【閲覧注意】荘周之蝶【SS】

  • 1二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:43:23

    カレンチャンのトレーナーは、今日も疲労困憊だった。担当ウマ娘であるカレンチャンは、レースでも、ファンサービスでも、常にトップを目指す完璧主義者だ。その完璧さに応えるため、お兄ちゃんことトレーナーは、睡眠時間を削ってまで彼女のトレーニングメニューを考え、レースプランを練り、取材対応までこなしていた。

  • 2二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:44:23

    その日も、深夜までカレンチャンのためのデスクワークを終え、ようやく自宅のベッドに倒れ込んだお兄ちゃんは、深い眠りに落ちていった。そして、不思議な夢を見た。

  • 3二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:45:24

    夢の中では、なぜかカレンチャンが、際どい衣装を身にまとい、目の前に立っている。彼女は頬を赤らめ、はにかむように微笑んでいた。
    「お兄ちゃん…、カレンのこと、好き?」

  • 4二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:46:56

    夢の中のお兄ちゃんは、これが夢の中だとすぐ自分で気づいたため、日頃抱えていたカレンチャンへの思いをここぞとばかりに伝えるために迷いなく答えた。
    「当たり前だろ、カレン。普段、直接カレンに伝えることはできないけど、カレンが世界で一番、誰よりも大好きだよ」
    それを聞いたカレンチャンは嬉しそうにお兄ちゃんに飛びついた。そのまま、夢の中の二人は幸せな時間を過ごした。
    お兄ちゃんは夢だと自覚していたため、日々の尋常ならざる忍耐の反動から、◯ま◯ょ◯もするに至った。

  • 5二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:48:21

    お兄ちゃんは自分のベッドの上でゆっくりと目を覚ました。
    しかし、いつもと違う他人の気配に違和感があり、ぼんやりとした頭で確認すると…、
    隣でカレンチャンが夢の中の衣装をまとって眠っていた。しかも、彼女は、お兄ちゃんの腕の中で、幸せそうに笑みを浮かべながら…。
    「お兄ちゃん、おはよう」
    カレンチャンが目を覚まし、お兄ちゃんに挨拶をする。
    「か、カレン!?な、な、なんで、ここに…!?」
    突然の出来事に混乱するお兄ちゃんに、カレンチャンは少し拗ねたように頬を染めながら唇を尖らせた。

  • 6二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:49:34

    「えー、なんでって。だって、…お兄ちゃんが夢だと思ってカレンにしてくれたこと、…本当にしてくれたんだもん…」
    カレンチャンの言葉に、お兄ちゃんは愕然として頭を抱えた。どうやら、お兄ちゃんは夢だと思ってカレンチャンにしたことを、全部本当にしてしまっていたらしい。
    お兄ちゃんは、あまりの罪悪感とショックで意識が遠くなった………。

  • 7二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:51:16

    しかし、お兄ちゃんが再び目を覚ますと、そこはいつもの自分のベッドの上で、昨夜、帰ってきて倒れ込んだ姿勢のままだった。
    隣にカレンチャンの姿はもちろんない。お兄ちゃんの額には、一筋の汗が伝っていた。心臓が、かつて無いほどに激しく鼓動している。
    「夢…だったのか…」
    お兄ちゃんは安堵と、少しの寂しさが入り混じった複雑な気持ちで、ベッドから起き上がった。部屋の状態はベッドに倒れこんだ時と何一つ変わっていなかったし、当然、部屋の扉はしっかり施錠されていた。ため息を一つついてから、シャワーを浴び、いつものようにカレンチャンの朝のトレーニングへと向かう。

  • 8二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:52:17

    いつもと変わらず髪の毛一本乱れていない完璧なカワイイ笑顔でカレンチャンが挨拶した。
    「お兄ちゃん、おはよう!今日もよろしくね!……お兄ちゃん?……今朝は何かあったの?」
    「…あ、い、いや何も、…何も無いんだ…。今日もよろしく……」
    「……ふーん、そっか…?」

  • 9二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:53:17

    その日のトレーニングも、いつもと変わらない…どころか、過去最高にカレンチャンは完璧な走りを見せ、ファンサービスも完璧だった。
    ただ、その日、一日中お兄ちゃんは、夢の中の出来事をどうしても思い出して悶々としてしまい、超絶好調なカレンチャンにどう接すればいいのか分からず、少し戸惑っていた。

  • 10二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:54:18

    その日のトレーニングを終え、久しぶりに二人で帰路につく。すると、カレンチャンは、突然お兄ちゃんの前に立ち止まった。
    「お兄ちゃん、今日もお疲れ様」
    そう言って、彼女はいつもよりも少しだけ甘えた表情で、彼に微笑みかけた。
    「あ、ああ、カレンも…お疲れ様……」
    お兄ちゃんは、曖昧に返事をする。すると、カレンチャンは嬉しそうに彼の胸に顔を埋めた。

  • 11二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:55:36

    「カレン、お兄ちゃんのこと、もっともーっと好きになっちゃった」
    そう囁くと、カレンチャンはお兄ちゃんからすぐ離れ、自分の寮へと走って行った。
    お兄ちゃんは、呆気に取られて彼女の後ろ姿をしばらく見つめていた。

  • 12二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:57:00

    カレンチャンは、しばらく走っていたが、お兄ちゃんから見えないところまで来ると、脚の動きを緩めた。
    そしてゆっくりと歩みをやめ、立ち止まった。
    目を閉じ頬を染め、お腹を、そっと愛おしそうに優しく撫でながら微笑んでいた。
    その表情は誰にも見せたことのない、最高にカワイイ笑顔だった。

  • 13二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:58:31

    やったのねカレンさん!?

  • 14二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 06:39:04

    やったぜ。

  • 15二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 14:02:04

    夢か現か…

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