- 1◆rRSKfk6hIM25/09/07(日) 16:45:52
「ただいま……」
「……おかえり、なのだ」
その日のルドルフはいつにも増して疲労の色が濃かった。それを隠そうともせず、カバンを置くなり手早く制服を脱いで壁に吊るす。
そして髪を纏めると下着に手を掛けた。
「わ、お風呂まだだったのだ?」
「ああ……すまない。今の時間だと無人の可能性があるから、万が一があるといけないのでね。今日は熱いシャワーで済ませて休むとするよ」
「……お疲れ様、なのだ。ウインディちゃんもう寝るから、会長さんもお休みなのだ」
「うん……お休み」
言葉少なにシャワー室に入るルドルフの背を見つめ、ウインディはその疲労を偲ぶ。
生徒会長と言えども一生徒である彼女に日々これ程の激務を負わせる、こ……こんな事が許されてええんかと。
そしてウインディが考え出した策はと言うと、だ。
(ふっふっふ、会長さんの布団に潜り込んで脅かしてやるのだ!仕事の憂さもフッ飛ぶのだ!)
「おや……本当に寝たのかウインディ、もうこんな時間だからな。私も早く休むとしよう」 - 2◆rRSKfk6hIM25/09/07(日) 16:46:55
自分の布団は寝ているように周到に膨らませてあるので、疲弊したルドルフは全く疑問も持たない。
パジャマを着る衣擦れの音を聞きながら“その時”を待つウインディに、ふと疑問が浮かんだ。
(あれ……コレ本当に会長さんのためになるのか?なんか余計な疲れのタネにしかならないような……スゴく怒らせたらどうしよう……)
しかし今さらどうにもならない。常夜灯に切り替え、欠伸を噛み殺したルドルフが布団を捲ると、無事ご対面である。
「……ウインディ……?」
「……が、がお〜!驚いたのだ?はっはっは、さらばだ!」
起き上がって自分のベッドに戻ろうとしたウインディの肩にルドルフの手が乗せられる。
さほどの力を込められてはいないその手はしかしピクリとも動かせず、ウインディの脳裏に“捕食者”の存在をまざまざと感じさせた。
「いけない子だ」
「あ、あの、会長……」
「おっと、私は怒っているのではない。ただ悪戯は時と相手を選ばないとな……今の私には、あまり余裕はないんだよ」 - 3◆rRSKfk6hIM25/09/07(日) 16:47:57
肩をやんわりと押され、元通り布団の中へと収まるウインディ。さっきと異なるのはルドルフが一緒だという事。
よく干されたパジャマの匂い。シャワーを浴びたルドルフの肌の匂い。そして息の匂い。
今やそれらが混然となった小さな密室に、ウインディは閉じ込められていた。
そして背に回された腕に力を込められる事で密室は更に小さくなってゆく。
「私とて無敵でも不死身でもない。心身の休息は必要だ」
「ごめんなさい、なのだ……」
「怒ってはいないと言ったろう?良いものだな、人肌の温もりというのは。
……そうだな、悪戯のお仕置きとして、今晩は私の抱き枕となって貰おうか……ウインディ」
ルドルフの腕の力が弱まってゆく。完全に寝入ってしまえば抜け出すのは容易だろう。
いや、むしろ一分一秒でも早く逃げ出すべきだ、そうしなければ何か取り返しのつかない事になるような、そんな本能的な予感がウインディを急き立てていた。
一方でまたウインディは、このまま流されたい、ルドルフの胸に抱かれていたい、という思いに次第に囚われつつある。
それはルドルフが意外にもイタズラを受け入れ、当初の目的を別な形で果たせそうであるからでもあり、またこの抱擁が予想だにせず心地良かったから。
「会長さん……」
「ウインディ……」
自分もルドルフの背に腕を回しそっと身を寄せる、それがウインディの答え。
そして意識が揃って夢の中へ落ちる頃、二本の尻尾も仲良く絡みあっていたのだが、それを二人が知っていたかは明らかでない。 - 4◆rRSKfk6hIM25/09/07(日) 16:48:59
ピピピ……ヂヂヂ……二つの小さなアラームがほぼ同時に鳴る。
目覚めてみればウインディは一人、自分のベッドにいた。
「おはようウインディ」
「あ、おはよう……会長さん」
ルドルフの様子も普段どおり。まるで昨夜の一件が、丸ごと全部夢だったかのようにも思えたが――
上体を起こして着替えようとした時、ふわりとルドルフの残り香が立ち昇る。ぼっ、と赤面する思いがした。それでもルドルフはやはり涼しい顔だ。
「それじゃ……行って来るのだ」
「ああ、待ってくれ」
迷いを断ち切らんと駆け出したいところに、迷いの大元がやって来て横に並んだ。
「な、何……?」
「お陰で久しぶりによく眠れたよ、あんな悪戯なら大歓迎だね。またお願いしたいくらいだよ」
やはり夢などではなかった。そしてウインディの肚の裡を探るように、尻尾同士をソワソワと撫で付けて来る。
決して力で押し切るような素振りは見せず、微かに触れ合う程度に。
「あぅっ……」
またもや顔が紅潮してゆく。しかし表情に反して、ウインディの尻尾はルドルフのソレを実に滑らかに追い、強く絡め取る。
「今日はそんなに遅くはならないだろう。待っていてくれるかな、私の悪戯っ子さん」
ウインディは尻尾をますます力ませ、黙って頷く事しか出来なかった。 - 5◆rRSKfk6hIM25/09/07(日) 16:50:09
終了 ウインディとルドルフ、同室だったら一体ど〜なっちゃうのかな?
- 6◆rRSKfk6hIM25/09/07(日) 16:51:22
元スレ
ウインディちゃんとカイチョー同室概念|あにまん掲示板確定してない今だから出来る妄想もとい「カイチョーがいないと寝付けないウインディちゃん」概念bbs.animanch.com古くから噂されながら未だ明らかにならない=同室ではない、との説が有力ではありますが……公式発表されない限りは夢を見ていられる!
- 7二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 16:57:40
あの…とても叡智で読んでいてドキドキしましたし、直接的な表現はあまり無いのにここまで淫靡にできるのもすごいなと スレ主さんの字書きとしての技量を感じます
この表現で合っているのかわからないんですが、カイチョーの雄みがすごくすごかったす…ドギマギが止まらんかった…
ウインディちゃんみたいな幼い感じの子がカイチョーに完全に堕とされてるのも叡智すぎて非常に刺さりました 控えめに言って最高です - 8二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 18:02:30
めっちゃドキドキした……好き
- 9◆rRSKfk6hIM25/09/07(日) 18:53:53
- 10二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 20:49:16
いっしょに寝てるだけなのにその…フフ…
- 11二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 20:58:32
こんなCPが有ったとは…私の中に新しい可能性が生まれました、とても良いですね
良い意味でガキな娘が大人にドギマギさせられるの良いです、ウインディちゃんだと特に - 12◆rRSKfk6hIM25/09/07(日) 22:08:50
- 13二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:25:41
ほう 同室妄想ルドウイですか…たいしたものですね
会長の仮面を抜いたルドルフは独占欲の効率がきわめて高いらしくレース直前に愛飲するツルマルツヨシもいるくらいです
それに会長さん呼びと同衾
これも即効性のウマウマ食です
しかもドッキリもそえて悪戯バランスもいい
それにしても同室不明だというのにあれだけ補給できるのは超人的なss力というほかはない - 14二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 23:32:26
どっちも好きなキャラなので命が助かりました
まずウインディちゃんからルドルフへの呼び方が「会長さん」な時点から知らなくてそこですら栄養価が高いのにこんなに良いSSを読ませていただいて感謝しかない
最低限の接触で最大限の耽美な印象を味わえて本当に読めたことが幸運ですありがとうございました - 15◆rRSKfk6hIM25/09/08(月) 00:44:30
感想ありがとうございます!
抜いちゃってますよ~ww危ない危ない💦
ガッツリ叡智が出来ないからこその味わい、あると思います
呼び方については以前からこのサイトを参考にしていたのですが、あまり更新されなくなって来てるかも……
SandBox/呼称一覧 - ウマ娘 プリティダービー 攻略 Wiki呼称一覧関連ページ: キャラクター一覧※当ページは作成途中です※概要ホームボイス、育成イベント、ウマ娘ストーリー、サポートカードイベント、ストーリーイベント等で確認できる呼称の一覧。一部umamusume.wikiru.jp