【閲覧注意】アスラン♀ in ハーレム時空 Vol.9

[1 文字書き いちか 25/09/09(火) 00:18:29]

元スレ

【閲覧注意】ここだけアスラン(♀)、ただし｜あにまん掲示板

このスレはこちらのアスラン♀のいるハーレム世界線の世界観を引き継いだ三次創作で、元スレでSSを書き足りなかったSS書きことスレ主がまったりお話を投下していくものとなります。

わちゃわちゃきゃっきゃしたりイチャイチャしたり時々シリアスしたり、急に湿度ジットリになったり激重になったりします。

[2 文字書き いちか 25/09/09(火) 00:20:17]

１スレ目

【閲覧注意】アスラン♀ in ハーレム時空｜あにまん掲示板

２スレ目

【閲覧注意】アスラン♀ in ハーレム時空 Vol.２｜あにまん掲示板

３スレ目

【閲覧注意】アスラン♀ in ハーレム時空 Vol.3｜あにまん掲示板

４スレ目

【閲覧注意】アスラン♀ in ハーレム時空 Vol.4｜あにまん掲示板

５スレ目

【閲覧注意】アスラン♀ in ハーレム時空 Vol.5｜あにまん掲示板

６スレ目

【閲覧注意】アスラン♀ in ハーレム時空 Vol.6｜あにまん掲示板

７スレ目

【閲覧注意】アスラン♀ in ハーレム時空 Vol.7｜あにまん掲示板

８スレ目

【閲覧注意】アスラン♀ in ハーレム時空 Vol.8｜あにまん掲示板

まとめ兼SS置き場

アスラン♀ in ハーレム世界線　まとめ | Writening

[3 文字書き いちか 25/09/09(火) 00:23:22]

ハーレムは元から女の子のアスランに加えてラクス、フレイ、カガリによるキラの精神安定を確保する完璧な布陣（何やらそれ大丈夫なのかという子も居ますが、そういう前提ですのでスルーの方向でお願いします）
タイトルにあるようにアスランがエピソードの中心になりがち、スレ主の趣味と独断で基本的にキラアス♀メイン、他は余り期待し過ぎないように願います。
なお、元スレ主≭スレ主なのでご注意ください。

という事で、なんだかんだで９スレ目になりました。
どうぞスレ主の気の済むまでの間、この世界線にどうぞ気長にお付き合い下さい。
皆様何卒宜しくお願いします。

※注意
こちらのスレにある画像は基本的にスレ主以外の使用は不可でお願いします。
（観賞などの目的でのお持ち帰り自体はOKですが、余所さまへの持ち出し等の使用許可を出す予定はないです）

また、感想的なコメントなどは随時歓迎。こんなの見たい的なシチュ等もまだまだゆるく募集しております。
勿論こちらの都合もあり総てにお応えは出来ないものもありますので、その辺りは寛容の精神でお願いしますね。
なお、スレ主のモチベ維持の為、これ好き！と思ったらハートだけは是非遠慮なく押してって下さい（切実）

[4 文字書き いちか 25/09/09(火) 00:25:26]

登場人物（元スレエピローグ時点での状態＋現行スレまでの追加分＋スレ主設定）

キラ・ヤマト
このハーレムの主。
夜のコーディネイターレベルは1D100=73（1ほど一般男性寄り100ほど人間の皮を被った人外）
戦後精神を病んで以降、周囲を取り巻く環境が中々けしからん状況になっている。
並列で4人の女の子それぞれに対しかなりグラヴィティな恋愛感情を向けていて、恐らく独占欲は強め。
彼女たちが揃ってタイプの違う美人ばかりということもあって、出来れば他の男には触れさせたくないし見せたくもないと思う程度にはヤキモチを焼く。
そんな、のんびりほわほわしているように見えて愛情だけは超重い旦那様である。（やっぱり４分割なんて出来なかったんや、こんなんむしろ４倍ですやん…まぁ流石に4乗にはなってないと思うけど）
そんな訳で何だかんだで気付いたら完成していたラクス作のハーレムをすっかり受け入れている模様。
現カノ、前カノ、双子の片割れ、幼馴染…ってその内訳だけでも中々にアレな感じ。

[5 文字書き いちか 25/09/09(火) 00:27:20]

ラクス・クライン
誰が呼んだか魔王様。取り敢えず正妻の座だけは譲れない。
戦後の病んだキラの為にハーレムを作るべく彼が大事にしている女の子たちを集めた、ある意味震源地にして元凶。
フレイとは軍師と参謀のような関係で何かと息がぴったり揃いがち。
父親同士の繋がりから以前から交流のあったアスランを妹のように思っており、若干（？）シスコンの気配があったりなかったり…。
その為、兎角彼女を構いたい圧が強い。
自分以外の恋人（というか嫁）を三人も彼氏の傍に置くことを許容する懐の深さは脱帽ものであり、それぞれと関係は良好。
正直なところ、計画を遂行したことで一番得してるまであるのは気のせいではないかもしれない…。

[6 文字書き いちか 25/09/09(火) 00:30:54]

フレイ・アルスター
本編と違い死を免れた少女。嫁その２。
戦後キラとはキッパリと決別し親戚の伝手を頼りにオーブを離れて地元へ帰ろうとしていたところを、何やかんやでラクスに無理矢理計画に引っ張り込まれた。
どういう訳だかラクスとはいいコンビで、馬が合うのかいつも二人で何かを画策 ( ) している事が多い。
意外とリアリストで、現実的な物の考え方をするところがある。
それもあって周囲が天然やボケばかりのせいか、いつもツッコミに回りがち。
お嬢様育ちで思った事をハッキリと言うキツめの性格の割に根が優しいので何かと情に絆され易く、気付けばついつい誰かさんの世話を焼いている。
実は付与された設定でとある秘密を抱えているが、恐らくそれが表沙汰になることはない筈。
一応この中では最年少。

[7 文字書き いちか 25/09/09(火) 00:32:37]

カガリ・ユラ・アスハ
言わずと知れたキラの双子の片割れ。嫁その３。
現オーブ代表にしてハーレムのインモラル係数を一人で計測不能の限界値まで押し上げる張本人。
対外的には自らきょうだいと公言しているものの身内だけになると恋人として彼を扱っている。
そんな訳でバレたらスキャンダルどころの騒ぎじゃないとんでもない爆弾を抱えているのだが、当人は結構開き直っているようだ。
メンバーで唯一、隠れ家に住み着かず通い妻をしているので不在な事も多く出て来る話は案外レア。
一応の常識枠だが、何かと暴走しがちなラクスとフレイに頭を悩ませている。
また性的なものに疎い部分は既に克服済み (？)で、かなり積極的。
実は地味に設定が盛られてエグい事になっているのは内緒。

[8 文字書き いちか 25/09/09(火) 00:34:15]

アスラン・ザラ
キラの幼馴染で元ザフト。嫁その４。
この世界線の物語の語り手。
戦後、放って置いたら死にそう感を漂わせていた事もあって、その不安定な精神状態を心配したラクスによってハーレムへと引き込まれた。
戦いを知らない頃のキラを唯一知る存在であり最大の理解者で、尚且つ支えるべきその彼に依存している重い女でもある。
血のバレンタインで母を喪って以降、ショックから鏡を見られなくなったり自身に無頓着になるなどの心的外傷を負っていて、女の子らしい服装などを拒絶していた（徐々に緩和中ではある）。
普段の男っぽい口調からは想像しづらいが、中身はかなりの初心かつ照れ屋で純情。
また、最愛の彼であるキラとは命の取り合いをしたという最大級のトラウマポイントを持つ。
嫁たちの中では一番の高身長（約170㎝）で、運命時点でのキラとほぼ差がない。
それもあって余計に自身は女らしさとは無縁で可愛くないと思っている節があり、“可愛い”という単語にはつい反発しがち。
ハーレム内の空気に少しずつ馴染んでは来ているものの、未だに女同士の下世話な話には付いていけない事が多く、それもあって反応が可愛いと弄られている。
極度の甘え下手でもあり、自己肯定感も低めなので発想がつい卑屈になりがち。

[16 文字書き いちか 25/09/10(水) 03:46:43]

新スレ記念にワンドロってきました
何か可愛い服でもと思っていたのですが、何か気付いたら湯上りっぽい感じに…

そう言えば聞いたところに拠ると筋肉質でも質の良い筋肉が付いてる人は感触が柔らかいそうで、筋肉＝硬いは必ずしもそうじゃなくて、どうやら誤解らしいみたいですね
考えたらミロのヴィーナスの腹筋て割れてるんだよなぁ…とワンドロしながらそんなことを考えていた訳で（いつも服着けてない状態から描いてる人の感想）

[17 二次元好きの匿名さん 25/09/10(水) 09:42:15]

風呂上がり…いい感じに火照った体に濡れた髪…

……ふう……

[20 二次元好きの匿名さん 25/09/11(木) 07:11:21]

保守がてらお気に入りのキラアスイチャイチャを…

ただ本当はロングヘアにしたかったけどならなかった…

[21 二次元好きの匿名さん 25/09/11(木) 11:29:04]

>>20

カメラさんもうちょっと下映して

[31 文字書き いちか 25/09/14(日) 05:59:44]

大変お待たせしております
やっと続きを投下出来そうだと思っていたんですが、ちょっと気になるところが出て来てしまったのでもう少しお待ち下さい…

さて今回、寝込みにキスという当人の性格を考えたらかなり大胆な行動を起こした訳ですが、そこで我に戻ってしまう辺りがらしいというか何というか
以前にもお話ししたかもしれませんが、キラが勝手知ったるとばかりに遠慮なしで部屋の中へ入って来るのはアスランの部屋だけです
一応他の子の部屋も呼ばれれば訪ねはするようですが、特別な用もなく遣って来て居座ったり勝手に私物を置いて帰ったりと好き放題なのは彼女に対してだけにしかしていないんです
要は彼女以外にはカッコ付けてるってことなんですが…ね

[34 二次元好きの匿名さん 25/09/14(日) 19:53:23]

ラクスフレイカガリはキラが成長してから出会った異性だけれど、アスランは唯一一人の女性としてとはっきり認識する前ならずっと一緒でしたもんね

ヤマト夫妻を除いて幼少期を知る唯一ですし、やはり特別な存在なんだろうなと…

[36 文字書き いちか 25/09/15(月) 05:48:10]

　それにしても、いつの間に目を覚ましていたのか…。
　驚き過ぎて撥ねる心拍数と一気に耳まで熱くなるのを自覚するばかりだったが、それでも慌てて反射的に飛び退くようにして後ずさっていた。
　意味をなさない声を漏らし口をパクパクしたまま見詰める視線の先で、キラが何やら不服そうにこちらを見ている。
　勿論、私に動揺しているのを誤魔化す余裕がある訳もない。
「な、何だ、起こしてしまったのか」
　しかも思った以上に上擦るどころかひっくり返ったような声が出て、余計に恥ずかしくなってくる。
　自分でもただひたすら狼狽えたようにおかしな動きをしているだろうという自覚くらいならあるのだ。
　そんな私にキラは寝転がったまま胡乱な眼差しでこちらを見ながら問い質すように重ねて問い掛けて来た。
「それより、何で途中でやめちゃうのさ？」
　ジッとその紫の一対に見詰められて意味もなくたじろいでしまう。
　大体何故と言われても困るのだ。自分でも何をしているのだろうと思っているくらいなのに…。
　そうして当惑するばかりで思考がぐるぐるしてくる頭でどうにか言い訳を考え掛け、声を掛けられたタイミングがおかしいことに気が付いた。
「いや、それは……というか、いつから起きてたんだお前っ」
　気付いていたというのなら、つまり少なくともあの時点で目を覚ましていた筈で…要は途中から狸寝入りしていたと白状されたようなものだ。
　只でさえ赤い顔が更に熱を持ったように熱くて仕方がない。
　そのせいで何だか涙まで薄っすら浮かんでくる始末だ。
「もう、そんな顔することないじゃないか…」
　私からのじとりとした視線を受けて彼は拗ねた声でそう言って少しだけ体勢を変えた。
　確かに結果としてそこまでの度胸がなかったというだけの話でしかない。だからと言って大体それは…。
　そんなことを言いながら彼は我が物顔でまるで部屋の主のような顔をしているが、仮にもここは私の部屋なのだ。
「そもそも人の部屋まで何しに来たんだ、態々」
　少しだけ冷静になってきて、ようやく最初に思ったことをやっと口に出す。
　何故かきょとんとした顔をしたキラは小さく首を傾げるので、こちらも思わずため息が出た。

[37 文字書き いちか 25/09/15(月) 06:06:14]

お待たせしました、続きになります
甘くしようとしてたのに段々と脱線して来た気がする今日この頃…

彼女は欲求を抑えがちで自分からこういった行動を起こすことが珍しいので、今回のようについ魔が差したとばかりに動いて途中で我に返る、なんてことは案外多いのかもしれません
踏み止まって良いか悪いかはともかく
それと、キラとしてもちゃんと彼女扱いしようという意識はあるのですが、どうしてもいつもの癖が出てしまって彼氏ムーブになり切らないのが実情のようです
まぁただ他の三人からすると、この二人の距離感は自分たちでは出来ない特別で割り込めないものと認識されているというのも事実なんですよね

[43 二次元好きの匿名さん 25/09/16(火) 20:26:22]

ぐえ〜全然ベッドの端に座ってくれない〜！！
今書かれてる可愛い二人のお話からイメージしました。


あとやたらAI君が反抗してきて指定してないのに膝枕させてくるのなんでや…

[44 二次元好きの匿名さん 25/09/17(水) 01:35:59]

いやーいい絵ですな

[45 文字書き いちか 25/09/17(水) 06:04:38]

構図が違おうがこの表情だけで総てチャラと思ったのは自分だけではないと思いたい
いつも有難うございます
どうもAIにも反抗期があるみたいですよね…前こっち出してたのに、違うの？みたいな感じなのとか、もうヤダとばかりに全然違うの出してきたりとか…

それまで幼馴染ムーブだったのに急に彼女扱いされて挙動不審になり、彼氏面でグイグイ来られれば泡食ってジタバタ…見ている方としては大変微笑ましいのですが、当人はひたすら対応に困ってるんですよね
しかも幼馴染扱いされるのは安心するけど乙女心的にはそれではやっぱり少し不満で…と中々に複雑だったりするものだから、本当に面倒くさい
…勿論書いている方としてもニヤニヤが止まりませんが

[52 二次元好きの匿名さん 25/09/19(金) 01:32:25]

>>43

でかぱいロングヘアはいいねぇ

[55 二次元好きの匿名さん 25/09/19(金) 18:01:20]

>>45

こちらこそありがとうございます！

むしろ作ってるの楽しいので…

その面倒くさい部分ひっくるめてキラは愛してるんですよね

特に膝枕とも入れてないのに出力してきたやつがこちらです。

下が履いてないように見えますが…一応布らしきものはあります…

[56 二次元好きの匿名さん 25/09/20(土) 01:08:23]

>>55

ちゃんとスカートみたいなのが見えるね

[65 文字書き いちか 25/09/22(月) 05:18:35]

「何しにって言われてもなぁ…」
　彼はきまり悪そうにブツブツと呟いて、少し何かを考えるような様子を見せると漸くむくりと起き上がった。
　特に用がなくても部屋へ入り浸っていたのは子供のころからの話なのだが、何故今更そんなことを訊くのかという顔をされてしまい脱力しそうになる。
　まったく…こいつは人一倍気が回る癖に変なところでデリカシーがないというか。
　別にラクスたちのように扱われたいとまでは思わないが、せめてこう…何というか。
　そこまで考えて、ふと自分が彼へ期待のようなものを持っていたのに気が付いた。
　最初はせめて傍に居られるだけでいいと思っていたのに、いつの間に随分と贅沢な望みを持つようになったのだろうか…。
　そんな私の内心を知ってか知らずか、キラはベッドの上に胡坐をかいて座り直すと口を開いた。
「そうだなぁ敢えて言うなら二人きりになれそうだなとか…そんなくらいかな。君はこうでもしないと逃げようとするし」
　彼は言いながら足元の方にあったクッションを引き寄せて抱え込むと、私の方をジッと上目遣い気味に見詰めて来た。
　それはいつものような人懐こいものではなく、どこか獲物を狙うような目付きに思えて思わず身構える。
　彼がこんな眸をしている時は、大抵碌なことが起きないのだから。
「に、逃げるって、だいだいそれはお前が…」
　そんなことを思いながら言い掛けて、そこで思わず目を逸らして口ごもった。
　無防備なのをいいことに、眠っているところへキスをしようとしたのは私の方じゃないか。
　また顔が耳の辺りまで熱くなってきて、恥ずかしさに思考がぐるぐるし始める。
　……何であそこであんなことをしようとしようと思ったのか。
「じゃあ、何でそんなに逃げ腰なのかな？」
　ずい、と急に思い出したように彼がこちらへにじり寄って来た。
　私は目を逸らすことも出来ず、彼の双眸を見詰めたままじりじりとベッドの縁を更に後ずさろうとして…背中にヘッドボードが当たってしまう。
「逃げてなんて…」
　せめてもの意地で言い返し掛けて、そのまま彼に不意を突かれた。
「ほら、捕まえた」
「えっ、ちょ…っキラ！？」
　伸ばされた腕にぐいと引き寄せられて、その勢いのまま彼ごとベッドへ前のめりに倒れ込む。

[66 文字書き いちか 25/09/22(月) 05:35:03]

言い回しやら諸々が納得行かなくて、だいぶお待たせしました

結局半分くらいバッサリ書き直す事になってしまいましたが、何とかなったので良しとします

という事で、続きをば…

>>55

可愛いのを有難うございます

こういうのは見ていて頬が緩みますねー

[67 二次元好きの匿名さん 25/09/22(月) 10:02:58]

>>65

続きをワッフルワッフル

[77 文字書き いちか 25/09/25(木) 06:00:30]

　当然思わぬ方向へ急に引っ張られたせいで受け身すら取れる状況ですらなく、咄嗟に支えようと手をつきはしたが体の下にはしっかりとした体の感触があった。
　言うまでもなくそれがキラのものだという事に気付いて慌てて反射的に顔を上げると、息の掛かるほどの至近距離に彼の顔が。
「～～～～～～っ！？」
　私はその場で言葉にならない悲鳴とも喚き声ともつかない声をあげながら咄嗟に慌てて起き上がって離れようとしたが、既にがっちり背中側へ腕を回された状態でホールドされて抜け出せなくなっていた。
　動転している私の次の行動なんて、既にお見通しだと言わんばかりだ。
「だぁめ、残念でした」
　そして悪戯っぽくクスクスと笑い、優しい声音でそう囁いた。
「…なら訊くけど、放っておくと、添い寝の時以外は近くに来ようともしない事に関してはどう言い訳をするなのさ？」
「……それは…別に…」
　私の反応を楽しんでいるのか肩先に触れていた指先で私の頬を優しく撫で髪を掻き上げる。その声はあくまでもいつものように穏やかだ。
　だが、腰に回された腕を緩めようという気は一切感じなかったし、微笑んでいるように見えてもその眼差しはいっそ獲物を捕らえた猛禽のそれのようだった。
　そう、体勢的には私の方が圧し掛かった形だが、実際捕らえられて焦っているのはこちらの方なのだ。
　お陰ですっかり身動きの取れなくなってしまった私は、彼からされるがままになるしかなかった。
「言っとくけど放す気はないよ。だいたい自分から来ない君が悪いんだから」
　だからその分好きなだけくっ付かせて貰う、と彼は告げる。
　このハーレムという名の共同生活状態は、実のところ緩い椅子取り合戦だ。
　彼にとって私たちはそれぞれ替えが利かない存在であり、結果としてその内の誰か一人だけを選び取ることすら出来ないほどのその優柔不断の上に関係が成り立っていると言っても差し支えはない。
　とは言え、その時々で多少の偏りは出るし暗黙の了解的にお互いに譲り合っている部分もあるものの、基本は余程がなければ場所取りをしに行ったもの勝ちになる。
　そして私がその只中にあって気後れから積極的になる訳でもなく、遠巻きにそれを眺めていることが多いのも否定はしない。
　が、これでも一応は人並み程度にヤキモチも妬くこともあるし執着心がないという訳でもないのだ。

[78 文字書き いちか 25/09/25(木) 06:10:24]

そんな訳で、甘いかはともかく密着状態まで持ち込みましたよ…ということで続きになります
何かぐるぐるしてますがね、このお嬢さん

[79 二次元好きの匿名さん 25/09/25(木) 11:22:08]

吹っ切れる日は来るのだろうか

[87 二次元好きの匿名さん 25/09/27(土) 01:08:32]

自由時間まで進めば少しは改善してるかな

[89 二次元好きの匿名さん 25/09/27(土) 15:50:12]

>>86

また消されてました…

気を取り直して、以前スレ主さんが書かれていたみんなでショッピング話のワンシーン的な想像です。

まずはラクフレコンビ〜双子風コーデを添えて〜

「ねえ、あの服なんてどうかしら？」

「まあ！カガリさんとアスランに似合いそうですわね」

[90 二次元好きの匿名さん 25/09/28(日) 00:21:42]

>>89

いい絵です

[91 二次元好きの匿名さん 25/09/28(日) 04:58:43]

お揃いの衣装も似合うね

[96 二次元好きの匿名さん 25/09/29(月) 15:41:34]

>>89

仲良さげで何より

[102 文字書き いちか 25/10/01(水) 06:14:32]

　……そう、ただ彼女たちとのそれに参戦出来る程、強気なれないというだけで。
　そんな話はともかく、ついさっきまで走り込みをしていたので確実に汗ばんでいる筈で、そんな状態で半ば圧し掛かったまま密着されられていることに段々と私は照れとは別の意味でも焦り出していた。
　しかもこれは態とじゃないにしても胸を押し付けているような体勢でもあるいうことにも気付いてしまったんだが…。
　非常にこれは宜しくない…と思う。
「に、逃げないから…。取り敢えずその…汗っぽいんで一旦放して貰えると…」
　無駄とは思いつつも、口ごもりながらもどうにか訴えてみる。
　それこそ普段から無頓着だの何だのとは言われるが、流石にこういうことくらいは気にするのだ。
　少なくとも自分が困るからではなく、不快感を持たれたくないと思うからこそ。
　そうしてまんじりとも出来ないまま、その顔を窺うようにちらちらと見遣る。
　走り込みの為に着ていた軽装の生地の上からの彼の手のが腰から背中、そして肩から首筋へと、撫でるように滑っていく。
　手付きが若干…というか、かなり怪しい。
　一時期の状態を知っている身としては変な下心が出せるほど余分な元気がある事自体は喜ばしいのだが、それはそれこれはこれなのだ。
　そもそも時間と状況くらいは考えて欲しい。
「もう、そんな事言っても駄目だからね」
　だが、キラの方はと言えば腕の中に収まっている私を気が済むまで構いたいようで、即座に却下してきた。
　それどころか、そんなに気になるのかと冗談めかして確認しようとしてくるので肩をぽすぽすと叩いて抵抗する。
「ちょっ、嗅ぐなってば、こら」
　こちらとしては出来れば少しでも身体を離したいのに、どうあってもそれを許してくれるつもりはないらしい。
「そんなに気にすることないのに…」
　……あぁもう空気くらい読め、この無神経。
「…こっちは気にするんだ」
　羞恥と照れとでますます余裕がなくなってきているのに、こいつと来たらまったくのお構いなしだ。
　もしかして態となのかと思うほどに。
　憮然としたまま零した言葉も半ばスルーされてしまっている。
　こんな拗ねた顔すら愛おしそうに眺められしまっては本当にどうしようもない。

[103 文字書き いちか 25/10/01(水) 06:26:22]

彼氏に捕獲されて、もだもだしてる話の続きです
やっと糖度が出て来たような気がします
ダラダラとこう遣ってくっ付かせてますが、そろそろ話としては〆たいところ
さてさて、どうしますかねぇ…

さて、10月になりました
10月と言えばアスランの誕生日のある月…という事で、前以って以前のスレで宣言していた誕生日エピソードを用意する予定ではいます
という事は、このスレ始めて1年近く経ってるってことになるんですよね
うわマジか、と日付確認して内心震えていたスレ主がこちらになります（遠い目）

[104 二次元好きの匿名さん 25/10/01(水) 15:49:53]

変な手つきと汗の匂いを嗅ぐ…という少し変態っぽいけれど、反応からしてアスランも本気で嫌がってないという…

一緒にシャワーに行ったらいいと思います

[105 文字書き いちか 25/10/01(水) 15:51:24]

いつも有難うございます
今回のはあくまで双子コーデ風なのですね
上がお揃いだけど、デザイン別のスカート丈同じってだけだから…
ラクスがミニ丈って割と珍しいのでは、そんなことを思ってました

[106 二次元好きの匿名さん 25/10/01(水) 23:27:33]

妻達と一緒にシャワー浴びるのは何回かやってるんだろうな

[109 文字書き いちか 25/10/02(木) 17:11:25]

保守を兼ねて

最初から恋人の距離感だったラクスやフレイ相手と違って、スタート地点が幼馴染だったせいもあって一度殺し合いまでした仲とは言え彼女たちよりも距離が近いので、彼氏サイドとしてもアスランとの恋人らしい距離を計りかねてるところがあったりします
いつも通りでば明らかに彼女扱いしてるとは言い難いし、彼女の方からは意識されているのか中々近くに来てくれない
それで業を煮やしての今回の所業ということになっている感じですね
ここまでの辺りだと、本気で下心出してるというより悪戯の範囲ですが
また、夜会の後の話でも抱き付くついでに匂いを嗅いでたりはしてるので、そこまで珍しい事ではないのかも知れません
一応、本気で嫌がったら退くくらいのつもりでちょっかいを出してる範囲なのと、奥手な彼女のアウトの境界を探ってるというのもたぶんあるかも
ただ彼女の方も、｢彼なら良いか｣というのと｢やっぱり恥ずかしくて無理｣、の間で葛藤してるので…

温泉回であったように、一緒に入ることにあまり躊躇がないようなのでたぶん何度かはあると思われます
隠れ家のお風呂場も割と広いですしね…

[110 二次元好きの匿名さん 25/10/02(木) 23:19:26]

隠れ家のもどれくらい広いのかねぇ？

[111 文字書き いちか 25/10/03(金) 05:52:05]

隠れ家のお風呂の広さですが、1スレ目の女の子たちでお風呂での一幕での描写から複数人で普通に入れるくらいの広さであることは判るかとは思います
例の温泉宿の専用温泉付きの部屋のものよりは間違いなく狭いですけどね

[131 文字書き いちか 25/10/08(水) 06:01:58]

「だったら、シャワー浴びに行く？待つのは嫌だから僕も付いてくけど」
　大体そもそもこんなところで居眠りしながら待ち構えてる奴がいなかったら、とっくにそうしてる筈だったのだ。
　……というか、今何かサラッと聞き捨てならないことを口走らなかったか？
「は？」
　思わず素っ頓狂な声が出てしまった。
「は？じゃないよ。シャワーに行くんなら一緒に行くって」
　一緒に、来るって…。
　カァッと顔全体が熱くなったのを感じた。それも今までの比じゃないくらいに熱が集まったような…。
「あれ、何想像したの？僕としては別にそういう事したっていいんだけど」
　揶揄うような口振りでキラが混ぜっ返してくる。まるでそんなつもりはなかったと言わんばかりだ。
　確かに最近毒され気味だという自覚はあったが、正直こいつにだけは言われたくない…。
　真っ赤になったまま拳を握り締め内心ぐぬぬとなっていると彼はくすくすと笑って冗談だって、と私に言う。
「そういうところ、何度見ても本当に可愛いから困るなぁ。…つい揶揄いたくなっちゃう」
　上半身だけでもとせめてもの抵抗で出来るだけ離しているというのに、彼はそれを強引にグイッと引き寄せると頬擦りし始めた。
　それこそ、まるでお気に入りの抱きぐるみを可愛がるかのように。
「やっぱり面白がってるだろ、お前…」
　何と言うか、反応で遊ばれているようでどうにも間尺に合わない。
　不貞腐れて言い返すと心外だとばかりの顔をした。
「失礼だなぁ、いつだって僕は真剣なんだけど…」
　そう言って、彼はそのまま私ごと横へごろんと転がる。
「ねぇ、どれだけ君を好きだと言えばちゃんと理解してくれるの？」
　しれっと好きだと言われて頭の芯まで茹ると思った。
　いや、もうとっくにで茹で上がっていた。その温度の中に閉じ込められて感覚がおかしくなっているだけで。
　彼は砂糖菓子のように甘い言葉で私への想いを紡ぐ。けれど何度言われてもその底なしの恋慕の情に押し流されるばかりで、自分ではもう現実感がないのだ。
　気付けば原型がなくなるまで溶かされて、溺れるだけ溺れさせられて…。
　そんな事を思っていたら、あんなに余裕ぶってさっきからずっと悪戯っ子の顔をしていたのに、いつの間にか彼が拗ねたような目になっていた。
「結局君がいつも遠慮してるから、こうやって僕ばかりが追い回してるだけみたいになってる…」

[132 文字書き いちか 25/10/08(水) 06:15:43]

お待たせしました、たぶんオチ一歩手前くらいまで来た気はします
という事で、彼氏に確保されて動けなくされてる話の続きです
基本はラブコメ路線なので、彼女が何してても可愛いと思っている彼氏に弄り倒されてしまうのが宿命というか何と言うか…

例によって中々納得する遣り取りにならなくて、書いては消してを繰り返したせいでこんなにお待たせすることに…
取り敢えず、激甘ってなんだろう…そんな事を思ったり

[133 二次元好きの匿名さん 25/10/08(水) 13:22:42]

続きをわっふるわっふるしながらまってた

[134 二次元好きの匿名さん 25/10/08(水) 14:14:51]

十分激重甘です。ご馳走様でした。
コーヒーがうまいなあ…





（ちっ…一緒にシャワーは浴びてくれなかったか）

[135 二次元好きの匿名さん 25/10/08(水) 21:47:17]

（一緒に入ったらR18に行っちゃうんだろうな）

[136 文字書き いちか 25/10/09(木) 04:53:54]

（この流れで二人っきりでシャワーなんて入ったら、どう考えてもスレ爆破されちゃうようなシチュになるので勘弁して下さい…）

今回ほど書いていて甘さの感覚が麻痺しているのを自覚しました話はなかったと言いますか
どのくらいで甘いのか、ぜんっぜん分からないんですよ
…書き過ぎてて感覚おかしいのだけは判りましたが
何しろ、脳内では例によって彼女を好き放題したい彼氏との攻防を繰り広げていたので（おま、それはここで出したら駄目なヤツ…っ）みたいな感じで、押さえるのに苦労してました
露骨な行為描写ありのものは基本、こちらにはお出ししませんと宣言してますしね…

[138 二次元好きの匿名さん 25/10/09(木) 17:09:33]

>>136

逆に朝チュン描写あれば気ぶれるし「やりやがった！」って興奮できる

[139 二次元好きの匿名さん 25/10/09(木) 17:52:05]

>>89

これの続きといいますか、お次はアスカガコンビ〜

「よしアスラン、今からラクスとフレイのところに合流するぞ！」

「まだ買うつもりなのか！？…いや…私はもう十分だから…それにキラだって待ちくたびれてるんじゃ…」

「あいつには連絡してあるから大丈夫だ。ほら行くぞ！」

「ちょっ！カガリ…！」

[140 二次元好きの匿名さん 25/10/10(金) 00:16:10]

>>139

いやーほのぼのしてニヤニヤするー

[144 二次元好きの匿名さん 25/10/11(土) 01:55:27]

>>139

四人お揃いとかいいねぇ、キラは何処で時間潰してるのやら？

[145 文字書き いちか 25/10/11(土) 06:40:35]

>>139

有難うございます、こちらの二人の双子風コーデも可愛いです

アスランがこのミニ丈を穿いてくれたことにちょっと謎の感動があったんですが…考えたらラクスとフレイのスカートの方がもっと攻めてて短かったなって思い出しました

この線の入り方からしてどうやらキュロットっぽい感じですね

[148 二次元好きの匿名さん 25/10/11(土) 19:06:13]

>>145

ありがとうございます。

今さらですが、支援絵とはいえ4人のファッションを勝手に想像して生成させていただきました…

ただこのハーレム√ではみんな個人差はあれどメンタル好調だし（キラのために）これくらいの服を着て楽しんでるイメージもありまして…

ミニ丈を着てほしいという個人趣味もありますが！！

アスカガもミニスカートで悩みましたがそれだけは断固拒否されたのでキャロットです。

次は待たされてるキラでも…

[149 二次元好きの匿名さん 25/10/12(日) 00:11:17]

カフェで待ってるか女性陣の荷物を車に積んでるか

[158 文字書き いちか 25/10/14(火) 06:08:47]

…アスランの誕生日まで約二週間です
まだまだ余裕あるなと思っていたら、もうこんな時期になってしまいました
スレ主は常駐先とこちらとで並行作業でスレ二つ分のお祝いの準備をしているのですが、労力が倍くらいになっていて既に若干焦りだしてはいます

進捗なのですが早ければ明日くらいにはいけるかも、というところです
何しろ彼女の誕生祝いがあるので、今書いているものを出来るだけ早めに片付けてしまわなければなりません
まぁ、火曜なので例によって外出で作業進められないのですが…

[162 文字書き いちか 25/10/15(水) 06:00:10]

　そう言って、私のものより少し大きな手を頬に沿わせながらこつんと額を押し当てて来る。
　彼は変わらずこうして甘ったれで、それでいて卑怯にも時々私の知らない男の顔でを翻弄してくるのだ。
「……別に、遠慮してる訳じゃ…」
　もごもごと、口の中でそう呟く。でもこんなのはただの強がりでしかない嘘だ。
「ホントに？」
　ジッと覗き込んでくるその紫の双眸に何もかもを見透かされそうで、私は思わず目を逸らす。
　……どうかそんな風に見詰めて来ないで欲しい。
　傍に居られるだけでいい、そんなことを思っていたのに。…いつの間にかそれだけじゃ足りないと思い始めている自分に最近になって気が付いてしまった。
　こんなに望んじゃいけないと判っているのに抑えられない。
　そんな風に思っていることすら気付かれてしまいそうで。
　でもだからと言って彼女たちを出し抜きたい訳ではないし、彼を独占出来るだなんて欠片も思ってなんかいない。
　ただ、何だかんだで居心地がよくなり始めているこの隠れ家の空気に皹が入るのが怖いだけだ。
　そうして彼から黙って見詰められるのに耐えかねて、私は口を開いた。
「…なぁ、重くないか？」
　だがぼそぼそと私がそう言うと、鳩が豆鉄砲を食ったような顔になる。
「何で？君もう乗っかってないじゃない」
「いや、そうじゃなくて…」
　……まったく、こいつは察しがいいのか悪いのかわからない。
　こういう事以外では大して言わない内から大体考えていることを察してくれるんだが、イマイチ伝わっていないようで少し考えたような間の後、何かが腑に落ちたらしかった。
「なんだ、やっぱり遠慮してるんじゃないか」
　さっきはしてないとは言ったが、やっぱり嘘は吐けない。
「当たり前だろ、キラは私だけのものじゃないんだから」
　結局堪りかねて白状する。
　自分としてはどこかフェアじゃないなと思っていた。
　何しろ四人の内で私だけ少なくとも七年分のアドバンテージがある。彼に関して私しか知らないこともかなり多い。
　互いへの理解度も、一度は粉々にまで壊したところから関係を再構築したことすらも彼女たちにはない部分だ。
　……キラは私を含めた全員を間違いなく溺愛しているのだろうけれど。
　そう、自分だけが特別なんじゃない。彼は｢選ばない｣ことを選んだのだから…。

[163 文字書き いちか 25/10/15(水) 06:36:12]

続きです
遠慮の原因は彼女たちへの配慮だけじゃないとは思いますが、どうにも拗らせてるなというか…
彼女の内面踏み込んだせいか何だかジットリしてきてますね
で、これ終わるのかですか？
終わります、というか終わらせます（きっぱり）
じゃないと誕生日の話が書けないので…
こちらも少し長くなりそうな悪寒がするのですけども

[164 二次元好きの匿名さん 25/10/15(水) 11:39:44]

逆に全員手に入れて手放す気は一切無い模様ですけどね

[167 文字書き いちか 25/10/16(木) 05:53:53]

「でも、これでも君のものでもあるんだけどね。…もっと寄り掛かって来てよ。全部貰った身としてはこのくらいじゃ全然足りないくらい」
　キラは困ったような目をして私を見ると、ふっと小さく笑う。
　…まだ少し不安定な癖に、余計な負担を増やせる訳ないだろうが。
　その瞬間、ドアをノックする音がしたと思った直後、返事も待たずにそれが開いた。
「ねぇ、アスラン部屋にいるの？ちょっと頼みたいことがあるんだけ…ど」
　顔を出して来たのはフレイだった。
　元々遠慮のない性格をしているのか、慣れて来るとラクスと別の意味で押しが強いタイプだという事が解かってきていたとは言え、まさかこんなタイミングで顔を出されるとは思わなくて、私は固まったままドアから顔を覗かせるその顔を見詰める。
　彼女は一瞬ぽかんとしてベッドの上でキラに抱き付かれている私を見て察したらしい。
「……あら、お取込み中だったみたいね」
　そして目を瞬いたあと、ふーんと言って含みのある笑みで微笑んでみせた。
　間違いなく、これはあらぬ誤解が生まれたと思う…。
「………っ！…い、いやこれは！」
　焦って口を開くが、キラがそこへ被せるように割り込む。
「うんそうなんだ。もうちょっとアスラン借りとくから、ラクスにも宜しく言っておいて」
「仕方ないわねぇ、貸し一つよ？」
　肩を竦めくすくす笑いをして彼女はウィンクをすると人差し指を立てで数を示した。
「な、な、な…っ！？」
　二の句が出なくなったまま固まっている私のことを余所に、交渉は成立したらしい。
「お邪魔さま、それじゃ頑張ってね」
　そんな私を無視した遣り取りの後、ひらひらと手を振って含み笑顔と共にフレイはそっと引っ込み静かにドアを閉めるとその場を去って行った。
　その姿が見えなくなって一瞬の沈黙が流れる。
「…そういう訳だから、してくれてもいいよね？催促なしで君からのキス貰ったことないしさ」
　まさかどさくさに紛れて未遂だったキスを要求しているのか。おどけてそんな事を言うものだから、真っ赤になったまま反射的に手を振り上げていた。
「……莫迦っ」

[168 文字書き いちか 25/10/16(木) 05:55:02]

　その胸を叩く鈍い音がしたが、痛いと訴えながら弱ったようなそれでいて何故か嬉しそうな顔をしているキラには納得がいかない。
　どうしてこんな男に惚れてしまったんだろう。
　何度目になるか分からない問いを自身に訊ねたところで、答えなんてある訳がなかった。
　甘ったれで独占欲が強くて、結局私の都合なんて聞いていないのだ。
　それなのに、彼以外の男なんて考えるべくもないのだからどうにもならない。
　真っ赤になったままキラの顔を見遣る。
　……無論、彼が堪えてる様子などまったくなかった訳だが。

[169 文字書き いちか 25/10/16(木) 06:10:04]

取り敢えず、こちらの話はここまでとします

オチを付けようと思ったのに、彼女がどんどんジメジメしてくるので中々大変でした
乙女心は面倒くさい（ここまで拗れてるのはアスランだけかもしれませんが）
そうです、キラとしては選ばなかったのではなく、敢えて総取りしただけなんです
選べないならととんでもない強欲発揮しただけなんですよ
まぁ当然ながらラクスが許容したから出来たことではありますけど

さて、そんな訳でアス誕用に一本書き始めました
かなりサクサク進んでいるので当日には間に合うと思います
一緒にお祝い絵も出したいところなんですが、寧ろそっちの方が心配なくらい
スレ残量30くらいですか…という事はたぶん誕生日はこのスレ内でですかね

[170 二次元好きの匿名さん 25/10/16(木) 11:20:29]

ほどよく甘くコーヒーが進みますね、にやにや出来て良かったです

[173 文字書き いちか 25/10/17(金) 07:31:49]

誕生日の準備の方は着々と進めています
まだ２週間近くの猶予があるので、短めで終わりそうなお話に手を付けることにしました

この世界線ではアスランが女の子ということもあってキラとカガリの持ち回りが逆転していると以前書いたと思うのですが、その辺りを反映した原作時系列のを予定しています
恐らくこれ一本だと間が持たないので、その次も考えないといけないのですけども

[174 二次元好きの匿名さん 25/10/17(金) 12:17:07]

自由の戦闘とかどうなるんだろう？ここのアスランがシュラと戦ってたらキラを思い浮かべるの？

[175 文字書き いちか 25/10/17(金) 17:41:37]

何度か自由時系列の話が話題に挙がっているので、そろそろこの辺りでスレ主としての一応の解釈をば
そもそもこの世界線の一番の分岐点となるハーレムがまだ形成されてない状態である種の時系列は敢えて言うまでもないのですが、以降の運命・自由では様相がだいぶ違うことになります
という事で、それ以外の部分で影響大きそうなパッと思い付く辺りをちょっと挙げて考えてみますね…

第一にフレイの生存。これは彼女を目の前で失ったことでキラの精神ダメージがより深刻なものとなった為であり、その後も彼の心にずっと暗い影を落とし続けます。これがなくなったのでPTSDが原作よりだいぶ軽くなっています。
第二にアスランがザフトへ戻らない。作中ではカガリを支える人物が排除され孤立させられていく過程でアスランもまた彼女の隣という居場所を失う流れがあって議長の言葉に乗ってしまう事になるのですが、傍にあるべきがキラとなっているのでこの辺りが起きません。ただそれに伴って自動的にミネルバの方に戦力的な皺寄せが行くことになるとは思われます。その関係でミネルバクルーたちとの関係値が顔見知り程度になり、彼らがコンパスへ来る導線が薄くなる可能性があります。
以上のこともありこの状態からのコンパス設立がどうなるか分かりません。軍事力の肥大化を抑える為にもとカガリが提唱し連合・プラントとの協力で設立されるコンパスですが、彼らを何らかの理由を付けて原作通りの配置にしようとするとキラからすれば嫁たち全員と別居に近い状況になります（フレイはそもそもいないので幾らでも融通が利きますが）。
また必ずしも映画本編と同じ状況になるとは思えないですし、もしかしたらこの世界線ではファウンデーション事変は起こらないかもしれません（五人で出来るだけ平和に仲良く暮らして欲しいのでそうであって欲しいレベル）。
加えて映画本編の決着自体は意外にも主人公サイド的には辛勝と言え、誰一人欠けてもあの結末には至らないほどのバランスだということも考慮しないとならないので、同じ状態になって逆転を狙えるかと言われるとかなり謎なのです。

…という事もあって、自分としてはそのまま映画のような流れには出来ないとは思っています

[176 二次元好きの匿名さん 25/10/18(土) 01:11:04]

保守

[177 文字書き いちか 25/10/18(土) 05:21:11]

『お前、危なっかしいから護って貰え』
　紐を通された紅い石の付いたペンダントを私の首に掛けながらカガリからそう言われたのは、彼女と二度目に会った別れ際だった。
　それ以外にももっと色々話していたような気もするのだが、彼女たちに発見された時点で既にMIAとなっていた幼馴染であるキラの命を自らの手で奪う為に自爆を選び、それによって自ら手に掛けたというショックと混乱で、私はこの時のことは殆ど覚えていない。そして話の途中から錯乱し半狂乱になったのもあって、駆け付けたオーブ軍関係者と医者らに取り押さえられ鎮静剤で眠らされていたとも後日聞いた。それこそ何かの弾みで自傷し命を絶ちかねないほどの狂乱具合だったということも後から聞かされた話だ。その後プラントからの迎えが来たことを私へ告げる彼女は、自身の首から下げていたこのペンダントを外しぶっきらぼうにそう言った。
　その後、彼が助けられて無事だったことが判明し紆余曲折あって現在に至るのだが、あの時渡されたお守りが少々特別なものだということを私は何も知らなかった。
　そんな……ハウメアの護り石と呼ばれてるそれを、彼女は迷いもなく私の首へ掛けたのだ。
　本来味方ですらなかった、戦いで多くの命を奪い…結果として大事だった人までを手掛けてまるで糸が切れたように不安定になっていた私を心配して。
「…カガリ、やっぱりこれは君に返しておこうと思う」
　DPを掲げるデュランダル議長の企てに対抗すべく、再びかつての三隻同盟の一人としてキラやラクスと宇宙へ上がることになった私は、今回は敢えて地上に残ることになったカガリへ身に着けていた護り石を外すと差し出した。
「どうした急に？」
　少し驚いた顔で差し出した護り石とこちらの顔を交互に見比べるようにした後、彼女は不思議そうに言い首を傾げる。
「この石は私なんかが持っていていい物じゃないだろう？もっと相応しい相手が居るはず…」
「自分を大事にしていないどころか、ある時急に命も何もかも捨ててふっと消えそうな顔して何を言ってるんだ」
　言いかけた言葉を制してどこか窘めるような、心配するようなそんな表情でカガリはそう言うと、私の手を取ってその中にあった石をしっかり握り込ませた。
「お守りというのは、本来それに願いを託して相手に渡した時にこそ最も効果を発揮するものだ。少なくともそれはお前自身で実証済みだろう？」

[178 文字書き いちか 25/10/18(土) 05:26:04]

　そしてカガリは黙ってその言葉を聞いている私へ真摯な眼差しで再び口を開いた。
「私は今回、お前たちと一緒に行く事は出来ない。それはここで…この地上でこのオーブやお前たちへ出来ることをする為だ」
　私を説き伏せるように、そして自身へ言い聞かせるように。
「……キラの背中を心配なく任せられるのはお前だけだし、それに私はお前にも無事に戻ってきて欲しい」
　そう続けるといっそ鮮やかに微笑む。
　その笑みは、やはり双子だというだけあってキラのものとどこか似ているものだった。

[179 文字書き いちか 25/10/18(土) 05:52:49]

運命時系列、カガリが宇宙へ向かう面々の見送りをするシーンの少し前くらいの辺りの話としてこちらを
この辺りのカガリは政務で忙しいので時間取れるのか分からないけど、パラレルだからいいかと開き直った次第

護り石どうする？と問い掛けたら返した方がいいだろうと返事が返って来たので、そこから考えた話です
例によって20年以上前の記憶頼みなのを、この世界線用に再解釈したので細部へのツッコミなしにして頂けると幸い…
この世界線でのアスランにとってのカガリは、同性で数少ない気の置けない友人であり命を繋ぎ止めてくれた恩人になります
慟哭の空の例の場面、カガリならこんな様子じゃ放っておけないだろうし、間違いなく護り石はあげるだろうなと確信したので捏ね回した結果…こんな感じになりました

[182 二次元好きの匿名さん 25/10/18(土) 21:57:22]

>>175

ちょっとルートが変わったどころか根本的に違いますからね

映画の時系列になってもラクスもキラも映画みたいにメンタルやられてないでしょうしオルフェに対してももっと毅然として対応できそうですし

運命時代には前線から引いてるアスランに対してシュラもどこまで注目してるかも謎ですよね

[183 二次元好きの匿名さん 25/10/19(日) 02:01:19]

>>182

更にキラがラクスに粉かけられたら独占欲と嫉妬でがるがるしてそう

[184 文字書き いちか 25/10/19(日) 05:42:04]

>>175

このことから、だいぶあちこち弄り倒さないといけないので、設定周りを詰め切れていない自分としてはまだ自由時系列は手を付けない方がいい領域のような気はしています

何しろ運命辺りの状態で調整に四苦八苦している状態なので…ハイネはたぶん生きているけど、序盤の原作アスランほどの動きが出来るかと問われると…たぶんシンはあまり懐かない気がしますし（戦力を考えるとMSVなどで名前が出ているような人物が更に加わる可能性も微レ存あったりとかも）

まぁ、仮にこの世界線のアスランがミネルバ入りがあったとしても、女の子なのもあってたぶんそれはそれでかなりゴタ付きそうという…そしてキラが嫉妬諸々で病みそう

>>177

こういう感じの原作時系列の短いものなどは、裏でちょこちょこ書いては途中で詰まって寝かせていたのです

久し振りに引っ張り出して手を付けてみたら言葉が滞って出て来なかった部分とかが解けるように出て来たので、書けたところから随時出して行こうと思います

そう言えば以前、女の子たちがナンパに遭ったらという話をされていた方がいたような気がします

という事で、きょうはこちらの話を…

[185 文字書き いちか 25/10/19(日) 05:46:33]

「ねぇ彼女たちィ、オレたちと何処か遊びに行かない？」
　ショッピングの合間、商店のある通りに沿って置かれているベンチで休憩をしようという話になったところで、何か飲み物でも買って来るよとキラが席を外してから、然程間も空けずにそれは起きた。
　軽薄そうで品が良いとはとても思えない感じの悪い男たちが二人、残された私たちに話し掛けて来たのだ。
　どうやら一緒に居た彼が居なくなる…目の届かなくなる時を狙っていたのだろう。実際そうとしか思えないようなタイミングだった。
　馴れ馴れし過ぎる見知らぬ男たちへ即座に警戒するこちらの反応を余所に、彼らは遠慮という言葉を知らないかのように距離を詰めてくる。
　私たちはそれに対してどうする？と少しの間目配せし合って様子を窺っていたのだが、男たちはそんな事すらどうでもいいようで、寧ろ興味を示されているとでも勘違いしたらしい。値踏みするような目でこちらを見ながらニヤニヤするばかりで不快にも程がある上気に障る。
　何て都合のいい脳味噌だと呆れるばかりだ。
「どうよ、あんなナヨッとした優男連れてるのなんてやめて、オレたちとどう？」
　横柄そうな態度で一方が言い、それにその連れがヘラヘラと笑う。
　私から言わせれば、彼をそう揶揄している男たちも背が高いくらいで、お世辞にもそんなことが言えるほどの体格には見えない。
　おまけにその迂闊な一言で、こちらからの警戒が殺気に近いものに変わったのにすら気付いていないようだ。
　まったくもって品性下劣、思い浮かんだ単語と共に彼らを冷え切った目で見ながら、私は何かあればラクスたちを庇えるよう、気付かれない程度に身構える。
　やはりこれは買い物中にキラと一緒に行動していたところから目を付けられていたというのは間違いないだろうと、話す内容からそう確信した。
「ねぇ、ちょっとどうすんのこれ？」
「思いの外しつこいな…」
　嫌そうな顔で小声でフレイが言い、それに対してカガリが苛立たしそうに眉を顰めながら呟く。
「わたくし、一瞬カガリさん狙いかと思いましたわ、」
　そこへ少し不機嫌そうにしながらもラクスが状況を判断しているのか、神妙な顔でぽつりと一言。
　流石に他人の空似で当人だとは気付かれてはいないだろうが、オーブ国内ならそれも十分あり得るような気もした。

[186 文字書き いちか 25/10/19(日) 11:45:02]

　そんな風に思っていると、当のカガリはもっと目立つ美人がいるだろうと付け加えるので、私もそれには同意とばかりに大輪の花のような美貌の二人をちらりと見て言った。
「…いや、そこはフレイやラクスじゃないのか？」
「まったく…自分がそういう対象になる訳ないって顔してそんな事言ってるんじゃないわよ、あんたも」
　フレイが私の方を見て呆れ返った声で溜息を吐いたようだったが、幾ら何でもにそれはないだろうと思う。
　そうして囁き合う中、不意に二人組の一方が無遠慮にもラクスの方へと手を伸ばそうとしたのを、神経を尖らせて警戒していた私は見逃さなかった。
　咄嗟に一歩前に出て間に入り、彼女を庇うように背中側へと押し遣る。
　一気にその場の緊張感で空気が張り詰めたが、男たちはそんな事すら気に掛けてはいないのか僅かに眉尻を上げた。
「どこの騎士さまかと思ったら…、ってアンタも結構美人なんだな。好みじゃないが、相手をしてくれるって言うなら構わねェよ？」
　妨害された事に一瞬苛立って声を荒げかけたが、それが女であると確認するとにんまりと笑った。
　どうやら相手は誰でもいい、そういう事のようだ。
　本当に背後にいる彼女たちへ触れさせていい輩ではない、と改めて思う。
「……随分とお目出度い頭しているようだが、そろそろ空気を呼んでどこかに行ってくれないか？」
　堪りかねていたのもあって品もなくヘラヘラとしたその声を一蹴するように、私は冷ややかにそう吐き捨てた。
　こちらから言わせて貰うなら勿論好み以前の問題で、少なくとも同じ場の空気を吸いたいと思えるようなタイプですらない、論外の相手だ。
　正直、こうやって相手をする時間すら惜しいほどに。
　その、あしらうよう冷たく言い放った言葉に男たちのニヤニヤ笑いが凍りつく。
　そして莫迦にされたと見るや怒りで見る間に眉を吊り上げると、態度を急変させた。
「こいつ…女と思って下手に出てれば付け上がりやがって！」
　口汚く言うなりこちらの胸倉を掴んでくる。品がない上にいう事を聞かなければ暴力に訴えるような輩だったようだ。
　生憎と脅せばいう事を聞くようなタイプはこの中には先ずいないのだが。
　…この程度で激昂してくるなんて、アカデミーで私のことを莫迦にして来た奴らでももう少しマシだった気がするな。

[187 二次元好きの匿名さん 25/10/19(日) 17:12:56]

いったいどうなるのかしら（わくわく）

[188 二次元好きの匿名さん 25/10/19(日) 17:20:09]

ナンパ話だ〜！
不機嫌MAXな旦那が来るのかアスランが一発入れるのか…

[189 文字書き いちか 25/10/19(日) 17:46:56]

　実力重視だった事もあってそんなものは結果で総てを黙らせて来ただけだったが、それでも軽視や陰口だけは常に付き纏っていて…。
　そんな事を頭の隅で考えながら冷ややかに相手を一瞥する。
「…気安く触るな」
　それから私は低くそう言って、払い除けるような動きで胸倉を掴んで来た男の腕を掴んだ。
　向こうはこちらが非力な女だと思って油断していたようだが、この程度の連中相手に仮にも一時は軍籍を持ち死線に身を置いていた私が遅れを取る訳もない。
　まして、思い通りにならなければ手を上げるという人間としても風上にも置けないような事を平気でするような輩だ、手加減など一切要らないだろう。
　相手は顔色一つ変えずに腕を掴まれたことに驚いたのか焦ったような表情を見せた。
　だがそれすら気にせず私はそのまま男を容赦なく後ろ手に捻り上げる。
　そしてみっともなく苦痛に呻き声をあげているのを一瞥すると、投げ捨てるように地べたに転がした。
　何をする、と喚いている連れの男もこちらの気迫に完全に圧倒されていて腰が引けているのか、仮にここから反撃に来たところで高が知れているようなものだった。
「これ以上恥を掻きたいなら向かって来ればいい。所詮女如きと思うのならだが」
　結局その二人連れの男たちはこちらが女だからと軽んじるような、そんな連中だったというだけだ。
　尻尾を巻いて逃げ去って行く二人組のその姿を冷たく見遣り、私は背後に庇ったラクスたちの方へと向き直った。
「…三人とも、大丈夫だったか？」
　すごすごと引き下がって行った男たちの姿が見えなくなるなり、ほっとしたように微笑んでラクスが答えた。
「アスランが居てくれましたので、大丈夫でしたわ」
　ドン引きした、とばかりに逃げて行った方を見遣りながらフレイがそこへ続ける。
「ねぇ何あれ。ナンパにしては酷過ぎるし、近くに男が居ないと見て油断していたのかしらね」
　肩を竦めて言った彼女の言葉に呆れ返った様子でカガリが賛同し、矢面に出た私を労ってくれた。
「あぁまったくだ。寧ろあのくらいで済ませて貰ったということに感謝して貰いたいくらいだな」
　そうして彼女たちが口々にやいのやいのと言うのを聞きながら、私は内心安堵する。
　キラがいない間に片が付いてよかった。こんな大したことでもない事で要らない心配をさせる訳にはいかないのだから。

[190 二次元好きの匿名さん 25/10/19(日) 23:44:46]

キラは既に目撃してて既になんやかんや動いてそう

[191 文字書き いちか 25/10/19(日) 23:44:52]

「…それならいい。そもそもあんな品性の欠片もない奴らが気安く触れていい訳がないんだからな」
「それは、貴女もです。ああいった方にはベタベタ触ったらいけませんわ、アスラン」
　ホッとして肩の力を抜く私にラクスは少し不機嫌そうな顔で窘めるようにそう言い、胸倉を掴まれた際に乱れた襟元を直してきたりパタパタと服に付いた埃を払い落すように軽く叩かれた。
　とは言え、ああいった手合いを追い払うのに必要なことだったのだから、余り目くじらを立てられても困るのだが…。
　すると、私たちがそんな遣り取りをしているところにキラが戻って来た。
　…何やら血相を変え、少し慌てた様子で。
　どうやら私たちがいる方で騒ぎが起きているのに気付いて戻って来たらしかった。
「こっちの方が騒がしかったみたいだけど、何かあったの？」
　流石に発生源がここだとは言いづらい、思わず目を逸らすとすかさず割り込むようにフレイが声をあげる。
「変な人がいただけよ。私たちには何もなかったわキラ」
　恐らく似たような事を思っていたのだろう、彼女はそう言って甘えるように彼の腕にじゃれついた。
　すると更に追い打ちを掛けるように更にラクスが微笑みながら空いている方の腕に手を絡める。
「やはり皆さんでカフェに入りませんか？ショッピングの続きもしたいのですが、少し腰を落ち着けたいのです」
　本当に、畳みかけるようなこの二人のコンビネーションには毎度ながら感心するばかりだ。
「それなら、この前フレイが季節限定品がどうとか言っていたカフェがあっただろう、そこにしないか？」
　そこへトドメとばかりにカガリがにこにこしながら更に提案をすると、焦りと心配が混じったような顔をしていたキラは完全に毒気を抜かれたようで呆気にとられた後、それじゃあ行こうと釣り込まれるようにいつもの笑顔になった。
　勘付かれないで良かったと、それを見ながら私は内心胸を撫で下す。
　そうしてぞろぞろと移動を始めた私たちの話題は、カフェで何を頼むかという内容に変わっていくのだった。

[192 文字書き いちか 25/10/20(月) 00:02:15]

…ということで、ナンパ男たちに絡まれた話は以上になります
こちらは以前から大体書けていたのですが、細部の詰めの部分が足りないような気がして寝かしていたものです
というか…投下してからちょっと描写足りないところ見付けてしまったのですが、仕方ないので見なかったことにします

さて、次スレが目前となって来ました
しかもナンバリングが大台、アスランの誕生日も目前、という事はスレ一周年も目前…という事でして
確かにネタが切れるまでとは言いましたが、まさかこんなに続くとは去年の自分には想像も出来ませんでした
書きたいなと思えることはまだまだあるのですが、原型が散文のような状態のままのものも多いので中々思うように進められていないのが現状です
だいぶお待たせしているなとも思っていますし気にはなっていますが、どうかスレ主とこのスレに今暫くお付き合い下さいね

[193 文字書き いちか 25/10/20(月) 06:22:34]

>>190

…ネット工作に拠る社会的抹殺？と思った思考が不穏なスレ主がこちら

一応国の代表首長がお忍びとは言え外出してることですし、変装した警護が潜んでても不思議じゃないのですよね…

アスランがいるので距離を取っているでしょうけれど、未遂とは言え逃げた二人組を不埒者として捕まえてる可能性を否定出来ません

寧ろその方が今後の心配が減るまでありますが

[194 二次元好きの匿名さん 25/10/20(月) 12:53:58]

待機

[195 文字書き いちか 25/10/20(月) 14:43:22]

さて、スレ残量も半端ですし話もまだ書いてる途中なので、凄く久し振りにアレを遣ろうと思います

はい、ポッキーゲームですね☆彡

実に何スレ振りになるのやら

最早懐かしさすら覚えるのですが…まだ一年も経ってないぞこのスレ（遠い目）

ルールは以下の通り

今回も事故チュールール有

単位はミリです

1＝1mm

100 = 100mm （10cm）

一番低い目を出したところが優勝

※ゾロ目を引いたら数値に関係なく事故チューになります

なお、例によって特に何かがある訳ではありませんが、勝者はそのまま熱いキスでもしてもろて…

ということで、いつも通りレス分け勿体ないのでこのままいっくぞー！（若干睡眠不足気味の謎テンション）

ラクス

dice1d100=94 (94)

フレイ

dice1d100=33 (33)

カガリ

dice1d100=93 (93)

アスラン

dice1d100=23 (23)

[196 二次元好きの匿名さん 25/10/20(月) 17:13:16]

ラクスカガリは何が有ってそんな序盤になってしまったのか

[197 文字書き いちか 25/10/20(月) 20:06:11]

えー、これはどういうことなのでしょうか
数値が二極化してるというか…しかも、しれっと事故ってますね
というか、解かってはいたけどやっぱりキラが一番得してるなぁ、このゲーム（甘いもの好き・ゲーム自体がイチャイチャの延長・何れにしろ嫁とどさくさでキス出来る）
という事で…

ラクス「カガリさん、１回目辺りの勢いは如何しましたの？」
カガリ「そう言うラクスも本妻の意地はどうしたんだ？そろそろ本気を見てみたいところなんだが」
ラクス「ですが、敢えて見せ付けなくてもいつもしていますし」
カガリ「ま、それもそうだな」
負け惜しみというか、開き直ってませんかねお二人とも…

フレイ「ふふっ、こういうのも悪くないわね」
見られ捲くってたのに事故った勢いで暫くちゅっちゅちゅっちゅとハート飛び交ってて大変でした…（何か色々とすげぇ堂に入ってた模様）

アスラン「ん゛ーーん゛ーーーーっ（じたばた」
キラ「いつものこととは言え、役得役得♪」
アスラン「衆人環視の中、ここまでするか莫迦っ！（若干呂律が怪しい」
キラ「じゃ、誰も見てなきゃいいの？（にこにこ」
アスラン「～～～～～っ（ぽすぽすぽす」
あー、はいはいそういうのは後でお願いしまーす

さて旦那様、総評代わりに一言どうぞ
キラ「事故チューと最小値の分で都合キス2回だね。ごちそうさま」
ついでに残ったポッキーもでしょ。ほらほら今回も持って帰っていいから…

そんな訳で、今回の勝者はアスランでした
会場からは以上です