【閲覧・CP注意】ここだけ読心可能なキラアスpart5

  • 1125/09/07(日) 21:16:59
  • 2125/09/07(日) 21:22:06
  • 3125/09/07(日) 21:24:19

    【キラ・ヤマト】

    引っ越しによりアスランへの執着心が上がって以降、その感情が止まることを知らない独占欲も最高なスーパーコーディネイター。アスランと結婚したい(なお恋愛感情は…?)

    連合への好感度は27。デュエル(イザーク)を敵視している。

    本編とは違っていっぱい食べてちゃんと寝てる。



    【アスラン・ザラ】

    キラがとても大好き。恋心を自覚したら色々恥ずかしくなってきた。どうにかしてあの手この手でキラの気を引きたがっている。負けず劣らず此方も重たい。

    とにかくキラが心配、キラを守りたいの一心で動いており、極めつけに自爆していっぱい怒られた。

  • 4125/09/07(日) 21:26:59

    【ラクス・クライン】

    アスランの婚約者。彼の恋を応援している。そのお陰か仲は良好の様子。アスランのことを弟としてとても可愛がっている。

    キラにフリーダムを渡したり、アスランを叱ったあと慰めたりと、お姉ちゃんは強い。



    【カガリ・ユラ・アスハ】

    砂漠でロケランぶっ飛ばすとんでもお姫様。キラのことを面倒みてやらなきゃ…と思っている。キラとアスランの恋愛模様にずーっと巻き込まれ中。

    アスランにサムシングボロードとして護り石を貸し与えた。

  • 5125/09/07(日) 21:29:40

    【イザーク・ジュール】

    アスランは負けたくないライバル兼友人…なのだがつい世話を焼いてしまう苦労人。顔に傷を負ったことでストライク討伐へ意欲的…だったが、なんだかんだとアスランに協力してくれている。少しずつキラのことも受け入れつつある。



    【ニコル・アマルフィ】

    アスランを慕う優しい気質の少年。キラアスの関係を知り、アスランに協力している。キラからの独占欲に気付かないアスランにちょっと呆れてもいる。

    捕虜になったりと大変だが、本人は楽しんでいる様子。



    【ディアッカ・エルスマン】

    最年長だからかお兄ちゃん的な雰囲気がちょっとある。

    アスランを始め個性的なクルーゼ隊の中でムードメーカーを努めてくれている。

    キラの容赦ない尋問(質問責め)に疲労困憊していた。

  • 6125/09/07(日) 21:33:51

    【ラウ・ル・クルーゼ】

    キラアス腕組み後方理解者仮面お兄さん。気ぶり度は91。推し二人の愛を試す(そして気ぶる)ために裏で暗躍中。最近、キラアス成分を吸うと薬を飲む量が減ることに気付いたとか。



    【ムウ・ラ・フラガ】

    連合側の苦労人。連合が好きじゃないキラの言動にどうしたものかと思っていたが、慣れてきた。本編内外で定期的にキラに振り回されて受難中。でもなんだかんだと面倒見のいいお兄さん。

    此方のミスで階級が頻繁に上下しているのは申し訳ない。



    いよいよ5スレ目です。前スレ中には再会させてあげられませんでしたがもうすぐ会えそうです。いっぱいイチャイチャさせたい。

    いつも♡や保守やレス、イラストなど本当にありがとうございます。スレ主の日々の糧になっております。

  • 7二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:36:23

    立ておつ〜

    ……ところで連合への好感度27って所々あるけどサイクロプスでそんなもの絶対零度まで冷え込んでません??

  • 8二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:21:57

    たて乙ですー!
    裏話のキラぬいの大冒険が面白すぎましたw
    ぬいなのに圧があるという不思議状態に晒されたイザークどんまい

    キラぬいアスぬいの出会いも楽しみです!

  • 9125/09/07(日) 22:47:38

    ひとまず10まで埋めます

  • 10125/09/07(日) 22:51:30

    連合への好感度は正直上がるポイントがないよな…と思って改めて振ってないんですがサイクロプスの件含めキラはもう冷めているというかほぼ無感情なのかもしれません
    前スレ最後に投下したやつは連合絶対滅ぼすマンになってますが

  • 11二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 23:49:24

    スレ立て乙です!
    ちゃんと食べて寝てるキラ偉いよ〜
    やはり愛の力は偉大なり…

    そして闇堕ちキラが刺さる刺さる
    いやこの世界線の激重ラブラブキラアスももちろん好きですが!!

    キラぬいにキラの思念が宿ってません…?

  • 12二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 09:08:21

    闇堕ちキラさん

    アスランに話しかけようとしたらめちゃくちゃ睨まれた…

  • 13二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 18:11:48

    >>12

    こわー

  • 14125/09/08(月) 21:30:27

    >>12

    めっちゃくちゃ最高です…ありがとうございます。

    誰もアスランに近付けたくないキラさんいい…とてもいい…

  • 15二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 21:53:57

    イザークあたりが『俺のことを睨むのは構わんがまずはソイツの手当をさせろ』って強引に踏み込んでくれるはず

  • 16二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 21:58:36

    >>12

    なんと美味しい独占欲サンクスマジサンクス


    そしてアスランの首筋がエロすぎてキラに後ろから目隠しして首筋噛みつくか舐めてみてほしいと思ってしまった自分は末期

  • 17125/09/08(月) 22:18:03

    パナマを失い、なりふり構っていられなくなった連合。

    中立であるオーブをザフト支援国家とみなすと脅しを掛け、マスドライバーとモルゲンレーテを狙う。ウズミの取った決断は、オーブの理念を守ることであった。


    マリューは一同にオーブを守るべく戦うかどうかは各々の判断に任せると表明し、今までの礼を述べた。

    カガリは不安からキラを探して声を掛ける。

    「キラ……その…」

    「落ち着いて、カガリ。そんなもの着てる人が狼狽えてたら皆不安になるよ」

    「あ、ああ…そうか、そうだな…。でも、オーブが戦場になるんだ…!こんなことが…」

    「お父さんの取った道は正しいと思うよ。味方ごと爆殺する組織と繋がっていいことなんてない。大変だろうけどさ。僕も協力するから」

    カガリをなだめ、安心させるキラ。どことなく、前よりも落ち着いたような、しっかりしたような雰囲気がある。

    「キラ、おまえ……なにがあったんだ。ただ機体を貰ってきただけではないのか」

    「んー、花婿修行の成果かな。なんてね、単に自分の気持ちが透明になっただけだよ」

    「……透明?」

    「前までは見えなかったものが分かるっていうか、僕がアスランをどう思ってるかやっと言葉が見つかったというか…。まあとにかく、大丈夫だよ。ここは僕や両親の住む国だし、将来はアスランと暮らす場所だからね。全力で守るよ」

    「……その、アスランは?いまどうしてる」

    「さっきマルキオ導師と会ったって言ってたなぁ。きっとアスランも力を貸してくれるよ」

    ザフトとしてではなく、今度は…。もうすぐそこに唯一無二の存在がいるのだと思うとそれだけで力が湧いてくる。キラのその様子に、カガリも少し勇気を貰うのだった。

  • 18125/09/08(月) 22:21:36

    「釈放、ですか」

    牢から出されたニコルとディアッカは、案内をしてくれるトールとミリアリアの後を歩いた。

    「もうこの艦は連合じゃないから、ザフトの捕虜を連れてても仕方ないのよ」

    「戦闘になるからバタバタしてて…帰るための用意とかなにも出来てないんだ。悪いけど自力で移動手段見つけてくれな」

    「バスターとブリッツは?」

    「あれは元々こっちのものでしょ。回収されたわよ」

    「……そりゃそうですよね」

    艦の外へと連れ出され、笑顔で手を差し出すトール達。

    初めてナチュラルの人間と交わした握手。その手は温かかった。

    「君達と話せて良かったよ。できたら、戦場以外のところでまた会いたいよな」

    「お前らも戦うのか?」

    「そりゃ、オーブは私達の国だもの」

    遠ざかっていく二人の背中を、ディアッカは見つめる。ニコルが困ったように呟いた。

    「さて、どうしましょうか」

    「このままザフトに戻る、ってのが軍人としての正解だろ」

    「でも、僕達のしたいと思うことは違いますよね」

    「……そうだな」

    「イザークには申し訳ありませんが…。時間がありません、急ぎましょう」

    「ああ、モルゲンレーテへの潜入経路は覚えてるな?」

    「勿論です」

    急いで自身の機体に乗るべく移動するなか、ニコルは恐らくはそう遠くにはいないアスランのことを考えた。

    (キラさんの話からして、アスランも新機体に乗っているなら……僕達の取った決断は、きっと貴方と同じですよね。アスラン)

    このまま争いが続く悲しい世界より、ニコルは大切な友達の門出を祝える世界のほうが好きだ。トールさん達にも死んで欲しくない。それくらいシンプルな理由でも、だからこそ強く自分の戦いたい動機になった。


    そうして、オーブ解放作戦が始まる。

  • 19二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 05:35:36

    うーむ、ここのキラくん連合マジで嫌いだからな……コクピット外ししてくれるかな……

  • 20二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 10:29:34

    hsy

  • 21二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 19:37:02

    連合が嫌いでも極力キルしたくはないと思うからそこは変わらないんじゃないかな
    ブリッツが味方側になることでどう変化が起きるか気になる

  • 22二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 19:41:15

    >>16

    目隠しいいよね……



    それと噛み跡や流血、ちょっとえっちな雰囲気なやつの閲覧注意系も合わせて置いときます。

    (それと構図が同じなのは許してくだされ…)

    ファイルなう - アップロードされた複数のファイルIMG_1691.png, IMG_1698.png, IMG_1690.png, IMG_1694.png, IMG_1... (16.57 MB)d.kuku.lu
  • 23125/09/09(火) 20:45:06

    >>22

    えっちなキラアスがいっぱい…!

    キラが吸血鬼みたいにがぶがぶしてるのもそれに顔を赤らめちゃってるアスランもえっちだ…!!

    素敵な供給大変ありがたいです…

  • 24125/09/09(火) 20:53:56

    連合は新型のカラミティ・フォビドゥン・レイダーを戦場へと送り出す。その機体にはブーステッドマンと呼ばれる少年達が乗っていた。

    (連合は本当に嫌いだけど、殺し合いをしたいじゃないからね…)

    キラは極力コックピットを外して無力化していく。キラ作のOSを搭載したストライクやアストレイは素晴らしい動きを見せるが、その物量差は中々埋まらず。被弾が増え始めたアークエンジェルに、ブリッツ・バスターが救援にくるのだった。

    「下がってろよアークエンジェル!」

    「お世話になりましたからね、ここは一緒に戦わせてください!」

    バスターの援護によりアークエンジェルへの被弾は無くなり、ミラージュコロイドを活用したブリッツが的確に一機ずつ仕留めていく。

    「ニコル…ディアッカ…!?」

    「キラさん、此方は僕達が!」

    「おまえはあの新型なんとかしろよ!アスランの旦那になりたきゃあれくらい墜とせないとだろ?」

    「……ありがとう!」

    二人の気持ちを受け取り、キラは暴れ回る新型機の方へ専念する。しかし、彼等も手強くなかなか墜とすことが出来ないでいた。

    (こいつら……なにか、今までとは違う…!)

    複数機を相手取るには、数々の場数を経験してきたキラでさえ劣勢になってしまう。

    その時、紅の機体がフリーダムの隣に降下し、向けられたビームを盾で庇った。

    キラは、それが誰によるものなのかをすぐさま理解した。

    (アスラン!)

    (キラ!大丈夫か?)

    自由と正義、二機が当人らの意思を反映させるかのようにオーブ上空で見つめ合う。

    (…この介入は、俺個人の意思だ。キラ)

    (うん、アスラン。分かってる)

    話したいことは沢山あるが、いまはこの場を乗り越えなくてはならない。二人は自然と連携をして迎撃する。

    「アスラン!」

    「上!」

    息の合ったコンビネーションで、今度は此方が追い詰めていく。敵として銃口を向けるのでなく、互いを守るために動くのはとても晴れやかな心地だった。

    やがて薬切れで苦しみ出した彼等はその場を離脱。あの三機無くしては負けると盟主・アズラエルが撤退を指示。

    ひとまずオーブでの戦闘は終わりを告げ、フリーダムとジャスティスも地上へと降りていった。

  • 25125/09/09(火) 20:55:05

    dice1d3=1 (1)

    1.キラ

    2.アスラン

    3.同時

  • 26125/09/09(火) 22:54:25

    夕暮れ。
    あの日オーブで再会した時のような空の色だ。それぞれ機体から降り、互いに向かって歩いていく。あの時のようにフェンスなどない、遮るもののない視界で相手の姿を見る。
    キラ、だ。父からの命に背いてまで会いに来たのに、いざ目の前にくるとアスランはどうしていいか戸惑ってしまった。
    ヘリオポリスからずっと、二人の間には何かしらの邪魔なものが横たわっていたせいだ。
    「アスラン」
    「……キラ」
    優しく名前を呼ばれて、アスランが勇気を出して一歩踏み出したとき。それより早く、キラがアスランに飛びついた。頭の後ろに手が回り、そのまま口付けられる。
    途端にアスランの視界がきらきらと光に包まれ、夕焼けを一面の宇宙に塗り替えた。銀河の煌めきはキラの瞳のような紫。キラは緑色の光に感じるのだと以前に聞いた。アスランが反射的に背に腕を回すと、躊躇いなく唇を割り開いて舌が侵入してくる。この頃には、アスランの意識はほぼキラにしか向いておらず、くたりと脱力しつつある身体を支えられていることにも気付かないでいた。
    (会いたかった、キラ。ずっと…)
    (僕も会いたかった。こうして触れたかった。僕のアスラン…いっぱい不安にさせてごめんね)
    深まるキスにアスランの理性は音もなく瓦解していった、心身の全てで相手を感じ取ると、改めて実感する。これ以上の幸福はないと。脳の真ん中から惚けて溶け出すような多幸感は、キラ以外から与えられることなどないだろう。どうしようもなく、満たされて気持ちがいい。
    いよいよアスランの身体が力を無くしだしたとき、キラが唇を離す。それが寂しくてつい追ってしまいそうになって、キラもまた幸せそうな顔で笑っていた。
    「ねえアスラン…僕は君に恋をしているみたいだ」
    告げられた言葉は予想外で、アスランは固まった。その身体をより引き寄せようと、キラが腰に回した手に力を込めた。
    できたらこのまま何処かへ隠してしまいたい、とキラが半ば本気で思い始めたとき、その首根っこをぐいっと引っ張られる。


    「またか……おまえらはまたなのか……!!」
    なんなら悪化している。周囲が突然始まったラブシーンに唖然としている中を、カガリは勇者となって進んだ。このバカップルを止められるのは、この場ではカガリぐらいだからだ。キラを引っ張り、アスランの頭に自分の上着を掛けてやって、カガリは二人をそのまま連行したのだった。

  • 27二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:04:39

    キラが自覚したー!!!
    そんでこのアスランめちゃくちゃ顔が蕩けてそう…

    そりゃカガリも上着をかけますわ…

  • 28二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 11:11:40

    hsy

  • 29二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 18:30:22

    >>23

    喜んでいただけて良かったです!


    自分も吸血鬼っぽいなあと思ったので、吸血鬼ver.も作ってみたので載せても大丈夫でしょうか?

    一応スレ内容とは関係ないものにはなりますが…

  • 30125/09/10(水) 22:15:48

    >>29

    勿論です!

    このスレはキラアス難民のスレ主がそれなら自分で立てたろ!したスレなので…キラアスなら基本なんでもウェルカムです。

    吸血鬼キラさん楽しみです。

  • 31125/09/10(水) 22:19:37

    機体をひとまず搬入したドッグの一角で、マリュー、ムウ、カガリ、そしてキラとアスランが集まっていた。
    「と、という訳で。彼が僕のお嫁さんです」
    アスランの肩を支えて、キラがとても満足そうにニコニコしている。さきほどの一連の行為でまたもやふにゃふにゃになっているアスランは、支えられつつも意地できちんと自分の足で立っていた。初対面の大人の前で恥はかきたくない。あのキスの後ではなんの意味もない意地ではあったが。
    「いや分からん。紹介するならちゃんと説明しろ」
    「ええと、つまり…彼がキラ君の言っていたお友達、ってことかしら?」
    「そうです。元イージスのパイロット。アスラン・ザラ、僕のお嫁さん」
    いつのまにかキラはアスランの首に腕を回してぎゅっと密着している。こら、と言うものの満更ではなさそうなアスラン。空気がだだ甘である。
    しかし、反対にマリュー達の空気は暗かった。
    「まさか散々聞いた“アスラン”が、ザフトのパイロットだったとはな…」
    「…私は……ずっとこんな二人を戦わせて…?」
    「マリューだけの責任じゃない。俺だってキラを戦場へ向かわせたからな」
    ヘリオポリスからこれまで、キラの全ての言動にアンサーが付いたのだ。最初の頃は、時と場合によってはムウを撃つかも、とキラが言っていたが、それが今になって現実味を増して背筋がぞわっとした。ムウがもしイージスを墜とすようなことがあれば確実にキラはしていただろう。

  • 32125/09/10(水) 22:23:00

    「でも人前であのキスはどうかと思うぞ」
    「フラガ少佐にだけは言われたくありません」
    「…待て、おまえ何を聞いた?」
    「アーノルド少尉達がはしゃいでましたよ。上手くいって良かったですね?」
    「あ、あんにゃろ〜…よりによって一番面倒な奴に知られた…」
    「……あれ見られてたの…?」
    この場で一番いたたまれないのがマリューである。なんだか気の毒だな…と思いつつ、アスランはキラとぎゃいぎゃい言い争っているムウを見た。この男がムウ・ラ・フラガ、エンデュミオンの鷹か。どことなく誰かに似ているような気がして、じいっとその横顔を眺める。
    「あの、失礼ですがフラガ少佐は…」
    口を開きかけたとき、キラがアスランの頬をぐいっと掴み、己へと向けた。
    「ねえ、他の人そんなに見ないで」
    「無茶言うな」
    「アスランはずっと僕だけ見て呼んでればいいの」
    今にも触れそうなところまで唇が寄っていて、アスランは慌てて手のひらを間に差し込んだ。
    「い、今はだめだ」
    「後ならいいの?」
    「…色々と、落ち着いてからだ」
    さきほどの過ちを繰り返すまいとするアスランだが、密着するキラから離れようとしない辺りが距離感の狂いを感じる。

    「……そういや、前に僕の名前だけずっと呼んでればいいとか言ってたなキラ。その時よりずっと重たくなった気がするが…」
    「これも敵対させたせいかしら…」 
    とても遠い目をするムウと、やはり責任を感じてしまうマリュー。
    「いや、それもあるかもしれないが…遅かれ早かれというか…私は、キラの元の素養のせいだと思うぞ……」
    やれやれとため息を吐き、カガリは用意したアスランの着替えを手渡すのだった。

  • 33二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 07:06:20

    このレスは削除されています

  • 34二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 07:08:51

    甘い…甘すぎる…いいぞもっとやれ…

    ウズミパッパにも生きていてほしいけど…
    本編よりは戦力が増してるとはいえどうなることか…

  • 35二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 10:35:03

    hsy

  • 36二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 19:28:11

    いいぞ自覚済キラ様もっと攻めてくれ大好物だ
    夜に2人の部屋には絶対近づくなという暗黙のルールがそのうち出来たらいい

  • 37二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 19:33:38

    >>30

    吸血鬼キラさんと人間アスランver.です!

    光タイプと闇タイプあります。


    今度はアスラン狼男も作りたいのでまた出来たら上げさせていただきます!

    (ガンカフェの二人が好き…)


    ファイルなう - アップロードされた複数のファイルIMG_1830.png, IMG_1829.png, IMG_1826.png, IMG_1825.png, IMG_1... (16.33 MB)d.kuku.lu
  • 38125/09/11(木) 22:40:36

    >>37

    光タイプの二人は可愛らしくて、闇タイプの二人は妖しくてえっちだ…。吸血鬼キラアスありがとうございます。

    ガンカフェのイラストいいですよね。狼男アスランも楽しみにしています!

  • 39125/09/11(木) 22:45:27

    念願の再会をした二人だが、現在はオーブと連合の交戦中。飛び入りのアスランと違ってキラは色々と忙しく、ずっとアスランにべったりと張り付いている訳にもいかない。ちゃんと仕事しろ、とアスランにも諭され、渋々キラはその身体を離したのだった。

    ニコル達は何処に居るだろうか。
    モルゲンレーテの作業着を借りたアスランは、カガリを伴って移動していた。どうしてもアスランを一人にさせたくないキラが、カガリに見張りを頼んだからだ。
    ちなみに一人にさせたくない理由は、悪い虫がつかないようにである。無駄な心配をしてどうするんだとアスランはほとほと呆れた。キラの方がよほど人に好かれるくせに。
    「付き合わせて悪いな」
    「いいさ。おまえは来たばかりのザフトの軍人だからな、私が居たほうが動きやすいだろ」
    「正直助かる。それと、この護り石も。実際オーブでキラに会えたからな。返すよ」
    「まだいい。しばらく持ってろよ。サムシングボロードだって咄嗟とはいえ言っちゃったしな」
    「サムシング…?」
    「後で調べろ。残り三つもあるんだからな」
    聞き覚えのない言葉にアスランは首を傾げる。よく分からないが、まだこの護り石にはお世話になるようだ。
    「しかし、アイツ今更恋だとかなんだとかって、マジか?あれだけ重たかったのに…」
    カガリの言葉に、さっきのキラを思い出す。恋愛という意味では完全に片想いだと思っていたので、いまいち実感が湧かない。アスランとしては、かなりの長期戦も視野に入れていたのだ。
    「キラが俺に…あの恋愛事に欠片も興味なかったキラが…」
    「恋愛に興味なかったというより、おまえ以外に興味がなかった…ってだけな気がするが。しかしわざわざ私を見張りにするくらいだが、ここまで縛られて息苦しくないのか?」
    「息苦しい?何故だ」
    「さっきの他のやつを見るなとかもそうだが、キラの独占欲は普通じゃないだろ。大抵の奴なら根を上げるぞ」
    アスランは思いもよらぬ言葉に目をぱちぱちとさせた。
    「そんなことは思ったことがない」
    「だと思った」
    「キラの我儘聞くのは、俺の特権みたいなものだからな」
    「あれを我儘の一言で済ませるか」
    「それに、独占欲くらい、俺にもある」
    以前カガリに嫉妬したことのあるだけに、アスランは少々ばつが悪く思いながら、友を探して回った。

  • 40二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 08:20:43

    相互独占欲激強で白米が進む

  • 41二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 17:15:26

    hsy

  • 42125/09/12(金) 22:32:29

    廊下の先に、緑色と金色の頭を見つけて、アスランは声を上げた。
    「ニコル!ディアッカ!」
    「…アスラン!」
    「良かった…!無事で…」
    アスランは思わず駆け寄ってニコルを抱きしめる。捕虜になってからアラスカ、そしてオーブだ。プラントで会ったユーリ・アマルフィがアラスカでのサイクロプスの件で酷くショックを受けていたのを知るだけに、無事な姿を見てホッとする。
    「ディアッカも…驚いたぞ。おまえが居なくなったら誰がイザークの面倒を見るんだ」
    「そのイザークが面倒見てんのがおまえなんだけどなぁ…。まあ、悪かったとは思ってる」
    ディアッカの胸元を拳で小突く。自爆して戻ったらMIA の報告を受けた身にもなってほしい。
    「捕虜になって辛くなかったか?」
    「平気ですよ。キラさんもキラさんのご友人もよくしてくださいましたからね」
    「……俺は辛かったぜ、あの質問責めの拷問。アイツさあ、おまえのこと好きすぎるだろ」
    「キラがなにか迷惑を掛けたのか…悪かったな」
    「まあ、だから色々話しちまったぜ?」
    「すみません…ご武運を祈ります」
    「何を話したんだ。俺の失敗談とかか…?」
    二人は揃って目を逸らした。キラが些細な動揺を見過ごさないので恐らくアスランが知られたくないであろうことはほぼ白状させられたのだ。
    「…それより、おまえらまーた人前でいちゃついてたな」
    「うっ」
    「でも良かったです、二人が会えて。目のやり場には困りましたが…此処で戦う道を選んで正解でした」
    「…いいのか、本当に。仲間と…イザークとは別の道だぞ」
    「それはアスランもでしょう。でも、此処にいる」
    「……そうだな」
    「ま、戦場でイザークと会ったら俺に任せとけって。アスランは自分のことちゃんと考えろよ」
    「分かってる」
    久しぶりの仲間との会話。生きて再会したことに安堵する。仕事を片付けたキラがやってくるまで、着いてきたカガリも交え暫しそのまま話に花を咲かせたのだった。

  • 43125/09/12(金) 22:34:36

    「僕の部屋にいればいいのに」
    モルゲンレーテに休む部屋を借りるというアスランに、キラは不満だった。部屋の前まで着いてきたものの、本当はアークエンジェルまで引っ張っていきたいのだ。
    「連合のあの様子じゃ…すぐまた戦いが始まる。キラも、俺も、ちゃんと休まないとだろ。パイロットなんだからな」
    「一緒に休めばいいでしょ」
    「……だめだ」
    恥ずかしそうにアスランは顔をふいと背ける。キラと一緒に居たいのは山々だが、側に居たら触れ合いたくなるだろう。
    「僕になにされるって考えてるの?」
    「……ッ、別に…」
    「間違ってないよ。想像通り」
    「んんっ」
    有無を言わさず唇を塞ぎ、先ほどお預けされたぶんはしっかりと回収した。やっと共にいるのだから、キラは遠慮しない。とはいえ、このまま押し倒して…という訳にはいかないことはちゃんと分かっている。
    「まあ、休まないといけないのはそうだよね…。実際にちゃんとするのは、久しぶりだし。身体も辛そう」
    キラの手が背中から腰、更に下へと滑るので、アスランは頬を抓った。
    「…露骨なこと言うな」
    「いひゃい」
    「……手も、動かすな」
    「…はーい」
    ほんと照れ屋なんだから、キラはちょっと赤くなった頬を擦りながら手を離す。まあそこも可愛いと、キラの頬以上に赤くなったアスランの顔を見て思う。今日のところこのくらいが限度だろう。獲物を仕留めるにはそれなりの手順がある。己の気持ちを自覚したキラは、もうアスランへの独占欲に振り回されるだけではないのだ。
    「じゃあもう一度だけ、キスしよう」
    「……ああ」
    今度はアスランから唇を寄せた。おやすみのキスは幼い頃からの二人の慣習だった。
    「ん…。なあ、この戦いが厳しいことは、キラも分かってるんだろう」
    「うん、でも黙って連合の言いなりになんてなりたくないよ。此処は…皆が住む国だからね」
    「そうだな。俺は俺の意思でキラと共に戦うさ」
    戦いの前に気持ちのすれ違いがないよう、アスランはきちんと告げておきたかった。それをちゃんとキラは分かってくれる。
    就寝の挨拶には些か甘い口付けを繰り返して、二人は名残惜しくもそれぞれ部屋で眠りに付くのだった。

  • 44二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 00:42:11

    自覚済みキラさんが完全にハンターのそれや…
    でも獲物も喜んで食べてもらいたいだろうし、まあいいか…


    愛の力でこのオーブ戦もいい方向に向かえばいいけど…どうなることか…

  • 45二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 07:47:44

    透け感出すの難しい!

    共鳴中キラアスイメージです。

  • 46二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 16:31:15

    hsy

  • 47125/09/13(土) 20:05:11

    >>45

    か、かわいい…!当然のように恋人繋ぎしてるの好きです

    共鳴して心で会話してるんでしょうね。とても幸せそうでいい…

  • 48125/09/13(土) 22:01:26

    オーブは連合へ会談を要求するが、アズラエルら連合はそれを受けるつもりはなく再びオーブへの侵攻を始める。

    戦ってでも守らなければならないものがある…キラ達は不利を承知で戦場へと向かうのだった。

    「キラ、この国もだが…おまえは俺が守るよ。背中を預けてくれるか?」

    キラを守りたいという想いは変わらないが、一方的な守り方は望まれないと散々怒られた為、アスランは出撃前に少し不安げに問い掛ける。

    キラは満面の笑みで、アスランに抱き着いた。

    「勿論だよ。君がいたら怖いことなんてない。僕もアスランを守るから。絶対に傷付けさせないよ」

    「ああ、俺もだ…キラ」

    しっかりと抱きしめ合ってから、二人は機体へ乗り込んだ。


    ウズミの決断は?

    dice1d5=5 (5)

    1.2本編通り皆と共に自爆する予定

    3〜5マスドライバーと施設の破壊のみ(ウズミ存命)


    キラによる愛のOSボーナス(本編よりオーブが粘った)

    1.2だった場合…

    dice1d3=1 (1)

    1.2.自爆直前、ウズミは今後のオーブに必要だからと強引に避難させられた

    3.やっぱりオーブと運命を共に…

  • 49二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 01:29:42

    ダイスもウズミ様生かすことには大賛成の模様、いいぞいいぞ



    >>22

    >>37

    今更ながらコメントした16は無事昇天しました

    ありがとうマジありがとうやはりアスランはエロいこれが真理!!

  • 50二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 07:41:53

    このレスは削除されています

  • 51二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 16:02:42

    やっぱり結婚式には親族席に座るのかな?ウズミ様も

  • 52125/09/14(日) 22:01:31

    ウズミは、アークエンジェルに離脱するよう指示する。

    かなり粘り連合の戦力も削ったが、このままずっとオーブを守るのは不可能だと判断し、彼等を宇宙へ上げる事にしたのだ。自分達も死ぬことを考えたが、その後のオーブの復興も考えて見送ることに。


    「アスラン!」

    「キラ!」

    ギリギリまで外でアークエンジェル発進の援護をしていた二人。

    フリーダムはなんとかクサナギに捕まれたが、ジャスティスはまだ少し後方に。

    限界までフリーダムの手を伸ばす。ジャスティスも同じように手を伸ばし…二機の手は固く繋がれた。そのまま強く引き寄せ、恋人同士のように寄り添う。

    (間に合ったな…)

    (もう置いてかないよ、絶対)

    万が一にでもアスランが間に合わなければ、キラはクサナギから手を離して一緒に残った。此処に残していくなんて絶対に嫌だ。

    (ストライクみたいにこの子達もキスしたいかな)

    (馬鹿。あれはお前が勝手にやっただけだろうが)

    モビルスーツに意思がある訳ではない、とアスランは言うが、そうかなあ実はあったりして、とキラは思ったりする。いつも連れているトリィはロボットだが、キラは一人の友達として扱っているし、実際なにか感情があるような感覚がある。さっき手が届いたのは自分だけでなくフリーダムの意思だったら…。

    (うーん、やっぱりさせてあげるべきじゃないかなぁ)

    (お前な…)

    二人の会話を引き裂くように、発進を阻止しようと攻撃が飛んでくる。

    (あいつらまだ…!キラ!)

    (やるよ、アスラン!)

    同時に砲撃。最後の最後まで援護の為に二人で連携し、燃えるオーブの地を眺めながら宇宙へ。


    カガリが、一枚の写真を手にしたことは…二人はまだ知らない。

  • 53二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 07:20:41

    フリーダムとジャスティスのこのシーン好きだ…
    何度見ても恋人繋ぎが…

  • 54二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 16:47:50

    >>51

    キラとカガリの関係を知らん人たちからしたら、え?って騒つくやつww

  • 55125/09/15(月) 22:09:57

    無事に宇宙へと上がり、クサナギの中へと入る二人。
    カガリは泣いてはいたが、託された父の想いを受け取り、涙を拭ってキラとアスランを迎え入れてくれた。
    「大丈夫?カガリ」
    「ああ。オーブの事は…辛いが、でもお父様も皆生きているからな。生きてさえいればやり直せるさ」
    それより、気になる事が出来てしまった。あの写真の事をいつ切り出そうかと悩みつつ、今はひとまず皆で集まって今後の方針を話すことを優先した。

    「L4のコロニー群へ?」
    将来的な資源の枯渇を見据え、今では無人となっているコロニーが多数あるL4へ向かう提案をするキサカ。
    「なんだか思い出しちゃうわね…」
    マリューが呟く。ヘリオポリスを出てすぐの、ユニウスセブンでの補給と状況が似ている。一瞬、キラの方からピリっとした苛立ちが発せられた。
    「キラ、俺はもう気にしていない」
    「わかってるけど、僕もつい思い出しちゃって」
    あの時、板挟みになったキラは迷ってはいたが、アスランから声を掛けられなければあのままストライクを盾にアークエンジェルを脅していただろう。
    ……全ての始まりの地だった。それを思うとそこから補給なんて許せなかったのだ。
    アスランがキラの肩を引き寄せると、そのままぴったりとくっついてきた。キラの手もアスランの腰へとしっかり回されている。
    「あー……俺たちはこの事では何も言えないんだが……本当に人目を気にしないな君らは…」
    今となってはあれだけキラが機嫌が悪かった理由も分かるだけに、実際に遺族を前にすると補給で命を繋いだムウとしては気まずくもある。しかし言うべきことは言わねばならない、大人の悲しい務めだ。
    「しかし、本当にいいのか君は?他の二人もそうだが…俺達はこれから、ザフトと戦うことだってあるんだぜ。そこまでの覚悟はあるのか?君はパトリック・ザラの息子なんだろ?」
    「なっ、誰の息子だってアスランはアスランだろ!」
    咄嗟にカガリが反論する。意外なことにキラは口出ししてこなかった。ただ問われたアスランに寄り添っている。但し、傷付けたら許しませんよ、という圧だけはしっかりムウへと浴びせられていた。

  • 56125/09/15(月) 22:11:54

    「軍人が自軍を抜けるってのは君が思ってるよりずっと大変なことなんだよ。ましてやそのトップに居るのが、自分の父親じゃ。自軍の大儀を信じてなきゃ戦争なんて出来ないんだ。それがひっくり返るんだ」
    「それは…でも、アスランは……」
    カガリはちらりとアスランを見る。無人島での会話を思い出しているのだろう。
    「一緒に戦うならさ、あてにしたいの。君とキラの仲はもうよく分かってるけどさ」
    「…オーブで、いや、プラントでも地球でも、見て聞いて、思ったことは沢山あります。それが間違ってるのか正しいのか、何が解ったのか解っていないのか、それすら今の俺にはよく分かりません。ただ、自分が願っている世界は、あなた方と同じだと今はそう感じています。なにより…」
    アスランは、キラへと向けて微笑んだ。
    「俺はもうキラから離れたくありません。キラと共に進む道、辿り着く場所が、俺の行くべき所です」
    「僕も。アスランが居なきゃどんな世界でも意味がない。まあ、君が離れようとしたって離さないけどね」
    自分に向けられた笑みは一等美しく見える。キラがアスランの頬に口付けると、ムウは咳払いをした。
    「分かった分かった、悪かったな。しっかりしてるねぇ君は」
    「そうでしょう。自慢のお嫁さんですから」
    「……なあ、その呼び方恥ずかしいから止めてくれないか」
    「やだ」
    今更ではあるが静止をかけるも、一蹴されてしまう。キラとしてはお嫁さんの一言でアスランは自分のものであると示せるのだから、止めるつもりはない。
    「……ったく、お前と言いラクスといい俺をなんだと……」
    「ラクス?あのピンクのお姫様か?」
    意外な名前にムウが反応する。中々印象に残る女の子だった。
    「アスランのお姉ちゃんですよ」
    「え!?おまえ姉が居たのか!?」
    カガリは驚いたが、言われてみればちょっとアスランは弟っぽい気もする。
    「…血が繋がってる訳ではなくて…まあ、いいか」
    説明が面倒になって、アスランはもうそういうことにしておいた。自分の認識でも姉のような人である事に違いはない。
    「……姉……きょうだい、か…」
    父から貰った写真を思い出し、カガリはひとり小さく呟くのだった。

  • 57二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 06:22:38

    ここではキラと一緒にいるために離反も完全に覚悟してるからアスランも安定してるなあ
    でもパトリックの仲は本編より良くないからそこが心配…

  • 58二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 15:53:00

    保守

  • 59125/09/16(火) 22:08:19

    並べられたMSをぼんやり眺めながら、少し考え込むアスラン。

    キラと共に在りたい気持ちは先ほどムウにも言った通りであり、此処で戦うこと自体の覚悟はもう決めた。しかし、それで父親のことを割り切れるかというとアスランの心はそこまで簡単にはいかない。どうしたものか、とため息を吐いているとキラが扉を開けてやってくる。

    「アスラン、アークエンジェルに移動しよう。こっちはM1で一杯だし…」

    「そうか…分かった」

    「…お父さんのこと、考えてる?」

    「父が何を思っているのか、俺は全然知らないんだと気付いてな…」

    父に言われるまま、命じられるまま戦うことが平和に繋がると信じていた。その頃には親子としての会話は無くなってしまっていた。キラはクライン邸で聞いたパトリック及びザラ派の事を思い出し、渦中にいるアスランが心配になる。キラがアスランの頭を撫でていると、カガリが遠慮がちに扉から顔を出した。

    「……その、悪い。ちょっといいか?」

    「ん?どうしたの」

    「キラに話があって…ああ、アスランもそのまま居てくれ。無関係な話じゃないからな…」

    二人の元までやってきたカガリは、躊躇いがちに一枚の写真をキラに手渡した。

    「……親子の写真?かな?」

    「オーブを出るとき父から渡されて…その、裏…」

    そう言われてくるりと裏返すと、そこには……キラ、カガリの文字が。

    「!これって…」

    「父が……私は一人じゃない、きょうだいがいるって……!」

    カガリの口から発せられたのは、予想もしていなかった言葉で。キラも動揺して一瞬固まってしまう。

    「……双子…?」

    二人を見比べて、アスランは推測される事実を静かに呟くのだった。


    衝撃の事実にキラは…

    dice1d3=3 (3)

    1.今は混乱しないように一旦置いておく。

    2.つまり僕がお兄ちゃんだよねと先手を打つ

    3.↑+喧嘩が勃発し「アスランも僕が兄だと思うよね?」とアスランを巻き込む

  • 60二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 22:13:51

    しんみりした雰囲気が速攻破壊されてて笑った

  • 61二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 07:34:51

    キラには悪いがここのカガリは姉味が強いぞ
    主にアスランのせい?で…

  • 62二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 17:25:42

    続き待機保守

  • 63125/09/17(水) 22:16:01

    僅かな間、沈黙が訪れた。もしそれが本当なら、自分達の家族はなんなんだと思ってしまうのは無理のないことで。アスランがどうフォローすべきか考えていると、キラが真剣な顔で宣言した。
    「僕らが兄妹……つまり、僕がお兄ちゃんだよね」
    「「……は?」」
    アスランとカガリの反応が一致した。何を言ってるんだとアスランが困惑していると、カガリが食って掛かる。
    「そんなわけないだろ!私が姉だ!!」
    「いーや、僕が兄だよ!だってカガリの面倒見てたもん」
    「私の台詞だそれは!!」
    ぽかんとするアスランそっちのけで、二人の主張の押し付け合いは白熱していく。さっきまでの湿っぽい空気は何処に行ったのか。
    「ねえ!アスランも僕が兄だと思うよね?」
    「いやそれは…」
    「ほら見ろ!アスランだって私の方が姉だと言っている!」
    「そういう訳でもないが…」
    二人に詰め寄られ、アスランは思わず一歩下がった。アスランからすればキラは手の掛かる弟のような部分もあるが、対カガリに置いてそうかと言われると微妙な曖昧なラインである。しかしカガリの面倒見の良さなどは確かに姉らしい。
    「……どっちが上かは一旦置いておけばいいだろ?今重要なのはそこじゃないと思うが」
    どっちに肩入れしてもロクなことにならなそうで、アスランは論争を棚上げにすることにした。
    (アスラン、いま逃げたでしょ?)
    (俺に結論を押し付けるからだ)
    キラはじとりとアスランを見たが、巻き込まれた方としてはいい迷惑なのだから勘弁して貰いたい。
    「まあ、そうだね。決着は後日にするとして…カガリもそんなに不安になることはないよ」
    「キラ…」
    「僕らが兄妹なのだとしても…カガリのお父さんはウズミさんだよ。僕にとっての両親が変わらないのと同じだ」
    ぽんぽんとカガリの肩を叩き優しい笑顔を向けるキラを見て、キラなりにカガリの心を軽くしてあげたかったのだなとアスランは気付いた。こうしてみるとちょっとだけキラの方が兄らしい気がしなくもない。口に出すと面倒そうなので言わないが。
    そして、彼等の仲の良さに理由が付きそうでホッとしてしまった事はキラには内緒にしておこうと思う。
    「……両親は変わらない、か」
    例え心が遠くとも、アスランの父親がパトリックである事は変わらないのだ。そう思うと自分がやるべき事は一つなのかもしれないとアスランの迷いは晴れ、暫定双子の彼等に感謝した。

  • 64二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 07:15:12

    この双子、本編でも状況に応じて「きょうだい」の順番入れ替えて支えあってる感じあるよね~。
    あと、アスランの無茶フラグが立ったか・・・?

  • 65二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 07:16:05

    双子戦争は大抵の世界線で起こりますね〜
    で、アスランは満場一致の末っ子

    喧嘩は勃発したけれどある意味で一番明るい展開の選択肢な気がする

  • 66二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 16:29:01

    このあとアスランが単独プラントに戻るシーンか
    キラが大分行かせるのを渋りそうだけど…

  • 67125/09/18(木) 22:07:51

    カガリに見送られてクサナギを離艦し、アークエンジェルへ。道中、アスランはキラに無理を承知で願い出た。
    (アークエンジェルに着いたら、シャトルを借りられないか?)
    (……お父さんに会いに行く気でしょ)
    (ああ。俺にとっては……やっぱり父なんだ。話がしたい)
    (どれだけ危険な事か分かってる?正直に言えば僕は絶対に嫌だ)
    (分かってる…でも、頼む。後悔はしたくない。さっきの話を聞いてて思ったんだ。父が俺を愛してなくても…俺の父親はあの人だけだ。キラにとってのご両親があの二人なのと変わらないように)
    (……分かってるつもりだけど、妬けるなぁ。でも、僕も出来ればアスランのお義父さんとは良い関係を築きたいし、いいよ。マリューさんに話をしてみる)
    (すまない。ありがとう)
    (但し、条件付きだ。じゃなきゃ許可しない)
    (条件?それはなんだ?)
    (今は言わない。でも拒否権はないよ。それでいいなら行かせてあげる)
    (……分かった)
    キラが何を条件に出すかが少し不安ではあったが、他にプラントへ戻る手段もない。それに己を心配してくれていることは理解している。アスランはキラに感謝しつつ、アークエンジェルに着艦した。

  • 68125/09/18(木) 22:09:44

    アスランが想像していたよりもスムーズにシャトルを借りる為の話し合いは終わった。シャトルの用意はしておくから休んでいいとマリューに言われ、アークエンジェルの廊下を手を繋ぎながら歩く。敵艦だった場所にこうして居るのは不思議なものだ。
    「此処が僕の部屋。アスランも同じ部屋でいいよね?」
    「俺は構わないが…いいのか?色々許可とか…」
    「大丈夫。ラミアス艦長…マリューさん達だって分かってるよ」
    少し緊張しつつ、アスランは入室する。思ったより整頓されている部屋はすこしキラの匂いがする。持ってきた荷物を机に置いたとき、ベッドのカーテンの隙間から気になるものが見えた。ちらりと覗いてみると、そこには畳まれたザフトの赤服と、その上にちょこんと座らされたぬいぐるみ。
    「これ、は……」
    愛らしいそのぬいぐるみは、アスランの持っているキラぬいと同じ作りで。なによりその見た目が…アスランは思わずベッドに乗り上げる。
    「それアスランに似てるよね」
    「うわっ…!?」
    背後からキラが伸し掛かってきて、重みでころんとベッドに転がされた。すかさずキラがぎゅっと抱き着く。
    「でもやっぱり本物がいいよ…やっと少しはゆっくり出来るね」
    「…キラ、重いんだが」
    「折角会えたのにドタバタして全然落ち着かなかったし、その上シャトルでプラントに行くとか言い出すし、もう今しかないでしょ?」
    耳元で囁かれ、アスランは擽ったさに思わず身を竦める。軍人としての鍛え方が違うので、流石にここまでしっかり乗られると少々大変ではあるが力任せに退かすこともできなくはない。共鳴さえしてなければ。いや、仮にしてなくてもアスランにキラを押し退けようなんて発想はなかったかもしれない。
    キラの肩に止まっていたトリィはぬいぐるみの頭に移動すると、鉤爪で器用に掴んで持ち上げて机の方へと持っていってしまった。そしてキラがカーテンを締める。
    「なあキラ、その、実は俺もぬいぐるみ…」
    「ごめん。話は後でね」
    言葉を紡ごうとしたアスランの口を塞いで、キラはにっこりと笑みを浮かべた。
    「お仕置きの時間だよ、アスラン」

  • 69二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 23:30:45

    お仕置きキター!!(*゚∀゚*)

  • 70二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 07:39:25

    トリィ「ごゆっくりどうぞ〜」

  • 71二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 16:59:31

    スレ主のお話よりも前に作っていたやつなので若干雰囲気が違いますが…

    アスラン押し倒しキラさん…

  • 72125/09/19(金) 22:10:13

    >>71

    優しい顔して押し倒すキラさん最高です。赤くなって慌てるアスランもかわいい…ずっと見てたい…。

    一秒後にはキスしてそう(勝手な妄想)

  • 73125/09/19(金) 22:18:37

    ベッドに押し倒され、共鳴できらきらする視界の中でアスランは嫌な予感がして焦っていた。

    「お仕置きって、俺は何もしてないだろう」

    「残念。僕、ニコル達から色々聞いちゃった。隠し事なんて酷いじゃないか」

    申し訳無そうな顔をしていたニコルとディアッカを思い出す。あいつら何を言ったんだ、と考えているとキラは思考を中断させるように心に手を伸ばしてくる。

    「この状況で他の人のこと考えちゃ駄目でしょ」

    「キラ、流石に今するのは…」

    「ねえ、アスランちゃんと分かってる?僕は君に恋してるって言ったんだよ。じゃあ僕達、いま恋人同士ってことでしょ」

    「っあ」

    恋人。俺とキラが。段々と意識が解けていくなか、アスランの頬が一気に赤く染まる。忘れていたわけでは勿論無いが、唐突過ぎて現実味がなかったのだ。なにせアスランの想像する告白の仕方とはまったく違うものだったから。

    「でも君からまだ返事を貰ってない。だからちゃんと教えて貰おうと思って」

    アスランの心に、ね。微笑んだキラの指先が伸びてくるのを、既に潤み始めた視界で捉えた。


    no title | Writeningあの時、オーブでアスラン心を暴き損ねて以来、キラはやり直しの機会をずっと待っていた。 アスランの全てを知りたい。なにもかも、一つの漏れもなく。 唇を舌で割り開いて、咥内を舌先で触れていく。奥に逃げ…writening.net

    スレには書けない部分は此方に入れておきます。

    でも全然えろくないです。そのうち少し追加するかもしれない。

  • 74二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 07:18:53

    尊すぎて昇天した…(追加…追加…)

  • 75二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 13:17:57

    hsy

  • 76二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 19:24:18

    hsy

  • 77125/09/20(土) 22:20:36

    重だるい倦怠感。ゆっくりと起き上がると、腰が痛む。まったくもって容赦がなかった。何もかも全部丸ごと見られたし、何度も好きだと言わされた。ただ乱されるまま、好きと繰り返しながら甘えたような記憶を思い返し、アスランは真っ赤になって頭を抱えた。
    消したい。キラの記憶をこの数時間分、全部消したい。そして穴でも掘って埋まってしまいたい。
    到底実行不可能なことを考え、横で呑気にすやすや寝ているキラを恨めしく眺めた。可愛い顔で寝やがって、と惚気なんだか八つ当たりなんだか分からないことを考える。でも、こうして寝顔を見るのも久しぶりだから、どうしたって嬉しくなってしまう。
    散らばった衣服は一旦意識の外へと追いやって、何故かキラが所持していた赤服の上着だけを羽織る。
    喉が渇いたので机の方へ。部屋に来る時に持ってきたドリンクボトルはそこに置いていたはず。アスランが近付くとトリィが飛んできて肩に乗った。なんだかトリィに気を使われていた気がするのは、流石に気の所為だろうか。
    机の上には二体のぬいぐるみが並んでいる。アスランはボトルを手に取り口を付けようとして、ふと動きを止めた。
    ……二体?
    視線の先には、確かにぬいぐるみは二つ。トリィがベッドから持っていったものと、アスランがプラントで購入したもの。思わずに己の鞄を見ると、チャックが空いていた。モビルスーツでの移動になるからと、傷付いたりしないように柔らかな布でくるんで底の方へしっかり仕舞っておいたはずだ。
    (……トリィが、出したのか?)
    『トリィ?』
    肩に乗ったトリィを見るも、トリィは首を傾げるだけだった。キラぬいと、自分に似たぬいぐるみが、仲睦まじそうに並んでいる。
    「わ、なにこれ…こっちはアスランの?」
    後ろからにゅっとキラが抱き着いてくる。いつのまにか起きていたらしい。
    「可愛いね!ねえ、これアスランのなんでしょ?」
    (ああ。おまえに似てたから…)
    「僕もアスランに似てたからこれ、買っちゃったんだよ。おんなじことしてるの嬉しいな」
    もしかして元々二体でセットだったのかな?と言うキラに、もしかしたらそうかもしれないと思い始める。
    ちらりと眺めた二つのぬいぐるみは、ただ可愛らしい笑みを浮かべていた。

    「ところで、声を出さないのはもしかして喉が枯れちゃったから?」
    (……うるさい)

  • 78二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 07:16:17

    うんうん、夜はお楽しみだったんだね
    大変ご馳走様でした!

    トリィ賢い子…やっぱり君自我あるよね…

  • 79二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 17:08:56

    ゆうべは おたのしみでしたね(某RPG風)

  • 80125/09/21(日) 21:25:09

    キラアスが宇宙へ上がったり部屋で懇ろになったりしている頃。

    イザークは、先日のアラスカでの一件について悩んでいた。

    あの時、キラ・ヤマトの言ったことは真実だった。イザークの呼び掛けに着いてきてくれたものだけは助かったが、それ以外はサイクロプスで亡くなってしまった。その後のパナマ侵攻でも、無抵抗の人間を蹂躙するザフト兵などを目撃してしまいイザークの中にも僅かな懸念が生まれつつあった。

    (あのフリーダムにキラ・ヤマトが乗っていたのだから、ラクス・クラインが反逆者だという知らせは嘘ではないのだろうが……)

    しかし、その理由はなんだ。キラは相変わらずアスランの事ばかりを考えていた。なのにラクス共々、アスランを裏切るようなことをするだろうか。そのアスランも特務を受けたとかで消息は分からない。

    分からないことばかりだ。なにより、イザークにはもう一つ頭を悩ませる事があった。

    「クルーゼ隊長、少しよろしいでしょうか」

    「なんだね?イザーク」

    「あの女はなんなのです?捕虜であるならばそのように扱うべきだと思うのですが」

    「イザーク、銃を撃ち合うばかりが戦争ではないのだよ。私は鍵を探していた、そして見つけたのだよ。恐らくな」

    「…はあ」

    「彼女は言わば語り部さ」


    クルーゼの自室にて。

    「さて、フレイ・アルスター。昨日は砂漠でのキラ・ヤマトの話の途中だったな。続きを宜しく頼むよ、主に彼の幼馴染について語っていた会話を重点的にな」

    (その幼馴染って此処のパイロットなのよね?その人に聞けば良くないかしら…)

    捕虜としては異例の待遇を受けながら、要求されるのはアークエンジェルでの事細かなキラの言動報告であった。変な状況ね、と思いながらもフレイは今日もキラの話を脳内からさらってクルーゼに語って聞かせた。

  • 81125/09/21(日) 22:32:12

    キラと久しぶりの夜を過ごした後、プラントへ向かおうとするアスラン。

    まだ少々身体がだるいが、この程度ならまあ問題ないだろう。パイロットスーツに着替え、シャトルへ。


    「アスラン!なんでプラントになんか戻っちゃうんだよ!ジャスティス無しで行くなんて危ないだろ!」

    話を聞いたカガリが、相変わらず危なかっしいことばかりしようとするアスランに詰め寄った。

    「カガリ……悪いが、キラを頼む」

    「……おまえ、その声。すっごいことになってるな…」

    掠れてどことなく色っぽい声にカガリは本当に戻して大丈夫なのか?とキラを見た。弟(絶対だ!)は不満を前面に押し出した顔で、アスランの手を取った。

    「アスラン、条件の話覚えてる?」

    「ああ…。一体なんなんだ?」

    「条件はね…」



    dice1d3=2 (2)

    1.最低でも三十分に一回、定期連絡をする(此方から話し掛けたら絶対に応えること)

    2.盗聴器とGPSを付ける(安全を確保する為だよ)

    3.上記二つ+ニコルを同行させる(一人じゃ行かせたくない)

  • 82二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 08:26:37

    クルーゼがフレイに聞いてる内容が完全に個人的な趣味で笑える
    ニコルは居残りか…下手に連れて行って引き離されても困るし中々いい結果かも

  • 83二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 17:45:35

    何にせよ!愛が!重い!!

  • 84125/09/22(月) 22:15:59

    もしニコルが同行してたら脱走の際に二人で暴れてダコスタ君が「仲間がめっちゃやられた…orz」ってなってた展開があったかもしれない…

    「はあ!?GPSはまだしも、盗聴器なんて必要か?」
    「あらかじめ言ったけどアスランに拒否権はないよ。そういう約束でしょ」
    「ぐ…いや、いくらなんでも……それじゃまるでスパイをするようじゃないか。もうそんな感じだろって言われたら否定できないが…」
    「大丈夫、僕しか聞かないし、アスランの身の安全以外の情報は他言しないよ。それ以外の話はアスランが帰ってきてから話したいことを話せばいい」
    「……俺が意図的に情報を隠匿してもいいと?別にそんな事をするつもりはないが」
    「僕に隠さないならそれでいいよ」
    「おまえな、この艦にとって自分がどれだけ重要な存在かは分かってるんだろう?迂闊にそういう事を言うな」
    「そういうアスランは分かってないみたいだけどね、僕は君がなにより一番なんだ。アスラン以外の全員がそんなこともう知ってるよ」
    「……でも、キラはこの艦も守りたいんだろう。その気持ちを裏切るようなことはしないさ。キラの気が済むなら付ければいい。別に俺個人は聞かれて困ることもない」
    アスランは、キラが襟足の髪を掬い上げて、項に盗聴器とGPSの小型機を貼り付けるのを大人しく受け入れた。
    「服じゃないんだな」
    「だってスーツや軍服にいちいち付け替えるより、アスランに直接付けてた方がいいでしよ。ところで痕も付けていい?」
    「……見えないところなら」

    キラにしっかりと諸々を付けられたアスランは、見送りに来たニコルとディアッカの所へ。
    「アスラン、やっぱり僕も着いていった方が…」
    「平気だ。それにユーリさんと顔を合わせたら辛くなるだろう。おまえたちが生きてることは伝えておくから」
    「気を付けろよ。正直に言うが絶対無事では済まないぞ」
    「…ああ。もし、俺が戻らなけばジャスティスは…」
    「おっとそこまでだ。盗聴器つけられてんだろ?変なこと言わない方がいいぜ」
    「ジャスティスはアスランの機体です。貴方が乗ってください」
    「……そうだな、悪い。忘れてくれ」

  • 85125/09/22(月) 22:18:44

    「フリーダム、シャトル護衛の為に発進します」
    『分かったわ。気を付けてね、二人とも』
    マリューの言葉に頷き、シャトルとフリーダムはアークエンジェルから発進する。

    「そろそろヤキン・ドゥーエの防衛網に引っ掛かるな」
    「そっか。ねえ、アスラン。念の為言っておくけどさ」
    「なんだ」
    「死んだりしたら許さないよ。前も言ったけど…僕らはおじいちゃんになるまで一緒に生きて、それで最後は一緒に死ぬの」
    「…そうだな。おまえがよぼよぼの爺さんになるのは見てみたい」
    「アスランはおじいちゃんになっても、なんか背筋伸びてしゃんとしてそうだなぁ」
    「そうか?まあ余生を楽しく過ごしたいなら、健康は大事だな」
    「うん。だから、僕のところに帰ってきてね。昨日たっぷりそうなるようにしたつもりだけど」
    「……そのせいでまだ………なんでもない。行ってくる」
    「僕はこの辺りで待機してる。君になにかあったら乗り込んじゃうかもしれないから気を付けてね」
    「それは困る、勘弁してくれ。此処に残るならキラも見つからないように気を付けろよ」
    「分かってるよ。お義父さんとちゃんと話せるといいね」
    「……俺もそれを願っている」
    プラントに行くのは、家族として父との関係も諦めたくないから。死に急いでる訳では無い。キラに感化されたのか、いつか皆で仲良く食卓を囲めたらいいだなんて思ってしまった。
    キラに見送られ、アスランはプラントへ進んでいった。

  • 86二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 00:22:32

    >>84

    そうだそうだ、変なこと言ったらまたキラにお仕置きされるぞ


    パトリックとキラの義父義息子バトル見たいなあ…

  • 87二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 07:22:52

    クルーゼがすごい楽しそうでなにより

  • 88125/09/23(火) 13:59:46

    今日はこれから地元の祭りに駆り出されて帰宅がかなり遅くなりそうなので、いつもお世話になってばかりで大変申し訳ないのですが保守をお願い致します。
    携帯回線が完全に死んでいるのと深夜はWi-Fiも規制されておりまして…ご迷惑をおかけ致します。
    更新ない代わりと言ってはなんですが先日のやつに追加してあるのでお時間あるときの暇つぶしにどうぞ。

    それとご迷惑ついでに一つ。もう少し先にあるメンデルでのイベント後、折角なので所謂メンデルのご都合薬ネタをやりたいのですが、キラアスに使いたい薬があればレスして頂けると嬉しいです。どういうのがいいか悩んでしまったので…よければお願いします。

  • 89二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 18:01:28

    保守了解です!


    語り部フレイとキラアス腕組み後方理解者仮面お兄さん
    何故か勝手にお茶会しながら優雅に話してると思ってました…
    (フレイのザフト緑服は無理でした)

  • 90二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 00:08:11

    ぬいみたいなネコ耳生える薬

  • 91二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 06:48:00

    ショタ薬!

  • 92二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 12:56:43

    筋弛緩剤と媚薬の合わせ技で好き勝手みたいな

  • 93二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 13:11:40

    ショタ化薬いいですね!
    アスランが初めてシた頃の年齢になってしまって…とか見たいです

  • 94125/09/24(水) 20:20:00

    保守とお薬ネタありがとうございました!とても助かりました。

    どれも最高な内容なので、頂いたお薬の話は全部やりたいと思います。アスランに頑張って貰いましょう。



    >>89

    自分の脳内でも仮面お兄さんは飲み物をしっかり用意してからフレイの話を聞いてるイメージでした。お茶会でキラアストークしてる二人が和やかでとても可愛いです。

    やっぱりフレイ=地球軍服のデザインが印象強いんでしょうか。でも逆にここまで再現できることが凄い…。

    いつも素敵なイラストありがとうございます。

  • 95125/09/24(水) 20:25:39

    地球軍のシャトルでプラントへ入国したアスランは、身柄を拘束されるものの、父・パトリックと面会することに成功する。


    「どういうことだ。説明をしろ。フリーダムは、ジャスティスはどうした!?」

    「父上は、この戦争のことをどうお考えなのですか?俺達は一体いつまで、戦い続けなければならないのですか?」

    「なにを言っている!それになんだその態度は」

    「俺は、プラントの議長閣下と話をしにきたのではありません。父である貴方と……父上の考えが聞きたくて、戻ってきました」

    息子として話すのは随分と久しぶりだ。らしくもなく少し緊張している自分がいる。それでも、この為に此処に来たのだとアスランは父と対峙する。

    「アラスカ、パナマ、ビクトリア。撃たれたら撃ち返し、撃ち返してはまた撃たれ、いまや戦火は広がるばかりです!」

    「どこでそんな馬鹿げた考えを吹き込まれた!ラクス・クラインにでもたぶらかされたか!」

    「力と力でただぶつかり合って本当にこの戦争が終わると、本当にそうお考えなのですか!?」

    「終わるさ!ナチュラル共が全て滅びればこの戦争は終わる!!」

    「……父上、本気で……仰っているんですか?ナチュラルを全て滅ぼすと!」

    「これはその為の戦争だ!我等はその為に戦っているんだぞ!それすら忘れたのかおまえは!!」

    パトリックに投げ飛ばされ、その隙にアスランは銃を向けられる。呼ばれた兵が駆け込んできて辺りを囲まれ、ここで逃げ出すことが困難な状況になった。

    「俺は…確かにナチュラルを、地球軍を憎みました。多くの人もこの手で殺しました。こんな戦争が早く終わり平和になればと…全て覚悟して志願し銃を取りました。それは母のような人を増やしたくなかったからです!父上も同じ気持ちなのだと、俺は信じていました…」

    「……」

    「すみませんが…俺はここで大人しく貴方に従う訳にはいかない…!」

    自分に向かって走ってくるアスランに、パトリックは…


    dice1d3=1 (1)

    1.発砲しなかったが他の兵士が撃った

    2.発砲したが狙いを外した(軽く掠った程度)

    3.アスランの肩を撃った

  • 96125/09/24(水) 22:25:26

    自分の目を真っ直ぐ見ながら向かってくる息子の姿に、パトリックは思わず引き金を引くことを躊躇った。その逡巡の間に、兵士が咄嗟に発砲しアスランの肩を撃った。
    「殺すな!これにはまだ訊かねばならんことがある」
    その光景にハッとしたように、パトリックは兵を制した。撃ち抜かれたアスランの肩から溢れる血が床を汚していく。
    銃声音を盗聴器越しに聞いたのだろう。キラの呼び掛けと同時に、心配と怒りが綯い交ぜになったような感情の圧が届いた。
    (アスラン!アスラン、撃たれたの?)
    (大丈夫だ。大したことはない)
    (……だめ、無理だ。我慢できない)
    (待ってくれ。父ともう少しだけ…本当に大丈夫だ、ちゃんとキラの所に帰るから……頼む)
    傷を押さえて出血を止めつつ、アスランはキラを宥める。いくらキラでも、たった一機でプラントに近付くなんて自殺行為だ。アスランの所に来るまでに撃墜されてしまう。己の傷よりキラの方がよほど心配だ。必死に説得をし、ぎりぎりのキラの妥協を引き出す。
    (………30分だけ、このまま待つ。でもずっと会話を繋いでて)
    (分かった)
    ひとまず阻止出来てほっとする。キラと話す間に、アスランは兵士達に立たせられ、拘束された。
    「連れて行け。ジャスティス、フリーダムの所在を吐かせるのだ!多少手荒でも構わん」
    床に散らばった、割れた写真立て。在りし日の母とアスランの笑顔の無邪気さが、胸をざくりと貫いてくる。
    「見損なったぞ、アスラン…」
    「俺もです…。今の貴方を母が見たら、きっと悲しむ」
    兵士に連行されながら、アスランは最後までパトリックから視線を外さなかった。
    「俺は……愛する人に恥じるような事はしたくありません」
    「……子供が分かったような口を聞きおって」
    苦虫を噛み潰したような父の顔を最後に、アスランは部屋を連れ出された。

  • 97125/09/24(水) 22:27:26

    廊下を連行されていると、好機の目線に晒される。まあ赤服が捕まっていて目立たないはずもない。ましてやアスランは議長の息子であり、いまや逃亡犯となっているラクスの婚約者なのだ。なにも憶測するなというほうが無理な話だ。
    猶予は三十分しかない。アスランの恋人はとても過保護なので、本当にその時間きっかりしか持たないだろう。
    (これから少し暴れるが、気にするな)
    (は?待ってアスラン、なにを…)
    建物の外に出たタイミングで、アスランは隣を歩く兵士を蹴り飛ばした。そこからは、流石ザフトレッドと言うべき身のこなしで反対側に居たもう一人へ体当たりを食らわせ、逃走を図った。すると兵士の一人がアスランの援護をするように銃を撃ちながら着いてくる。建物の陰に逃げ込んだ所で、手錠を銃で壊してくれた。
    「無茶な人ですね、あんたも。死ぬ気ですか?こっちのメンバーも一人蹴り倒しちゃって…」
    「…君等は?」
    「所謂クライン派ってやつですよ。ああもう段取りがめちゃくちゃだ…」
    なにがなんやら分からないが、ひとまず助かりそうだ。アスランも銃を受け取り、応戦する。
    (キラ、なんとかなりそうだ。そのまま其処に居てくれよ)
    (……全部聞こえてるから。これをなんとかなりそうとかいう?もうだいぶアウトだよ)
    怒りも一周回ると冷静になる。目を離すと本当にロクなことがない、もう絶対一人で何処かに行かせないと不穏な決意をキラがしたことを知る由もなく。道中倒した兵士にニコル達の生存を伝言し、アスランはダコスタ達と逃亡した。

  • 98二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 07:09:43

    Destinyが始まらない予感!

  • 99二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 15:28:43

    アスランの生きる意思ありありだから余裕が持てていてとてもいい…この調子でいずれ来るパトリックイベントに打ち勝って欲しい

  • 100二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 18:27:37

    もしニコルも連れて来てたら本編以上に大暴れしてそう

    あとアスラン、多分これから再会するお姉ちゃんからも叱られると思うぞ

  • 101125/09/25(木) 22:12:12

    ダコスタに連れられ、軍港へとやってきたアスラン。非常に慌ただしい雰囲気だった。
    (あれは……新造艦か?)
    「隊長!」
    「ダコスタは後部ハッチから入れ!」
    隊長と呼ばれた男に指示されるまま、ゲートを強引に抉じ開け発進するエターナルの後部ハッチから内部へと入る。
    すぐにブリッジへと移動すると、そこに座っていたのはラクスだった。
    「ラクス!?」
    「アスラン!まあ、またお怪我をしたのですね…」
    吊るされたアスランの腕を見て、ラクスは顔を曇らせた。そっと肩に触れる。
    「無茶をしてはいけないと言いましたのに。この間は右腕で、今度は左腕ですか……またキラを怒らせますわよ」
    「もう怒られたよ…」
    ラクスにも叱られ、アスランは少し不貞腐れた。あの日プラントで別れて以来の再会。日数としてはそれほど経っていないが、一日一日の密度が濃かった為かなり久しぶりのような気がした。
    弟を助けてくださいな、とラクスに笑顔で無茶ぶりされたダコスタは無事にアスランを届け終えてやれやれとため息を吐いた。そして、一人の男がアスランへと声を掛ける。
    「よお、初めまして。ようこそ歌姫の艦へ。アンドリュー・バルトフェルドだ」
    「!砂漠の…虎?!」
    思わぬ名に驚く。バルトフェルドに寄り添うように立っていた長い髪の女性が、アスランを見てにこりと笑った。
    ラクスは席へと戻り、全チャンネルを開いてザフト軍へと訴えている。アスランはひとまずその横につく。
    「しかし、いくらこの艦が速くともこの物量はなぁ。逃げ切れるかどうか」
    「この艦にモビルスーツは?」
    「あいにく出払っていてね。この艦はフリーダムとジャスティス専用運用艦なんだ」
    「……なら問題ありません。フリーダムがいます」
    アスランが宇宙へ出た段階でキラは此方へと向かうと言った。もう合流しても可笑しくない頃だ。
    「おや、あの少年が近くに?」
    「キラはこの状況を盗聴器とGPSで全て把握しています。もうすぐそこに来ている筈です」
    「あら」
    「まあ」
    「いやあ、初っ端からフルスロットルだなぁ…」
    ラクス、アイシャ、バルトフェルドの順に各々の反応があった。アスランは微妙な気まずさを感じて目を伏せた。

  • 102125/09/25(木) 22:13:55

    そして、その直後にフリーダムは到着し、エターナルは無事にヤキンの防衛軍を突破する。エターナルはフリーダムと回線を繋げた。画面上に、キラの顔が映る。
    『アスラン!その腕…』
    「すまないな、キラ。モビルスーツがあれば俺も出れたんだが…」
    『あったとしても駄目に決まってるだろ!そんな怪我で!』
    「見た目ほど酷くないさ」
    『アスランのそういう台詞だけは信用してない』
    痴話喧嘩を始めた二人に、バルトフェルドはやっぱり若いねぇと笑った。
    「歌姫さんから少年の想い人がアスラン・ザラだと聞いた時は驚いたが、こうして見てみるとお似合いだな」
    「そうねアンディ。綺麗な子だから、飾り立てたら楽しそう。あの砂漠のお姫様の時みたいに」
    「まあ、いいですわね。是非私も参加したいですわ」
    アスランは嫌がるかもしれないが、ラクスに口頭で勝てたことはないので上手く丸め込めるだろうし、なによりキラがねだれば彼に甘いアスランは最後には折れるだろう。二人でお揃いの装いにしても面白いかもしれない。
    付き合いこそ長いが恋人としてはなりたてほやほやの二人をラクスは微笑ましく見守りつつ、エターナルをアークエンジェルと合流させるべく指示を出した。

  • 103二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 06:34:17

    そういえばシーゲルさんはどうなったんだろう…

  • 104二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 16:28:29
  • 105125/09/26(金) 20:19:21

    >>104

    吸血鬼キラ&狼男アスランありがとうございます!

    思わず首輪に目が吸い寄せられました。此の世でキラだけが付けられる首輪…。

    全部のイラストが滅茶苦茶萌えました…

  • 106125/09/26(金) 20:22:21

    アークエンジェルと無事に合流を果たしたエターナル。双方の面子が顔を合わせることに。


    「初めまして、というのは変かな。アンドリュー・バルトフェルドだ」

    「マリュー・ラミアスです。しかし驚きましたわ。」

    かつての敵との再会。今度は味方として。想像もしてなかった事態だ。しかし思えば、すんなり砂漠を抜けられたのは彼が見逃したからなのではとマリューは思った。

    「久しぶりだな、少年」

    「ええ。でも本当に驚きました。通信で貴方の名前を聞いたときは」

    「あの日、君を行かせたことは正解だったようだな。君のような男なら何かを変えるんじゃないかと期待していたよ」

    「貴方が言っていた期待ってそういう…僕はただアスランと一緒にいれる世界がいいだけですよ」

    「はは、いいじゃないか。若者の恋愛が自由に出来る世界と言い換えたら、素敵だろう?アイシャ共々、よろしく頼むよ」

    キラとバルトフェルドは、しっかりと握手をした。


    「なあ、ラクス。聞いてもいいか?」

    エターナルを降りたラクスを捕まえ、アスランはずっと気になっていたことを問い掛ける。あえてを気を使って自分に言っていないのではと、此方から聞きに行くことにした。

    「なんでしょう?」

    「その……シーゲルさんはどうしたんだ。一緒じゃないのか?」

    「…父は……」


    dice1d3=2 (2)

    1.逃走中にぎっくり腰になった

    2.軽傷を負った

    3.中傷を負った

  • 107125/09/26(金) 22:23:31

    「逃走中に追っ手に見つかって軽い怪我を致しまして……現在、協力者の方の下で匿われていますわ」
    「……そうか」
    「アスラン、貴方のせいではありません。ですからそう思い詰めた顔をなさらないでください」
    「しかし……父の命令のせいだ。それにまだプラントに居るならまた見つかる可能性も……」
    「大丈夫ですわ。かなり見つけにくいところですし、折を見て脱出する手筈も整えてあります。むしろ私があれほど堂々と出国しましたので、父がまだプラントに居るとは思われていないかと」
    「もしかして……俺が父に会いに行ったりしたから、予定を前倒しにしたんじゃないか?だとしたら……」
    「もう、仕方のない子ですわね。いいですかアスラン、父は貴方のことを本当に息子にしたいほど気に入っているのですよ。だから婚約破棄については少しガッカリしていたほどです。父はむしろ、貴方を助けることに積極的でしたわ」
    「ラクス…」
    「今はこんな形になってしまいましたが……父とパトリック様も元々は友人でしたそうですから。きっといつか仲直りできますわ」
    ね?と子供に言い聞かせるようにラクスがそっとアスランの手を握る。自分が励まされてどうするのか、辛いのはラクスの方だろうとアスランはその手を握り返した。プラントに戻って屋敷に帰っても父は居ないので、軍の宿舎にばかり寝泊まりするアスランを気遣ってよく食事に誘ってくれたのはこのクライン親子だ。コペルニクスのヤマト家を思い出す家庭の温かさがあった。
    「アスラン!ラクス!」
    バルトフェルド達との話を終えたキラが、二人の元へやってくる。ラクスはアスランから手を離して、にこやかに笑った。

  • 108125/09/26(金) 22:25:26

    「お久しぶりですわね、キラ。お元気そうで何よりですわ」
    「うん、ラクスも。吃驚したけど、でもありがとう。アスランを助けてくれて」
    「うふふ、お姉ちゃんですもの。それにもう少し遅かったらプラントに乗り込んでいたところだったとか。間に合って良かったですわ」
    「ちょっとアスラン連れてくね。一応手当はしてあるみたいだけどちゃんと軍医に見せなきゃいけないから」
    「そうですわね。では、また後で」
    アスランがなにか口を挟む間もなく、二人は何処かのんびりとした空気感で挨拶を済ませ、キラはアスランの怪我をしてないほうの腕を引いて歩き出す。
    「おいキラ、いくらなんでもいきなりアークエンジェルでラクスを一人には…」
    「大丈夫だよ。あっちの方向にはカガリが居たから。やっぱり女の子同士のほうが良いこともあるよ」
    「いや、カガリもラクスとは初対面だろう!?」
    「あとバルトフェルドさん達も居るしね。それに、そんな暗い顔の君が居たらラクスも落ち着けないよ」
    「……」
    「ごめんね、まだ盗聴器外してなかったから……全部聞こえてた」
    キラは耳に付けていたイヤホンをとんとんと叩いた。そういえばそうだったと、つい忘れていたことに気付く。
    「まったく……気を遣わせてばかりで情けないな、俺は。色々、父と話して考えたこと、聞いてくれるか?」
    「勿論!怪我の処置が終わったらゆっくり話そうね」
    自分の中で溜め込もうとしなくなったのは大きな一歩だ。キラが嬉しく思っていると、その背中にぽすりとアスランが額を寄せた。
    「……ただいま、キラ」
    「うん……おかえり、アスラン」
    ちゃんと帰ってきたぞと、そう伝えてくれるアスランをキラは身体を反転させてぎゅうと抱き締めた。

  • 109二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 06:20:28

    シーゲルさんも無事で良かった〜
    あとはパトリックお前だぞ
    お前もちゃんとキラアスの結婚式に出るんだ

  • 110二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 15:30:01

    最大の障壁はやはり嫁のおとんよなあ
    分かり合えなかったら駆け落ちするしかない…

  • 111125/09/27(土) 22:14:24

    【顔合わせ①〜ラクスとカガリ〜】

    アスランがプラントから帰って来た。その事自体にはカガリは安堵した。しかし、ローズレッドの大きな戦艦と共に、というのは驚きであったし、あのアンドリュー・バルトフェルドが艦長を務めているというのはあまりに予想外過ぎた。
    そして、いま視線の先にいるピンク色のお姫様のことも。キラとアスランの様子を見に来たら、彼女が一人で居たのだ。どう話しかけようかと思っていると、その少女がカガリに気付く。
    「こんにちは。私はラクス・クラインと申します。お邪魔させて頂いていますわ」
    「あ、ああ……えと、私はカガリだ。カガリ・ユラ・アスハ。君が、アスランのお姉さんか?」
    「まあ、貴女がカガリ様ですのね。お話は二人から聞いています。確かに私はアスランのお姉ちゃんですわ」
    カガリの名を聞き、ラクスは顔を明るくした。なんというか、ふわふわして女の子らしい。しかしこの少女がキラにフリーダムを託し、そしてあの戦艦を持ち出したというのだから、見た目によらずとても胆力のある人間なのだろう。
    「凄いな、君は。プラントから戦艦と共にやってくるなんて」
    「やらねばならないことだったというだけですわ。アスランには、それが心配なようですけれど」
    「あー…アイツ、懐にいれた人間に対して過保護っていうか、抱えて守りたがるみたいなところあるからなぁ」
    「特にキラに対しては顕著でしたけれど、少しは改善されたようですわね」
    「そのキラも大概だと、私は思うけどな」
    アスラン第一といいながらもアークエンジェルのことも気にかけている。なんというか、アスランへの執着とキラの生まれ持った優しさが奇跡的なバランスで成り立っていまに至るような感覚がある。何処かで一つ選択肢が違ったら、成立していなかったのではないかと。

  • 112125/09/27(土) 22:15:46

    「あと私に対して様や敬語は別にいらないぞ。話しにくいだろ」
    「ではカガリさんと呼ばせて頂きますわね。私にはこの話し方が一番自然ですので、お気になさらないでくださいな。私のこともただラクスで構いませんわ」
    「そっか、わかったよ。ところでキラ達は?」
    「アスランが腕に怪我を致しまして……いま医務室の方へ行ってますわ」
    「アイツまた怪我したのか……いつもぼろぼろだな。いやまあ、最初のアレについては私のせいだが」
    いま思うと、キラが許してくれたのもまた奇跡なんじゃないかという気がする。これもよく知った女の子に怒りをぶつけないキラの優しさに助けられたところがある。あの尋問の圧だけはしっかり怖かったが。
    「アスランが怪我したからラクスも落ち込んでるのか?」
    「え?」
    「違ったか?そんな感じがしたんだが」
    「……そう、ですわね。怪我そのものというよりはアスランが変に考えすぎなければいいなとは思っていましたが…」
    「なんかラクスも責任感強そうだ」
    「そうでもありませんわ」
    「自分の事は分からないものだろ。そういうところアスランと似てる。姉弟だからか?」
    どうやら実際に血が繋がっている訳ではないようだが、姉弟だと当人らがいうのだから色々複雑な事情があるのだろうとカガリは微妙な勘違いをしていた。
    外見は似てないけど、中身は似ている。自分たちはどうなのだろうとカガリは考えた。キラと双子かもしれない自分は、キラと似ているだろうか。
    「なあ、どうせこれから此処を拠点にするんだろ?案内してやる。といっても、私もここの正式なクルーって訳じゃないんだけどな」
    「よろしいのですか?ありがとうございます。貴女は優しい方ですわね。聞いていた通りですわ」
    「……あいつら、変なこと言ってないだろうな…」
    国を背負う少女が二人。これからのとても長い友人関係が、そしてキラとアスランを通じて築かれる家族としての繋がりが、いまこの瞬間から始まったのだった。

  • 113二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 07:30:59

    親族顔合わせ〜

  • 114二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 16:35:58

    今日の更新も楽しみに保守

  • 1151 25/09/28(日) 22:14:30

    【顔合わせ②〜ヘリオポリス組とアスラン〜】

    医務室できちんと治療を受けたあと、アスランは食堂へ向かっていた。治療している間、傷口を見たキラの怒りメーターが再び上昇しそうだったのと、フリーダムのことで整備士に呼ばれたので席を外して貰ったのだが、その時に終わったら食堂で待ち合わせだと言われた。確かにプラントへ向かって以降、きちんと食事はしていない。
    「あ」
    食堂の中に入ると、そこには同い年くらいの少年少女が三人。キラの友人達だ。勿論オーブで合流してから今までに何度か顔を合わせてはいるが、その時は各々にやることがあってきちんと挨拶をしたことはなかった。
    そして、アスランは仕事や任務上の事ならばそつなくこなすが、個人の交友関係については非常に内向的な方である。思わず引き返すか、キラに早く来てくれと話しかけようかしたとき、茶色の髪の青年が立ち上がった。
    「やあ、君がアスラン、だろ?俺はトール・ケーニヒって言うんだ。よろしくな」
    「ああ……アスラン・ザラだ。よろしく」
    差し出された手を見て、己も握り返して握手をした。なんというか、人好きの良さそうな男だ。トールに続いて、他の二人も名乗った。
    「私はミリアリア・ハウよ。よろしくね」
    「俺はサイ・アーガイルだ。いや、実際に会うとすこし緊張するな」
    「そうだよなぁ、だって耳にタコが出来るくらい聞いてた幼馴染さんだし、いまはキラのお嫁さんなんだもんな」
    「!?」
    握手をした体勢のまま、アスランは固まった。いったいどこまで浸透しているのだろう。そしてキラは何を話していたのか考え出すと怖いような、嬉しいような。

  • 1161 25/09/28(日) 22:16:12

    「……まだ嫁じゃない。というか、嫁になるかは…」

    「え?キラと結婚しないのか?」

    「結婚は…したいが。そうではなくて……」

    「あーそうか、キラのやつまだきちんとプロポーズしてないんだな?まあ戦時中じゃムードもなにもないか。指輪も用意できないし」

    「境遇から考えると物語みたくロマンチックと言えなくも無いけどね」

    苦笑しながらミリアリアが言う。相思相愛の幼馴染と戦場で再会、意思に反して敵対し、最後は手を取り共闘した恋人達。これがラブストーリーなら盛り過ぎなくらいだろう。サイも頷く。

    「何処かで熱狂的なファンが付いてても可笑しくないくらいだよな」

    「ファンなんかいないだろ…」

    思わずぼやいたアスラン。トールはからからと笑った。

    「でも良かったよ。君とキラがまた一緒になれて。キラはずーっと君のことばかりだったからな」

    「…そうなのか?」

    「ああ、朝から晩まで、寝ても覚めても、アスランアスランアスラン…君のこと好き過ぎて、というか連合が嫌い過ぎて最初の頃は艦内の空気最悪だったくらいだ」

    「そうだったわね。もうフラガ少佐にもマリューさんにも冷たくって。キラのあんな態度初めて見たから吃驚しちゃったくらい。何かあったのか途中から良くなってきたけど」

    自分と離れていた時の、キラの話。あの頃はキラが自分のところに来てくれないことが悲しかったが、こうして内情を聞くと改めてキラの苦悩を知った気がした。

    あと己のことばかり考えてくれていたというのは、やはり気分のいいものだった。

    「……その、君たちはヘリオポリスからの友人なんだろう?キラはどういう生活してたのかとか、聞いてもいいか?」

    「いいぜ!此方来て座れよ。俺もちっちゃい頃のキラの話とか聞いてみたいし、あと君自身の話もな!」

    トールに促され、彼等のテーブルへと。キラが、そしてニコル達も打ち解けたというだけあって気のいい彼のお陰もあって、アスランはすんなりと輪に加われた。



    ちなみにどんな話を聞いた?

    dice1d3=2 (2)

    1.カレッジでの生活の様子

    2.↑+キラがモテていたかどうか

    3.↑↑+軍人になってからのエピソード

  • 117二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 07:10:49

    アスランが色んな人と仲良くしてるの見るとじーんとするなあ…

    でもキラが見たら、トール達も大切な友人だけどそれはそれとして面白くなさそう

スレッドは9/29 17:10頃に落ちます

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