- 1通りすがりの莉波P25/09/14(日) 18:13:51
覚悟決めました。ハピエン、書きます。
本作は原作の32レス部分にて莉波が学Pが命を絶つ直前に間に合った展開から始まる内容となります。完璧にそれまでの内容に添えるかはわかりませんが、対戦よろしくお願いします。
落ちそうになったら保守もお願いします。落ちても完結させます。
本家様↓
【閲覧注意】莉波の夏【スルー推奨】|あにまん掲示板bbs.animanch.com - 2通りすがりの莉波P25/09/14(日) 18:24:24
放課後になってすぐ、『今から行くね』。そうメッセージを送る。朝送ったメッセージはまだ既読になっていなかった。
ごめんね。きっとつらい思いさせちゃってるんだよね。スマホなんて、見ていられないんだよね。ごめんね、今会いに行くからね。
学園からP君の部屋までの距離を、全力で走る。
息が弾んで、胸が弾む。
彼に会ったら、すぐに抱きしめよう。キスしよう。そして、これからの未来を約束しよう――。
私は電車に飛び乗るような勢いで、P君の部屋に入った。
↓ここからifストーリーです
でもそこで私が見てしまったものは、最悪の結末に、今まさにそうなろうとしている、その瞬間だった。 - 3通りすがりの莉波P25/09/14(日) 18:39:30
「っ........!」
見たくなかった現実が今、そこに。起こってほしくない現実が、今、起ころうとしている。そこに佇むプロデューサーの目ははっきりと見えないが、それでもわかるくらいに、彼の目の中から光が失われていた。
「ひめ....さき...さん」
そう答える彼の声に生気はなく、今にも消えそうな声が私のところにかろうじて届く。
なんで。なんでそんなことになっちゃうの。こんなお別れだなんて、嫌だよ。まだ私は、君に言いたいことがいっぱいあって。言わなきゃいけないこともたくさんあって。そんなことを考える前に、体はなんの躊躇いもなく彼へと向かい、飛びかかっていた。 - 4通りすがりの莉波P25/09/14(日) 18:56:33
「だめっ!!!!!!!!!!!!」
もう顔もぐちゃぐちゃなんだろう。それでも。それだけは絶対にさせてはいけない。ただその一心だけで、私は動いていた。
幸い何とか間に合ったらしく、私と彼の体は激しい音をたてて床へと叩きつけられた。
「なん、で....」
「それだけは駄目っ!!!それだけはっ....!!」
彼の生気のない声に、私はこれまで見せたことのないような、もはや怒鳴っているんじゃないかというくらいの返しをしてしまった。今思えばこれが悪手になってしまうんじゃないかと思うけど、あの頃の私にそんな余裕はなかった。
「だめだよ...それ、は...!」
「......じゃあ」
涙なからに訴える私に、彼の声に生気が戻っていく。でもそれはいつものような穏やかなものではなく、絶対に見せてこなかったであろう、ただ感情のままに叫ぶ慟哭のようなものだった。 - 5二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 19:02:34
あれ書いたのもう二ヶ月以上も前か……。
大期待。 - 6二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 19:05:18
晴らしてやってくれ…莉波P…
- 7通りすがりの莉波P25/09/14(日) 19:23:09
「じゃあ俺はどうすればいいんですか!!!弟の初恋相手であるあなたに一目惚れしてしまったのに、そのあなたから拒絶されてしまった!!!俺は...俺はどうすればいいんですかっ......」
「.............」
「教えてくださいよ姫崎さん....俺、どうしたらいいんですか.....?」
そう彼は私の服を精一杯の力で握り、光の消えた目で涙ながらに、慟哭のような、でも消えそうな声で私に訴えかけてくる。
私は何も言えなかった。この種を撒いてしまったのは私自身で、どうしたらいいかなんて分からなかった。何をすれば彼のためになるだろうか。今の私に何がしてあげられるだろうか。その答えは出ることなんてないから、これからすることは私のわがままで、ただのエゴに過ぎないかもしれない。でも、それでも。君がどこか私の手の届かない遠いところに行くのだけは絶対に嫌だ。ただその一心だけで。
私は彼の唇へキスをした。 - 8二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 19:55:05
ksk
- 9通りすがりの莉波P25/09/14(日) 20:24:11
これが彼の破滅へ歩みを止める手立てになるかなんて分からない。これで私のしてしまったことが上塗りされるなんて思ってもない。
でも。
それでも。
私は君と一緒にいたい。
君が好きだから。
大好きだから。
何があっても、傍を離れないって誓うから。
これまで私たちが築き上げてきた日々は本物だって。
そんな思いを、願いが伝わって欲しいと祈り、私は顔を離した。 - 10通りすがりの莉波P25/09/14(日) 20:41:51
数秒時が経っただけなのに、その間は何分にも、何時間にも長く感じた。息が詰まりそうな空気の中、私はいまだ虚ろな目をしている彼を見つめていた。
それから、彼が口を開く。
「ひめ...さき、さん」
「...私はこんなお別れなんて認めないから。私のやったことは、君にどれだけの傷になったか。それを許して欲しいなんて言わない。でも、でもっ...」
そこからはもう自分でも何が何だか分からなかった。涙が溢れて。顔もさっき以上にぐちゃぐちゃになって。今はお姉さんらしさ、なんて一切関係ない、私の心からの叫びであり、願い。
もう止まれなかった。
止まる必要も無い。
ありったけを今、ここで...伝えなきゃ。 - 11二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 23:53:19
ちょっと早めの寝る前保守
- 12通りすがりの莉波P25/09/15(月) 02:58:26
「それでもっ....!私は君にそばにいて欲しいの!!!」
「っ.........」
「私は君が好き!!大好きだから!!!これからもずっと、私のそばにいて欲しいの!!!過去がどんなものでも、君と過ごした日々が偽物なんかじゃないからっ!!!!だから....だからぁ.......」
私はそのままの勢いで彼の服をものすごい力で握りしめ、今まで見せたことのないような顔で彼を見る。涙が止まらなくて、すごく怖い顔をしてるんだろうけど、もう関係ない。
今言わなきゃ。今言わなくて、これから先どうやって彼のそばにいれるだろうか。言ったことを信じ込ませる証拠なんてないけど、それでも言わなきゃ。伝えなきゃ。一生どころじゃないくらいの後悔をすることになるだろうから。
「"そっち"にいっちゃだめぇ....ずっと私のそばにいてぇ...」 - 13通りすがりの莉波P25/09/15(月) 06:46:26
そんな絞り出した言葉と共に、私は頭を彼の胸へ押し付けるようにもたれかかった。
子供みたいに泣きじゃくって。言いたかったことも上手く言えなくて。必死に紡いだ言葉が届いたかなんて分からないけど。まだ君と思い出をいっぱい作りたいから。もっと君との時間を過ごしたいから。そんな想いを心に、私は泣き続けた。
その時、頭になにか覚えのある感触がした。見上げると、彼の手がそこに、そっと添えられていた。
「...姫崎さん」
「......うん」
「さっきの言葉...信じていいんですか....?」
「.....!」
「俺は...怖いです。またあなたに突き放されてしまうのが。どうしようもないくらいに」
「っ.........」
「でも、必死に言ってくれた思いは...伝わりましたから」
「あ、あああああっ.......」
「....信じます。あなたの言葉を。思いを。俺も、姫崎さんのそばにずっといたい。ずっと、ずっと。」
「そ、それって.....それってぇ......」
「...はい。お別れは...延期です」
そう言う彼の瞳に、光が戻り...いつもの慣れ親しんだ微笑みが私に向けられた。そして、優しく頭を撫でてくれた。
「あ、ああああああああああっ........!!!!!!!!!!!!」
嬉しかった。ただそれだけの溢れ出る思いで、私は彼に抱きついてしまった。さっき以上に泣きわめいて。もうこれ以外のことなんてどうでもいいくらいに。
それに呼応するかのように、彼は私をそっと抱きしめてくれた。その手は震えていたけど、確かに私を包んでくれた。彼も泣いているのだろう。そんな嗚咽のような泣き声が部屋にこだまする。
いっぱい泣いて。
ひとしきり泣いたあとの顔は、二人とも酷いもので。
そんな顔を見て、互いに笑って。
夏の暑さも忘れるくらいにまた抱きしめあって。
私たちは一生を誓うほどのキスをした。 - 14通りすがりの莉波P25/09/15(月) 07:04:55
数年後。私たちはとある場所にいる。そこには麻央や星南会長、生徒会で一緒だったみんなたち、初星で一緒だった子達もいる。
「どう?準備、できてる?」
「ええ、よく似合ってますよ。まるで...白い花束みたいですね」
「ふふっ、ありがと。君も似合ってるよ」
「お褒め頂き光栄です。これなら、生まれ変わってもいい目印になってすぐ分かりますね」
「もう...調子のいいこと言うんだから」
「今日くらいいっぱい言わせてください。なんにせよこんな日なんです」
「...そう、だね」
「...覚えてますか?あの日、俺を止めてくれたこと」
「...忘れないよ。絶対に、ね」
「あの日来てくれなかったら、俺はここにいません。本当に、ありがとうございます」
「...私だって、お礼を言いたいよ。あんなことをした私を、また信じてくれたんだから」
「ははっ...お互い様ですね」
「うん。...弟くん、喜んでるかな」
「今頃嫉妬してるんじゃないですかね。僕の初恋の人と一緒になりやがってー!って」
「ふふっ。でも、こう思ってるんじゃないかな?絶対幸せになれよー、ってね」
「そう、ですね。...さ、時間ですよ。行きましょうか」
「一緒に、でしょ?」
「..ですね。
莉波。」
「うん、あなた。」 - 15通りすがりの莉波P25/09/15(月) 07:06:29
そんな未来も有り得た、ifの世界。
fin - 16通りすがりの莉波P25/09/15(月) 07:10:45
というわけで以上です!いやー書いてる途中ずーっと涙ぐんでました。いや半分嘘ですけどね。
というかこれ書くために原作を見返さざるを得なかったのが1番キツかったかも。リアタイしてた形跡あって笑いましたが。
ちなみに覚悟決めたとか最初に言ってましたが、ホントは今書いてるssが行き詰まったから別の書くかーって時にこれがよぎったので書いたんですね。でも書くつもりは元々あったので許して( ˙ ˙ )ぺろ
とりあえず感想はいっぱいください。口角ぶち上げて読ませてもらいます。 - 17二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 07:11:45
私もことね曇らせのif書こうかな
- 18通りすがりの莉波P25/09/15(月) 07:39:52
書きましょう
その暁には見に行きます - 19二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 07:41:20
乙
とてもよかったです。
やはりPドルはハッピーエンドじゃなきゃね - 20二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 07:44:02
- 21通りすがりの莉波P25/09/15(月) 07:45:19
- 22ハッシュ25/09/15(月) 07:49:35
こんなss…書けるようになりたいなぁ…
- 23通りすがりの莉波P25/09/15(月) 08:01:16
- 24ハッシュ25/09/15(月) 08:13:42
礼には及びませんよ…
正直今回のpりなインスピレーションあまりわかなくて短めなんですよね…
でも通りすがりの莉波Pさんが見てくださっているというだけでモチベ爆上がりです!!ありがとうございます!!
- 25◆HaBLx0H.oA25/09/15(月) 08:18:59
感情爆発してるお姉ちゃん良き…
原作はそのまま後追い仕兼ねない感じだったから2人とも救われてくれて本当に良かった…
元スレ見に行ったら本当に莉波Pがずっといてちょっと笑っちった - 26通りすがりの莉波P25/09/15(月) 08:31:58
- 27二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 08:35:04
あの人は鬱系もトンチキ系もとことんだからねw
- 28通りすがりの莉波P25/09/15(月) 16:11:19