- 1二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 14:36:18
「悪いけど断るわ」
彼女は仏頂面でそう私に答えた。
SRT特殊学園の閉校。その抗議のデモ活動をする事を決意した私は始めにSRTで最も信頼と実力を持つ彼女の元へと足を運んだ。彼女なら分かってくれる筈だ。母校が突然の閉校になる事に不満を持っている筈だ。きっと力を貸してくれる筈だ。そんな淡い期待を彼女はたった一言で裏切った。
「どうしてですか!?SRTが無くなってしまうんですよ!私達が学校が無くなってしまうのに貴女は何も感じないんですか!?」
「ミヤコ、貴女は今感情的になって冷静に状況を把握出来ていないわ。SRTの閉校は連邦生徒会の決定よ。それを覆すだけの能力が貴女にあるの?」
まるでロボットが喋ってるかの様にツラツラと述べる彼女に苛立ちが募る。
「私は上の意向に不満は無いわ。それでもやりたいなら止めない好きにすればいい。元同級生として影ながら応援する。それじゃあね」
彼女はまとめた荷物を背負うと早々に部屋から出ていった。一人取り残された私は後悔と失望でいっぱいだった。
だからこそ…
「ミヤコ、今すぐ投降しなさい」
目の前にいる彼女に憎悪を向けるのは正しい感情なのだ。 - 2二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 14:40:17
フワフワだけど一応の設定
・SRTで最優秀な成績を持っていたエリートの中のエリート
・P90を使っている
・ミヤコとは同級生で学食で一緒に食べるくらいには仲が良かった
・SRT閉校後はヴァルキューレに転校してる(所属は決めてない)
・子ウサギ公園でミヤコ達と再会する - 3二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 14:42:30
P90使いってことはサブ武器でFNFive-seveNも持ってたりする?
- 4二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 14:44:43
続きが気になるので保守
- 5二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 14:45:48
このレスは削除されています
- 6二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 14:50:03
ミヤコと知り合いってことはFOX小隊とも知り合いか?
- 7二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 14:58:10
そろそろ原作でもP90使いは欲しいところ
- 8二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 14:58:19
- 9二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 15:01:38
- 10二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 15:02:33
多分普通に気づいてないだけでは?
- 11二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 15:07:41
優秀だから切り替えが早いのか、それとも本心に蓋をしているのか…
- 12二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 15:09:04
- 13二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 15:10:48
別にいいだろ貧乳じゃなくたって
- 14二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 15:15:47
- 15二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 15:17:33
逆にゴテゴテの特殊部隊装備でもいいんじゃないか…?
- 16二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 15:24:20
ヴァルキューレなら最終章でカンナと先生を救出した後で汚職の責任取って退学届けを出した後でミヤコ達と合流するって流れが出きるな
- 17二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 15:43:44
自身の正義が果たせるならどこだっていいってタイプかも
- 18二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 15:48:03
エリートだけど一年生なのか…目をつけられていなかったのもわかるかも
- 19二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 16:23:04
お待たせしました続きです
「今さら出てきていったい何のつもりですか?」
「出てくるつもりは無かったわ。でも貴女達が暴れたお陰で残ったヴァルキューレの戦力は『生活安全局』と私だけ。だから出るしか無くなった」
暗にお前達(RABBIT小隊)の所為で自分が交渉役にさせられたのだと言われますます苛立ちが芽生えるミヤコを無視して彼女は淡々と続ける。
「いい加減こんな事は止めなさい。貴女達が暴れるだけ周りは迷惑を被る。SRTの復校だって遠退くわ」
「潔くSRTを去った貴女には言われたくないです。貴女にはSRTに、学校に何の感情も抱いてなかったのに!連邦生徒会の指示だから黙って従った貴女には私達の邪魔をする資格は無い筈です!デモ活動に関しても影ながら応援すると言ってた癖に!」
「方法が間違ってるの言ってるの。武力で抗議した所でやってくるのは恐怖の拡散と暴力による報復よ」
悪までも事務的な態度を続ける彼女にミヤコはいっそ頭を撃ち抜いてやろうかと思ったが彼女の語りによりってそれは際切られた。
「それに今の貴女達の行動は抗議活動ではないわ」
「どういう意味ですか…?」
「貴女達は単にストレス発散をしてるだけに見える。SRT閉校の鬱憤をデモ活動の名前を楯にして晴らしてる様にしか」
その発言を聞いた瞬間、ミヤコは即座に愛銃に手を掛け彼女に向け構える。彼女もまた自身のP90を構えトリガーに指を添える。
「投降はしないのね?」
「絶対にしません。私達は徹底抗戦します。何より貴女には絶対に負けたくありません!」
「…そう」
彼女はP90を構えたまま後ろに下がっていく。彼女の姿が見えなくなったタイミングでミヤコは銃を下ろす。交渉が決裂した以上は向こうは全力で自分達を制圧しに来るだろう事を予測したミヤコ作戦を立てる為に小隊に集合をかける。だがミヤコはしばらくその場から動けなかった。彼女の言葉が頭の中をこだまする。自分達のやっている事が本当に正しいかその信念に疑問が生じてしまったからだ。だが迷っている時間は無い直ぐにでも制圧隊が来る筈だ。ミヤコはその迷いを振り切るように踵を返すのであった。
- 20二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 17:21:35
- 21二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 18:32:12
幼い頃に何かあって人の気持ちに触れようとしないのかも知れない
- 22二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 18:36:39
でもこの時のRABBIT小隊は本当に論外だから……
- 23二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 19:24:34
幻のラビット5か…
- 24二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 23:59:14
もともとの小隊は解散したんだろうな…
- 25スレ主25/09/15(月) 00:57:39
>>19の続きです。とりあえず今日はここまで。長くなったので分割します。
~数分後~
RABBIT小隊は制圧された。交渉の決裂が報告された時点で『生活安全局』と彼女は制圧を開始。シャーレの先生の的確な指示によってあれ程苦戦を強いられていたRABBIT小隊は瞬く間に各個撃破されていった。
捕らえられたRABBIT小隊はヴァルキューレに送られ、各々尋問を受ける手筈となった。
「それで、私の尋問官は貴女ですか」
「そんなに睨まないで。私だってやりたくて志願した訳じゃない。貴女達が暴れたお蔭で人員の殆どが病院送りになって尋問できるのが私位しか残ってなかったのよ」
無機質な取り調べ室でミヤコと彼女が対面する。ミヤコは不機嫌な態度を改めることなく彼女に睨み付け、彼女はそれを軽くスルーしつつ対面の椅子に座り資料を机の上に置く。
「とりあえず、名前と所属を言って」
「…SRT特殊学園一年・RABBIT小隊隊長の月雪 ミヤコです」
「デモ活動を首謀したのは貴女ね?」
「…はい、私です。ですが正しい事をしたと自負しています」
「デモ活動を計画した理由は?」
「…全部知ってて聞くの止めてくれません?」
彼女からの質問はミヤコにとって全て分かりきっている発言だ。それを一々聞き返してくる行為にミヤコは憤りを感じた。
「これは仕事なの。分かってても相手側が証言してくれないと記録できないわ。時間を無駄に使わせないで」
ミヤコは怒りを抑える為に歯を食い縛り、手の平に爪が食い込む程拳を握りしめる。
- 26スレ主25/09/15(月) 01:01:47
「…デモの理由はSRT閉校の撤回の為です」
「何故SRTに拘るの?」
「…SRTにこそ私にとっての信じられる[正義]があるからです。もちろんヴァルキューレにも[正義]はあるでしょう。でもそれは本当の[正義]では無いと私は思います。SRTは学園間の利害や関係に関係無く自らが信じた正義によって動くことが出来る。だから私はSRTに憧れたんです」
「その[正義]を証明するためにSRTから武器装備弾薬を無断で持ち出し公共施設である公園を不法占拠し治安組織であるヴァルキューレのメンバーを病院送りにしたと?」
彼女の発言にミヤコは椅子から勢い良く立ち上がり両手を机に激しく叩きつけた。
「それは此方の要求を向こうが飲まなかったから!」
「ミヤコ、貴女の言う[正義]は武力行使で獲られるモノなの?もしそうなら貴女はそこら辺にいる不良達と一緒よ?」
「何ですって…!?」
「不良達にだって各々が抱く[正義]はあるわ。その為に武器を持って市民を恐喝したり他の生徒と抗争もしている。ミヤコ、貴女達がしていた事と不良達のしている事、一体何が違うの?」
「それは…志が…」
「SRTは武力で全てを成せと教わったかしら?だとしたらそれは貴女のエゴよ」
彼女からの冷静な反論にミヤコは黙り込み力無く椅子に座り込む。彼女は机の上の資料を纏めると椅子から立ち上がり取り調べ室のドアノブに手を掛ける。
「貴女はもう少し視野が広いと思ったけど勘違いだった様ね」
彼女は振り返らずにそう語り取り調べ室から出ていく。ミヤコはその背中を見ることが出来ず、ただ下を向いて怒りを堪えるしか無かった。 - 27スレ主25/09/15(月) 01:06:08
- 28二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 01:40:01
ほしい
- 29二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 02:17:19
>>27あだ名みたいのでもいいな……
- 30スレ主25/09/15(月) 09:22:07
名前ですが色々考えましたがp90からツクモ(九十九)とかどうですか?
- 31二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 10:18:49
ツクモ(九十九)、いいと思う!
- 32スレ主25/09/15(月) 12:12:57
>>25>>26続きです。どうしても長くなって分割せざる終えない
~数日後~
《連邦生徒会防衛室長室前》
「足を止めてしまって申し訳ありません、ではまた」
足早にその場を去り防衛室長室に入っていくカンナの後ろ姿に疑問を覚えつつもその背中を見ていた先生。
「お久しぶりです、先生」
不意に先生は背後から声をかける。振り返るとそこには彼女[ツクモ]が立っていた。
“こんにちはツクモ。元気だった?”
「覚えていただいて光栄です先生。はい、体調に問題はありません」
ツクモは先生に軽く会釈をする。
“君もカヤに用事?”
「いえ、私はカンナ局長の付き添いです。ここ最近は不良達の襲撃も報告されていませんが一応護衛と言うことで」
“そっか、仕事の邪魔しちゃ悪いし私はこれで”
「…」
「あの…先生…」
先生がその場を立ち去ろうとした時、ツクモは普段よりも小さい声で先生を呼び止めた。
- 33スレ主25/09/15(月) 12:15:39
“なんだい?”
「その…彼女達…、RABBIT小隊は今…どうしていますか?」
“気になるのかい?”
「そう…ですね。気に…なりますね」
途切れ途切れに言葉を繋いでいくツクモ。以前RABBIT小隊の制圧の為指揮をした時にハキハキとした受け答えをしていたのを知っている先生はその不思議に思いつつ直ぐに笑顔で答えた。
“うん、元気だよ。前の大雨でちょっとだけ大変だったけど大丈夫”
「そうですか、ありがとうございます」
表情は変わらないもののツクモは何処か嬉しそうなのを先生は感じた。不意にツクモは視線を左右に動かし周囲に誰もいない事を確認する。
“どうかしたの?”
「いえ、先生少々お耳を拝借しても?」
突如のツクモの要求に先生は疑問を覚えつつもツクモに耳を寄せる。ツクモもそれに応じ先生の耳に手を添えて口を近づける。
「実は小耳に挟んだ情報なのですが…」
ツクモはそのまま小声で先生にある情報を伝えた。
- 34二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 16:14:33
なるほど仕事とプライベートをちゃんと分ける人か…
- 35二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 18:08:55
ツクモちゃんか かわいいね
- 36二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 21:44:29
なんだかんだウサギ小隊が心配なツクモちゃん。もしかして本当は良い子キャラなのか?
- 37二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 23:07:38
あくまでRABBIT小隊のやり方を許容できないだけで気にかけてはいた感じがするね
- 38スレ主25/09/16(火) 01:56:10
>>33ド深夜ですが書けたので投稿します。とりあえずカルバノグ一章までで最終章・カルバノグ二章を書く予定は無いです
~再び数日後~
ヴァルキューレとカイザーグループとの癒着問題が報道された。匿名の情報提供者によって小ウサギタウン建設計画の裏でヴァルキューレとカイザーインダストリーとの間に違法リベートの記録が公開され、法的機関であり公正であるべき筈のヴァルキューレが私企業と違法取引していた事実が明るみになり、ヴァルキューレの権威に大きな傷が付く事態となった。
その対応に追われRABBIT小隊の問題は先送りとなり当分の間、ミヤコ達が子ウサギ公園からの立ち退きを迫られる事は無くなったのであった。RABBIT小隊の面々はその事に安堵しつつ現地の放浪者達と今後について話し合う(爆撃)中で先生はある懸念点があった。
その夜、先生はヴァルキューレ警察学校に訪れていた。時刻は既に深夜、エントランスの受付の扉は開いていたが誰一人としてその場にはおらず非常灯の暗い光だけがその場を照らしていた。
“流石にこの時間じゃ無理かな?”
「何が無理なんですか?」
“ッ!?”
先生の呟きに背後から何者かが返答をした。先生は予想外の位置からの返答に身体を大きく跳ね上がらせながらすぐさま後ろを振り返った。そこには分厚い資料の束を小脇に抱えたツクモが立っていた。
「こんばんわ先生」
“こ、こんばんわツクモ。いきなり背後から声かけないでよ”
「それは失礼を。ですがこんな時間にヴァルキューレに来る先生にも問題があるのでは?」
先生の苦言にツクモは冷静に反論する。先生は痛いところを突かれてしまい苦笑いを返すだけで精一杯であった。
「何かヴァルキューレにご用命が?残念ですが今日の受付は既に終了していますので急ぎであれば明日の朝の受付にお願いします」
“いやまぁ用事はあったんだけど、どちらかと言うとツクモに用があったんだよね”
「私にですか?」
“うん、この後時間ある?”
自分に用があると答えられツクモは意外そうな顔をし、同時に壁にかけられた時計をチラリと見ながら考え込む。
「いいでしょう。ちょうどコーヒーブレイクでもしようと思っていたところです。此方へどうぞ」
“ありがとう”
- 39スレ主25/09/16(火) 02:00:33
先生とツクモはエントランスから移動し休憩室にある机と椅子に腰かける。机の上には先程までツクモが小脇に抱えた分厚い資料の束と缶コーヒーが二つ置かれていた。
「仕事が残っているのでこのコーヒーを飲み終わるまでであれば用件を聞きます。それで私に一体何のご用が?」
“ちょっと聞きたいことがあってね”
「何でしょうか?」
“君はヴァルキューレとカイザーの不正を初めから全て知っていたね?”
「…」
先生からの質問にツクモは驚きも戸惑いも無かった。ただ机に置かれた缶コーヒーの蓋を開け、ゆっくりとコーヒーに一口付けるだけであった。
「とりあえず何故そう思ったのかをお聞かせ願いますか?」
“まずミヤコ達が潜入して目的の場所まで移動する時に警備に一切会わなかった事が不自然すぎる。普通に考えて法執行機関である筈のヴァルキューレに警備がいない筈が無い。となると誰かが警備に穴を開けたとしか考えられない”
「…。続けて下さい」
“次に事後処理だ。マスコミへの弁明、連邦生徒会の調査チームの組織、子ウサギタウンの再建開発中断の対応、余りにも対処が速すぎる。まるで事前にこうなる事が予測されてたかのようだ。そんなこと出来るのは前もってRABBIT小隊の目的がヴァルキューレとカイザーとの違法リベートの証拠であることを分かっている人物だけだ”
「…」
“そして最後にやっぱり君が私に教えてくれた情報だ。
『子ウサギタウンの再開発のために現地にいる放浪者の強引な立ち退きしている組織がある』
余りにもタイミングが良すぎると思った。まるで私に子ウサギタウンの現状を見せてカイザーが絡んでることを密告しようとしてるみたいにね”
「…」
“これらの事を考えると君は事件の原因を全て知ってて私とRABBIT小隊にその証拠を握らせて告発を誘導した。本当なら自分の手で不正を正したかったけど内部の人間が告発しようとしても握り潰されると予測した君はRABBIT小隊にそれをさせるように仕向けた。今のRABBIT小隊は閉校した学校の残党、つまり上の指揮系統が無く足がつかない。匿名で情報を流してその痕跡を追い求めても特定は難しい。
つまり君はこの事件で暗躍していた影の功労者なんだ”
先生の推測にツクモはただ黙って聞き入っていた。全てを聞き終わったツクモは缶コーヒーに再び口を付け中身を飲み込む。
- 40スレ主25/09/16(火) 02:04:00
「なるほど。噂に違わぬお人のようですね先生」
“てことはやっぱり…”
「はい、私は以前からヴァルキューレとカイザーインダストリーの不正について知っていました。そしてその不正を正すために先生とミヤコ達を利用しました」
開き直るかのように全てを認めたツクモ。
そこからツクモは事の顛末を語り始めた。RABBIT小隊の侵入を予測した彼女は事前に警備のシフト表をいじり侵入路から金庫までの侵入ルートの警備を無くさせ作戦が滞りなく進むように手配した事(流石にミユの凡ミスと潜入作戦なのにあそこまで派手に暴れたのは想定外だったらしい)、事後処理のために事前に関係各所に連絡を入れ準備を整えていた事、カンナやRABBIT小隊を目撃したヴァルキューレ生徒に信用問題になると彼女達が侵入した事を公言しないように根回ししてた事など先生やミヤコ達が知らない所で彼女は奮闘していた。
“でもどうして態々こんな手のかかる方法を?”
だからこそ先生は疑問に思った。やり方が余りにもまどろっこしい事に、その気になればシャーレや他の法執行機関に告発すれば良いものを何故先生とミヤコ達を利用する形をとったのかを。
「…」
「先生、先生は何をもって自分を[先生]と定義しますか?」
ツクモの疑問に先生は手を顎に当て暫し考えると答えた。
“志かな?私は大人だから、生徒の為に責任を取るのが大人の役目であって、それこそが自分が先生である事の証明だと思ってるよ”
「素晴らしい答えだと思います。私も似たようなモノです。自らの信念、信じる[正義]の為に行動しています」
“ツクモの信じる[正義]って?”
「正しい事を行う勇気だと思っています」
ツクモは再び缶コーヒーに口を付ける。
- 41スレ主25/09/16(火) 02:08:11
「今のヴァルキューレには正しい事を行うための精神が不足しているように感じます。現に今回の事件の様に上からの指示とはいえ企業と手を組み法的違反を簡単に起こしてしまう。その様なモノはきっと正しい事とは言えない。私はこのヴァルキューレ警察学校にSRTの精神を反映させ第二のSRT特殊学園にしようと計画しています」
“第二のSRT特殊学園?”
「私は例え別の学校に行ったとしても誇りさえあればSRTであると考えています。学校に拘る必要は無い、受け継いだ精神と信念さえ有ればSRTは消えることは無いのだと。しかしそれを理解してくれるものは少ないです。だからこのヴァルキューレ警察学校で居場所を作ろうと思っているのです。その為にはまずヴァルキューレ内の不正を正し、正しいことが出来る環境を作るべきだと考えました。しかしその為にヴァルキューレの信用落とすわけにはいかない、だから内部告発ではなく外部からの情報提供者の形を取るため先生達を利用したんです」
“そっか。君もまたミヤコ達と同じでSRTの名前を守りたいんだね”
「…」
同じであると先生に言われたツクモの表情は何処か暗い影を落とした。
「私はミヤコ達とは違いますよ…」
“どうして?”
「私は彼女達のように声高らかに抗議する事が出来ませんでした。それが無駄な行為であると悟っていたから。彼女達に…ミヤコにとって私は裏切り者である筈だから…」
ツクモは残った缶コーヒーを持ち上げ一気に飲み干すと同時に資料の束を小脇に挟み直す。
「コーヒーを飲み終わりました、仕事に戻ります。先生も遅くならない内にお帰りになるべきでしょう。それではまた」
ツクモはそう言い残してから会釈すると足早に休憩室から出ていった。一人取り残された先生はまだ開けていなかった缶コーヒーを取るとプルタブで蓋を開けコーヒーを喉に通す。
それは無糖と言うには甘く微糖と言うには苦い、どっち付かずの味であった。
- 42二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 06:42:02
保守
- 43二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 15:03:00
ツクモちゃんもSRTを大切に思ってたんだね
- 44二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 17:44:11
ミームは引き継がれていく…………
- 45二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 17:50:17
更新感謝です
- 46二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 20:51:40
なんだろうパトレイバーの後藤さんぽさを感じるなこのオリキャラ
- 47二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 21:55:08
SRT組はみんな求めるものは同じなのに何故こうもすれ違うのか…
- 48二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 00:01:29
ほしゅ
- 49二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 00:21:30
今更ながらP90使ってる設定はスレ主の趣味?
- 50二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 00:29:47
非常に合理的な考えだけどそれ故に他人からは理解されにくい自覚してるんだな。
あれ、この子リオ会長では? - 51二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 01:12:03
ミヤコとツクモは和解してほしいと思うのと同時にこのまますれ違ったままでいてほしい自分がいる
- 52二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 02:48:12
意思も夢も決断力もある子だ さすがエリートな子
- 53二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 06:41:32
保守
- 54二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 12:33:48
意志が強い
- 55二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 19:20:11
ミヤコ以外のRABBIT小隊との絡みも気になる
- 56二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 22:15:42
もしかしてこの子ミヤコに激重感情持ちなのでは?
- 57二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 00:37:30
さて和解かすれ違ったままかどうなることか
- 58二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 06:36:28
ほしゅの
- 59二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 12:35:05
保守
- 60二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 19:18:29
和解したらメタルギア4のメリルとジョニーみたいな完璧なコンビネーションで戦って欲しい
- 61二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 23:12:41
どうなるかな
- 62スレ主25/09/18(木) 23:47:53
最終章は書くつもりはなかったんですが何となく書けちゃったので乗せます
先生がカイザーPMCに捕えられヴァルキューレ第3分校に収容されてしまうが辛くもカンナによって救出され、駆けつけたキリノとフブキの手を借りつつ脱出を目指すもカイザーPMCの追ってに阻まれ追い詰められてしまう。しかし先生はシッテムの箱によってRABBIT小隊に救援を要請。カンナ達と共にヴァルキューレ第3分校より救助され脱出に成功する。
「何をしている追え!このまま生かして帰すな!」
しかしカイザーPMCが追撃を試みるのは同然であった。部隊長らしいオートマタのPMC兵の怒号が響き渡っていた。
「直ぐに追撃隊を編成して奴らを追うんだ!ぐずぐずするな!!」
「そ、それが先程から連絡を取ろうとしてるんですが通信が繋がらなくて…」
通信機器を背負ったオートマタが弱々しくそう部隊長に報告した。すると彼らの正面廊下からコツコツと足音が聞こえ始めた。
「申し訳ないけどが通信設備は既に無力化したわ。学校設備をそのまま利用したのが不味かったわね。探すのに時間はかからなかったわ」
物陰から月明かりに照らされ現れたのはツクモであった。彼女は愛銃であるP90をロウレディポジションで構えつつPMC達に相対する。
「戒厳令とは言え一般回線の通信網まで遮断したのが仇になったわね。通信出来ない以上ここでの出来事を報告することは出来ない。後はあなた達を倒せば何の問題も無くなる」
「貴様何者だ!?何故我々邪魔をする!我々に逆らってどうなるかわかっているのか!!」
部隊長の罵声がツクモに向かって響くが、当のツクモはどこ吹く風。冷静に言葉を返す。
「状況判断がなってないわね。その言葉はまず目の前にいる私を制圧してからかけるべきモノよ?それに通信設備を破壊した時点で私の事を敵として認識するべき」
ツクモはP90をコンバットレディポジションに構え直し、銃口をカイザーPMCに向ける。
「先生達は追わせないわ。アレは希望なの。ここで潰えさせる訳にはいかない…!」
表情は変わらない。しかしその瞳には確かな闘志が宿り、一人の戦士として立ち向かう姿があった。 - 63スレ主25/09/19(金) 01:00:50
>>62とりあえずここまで。明日続きが書けたなら投稿します
RABBIT小隊の活躍によって救助された先生達。子ウサギ公園にてシャーレ奪還作戦の実行を決意しD.U.外郭の高層ビルに向かうも、カイザーPMCは防御陣地を形成しておりRABBIT小隊と生活安全局だけでは突破が難しい状況であった。だがそこに…
「見つけたぞ!こっちだ!」
「連絡を受けて来ました、先生!私たちも力になります!」
ヴァルキューレ警察学校公安局の生徒達が集まってきた。
“ヴァルキューレが来てくれたんだ!”
「何時までたっても命令が与えられず、ソワソワしながら待機していたのですが偶然子ウサギタウン付近で局長と先生のお姿を目撃しまして!」
「私たちも、可能な限りお手伝いします、先生!」
「それにしてもアイツの言うこと聞いといて良かったですよ!」
“アイツ?”
「最近SRTから転校してきた一年生のヤツ何ですけど。ソイツが待機中に…」
『もし何か正しいことをしたいのであれば志を同じくする者を集めて子ウサギタウンに向かってください。きっと貴女達の力が必要になる人達がいます』
「て、言われまして。半信半疑で来たんですが信じて正解でした!」
“それってもしかして…”
「…」
先生はヴァルキューレ内の一人の生徒を思い浮かべ、ミヤコもまたその生徒の姿を脳裏にチラつかせる。
「先生、今はシャーレ奪還作戦の遂行を」
“…そうだね。行こう!”
だが物思いにふけてる場合でない。ミヤコの言葉に先生は同意し、合流した公安局の生徒達と共にカイザーPMCの防御陣地に進行するのであった。
- 64二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 06:38:19
けして表に出ず影で事態の収拾の為に奔走する姿がこんなにもカッコいいなんて
- 65二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 06:46:08
SRT時代は単独部隊で誰かのSPみたいな事やってたのかもしれない
だからSRTの誇りはあれど学校自体に執着はないみたいな
学校に常にいた訳じゃないからこそ誇りを抱いて仕事に勤しんでた時に廃校の話が出た的な - 66二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 16:05:06
保守
- 67二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 21:55:09
>>63 更新に感謝を