- 1二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 00:53:48
- 2二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 00:54:09
信頼、なんでしょうか。
私には才能がありません。だから他人よりほんの少しだけ秀でた頭を使って誤魔化してきました。ピエロのメイクが剥がされて中のみっともない素顔が露わにならないか、心細く怯えていました。
私はただ、あなたがガッカリしないか怖がっていただけです。
私が何もかも嫌になって逃げ出そうとしたとき、あなたは我が身を顧みず私の価値を証明してくれた。
「嬉しくて、ほんとに、嬉しくて……スカイが笑ってくれることも、トレーナーとしてちゃんとやれてるんだなっていう証明になったみたいで」言葉を重ねるたび、トレーナーさんの声に嗚咽が混じってきました。「……気付いたら、隣にいてくれるだけで、嬉しくなってた」
「いま、それを言ったのは、今日の有マ記念がセイちゃん最後の挑戦だったからですか?」 - 3二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 00:54:26
来年の四月以降、もう私はトレセンにはいません。キングも、スペちゃんも、グラスちゃんも、エルちゃんも、ツヨシちゃんも。
後腐れのないように。言外にそういう意図が伝わってきます。
「たぶんスカイは気を遣ってくれるから……だから、レースに支障を来さないように」
「なんですかそれ」
「え?」
おかしいです。こういう場面では大抵耐えられない照れに埋め尽くされて逃げ出すのがセイちゃんの常なのに。
いま、逃げ道を用意して告白してきた愛しい人に対して、無性に腹を立てています。 - 4二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 00:54:49
「1年前! シニア級の初冬! 覚えてますよね!」
「えっ、え?」
「あなたは……私は私が思ってる以上に価値があるんだって証明してくれました! 自信をもっていい、スペちゃんたちやキングと同じ黄金世代であることに胸を張っていいって!」これまで出したことのないような大声でした。喉が痛いです。でも、心はもっと痛いです。
「そういう君が自信持ってなかったら、私が立ち直れたことに価値がないみたいじゃん!!
勝ったよ! 最後の有マ記念、一着でゴールインしたよ!
才能が劣ってたって地力が負けてたって私は勝った! 誰がなんと言おうがそんな私は凄いウマ娘だ!」 - 5二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 00:55:07
最終直線で追い上げてきたキング。
鋭利な刃の如き目からも、私は逃げて逃げて逃げました。いつ差されてもおかしくはなかったし、納得もできたでしょう。
そんな彼女から逃げ切ることができたのは、
「あなたが──」目頭に熱いものが溜まっているのがわかりました。「いてくれたからじゃないですかぁ……」
拭っても拭っても涙が止まらず、手のひらがすっかりびしょびしょになってしまいます。鼻の奥が詰まって、呼吸さえもいっぱいいっぱいでした。 - 6二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 00:55:26
周りに誰もいなくてよかったと、心の底から思いました。
「……」ふいに、身体の自由が温かく奪われます。「スカイ」
「……未成年の教え子、抱きしめて、なんのつもりですか」
「これからのために」トレーナーさんの声音は震えているものの、さっきよりしっかりしたものになっていました。
「これからも、私と一緒にいて」
「──。──。その、つもりに決まってるじゃないですか」
背中に腕を回すと、彼女と私の違いを実感させられます。
しばらくの間、そうしていました。 - 7二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 01:02:25
さっきのスレ主?
- 8二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 01:04:29
違います
- 9二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 01:05:53
素晴らしい……
- 10二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 01:12:12
スパダリセイちゃん
- 11二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 01:29:49
女トレセイ少ないから本当に助かる...
- 12二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 07:17:45
助かる
- 13二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 19:00:14
セイ♀トレ×セイちゃんいいぞ・・・