【オリウマ】銀河中央殴り込みウマ娘ッ‼︎Ⅴ【一意専心】

  • 11着をねらえ!25/09/11(木) 22:34:04
  • 21着をねらえ!25/09/11(木) 22:36:53
  • 31着をねらえ!25/09/11(木) 22:38:29
  • 41着をねらえ!25/09/11(木) 22:41:40

    【あらすじ】
    ついに始まったクラシックレース最初の大レース『桜花賞』
    並居る強豪を前に灰色の勝負服に身を包み、気合十分のイリフネ。親友ダイナソアシーからの激励を受け意気揚々とターフの上に向かう。
    果たしてイリフネを待ち構える強敵たちとは!?フォフォフォライトの「幻惑逃げ」とは!?
    イリフネの一生懸命にご期待ください

  • 51着をねらえ!25/09/11(木) 22:44:51

    【お知らせ】

    『質問』『登場して欲しいウマ娘(オリウマ含む)』『こんなウマ娘が見たい』『このレースを走ってほしい』『こんなダイスを振ってほしい』等ヶ引き続き大募集中!

    いただいたウマ娘ちゃんは頑張って全員登場させます。お気軽に送ってください

    p.s.お胸が控えめな子が多いので皆さんはそっちの方が好きなんですかね?不服そうにイリフネちゃんも喜んでいると思います 
    (ㆀ˘・з・˘)ナイワケジャナイノデス

  • 61着をねらえ!25/09/11(木) 22:48:31

    「(ここまでのペースはやや高速だけど概ね順調。だけどもなんでかすっごい違和感…)」

    質実剛健が肉体を動かしているよなパワーあふれる走りを得意とするピピボーイングは、このレースに少しばかりの違和感を覚えていた。桜花賞というと例年通りなら比較的ゆったりとしたレース進行が多く、急な坂を伴う最終直線400メートルでの叩き合いというのがここ最近のお決まりだ。だというのに、先頭を行くフォフォフォライトは逃げウマである自身の特性を存分に生かし比較的早いペースでバ群を引っ張っている。
    3000のような長距離ならばいざ知らず、1600の所謂マイルと呼ばれる距離では逃げウマ娘でも最初から最後までトップスピードを維持できることもある。だが、そうやってアドバンテージを稼いでも浪費されたスタミナでは高低差約1.8メートルの急こう配を上りきる頃には後続にそれを食いつぶされしまうだろう。そうなれば、あとは自分のパワーで登攀すれば勝利を狙える。この時点でのレース運びを見て才的とも言えるレースプランである。しかしここは“現代”のGⅠレース、そんな堅実さでどうこうと考えていては思わぬ事態に面食らてしまう。

    いまだ先頭をキープしたままのフォフォフォライトはコーナーの曲線で後ろ目にバ群の位置関係を把握すると、沈み込むように少しづつ頭を下げ姿勢を低くしていく。視界に入るフォフォフォライトの面積が減少していき、少しばかり速度把握とペース配分がやりにくくなるなと後方のウマ娘たちが考えていると、フォフォフォライトの体がブレたかと思えばいつのまにやら彼女との差が広がっていた。
    逃げウマ娘がいる時、そのレースの距離が短ければ短いほど彼女たちに必要以上の差を開けてはならない。学園の教本にすら書いあるレースの基本中の基本の一つだ。それに倣いほとんどすべてのウマ娘が加速し、フォフォフォライトとの差を縮めようと迫る。しかし、スキル発動を示す青色の光が立て続けに発動したことで余計にフォフォフォライトとの距離感把握を困難にし、もうすぐ第2コーナー、レースが残り半分を切ったとなれば未だ逃げウマ娘一人に主導権の全てを握らせるというわけにもいかないという焦りが“流れ”となってバ群の空気を支配していく。

  • 71着をねらえ!25/09/11(木) 22:49:33

    「(う~ん~これ~ちょ~っと~まず~いかも~)」

    バ群の流れに乗っていたアンユークリッドは少しづつではあるがフォフォフォライトの狙いに気づき始めていた。それは彼女がカーブにおいて直進するという奇怪な走り方をしているが故、この場の誰とも違った視座で物事を見ているからこその気づきであった。

    ターゲット・フィクセーションと呼ばれる心理学的現象がある。車両の運転中などにある物体や危険などに対してそれに注意が向き、無意識にそれに対して進んでしまうというものだ。これは勿論ウマ娘にもあり、走行中に電柱にぶつかってしまったという経験を持つウマ娘も少なくはない。レースにおいても後続を突き放す逃げウマ娘に対して思わず追いかけたくなってしまうのもこの心理効果が関係している。
    フォフォフォライトがこのレースに仕掛けた罠もこの人間の性質を利用したものである。
    彼女の作戦は決して難しいものではない、むしろ仕掛けとしては極めて単純だ。『頭をかがめて姿勢を低くする』彼女がやっていることはたったこれだけのことである。しかし、ここで逃げウマ娘であること、長身であることが活きてくる。
    フォフォフォライトは長身のウマ娘だ。170を超える背丈のウマ娘は学園でも少なく、世代というくくりで見るのならそれこそ対等なのはイリフネ位のものであろう。そして、この身長はかなり目立つ、それが先頭を走る逃げウマ娘であれば尚更である。だからこそ、フォフォフォライトの策から逃げることは難しい。

  • 81着をねらえ!25/09/11(木) 22:51:23

    今回のレース、フォフォフォライトは最初のコーナーに侵入するまでの間だけ全速に近いスピードで走っていた。しかしそれ以降はスピードをセーブしている。これを後続がみればバテたか脚を貯めているのだろうと無理な加速はしなかったはずだ。
    だが、彼女はここで頭を低くした。つまり後続から見える面積を小さくしたのだ。そしてそこでのスキル連打である。スキルというのは発動時に青い光が発生するほかに1つ、レース中のウマ娘視点では相手が何のスキルを発動しているのか分からないという特性がある。今はこれが悪さをしていた。
    徐々に低くなっていく姿勢、それを隠すように連続して発生する青い光に、それが加速スキルなのかデバフスキルなのかはたまた回復スキルなのか分からないという現状、そしてターゲット・フィクセーション、それらが複合的な要因となり後続のウマ娘に『スピードを落としているはずなのに追いついていないような感覚』を錯覚させているのだ。

    だが、多くの者はこう感じるはずだ。“コーナーであるならば差しや追込のウマ娘には横から見えているから何の効果もないのではないか”と。
    実際のところ、それは正しい、しかし、これは“大人数”でやるレースなのだ。別に全員をだます必要などない。ほんの数人、例えば真後ろを走る先行ウマ娘なんかを引っ掛ければ、あとは彼女たちという集団が「フォフォフォライトに追いつかなければならない」という“流れ”を作ってくれる。この流れは潮の満ち引きのように強力で強制的に全てのウマ娘を巻き込んでいく。
    レースは1人の天才で出来上がるわけではないが、1人の天才によって“流れ”が作られることはある。フォフォフォライトはその天才側の人間であった。
    地球に比べわずかな重力しか月は持たない。だというのに、潮の満ち引きという大きな“流れ”を作っているのはその月の重力なのだ。空に浮かぶ直径3474kmの星、その星が何倍にもなる地球の“流れ”を作っているのだ。
    今、月面からやってきたウマ娘がその細い体で勝利を引き寄せる“流れ”を作り上げていた。

  • 91着をねらえ!25/09/11(木) 22:54:19

    その流れに乗ってバ群は加速を続けていく。レースは既に最終コーナー、1600メートルの戦場は残り半分を通り過ぎ、気づかぬうちに見えざる罠に囚われ気持ちよく先頭を追いかける数人のウマ娘によって既に事態は圧倒的にフォフォフォライト優勢へと傾きつつあった。
    これこそが彼女が得意とする「幻惑逃げ」速度の緩急、認識誤認の誘導、一つ一つは小さなほころびでも集まればすべてを破壊するほどの致命的な亀裂となる。月面の開発プラントという過酷な環境、ほかに参考になる存在もおらず、ただ生きることにウマ娘としての全ての力を注いできた彼女だからこそできる“勝つため“の走り方である。

    事態の深刻さに多くのウマ娘が気づいたのは先頭がもう間もなく最終コーナーを抜けようかというところのこと。フォフォフォライトの正確な速度を把握できず、追いすがるだけであった後続が疲労の色を見せ始めたこのタイミング、万事整うこの瞬間にフォフォフォライトは己の足を開放する。
    このタイミングでの再加速に誰もが驚き、矢継ぎ早にデバフスキルが投げつけられる。しかし、“回復スキル”の連打で体勢を整え切ったフォフォフォライトの力をそぎ落とすにはまるで至らない。仕掛けどころのタイミングさえ意のままにコントロールされ、無暗矢鱈と足を使いすぎ、じわじわと知らぬ間に致命の刃を鳩尾に突き刺された後続は精彩を欠き、突き放されるばかりで並ぶことはおろか勝負ができる者さえいない。

    たった一人を除いては。

    『伸びるフォフォフォライト!しかしイリフネが食い下がるッ!』

  • 101着をねらえ!25/09/11(木) 22:55:29

    自身の後方、灰色の勝負服に身を包むイリフネが自信を猛追していた。その差はきっかり1バ身半、ここから抜かれることも十分にあり得る距離だ。
    フォフォフォライトはその光景に驚いていたが同時に納得感もあった。
    イリフネはこのレース、常にフォフォフォライトから一定の距離を保ち2番手をキープしていた。父のチームに所属しているウマ娘である、当然その走り方の特徴も“弱点”も理解していた。
    幻惑逃げは決して最強の戦術などではない。むしろそれ自体は一発芸に近く、強みとするには戦術やスキルの使い方、さらには事前のレースから相手が予想してくるであろう戦い方を逆に予想する必要さえある。それ故に“分かっている”幻惑逃げほど怖くない物はない。ただ速度の緩急をつけて走っている、それだけならば一番近くでそのペースに合わせ続ける、たったこれだけのことで簡単に対策ができる。だが今回、フォフォフォライトはスタートと共に最高速で抜け出し先頭を獲った。それに合わせようと思えば最初から全速力を出さなくてはならない。そんなことができるのは逃げウマくらいのもので、そしてこのレースでの逃げウマは彼女とイリフネしかいない。
    しかし、よくここまで我慢しそしてこの状況に耐えている。もし、イリフネがフォフォフォライトのことを知らなかったらきっと最初のコーナーで足を貯めている間に前を取られ仕込みが破綻していたことだろう。だというのにイリフネは自分の速度を落としてもフォフォフォライトの作戦の邪魔をしなかった。おかげで今、このレースの勝敗はフォフォフォライトとイリフネの一騎打ちという状況になり、最終直線に勝負の行方が託された。
    もしかしたらイリフネはこの展開になることを見越してわざと先頭を取らなかったのかもしれない。自分の実力、出走しているウマ娘のデータ、イリフネはそれをないがしろにしてレースをするようなウマ娘ではない。だとすれば、この展開、フォフォフォライトがレース全体をかき乱す今この現状こそ、イリフネが最も望んでいた光景なのではないだろうか。

    「仲良くなりすぎた」

    後方から迫る一陣の光の存在を感じながら、誰にあてつけるわけでもないその言葉は自嘲と共に珍しくどこか嬉しそうな声音に聞こえた。

  • 11二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 23:19:38

    立て乙です
    「仲良くなりすぎた」いいね
    とはいえそれは絆の力の発生をも意味し得るわけでどちらにとってもまだわからんな

  • 12二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 06:58:36

    V(・x・');V 三 <仲良くなりすぎた

  • 13二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 15:10:03

    今更ですけど新スレ乙です

  • 14二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 23:23:59

    保守

  • 15二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 08:28:48

    本当にレース中の描写が細かい

  • 16二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 11:06:04

    このレスは削除されています

  • 171着をねらえ!25/09/13(土) 11:07:18

    接戦を繰り広げるイリフネとフォフォフォライト、二人の前に最大にして最後の壁が立ちはだかる。桜花賞が開催される阪神レース場での1600mレースで走者たちの前に最後の難関としてその存在感を示すのが高低差1.8メートル差の急こう配の坂である。
    最終コーナーから下り坂を下りスピードがついた状態で臨むこれは単純なコースデータのみを見れば、勢いそのままに駆け抜けられそうにも思えるが、1600mという絶妙な距離はレース全体の高速化を招き、結果としてここに至るまでに多くのウマ娘がスタミナを消耗しており、それがこの坂の難所具合を加速させているのだ。

    今回のレースにおいてもその凶悪さは健在であり、多重掛けした回復スキルでスタミナにある程度の余裕があったはずのフォフォフォライトであるが、集中砲火で喰らったデバフスキルが今になって足を引っ張り始め、じとりと汗が額を流れる。
    レース巧者でありスタミナ調整が得意な彼女であるがGⅠという大舞台ではそうも言う余裕はなく、ここから先には根性勝負も視野に入れなくてはならない。問題はその相手だが、横目で見たその姿にフォフォフォライトは驚愕する。
    並んでいたのだ。
    トップスピードでは今のフォフォフォライトに敵わないはずのイリフネがこの激坂で自分と並んでいたのだ。しかし、彼女も余裕など一切内容で一文字に結ばれた口の端からは尋常ならざる熱量が蒸気となって漏れ出し、滝のように流れる汗が髪を乱し、音が出るほどに握り込まれた両腕を力の限り振り続け、その反動で一歩また一歩と足を回す。
    イリフネとて逃げウマ娘である以上フォフォフォライトと同じデバフを受けていることには変わらない。ならばなぜ、いま彼女はフォフォフォライトに並んでいるのか。
    今の彼女はどれだけトレーニングを行いピッチ(足の回転速度)やストライド(走り幅)を鍛えても、どれだけスタミナを向上させてもなぜか一向にタイムが縮まらないという悩みに直面していた。だがこれは言い換えれば「それ以上の速度が出るはずの能力を持て余している」ということでもある。つまり、イリフネの速度が変わったわけではなく、普段から能力を十全に使えていないがゆえにデバフスキルを喰らってもなお現状の最高速度を出すことができているのだ。そして、同じくデバフをフォフォフォライトが喰らったことで速度が並び、今こうして並走状態にあるというわけである。

  • 181着をねらえ!25/09/13(土) 11:08:25

    今の自分にはフォフォフォライトに勝つためのスピードは出せない。ならば、自分が勝てるスピードにフォフォフォライトのスピードを落としてしまえばいい。イリフネがフォフォフォライトの作戦を黙ってみていたのはこの真の狙いを通すためだったのだ。

    『並んだ!この土壇場で2勇が並び立った!』

    興奮したようなアナウンスに観客席のボルテージは本日最高潮、しかしその声も今の二人には決して届かない。もはや意地と意地のぶつかり合いとなりいかに相手よりも強い根性を持つか、レースの勝敗はそこにかかっていた。
    坂を上り終えた時、二人の体力は互いに限界レベルであった。フォフォフォライトにはもう使えるスキルは残されていない、正真正銘の自力勝負である。息を吸うたびに短時間に酷使された肺が針を刺したように痛い。しかしどうしてか辞めたいという気持ちは一切湧いてこず、むしろもっと走っていたいとさえ心が求めているようであった。レースはあくまで真剣勝負、だがウマ娘にとって走ることは楽しいことなのだ。それはどこで生まれてどう育っても、たとえそれが月だとしても同じなのだ。
    本気だからこそ楽しい、楽しいからこそ負けたくない。その気持ちはいつかの日、煤汚れにまみれた彼女とトレーナーが出会った日、彼がそれを見つけてほしいと願っていた者でもあった。

    そしてそれはきっとイリフネも同じで、スタミナを大きく消費し相当に苦しいであろう彼女もまたその口角をわずかに上げ、目を輝かせ懸命に走っていた。
    二人の少女は死力を尽くし、己の持てる全てを持って青い芝の上を駆ける。もはや魔法のような力は出せず、気力と精神が彼女たちをゴールまで引っ張っていく。
    苦しいけれど終わらないで欲しい楽しい時間、だがどんなものもいずれ終わりが来る。それはレースだってそうだ。そしてその終わりは劇的な物でなくてはならない。

  • 191着をねらえ!25/09/13(土) 11:09:32

    ゴールまで50メートルを切る最終盤、イリフネとフォフォフォライトは横一直線に並び意地のぶつかり合いが続いていた。お互いにすでに限界、持てる力はほとんどない。だが、“全て”を使い切っているわけではない。

    イリフネが力強く踏みだした足元から青い光が舞い上がる。それは彼女が最後の最後まで隠し持っていた最後の切り札。一番最初に習い、そしてホープフルを制したあの力をまだ彼女は使っていなかった。イリフネがフォフォフォライトに勝つために考えた作戦、その最後のピース、残った“一歩分”の『末脚』が爆ぜる。
    周りのウマ娘にフォフォフォライトの最高速を削ってもらい、なおかつ終盤で自分と叩き合いをしてスタミナを浪費させてもフォフォフォライトとの速度差はほぼ同じにしかならなかった。だからこそ、イリフネは待った。勝つための勝負の一瞬、逆転のために仕掛けどころを。残った最後の末脚が“僅か”にフォフォフォライトの速度を上回る。ほんの1歩分、しかして明確な“差”。僅かなその差をフォフォフォライトがどうこうできる余地はもう残されてはいなかった。
    一陣の風と共にゴール板を金の流星が駆け抜ける。

    『ゴール!勝ったのはイリフネ!厳しい接戦を制し桜の冠を手にしました!』

  • 20二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 19:14:04

    伝説の始まり 

  • 21二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 19:59:35

    思いがけず地に足ついた決着
    しかしそれもまた良い

  • 22二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 23:02:18

    何だかんだで、最後はウマ娘としての意地のせめぎ合いなのが良い

  • 231着をねらえ!25/09/13(土) 23:38:50

    次々にウマ娘たちがゴール板を駆け抜け、それを反映し観客席向う正面に設置された電光掲示板が1~5着までのウマ娘の出走番号とその着差を表示していく。

    「う~ん3着か~すご~い離されちゃった~」

    思った以上に開いてしまった着差に悲し気に言葉を伸ばすアンユークリッド。その隣では惜しくも掲示板を逃し、口惜しさを口元ににじませるピピボーイングの姿があった。

    空が青い。酸欠でチカチカと明滅する視界においてもペンキをぶちまけたような真っ青な空だけはよく見える。汗で肌に張り付いた勝負服を押し上げ胸が隆起するたびに酸素と共にターフの芝の青臭さと土の匂いが鼻孔を通り抜け、張り詰めていた緊張が体の芯から指先の末端にかけて解れていく。阪神レース場のターフの上、イリフネは大の字で倒れ込んでいた。今の自分の力、己の持てる策、全ての実力を出し尽くし、焼けるような肺の熱さに達成感が笑顔を浮かべる。
    本当にギリギリの戦いであった。こうなるであろうという事前予測、レース中の判断、周りのウマ娘の行動、どれか一つでも欠けていては今この勝利はイリフネの手の中にはなかっただろう。総じて今回は運がとてもよかった。

    「賞賛、見事な走り」

    「へへ…そっちもなのです」

    その中でも最大の幸運はフォフォフォライトと“友達”であった、これに尽きるだろう。もし、イリフネが彼女のこともその走り方も知らなければそれを逆手に取った今回の作戦を思いつくこともなく、スピード差に負けていたことだろう。
    彼女と友人であったこと、彼女が父のチームのウマ娘であったこと、それはイリフネにとってとてつもない幸運であった。


    「うぉぉぉぉ!!フォフォフォもイリフネもどっちも頑張った!偉い!かっこいい!最高だ!」

    さて、そんな幸運を運んできた張本人であるイリフネの父もといフォフォフォライトのトレーナーは感動にスーツの袖を濡らし、風呂の線が抜けたように大滝の涙を流し感動を叫んでいた。

    「親バカかトレーナーかどっちかにしてくださいッス…」

    そんなトレーナーの姿を見て彼のチームのウマ娘はドン引きして2歩分距離をとった。

  • 24二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 06:18:57

    > 総じて今回は運がとてもよかった

    最も運がいいウマ娘を競うレースを争う資質十分ですねこれは

    路線というより桜花賞を選んでたからこの先も気になる

  • 25二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 14:45:06

    とても激しい削り合いでしたね

  • 26二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 23:08:52

    保守

  • 271着をねらえ!25/09/14(日) 23:49:49

    息を整え、フォフォフォライトの手を借りてようやく立ち上がったイリフネが応援してくれたファンに応えるように大きく手を振っていると、思わず目を閉じてしまうほどの風が吹く。目を開ければ舞い上がった青い芝に頬を撫でられるように風が髪を梳く。髪と同じ栃栗毛の尻尾は横一文字に刈り揃えられ、意志の強さを感じさせる太さの眉が気難しそうに吊り上がっている。突如現れた見知らぬウマ娘、彼女が身に纏う青紫の衣装が彼女の所属が中央トレセン学園であることを示している。

    「敵の力を逆手に取り己の勝機のため刃を隠すその走り、見事であった。やはり見込んだ通り、この世代最大の素質を持つ者は“イリフネ”お前のようだな」

    図が高いというよりも尊大にして誇大というのが正しい態度も威勢も大きなそのウマ娘は不敵に笑う。

    「そんなそんな、私が宇宙最強の究極プリティ美少女だなんてそんなお世辞が上手なんですから。…って!あなた誰なのです!?」

    一言一句そんなことは言っていない妄言に浮かれるイリフネであったが、今まだここがレース会場として使われており、関係者以外立ち入り禁止なことに気づき、目の前のウマ娘が何者なのかを問う。

    「問われれば答えることが我が一族の流儀!我が名は“ラストブレイド”!貴様を倒し『最強』と成る者、この名しかとその胸に刻みつけるがいい。さぁ!死合いをしようじゃないか!」

    どこまで大胆不敵なのかこのウマ娘、爛爛と輝く赫の瞳に揺れる意思の付け入る隙はなく風格だけではない、魂さえも強者であることを、その事実が服を纏っているようにも見える。

    「レースはもちろん受けて立つのです!あなたもオークスに出るのですか?」

    桜花賞を制したイリフネが次に向かうのはトリプルティアラ2つめの宝冠『オークス』樫の女王ともいわれるこの称号はかつての母ですら手にすることができなかった栄誉あるものである。イリフネとしてはこのレースに出走することは他に疑いの余地のない事実であり決定している未来であった。
    しかし、ラストブレイドはイリフネの発言を聞くなり競争欲と闘争心に満ちていた表情をしぼませる。

  • 281着をねらえ!25/09/14(日) 23:50:49

    「オークス?あんな見てくれだけを取り繕った装飾華美なレースなど、我々が戦う舞台にはふさわしくない」

    「はっ…!?」

    トリプルティアラを走る全てのウマ娘を敵に回すようなその発言に額に熱い血が滾るが、ラストブレイドの口から告げられた言葉はそれすら忘れてしまうほどの物であった。

    「イリフネ!ダービーに来い!あのレースこそ貴様という“最強”を切り伏せる場に相応しい!」

    トリプルティアラの道を放棄しクラシック三冠のレースに挑んで来い、ラストブレイドがイリフネに叩きつけた挑戦状はあまりにも現実味にかけるものであった。そも、クラシック三冠とトリプルティアラでは設立の目的自体が違う故にどちらに優劣があるというものでもない。そのうえで、トリプルティアラに出走して後からクラシック三冠のレースに出るなど前例はあるにしても異例すぎる事態である。
    イリフネにだってオークスに出たい気持ちは強い。だがそれ以上に母が、尊敬するウマ娘たちが、親友が歩んできたこのトリプルティアラという道を装飾華美などというふざけた言葉で修飾するこのふとどきものを許せない気持ちがメラメラと燃え盛っているのだ。

    「…ったるのです。その勝負やったるのです!」

    もはや誰もイリフネを止めることはできない。石炭を燃やしすぎた列車のように燃え滾る熱が衝動となって彼女を突き動かす。

    「私は『日本ダービー』に出走するのです!」

    イリフネの宣言に会場中がどよめく中、ラストブレイドだけが闘争本能に目を輝かせていた。

    「その言葉、嘘にするなよ」

    満足したように帰っていくラストブレイド。周りの誰もがいきなりの事態に取り残される中、イリフネだけは彼女の後姿をその目に焼き付けていた。
    一週間後、ラストブレイドが圧倒的大差で『皐月賞』を勝ったというニュースがイリフネの元に飛び込むこととなる。

  • 29二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 02:28:53

    思った以上にめちゃくちゃなことを言ってて芝生えた
    これは売り言葉に買い言葉となっても致し方ないが冷静になってからどう動くやら

    言われて思うに元々の両路線の設立経緯の色が強かった昔のクリフジばあさんとかどっちも出てたから、
    「レースに疎い人でも知ってるしウマ娘の大半が一度は憧れる、ならばそれこそ最大の華だろう」
    って旨の意見はわからなくもないのよね
    それはそれとしてラストブレイドの物言いは言い過ぎてるけども

  • 30二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 06:53:51

    因子継承のときに見たイリフネそっくりの人影
    あれはもしかして違うローテを走ったイリフネ本人なのかもしれないな
    ほら、当初の設定だと牝馬三冠だったし

  • 311着をねらえ!25/09/15(月) 12:00:48

    イリフネ'sメモ⑫
    「お姉さまの1日」

    【朝】
    他の生徒に混じって登校する姿を発見。私のいる寮では見た事がないので多分お隣の寮に住んでいる(はず)なのです。
    髪が寝癖でハネたり、最近の流行りで制服を着崩している子も多い中、髪の乱れも制服の乱れもない模範的トレセン生。強さは身なりからなのでしょうか、私も気をつけないと!
    そうそう、挨拶をしたら手を振ってくれました。今日の朝ごはんはドライカレーおにぎりだそうです。

    【授業中】
    ポンポンが痛くてお花摘みに行ったのでついでにお姉さまの教室を覗き見に行ったのです。お姉さまったら最前列で授業を受けていてとっても真面目な様子。私がここにいる事がなんだか恥ずかしくなってすぐに教室に戻ったのです。

    【昼】
    授業が全部終わって、食堂でソアラとお昼ご飯を食べているとお盆を持ったお姉さまの姿を見つけました。こっちの席が空いていますと手を振ると後ろからコーチの姿。そのまま2人で食堂の端の席に向かってしまいました。
    後で聞いたら今日は海鮮スープカレーだったそうです。

    【午後】
    今日も元気にチーム部屋に行くとお姉さまが本を読んで待っていました。お姉さまはよく本を読んでいて読むスピードは早いのに全部覚えているのだから驚きです。今日は「若草物語」を読んでいました。私も小説を楽しめるようになったらお姉さまに近づけるのでしょうか

    【夜】
    トレーニングも終わってヘトヘトだけど頑張って寮まで帰るのです。でも制服すら重くて、今すぐ石畳と一体化したい気分なのです。
    お姉さまといったら疲れなどどこへやらといった感じで、私よりも走っているのに本当に凄いのです。私もいずれはあんなふうになりたいのです。
    ちなみに、夜ご飯はカレーうどんだったそうなのです。私はレバニラだったのです。

  • 32二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 20:58:29

    アプリ的育成なら、ダスカシナリオみたいに選択肢で目標変更する描写でも入るのかな

  • 33二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 22:25:55

    カレー好き過ぎぃ!

  • 34二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 06:30:48

    朝の保守

  • 35二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 15:08:36

    このレスは削除されています

  • 36二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 22:33:33

    イチローか何か?

  • 37二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 07:00:16

    お姉さま三食カレーなの今気づいた

  • 38二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 11:08:38

    常識はずれの女帝ルート

  • 39二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 20:08:09

    これで今まで投稿されたオリウマが右耳も左耳も出てこれるようになる訳か

  • 401着をねらえ!25/09/17(水) 20:18:00

    日は変わって平日のトレセン学園。

    「あなたの後ろから坂道駆けてゆく♪燃えるような日差しを追・い・抜いて♬」

    鼻歌交じりにスキップする上機嫌なイリフネ。桜花賞での勝利後、GⅠウマ娘となった彼女はすっかり有頂天になり、テンションの高い日が続いていた。無理もない、GⅠというのはそもそも出るだけで一生の自慢、勝てば末代までの語り草と呼ばれるほどの物であり、数千いる同期の中でもその称号を勝ち取れるのはわずか一握りにも満たないのだ。浮かれて当然の功績ではある。
    しかし、いつもテンション自体は高いイリフネであるが今日は殊更に上機嫌に見える。それはなぜか、理由は単純であり今日からトレーニングが再開されるからだ。チームの方針で大きなレースで体を酷使した後は数日間体を休ませる期間を設けることになっている。レースで溜まった疲労が抜けきらないと怪我の原因やパフォーマンスの低下にもつながってくる。所謂勝つための休息というやつである。
    とはいえ、今のイリフネはダービーであのいけすかないラストブレイドを倒すという大義に燃えている。1日でも早くトレーニングを再開し、力を付けたいのだ。

    「おはようございますなのです!」

    元気なあいさつで扉を開ける。トレーナー室にはすでにイリフネ以外のチームメンバーにコーチまでそろっており、本を読んでいたお姉さまもイリフネに気づくと本から目を離し、微笑みを浮かべてくれる。
    キーボードの高めの打鍵音が止むと、モニターの後ろからコーチも顔を出し、チームメンバーが取り囲む机の前に立つ。彼の脇に置かれたホワイトボードにはチーム各員の日程や目標が記されている。

    「まずはイリフネ、桜花賞制覇よくやった。完璧とまではいかないがいい走りだった」

    珍しいコーチのストレートな誉め言葉にイリフネも思わず頬が高揚する。普段厳しい人ほどこうゆう時のギャップが乙女心にくるというものである。

    「イリフネちゃん本当によく頑張ったわ。ちゃんとレース全体も見れているし、作戦も冴えてた。アタシが教えたスキルもたくさん使ってくれて先輩嬉しいぞ!」

    「うん、いい走りだった。とってもキラキラしていた」

    先輩二人からも今回のイリフネの走りは好評なようで、抱きしめられたムーバの豊かな膨らみが柔らかくて心地がいい。

  • 411着をねらえ!25/09/17(水) 20:19:02

    ここまでは穏当な雰囲気、しかしコーチがサングラスをかけ直すと場の空気が一気にピシャリと締まる。

    「イリフネ、何故独断でダービーに出ると言った」

    イリフネの所属するチーム「オルク」では基本的に出走したいレースには出すという方針であるがそれは一度コーチと相談してからであり、イリフネのように大衆の面前で宣言し相談する前に出走を決めるようなことはしていない。
    レース選択はそのウマ娘の健康状態も大いに要素として関係してくる。ウマ娘は選手である前に親の保護下にある子供だ、コーチとしてもイリフネの独断はあまり好ましいものではなく、それもあってその言葉には相応の威圧感が混じっていた。
    しかし、当のイリフネは全く臆することなく立ち上がる。

    「そんなの決まってるのです。オークスをトリプルティアラをバカにしたあいつをやっつけてギャフンと言わせるためなのです。勝って、あいつに謝らせてやるのです」

    その目は使命感に燃えていた。幼いころから接してきた多くのティアラ路線のウマ娘達、ティアラ路線で輝かしい結果を残し、偉業を打ちたてさえした母の存在、何よりも桜花賞を勝ったというプライドと責任感が使命感へと転じ、かの邪知暴虐のウマ娘を倒さなければならないという義憤に駆られているのだ。

    「…それが今、お前が走る“本当”の理由か?」

    「当たり前なのです!でも、今のままじゃダメなのです。今のままじゃダービーでは厳しい、それは私にもわかっているのです。だからコーチ、私をもっと鍛え…」

    コーチは怒らなかった。ただ、イリフネの真意が何なのかそれを見定めるように彼女を見ていた。しかし当のイリフネはもうトレーニングのことしか頭になく、今、コーチが聞いている質問の真意を理解しようとすらしていない。

    「イリフネ」

    そしてそれはひどく冷たく、突き放すような結果として表れる。

    「お前はもう、トレーニングに来るな」

  • 42二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 20:36:51

    このレスは削除されています

  • 43二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 20:39:16

    実際“本当”の理由の乗らない走りではラストブレイドに対しても他の子に対してもダービーをレース界で最も有名なレースたらしめる世間中の憧れや注目に対しても失礼ではあるよね
    その理由が乗った走りとこそラストブレイドも戦いたいのだしお姉さまもとってもキラキラして感じたのだろうし

  • 44二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 23:38:30

    これは手厳しいが、残念ながらコーチの言うことを聞けないスポーツプレイヤーには当然とも言えるのよね……

  • 451着をねらえ!25/09/17(水) 23:41:56

    一瞬、コーチが何を言っているのかよくわからなかった。その1秒後、コートの言葉を頭が理解し始めて今度は焦りとじとりと気持ち悪い冷や汗と共に擬音が濁流のように湧き上がってくる。

    「そ、それはどういう…」

    「言葉通りの意味だ。今のお前にトレーニングをする意味もレースに出る資格もない」

    零れるように出たその疑問の言葉は無情にもより詳細な言葉になって返ってくる。
    なんでこうなった?何が原因だ?分からない。今この瞬間までイリフネは自分が正しいと思ったこと、やりたいと思った道を貫いてきた。周りもそれを応援してくれていたし、実際、たった今梯子を外されるまでそうだったはずだ。だから分からない。どうしてこうなってしまったんだ。

    「俺がお前を指導していたのはお前が“本物”のウマ娘に成れる素質を持っていると感じたからだ。だが、それは買い被りだったようだ。今俺の言葉を聞いて、その理由が分からないのがお前の現状であり、先ほどの質問への答えだ」

    コーチの言葉は冷たい。だが、そこに怒りの感情は無くむしろ落胆や失望といった感情の割合が多いように思える。
    冷たいサングラスの視線に先輩たちに助けを求める。

    「…アタシもコーチと同じ考えだよイリフネちゃん。だから、助けてあげられない」

    しかし、いつも親身で何かあるとすぐに助けてくれるムーバもこの時ばかりは首を横に振り、イリフネが伸ばした手を跳ね除けてしまう。
    お姉さまは…座ったまま何も言ってはくれない。

    「今、お前はこの場所に相応しくない。即刻出ていけ」

    コーチの言葉に心臓に氷の刃を刺されたような息苦しさと痛みを幻視する。部屋は静まり返り、イリフネを助けてくれる人はどこにもいない。ただこうなってしまった理由が分からず呆然とするイリフネだけがそこにいてでくの坊のように突っ立っている。

  • 461着をねらえ!25/09/17(水) 23:42:56

    そうして開いたままの瞳孔が小刻みに揺れ、額から滝汗が流れるようになり、みるみる内にイリフネの顔が青ざめていくと、ついに椅子を引きお姉さまが立ち上がる。
    きっと自分を見かねて助け舟を出してくれるのだと、淡い期待がイリフネの胸中を漂う。しかし、現実はそれを引き裂くように青いプラズマが瞬く。その輝きに思わず目を閉じると、首筋を掴まれ足が地に着かない浮遊感を感じる。この感覚をイリフネは知っている。あの日、商店街で転びそうになったあの日、助けてくれた謎の力。

    「やっぱり、あれはお姉さ…」

    だがお姉さまはイリフネの言葉を聞いてはくれず、不可視の腕でイリフネを宙に摘まみ上げたまま彼女をチーム室の扉の外に摘まみだしてしまった。
    沓摺を挟んで部屋の中と外、へたり込むイリフネをヒビノミライが見下ろしていた。

    「星が輝くために必要なものは何か知っている?」

    一体何のことなのだろうか。星が光って見えるのは恒星の光を反射しているから、その恒星は核融合反応によって光り輝いている、このくらいは科学の授業の範囲内だ。だが、お姉さまはわざわざそんなことを聞くために質問したのだろうか。分からないまま沈黙が続く。

    「きっとそれが今、貴方に必要な物」

    それだけ言って、お姉さまは扉を閉めてしまった。大慌て手でドアノブを回しても空転するばかり。扉を叩いても誰も開けてはくれない。そしてようやく理解した。自分はコーチにもムーバ先輩にも、お姉さまにも捨てられてしまったのだと。
    涙がぽろりぽろりと零れていく。何がいけなかったのだろう、どうして怒らせてしまったのだろう。分からない。だって私は正しいことをしようとしているだけなのに。

  • 47二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 01:56:35

    オークスをコケにしたラストブレイドとある意味同じように
    イリフネもダービーを無意識に無礼てる感じは確かにあるかもしれない
    というのも今のイリフネの物言いは見方を変えれば
    「ティアラ路線やその先達たちの価値を守る」という頼まれてもないのに掲げた大義・正しさのもと
    「仕方なく」あのダービーに出ると言ってるに等しいのよね
    自分の中に生まれた気持ちを第三者のせいにしているとも言える

    売り言葉に買い言葉、争いは同じレベルのもの同士でしか発生しない……は違いそうだが
    ラストブレイドに対してここまで激情を燃やし白黒付けてやると叫んだ理由は他にもイリフネ自身の中にありそうな気がするな

  • 48二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 07:29:33

    イリフネを突き動かした気持ちに気づかせてくれるのは、ママか、パパか、もしくは妹たちなのか……
    そういえばイリフネちゃんの下の子は今年メイクデビューかもだけど、描写あったっけ

  • 49二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 12:10:56

    毎年妹がデビューするタイミングがあるんだな

  • 50二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 19:20:01

    繁殖最強世代の娘たちって今まで出てきたっけ

  • 51二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 23:23:47

    >>48

    順調なら次女グレンリベットがデビューする年だな

    G2複数賞級の子だけど出てくるかな?


    >>50

    各々、代表産駒は設定されているけど直接は出てきていないね

    本来の、競走馬としての歴史からは外れてきているということなのか?

    だったらそのきっかけは? やはり「お姉さま」との出会いなのか?

  • 52二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 23:42:18

    何気にフォフォフォちゃんも生まれからして競走馬と多分全く違う人生なのよね
    その原因である世界の歴史を遡って考えると、
    タキオンの提唱に始まったというモーメント機関や感情エネルギーの歴史にもお姉さまの出自は関わっているのだろうか
    そこんとこいくとグレンリベットが何かの拍子にG1を手に入れる可能性もありそうだなあ

  • 53二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 07:32:26

    時空監察官の部屋にいるのは、果たしてイリフネなのかお姉さまなのか

  • 54二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 15:54:02

    ヘブンリィブライトはでてきて欲しいんだけどな

  • 551着をねらえ!25/09/19(金) 21:51:42

    イリフネ'sメモ⑬
    「お母さんのぱかプチ」

    URAからライセンスを得て販売されているウマ娘のデフォルメぬいぐるみ「ぱかプチ」
    G1レース獲得者を中心にシリーズが展開されており、勝負服の他にも制服、イベント用の特別勝負服さらにサイズも複数種類あり、1人のウマ娘だけでもかなりバリエーションに富んだラインナップとなっている。
    勿論、イリフネのお母さん「キンペイバイ」のぱかプチも数多くの種類が展開されていて、「通常勝負服」「トレセン学園制服」だけでなく、奉納舞用でエリザベス女王杯でも着用した「天女型勝負服」、ラストランとなった有馬記念で着用した「決戦用勝負服」も発売されている。
    更にはドリームトロフィーリーグで着用していた通常勝負服の発展版にあたる「アドバンスド勝負服」やライブイベントに参加した際のステージ衣装なんかも発売されていて、特に後者は会場限定なこともありかなり高い額で取引されている。
    本人の特徴を反映して少し小さめのサイズとなっていて、出来も良くファンからの評判も高い。


    ちなみに、ぱかプチ以外にもフィギュアなんかも発売されているのだが、そっちは「淫魔像」や「スケベ御神体」と呼ばれており、衣服を脱がせた画像もネットには出回っている。
    ちなみに肝心な部分のサイズは立体化の見栄えを考慮して小さめに作られており、本人の「生」とはサイズ感がまるで違う。もっとも、それは彼女の夫しか知る由がないのだが。

  • 56二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 22:48:12

    >淫魔像

    ですよね、としか言いようがない

  • 57二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 23:03:59

    映像や写真から本来のサイズを割り出したバカ(褒め言葉)がワンフェスでガレージキットを売りに出すのが見えた

  • 581着をねらえ!25/09/19(金) 23:14:34

    風呂は命の洗濯である。
    一日の汚れを洗い流し、疲労を癒して明日への活力を取り戻す。何かと疲れやすいこの国で風呂が文化として根付いているのはそれがもたらす心への恩恵が大きいからに他ならない。
    それは時が進み、科学技術万能の世の中となっても変わらず、乙女集うヒミツの花園であるトレセン学園寮の風呂場も今日も今日とて大盛況であった。互いの髪や尻尾を洗い合う者たち、湯船につかり心底幸せそうな顔を晒す者、浴槽の縁に腰掛け談笑を楽しむ者、風呂の楽しみ方は人それぞれ、しかしそこには不思議な調和が生まれていた。
    そんな中、その調和からはじき出されてしまっているウマ娘が一人。

    「イリフネせんぱ~い?先輩?」

    視線の先で水面が揺れる。限られた浴槽では対岸同士の波がぶつかり、異なる波形となって水面を隆起させ走っていく。その様子に何も感じられないままイリフネは後輩からの呼びかけに答えることもなく、浴槽の隅で膝を抱えていた。

    「無理無理、こうなるとしばらくはどうにもならんよ。いきなり『お姉さまに捨てられた』って泣きついてきたと思ったらウジウジモードだからなぁ…」

    諦めと呆れのため息を吐きながらダイナソアシーは慣れた様子で後輩たちを手で払うとイリフネの隣に座り込む。あれだけお姉さまお姉さまと言っていた時とは全く違い、何も話さずしょぼくれた様子の今の親友はあまり見れたものではない。普段明るく笑顔の絶えない彼女が悲痛な表情をしているのは見ているこちらも耐えられないのだ。

    「いやー今日の風呂も気持ちがいいね。なんでも今日は湯本の湯の素入れてるらしいよ」

    どうしたのとか、大丈夫?とかそういうことは聞かない。自分から人に話したくないし、大丈夫じゃないから今この状態なのだ。大切なのはいつも通りにすること。傷ついた心を直してくれるのは日常に流れる時間だけだ。イリフネが自分から話したいと思ったときに聞けばいい。今はただ相変わらずデカい尻にぴったりと肌を重ねるだけである。
    水面が揺れ、ソアラの大ぶりな果実を揺らす。それと同時に彼女の肩に濡れた髪の感触と確かな重みが発生する。視線だけを向ければイリフネがこちら側にもたれかかっていた。
    いつものように素直に甘え始めてくれた親友に安心の笑みがこぼれる。

    その日は、同じ布団で眠りについた。

  • 59二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 23:15:52

    >>57

    ラジオパーソナリティやってるからね

    公開収録イベントとかがあって露出ゼロってわけじゃないだろうし、熱心なファンはやる。多分やる

  • 60二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 00:28:14

    このレスは削除されています

  • 61二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 00:55:12

    >>60

    (ヘブンリィブライトについて一度書いてみたんですがいざ投稿してみるとどうにも領分の逸脱・ルールの悪用に思えてならなくなってきたので一度消しました)

    (結果として無駄にレス枠を使ってしまい大変失礼いたしました)

  • 62二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 09:10:36

    朝の保守

  • 63二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 17:42:50

    >>61

    あれ好きだったのに消したのか 

  • 64二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 17:57:39

    >>63

    ありがとうございます

    ヘブンリィブライトは出て欲しい声が多く自分もそう思うのとキン肉マンの超人募集みたいなものがある

    ということでよく設定見たら実馬としてのしかないしせっかくだから書き込んでいつか絶対出るようにするか

    ……と思ったはいいものの、いざ書いてみると前シリーズから設定がある子では訳が違うんじゃないかと思ってしまいまして

    前作ライバルの子とか多分内部的に用意されてて投稿したら事故が起きかねない心配も膨れ上がって限界になった

    ので一回取り下げさせてもらいました

    だったら書くなよと言われたらその通りかと思います 大変失礼いたしました

  • 65二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 23:11:17

    保守

  • 661着をねらえ!25/09/20(土) 23:30:32

    「ほら、口開きな」

    半開きの口にねじ込まれた冷たい熱の塊から甘さが溶け出し、粘性の液体になって口内を満たす。ミルクとチョコの螺旋が喉元を通るたび風呂の熱気で火照った体が内側から冷やされていく心地よい感覚に四肢の指先がから力が抜けていくのを感じる。

    「こらーッ!裸で走り回るな!」

    男と女というものはその本質自体にそう大差はない。男は固くて汗臭くて、女は柔らかくていい匂いがする、あってもその程度の些細な違いだ。飯を食べればトイレに行きたくなるし、暑苦しいと眠れないし、映画を見る時はポップコーンが欲しくなる。
    だから風呂上りにだらける格好になるのも同じで、それが同性だけの空間ともなればそのルーズさと視線の気にしなさは一級品レベルまでになり、今全裸で走り回り、指導寮生に追いかけまわされている中等部のウマ娘を笑っているソアラも、その隣で口の端から溶けたアイスが零れているイリフネも、今はパンツとブラだけの下着姿でリビングのソファーに体を預けている。
    普段、レースで懸命に走り輝く姿を目にしているファンからしてみればここまで無防備でだらしのない姿をしている彼女たちの姿は幻滅モノかもしれないが、生憎様ここはそんな不埒な輩がより付けない乙女の花園。女の子らしさを脱ぎ捨てることのできる場所で堅苦しい型を守る必要性もない。気楽に自由に過ごすのが寮生活の鉄則だ。

    両胸を暴れさせ走り回る後輩の姿にひとしきり笑ったあと、ソアラは視線を左隣に向ける。相も変わらず親友は心ここにあらずといった様子で、食べ終えたアイスの棒を両手で持っている姿は3割増しでイリフネが見える。しょぼくれた子供そのものだ。

    「ねぇ、イリフネ。デートしない?」

    気分がアガらないのならどこかに出かければいい。外を歩いて楽しいことをして、それだけで人は前を向けるようになるしモヤモヤが少しは晴れる。だけど今のイリフネはちょっとやそっとでは動きそうにないからテコで動かしてみる。

    「桜花賞終わってから一緒に買い物とか行ってなかったでしょ?だからさ、二人でデートしようよ。好きな洋服着て美味しいもの食べて映画見たりショッピングもいいね。…どうかな、一緒に行かない?」

    沈黙。言葉は掛けた、あとはイリフネがどうするかだけ。
    視線が僅かにこちらに向く。

    「…行く」

    消え入りそうなほど小さな声。アイスの棒をギュッと握りしめていた。

  • 671着をねらえ!25/09/20(土) 23:35:45

    【募集】(期限:明日一杯)

    ①イリフネとソアラのデートの行先

    ②デートプラン

    ③二人の服装(私服)


    ※どれか一つからでもOKです。元気の出るデートプランを考えてあげてください。


    〈テンプレ〉

    ・募集テーマ番号(①~③)

    ・内容

    ・その他なにかあれば




    >>64

    書いてもらえるだけ書いてもらえればそのまま全ては無理かもしれませんがいただいたアイデアは何かしらの形で反映させていますのでお気軽にどうぞ

  • 681着をねらえ!25/09/20(土) 23:38:10

    ちなみに2人が食べているアイスはこれです

  • 69二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 23:41:43

    >>67

    ありがとうございます それでは改めて主さんのお言葉と好評してくれた人に甘えまして……


    【名前】ヘブンリィブライト

    【耳飾り】左耳

    【身長】180cm

    【スリーサイズ】B86・W66・H99

    【髪色】白毛

    【走り方】

    母の因子が色濃く、結果的大逃げを誇る。

    しかし後々″本物″だらけな状況になれば話は変わってくるかもしれない。

    【紹介】

    ウマソウルの大体は下記参照。

    https://writening.net/page?A2mZdQ#i7


    ログにあった要望からするとイリフネの父のチームの者でイリフネとは世代が1、2個前後する?


    ヒシアケボノにも匹敵する巨躯だが彼女を逆にしたようなスタイル。母コードヘブンを拡大して上半身の空気抵抗をやや削ったような出立ちはまさしく天の巨神兵。

    母譲りのスピードと脚力に異様な重さが加わり、走るとバゴ!!という足音が発生する。

    幼少の頃からあまりに大きくなりすぎている彼女を、ヒシアケボノ早期引退の歴史から危惧した母やトレーナーが少しずつ指導。

    結果反動を蹴るものに流す術を修め、自重に反し主戦場となる中長距離を走れる脚になっていった。

    そのパワーの無駄のなさは、地や壁を蹴ればヒビのない穴や凹みが生じるほど。

    また地鳴りのような足音だけでも畏怖をもたらす存在であり、いかなる時もキュートさ「しかない」表情や振る舞いも相まって遠巻きに見る分には熱狂を催すが直接戦った相手やそのトレーナーには「悪魔よりずっと恐ろしい」と語る者もいる。

    総じて清すぎる心と強すぎる身体が変な相互作用が起こしたその精神性は、天の光が如く人を惹きつけながらも見すぎた者を灼いてしまう天人めいた問題を抱えている。

    母がかつて本格化不全や人類味あふれる苦しみに呻いていたのとは対照的とすら言えるかもしれない。


    実は、後に全員左耳飾りのウマ娘姉妹の母となる未来がある人物。

    その中には飛び級生にして新たな伝説となる娘もいる……かも。

    (本人実馬の産駒設定と第19子のライバルとなるコードヘブンの孫の件とウマ娘としての年代の帳尻合わせ。

    なので反映次第では以前書かれてたプラムライブラリが知っていたりして)

  • 70二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 02:19:18

    ・内容
    ②デートプラン
    イリフネがよく知りもせず出走宣言した日本ダービーとは何なのか?を伝えるもの
    ちょうどダービーを題材に誇張なき超次元レースが巻き起こされるアニメ映画
    レジェンズシナリオのような展示館
    時期柄普通にショッピングしてても聞こえるレースを全く知らない人がダービーだけは話題にしている様子
    などを見聞きしていく
    こう書くと説教くさそうだが要するにこの世界における普通のデートにちょっと気遣いが入ったもの
    だがせっかくなのでソアラ自身を目の前の友達にもっと知って欲しいという欲も若干入っている

    ・その他
    そういえばソアラの三冠路線での戦績ってどうだったんでしょうか?
    今シニアクラスなこととウマソウルの影響下で路線を選んだ体験がある=どうやら出ていたらしいことはこれまでの話に出てましたが、
    例えば今回の話題において実はダービーウマ娘だったとしたら?と思ったんですよね
    元々ティアラ路線のつもりで今こんな問題が起こったくらいには興味がなかったイリフネなら聞かなかったから知らなかったもありそうな話ですし……
    それ次第では上記はもっと重さのあるプランになるのかもしれません

  • 71二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 09:35:20

    >>68

    食べたくなってきた

  • 72二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 18:34:45

    デート楽しみ

  • 73二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 19:06:12

    >>68

    これおいしいですよね

  • 74二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 00:07:47

    保守

  • 75二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 06:46:24

    なんにせよ、女の子が辛い表情をしているのには心を痛めるものだ
    心を晴らした状態で、東京芝2400mに挑んで欲しい

  • 76二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 15:15:26

    話は変わるけどイリフネちゃんってトレセン学園を卒業したら母親の代理で妹の学校行事に出席してそうじゃない?

  • 771着をねらえ25/09/22(月) 23:21:16

    >>70

    ソアラも設定的にはお牝馬なので一応ティアラ路線の子ですね。その上で惜しいとこまでは行くんだけど勝てはしなかったという感じです。

    彼女の夢であるグランドスラム(この時点では大阪杯は含まれない)達成も去年は達成できなかったので今年こそはという感じ。


    それと、別にイリフネはダービーを知らない訳でも興味がない訳でもないです

    ただ単純に自分の行きたいレースがティアラ路線だったというだけで、クラシック三冠に行きたい気持ちだったらそっちに行っていたと思います


    そもそも、両親共にウマ娘レースに深く関わる家なので重みやウマ娘がダービーにかける熱意が分かっていない訳では決してありません。天然だけどおバカではないのがイリフネです。ついでにπの重みもありません

  • 78二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 23:39:21

    >>77

    補足ありがとうございます

    これは一から十まで全てを勘違いして書いてしまいましたね……大変申し訳ないです

    特にソアラが設定的にはお牝馬というのは今初めて知りました

    正直今までずっと右耳飾りのつもりでいたけど多分どこかにあったのを読み落としてたんだと思います、本当すみません

    しかしその戦績はなんか2着ばかりの名物ウマ娘っぽさ出て来たなあ……

    ライバルにトリプルティアラウマ娘がいそうですが目標からして春天も走れる子なので世代不明のヘブンリィブライトと関係があるのだろうか


    あとはダービーについてもそうなのですね

    ということは別に「行きたいレースじゃないけど大義ゆえ仕方なく」みたいな無礼た気持ちもないわけで

    むしろダービーに予定を変えたいと思った本当の理由が怒りで覆い隠されてる感じなのかな


    ともかくこうなっては全てが的外れのデートプランを投稿しっぱなしというわけには

  • 79二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 23:41:25

    >>78

    すみません途中送信してしまいました


    ともかくこうなっては全てが的外れのデートプランを検討材料にしてもらうのも主さんやソアラやイリフネに申し訳ないので、もう締め切って日も経ち考えているかもしれませんがどうしましょこれ

  • 801着をねらえ!25/09/23(火) 00:07:10

    まぁ…私もちょっとリアルが忙しくて中々書けていないのでまだまだ募集中です

    サイゼ行って欲しいとか○○水族館行って欲しいとかそういう簡単な要望で構いません

    あと、女の子って女の子とデートする時なんの服着るんですかね…?

  • 81二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 06:58:13

    >>80

    いろいろとお疲れ様です……


    学生同士だったら制服でもアリかな? という感じですが、おしゃれだったらやっぱり私服なのかなぁ

    私服センスでダイスを振って、高ければノースフライト並みハイセンス、低ければノーリーズンみたいなさじ加減にするとか?

  • 82二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 15:26:34

    サイゼで何頼むか悩む二人は見たいかも

  • 83二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 16:07:46

    思いついたことがあったけど劇物すぎるので、一応書くけどダメなら全然良いからね枠として
    ただイリフネの今を考えた時、気持ちに刺激を与えられそうな人選としてふと浮かんじゃったんですよね

    ①後ろから二番目の行き先:ゲーセンでVRレース。なんかとんでも無い婆さんがソアラを仲介してイリフネと走りたがったためのサプライズ。要するに「その答えはレースの中で見つけるしかない」
    ・婆さんについて
    【名前】 Long Lucky(ハンドルネーム)
    【耳飾り】左耳
    【身長】167cm(VR)
    【スリーサイズ】
    B87・W63・H95・体重パワフル(VR)
    【髪色】栗毛
    【走り方】
    高度な柔軟性を持って臨機応変に対応する。
    一応差しウマ娘のつもりらしいが、実際には速すぎて逃げたり出遅れてから差しちぎったり何かおかしい。
    肉体もおかしかった以上に、意志力が異常なために往時の機能が魂を読み取ったVRに出ているものと思われる。
    【紹介】
    ソアラのネッ友。
    ソアラからティアラで活躍しながらダービーに出ると言い出したかと思えば落ち込み始めた友人の話を聞いて一念発起。
    ソアラに働きかけて走る機会を用意させる。

    ものすごい年寄りで老衰が目立つが病気一つない元気な老人。
    意外と時代の進歩を楽しみ適応しており。
    立体幻像とは別方向にモーメントが使われた、VRウマレータにより全盛期の姿で動けるオンラインレースや各種ゲームが今の趣味。
    若い頃はティアラへ行きたい気持ちから一応オークスにも行ったものの、それをはるかに上回る意志と理由を持って三冠路線を選択。
    示すべき所に力を示し(たのとこの時空では人類であるがゆえに史実通りでありながら運命を変えるほどの意志力に目覚めたのが幸いし)、トレーナーと共に征きともに帰って来た。
    しかし現代は事実上二者択一の世の中。聞いた話と報道からイリフネの存在を察し、自分と似た道を行かんと宣言したのは行きたいレース以上に譲れない想いがあってのことなのかを問いかけたい……のかもしれない。
    しかし憧れだったレース(天皇賞・春)が目標に入っているソアラも巻き込む気でいたりする。

    なお当然だが、オンラインの仲なのでこの人やソアラ、イリフネも含めて本名を知り合うことはない。
    メタ的には言わぬが花というやつである。

  • 84二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 20:54:17

    ①水族館(特にクラゲが綺麗)
    深海生物の飼育研究の展示とかもある。イメージとしては神奈川某所の有名な所。
    ②本スレの基本路線の「未来」に対する「古からのせんぱ……生物」、
    「宇宙」と並ぶフロンティアたる「海」の美しさを見つめる。
    イリフネの趣味的には味変に近いかも。

  • 851着をねらえ!25/09/23(火) 23:26:40

    仕切られた狭苦しい水槽を飼いならされた魚たちがぬたりと泳ぎ回る。人工的な海を三角柱のガラス張りの道が貫通するこの水槽展示はカップルや子供にも人気で、あちらこちらで写真を撮ったりはしゃいで親の手を引く姿を目にすることができる。ドーム型の天井から差し込む日光が水槽を通して青に煌めき、照明の少ない館内は青が支配する幻想的な空間になっていて、デートスポットとして有名なのも分かるほどだ。
    そんな場所において、イリフネは巨大水槽…ではなく、水槽の少ない部屋にいた。
    目の前にあるのは一般的な魚とは違う特異な姿をしたものたち、所謂深海生物と呼ばれる生物たちの標本だったり剥製だったり骨格だったりするものを展示しているエリアである。この水族館は観光以外に研究の分野にも力を入れており、こうして展示されている物の多くが世界的にみると非常に貴重なサンプルであったり、この水族館の研究チームが世界で初めて生きている時の映像を納めたもので、非常に知的好奇心をくすぐられる展示物ばかりである。
    普通の水槽展示を見ても楽しそうな“フリ“をしているように見えた親友が、このエリアに来てから明らかに目を輝かせているのでソアラとしても連れてきた甲斐があったというもの。しかし、ここにある生物の見た目はちょっとばかしソアラの好みではないのもまたたしかである。

    さて、深海展示エリアを抜けたイリフネはここで今日一番の物と出会うこととなる。

    「これ…宇宙クジラの化石なのです…」

    ちょうど行われていた特別展示『深海と銀河展』の大目玉にして日本で初めて展示されることになったとある生物の化石。それは火星と木星の軌道上の中間に存在する小惑星帯で発見され、宇宙空間における巨大生物の存在を証明するものであると共にエーテル理論を裏付けることとなったクジラによく似た巨大生物『宇宙クジラ』である。
    地球の海に生息する巨大哺乳類であるクジラ、それと酷似した骨格を持つと共に宇宙に適した太陽帆のような役割を持つとされるヒレが特徴的なこの生物は生命の起源とその進化過程の類似性を示すと共に、見るものに宇宙という広大な空間で我々人類は孤独な存在ではないという強いメッセージと、空に瞬く星の間を旅する彼らにロマンを感じさせる。
    それはイリフネの胸にもしっかりと伝わっており、目を閉じれば彼がこの宙を飛び回っていた頃の姿が脳裏に浮かんでくる。

  • 861着をねらえ!25/09/23(火) 23:28:04

    エーテルで満たされた宇宙空間を太陽からの風を受け自由気ままに星から星へと旅をする。地球という重力に縛られ、ガラス越しの宇宙までしか知らないイリフネにとって裸のままの命で宇宙を渡るというのがどういう感覚かは想像の範疇を出ない。だが、それがどんなに開放的でどんなに素晴らしいことなのかということくらいは分かる。
    生身のまま宙を飛ぶように自由に生きる。そう、お姉さまのように…
    そこまで考えてハッとする。どうしてまだそんなことを考えてしまうのかと。頭をかぶり忘れようとしても、このクジラとお姉さまの姿がダブってしまう。いつから自分はこんなに女々しくなってしまったんだろうか。

    「イリフネはさ、やっぱり海よりも宇宙の方が好き?」

    ぐるぐるとしてきた頭に親友の声がスッと響く。
    海と宇宙、どちらが好きかなんてあまり考えたことがなかった。家族と毎年行く海水浴は好きだし、水族館もいつもは大はしゃぎで来ていた気がする。でも、親睦会の時、ガラス窓越しに見た宇宙の美しさに心ときめいたのも事実だ。
    思ったよりも考えさせられる難問に頭をひねって考えていると、その様子がおかしかったのかソアラが笑い出した。

    「そんなに難しく考えなくていいんだよ。どっちも同じくらい好きなら同じくらい好きって言えば。胸だけじゃなく頭までカチカチになってきちゃった?」

    「むー!それは後出しじゃんけんすぎるしひどすぎるのです!私さすがにまだ柔らかいのです!」

    ソアラの言葉に怒るイリフネだったが、なんだかそれも面白くて気づかぬうちに口角が上がる。黙するクジラの前で、騒がしいくらいに今を生きる少女たちは笑っていた。

  • 87二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 05:07:44

    お姉さま、銀河中央で活躍した宇宙馬(なんだそれは)とかがウマソウルなのだろうか

  • 88二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 10:47:24

    また新種族が

  • 89二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 19:05:38

    黙するクジラ 
    言葉を発さないから当たり前なんだけどその空間だけ時間が切り取られてるみたいな表現好き

  • 90二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 23:35:34

    地球外生命体の痕跡ってロマンあるよね……

  • 911着をねらえ!25/09/24(水) 23:46:52

    少女たちは造り物の海を横目に青を渡る。群れで泳ぐ小魚たち、バブルリングで遊ぶシロイルカ、岩場で餌をねだるペンギン、水族館の目玉の一つでもあるクラゲの展示エリアでは暗めのライトアップに淡い光で照らされたクラゲたちが宝石のように輝き、水中を揺蕩っていた。
    クラゲは5億年前のカンブリア紀に地球で発見されてからというものほとんどその姿を変えることなく現代まで生き続ける神秘的ない生き物でもある。それが高さがバラバラな水槽に収められている様子は過去の光を地球に届ける星のようでもあり、5億年の光のタイムカプセルたちの彩りでこのエリア自体が星空のように彩られている。

    「ここなら宇宙と海のいいとこどりだね」

    「なのです!」

    フラッシュ厳禁のこのエリアでも現代のガジェットであればなんのその、旧世代のおどろおどろしい心霊写真チックなへたくそな写真に悩まされることはなく、ソアラが懐から取り出したレトロチックなスケルトンカメラで無音の一枚。周囲の光の加減を自動で補正し適当に撮った自撮りでもプロが撮ったかのようなクリアな仕上がり。
    最近のソアラのお気に入りのガジェットの一つでもある。

    水族館を出るころにはもうお昼前。イリフネの腕には特別展示に合わせた限定商品の宇宙クジラぬいぐるみ(Lサイズ)が抱きしめられていて、鼻歌交じりにしゃっきりと歩いては時折くるくるとその場で回りだす。すっかり元気になった親友がそのままお腹を鳴らすので、ソアラは次の目的地にイリフネの手を取って歩くのだった。

  • 92二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 09:07:35

    このレスは削除されています

  • 93二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 10:03:24

    >胸だけじゃなく頭までカチカチ

    この子、結構言うな?

  • 94二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 10:38:28

    >クラゲは5億年前のカンブリア紀に地球で発見されてから

    お姉さま周りの謎のせいで発見したやつが本当にいるかもしれないんだよなこれ……

  • 95二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 17:08:55

    >>93

    ぶちギレられても文句は言えないレベルの煽りだ

  • 961着をねらえ!25/09/25(木) 23:23:35

    昼時で賑わうファミレスここは懐かしきイタリアの風を運ぶ学生の味方『サイゼリヤ』リーズナブルな値段で美味しい食事にありつけることもあり、平日の午後には学校終わりの学生たちが我が物顔で席の一角を占拠している様子を見たことがある人間も多いことだろう。実は休日にも多く生息しているということはあまり知られていない。
    店内に入店して数分、机の片づけに奔走する店員に案内されイリフネとソアラはようやく腰を落ち着かせる。
    勿論、トレセン学園所属の二人もサイゼリヤ自体はよく利用している。行事で疲れた日、テストが終わった日、オフの日、なんでもない日、友と連れ添っておしゃべりを楽しみながら何時間も居座ることもザラだ。そして、ここに来たならば真っ先にやらねばならないことがある。着いたばかりの尻を持ち上げ、向かうはドリンクバー。

    「それじゃあ今回もやるのです、最強のドリンク対決」

    「今んとこは私の32戦29勝。今回も勝ち星上げさせてもらうよ」

    誰もが子供であったという過去を持つように、誰もが一度は想像することがある。それがドリンクバーで複数の飲み物を混ぜてオリジナルのドリンクを作成するという遊び──所謂最強のジュースというヤツだ。何と何を掛け合わせるか、どのような配合にするか、組み合わせは文字通り無限大、上手くいけば極上の美酒へと変わり、損じれば飲むことさえためらう地獄の川の水へ早変わり。そんな地獄を30回ほど繰り返しているイリフネはこの勝負における一つの“正解”へとたどり着いていた。
    それは白ブドウサワーをベースとすること。非常にシンプルかつ淡彩のはじける感触が癖になるこのドリンクはその拡充性の高さからありとあらゆるドリンクと非常に高い親和性を持つ。まさしく掛け合わせドリンク界のメタモンである。

    「ふふ…今回の勝負もらったのです!」

    意気揚々とグラスに白ブドウサワーを注ぐイリフネ。勝負の行く末を今から夢想ししたり顔でにんまりと笑うのであった。

  • 971着をねらえ!25/09/25(木) 23:24:35

    「白ブドウを使うってのは悪くない案だったと思うよ」

    カルピスと野菜ジュースのミックスに口をつけ、ソアラは小エビのサラダを口に運ぶ。その目線の先では机に突っ伏すイリフネの姿。傍らには黒に近い茶色の飲み物がそこにあったことを示す痕跡だけが残っていて、これらが全て彼女の胃の中に収められていることは想像に難くない。

    「でもさ、流石にアイスコーヒーと混ぜるのはどうなのさ」

    傍から見れば聖人に見える人にも実は苦手な人が存在するように、どんなに優秀な素材であっても致命的に合わないものというのは存在する。こと白ブドウサワーとアイスコーヒーはまさしくその例に当てはまっていた。
    コーヒーの苦みが白ブドウの仄かな甘みをすべて塗りつぶし、ただただ苦い炭酸が喉を通り過ぎていく感覚はイリフネにとっては拷問のようなものであった。

    「シュワシュワが…苦い泡がずっと残ってるのです…」

    拷問器具となったシュワシュワコーヒー、ガムシロップを追加したカルピスを飲むまでその苦しみは続いたという。


    机に注文した料理が並ぶたびに店内の賑わいも増していく。制服ではなく私服を着た学生らしき若者、子供によく冷ましたスープを与える母親、むしゃむしゃとステーキを頬張る老人とその向かいでにんじんのサラダを器用にフォークで絡めとって上品に食べている。
    イリフネ達の席にも料理が並び、食欲を煽る匂いに鼻孔がくすぐられて心地よい。
    ミラノ風ドリアもアロスティチーニ(羊の串焼き)も玉ねぎのズッパもすべて美味しい。普段の食事に文句は全くないが、こうして友人と外食するというのはまた違ったおいしさを与えてくれる。

  • 981着をねらえ!25/09/25(木) 23:25:37

    >>94

    ごめんなさい「発生」の誤植です

  • 99二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 23:33:09

    臨場感があって読んでてワクワクする

  • 100二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 23:35:55

    >>98

    承知しました 誤植で盛り上がってしまいすみません


    それはそれとして最強のドリンク対決がパワーワードな上臨場感高くて笑ってしまう

  • 101二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 07:28:28

    人々が自由に宇宙に行き来する時代になっても、青春の過ごし方って変わらないんだな……ってちょっとしんみりしちゃった

  • 102二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 11:41:16

    なんか今になってまだ余白があるならカラオケとかゲームにもある高台とかも見たくなってくるから困る

  • 103二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 19:13:26

    うまさんぽの行き先全部行かせたい

  • 104二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 00:18:57

    >>103

    ネイルしてもらって目をキラキラさせるイリフネちゃん見たくない……? 俺は見たい!!!

  • 105二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 08:57:29

    このレスは削除されています

  • 106二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 16:15:06

    サイゼ行きたくなる

  • 1071着をねらえ!25/09/27(土) 23:02:31

    今しがた到着したフォッカチオをオリーブオイル塗れにしていると、店舗の玄関口からあらたな客がドアを開ける。よく身なりの整えられた親子だった。パリッと襟の立つYシャツの父親と、ベージュのワンピースを着た母親、その二人に手を繋がれてボレロ風のドッキングワンピースを着た5歳くらいの少女が自分よりもずいぶんと高い位置にある両親の顔と店の内装を何回も見回していた。
    そして、席へと案内される道すがらイリフネ達の席の前を通り過ぎた時である。少女がイリフネの姿を見つけると、両親の手を振りほどきイリフネの方へ来てしまったのだ。

    「あー!イリフネちゃんだー!」

    その子はまるでテレビのヒロインでも見つけたようにイリフネをキラキラとした目で見つめていた。ぴこぴこと小さな耳が動き、フワフワとした毛先がぶんぶんと腰のあたりで揺れている。その少女もまたウマ娘であった。

    「あらっ!ごめんなさいお食事中に!」

    すぐに少女の母親が頭を下げる。そんな母親の様子を見てイリフネが立ち上がると顔を上げさせる。そして、少女と目線を合わせるために跪いた。

    「初めまして、あなたのお名前を教えてくれるかな?」

    「わたしはね、アクセルスイーパー!」

    ぴんと外にハネた髪がオレンジ色に染まっている。大きな丸い瞳が何とも可愛らしい。

  • 1081着をねらえ!25/09/27(土) 23:44:18

    「アクセルちゃんだね。今日はパパとママとお出かけかな?」

    「うん!ごはんたべてね、おようふくみるの!」

    「そっか~、アクセルちゃん可愛いからどんなお洋服着ても似合いそうだから私も見てみたいのです」

    イリフネの小さい子への接し方は長年の長女生活によるものだ。毎年増える妹たちの面倒を見ているうちに自然と小さい子への接し方や会話の仕方が身についており、先の桜花賞でも子供たちからの人気はバツグンであった。
    それは娘が無礼なことをしてしまったかもしれないと思った母親ですら安心させるほどで、勝負服でもなければトレセン学園の制服姿でもない完全なプライベート状態であってもファンへの対応は教科書以上の120点満点である。

    「イリフネちゃん、つぎはダービーにでるの?」

    ちいさなファンとの交流を楽しんでいると少女からの純粋無垢な質問に一瞬、息が引っ込む。とても大仰に振る舞ることもできず、苦し紛れに笑って頷く。

    「ダービーってすごいレースなんだよね!がんばって!」

    恐らく親にでも聞いたのだろう、少女はダービーがどれほど偉大でどれほど多くのウマ娘がその栄光を望むのかもよくわかっていない様子で、ただとても凄いらしいレースに出走する自分の大好きなウマ娘に彼女なりの一生懸命のエールを送っていた。

    「うん、私頑張るのです。期待しててなのです」

    親に手を引かれ少女は彼女たちの席、イリフネ達の席からは見えない場所へと歩いていく。バイバイと手を振る少女に手を振り返しながら、息苦しい胸を押さえる。今の自分の行動があまりにも無責任で情けなかった。
    レースに出るにはトレーナーがいなくてはいけない。今のイリフネにはダービーにでる“資格”がない。

  • 109二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 00:10:48

    そういえば6年後にはイリフネに匹敵するソウルを持つドンロコモコがデビューするのよね
    その時11歳くらいなら割とライバルの可能性ありそうだなアクセルスイーパーちゃん
    「くらい」なので飛び級で来るか早生まれ12歳で来るかはどっちもあり得そうだが

    それはそれとしてイリフネの今にこれは純粋だからこそ改めて問われてしまうな
    知識と実感はやはり別物

  • 110二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 09:51:21

    イリフネは自分が「見られる側」になっている事に気付いたのかな

  • 111二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 09:54:31

    有名になるとこういう話しかけてくる子は増えるんだろうな

  • 112二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:06:42

    >>110

    いまはもうスポットライトが当たる側なんだ

  • 113二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:08:54

    どう頑張るのか具体性が伴っていない

  • 1141着をねらえ!25/09/28(日) 19:38:05

    食事を終え、イリフネ達は店を後にし人混みの中を進む。ここは水族館からほど近いショッピングモール、先ほど食事をしていた店もこのショッピングモールの中の1店舗であり、関東圏でも有数の施設ということもあって休日のこの日、多くの人が訪れていた。
    歩きにくさを感じつつもはぐれないようにと手をつないだ二人はとあるテナントの前にたどり着いた。白の調度品と柔らかな暖色のライトに照らされた店内では客が爪を差し出し色やジュエルやイラストを付けて煌びやかな10本のドレスで着飾っていた。所謂ネイルサロンと言われるやつである。
    イリフネという少女はオシャレにこそ人並みの興味はあってもこういった細やかな装飾には手を出したことがなかった。肌には思春期特有の荒れは無く、水分を多分に含んだしっとりときめ細かいもので、髪などは母親譲りの優れた髪質で手入れの必要性もほとんどなく、簡単にまとめただけのポニーテールからいつもいい匂いを漂わせていた。つまり、こうしたオシャレをしなくても彼女自身のありのままで十分美しさを担保できていたわけだ。
    とはいえ、だからといってやりたくないというわけではなく、本屋でティーン向けの雑誌を読んで憧れてもなにかと理由ができて結局やれずにいるというのが実情だ。そのことはソアラも知っていた。だからこそ、いい気分転換になるだろうとデートプランに組み込んでいたわけである。

    ネイルアートにもいくつかの種類が存在し、用途によっても様々ある。例えば『ジェルネイル』は合成樹脂製のジェルを爪に塗布し飾りつけや色付けをして特殊なライトで硬化させる手法だ。個人で楽しむこともできる最もポピュラーなネイルアートとも言えるが、ジェルの食いつきをよくするため爪を削るサンディングと呼ばれる作業をしなければならず、現役のウマ娘にはあまり推奨はされていない。他には塗料を塗る最も手軽な『マニキュア』、販売されているシールをそのまま貼るだけの『ネイルシール』等、個人個人の楽しみ方や生活スタイルによってネイルの選択というのは多岐にわたる。

  • 1151着をねらえ!25/09/28(日) 19:39:23

    イリフネが選択したのは『ネイルチップ』プラスチック製の付け爪であり、これを両面テープや接着剤で付けるという極ヶ簡単な装着方法とそのデザインの多様さ等からイベントなどで1日だけネイルをするというような場合によく用いられている。

    10本の細指に輝くネイルアートにイリフネは見惚れていた。この店では簡単な物であればネイリストがその場でデザインした物を機械が即自動複製してくれるプランがあり、手軽かつリーズナブルにオリジナルのネイルチップを作れることでも有名であった。
    イリフネがネイリストと一緒に考えたのは宇宙をイメージしたものでラメや塗料の広がりでまるで銀河をそのまま掬い上げたような美しさを秘めていた。
    何度も天井の光に透かしてはそのたびに堪えきれない笑みが口角を吊り上げて仕方がない。満足げに店を後にすると先に店を出て待っていたソアラと合流する。彼女もネイルチップでのネイルアートをしたようでイリフネの寒色系とは違う暖色系の美しいデザインの爪を見せてくれた。

  • 116二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:47:25

    選手によっては勝負服でネイルまでカスタムしてる子もいる
    イリフネの爪も次走から変わったりして

  • 1171着をねらえ!25/09/29(月) 00:09:32

    それからいろんな所を回った。喫茶店でタルトの値段に目を白黒にしながらお茶をし、服を選んだり、ガシャポンを物色したり、ショッピングモールをあちらこちらと歩き回っては時折財布の重量が軽くなったり重くなったりを繰り返す。
    朝の辛気臭い雰囲気はすっかり消え、いつものように友人との話に花を咲かせるようになったイリフネであるが、時折映るレース告知の館内ポスターを見るたびにほんの少し眉が下がる。気が滅入るというわけではないが現実としてレースに出れない現状でそれを解決しようともせず、遊び惚けていいのかという心配が体の芯を冷やして首筋に嫌な汗が流れる。
    未だになんでチームから外されたのかその理由は分かっていない。チームのルールを破り勝手にダービーに出ると宣言したのが悪かったのか、レースに勝って態度が大きかったのか、どんな理由だったのか知りたくてもチーム部屋には入れてもらえず、コーチを学園で見かけても話の一つも聞いてはくれない。1つ確かなのはこのままではダービーには出れずあの宣誓のせいでイリフネは赤っ恥をかくことになるということだけだ。

    今見ている映画もあまり内容が入ってこない。口コミの評判がいい作品らしく主に中高生以上の観客でシアターはほぼ満席状態で隣の席とひじ掛けでぶつかってバツが悪いし気分が削がれる。バターオイル浸しにした塩味のポップコーンをコーラで膨らませ音と光を脳髄で受信するという行為に深く背もたれにもたれかかり、周りの様子を横目で見てみる。今は映画のクライマックスらしく、親友との約束を果たすために主人公が最大の困難に立ち向かうというもので、ありていに言えば使い古されたシチュエーション、やたらと映像と音が派手なだけで目に入るジャンキーなその感覚に脳がハイになって傑作映画を見ている気分にしてくれる。隣に座るソアラも大きく表情には出さなくても画面には釘付けでよっぽど見入っているようだ。かくいうイリフネもこういう作品はむしろ好きなほうだ。映画は大衆向けであればあるほどいいと思っているし、映画はド派手な映像と重厚なサウンドで脳が出してはいけない快楽物質を出すくらいが最高だと思っている。
    そういう意味ではこの映画はかなり好みの部類なのだが、しかしいまいち乗り切れない心の重りをイリフネは言語化することができなかった。

  • 118二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 01:36:12

    >>46

    > 星が輝くために必要なものは何か知っている?

    多分これがなんなのかというのが理由だと思うんだけど


    意味あり気に名前が出てきたくらいなのでアクセルスイーパーちゃんのような存在が鍵なのかと思いつつ

    それならラストブレイドへの対抗心だって質は違えど他者から受け取って返そうとする想いだしなあ


    ソウルの決めたレールの上を走ることではないのは人生自体がソウルと違っているフォフォフォちゃんから明らか

    (というかイリフネはそこに左右されないタイプのウマ娘だとされている)


    やはりイリフネ自身の中に答えはあるか

    トゥインクル・シリーズというくらいだから本人が星であり、レースであるからには星を輝かすのは当人の心だとは思うんだよな

  • 119二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 07:27:46

    そうか、「トゥインクル」は星の輝きのことか
    ならば星の話に帰結するのは当然だったか

  • 120二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 17:16:39

    イリフネちゃんってどんなネイルが好みなんだろうか?

  • 121二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 17:21:26

    ここで名前の回収にくるとは

  • 122二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 23:31:33

    このレスは削除されています

  • 123二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 06:54:23

    >>121

    「イリフネ」は父の「シャトル」に由来するからね

  • 124二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 14:07:27

    なぜ胸部にここまで差が…

  • 1251着をねらえ!25/09/30(火) 22:42:57

    「どうだった?」

    2時間近くの上映が終わりトレーを抱えた観客が場内を行進していく。床には零れ落ちたポップコーンが散乱し、油っぽい匂いの中で口々に呟かれる映画の感想が寄り集まって雑音となって足音に紛れる。いくら質のいい席といえど長時間の着席は相応に体に負担がかかるというもので上着の裾からおへそが見えそうなほどに体を伸すと一気に血流が巡り大きなあくびが出る。半目をこすって付いた涙を服で拭うと2人用のポップコーンの空容器を抱えたソアラが横に並んで脇をつつく。

    「うーん、映像はド派手だったしギャグも面白かったのです。でも…」

    入場口付近にはもうすでに次の上映を待つ観客が大勢待機しており、待ちきれずにパンフレットを開けてしまう中学生、ポップコーンをジュースを添えて自撮りをするカップルフード販売カウンターに並ぶ家族連れと多くの人で溢れている。その人だかりを通り過ぎ、人の波を避けるように公開中の作品のポスターを展示する回廊の壁にもたれかかる。

    「“普通”だったのです」

    「わかる、既視感凄いし手垢がついたような展開ばっかりだし最後はちょっと驚いたけど着地は普通だったし。…でもこういうのをたまに見ると五臓六腑に染みるんだわ」

    「ソアラってそんなに映画好きだったのです?」

    「いやぁ…人並みくらい…かな?」

    上映時間も迫り人は集まるばかり。抱きかかえられた宇宙クジラのぬいぐるみのクレヨンで塗りつぶしたような瞳が人々の往来を映し、ポスター2枚分の少女たちの世界は人混みが落ち着くまで続いた。

  • 1261着をねらえ!25/10/01(水) 00:39:20

    耳が痛くなるほどのスピーカーからの音、メダルの落下音、騒ぐ人々の興奮した声や落胆のため息、ぐずる子供の泣きわめく声、目が痛くなるような蛍光色の筐体、射幸心を煽るムービー画面に凝った内部ギミック、詰め込まれた人形にアニメ作品のフィギュア、ゲームセンターというのはいつ来ても飽きないもので来るたびに変わるその景色にワクワクすると共に奥側の薄暗いエリアの辛気臭さが何ともたまらない。
    大型商業施設の中にあってもその本質は変わらないもので、通路に面したクレーンゲームコーナーの森を抜け、メダルゲームの濁流を泳ぎ、照明のトーンが一段低い奥のエリアにたどり着けば円形の画面外周部につけられたパネルを叩く音と、流れてくる矢印に踊らされる人々が出迎えてくれる。右からはあちらこちらの筐体からノリノリな音楽が流れ、左にはロボットが機動する格闘ゲームの筐体を占拠する一団がゲームに興じている。そんな騒がしさを気にせずにまっすぐに進むとすぐに目的地に到着する。そこには2メートル四方程度の球体がいくつも並んでおり、それらの列の端に独立したタッチパネルのようなものが設置されていた。

    『Star Girl’s』

    覗き込んだ画面には豪華絢爛なタイトルロゴとポリゴンで再現されたウマ娘たちが華やかな衣装を着こみ、ターフをかける姿が映し出されていた。

    「ねぇイリフネ、これちょっとやってみない?」

    そういって了承も取らずに勝手に画面を進めるソアラは筐体の下部から出てきたカードを取り出すと筐体の1つを選び、スリットに設けられた取っ手を引いてイリフネを中へ押し込む。再び閉じられた筐体には外部に緑のランプが点灯し、現在使用中であることを周囲に示している。
    筐体内部は以外にも快適で、人が2人入ってもそれなりに余裕のある空間の中央には立派な椅子とこれまたタッチパネルが設けられていた。ソアラに押し込まれるように椅子に着席させられたイリフネはもはやなされるがままで、カードタッチ部に先ほどのカードを読み込ませると手慣れた手つきで画面を進めていく。

  • 1271着をねらえ!25/10/01(水) 00:40:52

    イリフネがやったことと言えばニックネームの入力と操作キャラクターの身長といくつかのアンケート位のもので、ソアラの操作が終わるまでの間、この筐体がイリフネの好きな体感型VRロボット操作ゲーム『蒼と追憶のパラダイム(通称『蒼憶』)』の筐体外装そのままだなくらいのことを思っていると準備が終わったようで、見慣れたVRゴーグルを装着し質感の良い椅子にもたれ掛かる。

    「それじゃ、楽しんできて」

    ゴーグルのカメラ越しに手を振るソアラにこちらも手を振り返すと視界が暗くなり深呼吸と共に目を閉じる。この手のゲームは開始の際に目を開けたままだとVR酔いをすることがあるのでアーケードVRで遊ぶ時には必ずやるルーティンのようなものだ。
    再び目を開ければそこには巨大なレース場と一面に広がる緑の芝が視界を独占し、吹き抜ける風に青臭さと土の匂いさえ感じられそうな程だ。

    この『Star Girl’s』というゲーム、実はそれなりに歴史の長いゲームでもある。遡ること10年ほど前、ちょうどアーケードゲームでオリジナルキャラクター作成がゲームの目玉として広く用いられるようになった時代のことだ。この『Star Girl’s』もそういったオリジナルキャラクターを作れることを売りにしたゲームであった。少し違うのはこれがウマ娘を走らせるゲームであり、登場するウマ娘は現実における歴代の名ウマ娘もおり、そのウマ娘達やほかのプレイヤーのオリジナルウマ娘とレースができるということを大きな目玉としていた。東京ゲームショウで先行公開され各種ゲーム誌で話題を集めると、稼働初日から全国各地で長蛇の列を作るほどの大盛況ぶりであり一時期は全国ニュースにもなったほどである。
    豊富な衣装パーツやメイクアセット、細かいディティールパーツと初段にして億を超えるカスタマイズ性も勿論だが、多くのプレイヤーを魅了したのはそのゲームシステムにある。プレイヤーがその世界に本当に入り込んだかのような臨場感や非日常を体験できるSF作品のようなシステム──このゲームはアーケード業界で初めてフルダイブVRを達成したゲームなのだ。

  • 1281着をねらえ!25/10/01(水) 00:42:07

    このゲームの前身となるVRウマレーターでプレイするファンタジーRPG『ウマネスト』でのデータテストを経て開発された本作は、安全なフルダイブVRをゲームセンターに大量に設置できるほどのローコストでの生産をすることに成功しており、「君もウマ娘に成れる!!」のキャッチコピーに恥じないほどの迫力のあるゲームシステムやプレイヤー同士での交流といった“繋がり”を重視したシステムもあってその年のアーケードゲーム売り上げ日本一位を記録し、記録的な社会現象をなった。
    現在では海外市場にも展開が進んでおり、さらには体が不自由な人、病気で走れない人、認知症予防対策にも効果があるとされ、意外にも老人ホームで『Star Girl’s』の大会が開かれることもある。
    現在第4シリーズを迎えた本作はナンバリングを重ねるごとにUIや映像を進化させており、プレイヤーの質問によって最初の姿を決定できるアシストクリエイトシステムは初心者からも大好評である。
    その初心者には勿論、イリフネも含まれている。

    わなわなと震える手、掴み、もんずと握られたソレに声にならない叫びが喉奥で反射して頬を高揚させる。

    「胸が…胸があるのですぅぅぅぅ‼」

    キャラクタークリエイトの際、不自然にならない程度にスライダーを引き上げたその成果にイリフネは満足感とともに深い感動を感じていた。今までどれほど望んでも手に入れることができなかったものが電脳空間とはいえ今自分の体にある。その事実に心が震える。

    「本当に足が見えないのですヒャッホウッ!!」

    大はしゃぎで飛んだり跳ねたりこれ見よがしにどゆんどゆん揺らしまくるイリフネ。そんな彼女の目の前にウインドウメッセージが表示される。

    《Long Lucky さんがエントリーしました》

    それは対戦相手が現れたことを示すものであり、ウインドウを閉じると同時に一陣の風と共に一人のウマ娘が現れる。軍服のようにも着物のようにも見える勝負服に腰に収められた刀、艶のある栗毛の長髪はその前髪の中心にスラリと伸びる美しい流星が走り、左耳の根本には花をあしらえた耳飾りが揺れている。昭和的美人というのだろうかくっきりとした輪郭に力強い意志が宿っているように感じる。

  • 129二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 01:13:11

    どゆんどゆんで芝
    さて本当に来てしまったか……イリフネは風、もといきっかけを掴めるか
    そういえば推定正体はライスと同じ勝負服だったそうだけどどっちも刃物を腰にしてるんだなあ

  • 130二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 01:50:19

    >>129

    (紛らわしくなってすみません。リアルの勝負服の話です)


    それはそれとして、『Star Girl’s』ってたぶんグラマスとコラボしてたゲームがタイトルの元ネタだろうなあ

    VRならではの出会いがあのシナリオにもあったしまさしくという感じだ

  • 131二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 09:43:54

    向こうの世界のサトノゲーですね

  • 132二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 09:49:47

    大丈夫?これログアウト後に凄い喪失感に襲われない?

  • 133二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 18:49:05

    これが「虚乳」…

  • 134二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 23:23:33

    「どゆんどゆん」という、ペイバイ一族でもない限り聞かないであろう効果音すき

  • 135二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 23:25:48

    よく考えたら胸も普通に大きくはあるけど明らかに本来の自分寄りのスタイルの存在がどゆんどゆん中にエントリーしてきたの割とオチてるかもな……

  • 1361着をねらえ!25/10/02(木) 01:26:18

    「Long Luckyさん対戦よろしくお願いしますなのです」

    この手の対戦ゲームにおいて大事なのは兎にも角にも“挨拶”である。日本古来の武道の多くが礼に始まり礼に終わるように人と人とが向かい合ったとき、まず挨拶が始まるというのはこの島国で生きる人間にとっては至極当たり前のことであった。
    その女性(実際はアバターはすべてウマ娘なので性別の判断はできない)は実に見事な所作で腰から折れるお辞儀を披露する。下腹部に重ねるように添えられた手の配置からもその女性の育ちの良さが感じ取れ、ただ立っているだけなのに思わず生唾を飲み込んでしまうような“凄み”というやつが流動性のエネルギーとなって辺りに飛び散っているようだ。

    「Nausiccaさんかしら、とっても素敵なお名前ね」

    小さく微笑む口元に添えられる少し力の抜けた左手。こういうのを清楚だったりおしとやかというのだろうか、見た目は現実のイリフネとそう変わらないアバターだが一つ一つの所作に天と地ほどの差があるようにも感じられる。なんだかとてつもなく偉いご老人の前に引っ張り出されたような妙な緊張感がある。

    「本日はどうぞよろしくお願いします」

    再び深く下げられた頭に追いつくようにイリフネもまた頭を下げる。
    見上げた視界には優しく微笑む彼女の姿があった。

  • 137二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 07:28:04

    ナウシカアーか。古代の女神の名前だが、有名ポストアポカリプスSFの主人公の名前でもある

  • 138二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 15:50:09

    ポストアポカリプスの方のナウシカといえばリアルの方のステイヤー母ちゃんの名前は彼女の乗り物から来てたっけな

  • 139二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 23:27:00

    >>134

    でもMODでも入れない限り“あの”サイズは実現できなさそうなんだよね…

  • 1401着をねらえ!25/10/02(木) 23:35:03

    『Star Girl’s』というゲームの凄いところに高性能なVR機器「ウマレーター」と多くのゲームの開発ノウハウによって蓄積された演算技術による圧倒的なまでの再現度が挙げられることも多い。再現というのは単に著名なウマ娘や有名なレース場の再現というだけではない。地面を踏みしめる足裏の感触、肌を撫でる風の冷たさ、舞い上がる土、空気抵抗が感じさせる質量感、そういった“現実感”の再現度の高さは現在販売・運用されているありとあらゆるアーケード、家庭用ゲームの中でも随一であり現役ウマ娘であるイリフネも思わずこれが本物の世界だと勘違いしてしまいそうになるほどだ。

    だからこそ感じる、今、競り合っているウマ娘の強さを。現実に限りなく近い世界であるからこそそれは凄味となって対峙する者に特有のプレッシャーを感じさせる。
    そもそもこのゲームにレベルアップ、ステータス進化という概念は存在しない。ステータスは全ウマ娘が平等なポイントから各々で振り分けることで『個性』となり、それぞれのウマ娘の特徴となる。随分とクラシカルなレースをモデルとしている『Star Girl’s』シリーズは現代ウマ娘レースのようなスキルの乱打という最新技術の押し付け合いではなく、単純な技量や作戦が勝利に直結するゲームだ。そういった側面もありこのゲームの上位勢は非常に深いレースの知識と経験を持った者たちのことを指す。
    それに従えばイリフネの前を“先行”するウマ娘はまさしくこのゲームをやり込んでいる者だろう。先頭を取りたいイリフネの意図を読んでいたのかスタートから一気に前に出るとかなり速い巡航速度で頭を取り続け、イリフネが抜け出す隙を与えてくれない。それに、内を攻め続け息を乱すことのない身のこなし、まるでこのコースで走ったことがあるようにも思える。
    東京レース場芝2400メートル、向正面の坂を抜ければ緩やかな傾斜とカーブが待っている。このウマ娘を超えるにはそこで勝負を仕掛けるしかない。桜花賞前、自分の得意としていたコーナーでより力を発揮するための走り方、しばらくトレーニングもできていないが、それでもやるほかない。このウマ娘に勝つためには普通の走り方では無理だ。思わぬ強敵の登場にイリフネの競争本能がメラメラと炎を燃やし始めていた。

  • 141二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 06:43:52

    オークスダービー問題はあるが、突破口は掴みかけてきたかな?

  • 142二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 13:57:52

    スキルを撃ち合う現代とてその撃ち方撃ちどころが大切だったり
    スキルとは別の走り方も併用するフォフォフォちゃんがG1の真ん前で冠の争奪をしたりと
    プレイヤースキルはかなり大きいはずなので古いというより伝統的というべきなのかもしれない

  • 143二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 22:45:17

    そういえばイリフネちゃんって貧通り越して無とか平原みたいに勝手に思ってたけど
    一応身長170cmでB83だから有るか無いかは微妙なライン…でいいのかなこれ

  • 144二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 22:55:11

    >>143

    その辺は1スレ目の最初の方に詳しいですね

    主さんからの回答では1-30とのこと

    ないわけではないので微妙なラインが実際そうなのかもしれない

  • 145二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 23:43:40

    このレスは削除されています

  • 1461着をねらえ!25/10/03(金) 23:45:41

    >>143

    フジキセキよりも身長が2cm高くて、バストとウエストが1cm小さくて、尻が11cmデカくて、太ももがダスカ・ライザ・宝多六花です


    無くはない(プルンッて感じ)けど比較対象的に小さきものなのでコンプレックスになっています

    あまり関係ありませんがイリフネの実馬の方の父親はタイキシャトルです

  • 147二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 00:01:43

    身長の影響が地味にデカそうですね
    身長が変われば肋骨(アンダー)のスケールも変わってくる
    ウエストも細くなってるので肋骨開いてるとかじゃなくて本当にスケールが大きいだけなんだろなと
    (実馬の父からすると骨格はアメリカンなのか?)
    それプラスバスト自体も減ってるから確かに無くはないけど少なくともフジよりは明確になさそうな感じ

  • 148二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 09:09:10

    おはようございます保守
    ケツデカな分だけ、相対的に上が小さく見えてそう

  • 149二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 09:15:42

    マメ 171cm-B81
    フジ 168cm-B84
    この中間ぐらいなんだな

  • 150二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 14:47:45

    このぐらいはあるのに、母親たちのと見比べて落ち込んでるのね

  • 1511着をねらえ!25/10/04(土) 22:22:58

    イリフネの持ち味は最初から最後までトップスピードで走り続けられる長大なスタミナ──もっとも、これに関しては最高速度が頭打ちのため結果としてスタミナが余っているというだけだが──が多く取り上げられがちだ。各種レース雑誌においてもその尽きぬスタミナとレースの全区間で維持される最高速の走りは大きく取り上げられ、世間におけるイリフネの印象を決定づけている。
    しかしながら、イリフネの最大の強みはスタミナではない。彼女の最大の武器、それは天性のコーナー技量にある。そもそも、コーナーというのはウマ娘の技量が最も出やすい場所でもある。速い速度で動く物体がその進行方向を変える時、地球重力と物理法則に囚われている地球生命体はすべからず遠心力の影響を受ける。これにより外側に引っ張られるような力が働き、体が内側から外側へと引き吊り出され軌跡が乱れ、それはロスとなってタイムに響いてくる。
    そのため、コーナーではカーブに沿って走るのではなく細かい直進の繰り返しでなるべくロスを無くしながら走るのがセオリーとなる。他にコーナーで優位に働くスキルを使用して強引に突破するという手法もあるが大体の場合は損失に対して得られるものが少ないため本当に悪あがきレベルのことである。

  • 1521着をねらえ!25/10/04(土) 22:24:01

    さて、イリフネはコーナーをどう走るのか。その問いはとてもシンプルで教科書通りセオリーに沿った走り方をしていた。幼少期のイリフネを鍛えていたじじトレ(母キンペイバイの現役時代のトレーナー)はとにかく彼女に基礎基本を叩き込んだ。息の入れ方から腕の振り方、コースの取り方に叩き合いのモットーまで、かつて彼女の母親から頼まれた通り、イリフネの一番最初の先生としてこれから彼女が競争ウマ娘になった時に必要になるだろう能力を、自分の長年の経験を通して惜しみなく注ぎ込んだ。
    それ故、彼女は非常に優秀で学校でも教官から太鼓判を押されるほどの優等生。母親の才を受け継いでコーナーの走り方のセンスもよかった。
    しかしそれは以前までの話。イリフネはより自分の走りに特化した走り方を考えていた。その考えに至ったのは宇宙で開かれたチームの懇親会の時、コーチの宇宙艇で超高速の世界を体感した時のことだ。あの時、コーチが最後に見せてくれた地球の重力を使ってロスなく曲がるあの技術、あれを走りに活かせるのではないかとイリフネは考えた。
    だがあれはあくまで宇宙で超高速飛行する宇宙艇だからこそのもので、地表でせいぜい時速60~70kmのウマ娘レースの世界で地球を利用するなんてことは無理難題に等しいのはイリフネも分かっていた。だからこそ考えた、あの力強いコーナリングの本質は何なのか。そして家族で行った遊園地で妹たちと共にジェットコースターに乗っていた時に気づいた。高速でカーブを曲がる際、内側に体を倒しても遠心力が体を引っ張り上げてくれることに。そしてこれはレースに活かせるかもしれないと。嬉しくなったイリフネは早く話したくて隣に座るグレンリベットをバシバシ叩いたが、高速度の恐怖と上下の乱高下による浮遊感で顔を真っ青にしていたグレンリベットにはそれどころではなかった。

  • 153二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 22:38:55

    やはりコーチが教えた超高速のカーブはイリフネにとって重要なものだったか

    それにしても

    > 地表でせいぜい時速60~70kmのウマ娘レースの世界で地球を利用するなんてことは無理難題に等しい

    ってあたりにジョジョ7部の黄金の回転とかあの辺の話じみてきたなあと感じた

    できることから段階的に掴んでいって、やがては無理難題を実現するところも見られそうでワクワクする


    グレンリベットはグレンリベットでスピードの世界における恐怖の克服が課題になりそうな感じがあるなあ

  • 1541着をねらえ!25/10/04(土) 23:12:13

    コーナーに高速で進入した時、遠心力によって外へとはじき出されそうになる。それは物理現象であり、どうしようもないことだ。
    だが、こういう見方もできる「コーナーで体を傾けても遠心力が元に戻してくれる」と。
    そのヒラメキをイリフネは大まじめに考えた。来る日も来る日も自主練でそれを試し、ダメだったところを洗い出しフィードバックして自身の走りをアップデートし続けた。時には物理学の本を読んだり、無茶なことをして倒れることもあった。だが自分の能力が頭打ちに感じる状態で勝てる方法の探求を止めることなどできなかった。

    そして、たどり着いた。もっとも深く最も鋭くコーナーに切り込み遠心力によってギリギリ復元できる絶妙な体勢をそれは傍から見れば非常に危険でしなやかで柔らかく、柔軟な可動域を持つイリフネだからこそできる芸当であった。

    ポリゴンで構成された芝が舞い、唸るゲームサウンドが彼女の走りの速度を物語る。レースは最終コーナー下降する形のここは速度が乗りやすい。勝負を決めるなら今ここしかないというタイミング、イリフネはコーナーの内側に陣取りコーナーの曲線に沿うように足元か体を内に倒していく。それは見えない垂直の壁を踏みしめているようであり、鋭く切り込んだその走りは遠心力という絶対の物理法則に身を預け、速度のみを追求するものであったがその実、確かな成果として前を行くウマ娘に確かに近づいていた。
    2バ身、1バ身、1/2バ身…相手の凄まじい速度もあって縮む差は微々たるものであるがそれでも確かに追いつき、ついにはあと一歩で並ぶところまで来ていた。コーナーも残りわずか、最終直線に入るその瞬間に並び立つことだろう。そうなれば後は根性勝負、イリフネはそう考えていた。
    だがその考えがどれほど甘いものであったのか、イリフネは思い知らされることとなる。

  • 1551着をねらえ!25/10/04(土) 23:26:56

    世の中にはどうしようもないこと、どうやっても無理なことが存在する。例えば人間は生身では空を飛べないし、勉強しなければテストでいい点は取れないし、自転車で新幹線に勝つことはできない。
    それと同じようなことはレースにも存在する。
    圧倒的強者に勝つことはできない。それは無情であるが非常にシンプルな無理難題としてレースの世界に存在している。とはいえ、そのような存在は今日の多様化したレースにおいては現れることはほとんどなく、どんなウマ娘であろうと力の使い方次第で格上に勝つ可能性を秘めている。
    しかし、何事にも例外は存在するものであり、極まれに圧倒的強者が全てを蹂躙することもある。イリフネの目の前にいるのはまさにそれであった。

    イリフネは驚愕した。最終直線に入って数秒後、ここに至るまでずっと前を独占され続けた相手にようやくその喉元に食らいついたと思えばいきなり加速し始めたのだ。ここまでの走りは本気ではなかったとでもいうようなその走りは対峙する者の心を折るほど屈辱的で圧倒的であった。
    しかし、イリフネは諦めない。やっと見えた勝利への光明、それを絶やしてなるものかと必死に追いかける。一度追いついたのだからまた追いつけない道理などない、そう信じて走る。ゲームの世界だというのに心臓は早鐘を打ち、体の芯から灼けるような熱が体全体を焦がしていく。1/2バ身、1バ身、2バ身…差は無情にも開き続けるがそれでも諦めない。
    ゴールが近づいてくる。差はどんどん開いていく。食いしばった歯の間から炎が吹き出そうなほど己を燃やすイリフネであったが、数秒後、視界に広がる『YOU LOSE』のメッセージに静かに瞼を閉じた。

  • 156二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 23:35:30

    このレスは削除されています

  • 157二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 23:36:50

    諦めずに道理をねじ曲げようと立ち向かうものだけが望んだものにしろそうでないものにしろ伝説に至る世界でもある
    そういう意味ではイリフネは間違いなくそれができ得る器なのが伝わる一幕
    ……というかまだ守破離の破くらいの付け焼き刃でこの人に本気かそれに近いものを出させたイリフネも大概末恐ろしいな
    宇宙で得た心身の体験が核となりトレーナー抜きでも本人のひらめきが力になってるあたり固有スキルの萌芽っぽさがあるわけだが、
    無理難題を果たすほどに覚醒したらどれほどまでのカーブになるのやら

  • 1581着をねらえ!25/10/04(土) 23:52:26

    ゴーグルを脱いだ時、一番最初に飛び込んできたのはニタニタと嬉しそうにこちらを見て笑うソアラの姿だった。

    「どうだった?」

    ホラーゲーか鬼畜ゲーか人が苦しむ様を見るのが愉しいタイプの人間と同種の笑みを浮かべるソアラ。おそらく100%意図的な犯行だろう。

    「タコ負けしちゃったのです…」

    「そりゃそうだ、Long Luckyさん、多分このゲームで一番強いし」

    シュンとなるイリフネにソアラがあっけらかんととんでもないことを言う。なんと相手はこのゲームの上位層プレイヤーだったらしい。確かにそう言われてみると勝負服もイリフネのに比べるとかなり情報量が多かったし、立ち振る舞いやオーラ的な物も特別なものを感じていたがあれが上位プレイヤーの余裕だと言われれば納得してしまうものがあった。

    「ちょっと!それ早く言ってほしかったのです!」

    「ごめんて。でも、言ったところでイリフネ多分勝負してたでしょ?」

    そう言われると何も返せない。確かに初見のゲームとはいえ自分が普段勝負しているジャンルだ、上位層とやれるとあれば挑戦していたと自分でも思う。

    「それにさ、楽しかったでしょ結構」

    流石、長年の親友というべきかイリフネのことはなんでもオミトオシのようだった。

    「イリフネにはさ、もっと気楽にレースをして欲しいんだ。誰かのためとかじゃなくて、自分自身がやりたいことのために。イリフネが誰かのために頑張れる奴だってのは私も分かってる。だけど、やっぱり私はイリフネが楽しそうに走ってるのが好きだからさ、心のままに走ってほしいんだ」

    「ソアラ…」

    ダービー出走宣言を聞いてソアラにも思うことがあった。だがそれはなんでもかんでも背負い込んでしまう親友を心配する感情だった。大家族の長姉として責任感が強いイリフネがその重みで潰れるところなどソアラは見たくない。だからイリフネには自由気ままに走ってほしいと思っている。レースが楽しいとそう言って朗らかに笑う親友のままでいてほしい、それがダイナソアシーという少女の願いであった。

  • 159二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 00:06:56

    >上位プレイヤーの余裕

    この人が存分に遊べるのってオーラがうまいことこういうものに変換されて伝わるところもあるんだろうなあ


    一方イリフネは>>28でも>>155でも熱が湧いているのが今の問題に対する一つのヒントなのだろうか

    圧倒的強者への挑戦が楽しかったように、あの時もそれまでもイリフネ自身のやりたいことがきっと隠れていたという気が改めてした

    ソアラの言葉と併せてあとはそれを見つけるだけだけれど、もしかすると宇宙クジラや″普通″に乗れなかったことにもヒントがありそう

  • 1601着をねらえ!25/10/05(日) 00:13:22

    イリフネとソアラが筐体の中で話している頃、彼女たちのいるゲームセンターとは違う場所にある筐体の中で一人のウマ娘が目を開けた。そのウマ娘はゴーグルを脱ぐとペタリとなってしまった髪を手櫛で梳き身なりを整える。そうして座席に深く座り込んでしまって衣服に着いた皺などを延ばしていると、筐体の扉が開き、その向こうから一人の老人が現れた。

    「お友達の紹介した子はどうだったかい?」

    しわがれてはいるものの優しい声色の老人は椅子に座るウマ娘の手を掴むと彼女が立ち上がるのを助けるように手を引く。

    「とても強い子でしたわ。逆境にあっても潰えぬ闘争心、なんだか昔を思い出してしまいました」

    薄暗い筐体の中から出てきたウマ娘を天井からの光が照らす。少し色あせて見える栗毛はよく手入れされているようで美しい直線を描き、若々しさを感じさせる。その髪を持つ人物がかなり歳を召した高齢のウマ娘だとはだれも思わないだろう。

    「そうか、ならその子はきっと強くなるだろうね」

    「えぇ、必ず強く大きくなってくれると思います」

    先ほどのレースを思い出す。確かにあのウマ娘は未熟なところがあり、まだまだ発展途上といった感じだった。だが、最後の瞬間まで見せた瞳の炎、決して折れず勝利を信じて一歩でもと前に進むその姿勢は彼女の現役時代のことを思い出させるものだった。
    今の時代にこれほどのウマ娘がいる、そう思うと年甲斐もなく昂ってしまう。

    「それじゃあ帰ろうか」

    「はい、長吉さん」

    男性がウマ娘の手を取り、店を後にする。昔に比べ1歩の歩幅は短くなってしまったが話す時間が長くなったと思えばそれもまた彼らの幸運なのかもしれない。

  • 161二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 00:35:45

    ワァ……直球で元トレーナーの名が出るサプライズ……!
    バーチャルでの対決で多くを知らずとも走れば互いに通じるもの伝わるものがあるのがレースなのだなあ
    この時空の技術水準とイリフネのイレギュラーが交差してこその奇跡のような出会いだった

  • 162二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 09:22:42

    こういうのいいですよね

  • 163二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 17:10:29

    レジェンドに褒めてもらえたの嬉しい

  • 164二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 23:38:15

    イリフネちゃんパイは比較対象がアレだから……(レス2参照)

  • 1651着をねらえ!25/10/05(日) 23:59:18

    2人が商業施設から出るころには辺りはオレンジ色に染まっていて、青の海を赤に染めて今日も太陽が別れを告げようとしていた。上を見上げればいくつかの星が輝き、煉瓦で舗装された広場では一番星を見つけたと幼い子が親の手を引いて天を指さしている。
    その星のように見える輝きのいくつかは成層圏から宇宙にかけてを飛行する輸送船の光で、赤と緑に点滅するその光の群れの中に一つ真白に輝くそれが一番星だ。

    「ありがとうソアラ、今日は楽しかったのです。」

    1日にの終わりに夕日に向かってぐーと背を伸ばす。朝には憂鬱だった心もいくつもの楽しい思い出を経てすっかり晴れやかになり、イリフネは生来の明るさと笑顔を取り戻していた。そして、落ち込んでいた自分のためにデートに誘ってくれた親友に抱き着くとそのままぐるぐると回りだす。未だに解決しないことや向き合わなければいけないことは多い。でも、暗い気持ちで臨むよりも明るい気持ちでチャレンジしたほうが何倍もいい成果が出せるというもの。だからこそ自分を元気づけてくれたソアラには感謝しかなかった。
    ようやく回転から解放されたソアラは三半規管の乱れで少しよろめき、頬を何度か叩いて抵抗感覚を取り戻すと、にやりと笑う。

    「何言ってんのさ、デートはまだ終わってないよ」

    そう言うとイリフネの手を引いて走りだす。イリフネよりも数十センチも小さな体でぐいぐいと彼女を引っ張り、イリフネは飛び脚でなんとか追いすがる。

    「アンドロメダ焼き食べてカラオケして…やることはたくさんあるんだから!」

    「で、でも、それじゃ時間が…」

    「だから帰寮時間変更届だしたんでしょ!」

    イリフネの心配に先回りするようにソアラは答える。流石は時間厳守の運送会社の一人娘、こういった時間に関する決まり事にはめっぽう強い。
    今日のために準備万端な親友のデートプランにもはやイリフネが何かを言うこともできず、ただただ友の手にひかれて走るこの休日の空気を胸いっぱいに吸い込もうとわざとらしく深呼吸しては胸の内から湧き上がるワクワクになんだか無性に笑いたくなるのだった。

  • 1661着をねらえ!25/10/06(月) 00:24:16

    イリフネ'sメモ⑭
    「イリフネの好きなゲーム」

    『蒼と追憶のパラダイム』
    密閉型大型筐体のコックピットに搭乗してプレイするARハイスピードロボットアクションゲーム。
    豊富なカスタムパーツや武装によって各々の戦闘スタイルに合った非常に自由度の高いゲーム体験が可能であり、ゲーム内の報酬などで手に入るデコパーツでアニメ作品に登場する機体を再現するのも人気であった。
    1番の特徴としてプレイヤー一人一人に用意されたAIナビゲーターとの触れ合い機能があり、出撃前にハイタッチするのはルーティン動作としてゲームに組み込まれている。
    このゲームにおけるイリフネの愛用機体は防御を全て捨てスラスターと超重量のスナイパーライフルの運用に全てを振り切った超ピーキー仕様。ゲーム内イベントのシーズン上位報酬のカラーパターンを採用している。

    世界観設定
    地球が度重なる環境破壊により荒廃し、人類が地球を脱出して数万年、ワープによる超長距離航海の末人類が辿り着いたのは珊瑚のような素性を持つ生物が星全体を覆う地球とよく似た大気組成の惑星であった。
    人類は積極的に惑星を開拓すべきと主張する『開拓派』と地球での反省を踏まえ星と共生すべきと唱える『共生派』に別れ熾烈な覇権争いを繰り広げていた。
    プレイヤーはどちらかの陣営に所属し敵対勢力と争い、時に星の原生生物と戦いながら自陣営のイデオロギーの正しさを証明するために鋼鉄の巨人で星の空を駆ける。

  • 167二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 06:59:27

    いい子だなぁソアラちゃん……

  • 168二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 15:12:41

    >>166

    >このゲームにおけるイリフネの愛用機体は防御を全て捨てスラスターと超重量のスナイパーライフルの運用に全てを振り切った超ピーキー仕様。


    ピーキーな機体ってロマンがあっていいですよね

    まあ自分が乗るとか補給の事を考えないといけないゲームだと扱いやすい制式量産機を選ぶんですけども…

  • 169二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 23:30:51

    凸砂イリフネちゃん……!?

  • 170二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 07:47:17

    ロボゲーでこのコンセプトの機体とか元ネタはヴァイスリッターかな?

  • 171二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 12:34:18

    BREAK-AGEの九郎が浮かぶなぁ

  • 172二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 19:46:18

    >>166

    面白そう

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