- 1二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 01:18:34
必ず、かの邪智暴虐のお館様を説得せねばならぬと決意した。伊黒には恋愛がわからぬ。伊黒は、鬼殺隊の柱である。暇があれば鍛錬をし、鏑丸と遊んで暮して来た。けれども甘露寺の気持ちに対しては、人一倍に鈍感であった。
伊黒は両手で悲鳴嶼のからだをゆすぶって質問をした。悲鳴嶼は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。
「お館様は甘露寺と結婚せよと言っています」
「なぜ結婚させるのだ。」
「伊黒は汚い血が流れているなどと勘違いしている、というのですが、皆もそんな、伊黒が汚い血を持っているなどと思っておりませぬ。」
「今世で結婚しろというのか。」
「はい。はじめは甘露寺のご両親に挨拶をせよと。それから、祝言をあげよと。それから、2人で旅行にでも行ってこいと。それから、家をたて2人で仲良く暮らせよと。それから、子供を作り家庭をもてと。それから、お館様自身ができない分伊黒は長く生きて家族を幸せにせよと。」
「おどろいた、お館様はご乱心か。」 - 2二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 01:38:31
乱心はお前だ
速く結婚しろ! - 3二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 01:38:41
- 4二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 01:44:55
- 5二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 01:47:11
甘露寺をメロスの妹役・伊黒をその婿役にしたら結婚させられるのでは?
- 6二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 01:53:03
仕方の無いやつじゃ。おまえには、蜜璃の想いがわかっておらぬ。
- 7二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 01:54:41
- 8二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 01:55:53
>伊黒は、へたれであった。
血がどうのこうのをバッサリ切り捨てる素敵な一言
- 9二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 02:12:14
「この短刀で何をするつもりだったんだい。聞かせておくれ。」お館様は静かに、けれども威厳を以って問いつめた。そのお館様の顔は蒼白で、焼き爛れたような痕についている眉間は刻み込まれたように深かった。
「甘露寺を汚い血の者の手から救うのだ。」と伊黒は悪びれずに答えた。
「おまえがか?」お館様は、憫笑した。「仕方の無いやつだ。おまえには、幸せになる権利があるというのに。」
「言うな!」と伊黒は、いきり立って反駁した。「悪人が幸せになろうなどと考えることは、最も恥ずべき悪徳だ。お館様は、俺に幸せになれと申し付けている。」
「誰であろうと幸せを求めて生きることが、正当の心構えなのだと、私に教えてくれたのは、おまえたち柱だ。お前の心は、あてにならない。お前の心は、お前が思ってるよりずっと綺麗さ。それを疑っては、ならぬ。」お館様は落着いて呟き、ほっと溜息をついた。「私も、柱の幸せを望んでいるのだが。」
「なんの為の幸せだ。自分の満足のためのものか。」こんどは伊黒が嘲笑した。「甘露寺を好きでもない者と結婚させて、何が幸せだ。」
「だまれ、へたれ。」 - 10二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 02:17:20
(文章エミュが)うまい!うまい!うまい!
- 11二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 05:32:47
- 12二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 06:00:49
「だまれ、へたれ」
お館様突然の豪速球で草だが気持ちはわかる - 13二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 06:05:34
更に韻も踏んでいる
- 14二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 06:30:46
最後もうめんどくさくなったなお館様…
- 15二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 08:00:04
【娶れ伊黒】
著者 産屋敷耀哉 - 16二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 11:47:22
監修 悲鳴嶼行冥 煉獄杏寿郎