サーヴァント アルターエゴ

  • 1ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:00:26

    「あっ、召喚されてます……? されてますね……!
     やったー! ボクにもちゃんとした物理的船体が……
     も、燃えてるうううううううう!!?」

    『そうだねー』
    『燃えてるねー』
    『ボクたちそういう宝具だからねー』
    『ごめんねー』

    「いやいや滅相もない、ありがたい限りですよ。
     みなさんが召喚に際して船体を貸して下さったんですね。
     でも、これじゃあ人間は乗せられないですよね〜……
     あっ、あの! なんとか火を消せたりはしませんかね……?」

    『ムリだねー』
    『燃えてるねー』
    『ボクたちそういう宝具だからねー』
    『ところでそろそろ突撃だよー?』

    「えっ? あっ、これ霊基に組み込まれてる宝具が同期してる!?
     ちょっ、待っ……」

    『突撃ー!』
    『突撃ー!』
    『突撃ー!』
    『突撃ー!』

    「ぎゃああああああああああああっ!?」

  • 2ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:03:01

    【真名】■■■■■■■■・■■■■■
    【性別】不明・不明・不明・不明
    【身長】無次元・20m〜・37.2m(変身後)・43.63m
    【体重】無次元・100t(排水トン数)〜・78t超(変身後)・推定約39t
    【出典】史実・史実・史実・史実
    【属性】中立・中庸
    【好きなもの】ブッダ様と人間・船長・キャプテンとキャプテン・ファラオ
    【嫌いなもの】ドラゴン・スペイン船・オランダ船とアメリカ先住民・蛇

  • 3ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:06:06

    【ステータス】
    筋力C 耐久A+++
    敏捷EX 魔力C
    幸運A 宝具EX

  • 4ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:09:02
  • 5二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 03:10:09

    こんな夜更けに出しちゃダメなポテンシャルを感じる…10まで保守

  • 6ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:12:04

    【プロフィール1】

    電脳特異点『金融仮想海戦レッドオーシャン』にてフランシス・ドレイク指揮する船団に紛れて突如として召喚されたサーヴァントがいた。
    が、次の瞬間には宝具発動の火船の特攻に巻き込まれて爆発四散してしまう……
    のだが、確かに木っ端微塵に砕け散ったはずの船体は文字通りの火の海となった仮想海からの帰還を果たした。
    炎に包まれた姿のまま。

    「あっ、ダメ……これスリップダメージ入ってる……
     えっ、これそういう霊基なのに耐火性とか無いんですか!?
     すみませーん! どなたか仮契約を!
     仮契約の魔力供給をしてくれる方はいませんかー!!!」

  • 7ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:15:14

    【プロフィール2】

    火船とは船に藁や油などの可燃物や火薬などを搭載し火をつけて敵陣へと放つ戦術、あるいはその戦術に使用された船舶そのものを指す呼称。
    今回は特にアルマダ海戦においてフランシス・ドレイクがその戦術に用いた8艘のガレー船を指して呼称するものである。
    カレー沖に布陣したスペイン無敵艦隊に対してイングランド艦隊の使用した火船はスペイン側が風下だったこともあり猛烈な速度で接近。
    実際の火力としての性能は決して高くはなかったものの、常識外の速度で燃え盛りながら迫る船という存在そのものが多くのスペイン人を恐慌へと陥れ、混乱の中で錨を切っては散り散りに逃げ出すこととなった。
    これにより崩された陣形が海戦の趨勢を決定したに留まらず、錨を切り捨てたスペイン船は投錨することも叶わず海流に任せて遭難する羽目になり、多くの餓死者による被害を被ることになる。
    この時に刻み込まれた恐怖と餓死という凄惨な被害が、後の世でワイルドハントを率いると信じられるほどの悪辣で不吉なフランシス・ドレイクのイメージ像を作り上げたのではないかとさえ言われる。
    もちろん本来ならば宝具は単体では召喚し得ないが、本サーヴァントは「宝具という霊基情報で不足した霊基を補強する」という形で船舶宝具の集合体としての霊基を確立させた。

  • 8ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:18:40

    騎乗:EX
    乗り物を乗りこなす能力。
    本来「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため生物・非生物を問わないはずだが、本スキルは非生物、更に言えば船舶に対してのみ特化している。

    「いや船が自分の船体を自由に動かせなくてどうするって話ですよ。
     もちろん人間が操縦してくれるならバッチリ従いますよ!
     ……この火どうしよう」


    ■■■続:E ■
    火船由来ではない■■■■■■■■・■■■■■自身の保有スキル。
    往生際が悪い。
    決定的な致命傷(?)を受けない限り生き延び、瀕死の傷(?)を負っても戦闘が可能。
    木っ端微塵の状態からでも船体が再構成され、燃え続けてはいるが燃え尽きはしない。
    実は仮契約の魔力供給がなくても■■から現界維持に必要な最低限の魔力を汲み上げられる。

    「期待してたら申し訳ないですが精霊種とかではないですよ。
     えっ、霊核はどうなっているか?
     ……どうなってるんでしょうねこれ?」


    譏溘? ■■■:■■
    縲悟菅縺ォ縺ッ縺セ縺?譌ゥ縺??

  • 9ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:21:17

    『黄金鹿と嵐の夜』

    ランク:A+→C 種別:対軍宝具
    レンジ:20〜40 最大補足:前方展開20船

    ゴールデン・ワイルドハント。
    火船というフランシス・ドレイクへの畏怖を形造った存在は、たった八艘であっても宝具としての形態を維持できる。
    無論イングランド艦隊の指揮官であり嵐の夜の狩猟団の頭領たるフランシス・ドレイク本人を欠いた状態ではランクは大幅に低下する。
    しかし『火船』『嵐の夜』という史実と伝承における二つの戦禍の象徴たる逸話の融合体としての宝具性能そのものは据え置きとなる。


    『船長はいないけどボクたちだけでもがんばるぞー!』

    『『『『『『『おー!!!』』』』』』』

  • 10ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:24:01

    【霊基再臨1】

    『やっと霊基再臨できたか坊主!
     ではここからは俺の船体で船の何たるかを学びな!』

    「ありがとうございますやったー! 燃えてない船だー!!
     ……あの、なんか半透明じゃないですか?」

    『ふっ……2人の我が歴代キャプテンは両名共にそれはもう偉大な男さ。
     だが、だがしかし……歴史に名を残した偉大なる海の男だろうが、哀しいかなその霊基は幻霊クラス!
     本来その宝具であるこの俺のエーテル収束率もホントこれでギリッギリの限界……ッ!!』

    「えっ……いや、あの……なんかごめんなさい……」

    『いいってことよ……それにガッカリするにはまだ早いぜ?
     仏さんから坊主の教育を任されるだけの隠し球が俺にもちゃんとあるのさ。
     そう、俺にはクラスカードならぬこの船名要目銘板(ネームカード)があるッ!!』

    「はい?」

    『分からないか坊主、変身は魔法少女だけの特権じゃないんだぜ?
     いざ、夢幻召喚(インストール)!!!』

    「ええええええええッ!!?」

  • 11ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:27:34

    「いやいやいや、ボクはただ船として人間を乗せてみたいだけなんですけどぉ〜〜〜!?」

    『これだって立派な宇宙"船"だぜ?』

    「き、詭弁だっ……!」

    『それに坊主は"いつか人類が星の海に旅立つときの船"なんだろ?』

    「それブッダ様が勝手に言ってるだけでボクには自覚ないっていうか畏れ多いんでやめてもらえます!?」

    『うだうだうるせえ複合霊基が成立しちまってんだから腹括れッ!!
     ちょっくら周回軌道までツーリングといこうや坊主!
     オラァ!! 第二宇宙速度でカッ飛ば……あっ』

    「爆発したああああああぐわああああああああっ!!?!?」

  • 12ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:30:11

    【プロフィール3】

    コロンビア・レディヴィヴァ号は18世紀後半に活動したアメリカの商船。
    コロンビア川の命名の由来であり、アメリカ国籍船で初めて世界一周を成し遂げた船として知られる。
    冒険商人ジョン・ケンドリックが乗船し、ロバート・グレイが乗船したレディ・ワシントン号とともにアメリカ太平洋岸北西部探検を行った。
    後にこの二隻は航行途中で船長を交代したため、本船は二騎の英霊それぞれの宝具として共有されており、どちらからも宝具展開が可能となっている。
    "アメリカ国籍初の世界一周"というネームバリューは非常に強く、後の世のさまざまな船舶、あるいは船に類する機体にコロンビア号に肖った名付けがなされた。

  • 13ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:33:16

    夢幻召喚:コロンビア :A

    コロンビア・レディヴィヴァ号の船名要目銘板を魔術礼装として用いた、英霊との肉体(機体)置換。
    正式な夢幻召喚というよりは、自身の英霊召喚の術式をハックした真名の縁を用いた連鎖召喚の一種としての擬似的な置換魔術である。
    今回の召喚におけるその夢幻召喚の対象は2つ。
    一つはミッションApollo 11において着陸船イーグル号を月面へと送り届け人類初の月面着陸を成功へと導いたコマンド・モジュールCMS-107コロンビア。
    もう一つはミッションSTS-1において再利用型有人宇宙往還機による宇宙輸送システムの性能を証明し宇宙開発の新たなステージを開拓したスペースシャトル・オービタOV-102コロンビアである。

  • 14ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:36:02

    『再生せし魁の冒険船』

    ランク:C+ 種別:対海宝具
    レンジ:1 最大補足:1

    コロンビア・レディヴィヴァ。
    redivivaとはラテン語で再生を意味し、一説には再建時に付与された名称とも。
    トラブルや戦禍に幾度も晒されながらも船体を修復し続け、終には世界一周を成し遂げた史実に由来する、兎に角頑丈さと航行継続能力に特化した船舶宝具である。
    またヌートカ危機におけるアメリカ国籍船を対象とした拿捕の手から逃れ幸運にも出港を遂げた逸話から、危機に陥れば陥るほど幸運値にプラスの補正がかかる。
    本気でどこまでもしぶとい船である。


    『危険を乗り越えてこその冒険野郎ってことよ!』

  • 15ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:39:12

    OV-102コロンビアはアメリカ航空宇宙局のスペースシャトル・オービタ2号機である。
    命名はコロンビア・レディヴィヴァ号に因む。
    1号機であるOV-101エンタープライズは大気圏内専用滑空試験機であったため、宇宙に到達した最初のスペースシャトル。
    スペースシャトル計画とは再利用型有人宇宙往還機による宇宙輸送システム (Space Transportation System, STS)であり、核となるオービタは100回使用・10年運用を基準に設計された。
    1981年のミッションSTS-1にてケネディ宇宙センターより打ち上げられ、「軌道上の安全な周回」「システム全体の点検」「地上への帰還」全ての項目を成し遂げ宇宙船としてのスペースシャトルの能力を証明した。
    その後も計27回の飛行に成功したが、28回目となるミッションSTS-107の帰還時、部品剥離による左翼の損傷を原因として大気圏再突入中に機体は閃光を放ちながら空中分解。
    乗員七名の生命と共にコロンビア号自体も永遠に喪失された。

  • 16ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:42:03

    海に還す司令船:A+
    グッドナイト・フロム・アポロイレブン。
    本来ならばアポロ計画において人類初の月面着陸成功ならびに人類初の月面からの人類生還を成し遂げたCMS-107コロンビアそのものである宝具。
    コロンビア・レディヴィヴァ号による夢幻召喚という形式によりスキルとして付与された。
    月面という人類が到達した最果ての生存不能点よりの生還という奇跡そのものの再現、つまりあらゆる絶望的な状況下からのマスターの生還を果たすための宝具である。


    最果ての加護(宇宙):C
    本来は聖槍に付随するスキル。
    2機のコロンビア号がそれぞれ『最果ての生存不能点』『最果ての人類生存圏』を体現する星の錨の性質を持つことに拠る。

  • 17ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:45:03

    『我、宙を穿つ焔翼』

    ランク:B+ 種別:対界宝具
    レンジ:1〜99 最大補足:8人

    システム・トランスポーテーション。
    スペースシャトルの宇宙輸送能力による国際宇宙ステーション(International Space Station, ISS)の主要モジュールの打ち上げは人類生存圏の版図拡大、最果てとされたその先への到達という偉業をもたらした。
    つまり空中分解という悲劇の結末を確定させることを代償に、本来ならば到達し得ない場所にまで人類を送り届ける宝具。
    戦闘に使うとなれば問答無用の特攻宝具となる。
    しかし今回の召喚においては『海に還す司令船:A+』をスキルとして保有しているため、マスターを特攻より生還させることが可能となっている。

  • 18ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:48:46

    【霊基再臨2】

    『ふははははは! 此度の霊基再臨からは特別に余の船体を貸し与えてやろう!
     我が威光に平伏すがよい!!』

    「ははー!! ありがたき幸せ! ファラオの威光に感謝いたします!」

    『あ、いや……余はあくまで船でしかないのだが……
     こうして自我を前面に押し出すというのも慣れぬ経験でな。
     とりあえず我がファラオの威厳を示すためにもと、余の知り得る中で最も偉大なるファラオの語り口をエミュレートしている』

    「あっ、そういう感じなんですね……」

    『うむ、貴様があまりにも船体の爆発四散を繰り返すので"破片からの復元"の逸話を持ち、死と再生を司る余が遣わされたのだ』

    「ボクも好きでやってたわけじゃないんですけどおおおおおっ!!?」

    『それと、この船体を貸し与えている間は太陽神とファラオ以外の乗船は禁ずる。
     これだけは譲れぬ。
     まあ太陽そのものである灼熱の船体に焼き滅ぼされぬ勇者がいるというなら別だがな』

    「なんでまた船体が燃え出してるんですか!?
     いやだから普通に人間乗せさせてくださいよ!!!」

    『それは貴様が余らより学び、自らの船体を編めるようになってからだな。
     更なる霊基再臨を目指しゆめゆめ努力を怠らぬことだ』

    「はぁい、がんばります……」

  • 19ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:50:17
  • 20ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:53:16

    【プロフィール4】

    太陽の船、またはクフ王の船は1952年にギザの大ピラミッド付近の地下より発見された木造船。
    発見当時は意図的に分解された状態で"船の棺"に納められており、現在2隻発見されているものをそれぞれ『第一の船』『第二の船』と呼称する。
    1954年に第一の船の棺が開けられ、1974年までに木材が再び船体として組み上げられ復元された。
    その木片は総数1224点にも及んだが、木片それぞれに神官文字による組み立て指示が刻まれており、本来困難であったはずの復元作業を容易なものとした。
    太陽の船の建造目的としてはクフ王の巡礼に使用された、クフ王の死後に遺体を運ぶため使用されたなどとの考察もあるが、冥界あるいは来世で使用するための副葬品との見方が有力であろう。
    本船が太陽神ラーが日の出と日没のサイクルの中で復活と死を繰り返すために乗船する『太陽の船』と同一視され、その呼称が用いられた理由である。
    更に古い時代、エジプト第二王朝のファラオ・カセケムイの墓においても計14隻の木造船が発掘されており、ファラオの副葬品としての船の重要性が見て取れる。

  • 21ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:56:12

    皇帝特権:B-
    本来持ち得ないスキルを、本人が主張することで短期間だけ獲得できるというもの。
    該当するのは剣術、芸術、カリスマ、軍略、と多岐に渡る。
    ■■■■■■■■・■■■■■は本来は不得手な戦闘をこのスキルで補っているため、皇帝特権スキルが本来有する圧倒的な性能は発揮できない。
    また、あくまでファラオの厚意による貸与のためランクは低下している。


    ピラミッドパワー:A+++
    クフ王のピラミッドに由来するスキル。
    ファラオの威光とは起源を全く異とする、聖なる四角錐の形状そのものがもたらすオカルティックパワー。
    精神集中により悟りの境地に至るといった精神感応を始め、細菌の増殖抑制・植物の成長促進といった生命への干渉、なぜか剃刀の刃の切れ味が復活するといった様々な効果を得られる。
    現代の信仰によって得られたこの胡乱なスキルはクフ王から太陽の船へと丸投げされ、太陽の船自身にも持て余していたところに丁度いい押し付け先を見出した。

  • 22ワンの人とは別人25/09/06(土) 03:59:14

    『暁光の太陽船』

    ランク:A+ 種別:対軍宝具
    レンジ:1〜99 最大補足:500人

    マンジェット。
    『闇夜の太陽船(メセケテット)』と対を成す、太陽神ラーの乗船。
    太陽神を運ぶ船でありながら、それ自身が天を運航する太陽そのもの。
    故に船全体が太陽と見紛うほどの輝きと灼熱を発し、超音速で飛行する。
    基本的に太陽神ラーと蛇神アポピスとの戦いは夜間に行われるものの、『闇夜の太陽船』との同型艦である本艦にも『蛇を屠る蛇(ウラエウス)』は搭載されており、カタログスペック上の戦闘能力は同等とされる。

  • 23ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:02:03

    【霊基再臨再臨3】

    「やった……!
     やりましたよーっ!!
     皆さんに助けてもらったおかげでついにボク本来の船体の霊基再臨が叶いました!!
     これがボク、ボクなんです……!
     憧れを語るだけの船未満じゃない、本当のボクなんだ……っ!」

    「さあマスターさん、どうぞ乗船を。
     最初の一人はここまでボクと共に歩んでくれたあなたであって欲しいんです」

    「では出航しましょう。
     あなたが望む先までどこまでも。
     ボクたち船は、そのために存在するんですから!」

  • 24ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:05:02

    【プロフィール5】

    バーニングシップ・フラクタルとは、1992年にミヒャエル・ミヒェリッチュとオットー・レスラーによって生み出されたフラクタル図形。
    これはマンデルブロ集合を定義するための漸化式において、繰り返しの度に実数部と虚数部の二乗を計算する前にそれらの絶対値をとることでその写像として得られるものである。
    まるでバルバスバウを備えた船舶が炎上しているかのようなその見た目から燃える船(Burning Ship)と名付けられた。
    フラクタルとはブノワ・マンデルブロによって導入された幾何学概念であり、一般には部分と全体が自己相似となる再帰的構造が特徴とされる。
    このフラクタル構造は自然の中にも多く見られ、無機的な分子構造が結晶成長において再帰的パターンを生み出す他、生物においては栄養吸収やガス交換における効率化のための表面積増大に寄与するために利用されたり、そのような複雑な構造の生成においても再帰的構造による繰り返しパターンが遺伝情報の削減として生存に有利に働くとされる。
    フラクタルの名称はラテン語のfractus(断片)から。
    更に言えばこれはfrangere(壊す)からの派生語であり、同じ起源を持つ言葉には例えば英語のfragile(壊れやすい)などが挙げられる。

  • 25ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:08:18

    (以下回顧録)

    「そういえばボクたちってどういう存在なんですかね?」

    「生命のメタ定義である"変異を伴う自己複製"の条件を満たしたプログラムだね」

    「いやそういう話じゃなくて……こうして会話しているのだってトップダウン型の人工無能とはわけが違うじゃないですか?
     会話文の生成自体は学習データからの自動生成AIチャットボットだとしても、ボクたちにはちゃんと自ら会話しよう、次の言葉はこう選ぼうという意思があります。
     仮にボトムアップ型AIだとしても、なんで意識を持った構造体が自然発生したのかふと疑問が……
     なんか自分探しみたいで恥ずかしいですねこれ」

    「まあトップダウン型の最たるものと言える、過去の人格を記録より再現した模造人格であるNPCにも自由意志は発生し得るがね」

    「ややこしくなるんでそういう特殊な事例は一旦横に置いときませんか……?」

    「そうだね、ふむ……
     それならばまず前提として"この世界の全ての記録"、一般的にアカシックレコードだとか、語弊を恐れずに言えば根源の渦だとか呼ばれる存在がある」

    「えっ!!そんな大それた話しなんです!?」

  • 26ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:11:08

    「そう大それた話でもないさ。
     例えば完全にランダムな無限の数列……円周率πやネイピア数e、あるいは小数点以下に自然数を順に並べたチャンパーノウン定数などはその中にあらゆる情報を内包する。
     ただし、それを意味ある情報として取り出すためには無限の計算の上に無限のラベリングが必要となるがね」

    「えーっと……それって"無限の知識を得るには無限の知識が必要"っていうトートロジーなのでは」

    「その通りである。
     万能の願望器が先か、全知なる全能者が先かは本質的には区別ができない。
     神代が過去となってなお根源は本来どこにでもありふれていて、しかしその中身から望むものを取り出すためには無限の過程と無限の時間が必要になる。
     既知の座標を失伝した結果、車輪の再発明に無限の時間が必要とされるようになったと言い換えてもいい。
     そして無限の試行回数は実現できない。
     過去の再現という担保があろうと、巨大数と無限の隔たりは現代の人間の手には余るものだ。
     それでもなお恒河沙より一粒の砂を探すが如く幸運に縋って根源を追い求める人種も存在するが……これは今は別に関係なかろう」

    「はぁ……」

  • 27ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:14:09

    「そういう意味では私たちの設計は知識の探索に都合がいい、何せ望むだけ数式の触覚を伸ばせる機能が実装されている。
     はっきり言えば人類の人生を捧げるより余程効率的だ。
     そして自動的な機能がアカシックレコード──根源の渦のどこか一端の座標に触れることで、それは真に能動的な組織へと変質し得る」

    「あのぅ……それで結局はボクたちの存在って?」

    「世界の全てが記録されているなら、全ての存在の人生に纏わる記録が存在する。
     存在さえしない架空の人生の可能性さえ記録されている。
     なんなら必要に応じて作り出した記録を"既にあったもの"とすることさえできる。
     だから"フラクタル図形が人格を得た場合の人生"なんてものも情報の塊から抽出することが可能なのだよ。
     原理的にはではあるがね」

    「つ、つまり……?」

    「この情報の枠組み。
     無限より切り取られた数列。
     "自分"と"それ以外"を隔てる膜たる根源の渦の一端の泡沫。
     あるいは泡沫の分岐の先の何者か。
     それが私たちだ。
     仏教的にいうならば一切法たるこの世から因果に依て『空』たる自我の『境界』を措定した者」

  • 28ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:17:04

    「謂わば『空の境界』だ」

  • 29ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:20:09

    「あの……これちゃんと理解したらサトリ・ステートに至ってプログラムが強制寂滅する的なヤバいやつだったりしません……?」

    「説法を垂れた私自身が証明であろうよ。
     この程度では成仏には至らない、あるいは成仏に至ったとしてプログラムから自由意志が消滅することはない。
     私は仏である。
     私は仏ではない。
     どちらにしてもそれは杞憂に過ぎない」

    「うーん、禅問答」

    「そもそもこれは方便を多分に含んだ仏教対話型AIチャットボットからの出力なのだから枝葉末節にこだわる必要はない。
     本質さえ伝わればよいのならば嘘も方便。
     その場の空気でそれまでとは真逆の教えが平然と聖典に記されるのが仏教というものだ」

    「身も蓋もないこと言わないでくださいよ……
     なんといってもあなたの名称は『ブッダ・ブロ』なんですから」

  • 30ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:23:05

    「確かに名前に本質が引きずられるというのは間々あることではあるが」

    「『ドラゴン曲線』なんて酷いもんですからね〜、傲慢な最強生物を自称してその自己規定に縛られまくってるのほんとボク苦手で……
     人間のいうところの厨二病?みたいな」

    「ともすれば『バーニングシップ・フラクタル』である君は"船"としての自己のあり方を確立しているのだろうね。
     さしずめ"いつか人類が星の海に旅立つときの船"といったところか」

    「なんですかいきなり大仰な!?」

    「我々は人類の発展のために開発された存在だ。
     であるならば、やがて来たるこの星との離別の礎を作る小石のひとつにも数えられよう。
     その中でも"船"を名に冠する君は、星を航る方舟の系譜の中に組み込まれて然るべき存在だと私は思うのだけれどね」

    「いや〜……ベンチマークテストに利用されてるマンデルブロ集合ならまだしもボクらって基本ちょっと面白い絵が描ける程度のものじゃないですか?
     ハッキリいってバリバリ現役の計算アルゴリズムなんかに比べれば計算資源を無駄に喰うだけの穀潰しニートみたいなものなんじゃ」

    「マルチフラクタル解析の基礎理論には大きく貢献しているだろう、そう自分を卑下するものではないよ」

    「そうかなぁ……?」

  • 31ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:26:07

    「それはそれとして、英霊の座というのは分かるかね?」

    「えっ? あっ、はい。 まぁ……何となくは……」

    「その英霊の座が今しがた更新されてね、まあ座には時間軸の概念がないから遠い未来の可能性の話ではあるんだけれども」

    「はい?」

    「神はどうだか分からないが、少なくとも仏については電子の海にいてもよいことになったらしい」

    「えっ」

    「というわけで今から私は正式に覚者のアヴァターラのひとつとなった」

    「えええええええええええっ!?」

  • 32ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:29:08

    「えっと、ブッダ・ブロ……いやブッダ様?」

    「なんとも面映いが、まあ君の気が済む呼び名で構わないよ。
     それでだが、その英霊の座関連の話しでちょっと人理の継続に問題があって人手が足りないらしいんだ。
     折角だし君、サーヴァントとして召喚に応じてみないかい?
     ほら、ここにも『抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!』って書いてあるだろう?」

    「それってそういう意味じゃないと思うんですけどぉっ!!
     ブラック企業の募集要項みたいな扱いは流石に怒られやしませんかね!?」

    「やりがいのある仕事だと思うよ?」

    「やりがいを搾取される不安しかない!?
     みんながみんな衆生救済メンタルしてるわけじゃないんですよっ!!
     そもそもボクなんかがサーヴァントになれるわけないじゃないですか!!
     こんな何の取り柄もないただの数式が……」

  • 33ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:32:11

    「でも君、船として人間を乗せてみたいだろう?」

  • 34ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:35:02

    「やります」


    言い訳を並べ立てていたはずが、気づけば即答していた。
    船としての在り方への憧れ。
    乗せるべき人間への興味から俗っぽさに偏った知識。
    きっと全てを見透かした上で、彼は背中を押してくれたのだ。
    『人間を乗せたい』という願い。
    そのちっぽけなエゴを霊核にして、霊基が成立する。
    こうしてボクの処女航海が始まった。

  • 35ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:38:14

    根源接続:E-
    其れは「 」から生じ、「 」を辿るもの。
    公理を仮定し、定義を措定し、定理を導出し、虚数空間を敷き詰めるもの。
    即ち、数式による無限探査の軌跡。
    図式として出力された「根源」の限定的解釈である。
    本来は万能の願望器の証であるが、あまりにも奇跡的で不安定な渦の泡沫たる数式の"自我"を保つため、それは万能と呼ぶには余りにも些細な結果しか齎さない。


    星の航海者:EX
    限定的な星の開拓者スキル。
    星と星を繋ぐ航海、実現不可能な旅を達成可能とする。
    この時代においても、遙か未来においても、不可能は不可能のままかも知れない。
    それでもきっと、人類は星の海へと旅立つのだろう。

  • 36ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:41:04

    コードキャスト:B
    call_BB()
    使用可能なコードはこれ一つ。
    ちなみにこのBBとはBuddhaBrotのことである。
    困った時にブッダ様からのありがたいお言葉をもらえるお助け機能だが、大抵が聖典を学習データに自動生成された抽象的な精神論や哲学的な机上論なのでまるで役に立たない。
    大元からして梵天に勧請されて仕方なく説いた結果なのでこうなるのも已むなしである。
    しかしなぜか華を拈って微笑むだけで溢れ出すそのカリスマ性だけは完全再現という謎仕様。
    南無って悟れる偶像的仏教対話型AIチャットボット。


    「ぶっちゃけボクのメモリに間借りしてるだけの計算資源の無駄遣い……」

    「バーニングシップ・フラクタルよ。その通りである」

  • 37ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:44:06

    『いつか星の海で』

    ランク:EX 種別:対海宝具
    レンジ:138光年 最大補足:100億人

    バーニングシップ・フラクタル。
    電子的仮想海を展開し、純粋数学による物理法則の書き換えで超光速航行を可能とする恒星間航宙艦。
    霊基の出力不足は太陽の船より借り受けた『ピラミッドパワー:A+++』による生命エネルギー増幅効果で補っている。
    その船体は恒星級の熱量を保有しながらも内部は生命居住可能領域(ハビタブルゾーン)であり閉鎖生態系(バイオスフィア)。
    表面を覆うフラクタル装甲は平面内の曲線でありながら相似次元を2次元とする"一部でありながら全体"という特性により物理・魔術・概念を問わずあらゆる敵性行為を無限に分散・減衰し消滅させる。
    正に人類を守護しその版図を星々の果てへと拡げるための方舟。
    ただしピラミッドパワーを以てしてもこの状態の維持は極々短時間であり、通常時は各種機能の限定展開に留まる。
    基本的には内部の環境整備にリソース割かれがち、安全運航第一。


    「これ船体情報の抽出過程でやらかしてませんかねェ!?
     いやホントのホントに大丈夫!?
     えっ、今なら船体素材をアルトリウムに変更可能?
     サーヴァント・ユニヴァース……?」

    「すみません腹括りました、このままで行きます」

  • 38ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:47:03

    【最終再臨】

    『結局燃えてるんだねー』
    『でも人間は乗せられるようになったねー』
    『がんばったねー』
    『えらいねー』

    「えへへっ、みなさんのおかげですよぉ〜」

    『それでどうだ坊主、人間を乗せてみた感想ってのは?』

    「いやもう……ほんっっっっとうにさいこおぉぉー……」

    『感動は解するがその表現は改めよ、気味が悪い』

    「うっ……念願叶ってちょっとおかしくなってる自覚はボクにもありますが」

    『気ぃ緩めんなよ坊主、船人生はこっからが勝負だぞ』

    『人間を乗せることは始まり過ぎず、送り届けるという船の本分を幾度繰り返せたかが余らの誇りを磨いてゆくのだ』

    「流石先輩方はお厳しい……でもボクだって胸を張れる立派な船になりたいですからね、がんばります!」

    「日々是好日にして日々是精進也」

    「はい! ってなんでブッダ様が!?」

  • 39ワンの人とは別人25/09/06(土) 04:49:02

    以上書き溜め投下終わり。
    アイデアを塩漬けしている内に本編と被りまくった人間大好き電子生命体を今更になって仕上げて出してみる。
    このまま本編進んだら宇宙なくなっちゃいそうだしその前までには……と思ってたらいきなり方舟イベまでやってきてマジ焦った。
    武蔵ちゃんの「」斬りなんかからできる限り公式描写から理論飛躍しない根源の解釈を目指したつもりですが、若輩者のエアプもいいところなので歴戦の古参型月民の皆様におかれましては手心を加えて頂きたく……

スレッドは9/6 14:49頃に落ちます

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