【SS】トレセンにネコがついてきちゃうお話

  • 1ゼファーχ◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:16:21

    新一年生が猫に振り回されるお話です
    以下の要素が含まれます

    ・トレ×ウマ
    ・深刻なキャラ崩壊
    キタサンブラック/キタトレ(未育成のためほぼほぼ妄想)
    サトノダイヤモンド(未所持)
    サトノクラウン(仮)/シュヴァルグラン(仮)(イラストだけでこんなキャラだろうとでっち上げ)
    ・ありえない話(ただのトレーナーが試験監督をする)
    ・酷すぎる文法及び表現
    ・即出ネタ(?)
    ・その他諸々

    のでご了承ください
    拙い文ではございますがお楽しみ頂ければ幸いです

  • 21-1◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:20:57

    「トレーナーさぁ〜ん…」

     ある穏やかな日差しがさしこむほんのりと暖かい朝。うっつら、うっつら、と高瀬舟を漕いでいると、ヨロヨロとした足取りでキタサンブラックが部屋の戸を開ける。

    「助けてください〜…」

     うなだれる彼女の後ろから、ひょこりとその友人、サトノダイヤモンドが顔をのぞかせる。

    「キタちゃんのトレーナーさん、おはようございます♪」
    「ダイヤちゃんも来てたのね、おはようございます。それで助けて…って!?どうしたの!?怪我した!?」
    「そういうわけじゃないんです…この子なんですけど…」

     キタサンブラックが腕に抱えているものを見せてくる。
     黒いモコモコとしたモノ、黒猫だ。かわいい。額の白い部分がちょっとキタちゃんっぽい。首元には真っ赤な首輪があり飼い猫だということが伺え、時折彼女の胸元に頬ずりしては気持ち良さそうに喉をゴロゴロと鳴らしていた。オイちょっとそこ代われ。羨ましすぎる。

    「ネコちゃん…ってどうしたの?だいぶ好かれてるみたいだけど」
    「登校中についてきてしまって…多分お家から出てきちゃった子だと思うんです」
    「それでどうしようってダイヤちゃんと二人で考えたんですけどラチが明かなくて…ふぇぇ…」

     なるほど家出少年ならぬ家出黒猫か。この近辺の子だろう。しかしこうも引っ付かれては彼女らの学業にも支障をきたしてしまう。学生の本分は勉強なんだ。
     抱かれている猫をどうにかして引き取り、

    「よし、たずなさん達と一緒に飼い主さん探すからダイヤちゃん達は早く行きなよ」
    「良いんですかトレーナーさん?」
    「トレーナーは学生と違って暇だからね。…いやオレだけか」
    「そういうことでしたら…よろしくお願いします。キタちゃん遅刻しちゃうから行こ?」
    「うぅ〜…お願いします…」

    勉強頑張ってねと入ってきた時と同様にヨロヨロと出ていく二人を俺と猫はぼんやり眺めながら呟いた。ありゃ相当振り回されてたみたいだ。

  • 31-2◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:22:06

    「どんだけ暴れたのかねぇ…まあいいやネコさんや、オレらも出るとしますか」

     答えるわけでもないのにそう聞いてしまうのは何故だろうか、と猫を撫でながら考える。いや〜いいねこのモフり具合。ずっと撫で回してたい。
     しかし猫は、

    「…」

    ふんっとそっぽを向いたままだ。女のコが居なくなったら急に大人しくなるとは現金なやつだ…まあ持ち上げても暴れなかったのは幸いだったけど。

     こうして一人と一匹は、たずなさんが執務中であろう理事長室に向けて歩き始めた。

  • 42-1◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:23:12

    「はい、分かりました。よろしくおねがいします」
    「というわけでトレーナーさん、私は警察署の方へ向かいますので」
    「スイマセンたずなさん…忙しいってのに」
    「いえいえ!迷子のネコちゃんもそのままでは可哀想ですからね…」

     たずなさんに訳を話したところ、警察署に取り合い首輪に入っているメモリを照会して、住所を割り出してくれることになった。最近の首輪は随分とハイテクなんだなぁ。
     あと猫自身は警察署に行かなくとも良いらしい。ならばネコ缶などある程度揃ってる学園のほうがまだ安心だとして、引き続き自分が預かることになった。

    「ところでトレーナーさん…少しご相談が…」
    「あっ良いっすよ。面倒事押し付けちゃったのオレなんで自分で良ければ何でもしますから」

     彼女ばっかり押し付けては申し訳ないので出来ることならやらねばと思っていた。が、

    「まあ!良かったです!実は……」
    「…えっ!?授業の小テストの監督をしてくれ?」
    「はい…実はその授業の先生が今朝急にギックリ腰で来られなくなってしまって…」

    マジか…まあ就活したときに教員免許あるって書いたけどさぁ…

    「お願い…できますか…?」
    「うっ………い、いや!やらせていただきます!」
    「良かった!ではよろしくお願いいたしますね♪」

     あんな目で見つめられてしまっては断ることができない。う〜ん…たずなさんあんな顔もできるのか…恐ろしい人だ。

  • 52-2◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:23:33

     しかし肝心なことを忘れている気がする。何だったかなとなんとかして猫の件を思い出したのだが

    「あっ!たずなさんネコは!…ってもう居ない!?」

    時既に遅し、すでに彼女の姿はなく部屋には頭を抱える自分と、あくびをする緊張感のない黒猫だけが取り残されていた。どうすっかな…

    「…一緒に連れていくしか…ないかぁ?」

  • 63-1◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:25:21

    「あっ!トレーナーさん!」
    「キタちゃん朝ぶり。どう間に合った?」
    「ハイ!お陰様で!…ところでこの子どうなりました…?」

     教室に向かう途中キタサンブラックと合流した。どうやら遅刻回数は加算されなかったようで一安心。

    「今たずなさんに警察署に行ってもらってね、そこで探してもらえるみたい。でこの子は暫く預かることに」
    「なるほ、ど……ん?でもどうしてトレーナーさんはネコちゃんを抱いてこっちへ?トレーナーさんの部屋って向こうですよね?」
    「その答えは今わかるよ…っと、ゴメン両手塞がってるからちょいと開けてほしいんだ」

     彼女が言われるがままに開けてくれた教室に躊躇なく入る。室内がざわめくが、まあ先に説明したほうが早いだろう。

    「よーし席についてくださいな。今日はおじいちゃん先生の代わりにオレが担当します」
    「え…ええっ!?」
    「エエーーーッッ!!??」

     キタサンブラックの声が辺りに響いた。

  • 73-2◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:25:45

    「えー本来の先生がぎっくり腰になってしまったので代わりに担当することになりました。今日の授業は復習の小テストだそうです。で、この猫は迷子だそうで飼い主さんが分かるまでしばらく預かることになりました。じゃあテスト配るよ〜」
    「トレーナーさん端折りすぎです〜」
    「えぇ?」

     前の方に座る黒髪の今どき女子、ダイヤちゃんの友人サトノクラウンだ。テスト間近になると3人に勉強を教えているのでまあまあ仲がいい。がダイヤちゃんはともかくあとの二人はあんまり点がよろしくない…何故…
     そんな彼女が抗議してきた。この説明じゃダメなのかってのもほぼ事実だからなぁ。

    「普通ネコちゃん連れて授業進めます?」
    「だって目の届かない部屋に置いといたらどうなるか分からないし…それこそ怪我させたら飼い主さんにもなんて言っていいか…」
    「…ならせめて理事長さんからゲージ借りればよかったんじゃ?」
    「(・o・)はっ!」
    「なんですかその顔…」

     ゲージ…その手があったか!そりゃあ理事長さんなら1個や2個ぐらい持ってるか。

    「クラウンちゃん天才か!?」
    「えぇ…」
    「でもまあ、もう授業始まっちゃったしこの時間だけは堪忍ね…じゃ配ってくぞ」

     まだなにか言いたげなクラウンを半ば強引に座らせテストを配る。これ以上時間を削ってはマズイ。

    「じゃあ時間になったらまた言うから。なんかあったら呼んでくださいな」

  • 84-1◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:26:59

     さっきの喧騒はどこへやら、暫くヒソヒソ話もあったものの今はちゃんと集中してテストを受けているようだ。やっぱり彼女らは根は真面目なんだろう。例外な破天荒ガールもいた気がするが…ま、静かなお陰で猫も丸くなって寝ている。
     さてとタブレットを取り出し途中だったお気に入りの推理小説でも読もうかとした時、カシャン、とシャーペンが落下する音が鳴る。

    「あっヤバ」
    「ん……どうしたクラウン」
    「ゴメンペン落としちゃった」
    「あーはいはい……今行くからちょっと待ってて」

     小テストなのに律儀なんだなぁ、と拾いに行こうと立ち上がったその時、

    「にゃっ」
    「…!ゥオイ待てゐ!」

    物音で起きてしまったらしい猫への呼び止め虚しく、教卓からスッと降りてクラウンめがけて突進していってしまった。速え!

  • 94-2◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:27:13

     タブを抱えたまま追うと、どうやら落ちたシャーペンを探してるようだ。見つけたと思えばおもむろにそれを咥える。彼女とともにそれを不思議そうに見守った。

    「おっ…おお?」

     トテトテ、と足元に近づくと咥えていたペンを離した。なるほど狩りごっこか何かと思ったのか。へー賢い。

    「にゃ〜!」
    「おぉ…おおっ!おぬし賢いなぁ…あっモフモフ…ふへへ…あっそうだ!今度遊びにい…あいたっ!」
    「テスト中にナンパ…しかもネコにするんじゃないよ…あと一応コレ」

     テストそっちのけで遊びだしたのでタブレットで小さい頭を小突く。可愛いのはわかるが…それと念の為にウェットティッシュも手渡す。汚いとは言わないがじゃあキレイというわけでもないので。
     クラウンは耳をへにょんとさせ、涙目になりながら受け取ったティッシュでシャーペンを拭いた。

    「うぅ〜…シワのないわたしのかわいいアタマになんてことするんですかぁ…」
    「今ので脳みそにしわができるなら良かったじゃないか。6バイトくらい記憶容量増えたよ」
    「…いじわる…」
    「まあそういうのは終わったあとにいくらでも出来るから…今は頑張ろう?」
    「うぅ……でもそれもそうだよね…よし!クラウン頑張るよ!」

     よーし頑張れ、とポンポンと頭を撫で、やる気を見せたクラウンを背に教卓へ戻る。しかしこの猫、油断もスキもありゃしないな…当の本人は満足したのかまた眠ってしまっている。自由奔放すぎるだろ…

  • 105-1◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:29:01

    >>9

     そんな一悶着があった以外は特に何も起きず無事テスト終了の時間になった。あー疲れた…


    「ハイそこまでー。回収するから机に置いといていいよ…ってファッ!?」


     終わった瞬間どっと生徒たちが猫を取り囲みに来る。福袋を買いに来る客を店員目線から見たらこんな感じなのだろうか。普通に怖いな…

     皆口々に可愛いとかめんこいとか言ってモコモコを堪能している。まるで大物俳優だ。


    「プボ〜!かわいいプボ!

    「プイもそう思いますプイ!」

    「コンちゃんも触ってみるプボ!」

    「いやボクは…ってちょっと…!……おぉ〜…もふもふだぁ」


     流石にこれ以上はストレスとかで脱毛症にとかになってしまうのではないかと思い止めに入った。


    「コラこらそんなにしたらストレスでネコちゃんハゲちゃうでしょー」

    「えーでもあんまり嫌がってないみたいだよ?ほらっ!」

    「えぇ?」


     先程の約束通りクラウンが抱きかかえてこちらに見せてくる。確かに触られ慣れてるのか気持ちよさそうにしていた。時折コチラをちらっと見ては羨ましいだろと言っているようにしっぽを振っている。なんか負けた気がするな…

  • 115-2◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:29:26

    >>10

    「…まあ程々にな…」

    「やたっ!」


    「あっそうだ!トレーナーさん写真撮ってよ!」

    「いいけど…スマホは?」

    「トレーナーさんのでいいから!写真は後でダイちゃんに送ってもらって!あとウマッターのQRも!」

    「えっウマッターのも!?…何に使うのか知らないけど、変なことに使うなよ?」

    「わたしそんな悪いことしないよ〜さあほらほら早く早く!」


     促されるままに自分のスマートフォンでシャッターを切る。

     ウインクしながら猫に頬ずりをする、撮ったこっちも幸せな気分になるような写真が撮れた。


    「あっお昼間に合わなくなっちゃ…じゃトレーナーさんよろしくね!」

    「おーい確認しなくていいのか?」

    「トレーナーさんの腕なら確かだから!ネコちゃんまたねっ!」


     猫を教卓に優しく戻し、嵐のように彼女は去ってしまった。元気だねぇ…

  • 126-1◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:30:20

     ブームもようやく落ち着いてきた頃、キタサンブラック達に声を掛けられた。

    「ネコちゃん大人気ですねぇ…」
    「ねーホントに。羨ましいよ…オレも生まれ変わったらネコになりたいね」
    「アハハ……あー…それでですねトレーナーさん…ゴメンなさい!さっき先生に呼ばれちゃいまして…」
    「ネコちゃんとは別件なんですけど…お昼、待っててもらえませんか!?」
    「ん、それぐらいはいいよ。オレはまだ空いてないから大丈夫。 んー…じゃあ部屋で待ってればいい?」
    「なら、私は少しお部屋片づけてきますね」
    「いいのかいダイヤちゃん」
    「先程と変わりなければ、あの狭さでは多分3人のお弁当を広げられそうにないですからね…トレーナーさんは片付け苦手みたいですし…」
    「うっ…じ、じゃあお願いします…あ、あとこれ鍵」
    「ふふっ…では先に向かってますね♪キタちゃんまたあとで」

     整理整頓できない自分が恥ずかしい…けど整理していくたびにコレもあれもってなっちゃうからなぁ…

  • 137-1◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:31:47

    >>12

     彼女たちと別れたあと、室内の視線に気がつく。


    「…グラン?」


     帽子を被る栗色の髪の生徒───シュヴァルグランだ。毎朝駐車場で少し話すので顔と名前は覚えているのだが、寡黙なのか口数は多くないので正直なところ彼女がどんな子なのかはまだ分からない。

     そんな彼女が窓際の席からじーっとこちらを見ていた。


    「どうしたの?」

    「あ…いえ、別に」

    「…?」


     帽子を深々と被り、席を立って移動する素振りを見せた。そんなとき、


    「なぁん…」

    「あっまた!」


    今度はグランの方へ走っていってしまった。女のコが居りゃどこでも行くのかコイツは。彼女の足元に近寄ると、すりすりと頭を足に擦り始めた。甘え方が上手いなぁ…

  • 147-2◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:32:33

    >>13

     そんな猫に彼女は片膝をつく。


    「ふにゃ…」

    「……ふふっ…カワイイねキミ…」

    「どこが一番気持ちいいかな…ここかな?…それとも…こっちかにゃ?」


     慣れた手付きで撫でていく。猫も気持ちよさそうにしていた。凄いなぁ…あんなにすぐ打ち解けるなんて。


    「慣れてるんだねぇ」

    「昔、ノラ猫とよく遊んでたので…それで」

    「羨ましいな。半日は一緒にいるけどまだそっぽ向かれるよオレは」

    「この子が初めてなのに逃げ出さないだけでも十分すごいです…それほど信頼されてるってことだから」


     なるほどねぇ…そういうことか。確かに撫で回しても特に嫌がることはなかったし、まあ俺より詳しい彼女が言うのであれば間違いじゃないだろう。

  • 157-3◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:34:46

    >>14

     穏やかな顔で、くすぐるように撫でる彼女を見ていて思わずスマートフォンのシャッターを切ってしまう。


    「………?」

    「あぁゴメン、いい顔だなって思って…消したほうがいいかな?」

    「…別に平気…ならその写真、私も欲しい…です」

    「そういうことなら」


     とは言ったもののどうやって送ろうか…メールのほうがいいのかと難儀していると彼女がQRを表示させたスマートフォンを差し出す。


    「私のウマッターのアカウント。これで送れるはずだから」


     表示されているQRを読み込むと猫の写真が数多く投稿されているアカウントにたどり着く。少し眺めるととある一枚に目が行く。白猫の後ろに写っているのは自分の車だ。


    「俺の車…ってことは学園にもこんな子が居るんだ」

    「うん。よく駐車場で日向ぼっこしてる」

    「ああだから毎朝…いつか会ってみたいね」

    「大体同じ時間に来るから、会えるよ」

    「そいつはいいなぁ。今度紹介してくれるかい」

    「うん…いいよ」


     そんな約束をしながら先程撮った写真を送る。


    「…いい写真だね。トレーナーは写真撮るの上手なんだ…今度私にも教えてほしいな」

    「オレで良ければいつでもどうぞ。いつかグランちゃんの写真も見てみたいし」

    「そんなに期待されると困るかな…でも、ありがと」


     初めてまじまじと見る彼女の笑顔につい見惚れてしまう。いつもの冷静沈着な面持ちからは想像できない優しい顔だ。


    「そういえば…私もお昼食べに行かなきゃ…じゃあ、またねトレーナー。ネコ君も」

  • 167-4◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:35:15

    >>15

     俺は彼女のまだ知らない一面をまた一つ知れたような気がした。

  • 178-1◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:36:43

    >>16

    「ぬわぁん疲れたも…」

    「お疲れさまでした、キタちゃんのトレーナーさん」


     テストを置きに行った帰りに猫の腹の音が目立ち始めたので購買に寄りネコ缶と水を購入。なんで購買にネコ缶なんてあるんだよ…

     そして部屋に戻るとダイヤちゃんは約束通り部屋の整理をしてくれていた。うぉすっげ…めちゃくちゃわかりやすく整理されてる…!


    「駄目ですよトレーナーさん!お部屋が散らかっている人は大成しないってジンクスがあるんですから」

    「ですので!今度整理整頓のコツ、教えますね♪」

    「面目無い…キタちゃんのためにあれもこれもってなるとどうしても周りが見えなくて…」

    「熱心なのは構いませんが…だからといって散らかすのはめっ、ですよ?」


     彼女の言うとおりだ。トレーニングのためとはいえ散らかしていいわけではない。自分の管理もできない者が担当ウマ娘の指導などできるはずがない。

  • 188-2◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:37:18

    >>17

    「ですがトレーナーさんもお腹が空いているでしょうし…お説教も、これでおしまいです♪さ、いただきましょう?」

    「うぅ…キタちゃんには申し訳ないケド…いただきます!」


     気持ちを切り替えて空腹を満たそう。今日の弁当はのり弁だ。安いと侮るなかれ、白身フライやきんぴらなど色々なおかずが入っているだけあって満足感がデカイのだ。まさに貧乏人の切り札だ。

     対する彼女の弁当は…えっコンテナ!?デカすぎんだろ…


    「…やっぱウマ娘ちゃん達はよく食べるんだなぁ…」

    「…?トレーナーさんはその量で足りるんですか?」

    「ビンボー人だからさ…けどこれもこれで量はある方なんだよ?」

    「ん〜でも、マックイーンさんが"人を良くすると書いて食べる。なのでパクパクは正義ですわ!"と言っていましたよ?」

    「…あの先輩は食べることに関しては人一倍熱くなるな」

    「なのでもし良かったらおかず、いくつかあげましょうか?手作りなので口に合うかは…」

    「手作り!?ホント!?やったぜ!!」


     キタちゃんが「ダイヤちゃんのお弁当ってすっごく美味しいんですよ!ちょっと辛い感じはありますけど、それがまたご飯がすすむんです!」なんて言っていたので願ったり叶ったりだ。

     早速貰った唐揚げを頂く。…おお!確かにピリ辛というよりはしっかりとした辛さだが、これは本当にご飯がすすむぞ!


    「マジで旨いよコレ!毎日食べたいくらい!」

    「まあ!お口に合っていたようで良かったです!」

    「いやあほんと……む?」

  • 198-2◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:37:48

    >>18

     鋭い視線に気がつく。その主は…猫だ。


    「……ません…」

    「へ?トレーナーさんどうか…」

    「あげません!!コレはオレがダイヤちゃんから貰ったの!だからダメ!」

    「あぁネコちゃんに…匂いにつられちゃったのかな?…トレーナーさん大人げないですよ〜」


     今にも飛びかからんとする猫に威嚇し返す。


    「う〜ん…なにかネコちゃんが食べられそうなのは…これかな?」


     彼女がコンテナから手のひらに茹で鶏を乗せて差し出した。それを猫が今日イチの速さで飛びつく。速えー…


    「んにゃ…!」

    「ふふっ…どう?おいしい?」

    「にゃん♡」


     お気に召したようで無我夢中で食べきってしまった。早いなー。でもお前先にネコ缶食ってたよな…?

     そして満足したのかまた眠りこけてしまう。しかも飛び乗った彼女の膝の上でだ。羨ましい…けど、やっぱ画になるなぁ。

  • 208-4◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:38:25

    >>19

     そんなことを思っていたらまた無意識にシャッターを切ってしまった。


    「やっぱりネコちゃんは可愛いですねぇ…よしよし」

    「(カシャッ)」

    「…!トレーナーさん!?」

    「…ああごめん!ついクセで…」

    「もー…ちゃんと許可取らないとダメです!」

    「…ちゃんと許可取ってくだされば、いくらでも♪」

    「それもそうだね…じゃああらためて…写真、撮らせてください!」

    「はい!喜んで!」


     そう言いつつも彼女はカメラを意識せず、先程と同じように優しくなでていた。やっぱメディア慣れしているだけあって撮られ方がうまいなぁ…

     渾身の一枚が撮れたところで、サトノクラウンに頼まれていたお使いと同時にダイヤちゃんのアカウントに送る。クラウンのお使いの訳を話すと、彼女は快く了解してくれた。


    「そういえば…なんだかまだ幼かった頃の弟を思い出しますね」

    「弟くん?結構年離れてるの?」

    「いえ、そこまで離れてはいないんですが…昔みたいに構ってくれなくて…」

    「まあ誰だってそういう時期はあるよねぇ…まあそれも成長の証だよ」

    「そうだ今度弟くんに会わせてくれないかな?男同士だから言いづらいことも言えるだろうし」

    「いいんですか?」

    「困っているなら見過ごすわけにはいかないさ。キタちゃんの友達なら尚更ね…てなんだかキタちゃんに似てきたな…」

    「まあ!では今度の土曜日なんてどうでしょうか?」

    「土曜…ヨシ!その日は何もなかったし、キタちゃんも連れて行きますか!」


     そんなことを話していたら、遅れてキタサンブラックが帰ってきた。


    「お疲れ様〜」

    「う〜長かったぁ…って!トレーナーさん!待っててって言ったじゃないですか〜!」

    「……?あっゴメン!すっかり忘れてた!」

  • 21◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:39:52

    >>20

     長かった一日も終わり日が沈みかかる頃、たずなさんに呼ばれた。


    「トレーナーさんお疲れ様です!迷子のネコちゃんの件なのですが…」

    「お疲れ様です。何か進展ありました?」

    「飼い主さんのお宅が分かりました!川向うの商店街にある八百屋さんだそうです!これがその地図です」


     たずなさんから手書きの地図を受け取る。可愛らしいまるっとした字で簡単な道のりが書いてあった。…この商店街はいつも通ってる所だ。お財布に優しくモノも良いため、この時間から混みだす。流石に店を閉めて来てもらうのは通わせてもらってる身からすれば心苦しい。


    「あー…んじゃあこちらから向かいますよ。八百屋さんなら店を閉めるって厳しいですからね…この時間じゃ特に」

    「…大丈夫ですか?」

    「ええ全然!あとはキタちゃんのトレーニングをどうするか…」

    「あたしも行きます!」

    「うおっ!?びっくりしたなぁもう…」


     後ろから不意に声をかけられる。俺のノミの心臓壊れちまうよ…


    「あたしがネコちゃんを連れてきちゃったようなものなので…謝りに行きたいんです!」

    「キタちゃん…いいのかい?」

    「それにトレーナーさんだけ怒られるのは辛いですから…」

    「あらあら…ではトレーナーさん、キタサンブラックさんのこと、よろしくおねがいしますね?」

    「…ウッス!」

  • 22◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:41:14

    >>21

    「朝ぶりのもふもふ…う〜ん!カワイイ!」

    「…オレもそれくらい懐かれたかった!!」


     猫にどっちに運ばれたいか選ばせてみたところ、真っ先にキタサンブラックの方に飛んでいった。辛い…辛すぎる…やっぱり女のコには勝てんのよ…男はよ。

     歩くこと10数分、賑やかな商店街にたどり着く。目的の場所はこの先だ。


    「お、ここだな」


     こじんまりとはしているが結構繁盛している。珍しい冷やし人参を求めて買いに来る学園の生徒も何人かいた。冷やしキュウリみたいな感じなのだろうか。

     意を決してメガネをかけた初老の男性、多分この八百屋の店主だ、に声をかけた。


    「あの〜…すみません」

    「ん…?あ!うちのコの!」

    「すいませんでした!勝手に保護といいますか…連れて行ってしまって申し訳ないです!」

    「ごめんなさい!あたしが連れて行っちゃったばっかりに…!」

    「本当にすいません…この子だけは勘弁してあげてもらえませんか…?助けようとしていたみたいで悪気は無いんです!」

    「お二人さん落ち着いてくださいな…」

    「私の方こそ申し訳なかった…最近このコを散歩に連れてやれなくてねぇ…本当にありがとうございます」

    「お嬢さん…本当にありがとう...! なんてお礼をしたらいいか…そうだ!」

  • 23◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:41:41

    >>22

     おーい、と後ろで作業していた奥さんに声をかけた。


    「この人たちがうちのコを保護してくれたんだよ」

    「あらまあ!じゃあお二人さんこれ持ってって!遠慮はいらないよ!」


     袋にはパンパンに詰まった人参、じゃがいも、玉ねぎ、その他諸々が。


    「あなたキタサンブラックちゃんでしょ?レース見てるわよ〜惚れちゃった!アタシ達も応援するから!今度のレース頑張ってね!」

    「私達は八百屋だからこれぐらいしかできないけど…これでそこの彼氏さんにカレーでも作ってもらって!応援してるよ!」


    「おじさん...っ!おくさん…っ!ありがとうございます!あたしは幸せものです!」

  • 24◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:42:07

    >>23

     キタサンブラックという言葉で店内がざわめく。


    「あら〜!あなたがキタちゃんさんね!テレビでも思ったけどカワイイ顔ねぇ〜!レース頑張ってね!」

    「は〜君があの!よかったらうちの店にも寄ってってよ!サービスするぜ!」

    「あなたがあのキタサンブラックさん!?ヤバ初めて生で見た…!!今度のレース頑張ってください!」

    「おねーちゃんはやいんだよね!ぼくいっつもおうえんしてるよ!」


     主婦や他所の店の人、学生から子どもまで一緒になって応援してくれている。彼女の頑張りは皆の心に響いているようだ。俺も目頭が熱くなっちゃうよ…


    「みなさん…っ!ぐすっ…ありがとうございます…っ!」

    「ほらそんな泣かないの…べっぴんさんが台無しよ?」

    「だって…おくさん…ううっ…!」

    「その涙は勝ったときまでとっときなさい。そのときはめいいっぱい泣いていいから!あとはあのカレシに慰めてもらいなさいな」


     店主の奥さんは泣き止むまで彼女の肩を優しく抱きとめるのだった。

  • 25◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:42:58

    >>24

    「ところでスミマセンおとうさん」

    「ん?なんでしょう」

    「ネコさんのお名前、なんていうんでしょうか?自分の予想では…漱石くんだと思うんですがね」

    「ははっ!ちょっと惜しいですね…このコはアサちゃんっていうんです。ほらあのアガサ・クリスティから」

    「あー!そっちでしたかぁ…ん…?ちゃん?ええ!?女のコ!?」

    「トレーナーさん気づかなかったんですか!?」


     うそでしょ…キタちゃんわかってたの…?というか女のコなのに女のコにべったりだったのかよ!騙された!

     俺はヘロヘロと膝から崩れ落ちてしまう。


    「は…ははぁ…」

    「あぁお兄さん!しっかりして!」

    「オレ…女のコにモテないんすかね…」


     とそこへ漱石くんもといアサちゃんが寄ってきた。そしてひょいっと膝に乗ってくれた。あっちょっと暖かい。


    「にゃ〜」

    「慰めてくれるのかい…うーんその優しさがなおのことツレーよぉ!」

    「珍しい…私にですらあんまり膝に乗らないのにこんな懐くなんて…お兄さん何したんです?」

  • 26◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:44:14

    >>25

     二人でパンパンになった袋を手に学園に戻る。これだけあればカレーを作るのには不自由しないだろう。帰ったら食堂を貸してくれるよう頼んでみるか。


    「皆さんとってもステキな人々でしたね!」

    「これもキタちゃんの頑張りがあってこそだよ」

    「これもトレーナーさんが居てくれたからです!」

    「…ぷ…はは!なーんか同じこと言っちゃったね」

    「あはは!確かにそうですね!」

    「……はぁ…彼氏さんかぁ」


     あの奥さんオレを彼氏とか…ナイナイ!絶対ない。彼女もこんなやつは眼中にないだろう。

     なにか話題を変えようと、あのアサちゃんを思い出す。


    「はぁ…ネコ」

    「トレーナーさん…やっぱり寂しいですか?」

    「まあ最後の最後でデレられちゃうとねぇ…あのモフモフが恋しいよ」


     オレもネコ飼おうかしら…あーでも会えないときが寂しくなっちゃう!辛えわ…とかなんとか思っていると、

  • 27◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:44:43

    >>26

    「トレーナーさん!」

    「ん?キタちゃん?」

    「き…キ…!」


    なんだろう。き…キモイ…?そんなこと言われたら立ち直れないかも…

     けれど彼女の行動は予想を遥かに超えていた。肘を曲げた状態から腕を上げ、手の指をグーのように丸める。それはまるでネコのポーズみたいだった。


    「き、キタにゃんブラック...! です…にゃん!」


     訂正、正真正銘のネコだ。きたにゃんぶらっく…キタにゃんブラック!?!!?ヤバ尊すぎる。言葉よりも先に体が動いていた。モフりたい、その一心で彼女に迫る。どうしよう止められる気がしない。


    「トレーナーさん…?あっ…やんっ!?みみ…みみはだめ…ひゃっ!そんなに撫でちゃ…んんっ…!!あっ!…あぅぅ...! ...だめぇ…っ!ああんっ!!」


     1分ぐらいは撫でていた気がする。気づいたときには腰砕けた彼女が目の前に。


    「…はっ!オレは何を…ってキタちゃん!?」

    「…耳はだめって言ったのに…うぅ…これじゃお嫁に行けないよぉ…」


     えっ?オレ?マジ?ついに教え子に手をあげて…?とりあえず謝るために涙目の彼女に優しく話しかけた。

  • 28◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:44:59

    >>27

    「…ねえキタちゃん…」

    「…なんですか…?」

    「たい焼き、食べに行かないかい?」

    「…それでチャラってことじゃないですよね…?」

    「うっ…本当にゴメンナサイ…無意識で…」

    「イヤです!…でも……これで少しは寂しくなくなりましたか…?」

    「うん…ありがとうキタにゃん…」

    「にゃーーーーーっ!!忘れてください!!」

    「いやーあれを忘れろはキツイでしょ…あーっ!写真撮っとけば良かった!ねえねえキタにゃんもう一回やって…」

    「絶っっっ対イヤです!!!(バシッ)」

    「アーオッ!」


     しっぽで思いっきりぶっ叩かれてトムみたいな声が出る。いやほんとに痛い。ケツ4つに割れてないよね…?


    「…やるなら二人きりのときだけです…」

    「おーいてて…って何か言ったかい?」

    「何も言ってないですっ!これはたい焼き5個…いや!10個は!」



     猫がいた非日常は嵐のように過ぎ去った。けれど、居た記憶は忘れることはできないだろう。オレはまた会えるかも、なんて気がしてならない。ともかく、キタちゃんが運んできたのはただの黒猫ではなく、幸せを運ぶ猫だったのは間違いない。なにせ商店街の人々も彼女を応援しているのだ。これはきっと彼女にとってもオレにとっても幸せだったに違いない。あとキタにゃんも見れたしな。



     翌朝。読みそびれた小説を読んでいると、キタサンブラックが部屋の戸を開けた。


    「トレーナーさぁーん…またです…」

    「えっまたぁ!?」


    おわり

  • 29ゼファーχ◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:45:32

    28レス!?やりすぎたわ…

  • 30二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 21:52:08

    お疲れ様です。なんかもうみんな可愛いね

  • 31ゼファーχ◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 21:53:42

    全文字数11,806文字ですね
    完全に掲示板に乗せる文量じゃない気がする

  • 32ゼファーχ◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 22:00:55

    と思ったけど探偵タキオンさんのほうが遥かに多かったわ…
    俺もあれぐらいキレイに書きたいものですね…

  • 33二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 22:01:38

    はぇ〜力作

  • 34ゼファーχ◆4soIZ5hvhY22/04/22(金) 22:05:57

    文字数だけ立派じゃ意味が…
    なのでキタちゃんの可愛いスクショください(飽食)

  • 35二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 22:24:00

    なんとなくシンパシーを感じたのでスクショミスったちょっと色っぽいキタちゃん
    応援してますので色々書いてください

  • 36二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 22:30:22

    >>35

    ありがとうございます…!

    1レスSSとか割と書いてたので行けるか?と思ってたんですが…まだまだ文豪への道は遠いなぁと感じた次第です


    艶めかしい目のキタちゃんもいいッス

  • 37二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 23:19:30

    ではクイズSSに載ることを祈って
    ほな…

  • 38二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 02:00:33

    このレスは削除されています

  • 39二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 02:01:11

    このレスは削除されています

  • 40◆4soIZ5hvhY22/04/23(土) 02:02:35

    ちょっと蛇足を
     貰った唐揚げを頬張りながらダイヤちゃんに疑問に思ったことを聞いてみる。
    「そういえばダイヤちゃん」
    「なんでしょうトレーナーさん」
    「いつから辛党に?こういうのってきっかけってあるじゃん?いやない人もいるけど」
     生まれつき辛いものが好きって人も居ないわけではない。が彼女はそうではなさそうだ。
    「ん〜…でも最近ですよ?小学校の卒業の頃ですかね。辛いのが好きになったのは」
    「たしかに最近といえば最近だね。でもなんでまた」
    「味わったことのない味に、憧れってありませんか?」
     あー、知らないラーメン屋に飛び込んで見る感じなのかもしれない。それはまあ憧れというか冒険心って感じだ。
    「というと…まあオレらで言うところのラーメン屋開拓とか?」
    「そんなところでしょうか…それで私の家はカレーが出る日があるんですが…その際勇気を出して中辛を試してみたんです!」
     思い切りがいいなぁ、と水を飲みながら思い、さらに質問を問いかけてみる。
    「じゃあそれで完食してって感じで?」
    「それが全く完食できなくて…両親に頼んでなんとか食べていただいて…」
    「あらら…でも普通それじゃ次も食べようだなんて思わないよね」
    「そうなんですが…逆に"次は絶対完食しよう!"って」
    「へ〜…そういうこともあるんだ」
    「そこからのめり込んでいった。というのが私の辛党遍歴ですね」
     なるほど逆に食べきってみようと。凄いハングリー精神だ。
    「ちなみにその中辛カレーは無事に完食できるように?」
    「お陰で今では私だけ辛口に…」
    「あれま…そんなことが」
    「そういえば…トレーナーさんも辛党なんですか?
    「流石にドトウさんみたいには行かないかな…けど食べ始めたキッカケはあったよ」
     あれは確か…友人と飲みに行ったときだったか。
    「友達と居酒屋でチゲ鍋を食べてたのよ。これがまあ旨くて…ただその鍋、唐辛子がアクセントで入ってたんだ。最初のうちは分けて食べてたんだけど、最後の方で鍋のスープも食べてたときにガリっと…」
    「うう…想像しただけで口の中が…」
    「最初は"あれ?こんな味のしないプラスチックみたいなの入ってたっけ"って。気づいたときはもう大爆発だったよ…息を吸うたび激痛が…そのおかげか割と辛いのもイケるようになったんだ。まあ食べてよかったのかもしれないね」
    「中々刺激的なデビューでしたね…」

  • 41二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 02:03:39

    文章多くてすごい

  • 42◆4soIZ5hvhY22/04/23(土) 02:04:02

    ※トレーナー以降は実話です

  • 43二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 12:19:52

    広がれ保守

オススメ

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