- 1二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 08:30:30
- 2二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 08:38:21
たておつ
- 3二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 09:01:37
おつ
- 4二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 09:17:52
10時あたりから続き書きます!
少しお待ちください! - 5二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 10:30:30
はい
- 6二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 10:46:13
ホシノ
「……これで大体は倒せたかな?」
作戦開始から約5分、カイザー側の軍勢の約9割がホシノ一人相手に再起不能にされる。
まさに壊滅というべき惨状だった。
ホシノ
「で…さっきからずっと狙ってきてるよね」
ホシノは近くの建物の外壁を駆け上る。
アンジュ
「気づかれてる…!」
アンジュは咄嗟に建物から飛び降りて、ホシノを狙おうとする。
ホシノ
「トリニティの子だよね。何をしてるのかな?」
アンジュ
「いつの間にここまで…?!」
ホシノ
「ダメだよ〜カイザーなんかに手を貸すなんて」
「今なら許してあげるから大人しく帰りなよ」
アンジュ
「……すみません、駄目なことであると十分承知しています。ですが私にはあなたと戦わなくてはいけない必要と理由があるのです…!」
「お相手していただけますか?」
ホシノ
「……そっか、そういうことなら…」
「こっちも手加減せずに行くよ」 - 7二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 11:35:31
撃たれた。避けたはずの銃撃が当たったことへの驚きを覚えると同時に肉が焼かれるような痛みに襲われる。撃たれた足と腕がすくんで動かない。
スナデ
「…ここまでボロボロならいけるか」
スナデは左腕を振り上げ、叩きつける。
高架道路にヒビが入ったかと思えば、大きな音をたてて崩れ落ちた。
シロコはなんとかして体勢を持ち直そうとするがスナデは大きめの道路の瓦礫を投げつける。
シロコ
「一か八か……!」
シロコは瓦礫を足場に跳ねる。
投げつけられる瓦礫を避けつつ、辛くも着地することに成功した。 - 8二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 12:24:16
スナデ
「…やはりまだ動いてくるか」
スナデは放置されていた自動車を左手で引っ張るとシロコに向かって放り投げた。
シロコは身を屈めながら車を避けつつ、逆に反撃の機会を伺っていた。しかし、その姿はきちんとスナデに捉えられていた。
スナデは先程、シロコを撃った箇所を正確に撃ち抜いた。痛みからかシロコは無防備になった。
スナデの左手にはリボルバーが握られている。
スナデ
「もう2発だ」
いつもと変わらないはずの銃声。
なのに、その時はやけに大きく響いた気がした。
スナデ
「…7分46秒、結局5分からオーバーしたか」
「……許して欲しいなんて言えない。でも、全部終わってまだそこに私がいるなら、私の今までのことを話させて欲しい」
シロコの銃をシロコのそばに立て掛け、スナデは急いでその場を後にした。 - 9二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 14:09:13
アンジュ
「くっ! 壊された…! 次の盾を…!」
ホシノ
「オートマタの盾で身を守りながらの射撃で時間を稼ぐ悪くないと思うけど」
「何度も同じことしてちゃ対策されるよ」
アンジュが盾を取る前にホシノが蹴り飛ばした。
咄嗟の対応ができず、無防備になったアンジュのみぞおちに銃撃を叩き込む。
アンジュ
「かはッ……!」
ホシノ
「ごめんね。こっちもやられっぱなしじゃいられないからさ」
「…アヤネちゃん、終わったよ。そっちは?」
「……アヤネちゃん?」
アヤネちゃんと連絡がつかない、そう思っているとカイザーの兵がゾロゾロと集まってくる。
ホシノ
「まだ残ってたんだ……」
即座に戦闘体勢に入る。だが、一台の戦車が横転しながらこっちに転がってくる。
スナデ
「これはどう対処する? 小鳥遊ホシノ」
「クルセイダーだ!」 - 10二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 14:55:21
うめ
- 11二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 18:38:37
ホシノ
「乱暴なことするねぇ!」
転がってきた戦車を盾で受け止める。
想像以上の重さに、後ずさりさせられてしまう。
スナデ
「ラスト2発だ」
スナデのリボルバーから2発。
ホシノは盾を構え、それを防ごうとした。
次の瞬間、予想外の被弾と痛みにホシノの身体がふらつく。スナデはその隙を逃さず盾ごとホシノを蹴飛ばしそのままホシノを地面に押し付ける。
スナデ
「ようやく止まったか…小鳥遊ホシノ」 - 12二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 18:58:43
暗雲が太陽を覆い隠し、光を遮る。
風に乗って砂が運ばれる音だけが聴こえる。
ホシノ
「……なんでこんなことしてるの?」
スナデ
「…これ以外思いつかなかった」
「おっと、あまり動かない方がいい。盾の上から左腕を押し潰す」
ホシノ
「やったらいいよ、できるならさ…!」
スナデ
「……これ以上の戦闘は望んでいないんだが」
アンジュ
「…スナデさん……連絡です」
スナデ
「分かった、ありがとう」
「では……本命を果たそうか」 - 13二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 19:53:03
ホシノ
「本命…?」
スナデ
「アンジュ、つないでくれ……ビデオ通話でな」
先程の電話が繋がれる。その画面には、銃を突きつけられるアヤネの姿が映っていた。
シュウ
『おっ、ようやく出たか…こっちは制圧完了済みだぜ。ヘリもターゲットもな』
ホシノ
「アヤネちゃん!」
アヤネ
『すみません……ホシノ先輩』
ホシノ
「…何するつもり?!」
スナデ
「要望をのんでもらう…そうすれば解放しよう」
「シャーレの先生を呼び出してほしい」 - 14二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:49:51
アヤネ
「先生を呼び出すってどうして……!」
シュウ
「いいから早く連絡しな」
「こちとらそこまで気が長くないんだわ」
ホシノ
『……アヤネちゃん、連絡しよう』
アヤネ
「ホシノ先輩⁈ それじゃあ……!」
ホシノ
『先生ならきっと大丈夫だよ…もしもの時は私がなんとかするから』
アヤネ
「そんな……」
シュウ
「できるだけ自然な感じのメッセージにしろよ?何事もなかった体を装うんだ」
アヤネ
「……分かりました」
シュウ
「……よし、送信を確認した。こっちからは以上で終わりだぜ」プツン
「それじゃあ……あんた、伏せてな」 - 15二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:33:50
シュウ
『……よし、送信を確認した。こっちから以上で終わりだぜ』プツン
ホシノ
「アヤネちゃん!」
電話がきられる。一瞬黒くなった画面には無力感と焦りを含んだ自分の顔が映っていた。
スナデ
「……言っていた通り解放しよう」
拘束を解くまでもなくホシノは手を離そうとしたスナデを押しのけると銃を構える。
スナデ
「……私よりも優先することがあるだろう?」
ホシノ
「…ッ!」
ホシノは対策委員会の皆を探すために駆け出して行った。
アンジュ
「……これで良かったのでしょうか…」
スナデ
「良くないよ。だからもう止まれない」
「ここからが……本番だから」 - 16二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 23:08:31
ホシノ
「シロコちゃん!ノノミちゃん!セリカちゃん!」
ノノミ
「ホシノ先輩!私はここです!」
瓦礫の中からノノミを引っ張り出し、かけられた手錠を破壊する。
ホシノ
「ノノミちゃん!二人は?」
ノノミ
「それが…分からなくて……」
ホシノ
「分かった…手分けして探そう! ノノミちゃんはあっちの方をお願い!」
ホシノは不自然な大きい穴の空いている廃ビルに目をつけ、中に入る。
ホシノ
(ん? この声は…!)
「セリカちゃん!」
セリカ
「あっ! ホシノ先輩!」
ホシノ
「今助けるね!」
支柱に繋がれていた手錠を壊し、セリカも動けるようになった。
セリカ
「ありがとうございますホシノ先輩!」
ホシノ
「大丈夫そうでよかった〜……後はシロコちゃんだけだね」 - 17二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 23:40:42
ノノミ
「ホシノ先輩!シロコちゃんが…!」
ノノミの声を聞いて、急いで廃ビルの外に出る。
外にはノノミに抱き抱えられるシロコがいた。
ノノミ
「目立った傷はないのに……目を覚まさなくて」
セリカ
「うそ!?シロコ先輩!しっかりして!」
ホシノ
「……お願いノノミちゃん、シロコちゃんを背負ってくれないかな」
セリカ
「え⁉︎」
ノノミ
「大丈夫ですけど…ホシノ先輩、焦ってますよね何かあったんですか?」
ホシノ
「行きながら話すよ」
「…先生とアヤネちゃんを助けなきゃ…!」 - 18二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 09:41:10
アビドス校舎別館付近……
〝急いで来たけど…何があったんだろう?〟
シュウ
「……まじか…こんな早く来るのかよ」
〝君は……?〟
シュウ
「…あんた、お人好しすぎんぜ。もっと警戒とかした方がいいんじゃねぇの?」
「まぁ……ごめんな、先生」
そう言い終わると、辺りにガスが放出される。
咄嗟に口を塞ごうとしたがつい吸ってしまった。
少しずつ体から力が抜けていく……
サグメ
「すみません先生…」
「安心してくださいな、手は出しませんから」
「ちとお顔を貸してもらいます……」 - 19二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 11:26:31
???
「……きて…!」
「…起きて下さーい!!」
〝うわっ!?〟
???
「あっ、起きた」
シロコ
「先生!」
〝シロコ!〟
シロコの姿を見て安堵する。
しかし、冷静になって辺りを見渡すとここは砂漠だった。なのに暑さも何も感じない……まるで夢の中のような空間だ。
ここにいるのは私とシロコを含め3人だけ……
???
「連れて来れたのは2人……いや、大丈夫!」
見たことのない少女……多分さっき私を起こしてくれた子がこちらを見ていた。
その子は私達の顔をしっかり見て話しだした。
ユキ
「私の名前はユキ」
「シャーレの先生と砂狼シロコさん…だよね?」
「よかったら…私の話を聞いてくれないかな」 - 20二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 19:54:22
なんだなんだ?
- 21二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 22:31:47
ユキ
「まずは…私の友達が迷惑かけてごめんなさい」
シロコ
「友達?」
ユキ
「えっと…五十嵐スナデって言うんだけど…」
〝それって……〟
ユキ
「うん、先生は聞いたことあるよね」
今までの事を互いに伝え、シロコにスナデの特徴を説明する。
シロコ
「……私も知ってる、というか戦った」
ユキ
「それは……ごめんなさい…スナデちゃんはそれしかやり方を思いつけなかったんだと思う」
シロコ
「何の為にこんなことを?」
ユキ
「それは……」
〝まぁまぁ……君に1つ聞いてもいいかな?〟
〝君は高校生? ちょっと幼く見えるんだけど…〟
ユキ
「えっと…私確か…12…いや、一応13歳だね」
「ほんとはスナデちゃんと高校生活って言うのを送りたかったんだけど……」
「ごめん、話が逸れちゃったね」 - 22二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 22:45:52
ユキ
「ここは簡単に言うと夢の中」
「私の力で2人をここに連れてきたんだ」
シロコ
「……あなたってもしかして…」
ユキ
「…想像通りで合ってるよ」
〝……話って言うのは?〟
ユキ
「そうだね!私にとって一番大事なこと!」
「私とスナデちゃんの話をしなきゃ!」
「全部話すと長いから…縮めるね」 - 23二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 06:55:43
心して聞こう
- 24二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 08:35:38
私には何も分からなかった
世界の色も、自分の名前も
唯一分かるのは、私はいつか死ぬってことだけ
…ある日、いつもより風が強く吹き荒んでた
観察してると砂が同じ向きに運ばれてるのに気づいて、気になって追いかけたんだ
それに導かれた先で、ボロボロになった少女……スナデちゃんと初めて出会えた
あまりにもボロボロで可哀想だったからなんとかして治そうと思ったんだけど…右目は無理だった
その時にスナデちゃんからユキって名前をつけてもらったんだ!
……それから右目以外の傷が治ったスナデちゃんと私は一緒にいることにした
お互いに初めて会えた同い年くらいの子だからかすぐに仲良くなれた……ちょっとやんちゃなこともしたし、誕生日も祝いあったなぁ
そうして気づいたの、スナデちゃんといればこの世界の色が分かるって……いつまでも一緒に色々なことを経験して感じたいっていう私の気持ちに
でも、私には絶対的な死期が来る
最初は何とか逃げようとしたの、本来の責務から目を背けて……でも、罰…なのかな…その機会は望まずしてやってきた - 25二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 18:00:40
え、つら…
- 26二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 18:52:35
ユキ
「私もスナデちゃんも死にかけだった……なのに大きな砂嵐に巻き込まれちゃって」
「私は足の怪我で動けなかったからスナデちゃんに背負って貰ってたけど…限界って分かってた」
「だから私はあの子と私を天秤にかけ……ッ!」
〝大丈夫?!〟
空間にノイズが発生し、不安定な状態になる。
シロコ
「しっかりして!」
ユキ
「うん……まだ大丈夫…!」
「随分端折った話になっちゃったけど、私が言いたかったのは……スナデちゃんはその時から先に進めてないってこと」
「このままじゃ壊れちゃう…!」
「だから……先生、お願い…スナデちゃんを助けてあげて」
「私は先生ならなんとかできるって信じてるから」
「自分勝手な願いだけど…どうか、あの子を…」
〝……もちろん、任せて〟 - 27二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 21:46:48
視界が白く包まれて何も見えなくなる
そこで私は目を覚ます……
私は眠っていた?…いや、眠らさせられて……!
スナデ
「…起きられましたか」
声をかけられた方を向く。
そこには申し訳なさそうな顔をした少女が椅子に座っていた。
……私はこの子の名前を知っている。
少女の顔は真剣なものになり、話を始めた。
スナデ
「初めてまして、シャーレの先生」
〝……五十嵐スナデ…で、合ってる?〟
スナデ
「…私のことを知ってるんですか?」
〝教えてもらったからね〟
スナデ
「どこから情報が漏れたのか…別にいいですが」 - 28二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 07:04:59
保守
- 29二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 08:46:01
スナデ
「まずは私たちに敵意がないことを証明するためこちらを返しましょう」
スナデから『シッテムの箱』を手渡される。
〝アロナ! プラナ!〟
アロナ
『先生!無事でしたか! 私達は大丈夫です!』
プラナ
『はい、問題ありません。先生の方が心配でした』
〝よかった……〟
スナデ
「…こんな事態になってしまい申し訳ありません私にはこれしか思いつかなくて……」
〝何があったか聞かせてくれる?〟
スナデ
「……今回、私に1つの依頼が寄せられました」
「シャーレの先生を連れてこいという依頼が」
「なので今回の作戦を決行し、あなたを誘拐してここまで連れてきたという訳です」
〝ここって…どこなの?〟
スナデ
「カイザーコーポレーションが秘密裏に保持している軍事基地……アビドスの外れも外れです」
「ですが、私たちが安全な場所まで送り届けますですから…」
〝分かった〟 - 30二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 16:54:07
スナデ
「え? ま、待ってくれ!」
〝どうしたの? 助けてくれるんでしょ?〟
スナデ
「…そうですが…嘘だったらどうするつもりで?」
〝嘘なの?〟
スナデ
「いや、そんなことはないですが……」
「どうして私の言うことを信じられるんですか?」
「私はあなたの生徒じゃありません、それに誘拐までしました……なのにどうして…」
〝……子供の言うことを大人が信じてあげないと何も始まらないからね〟
〝まずは私が君のことを信じる〟
スナデ
「……本気、ですか?」
〝うん。だから…助けてくれる?〟 - 31二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 22:57:55
スナデ
「……あっはっは!……はぁ…バカだなぁ〜私」
〝急にどうしたの⁈〟
スナデ
「すみません、バカなことしてしまったなと」
「最初からあなたに全て話せば全て丸く収まる話だったんですね…」
(大人なんて全員同じだと思ってた…自分の利を一番に考えて、そのためなら周りなんて関係なし大人、いや人間そんなものだとばかり……)
「…分かりました。あなたが私を信じてくれると言うのなら全力でそれに応えましょう」 - 32二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 23:19:00
スナデは部屋の扉を開けて通路にでる。
外には3人の少女が待機していた。
シュウ
「あっ!せ、先生…その……」
〝大丈夫、事情は分かってるから〟
サグメ
「…話はもうええんですか姐さん」
スナデ
「あぁ…もう十分だ」
アンジュ
「では行きましょう。今なら警備も手薄です」
〝それじゃあ……4人共、よろしく頼むよ〟
シュウ
「よっしゃ!全員あたいがぶっ潰してやる!」
サグメ
「迷惑かけてしもうた分、返させてもらいます」
アンジュ
「危険ですので、先生は私たちから離れないようお願いしますね」
スナデ
「……私の命に代えても、私たちはあなたを必ず守ると誓おう」
「では…作戦を開始する」 - 33二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 08:26:39
つよいね
- 34二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 09:57:04
現アビドス校舎内……
セリカ
「うわっ!敵の残骸だらけだ……」
ノノミ
「これをアヤネちゃんが…?」
ホシノ
「教室の中にアヤネちゃんが…!」
教室の様子を窺う、誰もいないのを確認して教室の中に入る。アヤネは眠らされているようだ。
セリカ
「アヤネちゃん!起きて!」
アヤネ
「うーん……はっ!…私、寝てましたか?」
ホシノ
「よかった〜無事そうだね……先生は?」
アヤネ
「すみません……電話が切れた後すぐに眠らさせられてしまって……いや、でも確か…どうしても気になるならカイザーの本社に来いと…」
セリカ
「ならすぐに行こう!今すぐよ!」
ホシノ
「待って、罠かもしれない」
シロコ
「……ノノミ、もう大丈夫。降ろして欲しい」
ノノミ
「シロコちゃん!目を覚ましたんですね!」
シロコ
「…行こう、カイザー本社に」
「その後のことは行ってから考えよう」 - 35二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 18:27:52
保守
- 36二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 21:03:55
すみません今日は更新なしです!
今少し体調を崩しまして、続きが上手く書けないのでお休みさせてください……
明日には続きを書けるようにしてきます! - 37二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 00:57:42
今日のところはお休みなさい、また明日
- 38二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 09:44:39
乙
- 39二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 09:52:56
シュウ
「こんなんじゃあたいらは止まんねぇぞ!もっと強い奴呼んでこいや!」
〝あっ!後ろ…!〟
それを許さんとばかりに正確な一撃が敵を穿つ。
アンジュ
「……そうやって油断してるからいつも後ろから襲われそうになるんですよ」
シュウ
「そうなったら援護するがお前の役割だろ?」
アンジュ
「…そういう話ではないのですが」
サグメ
「はいはい、そろそろ着くで!」
スナデ
「…私は戦わなくていいのか?」
サグメ
「姐さんは体力温存せなあかんからな」
「うちらに任せてくださいな」
〝確かここから車に乗って逃げるんだよね〟
スナデ
「はい、その予定ですが……想定より敵が多い」
サグメ
「ほなうちがやりましょか」 - 40二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 10:09:41
雇われのPMC兵士A
「…ん?なんか良い匂い…が……」
カイザーPMC兵
「おいどうした!大丈夫か!?」
雇われのPMC兵士B
「か、体が痺れるぅ……!」
カイザーPMC兵
「くそっ!ガスが何かか!?」
サグメ
「おぉ!効いてる効いてる!」
「うち特製……色々と危ない煙や…!」
シュウ
「言い方ァ!!」
サグメ
「ここまで減らせばいけるやろ!」
シュウ
「ったく……減らさなくてもいけたけどなぁ!」
アンジュ
「車確保しました!」
スナデ
「ナイス!……これが一番丈夫かな?」
(もっと戦車とかが望ましいが……ここにはないもしくは隠されてるか……)
「悩んでてもしかなたい…皆乗り込んでくれ!」 - 41二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 19:19:42
エグイ
- 42二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 02:02:25
保守
- 43二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 08:52:46
シュウ
「…減らしてくれたのは一応感謝しとく」
サグメ
「そっちこそ、運転頼むで」
カイザーPMC兵
「逃すか!」
スナデ
「…追手がもう来たか…仕方ない」
スナデは車のドアを無理矢理外すと、盾代わりにして攻撃を凌ぐ。
シュウ
「動かすぜ!気をつけな!」
〝あれ…シャッターが閉まってない?〟
スナデ
「何…⁉︎」
アンジュ
「私が道をこじ開けます!ですから…!」
シュウ
「分かってる!やれ!」
アンジュの銃撃がシャッターに撃ち込まれる。
シャッターを打ち破ることなどできないが、そこには確かに突破口が見えた。
シュウ
「しっかり掴まってな!ブッ飛ばすからなぁ!」
見事、シャッターを壊すことに成功する。だが… - 44二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 09:10:51
シュウ
「シャッターがもう一層…!」
スナデ
「私に任せろ」
スナデは車から飛び出すと勢いよくシャッターを破壊する。そのまま車の屋根に飛び乗った。
スナデ
「案外やってみるもんだね……」
シュウ
「大丈夫っすか姉貴!」
スナデ
「問題無し、このまま進んでほしい」
「……さて、ここからは防衛戦だ」
サグメ
「前は任せてや」
スナデ
「うん、アンジュは私と後ろを」
アンジュ
「はい…!」
〝一時はどうなるかと思ったけど……〟
〝いや、私は私にできることをしないと〟
〝とりあえず今のうちに救助要請を!〟
プラナ
『了承しました』
アロナ
『任せてください!』 - 45二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 17:50:00
やったぜ
- 46二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 23:05:57
〝後は…〟
アンジュ
「伏せてください!」
〝うわっ!?〟
サグメ
「…砲撃か…随分危ないことしてくれるやん!」
スナデ
「まずい…相手の装甲が厚くてこっちから有効打をあまり与えられてない…ジリ貧か!」
「中々いい装備も持ってるみたいだしね…!」
外を見ると、自分達が乗っているのと同じ装甲車や戦車に追われていた。
アンジュ
「先生!危ないですから中に!」
〝ご、ごめん!〟
シュウ
「なんかこっちにも載ってないのか!」
〝えーと……ここ開けれそうじゃない?〟
アンジュ
「本当ですね…開けてみます!」
〝…これは……!〟 - 47二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 23:47:21
カイザーPMC兵C
「あいつら俺たちの装甲車に乗ってるが、なんの装備が搭載されてるんだ?」
カイザーPMC兵D
「確か……あっ!?」
「対戦車ロケットランチャー……!」
カイザーPMC兵C
「なっ…!」
言い終わる前に彼らの乗る戦車が大破する。
どうやら命中したようだ。
サグメ
「おあつらえ向きなんがあったやないの!」
シュウ
「いや〜!大事なところで運あるな!」
スナデ
「残弾数は!?」
アンジュ
「残り3です!」
スナデ
「そうか…十分すぎるくらいだな」 - 48二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 09:17:44
これはついてるな
反撃でボッコボコにしてやろう - 49二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 10:32:44
このレスは削除されています
- 50二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 10:37:38
シュウ
「このままとばすぜ!」
〝そういえば今どこに向かってるの?〟
アンジュ
「アビドス対策委員会の皆さんのところです」
「大体の居場所の予測はついてますので」
〝じゃあその後は?〟
シュウ
「……考えてなかったな」
サグメ
「先生の処遇次第やろなぁ」
「それか…全力で逃げるか……」
アンジュ
「逃避行ですか……悪くないですね」
〝スナデは?〟
スナデ
「私ですか?そうですね……」
「まずはあなたを護り抜く、それが終わった後に考えることにします」
「……この後があるのなら」 - 51二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 11:39:49
スナデ
「良い知らせと悪い知らせがあります」
〝…悪い方からお願い〟
スナデ
「……敵の数があまり減ってません」
サグメ
「結構減っとるはずやろ…どんだけおんねん」
〝…良い知らせっていうのは?〟
スナデ
「それを踏まえた上で、あなたを護り抜くことができることです」
アンジュ
「……何をなさるつもりですか?」
スナデ
「面倒なのは潰せた。私なら残りを抑えられる」
サグメ
「…だから任せろ言うつもりかいな」
「初めっからそのつもりやったんか!」
スナデ
「……ごめん」
シュウ
「そりゃねぇだろ姉貴…!」
〝このままじゃダメだ!何か別の方法を…!〟 - 52二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 21:30:45
スナデ
「いいんですこれで…本望ですから」
「……ですが、少し気が変わりました」
「敵を全て倒し、帰って来ようと思います」
アンジュ
「いくらスナデさんでもそれは…!」
スナデ
「…おかげさまで体力を温存できてるから全力で戦えそうだ」
「だから皆……信じてほしい」
サグメ
「……シュウ、速度上げれるだけ上げ!」
シュウ
「え!?いや、でも……!」
サグメ
「うちらが姐さん信じんで誰が信じる!?」
シュウ
「ッ!……やるしかねぇのか…!」
スナデ
「……ありがとう」
〝スナデ!〟
スナデ
「…あなたも私を信じると言ってくれましたね」
「今それに応えて見せます」 - 53二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 07:20:21
捨て身じゃなくて良かった
- 54二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 10:48:49
スナデ
「また後で!今は……振り返らずに進め!」
カイザーPMC兵E
「おい!あいつ跳んできたぞ!」
カイザーPMC兵F
「ちょっ!避けないと…!?」
その願いも虚しく、スナデは飛びかかった勢いでランチャーの空筒を装甲車の窓に叩きつけた。
制御を失った装甲車は横転させられる。
スナデ
「機関銃…丁度いい。貰っていくか」
「さて、敵の数が多いが……数だけだな」
「これで私を止められると思うなよ…!」
「……殲滅だ!」 - 55二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 12:04:48
現在上手いこと続きが書けないので遊びます
- 56二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 12:09:05
キャラメーカーさんの力を借りて
五十嵐スナデイメージ図にリベンジします
メーカー制作さんに感謝
うちゅうあめーば⚠️血液、異形、ゾンビなどの表現があるよ・髪型を少し追加した
OK
・SNSのアイコン、ヘッダー
・SNSへの投稿
・TRPGでの使用
・このメーカーを元にオリキャラ作成
・このメーカーを利用してイラストなどの依頼を僕以外にすること
・背景の変更
・反転、角度の変更
NG
・再配布
・加工
・自作発言
・商用利用
フォント:しねきゃぷしょん
Twitter:https://twitter.com/uchuuamoeba
10~20代の女性がよく使っている服とか装飾品のブランドを知っていたら教えてほしい
特にロリータとか地雷系求む
https://marshmallow-qa.com/uchuuamoebapicrew.me……誰かヘイローの作り方教えてくれませんか?
- 57二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 19:36:42
気合いで図形を組み合わせて重なったところを削る…
- 58二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 19:46:44
- 59二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 03:00:47
知らん
ペイントでやった - 60二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 08:01:25
- 61二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 15:30:01
イケメぇン
- 62二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 01:12:23
〝……大丈夫かな〟
シュウ
「…多分大丈夫っす!姉貴がああ言ったからには帰って来るはずなんで」
アンジュ
「先生を護り切ることが私たちへの依頼ですからまずこれをこなさなくては顔向けできません」
サグメ
「後は姐さんを信じてればええんや」
〝…みんな信頼が厚いんだね〟
サグメ
「うちらは一度姐さんに救われてますから」
アンジュ
「今でも思い出せますね…私たちが初めて会ったあの日のことを…」
「特にシュウは……酷かったですね」
シュウ
「だから!あの時は…怪我だったりで全力でやれなかったんだって!」
サグメ
「それも含めて実力やて言われとったやん」
シュウ
「ぐぬぬ…それ言われたら何も言えねぇよ…」
アンジュ
「…いくら信頼していても心配なものは心配ですですが、信じてくれと言われましたから」
サグメ
「…なんならこっちから迎えに行こか」
シュウ
「それなら許してくれるかもな!」
〝私も行きたいけど……無理かな〟
アンジュ
「そうですね…これ以上危険な目に遭わせるわけにはいきませんので…」
サグメ
「力を貸していただくとなれば、話は少し別やけども……そこまでしてもらわれへんですから」 - 63二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 08:16:50
頼られてるんだなぁ
- 64二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 09:55:09
アヤネ
「先生から救助要請がきました!」
セリカ
「本当!?無事だったんだ…!」
ホシノ
「先生の位置とか分かる?」
アヤネ
「現在北東からカイザーコーポレーションの本社に向かっているみたいです」
ホシノ
「移動してるんだ…了解」
ノノミ
「……どうしてこんなことを?」
「先生が目的ということはやっぱり…」
シロコ
「うん、『シャーレの先生』の権力を狙ってる」
ホシノ
「いつぞやと同じ状況だね」
「酷い目にあってないといいけど…」
セリカ
「見えてきたわよ!あれが本社ね!」
シロコ
「待って!正面に1人いる…!」 - 65二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 10:42:03
闇医者
「久しぶりに来たが……記憶より警備が薄いな」
「……ん?君たちは…」
シロコ
「…あなたはここの関係者?」
闇医者
「……元関係者だ。先んじて言っておくと君たちに危害を加える気も、手段もない」
「…その校章、アビドス高等学校の生徒さんたちのようだけど…シャーレの先生は一緒にいらしていないみたいだ」
シロコ
「ん、先生は今……」
闇医者
「…何か事情があるみたいだな……まぁ、こんなところに来ている時点でそうか」
「ここを抜けるなら地下はやめておくべきだ」
「地下は来客の出入りもあって警備が多い」
アヤネ
「…詳しいんですね」
闇医者
「何度もここに足を運んだ甲斐があった」
「一応、地上から抜けるルートを教えよう」
セリカ
「いいの!?」
闇医者
「ああ、信じるかどうかは任せるけど」
「……君たちの健闘を祈っておこう」 - 66二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 19:25:42
良い人だ
- 67二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 20:22:41
スナデ
「……もう何人倒したかも数えきれない…」
気づいてないふりをする。
素早くリボルバーを取り出し、引き金を引く。
残念ながら近くのオートマタに庇われてしまう。
スナデ
「チッ…照準が吸われたな」
ジェネラル
「小鳥遊ホシノと我々を戦わせ、私からの依頼をこなしつつ、手薄になったこちらに対して先生の救出と襲撃を同時にこなす……全て手のひらの上だったという訳かな」
スナデ
「随分と遅いご登場だ……その分準備もしっかりしてきているらしい」
「……やっぱり最初から信用されてなかったか」
ジェネラル
「常に最悪を想定して動いている…それだけだ」
「それで?1人で勝つつもりか?」
スナデ
「覚悟はできてる…そっちこそ後悔するなよ!」 - 68二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 22:39:28
このレスは削除されています
- 69二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 22:44:30
仕留める。狙うはジェネラル。
駆け出そうとしたその時、違和感を感じた。
砂漠が揺れている。その揺れは徐々にこちらへと近づく…風に吹かれた砂が私の頬を掠めた。
砂が蠢いている……嫌な記憶がよみがえる。
ジェネラル
「…君がビナーについて触れたとき、バレているのでは…と思っていたが、杞憂だったようだ」
砂が勢いよく捲れ上がり、ソレが姿を現す。
スナデ
「ビナー…!どっからこんなもの…!」
(……私が昔に見たものより一回り小さいような気がする…)
「まさか…模造品か!」
ジェネラル
「散々邪魔されたからな、おかげで戦闘データが大量にある…もちろん君のもだ」
「それを元にして数体造らせてもらった」
スナデ
「数体…⁉︎複数体いるのか⁉︎」
ジェネラル
「まさか、今更後悔なんてしないだろう?」
「性能テストも兼ねて、相手をしてもらおうか」 - 70二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 06:55:26
まさかの偽ビナーとか
やべえなカイザー - 71二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 16:00:01
保守
- 72二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 01:46:33
スナデ
「どうやってこんなの造ったんだ……」
「問題はどこまで性能を再現しているかだが…」
背中の装甲が展開し、4発のミサイルが放たれる。
スナデ
「武装でどうにかなるのは搭載されてるよな…!」
(あの超高温のレーザーはないと信じたい…!)
ミサイルをなんとかして避けていると、別個体がこちらに向かって襲い掛かってきた。
スナデ
「2体目…利用させてもらうぞ」
飛び掛かろうとしたその頭部を足蹴に、背中へと跳び移る。背中を駆けながら辺りを見渡しているともう一体、私を狙っている個体が現れた。
スナデ
「3体……これで全部か?」
「まずはお前からだ!」
3体目の装甲の接合部にリボルバーで2発。撃った箇所に跳び移り、思いっきり力を込めた。
そのまま力任せに装甲を引き剥がす。 - 73二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 08:31:57
このレスは削除されています
- 74二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 08:47:59
スナデ
「本物と比べて装甲が脆いじゃないか!」
剥がした装甲の内部にありったけをぶち込む。
煙をあげながらその巨体が地に伏した。
スナデ
「残り2体……下から…!」
足元から私を喰らわんとばかりに飛び出してきたのを避ける。そこへもう一体が追撃をかます。
スナデ
「一方が攻撃してできた隙をもう一方が狙って…まさか連携できるのか?」
追撃を躱し、反撃の隙を窺う。しかし、気づけば砂嵐が起こっていて、舞い散る砂塵が私の視界を奪っていく。その内に姿を見失ってしまった。
スナデ
「まずいな……どこから攻撃してくる気だ…!」
激しさを増す砂嵐が徐々に…だが確実にこちらの体力と精神をすり減らしてくる。 - 75二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 13:37:21
砂嵐を突っ切り、ミサイルが飛来する。ミサイルは躱せたが、やはりそこを狙ってもう一体が私に向かって突撃してくる。
スナデ
「さっきよりも…速い!」
体勢を崩していたこともあり、突進してきたのを避けられず、右半身に直撃する。
無防備になってしまったところに、尻尾の部分で私の頭と右半身に一撃。そのまま地面に叩きつけられてしまう。
スナデ
「まだだ…立たないと……」
(…着地が上手くできなかった……右足が…いや右半身が動かせない…!)
(意識…が……) - 76二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 22:08:41
やべえぞ
コピーの癖に連携までするとは生意気な - 77二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 07:53:39
このレスは削除されています
- 78二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 09:41:25
私が物心ついた頃には周りに人はいなかった
人並みに必要な知識、スキルなどは会得していたので問題はなかったが……
どこまで続いているのかも分からない砂漠の中で見かけるのは、人に捨てられた民家と何か資材を運んでいる輸送車くらい
観察していると、車の行き先は全て同じだということが分かったので、そこを目指すことにした
そうして歩いて数日のこと、車にぶつかりそうになりいちゃもんをつけられた…今までこちらに見向きもしなかったくせに……
イラッとしたので喧嘩を買ってやった…人生初の喧嘩だったけど……
後に分かったことだがこいつらはカイザーコーポレーションの一員らしい
……結果から言うと勝った。しかし、思ったより相手側の人数が多く、動けなくなるくらいの怪我を負ってしまった
スナデ
「……痛い…あいつらあまり視えてないからって右目ばっか狙いやがって…」
(初めて他人を殴った……いいものじゃないな)
(……私…もしかしてここで死ぬのか…? 怪我も軽くないし、そもそももう気力が……)
???
「……酷い傷だね」
スナデ
「…誰!?」
???
「ん?……分かんないや」
スナデ
「何だ…それ……」 - 79二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 10:00:07
……瞼が開く…気絶していたのか…?
ぼんやりとした意識で辺りを見渡す……知らない天井だ…どこだここは?
???
「あっ、起きた」
「…五十嵐スナデちゃんだよね」
スナデ
「…何で私の名前を?」
???
「ネームタグに書いてあったから…」
スナデ
「そっか……あなたが助けてくれたの?」
???
「うん…傷だらけだったしほっとけなくて……」
「ごめん…やれるだけやったんだけど右目はどうしようもなかった…」
スナデ
「…いいよ、別に元々そんな視えてなかったし」
???
「そういう問題かなぁ?」 - 80二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 16:40:35
スナデ
「…あなた名前は?」
???
「え?……わ、分かんない…」
スナデ
「……なんかごめん…そういう冗談かと…」
???
「…じゃあ、折角だからスナデちゃんがつけてよ私の名前!」
スナデ
「私が? いいの?」
まじまじと目の前の少女を見る。
金にも黄色にも見えるその瞳に色が抜けたような髪と色白な肌……私はこの色を知っている。
スナデ
「雪…みたいだな」
ユキ
「ユキ?それが私の名前?」
スナデ
「いや…安直すぎる気が……」
ユキ
「呼びやすいね! ありがとう!」
スナデ
「……気に入ったんなら何よりだ」 - 81二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 00:12:31
保守
- 82二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 09:22:40
このレスは削除されています
- 83二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 18:05:58
かわいい
- 84二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 01:48:48
保守
- 85二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 02:14:26
このレスは削除されています
- 86二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 02:29:42
保守ありがとうございます
ホスト規制(何故?)されてましたスレ主です
規制されてた間にユキのイメージ図を作りました
明日から続きを書き込ませていただきます!
picrew.me↑使わせていただいたキャラメーカーです
- 87二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 08:10:26
ユキ
「もう動いても大丈夫なの?」
スナデ
「おかげさまでね」
寝具から身体を起こし、伸びをする。受けた傷は殆ど治っていた。随分良くしてもらったな……
スナデ
「……私は人のいるところを目指すつもり」
「…よかったらあなたも一緒に来ない?」
ユキ
「いいの!?もちろん行かせて!」
「……できれば名前で呼んで欲しいなぁ…」
スナデ
「……じゃあ、一緒に行こうよユキちゃん」
ユキ
「うん!よろしくね!」
2人で話し合い、1週間ほど経った後、準備を終わらせて出発することにした - 88二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 08:48:48
どうやらユキちゃんが私が喧嘩した奴らから銃をくすねてきたらしいので、この銃を扱い方を知ることにした。
スナデ
「ユキちゃんはいいの?」
ユキ
「うん…そういう銃、私は下手っぴだからさ」
「最悪私にはこれがあるしね!」
スナデ
「…リボルバーってやつ?」
普段使いする装備としては少し不安に感じるが…本人にこだわりがあるようなので……
ユキ
「あまり銃弾を無駄にしちゃいけないからね!」
「この6発で決めてみせる…! ってわけ」
スナデ
「……敵にちゃんと当てられるのか?」
ユキ
「うっ…! 鋭い指摘……!」
スナデ
「…練習すればいい……そのセリフを胸を張って言えるようになるまで」
ユキ
「……ポジティブな意見にびっくり!」
スナデ
「…まさか、いやみを言うとでも?」
ユキ
「そういうわけじゃないけど……ネガティブな人だと思ってたから……」
スナデ
「私はネガティブだったのか……」 - 89二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 18:06:36
グッサリくる
- 90二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 23:18:47
先の見えない砂漠を2人で歩いた。
1人の時と比べて、少し疲れた……でも不思議と嫌ではない…むしろ、それが心地いい…?
ユキ
「ねぇ…ちょっと休憩しない?」
スナデ
「……それもそうだね…あそこに座ろっか」
大きめの岩の上に腰掛ける。暗さを増す夜空には綺麗な星々が輝いている見えた。
ユキ
「知ってる? 流れ星が降ってる間に願い事を3回唱えられたらその願い事が叶うんだって!」
スナデ
「…迷信だ。願いを叶えられるのなんてその願いに本気で向き合える人……その中でもほんの一握りだけだよ」
ユキ
「……唐突な名言にびっくり…」
スナデ
「悪かった…忘れてくれ……」
ユキ
「分かるけどね! 願うだけで叶うなら苦労なんてしないもん」
「こういうのは気の持ちよう。やってやるぞー!とか、ぜいたくくらい言わせろー!みたいなね」
スナデ
「気の持ちよう…か」 - 91二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 08:23:55
前向きだ
- 92二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 11:42:48
スナデ
(流れ星…頭の中で唱えるくらいなら……)
ユキ
「どうしたの? 願い事?」
スナデ
「……どうやら世の中には『学校』というものがあるらしい。私はそれに行ってみたい」
ユキ
「へぇ〜……スナデちゃん何歳?」
スナデ
「歳?……12だな」
ユキ
「1個上だったんだ……じゃあ、スナデちゃんは中学生ってことだね!」
スナデ
「そうだな…せめて高校には行きたい」
「だから『ユキちゃんと一緒に高校に通いたい』って願った」
ユキ
「……私と?!」
スナデ
「2人きりなんだからちょっとくらいはぜいたく言ったっていいでしょ?」
「…絵空事で終わらせるつもりはないけど」
ユキ
「……スナデちゃんが目指してる夢の光景に私がいてもいいの?本当に?」
スナデ
「学校に通うなら知ってる人とがいい」
「ユキちゃんとなら嫌な気はしないから」
ユキ
「……言ったからね!無しはなしだよ!」
スナデ
「もちろん…この願い、叶えてみせるよ」 - 93二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 18:07:06
良い子じゃないか
- 94二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 23:59:08
このレスは削除されています
- 95二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 08:21:09
つかの間の平和じゃん
- 96二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 17:41:56
保守
- 97二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 21:20:20
スナデ
「……あれは基地か…?」
ユキ
「あそこがスナデちゃんが行こうとしてたとこ?」
スナデ
「あそこまで仰々しいのは想定してなかったんだけど…このなりで人がいないことはないでしょ」
近く停められていた車に身を隠しながら、辺りの様子を窺う。比較的最近に作られたのであろう車には白いロゴが確認できた。
スナデ
(『カイザーインダストリー』……どこかの企業の名前か? 一体こんなところで何を…)
見張り番A
「侵入者はっけ〜ん!」
ユキ
「嘘?!見つかっちゃった…!」
見張り番B
「子供2人…にわかには信じ難い光景だ」
スナデ
「…チッ、油断した……練習の成果を試すか?」
ユキ
「やっちゃうの!?今ここで?!」
見張り番A
「ヒュー! 怖いねぇ〜嬢ちゃん!」
見張り番B
「…あまり騒ぎを起こしたくないんだ、できればその銃を下ろしてくれると助かる」 - 98二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 21:22:16
スナデ
「……分かった、手を出したら応戦するからな」
見張り番B
「聞き分けのいい子だ」
「……まずは色々と聞きたいことがあるが…」
見張り番A
「…なぁ、こいつもしかしてあれじゃね? なんかガキにやられたって言ってた……」
見張り番B
「…確かに特徴は一致してるな」
見張り番A
「ギャハハ!あいつらマジでガキ1人にボコボコにされたのかよ!」
見張り番B
「上に報告するからこの子たちを連れてこい」
見張り番A
「オッケー!……よーしお前ら、ついてきな!」
ユキ
「え、えっと……よろしくお願いします…?」
スナデ
「……めんどくさいことになった…」 - 99二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 06:57:25
おぉ、絵に描いたようなチンピラだ
- 100二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 15:28:25
気の良いやつらだ
- 101二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 22:58:38
保守
- 102二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 22:58:49
見張り番A
「今日は理事サマが来てるからな。もし気に入られれば…なんかあるかもな?」
ユキ
「理事サマ?偉い人だよね……」
見張り番B
「理事、例の子供をお連れしました」
???
「そうか、入れ」
小綺麗な小部屋に通される。派手に飾った装飾もなく、まさに応接間って感じの部屋だ。
カイザーPMC理事
「2人か…まぁいい、座りたまえ」
スナデ
(…一応失礼のないようにするべきか)
「気遣いありがとうございます」
カイザーPMC理事
「ふむ、悪くない…が、なぜこんなところに?」
スナデ
「…さぁ、捨てられたんでしょうね。それで行く当てがないのでここまで来ました」
カイザーPMC理事
「成程…しかし、ここに来たからにはそれ相応の仕事をしてもらうが…分かっているかね?」
スナデ
「もちろん、やれることはやります」
カイザーPMC理事
「では、何を望む?」
スナデ
「…この子といられるならそれ以上はいい」
ユキ
「スナデちゃん……」 - 103二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 07:55:52
保守
- 104二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 09:08:07
カイザーPMC理事
「そうか…いいだろう採用だ」
スナデ
「それじゃあ…!」
カイザーPMC理事
「その前に検査をさせてもらおう。変な病気やらなんやらを持ち込まれてしまっては困るからな」
身体能力、持病や現在何か病気を患っていないかなどといった基本的な検査だった。
医者
「病気に関する項目はオールクリア……というか君なんというか…強いな」
「ただ、右目に重大な難ありと…すまないがこれに関しては私にもどうしようもない」
スナデ
「そうですか……」
医者
「…もう1人の子について君に話しておこう」
「あの子は人一倍弱い…身体の機能が生まれつき弱いのだろう」
「無責任な話だが、守れるのは君だけだ」
スナデ
「…ありがとうございます。そのことは私が一番分かってますから」
医者
「……何かあれば私のところに来るといい」
「いつでも診てあげよう」 - 105二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 09:32:32
こうして、働き初めてどれほど経ったのだろうか私はこの仕事に十分慣れてきたし、ユキちゃんの人見知り気味なところも解釈されつつある
スナデ
「…そろそろ誕生日か」
ユキ
「スナデちゃんの? それじゃあ、去年お祝いできなかった分たくさんお祝いしなきゃね!」
スナデ
「ユキちゃんの誕生日っていつなんだ?」
ユキ
「えっ?…え〜と……ユキちゃんと同じ日で!」
スナデ
「今適当に決めなかったか⁈」
ユキ
「プレゼントの数で勝負ね!……誕生日いつ?」
スナデ
「…5月5日だ」
ユキ
「オッケー!たくさん準備してくるから楽しみにして待ってて!」
スナデ
「……プレゼントの数で競うものなのか?」 - 106二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 10:12:02
誕生日プレゼント……そもそも、こんなところで何をプレゼントに見繕えるかって話だが……
見張り番A
「いらねぇ漫画やるよ。面白さは保証するぜ」
スナデ
「いいんですか? あなたのものじゃないですか」
見張り番A
「いいってことよ……ざっと30巻くらいはあるな仕方ねぇこのキャリーごと持ってけぃ、俺からのプレゼントよ」
「後、俺がここでサボってること言うなよ?」
スナデ
「…ありがとうございます」
(既にバレてる…っていうのは黙っておくか)
その後も色々な人に物を貰ってしまった…
気づけばキャリーいっぱいにものが溜まっていた
スナデ
「廃品回収してるみたいだな……」 - 107二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 10:13:27
見張り番B
「あっ、ほらいましたよ」
ユキ
「スナデちゃん!」
屈託のない笑顔でこちらに手を振っている
彼女の持つかごの中にはたくさんのプレゼントと思われるものが入っていた
ユキ
「見て!いっぱい貰った…って凄い量だね?!」
「勝負は私の負けかぁ……」
私との勝負に負けていながらも、私がたくさんのプレゼントを持ってきているからか、その顔からは笑みが溢れていた
……そうか、私はこの子が、この笑顔が大事で…愛おしくて堪らないのだ
スナデ
「…負けた。ユキちゃんの勝ちだよ」
ユキ
「なんで?スナデちゃんの方が量多いよ?」
スナデ
「気持ちの問題……かな」