【閲覧・CP注意】ここだけ読心可能なキラアスpart5

  • 1125/09/07(日) 21:16:59
  • 2125/09/07(日) 21:22:06
  • 3125/09/07(日) 21:24:19

    【キラ・ヤマト】

    引っ越しによりアスランへの執着心が上がって以降、その感情が止まることを知らない独占欲も最高なスーパーコーディネイター。アスランと結婚したい(なお恋愛感情は…?)

    連合への好感度は27。デュエル(イザーク)を敵視している。

    本編とは違っていっぱい食べてちゃんと寝てる。



    【アスラン・ザラ】

    キラがとても大好き。恋心を自覚したら色々恥ずかしくなってきた。どうにかしてあの手この手でキラの気を引きたがっている。負けず劣らず此方も重たい。

    とにかくキラが心配、キラを守りたいの一心で動いており、極めつけに自爆していっぱい怒られた。

  • 4125/09/07(日) 21:26:59

    【ラクス・クライン】

    アスランの婚約者。彼の恋を応援している。そのお陰か仲は良好の様子。アスランのことを弟としてとても可愛がっている。

    キラにフリーダムを渡したり、アスランを叱ったあと慰めたりと、お姉ちゃんは強い。



    【カガリ・ユラ・アスハ】

    砂漠でロケランぶっ飛ばすとんでもお姫様。キラのことを面倒みてやらなきゃ…と思っている。キラとアスランの恋愛模様にずーっと巻き込まれ中。

    アスランにサムシングボロードとして護り石を貸し与えた。

  • 5125/09/07(日) 21:29:40

    【イザーク・ジュール】

    アスランは負けたくないライバル兼友人…なのだがつい世話を焼いてしまう苦労人。顔に傷を負ったことでストライク討伐へ意欲的…だったが、なんだかんだとアスランに協力してくれている。少しずつキラのことも受け入れつつある。



    【ニコル・アマルフィ】

    アスランを慕う優しい気質の少年。キラアスの関係を知り、アスランに協力している。キラからの独占欲に気付かないアスランにちょっと呆れてもいる。

    捕虜になったりと大変だが、本人は楽しんでいる様子。



    【ディアッカ・エルスマン】

    最年長だからかお兄ちゃん的な雰囲気がちょっとある。

    アスランを始め個性的なクルーゼ隊の中でムードメーカーを努めてくれている。

    キラの容赦ない尋問(質問責め)に疲労困憊していた。

  • 6125/09/07(日) 21:33:51

    【ラウ・ル・クルーゼ】

    キラアス腕組み後方理解者仮面お兄さん。気ぶり度は91。推し二人の愛を試す(そして気ぶる)ために裏で暗躍中。最近、キラアス成分を吸うと薬を飲む量が減ることに気付いたとか。



    【ムウ・ラ・フラガ】

    連合側の苦労人。連合が好きじゃないキラの言動にどうしたものかと思っていたが、慣れてきた。本編内外で定期的にキラに振り回されて受難中。でもなんだかんだと面倒見のいいお兄さん。

    此方のミスで階級が頻繁に上下しているのは申し訳ない。



    いよいよ5スレ目です。前スレ中には再会させてあげられませんでしたがもうすぐ会えそうです。いっぱいイチャイチャさせたい。

    いつも♡や保守やレス、イラストなど本当にありがとうございます。スレ主の日々の糧になっております。

  • 7二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:36:23

    立ておつ〜

    ……ところで連合への好感度27って所々あるけどサイクロプスでそんなもの絶対零度まで冷え込んでません??

  • 8二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:21:57

    たて乙ですー!
    裏話のキラぬいの大冒険が面白すぎましたw
    ぬいなのに圧があるという不思議状態に晒されたイザークどんまい

    キラぬいアスぬいの出会いも楽しみです!

  • 9125/09/07(日) 22:47:38

    ひとまず10まで埋めます

  • 10125/09/07(日) 22:51:30

    連合への好感度は正直上がるポイントがないよな…と思って改めて振ってないんですがサイクロプスの件含めキラはもう冷めているというかほぼ無感情なのかもしれません
    前スレ最後に投下したやつは連合絶対滅ぼすマンになってますが

  • 11二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 23:49:24

    スレ立て乙です!
    ちゃんと食べて寝てるキラ偉いよ〜
    やはり愛の力は偉大なり…

    そして闇堕ちキラが刺さる刺さる
    いやこの世界線の激重ラブラブキラアスももちろん好きですが!!

    キラぬいにキラの思念が宿ってません…?

  • 12二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 09:08:21

    闇堕ちキラさん

    アスランに話しかけようとしたらめちゃくちゃ睨まれた…

  • 13二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 18:11:48

    >>12

    こわー

  • 14125/09/08(月) 21:30:27

    >>12

    めっちゃくちゃ最高です…ありがとうございます。

    誰もアスランに近付けたくないキラさんいい…とてもいい…

  • 15二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 21:53:57

    イザークあたりが『俺のことを睨むのは構わんがまずはソイツの手当をさせろ』って強引に踏み込んでくれるはず

  • 16二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 21:58:36

    >>12

    なんと美味しい独占欲サンクスマジサンクス


    そしてアスランの首筋がエロすぎてキラに後ろから目隠しして首筋噛みつくか舐めてみてほしいと思ってしまった自分は末期

  • 17125/09/08(月) 22:18:03

    パナマを失い、なりふり構っていられなくなった連合。

    中立であるオーブをザフト支援国家とみなすと脅しを掛け、マスドライバーとモルゲンレーテを狙う。ウズミの取った決断は、オーブの理念を守ることであった。


    マリューは一同にオーブを守るべく戦うかどうかは各々の判断に任せると表明し、今までの礼を述べた。

    カガリは不安からキラを探して声を掛ける。

    「キラ……その…」

    「落ち着いて、カガリ。そんなもの着てる人が狼狽えてたら皆不安になるよ」

    「あ、ああ…そうか、そうだな…。でも、オーブが戦場になるんだ…!こんなことが…」

    「お父さんの取った道は正しいと思うよ。味方ごと爆殺する組織と繋がっていいことなんてない。大変だろうけどさ。僕も協力するから」

    カガリをなだめ、安心させるキラ。どことなく、前よりも落ち着いたような、しっかりしたような雰囲気がある。

    「キラ、おまえ……なにがあったんだ。ただ機体を貰ってきただけではないのか」

    「んー、花婿修行の成果かな。なんてね、単に自分の気持ちが透明になっただけだよ」

    「……透明?」

    「前までは見えなかったものが分かるっていうか、僕がアスランをどう思ってるかやっと言葉が見つかったというか…。まあとにかく、大丈夫だよ。ここは僕や両親の住む国だし、将来はアスランと暮らす場所だからね。全力で守るよ」

    「……その、アスランは?いまどうしてる」

    「さっきマルキオ導師と会ったって言ってたなぁ。きっとアスランも力を貸してくれるよ」

    ザフトとしてではなく、今度は…。もうすぐそこに唯一無二の存在がいるのだと思うとそれだけで力が湧いてくる。キラのその様子に、カガリも少し勇気を貰うのだった。

  • 18125/09/08(月) 22:21:36

    「釈放、ですか」

    牢から出されたニコルとディアッカは、案内をしてくれるトールとミリアリアの後を歩いた。

    「もうこの艦は連合じゃないから、ザフトの捕虜を連れてても仕方ないのよ」

    「戦闘になるからバタバタしてて…帰るための用意とかなにも出来てないんだ。悪いけど自力で移動手段見つけてくれな」

    「バスターとブリッツは?」

    「あれは元々こっちのものでしょ。回収されたわよ」

    「……そりゃそうですよね」

    艦の外へと連れ出され、笑顔で手を差し出すトール達。

    初めてナチュラルの人間と交わした握手。その手は温かかった。

    「君達と話せて良かったよ。できたら、戦場以外のところでまた会いたいよな」

    「お前らも戦うのか?」

    「そりゃ、オーブは私達の国だもの」

    遠ざかっていく二人の背中を、ディアッカは見つめる。ニコルが困ったように呟いた。

    「さて、どうしましょうか」

    「このままザフトに戻る、ってのが軍人としての正解だろ」

    「でも、僕達のしたいと思うことは違いますよね」

    「……そうだな」

    「イザークには申し訳ありませんが…。時間がありません、急ぎましょう」

    「ああ、モルゲンレーテへの潜入経路は覚えてるな?」

    「勿論です」

    急いで自身の機体に乗るべく移動するなか、ニコルは恐らくはそう遠くにはいないアスランのことを考えた。

    (キラさんの話からして、アスランも新機体に乗っているなら……僕達の取った決断は、きっと貴方と同じですよね。アスラン)

    このまま争いが続く悲しい世界より、ニコルは大切な友達の門出を祝える世界のほうが好きだ。トールさん達にも死んで欲しくない。それくらいシンプルな理由でも、だからこそ強く自分の戦いたい動機になった。


    そうして、オーブ解放作戦が始まる。

  • 19二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 05:35:36

    うーむ、ここのキラくん連合マジで嫌いだからな……コクピット外ししてくれるかな……

  • 20二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 10:29:34

    hsy

  • 21二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 19:37:02

    連合が嫌いでも極力キルしたくはないと思うからそこは変わらないんじゃないかな
    ブリッツが味方側になることでどう変化が起きるか気になる

  • 22二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 19:41:15

    >>16

    目隠しいいよね……



    それと噛み跡や流血、ちょっとえっちな雰囲気なやつの閲覧注意系も合わせて置いときます。

    (それと構図が同じなのは許してくだされ…)

    ファイルなう - アップロードされた複数のファイルIMG_1691.png, IMG_1698.png, IMG_1690.png, IMG_1694.png, IMG_1... (16.57 MB)d.kuku.lu
  • 23125/09/09(火) 20:45:06

    >>22

    えっちなキラアスがいっぱい…!

    キラが吸血鬼みたいにがぶがぶしてるのもそれに顔を赤らめちゃってるアスランもえっちだ…!!

    素敵な供給大変ありがたいです…

  • 24125/09/09(火) 20:53:56

    連合は新型のカラミティ・フォビドゥン・レイダーを戦場へと送り出す。その機体にはブーステッドマンと呼ばれる少年達が乗っていた。

    (連合は本当に嫌いだけど、殺し合いをしたいじゃないからね…)

    キラは極力コックピットを外して無力化していく。キラ作のOSを搭載したストライクやアストレイは素晴らしい動きを見せるが、その物量差は中々埋まらず。被弾が増え始めたアークエンジェルに、ブリッツ・バスターが救援にくるのだった。

    「下がってろよアークエンジェル!」

    「お世話になりましたからね、ここは一緒に戦わせてください!」

    バスターの援護によりアークエンジェルへの被弾は無くなり、ミラージュコロイドを活用したブリッツが的確に一機ずつ仕留めていく。

    「ニコル…ディアッカ…!?」

    「キラさん、此方は僕達が!」

    「おまえはあの新型なんとかしろよ!アスランの旦那になりたきゃあれくらい墜とせないとだろ?」

    「……ありがとう!」

    二人の気持ちを受け取り、キラは暴れ回る新型機の方へ専念する。しかし、彼等も手強くなかなか墜とすことが出来ないでいた。

    (こいつら……なにか、今までとは違う…!)

    複数機を相手取るには、数々の場数を経験してきたキラでさえ劣勢になってしまう。

    その時、紅の機体がフリーダムの隣に降下し、向けられたビームを盾で庇った。

    キラは、それが誰によるものなのかをすぐさま理解した。

    (アスラン!)

    (キラ!大丈夫か?)

    自由と正義、二機が当人らの意思を反映させるかのようにオーブ上空で見つめ合う。

    (…この介入は、俺個人の意思だ。キラ)

    (うん、アスラン。分かってる)

    話したいことは沢山あるが、いまはこの場を乗り越えなくてはならない。二人は自然と連携をして迎撃する。

    「アスラン!」

    「上!」

    息の合ったコンビネーションで、今度は此方が追い詰めていく。敵として銃口を向けるのでなく、互いを守るために動くのはとても晴れやかな心地だった。

    やがて薬切れで苦しみ出した彼等はその場を離脱。あの三機無くしては負けると盟主・アズラエルが撤退を指示。

    ひとまずオーブでの戦闘は終わりを告げ、フリーダムとジャスティスも地上へと降りていった。

  • 25125/09/09(火) 20:55:05

    dice1d3=1 (1)

    1.キラ

    2.アスラン

    3.同時

  • 26125/09/09(火) 22:54:25

    夕暮れ。
    あの日オーブで再会した時のような空の色だ。それぞれ機体から降り、互いに向かって歩いていく。あの時のようにフェンスなどない、遮るもののない視界で相手の姿を見る。
    キラ、だ。父からの命に背いてまで会いに来たのに、いざ目の前にくるとアスランはどうしていいか戸惑ってしまった。
    ヘリオポリスからずっと、二人の間には何かしらの邪魔なものが横たわっていたせいだ。
    「アスラン」
    「……キラ」
    優しく名前を呼ばれて、アスランが勇気を出して一歩踏み出したとき。それより早く、キラがアスランに飛びついた。頭の後ろに手が回り、そのまま口付けられる。
    途端にアスランの視界がきらきらと光に包まれ、夕焼けを一面の宇宙に塗り替えた。銀河の煌めきはキラの瞳のような紫。キラは緑色の光に感じるのだと以前に聞いた。アスランが反射的に背に腕を回すと、躊躇いなく唇を割り開いて舌が侵入してくる。この頃には、アスランの意識はほぼキラにしか向いておらず、くたりと脱力しつつある身体を支えられていることにも気付かないでいた。
    (会いたかった、キラ。ずっと…)
    (僕も会いたかった。こうして触れたかった。僕のアスラン…いっぱい不安にさせてごめんね)
    深まるキスにアスランの理性は音もなく瓦解していった、心身の全てで相手を感じ取ると、改めて実感する。これ以上の幸福はないと。脳の真ん中から惚けて溶け出すような多幸感は、キラ以外から与えられることなどないだろう。どうしようもなく、満たされて気持ちがいい。
    いよいよアスランの身体が力を無くしだしたとき、キラが唇を離す。それが寂しくてつい追ってしまいそうになって、キラもまた幸せそうな顔で笑っていた。
    「ねえアスラン…僕は君に恋をしているみたいだ」
    告げられた言葉は予想外で、アスランは固まった。その身体をより引き寄せようと、キラが腰に回した手に力を込めた。
    できたらこのまま何処かへ隠してしまいたい、とキラが半ば本気で思い始めたとき、その首根っこをぐいっと引っ張られる。


    「またか……おまえらはまたなのか……!!」
    なんなら悪化している。周囲が突然始まったラブシーンに唖然としている中を、カガリは勇者となって進んだ。このバカップルを止められるのは、この場ではカガリぐらいだからだ。キラを引っ張り、アスランの頭に自分の上着を掛けてやって、カガリは二人をそのまま連行したのだった。

  • 27二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:04:39

    キラが自覚したー!!!
    そんでこのアスランめちゃくちゃ顔が蕩けてそう…

    そりゃカガリも上着をかけますわ…

  • 28二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 11:11:40

    hsy

  • 29二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 18:30:22

    >>23

    喜んでいただけて良かったです!


    自分も吸血鬼っぽいなあと思ったので、吸血鬼ver.も作ってみたので載せても大丈夫でしょうか?

    一応スレ内容とは関係ないものにはなりますが…

  • 30125/09/10(水) 22:15:48

    >>29

    勿論です!

    このスレはキラアス難民のスレ主がそれなら自分で立てたろ!したスレなので…キラアスなら基本なんでもウェルカムです。

    吸血鬼キラさん楽しみです。

  • 31125/09/10(水) 22:19:37

    機体をひとまず搬入したドッグの一角で、マリュー、ムウ、カガリ、そしてキラとアスランが集まっていた。
    「と、という訳で。彼が僕のお嫁さんです」
    アスランの肩を支えて、キラがとても満足そうにニコニコしている。さきほどの一連の行為でまたもやふにゃふにゃになっているアスランは、支えられつつも意地できちんと自分の足で立っていた。初対面の大人の前で恥はかきたくない。あのキスの後ではなんの意味もない意地ではあったが。
    「いや分からん。紹介するならちゃんと説明しろ」
    「ええと、つまり…彼がキラ君の言っていたお友達、ってことかしら?」
    「そうです。元イージスのパイロット。アスラン・ザラ、僕のお嫁さん」
    いつのまにかキラはアスランの首に腕を回してぎゅっと密着している。こら、と言うものの満更ではなさそうなアスラン。空気がだだ甘である。
    しかし、反対にマリュー達の空気は暗かった。
    「まさか散々聞いた“アスラン”が、ザフトのパイロットだったとはな…」
    「…私は……ずっとこんな二人を戦わせて…?」
    「マリューだけの責任じゃない。俺だってキラを戦場へ向かわせたからな」
    ヘリオポリスからこれまで、キラの全ての言動にアンサーが付いたのだ。最初の頃は、時と場合によってはムウを撃つかも、とキラが言っていたが、それが今になって現実味を増して背筋がぞわっとした。ムウがもしイージスを墜とすようなことがあれば確実にキラはしていただろう。

  • 32125/09/10(水) 22:23:00

    「でも人前であのキスはどうかと思うぞ」
    「フラガ少佐にだけは言われたくありません」
    「…待て、おまえ何を聞いた?」
    「アーノルド少尉達がはしゃいでましたよ。上手くいって良かったですね?」
    「あ、あんにゃろ〜…よりによって一番面倒な奴に知られた…」
    「……あれ見られてたの…?」
    この場で一番いたたまれないのがマリューである。なんだか気の毒だな…と思いつつ、アスランはキラとぎゃいぎゃい言い争っているムウを見た。この男がムウ・ラ・フラガ、エンデュミオンの鷹か。どことなく誰かに似ているような気がして、じいっとその横顔を眺める。
    「あの、失礼ですがフラガ少佐は…」
    口を開きかけたとき、キラがアスランの頬をぐいっと掴み、己へと向けた。
    「ねえ、他の人そんなに見ないで」
    「無茶言うな」
    「アスランはずっと僕だけ見て呼んでればいいの」
    今にも触れそうなところまで唇が寄っていて、アスランは慌てて手のひらを間に差し込んだ。
    「い、今はだめだ」
    「後ならいいの?」
    「…色々と、落ち着いてからだ」
    さきほどの過ちを繰り返すまいとするアスランだが、密着するキラから離れようとしない辺りが距離感の狂いを感じる。

    「……そういや、前に僕の名前だけずっと呼んでればいいとか言ってたなキラ。その時よりずっと重たくなった気がするが…」
    「これも敵対させたせいかしら…」 
    とても遠い目をするムウと、やはり責任を感じてしまうマリュー。
    「いや、それもあるかもしれないが…遅かれ早かれというか…私は、キラの元の素養のせいだと思うぞ……」
    やれやれとため息を吐き、カガリは用意したアスランの着替えを手渡すのだった。

  • 33二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 07:06:20

    このレスは削除されています

  • 34二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 07:08:51

    甘い…甘すぎる…いいぞもっとやれ…

    ウズミパッパにも生きていてほしいけど…
    本編よりは戦力が増してるとはいえどうなることか…

  • 35二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 10:35:03

    hsy

  • 36二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 19:28:11

    いいぞ自覚済キラ様もっと攻めてくれ大好物だ
    夜に2人の部屋には絶対近づくなという暗黙のルールがそのうち出来たらいい

  • 37二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 19:33:38

    >>30

    吸血鬼キラさんと人間アスランver.です!

    光タイプと闇タイプあります。


    今度はアスラン狼男も作りたいのでまた出来たら上げさせていただきます!

    (ガンカフェの二人が好き…)


    ファイルなう - アップロードされた複数のファイルIMG_1830.png, IMG_1829.png, IMG_1826.png, IMG_1825.png, IMG_1... (16.33 MB)d.kuku.lu
  • 38125/09/11(木) 22:40:36

    >>37

    光タイプの二人は可愛らしくて、闇タイプの二人は妖しくてえっちだ…。吸血鬼キラアスありがとうございます。

    ガンカフェのイラストいいですよね。狼男アスランも楽しみにしています!

  • 39125/09/11(木) 22:45:27

    念願の再会をした二人だが、現在はオーブと連合の交戦中。飛び入りのアスランと違ってキラは色々と忙しく、ずっとアスランにべったりと張り付いている訳にもいかない。ちゃんと仕事しろ、とアスランにも諭され、渋々キラはその身体を離したのだった。

    ニコル達は何処に居るだろうか。
    モルゲンレーテの作業着を借りたアスランは、カガリを伴って移動していた。どうしてもアスランを一人にさせたくないキラが、カガリに見張りを頼んだからだ。
    ちなみに一人にさせたくない理由は、悪い虫がつかないようにである。無駄な心配をしてどうするんだとアスランはほとほと呆れた。キラの方がよほど人に好かれるくせに。
    「付き合わせて悪いな」
    「いいさ。おまえは来たばかりのザフトの軍人だからな、私が居たほうが動きやすいだろ」
    「正直助かる。それと、この護り石も。実際オーブでキラに会えたからな。返すよ」
    「まだいい。しばらく持ってろよ。サムシングボロードだって咄嗟とはいえ言っちゃったしな」
    「サムシング…?」
    「後で調べろ。残り三つもあるんだからな」
    聞き覚えのない言葉にアスランは首を傾げる。よく分からないが、まだこの護り石にはお世話になるようだ。
    「しかし、アイツ今更恋だとかなんだとかって、マジか?あれだけ重たかったのに…」
    カガリの言葉に、さっきのキラを思い出す。恋愛という意味では完全に片想いだと思っていたので、いまいち実感が湧かない。アスランとしては、かなりの長期戦も視野に入れていたのだ。
    「キラが俺に…あの恋愛事に欠片も興味なかったキラが…」
    「恋愛に興味なかったというより、おまえ以外に興味がなかった…ってだけな気がするが。しかしわざわざ私を見張りにするくらいだが、ここまで縛られて息苦しくないのか?」
    「息苦しい?何故だ」
    「さっきの他のやつを見るなとかもそうだが、キラの独占欲は普通じゃないだろ。大抵の奴なら根を上げるぞ」
    アスランは思いもよらぬ言葉に目をぱちぱちとさせた。
    「そんなことは思ったことがない」
    「だと思った」
    「キラの我儘聞くのは、俺の特権みたいなものだからな」
    「あれを我儘の一言で済ませるか」
    「それに、独占欲くらい、俺にもある」
    以前カガリに嫉妬したことのあるだけに、アスランは少々ばつが悪く思いながら、友を探して回った。

  • 40二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 08:20:43

    相互独占欲激強で白米が進む

  • 41二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 17:15:26

    hsy

  • 42125/09/12(金) 22:32:29

    廊下の先に、緑色と金色の頭を見つけて、アスランは声を上げた。
    「ニコル!ディアッカ!」
    「…アスラン!」
    「良かった…!無事で…」
    アスランは思わず駆け寄ってニコルを抱きしめる。捕虜になってからアラスカ、そしてオーブだ。プラントで会ったユーリ・アマルフィがアラスカでのサイクロプスの件で酷くショックを受けていたのを知るだけに、無事な姿を見てホッとする。
    「ディアッカも…驚いたぞ。おまえが居なくなったら誰がイザークの面倒を見るんだ」
    「そのイザークが面倒見てんのがおまえなんだけどなぁ…。まあ、悪かったとは思ってる」
    ディアッカの胸元を拳で小突く。自爆して戻ったらMIA の報告を受けた身にもなってほしい。
    「捕虜になって辛くなかったか?」
    「平気ですよ。キラさんもキラさんのご友人もよくしてくださいましたからね」
    「……俺は辛かったぜ、あの質問責めの拷問。アイツさあ、おまえのこと好きすぎるだろ」
    「キラがなにか迷惑を掛けたのか…悪かったな」
    「まあ、だから色々話しちまったぜ?」
    「すみません…ご武運を祈ります」
    「何を話したんだ。俺の失敗談とかか…?」
    二人は揃って目を逸らした。キラが些細な動揺を見過ごさないので恐らくアスランが知られたくないであろうことはほぼ白状させられたのだ。
    「…それより、おまえらまーた人前でいちゃついてたな」
    「うっ」
    「でも良かったです、二人が会えて。目のやり場には困りましたが…此処で戦う道を選んで正解でした」
    「…いいのか、本当に。仲間と…イザークとは別の道だぞ」
    「それはアスランもでしょう。でも、此処にいる」
    「……そうだな」
    「ま、戦場でイザークと会ったら俺に任せとけって。アスランは自分のことちゃんと考えろよ」
    「分かってる」
    久しぶりの仲間との会話。生きて再会したことに安堵する。仕事を片付けたキラがやってくるまで、着いてきたカガリも交え暫しそのまま話に花を咲かせたのだった。

  • 43125/09/12(金) 22:34:36

    「僕の部屋にいればいいのに」
    モルゲンレーテに休む部屋を借りるというアスランに、キラは不満だった。部屋の前まで着いてきたものの、本当はアークエンジェルまで引っ張っていきたいのだ。
    「連合のあの様子じゃ…すぐまた戦いが始まる。キラも、俺も、ちゃんと休まないとだろ。パイロットなんだからな」
    「一緒に休めばいいでしょ」
    「……だめだ」
    恥ずかしそうにアスランは顔をふいと背ける。キラと一緒に居たいのは山々だが、側に居たら触れ合いたくなるだろう。
    「僕になにされるって考えてるの?」
    「……ッ、別に…」
    「間違ってないよ。想像通り」
    「んんっ」
    有無を言わさず唇を塞ぎ、先ほどお預けされたぶんはしっかりと回収した。やっと共にいるのだから、キラは遠慮しない。とはいえ、このまま押し倒して…という訳にはいかないことはちゃんと分かっている。
    「まあ、休まないといけないのはそうだよね…。実際にちゃんとするのは、久しぶりだし。身体も辛そう」
    キラの手が背中から腰、更に下へと滑るので、アスランは頬を抓った。
    「…露骨なこと言うな」
    「いひゃい」
    「……手も、動かすな」
    「…はーい」
    ほんと照れ屋なんだから、キラはちょっと赤くなった頬を擦りながら手を離す。まあそこも可愛いと、キラの頬以上に赤くなったアスランの顔を見て思う。今日のところこのくらいが限度だろう。獲物を仕留めるにはそれなりの手順がある。己の気持ちを自覚したキラは、もうアスランへの独占欲に振り回されるだけではないのだ。
    「じゃあもう一度だけ、キスしよう」
    「……ああ」
    今度はアスランから唇を寄せた。おやすみのキスは幼い頃からの二人の慣習だった。
    「ん…。なあ、この戦いが厳しいことは、キラも分かってるんだろう」
    「うん、でも黙って連合の言いなりになんてなりたくないよ。此処は…皆が住む国だからね」
    「そうだな。俺は俺の意思でキラと共に戦うさ」
    戦いの前に気持ちのすれ違いがないよう、アスランはきちんと告げておきたかった。それをちゃんとキラは分かってくれる。
    就寝の挨拶には些か甘い口付けを繰り返して、二人は名残惜しくもそれぞれ部屋で眠りに付くのだった。

  • 44二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 00:42:11

    自覚済みキラさんが完全にハンターのそれや…
    でも獲物も喜んで食べてもらいたいだろうし、まあいいか…


    愛の力でこのオーブ戦もいい方向に向かえばいいけど…どうなることか…

  • 45二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 07:47:44

    透け感出すの難しい!

    共鳴中キラアスイメージです。

  • 46二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 16:31:15

    hsy

  • 47125/09/13(土) 20:05:11

    >>45

    か、かわいい…!当然のように恋人繋ぎしてるの好きです

    共鳴して心で会話してるんでしょうね。とても幸せそうでいい…

  • 48125/09/13(土) 22:01:26

    オーブは連合へ会談を要求するが、アズラエルら連合はそれを受けるつもりはなく再びオーブへの侵攻を始める。

    戦ってでも守らなければならないものがある…キラ達は不利を承知で戦場へと向かうのだった。

    「キラ、この国もだが…おまえは俺が守るよ。背中を預けてくれるか?」

    キラを守りたいという想いは変わらないが、一方的な守り方は望まれないと散々怒られた為、アスランは出撃前に少し不安げに問い掛ける。

    キラは満面の笑みで、アスランに抱き着いた。

    「勿論だよ。君がいたら怖いことなんてない。僕もアスランを守るから。絶対に傷付けさせないよ」

    「ああ、俺もだ…キラ」

    しっかりと抱きしめ合ってから、二人は機体へ乗り込んだ。


    ウズミの決断は?

    dice1d5=5 (5)

    1.2本編通り皆と共に自爆する予定

    3〜5マスドライバーと施設の破壊のみ(ウズミ存命)


    キラによる愛のOSボーナス(本編よりオーブが粘った)

    1.2だった場合…

    dice1d3=1 (1)

    1.2.自爆直前、ウズミは今後のオーブに必要だからと強引に避難させられた

    3.やっぱりオーブと運命を共に…

  • 49二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 01:29:42

    ダイスもウズミ様生かすことには大賛成の模様、いいぞいいぞ



    >>22

    >>37

    今更ながらコメントした16は無事昇天しました

    ありがとうマジありがとうやはりアスランはエロいこれが真理!!

  • 50二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 07:41:53

    このレスは削除されています

  • 51二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 16:02:42

    やっぱり結婚式には親族席に座るのかな?ウズミ様も

  • 52125/09/14(日) 22:01:31

    ウズミは、アークエンジェルに離脱するよう指示する。

    かなり粘り連合の戦力も削ったが、このままずっとオーブを守るのは不可能だと判断し、彼等を宇宙へ上げる事にしたのだ。自分達も死ぬことを考えたが、その後のオーブの復興も考えて見送ることに。


    「アスラン!」

    「キラ!」

    ギリギリまで外でアークエンジェル発進の援護をしていた二人。

    フリーダムはなんとかクサナギに捕まれたが、ジャスティスはまだ少し後方に。

    限界までフリーダムの手を伸ばす。ジャスティスも同じように手を伸ばし…二機の手は固く繋がれた。そのまま強く引き寄せ、恋人同士のように寄り添う。

    (間に合ったな…)

    (もう置いてかないよ、絶対)

    万が一にでもアスランが間に合わなければ、キラはクサナギから手を離して一緒に残った。此処に残していくなんて絶対に嫌だ。

    (ストライクみたいにこの子達もキスしたいかな)

    (馬鹿。あれはお前が勝手にやっただけだろうが)

    モビルスーツに意思がある訳ではない、とアスランは言うが、そうかなあ実はあったりして、とキラは思ったりする。いつも連れているトリィはロボットだが、キラは一人の友達として扱っているし、実際なにか感情があるような感覚がある。さっき手が届いたのは自分だけでなくフリーダムの意思だったら…。

    (うーん、やっぱりさせてあげるべきじゃないかなぁ)

    (お前な…)

    二人の会話を引き裂くように、発進を阻止しようと攻撃が飛んでくる。

    (あいつらまだ…!キラ!)

    (やるよ、アスラン!)

    同時に砲撃。最後の最後まで援護の為に二人で連携し、燃えるオーブの地を眺めながら宇宙へ。


    カガリが、一枚の写真を手にしたことは…二人はまだ知らない。

  • 53二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 07:20:41

    フリーダムとジャスティスのこのシーン好きだ…
    何度見ても恋人繋ぎが…

  • 54二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 16:47:50

    >>51

    キラとカガリの関係を知らん人たちからしたら、え?って騒つくやつww

  • 55125/09/15(月) 22:09:57

    無事に宇宙へと上がり、クサナギの中へと入る二人。
    カガリは泣いてはいたが、託された父の想いを受け取り、涙を拭ってキラとアスランを迎え入れてくれた。
    「大丈夫?カガリ」
    「ああ。オーブの事は…辛いが、でもお父様も皆生きているからな。生きてさえいればやり直せるさ」
    それより、気になる事が出来てしまった。あの写真の事をいつ切り出そうかと悩みつつ、今はひとまず皆で集まって今後の方針を話すことを優先した。

    「L4のコロニー群へ?」
    将来的な資源の枯渇を見据え、今では無人となっているコロニーが多数あるL4へ向かう提案をするキサカ。
    「なんだか思い出しちゃうわね…」
    マリューが呟く。ヘリオポリスを出てすぐの、ユニウスセブンでの補給と状況が似ている。一瞬、キラの方からピリっとした苛立ちが発せられた。
    「キラ、俺はもう気にしていない」
    「わかってるけど、僕もつい思い出しちゃって」
    あの時、板挟みになったキラは迷ってはいたが、アスランから声を掛けられなければあのままストライクを盾にアークエンジェルを脅していただろう。
    ……全ての始まりの地だった。それを思うとそこから補給なんて許せなかったのだ。
    アスランがキラの肩を引き寄せると、そのままぴったりとくっついてきた。キラの手もアスランの腰へとしっかり回されている。
    「あー……俺たちはこの事では何も言えないんだが……本当に人目を気にしないな君らは…」
    今となってはあれだけキラが機嫌が悪かった理由も分かるだけに、実際に遺族を前にすると補給で命を繋いだムウとしては気まずくもある。しかし言うべきことは言わねばならない、大人の悲しい務めだ。
    「しかし、本当にいいのか君は?他の二人もそうだが…俺達はこれから、ザフトと戦うことだってあるんだぜ。そこまでの覚悟はあるのか?君はパトリック・ザラの息子なんだろ?」
    「なっ、誰の息子だってアスランはアスランだろ!」
    咄嗟にカガリが反論する。意外なことにキラは口出ししてこなかった。ただ問われたアスランに寄り添っている。但し、傷付けたら許しませんよ、という圧だけはしっかりムウへと浴びせられていた。

  • 56125/09/15(月) 22:11:54

    「軍人が自軍を抜けるってのは君が思ってるよりずっと大変なことなんだよ。ましてやそのトップに居るのが、自分の父親じゃ。自軍の大儀を信じてなきゃ戦争なんて出来ないんだ。それがひっくり返るんだ」
    「それは…でも、アスランは……」
    カガリはちらりとアスランを見る。無人島での会話を思い出しているのだろう。
    「一緒に戦うならさ、あてにしたいの。君とキラの仲はもうよく分かってるけどさ」
    「…オーブで、いや、プラントでも地球でも、見て聞いて、思ったことは沢山あります。それが間違ってるのか正しいのか、何が解ったのか解っていないのか、それすら今の俺にはよく分かりません。ただ、自分が願っている世界は、あなた方と同じだと今はそう感じています。なにより…」
    アスランは、キラへと向けて微笑んだ。
    「俺はもうキラから離れたくありません。キラと共に進む道、辿り着く場所が、俺の行くべき所です」
    「僕も。アスランが居なきゃどんな世界でも意味がない。まあ、君が離れようとしたって離さないけどね」
    自分に向けられた笑みは一等美しく見える。キラがアスランの頬に口付けると、ムウは咳払いをした。
    「分かった分かった、悪かったな。しっかりしてるねぇ君は」
    「そうでしょう。自慢のお嫁さんですから」
    「……なあ、その呼び方恥ずかしいから止めてくれないか」
    「やだ」
    今更ではあるが静止をかけるも、一蹴されてしまう。キラとしてはお嫁さんの一言でアスランは自分のものであると示せるのだから、止めるつもりはない。
    「……ったく、お前と言いラクスといい俺をなんだと……」
    「ラクス?あのピンクのお姫様か?」
    意外な名前にムウが反応する。中々印象に残る女の子だった。
    「アスランのお姉ちゃんですよ」
    「え!?おまえ姉が居たのか!?」
    カガリは驚いたが、言われてみればちょっとアスランは弟っぽい気もする。
    「…血が繋がってる訳ではなくて…まあ、いいか」
    説明が面倒になって、アスランはもうそういうことにしておいた。自分の認識でも姉のような人である事に違いはない。
    「……姉……きょうだい、か…」
    父から貰った写真を思い出し、カガリはひとり小さく呟くのだった。

  • 57二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 06:22:38

    ここではキラと一緒にいるために離反も完全に覚悟してるからアスランも安定してるなあ
    でもパトリックの仲は本編より良くないからそこが心配…

  • 58二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 15:53:00

    保守

  • 59125/09/16(火) 22:08:19

    並べられたMSをぼんやり眺めながら、少し考え込むアスラン。

    キラと共に在りたい気持ちは先ほどムウにも言った通りであり、此処で戦うこと自体の覚悟はもう決めた。しかし、それで父親のことを割り切れるかというとアスランの心はそこまで簡単にはいかない。どうしたものか、とため息を吐いているとキラが扉を開けてやってくる。

    「アスラン、アークエンジェルに移動しよう。こっちはM1で一杯だし…」

    「そうか…分かった」

    「…お父さんのこと、考えてる?」

    「父が何を思っているのか、俺は全然知らないんだと気付いてな…」

    父に言われるまま、命じられるまま戦うことが平和に繋がると信じていた。その頃には親子としての会話は無くなってしまっていた。キラはクライン邸で聞いたパトリック及びザラ派の事を思い出し、渦中にいるアスランが心配になる。キラがアスランの頭を撫でていると、カガリが遠慮がちに扉から顔を出した。

    「……その、悪い。ちょっといいか?」

    「ん?どうしたの」

    「キラに話があって…ああ、アスランもそのまま居てくれ。無関係な話じゃないからな…」

    二人の元までやってきたカガリは、躊躇いがちに一枚の写真をキラに手渡した。

    「……親子の写真?かな?」

    「オーブを出るとき父から渡されて…その、裏…」

    そう言われてくるりと裏返すと、そこには……キラ、カガリの文字が。

    「!これって…」

    「父が……私は一人じゃない、きょうだいがいるって……!」

    カガリの口から発せられたのは、予想もしていなかった言葉で。キラも動揺して一瞬固まってしまう。

    「……双子…?」

    二人を見比べて、アスランは推測される事実を静かに呟くのだった。


    衝撃の事実にキラは…

    dice1d3=3 (3)

    1.今は混乱しないように一旦置いておく。

    2.つまり僕がお兄ちゃんだよねと先手を打つ

    3.↑+喧嘩が勃発し「アスランも僕が兄だと思うよね?」とアスランを巻き込む

  • 60二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 22:13:51

    しんみりした雰囲気が速攻破壊されてて笑った

  • 61二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 07:34:51

    キラには悪いがここのカガリは姉味が強いぞ
    主にアスランのせい?で…

  • 62二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 17:25:42

    続き待機保守

  • 63125/09/17(水) 22:16:01

    僅かな間、沈黙が訪れた。もしそれが本当なら、自分達の家族はなんなんだと思ってしまうのは無理のないことで。アスランがどうフォローすべきか考えていると、キラが真剣な顔で宣言した。
    「僕らが兄妹……つまり、僕がお兄ちゃんだよね」
    「「……は?」」
    アスランとカガリの反応が一致した。何を言ってるんだとアスランが困惑していると、カガリが食って掛かる。
    「そんなわけないだろ!私が姉だ!!」
    「いーや、僕が兄だよ!だってカガリの面倒見てたもん」
    「私の台詞だそれは!!」
    ぽかんとするアスランそっちのけで、二人の主張の押し付け合いは白熱していく。さっきまでの湿っぽい空気は何処に行ったのか。
    「ねえ!アスランも僕が兄だと思うよね?」
    「いやそれは…」
    「ほら見ろ!アスランだって私の方が姉だと言っている!」
    「そういう訳でもないが…」
    二人に詰め寄られ、アスランは思わず一歩下がった。アスランからすればキラは手の掛かる弟のような部分もあるが、対カガリに置いてそうかと言われると微妙な曖昧なラインである。しかしカガリの面倒見の良さなどは確かに姉らしい。
    「……どっちが上かは一旦置いておけばいいだろ?今重要なのはそこじゃないと思うが」
    どっちに肩入れしてもロクなことにならなそうで、アスランは論争を棚上げにすることにした。
    (アスラン、いま逃げたでしょ?)
    (俺に結論を押し付けるからだ)
    キラはじとりとアスランを見たが、巻き込まれた方としてはいい迷惑なのだから勘弁して貰いたい。
    「まあ、そうだね。決着は後日にするとして…カガリもそんなに不安になることはないよ」
    「キラ…」
    「僕らが兄妹なのだとしても…カガリのお父さんはウズミさんだよ。僕にとっての両親が変わらないのと同じだ」
    ぽんぽんとカガリの肩を叩き優しい笑顔を向けるキラを見て、キラなりにカガリの心を軽くしてあげたかったのだなとアスランは気付いた。こうしてみるとちょっとだけキラの方が兄らしい気がしなくもない。口に出すと面倒そうなので言わないが。
    そして、彼等の仲の良さに理由が付きそうでホッとしてしまった事はキラには内緒にしておこうと思う。
    「……両親は変わらない、か」
    例え心が遠くとも、アスランの父親がパトリックである事は変わらないのだ。そう思うと自分がやるべき事は一つなのかもしれないとアスランの迷いは晴れ、暫定双子の彼等に感謝した。

  • 64二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 07:15:12

    この双子、本編でも状況に応じて「きょうだい」の順番入れ替えて支えあってる感じあるよね~。
    あと、アスランの無茶フラグが立ったか・・・?

  • 65二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 07:16:05

    双子戦争は大抵の世界線で起こりますね〜
    で、アスランは満場一致の末っ子

    喧嘩は勃発したけれどある意味で一番明るい展開の選択肢な気がする

  • 66二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 16:29:01

    このあとアスランが単独プラントに戻るシーンか
    キラが大分行かせるのを渋りそうだけど…

  • 67125/09/18(木) 22:07:51

    カガリに見送られてクサナギを離艦し、アークエンジェルへ。道中、アスランはキラに無理を承知で願い出た。
    (アークエンジェルに着いたら、シャトルを借りられないか?)
    (……お父さんに会いに行く気でしょ)
    (ああ。俺にとっては……やっぱり父なんだ。話がしたい)
    (どれだけ危険な事か分かってる?正直に言えば僕は絶対に嫌だ)
    (分かってる…でも、頼む。後悔はしたくない。さっきの話を聞いてて思ったんだ。父が俺を愛してなくても…俺の父親はあの人だけだ。キラにとってのご両親があの二人なのと変わらないように)
    (……分かってるつもりだけど、妬けるなぁ。でも、僕も出来ればアスランのお義父さんとは良い関係を築きたいし、いいよ。マリューさんに話をしてみる)
    (すまない。ありがとう)
    (但し、条件付きだ。じゃなきゃ許可しない)
    (条件?それはなんだ?)
    (今は言わない。でも拒否権はないよ。それでいいなら行かせてあげる)
    (……分かった)
    キラが何を条件に出すかが少し不安ではあったが、他にプラントへ戻る手段もない。それに己を心配してくれていることは理解している。アスランはキラに感謝しつつ、アークエンジェルに着艦した。

  • 68125/09/18(木) 22:09:44

    アスランが想像していたよりもスムーズにシャトルを借りる為の話し合いは終わった。シャトルの用意はしておくから休んでいいとマリューに言われ、アークエンジェルの廊下を手を繋ぎながら歩く。敵艦だった場所にこうして居るのは不思議なものだ。
    「此処が僕の部屋。アスランも同じ部屋でいいよね?」
    「俺は構わないが…いいのか?色々許可とか…」
    「大丈夫。ラミアス艦長…マリューさん達だって分かってるよ」
    少し緊張しつつ、アスランは入室する。思ったより整頓されている部屋はすこしキラの匂いがする。持ってきた荷物を机に置いたとき、ベッドのカーテンの隙間から気になるものが見えた。ちらりと覗いてみると、そこには畳まれたザフトの赤服と、その上にちょこんと座らされたぬいぐるみ。
    「これ、は……」
    愛らしいそのぬいぐるみは、アスランの持っているキラぬいと同じ作りで。なによりその見た目が…アスランは思わずベッドに乗り上げる。
    「それアスランに似てるよね」
    「うわっ…!?」
    背後からキラが伸し掛かってきて、重みでころんとベッドに転がされた。すかさずキラがぎゅっと抱き着く。
    「でもやっぱり本物がいいよ…やっと少しはゆっくり出来るね」
    「…キラ、重いんだが」
    「折角会えたのにドタバタして全然落ち着かなかったし、その上シャトルでプラントに行くとか言い出すし、もう今しかないでしょ?」
    耳元で囁かれ、アスランは擽ったさに思わず身を竦める。軍人としての鍛え方が違うので、流石にここまでしっかり乗られると少々大変ではあるが力任せに退かすこともできなくはない。共鳴さえしてなければ。いや、仮にしてなくてもアスランにキラを押し退けようなんて発想はなかったかもしれない。
    キラの肩に止まっていたトリィはぬいぐるみの頭に移動すると、鉤爪で器用に掴んで持ち上げて机の方へと持っていってしまった。そしてキラがカーテンを締める。
    「なあキラ、その、実は俺もぬいぐるみ…」
    「ごめん。話は後でね」
    言葉を紡ごうとしたアスランの口を塞いで、キラはにっこりと笑みを浮かべた。
    「お仕置きの時間だよ、アスラン」

  • 69二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 23:30:45

    お仕置きキター!!(*゚∀゚*)

  • 70二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 07:39:25

    トリィ「ごゆっくりどうぞ〜」

  • 71二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 16:59:31

    スレ主のお話よりも前に作っていたやつなので若干雰囲気が違いますが…

    アスラン押し倒しキラさん…

  • 72125/09/19(金) 22:10:13

    >>71

    優しい顔して押し倒すキラさん最高です。赤くなって慌てるアスランもかわいい…ずっと見てたい…。

    一秒後にはキスしてそう(勝手な妄想)

  • 73125/09/19(金) 22:18:37

    ベッドに押し倒され、共鳴できらきらする視界の中でアスランは嫌な予感がして焦っていた。

    「お仕置きって、俺は何もしてないだろう」

    「残念。僕、ニコル達から色々聞いちゃった。隠し事なんて酷いじゃないか」

    申し訳無そうな顔をしていたニコルとディアッカを思い出す。あいつら何を言ったんだ、と考えているとキラは思考を中断させるように心に手を伸ばしてくる。

    「この状況で他の人のこと考えちゃ駄目でしょ」

    「キラ、流石に今するのは…」

    「ねえ、アスランちゃんと分かってる?僕は君に恋してるって言ったんだよ。じゃあ僕達、いま恋人同士ってことでしょ」

    「っあ」

    恋人。俺とキラが。段々と意識が解けていくなか、アスランの頬が一気に赤く染まる。忘れていたわけでは勿論無いが、唐突過ぎて現実味がなかったのだ。なにせアスランの想像する告白の仕方とはまったく違うものだったから。

    「でも君からまだ返事を貰ってない。だからちゃんと教えて貰おうと思って」

    アスランの心に、ね。微笑んだキラの指先が伸びてくるのを、既に潤み始めた視界で捉えた。


    no title | Writeningあの時、オーブでアスラン心を暴き損ねて以来、キラはやり直しの機会をずっと待っていた。 アスランの全てを知りたい。なにもかも、一つの漏れもなく。 唇を舌で割り開いて、咥内を舌先で触れていく。奥に逃げ…writening.net

    スレには書けない部分は此方に入れておきます。

    でも全然えろくないです。そのうち少し追加するかもしれない。

  • 74二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 07:18:53

    尊すぎて昇天した…(追加…追加…)

  • 75二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 13:17:57

    hsy

  • 76二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 19:24:18

    hsy

  • 77125/09/20(土) 22:20:36

    重だるい倦怠感。ゆっくりと起き上がると、腰が痛む。まったくもって容赦がなかった。何もかも全部丸ごと見られたし、何度も好きだと言わされた。ただ乱されるまま、好きと繰り返しながら甘えたような記憶を思い返し、アスランは真っ赤になって頭を抱えた。
    消したい。キラの記憶をこの数時間分、全部消したい。そして穴でも掘って埋まってしまいたい。
    到底実行不可能なことを考え、横で呑気にすやすや寝ているキラを恨めしく眺めた。可愛い顔で寝やがって、と惚気なんだか八つ当たりなんだか分からないことを考える。でも、こうして寝顔を見るのも久しぶりだから、どうしたって嬉しくなってしまう。
    散らばった衣服は一旦意識の外へと追いやって、何故かキラが所持していた赤服の上着だけを羽織る。
    喉が渇いたので机の方へ。部屋に来る時に持ってきたドリンクボトルはそこに置いていたはず。アスランが近付くとトリィが飛んできて肩に乗った。なんだかトリィに気を使われていた気がするのは、流石に気の所為だろうか。
    机の上には二体のぬいぐるみが並んでいる。アスランはボトルを手に取り口を付けようとして、ふと動きを止めた。
    ……二体?
    視線の先には、確かにぬいぐるみは二つ。トリィがベッドから持っていったものと、アスランがプラントで購入したもの。思わずに己の鞄を見ると、チャックが空いていた。モビルスーツでの移動になるからと、傷付いたりしないように柔らかな布でくるんで底の方へしっかり仕舞っておいたはずだ。
    (……トリィが、出したのか?)
    『トリィ?』
    肩に乗ったトリィを見るも、トリィは首を傾げるだけだった。キラぬいと、自分に似たぬいぐるみが、仲睦まじそうに並んでいる。
    「わ、なにこれ…こっちはアスランの?」
    後ろからにゅっとキラが抱き着いてくる。いつのまにか起きていたらしい。
    「可愛いね!ねえ、これアスランのなんでしょ?」
    (ああ。おまえに似てたから…)
    「僕もアスランに似てたからこれ、買っちゃったんだよ。おんなじことしてるの嬉しいな」
    もしかして元々二体でセットだったのかな?と言うキラに、もしかしたらそうかもしれないと思い始める。
    ちらりと眺めた二つのぬいぐるみは、ただ可愛らしい笑みを浮かべていた。

    「ところで、声を出さないのはもしかして喉が枯れちゃったから?」
    (……うるさい)

  • 78二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 07:16:17

    うんうん、夜はお楽しみだったんだね
    大変ご馳走様でした!

    トリィ賢い子…やっぱり君自我あるよね…

  • 79二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 17:08:56

    ゆうべは おたのしみでしたね(某RPG風)

  • 80125/09/21(日) 21:25:09

    キラアスが宇宙へ上がったり部屋で懇ろになったりしている頃。

    イザークは、先日のアラスカでの一件について悩んでいた。

    あの時、キラ・ヤマトの言ったことは真実だった。イザークの呼び掛けに着いてきてくれたものだけは助かったが、それ以外はサイクロプスで亡くなってしまった。その後のパナマ侵攻でも、無抵抗の人間を蹂躙するザフト兵などを目撃してしまいイザークの中にも僅かな懸念が生まれつつあった。

    (あのフリーダムにキラ・ヤマトが乗っていたのだから、ラクス・クラインが反逆者だという知らせは嘘ではないのだろうが……)

    しかし、その理由はなんだ。キラは相変わらずアスランの事ばかりを考えていた。なのにラクス共々、アスランを裏切るようなことをするだろうか。そのアスランも特務を受けたとかで消息は分からない。

    分からないことばかりだ。なにより、イザークにはもう一つ頭を悩ませる事があった。

    「クルーゼ隊長、少しよろしいでしょうか」

    「なんだね?イザーク」

    「あの女はなんなのです?捕虜であるならばそのように扱うべきだと思うのですが」

    「イザーク、銃を撃ち合うばかりが戦争ではないのだよ。私は鍵を探していた、そして見つけたのだよ。恐らくな」

    「…はあ」

    「彼女は言わば語り部さ」


    クルーゼの自室にて。

    「さて、フレイ・アルスター。昨日は砂漠でのキラ・ヤマトの話の途中だったな。続きを宜しく頼むよ、主に彼の幼馴染について語っていた会話を重点的にな」

    (その幼馴染って此処のパイロットなのよね?その人に聞けば良くないかしら…)

    捕虜としては異例の待遇を受けながら、要求されるのはアークエンジェルでの事細かなキラの言動報告であった。変な状況ね、と思いながらもフレイは今日もキラの話を脳内からさらってクルーゼに語って聞かせた。

  • 81125/09/21(日) 22:32:12

    キラと久しぶりの夜を過ごした後、プラントへ向かおうとするアスラン。

    まだ少々身体がだるいが、この程度ならまあ問題ないだろう。パイロットスーツに着替え、シャトルへ。


    「アスラン!なんでプラントになんか戻っちゃうんだよ!ジャスティス無しで行くなんて危ないだろ!」

    話を聞いたカガリが、相変わらず危なかっしいことばかりしようとするアスランに詰め寄った。

    「カガリ……悪いが、キラを頼む」

    「……おまえ、その声。すっごいことになってるな…」

    掠れてどことなく色っぽい声にカガリは本当に戻して大丈夫なのか?とキラを見た。弟(絶対だ!)は不満を前面に押し出した顔で、アスランの手を取った。

    「アスラン、条件の話覚えてる?」

    「ああ…。一体なんなんだ?」

    「条件はね…」



    dice1d3=2 (2)

    1.最低でも三十分に一回、定期連絡をする(此方から話し掛けたら絶対に応えること)

    2.盗聴器とGPSを付ける(安全を確保する為だよ)

    3.上記二つ+ニコルを同行させる(一人じゃ行かせたくない)

  • 82二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 08:26:37

    クルーゼがフレイに聞いてる内容が完全に個人的な趣味で笑える
    ニコルは居残りか…下手に連れて行って引き離されても困るし中々いい結果かも

  • 83二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 17:45:35

    何にせよ!愛が!重い!!

  • 84125/09/22(月) 22:15:59

    もしニコルが同行してたら脱走の際に二人で暴れてダコスタ君が「仲間がめっちゃやられた…orz」ってなってた展開があったかもしれない…

    「はあ!?GPSはまだしも、盗聴器なんて必要か?」
    「あらかじめ言ったけどアスランに拒否権はないよ。そういう約束でしょ」
    「ぐ…いや、いくらなんでも……それじゃまるでスパイをするようじゃないか。もうそんな感じだろって言われたら否定できないが…」
    「大丈夫、僕しか聞かないし、アスランの身の安全以外の情報は他言しないよ。それ以外の話はアスランが帰ってきてから話したいことを話せばいい」
    「……俺が意図的に情報を隠匿してもいいと?別にそんな事をするつもりはないが」
    「僕に隠さないならそれでいいよ」
    「おまえな、この艦にとって自分がどれだけ重要な存在かは分かってるんだろう?迂闊にそういう事を言うな」
    「そういうアスランは分かってないみたいだけどね、僕は君がなにより一番なんだ。アスラン以外の全員がそんなこともう知ってるよ」
    「……でも、キラはこの艦も守りたいんだろう。その気持ちを裏切るようなことはしないさ。キラの気が済むなら付ければいい。別に俺個人は聞かれて困ることもない」
    アスランは、キラが襟足の髪を掬い上げて、項に盗聴器とGPSの小型機を貼り付けるのを大人しく受け入れた。
    「服じゃないんだな」
    「だってスーツや軍服にいちいち付け替えるより、アスランに直接付けてた方がいいでしよ。ところで痕も付けていい?」
    「……見えないところなら」

    キラにしっかりと諸々を付けられたアスランは、見送りに来たニコルとディアッカの所へ。
    「アスラン、やっぱり僕も着いていった方が…」
    「平気だ。それにユーリさんと顔を合わせたら辛くなるだろう。おまえたちが生きてることは伝えておくから」
    「気を付けろよ。正直に言うが絶対無事では済まないぞ」
    「…ああ。もし、俺が戻らなけばジャスティスは…」
    「おっとそこまでだ。盗聴器つけられてんだろ?変なこと言わない方がいいぜ」
    「ジャスティスはアスランの機体です。貴方が乗ってください」
    「……そうだな、悪い。忘れてくれ」

  • 85125/09/22(月) 22:18:44

    「フリーダム、シャトル護衛の為に発進します」
    『分かったわ。気を付けてね、二人とも』
    マリューの言葉に頷き、シャトルとフリーダムはアークエンジェルから発進する。

    「そろそろヤキン・ドゥーエの防衛網に引っ掛かるな」
    「そっか。ねえ、アスラン。念の為言っておくけどさ」
    「なんだ」
    「死んだりしたら許さないよ。前も言ったけど…僕らはおじいちゃんになるまで一緒に生きて、それで最後は一緒に死ぬの」
    「…そうだな。おまえがよぼよぼの爺さんになるのは見てみたい」
    「アスランはおじいちゃんになっても、なんか背筋伸びてしゃんとしてそうだなぁ」
    「そうか?まあ余生を楽しく過ごしたいなら、健康は大事だな」
    「うん。だから、僕のところに帰ってきてね。昨日たっぷりそうなるようにしたつもりだけど」
    「……そのせいでまだ………なんでもない。行ってくる」
    「僕はこの辺りで待機してる。君になにかあったら乗り込んじゃうかもしれないから気を付けてね」
    「それは困る、勘弁してくれ。此処に残るならキラも見つからないように気を付けろよ」
    「分かってるよ。お義父さんとちゃんと話せるといいね」
    「……俺もそれを願っている」
    プラントに行くのは、家族として父との関係も諦めたくないから。死に急いでる訳では無い。キラに感化されたのか、いつか皆で仲良く食卓を囲めたらいいだなんて思ってしまった。
    キラに見送られ、アスランはプラントへ進んでいった。

  • 86二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 00:22:32

    >>84

    そうだそうだ、変なこと言ったらまたキラにお仕置きされるぞ


    パトリックとキラの義父義息子バトル見たいなあ…

  • 87二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 07:22:52

    クルーゼがすごい楽しそうでなにより

  • 88125/09/23(火) 13:59:46

    今日はこれから地元の祭りに駆り出されて帰宅がかなり遅くなりそうなので、いつもお世話になってばかりで大変申し訳ないのですが保守をお願い致します。
    携帯回線が完全に死んでいるのと深夜はWi-Fiも規制されておりまして…ご迷惑をおかけ致します。
    更新ない代わりと言ってはなんですが先日のやつに追加してあるのでお時間あるときの暇つぶしにどうぞ。

    それとご迷惑ついでに一つ。もう少し先にあるメンデルでのイベント後、折角なので所謂メンデルのご都合薬ネタをやりたいのですが、キラアスに使いたい薬があればレスして頂けると嬉しいです。どういうのがいいか悩んでしまったので…よければお願いします。

  • 89二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 18:01:28

    保守了解です!


    語り部フレイとキラアス腕組み後方理解者仮面お兄さん
    何故か勝手にお茶会しながら優雅に話してると思ってました…
    (フレイのザフト緑服は無理でした)

  • 90二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 00:08:11

    ぬいみたいなネコ耳生える薬

  • 91二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 06:48:00

    ショタ薬!

  • 92二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 12:56:43

    筋弛緩剤と媚薬の合わせ技で好き勝手みたいな

  • 93二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 13:11:40

    ショタ化薬いいですね!
    アスランが初めてシた頃の年齢になってしまって…とか見たいです

  • 94125/09/24(水) 20:20:00

    保守とお薬ネタありがとうございました!とても助かりました。

    どれも最高な内容なので、頂いたお薬の話は全部やりたいと思います。アスランに頑張って貰いましょう。



    >>89

    自分の脳内でも仮面お兄さんは飲み物をしっかり用意してからフレイの話を聞いてるイメージでした。お茶会でキラアストークしてる二人が和やかでとても可愛いです。

    やっぱりフレイ=地球軍服のデザインが印象強いんでしょうか。でも逆にここまで再現できることが凄い…。

    いつも素敵なイラストありがとうございます。

  • 95125/09/24(水) 20:25:39

    地球軍のシャトルでプラントへ入国したアスランは、身柄を拘束されるものの、父・パトリックと面会することに成功する。


    「どういうことだ。説明をしろ。フリーダムは、ジャスティスはどうした!?」

    「父上は、この戦争のことをどうお考えなのですか?俺達は一体いつまで、戦い続けなければならないのですか?」

    「なにを言っている!それになんだその態度は」

    「俺は、プラントの議長閣下と話をしにきたのではありません。父である貴方と……父上の考えが聞きたくて、戻ってきました」

    息子として話すのは随分と久しぶりだ。らしくもなく少し緊張している自分がいる。それでも、この為に此処に来たのだとアスランは父と対峙する。

    「アラスカ、パナマ、ビクトリア。撃たれたら撃ち返し、撃ち返してはまた撃たれ、いまや戦火は広がるばかりです!」

    「どこでそんな馬鹿げた考えを吹き込まれた!ラクス・クラインにでもたぶらかされたか!」

    「力と力でただぶつかり合って本当にこの戦争が終わると、本当にそうお考えなのですか!?」

    「終わるさ!ナチュラル共が全て滅びればこの戦争は終わる!!」

    「……父上、本気で……仰っているんですか?ナチュラルを全て滅ぼすと!」

    「これはその為の戦争だ!我等はその為に戦っているんだぞ!それすら忘れたのかおまえは!!」

    パトリックに投げ飛ばされ、その隙にアスランは銃を向けられる。呼ばれた兵が駆け込んできて辺りを囲まれ、ここで逃げ出すことが困難な状況になった。

    「俺は…確かにナチュラルを、地球軍を憎みました。多くの人もこの手で殺しました。こんな戦争が早く終わり平和になればと…全て覚悟して志願し銃を取りました。それは母のような人を増やしたくなかったからです!父上も同じ気持ちなのだと、俺は信じていました…」

    「……」

    「すみませんが…俺はここで大人しく貴方に従う訳にはいかない…!」

    自分に向かって走ってくるアスランに、パトリックは…


    dice1d3=1 (1)

    1.発砲しなかったが他の兵士が撃った

    2.発砲したが狙いを外した(軽く掠った程度)

    3.アスランの肩を撃った

  • 96125/09/24(水) 22:25:26

    自分の目を真っ直ぐ見ながら向かってくる息子の姿に、パトリックは思わず引き金を引くことを躊躇った。その逡巡の間に、兵士が咄嗟に発砲しアスランの肩を撃った。
    「殺すな!これにはまだ訊かねばならんことがある」
    その光景にハッとしたように、パトリックは兵を制した。撃ち抜かれたアスランの肩から溢れる血が床を汚していく。
    銃声音を盗聴器越しに聞いたのだろう。キラの呼び掛けと同時に、心配と怒りが綯い交ぜになったような感情の圧が届いた。
    (アスラン!アスラン、撃たれたの?)
    (大丈夫だ。大したことはない)
    (……だめ、無理だ。我慢できない)
    (待ってくれ。父ともう少しだけ…本当に大丈夫だ、ちゃんとキラの所に帰るから……頼む)
    傷を押さえて出血を止めつつ、アスランはキラを宥める。いくらキラでも、たった一機でプラントに近付くなんて自殺行為だ。アスランの所に来るまでに撃墜されてしまう。己の傷よりキラの方がよほど心配だ。必死に説得をし、ぎりぎりのキラの妥協を引き出す。
    (………30分だけ、このまま待つ。でもずっと会話を繋いでて)
    (分かった)
    ひとまず阻止出来てほっとする。キラと話す間に、アスランは兵士達に立たせられ、拘束された。
    「連れて行け。ジャスティス、フリーダムの所在を吐かせるのだ!多少手荒でも構わん」
    床に散らばった、割れた写真立て。在りし日の母とアスランの笑顔の無邪気さが、胸をざくりと貫いてくる。
    「見損なったぞ、アスラン…」
    「俺もです…。今の貴方を母が見たら、きっと悲しむ」
    兵士に連行されながら、アスランは最後までパトリックから視線を外さなかった。
    「俺は……愛する人に恥じるような事はしたくありません」
    「……子供が分かったような口を聞きおって」
    苦虫を噛み潰したような父の顔を最後に、アスランは部屋を連れ出された。

  • 97125/09/24(水) 22:27:26

    廊下を連行されていると、好機の目線に晒される。まあ赤服が捕まっていて目立たないはずもない。ましてやアスランは議長の息子であり、いまや逃亡犯となっているラクスの婚約者なのだ。なにも憶測するなというほうが無理な話だ。
    猶予は三十分しかない。アスランの恋人はとても過保護なので、本当にその時間きっかりしか持たないだろう。
    (これから少し暴れるが、気にするな)
    (は?待ってアスラン、なにを…)
    建物の外に出たタイミングで、アスランは隣を歩く兵士を蹴り飛ばした。そこからは、流石ザフトレッドと言うべき身のこなしで反対側に居たもう一人へ体当たりを食らわせ、逃走を図った。すると兵士の一人がアスランの援護をするように銃を撃ちながら着いてくる。建物の陰に逃げ込んだ所で、手錠を銃で壊してくれた。
    「無茶な人ですね、あんたも。死ぬ気ですか?こっちのメンバーも一人蹴り倒しちゃって…」
    「…君等は?」
    「所謂クライン派ってやつですよ。ああもう段取りがめちゃくちゃだ…」
    なにがなんやら分からないが、ひとまず助かりそうだ。アスランも銃を受け取り、応戦する。
    (キラ、なんとかなりそうだ。そのまま其処に居てくれよ)
    (……全部聞こえてるから。これをなんとかなりそうとかいう?もうだいぶアウトだよ)
    怒りも一周回ると冷静になる。目を離すと本当にロクなことがない、もう絶対一人で何処かに行かせないと不穏な決意をキラがしたことを知る由もなく。道中倒した兵士にニコル達の生存を伝言し、アスランはダコスタ達と逃亡した。

  • 98二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 07:09:43

    Destinyが始まらない予感!

  • 99二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 15:28:43

    アスランの生きる意思ありありだから余裕が持てていてとてもいい…この調子でいずれ来るパトリックイベントに打ち勝って欲しい

  • 100二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 18:27:37

    もしニコルも連れて来てたら本編以上に大暴れしてそう

    あとアスラン、多分これから再会するお姉ちゃんからも叱られると思うぞ

  • 101125/09/25(木) 22:12:12

    ダコスタに連れられ、軍港へとやってきたアスラン。非常に慌ただしい雰囲気だった。
    (あれは……新造艦か?)
    「隊長!」
    「ダコスタは後部ハッチから入れ!」
    隊長と呼ばれた男に指示されるまま、ゲートを強引に抉じ開け発進するエターナルの後部ハッチから内部へと入る。
    すぐにブリッジへと移動すると、そこに座っていたのはラクスだった。
    「ラクス!?」
    「アスラン!まあ、またお怪我をしたのですね…」
    吊るされたアスランの腕を見て、ラクスは顔を曇らせた。そっと肩に触れる。
    「無茶をしてはいけないと言いましたのに。この間は右腕で、今度は左腕ですか……またキラを怒らせますわよ」
    「もう怒られたよ…」
    ラクスにも叱られ、アスランは少し不貞腐れた。あの日プラントで別れて以来の再会。日数としてはそれほど経っていないが、一日一日の密度が濃かった為かなり久しぶりのような気がした。
    弟を助けてくださいな、とラクスに笑顔で無茶ぶりされたダコスタは無事にアスランを届け終えてやれやれとため息を吐いた。そして、一人の男がアスランへと声を掛ける。
    「よお、初めまして。ようこそ歌姫の艦へ。アンドリュー・バルトフェルドだ」
    「!砂漠の…虎?!」
    思わぬ名に驚く。バルトフェルドに寄り添うように立っていた長い髪の女性が、アスランを見てにこりと笑った。
    ラクスは席へと戻り、全チャンネルを開いてザフト軍へと訴えている。アスランはひとまずその横につく。
    「しかし、いくらこの艦が速くともこの物量はなぁ。逃げ切れるかどうか」
    「この艦にモビルスーツは?」
    「あいにく出払っていてね。この艦はフリーダムとジャスティス専用運用艦なんだ」
    「……なら問題ありません。フリーダムがいます」
    アスランが宇宙へ出た段階でキラは此方へと向かうと言った。もう合流しても可笑しくない頃だ。
    「おや、あの少年が近くに?」
    「キラはこの状況を盗聴器とGPSで全て把握しています。もうすぐそこに来ている筈です」
    「あら」
    「まあ」
    「いやあ、初っ端からフルスロットルだなぁ…」
    ラクス、アイシャ、バルトフェルドの順に各々の反応があった。アスランは微妙な気まずさを感じて目を伏せた。

  • 102125/09/25(木) 22:13:55

    そして、その直後にフリーダムは到着し、エターナルは無事にヤキンの防衛軍を突破する。エターナルはフリーダムと回線を繋げた。画面上に、キラの顔が映る。
    『アスラン!その腕…』
    「すまないな、キラ。モビルスーツがあれば俺も出れたんだが…」
    『あったとしても駄目に決まってるだろ!そんな怪我で!』
    「見た目ほど酷くないさ」
    『アスランのそういう台詞だけは信用してない』
    痴話喧嘩を始めた二人に、バルトフェルドはやっぱり若いねぇと笑った。
    「歌姫さんから少年の想い人がアスラン・ザラだと聞いた時は驚いたが、こうして見てみるとお似合いだな」
    「そうねアンディ。綺麗な子だから、飾り立てたら楽しそう。あの砂漠のお姫様の時みたいに」
    「まあ、いいですわね。是非私も参加したいですわ」
    アスランは嫌がるかもしれないが、ラクスに口頭で勝てたことはないので上手く丸め込めるだろうし、なによりキラがねだれば彼に甘いアスランは最後には折れるだろう。二人でお揃いの装いにしても面白いかもしれない。
    付き合いこそ長いが恋人としてはなりたてほやほやの二人をラクスは微笑ましく見守りつつ、エターナルをアークエンジェルと合流させるべく指示を出した。

  • 103二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 06:34:17

    そういえばシーゲルさんはどうなったんだろう…

  • 104二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 16:28:29
  • 105125/09/26(金) 20:19:21

    >>104

    吸血鬼キラ&狼男アスランありがとうございます!

    思わず首輪に目が吸い寄せられました。此の世でキラだけが付けられる首輪…。

    全部のイラストが滅茶苦茶萌えました…

  • 106125/09/26(金) 20:22:21

    アークエンジェルと無事に合流を果たしたエターナル。双方の面子が顔を合わせることに。


    「初めまして、というのは変かな。アンドリュー・バルトフェルドだ」

    「マリュー・ラミアスです。しかし驚きましたわ。」

    かつての敵との再会。今度は味方として。想像もしてなかった事態だ。しかし思えば、すんなり砂漠を抜けられたのは彼が見逃したからなのではとマリューは思った。

    「久しぶりだな、少年」

    「ええ。でも本当に驚きました。通信で貴方の名前を聞いたときは」

    「あの日、君を行かせたことは正解だったようだな。君のような男なら何かを変えるんじゃないかと期待していたよ」

    「貴方が言っていた期待ってそういう…僕はただアスランと一緒にいれる世界がいいだけですよ」

    「はは、いいじゃないか。若者の恋愛が自由に出来る世界と言い換えたら、素敵だろう?アイシャ共々、よろしく頼むよ」

    キラとバルトフェルドは、しっかりと握手をした。


    「なあ、ラクス。聞いてもいいか?」

    エターナルを降りたラクスを捕まえ、アスランはずっと気になっていたことを問い掛ける。あえてを気を使って自分に言っていないのではと、此方から聞きに行くことにした。

    「なんでしょう?」

    「その……シーゲルさんはどうしたんだ。一緒じゃないのか?」

    「…父は……」


    dice1d3=2 (2)

    1.逃走中にぎっくり腰になった

    2.軽傷を負った

    3.中傷を負った

  • 107125/09/26(金) 22:23:31

    「逃走中に追っ手に見つかって軽い怪我を致しまして……現在、協力者の方の下で匿われていますわ」
    「……そうか」
    「アスラン、貴方のせいではありません。ですからそう思い詰めた顔をなさらないでください」
    「しかし……父の命令のせいだ。それにまだプラントに居るならまた見つかる可能性も……」
    「大丈夫ですわ。かなり見つけにくいところですし、折を見て脱出する手筈も整えてあります。むしろ私があれほど堂々と出国しましたので、父がまだプラントに居るとは思われていないかと」
    「もしかして……俺が父に会いに行ったりしたから、予定を前倒しにしたんじゃないか?だとしたら……」
    「もう、仕方のない子ですわね。いいですかアスラン、父は貴方のことを本当に息子にしたいほど気に入っているのですよ。だから婚約破棄については少しガッカリしていたほどです。父はむしろ、貴方を助けることに積極的でしたわ」
    「ラクス…」
    「今はこんな形になってしまいましたが……父とパトリック様も元々は友人でしたそうですから。きっといつか仲直りできますわ」
    ね?と子供に言い聞かせるようにラクスがそっとアスランの手を握る。自分が励まされてどうするのか、辛いのはラクスの方だろうとアスランはその手を握り返した。プラントに戻って屋敷に帰っても父は居ないので、軍の宿舎にばかり寝泊まりするアスランを気遣ってよく食事に誘ってくれたのはこのクライン親子だ。コペルニクスのヤマト家を思い出す家庭の温かさがあった。
    「アスラン!ラクス!」
    バルトフェルド達との話を終えたキラが、二人の元へやってくる。ラクスはアスランから手を離して、にこやかに笑った。

  • 108125/09/26(金) 22:25:26

    「お久しぶりですわね、キラ。お元気そうで何よりですわ」
    「うん、ラクスも。吃驚したけど、でもありがとう。アスランを助けてくれて」
    「うふふ、お姉ちゃんですもの。それにもう少し遅かったらプラントに乗り込んでいたところだったとか。間に合って良かったですわ」
    「ちょっとアスラン連れてくね。一応手当はしてあるみたいだけどちゃんと軍医に見せなきゃいけないから」
    「そうですわね。では、また後で」
    アスランがなにか口を挟む間もなく、二人は何処かのんびりとした空気感で挨拶を済ませ、キラはアスランの怪我をしてないほうの腕を引いて歩き出す。
    「おいキラ、いくらなんでもいきなりアークエンジェルでラクスを一人には…」
    「大丈夫だよ。あっちの方向にはカガリが居たから。やっぱり女の子同士のほうが良いこともあるよ」
    「いや、カガリもラクスとは初対面だろう!?」
    「あとバルトフェルドさん達も居るしね。それに、そんな暗い顔の君が居たらラクスも落ち着けないよ」
    「……」
    「ごめんね、まだ盗聴器外してなかったから……全部聞こえてた」
    キラは耳に付けていたイヤホンをとんとんと叩いた。そういえばそうだったと、つい忘れていたことに気付く。
    「まったく……気を遣わせてばかりで情けないな、俺は。色々、父と話して考えたこと、聞いてくれるか?」
    「勿論!怪我の処置が終わったらゆっくり話そうね」
    自分の中で溜め込もうとしなくなったのは大きな一歩だ。キラが嬉しく思っていると、その背中にぽすりとアスランが額を寄せた。
    「……ただいま、キラ」
    「うん……おかえり、アスラン」
    ちゃんと帰ってきたぞと、そう伝えてくれるアスランをキラは身体を反転させてぎゅうと抱き締めた。

  • 109二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 06:20:28

    シーゲルさんも無事で良かった〜
    あとはパトリックお前だぞ
    お前もちゃんとキラアスの結婚式に出るんだ

  • 110二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 15:30:01

    最大の障壁はやはり嫁のおとんよなあ
    分かり合えなかったら駆け落ちするしかない…

  • 111125/09/27(土) 22:14:24

    【顔合わせ①〜ラクスとカガリ〜】

    アスランがプラントから帰って来た。その事自体にはカガリは安堵した。しかし、ローズレッドの大きな戦艦と共に、というのは驚きであったし、あのアンドリュー・バルトフェルドが艦長を務めているというのはあまりに予想外過ぎた。
    そして、いま視線の先にいるピンク色のお姫様のことも。キラとアスランの様子を見に来たら、彼女が一人で居たのだ。どう話しかけようかと思っていると、その少女がカガリに気付く。
    「こんにちは。私はラクス・クラインと申します。お邪魔させて頂いていますわ」
    「あ、ああ……えと、私はカガリだ。カガリ・ユラ・アスハ。君が、アスランのお姉さんか?」
    「まあ、貴女がカガリ様ですのね。お話は二人から聞いています。確かに私はアスランのお姉ちゃんですわ」
    カガリの名を聞き、ラクスは顔を明るくした。なんというか、ふわふわして女の子らしい。しかしこの少女がキラにフリーダムを託し、そしてあの戦艦を持ち出したというのだから、見た目によらずとても胆力のある人間なのだろう。
    「凄いな、君は。プラントから戦艦と共にやってくるなんて」
    「やらねばならないことだったというだけですわ。アスランには、それが心配なようですけれど」
    「あー…アイツ、懐にいれた人間に対して過保護っていうか、抱えて守りたがるみたいなところあるからなぁ」
    「特にキラに対しては顕著でしたけれど、少しは改善されたようですわね」
    「そのキラも大概だと、私は思うけどな」
    アスラン第一といいながらもアークエンジェルのことも気にかけている。なんというか、アスランへの執着とキラの生まれ持った優しさが奇跡的なバランスで成り立っていまに至るような感覚がある。何処かで一つ選択肢が違ったら、成立していなかったのではないかと。

  • 112125/09/27(土) 22:15:46

    「あと私に対して様や敬語は別にいらないぞ。話しにくいだろ」
    「ではカガリさんと呼ばせて頂きますわね。私にはこの話し方が一番自然ですので、お気になさらないでくださいな。私のこともただラクスで構いませんわ」
    「そっか、わかったよ。ところでキラ達は?」
    「アスランが腕に怪我を致しまして……いま医務室の方へ行ってますわ」
    「アイツまた怪我したのか……いつもぼろぼろだな。いやまあ、最初のアレについては私のせいだが」
    いま思うと、キラが許してくれたのもまた奇跡なんじゃないかという気がする。これもよく知った女の子に怒りをぶつけないキラの優しさに助けられたところがある。あの尋問の圧だけはしっかり怖かったが。
    「アスランが怪我したからラクスも落ち込んでるのか?」
    「え?」
    「違ったか?そんな感じがしたんだが」
    「……そう、ですわね。怪我そのものというよりはアスランが変に考えすぎなければいいなとは思っていましたが…」
    「なんかラクスも責任感強そうだ」
    「そうでもありませんわ」
    「自分の事は分からないものだろ。そういうところアスランと似てる。姉弟だからか?」
    どうやら実際に血が繋がっている訳ではないようだが、姉弟だと当人らがいうのだから色々複雑な事情があるのだろうとカガリは微妙な勘違いをしていた。
    外見は似てないけど、中身は似ている。自分たちはどうなのだろうとカガリは考えた。キラと双子かもしれない自分は、キラと似ているだろうか。
    「なあ、どうせこれから此処を拠点にするんだろ?案内してやる。といっても、私もここの正式なクルーって訳じゃないんだけどな」
    「よろしいのですか?ありがとうございます。貴女は優しい方ですわね。聞いていた通りですわ」
    「……あいつら、変なこと言ってないだろうな…」
    国を背負う少女が二人。これからのとても長い友人関係が、そしてキラとアスランを通じて築かれる家族としての繋がりが、いまこの瞬間から始まったのだった。

  • 113二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 07:30:59

    親族顔合わせ〜

  • 114二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 16:35:58

    今日の更新も楽しみに保守

  • 1151 25/09/28(日) 22:14:30

    【顔合わせ②〜ヘリオポリス組とアスラン〜】

    医務室できちんと治療を受けたあと、アスランは食堂へ向かっていた。治療している間、傷口を見たキラの怒りメーターが再び上昇しそうだったのと、フリーダムのことで整備士に呼ばれたので席を外して貰ったのだが、その時に終わったら食堂で待ち合わせだと言われた。確かにプラントへ向かって以降、きちんと食事はしていない。
    「あ」
    食堂の中に入ると、そこには同い年くらいの少年少女が三人。キラの友人達だ。勿論オーブで合流してから今までに何度か顔を合わせてはいるが、その時は各々にやることがあってきちんと挨拶をしたことはなかった。
    そして、アスランは仕事や任務上の事ならばそつなくこなすが、個人の交友関係については非常に内向的な方である。思わず引き返すか、キラに早く来てくれと話しかけようかしたとき、茶色の髪の青年が立ち上がった。
    「やあ、君がアスラン、だろ?俺はトール・ケーニヒって言うんだ。よろしくな」
    「ああ……アスラン・ザラだ。よろしく」
    差し出された手を見て、己も握り返して握手をした。なんというか、人好きの良さそうな男だ。トールに続いて、他の二人も名乗った。
    「私はミリアリア・ハウよ。よろしくね」
    「俺はサイ・アーガイルだ。いや、実際に会うとすこし緊張するな」
    「そうだよなぁ、だって耳にタコが出来るくらい聞いてた幼馴染さんだし、いまはキラのお嫁さんなんだもんな」
    「!?」
    握手をした体勢のまま、アスランは固まった。いったいどこまで浸透しているのだろう。そしてキラは何を話していたのか考え出すと怖いような、嬉しいような。

  • 1161 25/09/28(日) 22:16:12

    「……まだ嫁じゃない。というか、嫁になるかは…」

    「え?キラと結婚しないのか?」

    「結婚は…したいが。そうではなくて……」

    「あーそうか、キラのやつまだきちんとプロポーズしてないんだな?まあ戦時中じゃムードもなにもないか。指輪も用意できないし」

    「境遇から考えると物語みたくロマンチックと言えなくも無いけどね」

    苦笑しながらミリアリアが言う。相思相愛の幼馴染と戦場で再会、意思に反して敵対し、最後は手を取り共闘した恋人達。これがラブストーリーなら盛り過ぎなくらいだろう。サイも頷く。

    「何処かで熱狂的なファンが付いてても可笑しくないくらいだよな」

    「ファンなんかいないだろ…」

    思わずぼやいたアスラン。トールはからからと笑った。

    「でも良かったよ。君とキラがまた一緒になれて。キラはずーっと君のことばかりだったからな」

    「…そうなのか?」

    「ああ、朝から晩まで、寝ても覚めても、アスランアスランアスラン…君のこと好き過ぎて、というか連合が嫌い過ぎて最初の頃は艦内の空気最悪だったくらいだ」

    「そうだったわね。もうフラガ少佐にもマリューさんにも冷たくって。キラのあんな態度初めて見たから吃驚しちゃったくらい。何かあったのか途中から良くなってきたけど」

    自分と離れていた時の、キラの話。あの頃はキラが自分のところに来てくれないことが悲しかったが、こうして内情を聞くと改めてキラの苦悩を知った気がした。

    あと己のことばかり考えてくれていたというのは、やはり気分のいいものだった。

    「……その、君たちはヘリオポリスからの友人なんだろう?キラはどういう生活してたのかとか、聞いてもいいか?」

    「いいぜ!此方来て座れよ。俺もちっちゃい頃のキラの話とか聞いてみたいし、あと君自身の話もな!」

    トールに促され、彼等のテーブルへと。キラが、そしてニコル達も打ち解けたというだけあって気のいい彼のお陰もあって、アスランはすんなりと輪に加われた。



    ちなみにどんな話を聞いた?

    dice1d3=2 (2)

    1.カレッジでの生活の様子

    2.↑+キラがモテていたかどうか

    3.↑↑+軍人になってからのエピソード

  • 117二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 07:10:49

    アスランが色んな人と仲良くしてるの見るとじーんとするなあ…

    でもキラが見たら、トール達も大切な友人だけどそれはそれとして面白くなさそう

  • 118二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 17:05:31

    規制で書き込めなかった…!
    急ぎ保守!

  • 1191 25/09/29(月) 22:37:27

    いつも保守ありがとうございます。スレ立て当初は流石にここまで規制が酷くはなかったんですが、最近はどうやら掲示板全体的に規制が強いようですね…。

    「君達から見て、キラはヘリオポリスではどんな風だったんだ?」
    「そうだなぁ、基本的には大人しくてあんまり目立つタイプではなかったな」
    「本人も言ってたけど面倒なことは嫌いって感じで輪の中心から一歩外れた位置に居たかしら」
    特に親しくしていたトールとミリアリアが客観的な視点をくれる。サイはというと少し印象が違うようだった。
    「俺も大体はそんな感じだけど、それよりはよく教授の手伝いとかでずーっとPC弄ってるイメージもあるな。凄いタイピング速いから段々ASMRみたくなってた」
    「確かに。キラはよく教授とかからこき使われてたなあ。この分野に置いてはキラがずば抜けて成績良かったから。それは昔からなのか?」
    トールから話を振られ、アスランは頷く。
    「そうだな。かなり自由な組み方をするが、プログラミングは昔から得意だった」
    単に得意だったのもあるが、キラは好きなことはとことんやるタイプだったからどんどん極めていったというのが正解かもしれない。趣味はハッキングというくらいだ。無論悪用するなよと釘は差したが。
    「それと……他にも聞きたいことがあるんだが」
    「お、なんだ?」
    「…キラは人に好かれやすい人間だと思うんだが、その、特別に好かれていたりとかは…」
    「ははーん、さてはキラがモテていたかって聞きたいんだな?」
    「……ああ」
    すばりその通りなので、取り繕うこともなく認めた。アスランはキラを他に取られたくはないので、恋人になれたからと油断するような事はしないのだった。これから先ずっと、数多いる魅力的な男女の中からキラの隣の座を勝ち取り続けなければならないのだ。
    「さっきも言ったけど目立つタイプではなかったから、きゃーきゃー言われるような感じのことはなかった。でも確かに人に好かれやすかったからなぁ。正直に言うとキラが好きな子も居たんじゃないかと思うけど……その辺、ミリィから見てどうなんだ?」
    「そうねぇ、本当の事を知りたいだろうから私もはっきり言うけど、密かに人気ある感じではあったかしら。他の男と違ってガツガツしてないとか下心とかない素直な優しさがいいとか、笑った顔が可愛いとか、そういうのは聞いたことあるわ。ガチな子も居たでしょうね」

  • 1201 25/09/29(月) 22:40:21

    「……そうか…」
    分かってはいたが実際に聞くとあまり愉快な気分ではない。かといってアスランはそこでめげるつもりもないが。そもそもキラが好かれるなど当たり前の事なのだ。逆に欠片もそういうことがなかったとか言われたらキラの何が不満なんだとか思ってしまうかもしれなかった。恋する男子の心は複雑だ。
    「でも結局、蓋を開けてみたら、実際のキラはああだも
    んな」
    オーブでのキスシーンを思い出し、サイが少し遠い目をした。あれは今まで見たことのないキラの一面だった。
    「あれからずっとべったりくっついて離さないものね。下心がどうとかじゃなくて、単に貴方以外に興味がまるでなかっただけなんだわ」
    「いやーでもキラの気持ちもわかる。やっぱり自分の恋人がなにより可愛いよな」
    「……馬鹿」
    ミリアリアがトールの肩をぱしっと叩いたのを見て、この二人そういう感じなのか、とアスランはようやく気付いた。
    キラもだが、恥ずかしげもなくこういうことを言えるのは少し羨ましいかもしれない。二人のやり取りを眺めてアスランは小さく笑った。

    「アスラン!遅れてごめ…」
    ドアの開閉を待たず押し退ける勢いで食堂に飛び込んできたキラは、そこで固まった。アスランが笑っている。トール達と同じテーブルについて親しげに話をしていた。
    「〜〜〜もうっ!!」
    「うわっ!?危ないだろ!」
    座っているアスランを後ろからぎゅっと抱き込む。いきなり首に両腕が巻き付いて、流石に吃驚した。
    「整備終わったのか?」
    「終わったよ!それより、なんでいきなりこんな仲良くなっちゃってるの…」
    頑張って早く終わらせたのに、アスランの笑顔が僕に向いてなかった。キラはむすくれると、アスランの頭に顎を乗せるとうりうりと擦りつけた。
    「皆とアスランが仲良くなってくれることは嬉しいけど、どうして僕が不在の時なのさ……僕の目の届く所で仲良くなってよ」
    「キラ、地味に旋毛が痛いんだが…」
    「やっぱり盗聴器つけ続けない?」
    「それは周りの人が迷惑だろう」
    「アスランは自覚が足りない……僕がどれだけ普段から我慢してるのか…」
    ぎゅうぎゅうと抱きぐるみのようにアスランを腕の中に閉じ込めるキラを見て、ヘリオポリス三人組はやれやれと肩を竦めた。

  • 121二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 08:23:35

    このレスは削除されています

  • 122二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 09:36:03

    モルゲンレーテのオレンジジャケットは出ないし、連合の軍服も失敗したけど可愛いのが出たからヨシ!


    「アスランが皆と仲良くなってるのは嬉しいけど…ちょっと複雑…」
    「キラ…」

  • 123二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 18:08:52

    こういうやきもちは可愛くて好き

    画像もほっぺたつつきたい可愛さで良き

  • 124125/09/30(火) 22:11:34

    >>122

    とてもかわいい……ほっぺもちもちしたい…

    こんな風に後ろから抱きついてやだやだと拗ねるキラを思い浮かべてたので大変有り難いです。

    ついついキラにもアスランにもやきもち焼かせたくなってしまう…

  • 125125/09/30(火) 22:15:21

    ヴェサリウスにて。
    クルーゼ、アデス、イザーク、そしてフレイらはプラントから持ち出されたエターナルの行方を探っていた。
    そして、予測進路がL4コロニー群だと割り出されるのだった。

    いったいどうなっているのか。
    ここ最近そんなことばかり考えている気がする。会議に参加しつつも、イザークは頭を痛めていた。
    しかし、だ。なんとなく、こうなるんじゃないかという予感はイザークの中にはあった。流石にラクス・クラインが戦艦を持ち出すとまでは思わなかったが、キラ・ヤマトがフリーダムに乗って戦場に現れてから、アスランもそちら側へ行ってしまうのではないかと考えたことはある。勿論アスランを疑っていたということではない。
    ただ、アスランならそうするのではないかと、何処かで分かっていたのかもしれない。
    「どうした、イザーク。気が逸れているようだな」
    「はっ、申し訳ありません」
    「まあ無理もない。次に会えば、アスランは敵だというのだからな」
    「……」
    「それに、ニコルやディアッカもあちらにいる可能性があるというのは、隊長の私としても思うところはあるがね。君は彼等を討てるかな?イザーク」
    「……私はザフトの軍人です。裏切り者は許しません」
    「そうか。頼もしいことだな」
    なんにせよ、イザークのやることは変わらない。プラントの為に戦うことだ。それに戦場で銃口を向けあったからといって関係の全てが壊れる訳では無いと、皮肉なことにキラとアスランが証明している。この曖昧で不安定な情勢の中、ザフトにいる自分だから出来ることもあるはずだ。
    (……しかし、隊長は何故嬉しそうなんだ?)
    そもそも、捕虜をこの作戦会議に参加させたのは何故なのか。フレイを連れ自室に戻るのクルーゼの背を、イザークは些か疑問に思いつつ見送った。

  • 126125/09/30(火) 22:18:24

    疲れた様子で部屋に戻ったクルーゼが、駆け付け一杯とばかりに話を所望したので、フレイはキラがぬいぐるみを持っていた話をしてやった。するとクルーゼは非常に満足した様子で、チェアに深く背を預けた。
    「疲れてるんですね」
    「私とて生身の人間さ。戦場から戦場へ、ずっとそんな暮らしだ。軍人なのだからと言ってしまえばそれまでだが、我等とて何も初めから軍人だった訳では無い」
    「……そうですね」
    父の仇を討つため志願し、皆を巻き込んだことを、今のフレイは後悔している。
    「早くこんな戦争は終わらせたいと思うのは皆同じなのだがね。終わらないなら、いっそ引導を渡すのも慈悲かと思わなくもないが」
    「……?」
    「だが、メンデルか……舞台としてはこれ以上ないな。色々と分かったこともある」
    クルーゼは、机に届けられていた封筒から紙の束を取り出し、ざっと目を通すと引き出しに閉まって鍵をかけた。
    (…遺伝子……調査書……?)
    ほんの一瞬しか見えなかったので、単語しか拾えなかったが、確かにその言葉が書いてあった。
    「彼等は本当に私の想像を超える。期待したくもなるさ。パトリック議長には申し訳ないがね、父に逆らってまで想いを貫くアスランの覚悟にはやられたよ」
    相変わらず話の見えないことばかり語るクルーゼだが、なんだかそわそわしているようにも見える。これから何が起こるのだろうと、フレイは少し不安になった。

  • 127二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 07:29:09

    気ぶり仮面お兄さんが本格的に動き出す〜!

  • 128二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 16:32:26

    暗躍してるのは変わらないのにクルーゼが出てくるたびに笑えてくる

  • 129二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 20:20:24

    hsy

  • 130二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 22:13:21

    三隻の主要な面子が集まり、今後の方針を話し合うことに。

    そこで、ひとまず破棄されたコロニーであるメンデルに隠れる事で話が纏まった。

    “青き清浄なる世界の為に”地球軍は月へと次々に部隊の送り、プラントはまたナチュラルなど邪魔者だと防戦し反撃に転じる。その話を聞いたアスランの顔が少し曇ったのを、キラは勿論見逃さなかった。


    「アスラン」

    話を終えブリッジから移動する時に、キラはアスランに声を掛けた。少し話そう、とアスランの方から静かな場所へと足を向けた。

    「先の話で、父の言葉を思い出してな」

    「ああ…」

    アスランとパトリックの会話は、キラも聞いていた。ナチュラルを全て滅ぼせば戦争は終わると父親に言われるのは辛いだろう。

    「父の気持ちが分からない訳では無いんだ。こんなこと言ってはいけないんだろうけどな」

    「…レノアさんをとても愛していたんだね、お義父さんは」

    「たぶん、父が愛していたのは此の世で母だけなんだろう。だから母の命が奪われたあの日から…父は正気ではないんだ」

    あのユニウスセブンの件から、どれほどの憎悪が生まれたのか。争いがここまでの規模になるなど、きっとナチュラルとコーディネイターのどちらも想像していなかっただろう。

    「その怒りは分かるさ。俺だってもしキラが殺されたら自分を抑えられる自信はないからな」

    「アスラン…」

    「駄目だと分かっていてもきっと狂ってしまう」

    「…今日は熱烈だね。嬉しがっちゃいけないんだろうけど、嬉しいな」

    実際のところ、それでもアスランは踏み止まるんじゃないかとキラは思うが、失うことは耐えられないと伝えてくれるアスランの想いは本物だと分かる。どちらかというと止まれないのは自分の方だろうと思いつつ、キラはアスランの側に寄った。

  • 131125/10/01(水) 22:16:06

    「だからこそ、父を止めたい。取り返しがつかないことになる前に」
    「僕も力を貸すよ。ていうか、アスランなら僕の力なんて好きに使っていいよ」
    「キラは俺に甘すぎるな」
    「アスランが自分に厳しいから丁度いいでしょ」
    己を許すということがどうにも下手くそなアスランだが、その不器用さも彼らしい。
    「それで、キラに……伝えておきたいことがある」
    「なあに?」
    「おまえは俺の心を見たんだからもう知ってるだろうが……ちゃんと言葉にしたことはなかったからな」
    低重力の中、アスランは床を軽く蹴ってキラに抱き着いた。二人の身体が勢いで宙に浮くので、キラは咄嗟にその背に腕を回して受け止めた。
    「俺はキラが好きだよ」
    「!」
    「キラが言ってくれるのに俺が言わないのは、フェアじゃないだろ」
    頼むから顔は見るな、と早口でアスランが告げる。その耳はこれ以上ないというほど真っ赤だった。恥ずかしがり屋なアスランがあえて今気持ちを伝えてくれた理由に思い至って、込み上げる愛しさでキラは腕の力を強くした。
    「ありがとう。僕もアスランが好きだよ」
    言葉にしなくても、キラは自分がアスランにとっての唯一だと疑ったことはないし、態度だけで充分伝わっていたのだが。それでも言葉を貰うと舞い上がってしまいそうだ。
    「これから先、なにがあっても。二人でずっと一緒にいようね」
    「ああ」
    近くにいるからこそすれ違うこともある。父との事に悩んだアスランが、改めてキラに向き合おうとしてくれたことがなにより嬉しい。
    宥めるようにアスランの髪を梳きつつ、キラは温もりを感じ取るように目を瞑った。

  • 132二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 07:08:39

    不安要素はまだ散りばめられているけど、とりあえずこれを叫んでおこう

    エンダァァァァァァ!!!!!!

  • 133二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 16:50:03

    仮面お兄さん(今とても重要なシーンを見逃した気がする…)

  • 134125/10/02(木) 22:34:02

    アークエンジェルは、プラントから情報を受けたドミニオンに居場所を特定され、奇襲を掛けられる。

    ドミニオンの艦長ナタルと、戦場で悲しい再会を果たしたマリュー達AAクルーは、複雑な心境を胸に戦いへ。

    「……!この感じ…まさか!」

    ストライクで出撃していたムウが、近くにクルーゼが居ることを感じ取った。

    「おっさん!何処行くんだよ?!」

    「おっさんじゃない!近くにザフトが居るんだよ!」

    「ザフトが!?」

    レーダーにそれらしい反応はないが、ムウは確信を持って向かっていく。もしザフトがいるなら、そこにはもしかしたら…ディアッカはムウの後を追うことにした。

    「ニコル!俺はおっさんと確認してくる。悪いけどこっちは頼んだぜ」

    「了解です!…お気をつけて」

    「お互いにな」

    ニコルもまた同じ事を考え、ディアッカを送り出す。もし彼が居るなら、ディアッカ以上の適任はいないだろう。ニコルは二人の抜けた穴を埋めるべく、艦隊の援護へ回った。

    「此処は僕が!アスランはフリーダムの所へ!」

    「すまない、助かる!」

    ケーブルが引っ掛かり身動きの取れなくなったクサナギをニコルに任せ、アスランはカラミティを己に引き付けつつ、ドミニオンと他二機から狙われているキラの加勢へ。やがて戦況が悪くなったドミニオンが引き上げていくまで、二人はオーブの時同様滅茶苦茶な戦い方をする新型を相手に戦い続けた。

  • 135125/10/02(木) 22:36:16

    「キラ、平気か?」

    「アスランこそ大丈夫?スキュラを盾で受けてそのまま押し返すなんて……確かに君が庇ってくれて助かったけど…」

    「大丈夫だ。特に問題はない」

    「腕の固定もさっき外したところでしょ。あんまり無茶しないで」

    それも、モビルスーツに乗るために外したのであって傷が綺麗に治った訳では無いのだ。いくらコーディネイターといえども、魔法のように怪我が一瞬で完治することはない。

    「分かってる。それより、さっきのパイロット達…」

    「うん。オーブの時も感じたけど…」

    「ちょっと正規軍とは思えないな」

    「それに……ナチュラルでもないみたいだ」

    「ならコーディネイター……でもないよな」

    「違うと思う。ただなんか、凄い嫌な感じがした。それに…あのドミニオンからも、僕が一番嫌いなタイプが居る感じがする…」

    ざわざわと胸を騒がせる不快感。キラは連合、そしてブルーコスモスが嫌いだ。あの艦はそれと同じ感覚がし、それもかなり強く感じ取った。

    「…ひとまず、戻ろう。色々やらなくてはならないことばかりだからな」

    ドミニオンもいつまた襲来してくるか分からない。それまでに修理と補給、発進準備を整えておかなければいけないだろう。二人はエターナルへと機体を戻しに向かった。



    この後のメンデル捜索でアスランは……

    dice1d2=1 (1)

    1.キラに着いていきたかったが戦力を考え断念

    2.ニコルが二人が戻るまで自分が守るからと行かせてくれた


    2ならアスランもメンデルへ。

  • 136二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 07:47:17

    ここは本編通りになったか

  • 137二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 17:17:03

    続き楽しみ保守

  • 138125/10/03(金) 22:17:29

    ムウとディアッカが戻って来ず連絡もない。
    それを知り、キラがメンデルまで捜索をしにいくことに。

    「ジャスティスも問題ない。俺も行く」
    「ううん。アスランは此処に残って皆をお願い。ドミニオンも完全に引き揚げた訳じゃないから」
    確かに、いまジャスティスまでもがこの三隻から離れるのは危険だ。それはわかっているが、アスランは何故だか妙な胸騒ぎがして、キラを呼び止める。
    「分かった。お前が戻るまで俺は此処を守る。ただ…本当に気を付けてくれ」
    「うん、無茶はしない」
    「…前に言われたことのお返しって訳では無いが、ちゃんと俺のところに帰ってこい」
    「アスラン…」
    ここしばらくのデレラッシュにキラは驚いたが、これはアスランなりの“御守り”なんだろう。
    「当たり前だよ。…行ってきます」
    やっぱり気持ちを伝えてもらうのは嬉しく、キラは見送られながら再度エターナルを発進した。

    メンデルの内部へと侵入をしていくと、バスターとデュエルが対峙している現場へと遭遇。
    (…なるほど、これじゃ帰れないよね)
    フリーダムが接近してきたことに、ディアッカとイザークが気付く。ディアッカはすぐに通信を入れた。
    『キラ、こっちはいいから向こうに行ってくれ。おっさんがクルーゼ隊長と戦ってるんだ』
    「…本当に平気?」
    『大丈夫だ。今も戦ってないだろ』
    「…分かった。でも、僕とアスランみたいなことになっちゃ駄目だよ」
    『その台詞重たいわ…』
    いいから早く行けとバスターが腕を振るので、キラは大人しく言われた方向へと転換した。
    「さて、イザーク。降りて話そうぜ」
    「……いいだろう」
    遠ざかるフリーダムを眺め、イザークはため息を溢しながら地面へと降下していった。

  • 139125/10/03(金) 22:21:03

    その頃、ムウはクルーゼと交戦していた。

    先程の二人と違い、此方はかなり激しい戦闘の最中だ。

    「貴様に討たれるならそれもまたと思っていたがね。ここで!」

    「なにを…!」

    「しかしどうやらその器ではないようだ。やはり子は親に勝てぬということか……いや、やはり私は彼等の愛によって討伐されるべきなのかな?」

    「本当になに言ってんのかわからん!」

    思わずムウは素で突っ込んだ。しかしその間にもクルーゼの追撃の手は緩まず、コックピット付近への攻撃で脇腹を負傷してしまう。

    (居た!ムウさん)

    交わされていた会話を知らないキラは、ムウを助けるべく全速力でフリーダムを駆った。ストライクへの攻撃を狙撃で封じ、機体を切った。

    「フリーダム……!?そうか……ふふ…やはり運命は私の味方のようだ!」

    「くっ、あの野郎なにを…!」

    クルーゼがコックピットから脱出するのを見て、ムウも思わず拳銃を片手に乗り出す。

    「来たまえ!この舞台で役者が揃ったのだからな!」

    あの“調査書”がこんなに早く役に立つとは。ムウへの嫌がらせと推しCPへの試練を同時に起こせるなどこれが最初で最後だろう。クルーゼはこれ以上ないという絶好の機会を得て、メンデルの地へと彼等を誘い込んだ。

  • 140二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 07:13:07

    クルーゼがこの不適な笑みを浮かべて推しCPという4文字を言ってるので吹き出した

    アスランも来てたら推しCPが揃ったクルーゼがさらにテンション上がりそうだから来なくて正解か…

  • 141二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 15:33:35

    推しが試練を乗り越えて絆をさらに深める様子を特等席で眺める気満々のクルーゼ隊長もなんだかんだ結婚式出られればいいんだけど…一体どうなるか…

  • 142125/10/04(土) 22:15:58

    ムウを追い、慣れない拳銃片手に建物の中へと侵入していくキラ。
    (ああもう、こんなことならちょっとは練習しとくんだったな)
    一時は仕方なく地球軍に志願したとはいえ、キラは正規の軍人とは言い難い。実戦でモビルスーツの操縦こそ身に付いたが、生身での戦闘は精々砂漠でブルーコスモスを蹴っ飛ばしたときくらいなものだ。あれはコーディネイターとしてはちょっと荒っぽい喧嘩くらいなものだろうかとキラは考える。
    その辺り、軍人として真面目に鍛えているアスランは流石だ。再会してから思ったが、まず昔と身体の使い方が違う。動きに無駄がない。
    (格好いいアスランも大好きだけど、やっぱり僕も鍛えようかな…)
    生身でも強いからと無茶しがちなのは先のプラントへの帰還でよく分かった。なにかあればアスランはキラを守ろうとするだろうから、せめて自衛くらいは出来るようにならなければ。あと折角なら頼れる旦那になりたいという男心もある。
    ムウを探しつつ、キラは一応アスランへ連絡をしておいた。
    (アスラン、聞こえる?)
    (キラ!無事か?二人は?)
    (見つけたけど…まず、ディアッカは無事だ。向こうでイザークさんと話してる)
    (イザークと……そうか。フラガ少佐は?)
    (ゲイツと戦闘してたんだけど…クルーゼ?さんだっけ、その人を追って建物の中へ行っちゃって……いま追いかけてるんだ)
    (クルーゼ隊長を…?それに追ってるってことは、まさか生身で戦闘をしてるのか!?)
    (たまに遠くから銃声聞こえるからたぶん…僕も一応銃は持ってるけど)
    (フラガ少佐は大丈夫だろうが、おまえそんなもの扱えないだろう!セーフティは当然外してあるよな?)
    (……あ)
    (っこの馬鹿!それじゃ撃てないだろ!どうして俺は着いて行かなかったんだ…っ!)
    (とりあえずムウさん見つけたらすぐ帰るから…)
    (まて、周囲を警戒しながら俺の話を聞け。いいか、今から言う銃の撃ち方の基礎を頭に叩き込め)
    (スピードラーニング…?)

  • 143125/10/04(土) 22:18:01

    アスランによる簡潔かつ丁寧な指導を聞きつつ、キラはムウを探す。道中、指示されたとおりに試し撃ちしてみたりしながら進んでいく。
    「ムウさん!いますか!」
    「……キラか!?」
    何度目かの声がけで、ようやく返事が。キラはその声を頼りに辺りを探すと、遺伝子螺旋のオブジェクトの陰に身を隠すムウを見つけた。
    「ムウさん、その怪我は…」
    「ちょっとな…。ていうか、なんで来たんだよおまえ」
    「あのまま外で待つなんて出来ませんよ。マリューさんになんて報告すればいいんですか」
    「生意気言いやがって…おまえこそ嫁さんに叱られるぞ」
    「とっくに叱られてますしなんなら授業中ですよ」
    「はあ?」
    またこいつも訳の分からんことを…。いや、キラに関しては最初の頃からそうだったかとムウがぼやくと、どこからかクルーゼの楽しそうな声がした。
    「ふふ、流石だな。キラ・ヤマトくん。さあ遠慮せず来たまえ、始まりの場所へ!此処は君にとっても生まれ故郷だろう」
    「……は、此処が?」
    「あんなやつの言うことにいちいち引っ掛かるんじゃない!」
    「それに、知りたくないかね?君とアスランにある特別な繋がり、その理由を!」
    「!!」
    「アイツ本当になにを言ってるんだ…?さっきからなにが狙いで…」
    あのクルーゼという男は、自分とアスランにある能力を知っている。この事を知っているのは、ラクスとカガリだけのはずだ。そして、キラですらどうしてアスランと繋がれる力があるのかは知らないのだ。
    罠かもしれないし、適当にそれらしい言葉を並べて動揺させようというだけかもしれない。しかし、この件に関して引くことは不可能だ。
    キラは銃を握り締めると、ムウと共にクルーゼが招く方へと走っていった。

  • 144二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 23:37:36

    分かっていたことだけどこいつテンション高いな!

  • 145二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 07:15:19

    距離制限のない心の通信ってすごいなあと改めて思いました

  • 146二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 17:04:38

    推し活(傍迷惑)に余念がないな

  • 147125/10/05(日) 22:24:07

    先に進んでいくと、そこは研究所のようだった。見慣れない機械、試験官の中にいる赤子。未だ電気が通っているからなのか、稼働を続けているものが多いようだった。
    「懐かしいかね?キラ君。君は此処を知っているはずだ!」
    「……僕が、ここを知っている?」
    クルーゼまるで案内をするかのように自分はこっちだと発砲を続ける。なにか目的があるようだ。
    (ごめんアスラン、まだ戻れない)
    (……俺としては追わずに戻ってきて欲しい)
    (…ごめん。もう無理そう、今更帰してはくれなさそうだ。ムウさんもあの人が凄い気になってるみたいだし…)
    一旦アスランとの会話を切り上げ、キラは教わったばかりの銃を構えて進む。放置され荒れた部屋に入ると、ムウが肩を撃たれてしまう。二人は咄嗟に物陰へ。
    「命拾いしたな、ムウ・ラ・フラガ。キラ君が居なければ引導を…と思っていたがね。気が変わった。命までは奪わんよ」
    クルーゼはなにやら一冊のファイルを手に取ると、それをキラ達の方へと投げた。床に落ちたそれから、カガリが持ってきたのと同じ写真と、金髪の親子の写真が散る。
    「親父…!?」
    「え、ムウさんの…?」
    「ここは禁断の聖域。神を気取った愚か者の夢の跡。キラ君は知っていたかね?今の御両親が本当の親ではないと」
    「!?」
    「だろうな。でなければそんな風に育つ筈がない。なんの陰も持たぬ普通の子供としてなど…。アスランから聞いた君の名を聞いた時に、何やら引っ掛かってね。まさかとは思ったんだが…」
    あの時、ストライクのパイロットはアスランの恋人か?とキュピーンときたクルーゼは、そのまま調査に入り、そして確信したのだ。

  • 148125/10/05(日) 22:26:12

    てっきり死んだものかと思っていたよ、と語り続けるクルーゼに、キラも、そしてムウも困惑していた。

    「だが君は生き延び成長し、心のままに人を愛し、運命に引き裂かれ戦火に身を投じてなお愛を貫いた。この争いと憎しみに満ちた世界で平和を作ろうとするほどに。しかも、ヒビキ博士があれほど心血を注いだ研究と相反するように、君は子を成せぬ同性を愛したのだからな」

    「……何が言いたいんですか?」

    語る内容からクルーゼの矛先が自分だけではない気がして、キラは銃を構えながら問い掛けた。

    「それでは私のような者でも信じたくなってしまうではないか…!彼等の見た狂気の夢など、本当にただの愚かな夢でしかないと。君達が試練を乗り越える度に、私は期待してしまうのだよ!」

    「夢…?僕がなんだって言うんですか?」

    クルーゼの言葉の断片と、此処に来るまでの光景が、キラに真実を持って迫ってくる。

    「君は人類の夢、最高のコーディネイター」

    「……!」

    「そんな願いの下で開発された、ヒビキ博士の人工子宮。それによって生み出された唯一の成功体。彼の息子。数多の兄弟の犠牲の果てにね」



    クルーゼの言葉にキラは…

    dice1d3=1 (1)

    1.流石にショックを受ける

    2.ショックはあったがアスランの言葉を思い出してすぐ立ち直る

    3.まったくダメージが無かった(アスランからの愛バフ)

  • 149二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 07:28:03

    まあこれはなあ…ダメージ大きいよなあ…

  • 150二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 07:36:08

    ここも本編どおり

  • 151二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 15:03:45

    ここは変わらなかったかー

  • 152二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 15:10:10

    懺悔します
    本編通りだからキラショックだよなと思いつつさあこの後は慰めックスかそれとも最初無理やりのち合意系のどっちになるかなどっちも美味いなとか思ってしまったのは自分です

  • 153125/10/06(月) 22:15:22

    1なので後々キラがアスランセラピーを受けようとするのは確定しました。

    衝撃の事実が明かされたが、クルーゼの爆弾はそれだけではなく。自分がムウの父親、アル・ダ・フラガのクローンであることを告げ、その場の空気は更に悪化した。
    「僕、が……此処で……」
    クルーゼの言葉に、キラの銃を握る手が震えた。
    つまり、設計図通りにコーディネイターを生み出したくて、自分が作られたというのか。
    カガリのあの写真を見てから、自分がヤマト夫妻の子供ではないのだとは察してはいた。しかしこんな真実だとなは思ってもいなかった。
    純粋に、嫌悪感が湧く。そして、自分の足元が崩れていくような感覚。
    「お互い、生み出された側としては堪ったものではないな。しかし、なにも私は君をただ傷付けようとしてこんな話をしたのではない。本題はここからだよ」
    「本題…?」
    「言っただろう?君とアスランとの間にある繋がりの理由だよ。私には遺伝子学に精通した友人が居てね。少し気になったものだから、君達の事を調べて貰ったのさ」
    クルーゼは、懐からなにやら書類を取り出す。
    「君達二人の遺伝子の相性は、プラントのどの婚姻統制にも叶わない最高値だ。それこそアスランとラクス嬢の数値を遥かに凌駕する。およそあり得ない適合率だ」
    「僕とアスランの、遺伝子が…?」
    「故に、君達は繋がれる。何処に居ても、どれだけ離れていても心内で話せる程に、君達の遺伝子が常に響き合っている状態らしい」
    出会った瞬間から、キラとアスランにとってはあって当たり前だった力。なぜなのかと考えても分からず、ただ二人だけの特別ならばそれでいいと思っていた。
    「そんなことがありえるのか…?」
    「おや、他ならぬ君がそんなことを言うのかね?ムウ・ラ・フラガ。君と私は戦場で何度互いを認知したと思っているのかな」
    「!それは…」
    「それと似たようなものが……我々より遥かに強い力がキラ君とアスランには存在するのだ」
    何故だか自慢げにクルーゼは語る。そして、暗がりでも顔色が悪いキラに向けて書類を投げた。
    「それは君にあげよう、コピーで悪いがね。原本は私のバイブルなものでね」
    床に落ちたそれには、キラとアスランの遺伝子データや検査結果が、事細かに綴られている。

  • 154125/10/06(月) 22:18:32

    「最高のコーディネイターを目指して調整された君の遺伝子と、第二世代コーディネイターとして生まれてきたアスランの遺伝子が惹かれ合うか。本物の運命の前では人の思惑など無力なものだな」
    書類を拾って、キラは沈黙した。感情がぐちゃぐちゃで何を考えて良いのか分からない。ムウがしっかりしろと肩を揺するのも何処か遠くに感じる。
    もしここにアスランがいたら、震えるキラの手を握って、あの綺麗な緑色の瞳にキラを映して、大丈夫だと力強く言ってくれただろうか。そう思うとキラはアスランに会いたくて堪らなくなった。会いたい、いますぐ…いますぐ!
    キラは瞬間的に狙いを定めてトリガーを引き、クルーゼの持っていた拳銃を撃ち落とした。その隙に落ちていた小石をクルーゼの仮面に投げつける。
    途端、仮面が外れたクルーゼの顔に、ムウが息を呑んだ。
    「……ふ、ふふ……流石だよキラ君、それも君の才能かな」
    「…アスランから教わった通りに撃っただけです」
    「……なおのこと素晴らしいよ。本当に、君達には期待せずにいられないな!」
    クルーゼは、部屋から飛び出していく。ちょうどその時、キラの心に声が届く。
    (キラ、大丈夫か?クルーゼ隊長となにを話して…っ、此方はそろそろ時間がないぞ…!)
    とても聞きたかった声は、しかしかなり余裕がなさそうで。
    (どうしたの…?)
    (ドミニオンがまたやってきたんだ。他はニコル達に任せて俺が新型を相手しているが、このままでは…)
    (!!)
    あの三機をアスラン一人で。キラは全身の血の気が引いた。
    「ムウさん!!アークエンジェルが襲撃されてます、今すぐ戻りましょう!」
    「……おまえ、本当にアスランと会話を……」
    「僕が肩を支えますから。歩けますね?」
    ムウの怪我をしてない方の肩を支え、来た道を戻っていく。道中、二人とも無言だった。

    ムウをストライクのコックピットまで送り届け、自分もフリーダムのコックピットへ。
    「なんだこれ…」
    座席に、見慣れない袋。中には薬品の瓶が幾つか入っていた。クルーゼが置いていったのだろうか。液体爆弾などの可能性もあったが、キラはひとまずそれらを脇に避け、急いでフリーダムを起動させた。

  • 155二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 22:38:46

    バイブルww

    そしてクルーゼ何を置いてった?
    怒らない、むしろ褒めるので言いなさい。

  • 156二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 07:11:34

    あの…それ薬じゃなくてローションじゃ…?

  • 157二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 09:30:12

    ちょっと前に皆さんが案を出してた例のお薬ですかね?!
    先にアスランセラピーが必要そうですけど、使われるのが楽しみです

  • 158二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 18:04:18

    尺的に1本しか使えないでもかまいませぬ、ショタでも猫耳でも筋弛緩媚薬好き勝手でも受け入れ体制はばっちりです

  • 159125/10/07(火) 22:19:58

    皆さんから頂いたお薬ネタは全部やらせて貰いたいと思います。最終決戦前に長い空白期間があったのでそこでまず二つ、残り一つは終戦後オーブに降りてからの結婚&新婚生活で使わせて貰う予定です。
    素敵なネタ達をスレ主が美味しく調理出来るかは…祈っていて下さい。


    イザークに機体ごと回収して貰い、ヴェサリウスに戻ったクルーゼ。
    高揚したまま自室へと入っていく。素早く机の引き出しを開けて、仮面を装着し直した。
    「…なんだか機嫌がいいですね」
    部屋にいたフレイが、何事かと話しかけてくる。
    「こんなにも満たされた気持ちになったのは初めてかもしれないな。あれほど動き回ったというのに、発作一つ起きん。やはり彼等は私の健康にいいのだな」
    メンデルでの出来事を思い出し、クルーゼは満足そうに頷いた。出自を彼に明かしたのも試練の一つだが、この後の彼等はどう乗り越えるだろう。
    そもそも、キラの出自を知った時は、あれほど普通の少年らしくあることに妬ましささえ覚えたものだが、アスランとの事を踏まえると同時に僅かな光となった。生まれつき業を背負わされた彼が、愛する者と敵対してなお愛を貫けるならばまだ人も捨てたものではないのではないかと。
    そしてその賭けは大当たりだった。クルーゼの暗躍に翻弄される世界の中で、二人はずっとお互いだけに一途であり、隊長としてアスランの様子を伺っているとその健気さに感動すらしたものだ。
    ギルバートに遺伝子調査を依頼したのも正解だった。調整された訳でもない二人の遺伝子がぴたりと相手に沿うだけでもあり得ないというのに、この広い宇宙で幼少期に巡り会い、共に成長し、愛を育むなど天文学的確立だ。これを運命と呼ばずになんというのか。人工子宮生まれの最高のコーディネイターであるキラが、同性の第二世代コーディネイターを愛してやまないというのもクルーゼとしては高笑いが止まらないのだ。

  • 160125/10/07(火) 22:22:18

    そして気付けば、クルーゼは頭の先までどっぷり沼に堕ちていた。C.E.71年版ロミオとジュリエット、最後は改変ハッピーエンドを希望する。その舞台の最前列でスタンディングオベーションし、大声でカーテンコールの喝采を叫ぶことが現在の願いである。
    舞台に投げ込む花の代わりに、これもギルバートから聞いていた薬を幾つかメンデルで回収しフリーダムのコックピットに収めさせて貰った。是非有効活用してほしいものだ。
    彼等の愛の波紋は緩やかに広がり、人の心を変えていった。同時に、醜い人の歪みも沢山見たが、それでもクルーゼはまだ彼等の影響力に期待をすることが出来る。
    この身に巣食う絶望を打ち砕いて欲しい。
    「さて、フレイ・アルスター。そろそろ最後の鍵を使うべき時がきたようだ」
    「鍵…これのことですね」
    フレイは以前渡されたディスクを取り出す。これを戦争を終わらせる鍵だと言っていた。
    「君には本当に感謝している。沢山の話を聞かせてくれたからな。だからそろそろ、君を解放してあげよう」
    「え…?」
    「それを持っていれば君は無事に辿り着けるさ」
    辿り着く先がどこかは、わからないがね。クルーゼは仮面の下、不敵に笑った。

    その後、救命ポッドで宇宙に出されたフレイはドミニオンに回収され…投げられた匙はアズラエルの手に収まるのだった。 

  • 161二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 07:21:15

    投げられた匙がクルーゼ作のキラアス同人誌とかだったらいいのになあ…

    お薬ネタ楽しみにしてます!
    スレ主がやりたいようにやってください!!

  • 162二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 07:22:56

    C.E.をエンジョイなさっておられる

  • 163二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 17:21:43

    ほしゅ

  • 164二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 17:22:04

    このレスは削除されています

  • 165二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 19:22:38

    色々と整理していたら可愛いのがあったのでせっかくなので置いときますね

    「アスラン〜♡♡」
    「わっキラ…!みんなが見てるのに…!」

  • 166125/10/08(水) 22:19:40

    >>165

    人目を気にせずべったりくっついてくるキラさん大好きです。周囲の方々は甘々すぎて砂糖吐きそうになってるかもしれませんが、♡出していちゃいちゃしてるのが可愛いのでずっとくっついてて欲しいです。

  • 167125/10/08(水) 22:25:20

    キラが倒れた。
    戦闘終了後、アスランがフリーダムのコックピットからキラを引き摺り出すと、思い切りしがみついてきて、そのまま気を失ってしまった。
    先の戦闘で、キラがメンデルから戻ってきたのは良かったが、一人で新型と戦っていたアスランの事を異様なまでに気にして、かなり無理な戦い方をしていた。何か酷く怖がっているように見えた。
    「一体あそこでなにがあったんだ…」
    部屋のベッドに寝かせたキラの手を握り、アスランは目覚めを待った。医師曰く身体の方には問題がないらしく、恐らくは精神的に極度の緊張状態にあり、アスランを見て安心し気が緩んだのだろうと言うことだった。
    フラガ少佐も怪我をして戻って来たし、メンデルでなにかあったのは間違いがない。キラが持っていた一枚の写真。カガリが持っていたものと同じだった。
    アスランが写真を眺めていると、キラの目がうっすらと開く。
    「キラ、起きたのか?」
    「…アスラン……?」
    ぼんやりとした眼がアスランを捉え、そしてその手の中にある写真を見た瞬間大きく見開かれた。繋いでいた手に思い切り力が込められる。アスランの皮膚に爪が食い込むほどだ。
    「キラっ、どうした……ッ!?」
    力任せに手を引っ張られ、アスランはベッドの上へと倒れ込んだ。苦しげに呼吸を荒げたキラが押し付けるように体重を掛けてくる。その流れで手から落ち、シーツに落ちた写真からキラは目を逸らした。
    「最高のコーディネイターとか、そんなこと言われたって…」
    「…なんの話だ…?」
    「なんか気持ち悪いよ。設計図だとか理想だとか…勝手に僕がどうあるべきか決められてるみたいだ。僕は僕なのに……ねえ、アスランは僕のこと好きだよね?」
    「…好きだと言ったはずだ」
    「僕も好き。アスランのこと大好き。こんなに気持ち悪いのに、でも君と繋がれる身体で生まれてこなかったらと思うとそっちのほうが怖い」
    「キラ、」
    「……自分でも何が嫌で何が嬉しいのかよくわからないや」

  • 168125/10/08(水) 22:27:03

    キラは力なく笑うと、押さえつけていた手を離した。アスランの左手と右手首には、血が滲む爪痕と指の跡がくっきりと付いていた。キラがかなりの興奮状態で、力の加減が出来ていなかったせいだ。
    「…ごめん。手当てしにいこう」
    「別にいい。いいから、キラ、此方に来い」
    アスランが離れていこうとするキラの手を掴む。キラは俯いて首を左右に振った。
    「駄目。僕、いまなにか可笑しい」
    「だから、いいって言ってるだろうが」
    「わっ」
    キラの頭を掴んで引き寄せ、己の上に倒れ込んできたその背中をぽんぽんと叩く。もごもごと蠢くキラの抵抗は無視だ。やがてそのうち大人しくなった。
    「…アスランの心臓の音がする」
    胸元に耳を当て、キラが呟く。頭を抱えてよしよしと撫でていると、キラがメンデルでの出来事をぽつりぽつりと話し出した。
    キラが受けた苦痛は、アスランもそのまま受け取ってやりたくて、意識的に心を開いて感情の受け皿になった。
    流れ込む感情は怒りも悲しみもなにもかもがぐちゃぐちゃに混ざっていて、こんなものをずっと抱えていたら辛くて当たり前だ。
    気持ち悪い、と言いたくなった理由も分かる。自分の身体が突然得体のしれないものに思えてしまうのも。
    「遺伝子で繋がってるんだって、僕達。でも君は…」
    キラはそこで言葉を噤んだ。それから黙って心臓の音を聞いている。何を考えているのか大体分かるのは、心を読んだからではなく単に長い付き合い故だ。
    「昔、おまえよく言ってただろ。自分のほうが五ヶ月お兄ちゃんだよって。ムキになって」 
    「え?うん…」
    「たぶん、俺はきっと先に生まれたキラを追ってきたんだろうな。言っておくが俺のほうが弟と認めた訳ではないぞ」
    自分の執念深さはよく自覚している。この広い世界の中で己のような男と繋がってしまうとはキラも随分と引きが悪い。

  • 169125/10/08(水) 22:29:10

    「俺はキラに沿う在り方で生まれてきたことが嬉しいよ。自分を誇れる」
    目の前にあるキラの旋毛に唇を落とす。顔を上げたキラの頬にも唇を寄せると、その瞳が泣きそうに揺れた。
    「…駄目だよ、本当にいま変なんだ。分かるだろ」
    確かに、アスランの軍服を掴む手にはかなりの力が込められていて、後でしっかり伸ばしておかないと皺だらけになるだろう。だからなんだ、とアスランは呆れた。
    「俺が今まで一度でも優しくして欲しいとか言ったことがあるか?」
    「それとこれとは違うよ。きっとこんな跡くらいじゃ済まない」
    「大体、いつも僕の僕のと騒ぐ癖に、どうしてこういう時だけ遠慮するんだ」
    今にも涙が零れ落ちそうで、けれどまだ泣くには一押し足りないキラの紫色の眼球を見つめる。聞き分けのいい素振りをしないで癇癪を起こしてしまえばいい。
    「俺はキラのものなんだから、好きにすればいい。おまえは俺に何をしてもいいんだ」
    恥ずかしがることはあれど嫌だったことは一度もない。キラの眼の奥にじりと燃えるものを見つけて、あと少し焚き付ければ熱が理性を全て飲み込むだろう。アスランはどうすべきか少し考え、おもむろに己の軍服の襟を緩めてはだけさせる。
    「それとも、遺伝子に惹かれたとタネが明かされたら、こんな身体にはもう興が乗らないか?」
    言い終わるかどうかというところで、キラが露わになった首筋に歯を立てた。だいぶキラから苛立ちを感じるが、成功したなら良しとしよう。再び乱暴に手首を掴まれたのを感じながら、アスランは歯が食い込む痛みに吐息を溢した。

  • 170二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 07:42:41

    クルーゼに対してキラを追い詰めやがってこの野郎…という気持ちとこのドロドロっぽさのある大変栄養素の高いキラアスを摂取できたのでありがとう…という二つの心がある〜

  • 171二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 17:06:46

    濃厚なキラアスを堪能しながら保守

  • 172125/10/09(木) 23:37:20
  • 173二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 07:24:02

    ありがてえ…ありがてえよぉ……!

  • 174二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 16:47:04

    いいねえ…いいねえ…依存度上げ上げのキラアスいいねえ…
    何度でも墓から蘇っちゃうよお…

  • 175125/10/10(金) 22:19:14

    酷くしたままなのは嫌だというキラがやり直しをさせて貰ったあと、ようやく二人は一息ついた。
    座ってる方が楽だというのでキラはアスランを自分にうつかからせてヘッドボードを背凭れに上半身を起こした。痛くないとは言っていたが、どう考えたってあの爪痕やらなんやらは痛いとキラは思う。部屋にあった救急箱で消毒はしたが、余程深そうなところ以外テープも包帯もいらないと固辞されてしまった。曰く、ミイラ男になりかねないからだそうだ。
    「本当に気にしなくていい。俺も大概おまえを引っ掻いたろ。…背中とか」
    「僕のこれはむしろ嬉しいけど…」
    「じゃあ分かるだろ、同じだよ」
    目を細めて手首の指の跡を見る様子は、なんというかよろしくない。絶対他の人に見せたくない。
    「それより、これがクルーゼ隊長の渡してきた調査書か…無駄に細かく検査してあるな」
    「どうやってサンプル手に入れたんだろうとか考えちゃ駄目なやつだよね…」
    「俺はまあザフトでいくらでも手に入りそうだが…キラのは何処から仕入れたんだあの人は…ちゃんと最近のデータじゃないか」
    頁数にしてざっと二十はある。キラとアスランの遺伝子情報、それらが項目ごとに詳細に記載されている。
    「こうしてみると不思議なものだな。俺はなんとなく、ミラーニューロンのようなものかと思っていたが」
    「ミラー…なんか相手が感じたことを自分も感じる、みたいなやつだっけ」
    「まあそんな感じだな。キラの感情を俺がそのまま受け取る、キラも同じように俺の感情を受け取る…そういう類いのものかと。まあ、他の人には影響されない時点で別物か」
    アスランがぺらぺらと頁を捲ると、次第に内容が“どうキラが調整されたか”という方向へと流れたので、今のキラは見たくないだろうと書類を読むのを止めた。これはしばらく封印しておこう。
    「ねえ、あのクルーゼって、どんな人なの」
    「とても優秀なパイロットで、どんな時でも冷静な指揮官だと思っていたが……実のところ、俺達クルーゼ隊も隊長のことはよく分かってないんだ。掴みどころのないというか…隊の中でも俺はヴェサリウスを母艦にしていて、隊長と行動を共にすることは多かったが…」
    「……そうなの?」
    「最初の宇宙での事を思い出せ。ヴェサリウスとガモフでアークエンジェルを追っていただろう。ニコル達はガモフで、俺はヴェサリウスに乗っていただろ?」

  • 176125/10/10(金) 22:20:37

    「そうだったね…あの人、僕とアスランについて変に熱くなってたけど、何かあったの?」
    「いや…確かにキラが友人であることは報告したがそれだけだぞ。仕事以外では殆ど会話もしたことはないな。気遣いはしてもあまり部下に肩入れするタイプでもない」
    「そう。ならいいや」
    「これは隊長の友人が作ったと言ってたんだろう?あの人は交友関係まで謎だな…いや、意図的に自分の素性に繋がるものは隠していたのか」
    まさかムウの父親のクローンだとは。ムウを見たときに感じた既視感の正体はクルーゼだったらしい。アスランとしては尊敬する隊長だっただけに、キラを追い詰めたことにかなり複雑な気持ちになる。
    アスランが考え込んでいると、キラはつまらなそうに肩を抱き寄せた。
    「アスランがそんなに他の人のこと考えてるの嫌。特にあの人」
    「キラが聞いてきたんだろう…仕方ない奴だな」
    「あと自分のことクルーゼ隊っていうのこれからは禁止。戦争が終わっても僕はアスランをザフトに戻すつもりないよ」
    「…戦後のことは、正直どう考えたらいいか分からないんだ。というか、その時俺がどういう立ち位置になるのかも分からない……父のこともあるしな。でも、俺もキラから離れる気はないさ」
    「少なくともひとつだけは決まってるじゃないか。アスランは僕のお嫁さんになって一緒に暮らすんだよ」
    「……最近、その言葉に慣れてきてる自分が怖いな」
    キラの体温に擦り寄り、アスランはどんどん外堀を埋められているような感じに苦笑した。なにせ、身の回りの人物がほぼ全てキラのお嫁さんという前提で接してくるのだ。否が応でも慣れる。そこで、アスランはふと思い出した。
    「そういえば、おまえが倒れたと聞いてカガリが此方へ来てるんだ。…会ってやれそうか?」
    「…うん、大丈夫。カガリも当事者だし、ちゃんと話さないとね」
    「辛いなら今でなくてもいいんだぞ」
    「後回しにしたって仕方ないよ。でも…アスラン、話すとき手を握っててね」
    「ああ」
    キラの苦しみは、自分も同じように分かち合いたい。幸いにして、アスランにはそれが出来る力がある。

    そして、二人はカガリ、そしてラクスも交えて話し合いをし、戦争が終わったら改めてヤマト夫妻やウズミに確認を取ろうと決めたのだった。

  • 177125/10/10(金) 22:22:24

    ひとまずメンデル編は終わりです。今まで鬱イベントを回避してきたキラですがここは逃れられず…結果として一番依存心がアップする選択肢を引きました。

    ここからしばらく例のお薬ネタが始まります。ちょうど話の中でも初めて会った時の事に触れたので、まずは色々大変だったキラへのご褒美としてショタアスランをプレゼントしたいと思います。


    それと申し訳ないのですが、明日は予定があって更新できないので保守をお願いします。



    アスランが初めてした頃の年齢に…との事なのでこれだけダイス振って置きます。あまりに低すぎると初体験早すぎになるので最低保証で9歳〜12歳にします(13の頃にはもう関係を持っていたので)


    dice1d4=4 (4)

    1.9歳

    2.10歳

    3.11歳

    4.12歳

  • 178二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 07:21:33

    やった!ショタ!
    12歳か…色々とちょっと知識がついたころに…くらいの年齢ですね


    保守も了解です!
    続き楽しみにしてます!

  • 179二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 16:41:16

    ショタは健康に良い…

    この場合記憶が残ってるorその年齢の記憶までとかでも色々変わりますね
    でもどちらでも美味しい…

  • 180二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 00:38:32

    想い合ってる上で相手がつけてくれた痕はそりゃ嬉しいもんですよね
    本当に愛おしそうに見てるんだろうなあ…

  • 181125/10/12(日) 10:14:01

    保守ありがとうございました!
    ショタ編書き出したら楽しくてちょっと長くなりそうな感じがしてます。

    キラがメンデルから戻って数日。
    カガリは今後のことをマリュー達と話すべく、アークエンジェルへとやってきた。キラ達も既にエターナルから此方へ移動している筈だ。
    しかし、先日のキラの話は、カガリにも大きな動揺を与えた。自分がウズミの子ではないというだけでも充分過ぎるほど大きな事実だったのに、其処に更に重く暗い思惑が絡んでくるなど誰が想像できよう。それでもカガリが受け止められたのは、キラの傷付いた様子を見て姉弟である自分がしっかりしようと思ったからだ。心配になってエターナルまで行ったのにアスラン共々数時間は部屋から出てこず、漸く顔を出したかと思えば、二人とも泣いたのが目が赤く腫れぼったくて、アスランが何か動作をする度に揺れる髪の毛や服の裾から覗く肌にはどう見てもキラが付けたものらしき生々しい跡まであった。それにキラが明らかに、前よりもアスランにべったりだ。アスランは今だけの一過性のもので、落ち着けば前に戻ると言うけれど、それだってそうすぐに…という訳でもない。
    そんなの、私達がしっかりして支えてやらないといけないだろう。カガリはラクスと、そう決めたのだ。ただでさえキラやアスラン達に頼りきりなのが現状なのだ、出来ることはしてやりたい。
    なので、こうして顔を合わせて話し合いの場を設けるということ増やした。作戦会議は半分名目で、実際は皆でお茶でもして少しリラックスするための時間だ。
    カガリが廊下を進んでいると、少し先の方から、なにか小さく叫び声が聞こえた。医務室の辺りからだ。
    「おい、どうしたんだ」
    扉を開き、カガリが顔を覗かせると、そこには子供が居た。床にぺたりと座り込み、ぶかぶかのザフト軍服の中で大きな瞳を更に丸くして、カガリを見ていた。
    「……アス、ラン…?」
    藍色の髪。緑色の瞳。白い肌。何処からどう見てもアスランだが、何処からどう見たって小さい。
    床には、何かの瓶がころころと転がっている。
    「……あなた、誰ですか…?ここは……キラは…?」
    今のアスランより高い声で、見慣れぬ部屋と己の纏っている服を不思議そうに眺めている。
    カガリは、次の瞬間叫んでいた。
    「キラァァァアッ!!いますぐ、来いっ!!」
    絶叫が、艦内に響き渡った。

  • 182二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 17:34:34

    12歳だから4歳差か
    某スレを思い出すなあ

    記憶は年齢相応になってる感じかな?
    お姉ちゃんもびっくりだよね

  • 183125/10/12(日) 22:20:06

    腹の底から出たカガリの絶叫を聞きつけ、なんだなんだと周囲から人が寄ってきて、騒ぎはより大きくなった。カガリの大声にびくっとしていたアスランだが、集まる人達の纏う服装を見て警戒するように距離を取った。
    「…地球軍の軍服…」
    アスランからすると、いきなり知らない場所に居て、地球軍の軍人に囲まれているのだ。子供の時から聡明なアスランの頭脳には自然と“ナチュラルによるコーディネイターの誘拐”や“パトリックに対する交渉材料”というような物騒な言葉が並んだ。
    此処は何処なんだ。さっきまでキラの家に居たはずなのに。キラは?まさかキラも誘拐されて……想像が嫌な方へと向かってアスランの顔色がどんどんと悪くなる。
    (キラ……)
    応えてくれ、とアスランが切なる願いを届けるのと同時に、人を押し退けるようにして一人の青年が部屋に飛び込んできた。
    「アスラン!!どうしたのっ……え?」
    己の名を呼ぶ青年を、アスランは目を見開いて見つめた。同じように目を丸くして自分を見てくる、その優しげな紫色はアスランのよく知るもので。
    けど、その姿はアスランの大切な友達とは違っていた。青年が一歩近付くと、アスランは思わず後退ってしまったが、すぐに青年の腕がその身体を捕らえた。
    瞬間、アスランの意識が目の前の青年と響き合う。脳の奥がぼうっと暖かくなった。
    「……キラ…?」
    「うん、僕だよ。アスラン」
    自分を抱えた青年が、紛れもなくキラなのだと本能で理解したアスランは、思わずぎゅっとその身体に抱きついた。軍人でもなんでもないこの頃のアスランは、この状況がとても怖かったのだ。むしろ気丈に耐えていただけ流石といえる。

  • 184125/10/12(日) 22:22:33

    「ねえ、アスランいま何歳?」
    「12歳…」
    「そっか。怖かったね。一人にしてごめんね」
    キラはアスランの身体をしっかり抱き締めながら、床に転がる瓶を見た。十中八九、あれが原因だろう。あの袋に詰められた薬品をひとまず鍵が掛かるアークエンジェルの医務室の棚に置いていたのだが、アスランが調べようとして手元が狂ったとかその辺りか。
    ストライクのOSの件で整備士に話し掛けられて、アスラン先に行かせただけだったのにこんなことになるとは。
    「皆、一旦落ち着いて。持ち場に戻るように」
    我に返ったマリューがひとまず指示を出し、人払いをする。現場にはカガリや、声を聞いてやってきたラクスやムウ、ニコル、ディアッカといった近しい人達だけが残った。これからどうするか、アスランがどんな状態かを調べなければならない。
    (でも……アスラン、かわいい…)
    キラは自分だけに縋ってくる幼い愛しい存在に、己が満たされているのを感じた。

  • 185二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 08:21:07

    保守

  • 186二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 09:11:32

    12歳なら確実に地球連合の制服だと認識するし誘拐とか頭をよぎるよね…

  • 187二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 18:44:41

    背景変なの入ってしまったけど一番12歳っぽいアスランできました。
    (もっと小さい年齢になりやすくて…)

  • 188125/10/13(月) 22:26:52

    >>187

    あ゛ーー、恥じらってるショタアスラン…。

    幸せそうに抱えてるキラといいとても最高です。

    確かに十二歳って絶妙な年齢ですよね…大きすぎても小さすぎても違う…


    ショタは本当にいい……ありがとうございます。

  • 189125/10/13(月) 22:32:17

    ここは連合の戦艦の中らしい。
    そして、自分は本当は十五、今年十六になる歳で、なにか得体の知れない薬のせいで十二の頃に戻っているのだという。こんな荒唐無稽な話、本来ならアスランは信じない。しかし、キラが嘘じゃないよと言うから信じた。
    いま、アスランは軍医に一通りの検査をされたあと、皆が集まるアークエンジェルの食堂でドリンクを貰っていた。検査をしているときも、いまこうしてテーブルについているときも、ずっとキラが隣にいてくれる。
    キラ・ヤマト。アスランの大切な友達。しかし、アスランの記憶にあるキラというのは、自分よりちっちゃくて、ほっぺも丸くて、弟のような、とにかく可愛い存在だった。それがどうだ、今横にいるキラは自分より背が高く、頬の線もいくらかシャープになって、顔立ちはやはり可愛いけどその表情や眼差しはすっかり大人びている。ちらちらと視線をやるアスランの気付いて、にこりと笑ってくれるのは、なんというか……格好いい?
    (なにを考えてるんだ俺は…)
    しかし、心臓がドキドキと鳴り止まない。自覚こそないものの、アスランはこの頃にはもうキラが好きだったのだ。そこにいきなり成長した姿を見せられて、幼い恋心が耐えられないのも致し方がない。
    「しっかし、人が記憶ごと若返るなんてありか?」
    「実際に目の前にいる以上、事実なんですよね…可愛いなぁ」
    ディアッカとニコルと名乗った、ザフトの軍服を着た二人がアスランのほっぺを突いたりもにもにしたり。なんで連合の戦艦にザフトが?という当然の疑問はまあ人生色々ってやつだと軽く流されてしまった。
    「あんまり触らないでね」
    キラがさりげなくアスランをぎゅっと引き寄せる。こういう拗ねた仕草は、成長しても変わらないらしい。

  • 190125/10/13(月) 22:34:17

    「キラ、お気持ちは重々、重々分かるのですが……どうか私にも抱っこをさせてくださいませ」
    桃色の髪の綺麗な女の人、ラクスがアスランを見て目をきらきらと輝かせている。いくら今のアスランが小さくなったといっても、彼女には流石に抱っこは無理では、と冷静に考えてしまった。
    「初めて会った頃のアスランよりあどけなくて可愛らしいですわ…」
    「……駄目。いくらラクスでも駄目。もちろんカガリも駄目だからね!」
    「ちぇっ、やっぱりだめか」
    牽制されたカガリは唇を尖らせる。最初こそ驚いたものの、慣れてしまえば当然興味がわくものだ。なにせ、この十二歳のアスラン、ラクスがうっとりするだけあって非常に愛らしいのだ。今のアスランが時折見せる、陰や憂いといった雰囲気がまだない。
    「余裕のない男は駄目だぜ、キラ。旦那になるなら広い心を持たないとな」
    「旦那だからこそ独占するんです」
    「やれやれ、嫁さんも苦労……しないか。あっちも大概だからな」
    連合の軍服を着た金髪の男性、ムウとキラが軽い言い合いの応酬をするのを、アスランはぼんやり眺めた。
    (……キラ、結婚するのか)
    ずきんとした胸の痛みに、アスランは顔を伏せた。コーディネイターは十五歳で成人だ。なら今のキラにそういう相手が居ても可笑しくない。
    大人のアスランなら、嫁という単語が自分を指していると認識できるが、今のアスランは当然分かるはずもなく。
    (成長しても、キラとずっと一緒にいるんだと思ってた)
    なんの根拠もなくそう信じていた。なのにキラは誰かと結婚してしまうという。そのくせ、こうやってアスランを構ったりする。アスランは、ずきずきする痛みから逃れるように、キラの腕の中でその制服を握り締めた。

  • 191二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 07:21:40

    (ありがたみが極まって口から抜け出す魂)

  • 192二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 07:24:29

    アスランの不安も心配ご無用なんだけど、今の状態なら仕方ないね

    こんな可愛いアスランを前にキラの自制がどこまで持つか…

  • 193二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 17:23:13

    保守

  • 194二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 20:07:35

    22時頃次スレ立てます

  • 195125/10/14(火) 22:15:58
  • 196125/10/14(火) 22:20:47

    埋めがてら裏話

    もしメンデルでアスランが同行するルートだったら、その場ですぐに、俺はキラがキラならなんでもいいんですよってクルーゼに食って掛かったでしょうから、キラが病む選択肢は外していたかも。
    とにかくクルーゼが生の推しCPにテンションぶち上がっていたことだけは確かです。
    気ぶり仮面お兄さん流キラアス解釈を聞けたかもしれない(過激派場合によって同担拒否)

  • 197125/10/14(火) 22:22:46

    埋めがてら裏話②

    無事に二つ揃ったぬいぐるみ達。
    現在はキラとアスランの部屋で飾られていますが、元々アスぬいを気に入っていたトリィが更にキラぬいも増えてより遊ぶようになったとか。
    今でもこっそりキラぬいを抱き締めてるアスランがいたり、そのアスランの写真を撮ろうとしてるキラとラクスがいたりするかもしれない。

  • 198125/10/14(火) 22:27:46

    【メンデル後の依存度アップした二人】


    衝動を吐き出したことが効いたのか、アスランからの言葉が届いたのか、なんにせよキラは落ち着いてくれた。

    それでもやっぱり辛いのか、前にもましてキラが甘えてくるようになった。キラを甘やかすことはアスランの生き甲斐のようなものなので、特段困ることはない。

    「膝枕して」

    「絶対硬くて寝心地悪いぞ」

    「いいの。ていうか男なら大抵硬いでしょ」

    「まあおまえがいいなら…」

    アスランがベッドに座ると、キラはいそいそとその太腿に頭を乗せた。普通の男以上に軍人のアスランの身体は硬いと思うが、特に気にした様子もない。男であることになんの不満もないが、こういうときばかりは柔らかな身体でないことが恨めしい。

    髪の毛をさらさらと指で梳いていると、キラは気持ちよさそうにしている。

    「これも僕だけの特権だよね」

    「キラ以外誰も欲しがらないさ」

    「……まあ、君がそう思ってるならそのままの方が好都合か」

    キラはぼそりとなにかを呟くと、アスランのお腹に顔を埋めた。鼻が臍の辺りにぐりぐりと当たる。なんだかぞわぞわとして変な気分になるから止めて欲しい。

    「腹も硬いだろ」

    「アスランが頑張った証だよね。綺麗に仕上がってて凄い」

    「……別にこれくらい、ディアッカやニコル達だって」

    「僕はアスランを褒めてるの。それに、言うほど硬くないよ。いま力を入れてないからかな」

    「まあ、筋肉の柔軟性は意識しているが…」

    近接戦闘において、アスランの持ち味はパワーよりスピードだ。生来の身のこなしの軽さもあって、より素早く動けるようにと鍛えている。対人戦において、誰にも引けを取ったことがない。

    アスランは、キラの髪を梳いていた手を止めた。

  • 199125/10/14(火) 22:30:10

    「アスラン?」

    「……今更だとは思うが、キラは嫌じゃないのか」

    「なにを?」

    「俺は、この手で人を殺したことは一度や二度じゃない。キラに嘘をついて、何事もなかったかのように話してたんだ」

    血のバレンタインからすぐ、アスランは軍に志願した。当然実戦だってある。手にしたナイフを血で染めたあとは、ヘリオポリスに住むキラに悟られないよう、細心の注意を図っていた。

    比べるものではないが、直接手を汚すのとモビルスーツで討つのでは、やはり感覚の違いはあるはずだ。その手で触れられて平気なのだろうか。

    「僕に嘘をついていたのは嫌だ。二度としないで」

    「……それだけか?」

    「アスランが生きてるならそれでいいよ。大体、僕だって人は殺してる……知ってるでしょ」

    「でもキラは無理やり戦わされていただけだろう」

    「同じだよ。どんな殺し方でも命の重さは変わらない。そのうえで、僕は他のどんな命よりアスランの命を優先するだけ」

    アスランの手のひらを掴んで、キラはそこにキスを落とす。どんなに血で塗れていようとこの手が汚いはずがないと言うように。

    「アスランがいればいい……ずっと側にいて」

    「当たり前だ。キラこそ、俺を離すなよ」

    「絶対離さない」

    キラの瞳は仄暗く光を灯している。布越しに感じる体温にまた頰を寄せ、脈打つ血管の振動と腹の中から聞こえる内臓の音に耳を澄ませている。

    「生きてる音がする。アスランの音は心地良いな…」

    「……なんか、恥ずかしいんだが」

    「この中にいつも入ってるんだね」

    「そういうことを言うな」

    アスランの腰にしっかり抱き着いて腹に顔を埋めるキラに、とても羞恥はあったが。キラがそれで楽になるならなんでもいいか、と全て受け止めることにした。膝の上で甘えるキラを、アスランは長い時間あやしていた

  • 200125/10/14(火) 22:33:44

    次スレもよろしくお願いします

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