すでに追加されていた。 - 276◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:09:28
プロローグ②は以上となります。
時間を置いて、募集レギュレーションの説明に移らせていただきます。 - 277二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:13:08
やっぱりデスゲームと言えば暗黒金持ちですね
- 278二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:14:19
闇カネモチ…やはりいたか…
- 279◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:21:12
◾️準備が整いましたので、今作の舞台設定を再度簡単に説明させていただきます。
◾️此度に代表選手たちが降り立ちますのは『禁域』と呼ばれる異界。ゲーム関係者以外は立ち入ることの許されないこの『禁域』は、アニーマーン魔法魔術学校の敷地内を無人のままに丸ごと再現した裏世界とでもいうべき場所です。
◾️代表選手たちは、これから最長3日間に渡ってこの『禁域』で最後の一人となるまで殺し合うことになります。
『禁域』からの脱出は不可能。仮にゲームの破壊を試みたり、制限時間の3日をすぎても優勝者が決まらなかった場合は『呪い』による制裁が待っています。 - 280◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:23:37
◾️前述した通りデスゲームの舞台となる『禁域』内には現実のアニーマーン城及びその周辺地域が無人で再現されています。
そこで、『禁域』内に存在する「地形」と生徒たちに配られる「魔導具(アイテム)」、そして生徒たちに容赦なく襲いかかる「魔法生物(デストラップ)」を皆様から募集したいと考えています。
募集期間はひとまず最初の6時間が終わるまで(【生徒名簿】が1周するまで)とします。尚、全ての案の登場を保証できる訳ではございませんのでご理解ください。
↓以下テンプレ↓
《名前》
《分類》地形/魔導具/魔法生物
《説明》地形の場合は『禁域』における大体の位置、もしくはアニーマーン城内のいずれの位置にあるかも合わせてお書きください。 - 281◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:24:09
◾️応募いただいた魔導具や魔法生物は本編に直接登場しない場合も、世界観補強のためにフレーバーとして使わせていただくことがございます。
- 282二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:31:29
《名前》魔銃
《分類》魔導具
《説明》撃針に術式の刻印が彫られた銃。種類は様々。魔力を込めるだけで魔力の弾丸を放つことができる。非才の護身具として蔑まれている。 - 283二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:34:17
《名前》蠢く大森林
《分類》地形
《説明》ゲーム開始時には禁域北西部に存在。自らの養分になる獲物を求め禁域中を徘徊する植物群。周囲の色彩に合わせ色を変えるため、気配を察知するなど目視以外での方法でなければ認識することはできない。
地形としてダメだったら魔法生物(デストラップ)に変更してください - 284二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:38:21
《名前》手持ちガトリング
《分類》魔導具
《説明》謎の技術により完成した手持ち式のガトリング、一分間に4000発の弾丸を発射可能 - 285二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:38:40
《名前》ハーブ
《分類》魔導具
《説明》魔法を行使する際の魔力を引き出す補助として一般的に用いられるハーブ。加工せずに用いると酩酊、幻覚などの副作用が現れる。 - 286二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:40:44
《名前》ほこり精霊
《分類》魔法生物
《説明》埃を被った室内によく生息する。近くの人間1人を突然包み込み、魔力を少し奪いつつ全く違う部屋へ瞬間移動させる生態を持つ。本来はあらゆる類の攻撃魔法で追い払える弱い生物だが、ここの個体はなぜかほとんどの魔法を弾くため、下手に魔法で追い払おうとすると思いもよらぬ軌道で返ってきたりもする。 - 287二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:42:00
《名前》底なし沼地
《分類》地形
《説明》森の中にある馬鹿でかい底なし沼。極めて危険なので近づくことすら禁止されているが、とても質の良いキノコが付近に生えているので密猟者が後を絶たない。そしてその殆どが消えている。
《名前》女王ヒル
《分類》魔法生物
《説明》底なし沼に棲む、全長30mほどの超巨大な手足を生やしたヒル。
正確にはヒルではなく、沼の魔力を受けて変異したドラゴンの一種であり、身体に大量にへばりついたヒル達と共生して獲物を狩る。ヒルが貼り付いた相手の血の匂いを嗅ぎつけて獲物を探知するのである。
極めて高い再生能力を持ち、底なし沼に引き摺り込もうとしてくる。
また、多量の毒液を口部から放つほか、ヒルの塊を飛ばして攻撃する。 - 288二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:44:07
《名前》アビスオルカ
《分類》魔法生物
《説明》地面を海のように泳ぎ襲いかかってくるシャチ。土魔法を使い地形を自分の都合の良いように操作する。 - 289二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:44:56
《名前》聖なる短刀
《分類》魔導具
《説明》銀の刀身が鈍く光るナイフ。たいして切れ味は良くないが、銀は邪悪なものに対して絶大な効果を発揮すると言われている。 - 290二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:45:43
ありかわからないけど
《名前》謎の部屋
《分類》地形
《説明》城の地下にあるエデンすら存在を知らない部屋
入る難易度は相当高く、城の歴史に詳しいものでないと入ることはまず無理だが、この部屋にいる限りはあらゆる呪いを無効化出来る
ただし1人しか入れないようになっている - 291二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:46:15
《名前》トランク
《分類》魔法生物
《説明》片手で持ち上げられる程度の旅行鞄。
内部の空間が歪められており、ビジネスホテル一部屋分程度の物は格納できる。自分から中に入って酸欠で死ぬ愚か者が毎年居る。 - 292二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:48:54
《名前》ラブキング
《分類》魔法生物
《説明》水中であればどこにでも生息する謎の魚。鱗がハート型で縁起がいい
川、池、沼、溝、果ては水溜まりまで、水中ならどんな環境にも適応できる
攻撃能力は無に等しく敵対的でもないが、 触れたものを滑らせるという謎の魔法を持つ為迂闊に触ると危険 - 293二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:49:08
《名前》フルヒトバルト(恐怖の森)
《分類》地形
《説明》『禁域』北部にある巨大森林。鬱蒼と茂る原生林は昼間でも暗い。奥地には底なし沼や謎の建築物があったり、危険な魔法生物が棲みついているという。
ともかく身を隠せる場所は多いし、薬草やキノコ等のアイテムも豊富なのでサバイバルにはもってこい。 - 294二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:49:25
《名前》フェネクス・ホロウ
《分類》魔法生物
《説明》ダンダリオンの前世が作り上げた最高傑作のキメラ、とある暗黒金持ちからの寄贈品。
自身の分け身ともいえる存在であり焔が燃え盛る鳥の様相を示している。
幻術にて様々な姿を取り、不滅とも言うべき蘇生能力を持つ。
作者にしか分からないコードを仕込んでおり、それによっていつでも服従する用意があるらしい。 - 295二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:50:17
《名前》あなたにも出来る!?簡単魔術取得法!!!
《分類》魔導具
《説明》ハズレアイテム。ある魔法使いが書いたマグルやスクイブに向けて書いた本。中身は魔法族の立場から見るとデタラメばかりだが、暇つぶしに見るぶんには面白い。 - 296二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:51:27
《名前》声ペン
《分類》魔道具
《説明》市販のジョークグッズ。ペンを用いて書いた文字から書いた内容通りの音声が筆者の声で流れる。 - 297二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:52:38
《名前》誰かの分霊箱
《分類》魔導具
《説明》何者かの魂が入れられた分霊箱、各地に合計九つある。
分霊箱の中には多量の魔力も同じ箱の中に入れられており、一時的なブースト手段として利用できる。 - 298◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:52:48
◾️皆さま、沢山のアイデアをありがとうございます!
途中ではありますが、いよいよ第一話の登場人物ダイスを振らせていただきます。
第一話に登場する生徒はdice1d4=2 (2) 人です!!
- 299二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:54:15
《名前》廊架橋
《分類》地形
《説明》アニーマーン城内の一部の廊下を置き換える形で現れている、奈落とそれに架かる廊下幅の橋。奈落のように見える橋下の黒いモヤは瘴気であり、触れた時点で触れた者にまとわりつき、急速に魔力と生命力を奪い魔法の使用を不可能に…つまり、落ちてしまった時点でほとんど終わりである。 - 300二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:54:49
《名前》ハムシ
《分類》魔法生物
《説明》2mmほどの体調を持つ吸血性の羽虫。体液を吸われると体力魔力共に消耗していき、後々不利になっていく。 - 301二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:54:52
《名前》デスナイト
《分類》魔法生物
《説明》マグルの騎士の霊を憑依させた全身鎧。生前は魔法を使えない身で魔法族を討ち倒す戦闘技術を持っており僅か10騎で100の魔法族に勝利したとも言われる。さらに身体能力は生前以上で疲れ知らず、鎧は魔法に耐性を持ち恐るべき戦闘能力を誇る。 - 302◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:55:03
- 303二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:56:36
《名前》ペルソナ・ペリクルム
《分類》魔法生物
《説明》夜の建物の中でよく見られるが、そこにいるのか出現しているのか不明
人間を認識した瞬間殴ってくる全身が黒い人型の怪物。
魔法が通り抜ける上に防御魔法も貫通してそこそこ速めのスピードで殴ってくる - 304◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 21:57:11
◾️第一話には
16.ダリア・オクタヴィアス 様
並びに
22.ヤイユ・エイ 様
が登場するようです!!
それでは、いよいよ生存ダイスを振らせていただきます…!! - 305二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:58:07
《名前》剛力の腕輪
《分類》魔道具
《説明》身に付けると途轍もない剛力を発揮できる。ただし少し疲れやすくなる。 - 306二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:58:36
《名前》魔術バスケットボールコート
《分類》地形
《説明》箒で飛び回り、戦略やボールを駆使してゴールを決めていく魔術バスケ(言ってしまえばクディッチみたいなもの)のために屋外に作られた特設コート。多くの生徒が懐かしさを感じるかもしれない。
広く、試合用に簡単な術式でコート内を魔法障壁で覆うこともできるため決闘にも最適。 - 307二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:59:18
位置はアニーマーン南すぐ近くです
- 308二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:59:57
このレスは削除されています
- 309二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:00:54
《名前》針千本
《分類》魔道具
《説明》簡易な契約式が施されたビー玉サイズの鉄球。約束を交わし、鉄球を飲み込むと体内に吸収され、破ると千本の針が喉に炸裂する。数年前に規制されたため販売されていない。 - 310◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 22:03:31
16.ダリア・オクタヴィアス 様
《関係の深い生徒》dice1d25=12 (12)
《関係値》dice1d100=91 (91)
《生存値》dice1d100=38 (38)
《アイテム》dice1d100=61 (61)
22.ヤイユ・エイ 様
《関係の深い生徒》dice1d25=12 (12)
《関係値》dice1d100=94 (94)
《生存値》dice1d100=33 (33)
《アイテム》dice1d100=75 (75)
◾️アイテムダイスに関しましては、値が高いほどアタリ、値が低いほどハズレのアイテムとなります。
また、場合によっては皆さまからいただいたアイデアにない、こちらで用意させていただいた案が採用される場合もございます。
- 311二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:04:50
エルドの交流関係が広すぎる
- 312二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:07:23
さすがアネゴ…
- 313◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 22:08:12
16.ダリア・オクタヴィアス 様
《関係の深い生徒》エルド・ファブニール
《関係値》非常に良好
《生存値》低い
《アイテム》普通
22.ヤイユ・エイ 様
《関係の深い生徒》エルド・ファブニール
《関係値》非常に良好
《生存値》低い
《アイテム》少し高い
◾️以上のような結果となりました…
ファフニール寮のエルド様は他寮にまで非常に広い関係をお持ちのようですね。 - 314二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:08:45
《名前》ボトルネック
《分類》魔道具
《説明》品種改良されたマンドラゴラ。半日かけて地中で成長し、枯れる。地盤を出鱈目に締めながら成長するため、枯れた際に反動で大地震が起きる。 - 315二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:09:48
《名前》魔力増強剤
《分類》魔導具
《説明》飲むことで爆発的に魔力を増強し、一時的に本来の実力以上の力を発揮させる薬。強力なドーピングであり、自分の実力以上の力は身体に過度な負担を強いる。 - 316◆sUNOdUXYScMw25/09/05(金) 22:10:42
◾️それでは、時間を置いて第一話を投下させていただきます。
少なくとも日付を跨ぐかと思われますので、その間皆さまからの沢山のご応募を募集しています。 - 317二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:11:22
《名前》保健室
《分類》地形
《説明》そのまま保健室。ベッドや回復アイテムがあり休むのに適している。アニーマーン城の一階東側にある。
《名前》保健室に潜む者
《分類》魔法生物
《説明》保健室のベッドの下に潜んでいるモンスター。全身真っ黒な人型。やって来た生徒が油断した隙に襲いかかる。メスと毒入りの注射器を武器にする。 - 318二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:11:54
エルドさん慕われてんなぁ
そして関係性ダイス、なんか懐かしく感じるわ
うちの子が自分自身出してぼっちになったの思い出す - 319二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:12:57
《名前》ファブニールの宝剣
《分類》魔道具
《説明》邪龍ファブニールの遺体から作られた宝剣、かの邪龍の力を振るう事が出来、あたり一面を黄金郷へと変じさせるといわれているがとある騒乱にて失われたとされていた。 - 320二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:13:38
《名前》実験室
《分類》地形
《説明》アニーマーン城の地下に位置する、危険な魔法を行使する際に使われる部屋。
色んな魔道具が置かれている。 - 321二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:16:38
《名前》禁書《キメラの生き字引》
《分類》魔道具
《説明》禁書に指定されたダンダリオンの転生前に書き記したキメラへの知見の集大成であり、禁断の叡智をもたらすモノ - 322二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:16:39
《名前》カタコンベ
《分類》地形
《説明》アニーマーン城の地下深くに秘匿された地下墓地。
大昔の学園首脳陣の遺体が安置されているとされ、アンデッドが徘徊する危険な地域。 - 323二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:17:54
《名前》姿見
《分類》魔道具
《説明》各所に設置されている姿見。2枚1組で画面の共有ができる。 - 324二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:21:53
《名前》黄金小竜
《分類》魔法生物
《説明》黄金のブレスを吐く小さな竜、各地に存在し宝物庫を守護している。
《名前》宝物庫
《分類》地形
《説明》黄金小竜に守られる各地に偏在した地形。
金銀財宝が収められており、一時的な安全地帯として利用できる。 - 325二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:26:33
《名前》獲具子剥離腕(えくすぺりわん)
《分類》魔道具
《説明》遥か極東の魔法使いの間で開発された魔道具。小さなバジュラのような見た目をしており、相手に投げつけることで高速で飛んでいき、相手の得物のみに強くぶつかり、ほとんど無条件で遠くに吹き飛ばす。西洋では歴史的に魔法による『武装解除呪文』が発展したことなどから、こうした魔道具はあまり作られなかったと言われている - 326二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:28:40
《名前》透視の望遠鏡
《分類》魔導具
《説明》覗き込むと障害物を無視して遠くまで視認できる、手持ちタイプの望遠鏡。強く念じることでより透過力を高めることができる。
……人間に対する乱用は固く禁止されている。 - 327二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:34:18
《名前》おでん
《分類》魔導具?
《説明》東国のマグルが作り上げた食品の一つ、美味しいだけで特に何の変哲もない - 328二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:35:06
《名前》ダウンジングセンサー
《分類》魔道具
《説明》先端に枯れた手首がついた金属の棒。棒に触れている者を除く、最も近い人間の肝臓を指差す。 - 329二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:39:11
このレスは削除されています
- 330二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:41:20
《名前》鉛筆
《分類》魔道具
《説明》ハズレアイテム。使い古された鉛筆。折ると、ファンファーレと万雷の拍手が辺り一面に響き渡る。 - 331二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:43:35
《名前》ロケットペンダント
《分類》魔道具
《説明》ハズレアイテム。写真は入っていない。蓋を開くと、壮年の男性による涙声のケニーという男への恨みつらみが語られる。 - 332二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:43:41
《名前》エクスカリバール
《分類》魔導具
《説明》純金で出来たバール、とても固くなるよう魔法が施されている - 333二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:48:58
《名前》アニーマーン湖
《分類》地形
《説明》アニーマーン城を取り囲む巨大な湖 山の方角から水が入り北西の方角に流れていく 水深はかなり深く、湖の底には秘宝があると噂されている 水生の魔法生物が数多く生息し、深くなるほど凶暴な魔法生物が多くなる - 334二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:51:23
《名前》リボルバー
《分類》魔道具
《説明》ハズレアイテム。dear my love と刻印された古いリボルバー。弾は入っていない。引き金を引くと、漠然とした罪悪感が込み上げてくる。 - 335二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 23:00:08
《名前》死人形の蠢き
《分類》魔導具
《説明》死体に根を張り、生者のように振る舞わせる寄生型の魔法植物…の種。死体に使えば急速に成長し『死人形』とすることで生息域を広げる。多くの国で輸入禁止・持込禁止指定。
今回は加工され、使用者の意のままに死人形が動くようになっている。なお、死人形の得意な魔法は死者の生前の得意としたものに準拠。 - 336二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 23:09:53
《名前》マグル資料室
《分類》地形
《説明》校舎内の片隅にある資料室。マグルの書物やマグルに関する様々な書物(ほとんどは魔法族の偏見だらけ)が収められているが、訪れる者は少ない。
エデンの言及していた『バトルロワイヤル(初版)』もここに存在しており、挟まっている彼のものと思われる栞には何事かが書かれているという。 - 337二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 23:13:56
《名前》鏡妖精
《分類》魔法生物
《説明》人間の子供サイズの妖精。力は弱く、足も遅いため簡単に捕まえられるが、受けた魔法をそっくりそのまま返す特性を持つ為、絶対に魔法を使ってはいけないぞ。 - 338二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 23:15:27
《名前》調理室
《分類》地形
《説明》アニーマーン城2階の東側の角部屋。誰かが作っていた途中だったのか、お菓子の甘い匂いが漂っている。
食料庫には3日と言わず数ヶ月は持ち堪えられるだけの食材が残っている。 - 339二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 00:23:58
《名前》大講堂
《分類》地形
《説明》皆が学ぶ学び舎の大部屋、合同での授業時などに使われる。
様々な不思議な噂が錯綜している - 340二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 01:04:59
《名前》磁石霊
《分類》魔法生物
《説明》弱い磁力を発する精霊。見た目はほぼチンアナゴ。
害も益もないような低級の精霊だが、常に北を向いているため方角を確かめるのに便利。 - 341二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 01:22:35
《名前》○○スライム
《分類》魔法生物
《説明》高学年が論文用に飼育していたスライムが一部逃げ出し野生化したもの、もともとはノンスライムという無属性魔法生物生存競争で進化した、必ずマグル的手段で捕獲しなければならないという決まりがある、魔法に触れると"染まる"ためだ、自然界ではまずないが、あらゆる魔法に触れた"オールマイティースライム"以上に進化すると専門機関が飛んでくる危険生物扱いになる - 342二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 01:39:05
《名前》暴食のカトラリー
《分類》魔導具
《説明》7貴族の秘宝シリーズをご購入いただき感謝いたします、当商品は伝承にある悪魔"ベブゼブブ卿"の力を再現した商品になります、このカトラリーを装備されますと文字通り何でも食べることができるという破格のご一品です、弊社といたしましてもこの権限の再現には苦労いたしましたので、ぜひ正気を保ったまま優雅にお使い続けられるよう願っております-カイメラ商事- 注意:効果には個人差があります、謔ェ鬲斐?蜉に適応できない場合、消化不良・急激な体脂肪率増加・嘔吐・異物系内臓疾患・その他副作用を及ぼす可能性があります、必ず付属の検査キットをお使ください。形状が変化するのは食べようとした物体に合わせる機能です、品質等に影響はございません - 343二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 04:29:17
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- 344◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 04:30:29
かなり時間が掛かってしまいましたが、短めの第1話を投下させていただきます。
舞台となるのは《アニーマーン湖》。
登場する代表選手はダリア・オクタヴィアス 様とヤイユ・エイ 様のお二人です。 - 345◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 04:31:36
ゲーム開始直後。
アニーマーン城時計台裏の大講堂にて。
代表選手たちの消えた大講堂に響くのは、時を刻む歯車の音と、逆さにぶら下がる巨大な文字盤の唸りだった。
その薄闇の中で、二つの影が向かい合う。
「やれやれ、派手好きだね。いちいち秘蔵のコレクションまで持ち出すなんて君らしい」
ベージュのコートをだらしなく羽織ったエデン・フラワー・ブラウン教授が、軽口を叩きながら腕を組む。
その視線の先、光を受けて人形めいた金髪三つ編みの少女が微笑んだ。
ディオメデス寮七年生、蛆虫の主。ダリア・オクタヴィアス。
バトルロワイヤルの参加者、本来何も知らぬ被害者であるはずの少女が、黒幕の狂った教師と談笑し、軽口を交わす。
この光景を団結力の強い他のディオメデス寮生が見れば、何故だ、と口を揃えて疑問と嘆きの声をあげるだろう。
だがエデンの前に座るのは、学園の七年生「ダリア・オクタヴィアス」としての仮初の姿ではない。
千年を超えて邪法に生きる、蛆の集合体そのもの――暗黒富豪としての彼女の本体であり、本来の姿でもあった。 - 346◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 04:32:33
「ザコ凡俗共に玩具を与えれば、もっと面白く壊れてくれる…。アタシちゃんの秘蔵の魔導具、せっかくだからこの期に在庫一掃大放出させちゃって、みんなにひとつずつ配ってやろうと思ってさ」
声は甘く、残酷な調べを紡ぐ。
「きゃひひひっ……知ってる?エデンっち。
骨の軋む音、血の匂い。そういうものは、餌が道具を持ったときにいちばん鮮やかに弾けるんだぜ」
エデンは目を細め、わざと肩をすくめてみせた。
「推しの子のために随分と手間をかけるんだね。……で、君の興味は誰に?」
「テメェ様は相変わらず口が軽い。アタシちゃんの目は最初から決まってるんだ。――エルド・ファブニール」
名を口にするその瞬間、ダリアの瞳に宿った光は狂気じみていた。
「千年前に暴れた邪竜の血。その濃さは疑いようもない。あのドラゴン娘の身体を取り込めば、アタシちゃんは新たな段階に踏み出せる…やがてはその肉体を媒介に“彼の方”を復活させることも――」
早口で捲し立てるダリアの口調には少しの澱みもなく、他者の肉体を奪い、命をも侵すことに対する罪悪感は微塵も感じられなかった。
怪物。外法による肉体と蛆虫の置換は、美しい人形のようにすら見えるこの少女の精神までも異形に変えてしまったのだろうか。
或いは、1000年に渡って素性を偽り、他の誰かに擬態を続けた悠久の時間こそが人間性喪失の原因か。
興奮するダリアに対してエデンはあくまで微笑みを崩さず、何も答えない。
その時だった。
――ゴォォォォン。
禁域全土を揺るがす、低く重い鐘の音。
その音が、『バトルロワイヤル』の正式な幕開けを告げる合図だった。 - 347◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 04:33:41
◇
禁域北西、アニーマーン湖の湖岸。
異様な振動が湖畔の水を震わせ、流出河川との境に棲む小型の魚類や一部の大型魔法生物を怯えさせる。
南方から鳴り響く鐘の音により、湖の水面が波紋と共に激しく震えるためであった。
その湖畔に蹲る、地味なローブを纏ったモブ顔の少女が一人。
ヤイユ・エイ。
茶色い髪を風に乱し、無個性な普通すぎる顔に丸メガネをかけたミネルヴァ寮の五年生。
不安に胸を締め付けられながらも、その鐘の音に耳を澄ませる。
――普通の私が、この殺し合いを生き残れるわけがない。
そう思う一方で、心の奥に湧き上がるのは、妙な高揚感だった。
(……エルド先輩)
思い浮かんだのは、黄金の角を持つ巨躯の女戦士。
憧れにも似た感情が、今この異界で強く脈打っていた。
同じ頃、時計塔の一室では蛆虫の宿老が奇しくも同じ相手に対して狂気的な執着を熱弁していたが、これは魔法使いの中でも比較的一般人寄りの世界で生きるヤイユ・エイには預かり知らぬことである。
背後で水音がした。
ヤイユが振り返ると、湖の靄の向こうから、ひとりの少女が歩み寄ってきていた。 - 348◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 04:34:24
「やぁやぁ、エイっち。いいトコにいたね」
人形のように整った金髪、三つ編み、柔らかな微笑。
ディオメデス寮七年の生徒、ダリア・オクタヴィアス。
「あ…どうも…。
確かディオメデス寮のダリア先輩でしたよね?お初にお目にかかります、わたしはミネルヴァ寮五年のヤイユ・エイって言って――」
相手が自分の名前を覚えていたことにびっくりしつつも、遠慮がちに自己紹介をするヤイユ。対するダリアは全く気まずさを感じさせない口調で一方的に会話を続けた。
「これはアタシちゃんからの贈り物だよ。銀の刃――『聖なる短刀』。
たいして切れ味はないけど、邪悪なモンには効果絶大なんだぜ?」
目の前に差し出されたのは、鈍く光る銀のナイフ。
ヤイユは困惑しつつも、それを受け取る。
「な、なんで私に……?」
「ふふ、気にするな。凡俗共でも、ちょっとは面白い音を立てて壊れるかもしれないからさ」
(なんなのこの人……)
ほぼ初対面であまりの言われように絶句するヤイユと、毒舌に似合わぬ天使のような微笑を浮かべるダリア。
少女の笑みに、ほんの一瞬、黒い影が差した。
――ダリア・オクタヴィアス。
それは単なる他寮の先輩ではなく、運営と繋がる蛆の分体であった。
そしてその手の中にはもうひとつの魔導具、「魔力増強剤」と刻まれた小瓶が握られている。 - 349◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 04:35:25
◇
同時刻、鐘の音を合図にしてそれは起こった。
アニーマーン城の一番高い時計塔の文字盤、石壁、隙間という隙間から、赤黒い水が染み出してゆく。
否、肉腫にも似たその粘液は、夥しい数の蛆の群れであった。
「きゃひっ…アタシちゃんの可愛い子供たち……
よくお聞き、その身に内包したとっておきのマジックアイテムを、『禁域』の全ての凡愚共のもとへ届けに行くんだ…」
老女は悍ましい嗤い声をあげ、幾百ものグロテスクな肉片を分体として『禁域』中に飛び散らせる。
蛆の大群は津波のように、或いはネズミの軍勢のように荒野を駆け、代表選手たちに魔導具を届けるのだろう。
時計台のガラス窓からその様子を見下ろすダリアを尻目に、エデンは好物のドーナツを頬張ってため息をついた。
自身の肉体の強化や不死、あるいは主君の復活を求める、忠義心からくる綿密に練られた計画の数々。
エデンには、それら暗黒富豪ダリア・オクタヴィアスの行動原理の一切がどうしても理解できなかったのだ。
(アイテムを配るのは賛成だけど、計画のために中身を恣意的に調節するなんて。ダリアくんも勿体ない事をするなぁ…。
途中で茶々を入れたら、面白くないのに)
予言者にして占星術師、エデン・フラワー・ブラウンは運命を信じていた。
別に押し付ける訳ではない。最大の支援者の一人であるダリアがゲームを楽しめているならそれで文句はないし、脱出派の参加者たちがゲームを壊そうとする計画を立てていたとして、それを否定することもない。
ただ、崇高な目的のために運命を捻じ曲げる者を、エデンは不思議そうに見つめるばかりだった。 - 350◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 04:36:34
以上で、第一話を終了させていただきます。
- 351◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 04:48:09
続いて、早速第二話のダイスを振らせていただきます。
第二話に登場する生徒の人数は、dice1d4=2 (2) 人です。
- 352◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 04:50:45
- 353◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 04:53:01
デュランダル寮よりアントン・ヴェルナー 様
そしてファフニール寮より、早速渦中のエルド・ファブニール 様が登場するようです!!
それでは、お二人の生存ダイスを振らせていただきます。 - 354◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 04:56:01
02.アントン・ヴェルナー 様
《関係の深い生徒》dice1d25=21 (21)
《関係値》dice1d100=51 (51)
《生存値》dice1d100=67 (67)
《アイテム》dice1d100=3 (3)
12.エルド・ファブニール 様
《関係の深い生徒》dice1d25=3 (3)
《関係値》dice1d100=23 (23)
《生存値》dice1d100=69 (69)
《アイテム》dice1d100=98 (98)
- 355◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 05:01:26
02.アントン・ヴェルナー 様
《関係の深い生徒》ダンダリオン
《関係値》普通
《生存値》割と高め
《アイテム》超最悪
12.エルド・ファブニール 様
《関係の深い生徒》ヴェロニカ・リーゼロッテ・フィリップス
《関係値》悪い
《生存値》割と高め
《アイテム》超最高
◾️以上のような結果となりました。
エルド様の神引きが続き、どうやら作中でも最高クラスのアイテムを手にするようでございます。一方のヴェルナー様はアイテムで大外れを引いてしまい、苦しい戦いとなるかもしれません。 - 356◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 05:02:35
それでは、以上の結果をもとに時間をおいて第二話を投下させていただきます。
- 357二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 06:57:50
投下、深夜にお疲れ様です…
一巡目は穏やかな立ち上がりですね(フラグ - 358二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 07:07:27
- 359二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 10:37:11
- 360二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 10:52:58
- 361二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 11:36:39
ダリアさん、やべーやつだった
分体作成と使い魔召喚を使い分けられるのは厄介すぎる - 362二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 12:09:00
訂正も兼ねて
【追記】
《学年》
1年生
《得意科目・魔法・特技》
隠蔽魔法を使い奇襲するか、得意系統の魔法を中心に独自に編み出した戦術で戦うのが基本
特にファイヤーハリケーンは相当な範囲と威力を誇る
自分の目の前に巻き込まれないよう放つか自分を中心に巻き込まれないよう放つのが基本的な使い方
ただしファイヤーハリケーンは範囲が広すぎてめちゃくちゃ目立つのが弱点
《詳細》
今回のバトロワでは明らかにこれはやばいと理解し、いち早く自身の生存を最優先に切り替えた
- 363二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 12:42:24
- 364二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 13:35:48
《名前》ニンバス2025
《分類》魔導具
《説明》クィディッチ用に開発されたニンバス社の最新鋭モデルであり、世界最速の箒。
未だ一般販売はされておらず、クィディッチ・ワールドカップの英国チームに提供されたのみであり、クィディッチファン・箒マニア垂涎の代物。
その最高速度・加速力・反応性は群を抜いており、2025年W杯決勝戦にて試合開始4秒で、これに跨ったシーカーがスニッチを捕獲したことはクィディッチ界の最もホットな話題である。
欠点はその速度と反応性ゆえの『ニュータイプ(マグルの造語)専用機』と揶揄されるレベルのピーキーすぎる操縦性。その操縦難度は、魔力の流れを少し変えただけでほぼ直角に曲がってしまうほど。 - 365二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 17:18:35
【追記】
《学年》
5年生
《得意科目・魔法・特技》
得意戦法としては大量に剣を出して剣を自由自在に操って攻撃したり、複数本をまとめて盾にしたりするなど
また流石に相手が持っている武器は操れないが、飾らせている武器などはある程度の距離なら操れるため不意打ちも可能
武器判定に関してはある程度自身の解釈によるようだ
流石にクッションや服などは無理ではあるが
《詳細》
観察眼に優れており、敵の戦法などをすぐ把握することも
- 366◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 17:48:47
お待たせいたしました。
それでは、只今より第二話の投下を開始させていただきます。
舞台となるのは《地下都市ミザラビリス》。
登場する代表選手はアントン・ヴェルナー 様とエルド・ファブニール 様のお二人です。 - 367◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 17:49:36
霧深き森の奥深く、かつて「妖精郷」と呼ばれた未踏の地に、一つの古城がある。
神代の世には龍と人とが手を取り合って暮らした理想国家であったとされるが、その面影も今はなく、黄金の都は城の亡骸を遺して遥か地下に沈んでしまった。
我々四人はそんな城の跡地に学び舎を建て、これをもってアニーマーン魔法魔術学校と呼ぶこととする。自らの身を擲って楔とし、平和な時代の礎を築いた偉大な龍に敬意を表してのことだ。
これはまた、厄災に対する封印の役割を成す措置でもある。我々は警戒を怠ってはならない。地下に広がる黄金郷のさらに下、深淵の神は未だその穴の中で息を繋ぎ、竜の剣だけがその力を抑える杭に他ならないのだから。
(アニーマーン魔法魔術学校所蔵・第一級禁忌指定魔書“フェネクス文書”より一部抜粋) - 368◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 17:50:27
◇
光の届かぬ深淵に、ひとつの街が眠っていた。
石畳を覆い尽くす白骨、崩れ落ちた建物の隙間に積み上がる頭蓋と肋骨。千年を経てもなお腐臭を放つその地下都市の名は《ミザラビリス》――龍とウィザードが忌まわしき《邪神》を封じるため、都市ごと沈めた墓標である。
転移陣の光が消え、黄金の角を額に戴く巨躯の少女が静かに立ち上がった。
「……よりにもよって、吾(われ)がこんな所に落とされるとはな」
赤い刺繍で火竜の鱗があしらわれた紅蓮のローブは、彼女が伏魔殿・ファフニール寮を実力で制覇した者――すなわち『監督生』である事を示していた。
“暴竜“ エルド・ファブニール。
火照る吐息を零し、骨の海を踏みしめる。頭をよぎるのは、地上に残してきた学友の顔。
『エルド先輩、大自然の権化である竜種を継ぐあなたの力に心底惹かれるの。できれば同じ寮で肩を並べたかったわ』
烈火の如き激情的な内面性に自身との共通項を見出したのか、慕ってくれていたデュランダル寮の後輩、ヴェロニカ・リーゼロッテ・フィリップスの言葉を思い出し、エルドは苦笑した。
「悪いなヴェロニカ。吾には騎士というよりも、竜種の末裔として派手に暴れる方が性に合っているらしい」
未知の異界――それも陽の光の届かない地下深くへと送られようとも、エルド・ファブニールの燃え盛る威光が陰ることはない。
行手に待ち受ける暗闇の大迷宮・地底都市ミザラビリスを前に、エルドはカカカカカ……と豪快に笑い声すら上げて見せた。 - 369◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 17:51:38
そのとき、湿った蠢きが足元を走った。
無数の蛆が束になり、何かを抱えて転がってくる。
「――ひゃぁッ! 寄るな!! やめろォッ!」
エルドは悲鳴を上げ、開いた口から赤熱した吐息が漏れた。即座にその喉から獄炎の渦が放たれ、赤い奔流が蛆の群れを焼き尽くす。
ファブニールの女傑の唯一と言っていい弱点は、その巨躯に見合わず彼女が何よりも恐れる、虫系の生き物全般であった。
「ふぅ…またやってしまった……。
蛆虫の中に何か入っていたようだが、重要なモノでないと良いが……」
息を整え、数秒でドラゴンロードとしての威厳を取り戻すと、エルドは半ば消し炭となった蛆の群に恐る恐る注意を向ける。
果たして――炭化し崩れた肉塊の中から一つの物体が転がり出た。
「……うわ……気持ち悪……」
拾い上げたのは銀縁の小型望遠鏡。
覗き込むと、岩壁の向こうに広がる地底都市の大規模構造が透けて見える。
「透視の望遠鏡……か。ふん、せめて虫じゃなくて最初からこれを寄越せばいいのに」 - 370◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 17:52:58
◇
同じ頃、廃都の別の区画。
長身で鋭い目つき、軍人仕込みの堂々とした立ち姿をした鉄のような大男が、カツカツと音を立てて割れた石畳を踏み締める。
その男――デュランダル寮六年生のアントン・ヴェルナーは、崩れた大通りを警戒しながら進んでいた。
どこか遠くの地上から、時計台の鐘の音がミザラビリスにまで響き渡る。
奇妙な音とともに足元へ転がってきたのは、エルドの時と同じくやはり蛆の塊であった。そして残されたのは――
「……リボルバー?」
古びた回転式拳銃。
魔法界式の決闘しか知らない他の代表選手たちであれば、非魔法族の近代兵器などこのゲームでは何の役にも立たないと絶望したかもしれない。
しかし、魔法使いであると同時に優秀な兵士であり、卓越した銃器の使い手を自負するアントンにとって、このマグルの兵器は十分な当たりアイテムだと言えた。
慣れた手つきで素早く弾倉を確認するアントン。弾は一発も入っていない。
刻印された文字が目に留まる。
dear my love
アントンは低く唸った。
「誰の趣味だ……気色悪い」 - 371◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 17:53:40
嫌な記憶が蘇る。白衣を着崩し、笑いながら観察していた女――ミネルヴァ寮七年生のダンダリオン。
『ねぇねぇアントンくん、君の戦い方って最高だね。ねぇ、そのマグルの銃を突きつける時の顔を観察させて? 今度非魔法族の戦士を素体にしたキメラを作る時参考にしたくて……』
悪気のない声。だがその純粋さこそが最も恐ろしい。魔法界に古より伝わる72の悪魔の名を冠した女は、まるで子供のような無邪気な笑みを浮かべてアントンを見据えていた。
「……チッ、あの女の影響か。虫も銃も、やっぱり碌でもねぇ」 - 372◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 17:54:45
都市の中央、宝物庫の大門前。
積み上がる黄金と財宝の輝きに照らされ、二人の影が鉢合わせた。
「……おや、誰かと思えばファフニール寮のドラゴン娘じゃないか」
「ふん、そちらはデュランダルに編入してきた軍人坊やか。この広い地底都市で吾と最初に出くわすとは、運が良いな」
得意魔法の透明化を解いたアントン・ヴェルナーの姿が、暗闇でも烈火のごとき光を放つエルドの紅い闘気に照らされる。
「坊やは余計だ。俺は計算ずくでここまで来ただけだが……お前は?」
「吾か? 難しいことはない。吾のマジックアイテムはこの『透視の望遠鏡』でな。
壁を見通し、先程まで吾等が居た時計台との位置関係を探った……あとは直感で動いてここに辿り着いただけよ」
アントンは額に手を当て、ため息を漏らす。
実際のところ、彼も状況は似たようなものだったからだ。アントンは軍人としてのスキルから高い空間把握能力を持ち、鐘の音から時計台との距離を測ることができたが、それでも位置関係を把握しただけでこの広大な地下迷宮を突破できるとは言い難かった。
「……やれやれ、お互い大変だな。
こういう時は案外、お前みたいな脳筋の勘に頼ってみるのも悪くないかもしれない」
その直後、轟音が二人の言葉を遮った。
宝物庫から這い出したのは黄金の鱗に覆われた竜種。地底都市の宝の番人にして、人間の数倍はあろうかという巨体に似つかわしくないその名を『黄金小竜』。
黄金色の吐息が大気を焼き、壁を融かす。
「守護獣か……」
「はぁ……派手なのは嫌いだが、こればかりは避けられないな…」
互いに目を合わせ、笑みを浮かべる。
「共通の知り合いもいるしな――殺し合いの最中だが、脱出まで一時休戦だ竜娘」
「同意見だ坊や!! 我が朋ヴェロニカに恥をかかせるわけにもいかないからな!」 - 373◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 17:55:33
「行くぞ!」
「応よッ!――カーフシモ『燃えろ』ッ!!」
エルドは魔法で火をつけた紅蓮の拳で竜の喉を殴りつける。
黄金の鱗が軋み、火花が散った。
その火花がマグマのように粘り気を持って黄金小竜に纏わりつき、暴れて火を消すことすら許さない。ファフニール生の十八番、《カーフシモ(燃焼させる魔法)》は対象を燃やす魔法であり、敵の身体が燃え滓になるか解呪されるまで炎が消えることはないのだ。
「力任せにも程があるな……!
……よっと、オミーフリ『霧よ覆え』」
アントンは姿を揺らし、自身を守る壁のように酸の霧を放つ。
「だが、今ので首が狙える。お前の豪腕も利用させてもらうぞ」
「カカカカカ…好きにせよ! 吾の仕事は飽くまで正面突破だ!」
炎と奇襲が交差し、黄金小竜は悲鳴を上げて崩れ落ちた。
「……ふぅ。派手にやるな、ドラゴン娘」
「貴公の姑息さも役に立った…。感謝するぞ、軍人坊や!」
二人は互いを睨み合い――そして同時に吹き出した。
「ま、悪くないコンビかもな」
「同感だ! ここを出るまでとは言わず、しばしの同行を提案する!!」 - 374◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 17:56:40
息を整えながら宝物庫の門を押し開けると、そこには財宝の山が広がっていた。
否、もはや山という表現では生ぬるい。宝物庫に立ち入るものの視界を金色で埋め尽くす、膨大な質量の地底山脈がそこにはあった。
その山に埋もれるように横たわるのは、息を呑むほど巨大な竜の亡骸。
この光景を目にした今なら門の前に陣取っていた、巨体に似合わぬ『黄金小竜』の名前の由来にも頷けるだろう。
目の前の亡骸、生命活動を終えて既に長い時が経ったであろうその巨竜の残滓ですら、圧倒的な存在感を放って現在まで残り続けているのだ。
そしてその胸には、貫くように突き立てられた一本の剣。
「……ファブニールの宝剣」
黄金の光が剣を包み、エルドの角が共鳴するかのように震えた。
「これは、吾のものだ。祖龍の血がそう告げている」
アントンは肩をすくめ、苦笑した。
「……血筋の問題なら口は出すまい。取れよ、必要なんだろう、ドラゴン娘」
剣が引き抜かれる瞬間、眩い光が迸り、宝物庫全体が黄金に染まった。 - 375◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 17:59:26
第二話は以上となります。
時間を置いて、第三話のダイスを振らせていただきます!! - 376二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 18:05:57
ハズレアイテムはどれも悪趣味グッズか
- 377◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 18:13:04
それでは、続きまして第三話のダイスを振らせていただきます。
第三話に登場する生徒の人数は、dice1d4=4 (4) 人です。
- 378二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 18:13:52
あっ最大値
- 379◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 18:16:10
- 380◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 18:20:05
第三話には
ヴェロニカ・リーゼロッテ・フィリップス 様
ファー・クリント 様
池上 裕佳里(いけがみ ゆかり) 様
ユウリ・カブラギ 様
以上の4名が登場する様でございます…!!
それでは、続きまして生存ダイスを振らせていただきます!! - 381◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 18:24:26
03.ヴェロニカ・リーゼロッテ・フィリップス 様
《関係の深い生徒》dice1d25=15 (15)
《関係値》dice1d100=68 (68)
《生存値》dice1d100=76 (76)
《アイテム》dice1d100=49 (49)
06.ファー・クリント 様
《関係の深い生徒》dice1d25=20 (20)
《関係値》dice1d100=69 (69)
《生存値》dice1d100=98 (98)
《アイテム》dice1d100=90 (90)
08.池上 裕佳里(いけがみ ゆかり) 様
《関係の深い生徒》dice1d25=21 (21)
《関係値》dice1d100=11 (11)
《生存値》dice1d100=78 (78)
《アイテム》dice1d100=86 (86)
23.ユウリ・カブラギ 様
《関係の深い生徒》dice1d25=9 (9)
《関係値》dice1d100=16 (16)
《生存値》dice1d100=10 (10)
《アイテム》dice1d100=16 (16)
- 382◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 18:33:35
03.ヴェロニカ・リーゼロッテ・フィリップス 様
《関係の深い生徒》ソフィア・リス
《関係値》少し高め
《生存値》高め
《アイテム》普通
06.ファー・クリント 様
《関係の深い生徒》アリス・A・チェーシャー
《関係値》少し高め
《生存値》最高
《アイテム》最高
08.池上 裕佳里(いけがみ ゆかり) 様
《関係の深い生徒》ダンダリオン
《関係値》かなり低い
《生存値》高め
《アイテム》相当高い
23.ユウリ・カブラギ 様
《関係の深い生徒》イザベル・クローヴァー
《関係値》かなり低い
《生存値》最低
《アイテム》低い
◾️第三話は以上のようなダイス結果となりました。
第三話は今までにない規模のお話になりそうなので、完成まで少しお時間をいただくかもしれません。
また、沢山の感想や魔導具/地形/魔法生物の案をありがとうございます。こちらも引き続き募集させていただいております。 - 383◆sUNOdUXYScMw25/09/06(土) 18:42:16
それでは、時間をおいて第三話を投稿させていただきます。
- 384二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 18:51:01
わくてか
- 385二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 21:17:27
《名前》星の精(スター・ヴァンパイア)
《分類》魔法生物
《説明》ダリア・オクタヴィアスの禁呪により召喚された異世界の怪物。
『目には見えざる朋輩』『星の送りし下僕』などの異名を持つ。
肉眼では見ることができない不可視の肉体で忍び寄り、大きく鋭い鉤爪と吸血用の口吻を備えた頑強かつ伸縮自在の触腕で獲物を捕らえて生き血を啜る。
常時は不可視の存在だが、獲物を捕らえる際に「クスクスクス…」という耳障りな笑い声を思わせる鳴き声を発し、犠牲者の血を吸い取った際は、無数の触腕を備えた真っ赤に脈打つ巨大なゼリー状の球体の輪郭が露となる。
戦闘時には翼がないにも関わらず空を飛び回り、鉤爪を備えた無数の触腕を鞭のように超高速で振り回して攻撃する。 - 386二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 21:43:37
《名前》コロラトゥーラ
《分類》魔法生物
《説明》両手が直剣に、下半身が車輪になったマネキン人形のような容姿をしており、高速移動しながら切りつけてくる。音の反響で周囲を認識しするために、perfumeの「ポリリズム」が体内からエンドレスで流れ続けている。 - 387二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 21:49:51
《名前》正直者チョコレート
《分類》魔道具
《説明》食べると2時間の間、どんな問いかけにも正直に大きな声で答えてしまうようになるチョコレート…のような何か。強い『魅惑』の魔法がかけられており、この茶色く塗装された成形済みグリンピースビスケットを見た者はそれをチョコレートだと信じて疑わず、急に糖分が欲しいような感覚に苛まれてしまう。 - 388二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 21:56:39
《名前》ホウキモドキ
《分類》魔法生物
《説明》魔法使いの使用する箒に擬態する生物。通常の箒のように飛行できるのだが、乗った途端に微細な針が服を貫通して痛み無く肌を刺し、精神作用のある毒でどんな人でもスピード狂にしてしまう。どうやってか人の流行を理解しており、より高級で、より高性能そうな魅力的な箒に擬態するのがタチ悪い。今回は罠アイテムのような扱いでもある。
なお、箒としての性能は加速力と最高速度は高いが旋回力とブレーキが極めて劣悪であり、大抵は大事故を起こす。 - 389二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 22:07:55
《名前》“欠ける翼の間”
《分類》地形
《説明》必ず2人でなければ見つけられないし入れない場所。入った者は必ず素晴らしい宝を得るが、出るためには2人のうち1人が死ななければならない。実は宝を置いていけば2人とも出られるが、宝に目が眩んでそこに気付かない者がほとんど。 - 390二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 22:14:31
《名前》万能鍵
《分類》魔道具
《説明》あらゆる錠を開けられる。 - 391二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 23:04:37
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- 392二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 23:07:29
《名前》第Ⅱ錬金実技教室
《分類》地形
《説明》アニーマーン城各地に散らばる実技教室のうちの1つ、第1教室とは違い鍋ではなく複雑な機械のついた作業台が並んでいる、魔法の世界にも近代化が訪れた際に建設されたもので、数多の卒業生や上級生たちがこの教室で魔導エンジンの仕組みや、魔工式ゴーレムのつくり方を学んだ、現在中がどうなってるか不明 - 393二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 01:05:52
《名前》禁書《72柱の伝承》
《分類》魔導具
《説明》ウィザードに伝わる72柱の悪魔について記された書物、これを得た物は叡智と転生の権能を得る…とされている。
現在は悪魔をキメラにしようとした人物によって失われている…らしい。 - 394二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 08:40:43
- 395二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 09:08:33
《名前》ス魔ホ
《分類》魔道具
《説明》マグルの世界でお馴染みのスマートフォンを物好きな魔法使いが改造したもの 今のところ通信機能はロックされておりカメラのみ使用が可能 内カメラで撮影した被写体の魂を複製保存し、被写体が死亡した際に撮影した時点での状態で復活することが出来る ある程度電子機器に精通した者でないと使用出来ない - 396二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 14:13:58
- 397◆sUNOdUXYScMw25/09/07(日) 15:16:07
大変長らくお待たせいたしました。
三話ラストまでの大まかな流れが確定いたしましたので、先んじて第三話 その①を投下させていただきます。 - 398◆sUNOdUXYScMw25/09/07(日) 15:17:17
ゲーム開始からしばらく後。
アニーマーン城・東棟二階、角部屋の調理室。
銅鍋の湯気に砂糖の甘い香りが混ざり、夜更けの厨房はやわらかい甘さで満ちていた。
「……おでん、ねぇ。ごめんけどあーし、しょっぱ系よりスイーツ派なんだわ」
安物のステンレス製料理鍋のなかで、大根、卵、がんもなどの出汁を吸った具材がぐつぐつと音を立てている。
ミネルヴァ寮一年生、教師たちにも好かれる、アニーマーン魔術界期待の新星。
ユウリ・カブラギは眉をひそめ、それでも手は止めない。配布アイテムとして押しつけられた熱々の「おでん鍋」は残念ながらユウリの嗜好に合わなかったようで、彼女にとってはただの“素材”でしかなかった。 - 399◆sUNOdUXYScMw25/09/07(日) 15:19:08
昆布出汁を煮詰め、黒蜜を合わせる。大根は水分を抜いてキャラメリゼ、卵はラムで香り付けしてクレーム・アンジェリック(勝手に命名)に。がんもは砕いて粉糖と卵白でまとめ、オーブンでふっくらと軽く焼く――。
「ほら見な、”合体(ミックス)“すれば、世界は甘くなるっしょ☆」
皿の上で、おでんは「おでん」だったことをやめ、黄金色のプディングめいたスイーツに生まれ変わった。よくよくみればふわふわした土台のスポンジはがんも由来の豆腐成分であり、フルーツのように見えるのは大根の成れの果てである。ユウリはフォークで一片、本日の成果をぱくりと口に運ぶと、うっとりと満足げに目を細めた。
ユウリ・カブラギという天才少女は、この非常時においても全くブレていないのだ。
食後、彼女は早足に食糧庫へ向かった。無論、食糧調達兼、新しい有用なアイテムを探すためである。 - 400◆sUNOdUXYScMw25/09/07(日) 15:20:09
「おでん鍋……さっき蛆虫が届けに来たあーしの配布アイテムってやつ? 多分アタリ枠じゃないよね。ゲームに乗った奴が襲ってくる前に、急いで装備を整えないと……」
時刻は夜中の十二時半を過ぎたところだ。こんな時間に休まず動き回っていては、身体も疲れ死ぬ確率が上がるばかり。この殺し合いの緊急性をいち早く察知したからこそ、ユウリはまず糖分をとって頭を働かせた後、全力で自らの防衛にあたることにしていた。
食糧庫に突入したユウリは迷わず目当てのものに直行した。棚板を滑らす指先は、ユウリの得意とする隠蔽魔法用の粉末や乾燥ハーブも素早く選り分ける。行手を阻むように置かれた古い木箱を退かすと、奥の壁に古い「姿見」が掛かっていた。銀枠の縁に古代ケルトのルーン文字が刻まれている。
「あったあった☆
魔法の姿見…これさえ確保できれば……」
枠に指を当てると、水面のような冷たい魔力の脈が返ってくる。
アカデミックな名前が脳裏をよぎる――通話門(スクライイング・ゲート)。二枚一組で映像・音声、そして微量の魔力を相互に通す“鏡型の門”。反射鏡ではなく、所有者の顔を映すわけでもないから普通の鏡扱いは禁物だ。 - 401◆sUNOdUXYScMw25/09/07(日) 15:20:55
この姿見は『禁域』の外、現実のアニーマーン魔法魔術学校においても校舎の至るところに設置されている魔導具である。その中の一枚を確保すれば生存に役立つのみならず、他の参加者とコンタクトを取り、ゲームにおいていち早く対運営同盟を結成することすらできるとユウリは考えたのだ。
果たして――ユウリの狙い通り鏡面に薄い靄が走り、やがて少女の顔が浮かんだ。黒髪ロングの大和撫子、無垢を装う微笑。
日系二世のヨーロッパ人であるユウリからすれば、多少の親近感を覚える外見である。 - 402◆sUNOdUXYScMw25/09/07(日) 15:21:47
「こんばんは。わたくしは池上 裕佳里。単刀直入に申し上げます。
これは提案ですけど……わたくし達、一緒に行動いたしませんこと?」
礼儀正しい、澄んだ声。
本来ならば願ってもない展開だ。
だがユウリは、内心溜息をつきたいのを堪えた。
第一村人ガチャ、大外れである。
ユウリは肩をすくめ、言葉を濁す。
「合流? 悪くないけどさ、あーし今、キッチンモードで手ぇ離せなくて。……それに、アンタさ、噂の“ファフニールの鬼女”だよね?」
“鬼女”こと池上 裕佳里の逸話は実際校内でも語り草となっていた。曰く、11歳で魔法の力に目覚め、当時通っていたマグルの学校を壊滅。厄介払いのようにアニーマーンへ送られた後も教師や学友への残虐行為が相次ぎ、最終的にエルド・ファブニール率いるファフニール寮監督生たちの暴力によって鎮圧されることとなる。
普段はお淑やかな日本美女である裕佳里の暴力的な二面性は、まるで邪悪なものが憑依しているようであることから――鬼と、揶揄されていた。 - 403◆sUNOdUXYScMw25/09/07(日) 15:23:10
「まあ。物騒ですこと。
貴女も悲しいことを仰るのね……けれど、今この城の姿見で見つかったのは、あなた一人。
わたくしとしても身の安全のために同行者を確保したいのだけれど……」
笑みは崩れない。ユウリは舌の裏で緊張を押しつぶしながら、のらりくらりと言葉を遊ばせた。
(――師匠《ダンダリオン》なら何て言う? “通話門は相手の虚像を映す、でも通常、攻撃は通さない”。つまり、見えてるだけなら安全――)
食糧庫の窓から、雲間の月光が差し込んだ。粉塵が光を帯び、闇夜にユウリの輪郭が白く浮く。
「あぁお構いなく。それに、そろそろ頃合いのようですね。
それでは――失礼」
閃光。
ユウリは床に身を滑らせ、ギリギリで横へ転がる。直後、姿見の向こうから白い線が幾筋も走り、食糧庫と調理室の壁を無音で穴だらけにした。
マグル界で例えるならフェスのレーザープロジェクターみたいだな――走馬灯にも似た脳の生理反応により、スローに引き伸ばされた時間の中でユウリはそう感じた。迸る白線に触れた側からアニーマーン城の石壁が貫かれ、命中した箇所はサラサラと塵になって霧散する。 - 404◆sUNOdUXYScMw25/09/07(日) 15:24:36
《破滅の光を放つ魔法(フォス)》。
池上 裕佳里が最も得意とする魔法。白雷のごとき破滅の光が相手の命に届くまでの時間は、一瞬である。
視界に捉えた目標へ、射程もタイムラグもなく、直線上の万物を等しく貫通させる白光。狙ったのが反射鏡なら鏡に映る自分自身の“虚像”を対象にして自傷を招くが、通話門たる姿見は鏡ではない――入口だ。
白い破壊の渦が収まり、調理室の外壁に大穴が空く。
そこから、鬼の微笑を貼りつけた清楚な少女が、つい、と足を踏み入れた。
「ごきげんよう。
申し上げましたよね?――わたくしをその気にさせる前に穏便に済ませられれば、貴女もそれで生き残れましたのに……」
”鬼女” 池上 裕佳里が、殺し合いに入場する。 - 405◆sUNOdUXYScMw25/09/07(日) 15:25:47
◇
同刻、東棟一階の廊下。
プロローグでは黒幕の教師相手に一歩も引かぬ弁舌を見せたデュランダル寮のヴェロニカ・リーゼロッテ・フィリップスと、赤髪ぼさぼさの小柄な監督生ファー・クリントが、甘い香りに鼻をひくつかせていた。
「……上から、砂糖と焦がしバター。お菓子の匂いがするわね」
「おいらもそう思う。ヴェロニカちゃん、これ合流チャンスかも。行こ行こ!」
ヴェロニカがデュランダル寮の個性的なメンバーたちを規律で纏め上げるサブリーダーなら、クリントこそ選手団のリーダー。彼ら全員のブレインとも呼べる存在である。
調理室へ向かう曲がり角。ヴェロニカがふと立ち止まった。廊下の影鏡の破片から、白い小児の顔がのぞいたからである。 - 406◆sUNOdUXYScMw25/09/07(日) 15:27:10
きゃはきゃはと笑い声をあげる、人間の子供そっくりの魔法生物――「鏡妖精」だ。違ったところと言えば、皮膚が鏡のような被膜に覆われているところだろうか。
ヴェロニカは反射的に杖を構え、
「スペールノ『棘の蔓よ縛れ』――」
「おっとっと! ちょい待った――!」
クリントが跳び、素手でひょいと妖精の襟首をつかむ。
次の瞬間、ヴェロニカの杖先から漏れた微かな光片が鏡妖精をかすり、その光が何倍にも増幅されて跳ね返された。
緑の光弾はあらぬ方向へ飛んで行き、そのまま壁の棚に命中して根を張った。すぐさま棘だらけのイバラが発芽し、締め付けられた棚を――粉々に砕く。
「鏡妖精には魔法使っちゃダメ! 反射で倍返しにして来るって前に教えたでしょ!」
「ッ……あたくしとしたことが判断が遅れた。助かったわ、クリント」
「いいのいいの、それも『監督生』たるおいらの仕事さ。ほら、素手なら安全だぜ!」
クリントは妖精を引っ掴んで素早く空き箱に放り込み、箱ごと抱える。
そのとき、二階から白い閃光と爆風が降ってきた。天井の漆喰が剥がれ、砂糖の甘い匂いに、焦げた石と破壊の臭いが混ざる。
「ヴェロニカちゃん! 二階! 誰か戦ってるよ!」
「ええ。殺し合いを止めるってナチアと約束してしまったし……助けに行くわよ、クリント!」 - 407◆sUNOdUXYScMw25/09/07(日) 15:28:19
◇
場面は変わり、再び調理室。
粉塵の霧、砕けた器具、甘い香りに混ざる血と鉄の味。ユウリは息を殺し、棚影へ滑り込む。
姿見の縁に残る熱。見られている――《破滅の光を放つ魔法(フォス)》は視認線が命だ。
(なら、見えなきゃいいっしょ)
ユウリは小声で囁く。
「パンタスマ『隠せ』」
少女の輪郭が陽炎のように薄れ、気配が床へ沈む。裕佳里の黒い瞳が、冷たく走った。
「隠れるのですか? 可愛らしい。でも――透明化したところで建物の倒壊から逃げ切れると思うのかしら?」
配布アイテムである「メイス」の柄をわずかに傾ける。鎚頭の刻印が白く灯り、触媒として《破滅の光を放つ魔法(フォス)》が再装填された。
さらに太く、破壊的になった白線が調理台を、壁時計を、棚の縁を一直線に抉る。
ユウリは床すれすれに滑り、通話門から離れつつ、視界の死角を数えていた。
透明になったとはいえ実体が消えたわけではない。自分とメイスとの一直線上にある壁に向けて破滅の光が放たれた瞬間、ユウリの体は両断されてしまうのだ。 - 408◆sUNOdUXYScMw25/09/07(日) 15:29:44
間一髪、調理室の扉の影に飛び退って破滅の光を回避する。白いレーザーは薄い木の扉を木っ端微塵に破壊したがそこで止まり、扉の向こうに隠れたユウリの体まで届かなかった。
(障害物の向こうまでは届かない。視界が遮られた線は、刺さらない――)
《破滅の光を放つ魔法(フォス)》の効果は、狙いを定めたターゲットに至るまでの空間の貫通。ならば、そのターゲットが隠れてしまえば裕佳里は狙いを定められず出鱈目に撃ちまくるしかない。
そう判断したユウリは深く息を吸い、指先に風の魔力を立ち上げる。
――ここでは、まだ撃たない。
この城は通路が狭い。もし撃つなら、より入り組んだ場所で炎と合わせ、”煙幕“に変える。
彼女は棚影から、ひょい、と空の薬瓶を拾い上げ、わざと床にカランと鳴らした。
裕佳里の瞳が、反射的にそこを見る。
ユウリは逆側へ滑り――月光の線を背に、調理室の出口へと躍った。
「見えましたわ――フォス『光よ貫け』」
白い線がまた走り、調理室の石壁をさらに抉る。
同時に、一階の廊下から駆ける足音。ヴェロニカとクリントが階段を駆け上がってくる気配が、粉塵の向こうで交錯した。
甘い香りの厨房は、もう戦場だ。
鬼女が破滅の白光を掲げ、ギャルが笑って闇に消える。
火と砂糖と血の夜が、音を立てて開戦する。 - 409◆sUNOdUXYScMw25/09/07(日) 15:30:38
以上で第三話 その①を終了させていただきます。
時間を置いて第三話 その②を投下します。 - 410◆sUNOdUXYScMw25/09/07(日) 15:41:50
告知するのを忘れていましたが、
第三話の舞台は《アニーマーン城 調理室》
登場する代表選手は
ヴェロニカ・リーゼロッテ・フィリップス 様
ファー・クリント 様
池上 裕佳里(いけがみ ゆかり) 様
ユウリ・カブラギ 様
以上の4名です。 - 411二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 17:24:05
《名前》パペット
《分類》魔道具
《説明》腕にはめると、思い浮かべた人を模した外見になる。本人との連続性は無いが、人格までも模倣するため、その人が取るであろう言動を確実に再現する。 - 412二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 17:26:58
通話する鏡でレーザーがワープするという発想が素敵
- 413二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 17:38:01
- 414二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 20:59:40
《名前》放棄された研究所
《分類》地形
《説明》城の南にある放棄された研究所。現在は封鎖されている。封鎖された理由を知る者は歴史に詳しい数少ない人物しかおらず、その数少ない人物の一人のある暗黒金持ちが語るには、そこで行われていた研究は暗黒金持ちですら知れば止めるような研究であり、当時の学園の教師だけでなく歴史に残る魔法使いたちが本気で動いて止めるレベルだったという。今もやばい怪物がかなりいるらしく、最深部にいる封印されし怪物が万が一解き放たれた場合には、バトロワを一時停止、最悪中止してでも外部に助けを求めて怪物を止めなければならないと語っている。 - 415二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 23:13:12
パペット…精神攻撃に使えそうだな(偏見)
- 416二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 23:30:01
《名前》カラナシチビミミック(通称:擬態虫)
《分類》魔法生物
《説明》日常のいろんな小物の中に紛れているミミック系の生物、おもに虫や草を食べて成長・繁殖する、魔法学校でコインが落ちてても拾ってはいけない、しばらく使ってない備品はちゃんと数を数える、などにはちゃんと理由があるのだ、しかし最近は魔法学校に不釣り合いな物品に擬態する個体がいるため見分けるのは昔より簡単である、とはいえ銀行でうっかり擬態虫の死骸を混ぜてしまいしこたま怒鳴られ、怒られた生徒もいる、 - 417二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 23:33:02
《名前》モブメガネ
《分類》魔導具
《説明》マグルの価格で言うと500円くらいで変えるいたずらアイテム、装着すると周囲の人から一般人Aとして扱われる、どんなビックネームも問題児も等しくモブ生徒としての対応をされるのだ、メタ的な話をすると石こ〇帽子の劣化版に近い - 418二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 23:42:39
《名前》万年筆
《分類》魔導具
《説明》書いた文章が事実であれば青、そうでなければ赤色に変わる万年筆。一日に一つの内容しか調べられない。 - 419二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:04:01
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- 420二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 07:43:40
保守
- 421二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 15:55:50
《名前》謎の洞窟
《分類》地形
《説明》城の北にある謎の洞窟。中はダンジョンのようになっている。かなりやばい洞窟のようでエデン・フラワーもどうしようもないと放置している。
中には危険な生物がいたりトラップがあるが、かなりの価値がある財宝もあるようだ。 - 422◆sUNOdUXYScMw25/09/08(月) 16:37:18
第三話 その②を投下します。
- 423◆sUNOdUXYScMw25/09/08(月) 16:38:15
――白い線は、彼女の人生そのものだった。
池上 裕佳里は、どこにでもいる普通の日本の小学生だった。
とりわけて貧しくもなく、裕福でもない。給食の揚げパンが好きで、通知表は真面目の欄がよく埋まる。廊下は走らない。そういう女の子。
十一歳の冬、初めて“見えた”。
教室の窓の向こう、冬空の雲を貫くまっすぐな線。胸の内側で、同じ線が「ここからここまで」と引かれていく。
次の瞬間、白閃が走り、音が消えた。黒板が、机が、花瓶が、人が、空気が――等しく穴になった。静まり返った教室で、彼女は自分の叫びだけを聞いた。
《破滅の光を放つ魔法(フォス)》。
魔法界においてはその名で呼ばれる異能は、日常の全てと裕佳里との間に容易く決別の線を引く。
両親は未知の力に震え、愛娘を「魔法界」に里子として差し出した。
裕佳里が日本を去る時、玄関前に停まった黒塗りの車から、よく通る声の男が降りてきた。上等なシルクローブの、不気味に笑う老紳士。スーツの胸に付いた《カイメラ商事》のバッジが嫌に印象に残っている。
「良い研究の材料になる」と笑った顔を、彼女は忘れない。
――老人のその言葉だけは嫌悪で胸を焦がし、いつしか、裕佳里の心にはぽっかりと黒い穴が空いていた。 - 424◆sUNOdUXYScMw25/09/08(月) 16:39:09
新しい学校、アニーマーンに入ってからも、白い線は消えなかった。
綺麗に笑い、綺麗に礼をし、綺麗に破壊した。アニーマーンの教師たちでさえ裕佳里を止められない。
魔法使いの子供たちになら馴染めるかと思ったが、結局異端者同士のコミュニティの中でも裕佳里は異端者だった。結局、暴力と肉体言語の支配するファフニール寮の片隅に追いやられ、彼女のための僅かな居場所が与えられた。
唯一、その才能を“材料”扱いせずに褒めたのは、ミネルヴァの七年生――ダンダリオンだった。
「君の線は、世界の“境目”を可視化してる。だから貫ける」
裕佳里個人の人格を見ていない、魔法の力にのみ言及した研究者目線の評価。不気味で不快な女だと感じたが、その言葉はほんの少しだけ救いだった。
だから彼女は、自分と他者に、今日も綺麗に線を引く。 - 425◆sUNOdUXYScMw25/09/08(月) 16:40:33
◇
瓦礫に甘い香りが混じる調理室。
裕佳里はメイスの鎚頭をそっと傾け、刻印に魔力を通す。白い紋が脈動し、触媒は再装填を告げる。
(全てを破壊する白い閃光、ただし弱点も豊富。定義を確認しよっか……)
ユウリの細指が、空中に三本、短い線を描く。
1.《破滅の光を放つ魔法(フォス)》――視界に捉えた目標へ、射程無限・遅延無しで、直線上の万物を等しく貫通する。
2.術者の“視界”が遮断された場合線は刺さらない(よって煙・炎・壁などに遮られれば、術者は出鱈目に薙ぎ払うしかない)。
3.鏡面に向かって撃てば、対象は鏡像の自分となり自傷を招く。
「諦めた訳ではないようですね……。では――続けましょうかユウリ・カブラギ」
白い線が走る。調理台が、時計が、ガラス戸が、穴に呑まれる。
……が、標的だけは消えていた。 - 426◆sUNOdUXYScMw25/09/08(月) 16:42:05
「……パンタスマ『隠せ』」
空気がゆらめき、輪郭が薄れる。ユウリは床を舐めるように滑り、相手の死角へと回り込んだ。
呼吸を浅く、手は風を掬う。
(ここは狭い。だったら――)
大気の囁きが、指先に集中する。
「シエラ『暴風よ来い』」
続けざまに、もう片方の指先で火種を弾く。
「カーフシモ『燃えろ』」
“ファイヤーハリケーン”。
炎が風を巻き上げ、風が炎を育てる。廊下の一面に火のカーテンが張られ、立ちこめる煙によって視界は一瞬で灰色に塗りつぶされた。
《暴風を呼ぶ魔法(シエラ)》と、《燃焼させる魔法(カーフシモ)》の合わせ技。ミネルヴァ生同期の中でも唯一ユウリにだけ可能な高等合体魔法である。高度に組み上げられた術式による煙幕は破滅の光の射線を遮るだけでなく、酸素を奪って敵の継戦能力を削ぐ。 - 427◆sUNOdUXYScMw25/09/08(月) 16:43:19
「懲りもせず視界遮断ですか……。では、やはり地形ごと塗り潰してしまいましょう」
(そうやってずっとデタラメに撃ち続けてな☆
建物が崩れれば崩れるほど火は燃え広がって、あーしに有利なフィールドになる……!!)
裕佳里は飽くまで淡々と薙ぎ払う。
メイスのヘッドから白い掃射がうねり、壁・床・天井を帯状に穿ちながら少女の背中に殺到して降り注いだ――
だがその刻一刻が、ユウリの計画の内であった。彼女は炎の縁を泳ぎ、通路の抜け道へ敵を誘う。
(あと三歩。そこを曲がれば――)
床に落ちていた石畳の破片を蹴り、カラン、と遠くへ飛ばした。
硬い音。裕佳里の視線がそちらをかすめる。
ユウリはすぐさま逆側へ飛び退り、火と煙の向こう、「誘導先」へ踊り込む。
「フォス……『光よ貫け』ッ!!!!」
メイスの刻印が白く融けて弾け飛び、今までで最大規模の白い閃光が裕佳里を、ユウリを、世界を覆った。 - 428◆sUNOdUXYScMw25/09/08(月) 16:45:17
――そこは、鏡妖精の群生地であった。
廊下の壁や足元の破片、割れたショーケースの奥に、小さな顔が幾十と潜む。白い皮膚は反射皮膜で覆われ――魔法をそっくり返す、厄介で無垢な生き物。先刻ヴェロニカと遭遇した個体も、おそらくこの群れから逸れた個体であったのだろう。
ユウリの気配がふっと遠ざかる。
メイスの先から走った白線は子供の頬にかすり――次の瞬間、廊下いっぱいに白い火花が咲いた。乱反射。
反射、屈折、反射、屈折――無数の光路が反転し、撃ち手の元へ還ってゆく。
「――ッ!」
白い閃が裕佳里の身体を貫き、壁を裂き、東棟二階の梁が悲鳴を上げた。
石と木が音を立てて崩落し、床が傾ぐ。
ユウリは跳び、倒壊の波をかすめて着地した。 - 429◆sUNOdUXYScMw25/09/08(月) 16:47:35
◇
粉塵の海に、二つの影が飛び込んでくる。
ヴェロニカ・リーゼロッテ・フィリップスとファー・クリントだ。むせ返るような熱に口元を抑えつつも、ヴェロニカはすぐに状況を読み取った。
煙に紛れて『パンタスマ』の透明化を解除しながら、金髪の少女が華麗に二人の前へと降り立つ。
「ミネルヴァ寮一年の……えーと、ユウリ・カブラギさんですわよね? ゲームには……いや、貴女に限って乗らないわね。状況報告を――」
「透明解除、っと……! 他寮の先輩方に覚えてもらってるなんて、あーしって結構スゴいのかも??
二階の調理室はほぼアウト。あーしを襲撃してきた池上さんは《フォス》の使い手で、視界遮断で避けながらここまで逃げてきた。さっき「鏡妖精の群れ」に誘導して自傷反射まで持ってったけど、トドメまでは見てない!
えーと……報告ってこれでいいんだよね??」
ユウリの頬には煤、しかし瞳に宿る炎はまだ消えていない。ファイヤーハリケーンをはじめとした高等技を連発したことで実のところユウリの魔力的限界は近かったが、それをもってなおユウリ・カブラギは余裕を崩さず、彼女のペースを保っていたのだ。
ヴェロニカは頷き、その深緑の瞳に評価と反省の色を同時に宿す。 - 430◆sUNOdUXYScMw25/09/08(月) 16:49:25
「判断は上出来ね、カブラギさん。……でも寮旗を背負って今この場に居るのなら”確認“までがセットよ。クリント、すぐに負傷者の確認と退路の確保を――」
「了解したぜ! おいらに任せて――」
観察眼に優れたクリントが他の二人から目を離したためか、今度は警告が一拍遅れた。
粉塵の幕の裏側から、白い線がこちらへと真っ直ぐ引かれる。
倒壊の陰で人ではないシルエットが細長く伸び、砕けたメイスから白紋が再び灯った。
「まだ、終わってない。終わらせないわ……」
白閃が、貫通する。
ファー・クリントの肩を白が貫き、ユウリの胸に風穴が開いた。
時間の流れが、もう一度遅くなる。
ヴェロニカの叫びが遅れて届き、クリントが片腕でユウリを抱きとめる。
砂糖と炭の匂いの中、ユウリは自分の血が温かいことに驚いていた。 - 431◆sUNOdUXYScMw25/09/08(月) 16:50:17
第三話 その②を終了します。
時間をおいて、第三話 その③を投下させていただきます。 - 432二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 16:57:13
ここに来て初の退場者か?
- 433二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 17:00:58
生存値で言うならユウリは最低値で他3人は高いか最高だからな
ユウリが脱落して他3人は生き残るって決着になりそうではある - 434二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 17:03:20
「身体を貫き」とか描写されておきながら全然魔法撃てる裕佳里怖すぎる
- 435二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 17:03:26
最初の犠牲者が自分の作ったキャラになりそうなのは残念だな
まあこの感じだとトドメを刺したのも自分の作ったキャラになりそうではあるからなんとも言えないけど
まさか最初の対戦が自分で作ったキャラ同士になるとは - 436二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 17:07:52
この後どうなるのかな
個人的にはユウリが脱落で負傷したクリント庇ってヴェロニカが撤退する感じになると予想する - 437二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 17:18:35
裕佳里とユウリの魔法ってどれぐらい強いんだろうな
- 438二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 17:26:02
ダンダリオンさん普通に相性いいの笑うな…あとダンダリオン6年じゃね?(今更)
- 439二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 19:54:02
- 440二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 21:06:33
ありがとうございます🙏
- 441◆sUNOdUXYScMw25/09/08(月) 21:08:52
- 442二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 21:10:03
龍と邪神がメインストーリーの軸になりそうだねぇ〜
- 443二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 21:55:18
なんとなくファフニール寮の日本人2人見比べてたんだけど色々違うね
裕佳里の方は悲しき過去が生えたの含めて何かが違えばまともに育ちそうなのに対して優の方は生まれつきっぽそう
スタンスとかも色々違いそう、裕佳里は勝つのが好きで負けるのが嫌い、優は負けてもそれはそれで…って感じっぽいし卑怯も上等っぽい
裕佳里は先生たちに鎮圧された時とかくらいしか負けてなさそうだけど、優の方は割と負けも多そう、負け方も2人で違いありそう
まぁ個人的なイメージなんでどうなるかわからないんですけど - 444二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 06:30:33
保守
- 445二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 07:25:53
- 446二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 10:41:21
面白くて次が気になるぜ
- 447二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 10:51:50
- 448二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 17:14:24
《名前》補給物資
《分類》魔導具
《説明》
バトロワに積極的に参加してる人に対する報酬として用意されたアイテム。あちこちに配置されており、バトロワ中に誰かを倒した、もしくは致命傷を与えた人物のみが開けられるアイテムである。中には必ず回復薬が入っており、それ以外にも武器や役にたつ何かがランダムに入っている。 - 449二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 23:18:18
保守
- 450二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 23:27:12
おーこんな便利なものが…感謝です
- 451二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 07:42:27
保守
- 452二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 10:03:08
こっからどうなるんだろうな
- 453◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:15:58
ホスト規制が解除されたので第三話 その③を投下させていただきます。
- 454◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:18:03
《ある会話》
廃ビルの地下、薄暗いオフィスで二人の男が向かい合う。
年季に反して空調は効いており、手入れの行き届いた部屋だ。誇りひとつない床、青々と茂った観葉植物から見るに、上階の廃墟はこの部屋をカムフラージュする目的で拵えられたもののように思える。
デスクに腰掛ける黒いシルクローブの男は、いかにも暗黒富豪といった雰囲気の陰険な笑みを湛えた老人であった。
老人の胸には『カイメラ商事』のバッジ。そう、彼こそがこのオフィスの主人であり、現在は目の前に相席した訪問客との商談の最中なのだ。
「ああ、そうなんだ。12月ごろになるかな......
丁度僕の狙った学校でね。偶然マグル生まれの面白そうな素材が見つかったから、君たちに頼みに来たという訳なんだよ。」
訪問客――サイズの合わないベージュ色のコートを着用した細身の男が口を開いた。
「近くアニーマーンに入学させるから、早急に改造を頼みたい。キメラの素体となる生物は……そうだな、東洋の島国出身だし“鬼”なんてどうだろう。」
男の緑色の瞳は、純粋な好奇心に満ちていた。夏休みに昆虫標本を作る小学生のような、そんな少年の目。
異様な雰囲気に気圧され、老人の方も苦笑いをしながら言葉を紡ぐ。
「しかし、11歳の少女ですか……フフ…普段我々のしていることに比べれば些事ですが、少々心が痛みますな。
研究員ではないから私も直接は知らないが、他の生物と”混ぜる“ということは“不可逆”。それは考えようによっては……いたずらに命を奪うよりも残酷だ。何しろ、生き残っても希望が無い訳ですからな。」
老人は髭を弄びながらしばし考えに耽ったが、ほんの数秒後、その表情は何も感じていないかのような微笑に戻っていた。
ベージュ色の男の方もその顔に爽やかな笑みをたたえ、老人の手を硬く握る。 - 455◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:18:42
「それでは、契約成立ということで。
日本人の少女については僕が魔法界での里親の準備を整えたから、近く出国の運びとなる。あなたたち『カイメラ商事』はただ、彼女を数週間だけ迎えて”合成手術“を施してくれれば良い。後は僕がやります。」
「ご依頼、謹んでお受けいたしましょう。
このことを内密にする代わり、エデン様の次の“ゲーム”では是非とも我々『カイメラ商事』を一大スポンサーに――」
商談は完了したようで、シルクローブの老人は書類に印を捺し、コートの訪問客は席を立ってその場を去る。
小学生の池上 裕佳里が魔法に覚醒した、あの冬の出来事であった。 - 456◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:19:12
◇
白閃が収まり、世界が音を取り戻す。
ユウリは膝から崩れ、胸元に温かいものが溢れた。クリントの小さな身体が体当たりで彼女を引き寄せ、肩から鮮血がしたたる。咄嗟の判断が功を奏したからかユウリの身体はまだ原型を保っていたが――それでも致命傷に変わりはなかった。
「クリント! 動かないで。まず止血――」
「だいじょぶ、おいらは掠っただけ……っ。ヴェロニカちゃんは早くユウリちゃんを!」
ヴェロニカは配布アイテムの「ハーブ束」を噛み裂き、掌で揉みつぶして魔力を起こす。
「オルガニズモス、『芽吹け』――」
「ハーブ束」――主に魔法を行使する際の魔力を引き出す補助としてに用いられる薬用ハーブだが、加工せずに使えば逆に酩酊や幻覚などの副作用を引き起こしてしまう。
本来適切な設備の整った場所(まさに先程の「調理室」がそれであった)で使わなければ意味のないアイテムだったが、植物学のエキスパートたるヴェロニカにとってはそうとも限らなかった。
ハーブの束が急速に発芽・成長してゆき、緑色に輝く光の糸を形成する。
緑の光はそのままユウリの胸口の縁を仮縫いし、胸からの出血を防いでゆく。代わりに酩酊が襲い、ユウリの瞳がぐるりと揺れた。 - 457◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:20:28
粉塵の幕が裂ける。そこに立つものは――人の姿をしていない。
池上裕佳里の輪郭は細長く伸び、白い皮膚には鏡の斑が生えていた。周囲に散っていた鏡妖精たちは無惨にも肥大化した肉に取り込まれ、皮膜となって全身を覆う。
メイスは砕け、その破片すら反射面に変質し、身体のあちこちから白閃の屈折が自動発火のようにまたたく。まるで“金棒”。
陰の差した般若のような顔の上部、額から伸びるのは鏡面質の双角。
そこに立っていたのは、まさに日本魔法界に古くから生息する固有種の魔法生物。
“鬼”に酷似した何かであった。
「……まダ、終わっていませんわ」
声音は人間だった頃よりも澄んでいる。目だけが、黒い穴。
クリントが前へ出る。片手で配布アイテムの「クォーター・スタッフ」を握り、もう片手でヴェロニカとユウリを庇うように腕を伸ばす。 - 458◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:21:12
「ヴェロニカちゃん、この化け物相手に3分稼ぐ! その間に、ユウリくんを手当てしながらなんとか離脱して――」
「無茶よ!」
「おいら、これでも炎使いなんだ。見てな!」
クォータースタッフの木肌からバチバチと火花が散り、やがて橙色の燈を灯して燃え上がった。
「《火の球を撃つ魔法(フォティア)》――おいら、こう見えて球技が大好きでさ! 小さい頃からサッカー習ってたから、デュランダルの代表選手になったこともあるんだぜっ……!!」
杖先から撃ち出した火球を、クリントは空中に翔びながら自らのシューズで受け止め――そのままフルスイングで”鬼“の顔面に向けて蹴り上げた。 - 459◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:21:40
破滅の光の白い線が走る。
クリントは誘導弾のように無数の火球を連射しながら、クォータースタッフを駆使して棒術のように、あるいはパルクールのように倒壊した校舎内を縦横無尽に跳ね回った。
鏡皮膜に弾かれた外れ弾は周囲へ散るが、逆にメイスや鏡の欠片に乱反射してバウンドし、鬼女の傍にいつまでも纏わりつき続ける。おそらくダメージはないが、撹乱としては最善の一手。
「ふふ…いイ子ね。逆境で粘る人は好きです……
わたくしのうちに眠る力を感ジられる瞬間ハ、長ければ長イほど良いのですカら……」
裕佳里の腕が裂け目から無数に伸び、身体中の即席鏡面がいっせいに照準を揃える。まるで無数の砲台。先程までとは比べ物にならない数の白い輝きが、クリントのシルエットへ牙を向いた。
掃射――。
破滅の光の嵐の中、跳ね回る火の玉が圧倒的な白に呑まれてかき消えた。 - 460◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:22:05
ヴェロニカは奥歯を噛み、ハーブの残りを絞り汁にしてユウリの胸に落とす。
「持ちなさい、ユウリちゃん。今だけでいい、近くに保健室があるわ。ここを乗り切ればきっと助かるから。だから戻ってきて――現実を掴んで」
緑の蔓の糸が傷口をさらに縫い止め、呼吸が一本だけ繋がる。
――その瞬間、ユウリの世界が裏返った。 - 461◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:22:50
◇
レーザーに胸を貫かれて朦朧とする意識の中、ユウリ・カブラギは夢を見ていた。
この夢はヴェロニカの配布アイテム「ハーブ束」使用による末期の幻覚症状か、あるいは師弟の強い絆によるものか。
天蓋を星座盤に覆われた、星見台のようなミネルヴァ寮の談話室。窓辺のテーブルの上には茶葉とティーカップと、甘いデザートの皿が置かれている。ユウリ考案の創作スイーツだ。
ああ、師匠とのお茶会がてら、魔法研究の相談に来たのだとユウリは思い出す。
向かいに座るのは白衣を着崩し、本を片手に笑うミネルヴァ寮六年生――ダンダリオン。
一年生のユウリにとって魔法の師匠でもある人物だった。師匠は不気味で他者から距離を置かれがちな少女だが、その実後輩相手には親身になって接してくれる人だとユウリは知っている。
だから、ユウリは自他共に認める彼女の一番弟子だった。 - 462◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:23:26
「……お師匠」
「おはようユウリ。おいしそうだね、それ」
「うん“おでんプディング”っていうんだ!今日のは大成功。――ねぇ、お師匠。あーし、ここで死ぬのかな?」
問いは軽く、声は震えていない。ダンダリオンは少しだけ首を傾げる。
「死…か。ユウリ、定義の話をしよう。
君はずっと、異なるものをくっつけて新しい価値を作ってきた。
調理室では“出汁”と“黒蜜”。ファイヤーハリケーンを生み出すときは“風”と“火”。
“死”も同じさ――君なら概念だって、接ぐことができる。
まったく私の後継に相応しい力だ……だから私が、その力に名を与えよう。
《万物を合成する魔法(シュネルギア)》――二つを一つに。
そして、接いだものはいつか剥がせる。
《万物を切り離す魔法(アポシュネルギア)》――結び目をほどく力」
「……キメラの魔法」
「そう。1000年生きてきたが、君は私の最良の弟子だよ、ユウリ。
――ごめん。助けられない。私に手伝えるのは、言葉だけ」
「いいの。その言葉があれば、あーしは組み立てられる」
席を立つダンダリオンの白衣が、光に溶ける。
「甘いの、また作って。生き残った皆に、食べさせておいで」
「……うん」 - 463◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:23:54
◇
目が開く。
ユウリ・カブラギは現実に帰還していた。息は浅い。胸の穴は仮縫いのまま。時間はないと、破れた心臓が警笛を鳴らす。
ユウリはヴェロニカの手を握り、小さく笑う。
「先輩、ありがと。――行って」
彼女は震える指で印を切る。
「シュネルギア『接合せよ』――」
二点を線で結ぶ――それが彼女の世界の見え方。
一つ、自分の胸の穴“傷そのもの”。
一つ、鬼女の核――鏡皮膜の源、裕佳里の胸に根付いた異物の起点。
線が、直結する。 - 464◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:24:22
クリントの眼前で、全てを崩す白の掃射が乱れた。破滅の光はそれぞれがまるで生物の触腕のようにのたくり、次第に軌道を失って堕ちてゆく。
同時に裕佳里の胸のどこかが裂け、血が吹き出た。
クリントは悟る。死の運命、致命の因果が接続され、移ったのだと。
「この小娘が……ッ、わたくしのカ…渇きに何を――」
「くっつけただけ。――次は、はがすね」
ユウリはもう一度儀式印を刻む。
「アポシュネルギア『離別せよ』――」
剥離が始まる。
裕佳里の皮膚下を走る黒い筋が、全身の臓腑から煙のように抜け、鏡皮膜の下で剥がれていく。
鬼の遺伝子――《カイメラ商事》が埋め込んだ外法の鍵が、分解され、形を失う。
破滅の白い線は弱まり、途切れ、メイスの残骸が地面に落ちた。
裕佳里の肌から鏡の斑が消え、少女の身体だけが残る。
足元の床が崩れた梁の重みに耐え切れずにガラガラと崩れ、沈んでいく。 - 465◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:24:54
「――っ」
裕佳里は反射的に縁に指を掛けるが、砕けた石がほどけ、階下の影の中へ落ちていった。
静寂。
アニーマーン校舎の闇の中、火の粉だけが降る。
「ユウリさん!」
背に手を回しヴェロニカが抱き起こすが、ユウリは呼吸を探し、かすかに笑う。
「合成。もうひと踏ん張りだ……ね、師匠」
闇の中に蠢く黒いモヤから自分の胸に、彼女は最後の線を引く。
さっき剥がした“鬼の核”――どこかに接いで固定しなきゃ、また“誰か”にくっつく。ユウリは魔法の天才であって、軍略の天才ではない。他の誰かを犠牲にできるほど、ユウリは残酷にはなれなかった。 - 466◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:25:43
「シュネルギア『接合せよ』――あーしの中に」
「やめろユウリちゃん!」クリントが叫ぶ。
「それ毒だ! 今すぐ切り離せ! 死ぬぞ!!」
「わかってる。」
ユウリは静かに囁いた。
「だから。ここで止める」
不思議と、恐怖はなかった。
ドス黒い異物が入る。
身体はそれを拒絶し、崩れる。細胞が砂になる。
ユウリは泣かない。彼女は笑って、息を整える。
「ヴェロニカ先輩……あーし、けっこー凄かったっしょ?」
「まったく…難敵よ。……本当なら貴女と戦うことになってたかと思うと末恐ろしいわね。」
それは、デュランダル寮の代表選手にとって最高位の賛辞であった。 - 467◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:26:23
「クリント先輩、肩、あとでちゃんと看てくださいね…。ぶっちゃけ他寮のあーしのために無理しすぎたっしょ」
「了解した……っ。ユウリちゃん、君は――」
「甘いお菓子、また作るから。みんなで食べよ、って――ミネルヴァのみんなに言っといてくださいね…」
指先が落ちる。
ユウリ・カブラギは鬼の核を抱いたまま、静かに崩れてゆく。
砂糖が溶けるような、甘い匂いを残して。 - 468◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:26:46
◇
長い呼吸が、二つ。
ヴェロニカは悔しげな表情で、感情を噛み殺しながら足元の灰を一握り、ローブのポケットに納める。
「……約束は、守るわ。終わったらデュランダルの皆で彼女の墓に――」
クリントはクォータースタッフを杖代わりに突き立て、痛む肩を押さえながら前を見る。
「ヴェロニカちゃん。また鐘が鳴る。時間、進んでる。
ユウリちゃんの遺言、最期を、ミネルヴァ寮の誰かに伝えに行かないと…」
東棟の外で、時計塔の鐘が鳴った。
デスゲームの開始から一時間が経過したのだ。
崩れ去った城の外壁から見える逆さの文字盤が、夜気の中で真っ白に光る。
ミネルヴァ寮の他の代表選手…自分たちが彼らの元にたどり着くまでに、一体何人が生き残っているだろうか。
既に二人とも理解していた。殺し合いはスタートし、最早生徒個人の死を悼んでいられる状況ではなくなっている。今回の鬼女相手に自分たちが五体満足なのも、単なる幸運に過ぎない。
三日。
命と約束を接いだまま、彼らは次の廊下へと踏み出した。 - 469◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:28:04
【ユウリ・カブラギ 死亡】
【残り24人】 - 470◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:29:10
第三話 その③を終了します。
長くかかってしまいましたが、第三話は以上で完結となります。 - 471二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 11:30:26
とうとう死者が出たか
ここからボルテージが上がっていく予感 - 472◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:30:36
それでは早速、第四話のキャラダイスを振らせていただきます。
第四話に登場する生徒の人数は、dice1d4=3 (3) 人です。
- 473◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:33:57
- 474◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:37:23
第四話は
ナチア・ラプトン 様
ヒュドラ 様
レオ・ハーグリーヴス 様
以上の3名が登場する様でございます…!!
デュランダル寮勢揃いですね。これで、同寮からはアリス・ライトニング嬢以外全員が出揃ったことになります。
それでは、続きまして生存ダイスを振らせていただきます!! - 475◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:40:06
04.ナチア・ラプトン 様
《関係の深い生徒》dice1d25=25 (25)
《関係値》dice1d100=75 (75)
《生存値》dice1d100=3 (3)
《アイテム》dice1d100=69 (69)
05.ヒュドラ 様
《関係の深い生徒》dice1d25=19 (19)
《関係値》dice1d100=50 (50)
《生存値》dice1d100=25 (25)
《アイテム》dice1d100=73 (73)
07.レオ・ハーグリーヴス 様
《関係の深い生徒》dice1d25=14 (14)
《関係値》dice1d100=27 (27)
《生存値》dice1d100=14 (14)
《アイテム》dice1d100=56 (56)
- 476◆sUNOdUXYScMw25/09/10(水) 11:48:01
04.ナチア・ラプトン 様
《関係の深い生徒》カンデラ
《関係値》高い
《生存値》超超低い
《アイテム》そこそこ高い
05.ヒュドラ 様
《関係の深い生徒》ジネヴラ・レンハイド
《関係値》普通
《生存値》低い
《アイテム》高い
07.レオ・ハーグリーヴス 様
《関係の深い生徒》ジョアンナ・ロール
《関係値》低い
《生存値》低い
《アイテム》普通
◾️以上のようなダイス結果となりました。
第四話は登場人物こそ少ないですが、はじめての死者が出てしまった三話にも増して激しい攻防が繰り広げられそうな雰囲気が漂ってまいりました……。
それでは、時間をおいて第四話を投下させていただきます。
また改めまして、皆さま、いつも沢山のアイデアやご感想をありがとうございます。 - 477二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 11:49:59
やはりホスト規制だったか
楽しみに待ってます - 478二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 11:51:41
《名前》野分
《分類》魔道具
《説明》朱塗りの横笛。笛を吹いた者の強い感情を聞いたものに伝播させる。彼方より来た何かを崇め、一体化を目指す「深耀教 黎明の輪の会」の秘跡により作成された品。彼らは人格や記憶、情報を物品や生物間で移動させる技術を有している。 - 479二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 12:51:14
このレスは削除されています
- 480二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 13:06:36
デュランダル寮はもうボロボロ
- 481二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 13:11:44
最初に全滅するのはどこの寮になるんだろう
後最後まで生き残る寮はどこになるのか - 482二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 13:46:07
妖精の伏線をはじめ、戦術も描写も凝ってて素晴らしいバトル描写でした
これからも期待させて頂きます - 483二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 16:14:55
💛デュランダル寮:7人中6人既出、うち1人が確定死亡、おそらく四話目の他2人も…
❤️ファフニール寮:6人中2人既出
🧡ディオメデス寮:6人中1人既出
💚ミネルヴァ寮:6人中2人既出、うち1人が死亡
一話目、二話目とは対照的に結構ハイペースですな - 484二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 22:19:05
- 485二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 01:15:08
今回の3人、所属寮は同じだけど三巴の戦いが全然あり得そうな組み合わせやね…
- 486二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 07:47:47
ナチアは言わずもがな
他も大分低いしもっと死亡しそうな予感。生き残ってくれ… - 487二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 10:21:49
- 488二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 14:25:29
第四話はどうなるんだろうな
- 489二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 19:38:21
《名前》謎の館
《分類》地形
《説明》城の西にある誰が建てたのかもわからない謎の館。中には厄介な怪物たちがうようよしており封鎖されている。ただ忍び込んだ者が価値ある宝を手にしたという出来事があり、挑戦者は割といるとか - 490二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 22:48:14
生存値は超超低いけど
アイテムはそこそこ高い
条件的にはうーん難しいか…他がどんなアイテムを取るかでもあるしな - 491二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 23:39:25
ナチア 普通に誰彼構わず喧嘩売りそう
ヒュドラ 嫌い枠の明る過ぎる人にナチアが引っ掛かりそう&正義感が強いので暴走するレオとも相性が悪い
レオ 短気、粗暴、制御不能と争いを避けられなさそうな爆弾
これは戦闘必至だわ - 492二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 00:05:38
《名前》旧寮舎
《分類》地形
《説明》かつてこの学校にあった、自由と平和を重んじる《メルクリウス寮》の寮舎…という都市伝説が流れている、ファフニール寮の旧校舎。使われなくなった理由はファフニール寮生徒による度重なる破壊と修理による老朽化とされており、現在侵入は禁止されているが好奇心で入ってくる生徒が後を経たない。中はとても広いが、老朽化で色々な部分が壊れやすくなっており、また当時のファフニール生が残していった変なマジックアイテムやトラップ、それらに残る魔力に釣られて棲みついた危険なモンスターも多い。
どこかに、かつてのファフニール寮長『マーキュリー』の残した魔道具があると言われているが、真相は不明。 - 493二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 07:41:51
保守
- 494二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 12:52:33
保守
- 495二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 15:55:29
どんな展開になるか楽しみ
- 496◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:11:28
長らくお任せして申し訳ないです。
規制が解けたので第四話 その①を投下させていただきます。
舞台となるのは《フルヒトバルト(恐怖の森)》
登場する代表選手は、
ナチア・ラプトン 様
ヒュドラ 様
レオ・ハーグリーヴス 様
の3名です。 - 497◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:13:33
――時間を少し遡る。ユウリ・カブラギたちが鬼女と死闘を演じていた頃。
『禁域』北部、見渡す限りの原生林《フルヒトバルト》のただ中に、転移陣の光が弾け、小柄な少女の影が現れた。
「どこですか、ここ……。わたし、バタービール奢るって約束でクリント先輩に誘われただけなんですけど」
デュランダル寮五年、ヒュドラ。
金糸で騎士章を縫い取ったローブの下は白のマイクロビキニ。常に毒液を纏う彼女に、余分な衣服は不要だ。褐色の肌は夜霧に濡れ、湿った熱気の中で鈍く光る。
「愚痴っても始まりませんね。友人のジネヴラちゃんも参加しているらしいですし、とりあえず合流を目指しましょう」
暗所での単独行動に慣れた彼女は、すぐに優先順位を組み立てる。
「時計台は――向こうに見えますね。ということは、ここは禁域の北。南へ慎重に……あら?」
油を熱したような羽音が藪から湧き、吸血虫『ハムシ』の群れが体温と匂いに引き寄せられて突っ込んでくる。体長は二ミリ足らずだが、吸血されれば魔力も体力も削がれ、やがて大型魔法生物の餌――それがこの森の食物連鎖だ。
群れは蚊柱となり、ヒュドラの無防備な素肌へ――
――届く前に、ふっと溶けた。 - 498◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:14:17
正確には皮膚の手前で見えない膜に触れたように動きを止め、そのまま消化され、肉へ吸い込まれていったのだ。ヒュドラの皮膚から滲む強毒が、触れた瞬間に殺し、栄養へと転化させていた。
ヒュドラは舌舐めずりし、不敵に笑う。
「前評判からして少し期待したんですけど……この森の方々、わたしのご飯には少し足りないみたいですね。残念ですぅ……」
ヒュドラ――彼女もまたアニーマーンきっての“捕食者”だ。摂取した生物は体内で毒の素材となり、一定量を“吸収”できれば殆どどんな毒でも錬成できる。
森を道なりに進むとほどなく視界が開け、重油のような黒い《底なし沼地》が口を開ける。泡が浮いては弾け、悪臭が漂う。橋も舟もない。泳ぐのは……さすがに気が進まない。 - 499◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:15:36
その時――
――ゴォォォン。
遠い時計台の鐘が森を震わせる。ヒュドラが思わず月光に照らされた文字盤へ視線を上げた、その足元へ――ぬちゃり、と蛆の塊が転がり込んだ。
「……チッ」
ヒュドラは眉を顰め、無言で顔を歪める。
毒の素材なら選り好みはしない主義だが、これはさすがに味が悪い。蛆塊は毒に触れ一部が崩れ、ぎいぎいと痙攣する。
その呻きが、沼の奥に響いたのだろう。
――ズズズ……。
黒泥が盛り上がり、三十メートル級の影が立ち上がる。無数のヒルをまとい牙を剥くのは、沼の王――頂点捕食者『女王ヒル』。竜種が変異したと知れる威厳と機敏さで、水面を割った。
「……これは少しまずそうですね。いったん退いてジネヴラちゃんたちと合流を――」 - 500◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:16:56
言葉より早く、吸盤の口が伸び、ヒュドラの下半身を呑み込んだ。
褐色の柔らかな腹部に牙が食い込み、毒液がジュウジュウと内臓を焼き切ってゆく。
「がっ……は……!」
ヒュドラの本能が生命の危機を感知し、全身の皮膚から激毒を噴き、魔力を叩き込む。だが分厚いゴムのような女王ヒルの皮膜は傷まない。
最期の抵抗も虚しく、溶解液は体組織を食べやすいゼラチン状に変え、身体は真っ二つに裂けて沼の闇へ沈んだ。
――ここは《フルヒトバルト(恐怖の森)》。禁域内…いや、魔法界随一の生態系を有するバイオーム。アニーマーン魔法魔術学校が世界中の秘境から凶暴な魔法生物のみを集めた、獣たちの楽園だ。
デュランダルの強者でさえ、ここでは餌でしかない。偶然転がった蛆塊、毒の通らない原生生物――どれも彼女には予測不能。何げない選択、一瞬の判断の遅れが魔法界屈指の実力者たちの命をも簡単に奪い、最後には捕食者たちの餌となるのだ。 - 501◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:17:51
◇
同じ頃、森の別区画。
金系のブロンドを夜風に揺らし、人形めいた少年――ナチア・ラプトンは、胸を張って歩いていた。だが背後から低い唸りが響くたび、肩がわずかに跳ねる。
「……ケラーキ『灯火よ』」
杖先に橙の灯がともり、闇が後退する。
《明かりを灯す魔法(ケラーキ)》。最も簡易的な火属性の基本であり、その有用性からナチアたち一年生も真っ先に授業で習うこととなる呪文だ。基礎魔法ひとつで、ナチアの心にもわずかな余白が戻った。
だが余白が生むのは、考える時間でもある。
(馬鹿みたいだ。――自分の無謀がいずれ寮を滅ぼす、って。あの教師の言葉が今さら胸に刺さるなんて
アニーマーンに入る前からそうさ…ボクは今まで、ずっとそうやって生きて来た筈なのに……)
恐怖を追い出すように、ナチアは闇の中の唸り声に向けて叫ぶ。
「名乗れ! 騎士ナチア・ラプトンが汝に決闘を申し込む!」 - 502◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:19:11
その直後、鐘の音が森を震わせ、足元でぬめりが絡みついた。跳ね退くと、蛆塊が転がり、やがて内部から黄金のバールを露わにした。
『エクスカリバール』――純金で出来たバール、とても固くなるよう魔法が施されている。
「……これがボクの武器! なんでこんなところにあるのか分からないが、まるでデュランダルの聖剣みたいじゃないか。やれる、やれるぞ!」
昂揚が恐怖を洗い流す。そこへ地面が海のようにうねり、黒い背鰭が土を割った。
『アビスオルカ』。地を泳ぐシャチ。土を操り、獲物の足元を崩す狩人。ミネルヴァの先輩・カンデラの講義が脳裏をよぎる。
地中を泳ぐシャチの魔獣。3メートルを悠に超える水棲哺乳類の姿は彼らのナワバリとする森林地帯においては場違いに見え、獲物に非現実的な恐怖を植え付ける。独特の泳ぎ方で周囲をグルグルと旋回し、被食者の立場を徹底的に理解させるのが彼らの狩りの流儀だ。 - 503◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:20:55
ナチアは退かず、黄金のバールを構えた。
土が波立ち、少年の身体など一口に噛み砕いてしまいそうな顎が迫る。ぎりぎりまで引きつけ――
「うおおおおおッ! ボレー! 『撃ち抜け』!!」
先端から黄金の魔弾が放たれ、頭部を粉砕。土煙と血潮、巨体は崩れ落ちる。
「……やった。怪物を倒した……! ボクにだってできる。伝説を刻むんだ。先輩たちに、褒めてもらうんだ…」
膝から力が抜け、座り込む。安堵も束の間、森の彼方で夜が裂けた。
そしてナチアは、その業火の主に覚えがある。
火柱、轟音――レオ・ハーグリーヴスの燃焼魔法だ。 - 504◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:21:41
◇
灼熱の風が森を薙いでいた。
赤茶の短髪を汗で濡らし、制服を乱した少年が、焼け焦げた木々の間を突き進む。
デュランダル寮五年、レオ・ハーグリーヴス。
「いい加減…どいつもこいつも邪魔なんだよ…
カーフシモ『燃えろ』ォッ!」
レオの掌にはマグル界製の銀のライター。しかし筋張った指が回転式ヤスリを弾いた瞬間、魔力が跳ね上がり、炎は轟々と燃え広がる。
《燃焼させる魔法(カーフシモ)》。その効果は本来発火ではなく着火の術式であり、発動には触媒となる燃料を要する。無論木材や大気中の酸素に着火することも可能だが、先刻地底都市でエルド・ファブニールが竜の吐息から炎を広げてみせたように、その真価は元からある焔を“燃え広がらせる”場合に発揮される。
レオ・ハーグリーヴスは、サバイバル用の灯油ライターを常に携帯することによってカーフシモの真価――すなわち古の竜種に匹敵する火力と、異常な高燃費を実現可能としていた。 - 505◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:22:32
よくよく見れば、彼の通った道には炭化した魔法生物の死骸が積み重なり、生きた生物は草木一本も存在しない。そして彼自身が意図したことか定かではないが、フルヒトバルトの主たる巨大な原生生物たちもまた、炎を嫌ってレオに近づくことはなかった。
既に幾千の魔法生物たちを焼き殺し、煤まみれの顔でレオが見上げるのはアニーマーン城の時計台。今が深夜の12時であることと、月の形、方角からこの場所が初期地点から見て北――フルヒトバルトと呼ばれる原生林であることをレオは瞬時に見抜く。
「はぁ…このまま直進すれば校舎まで大体2時間ちょいってとこか? 途中でオイル補給も必要だな…まったく、もう殺し合いは始まってるってのによォ……」
そして躊躇いなく、鬱蒼と茂った目の前の樹海に再び業火を放った。一瞬のスパークの後、豊かな生命を育む森は瞬時に炭と化し、土と肉の焦げた匂いがあたりに立ちこめる。
ジメジメした森林で道に迷うことを嫌ったレオは、火で道を作り、一直線に時計台を目指していたのだ。 - 506◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:23:14
「……俺は兄貴らに置いてかれねぇ……こんなとこで足止めなんかされてたまるかよ……!」
炎の道を駆け抜けるレオ。
一見して過剰にも思える彼の焦りには、私的な事情を抜きにした合理的な理由があった。
森を焼き払い、草原を焦がしてレオ・ハーグリーヴスはフルヒトバルトの大地を疾走する。ふと時計台を見上げれば、文字盤は15分ほどの時間が経過したことを示していた。本来、レオの足であれば2キロ程度の距離を走り抜けられた筈の時間だ。
時計台との距離は、全く縮まっていなかった。 - 507◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:24:15
レオは深い溜息をつき、失望と怒りを露わにする。遠くに見える時計台の大きさは、この森に転送されてから全く変化していなかった。おかしい。そもそも木々を焼き尽くして一直線に進んでいるのだから、迷うはずはないのだ。
だが、時計台の位置が気づけば真南から南東へと“ずれている”。
「ふざけんな……家族の評価を取り返すのは、この試合しかねぇんだ。クソ教師の遊びに付き合ってられるかよ!」
焦燥と苛立ちに駆られ、炎を乱射する。だがそれこそが森の罠だった。
『蠢く大森林』。
フルヒトバルトの原生林全体に寄生するこの生きた植物群は、血と魔力に誘われて獲物を迷わせるため活動を開始していた。自身の体内に迷い込んだ三匹の小虫を逃さず、迷わせて骨まで喰らうために。
焔に照らされた樹々がざわめき、夜の闇にレオの叫びが木霊する。
「クソが……!! 俺は……負けねぇ!!! こんなところで油を売ってる暇はねぇんだ…!!」
だが彼の炎は、森を照らすどころか、森そのものに呑まれていく。 - 508◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:25:15
◇
《フルヒトバルト》の森は深い。
順調が一瞬で奈落に変わることもあれば、その逆もある。
底なし沼地の淵、粘液に濡れた岩場に、微動だにしない巨影がひとつ。
ヒュドラを丸呑みにした女王ヒルの活動は、30分に渡って完全に停止していた。
やがて唾液と共にその唇が開かれ、溢れ出る大量の酸の海から少女のシルエットが浮かび上がる。
溶解液がゴツゴツした沼の岩場を蒸発させたが、その少女の褐色の肌には一片の火傷もなかった。 - 509◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:25:53
「……けほっ。いきなり丸呑みは想定外でした。蛆虫さんの『魔力増強剤』がなければ危なかったですね。以後、慎重に」
女王ヒルの体内からヒュドラが返り咲く。
ヒュドラの配布アイテムはダリアのそれと同じ「魔力増強剤」。この魔導具の助けもあってか、ヒュドラは女王ヒルの体内でなんとか生きながらえつつも抗体を生成。毒を完全無効化し、脱出劇を成し遂げたのだ。
――シャアアアアア……!!
自らの体内から出た異物を許す筈もなく、女王ヒルがヒュドラに向けて最高濃度の毒液を噴射する。
まるで先程の二の舞のように万死の激毒が褐色の肌を侵し、煙をあげて柔らかな肉に到達し―― - 510◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:26:43
「一度通じなかった技を同じ相手に二度使うのは頂点捕食者として論外…だと思いますけどぉ…」
ヒュドラの皮膚に到達する直前、ヒルの猛毒は何もない空間で蒸発。そのままかき消えた。
その様子は、まるで先刻ヒュドラに捕食された吸血昆虫、ハムシの群れの再演のようでもあった。
女王ヒルの内部で時間をかけて毒への抗体を生成したヒュドラには、いまやヒルの攻撃はひとつも効かなくなっていたのだ。
先ほど学習した通り。さらに、酸で負った細かな損傷もみるみるうちに癒える。 - 511◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:27:15
逆上して襲いかかる女王ヒルに対して、ヒュドラは静かに毒の霧を吹いた。依存性のある支配毒。相手を中毒に落とし、命令を刻む。
巨体の動きが虚ろになり、頭を垂れる。
「あのー……言うこと聞いてくれるなら一つお願いがあるんですけど。」
地に伏す女王ヒルの巨体に、ヒュドラは身を屈めて物憂げな声を投げかけた。
「この沼、人間のわたしには深くて。泳ぎも得意じゃないので……向こう岸まで、背中に乗せていただけます?」
女王ヒルはまるで頷くかのように頭部を縦に振ると、そのままヒュドラを背に乗せて水中に没した。
巨竜に跨る少女の姿は、さながら大自然を従えるこの森の主のようにすら見えた。 - 512◆sUNOdUXYScMw25/09/12(金) 19:27:49
第四話 その①は以上となります。
時間をおいて、第四話 その②を投下します。 - 513二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 19:46:43
ヒュドラ、本当に即死したかと思ってビビった
- 514二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 20:57:11
主さんの書く女の子かわいいね〜
- 515二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 21:26:51
ヒュドラちゃんこの3人の中じゃ1番生存値高いもんね
それでも死にかねないくらい低いんだけど
大雑把に言うとワンピのマゼラン+特性ポイズンヒール+呪い系も得意だからスペックは高いんよね - 516二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 00:32:13
保守しておきますね…
- 517二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 08:50:24
スレ主さんの書くヒュドラちゃんがめっちゃダウナー可愛くて好みっす
- 518二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 14:04:55
うーんこのレオの早死にしそう感…
- 519二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 22:13:59
《名前》小瓶
《分類》魔道具
《説明》付近の活性化した魔法を吸い込んで密閉する。一つにつき一回まで。危険な魔法の扱いに対する、教員用の安全装置。 - 520二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 23:56:32
生存率が低いけど周りと比べて相対的に高いし生き残りやすいかな(ヒュドラ)
- 521二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 07:40:54
何人第四話では生き残るかな
- 522二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 13:50:30
保守
- 523二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 22:11:12
保守
- 524二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 00:04:45
保守
- 525二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 07:31:21
保守
- 526二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 12:33:50
保守
- 527二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 13:56:01
- 528二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 14:09:02
保守
- 529二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 22:13:23
ヴェロニカちゃん…ですかね
- 530二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 07:26:19
今のところヒュドラちゃんが推しかな
- 531◆sUNOdUXYScMw25/09/16(火) 11:40:28
皆さま、3日もお待たせして申し訳ございません。
ようやく規制が解かれましたので、ひとまず第四話 その②を投下させていただきます。
スレを保守していただきありがとうございます。 - 532◆sUNOdUXYScMw25/09/16(火) 11:43:47
竜の末裔、巨大なヒルの背に跨り、褐色の少女は悠々と底なし沼の水面を進む。
女王ヒルの背は、重油の湖を渡る黒い渡し舟のようだった。
ヒュドラは無言で膝を折り、ぬめる背皮に片腕でそっと触れる。視線は遠い時計台へ向け、そのまま思考はもっと深い場所――自分の胸腔へと潜るのだった。
(……気になることはもう一つあります。わたしの身体を侵す毒、どうやら女王様のそれだけではないみたいなんですよねぇ…)
ヒュドラが意識を向けるもう一つの“毒”とはずばり、黒幕教師エデン・フラワー・ブラウンがゲーム開始時に仕掛けた『呪い』のことであった。
曰く、禁を破るか三日を過ぎれば発動し、心臓を“内側から”潰す。
《回生する魔法(ゾンダネーヴォ)》をその身に宿す不死と呼ばれた魔法使い――1年生のフシタロ・タナカですら、一度『呪い』が発動すれば二度とは蘇らなかった。 - 533◆sUNOdUXYScMw25/09/16(火) 11:44:42
(でも専門家の立場から言わせていただけば、致死毒に絶対はないです…。被毒者の命を確実に奪う猛毒であっても、症状が出る前に抗体を用意できれば必ず“無毒化”できる)
(だから必要なのは――標本…なんですけどねぇ……)
むぅ、とヒュドラは頬に手を当てた。
必要なのは“血清”。だがそれを作るには、サンプルが要る。呪いの核となる、被毒者の身体に残された術式の痕跡。要は魔力によるマーキングである。
女王ヒルの胃袋で溶けかけていた間、ヒュドラは自分の内側――心筋、冠動脈の走行、神経束の節――再構築した臓腑の隅々まで舐めるように探した。だが、魔力のマーキングは遂に見つからなかったのだ。
(遠隔で被毒者を即死させる超強力な呪いに、マーキングがまったくない? ――そんなことはあり得ません。
けれど発見できない以上、悔しいですが“わたし以外”を調べるまで断言はできないですね……)
仲間に会う必要がある。友人のジネヴラと、デュランダル代表選手団の面々。検体が増えれば統計が取れる。新たな事実が明らかとなり、より正確で現実的な手を打つことができるようになるかも知れない。
(それに、“血清”を作る方法はもう一つあります。どちらにせよ仲間との合流は急務ですけど……) - 534◆sUNOdUXYScMw25/09/16(火) 11:45:26
女王ヒルの巨体が、やがて向こう岸の泥洲に腹を擦り上げた。
ヒュドラは軽く一礼して降りる。振り返り、一拍置いてから口を開いた。
「ありがとうございます、女王様。
どうかこの先も手伝っていただけますか」
巨体が首を縦に振り、小さく頷く。次の瞬間ヒュドラの手のひらが水面のように波打ち、女王ヒルの頭頂部から喉元へ――“沈める”ように吸い込み始めた。
喰ったのではない。格納し、分解し、解析するのだ。
ヒル毒の魔術式を拾い上げ、強力な抗体を自分の血に“教育する”。分析が終われば猛毒はヒュドラ自身の武器となり、女王は再び彼女の外へ解放されるだろう。
このやり方こそまさに、ヒュドラの考える“血清”のためのもう一つのプランであった。
(これはわたしの奥の手なんですけど……友達を助ける為に出し惜しみはしていられませんね。
術者そのものを“取り込んで”分析する。エデン・フラワー・ブラウン。あなたを無力化し、『呪い』の抗体を作る。血清はそこから量産できます)
腹の奥がひんやりと満ち、膚の上の膜が静かに落ち着く。
ヒュドラは踵を返し、凪いだ心の奥でひとつだけ熱を灯した。
(急ぎましょう…みんなの元へ。合流、解析、そして――わたしが必ず全員を救ってみせる)
無表情。
されど胸に確固たる決意を秘めて、褐色の少女は音もなく“恐怖の森”を駆け抜けた。 - 535◆sUNOdUXYScMw25/09/16(火) 11:46:51
◇
燃える木々の前で、レオ・ハーグリーヴスは立ち尽くしていた。
炎は道となり、しかしその道はどこへも届かない。真南にあったはずの時計台はいつの間にか南東へ“移動”し――大森林の瘴気が、脳の奥でジリジリと不快な音を立てる。
「レオ先輩――!」
背後から駆け込む足音。サラサラの金髪を乱し、炭化した枝を蹴散らして駆けつけたのはナチア・ラプトンだ。
先程の轟音と火柱を見て、ここまで来たのだろう。先輩と合流できた安堵が彼の肩の震えをわずかに止める……が、違和感に気づくのにさほど時間は掛からなかった。
レオ・ハーグリーヴスの目は充血し、頬は煤で黒く染まっている。
何より、彼の通ってきた跡は“焼けすぎて”いた。レオの《燃焼させる魔法(カーフシモ)》は触媒としてライターを使うぶん魔力消費が少ない代わりに、灯油の残量という物理的制約があるため“燃費が悪い”。それでも火力にしては低燃費だが、本来乱発は出来ないのだ。だからこそ普段のレオなら、燃料補給の不可能な森に飛ばされた時点で無闇に乱発はしない――はずであった。
それにも関わらず、ナチアはここに来る前、レオの通った道に大量の炭化した木々の跡が残されていたのを目撃している――。 - 536◆sUNOdUXYScMw25/09/16(火) 11:49:11
ナチアが息を飲むより先に、レオの指が無意識に銀のライターを撫でた。爪先が焦れ、喉は乾きを帯びる。
『蠢く大森林』の生み出した天然の迷宮と、そこに立ちこめる瘴気、何より過剰な魔力放出。焦燥と劣等感の底で、レオの思考は細く尖っていく。
(蹴落とせ。相手が誰でも。今度こそ置いていかれるな)
レオが既に正気ではなく、最悪、ゲームに乗っている可能性もある。その事実はは今や誰が見ても明白な程に彼自身の表情に現れていた。
瞳が細く、鋭く歪み、野生の獣のような歪な光を帯びる。
その時―― - 537◆sUNOdUXYScMw25/09/16(火) 11:50:08
「おや、お二人とも。こんなところで一体何を……? 序盤で暴走して消耗しすぎないのはこの手のゲームの第一原則…だと思うんですけど……」
夜闇の中、大樹の枝に腰掛けた褐色の少女が物憂げに口を開く。
ヒュドラはするりと樹上から飛び降りると、炎の狭間から二人の間に割って入った。
女王ヒルの粘液を一滴、掌に滲ませ、毒膜を張り直しながら簡潔に告げる。
「いずれにせよ、お二人が無事で何よりです。
早速なんですけどわたし、今エデン先生が代表選手全員にかけた『呪い』の解析をしてまして…えぇ、わたしは毒物のスペシャリストなので。
ただ、全身を調べても呪いは“見えません”でした。わたしの体内には印がない。ゆえに、術者の解析か他検体の比較が必要です。運営を叩く。協力を」
ヒュドラから見たナチアは、明るすぎて少し苦手ではあるが才能に溢れた好感の持てる後輩である。
同様にレオも自分を卑下しすぎる部分はあるが、逆境に負けない努力家。ヒュドラも陰ながら応援している同級生であった。
だから、何の疑いもなく手を伸ばした。
だが、レオの瞳に浮いたのは、強い警戒と――憎悪だった。
ヒュドラが殺気を感知し臨戦態勢に入るのも、ナチアが警告するのも、遅かった。親指がホイールを弾く。 - 538◆sUNOdUXYScMw25/09/16(火) 11:50:45
カチリ。
「カーフシモ――『燃えろ』」
ライターの口から、地獄の焔が噴き上がる。
ヒュドラは反射で両腕を伸ばし、掌を波打たせて女王ヒルを召喚。自分とナチアの前に巨体の“盾”を形成する――だが、やはり半手遅れた。
炎が森を真っ赤に塗りつぶし、粘液の壁を一息で炭に変える。
火だるまになった女王ヒルが崩れ、その向こうでヒュドラもまた地獄の炎に包まれる。
少女の輪郭は瞬時に黒く炭化し、ボロボロと地面に崩れ落ちた。
獣の咆哮が、夜の梢を揺らす。 - 539◆sUNOdUXYScMw25/09/16(火) 11:52:25
◇
燃え盛る大火の橙が、昔日の赤い記憶を想起させる。
レオは魔法界の名門、ハーグリーヴス家に末っ子として生を受け、両親は家の伝統に従ってレオをアニーマーンに入学させた。
レオは兄たちや両親、先祖代々と同じようにデュランダル寮生となり、彼自身もそれを誇りに思っていた。
寮では友人や先輩たちに恵まれ、最初の数年は楽しい日常を過ごした。だが、輝かしい記憶はそこまでだった。
レオには“道筋”がなかった。名門・ハーグリーヴス家の息子に相応しい魔法の才能がなかったのだ。
同じ寮の下級生、ヴェロニカのような目立った実績も個性的なエピソードもなければ、ヒュドラのように頭抜けた得意魔法もない。
特徴のない凡人。モブ生徒A。それがデュランダル寮内でのレオの立ち位置だった。監督生候補の名簿から、いつの間にかレオの名前が消えるのに時間は掛からなかった。
両親や兄たちはいくらか失望したようだったが、それを態度には出さず、むしろレオを励まして普段通りに接し続けた。末っ子が偉大なるハーグリーヴス家に相応しくないことなど、分かっているはずなのに。
その態度が、余計にレオの心を強く焦がした。 - 540◆sUNOdUXYScMw25/09/16(火) 11:53:24
だから、捨てた。趣味も、友人も、寝る時間も。残ったのはただひとつの術――《燃焼させる魔法(カーフシモ)》。誰でも使えるはずの“着火”を、誰よりも深く、誰よりも遠くへ燃やす技に変えた。
エルド・ファブニールを筆頭に学校の英傑たちは当然のごとく通常技の一つとしてカーフシモを扱うが、レオはこの他愛のない中級呪文を極め、自身の奥義とすることを決めたのだ。
努力の甲斐あって、火力・破壊力においてデュランダル寮でレオの右に出るものはいなくなった。兄たちはレオの魔法の上達を褒め、四寮間対抗試合デュランダル代表への参戦も“滑り込み”ではあるがほぼ確実なものとなった。両親はこれを聞いて泣いて喜んだ。
レオは心の底から自身のカーフシモを誇りに思った。
――その年、入学した一年生が、呪文学の授業で教材の魔獣を粉砕した。歴代でも滅多にいない破壊記録。レオ・ハーグリーヴスの記録はあっさりと破られた。
新入生の名は、ナチア・ラプトン。
代表の座は入れ替わり、憧れの視線はナチアへ流れ、レオには時おり“同情”の視線が向けられた。
寮に火を放った夜の温度を、レオは忘れない。デュランダル寮宿舎で起きた大火災。死人こそ出なかったが、レオは代表選手入り確実と目されていた二人の上級生を闇討ち。癒えない火傷を残して休学に追い込んだのだ。ことの発端たるナチアを襲わなかったのは、子どもじみた意地と、罪悪感と、そして――彼がよく懐いたから。 - 541◆sUNOdUXYScMw25/09/16(火) 11:53:57
デュランダルの主力選手が二人も欠けたことで、性格に難ありのレオ・ハーグリーヴスとヒュドラが選手団の穴を埋める形となった。退学を推す教師もいたが、学校との繋がりも深い名門・ハーグリーヴス家の名は重かった。
軽い謹慎を終えた面談の日、兄はレオの頬を打って泣いた。兄が泣くのを見たのは後にも先にもこの一度きりだけだ。悔しさと申し訳なさで、自然とレオの目にも涙が溢れた。
合わす顔もないので、実家にはそれ以来帰っていない。
戻った学校で、レオのような不良を唯一気にかけてくれたのは小さな監督生ファー・クリント。噂によればクリントはレオが休学に追い込んだ七年生に代わって代表の座に着いたそうで、選手団の席は毎回ひどく息苦しかったのを覚えている。
そして、ナチア・ラプトンもまたいつも隣に現れた。取り巻きの女子たちと話していても、見つけるとまっすぐレオに話しかけに来る。脅して遠ざけてやろうかとも思ったがレオには友はなく、結局、彼もナチアの影を許した。
一年間、いつも一緒だった。眩しくて、鬱陶しくて、悔しいことに憎めなかった。 - 542◆sUNOdUXYScMw25/09/16(火) 11:54:59
◇
炭化して崩れ落ちるヒュドラを見て、ナチアは悲鳴を上げて尻餅をついた。
その身体に目立った傷はない。女王ヒルとヒュドラの二重の壁が、業火の直撃を逸らしてくれていたのだ。焦げた匂いが喉に貼りつく。助かった――その実感より先に、視界の端でレオが血の涙を流しているのが見えた。『蠢く大森林』の発する瘴気の汚染が、彼の眼窩の奥、脳にまで及んでいる。
震えるナチアに、レオは近づいて――意外なほど静かに肩へ手を置いた。
抱き寄せる。体温が伝わる。心臓が跳ねる。
「……ごめんな」
低く、掠れた声。
「ずっと、お前が目障りだった。
――死んでくれ、ナチア・ラプトン」
耳元で、やさしい口調のままに。
「一生の頼みだ。どうか、俺の前から消えてなくなれ」
銀の蓋が、軽く鳴る。
ホイールが火花を散らす。
カチリ。
夜の森を、赤い閃光と炎のうねりが貫いた――。 - 543◆sUNOdUXYScMw25/09/16(火) 11:56:27
第四話 その②を終了します。
規制がなければ本日中に第四話 その③を投下させていただきます。 - 544二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 18:12:19
規制中でも書き溜めてくれるの凄まじくありがたい。
- 545二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 20:03:12
ヒュドラちゃん....
- 546二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 20:17:26
ヒュドラちゃん死んだか?……いやまだアナウンス出てないから希望はある
ちなみにだけどみんなは現実で毒物燃やすのはやめておこうね
可燃性ガスだとガス爆発起こすし、液体だと沸騰して飛び散りながら燃えたり皮膚に付いたそれが燃えたり、不燃性でも蒸発して毒ガスになっちゃうし、固体なら固体で漆みたいに毒入りの煙が発生したりして危険だよ - 547二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 20:43:08
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- 548二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 22:33:39
まだ続きがある…まだ望みがある…
- 549二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 07:28:33
まぁバトロワスレなら全員確定死亡でもおかしくない数値だしな
- 550◆sUNOdUXYScMw25/09/17(水) 09:37:13
まさかの規制が解けた当日の夜に再び規制を食らっていました…。
第四話 その③を投下させていただきます。 - 551◆sUNOdUXYScMw25/09/17(水) 09:39:57
瞬きする刹那の出来事である。
夜闇を裂いた赤い閃光は間違いなくナチア・ラプトンに届き、その胸を一撃で貫くはずだった。
だが次の瞬間、眩い黄金の奔流が横合いから吹き出し、圧倒的質量で紅蓮の渦を押し返す。
「……っ!」
《敵を撃ち落とす魔法(ボレー)》。
杖先から金色の光弾を大砲のように撃ち出す。その威力は一発に込めた魔力量に依存。
生命の危機を直感したナチアが反射的にエクスカリバールを振りかざし、放ってしまった魔法だった。
二つの魔力がぶつかり合い、轟音が大森林を揺るがす。一瞬の攻防においてナチアの放った攻撃の威力は、もはや『魔砲』と呼んで良かった。それは、決闘マニアであるナチアが一年生にして行き着いた、1vs1の魔法戦に於ける最適解。
熱風が吹きすさび、火花が弾け、周囲の木々が一瞬にして薙ぎ払われる。
互角。
だが――息を飲んで退いたのはナチアの方だ。
自分は、憧れの先輩を殺しかけていた。
仲間に刃を向けるという、騎士としての禁忌を破ってしまったのだ。
「……あ、あぁ……! そんな…ボク…こんなことがしたかったんじゃ――」 - 552◆sUNOdUXYScMw25/09/17(水) 09:40:35
『君は生かしておいたほうが面白い。偉大なるデュランダルを巻き込んで、どう自滅するか見てみたいからね……』
黒幕教師の不吉な予言が胸をよぎり、全身が震える。目は見開かれ、手の力は抜け、『エクスカリバール』が落ちそうになる。
しかもボレーの砲撃は炎を相殺するに留まらず、軌道を逸らしながらレオ本人にまで迫っていた。
普通なら木っ端微塵。だが――
「……はは、危なかったぜ。
あの蛆虫、キモくて潰しちまったけどなかなか良いモノを寄越しやがったな」
レオ・ハーグリーヴスは無傷だった。
彼の右手には銀のライター。そして左手の薬指には、風の妖精の力が宿る魔導具――『風の指輪』。
リングの内側に刻まれた古代ルーン文字の効能は、魔法・物理問わず“あらゆる遠隔攻撃の阻害”である。
かくして黄金の砲撃は弾かれ、背後に聳える塔のような大樹を粉々に砕き散らした。 - 553◆sUNOdUXYScMw25/09/17(水) 09:41:41
愕然と立ち尽くすナチアに、レオは嗤いかける。
「嬉しいよ。やっとだ……やっと、俺を殺そうとしてくれたんだな。ナチア・ラプトン」
爛々と輝く目には狂気の炎が宿り、口元には歪んだ笑み。
「全部お前が奪ったんだ……居場所も、誇りも、皆んなからの視線も。
それなのにお前は、まるで俺の味方みたいに――波風立てず良い子ちゃんの後輩みたいに振る舞ってたんだよな」
ククク…と、レオは自嘲気味に乾いた笑い声をあげる。
「でも、やっとだ。
遂に今こうして、お前は俺に殺意を向けてくれた。ようやく躊躇なく邪魔者を捻り潰せるって訳だ。
――最高の気分だよ、ナチア・ラプトン」
頭の中が澄んでいた。
まるで自分は、この瞬間のために《燃焼させる魔法(カーフシモ)》を磨き続けてきたのだとすら思えるほどに。
レオにとってその感覚は熱狂的な喜びであり、同時に遂に一線を超えてしまった、という本能的な忌避感と恐怖から来るものでもあった。 - 554◆sUNOdUXYScMw25/09/17(水) 09:42:17
「学校に入って以来、こんなに晴れやかな気分はねぇよ。ようやく――心置きなく、お前を殺してケリをつけられる」
「レオ先輩……! ボクは…あなたに……っ」
ナチアの喉から声が漏れかけ、閊えた。
レオの言葉を否定したかった。今がデスゲームの最中でなければ、或いはそうしていたかもしれない。
けれど震える心臓は、もう戦う覚悟を迫っていた。
――身を守るために。正気に戻すために。
そう言い訳しながらも、ナチアはエクスカリバールを構え直した。
カチリ。
銀のライターが弾け、ホイールが赤い火花を散らす。
夜のフルヒトバルトで、黄金の魔砲と地獄の炎が再び激突した。 - 555◆sUNOdUXYScMw25/09/17(水) 09:44:55
◇
今から数年前――ナチアはその日のことをはっきりと記憶している。ナチアが、憧れに出会った日。
入学前、マグルの一般家庭出身の少年がアニーマーン魔法魔術学校のキャンパスを訪れた時のこと。
魔法界での初めての一日を終え、夕暮れが深く沈んだ頃、デュランダル寮の中庭で彼は目にした。
ひとり焔を操る青年――レオ・ハーグリーヴス。
監督生たちの案内で授業を見学した後、ふらりと立ち寄った中庭。そこには燃え立つ火柱と、その前に立つ背の高い影があった。
カーフシモの呪文を繰り返し唱え、火を操り、鍛錬を積む姿。
ナチアの胸に熱いものが込み上げた。
(――すごい……!)
その青年は、まるで御伽噺の中の魔法使いのようだった。聞けば彼こそがこのデュランダル寮で最大の火力を持つ魔法の使い手らしい。
焔を浴びる横顔。額を濡らす汗。大きな背中。
その全てが魂に焼きつき、ナチアの胸を灼いた。
――あの人のようになりたい。
――入寮するなら、デュランダルしかない。
ナチア・ラプトンは幼い頃から、自分と周囲とを隔てる“魔法”という奇妙な力を嫌悪していた。ナチアが通ったどの学校でも、力は友達を傷つけ、関わる人を悉く不幸にしてしまうからだ。
だが美しい炎は、ナチアに魔法使いとしての誇りを思い出させた。あの人のような綺麗な力を自分も使いこなせたら、どんなに良いだろうと思えたのだ。
それは恋に似た、初めての憧れだった。
ナチアの青春の情熱全てが『決闘』に注がれることとなるのは、その日以来のことである。 - 556◆sUNOdUXYScMw25/09/17(水) 09:46:03
◇
再び現在。
フルヒトバルトの夜を、炎と黄金が切り裂いていた。
熱風は竜巻を呼び、倒木と魔法生物の死骸を舞い上げ、炭すら空に巻き上げる。
さながら、ユウリ・カブラギのファイヤーハリケーン。無論乱発することは叶わない――むしろ通常なら数日間続く魔力切れを引き起こすが、レオ・ハーグリーヴスは燃焼魔法単体でそれ以上の規模の大熱波を再現して見せたのだ。
「はぁ、はぁ……ッ!」
ナチアは黒焦げの倒木の上に立っていた。
視線を落とせば、フルヒトバルトの大地は遥か下。炎の上昇気流に巻かれ、足場もろとも空高く吹き上げられているのだと理解する。
その眼下を、狂笑するレオが舞う。炎を翼に、黒く焦げた脚からはジェット噴射のように熱を噴き出し、空を滑空しながら次々と燃焼魔法を放つ。
ナチアは《敵を撃ち落とす魔法(ボレー)》を横薙ぎに撃って迎撃するが、黄金の砲撃はプラズマ化した炎の壁に弾かれて消えた。 - 557◆sUNOdUXYScMw25/09/17(水) 09:46:37
倒木は不安定で足場も心許ない。防戦一方。
さらに『風の指輪』がある限り、魔砲は最終的に全て逸れ致命打は与えられない――そう思った矢先。
(……待て。火の勢いが、弱まってる?)
気づいた。
レオの炎は明らかに出力を落としていた。
考えて見れば当然だ。ナチアと出会った時、レオは既に魔法の無理な使用を繰り返していた。それに加えて、炎の竜巻を起こす先程の大技。
ライターの燃料切れ。カーフシモの乱発が、致命的に響いている。
ならば――近距離戦だ。
ナチアは赤い光を掻い潜りながら木から木へと飛び移り、間合いを詰める。
彼の最大の得意分野は時にリスクを伴う正面突破。エクスカリバールを振り抜き、渾身の殴打を決めるつもりだった。
燃焼魔法の弱点は、至近距離での使用。高火力すぎて、目前まで近づいたナチアに放てば自身も大火傷を負う。 - 558◆sUNOdUXYScMw25/09/17(水) 09:47:10
「覚悟しろ、レオ・ハーグリーヴス。
騎士ナチア・ラプトンが、デュランダル寮の後進として貴方を止める――!」
だが、その瞬間。視界が揺れた。
頭が重く、肺の内側が熱を帯びる。酸素が薄い。
「……しまっ……!」
一酸化炭素中毒。
巨大な炎の竜巻によって空域の酸素は消費し尽くされている。レオはあえて不完全燃焼を起こし、ナチアを窒息に追い込んでいたのだ。
改めて言おう。燃焼魔法こそレオ・ハーグリーヴスの人生を賭けた奥義。彼はその性質を熟知し、ナチアの純粋火力に対抗するため応用したのだ。
バランスを崩し、落下するナチア。
炎をまともに浴び、左半身と顔の半分に回復不可能な火傷を負う。少年の鼻腔に、肉が焦げる匂いが充満した。 - 559◆sUNOdUXYScMw25/09/17(水) 09:47:58
「ぐ、あああああああああああッ!!」
皮膚が泡立ち、髪が焼け焦げ、呼吸は塞がれる。
もはや戦えない。早急に傷を治療しなければ死んでしまうだろう。だが――まだ、終われない。
(せめて最後に……! 憧れの先輩と……決着をッ!)
焼けただれた喉から、ナチアは叫ぶ。
「決闘から――逃げるのか、先輩。
ボクはまだ、《敵を撃ち落とす魔法》の最大火力を出していないのに。」
ナチアは黒染めの手で『エクスカリバール』を構え、握り直す。
それはレオへの挑発であり、願いでもあった。決着への望みをその一言に賭けたのだ。
レオ・ハーグリーヴスはナチアの入学当初と比べても桁違いに強くなっていたが、プラズマの防壁や不完全燃焼による中毒化は、彼がナチア・ラプトンを超えるために修行して身につけた技だとナチアは知っていた。
ナチアの方も憧れの先輩の努力を間近で見て、切磋琢磨してきたのだから当然だ。尊敬する人物だからこそ、お互いの最も得意とする一騎打ちで負けたくない、決着をつけたいという想いがあった。
「ボクたちはまだ――! 純粋な火力勝負で戦ってない!!」
レオは一瞬、笑った。
『風の指輪』を外し、投げ捨てる。
「……いいだろう。最後に試させろ。
俺は――お前に勝つための魔法を、今日この瞬間のために準備して来たんだからな」
レオには切り札があった。ナチアを此処で殺してしまうなら、試さずにはいられない切り札が。
ライターが軋み、火花を散らす。 - 560◆sUNOdUXYScMw25/09/17(水) 09:48:46
◇
決闘の刻。
レオが上。ナチアが下。
夜空のただ中で、互いに構えを取る。
「ボレーーーッ!! 『撃ち抜け』っ!!」
ナチアのエクスカリバールから最大出力の黄金砲が発射される。と、同時に、ライターが黒い火花を放ってスパークした。
その火花――魔法界で『悪霊の火』と呼ばれる黒炎が、ぱんと弾けた。
物質ではなく魔力を媒介にして燃える火。その性質ゆえ杖を含めたあらゆる魔導具の天敵と言える『悪霊の火』を、レオは一瞬間を置いてナチアの放った魔砲に向けて発射したのだ。
一瞬の拮抗の後――黄金は黒い炎に呑まれ、侵食される。エクスカリバールが粉々に砕け散った。 - 561◆sUNOdUXYScMw25/09/17(水) 09:49:31
「勝った。――終わりだ、ナチア・ラプトン」
レオは勝利を確信した。
これでナチアには、もう二撃目を防ぐ手立てはない――。
そしてそこまでを、ナチアは予測した上で敢えて『悪霊の火』を受けたのだった。
ナチアは先輩の使う切り札を最も間近で見て、学んでいたのだから。
だがレオにはそのナチアの姿が眼中になかった。彼の心に有るのは仇、復讐の相手としてのナチアのみ。
そこが、勝負の明暗を分けたのだ。
黄金色の欠片となったエクスカリバールの中から姿を現したのは、隠し持っていた一本の木の杖。
バールには内部にパイプ状の空洞があるタイプのものもあり、ナチアはその中に本来の杖を隠していたのだ。
『エクスカリバール』は本来近距離戦向けのマジックアイテムである。ゲーム開始以来一度も杖を使わなかったのは、他の参加者への誤射を恐れたから――だが今、枷は外れた。
「ボレー――三重詠唱! 『撃ち抜け』ッ!!」
純粋にして完全、百パーセントの魔力を込めた魔砲。
ナチアの杖先から、天を揺るがす黄金の奔流が放たれた。
黒炎が黄金砲を塗り潰さんと覆いかぶさり、だが一瞬――押し切れない。
夜の密林は黄金に包まれ、二人の少年は同時に光の渦に飲み込まれた。
そして――共に意識を手放したのだった。 - 562◆sUNOdUXYScMw25/09/17(水) 09:51:00
第四話 その③は以上となります。
時間を置いて第四話 その④を投下させていただきます。
第四話はその④で終わりなので、投稿次第つぎのダイスロールも行います。 - 563二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 18:22:22
序盤から激戦が続くな…果たして勝者は?
- 564二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 19:09:19
《名前》“ネズミの穴倉”
《分類》地形
《説明》所在不明、行き方不明、迷い込むことでのみ行けるという謎の雑貨店。品の中には滅多に見ることのできないものも置いてあるが、偏屈者の店主は貨幣を好まず、物々交換でしか取引できない。頻繁に行ける者もいれば一生行けない者もいるらしい。
※品物を盗んだりした場合、命の保証はできません。ただ死ぬならマシなほうです。 - 565二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 23:21:44
保守
- 566二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 07:52:01
これが序盤の戦い…!?
- 567◆sUNOdUXYScMw25/09/18(木) 09:11:20
第四話 その④を投下します。
- 568◆sUNOdUXYScMw25/09/18(木) 09:11:52
――黄金の奔流の中。
レオ・ハーグリーヴスは意識を取り戻した。
ここはまだ空中なのか、それとも死後の世界なのか。足元に地面の感覚はなく、手足の存在すら希薄だ。夢の中のような漠然とした浮遊感だけが、ただレオの全身を覆っていた。
(……ああ、そうか。もう、残ってないのか)
魔力を焼き尽くす『悪霊の火』の反動。黒い炎に侵食されるのは、無論魔導具だけではない。レオ・ハーグリーヴスの四肢は既に炭と化し、ボロボロと音を立てて崩壊を始めていた。
そもそもライターのオイルが切れてからは、自らの肉体を薪として戦っていたのだ。無理もない。
自身の敗北を悟り、心中で両親と兄たちに詫びる。けれど、不思議と後悔はない。胸に去来したのは、妙な清々しさだった。
「……結局……お前には最後まで……勝てなかったな……ナチア……」 - 569◆sUNOdUXYScMw25/09/18(木) 09:12:39
呟きは虚空へ消える。
レオの眼は熱に焼かれ、もはや視力を失っていた。だが闇の先に感じる気配――そこに居るのはナチアだ。彼もまた酷い火傷を負い、もう長くはないのだろう。
或いはレオとナチア、二人ともすでに死んでいるのかもしれない。けれども、生死など今この場所においてはどちらでも良いことだった。
盲目の闇の中で、ナチアの掌がそっと触れる。業火に包まれた肌…しかしそこに残ったわずかな温もりが、まだ自分が『人』であることを思い出させる。
「……ボクが、本気で魔法と……決闘を好きになれたのは……先輩の炎があったからでした。
レオ先輩、ボクの心に…魔法使いナチア・ラプトンの魂に、火を焚べてくれてありがとう」
暗闇に震え混じりの声が響く。直接的な言葉ではないが、それで充分だった。
「超えるべき壁」としてレオがナチアに心を灼かれ続けたように、ナチアにとってもレオは憧れであり、心を奮わせた存在だったのだ。
この一年間、デュランダルの仲間たちにナチアが話すことはいつも尊敬する先輩の話であったし、七年生に癒えぬ火傷を負わせたレオを代表チームがすんなり受け入れたのも、ナチアの熱心な訴えによるものだった。
そしてそれ以上に、レオの内面的変化もその一因であったのだろう。
ナチア・ラプトンと共に過ごす姿を見て、教師や上級生たちからの視線も変わりつつあった。何故、もっと早く気づけなかったのか。
レオは燃え滓となった心で己の短い人生を回顧した。
劣等感に飲まれ、炎にすがって努力し続けた日々に後悔はない。だが、ナチアに対してだけは――違う接し方をすべきだった、と。 - 570◆sUNOdUXYScMw25/09/18(木) 09:13:03
「そうか……。悪かったな……ナチア……」
燃え尽きる炎の最期。レオは人生の終わりに、一つだけ詫びた。
後輩の想いに気づけなかったことに。
先輩として守るべき存在を突き落としてしまったことに。
「俺は結局、お前の望むような炎にはなってやれなかったな。
狂った火で自分も、デュランダルも、お前たちの未来も焼き尽くしちまった。
ナチア…お前は、少なくとも此処で死ぬべき奴じゃなかったんだ。本当に……すまない」
ナチアは笑った。
「……大丈夫です。ボクらの死は、無駄にはなりませんよ。そうなるように……もう手は打ちましたから。
だから最後くらい、ボクを信じてみてくださいね?」
エデン・フラワー・ブラウンの予言めいた脅しなど、もう心に響かない。
なぜなら、ナチア・ラプトンは――尊敬する最高の決闘者、レオ・ハーグリーヴスが認めたライバルであり、彼の心をも灼いた天才なのだから。
ナチアは、炭化した先輩の手をそっと握る。
やがて二人の意識は、穏やかな光に溶けて消えた。 - 571◆sUNOdUXYScMw25/09/18(木) 09:14:03
◇
――決戦から数刻、フルヒトバルトの大地。
時計塔の鐘の重厚な音色が、大森林を、ひいては『禁域』全体を揺るがす。
『悪霊の火』に焼き払われた森林跡地。雪のように積もる灰の中で、ひとりの少女がゆっくりと身を起こす。
ヒュドラである。
金髪は焦げ、その体表には火傷の痕が残っていたが――見る間に癒え、褐色の肌が元の艶を取り戻す。
「……はぁ、危機一髪でした…。大気中に満ちた毒……復活できたのは運が良かったですね。
ただの炎だけならわたしを殺せてましたよ、レオ君」
降り積もる灰の塊に寂しげな視線を向ける。
実際、レオの燃焼魔法はヒュドラの命を完全に奪うに充分な火力を持っていた。完全に殺しきれなかった理由は、ヒュドラへのトドメの一押しが熱ではなく『毒』であったこと。 - 572◆sUNOdUXYScMw25/09/18(木) 09:14:38
『一酸化炭素中毒』。
既に抗体を持つ毒によるダメージはヒュドラへの有効打にならないばかりか、それまでに負った傷までも癒してしまうのだ。
ジネヴラ・レンハイドとの共同研究の過程でヒュドラが得た毒物への抗体はざっと200種類以上に及ぶ。殺し合いのない日常生活において想定されるようなポピュラーな毒は、すでに克服済みだ。
毒をもって新たな毒を制す。
ヒュドラはこの特異体質を『ポイズンヒール』と呼んでいる。
灰を踏みしめながら、ヒュドラは焼け跡を歩く。
黒焦げのまま長く地中に埋まっていた彼女は、二人の戦いの行く末を知らない。だが、少なくとも無事でないことくらいは分かっていた。
焼け跡を暫く進むと、降り積もった灰の上に横たわり、事切れている骸の影を発見する。
比較的綺麗に輪郭の残った上半身と金糸の縫われたローブから、ヒュドラはそれがナチア・ラプトンだと理解する。 - 573◆sUNOdUXYScMw25/09/18(木) 09:16:56
胸の前で固く握られた両掌をほどくと、中から黒く焦げてひしゃげた銀のライターが転がり落ちた。
「……そういうこと、ですか」
ナチアの意図を察し、ヒュドラは両腕を前に伸ばし、掌を波打たせる。
次の瞬間、ナチアの身体は灰となって吸い込まれ、跡形もなく消えた。
――脳裏に記憶が流れ込み、ヒュドラは息を呑む。
デュランダル寮の栄光のため。
ナチア・ラプトンが最期に遺していったのは、エデン・フラワー・ブラウンの『呪い』の真相に迫る情報だった。
ナチアは最後の瞬間《敵を撃ち落とす魔法(ボレー)》の反動によってレオと共に上空高く飛び上がり、一時的に『禁域』を覆う結界の外に出たのだ。
そのため、ナチアとレオの直接的な死因は『呪い』である。死亡した二人は『悪霊の火』で灰となり、そのまま自由落下でフルヒトバルトまで戻って来たのだ。
つまり、ヒュドラが得た抗体のサンプルは二人分。恐らくあと一人分程あれば、呪いに対抗する“血清”を完成させられる。
更にナチアの記憶により、『呪い』の正体に関する新たな情報もヒュドラの知るところとなった。
『呪い』が発動した瞬間、対象の脳に強力な洗脳作用が働き、周囲の認識をも改竄、最後には自ら心臓を潰させる。
つまり、『呪い』の核となるマーキングは心臓でなく脳にあったのだ。それも、恐らく“それ”を意識できないように仕組まれて。
情報を噛み締める。
ヒュドラの凪いだ心は、今や仲間を奪われた事実への怒りで静かに熱を帯びる。
(もう、わたし一人の命じゃありませんね……。
ナチアくん、レオ君。見ていてください。この情報と“血清”は必ず、みんなの元に届けて見せますから……)
つとめて冷静に。
けれど新たな決意を胸に、少女は灰の荒野を後にしたのだった。 - 574◆sUNOdUXYScMw25/09/18(木) 09:17:17
【ナチア・ラプトン 死亡】
【レオ・ハーグリーヴス 死亡】
【残り22人】 - 575◆sUNOdUXYScMw25/09/18(木) 09:18:02
大変長くなってしまいましたが、第四話は以上となります。
時間をおいて第五話のダイスを振らせていただきます。 - 576◆sUNOdUXYScMw25/09/18(木) 09:20:15
四話を終えたばかりではありますが、第五話のキャラダイスを振らせていただきます。
第五話に登場する生徒の人数は、dice1d4=3 (3) 人です。
- 577◆sUNOdUXYScMw25/09/18(木) 09:25:07
- 578◆sUNOdUXYScMw25/09/18(木) 09:29:11
第五話は
イザベル・クローヴァー 様
神崎 優(かんざき ゆう) 様
シーシャ・オルクス 様
の3名が登場する様でございます…!!
デュランダルの次はファフニール回です。
果たして、再び死屍累々となってしまうのか…
それでは生存ダイスを振らせていただきます。 - 579◆sUNOdUXYScMw25/09/18(木) 09:31:25
09. イザベル・クローヴァー 様
《関係の深い生徒》dice1d25=23 (23)
《関係値》dice1d100=47 (47)
《生存値》dice1d100=33 (33)
《アイテム》dice1d100=42 (42)
10. 神崎 優(かんざき ゆう) 様
《関係の深い生徒》dice1d25=2 (2)
《関係値》dice1d100=92 (92)
《生存値》dice1d100=70 (70)
《アイテム》dice1d100=79 (79)
13. シーシャ・オルクス 様
《関係の深い生徒》dice1d25=14 (14)
《関係値》dice1d100=50 (50)
《生存値》dice1d100=66 (66)
《アイテム》dice1d100=30 (30)
- 580◆sUNOdUXYScMw25/09/18(木) 09:39:04
09. イザベル・クローヴァー 様
《関係の深い生徒》ユウリ・カブラギ
《関係値》普通
《生存値》低い
《アイテム》少し低め
10. 神崎 優(かんざき ゆう) 様
《関係の深い生徒》アントン・ヴェルナー
《関係値》最高
《生存値》高い
《アイテム》高い
13. シーシャ・オルクス 様
《関係の深い生徒》ジョアンナ・ロール
《関係値》普通
《生存値》少し高め
《アイテム》低い
◾️第五話のダイスは以上のような結果となりました。
イザベル・クローヴァー 様とユウリ・カブラギ 様は互いに対して今一つ良い感情を抱いていなかったようですね…。 - 581◆sUNOdUXYScMw25/09/18(木) 09:41:58
それでは、以上のダイス結果をもとに第五話を執筆させていただきます。
また、いつも沢山の♡マークやアイデア、ご感想をありがとうございます。励みになっております。 - 582二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 10:37:57
生きてた!生きてたぁー!!!
- 583二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 12:11:20
一応訂正 オルクスではなくオクルスですね
- 584二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 17:26:16
保守
- 585二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 22:06:19
ヒュドラちゃん生きててよかった……けど大火力持ちの2人が死んだの結構痛いかも
しかし2回死にかけても生き延びるとはなんという生命力
呪い解呪に1番近いしめちゃくちゃ重要だぞこの子 - 586二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 23:49:08
ヒュドラ生存確認ヨシ!やっぱポイズンヒール強いな
あと呪いマーキングやっぱりエデンが精神操作で認識出来ないようにしてたか、心臓潰れる原因は洗脳だしトリガーが呪いなだけで中身は殆ど精神操作だなこれ
一番ヤベェのはこれを誰にも気付かせず仕掛けてる事なんだけど
しかしナチアとレオ中々熱い戦いだったな
ふたりとも散り際がかっこよかったぞ!!
そういえばナチアが色目で見てたのはレオだったのだろうか……?
………天国でイチャイチャしていてくれ
さて、次回はファフニール回だがこれはどうだ…?一応全員今回生き延びたヒュドラよりは高い出目を出してるが…よりにもよって殺人嗜好のやべーやつがいるからなぁ……イザベルがやや危険域かもしれん
神崎はあれなんなんだろうな…「今日はちょっと贅沢して高いスイーツ買っちゃおう」と全く同じノリで「今日はちょっと贅沢して人間襲っちゃおう」しそうなのが怖い、普通の趣味嗜好と物騒が地続きじゃん、怖い
シーシャは…どうなんだろうか、生き延びはするだろうけどどう関わるのか想像つかない
シーシャの得意魔法見てて思ったんだけどそういや無詠唱のラインってどの辺なんだろうか、ヒュドラとエデンはやってたよな確か、あと今回の神崎も使えるみたいだな
………もしかして今回神崎を止められる奴居ないな? - 587二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 01:04:14
シーシャ投げた人だけど『歌え』は別に相手の詠唱に乗っからなくても自分の知ってる魔法なら使わせられるイメージ あと普通に言わせたいこと言わせたり
最悪の使い方としてはその状況で言ってはいけないこと(感情を逆撫でするような言葉とか)を発言させて孤立や破滅に追い込んだりとかですね…
- 588二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 07:36:53
あぁそうか、知ってる魔法なら勝手に使わせられるの強いな
分身とか使う相手なら拘束魔法使わせて全員捕縛なんてことも起きそう
社会的孤立も怖いな……一部の人には効かなささそうだけど俺は絶対喰らいたくない - 589◆sUNOdUXYScMw25/09/19(金) 11:36:58
第五話の執筆に時間が掛かっているのでオマケを投下させていただきます。
- 590◆sUNOdUXYScMw25/09/19(金) 11:37:28
【オマケ】現在までに登場した魔法一覧
《回生する魔法(ゾンダネーヴォ)》
死者復活の魔法。本来は数百年に及ぶ儀式と大規模な方陣を必要とする複雑な神話級魔法であり、学生にはまず扱えない。
《姿を隠す魔法(パンタスマ)》
詠唱は「パンタスマ『隠せ』」。透明人間のように空間に溶け込むが、気配までは消せないので他の魔法や自前のスキルで補う必要がある。
《酸性の霧を出す魔法(オミーフリ)》
詠唱は「オミーフリ『霧よ覆え』」。霧に触れても死ぬことはないが、生物ならばあまりの痛みに泣き叫び、隙が生じるだろう。優れた魔法使い同士の戦いにおいてはその一瞬が命取りとなるのだ。 - 591◆sUNOdUXYScMw25/09/19(金) 11:37:51
《暴風を呼ぶ魔法(シエラ)》
詠唱は「シエラ『暴風よ来い』」。石壁を抉る威力の竜巻を発生させる中級魔法。カーフシモとのコンボにより上級魔法にも匹敵する凶悪な殺傷能力を発揮する。
《破滅の光を放つ魔法(フォス)》
詠唱は「フォス『光よ貫け』」。当たりさえすれば対象を無条件に破壊できてしまうチート上級魔法。が、透明化や超再生などに対しては無力であり、探せば意外と穴は多い。
《棘の蔓で縛る魔法(スペールノ)》
詠唱は「スペールノ『棘の蔓よ縛れ』」。トゲのついたイバラで敵を拘束する呪文だが、あまりの殺傷力の高さ故に生きたままの捕縛に成功するケースは少ない。 - 592◆sUNOdUXYScMw25/09/19(金) 11:38:15
《生命を芽吹かせる魔法(オルガニズモス)》
詠唱は「オルガニズモス『芽吹け』」。植物の種などを急成長させ、その場に根付かせる。魔法植物学者御用達の呪文。
《火の球を撃つ魔法(フォティア)》
詠唱は「フォティア『火の球よ降れ』」。カーフシモと並んで最もポピュラーな火属性魔法。触媒を必要としないがその分火力も低い。
《万物を合成する魔法(シュネルギア)》
キメラ魔法(仮)。詠唱は「シュネルギア『接合せよ』」。等級不明。属性も不明。既存の体系からは大きく逸れた異形の魔術式を持ち、唯一の使い手が死んだ今再現には千年単位の時間を要すると思われる。実質ユウリ・カブラギの固有魔法。 - 593◆sUNOdUXYScMw25/09/19(金) 11:38:40
《明かりを灯す魔法(ケラーキ)》
詠唱は「ケラーキ『灯火よ』」。杖の先に橙色の火種を灯し、松明やランプの代わりに扱う。アニーマーン生なら誰でも使える火属性の初級魔法。
《燃焼させる魔法(カーフシモ)》
詠唱は「カーフシモ『燃えろ』」。対象を発火させる中級魔法。触媒が必要だがその分高火力。他寮にややお株を奪われている感はあるが、一応ファフニール生の十八番である。
《敵を撃ち落とす魔法(ボレー)》
詠唱は「ボレー『撃て』」。超火力の魔砲を放ち、敵を木っ端微塵に吹き飛ばす決闘の基礎呪文。一撃の威力は込められた魔力の量に依存するため、ボレーが強いのではなくナチアが化け物なだけ。 - 594二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 19:43:57
ボレーのシンプルに相手を倒す事を第一に考えた魔法が素敵
超再生も無力化するんやろうなぁ… - 595二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 20:01:58
《名前》『嘲笑』
《分類》魔道具
《説明》妙な名がつけられた100面ダイス。持ち主が致命的な運命にある時は奇跡的な生還を果たす運命にねじ曲げるが、上手くいっている時、特に絶対に死なないような運命の時はそれを嘲笑うかのように絶望的な運命に叩き落とすという。希少で危険、扱いが難しいため誰も所有権を有さないよう回りくどいやり方で厳重に保管されているはずだが…? - 596二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 20:13:48
《名前》悪い子の夜更かし用目薬
《分類》魔道具
《説明》暗い所でも明かり要らずでものが見えるようになる目薬。元々は消灯時間後も起きていたい生徒によってこっそり開発されたらしい。 - 597二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 21:52:28
《名前》防災魔法用品3号:吸雷針
《分類》魔道具
《説明》日本に住んだ魔法使いが災害の多さにキレて作った、13の魔道具の1つ
500メートル以内の雷を強制的にここに落ちるよう軌道を変える - 598二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 23:42:17
保守
- 599二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 02:48:27
《名前》サツマンドラゴラ
《分類》魔法生物
《説明》突然変異のマンドラゴラ。屈強な人型の根を持ち地上を歩き回る。人間を見つけると致死性の絶叫を上げながら恐ろしい速度で距離を詰めてブン殴ってくるため、上質な耳栓か対策となる呪文が必須。マホウトコロ出身のある教師は『あの絶叫は“猿叫”に似ている』とのコメントを死にかけながら残していたらしい。 - 600二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 08:22:51
保守
- 601二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 12:03:12
保守
- 602二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 15:20:18
- 603二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 19:22:03
第五話は死人出るんだろうか
- 604二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 23:55:19
【審議中】(・ω・`)
- 605二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 08:49:44
オルガニズモスとか応用次第で殺傷力に繋がる魔法もちらほら
ケラーキもライター火炎放射器みたいなのが出来そうだし - 606二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 13:11:28
保守
- 607二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 21:24:52
マダカナー
- 608二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 23:09:13
マツノジャ
- 609二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 23:42:47
カイメラってキメラやキマイラの別の言い方らしいね
- 610二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 07:49:46
保守
- 611二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 12:53:10
保守
- 612◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 12:57:35
皆さま、お待たせして申し訳ないです。
三日ほど体調を崩しておりました。
規制されていなければ今夜あたりに第五話 その①を投下できそうです……。 - 613二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 13:46:49
お疲れ様です
- 614◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 18:54:11
第五話 その①を投下させていただきます。
舞台となるのは《下水道》
登場する代表選手は、
イザベル・クローヴァー 様
神崎 優(かんざき ゆう) 様
シーシャ・オクルス 様
の3名です。 - 615◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 18:56:01
――白い光と共に、大講堂の空間がぐにゃりと歪む。
目を開ければ、そこは古き龍都の残骸が沈む地下下水道。
「さてと……ケラーキ『灯火よ』」
杖先に橙色の明かりが灯り、暗い地下水路に細身のシルエットが一瞬映し出される。
照らし出された銀髪の少女は、緩慢にまばたきを繰り返しながら足元の汚水を眺めた。
「……ふむ。下水道、か」
透き通った、冷徹な響きの声。
水面に映った顔は、まるで氷細工のように整っていた。
長い銀髪に、色を失ったような青白い肌。感情を乗せない瞳は、ただ淡々と虚空を見つめている。一言で表すなら、亡霊の姫君のような可憐さを漂わせる少女であった。
「エデン・フラワー教授も悪くない場所を選ぶじゃないか……。
廃墟、屍の山、穢れの溜まり場。どれも、この私の死霊魔術を試すには最適の舞台だ」
筋の通った鼻をふふん、と鳴らす。
口調は凛々しく、凍りつくほど冷たい。
だが、その声に宿る自信は仮初めであった。 - 616◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 18:56:37
イザベル・クローヴァー。
暴力至上主義のファフニール寮にあっては珍しい、無口で理知的なクール系優等生。
他寮の後輩からは憧れの視線を浴びることもしばしばで――
「クローヴァー先輩って、本当に人形みたいで……」
「ええ、無口で凛々しくて。あの冷たい瞳に見つめられたら、私……」
そんな声を、彼女は日常的に浴びてきた。
「……馬鹿らしい」
小さく吐き捨てる。
そのローブはよく見れば皺だらけ、目の下には濃い隈。幼少期から肌が弱く、清潔を保つのも簡易的な清浄魔法に頼りきりだ。
人形のように細い手足も、数日に一度しか食事を取らないイザベルの生活習慣に由来するものであった。
要するに彼女の私生活は、とうの昔に破綻していたのだ。
美しい優等生は外見だけである。
彼女の実態は、ただの不健康で神経質な研究狂に過ぎなかった。 - 617◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 18:57:41
◇
「さて……私以外の代表選手は二十四名の筈だが、先ずはどうしたものか。
彼等の中に私の知人は少ないから…
これを、使ってみるのが良いのだろうね」
イザベルは支給された魔道具を取り出す。
それは黒ずんだ金属の棒。先端には枯れた手首が括りつけられている。
「……ダウジングロッド、か。
先刻この魔導具を落とした蛆虫共には恐らく私と同じ、死霊魔術系の支配が掛けられていた。十中八九運営者からの贈り物…これを使って殺し合え、と云う訳だろう。」
イザベルは彼女の手に握られた、不気味な出立ちのマジックアイテムを見つめる。
『ダウジングセンサー』。
先端に枯れた手首がついた金属の棒。
もしも読者がマグルの世界の住人であれば、マジックショーなどで使われるL字の金属棒を想像していただければ分かりやすいだろう。
棒の先の“手首”がゆらゆらと振れ、ぬるりと動いて――下水道の奥を指した。
付属の説明書によれば、指の指す方向は最も近い人間の肝臓であるという。 - 618◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 18:58:05
「……気味が悪い品だ。しかし……まぁ死体の扱いには慣れている。全く問題なし。
あぁ、問題はないとも」
自らにそう言い聞かせる。
それでも肩は震え、声も僅かに上擦った。
「ふ、ふん……っ、こ、この私が…『監督生』である私が、こんな程度で怖じ気づくなんて……あり得ない…そう、あってはならないことだ……っ…」
水音を立てぬよう慎重に歩き出す――が、その足取りは明らかにぎこちない。
その銀髪も、ローブの裾も、汚水に濡れぬよう必死にたくし上げて。
ゴーストのような冷ややかさを纏いながら、実際はビクビクと怯えを隠せない足取りで、イザベル・クローヴァーは闇の奥へと進んで行った。 - 619◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 18:58:34
◇
――激戦が繰り広げられる地上から遥か下。
アニーマーン魔法魔術学校の石造りの基盤をさらに潜って降りていくと、城のインフラを支える“下水道”に行き着く。
ここは古の龍都ミザラビリスが地下深くに沈んだ折、当時の上下水道設備をそのまま流用したと伝わる、古臭く淀んだ迷宮だった。
汚水と汚物、蠢く気色の悪い魔法生物。
鼻を衝く腐敗臭が充満する狭い通路を、二人の少女が疾走していた。
共通点は東洋龍を模ったローブの赤い刺繍と――どちらも悲鳴を上げていること。 - 620◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 18:59:09
「嫌あああああああッ!! 来るなああっ!!」
恐怖に掻き立てられ、涙交じりに叫びながら逃げるのは、ファフニール寮六年生のイザベル・クローヴァー。
幽霊めいた白い肌に、深い隈を浮かべた青白い顔。普段は冷徹な理知派を気取る彼女だが、今は余裕などどこにもない。
腰まで伸びた銀髪とローブの裾が汚水に濡れぬようスカートをまくりながらも、不格好な走り方でバランスを崩しそうになる。その運動音痴ぶりは一目でわかり、背後の追跡者に追いつかれるのは時間の問題だと言えた。
「ひゃっはあああああああああ!! 逃げんなモヤシっ娘ぉぉ!!」
歓喜の絶叫を響かせながらイザベルを追い立てるのは、赤いリボンに巫女服を纏った少女――ファフニール寮三年、神崎優。
逃走者とは対照的に全身を汚水に浸しながらも、豪快に飛沫を蹴り上げて疾駆する。楽しげに笑い声を響かせ、あと一歩でイザベルの襟首に飛びかかれそうだった。 - 621◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 18:59:44
「だから嫌だって言ってるだろっ! 神崎君――へぶっ…!!」
泣き叫ぶイザベルはついにバランスを崩し、何某かの魔法生物の膨れた死骸に足を取られる。
そのまま前のめりに転倒し、盛大な音を立てて汚水へダイブした。
優は凶暴な笑みを浮かべ、その姿へ駆け寄る。 - 622◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 19:00:08
◇
――神崎優。
遥か東方、日本列島の魔法の学び舎『マホウトコロ学園』から留学に訪れた若き才能である。
日本からの留学生といえば、同じファフニール寮の池上 裕佳里の名前が上がるだろうが、神崎優とは出自からして全くの別物である。彼女がマグル出身であるのに対し、優は生粋の魔法族。
その血筋こそがすでに異質だった。
退魔(ウィザードスレイヤー)の一族、神崎家。ルネッサンス期、最初に日本列島を訪れたアニーマーンの使節団に、彼女たちはそう呼ばれたと伝わる。
曰く千年を超えて神職として存続してきた家系であり、一族の娘は代々幼い頃から「南蛮のウィザードを滅ぼす」という使命を与えられていた。
欧米列強の侵略者に抗う刃。日本魔法界の閉鎖的独自体系を体現する『マホウトコロ』の最精鋭。 - 623◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 19:00:33
江戸時代末期まで鎖国の続いた日本において、『マホウトコロ』もまた外界とは隔絶された魔法体系を確立させてきた。最大の違いとして挙げられるのは、国家内における魔法族の扱いの違いであろう。
西欧では除け者としてアニーマーンの古城に隠れ住んだ魔法族であったが、一転して日本の魔法族は貴族として中央権力に極めて近い家柄に上り詰めた者が多い。
要するに西欧においては迫害されたウィザードの一族が、日本においては神職や陰陽師、呪術師として政治的・宗教的な権威を与えられたということである。
権力者たちは魔法使いの血をこぞって自らの家系に取り込み、長い年月をかけてサラブレッド化させていった。
その結果として生まれたのが、神崎家、䅣一族、そして『マホウトコロ』の退魔師集団。 - 624◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 19:00:57
大日本帝国が強国との戦争、そして二度の世界大戦を経ても外国の魔導隊の侵略を受けなかった理由。
それは神崎家を筆頭とした退魔師たちが、マホウトコロの許可なく上陸した異邦の魔法使いを問答無用で一人残らず殺戮してきたからに他ならない。
――そして、神崎優は神崎家における歴代最高傑作。
両親から千の殺技を叩き込まれ、冷血の殺人マシンとして育った少女だった。
神崎家の天命を受け入れ、殺戮を楽しむ以外の生き方などあるはずもなかった。
物心ついた頃から、血と臓物だけが優の友達であり、玩具であった。
そんな彼女に、一年前、人生を変える邂逅が訪れる。 - 625◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 19:01:23
◇
約一年前。煙立つ魔法戦の戦場。
神崎優はひとりの青年に出会った。
褐色の肌、鋭い双眸、長身のシルエット。
軍人仕込みの立ち居振る舞いを備えた青年――アントン・ヴェルナー。
戦場で拳を交えた瞬間、優は恋に落ちた。初恋の相手であった。
心情の変化について深い理由を言語化する術はない。人生の大半を戦いに費やした少女にとって、齢相応の恋はそれほど刺激的が過ぎた体験である。
粉塵の中、丘の上でアントン・ヴェルナーは名乗った。
所属と、名前。来月からは任務でアニーマーンに転向する、と軽口を添えて。
それは決闘作法としての礼儀に過ぎなかったのかもしれない。だが恋する乙女には、それ以上の意味を持って響いた。
マホウトコロに帰った優は即座に留学を決意した。
ウィザードとウィザード殺し――余りにも身分違いの恋である。書面を前にして両親は必死に止めたが、優は差し向けられた追手を全て惨殺し逃走。
その決意は決して揺るがなかった。 - 626◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 19:01:53
◇
そして現在。
下水道のドブ溜まりに倒れ伏すイザベルを見下ろしながら、優は決意を新たにする。
このバトルロワイヤルにおける第一目標は、愛しのアントン・ヴェルナーと合流すること。
できれば一戦交えた後、主催側の兵隊やエデン・フラワー・ブラウンといった強敵に共闘し、最後にはゲームを破壊して脱出――アントンと『良い雰囲気』に持ち込みたい。
だがそれはそれとして、戦いと殺戮も楽しみたいのだ。参加者たちはいずれも代表選手に選ばれるほどの粒揃い。普段なら命を奪うことはできないため、この期に思う存分殺しておきたい。
恋愛と趣味(殺戮)どちらも完璧にこなさないといけないのが、エリート退魔師の辛いところである。
その第一歩、最初の獲物を探すため地下下水道を探索していた優は、ゲーム開始から三十分経った頃、現在前方のドブの中に沈む少女、イザベル・クローヴァーを発見し、追跡していたのだった。 - 627◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 19:02:23
イザベルの上半身は丸ごと濁った泥水に沈み、脚だけが投げ出されている。ぴくりとも動かない。
流石の優も眉をひそめ、駆け寄る。
心配したからではない。第一号の獲物が、ドブで窒息死などという間抜けな結末を迎えては興ざめだからだ。
やはり命を奪うなら、直接この手で。
模範的ファフニール生として、寮の仲間の命すら『戦利品』のひとつに過ぎないと考える残酷さがそこにはあった。
優はイザベルの真っ白な足首を乱暴に掴み、地上へと引きずり上げる。
濡れたローブが肌け、銀髪が汚水を滴らせながらイザベルの身体が水面に引きずり出される。
優は嗜虐的な笑みを浮かべ、その顔を覗き込んだ――。
その瞬間だった。
イザベルの半身が沈んでいた黒い汚泥が、ゆらりと影のように蠢いたのは。 - 628◆sUNOdUXYScMw25/09/22(月) 19:03:06
第五話 その①は以上となります。
時間をおいて、第五話 その②を投下させていただきます。 - 629二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 20:31:02
肝臓センサー、いい具合にキショくて好き
- 630二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 21:14:28
簡潔なキャラクター案からここまで性格や背景を膨らませられるのは実際すごい
体に気を付けて毎時間投稿してくれ - 631二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 00:34:04
最後の文!
- 632二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 06:51:40
この分だと他のマホウトコロ出身者もヤバそう
- 633二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 08:20:52
- 634二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 12:07:08
《名前》アラクニダの糸鎧
《分類》魔導具
《説明》北方の大地にて厄災が如く恐れられる巨大蜘蛛《アラクニダ》の糸で編まれた鎧。ダンジョン探索を生業とするウィザード御用達の装備品。
極めて薄く作られており、着用者の体型に合わせて自動的にレギンスのようにフィットしてくれるため着用者の動きを一切阻害しない。ローブや衣服の下に装備することも可能。
シルクのような質感でありながら極めて頑強で、斬撃や刺突、火炎や電撃、酸や腐食に対して完全な耐性を持つほか、水が油を弾くように魔法効果を受け流す。
欠点は、その薄さゆえに衝撃に対しては何らの軽減能力を持たずに素通ししてしまうこと。
例えば大剣で一刀両断されることは防げても衝撃で肉や骨がグチャグチャになるのは防げず、
暴風を呼ぶ魔法(シエラ)で抉られること自体は防げても吹き飛ばされて岩壁に叩きつけられれば死んでしまう。 - 635二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 18:09:58
《名前》バスルーム
《分類》地形
《説明》アニーマーン城の本館最上階に作られた大浴場。チェコのテプリツェやベルギーのスパーも顔負けな泉質と温浴設備を誇る。
天井はガラス張りになっており、昼間は暖かな陽光が差し込み、夜中は星空を眺めながら湯に浸かれる。
入浴には水着着用が義務付けられているが、日本からの留学生が全裸で入るという事件が頻発している。
なお、炎の上位精霊イフリートが湯を沸かしており、彼らを怒らせると煮えたぎる熱湯に浸かる羽目になるため、浴場で騒ぎは控えた方が良いだろう。 - 636二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 18:22:11
- 637二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 21:31:47
下水道の雰囲気に見合ったドロドロなバトルになりそうだなぁ…
- 638二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 22:07:30
《名前》星辰の部屋
《分類》地形
《説明》魔法で動く、複雑極まる仕掛けの数々で構成された部屋。門外漢には意味不明な場所にしか見えないが、占星術に関する深い知識と精妙な魔法のコントロール力を持つ者であれば“禁域”全域に繋がる『門』を開くことができる。ただし『門』の向こう側に気配を感じたら直視してはいけないし、気配のある間は入ってはならない。“それ”を見た者は正気を失い、触れた者は存在を失うからだ。 - 639二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 07:22:43
待機
- 640二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 09:53:32
魔法界の日本にはやべーやつしか居ないのか
- 641二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 17:48:14
保守
- 642◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:03:38
お待たせいたしました。
第五話 その②を投下させていただきます。
また、一人称の書き分けのため今回からイザベル・クローヴァーの人称は私→ワタシに変化しております。
ご了承いただければ幸いです。 - 643◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:04:38
汚泥が絵の具のように視界を塗り潰し、世界は瞬く間に真っ暗になった。
瞼が重い。神崎優は眠い目を擦り、暗い空間でそっと身を起こす。
最初に目へ飛び込んできたのは、果てしなく連なる襖だった。暗がりに幾重にも並び、行燈の淡い光に縁取られた板張りの廊下が、どこまでも伸びている。漂うのは、血と消毒が混じった甘い腐臭。
優はこの場所に見覚えがあった。――あり過ぎるほどに。
ここは自分の生家、マホウトコロ学園の深部。『訓練場』へ続く渡り廊下だ。幼い日の記憶が、ぱたり、ぱたりと開く襖の音と共に胸へ反響する。
魔法使いの悲鳴、鼻を刺す血の匂い。かつては恐怖だった情景も、両親の『教育』を経て殺戮人形となった今の優には、もはや障りではない。
ふと己の身に目を落とすと、姿は幼い日のそれに戻っていた。背は縮み、手足は細く、結び目の緩んだ訓練着。廊下が無限の闇に見えたのは、視線が低くなっていたからだ。
胸の内がきゅっと震える。だが優は、それを誤魔化すように獰猛な笑みを浮かべた。――あの頃の恐怖は、もう乗り越えたのだと信じたかった。
最奥の襖が、ゆっくりと開く。生ぬるい風が抜け、腐臭が一層濃くなる。足は、誘われるように自然と奥へ向かっていた。 - 644◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:05:42
畳六枚ほどの座敷牢。天井から吊られた黒い頭陀袋が、中央で優を待ち受けていた。
断片的な映像が、洪水のように脳裏へ殺到する。――ここで、自分は最初に人を殺したのだ。
袋の中身が、ごそりと蠢く。
噴き出す鮮血、泣き叫ぶ幼い自分。手は震え、なのに刃は手を離れず、勝手に滑って臓物を撒き散らした、あの夜。
フラッシュバックに、優は思わず口元を押さえ、目に涙を滲ませる。
頭陀袋の動きは激しさを増し、今や暴れている。内で拘束された獲物が必死にもがいているのだろう。「助けて」「殺さないで」――怨嗟めいた声まで滲む。
不快と嫌悪が喉を塞ぎ、優は立ち尽くす。獲物が呻き、何かを叫ぼうとした、その瞬間――
身体が先に動いた。訓練された動作に従って拳が袋を貫き、中の生物の命を奪う。
開いた穴から、どぼどぼと血が溢れ、温い鼓動が手首に伝わる。忘れていた『人を殺す時の不快感』が、掌を通してねっとりと蘇ってきた。
血の重みか、袋がずるりと落ち、覗いた顔に優の表情が凍りつく。
アントン・ヴェルナー。褐色の肌は血の色を失い、瞳は虚ろに空を映すだけ。絶命の冷たさが皮膚へ移る。唇だけが、淡々と動いた。
「……だから、殺さないでって言ったじゃないか」
掠れ声を最後に、アントンは動かない。口端から、黒い泥を混じえた血が垂れた。
優は絶叫した。涙も外聞も捨て、拳で死体を叩き潰す。想い人の理不尽な死を認めまいと、目の前の現実そのものを粉砕しにかかる。
骨が砕け、脳髄が跳ね、筋繊維が裂け、臓物が畳へぶちまけられる。血は泥となり、肉はどろどろの塊へ変じた。
やがて力が抜け、優だけがその場へ取り残される。
どれだけ破壊しても夢は終わらない。血の匂いだけが、ここで起きたことの証としていつまでもこびりついた。 - 645◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:06:14
◇
少し時間を巻き戻し、『禁域』地下の下水道。
「ヒステリア――『穢せ』」
状況は逆転していた。
黒い泥に膝をつき、涙を垂らして呆然とする神崎優。その横で見下ろすイザベル・クローヴァー。頬についた泥を払いつつ、優の頬をぺちぺちと叩いて反応を確かめる。
呻きしか返らないのを見て、イザベルは小さく勝利の笑みを浮かべる。思わず飛び跳ねてガッツポーズをし――だがすぐに、はしたなさに気づいて表情を冷やした。
「どうやら、存外大したことはなかったようだね。……あれしきの雑多な触媒で、正気を手放すとは」
透き通った冷たい口調のまま、イザベルは得意げに語り出す。
「最早聞こえていないだろうが――ワタシの扱う魔法は《神経を狂わせる魔法(ヒステリア)》。
粘つく『穢れ』に触れた者は、例外なく強い恐怖と生理的嫌悪を呼び起こされ、トラウマを抉られ、神経と脳に不可逆の痕が残る。
あの泥は死骸の奔流。さっきワタシが躓いた魔法生物の死体が原料さ。君の見た悪夢は全部、魔法の効果というわけ」
黒泥は優の皮膚へ貼りつき、毛穴や擦過傷、眼球の裏へまでじわじわ侵入する。イザベルの声は冷酷に響くが、わずかに震えていた。 - 646◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:06:57
「元々あの子は野蛮だったし……ワタシだって殺されかけた。万一死んでも正当防衛だ、文句は言えないだろう……言えないよな?コレ」
イザベル・クローヴァー。同じ学校の後輩に殺されかけるのも、殺すのも初めてである。生きた人間を本当に殺せるのか。胸の奥の逡巡をごまかすように、イザベルは杖を振り、侵食をさらに強める。
黒泥はついに鼻と口からも侵入し、神経の中枢――脳を目指す。
だが、そこで異変が起きた。
泥に覆われた神崎優の腕が小刻みに震え、やがてはなんと自身の歯で血管もろとも手首の肉を食いちぎったではないか。
優の傷口から血が吹き出す。突然の凶行は、黒い泥に神経が侵食された影響か…いや、違う。
ヒステリアにより恐怖とトラウマを呼び起こされ、悪夢の中に囚われた優。だが幻覚の中で最愛のアントン・ヴェルナーを失った彼女は、絶望して失血死による自害を選ぼうとしたのだ。
大量出血と共に黒い泥が優の体内から排出され、激しい痛みによって彼女の意識は瞬時に覚醒する。
半狂乱で怒りに燃える瞳の先は、露骨に取り乱したイザベル・クローヴァー。 - 647◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:07:46
「い……イカれてる……! そんな方法でワタシの穢れから逃れるなんて……その腕、神経汚染と欠損で、もう使えなくなるかもしれないのにっ!」
《神経を狂わせる魔法(ヒステリア)》への絶対の自信が、音を立てて揺らぐ。優が悪夢から戻った後の手――イザベルは、用意していなかった。
「くひひ……片腕の代償は高くつくぜ、モヤシっ娘。
あたしの心に土足で踏み込みやがって――後悔しながら死にな!」
イザベルは泥を盛り上げ壁を築く。黒い津波が下水道を飲み込み、光を覆い尽くした。
だが優は猿のように壁面を駆け、死角へ滑り込む。触媒を介さず肉体から魔力を直接噴出する神崎家流の戦闘は、瞬発の奇襲に長けている。
優の鋭い殺人拳が振り下ろされる。だが、瞬間、ヒステリアの泥が割り込んで衝突の軌道を塞いだ。触れれば再び幻による侵食が起きるだろう。イザベルの罠が蛇のようにまとわりつかんとし――優の拳は寸前でフェイントに変わった。 - 648◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:08:14
「ヒャアッ!」
引いた拳と入れ替わるように、もう片腕から蛆の塊が豪速で投げつけられる。泥壁に叩きつけられた蛆はギィギィと断末魔をあげ、瞬時に干からびた。原始的とはいえ神経回路は神経回路、ヒステリアは容赦なく奪う――
――が、次の瞬間、干からびた蛆が弾け、その内部から金剛杵じみた無機の武具が回転しながら飛び出した。
『獲具子剥離腕(えくすぺりわん)』。
極東で発達した「武装解除」の魔道具。対象の得物だけを叩き落とす。神経を持たぬ無機物ゆえ、《神経を狂わせる魔法(ヒステリア)》は通じない。
回転体は泥壁をばちりと弾き砕き、イザベルの防壁をこじ開ける。
「ぐっ……このワタシが……ワタシの《ヒステリア》がこんな生意気な小娘にいいいぃ!!!!」
イザベルは最後の足掻きとばかりに更なる泥の津波を呼び、下水道を覆い尽くした。対する優は明確な殺意と狂笑を浮かべ、壁を蹴って飛びかかろうとし―― - 649◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:08:53
◇
「ハルモニア――『武器よ、去れ』」
男の低い声で詠唱が流れると、優の脚はぴたりと止まり、拳も指も、振り上げた腕も、すべてが動かなくなった。黒泥の水すら、物理法則に逆らって空中で凍りついている。だが汗の一粒が頬を伝うのを見れば、時が止まっているわけでは決してないことも分かる。二人は動けぬまま、ただ音だけを聞いた。
大きくゆっくりと、汚水の水面に一つの影が浮かび降りる。真っ赤なローブを翻し、凛とした姿勢で下水の中に立つのは――シーシャ・オクルスだった。ファフニール寮の「風紀委員」を自称する長身のメガネ男。ローブの襟元はきちんと整い、表情は俯瞰するように冷たい。
「静粛に。
カントゥス――『歌え』」
シーシャは周囲を見渡し、静かに口を開く。だがその声はただの説教ではない。規律の鉄鎚が、物理的な強制力を持った激しさで振り下ろされる。 - 650◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:09:26
「姿勢を正せ、整列。ファフニール寮監督生、シーシャ・オクルスだ。今からこの場にいる者たちの保護は、私が引き受ける――と言いたいところだが、残念だね。君たちはたった今、校則違反を犯した」
シーシャはすらりとした動作でポケットから分厚いハードカバーを取り出した。本の表紙には金色で縁取られた『生徒手帳』の四文字。ページを開くと、そこには細かい字で規則が列挙されている。
その中の一つを指差すと、シーシャ・オクルスは眼鏡の奥の瞳をぎらりと光らせて此方に語りかけた。
「校則第3条12項――夜間、深夜(12時〜6時)における決闘及び強力な呪いの使用は全学生に於いて禁止とする。何をしているんだ君たちは。
規則を破ってこれ以上の蛮行を働くならば、本当に『ブチ殺す』ぞとしか言いようがない」 - 651◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:10:06
言葉は静かだが、その裏には確かな凄味があった。シーシャの顔つきが微かに変わる。額には青筋が走り、影のかかった目元からその表情は窺い知れない。ただ普段は規律を尊ぶだけの男が、今この場では静かに『憤怒』を露わにしている。声のトーンは穏やかだが、その内容は脅迫に等しかった。
シーシャの説教は確かに『生徒手帳』に示された規則の通りであった。――もっとも、今が『バトルロワイヤル』という非日常の最中でなければの話だが。
普段であれば誰か他の実力者がシーシャの視点のズレを指摘したかも知れないが、優も、イザベルも、《攻撃を禁ずる魔法(ハルモニア)》並びに《口を封じる魔法(カントゥス)》の効果によって彼の話をただ直立不動で聞いているしかない。身体のみならず、抗議のための舌すらも動かせなかった。
静かな水面の側で、風紀委員は本を閉じ、二人を見下ろしたまま冷たく言い放つ。
「規律は、守るためにある。君たちの暴走は寮の…ひいては学校の名誉を汚す。――いいかね?」
誰に言われずとも、二人とも理解していた。殺人の枷の外れたデスゲームにおいて、彼の前で規律を破ることがどれだけ危険か。 - 652◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:10:30
シーシャ・オクルス。異常規律愛者。優が思うに、暴力と血をこよなく愛するファフニール代表が今日この時まで選手団としてまとまって来れたのは、彼の働きによる部分が大きかった。
より正確に言えば、シーシャ・オクルスに罰されることを皆が恐れてのことである。
前述の通りファフニール寮においてここ6年ほど死者が出るほどの大事故は起こっていないが、正確には7年前、シーシャ・オクルスが入学した年に一度だけ“起きていた”。
全ての規律を破る者に対しての、シーシャによる一方的な虐殺。
一年生にしてそれを成し遂げたシーシャの実力は、ファフニール最強と目されるエルド・ファブニールと比較しても見劣りはしない。
『ブチ殺す』という言葉が冗談なのか本気なのか、誰にも判断はつかなかった。
下水道の滴だけが、遅れて重く水琴音を立てる。二人の周りに固まっていた黒泥は、ぱちりと音を立てて崩れ落ちた。どちらが勝者かは、まだ決まっていない。だが、そこに確かに入ってきた第三者の圧倒的な暴力が、状況の歯車をゆっくりと変えつつあった。 - 653◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:11:55
第五話 その②を終了します。
短いですが第五話は以上で完結となりますので、第六話の生存ダイスを振らせていただきます。 - 654◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:12:42
第五話に登場する生徒の人数は……dice1d4=1 (1)
- 655◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:14:52
- 656◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:16:44
第六話は
ダンダリオン 様
の単独回のようでございます!!
それでは、彼女のダイスを振らせていただきます。 - 657◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:17:36
21. ダンダリオン 様
《関係の深い生徒》dice1d25=21 (21)
《関係値》dice1d100=38 (38)
《生存値》dice1d100=5 (5)
《アイテム》dice1d100=47 (47)
- 658二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 21:18:12
あっ…
- 659二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 21:18:22
ダンダリオン…死ぬのか…!?
- 660二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 21:20:32
関係の深い生徒がダンダリオン自身になってるな
- 661◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:24:04
21. ダンダリオン 様
《関係の深い生徒》ダンダリオン
《関係値》低め
《生存値》最低
《アイテム》普通
◾️第六話の生存ダイスは以上のような結果となりました…!!ダンダリオン 様に関しましてはのちに続く伏線を多大に張り巡らせていたのですが、全てをダイスの神の裁量に任せるということは中々上手くいかないものです。
第六話はその伏線の回収を中心に、物語の本筋に大きく関わるエピソードになると思われます。 - 662◆sUNOdUXYScMw25/09/24(水) 21:25:35
それでは、時間を置いて第六話を投下させていただきます。
皆さま、夜も遅いこのような時間に沢山の反応をくださりありがとうございました。 - 663二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 21:26:21
ダンダリオン結構人間関係幅広かったのになー
- 664二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 21:26:46
これがダイス神の妙味よ
- 665二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 22:09:31
- 666二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 22:30:33
異常な状況で規律を強制するの、大概ヤバいやつだ
- 667二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 22:45:33
- 668二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 07:45:30
投下お疲れ様です
ダンダリオン…生存値もだけど全体的な出目が… - 669二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 09:56:42
口の支配だから喋らせる以外にも『無言を強制する』こともできるのか それで一部除けば魔法は詠唱必要で……大抵の相手がノー警戒でこれ食らったら詰みだな?
- 670二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 10:53:22
この生存値では転生もできず、他の参加者と平等に…だろうなぁ
- 671二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 12:25:04
世界観の構築に役立ちそうなやつを…
《名前》下位・上位精霊
《分類》魔法生物
《説明》大気中の魔力元素(マナ)を糧として生きる擬似生命体。
妖精や魔獣などの魔法生物とは違って実体を持たず、それぞれの属性の魔力元素で構成された肉体を模っている。
属性に特化した能力を持つ上に、実体を持つ魔法生物と比べて自我が希薄な傾向にあるので比較的使役しやすい。
下位精霊で下級〜中級魔法、上位精霊で中級〜上位魔法に相当する。
以下は四大元素に対応する精霊の一覧(地域や慣例よってその名称や形態は大きく異なることに留意されたし)
火の精霊:サラマンダー(下位)、イフリート(上位)
水の精霊:ケルピー(下位)、ウンディーネ(上位)
土の精霊:ノーム(下位)、ティターン(上位)
風の精霊:シルフ(下位)、ジン(上位)
他にも多くの属性の精霊が存在する。 - 672二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 17:35:47
1000年前に何かがあったらしいがダンダリオンの伏線とはそれだろうか
他に過去について深く知ってそうなキャラは第一話のダリアぐらいなものか。ダンダリオンは転生、ダリアは人外化と正反対だが - 673二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 21:20:12
《名前》魔封管
《分類》魔導具
《説明》アニーマーンにおいては『サマナー』、マホウトコロでは『式神使い』と呼ばれる、魔法生物を使役する魔法族の必需品。
魔力粒子化した魔法生物を内部に封入し、必要時に召喚、使役する。謂わゆるモンスターボール。
上記の魔法を使用する参加者は自前のものを携帯しているほか、配布アイテムとしてもばら撒かれている。
魔法生物を使役するには、その強さに比例した量の魔力や力量が必要であり、失敗すれば召喚者に牙を剥く。(使役する魔法生物と絆を深める、精神干渉や支配毒で強引に従わせる、などの方法で軽減可能。)
封入可能な魔法生物の強さ、格によって細かくランク分けされており、神獣クラスや最高位の竜種を封印できる魔封管の希少性や市場価格はもはや都市伝説レベル。 - 674二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 23:39:01
《名前》ゾンビ
《分類》魔法生物
《説明》ウィルスがどうとかいうマグルのそれではなく、粉末状の魔法薬によって自我を破壊された半死人。“痛み”というブレーキが無いために耐久力は高く、筋力も並外れているが、運動能力が低いため動き自体は鈍いし、感染してゾンビを増やしたりはしない。借金を返せなくなった者や魔法界の闇に踏み込み過ぎた者がこれに変えられ、魔法暗黒富豪に飼われている。その目的は鑑賞だったり、嗜虐的なものだったり、ペットとして扱うことだったり、あるいは単に労働力とするためだったりするとか。
禁域では無差別に生徒たちに襲い掛かるよう調教されたゾンビが放たれているらしい。 - 675二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 07:17:23
エネミーにやられるとは考えづらいし、なんかヤバいことやろうとして呪い発動かエデン先生の戦ったかかなぁ死因
- 676二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 10:37:29
- 677二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 15:59:53
保守
- 678二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 22:48:36
- 679二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 23:34:02
全てはダイス神の意志のままに…
- 680二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 08:36:10
保守
- 681二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 08:36:20
生存値低くてもアイテム運が滅茶苦茶良かったらワンチャンあったかもしれないのかなぁ
まぁそのダンダリオンのアイテム運がそこそこ止まりで… - 682二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 10:28:42
この手のバトロワシステムは生存値以外は完全なるフレーバーでメタ的に生き残れるかどうかには全く関係ないね
戦闘力とか関係性がシステムに介入したらそれ平等じゃねえじゃんってなるし - 683◆sUNOdUXYScMw25/09/27(土) 13:13:45
皆さま、ご無沙汰しております。
長らくお待たせしてすみません。第六話は単独回ですが物語の本筋において非常に重要な回ということもあり、執筆に時間がかかってしまっています。
もう暫くお待ちいただけると幸いです。 - 684二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 14:04:29
分かりました!首を長くして待ってます…
- 685二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 21:10:59
保守
- 686二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 21:35:00
《名前》フレッシュ・ルアー
《分類》魔法生物
《説明》生でもいけるし、焼いても美味い肉が生った木。肉をむしると枝を絡ませて拘束し養分にしようとしてくる。低学年は絶対近づかないように言われている危険な魔法生物の一つだが、手慣れた生徒にとってはいかにギリギリで避けながら肉を掠め取るかという遊び道具になるとか。
なお、過去にアホな生徒が調子乗って拘束され、教師が出張る事件があってからは表向きは規則で『授業時以外でのフレッシュ・ルアーとの接触は禁止』となっているが、それがかえって生徒たちに火をつけているらしい。 - 687二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:40:30
生の肉ほど魅力的な物はな…ウッ
- 688二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 09:06:31
保守
- 689二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 14:06:14
シエラ×カーフシモの合わせ魔法があるようにシエラ×オミーフリもいけそう?ただでさえ岩壁を抉るのに痛みが増幅する痛風魔法の完成…
- 690二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 14:17:12
オミーフリの本領は喉を焼く詠唱封じだったりして
対人戦特化のスタイルとも合うし - 691二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 20:47:49
- 692二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 22:53:35
単独回で尚且つ重要な回、濃厚な話になりそうな予感
- 693二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 07:51:57
保守
- 694◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:17:23
第六話を投下させていただきます。
舞台となるのは《カタコンベ》
登場する代表選手は、
ダンダリオン 様
1名でございます。 - 695◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:17:59
『ウェルミス・ミステリィス(妖蛆の秘密)』。
アニーマーン大図書館が厳重に封を施し、第一級禁忌指定として地下金庫に収蔵する魔書である。
著者はフェネクス・ミネルヴァ。編年はアニーマーン魔法魔術学校の創設直後、彼女が“始まりの四人”の一人として校の骨格を描いた最末期にあたる。
主題は、著者が『深淵の星』と記す神格の実在と、その封印・鎮圧儀式の設計書である。
儀礼に必要な座標、術式、対価、触媒、楔。さらに封印維持のための循環式魔力供給機構に至るまで、記述は実務的で冷酷だ。
フェネクス・ミネルヴァは生涯に数千冊の魔書を送り出した大魔法使いであるが、晩年の彼女は狂気と紙一重の妄執に憑かれ、非倫理的な人体実験を繰り返したためやがてアニーマーンから追放されたとされる。『蛆虫の秘密』にも同様の兆候が見られるため、その信憑性は長らく学派によって疑わしいとされてきた。
――それでもなお文書が禁忌であり続ける理由は単純だ。
著者・フェネクス・ミネルヴァこそアニーマーンの創設者であるが故に、『蛆虫の秘密』は学園が秘すべき“恥部”そのものだからである。 - 696◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:18:23
◇
『禁域』を覆う夜よりも濃い闇の底で、白衣をだらしなく羽織った小柄な女が、言葉もなく佇んでいた。ボサボサの長髪、片手には読み傷の絶えない手帳。ミネルヴァ寮六年、全監督生中最大の知識量を誇る魔法界の生き字引――ダンダリオン。
丁度そのころ、禁域のアニーマーン城内でユウリ・カブラギが命を散らした。《破滅の光を放つ魔法(フォス)》によって崩落した床に散らばる鏡面に、ユウリの死に際の様子が映る。
それを見届けたダンダリオンは懐へ配布アイテムである『魔法の姿見』を戻し、しばらく俯いて沈黙したのち、正面の“それ”へ向き直るのだった。
一言で表すなら、それは老女の亡骸であった。
長い金髪の名残、レース付きの死装束。だが悠久の時を経て美は剥落し、骨ばった顔は木乃伊の乾いた表情に固まっている。
ここはアニーマーン城地下墓地――『カタコンベ』。危険なアンデッドが徘徊する迷宮の中枢に、アニーマーン歴代首脳陣の遺体が保存される聖域である。 - 697◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:18:53
亡骸のかつての名はフェネクス・ミネルヴァといった。
最も賢い魔法使い、始まりの四人の一角、ミネルヴァ寮の創始者。……だが見よ。遺体は鎖で幾重にも封ぜられ、石の台座に縫い付けられている。晒し者の罪人のように。生贄の供物のように。
なぜ偉人の屍が丁重に葬られず、野晒しのままこのような場に繋がれるのか。
答えは彼女自身の遺作――『ウェルミス・ミステリィス(妖蛆の秘密)』に記されていた。
アニーマーン城の遥か地下、沈んだ龍都ミザラビリスの底に眠る『深淵の星』。その封印の楔を維持するには、常時、凄絶な魔力が要る。
ミネルヴァの遺体は、本人の遺志により儀式用の魔力タンクと化していた。胸腔の中心からは脈々と緑色の輝きが湧き、石床の大いなる陣にマナを注ぎ込み続けている。 - 698◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:19:19
すなわち――この亡骸は『禁域』の結界そのものなのだ。
主催者たるエデン・フラワー・ブラウンですら立ち入ることの許されない、“邪神を内に封じる為の”絶対結界の心臓部。本来、『禁域』とはそういった意味だ。ゲーム開始から二時間足らずでここに至ったダンダリオンは、すでに対運営戦に王手を掛けていると言ってよかった。
ダンダリオンは歩み寄ると、台座に片膝をつき、ミネルヴァの心臓部へそっと爪を立てる。
軽く、しかし決定的な力で。
――砂のように。あらかじめこうなる事が予期されていたかのように、亡骸の胸部は音もなく崩れた。
抉られた空洞から、ダンダリオンは一つの“石”を取り上げる。眩いばかりの緑の脈動を帯びた、心臓めいた宝石。 - 699◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:19:55
【死の秘宝】のひとつ――『蘇りの石』。
太古、ウィザード族が『死』より賜った三至宝の一。神話に語られる“それ”が千年の眠りを越え、いま禁域に再び姿を現す。
総てを識るダンダリオンは石にこびりつく呪いの構造をひと目で読み解いた。いや――知っていた、と書くべきか。
《回生する魔法(ゾンダネーヴォ)》。
死の運命さえ捻じ曲げ、冥界より死者を呼び戻す神話級の大魔法。歴史上、公式に確認された使い手は二人しか居ない。
一人は、神のいたずらが生んだ奇跡の一年生――奇しくもこのバトルロワイヤルで最初の犠牲者となったフシタロ・タナカ。
もう一人は、『蘇りの石』の所有者であり、千年のあいだ結界を維持し続けた儀式の主――大魔法使いフェネクス・ミネルヴァ。
自らの心臓に《ゾンダネーヴォ》を宿すフシタロは例外中の例外だとしても、回生はミネルヴァほどの偉大な魔法使いにも容易ではない。ゆえに彼女は自らを生贄とする循環儀式を設計した。魔力が尽きては死に、石の呪いで蘇り、また結界へ注ぐ――千年にわたる、果てのない給餌。
だが、それも終わる。 - 700◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:20:35
ダンダリオンが遺体の心臓部からから『蘇りの石』を引き抜くと同時に、フェネクス・ミネルヴァの亡骸は塵となり、風に吹かれて消えた。
台座だけが空しく残り、同時に結界陣は長い眠りから醒めた動物のように、低く脈打ちを変える。
ダンダリオンの掌の内、『蘇りの石』は妖しく光り、どくどくと鼓動する。
握り潰せば儀式は完全に終わる――その筈であった。
「……ユウリ・カブラギ。必ず助ける。
この儀式が完全に閉じ切る前に。神よ、最後の我が儘に免じて、もう暫くの猶予を。……私の弟子を救うために、救えたかもしれない命を見過ごすことを」
独り言のように、しかしはっきりと。
『蘇りの石』を白衣の内ポケットへ収め、ダンダリオンは踵を返す。
その瞳には、確かな決意が宿っていた。
まさにその時――
きゃひひひひひひひッ!!!
耳障りな笑い声が、カタコンベの空洞全体を叩き割る。壁が、床が、天井が微細な亀裂できしり、裂け目の奥から赤茶けた津波が溢れ出す。肉塊。蛆。――否、すでに“蛆波”と言うべき物量。
蛆波は塔を形づくり、ダンダリオンの眼前でぱぁん、と弾けた。
残滓の向こうに、黄金の三つ編みをした人形めいた美貌が立つ。 - 701◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:22:43
ディオメデス寮七年の監督生――ダリア・オクタヴィアス。
否、今の彼女を指してはこう呼ぶべきだろう。魔法暗黒富豪の首魁、『千年卿』のダリア・オクタヴィアスと。
ダリアの背後には黒ローブを纏った『カイメラ商事』のセールスマン、蛆虫教団の信徒、その他魔法界の暗部から雇われた傭兵らが黒潮のごとく連なる。
彼らこそ『バトルロワイヤル』の裏方にして立役者。だがダリアに率いられた大軍勢は、とてもダンダリオン一人を出迎えるためだけの人数には見えない。
ダリアは肩を震わせて笑い、くるりと裾を翻す。ローブの内側から、ダンダリオンと同型の『魔法の姿見』を抜き出した。
「きゃひひひ……お久しぶり、フェネクス・ミネルヴァ。
アタシちゃんの上映会、楽しんでくれたみたいで何よりだよ? ユウリ・カブラギがくたばった時のテメェ様の顔ったらもう……きゃひひっ。『姿見』越しにたっぷり堪能させてもらっちゃった〜ん♪」 - 702◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:23:43
ダンダリオンを、フェネクスと呼ぶ。
『蘇りの石』で転生した前世の名。始まりの四人の一角の名。
アニーマーン各所に設置された姿見は二枚一組で画面を共有できる――つまり並列接続も、盗み見も可能だ。
すなわち、ダリアは最初からダンダリオンと“一緒に”ユウリの最期を見届けるつもりで、悪趣味な視聴環境を整えていたわけだ。
「おやおやぁ、アタシちゃんの記憶が正しけりゃ、テメェ様の掌のソレ、『蘇りの石』……だよねぇ?
ねぇねぇ、まさか――使っちゃったワケ? 千年前、瀕死のアタシちゃんにそれを惜しんで“蛆”を詰め込んだくせに? でも復活はさせないよ。だってぇ、その石はアタシちゃんの儀式にも要る大切な“コアパーツ”だからさぁ」
ダリアは指先で頬をつつき、わざとらしく肩を竦める。
「というわけで。フェネクス先生――いや今はダンダリオン、だっけ? ま、どうでもいいや。
アタシちゃんは、テメェ様をブッ殺して、石を貰ってくことにしました〜!」 - 703◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:25:21
反応する間もなかった。
橙色の閃光が走り、呪弾がダンダリオンの腹部を貫いた。遅れて、蛆が這いずる。
傷口にうぞうぞと群れ、鋸歯の列が肉を削ぎ、腸へ届く。喉がせり上がり、口から血がこぼれる。片膝がカタコンベの石床を打つ音が、やけに近く聞こえた。
「どうしたのかなぁ、ダンダリオンさん? つれないじゃん?
そのままだと『蘇りの石』、アタシちゃんがいただいちゃうぜぇ?」
ダリアの杖先から第二射が放たれる。今度は蛆の群れに魔法の術式を乗せて。
「アルコーン――『服従せよ』」
橙のベールがダンダリオンを包み、身体から力が抜けた。筋肉の主導権が、蛆を通じて剥ぎ取られ、ダリアの手へと渡ったのだ。上級魔法、《神経を支配する魔法(アルコーン)》。千年卿が練り上げた支配術式は、一対一で後手に回れば逃れようがない。 - 704◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:26:03
「――なんで、抵抗しないの?」
ダリアの問いに、ダンダリオンは血を啼きながら微笑した。
全身の神経を操られる寸前、舌だけを僅かに支配下から外し、《口を封じる魔法(カントゥス)》で最小限の発声系統のみを奪い返す。
「今ここに立つ私は、抜け殻なんだよ、ダリア。
『蘇りの石』で今の姿に転生した時、力は全部、前の身体に置いてきた。
もう、お前の師であり、お前――ダリア・オクタヴィアスの“乗り越えるべき壁”だった女は、どこにもいない」
はじめて、ダリアの瞳にわずかな揺らぎが走る。
ダンダリオンは淡々と続けた。
彼女は魔法生物学の徒であり、観察者であり、今となってはただの転生者。正面戦闘は不得手、運動もからっきし。だが知の総量は世界の天井に届く。
「ダリア、お前がここで私を殺しに来ることも――ユウリ・カブラギが殺されることも、彼女が死を受け入れることも、知っていたよ。
それでも最後に、フェネクス・ミネルヴァの予知を否定したかったんだ。……歳を取りすぎたのかもしれないね」
身体が腐り、崩れていく。
フェネクス・ミネルヴァ、ダンダリオンならば、或いは支配の魔法に対抗する術式を知っていたのかもしれない。だが蛆の侵食に抗う魔力は、ほとんど残っていなかった。
ダリアは歯を噛み鳴らす。苛立ちか、焦燥か、判別の難しい音。
「結局、テメェ様は最期まで世迷い言かよ」 - 705◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:26:37
千年前。瀕死のダリアを救うため、フェネクス・ミネルヴァは『ウェルミス・ミステリィス(妖蛆の秘密)』を記し、禁呪で彼女を“蛆”へ縫い替えた。
その日以来、師は常に『先』を見つめ、振り返らず、説明せず、置き去りにする――ダリアの心に残ったのは、崇拝と畏怖と、嫉妬と怨嗟の綯い交ぜだ。
「冥土の土産に教えてやるよ、フェネクス。……いや、ダンダリオン。
アタシちゃんの計画も、目的も、『深淵の星』も。どのみち、テメェ様にそれを止める権威も、魔力もないって分かったしね」
ダリアは愉快そうに肩を震わせ、まるで舞台上の役者のように手を広げた。
「アタシちゃんはねぇ、今や蛆虫教団の“女王”にして、テメェ様亡き後の『カイメラ商事』の会長サマ。魔法界の暗部じゃ暗黒富豪の王様だって囁かれてんの。金も力も人材も、ぜ〜んぶ蛆で繋げてやったのさぁ。
分霊箱も八つ、禁域の隅々に散らばせてある。……ほら、此処やアニーマーン城の地下墓地にだって、いくつか隠してあるんだよ? ………それもこれも全て、尊敬するテメェ様を千年越しにねじ伏せて、地を舐めて謝らせるためだったのに…」
蛆塊が壁を這い、床を覆い尽くすたび、黒ローブの信徒たちが一斉に頭を垂れる。その様子を見下ろしながら、ダリアはさらに声を高める。 - 706◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:27:52
「おまけに、封印の解禁術式ももう完成間近だ! 龍都ミザラビリスの底で眠ってる『深淵の星』――アタシちゃんの神サマを、この『蘇りの石』を組み込んだ儀式で完全に呼び起こす! 何百年も仕込んできた悲願だ! それを…今さら止められるワケねぇだろうがぁ!」
ダンダリオンは、血に濡れた口を拭いもせず、ただ静かに彼女を見ていた。
……彼女はすべて知っていた。蛆虫教団の布陣も、九つの分霊箱も、『深淵の星』とは何であるのかも。
そのうえで――弟子を救うため、ダンダリオンは“石”を盗んだのだ。
ダリアは片眉をつり上げ、わざと芝居がかった声で問いかける。
「なぁフェネクス……いや、ダンダリオン。質問に、答えてみろよ。
どうしてアタシちゃんを“蛆”に変えた? どうして千年前、蘇りの石を惜しんだ? どうしてユウリ・カブラギなんて凡俗に肩入れした? 答えろよ。なぁ」
ダンダリオンは口を開いたが、吐き出されるのは血と掠れ声ばかりで、明瞭な言葉にはならなかった。 - 707◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:28:42
答えを得られない。いや、彼女は知っているのだ。ダンダリオンは最初から答えなど与えないと。
蛆の全身が怒りに震え、赤黒い波がますます苛烈に襲いかかる。
ダリアは顔を歪め、冷笑を浮かべた。
「……もういいよ。死んじゃえ」
合図もなく、背後の傭兵と信徒たちが一斉に杖を構えた。彼らは既に、全員がダリアの蛆を受けた言わば分け身なのだ。橙の呪弾が石室を埋め尽くすように降り注ぎ、眩い閃光が視界を焼く。 - 708◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:29:13
その刹那――ダンダリオンの口がわずかに動いた。
命乞いでも、死に際の呪詛でもない。強いていうならば、それは予言であった。
「ダリア・オクタヴィアスよ。近い将来、お前には避けられない死が迫るだろう。生き残る道はひとつ――ゲームを強制停止し、バトルロワイヤルを未遂に終わらせること。
フェネクス・ミネルヴァから私に与えられた目標は、『蘇りの石』を別の目的に使って、儀式を未完のまま終わらせることだった……」
石室の空気が裏返った。
フェネクス・ミネルヴァの魔力が消え、カタコンベ、否――『禁域』全体に満ちた更に強大なモノに“変質した”のをダリアは感じ取る。
焔のような熱気。見えぬ翼の羽ばたき。古の鳥の影が『魔法の姿見』の破片にちらついた。
「――オクタヴィアス(八番目の弟子)」
「私は、お前に最後の計画を託すことにした。
フェネクス・ミネルヴァの弟子を……ミネルヴァ寮を、ユウリ・カブラギの仲間たちを、アニーマーンを、そして――お前自身の命を守っておくれ」
ダリアは舌打ちしながらも悟った。
ミネルヴァの心臓から『蘇りの石』が抜かれたことで、儀式の“部品”に組み込まれていた『フェネクス・ホロウ』が楔を解かれたのだ。
『ウェルミス・ミステリィス(妖蛆の秘密)』に記された“それ”の姿は、ミネルヴァ寮の寮旗にも描かれた大梟であった。 - 709◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:29:54
『フェネクス・ホロウ』――曰く、最大にして最強の魔法生物。
ダンダリオンの前世が作り上げた最高傑作のキメラであり、とある暗黒金持ちからの寄贈品。
自身の分け身ともいえる存在であり、焔が燃え盛る鳥の様相を示している。
幻術にて様々な姿を取り、不滅とも言うべき蘇生能力を持つ。
作者にしか分からないコードを仕込んでおり、それによっていつでも服従する用意があるらしい。服従コードは、弟子の番号。
オクタヴィアス。八番目。
「……チッ、最後まで小賢しいことを……!」
皮肉にも、解放されたフェネクス・ホロウは儀式のストレージとして吸収され、バトルロワイヤルにおける全アイテムを管理するダリアの所有物となった。かの神獣の服従コードを得た今、どう使うかはダリアの思うがままだ。 - 710◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:30:25
ダリアはぎりりと歯を噛み締め、ダンダリオンの最後の予言を思い返す。
『近い将来、お前には避けられない死が迫る。生き残る道はひとつ――ゲームを強制停止し、バトルロワイヤルを未遂に終わらせること』
フェネクスは『蘇りの石』を奪うことで、自分とユウリ・カブラギ、2人の弟子の命を救おうとしていたのではないか?
ダリアの心に、生暖かい一抹の不安が広がった。だが瞬時に、全身の蛆を震わせてダリアは雑念を振り払う。
――ふざけるな。
千年前と同じだ。フェネクス・ミネルヴァは説明もなく、勝手に人々を救おうとする。その瞳には、何者も映っていないのに。
今更、そんなものを信じられるか。
『深淵の星』の復活はもう既定路線。何百年も積み上げた信徒たちの悲願を止められる訳がない。神サマは如何なる時も、ダリアたちに明確な導きを与えてくださるのだ。
……それでも。
胸の奥に、氷の針のような冷たさがほんのわずかに残った。
皮肉なことに、フェネクス・ミネルヴァの予見と叡智を最も信じてきたのは、他ならぬダリア自身だったからだ。
姿の見えぬ『フェネクス・ホロウ』が、禁域の空気そのものを震わせる。
焔が軋み、怪鳥の咆哮が石壁を貫く。
空を覆う『結界』の縫い目が共鳴し、アニーマーン城全体が低く呻き声をあげた。
蛆の海に、ダンダリオンの白衣が沈んでいく。
そして丁度同じ頃、龍都ミザラビリスにて。
ファフニール寮六年生、エルド・ファブニールが宝剣という名の楔を引き抜く。
『蘇りの石』はなお脈打ち、地の底で、星は目覚めの支度を済ませつつあった。 - 711◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:32:07
【ダンダリオン 死亡】
【残り21人】 - 712◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:32:20
以上で第六話を終了します。
続いて、早速第七話のダイスを振らせていただきます。 - 713◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:33:47
第七話に登場する生徒の人数は……dice1d4=4 (4)
- 714◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:36:54
第七話には再び4名の代表選手が登場するようです。
それでは残り10名の代表選手たちから誰が選ばれるのか、ダイスを振らせていただきます。
また、折角ですので読者の方に作っていただいたこちらの表を参考にさせていただきます。
dice4d10=8 2 4 4 (18)
- 715◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:41:13
第七話には、
11.ラピドゥス・リッター 様
15.ソフィア・リス 様
17.ミコト・スメラギ 様
20.アリス・A・チェシャー 様
の4名が登場するようでございます。
それでは、彼女たちのダイスを振らせていただきます。 - 716◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:43:32
11. ラピドゥス・リッター 様
《関係の深い生徒》dice1d25=23 (23)
《関係値》dice1d100=97 (97)
《生存値》dice1d100=88 (88)
《アイテム》dice1d100=58 (58)
15. ソフィア・リス 様
《関係の深い生徒》dice1d25=1 (1)
《関係値》dice1d100=45 (45)
《生存値》dice1d100=68 (68)
《アイテム》dice1d100=69 (69)
17. ミコト・スメラギ 様
《関係の深い生徒》dice1d25=16 (16)
《関係値》dice1d100=14 (14)
《生存値》dice1d100=64 (64)
《アイテム》dice1d100=88 (88)
20. アリス・A・チェシャー 様
《関係の深い生徒》dice1d25=10 (10)
《関係値》dice1d100=89 (89)
《生存値》dice1d100=56 (56)
《アイテム》dice1d100=8 (8)
- 717◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:55:22
11. ラピドゥス・リッター 様
《関係の深い生徒》ユウリ・カブラギ
《関係値》最高
《生存値》非常に高い
《アイテム》普通
15. ソフィア・リス 様
《関係の深い生徒》アリス・ライトニング
《関係値》普通
《生存値》高い
《アイテム》高い
17. ミコト・スメラギ 様
《関係の深い生徒》ダリア・オクタヴィアス
《関係値》非常に低い
《生存値》高い
《アイテム》非常に高い
20. アリス・A・チェシャー 様
《関係の深い生徒》神崎 優(かんざき ゆう)
《関係値》非常に高い
《生存値》普通
《アイテム》最低
◾️第七話のダイス結果は以上のような結果となりました…。生存値も全体的に高く、目立ったマーダーも存在しないため比較的安心できる回となりそうです(それでもストーリーの流れ次第で死ぬ時は死にますが)。
また、第六話に関してですが、ダンダリオンに関する伏線を全てひとまとめにして消化したため今までよりも説明不足かつ分かりづらい話になってしまったかと思われます。
六話中で語られた事柄については、今後もストーリーの要所ごとに解説を挟ませていただきます。
また、劇中で登場したエデン・フラワー・ブラウンを除いた運営者たちの生存ダイスは名簿が一周した後、第一回放送(仮)の際に纏めて振らせていただきますのでご安心ください。 - 718◆sUNOdUXYScMw25/09/29(月) 13:55:51
それでは、時間を置いて第七話を投下させていただきます。
- 719二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 15:29:51
難解なお話だったね。ダンダリオンとの元々の関係性は悪くなかったっぽいのでダリアは邪神とやらに精神操作されて今の状態に至っているような気も。
魔法界の日本にはヤバいやつしか居なかったけどミコトはそれを払拭できるのか気になるところ。
バトロワの調査に来てた来歴と合わせて関係性ダイスでダリアをピンポイントで引き当ててるあたり良いセン突いてるし。 - 720二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 16:58:47
《名前》妖刀《村正》
《分類》魔導具
《説明》マホウトコロに伝わる魔法殺しの刀。
刀身に触れた魔法、あるいは魔法効果を付与されたアイテムから魔法効果の一切を無条件に喪失させる。
なお、打ち消せるのは『刀身に触れた魔法効果だけ、刀身に触れている間のみ』であるため、範囲攻撃や地形全体に及ぼすような魔法に弱い。
同様に、効果を常に発揮し続けている呪いの類に対しては無力。(よってバトロワの呪いを消すことはできない。) - 721二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 17:29:57
運営者たちが早々にダイスの射程内に入るのは意外
これ話作りの難易度相当に上がらない? - 722二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 19:47:05
《名前》大声叱責クラッカー
《分類》魔導具
《説明》紐を引っ張ると砲撃かと勘違いするほどすさまじい大音量で怒鳴り散らすクラッカー。基本はパーティグッズでしかない外れアイテムだが、魔法やアイテム、状況次第では活躍できる…かもしれない。 - 723二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 22:50:29
シーシャ投げた人だけど、カントゥスの使い方にニコニコしてた
他人に使えるなら当然自分にも使えるよね - 724二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 23:13:14
- 725二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 23:22:46
《名前》アニーマーン城メインホール
《分類》地形
《説明》正門から中庭を通って本館へと入ると最初に辿り着く大広間。元は王族への謁見や一般魔法族を集めてなんらかの布告を行う場所であったと思しい。
ここで行われる高学年生徒のパフォーマンスをメインとした新入生へのレセプションが新年度の恒例行事であり、新一年生は魔法学校への期待と飛び交う様々な魔法に胸を躍らせ、高学年の生徒たちは勉学や修練に励んだ魔法の成果を披露する舞台となる。 - 726二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 06:55:24
第六話で起きたことがこれからどう繋がるのか全く予想できないね…
- 727二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 07:42:55
相対的に生存値が低いアリス・A・チェシャー…
- 728二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 11:50:44
続きが楽しみ
- 729二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 18:46:44
保守
- 730二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 21:00:21
このレスは削除されています
- 731二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 21:24:02
《名前》虎狩り
《分類》魔法生物
《説明》”鯨禍” “御幸列車” “歩く死体” らと並び称される旧く、強大な悪霊たちの一角。何処らから禁域に侵入し、徘徊している。実体は既に失われており、金属を擦り合わせるような轟音と生物を引き裂く霧として表れる。 - 732二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 23:11:07
おお…運営者のダイスはデザートと来るか
- 733二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 07:44:06
保守