【閲覧注意】サクラコン

  • 1二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 20:49:53

    かなりのストレスを感じながら、これを書いています。今夜にはもう、生きていないでしょう。頼みの綱のコーヒーも尽きました。これ以上、苦しみには耐えられません。この古書館の窓から、下のトリニティの通りに、身を投げることにしましょう。カフェイン中毒が原因で、身体が弱り、精神も堕落したのだと考えないでほしいです。乱雑に走り書いたこの文章を読んでもらえば、完全に理解するのは無理にしても、一体全体なぜ私が忘却や死を望んでいるのか、見当はつくと思います。

  • 2二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 20:51:05

    稀覯書と思わしきを修理していた折に、その本がシスターフッドの前身組織、ユスティナ生徒会の貴重な資料だと気づいたのは広い一人っきりの古書館の中でした。すぐに私は何とかこの事実を伝えようと思いました。しかし、もしかすると秘密裏に処理されてしまうかもしれないと思い、複製を作ることにしました。何とか精巧なレプリカを作り、古書感の蔵書の一冊にすることができました。

  • 3二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 20:52:24

    ようやく自由に、報告できる状態になりましたが、シスターフッドの上層に位置するサクラコさんがどこにいるのか、まったく分かりませんでした。あまり外出する身ではなかったので、シスターフッドの教会にいるとなんとなく推測するしかできませんでした。シスターフッドの教会に着くと丁度タイミングが悪くサクラコさんはいないとのことだったのでマリーさんのご厚意で教会で待たせてもらうことにしました。その際うっかりと微睡んでしまい、起きたときには外が暗く、あまり外出する人がおらず、教会には人がいないであろう時間帯にまで眠ることになってしまったのが私のミスでした。

  • 4二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 20:53:42

    状況が変わったのは、寝ている間でした。何が起きたか、詳しくはわかりません。というのも、夢にうなされ、よく眠れなかったとはいえ、ずっとまどろんでいたからです。ようやく目が覚めると、真っ黒なハイレグのテラテラした服に光が反射していました。それを着ていたのはサクラコさんでした。

  • 5二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 20:56:30

    けたはずれの、予想もつかない風体の変化に、まずは驚いたのだろうと思われるかもしれません。しかし、本当のところ、驚きよりも恐怖の方が大きかったです。教会の空気やサクラコさん自体に不吉な気配があって、体の芯まで凍るようでした。辺りには教会らしい静謐さが漂っており、完全な静けさの中、不毛な無限の空間に宿る言いようのない恐ろしさは、ひょっとすると言葉だけでは伝わらないかもしれません。

  • 6二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 20:58:33

    「ハナコさんは破廉恥などと言っていましたが……この礼装はユスティナ聖徒会が残した……。」
    怪しげなサクラコさんの発言が微かに聞こえました。それでも、あたりの静けさが完全なことと、場所がサクラコさんの領域であること、まさにそれらが心に重くのしかかり、吐き気を起こさせるような恐怖を覚えました。

  • 7二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:02:54

    月は仄かに大地を照らし、雲ひとつない無慈悲な空は黒いと言ってもよく、あたかも目の前の真っ黒なハイレグを映すかのようでした。教会の椅子に這うように入り込みながら、この状況を説明する理屈はたった一つしかないと気づいた。私が勝手に機密にすべき文書を複写したことに、サクラコさんが気づき、教会という自分たちの場所で処理しようとしたに違いありません。教会の中はだだっ広く、いくら耳を澄ませても、サクラコの独り言は聞こえませんでした。

  • 8二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:12:00

    数十分間、ベンチの中で考え、思い悩みました。明かりは少なく、窓からの光だけであったため教会の中は比較的陰でよく見えない部分でした。時間が経つと、サクラコさんは何処かへ行っていなくなりました。もう少しすれば、歩いて動くのに十分なほど安全になると思えました。救援の可能性を求めて、教会を出ました。そうして何とかあの恐怖の場所から抜け出すことができました。

  • 9二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:18:42

    なぜかは分かりませんが、その夜は狂気じみた夢を見ました。欠け始めの、幻想的な形の月が西に沈み始める前に、冷たい汗をかいて目を覚まし、もう眠らないことに決めました。さっきのトリニティ全域に頭のおかしいハイレグが流行る夢をもう一度見るのは、とても耐えられないからです。月の光を浴びながら、日中に本を複製したのは馬鹿なことをしたと思いました。あの本がなかったら、今頃はこんなことになっていなかった。そう後悔してただ時間を耐えていました。

  • 10二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:24:06

    恐怖で呆然とする一方、早くあの痴女に絡まれないようにしなくては……特にあの痴女はシスターフッドともそれなりに関わりがあったはずと思い、逃げ出しました。その時、突然、私はそれを見ました。背中を丸めて向かってくるそいつは、暗い街灯の通りを出て、視界に滑りこんできた。恐ろしいトリニティの戦略兵器は、悪夢に出てくる恐ろしい怪物のように、ハナコに向かって突進しました。
    「キヒャヒャヒャハハァ!」
    と奇声をあげながらハナコに手錠を巻き付けると、ツルギはまた頭を垂れて、ゆっくりした一定の声を発した。
    「夜中とは言え普通に公然わいせつだ。とりあえず檻の中に入ってもらうぞ。」
    私はその時に狂ってしまったのだと思います。

  • 11二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:27:37

    半狂乱で坂を下り、古書館のところに錯乱しながら戻りましたが、その時のことはほとんど覚えていません。多くの歌を歌い、歌えないときは奇妙な笑い声をあげたと思います。古書館に到着して間もなく、小粒の雨が振り始めたのをぼんやりと覚えています。少なくとも、壁が大きく崩れた時にしか発しないような轟音を耳にしたと思います。

  • 12二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:37:26

    気が付くと、救護騎士団の病室にいました。奇声を上げながら古書館に向かうところを見て、心配したセリナさんが、古書館の真ん中で私が倒れているを見つけ、病室まで運んでくれたのだそうです。錯乱しながら多くのことを話したが、ほとんど相手にされませんでした。教会でサクラコさんがハイレグを着ていたことについて、救助してくれたセリナさんは何も知らなかった。それに、彼女らが信じられないだろうことについて、あれこれ言っても意味がない。一度、マリーというシスターに、ユスティナ聖徒会に関する伝説について、相手に笑われるような風変わりな質問をしたことがあります。しかしすぐ、彼女が絶望的なまでに常識的であるのが分かり、質問をやめました。

  • 13二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:39:16

    夜、とりわけ、欠け始めた月が満月と半月になる頃、あのサクラコが見える。コーヒーを試してみましたが、カフェインによって得られたのは一時的な安らぎだけで、私は絶望的な奴隷のように黒く濁った液体から離れられなくなってしまいました。だからもう、全てを終わらせるつもりです。一部始終は書き終えました。同胞たちにとって何かの参考になるか、あるいは単に馬鹿にされ笑われるのかもしれません。よく自分自身に問いかけます。あそこで見たのは、すべてではないにしろ、単なる幻だったのではないか?教会から逃げ出した後、遮るもののない街灯で目をやられ、戯言をわめきながら見た幻覚ではなかったか? こう自問すると、それに答えるように、恐ろしいイメージがいつも鮮明に浮かび上がる。本のことを考えようとすると、あの名前もないハイレグを思い出し身震いします。まさにこの瞬間にも、あの教会をじたばた這い回っているかもしれない。よく考えれば直した本を依頼したのもシスターフッドだったような気がしてきました。全ては私を破滅させるための陰謀だったのかもしれません。

  • 14二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:43:06

    終わりは近い。ドアのところで音が聞こえます。何か黒いシスター服が、ドアをノックしているような音です。見つかりはすまい。神よ、あの手が! 窓に!窓に!

  • 15二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:44:33

    その後、窓から飛び降りたウイは失神し、救護騎士団により救護を受け、意識を取り戻した後団長に小一時間説教され、サクラコからは前から言っているように無断での複製が問題となるのであってきちんと報告してくださいという極めて常識的な発言をされた。そして恐る恐るハイレグについて聞いたところ、顔を真っ赤にして
    「見ていたんですか……!?あれは……その……」
    と言った後に
    「誰にも言わないでください。いいですね、ウイさん。今回のことは不問としますので。」
    と寒気のするような笑顔で言われたのでウイはやはりいつか消されるかもしれないと思った。

  • 16二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:46:30

    元ネタ

    H. P. ラヴクラフト「ダゴン」(大堀竜太郎訳)


    H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 大堀竜太郎訳 ダゴン DAGONwww.aozora.gr.jp
  • 17二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:48:28

    なんか翻訳くさい文章だと思ったらやっぱりか

  • 18二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:55:18


    冒涜的な話だね

  • 19二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:56:36

    全編通してほとんどウイが勝手に陰謀を想像して逃げ出しているか自業自得で草

  • 20二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:45:49

    ちゃんと元文章をきっちりやってるの初めて見た
    「窓に!窓に!」って窓から怪物が来てるんじゃなくて
    怪物がノックしてるから逃げるために窓に向かってるんだよね
    キヴォトス人は頑丈で良かった……

  • 21二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:48:53

    カクリコンかと思ったらちがった

  • 22二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:53:08

    よかった…翻訳の関係でよく勘違いされる窓にスパイダーマンみたいに張り付くハイレグの変態はいなかったんだね

オススメ

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