- 1◆om8Dzcazc.25/09/08(月) 02:22:48
- 2◆om8Dzcazc.25/09/08(月) 02:23:51
トレーナーと担当ウマ娘といえどもいつも一緒に入れる訳ではない。それがチームを導く者と学園生徒会長では尚更難しい。
だからだろうか、いつの間にか満月の日には二人だけの秘密の集会を開いている。
話す内容は薄物細故、日常的な事。
テイオーが熱く語ってくれたファストフード店のハンバーガーを食べに行こう、とか。
今年も厳しすぎる残暑になりそうだな、など。
そんな日常を話す。二人の間に過ぎた時間を埋めるように、語り合う。
だが、楽しい時間というモノはあっという間に過ぎていく。
いつの間にか昇りきった月を眼に収める時も、もう何度目だろうか。
「ルドルフ。眠いの?」
「…いいや。
けれどこれくらい。少しばっかりは甘えてもいいだろう?」
そういって彼の肩に頭にぽすん、とのしかける。繋いでいた彼の手が少し固くなるのを感じる。。
あぁ、暖かい。今日までの疲れがウソのように飛んでいく。 - 3◆om8Dzcazc.25/09/08(月) 02:24:52
「ルドルフ。そろそろ時間だ、帰ろう」
「おや、もうそんな時間か。仕方がない」
しばらくの蜜時の後、帰路につく。
握った手はそのままでゆっくりと、この時間を惜しむように。
とはいえまた明日からやってくる多忙の日々に向けての元気はもらった。
空の月に目をやる。此処一番と言わんばかりに眩しいほどに輝いていて。
だから私はいつもこの日に言うのだ。彼の目を奪う月よりも私の事を見て欲しいから。
「しかしトレーナー君。今日は月が綺麗だね」
とある作家が残した逸話。この話の真偽はさておき、正真正銘私が彼を想う気持ちに嘘はない。
「…まだ、ルナの気持ちに応える訳にはいかないな」
これもいつも通り。もっとも、『まだ』と言っている時点で応えているようなものだが。
二人見合って笑いながら、繋いだ手は離さないように帰ろう。
この楽しみはまた、次の満月の日に。 - 4◆om8Dzcazc.25/09/08(月) 02:25:52
- 5二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 03:17:13
中々に風流な決め事ですね
雨に降られても「雨月」を楽しんでいそうな二人……