恋雪は

  • 1二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 07:56:17

    恋雪さんは、とても病弱でいつも臥している。
    一人で食事をとる事も、一人で厠に向かう事も、一人で汗を拭く事もままならない。

    ままならない、事ばかりだ。

    俺は今、恋雪さんと同じ布団の中に居る。
    恋雪さんは、熱に浮かされたような吐息を漏らして微かに身じろぎするばかり。
    俺と恋雪さんの顔が近いが目線が合う事はない。
    恋雪さんは俺の胸元に頭を擦り付ける様に押し付け、行き場を無くした両手が俺の襟や背中に延ばされる。

    横向きで寝る彼女の腰や背中に負担が掛からないように、恋雪さんの脚の間に俺の脚を差し込むが恋雪さんにとってはそれだけでも大層刺激が強いだろう。

    それでもまだ、始まっていないのだ。

    俺の手が、そっと慰めるように恋雪さんの腹を撫でて、するりと慰める様に下腹部へ向かう。

    彼女は体力がなくて、一人で果てる事すらままならない。

    ふすまを閉じ、布団をかぶり、誰に見られるわけでもないこの部屋の中で。

    二人で隠れて、行う事がなんだか悪い事をしているような気分に晒されながら。

    俺の事を置き去りに、彼女は今日も泣いているかのように嬌声を漏らす。

  • 2二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 07:57:30

    続きはないので失礼する。

  • 3二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 07:58:22

    恋雪さん、最後まで書いて

  • 4二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 08:17:18

    どうして俺なんだろうか。
    酸いも甘いも――どころか基本的に血の味しかなかったこれまでに、特に思い当たる事もない。
    恋雪さんは、確かに可愛らしいが俺にとっては師範となった男の一人娘で。
    臆病な小動物を思わせるようだったので、初めはワザと距離を置いていた。

    病にかかった人は云う、

    誰にも会いたくない、誰にも迷惑をかけたくない。

    それでも、寂しい。それでも、助けて欲しい。

    だから俺はまるで居ないように振舞う、暇つぶしの手遊びは貴女に興味がないという態度を伝える為。
    食事の手伝いはする、汗をかけば拭いてやる、姿勢が辛ければ変えてやる。
    それ以外は無口で、それ以外は視線も向けず、それ以外は耳に届いても幾らかは聞きながす。

    恋ではない、愛ではない、義務感でもない。

    生まれて来た人に、報いる事こそ

    生きている人に、応える事こそ

    生きた人に、敬う事こそ

    必要な事であったのではないか、今日も視線を外に向けながら物思いに更けていた。

  • 5二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 08:43:15

    人を殴る事、人を看る事。

    つまり喧嘩と看護というのは違うのだが、殺法と活法というのは裏表なのだそうだ。

    「お前が強いのはやると決めた事をやり続ける事と、人の体の動かし方を知っているからだろうな」

    なるほど、終わりの見えぬ父の介護と介助は人の動きと仕組みというものをよく捉えていたらしい。

    「一目見て驚いた。あれだけ人を強く打てるのに殺意は感じなかった、出来るからやってるだけなんだとな」

    金と薬が欲しかっただけで、人を殺してまでというのは確かになかった。

    「お奉行にも感謝しろよ、お前の腕が飛んでいれば恋雪を任せる事も出来なかった」

    「感謝?俺が役人に感謝?」

    「前科者全員に刺青なんて入れてたら、今頃江戸は彫師の天国だろう。牢に放り込む事無く、罪の減刑である入れ墨と体罰に留めたお奉行はよほど人情溢れた人とも言える」

    「いつかお前に感謝されなくても、お前が立派になればお奉行も鼻高々だろうな」

    「なんだそれは」

    因果応報、天罰覿面、たしかに俺は罰を受ける立場であり役人はそれを実行する立場だった。

    それでも、少しばかりは信じていたのだろうか

    俺にも、やり直せる時が来るんだって。

  • 6二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 08:44:17

    深夜までの仕事、徹夜でゲーム、早朝からの飲酒で眠いので失礼する。

  • 7二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 08:44:57

    俺ちょっと剣術道場のやつら37564にしてくる

  • 8二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 08:46:03

    >>6

    余裕できたらでいいから続き書いてくれ

  • 9二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 08:49:17

    このレスは削除されています

  • 10二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 08:51:36

    >>8

    スレが残っていれば考える。

    俺は今猛烈に眠い、富岡さんの羽織みたいに1:1で酒を割って飲み続けているからだ。

  • 11二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 08:54:30

    このスレは絶対に落とさせない!俺は俺の責務を全うする!

  • 12二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 10:37:31

    酒飲んでいる上に眠いのにこの文章力は強すぎる
    というか酒がもやはバブなのかな

  • 13二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 17:02:14

    恋雪さんは、今日も泣いている。
    謝って、泣いて。悔しそうに、泣いて。無力な自分に、泣いて。
    泣くのは別に構わない。腫れた目元を優しく拭い、眼を擦らぬ様に言いつけるだけだ。

    親父もいつもすまない謝ってばかりで、苦労をかけるとやるせなさそうで。

    俺は一度だけ聞いたことがある、何故そんなに謝るのかと。

    俺は別に苦しいわけでも、辛い訳でもない、苦しいのも辛いのも親父の方なのに。

    「―――謝りたいって感じる、これを感謝と言うんだ」

    それならば、ありがとうがいい。それなのに、何故謝るのかがやはり分からない。
    きっと、傲慢にならないようにだろう。いつか一人で立ちたいのだと思っているのだ。
    ありがとうは、その時に為に取っておいてあるのだろう。

    「狛治さん、ごめんなさい……」

    「いえ、構いません」

    謝れる貴女は誰よりも強い、そんな人を支える事になんの不満があるのだろうか。

  • 14二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 17:08:24

    一度眠ったからと言って体力が回復をするわけではないし、酒は美味い。
    不定期な更新となるので恋雪さんと狛治殿のイチャイチャまで遠いのでこのスレは好きに書き込んで構わないので失礼する。

  • 15二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 17:42:40

    師範は俺に稽古をつける時以外は、生活費を稼ぐために何でも屋の真似事のような事をしていた。

    故に朝に稽古を終えると道場を出る為、俺は空いた時間を恋雪さんの看護に回す事となった。
    調子の良い時もあるにはあるのだ、咳が収まり、発熱もない日がある。
    そんな時だけは恋雪さんも体を起こし、静かに俺の手による按摩を受けている。

    高い薬を売りつけた医者だが、それでも零れ話の様に俺に話した事がある。

    人の体とは循環によって保たれているという事。
    呼吸によって取り込まれた空気が血に集まり、水に乗って流れるのだと。
    故に血の流れや水の流れが滞る事で人は不調を起こすのだと。
    何より経絡において重要な位置は手足に集中しており、人は末端より弱くなるのだと。

    故に俺は病に伏しているとはいえ女性の素肌を、指の先からその体に至るまでを解きほぐしていく。
    一つ一つの動きと共に声をかけながら進めていくと、恋雪さんから小さな言葉が溢れて来た。
    「どうして、謝るの」
    「それは―――」
    「私の為に、してくれることなのに」

    ああ、なるほど。
    謝りたい、とはこういう気持ちなのだ。

    「ありがとう」
    「え?」
    「……いえ、何でもありません」

    俺は君に感謝している。
    君の傍にいる事が、どうしようもなく心地が良い気がしていて。

  • 16二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 19:38:22

    強いて言うのであれば、変わったのはその日からだ。
    私の父が一人の男の人を連れて来た、というより引きずってきた。
    無法な暴力を振るう父ではないと分かっているのだが、明らかに強引に連れてこられたのだろう。

    顔が腫れあがっている。ああ、きっと怒っている。

    ―――しかし、不思議だった。

    貴方の瞳は、まるで私ではない遠くを見ているようで。

    一体、貴方は何を見ていたの?

    大切な何かが、自分の不手際で川に遠く流されていくような。

    一体、貴方は何を見て来たの?

  • 17二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 20:58:53

    ほしゅ

  • 18二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 21:17:38

    あゝ 美しきかな

  • 19二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 21:28:13

    距離というものは、その関係性を如実に示すのだろう。
    父は気を遣ってくれているが家を空けがちで、母は遠い場所へ行ってしまった。

    しかしこの人の距離は不思議だ、部屋の境の柱にもたれて内にも外にもいるように見える。
    興味が無い様に見えて、咳き込めば背中を撫でてくれる。
    汗をかいたら吹いてくれるし、水はいつも冷たいものを用意してくれる。

    何故貴方が、ここまで心を砕いてくれるのかは分からなかった。

    とはいえ、慣れた手つきだったから以前にもこうして看病をしたことがあったのだろう。
    腕に掘られた入れ墨の意味を知らないわけではなかったが、どうしてもこの男の人が悪人だとは思えなかった。
    どの道、乱暴されても、物を取られても抵抗は出来ないのだから。

    「ありがとう」
    「え?」
    「……いえ、何でもありません

    何故貴方が感謝するの、貴方に返せるものなんて何もないのに。
    感謝したいのは、私の方なのに。そこまで思って気が付いた。
    私、―――ありがとうって伝えた事があったのかしら。

    熱っぽい体が急速に冷えていくような感覚。

    いつもいつも私は謝ってばかりで、お母さんにありがとうって言えなかった。

    ごめんなさい、ごめんなさい。

    謝る事しかできなくて、ごめんなさい。

  • 20二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 22:30:24

    ほしゅ

  • 21二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 23:02:58

    師範との稽古を終えて、洗濯物を干そうとしていた時の話だ。

    空は晴れていて、風も心地よい一日で恋雪さんの調子がよければ日向ぼっこをさせてあげたかった。
    だから早めにやる事を終えてしまおう、そうしている内にいつもより時間がかかってしまって―――。

    ドスン、と音が聞こえた。
    俺は走った、この道場の中で物音を立てられる人は一人しかいないから。

    「恋雪さん!?」
    「――――」
    恋雪さんが廊下に倒れていた、それと同時に蹲りながら布団の中とは違う嗚咽にまみれていた。
    急いで近づいて彼女の肩に触れる、イヤイヤをするように身を捩るもそれ以上の抵抗は出来ないようだった。

    何故ここに、何故泣いている。そんな事は考えるまでもなく俺は知っている。
    動けない人間が動く時、それは緊急事態で。

    「……嫌、いやぁ、」

    独特な臭気と、廊下を濡らすもの。

    俺の所為だ。

    親父の時と一緒だ。

    俺が、傍に、居なかったから――――。

  • 22二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 01:42:04

    ―――、ああ、泣かないで。

    ―――、ああ、泣かないで。

    私の決断が、貴方を悲しませた。

    俺の行動が、貴女を悲しませた。

    「ごめんなさい、私が、勝手な事をしたから―――」

    「ごめん、なさい。俺が、俺が傍に居なかったから―――」

    二人の言葉は噛み合わない、全ては己のせいだと思っている。

    謝りたいと、感じている。

    謝罪とは、許しの言葉だ。
    出来うるなら関係性をやり直し、いつも通りに戻りたいと願う。

    感謝とは、戒めの心だ。
    出来うるなら関係性をやり直し、相手に報いたいと思う心。

    あなたに泣いて欲しくない、そんな言葉が交わされることはなく。

    あなたの為に出来る事をしたい、そんな誓いが交わされた。

  • 23二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 02:14:36

    よくよく考えたらずっとけほけほしてる恋雪さん

  • 24二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 04:23:41

    たしかに一時は気まずい期間があったが、表面上は元通りに思えた。
    しかしそれを訳知り顔で頷いている師範を気味悪げに狛治は睨みつける。

    そのにやけ面に一本入れようと拳を振るうが躱される。
    拳の応酬、蹴りが飛び交い、肘と膝が互いを砕かんと打ち合う。

    そして、一の矢を放つ。
    狛治が放った拳が慶蔵の正中を掠めて右腕を打つ。
    慶蔵の右腕が弾かれ、右側の防御が崩れる。
    そこに二の矢である最短最速の正拳を打ち込んだ―――「甘いぞ」

    当たるかと思われた一撃は左腕でいなされ、そのままがら空きの頭に慶蔵の頭突きが炸裂する。
    足がもつれて、膝が砕ける。そのまま道場の床に倒れて今日も負けた。

    「極端な話、極めるというのは無駄をなくすという事だが少年は素直すぎるな」
    「……無駄をなくすのが、無意味という事ですか」

    敵の攻撃を捌き、敵に攻撃を当てる。
    慶蔵はそれがとても上手く、とても強かった。
    どんな攻撃も正確に防がれる、どんな攻撃も正確に打ち込まれる。

    「もっと大きく見ろ、もっと大きく聞け、もっと大きく触れろ」
    「そうすれば、見逃す事なんてなにもないさ」
    「それが出来る俺は、何も失う事はないと考えていた」

    慶蔵は悲しい時ですら、笑みと形を崩さない。

    「俺は闘気の間合いしか分からない、しかしお前は人の間合いに入れる人間だ」

    「この先、必要なのはお前のような人間なんだ」

  • 25二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 04:27:35

    炭かなSSを書きたいと願っていたのに、書いているのは狛恋SSだった事に一番驚いているのは自分なので寝所に失礼する。

  • 26二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 12:48:49

    ほしゅ

  • 27二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 14:13:23

    子供というのは未完成だから、それに伴う病も多いのだと。
    故に恋雪さんが成長するにつれて、病弱なことは変わりなくとも以前ほどの症状は出ないだろうと。
    医者は言った、これも看病のおかげだろうと。心に寄り添った賜物だろうと。

    恋雪さんは呆けていたが、俺も慶蔵さんも大層喜んだ。
    普段飲みもしない酒を開けて、ベロベロになって酒瓶を抱いて眠るまで飲み続けていた。

    俺もほっとした、それと同時に一抹の不安もあった。

    「恋雪さんが元気になったら」
    「え?」
    「俺も、お役御免ですかね」

    迂闊な言葉ではあった、まるで元気になった事を歓迎しないような発言だったから。

    「あーでも、下働きとかで住まわせてはもらえませんかね、慶蔵さんの手伝いでも―――」
    「なんでもいい」
    「え?」
    「なんでもいいから―――行かないで」

    その日、俯いた恋雪さんの表情を窺うことは出来なかった。
    貴女は、どんな気持ちでそう言ったのですか。
    貴女にとって、俺はいったい何なんでしょう。

  • 28二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 21:10:10

    続きを全裸待機

  • 29二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 21:30:59

    恋雪さんがかわいそ可愛くてお互い無意識無自覚のまま相手の心に寄り添っていって徐々に距離を縮めてく狛治と恋雪さんがすごくいい
    続きが楽しみ

  • 30二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 23:51:08

    「俺、この先どうなるのでしょうか」
    「は?そりゃあお前―――ああ、」
    すっかり慶蔵は失念していた、恋雪の為に面白い少年を持ち帰ったはいいが具体的な条件を付けていなかった。
    人の親としては失格かもしれないが、恋雪が死ぬ事を幾度も考えてしまっていたから良くなった時の事を考えていなかった。
    しかし運命は好転し、かつての恋雪とは信じられない程回復していった。

    「今更な話だ、ずっとここに居ればいいだろう」
    「それは……でも、俺は」
    「それこそ今更だろう、お前気付いているか分からんが近所からの評判はいいんだぞ?」

    慶蔵が何でも屋の真似事をしている中、仲良くなった得意先に近所付き合いの為に狛治を向かわせる事が何度もあった。

    「真面目で丁寧で気が回るいい男、しかも恋雪を健気に介抱する慈悲深い男だ」
    「慈愛って……」
    「恋雪には言ってないが、お前モテるぞ」
    「興味ありません」
    「そうか……」
    そう、狛治はこの地で既に受け入れられている。離れようと思えばいつでも離れられる、だからこそ。

    「俺が言えた事じゃないが、頼む!あと少しだけでもいい、もう少しだけ…ここに居てくれないか!!」
    「な、師範!やめてください!」
    「頼む!!」
    野試合でも夜盗に襲われた時でもここまで深く頭を下げた事はない、それでも恋雪の事を思えば当然の事だった。

    「頭を上げてください!!」
    そう言って差し伸べられるのは緩やかに開いた狛治の手。
    ああ、そうだ。人を動かすのは固く握った拳ではなかった。
    人を助けるのも動かすのも、大切なのは掌(たなごころ)だった。

    やっぱりお前が必要なんだ、俺を手を掴んで引き起こすその手が俺と恋雪を助けてくれたんだ。

  • 31二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 23:53:32

    なんか慶蔵さんの湿度も上がってないか?

  • 32二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 01:07:28

    恋雪さんの調子は依然と比べれば大変良くなったが、今すぐに快癒するわけではない。
    それでも重湯しか啜れない時もあった時よりは良くなったのだから、細見だった体もほんの少しだけ肉が付いたように思う。
    もう少しすれば自由に部屋を出る事も叶うかもしれない。

    それでも、恋雪さんは自分から言うわけではないが俺の看病をねだっているように思う。
    別に病気のフリをしているわけではないし、ずっと続けていた事なので別に問題はない。
    しかし、俺が看病している時の瞳が以前に無かった色を含んでいるように見えるのだ。
    というか、ずっとこっちを見ている。視線を向けると顔を赤らめてそっぽを向いてしまうのだが視線を外すとやはりこっちを見ている。
    汗を拭いたり、厠に連れていく時なんて以前より恥ずかしがっている。
    そりゃあ年頃の娘だからしょうがないのだが、今更な事だとも思う。
    そして俺も、相手が恥ずかしがるものだからつい意識してしまう。
    恋雪さんの白い肌が景色の殆どを占める時、俺だって流石に意識してしまう。

    そんな考えをいつも外に追いやりながらも看病は続いている。

    夜に一度や二度は見回りをしている。
    警備の為というよりは、夜に催して起きてしまったり、恋雪さんの状態が悪くなっていないかの確認のためだが。

    雲の切れ間から月光が差すある一夜、恋雪さんの部屋からくぐもった声が聞こえて来た。
    体調が悪いのだろうか、そう思って静かに部屋を除きこむと

    「…ん…!んん…!」

    そこには一人の女が居た。

    恋雪さんが、布団の中で丸くなるようにして喘いでいた。

    俺は何も言えず、静かにそっとその場を離れた。

    少しだけ廊下の板が軋んだ気がしたが、気づいては居ないだろう。

  • 33二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 01:08:43

    やはり眠いのでここで失礼する。
    ちなみにエッチなシーンはないので先に失礼する。

  • 34二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 08:52:22

    ほしゅ

  • 35二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 10:01:20

    えっちなシーンがないだと そんな無慈悲な

  • 36二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 16:39:03

    保守

  • 37二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 16:44:08
  • 38二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 22:04:34

    >>35

    俺にはエッチなシーンを書く才能が無いので失礼する。

  • 39二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 22:13:05

    >>1だけで十分えっちだぞ

    才能がないなんて言うな

  • 40二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 22:27:32

    私はおかしくなってしまった。

    「なんでもいいから―――行かないで」

    どの口が言えた事だろう、父の都合で連れてこられて、私の都合で飛び立てない。
    そんな事が許されるだろうか、彼の都合も知らず、彼の思いも知らぬまま。
    私と一緒にいて欲しい、そんな言葉も言えない私は蚕のよう。

    私はおかしくなってしまった。
    あの日、普通の食事を食べた日にお腹の調子が悪くなってしまった。
    幸いにして腹痛はなく腹部の膨満感で収まっていたが、それがまずかった。

    「うーん…薬屋が言うには確か…」

    失礼すると一言添えて、仰向けになった私の腹の上に狛治さんの掌が乗せられた。
    胃腸の調子は臍を中心に刺激を入れるといい、そんな事を言っていたと思う。
    鍛えられた掌から伝わる熱が、服越しに腹の上を滑る手が、加減を分からぬ指が。

    私の下腹部と瞼の裏を焼き尽くして。

    私はおかしくなってしまった。

  • 41二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 22:50:41

    知ってしまった今であっても羞恥でこの身が焼き尽くされそうではあるが、知らぬ当時であっても恥ずかしい事だと感じていた。

    おかしくなってしまってから、私は狛治さんから目を離せなくなってしまった。
    それどころか、彼に触れられる時を今か今かと待っている自分がいる。
    しかしそれが何だかこそばゆい気がして、狛治さんとは目も合わせられない。

    体がぼっと燃えて熱くなる、狛治さんの触れた個所から熱を伴って離れない。
    知ってしまった今では離れられず、知らぬ時であっても逃れられない。

    芋虫の様に体を丸めて、尺取虫の様に指が陰所(ほと)に向けて這っていく。

    切なく、もどかしく、欲した場所へ届かない。

    辛い、辛い、何故泣くのかも分からないのに汗も涙も止まらない。

    欲しい、欲しい、貴方が欲しい。

    ここに、欲しい。

  • 42二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 23:18:05

    いい…お腹に上に乗った掌でそういう対象と意識するのも一人で慰めるのもそれで物足りないのも全部いい…

  • 43二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 23:26:43

    恋雪さんが体調を崩してしまった。
    最近は調子が良かったように思うのに、今では心ここにあらずと言わんばかりだ。
    「俺も、お役御免ですかね」
    多分、きっかけはあの言葉だ。
    随分と酷い事を言ってしまった、病人ではないお前に価値はないと言わんばかりではないか。
    猛省したし、自己嫌悪に塗れてしばらくは冷水を浴びて気を整えていた。

    拗ねてそっぽ向くかのように横向きに臥す恋雪さんに自分から声をかける。

    「恋雪さん、この前は申し訳ございませんでした」
    「……なんのことですか」

    ううむ、困った。どうやらこの前以外にも怒らせてしまう事が度々あったようだ。
    夜の営みを知られたのではないかと恐々としている恋雪の思いも知らずに、狛治は続けて言葉を切り出した。

    「貴女の為に出来る事はありませんか?」
    「……うぅ」

    何時までも一緒にいて欲しい、そう言うだけなら簡単かもしれない。
    だけど恋雪にとって、その言葉は愛のささやきに近しいものではあるし
    「……ううぅん…」
    最近では、もっと直接的というか、もっと近距離というか。

    ―――貴方が欲しい。

    「ううううう……!!」
    「恋雪さん!?」
    淫乱だと、思われたら即死するのではないか。
    今日も夜に一人、飛び立つ事も出来ずに床を這っている。

  • 44二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 23:39:11

    遂に限界を迎えた、というよりおかしくなった日から限界の中でずっと振り回されていた。

    言ってしまえ、と
    言えば終わる、が

    ずっと交互に頭の中で鳴り響いている。
    もう嫌、もう嫌なの。なんでこんなに辛いの、なんでこんなに切ないの。
    貴方が好きだって、伝えられたらいいのに。
    私の事なんて、もう嫌気が差したって言ってくれればいいのに。

    貴方と私の埋まらない距離が、私と貴方の関係を如実に表しているようで。

    その空間は手を伸ばしても届かなくて。

    「恋雪さん!?」
    「―――!!?」

    悪夢を見ていたのだろうか、天井に向かって手を伸ばす己の腕を見て。

    「大丈夫ですか、随分魘されていたようですが……」
    「……狛治さん」

    もう、耐えられない。

    「今夜、部屋に来てくださいませんか」

  • 45二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 23:40:37

    酒が全然足りないので今日はここで失礼する。

  • 46二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 23:47:39

    このレスは削除されています

  • 47二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 23:51:10

    ちなみにここまでの時点で11000文字位らしい。
    書いているのは自分の意思とは言えいつになったら終わるんだ……?
    ぎゆしのも炭かなも書きたいのに。
    以下保守ついでに好きなCPやシチュでも書いてくれても構わない。

  • 48二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 02:44:35

    優しい好意に基づいて手の遅い男と恥じらいながらも押せ押せな女がすきなのでここの狛恋だいすきです。
    続きも炭カナも楽しみで眠れねぇや

  • 49二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 12:11:57

    ほしゅ

  • 50二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 20:29:59

    恋雪ちゃんから誘うのたまんないっすね
    好きカプは狛恋とぜんねずと縁うただなあ
    はっきり思いが通じずに両方思いやってるのが好き

  • 51二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 20:32:22

    腹に手を置かれた瞬間今までの積み重ねが実感を伴って色んな欲に結びついちゃったんだな…可愛い……わけもわかんないよね…ずっと寝たきりだったから何も知らず、故に本能に振り回される恋雪ちゃんが本当に可愛い…

  • 52二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 23:59:47

    ほしゅ

  • 53二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 00:42:23

    月の明かりだけが夜を照らすのだが、今日という日は機嫌が悪いらしい。
    道場の中とは言え、明かりを灯すには仰々しい。

    「狛治です、……お待たせしま―――」

    微かな光が差し込む境界に踏み入れた瞬間、酩酊するかのような鼻の奥に滑り込むような薫り。

    「……恋雪さん?」
    「……」

    それは熱を持つ、それは水のような重い匂い。
    膝と手が畳を擦る音、俯いた恋雪さんの顔が上がる事は無く。
    蔓が絡まるかのように、狛治に腕が纏い付く。

    「ん……はぁ……」

    口づけの話だ、吐息が狛治の喉をなぞったかと思えば恋雪さんの唇が顎と首の境目に吸い付いた。

    「ちゅ……ん、ちゅぅ……」

    柔らかい唇のうねり、口の中にある硬い感触、合間に蠢くように這う舌が、狛治の肌をなぞる感覚が狛治の体から力を奪っていく。

    子犬の甘噛み様な、力のないその行為の中で、恋雪の溢れたよだれが首筋を辿った時。

    俺は、恋雪さんを強く抱きしめていた。

  • 54二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 01:03:06

    俺だって枯れ果てていたつもりはない、しかし随分とご無沙汰だった俺の獣は随分と空腹な様だった。
    獣という割には優しく恋雪を布団に押し戻すと、手本を見せるかの様に恋雪に覆いかぶさった。

    白く無防備なうなじに鼻先を押し付け深く息を吸い込めば、脳の奥が痺れる様で。
    師範や自分とは比べ物にならない程細い手首を指の腹で撫でながら、俺の片膝が恋雪の脚の間に差し込まれた。

    「――――あ、……!?」

    一歩間違えば、自らの首に歯が突き立てられるであろう恐怖。
    しかし、首に食い付く狛治の口の隙間から漏れる水音は―――私の汗を舐めている。

    極大の羞恥が体の中で暴れている、そこから逃げようと体を大きくうねらせる度に恋雪の股座に食い込む狛治の膝が恋雪の窯に火をくべる。


    ちかちか、して。しろく、あかるくきらめていて。


    「はなび、みたい―――」


    何時しか、恋雪は意識を失ってしまった。

  • 55二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 01:04:24

    とっても、すごかった――――!!

    (塗りつぶされた日記の一文より)

  • 56二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 01:19:50

    次の日、俺は土下座していた。
    奉行にも荒くれ者にも啖呵を切るような己ではあったが、女には勝てないのだと実感した。

    「……舐めるの、好きなんですか?」
    「スゥーーーーー……、いえ、特に、そういう訳では……」
    「なんだかワンちゃんみたいでした、そういえば鎖骨の辺りをずっと舐めていたような……?」

    いい性格をしている、気弱に見えるが慶蔵さんの娘だという事だろう。

    「恋雪さんに、襲われるとは思っていませんでした」
    「お、襲う…!?」
    「完全に魔性の類でしたよ……一体何があったんですか?」

    こそこそ、ぽしょぽしょ、恋雪さんは静かに話し始める。
    聞けば性に疎いせいでまったく発散できなかったらしい、しかも気をやったのは初めてだったそうで。

    ……え、性教育、しないといけないんですか?

  • 57二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 01:36:06

    季節は廻り、俺と恋雪さんは祝言を挙げる事となった。

    俺は久しぶりに江戸へと戻り、父の墓を磨きながらこれまで色々あった事を話していた。
    何でも屋紛いの稼ぎを握りしめて、江戸で彼女に贈る髪飾りでも探そうかと街を散策している時に人と出会う。

    「……お奉行」
    「……いつぞやの、鬼子か」

    時間にして数年、たったそれだけだと言うのに随分と懐かしく感じる。
    縮まらない距離、しかし離れる事もない僅かの逡巡にお奉行は感じ取るものがあったようだ。

    「最近は見かける事もなかったな、噂もとんと聞かん様になった」
    「父を亡くし、地へ地へと流れておりました」
    「そうか」

    それだけ言うとお奉行は踵を返して俺から離れていった。

    「お奉行、俺、祝言を挙げるんです!」

    歩みを止めたお奉行が、再び歩き始めるまでそれほどの間は無かったように思う。

    「嫁を泣かせるな」

    俺は大通りの中だと言うのに深く腰を曲げたまま、しばしその場を離れる事は無かった。

    貴方は平等に人を裁き、俺に施しというものを与えなかった。

    人を助けたいと思える世の中で、貴方は最後まで俺をどうでもいいように扱った。

    それが貴方の優しさだと知るまでに、色々な事があったんです。

  • 58二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 01:40:33

    ネタが無くなったのでここで終わる。
    駄文を失礼したので失礼する。

  • 59二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 04:24:43

    というか、何を書けばいいんだ?(ネタ切れ)

  • 60二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 06:15:44

    スレ主が満足したならいつ終わったって良いと思う
    だが望むことを許されるなら
    井戸の毒を飲むことなく無事に祝言をあげる光景を是非……!

  • 61二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 09:56:37

    ありがとう

    めちゃくちゃいいものを読ませてもらった…

    欲を言えば>>60の言った祝言の話とあと初夜のお話を希望します

    いやほんといい…お奉行とお話しして〆るところが良かった

    お奉行も狛治のことがスッと思い出せるくらい気がかりだったんだろうし、そんな相手が真っ当にやり直して慶事まで聞けて本当に嬉しかっただろうなあと思わせる良い〆だった

    あと恋雪ちゃんの日記の塗りつぶされた一文がめちゃくちゃエロい

  • 62二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 18:34:34

    ほしゅ

  • 63二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 22:59:49

    数年の時が過ぎ、俺は十八、恋雪さんは十六となっていた。
    以前の様に伏せる事もなく、俺と一緒に料理をしたり、洗濯をしたりと精力的に動くことが出来ていた。

    元気になって良かった……良かったんだけど……。

    「……そんなに、みないで」

    なんだか、すっっごく、ワルい事をしている気分だ。
    いつもの様になった夜の密会、部屋には一組の布団が敷かれているだけ。
    その上で膝立ちになる恋雪さん、赤みが差した白雪の肌が差し込む月光の青白い光に照らされ薄暗い闇の中に浮かび上がる。

    町娘と比べても儚く、華奢で、今にもその姿を布で包んで温めてあげたい。
    しかし生唾を飲み込みながら触れれば、温石の様に暖かさを伝えて来るのだ。

  • 64二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 23:56:53

    ゆっくりと布団に横たえて、その上から掛け布団と一緒に恋雪さんに覆いかぶさる。
    口吸いも、乳房に触れるのも、背筋や浮いた肋を撫でるのも、恋雪さんは面白いくらいに反応してくれる。
    しかし、彼女が一番気に入っているのは俺に腹を触ってもらう事らしい。
    親指の付け根で、掌底で、小指と薬指で掬うように恋雪さんの腹をこね回す。

    そうすると恋雪さんの匂いが強くなるのが分かる、足がピンと伸びて、それでお腹を押し付ける様に腰が浮いて来る。

    そして、舌を絡めながら時間をかけてお腹をほぐしたら恋雪さんの舌が逃げ始めた。

    恋雪さんの陰所(ほと)に指が一本差し入れ、ゆっくりと円を描くように回していく。

  • 65二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 00:06:15

    恋雪さんの手が俺の胸元に押し付けられても、恋雪さんの頭を片腕で引き寄せて離さない。
    逃げた舌を追って、俺の舌が軟口蓋をなぞり、歯列をさすり、互いの吐息と唾液が交じり合っていく。
    全てが熱と湿り気を以って包みこんでいく、肌が離れて拍動が遠ざかっても命の蠢きが俺を締め付ける。

    なぞったり、トントンと叩いたり、撫でてみたり、前後してみたり。
    指の付け根まで湿り気を増した頃、もう一本の指が差し入れられる。
    指を交互に上下してみたり、広げながら回してみたり、指の腹でこそぐ様にうねって見たり。
    一つ一つの動きに反応する恋雪さんが愛おしい、意識がそれた時を狙って舌を絡めると小さく声を上げてしまう。

    だけど、これは夫婦の情事ではない。

    だって、まだ告白していないから。

  • 66二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 01:12:59

    いや、流石におかしいとは思っている。
    というより、おかしい状況である事を望んでいるとでも言うべきか。

    俺と恋雪さんには一線があり、その一線を越えない限りは何をしてもいいという共通認識があるようなのだ。
    性交渉についてはどうなんだとも、思うが恋雪さんにずっと裾を掴まれると断り切れず今に至る。

    しかし、その一線とはなんだろう。
    彼女を夜毎に嬌声を上げさせて、婀娜っぽいその姿を目に焼き付けて。

    そして、遂にその時が来る。
    俺の肌着越しに膨らむ愚息が恋雪さんの股座に押し付けられていた。
    すこし興奮しすぎたと腰を引くが、小さな恋雪さんの足が俺の内股を擦ってくる。

    「恋雪さん…!」
    「……狛治さん、私、」


    「―――それ以上は、お嫁さんになっちゃう、よ」

  • 67二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 01:31:59

    酒を飲んで眠いので失礼する。
    ちなみに祝言編はないので失礼する。

  • 68二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 06:42:00

    おう行けェ 睡眠は大事だしスレ主の書きたいように書くのが一番だからなぁ

  • 69二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 10:58:49

    ああ〜…いい…
    お腹弱いの、なんかこう動物的な本能で恋雪ちゃんが狛治さん求めてる感じがする
    お嫁さんにしてやってくれ

    とりあえずスレ主の好きなように書いてくれるのが一番です
    勝手に楽しませていただくだけなので

  • 70二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 11:51:43

    お、お嫁さんに……?つまり祝言あげたのって…ぁっ

  • 71二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 20:51:38

    ほしゅ

  • 72二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 23:50:02

    俺の体の何かが切れて、視界の奥が赤く赤く染まっていく。
    何故生まれて来た、何故生き長らえている―――決まっているだろう。

    「狛治さん…!?」
    「   」

    遂に獣が牙を剥いた、寝そべる恋雪さんを引き起こして抱きしめる。
    俺の頭が恋雪さんの胸元に埋められて抱きしめられる、そうだ、離してはいけない。

    「――――あ、」

    気付いたようだ、俺の下着は既に降ろされてむき出しになっている。

    「だ、ダメ!これ絶対にダメ!!」

    最早すでに逃げられまい、徐々に降ろされる恋雪さんの腰が俺に向かって沈んでいく。

  • 73二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 00:05:32

    好きで、愛して、離れない。

    そんな言葉を伝えたい時、一体何と言えば良いのだろう。

    「   」

    恋雪さんの薄い尻を腕で支え、一気に落とさない様に押さえている。

    貴女の声が欲しい、貴女の涙が欲しい、貴女の心が欲しい。

    そんな言葉、今までの曖昧じゃない、本当の言葉。

    「   」

    声が、出ない。

  • 74二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 00:16:05

    本当に大切な事は、いつでも心の中にあって。

    近づけば近づくほど、遠ざかっていく。

    それでも言うんだ、たった今の一瞬で全てを伝えるんだ。

    「俺を、離さないで……。何処にも、行かないで……」

    ああ、なんて情けない言葉。

  • 75二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 00:30:45

    優しい人程、辛く悲しい思いをするのだろう。
    己を捧げる人程、己を打ち付けられるのだろう。
    そして足元に残る一粒の暖かさに、そっと身を寄せるのだろう。

    「俺を、離さないで……。何処にも、行かないで……」

    貴方と心を分かち合い、貴方と思いを共にして。
    そんな日々を夢に見て、それでも叶わないと思っていた。

    「私を、抱きしめて……。何処にも、行かせないで……」

    だって明日も来月も来年も、私には許されないと思っていたのだもの。

  • 76二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 00:41:40

    何で二人で泣いているんだろう。
    息が詰まって苦しいのに、何故口を合わせて貪り合うのだろう。

    「―――ん、んんん!!」

    伸長も違う、手も足も大きさが違う、それでも二人は番い合う。
    腹を抉られるような感覚と、自分とは違う熱を感じる。

    「やぁ……深い…!」

    実際には動いているのは恋雪の方で、狛治は離れる恋雪の熱を追う様に腰が上がっていく。

    やっと欲しいモノと出会えたの、それでも体力が続かなくて。

    脱力と共に腰が沈んで、自分にはもっと深い場所があった事を初めて知った。

  • 77二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 00:53:50

    一度大きく仰け反って、恋雪さんは気をやったようだ。
    天井を仰いで、両腕は垂れ下がり、空気を求めて引くつく喉がいやらしい。

    だけど、俺はまだ満足していなかった。

    「……ぁん」

    恋雪さんを一度離して、丸めた布団の上にうつ伏せで寝かせる。
    腰を守る為だが、そうでもない理由もある。

    「……え?、あ!!ダメ!ダメダメダメ!!」

    犬の交尾の様に後ろから挿入する、それだけでも倒錯的だがそれでは終わらない。

    恋雪さんの腰、を超えて俺の両手が恋雪さんの腹に回される。
    臍の下、下腹部の辺りを何度か優しく擦ってから。俺の両の指が恋雪さんの腹に沈み込んだ。



    「いや!そこ駄目!潰れちゃ、同時は駄目―――!!!」

  • 78二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 01:02:10

    「駄目♡駄目♡それ駄目ぇえええええええええ♡」

    何が駄目なものか、どんどん尻を突き上げて、俺に全てを晒しているのに。

    肌と肌をぶつけ合う音、水と空気が交わって泡となり、ぐじゅぐじゅと音を立てて擦れ合う。

    イジメないで、潰さないで、上下左右に揺さぶられる私の子袋。

    鈍い衝撃と重いシビレが、仙骨から脳髄に向かって津波となって走る。

    返す波が子宮を揺らして、もはや幸福と快楽だけを啜るかのように狛治を貪っている。

  • 79二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 01:22:39

    「ずるい!それずるい!!イジメないで!イジメないで!!」

    恋雪は溺れていた、初めて気をやった時とは比べ物にならない。
    果てのない快楽が脳を焼き尽くす前に、体が勝手に腕を伸ばして這って逃げようとする。

    「駄目です…よっ!」
    「~~~~♡♡」

    腹を掴まれているのだから、そのまま引っ張られた勢いのまま腰を叩きつけられて声にならない嬌声があがる。
    体から力が抜けてなすがままにされ、今日という夜が永遠へと引き延ばされていくのではないかという程の無限の快楽。

    そして、ついに火蓋が落とされる。

    狛治が興奮のままに恋雪の肩に強くを歯を立てた、その痛みは微かであっても恋雪の意識を浮上させる。

    無限の快楽が刹那に圧縮され、奈落へと落とされるような浮遊と虚脱。

    「イク♡イク♡、だめ、しんじゃ、こわれる、こわれるううううううううう♡♡♡」

    全身が痙攣する程の最高の快楽と絶頂、膣を強く絞り上げられ狛治も溜まらず吐精してしまう。

    しかし快楽の波は消えずに恋雪は叫び続ける。

    「なんでぇえええええ♡なんで止まらないのおおおおおおお♡♡♡」

    己の胎に精を流し込まれる快感が、花火の様に弾けて止まらない。
    快楽が快楽を、絶頂が絶頂を誘う地獄の中。
    月の高さはまだ低い、夜明けまで時間は足りぬ程ある。
    浮いた背骨を、張り詰めた乳首を、脇腹を、舌を、首を、喉を、耳を、手を。
    数年間溜め続けた思いを溢れるほど恋雪は与えられ、この熱は数日間収まる事は無かった。

  • 80二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 01:24:03

    とっても、とっても、すごかった――――!!

    (塗りつぶされた日記の一文より)

  • 81二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 01:25:14

    これで今度こそ終わる。
    余りにもエッチな文章が書けなくて響凱になりそうだった。

  • 82二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 01:33:09

    あまりにHすぎる ありがとう……ありがとう……ポルチオ責めによわよわすぎる恋雪さんもえっちすぎる……恋雪さんのこと食べ尽くす勢いの狛治さんもえっちすぎる……

  • 83二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 06:14:03

    とんでもなく最高でした……!
    もう至高の領域ですよ!!!

  • 84二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 08:45:46

    最高でしたありがとう
    狛治さんから出てきたのも恋雪さんが願ったのもお互い離れない離さないでなのが…すんげえいい…
    塗りつぶされた一文がまたえっちでした

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