【CP・閲覧注意】ヒゲマンから連絡が来ない……Part5・おまけ【シャリマチュ】

  • 1二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 20:40:19

    シャリマチュの需要、まだあるかなー、と思い、再度しつこく立ててしまいました。

    元はダイスを使いつつ、SS仕立てで展開していくスレです。
    今回はおまけの話を二つほど上げたいと思ってます。

  • 2二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 20:44:04
  • 3二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 20:45:13
  • 4二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 20:47:31
  • 5二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 20:49:33
  • 6二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 20:53:00

    前回の話から設定を引き継いでいます。

    お手数ですが、最初のスレからお読みいただくか、pixivに小説としてまとめてありますので、そちらを御覧ください。


    最初のシリーズ

    「暁の邂逅」/「あんみつ」のシリーズ [pixiv]機動戦士Gundam GQuuuuuuXの二次創作です。 最終回の少し後。 地球の海にいるマチュと、ジオンにいるシャリア・ブルが再び会うまでのお話。www.pixiv.net

    次のシリーズ

    「朔望の軌跡」/「あんみつ」のシリーズ [pixiv]20歳になったマチュとシャリア・ブルが再会して、結ばれるお話。 前シリーズ「暁の邂逅」の続編です。www.pixiv.net

    ダイス判定の臨場感を味わいたい方はスレを、内容だけ一気読みしたい場合はpixivをどうぞ。

  • 7二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 21:00:12

    前スレ後日談を書くのに四苦八苦しており、平行してその前後の話を書き散らかしたので、そのまとめです。

    最初は短い話を何本か書いて、上げる順番をダイスで決めようかと思っていたのですが、書いているうちにいくつかの話がつながって、長い話1本と短い話1本になってしまったので、ダイスはやめて普通に上げます。

  • 8二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 21:07:46

    スレ立て乙です!
    お待ちしてました!!
    支部にまとめて上がってる作品も見てます!後日談とても楽しみです!

  • 9二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 21:14:02

    わーい心の栄養だー!!!

    待ってました!
    わくわくしながら…(正座

  • 10二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 21:22:07

    では、短い方の話から、早速始めていきます。

    「ヒゲマンの髭伸ばし途中の写真を撮ろうと奮闘するコモリンの話」
    前スレのエピローグの、少し前の話です。

  • 11二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 21:24:42

    >>8

    >>9

    待っていていただけたとは嬉しいです!ありがとうございます!

    ネタが思いつく間は、続けていきたいと思います

  • 12二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 21:25:47

    ※公王直属の特務部隊は、シャリア・ブルたちのほか複数の班があって、総勢30名ほど所属している設定です。


    コモリは思案していた。

    シャリア・ブルとエグザベがグラナダから帰還して、特務部隊の面々は本格的に政権奉還の式典の準備に追われている。

    彼らが行うのは、主に警備方面の調整だ。
    道路の封鎖やMSの配置など、手配しなければならないことは枚挙にいとまがない。

    そんなわけで、ここのところ激務が続いているのだが、今彼女が頭を悩ませているのは、仕事のことではなかった。

  • 13二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 21:29:09

    実は先日、コモリの元に、マチュからメッセージが届いた。
    髭を伸ばし途中のシャリア・ブルの写真を送って欲しいというのだ。

    『グラナダの時よりもっと伸びてると思うんだ。ヒゲマンにお願いしたけどダメだっていうから!コモリンお願い!』

    (確かにレアだから欲しいのは分かるよ。……正直、私もちょっと欲しい)
    コモリはシャリア・ブルを横目で見る。
    髭なしの写真は、潜入捜査の妨げになると言われて諦めたが、今回は何も問題ないように思える。

  • 14二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 21:34:58

    エグザベが、「髭がない中佐は、あの『赤い彗星』も見たことなかったって」などと口走ったおかげで、ただでさえレア度の高かったシャリア・ブルの髭なし姿の希少価値はうなぎ登りだ。

    ましてや、髭を伸ばし中の姿は、絶対に今だけしか撮れない。
    生え揃ってしまう前に、せめて1枚……。

    (とりあえず、正面切ってお願いしてみようかな)

  • 15二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 00:44:16

    続きありがたいです…!
    更新楽しみにしてます!!

  • 16二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 01:08:31

    ぷぷ… 想像するとなんともほほえましい
    どうなるかな?

  • 17二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 07:51:07

    >>15

    ありがとうございます!

    ゆるゆる上げていくので、気長に待ってていただければ……

  • 18二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 07:52:29

    また読めるなんて……!楽しみにしてます!

  • 19二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 07:53:00

    すみません、「エピローグ前」と書きましたが、「エピローグの、政権奉還の式典の前」の誤りでした。
    失礼しました。

    では、続きです。


    コモリは忙しい仕事の合間を縫って、シャリア・ブルに声をかけた。
    「あのー、中佐?すみません、ちょっとだけお願いがあるんですが」

    彼はコモリの顔を一瞥するとあっさり言った。
    「……もしかして写真ですか?」
    「うっ……」
    図星をつかれたコモリは言葉に詰まる。

  • 20二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 07:54:04

    「マチュ君に頼まれましたね?ダメだと言ったはずなんですが」
    「どうしてですか?1枚だけでも……」

    (どうしてと言われても……)
    シャリア・ブルは困った顔をする。
    髭が生え途中なので、単に気恥ずかしいだけだ。

  • 21二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 07:55:16

    「なぜ写真が欲しいのか、そちらの方が不思議ですよ」
    シャリア・ブルが言うと、コモリはびっくりした。
    「えぇ!?そこ疑問に思います?中佐、下手したら雑誌の表紙だって飾れちゃいそうなのに」

    (自分のこと分かってなさ過ぎでしょ!中佐の顔面偏差値高過ぎて、破壊力すごいんだから、ホントに!特に今の状態の写真なんて、特務部隊の他の班の人たちに見せたら、きっとみんなすごい羨ましがって……)

  • 22二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 13:32:39

    そこらへんの自覚のなさがとっても…

  • 23二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 16:32:34

    >>21

    隠し撮りの写真が高値で取引されてそう

  • 24二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 16:52:36

    「コモリ中尉」
    コモリの思考は、シャリア・ブルの声で中断した。
    (ヤバ、なんか勢い余って余計なこと言っちゃったかも)

    「あっ、えーっと、つまりみんな中佐のファンっていうか」
    コモリは何か上手い言い訳を口にしようとしたが、
    「あまり上司を揶揄わないように。写真の話は終わりにしましょう。頼んでいた件はどうなりました?」
    シャリア・ブルの有無を言わさぬ口調で、あっさり話題を変えられてしまった。

  • 25二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 16:54:03

    シャリア・ブルが外出した後。

    コモリはデスクに頬杖をついて、ため息をついた。
    あまりにも本人が無自覚なのがもどかしくて、つい口走ってしまったが。
    (写真欲しい理由が、顔目当てみたいな感じになってしまった……)
    コモリの言葉が、シャリア・ブルの態度を余計頑なにしてしまった気がする。
    (マズったなー、中佐に変な誤解されちゃったかも)

  • 26二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 17:03:15

    >>18

    楽しみにしてもらえて嬉しいです

    ありがとうございます!

  • 27二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 21:12:58

    もう、直接お願いして写真をもらうのは難しそうだ。コモリは頬杖をついたまま、あれこれ方法を模索する。
    「どうするかなー」
    「何を?」
    仕事のことかと思ったエグザベが声をかけてきた。
    「んー、中佐の写真。マチュにお願いされたやつ」
    「ああ……」
    コモリがシャリア・ブルに写真をお願いして、撃沈したところをエグザベは目撃している。
    「もう諦めたら?中佐にはハッキリ断られただろ?」
    エグザベの言葉を完全にスルーして、コモリは決意する。

    「……こうなったら、隠し撮りしかないか」

  • 28二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 21:25:52

    コモリの言葉に、エグザベは目を剥いた。
    「隠し撮り!?それはまずいんじゃないか?」
    「だってもう……他に方法が思いつかない」
    「いや、本人の意思を尊重した方がいいと思うけど。それに、あの中佐にバレないように写真を撮るなんて……」
    「エグザベ君、何とかならない?」
    「僕が!?いや、絶対に無理だよ!」
    エグザベは激しく首を振る。
    こっそり撮ろうとした瞬間に、オールレンジ攻撃で撃ち抜かれるイメージしか沸いてこない。


    「仕方ない、自分で何とかするか……」
    (こうなったら絶対写真を手に入れて、マチュに送ってみせる!)

  • 29二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 22:00:52

    ヒゲマンの隠し撮りとか、大体が海外俳優とかのパパラッチに対する対応みたいな事しそうなイメージある
    先ず死角を取らない人だもんな

  • 30二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 00:07:19

    中距離射撃戦得意な御仁に対して隠し撮りを成功させる
    無理難題レベルじゃなかろか…

  • 31二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 06:24:48

    こうしてコモリは無謀な作戦行動を開始した。

    職場の上司を隠し撮りしたのがバレて怒られるのは絶対に避けたい。
    万が一にも気付かれないようにしなくては。

    (できるだけ遠くから、他のものを撮っている時にたまたま写り込んだという感じで……)

  • 32二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 06:26:21

    コモリはチャンスを伺ったが、いざ撮ろうとすると、彼に全く隙がないことに気付く。
    スマホのカメラを立ち上げただけで、既に視界から消えていること数回。
    撮ってみても、何故か他の人と被っていたり、顔だけ隠れていたり。
    (エグザベ君が言ってたことが身に染みて分かったよ……。中佐は勘が鋭すぎ!)

    業務に支障が出ない範囲で、散々チャンスを求めてうろついたが、何の成果も出せない日々が続いた。
    (そもそも庁舎内で自然に写真撮るタイミングなんて、普通ないしな。参ったなー、このままじゃ、マチュに合わせる顔がないよ……)

  • 33二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 06:27:23

    一方、コモリに追いかけ回されているシャリア・ブルは。
    (何でコモリ中尉はそっちの方向に振り切れてしまったのか……)
    髭が生え途中の姿の写真が恥ずかしいというだけの話が、どんどん大ごとになってきた。
    (自分がうっかり彼女の思考に反応してしまったのもよくなかったが……)

  • 34二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 06:28:48

    (あのタイミングで写真など撮らせたら、特務部隊中に写真が出回りそうだった)
    それは勘弁してほしい。

    しかし、このままの状態が続くのはよくない。発端が、マチュに写真を送るためというのも気まずい。おかしな方向で真面目に頑張り続けるコモリを止めなければ。

    シャリア・ブルは業務のスケジュールを眺めながら考えを巡らした。

  • 35二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 06:30:59

    一旦ここまでです。

    次は昼頃上げる予定ですが、最近規制で書き込めないことが多くて……。
    申し訳ないのですが、もし自分が書き込めてなかったら、保守お願いします。

  • 36二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 08:51:10

    単に恥ずかしいヒゲマン可愛いし、頑張って隠し撮りをしようとするコモリンも可愛い…

    スレ保守、お任せください
    続き楽しみに待ってます!

  • 37二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 15:08:43

    恥ずかしがるヒゲマンかわいいなおい

  • 38二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 19:14:14

    保守ありがとうございます!

    続きです。


    コモリが、写真を撮るなんて無理かもしれない、と諦めかけていた時。
    事務室で業務の予定を見直していた彼女は、ふと気付いた。
    (……確か明日、式典の警備の関係で、モビルスーツ配置の実地調査に行く予定だったよね?)
    もう一度内容を確認する。
    (うん、やっぱり。現地の写真も撮る必要があるやつだ)
    そして……。
    (中佐も一緒に出る予定だ!ここしかない!)
    この時を逃したら、もうチャンスはないだろう。

  • 39二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 19:22:31

    翌日。
    コモリはこれ以上ない気合いを入れて、業務に臨んだ。

    現地で、道路管理の担当者とテキパキ打合せを進めていく。
    「……そうです、ここに3機。いけますか?」
    「当日は車両通行止めにする予定なので、大丈夫でしょう」
    「分かりました」
    頷きながら、目の端ではシャリア・ブルが少し離れた場所で別の担当者と話しているのを、しっかり確認していた。
    「……ちょっと配置のイメージを見たいので、写真を撮りますね。私のスマホで」

  • 40二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 21:18:17

    (これは仕事だから……仕事用の写真、仕事用の写真、仕事用の……)
    もしもシャリア・ブルが、コモリの出す殺気(?)を感じて避けているのだとすれば、仕事用とカモフラージュすれば撮れる……ような気がする。

    コモリがスマホを縦にしたり横にしたりしながら何枚も写真を撮るのを、道路管理の担当者は不思議そうに眺めていた。
    「ずいぶん熱心に撮りますね」
    「ええ、ちょっと、角度とか向きとか大事なので……何枚か念のために」
    「角度?向き?」

  • 41二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 21:24:27

    (よしっ、このくらい撮っておけばさすがに大丈夫でしょ!)
    すぐに確認したい気持ちを抑えて、コモリは打合せを再開した。


    ようやく業務が終わる。コモリはいそいそとシャリア・ブルに声をかけた。
    「中佐、打合せ終わりました。戻りましょう」
    「分かりました、こちらもちょうど終わったところです」
    彼の様子はいつもと変わらず、何も気付いていないように見えた。

  • 42二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 22:57:50

    コモリンNT能力がヒゲマン寄りの感応と勘の良さあるから、頑張ればヒゲマンの気配遮断みたいな気取られないように出来てしまうのかも…?隠し撮りで偶然発揮されたか…

  • 43二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 02:36:04

    ヒゲマンには悪いがコモりんを全力で応援したい

  • 44二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 06:18:05

    公王庁に戻ったコモリは、一旦事務室の自分の机に荷物を置きに寄ったが、我慢できずにすぐ出てきた。
    人の来ない廊下の突き当たりの片隅で、柱の陰に隠れて撮った写真を確認する。

    (これもだめ、これも……)
    何枚かスライドさせていくうち、コモリの手がある1枚の写真のところで止まった。
    指でピンチアウトして拡大してみる。
    (これは……!うまくトリミングすればなかなかそうじゃない……?)

  • 45二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 06:22:44

    コモリがホクホクしながら撮れた写真を確認していると、突然後ろから声をかけられた。
    「コモリ中尉」
    (!?!!?)
    驚いた彼女は、文字どおり飛び上がる。

    ゆっくり振り向くと、コモリの背後に立っていたのは、シャリア・ブルその人だった。

  • 46二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 06:25:36

    「あー……中佐……」
    コモリはぎこちなくスマホを隠したが、シャリア・ブルは誤魔化されない。
    「人の写真をこっそり撮るなんて、褒められたものではありませんね」
    「すみません……」
    コモリは観念して謝罪した。
    (これは怒られる……)

  • 47二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 06:27:07

    だが、続いた言葉は意外なものだった。
    「……仕方ない、それを送ってあげなさい」
    「えっ、いいんですか?」
    「ええ。ですが、これきりですよ」
    シャリア・ブルはしっかりと釘を刺した。
    「マチュ君にも、その一枚だけだと念を押しておくように」
    「分かりました、ありがとうございます」
    「それと、あくまで私は知らないていでお願いします」
    「はい」
    コモリは頷いたが、脳内では疑問が沸く。
    (いいけど、何でだろ?)

    (……マチュ君から直接お願いしてこられたら、断りにくいではないですか)

  • 48二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 06:30:43

    続きは、上げられたらお昼に。

    すみません、やっぱり昨日も規制で書き込めなかったため、今日も自分が書き込めなかったら、申し訳ないのですがどなたか保守をお願いします。

    昼がダメだったら、19時頃に続きを上げます。

  • 49二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 11:40:21

    相変わらずマチュには甘いヒゲマンいい…!

  • 50二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 12:45:08

    今日はアップできそう!

    書き込みありがとうございます!

    続きです。


    「あと、くれぐれも他の人には……」
    「分かってます!マチュだけ特別!ですよね!」
    コモリは『マチュだけ特別』の部分に特に力を入れて答える。
    シャリア・ブルは勢いに気圧されて、頷いた。
    「……ええ、まあ、はい」
    誤解を解くのは今しかない。これ幸いとコモリは捲し立てた。
    「別にマチュは、中佐の顔目当てで写真を欲しがってるわけじゃないですから、絶対に!だって好きな人の写真なら普通に欲しいって思……」
    そこまで口走ってコモリは気付く。
    (あれ、これ言っていいやつ?……でも、こないだ、中佐が膝枕されてたの見たってエグザベ君から聞いたしな……)

  • 51二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 12:46:35

    彼女は上目で自分の上司の顔を確認し、その表情を見て口をつぐんだ。
    (また余計なこと言っちゃったかも)
    「……失礼しました。あー、じゃあ私は業務に戻りますので、これで」
    踵を返して早足でその場を立ち去る。
    (でもこれでちゃんと弁明できたし、とりあえず結果オーライってことで!)

  • 52二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 12:48:14

    コモリが去った後、1人残されたシャリア・ブルは、辛うじて平静を保っていた。
    (あれは、単なる救護活動の一環……のはず)
    エグザベが目にした事実を述べただけで、悪気ないのは分かっている。
    (しかし、多大な誤解が生じている……。その上、結果的に無傷だっただけに、何とも言い訳し難い……!)

  • 53二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 19:32:15

    (ともかく)
    彼は気を取り直して、顎を撫でつつ思案した。
    (写真の件はこれで解決、となればよいですが)
    素直に一枚撮ってマチュに送ってやった方が、よっぽど早かった気がしないでもないが、自分が折れるのは、遠目のあの距離がギリギリ限界だ。
    それに、ああ言っておけば、コモリもマチュ以外にあの写真を共有しようとはしないだろう。

  • 54二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 19:36:37

    (それにしても、皆、どうしてこんな中途半端な状態がよいのやら……。きちんと整うまで待ってくれれば、マチュ君にだって写真くらい)

    そこまで考えたとき。
    突然、ニュータイプの勘が、彼に何事かを告げてきた。


    (……何故か今、マチュ君からツーショットを要求される未来が見えた気がする……?)

  • 55二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 19:46:14

    「えっ、隠し撮り成功したのか!?」
    エグザベに驚かれて、コモリは素知らぬ顔で頷いた。
    「……まあね」
    (中佐にバレたことは、エグザベ君にも内緒にしとこう)
    「すごいな、僕だったら絶対に気付かれて終わりだよ」
    (だよね、ジオン最強のニュータイプ相手にバレずに何とかしようとした私が間違ってた)

  • 56二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 19:52:11

    コモリはさっそく写真をマチュに送ってやる。
    すぐに、大喜びの返事が届いた。
    『すごい!コモリンありがと!』
    『大変だったんだからね。もうそれ以上は無理だから』
    『ヒゲマン、よく許してくれたね。さすがコモリン』
    『許すも何も隠し撮りだし。中佐には絶対に内緒ね』
    言われたとおり、シャリア・ブルは知らないことにしておく。
    『そっか、りょーかい!』

  • 57二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 19:57:43

    ……ベッドに寝転がったマチュは、届いた写真を見ながらにんまりした。

    (ヒゲマン、とうとう根負けしたか。コモリンに頼んで大正解だった!よし、これで、次会った時はツーショットいけるな!)

    「とりあえず保存っと」

  • 58二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 20:04:31

    終わりです


    一応補足で、ヒゲマンは髭生え途中の姿を撮られるのが嫌なだけで、写真自体が嫌いな訳じゃないので、マチュのおねだりはきっと次会った時に叶えられることでしょう

    恋人未満の関係で、もだもだやってる話が一番好きなので、こういうのばっかり書きたいw

  • 59二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 20:25:14

    と言いつつ、一応、前スレエピローグのラストのフラグを回収するため、後日談で二人の関係に一区切りつけます
    細かい部分を修正後、後で支部にアップします

    もうひとつのおまけの話「三人が地球にやってきたよ」編は、後日談の後のエピソードなので、明日以降、このスレに順次上げていきます
    (ややこしくてすみません……)

    おまけの話は、後日談を読まなくても特に支障なく読める内容になってます

  • 60二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 21:50:17

    後日談、支部にアップしました

    R18含みますのでスレには上げません

    読みたい方はこちらからどうぞ


    [R-18] #8 後日談 ぬくもり感じる距離まで | 朔望の軌跡 - あんみつの小説シリーズ - pixiv後日談です。2人だけしか知らない、その後の話。www.pixiv.net

    閲覧注意、成人向けです

    内容は……初めて書いたので、御容赦ください

    自分の今の文章力を最大限まで使って、これが限界でした

  • 61二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 22:00:05

    ついでに「コモリンが膝枕のことを聞いたときの話」も、おまけの小話としてアップしておきます

    支部に上げた話と落差が激しい内容ですが、あの後日談は、途中書くのを中断しては、こういう系の小話を書いて中和(?)しながら何とか書き進めたので、ネタがたくさんありまして……

  • 62二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 22:01:24

    エグザベがグラナダからズムシティに帰ってきた直後のこと。

    「ねえねえ、エグザベ君」
    マチュたちのことが気になるコモリは、彼を捕まえて聞いてみた。
    「今回、マチュと中佐は何か進展がありそうだった?」
    「進展?」
    「そう!グラナダで会ったとき」
    (マチュなら、髭なしの中佐に会ったら大騒ぎしそう)

  • 63二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 22:02:36

    「うーん、グラナダ到着後はフラナガン機関の事件の事後処理で慌ただしかったから、多分中佐とマチュはほとんど会えてないんだよな。マチュが地球に帰るときに僕と2人で見送りに行ったけど」
    「2人って……ちょっと気を利かせなさいよ」
    コモリは少しがっかりする。
    「いや、中佐から一緒にって声をかけられたからさ。あとは、オブジェクトを回収に行ったときくらいじゃないかな」
    「オブジェクト回収って、MS戦になったやつでしょ。中佐が一人で無茶して、2人が応援に行ってくれたときの」
    「そう、そのとき」
    「そんなの会ったうちに入らないよ」
    コモリは更にがっかりする。
    MS戦の後すぐに、コモリが応援を頼んだグラナダ常駐軍が駆けつけてオブジェクトを回収したはずだ。
    ゆっくり2人で会えるような状況ではなかっただろう。
    「まあ、そう言われてみれば確かに」
    「なんだー、今回は進展なしか」
    (まあ任務中だし、前の地球のときみたいにデートって訳にはいかないか)
    「膝枕されてる中佐は珍しかったけどね」
    「……ちょっと今の話詳しく教えて」

  • 64二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 22:04:46

    「詳しくと言われても、あの時僕は到着が遅れて、現場に着いたとき、マチュが中佐を膝枕してあげてたのを見ただけなんだけど」
    「MS戦の最中に!?」
    「僕はね。で、そのあとマチュが中佐の頭を抱きしめて……」
    「まさかそれも戦闘中に!?」
    「いや、それは敵を制した後だったな。というか、そんなに気になるならマチュに直接聞いたらいいじゃないか?中佐が政権奉還の式典に来ないかってマチュを誘ってたから」
    「中佐がマチュを誘った!?って……」
    次から次へ情報が出てくる。
    「あのねぇ、エグザベ君」
    コモリは腰に手を当てて、エグザベを睨み付けた。
    「私は!そういう話が!聞きたいって言ってるの!この朴念仁がぁ!」
    「えぇ……」
    (何だかすごく理不尽に怒られてる気がする)

    エグザベが恋バナを聞きたい乙女心を理解できるようになるのは、まだまだ時間がかかるかもしれない。


    おまけの小話、終わり

  • 65二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 22:22:54

    渋の小説見ました…本当に最高すぎて…!マチュへの気持ちが止まらずについ本能を抑えきれなくなってしまうヒゲマン良すぎます…本当にありがとうございます…!!
    そしてエグザべ君のこの鈍さが愛おしすぎる

  • 66二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 22:26:39

    こばなし小ネタなんでも大歓迎なのですよ~

    ザベ君… きみはあいかわらずだな
    それでこそとか思ってしまうがw(ぉぃ

  • 67二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 22:38:57

    >>65

    感想ありがとうございます!

    よかった……

    なかなか書き進められなくて、もう暗転、朝チュンにしちゃいたい、と何度も思ったのですが、浮かばれます……!


    >>65

    >>66

    そして、エグザベ君をオチに使うのがやめられなくなってきました……!愛すべきキャラすぎるw

  • 68二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 22:43:02

    支部の後日談、拝読させていただきました…
    マジ良すぎて困ります…マチュに対する気持ちを自覚したら抑えが効かなくなるシャリアまじ良すぎますし、ちゃっかり用意周到に準備してる事で二人して恥ずかしがってるの可愛すぎか?になりました。二年待ったから一晩で済むはずないのだ…イチャラブしてろ
    ここまで辿り着く話を読ませてもらい本当にありがとうございます…!

  • 69二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 23:01:17

    >>68

    ありがとうございます!

    用意周到なのは、エグザベ君に絆創膏を用意してたシーンのオマージュです

    その部分だけはかなり早い段階で書こうと決めてましたw

    ここまで辿り着けて本当によかったです……!


    R18部分、こんなんで大丈夫かとっても不安だったので、皆様の感想でほっとしてます

  • 70二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 06:23:44

    では、もうひとつのおまけの話、「三人が地球にやってきたよ」編です。
    前スレのエピローグ後、後日談を挟んで更にその後のお話です。

    繰り返しになりますが、後日談を読んでなくても問題ないです。
    政権奉還の式典後の最後の会話で、二人がその後どうなったか、何となく察していただければ。

  • 71二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 06:25:19

    それでは始めていきます。


    地球。

    マチュは宇宙との定期連絡便が発着する空港にいた。
    ジオンからシャリア・ブルたち三人が地球に来るという連絡を受けて、出迎えに来たのだ。
    (ニャアンも来られればよかったのにな。まぁ、試験期間中だっていうから仕方ないけど)

  • 72二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 06:29:59

    定期連絡便到着のアナウンスが流れた。
    「着いたかな?」

    しばらくすると、到着口から人が溢れ出してくる。ロビーは連絡便から降りてきた人々と出迎えの人々が入り交じり、ごった返す。
    その混雑の中、三人の姿を見つけてマチュは手を振った。
    「おーい、ここだよー」

  • 73二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 06:32:35

    「久し振り!」
    マチュはシャリア・ブルを見上げた。
    「マチュ君、わざわざ出迎えありがとうございます」
    「マチュ、来たよー」
    「コモリンも久し振り!ザベも!」
    「やあマチュ。元気そうだな」
    三人とも大きな荷物を持っている。今回の滞在は長くなりそうだ。

  • 74二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 06:33:42

    一旦ここまでです。

    続きはお昼に上げる予定です。
    規制で書き込めなかった時は、19時半頃に上げます。

    スレ落ちそうな時は、申し訳ないのですがどなたか保守をお願いします。

  • 75二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 12:13:21

    保守 コモりんとエグザベ君とも愛称で呼び合って仲良くなっているマチュいいですねー!

  • 76二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 15:17:44

    ソドン組と仲良くしてるマチュ微笑ましくて好き

  • 77二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 19:32:00

    >>75

    >>76

    書き込みありがとうございます!

    ソドン組+マチュが仲良くしてるのよいですよね……!

  • 78二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 19:33:07

    続きです。



    「今回は普通の連絡便で来たんだね」
    「ええ、MSを置いてきましたから」
    四人は空港の出口に向かって歩きだした。
    エグザベが周囲を見回す。
    「それにしてもすごい混雑だ」
    そんなに大きくない空港とはいえ、通路はすれ違うのにも苦労するほどだ。
    「ここのところで大分連絡便の本数が減ったからね。席を取るのも結構大変だったし」
    定期連絡便の手配をしたコモリが答えた。

  • 79二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 19:34:10

    ジオンが共和国制を敷いてから既に数か月が経過していた。
    地球にあるジオン占領地は、以前と比べて少しずつ変容している。

    「やっぱり、占領地減っちゃうの?」
    「本国から離れた土地の統治を維持していくのも大変ですからね」
    マチュの問いに、シャリア・ブルは少し逡巡しながら答える。
    「一時期は撤退も視野に入れていたのですが、地球連邦と協定を結び直して、正式に統治を認めて融通を利かせてもらう代わりに、幾つかの地域を返還することとして話が進んでいます」
    マチュの表情を見た彼は、安心させるように微笑んでみせた。
    「大丈夫、マチュ君が住んでいる地域は残る予定ですから」

  • 80二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 19:35:38

    「地球連邦と上手くやってるんだ」
    マチュは元々サイド6出身なので、中立の立場だったが、既にジオンとの縁ができて長い。心情的にはジオン側に立ってしまう。
    「最近は、大分関係も良好になってきたんですよ」
    そう話すシャリア・ブルは、マチュに一番大事なことを伏せていた。


    ……今まで仲違いをしていた者同士が手を組むのは、共通の敵がいる時であると相場が決まっているのだ。

  • 81二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 21:53:30

    「みんなはしばらくホテルに滞在するんだっけ」
    「ええ」
    空港から程近い、有名なホテルの名前を告げられて、マチュは目を見張った。
    「ずいぶん豪勢だね」
    「まあ、経費で落ちるしね」
    ホテルの手配をしたのはコモリだ。
    経費で落ちる、ということはつまり、彼らは仕事で来たということだった。
    「今回は人と会う予定も多く入っていますから、大きなホテルの方が使い勝手がいいんです」

  • 82二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 22:05:57

    事前に聞いていたので知っているが、仕事のついでかと思うと、やはり少しだけ面白くない。
    マチュの心情を読んだシャリア・ブルは宥めるように言った。
    「仕事でもないと、そうそう地球まで来られませんからね。その分、しばらく滞在することになりそうです」
    「仕事ってどれくらいかかりそうなの?」
    マチュの質問にエグザベが答える。
    「軍事機密だから、詳しい話はできないよ。いつ終わるとも言えない」
    マチュはムッとして言い返した。
    「もー、ザベには聞いてないんだけど!」
    「誰に聞いたって同じことだ」
    「まあまあ」
    シャリア・ブルは言い合う二人の間に割って入った。
    「そうですね、はっきりとは言えませんが、ひと月後には終わっていると思いますよ」
    マチュにジト目で見られて、付け加える。
    「合間にちゃんと休暇も取れますから」

  • 83二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 22:09:35

    「ちぇっ。せっかくあたしも合わせて休み取ろうと思ったのに」
    マチュの言葉に、シャリア・ブルは思い出したように声をかける。
    「……そう、今回はクワトロ氏にもお会いしたいと思っているので、仲介をお願いできますか、マチュ君」
    「クワトロさんに?えー、珍しいね、ヒゲマンが直接会いたいなんて。何の話?」
    彼は、その問いには笑って答えなかった。

  • 84二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 22:10:38

    「それよりも」
    と、彼はさりげなく話題を変える。
    「せっかく出迎えてくれたのだから、ホテルのラウンジでお茶でもしていきませんか?」
    「ラウンジ?」
    シャリア・ブルはホテルのホームページを開くとラウンジのページを表示して、マチュに見せてやる。
    「わー、すごい!」
    宿泊客しか利用できないラウンジに入る機会はなかなかないので、マチュは喜んだ。

  • 85二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 01:29:28

    ウキウキマチュかわいい
    有名ホテルのラウンジとかめちゃくちゃ豪華だろうなあ…映えそうだ

  • 86二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 06:34:41

    目的のホテルは、空港から電車で15分ほど移動して、駅からすぐのところにあった。
    立地も良く、敷地も広々としている。
    コモリは、マチュたちをホテルのロビーで待たせて、チェックインのために受付に向かった。
    三人分のチェックイン手続を済ませて戻ろうとしたところに、シャリア・ブルが近づいてくる。
    彼はコモリから部屋の鍵を受け取ると礼を言った。
    「ありがとうございます。……ああ、コモリ中尉」
    シャリア・ブルは、マチュがホテルの豪華な内装に感心している隙を見計らって、こっそりコモリに耳打ちした。
    「あなたは、業務がない時は自由行動にしてくれても構いませんからね」

  • 87二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 06:36:50

    実はコモリの地球での業務の予定は、シャリア・ブルとエグザベの二人と比較すると、そこまで過密ではなかった。

    二人は、調整会議やら面談やら、色々予定が入っている。ここから更に別の地域に出張する必要もあり、そこそこ忙しい。
    一方コモリの業務は彼らの予定の管理が中心で、会議等にもほぼ出席する必要はないと言われていた。

    元々、地球への出張はシャリア・ブルとエグザベの二人の予定だったのだが、
    「コモリ中尉、たしか地球へ行きたいと言っていたでしょう。今度仕事で行くことになりましたから帯同しますか?業務が終了すれば休暇にして構いませんから」
    というシャリア・ブルからの誘いを受けて、ついてくることにしたのだ。

  • 88二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 06:39:54

    彼がマチュの方にチラリと視線を走らせたので、コモリはピンときた。
    (さては、マチュのご機嫌取りのために私を連れてきたな。……まあいいけど)
    仕事から早く解放されるなら願ったり叶ったりだ。おまけに良いホテルに滞在できるおまけ付き。
    せっかく地球に来たのだから、色々観光して回りたい。

    「分かりました、マチュの相手は任せてください」
    「話が早くて助かります。……これを」
    そっと軍資金を手渡された。経費で落ちるわけがないから、彼のポケットマネーだろう。
    相変わらずマチュに甘いなー、と余計なことを考えそうになって、やめた。
    (そうと決まったら、どこ行くか早く決めなきゃ!わー、楽しみ!)

  • 89二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 06:41:07

    一旦ここまでです。

    続きはお昼に上げる予定です。
    規制で書き込めなかった時は、昨日と同じく19時半頃に上げます。

    スレ落ちそうな時は、申し訳ないのですがどなたか保守をお願いします。

  • 90二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 11:32:44

    コモりんもなんだかんだいいながらマチュに甘いよね...マチュのためにヒゲ生えかけヒゲマンの写真撮るの頑張ってくれてたし、美しい友情だ...

  • 91二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 12:21:48

    今日もお昼上げられそう!

    書込みありがとうございます。出先の通信状況が安定しないので助かります……!

    では続きです。


    シャリア・ブルたちが地球に来て数日後。

    今日は、シャリア・ブルがシャアと会う予定になっていた。
    当然マチュも同席するつもりだったのだが、今回の会談の内容には軍事機密も含まれるとのことで、体よく断られてしまった。
    「あたしがクワトロさんに約束を取りつけたのにさー。何で話を聞いちゃいけないの?」
    「すみません。それより、ちょうどその日、コモリ中尉が休みですから、観光案内でもしてあげてください。彼女は地球に来るのを楽しみにしていましたから」
    (なんか怪しいけど……)
    「お願いできますか?」
    重ねて言われてマチュはしぶしぶ答えた。
    「はいはい、分かりましたーっと」

  • 92二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 12:25:30

    コモリは、ちょうど仕事の合間で手が空いていたエグザベにも声をかけ、結果三人で出かけることになった。

    「ここら辺で遊ぶところといったら、まずはこのショッピングモールだね。いつも観光客で賑わってるよ」
    「へー。地球のお土産で、良さそうなのあるかな」
    「色々お店入ってるから探したらいいよ。あとアイス屋さんもあるよ、結構有名なとこ。すっごい人気でいっつも並んでるけど」
    スマホで写真を見せる。コモリは興味深々の様子だった。
    「いいなー、ここ行きたい」
    「行こ行こ!あとは、遊びに行くとしたら海かな。ここからは少し離れてるけど、日帰りできる距離だから、たまに行ってるよ」
    以前住んでいたのは海からすぐの場所だった。
    今は、そこと比べると離れてはいるが、十分海に遊びに行ける距離だ。
    「海好きだよね、マチュは」

  • 93二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 12:27:34

    コモリとマチュはショッピングを思うがままに楽しみ、エグザベは荷物持ちに奮闘した。
    「付き合わせちゃってごめんね、エグザベ君」
    「いや、どうせ一人じゃこんなところ来ないから、これはこれで楽しいよ」
    「ザベ、これも持ってよー」
    「君は少しは遠慮しろよ」
    「いーじゃん、可愛い女の子2人も侍らせてんだから」
    「どちらかというと僕が従者の立場な気がするんだが……」

  • 94二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 20:05:18

    保守 荷物持ち引き受けてくれるエグザベ君、紳士やな…

  • 95二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 20:11:42

    買い物が一段落したので、三人はショッピングモール内にある、目当てのアイス屋にやってきた。
    「わー、並んでる」
    入口にはずらりと行列ができている。
    「わりと回転早いから大丈夫だよ」
    マチュはそう言って列の最後尾に並んだ。
    店構えは、いかにも女性に人気のありそうなメルヘンな雰囲気だ。
    「なんか女性ばっかりだけど、僕が入って大丈夫か……?」
    「気にしない気にしない」

  • 96二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 20:14:09

    しばらく並んで無事に店に入ることができた。
    席に運ばれてきたアイスは、パフェグラスに入っており、エグザベが見たことのない高さで盛りつけられて、チョコやらクッキーやらのトッピングがたくさん飾られている。
    女子二人は大喜びだ。
    「美味しそう!デコレーションも可愛い!」
    「あーっ、ザベ待って、食べる前に写真!」
    「そんなことしてたら溶けるぞ」
    「だから溶ける前に撮るの!」

  • 97二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 20:15:23

    写真を撮り終え、ようやく食べ始める。
    「それにしてもずいぶん買い込んだな」
    ショッピングバックの山を眺めて、エグザベは改めて感嘆した。
    「お土産いっぱい買っちゃった。地球も楽しいね」
    コモリはニコニコしている。
    「ね、なかなかいいとこでしょ、地球も」
    「まあ、確かに。前回来たときはそれどころじゃなかったからな」

  • 98二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 22:49:06

    アイスを食べている最中に、コモリが身を乗り出してマチュに切り出した。
    「ね、もう正直なところを聞きたいんだけど」
    「なに?」
    「結局、中佐と付き合ってるってことでいいのよね?」
    「えー?えへへ、内緒」
    マチュはアイスのスプーンを咥えてニヤニヤする。
    「否定しないってことは、やっぱり付き合ってるんだ」
    「だから内緒だってば」
    マチュははっきり答えないが、コモリはここぞとばかりに畳みかける。
    「こないだ政権奉還の式典を見にズムシティに来たとき、二人絶対何かあったよね?」
    当の上司がいる前ではこんなことは口が裂けても聞けない。今がチャンスだ。
    「えっ?あー……」
    「ほら、やっぱり!中佐が急にお休み取ったし怪しいと思ったんだ」
    女子二人がきゃあきゃあ話している脇で、エグザベは気まずい表情で一人黙々とアイスを口に運んでいた。
    (これは僕が聞いても大丈夫な話なのか?)
    店の雰囲気も相まって、ものすごく場違いな気分だ。

  • 99二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 22:50:07

    コモリに色々問い詰められて、返事に窮したマチュはエグザベに話題を振る。
    「あー、そういえば、ヒゲマンのモビルスーツ、グラナダで壊れちゃったけど今どうしてるの?」
    「え?ああ……」
    話題が変わって居心地の悪さから解放されたエグザベはほっとして答えた。
    「あまり詳しくは言えないけれど、実は今、新しいモビルスーツを開発中だ」
    「開発中?」

  • 100二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 22:52:06

    エグザベは、少し周囲を気にしたが、皆、店の可愛らしい内装や自分の前のデザートに夢中で、他所の席の会話などに興味はなさそうだった。
    それでも彼は念のため、声のトーンを少し落として答える。
    「君も見ただろ、あの『オブジェクト』」
    「オブジェクトって、フラナガン機関が隠し持ってたアレ?……MSっぽいやつの、頭の部分だけだったけど」
    「そう、あれを元に全身を製作する予定らしい」
    「全身を?」
    頭の大きさからするに、相当巨大なMSになりそうだ。
    「もはやモビルアーマーじゃん」
    「それ並みの大きさと機能になるだろうな。しかもサイコミュ搭載だって……」
    ここまで話してエグザベは口をつぐんだ。サイコミュ搭載の機体は禁止条約兵器だ。軽々しく口にしてよい内容ではなかった。
    「ふーん?」
    マチュはスプーンを咥えたまま唸る。
    以前聞いたときと、ずいぶん風向きが変わってきた。
    ちょっと前にエグザベ自身が、モビルアーマーの開発はそう簡単にできないと言っていたはずなのに。

  • 101二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 22:53:10

    「もう、パイロットってモビルスーツだのなんだのそんな話ばっかり。あなたたち、もうちょっと平穏な話題はないわけ?」

    コモリに言われて二人は会話を止める。
    確かに、可愛らしい店内には相応しくない物騒な内容だった。

  • 102二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 22:54:14

    マチュの前においてあったパフェグラスから、溶けたアイスの一部がぽたりとテーブルの上に落ちる。
    「あっ、アイス溶けてる!」
    「わー、もったいない!」
    話に夢中になって、すっかり食べる手が止まっていた。
    慌ててテーブルを拭いたり、アイスを掻き込んだりしているうちに、モビルスーツの話はうやむやになってしまった。

  • 103二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 02:13:25

    ジークアクスで1番荷物持ちが似合うであろう男 エグザべ君すこ

  • 104二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 06:23:04

    一方。
    同日、シャリア・ブルは、シャアとララァの住まいを訪れていた。
    事前にマチュが伝えておいてくれたので、彼らはシャリア・ブルの訪問を承知しているはずだ。

    最初は、現在滞在しているホテルの会議室かラウンジでも、と思ったが、会う場所としてシャアが指定してきたのは、彼の住まいだった。
    その理由を、シャリア・ブルはマチュから聞いていた。
    「実は、ララァがヒゲマンに会ってみたいんだって」
    「それならお二人とも招待しますよ」
    「クワトロさんとヒゲマンの話を邪魔するつもりはないから、ちょっとお礼を言わせてもらえればいいんだってさ」

  • 105二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 06:24:14

    彼とは随分久々に会う。
    少し躊躇ったあと、呼び鈴を押すと、ややあってドアが開いた。
    出迎えてくれたのはシャアだった。
    「やあ、来たか。シャリア・ブル、久しいな」
    「御無沙汰しています。お変わりないようで、何よりです」
    「そちらこそ。立ち話もなんだ、中に入るといい」

  • 106二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 10:27:33

    家の中に入ると、ララァが待っていた。
    「初めまして、シャリア・ブル中佐。貴方とは一度、お会いしたいと思っていました」
    シャリア・ブルは立ち止まり、畏まって挨拶する。
    「初めまして。……失礼かもしれませんが、あなたとは初めてお会いした気がしませんね」
    二人は初対面だが、シャリア・ブルにとってはララァの姿は既に見慣れたものだった。
    (本当に、あの薔薇の少女と同一人物かと見紛うほどだ)

  • 107二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 10:30:05

    ララァは微笑む。
    「私も、中佐とは初めてお会いした気がしません」
    その瞳に見つめられて、彼はドキリとする。
    彼女の瞳は何かを想起させた。どこか別の場所、別の刻に彼女と会ったことがあるような。……そして、その出会いが、暗く不吉な死に繋がっているような。
    シャリア・ブルが返事をする前に、ララァが言葉を繋いだ。
    「マチュがよく、貴方の話をしていますから」
    彼は少しほっとして、苦笑いした。
    「ああ……どんな話をされているのやら、少し怖いですね」
    「御心配なく。マチュはあなたを慕っています。中佐には心労がおありでしょうね。でもきっと大丈夫です」
    ララァの表情も、言った内容も謎めいていて、シャリア・ブルは面食らった。

  • 108二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 10:34:13

    ララァは構わず続ける。
    「私、中佐には感謝しているのです」
    シャリア・ブルは言下に否定する。
    「まさか、感謝されるようなことなど何も」
    (一時は彼を殺そうとまでしたのに?)
    ララァの表情は柔らかいままだった。
    「いえ、今のこの世界は、あなたが命をかけて求めた結果でもあるのですから」
    (それがなければ、彼はきっと、今ここにはいないでしょう)

  • 109二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 10:36:32

    シャリア・ブルは眉を開いて微笑んだ。
    「……なるほど、あなたはずいぶん優れたニュータイプのようだ。私など足元にも及ばない」
    「まあ、ジオン最強のニュータイプと言われる中佐が、ずいぶん御謙遜されるのですね」
    そう言ったあと、ララァはシャアを顧みた。
    「……すみません、中佐は貴方に会いに来たのに、邪魔をしてしまって」
    「構わない。一度会ってみたいと前から言っていただろう」
    「ええ、きちんとお礼を言えて安心しました」
    ララァはにっこりした。
    「……中佐は貴方にとても大事なお話があるようです。私は下がりますから、後はお二人でどうぞ」

  • 110二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 17:53:22

    応接間に通されてシャアと二人きりになったシャリア・ブルは、勧められたソファに腰かけて彼と向き合った。

    「先だっては、フラナガン機関の件で御面倒をおかけしました」
    「なに、大したことはしていない」
    シャアは鷹揚にかぶりを振る。
    「共和国制への移行は無事に終わったようだな」
    「ええ、おかげさまで。残務整理も大分進みました。アルテイシア様も近いうちに一度、地球へ戻られるかと」
    「そうか」
    シャリア・ブルの言葉に、シャアの表情が少し和らいだように見えた。
    「今回の来訪は、その露払いか」
    「それもありますが」
    シャリア・ブルは居住いを正して続けた。
    「あなたのお耳に入れておきたい話がありまして」
    不穏な含みを感じたシャアは、訝しげにシャリア・ブルのことを見る。
    一方シャリア・ブルは表情ひとつ動かさない。

  • 111二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 18:05:52

    「ここのところで、国際情勢に変動が起きています」
    剣呑な空気の中、シャリア・ブルは話を切り出した。
    「ザビ家の復興を目論む者たちが動き出しました」
    ザビ家、と聞いたシャアの眼光が鋭くなった。
    「彼らには、もはや後ろ楯はないはずだが」
    「地球連邦軍の過激派と、ドズル中将の娘、ミネバ・ザビを擁する一派とが手を組んで、急激に勢力を伸ばしています。既に地球連邦政府の議席も獲得している状況です」

    シャアは嘆息する。
    「詮無きことだ」

  • 112二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 18:09:48

    しかし、裏で取引する程度ならともかく、表だっては絶対に結び付かないはずの二者が、どうやって結託したというのか。

    シャアは腕組みをする。
    「どこかで糸を引いている者がいるな」
    「……一人、疑わしい人物が」
    シャリア・ブルは険しい表情で報告を続ける。
    「パプテマス・シロッコ。……地球連邦政府の木星資源採掘船『ジュピトリス』の責任者です。彼が木星から帰還してから、事態が急速に悪化しています。連邦軍の過激派と、ミネバ・ザビの摂政とを引き合わせたのは彼の仕業でしょう」
    「木星帰りの男、か。貴様と同じだな」
    「一緒にされるのは心外ですね」

  • 113二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 18:12:34

    「しかし何故そんな話を私に?」
    シャアはシャリア・ブルに問いかけた。
    「……この話、あなたは既にある程度は御存知でしょう」
    シャアは彼をじろりと見た。シャリア・ブルは動じない。
    「マチュ君から地球での仕事の話を聞いていますから。あなた方の周辺は調査済みです」

    「……まあ、貴様の言うとおり、連邦の過激派とザビ家の動向はそれなりに把握はしているが」
    シャアは腕組みを解いて肩をすくめると、あっさり認めた。把握というより、見張ると言う方が近いかもしれない。
    「しかし、木星帰りの男の話は初耳だ」

  • 114二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 18:13:36

    「そうでしたか」
    シャリア・ブルは顎に手をやると少し思索する。幾つかの伝手を使ってなお、彼の尻尾を掴むのには苦労した。
    「確かに、彼は非常に狡猾で巧妙な男です。今は裏に回っていますが、今後の我々の組織の最大の障壁となるでしょうね」
    ニュータイプの勘がそう告げていた。

  • 115二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 18:14:39

    「我々の組織?」
    彼が『ジオン』と言わなかったことに、シャアはひっかかった。
    シャリア・ブルはすぐには答えなかったが、やがてシャアを真っ直ぐ見据えた。今回彼がシャアに会いに来た目的は、このことを伝えるためだった。

    「はい、ジオンの枠組みを超えて、新たな組織を結成します」

  • 116二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 18:37:57

    シャリアとララァがあって、わぁ〜高度NT会話してる〜!絶対仲良くなるよね〜とキャッキャ!喜んでたら…
    なんか突然木星帰り2号が追突してくるのは反則でしょ!?トロッコに乗ったシロッコ!?お前!出禁だったはずじゃ!??

  • 117二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 21:32:33

    「……地球連邦軍の過激派には、連邦側も手を焼いています。ましてや両者が手を組んだとなると、連邦もジオンも、お互い単なる内紛で済ませられる問題ではなくなる。もはや国という境界に拘っている場合ではありません」
    「なるほど、そちらも連邦軍と手を組むか」
    シャアの言葉に、シャリア・ブルは頷いた。
    「後ろ楯にはジオニック社がついてくれることとなりました。現在人員を集めているところです。基本は共和国軍籍の者が中心になるでしょうが、連邦側や他の宙域からも、人を募ります」

  • 118二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 21:34:22

    組織の名称は『Anti Zabi House Group』、通称『アズィーグ(AZG)』。
    シャリア・ブルは、今回地球連邦軍側との内密の調整のために、地球を訪れていたのだった。
    よいホテルをとったのも、少しでも足元を見られないようにするためだ。
    地球での調整が終われば、今後はサイド6など他の宙域を順に回る予定だった。
    このことは、エグザベほか一部の者にしか知らされていない。
    コモリにでさえ、具体的なことは伝えていなかった。

    「貴様も今後はその組織に所属するというわけだ」
    「ええ、そうなる予定です」

  • 119二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 21:38:22

    「で?私にわざわざ話をしたからには、何か理由があるのだろう?」
    「組織の立ち上げについて、きちんとお伝えしておいた方がよいかと思いまして。……我々は彼らに対抗する準備がある、と」
    「手出し無用だということか?いや、逆だな、付かず離れずの関係を保ちたいと?ずいぶん都合がいいな」
    「いえ、そのようなことは……」
    「それとも私の元にいるアマテ嬢のことが気になるか」
    シャアは軽口を叩く。
    シャリア・ブルが答えないでいると、シャアは続けて追い打ちをかけた。
    「相変わらず心配性が過ぎるぞ。アマテ嬢は立派な成人だ」
    「前にも言ったとおり、マチュ君は私の愛弟子ですから、心配もしますよ」

  • 120二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 21:38:28

    やっぱり来たか
    原作終了から2年経ってるからな~…

  • 121二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 21:40:04

    「愛弟子だと。何を言っている」
    シャアはしれっと言う。
    「アマテ嬢は、もはや貴様より私の元にいる期間の方が長いのだぞ」
    シャリア・ブルは虚を突かれて言葉に詰まった。
    「彼女の師匠といったら、既に私の方だろう」

  • 122二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 21:41:28

    「……そんな顔をするくらいなら、人に面倒を見させず自分の手元に置いておけばよいだろうに」
    シャアは半ば呆れ混じりに言い放った。
    「あまり揶揄うのはやめてください」
    シャアに返事をしたシャリア・ブルは、元の冷静な表情に戻っていた。

    「で、結局アマテ嬢をその軍事組織に誘うつもりなのか」
    「いいえ」
    シャリア・ブルは首を振る。
    「これから始まるのは本当の戦争です。彼女を巻き込むつもりはない」

  • 123二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 21:42:31

    「マチュ君のことを頼みます。あなたを信頼して預けているのですから」
    シャリア・ブルは『信頼』の部分をことさら強調する。
    シャアがマチュのために仕事を取捨選択していることを、シャリア・ブルはちゃんと把握していた。
    「信頼とはよくもまあ、そんな台詞を吐けるものだ。自分がやったことをもう忘れたか」
    もちろんシャアはイオマグヌッソの「事故」のときのことを当て擦っている。
    「握手して和解したこともお忘れなく」
    シャリア・ブルは、さっきのお返しとばかりにしれっと言い返した。
    「全く。貴様はアマテ嬢が絡むとずいぶん図々しくなれるようだな」
    「愛弟子のためであればいくらでも。……言っておきますが、いくらあなたの元に長く居ようと、私が師匠であった期間がなくなるわけではありませんからね」

    (そこを張り合うか……ちょっとした冗談に、むきになり過ぎだ)

  • 124二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 21:47:10

    >>116

    >>120

    出しちゃいましたww



    Zガンダムを知らない方のために補足です


    木星帰りの男、パプテマス・シロッコは、正史ではZガンダムのラスボスです


    そして、ヒゲマンが立ち上げる予定の組織「アズィーグ」の元ネタは、正史ではエゥーゴ(Anti Earth Union Group)、Zの主人公カミーユ(と、シャア=クワトロ・バジーナ大尉)が所属している組織です



    スレPart3でチラッと話題が出たときに、彼が出てくる展開を考えたのが最初ですが、その時はシャリマチュでなく、ジークアクスΖの妄想でした


    だって、シロッコが出てきたら、どう考えても不穏な展開にしかならないし、二人の関係にも暗雲が……

    って、あのときは思ったけど、シャリマチュの関係が進んだ今ならきっといけるはず!

    ということで、満を持して登場です(話題だけですが)

  • 125二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 22:32:48

    シャアからの師匠マウントに、むきになっちゃうシャリア好き…前にも増してマチュへの愛(ウェイト)がデカく育っちゃったからしょうがないし、裏方にいる相手が相手だから厄介度考えると心配性にもなる

  • 126二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 01:16:53

    技術と設計図は魅力的だがそれ以外の持ち込んでくるもんが面倒と厄介ってのがね(酷

    わざわざシャリアが参加してマチュを関与させたくない理由…
    シャアに言っていることの他にもあるのかもしれないが、どうあれ賢明ではある

  • 127二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 01:27:51

    シロッコ相手だと新組織立ち上げないとですね…。あと中佐の「愛弟子のためであればいくらでも」のセリフとても好き…!

  • 128二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 08:03:06

    シャリア・ブルが帰った後。

    「どうでした、久々の再会は」
    ララァは紅茶を淹れてシャアに出し、自分の分も持ってきて彼の横に座った。
    「どうもこうもない」
    シャアはぼやく。
    「共和国制の次は、国の枠を越えた軍事組織とはな。私を舞台から降ろした罪滅ぼしのつもりか、奴はまだまだ走り続けるつもりでいるらしい」
    考えを巡らしながら、手の指を組み合わせる。
    「おまけに私を組織に誘うつもりはないくせに、わざわざ事情を話しに来た。いざというとき、自由に動ける手駒としてこちらを使いたいのだろう。遠慮というものを知らんと見える」

  • 129二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 08:05:00

    「でも、もうよい御友人同士なのでしょう?手伝って差し上げては?」

    何だかんだ言ったところで、結局頼られれば断らないシャアの性格を、ララァはよく分かっている。もちろんシャリア・ブルも承知の上で話をしに来たに違いなかった。

    「更に気に食わないのは、アマテ嬢を私に預けて、こちらの首に鈴をつけた気でいるところだ」
    「まあ、ふふふ……」
    「笑いごとではない」
    「鈴なんて、可愛らしいことをおっしゃるから」

  • 130二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 08:07:32

    「……で、あの方は、マチュを連れていくつもりはないのですね」
    「らしいな」

    シャアは紅茶に手を伸ばした。一口飲んで話を続ける。

    「あれは、アマテ嬢をいつでも手放すつもりでいる」
    ララァはシャリア・ブルの様子を思い返した。
    「もちろん御自身の立場を考えてのこともあるでしょうが……。もしかすると中佐は、彼女がどこか遠くへ旅立つ未来を見たことがあるのかもしれません」
    それは、向こう側の世界に行く光景かもしれない。
    シャアの未来を予測したように、彼はマチュの未来についても何か感じ取っているのかもしれなかった。

  • 131二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 08:13:23

    「確か中佐はゼクノヴァの研究にも力を入れているとか」
    彼がその研究をマチュのために進めているのは明らかだった。
    「それがマチュの望みなのであれば、叶えてあげたいと思っているのでしょう」
    心のどこかで常に、いつか離れることを考えている。それが彼女のためだと心から信じて。

    「全く、難儀な性格をしているものだ」

    「あなたとそっくりではありませんか」
    「奴と私が?」
    「あなたもシャリア・ブル中佐も、御自身の幸せを考えない節がありますもの」
    「……」

    シャアは返事をしなかった。

  • 132二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 08:16:37

    ララァは少し置いて続ける。
    「でも、中佐の行動次第で、マチュの未来は変わるはずです。あの方は気付いていないようですけれど」

    「そこまで分かっているのなら、本人にはっきり言ってやればよいのに」
    「こういうことは、御自分で気付いていただくのが一番です。直接言ったところで、人はそうそう変わるものではありませんもの」
    「ふむ……」

    「それに……もしかすると既に、世界は変わっているのかもしれません」
    ララァは呟く。

    マチュが、シャリア・ブルと再会したいと願って、ララァに会いに来たときに。
    そして、マチュとは会わない方が良いと思っていたはずのシャリア・ブルが、彼女に連絡したときに。

  • 133二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 08:35:41

    「しかしな、こちらが言ったちょっとした冗談に、むきになり過ぎだろう」
    (……多分、痛いところをついてしまったのでしょうね……)
    彼の冗談が下手なことを知るララァは、そう心の中で思ったが、口には出さず、代わりにこう言った。
    「もしかしたら、結果的にはよかったかもしれません」
    (少し嫉妬心を煽るくらいの方が、上手くいくかもしれませんから)

  • 134二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 11:31:37

    一方、こちらはショッピングモール。
    アイス屋を出て少し経ったあと、マチュのスマホにメッセージが入った。
    アプリを立ち上げた彼女は目を輝かせる。
    「あっ、ヒゲマンから連絡来た!クワトロさんとの話が終わったから、こっちに合流できるって」

  • 135二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 11:34:25

    しばらくして、三人に合流したシャリア・ブルは、エグザベが持つショッピングバッグの量に目を丸くした。
    「……エグザベ大尉、少し持ちましょうか?」
    「いえ、大丈夫です」
    上司に荷物持ちさせる訳にはいかないと、エグザベはキリッとした顔で返事をする。
    (コモリ中尉に渡した軍資金、少し多過ぎましたか……)

  • 136二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 17:07:12

    「今日は一日仕事じゃなかったの?」
    「あー、実は」
    マチュに聞かれたシャリア・ブルは、少し言い淀んだ。
    「この後も予定が入っています。1時間……30分くらいならいられるかと」
    ずいぶん気忙しい。
    (なんだ、仕事終わったんじゃないんだ)

  • 137二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 17:09:03

    忙しい中わざわざ時間を割いてマチュに会いにきた彼の様子に、コモリは何かを察した。
    「あ、私ちょっと寄りたいお店があるので、別行動にしましょう。エグザベ君、付き合って」
    「え?ああ」
    「マチュ、後で連絡するから、じゃあね」
    コモリはエグザベを引っ張って去っていき、マチュとシャリア・ブルはその場に残された。

  • 138二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 19:37:35

    ショッピングモールの通路は、そこそこ人通りがあった。二人は人の流れの妨げにならないよう、通路の端に寄る。
    「すみません、買い物の邪魔をするつもりはなかったんですが」
    「ううん、わざわざ来てくれたんでしょ?でも急にどうしたの?」
    「ええ、ちょっと時間ができたので」
    自分でもどうかしていると思うが、居ても立ってもいられなくて来てしまった。

  • 139二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 19:40:04

    「惜しかったね。もう少し早く来れば、一緒にアイス屋さんに行けたのに」
    「アイス屋さん、ですか」
    「見てよ、ほら」
    マチュはスマホで撮った写真を見せる。
    度を超えた大きさのアイスの上に、極限までトッピングが乗せられたパフェを見せられて、シャリア・ブルは圧倒されつつ答えた。
    「楽しかったようで何よりです」
    (この量は……私には食べきれるかどうか。コモリ中尉に任せたのは、きっと正しい判断だった。マチュ君も満足そうだし……)

    そう考えて、自分を納得させようとする一方で、彼女の隣にいられなかったことに、少しだけ胸が痛む。マチュが自分以外の人間と出掛けるよう仕組んだ張本人であるというのに。

    「……今度機会があれば一緒に行きますか?」
    つい、そう口にしてしまった。

  • 140二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 19:43:06

    (あの人が、余計なことを言うからだ)
    せっかく地球に来ても、戦争の準備に飛び回っている。仕事だから仕方ないと割り切っているつもりでも、どんなに彼女に気を回しても、会えないことを何より気にしているのは自分自身だった。
    (こんな、僅かばかり会う時間を増やしたところで、何が変わるというのだろう)

    「うん!ホントに美味しいんだよ、ここ」
    マチュが顔をほころばせているのを見て、心が癒される。
    彼女といる間は、世の中に起きている物騒なことなど全て忘れてしまいたい。

  • 141二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 22:10:34

    「あー、そうだ」
    マチュはアイス屋のくだりで何かを思い出した様子だ。言いにくそうにシャリア・ブルに切り出した。
    「何ですか?」
    「あのさ、さっきアイス屋さんで、コモリンにさ……」
    彼女はしばらくもじもじしていたが、思い切って言う。
    「二人は付き合ってるのかって聞かれたんだけど」
    「……」
    マチュの言葉にシャリア・ブルは何と言ってよいか当惑したが、
    (ヒゲマンからはちゃんと言われてないけど、一応、付き合ってるってことでいいんだよね?)
    という彼女の心の声で、今更ながら気付く。

    確かに、彼女に対してそういった意味合いの言葉を伝えたことがなかった。

  • 142二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 22:11:53

    立場も年齢も、居る星までもが異なる二人が、お互い同じ想いを抱いているだけで、奇跡のようなことだ。
    彼にとってはそれだけで十分満足だった。
    たとえ、この関係が、いつまで続くか分からない儚いものだとしても。

    そもそも、今の二人の関係が「付き合う」という言葉の一般的な定義に当てはまるのかさえ、よく分からない。

  • 143二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 22:13:53

    だが、大事なのは言葉の定義などではなかった。
    彼女が、自分の曖昧な態度に不安を抱いているということに、どうして気付いてやれなかったのだろう。
    普段会えないのなら尚更、曖昧で不安定な二人の関係に、きちんと名をつけるべきだった。

    (……結局私は自分のことばかりで、彼女のことを思いやれていなかったのだな)
    自分の憂いも立場も考えも、自分が担うべきもので、彼女に背負わせるものではないはずだ。

  • 144二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 22:16:12

    自省したシャリア・ブルは、神妙な面持ちでマチュに向き直った。
    「すみません、ちゃんと伝えるべきでした。今更遅いかもしれませんが」
    目をぱちくりさせているマチュに向かって一息に言う。


    「……好きです、マチュ君。私と付き合ってもらえませんか?」


    思うままを口にした後で、
    (しまった、こんなショッピングモールの通路で……もう少し場所とタイミングを選ぶべきだったか)
    と悔やんだが、既に口から出た言葉は取り消せない。

  • 145二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 22:17:26

    だが、彼のそんな後悔は、マチュの嬉しそうな顔を見て、全部吹き飛んだ。
    「うん。……あたしも、好き」

    (彼女から話を聞く前に、もっと早く言葉にして伝えればよかった)
    マチュに手を伸ばしかけて、引っ込めた。
    彼の脳裏に、「こういうときに、恋人同士が取る行動」がいくつかよぎったが、どれも人通りのあるショッピングモールの通路でやれるようなことではない。

  • 146二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 22:18:35

    「……そろそろ行かないと」
    「えっ?もう?」
    「ええ、できるだけ早く終わらせて、明日か明後日には、もう少しきちんと時間を取ります」
    シャリア・ブルはいつもの様子に戻っていた。
    「マチュ君に会えたので元気が出ました。また連絡しますね」
    自分は自分の為すべきことをやらなければならない。
    全ては、その後のことだ。

  • 147二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 22:19:37

    シャリア・ブルの去り際、最後にマチュが声をかけてきた。
    「あっ、じゃあさ、コモリンに付き合ってるって言っちゃってもいいよね?」
    「……それは……」




    「何とかうまく誤魔化しておいてください」
    「ええーっ、何で!?」
    「一応、私の立場というものがありまして……」

  • 148二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 22:35:15

    本日はここまでです

    この二人、4スレも使って一度もお互い直接「好き」って言うシーンがなかったので、スレ内でもちゃんと告白シーンを作りたいな、と思ってました
    何故かどうしても直接告白する雰囲気にならなくて……(自分で書いておいて何言ってんだって感じですが)
    今回はがっつりお膳立てして、やっと言う流れになりましたw

    お話はもう少し続きます
    明日か明後日には最後まで上げられそうです

  • 149二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 23:37:17

    忙しい合間を縫ってわざわざマチュに会いに来るシャリア⋯愛だ⋯!

  • 150二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 06:22:19

    更にそこから数日が経過した。

    「明日か明後日には」と宣言したシャリア・ブルだったが、少し遅れてようやく仕事が片付き、マチュと会う時間を作ることができた。

    その日のお昼過ぎ、待ち合わせ場所のカフェで二人は合流した。
    カフェのテラス席でシャリア・ブルを待っていたマチュは、近づいてくる彼の姿を認めて手を振る。
    「お疲れ様。仕事一区切りついたの?」
    シャリア・ブルは、マチュが座っている向かいの椅子を引いて腰かけた。
    「すみません、遅くなって。その代わり、これからしばらくは空いていますよ」

  • 151二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 06:23:48

    一つ一つの調整の日程には、十分な余裕を持たせてあった。
    そのため、順調に仕事が片付けば、次の予定まで少し空きができる。
    コモリに頼んで業務の進行を調整してもらい、複数の予定を繰り上げたり先延ばししたりして、何とかまとまった休暇を作り出すことができた。

  • 152二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 06:25:58

    「じゃ、一緒にいられる?」
    「ええ、どうしましょうか?」
    「どうしようかって、もー!そんなの決まってるでしょ」
    マチュはシャリア・ブルに指を突きつける。
    「恋人同士がやることっていったらひとつじゃん!」
    「やることはひとつ……」
    「デートだよ、デート!せっかくヒゲマンが地球に来てるんだから、あちこち行きたい!」


    「……そうですね、確かに。もちろん。いくらでも付き合います」

  • 153二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 06:28:34

    続きはお昼に上げます

    規制で上げられなかったら、19時頃に上げます
    万が一の時はお手数ですが、どなたか保守をお願いします

  • 154二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 10:17:04

    保守、承り
    シャリマチュのデート回は何回あってもええですからね…健康に良い…

  • 155二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 12:47:04

    今日は上げられそう……!

    保守ありがとうございます
    スレタイがスレタイだけに、いつも会えないところから始まるので、二人のシーンはいつも後日談とか番外編とかになっちゃうw

    では続きです


    「ねえ、どこ行こっか?」
    「マチュ君が行きたいところでいいですよ」
    「そりゃ行きたいとこはいっぱいあるんだけどさ。せっかくだから、ヒゲマンは行きたいところ、ないの?地球でこういうことがしたい、とかさ」

    行きたいところ、か。シャリア・ブルは少し考えた後にマチュに告げた。
    「……ああ、では一ヶ所だけ」
    「うん」
    「海を見に行きたいですね。夕陽が見られたらなおいい」

  • 156二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 12:58:33

    「いいじゃん!」
    海が好きなマチュは勢い込んだ。
    「今は泳ぐ時期じゃないけど、景色を眺めるだけなら大丈夫!なんなら今からでもいいよ!」
    マチュはスマホで地図を表示してシャリア・ブルに見せる。
    「車ならわりとすぐだけど、電車でも行けるし」
    「車か……」
    少し考えた後、彼はこう提案した。
    「なら、ホテルでレンタカーを手配してもらいましょう」

  • 157二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 13:00:21

    シャリア・ブルの提案で、二人は彼の滞在するホテルに寄ることになった。
    連れられて来たのは、前回来たロビーとは違う場所だった。
    (クラブラウンジって書いてある。大きなホテルって、受付も複数あるんだな)
    受付で彼が何やら交渉しているのを、ソファに座って待っていると、飲み物が運ばれてくる。
    「ウェルカムドリンクです、どうぞ」
    「えっ、飲んでいいの?」
    「はい、サービスとなっておりますので」
    綺麗な色のノンアルコールカクテルだ。マチュは一口飲んで驚いた。
    (うまっ!何これ、めちゃくちゃ美味しいんだけど!!!)
    手続を終えたシャリア・ブルがマチュの元へ戻ってくる。
    「お待たせしました」
    「ヒゲマン!これめちゃくちゃ美味しい!しかもサービスとか、すごくない?」
    「気に入りましたか?それはよかった」

  • 158二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 15:43:58

    >>148

    だいじょうぶです

    なかなか直接的に好きって言えない関係ってのもおつなもんですよ♪


    『デート回はなんぼあっても良い』と他の方に引き続き(連鎖

  • 159二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 19:40:27

    ホテルが手配してくれたレンタカーで、二人は海へと出発した。
    マチュは免許を持っていないので、シャリア・ブルが運転し、マチュは助手席だ。
    (なんかまた、カッコいい車だなぁ)
    マチュは車の種類に詳しくはないが、シンプルで少しレトロなフォルムが、運転席の彼の雰囲気に良く似合っている。

  • 160二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 19:42:03

    マチュは助手席から、窓の外の流れていく景色に目をやった。
    海に向かうときは、いつもワクワクする。
    「ヒゲマンも海好きだったっけ?」
    「ええ、好きですよ」
    彼は運転しながら頷く。
    「前に、遊びに行ったことないって言ってなかった?」
    「そうです。マチュ君と一緒に行ったのが楽しかったので、すっかり海が好きになりました」
    さらっと言われてドキッとした。
    (ちょっ!!!)
    彼が心から言ってくれている様子なので、余計ときめいてしまう。
    「……前から思ってたんだけど、ヒゲマン絶対にモテるよね!?」
    「そんなことはないと思うのですが……。何故急に?」
    シャリア・ブルの返事に、マチュはジト目で彼を見た。
    (なんか……色々本気で分かってなさそう)
    あまり自覚がないようなのが、余計たちが悪い。

  • 161二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 19:52:33

    「マチュ君は免許取らないんですか」
    「んー、公開指名手配が解除されたから、もう取れるんだけど、タイミング逃しちゃって。車の運転って難しい?」
    「MSが操縦できるなら大丈夫ですよ」
    「そっか。確かにMSのパイロットってみんな運転上手いよね」
    (みんな、とは……)
    シャリア・ブルは、彼女の言う「みんな」に、誰が含まれているのかと一瞬心がざわついたが、
    「あっ、ザベは別!あいつの運転最悪だった!こないだ地球に来たとき、ドックにMS取りに向かう途中で、たんこぶできたもん」
    思いがけないマチュの言葉に、笑いを押し殺した。
    多分地球のドックが襲撃されたときの話だと推測する。
    「緊急事態だったのでしょうから、勘弁してあげてください」

  • 162二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 19:59:09

    しばらくすると、海沿いの道に出た。
    海と空を横手に、そのまま車を走らせる。蛇行している道の脇に、車を駐車できるスペースを見つけて、車を乗り入れた。
    ちょうどよく、高台から海を見下ろせるようになっている。西向きなので、夕陽を観賞するのにはもってこいだ。

    車から降りると、頬を撫でる海風が心地よい。
    マチュは高台のぎりぎりまで駆けていき、海を見渡した。
    「うーん、爽快!」
    シャリア・ブルは後から追いついて、彼女の隣に並ぶ。

  • 163二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 20:00:30

    「前に地球に来て、最初に会ったとき。ちょうど朝日が出る頃だったでしょう?」
    「うん、そうだった」
    「それから、その後二人で海に落ちる夕日も見ました。朝日も夕日も、コロニーでは絶対に見られない光景ですから、印象に残っていて」
    彼はそう言いながら空を見上げる。
    「でも、晴れていないと夕日も見られないのですね、残念です」
    昼は晴れていたのに、いつの間にか生憎の曇り空だ。
    今はちょうど太陽が厚い雲に隠れてしまっていた。
    「コロニーと違って、天気が読めないからね。最初は戸惑ったけどもう慣れたよ。それにほら、雲がどんどん流れていくから、それを見てるのも面白いよ」
    「確かに」
    二人はしばらく並んで雲の行方を眺めていた。

  • 164二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 20:11:09

    口火を切ったのはマチュの方だった。
    「また、なんか物騒なことが始まったんでしょ」
    「……」

    できれば彼女にはまだ、情勢が緊迫していることを知られたくなかったのだが。

    「ザベから聞いたよ。ヒゲマンの、新しいモビルスーツの話」
    (エグザベ大尉が、軍事機密レベルの内容を洩らすとは珍しい)
    そう思いながら慎重に答える。
    「……キケロガをロストしてからずっと、専用機がありませんでしたから。わざわざ開発してくれるとはありがたいことです。……本音を言えば、もういい年なのでパイロットは引退したいんですがね」
    シャリア・ブルは苦笑した。

  • 165二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 20:12:12

    「例の『オブジェクト』を元にするんだって?」
    「元といいますか、ジオニック社とフラナガン機関との共同開発で」
    オブジェクトの件で、フラナガン機関には重い行政処分が下り、複数の研究員が解雇となったが、今回の機体の開発には、機関の研究結果が不可欠だった。機関に残った研究員らは信頼を取り戻すべく、積極的に協力してくれる。お陰で、開発は急ピッチで進められていた。

  • 166二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 20:13:19

    皮肉なものだ、とシャリア・ブルは思う。結局あのフラナガン機関の男が言っていたとおりではないか。
    新たな戦争が、新たな革新を生み出す。

    だが、やはり新しい専用機の存在はありがたかった。
    本格的な武力紛争が始まれば、今までのように量産型のリック・ドムでお茶を濁しているわけにはいかないだろう。

    (ある程度の機体があれば、M.A.V戦術に拘らず一人で出撃できる)

  • 167二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 23:42:43

    マチュと一緒に過ごした思い出で、好きなものが増えるシャリア良すぎ…

  • 168二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 01:38:43

    シャリアの好きなものふえるの、よきよき…

  • 169二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 07:13:47

    みんなという一言で心がざわついちゃうシャリアかわいい…

  • 170二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 07:13:54

    「ふーん。……ねえ、また戦争するの?」
    単刀直入な質問に、シャリア・ブルは黙り込む。
    「……」
    「こないだの話からすると、連邦とじゃないよね。わざわざクワトロさんに話をしに行ったのは、もしかしてザビ家が絡んでるから?」

  • 171二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 07:14:56

    「……まだ詳しくは言えませんが」
    シャリア・ブルは前置きして、続けた。
    「宇宙の勢力図が変わりつつあります。放置しておくと、大変なことになる。誰かが止めなければ」
    「その役目を自分がやるって?」
    「もちろん、私だけでは無理ですが。……今のジオンの姿を描いた私にも、責任の一端があります」
    「……それ、まさか『軍人の責任の取り方』ってやつじゃないよね?」
    マチュは彼の顔を下から覗き込む。
    シャリア・ブルはマチュの顔を見て、微かに笑みを浮かべた。
    「ソドンでマチュ君にそう言ったとき、私はあれが最善の方法だと本気で思っていました。……今は違います」
    もう死ぬことで責任は取らない。
    いつか必ず、自分が目指す世界に辿り着いてみせる。たとえ、そこに繋がる道がどんなに血塗られていたとしても。

  • 172二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 07:16:48

    「何か少しでも良い方法がないか、模索しているところです。今回地球に来たのもその一環ですよ」
    「もしかして、ジオンを離れるの?」
    「離れはしませんが……。新しい組織に所属することになりそうです」

    「私は私のやるべきことをやるつもりです。ですからマチュ君も……あなたの取るべき道を進んでください」

    「あたしの取るべき道……」

  • 173二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:23:05

    本編中のやり取りを思わせるセリフがとてもいい⋯

  • 174二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:27:37

    (その新しい組織ってやつに、あたしも潜り込めないのかな)
    聞こえてくるマチュの心の声に、彼は戸惑った。
    「取るべき道」はそういう意味で言ったわけではない。
    今回ばかりは絶対に巻き込みたくなかった。
    これから起こるのがどんなことか。一年戦争を経験した彼は知っている。
    軽々に承諾するわけにはいかない。
    正直なところ、マチュを護り切れる自信がない。
    万が一、彼女が命を落としでもしたら。

    シャリア・ブルの表情を伺ったマチュは、彼の気持ちを察して口をへの字に曲げる。
    (ダメか……。もしかして、クワトロさんも地球で協力する感じなのかな。じゃあ、あたしも地球で、きっとできることあるよね?)

  • 175二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:29:19

    「マチュ君、気持ちは嬉しいんですが」
    シャリア・ブルが断りの言葉を口にしようとするのをマチュは遮った。
    「ヒゲマン、ニュータイプなのに分かってないな。あたしたちは、未来を、世界を変える力だってあるんだよ。どんな世界だって掴みとれるんだ。だから、自分の道は自分で選ぶ」
    (ヒゲマンに死なないでほしいんだ、あたしは。そのために自分ができることは、何でもやるから)

    マチュの心の声に、彼女も自分と同じ気持ちだと……お互い相手を失いたくないからこその行動なのだということを改めて気付かされ、シャリア・ブルはハッとする。

  • 176二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:30:55

    「それにさー、こんな腕のいいパイロット放っとくなんて、もったいないと思わないの?」
    マチュはニッと笑って言い放った。


    「ジオン最強のニュータイプの、一番弟子のつもりなんだけど、あたし」


    「……本当に、マチュ君には敵いませんね」
    マチュの言葉に胸が詰まって、そう答えるのが精一杯だ。
    「何?」
    「いえ、良い弟子に恵まれて、師匠冥利につきますよ」

  • 177二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:32:30

    「……もしも、何か協力をお願いしたいことが起こったときは、頼みます」
    少しの沈黙の後で、そうマチュに伝えると、彼女は頷いた。
    「うん、任せてよ」


    二人が眺めていた空と海の様相が変わりつつあった。
    鉛色の雲が流れて、その裂目から日の光が海に差し込むのが見える。

    海も雲も朱に染まって行く光景は、雲が多いが故に、かえってダイナミックで圧倒される。
    「……きれいですね」
    「うん。すごくきれい」
    血のように赤く染まる海と、暗雲に覆われる空の僅かな隙間から差す光は、まるで二人のこれからを象徴するかのようだ。

    「また、絶対に来よう。約束ね」
    「……ええ、必ず」

  • 178二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:34:09

    ……楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。
    名残惜しそうな様子のマチュにシャリア・ブルは声をかけた。
    「そろそろ戻りましょうか」
    「うん……」
    「……実はさっき、ホテルのレストランを予約したんですが」
    「えっ、そうなの?」
    「先日、ラウンジをいたくお気に入りのようだったので。もしよければ、エスコートしますよ」
    彼の台詞にマチュは思う。
    (いちいち気障だなぁ)
    「少しくらいは格好つけさせてください。で、どうです?」

  • 179二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:35:27

    マチュは彼を上目で見る。悔しいが、様になっている。これで自認がモテないとはどういうことだろう。
    ちょっとだけ面白くない気持ちになった。
    「わざわざそんなことしなくたって、ヒゲマン十分カッコいいじゃん」
    マチュの予期せぬ言葉に、シャリア・ブルは一瞬返答に詰まる。
    (また急にそんなことを……心臓に悪い)

    彼が動転している様子を見て、溜飲が下がったマチュは、満面の笑顔になって言った。
    「行きたい!実はお腹ペコペコなんだ」
    「よかった、では行きましょうか」

    ……ショッピングモールの通路での告白の、仕切り直しといこう。

  • 180二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:37:08

    シャリア・ブルは、マチュを先に助手席に乗せ、自分も車に乗り込んだ。
    彼女と会う時はいつも、これが最後の機会かもしれないと、覚悟している。
    失うのがこんなにも辛い相手がいることは、とても幸せなことなのだと、既に彼は知っている。


    「どんな料理かなー?楽しみ!」
    ワクワクしてはしゃぐマチュに、
    「期待に沿えるといいんですが」
    と言って彼は微笑んだ。



    終わり

  • 181二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:38:34

    少しだけ、おまけ

    車でホテルに向かう途中。
    「ねえねえ、ホテルのレストランってどんな感じ?ヒゲマンしょっちゅう行ってんの?」
    「いや、たまに朝食をとるくらいで、普段はほとんど外で食べてます」
    マチュの質問に答えながら、シャリア・ブルはちょっぴりそわそわする。

    (ホテルのレストランに誘うって、その後は……『そういう』ことなんですが……)
    横目で彼女の様子を確認して
    (マチュ君は全く察していない!)



    まさか、仕事で取った部屋に連れ込むわけにもいかないので、さっきホテルに寄ったときにプライベートで別に部屋を取っておいた。
    ニュータイプの能力が勝手に働いて、あまり意識せず早手回しで準備する、いつもの癖が出たのだが。
    彼女がまるで気付いていないとなると、食事で釣って誘い込むようでとても気が引ける。
    (告白のやり直しのためのはずが……このままでは最初からそちらが目的だったように見えてしまう……これはよくない)

  • 182二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:39:54

    「さっきサービスでもらった飲み物もめちゃくちゃ美味しかったもんね。ホント楽しみだなぁ」
    ウェルカムドリンクが、宿泊者に対してのサービスであることを知らないマチュは、無邪気に続ける。
    「……そうですね」
    伝えるなら今がチャンスだったのかもしれないが、純粋に食事を楽しみにしている様子の彼女に余計なことを言うのは憚られた。
    「どうしたの?」
    「いえ、別に」
    どう考えても自然に伝えられそうにないことを悟り、彼は早々に諦めの境地に至る。
    (もう……部屋が無駄になってもいいか……)



    彼が取った部屋が本当に無駄になったのかどうか……それはまた、別のお話。

  • 183二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:41:17

    終わりです


    ここまでお読みいただき、ありがとうございました

    世界がめちゃくちゃ不穏な状況に突入してしまいましたが
    宇宙世紀なので……ガンダムなので……仕方ない……

  • 184二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:42:33

    毎回、いいねや感想、本当にありがとうございます
    おかげで今回もラストまで書けました!
    いつものことながら、この話面白いのかなとか不安になりつつ書いてまして、感想いただけるのが本当に励みになります

    展開や台詞に関する感想は、どのレスも毎回とても喜んでおります
    全てのレスにスレ主が反応するとウザいかな、と思うのと、先の展開のネタバレになりそうなときもあるので、控えていますが……本音は全部に返答したいです、嬉しいです

    あと、書き込んだレスにいいねがつくと「このシーン入れてよかった」とか一人でニヤニヤしてますw

    この場を借りてお礼させてください
    本当に感謝です!ありがとうございました

  • 185二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:47:14

    「部屋が本当に無駄になったかどうか」の話は、一応追加でネタを考えてます
    おまけの話の更におまけの続き……って、ちょっとキリがないですが

    多分もうこのスレには入りきらないので、書くとしたら、支部にこの話を上げるときに追加エピソードとして入れます

    それ以降の続きは、今のところ何も考えてませんが、もし何か思いついたら書きます(終わる終わる詐欺の常習犯ですみません)

  • 186二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 15:44:56

    お疲れ様です!
    毎度良質なシャリマチュをありがとうございます!
    世界がふおんになるのは…まぁガンダムですし…
    でも、このシャリマチュ2人をはじめジクアス面子揃ってればなんとかなるでしょ!の希望を持っても良いって世界ですからいくら不穏にしても大丈夫だと思います。
    ふふ…『夜のお食事のお誘い=…』の意味が未だ分かってないマチュ可愛い…おまけのおまけ楽しみにしております。

  • 187二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 16:31:11

    お疲れ様でした…!(敬礼
    不穏なのはしょうがない、宇宙世紀だからね

    支部に…楽しみにしてます。シャリマチュは心の大事な栄養だ…

    どんどん書いちゃっていいと思うんですよ
    伸びるに続いて、削るどころがなかったことにした奴があえていいます(へろり

  • 188二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 18:43:36

    いいシャリマチュ読ませていただき幸せでした…!
    お疲れ様です!

  • 189二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 18:52:33

    >>186

    ありがとうございます!

    他のガンダム作品はネームドがバタバタ死んでく中、これだけみんな生き残ったんだから、大丈夫なはず……ですね!


    お誘いは、マチュとシャリアの交際経験の差が出ましたw

    どうなるかなー?ふふふw

  • 190二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 18:53:46

    >>187

    ありがとうございます!

    不穏なのを中和したくておまけを書いてる節がありますw

    伸びに伸びて、約2か月で11万字超えてしまいました……

    今回新たに「R18作品投稿」の実績解除されたのでw、なんか色々書けるといいなーって思ってます

  • 191二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 18:56:32

    >>188

    ありがとうございます!

    そう言っていただけると嬉しいです

    続きができたらスレ立てしますので、その時は是非またよろしくお願いします!

  • 192二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 22:39:11

    お話の締めから丸一日くらいは現行スレに残しておきたいので、ちまちまと書き込みます

    今までのペースだと、大体1週間くらいで次の話の構想を練って、次の1週間でざっくり下書きして、その後スレ立ててますので、次は最速で二週間後くらいになると思います

    自分はお話を少しずつ上げられる掲示板のほうが、支部より性に合ってるので、今後も可能ならスレにSSを上げていきたいと思ってます

  • 193二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 23:38:25

    ご自分のペースに合った方法で進めて大丈夫です。いつまでも待てますので、それはそうとめっちゃ楽しみでやったー!の気分になりました。
    ありがとうございます!

  • 194二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 06:35:18

    >>193

    待ってていただけると嬉しいです!

    飽くまで予定なので気長にお待ちいただけたら……


    あと、色んなシャリマチュの形があると思うんですが、今はすっかり「この2人」を書き続けるのが楽しくなってしまったので、設定はしばらくこのままでいこうかなと思ってます


    別の設定を思いついたらそっちを書きたくなるのかもですが

  • 195二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 16:20:11

    これで最後

    次もダイススレにするかどうかは検討中です
    もう好感度判定が不要なとこまで来てしまったので

    でもダイス振るの楽しいので、上手いネタが思いつけば、できればやりたい

  • 196二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 01:46:24

    ダイスを振りながら大筋には影響しない… ん~…
    プチデート中にどこいくか、どうするかみたいなやつ…とか?
    とか思ったけどあんまり平穏じゃない状況だとそれどころじゃないかもだなぁ…

    書きたいものを書きたいとこに書きたい時に、でも無理なく…が一番ですよ~

    今後もまったりすみっこでお待ちしてます

  • 197二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 06:24:52

    最後と言いつつ何度もすみません


    >>196

    プチデート、いいですね!

    そういうのやりたいと思いつつなかなか書けないので、ダイスで決めちゃうのはいいかもです


    ヒゲマンの髭なし姿とかは、ダイスで出なかったら 絶対書かなかったのですが、おまけ話を書くまでネタが広がったので、やっぱりダイス楽しいなって

    ただ、あれは機関への捜査編の内容にかなり影響したので、書くの苦労しましたがw

オススメ

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