- 1二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 08:56:35
- 2二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 08:59:20
「もしアルヴにスティルの内なる紅が伝染してしまったら」という概念とスレ主が投下したSSをベースにちょっと長めのSSを投下するスレです
詳しいことは元スレ参照のこと
ようやく理解したわ…愛を|あにまん掲示板だからあなたのことを愛してあげるdice1d5=@5 (5)@1.エアグルーヴ2.ドゥラメンテ3.スティルインラブ4.アルヴトレ5.スティルトレbbs.animanch.com - 3二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 09:01:24
立て乙
ここで書くことにしたのね - 4???◆6fSpQJ.bhOh425/09/15(月) 09:01:45
ふと、考える。"あの日々は、本当だったのか"と。
何かが狂い、変わってしまったあの頃。その記憶はおぼろげ…いや単に思い出したくないだけかもしれない。そんな不可解な日々。
どこを始まりとすればよいのか、今となってはもう分からない。
ただ、あえて挙げるとするならば___ - 5二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 09:04:49
このレスは削除されています
- 6アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/15(月) 09:07:02
「1着はスティルインラブ!メジロラモーヌ以来のトリプルティアラウマ娘の誕生です!」
ワアアアア…!
秋の京都競馬場。そこにあるのは3冠を戴いた女王、スティルインラブへの喝采だった。
トリプルティアラのレース全てで1番人気に推され、自らの力を示すため走った最後の秋華賞は3/4バ身差で2着だった。
「スティル、おめでとう…!」
「トレーナーさんのおかげです…!」
スティルインラブの…トレーナー。スティルインラブととても親しげに、それこそ恋人同士かと見紛うほど優しく見つめ合い、言葉を交わすふたり。
私には、不要な関係。ただ己を磨き上げ、レースで実力を示せばそれで十分。
だからあんな甘い、『愛』なんてものは___ - 7アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/15(月) 09:11:34
"あレ が 欲しイ__!!!"
「っ…!?」
突然頭痛に襲われる。内側から何かが響くような痛み。一瞬視界が飛びそうになるほどに強烈な痛みだ。なによ、これは。
「…ルヴさん? アルヴさん?大丈夫ですか…?」
「…! いえ、なんでもないわ。」
気付くとスティルインラブが私の顔を心配そうに覗いていた。敗北を喫したうえ、ライバルや観客の前でこれ以上弱みを見せるなんてあってはならない。
手を差し伸べようとするスティルインラブを手で制し、背筋を伸ばす。
きっとレースの疲労に違いない。早く控室で休まなければ。そう思い足早にコースをあとにする。 - 8アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/15(月) 09:13:11
「君、本当に大丈夫?少し顔色が…」
地下バ道でスティルインラブのトレーナーが話しかけてきた。ライバルだというのにお人好しな人だ。
「ご心配ありがとう。けど、何も問題ないわ。
あなたは3冠トレーナーになったのだから、私なんかよりも担当のあの子を
"これ ダ__!!"
「っう…!」
再び頭痛が襲ってくる。あまりの痛みに思わず地面に膝をつきそうになる。
「やっぱりどこか悪いんでしょ?無理せず医務室に…」
「なんでも、ないから…放っておいて!」
スティルインラブのトレーナーが私に近づき声をかけようとしてきたが、それを振り払うように私は控室まで走った。
あの人に今、近づいてはいけない。私の何かが、おかしくなる。
そんな気がしたのだ。 - 9スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/15(月) 09:17:09
- 10二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 09:20:53
とりま連投にならないよう俺らも応援せにゃあかんな
期待しとるで - 11スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/15(月) 09:25:41
ありがとうございます!
- 12二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 09:27:26
このレスは削除されています
- 13アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/15(月) 09:29:34
11月中旬、エリザベス女王杯に向けたトレーニング。今日は本番を想定した2200mの併走をするつもりでいた、のだけれど。
『ホントにごめんなさい…!』
「いい。気にしないで。こっちはなんとかするから、あなたは回復に専念しなさい。」
ピッ
「まったく…タイミングが悪いわね。」
予定の併走相手が体調を崩し、トレーニングに参加できないと急遽連絡が来たのだ。
今から相手探しは少し難しい。都合をつけられる相手がすぐ見つからなかったらメニューを変えるしかないか…。
「!…スティル、今すごくいい走りだった。」
「本当ですか…よかった。ふふ。」
ふと近くの会話が耳に入ってくる。あれはスティルインラブ、とそのトレーナー。
_______________
"あレ が 欲しイ__!!!"
_______________
秋華賞のときの記憶がよぎる。あの2人はダメだ。他をあたろう。
そう思い踵を返そうとした。 - 14アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/15(月) 09:31:38
"ハシレ!"
また、何かが頭に響く。なんなのよ、これ。
"ハ シ レ !!"
「っ…!」
少し、めまいが…
... - 15スティル◆6fSpQJ.bhOh425/09/15(月) 09:37:40
...
「ちょっといい?併走、お願いできるかしら。」
トレーナーさんと一緒にトレーニングをしているところにアルヴさんが現れた。
手強い相手と本番を前に対戦できるのは良さそうに思える。トレーナーさんに向き直り、尋ねる。
「トレーナーさん、どうでしょうか?」
「問題ないよ。レース本番前のいい訓練になるから。」
「決まりね。条件はエリザベス女王杯と同じ2200mでお願いするわ。」
...
パンッ
スタートピストルの合図がなり、スタートラインから飛び出す。
私もアルヴさんも後ろ寄りのレースをするタイプなので、お互い今はいない先団を想定しつつ控える。
...
「ハアッ!」
「…!私も!」
ダッ
アルヴさんが動いた!負けじと私もスパートをかける。
ゴールまで残り600m。
あの子は…出てくる気配がない。あの子なしでどこまで走れるかわからない。
それでも、それでも!
拳に力が入る。 - 16スティル◆6fSpQJ.bhOh425/09/15(月) 09:39:44
アルヴさんと並んだ。残り400m。
アルヴさんが抜いた。残り300m。
私が差し返した。残り200m…残り100m!
(いける!このまま突き放して__
"逃 ガ サ ナ イ”
「え…?」
ピッ
「スティル惜しかったね。0.1秒差だった。
でも、いい走りだったよ。」
「え、ええ。ありがとう、ございます…」
トレーナーさんが持つストップウォッチは、私よりほんのわずかに早くアルヴさんがゴールした事実を示していた。
確かにあのとき、ゴール手前までは私が前にいたはず。いつの間にかアルヴさんに差し返された?それに、あの時のアルヴさんの気迫…
「…併走ありがとう。エリザベス女王杯も今のように私が勝つわ。
それじゃ、また本番で会いましょう。ね?」
「は、はい。ありがとうございました…」
そう言ってアルヴさんは去っていってしまった。
"また本番で会いましょう。ね?”…去り際そう言ったとき、私ではなくトレーナーさんを見ていた気がするのは、きっと気のせい、よね。 - 17アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/15(月) 09:47:23
_____________________
“ちょっといい?併走、お願いできるかしら。”
_____________________
夜、寮の共用スペースにて。紙コップのミネラルウォーターを片手に、昼間のことを思い返していた。
私はあの時、なにをしていたの?あのトレーナーに近づくのはまずいと思って、別の人を探そうとして、それで?
なのにどうして、声をかけてしまったの?
そしてなにより
_____________________
“また本番で会いましょう。ね?”
_____________________
・・・・・・・・・・・
なぜあの言葉が、出てきたの?…あのトレーナーに対して。
…最近、そう秋華賞の後から、あの人に対して良くも悪くも関心が向くことが増えた気がする。同期で同路線のライバルのトレーナーというだけで、私とはほとんど会話もないのに。
そんな人に、どうして?
「!…くだらない。もう寝ましょう。」
あの人は、私になんの関係もないでしょう。
そう言い聞かせるように、やや乱暴に飲み干した紙コップをゴミ箱に捨て、私は自室へ戻った。 - 18スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/15(月) 09:52:31
とりあえず現在書き上げているぶんはここまで
元スレに投下したSSのシーンの合間を補完する部分もあるので、時系列の進みはちょっと遅くなるかも - 19二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 11:31:03
ありがとうございます!
お待ちしてます - 20二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 16:44:36
この徐々に思考を蝕まれていく感じがね…導入として実に良い
- 21二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 22:07:34
本当にありがとうございます
- 22スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/16(火) 06:14:19
- 23二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 09:20:55
楽しみにしてますね
- 24二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 14:48:17
ワンチャン紅とアルヴが混じりあって新たな存在になりそうな…
- 25二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 20:52:56
紅と青(アルヴ)が交わり内なる紫になるということか…
- 26二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 21:44:28
今はまだ切り替わるような離人症めいた感覚だけど、いずれ境がないほど溶けて馴染んだりするのかねえ
明確に『紅』と切り分けていたスティルよりも適性があるんだろうか - 27アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/16(火) 22:06:17
11月半ば、京都競馬場
秋華賞のわずか1ヶ月後にまたこの場所であの子…スティルインラブと相まみえることになった。
けれど、あの時に比べて目の前にいるスティルインラブはずいぶん小さく頼りなく見えた。
「今日こそ、私が勝つ。勝って、私のあり方を証明してみせるわ。」
「アルヴ…さん。
私、だって。負けられませんから。」
トリプルティアラのときも同じようなやり取りをした気がする。
けれど今日は、今日こそは私が言葉を現実にしてみせる。
...
__ガコン!
ゲートが開きレースが始まる。
トリプルティアラをすべて逃したことで、今日は彼女に次ぐ2番人気になってしまった。けれど関係ない。私はただ自らを走りで示すだけ。私の信念を、正しさを。
「愛なんていらない」、あの子に勝って、今度こそ示さなければならない。
その決意を秘めて前を見据え、ゲートインした。 - 28アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/16(火) 22:08:35
____
『さあレースも終盤、1番人気スティルインラブは中団、2番人気アドマイヤグルーヴはやや後方か!』
もう仕掛け時だ。姿勢を低くし地面を強く蹴りこむ。スティルインラブは前にいるが、やはりトリプルティアラで見せた覇気は見られない。いける。
「今度こそ、今度こそ私が勝__"ワタシがアノ人を!!!"
追い抜くときスティルインラブが一瞬こちらを驚愕の表情で見た気がした。関係ない。
足が軽い。今までで一番の走りができている、そんな確信が湧いてくる。
その闘争心が、悦びが、笑みに、叫びに変わって漏れる。
「ふふ、あはは。__あアアあァ!」
さあ、ただ前へ前へ、前ヘ進メ___!!
『アドマイヤグルーヴ、今1着でゴール!
スティルインラブへのリベンジを果たし、実力を示しましたッ!』
「はーっ、はーっ…ふふ、アハハ」
「アルヴ、さん…」
スティルインラブが困惑したような、恐れるような顔で私の名を呼ぶ。そのことに気づけないほど、私の心は喜びに染まっていた。
ついに、ついに勝った。喜びに身体が震える。らしくもなく笑いが漏れる。
観客席を見やり、『あの人』に目線を送る。
"ワタシを見て、くれるでしょう?" - 29スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/16(火) 22:14:22
- 30二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 22:31:33
SS新作感謝っ…
レース中の心情描写も楽しみだが、この先どうアルヴさんの心とスティルトレの心がなびいていくのか…
気になって夜しか寝れないぜ - 31二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 23:36:03
- 32スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/17(水) 07:29:28
- 33二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 07:34:13
こういうの大好き
こんな場末の掲示板で投げ捨てないで支部とかに投げてもろて… - 34二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 16:26:02
描写的にスティルは【アルヴさんに憑いた紅らしき何か】を感知できるようだが…
そこが今後活かされるのだろうか - 35二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 16:27:43
設定を無理なく文中で示すのって難しいですよね…
- 36スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/17(水) 22:09:23
- 37二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 22:29:41
楽しみに待ってます
体調にはお気をつけて - 38二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 06:53:27
じっくり自分のペースで書き続けてくれれば良いな
- 39二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 10:31:07
アルヴトレはどんな人なんだろう
トゥインクルシリーズに出るためだけにアルヴさんが選んだ、あまり干渉してこないチームトレとかかな - 40二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 17:55:30
最悪の場合紅アルヴvs紅スティルという戦いが起きる可能性が…?
いやさすがに無いか - 41二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 18:00:20
スティルの中の紅がアルヴさんの中に移った
=すでにスティルの中に紅はいない
なんて可能性もあるかも - 42二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 21:48:00
このレスは削除されています
- 43二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 21:50:46
このレスは削除されています
- 44スティル◆6fSpQJ.bhOh425/09/18(木) 21:54:21
京都競馬場…ほんの少し前、秋華賞ではトリプルティアラを達成した大きな喜びに溢れていた場所。
けれど、今の私には小さな…いえ、決して小さくない不安を煽る場所。
秋華賞を制して1か月、私の中の"あの子”__私の本能がレース中でも表に出てこなくなってしまった。この間のアルヴさんとの併走でもまったく動く気配がなかった。
何度呼びかけても「今は出る気はない」と。
そしてエリザベス女王杯当日の今に至る間に事態はさらに変わった。
___________________________
「本能の声がしない?」
「はい…今までは閉じこもっていても私に話しかけてくることもあったのに、
もう何も言ってこない、それどころか呼びかけても返事もないんです。」
...
「スティルはスティルなんだから、精一杯走っておいで。」
___________________________
トレーナーさんはそう言って送り出してくれた。
けれど、今日を想定した併走でアルヴさんに負けてしまった。その事実が私の心を揺さぶる。
そんな私の背中のほうからコツコツと足音が響く。
「今日こそ、私が勝つ。勝って、私のあり方を証明してみせるわ。」
「アルヴ…さん。
私、だって。負けられませんから。」
そうひと言だけ言葉を交わすと私たちはターフに進んだ。 - 45スティル◆6fSpQJ.bhOh425/09/18(木) 21:57:46
____
『さあレースも終盤、1番人気スティルインラブは中団、2番人気アドマイヤグルーヴはやや後方か!』
レースも終盤、併走の時はアルヴさんが先に動いて私が追いかける形になり差し返された。
なら、今度は私か ら__
ドクン
瞬間、後ろから凄まじい気迫を感じる。アルヴさんだ。でも、以前の併走の時より何倍も激しい、鳥肌が立つほどに。
思わず振り返ってしまう。
__笑ってる。
「ふふ、あはは。__あアアあァ!」
___
『アドマイヤグルーヴ、今1着でゴール!
スティルインラブへのリベンジを果たし、実力を示しましたッ!』
「はーっ、はーっ…ふふ、アハハ」
「アルヴ、さん…」
アルヴさんはいつも冷静で、レースの時であっても氷のような冷たい瞳を絶やさない、そんな人だと思っていた。でも、今私の目の前にいるアルヴさんはそんな私のイメージとはまったく異なる姿を晒している。
そのことが何となく恐ろしく感じられ、私はただアルヴさんを見つめることしかできなかった。 - 46二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 23:55:33
ククク、外から見る自分は恐ろしかろう…
- 47二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 06:37:32
ラストは紅を蘇らせたスティルと紅と融合したアルヴがレースして終了
- 48二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 10:20:06
外から見た自分が恐ろしいスティル…
アルヴも順調に呑まれてますね - 49二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 15:11:17
実際に03年エリ女のレース映像見たけど、マジで600m過ぎてから急にスイッチ入ったように大外から動き出して勝ってるんだよな
モノホンだとユタカがギア入れるのが上手かったからだろうけど、ウマ娘世界だと紅がボタンを押したようにも感じる - 50二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 22:23:51
- 51スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/19(金) 22:26:38
- 52二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 07:34:26
これからアルヴの猛攻が始まるのか
- 53二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 14:41:42
スティトレの反応も見たいな
- 54二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 21:31:53
クラシック期の11月から何があったのか、どういう心情の変化があったのか、その描写にかかってるな
- 55トレーナー◆6fSpQJ.bhOh425/09/20(土) 21:40:38
『アドマイヤグルーヴ、今1着でゴール!
スティルインラブへのリベンジを果たし、実力を示しましたッ!』
ワアアア…!
____
アドマイヤグルーヴの走りはどんどん磨かれていっている。以前併走で見たときよりも今日の走りは凄まじかった…目が釘付けになるほど。
スティルは…そんなアドマイヤグルーヴに2着と健闘してくれた。
やはり本能が応えてくれない状態では100%のパフォーマンスが出せないのだろう。トリプルティアラのときより精彩を欠く走りだったことは否めない。
けれど、他の誰もが勝利したアドマイヤグルーヴに目を奪われようと、自分はきちんとスティルの頑張りを受け止めよう。そう思い地下バ道でスティルの帰りを待った。 - 56トレーナー◆6fSpQJ.bhOh425/09/20(土) 21:42:59
…コツ…コツ
「…あの子のお迎えかしら?」
「…ああ。」
足音がして顔を向けると、スティルではなくアドマイヤグルーヴがいた。
アドマイヤグルーヴのほうから自分に話しかけてくるのはだいぶ珍しい。
…コツ…コツ
さらに近づいてくる。
そして問いを投げかけてきた。
「…どうだった?私の走りは。」
「とても良かったと思うよ。」
「…あの子よりも?」
どんな意図かはよくわからない問いかけ。
しかし真摯に答えるべきだろう、スティルにも、彼女にも。
「いちトレーナーとしてならそうだけど…。
…俺にとってはスティルが1番かな、ずっと。」
「ふうん…」
…コツ
さらに近づいてくる。肩が触れ合いそうなほど。
そしてすれ違おうとしたとき - 57トレーナー◆6fSpQJ.bhOh425/09/20(土) 21:44:27
“その愛、ワタシのモノにしてあげる”
「え?」
…コツ…コツ
今、何か彼女が到底発し得ないような言葉が聞こえたような気がして、思わず振り返った。
しかし当の彼女は何事もなかったようにそのまま通路を歩いていってしまった。
彼女の過ぎ去ったあとを呆然と眺めていた。
「…レーナーさん、トレーナーさん!」
「!…ああ、スティル。」
気がつけばスティルが目の前にいた。
アドマイヤグルーヴの姿はもう見えなくなっている。
「ずっと通路の奥のほうを見て…どうかされましたか?」
「あ、いや、なんでもないよ。
…控室、行こうか。」
「はい。」
その後はスティルをねぎらい、反省会をし、といつも通りスティルと過ごした。
しかし心の隅にさっきの彼女の言葉がずっと引っかかっているような気がした。 - 58二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 06:41:52
これで全員に布石が置かれたな
さぁどうなる - 59二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 12:55:33
その愛、ワタシのモノにしてあげる
これは本当に口から放たれたのではなく、アルヴさんの中の紅からスティトレの中にすでに入り込んでいる紅因子に向けてテレパシーのように送られたのかもしれない - 60二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 20:30:49
ここからどうやって奪っていくのか…
- 61アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/21(日) 21:44:19
(何をしていたの…私は!)
エリザベス女王杯の勝利に歓喜に震えたその後、少し冷静になって自分のしたことに気づいたとき一気に身体が冷えた。
(私が、勝利を、"あの人”のために?"あの人”に見てもらうために?
…ありえない。絶対におかしい。)
「あの『神童』がトリプルティアラウマ娘にリベンジを果たした」
かなりの大ニュースらしくインタビューは現地でも山ほど来た。内心の混乱を悟られぬよういつも通りの立ち居振る舞いをするのがやっとで何を言ったのかおぼろげだ。
だって、「愛なんていらない」「周りからの評価なんて雑音」と自身を律してきた私が特定の個人に、それもライバルのトレーナーに対して執着するなんて自分自身でも信じられない事態なのだから。
「…本当に、どうしてしまったのよ、私は。」
帰りの電車の中で窓の外の景色を眺めながら、そうぽつりと吐き捨てる。
窓に反射する自身の顔は、エリザベス女王杯を勝ったばかりのウマ娘の姿とは到底思えない疲れた様を晒していた。
(…あれ?)
窓ガラスに映る自分の顔を見て違和感を覚える。鞄の中から手鏡を取り出し、まじまじと見直す。
(やっぱり、気のせいじゃない)
私の目には珍しい特徴がある。左目は明るい紫色、右目は深い青色。そう、左右で虹彩の色が異なる「オッドアイ」なのだ。
けれど今の私はどうだろう。左目は明るい紫色、右目は - 62アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/21(日) 21:46:10
__”紅”。
そんなはずはない。そう思い何度も鏡から視線を外し再び鏡の中の自身と目を合わせる。
何度見ても右目は真っ赤に染まっていた。
(なによ、これ…!)
...
「…検査の結果ですが、特に異常は見られませんね。視力、視野、色覚…どれも変化ありません。」
「そう、ですか。」
「後天的に目の色が変わることは全くないというわけではありませんから。そう不安がらず。
いったん様子見で、また何かあれば来てください。」
「はい。ありがとうございました…」
ガララ
...
すぐに病院で検査を受けたものの眼球に異常なし、色が変わった原因は不明、という消化不良な診断が下り、そのまま学園生活に戻ることになった。…医者で分からないなら考えるだけ無駄ね。
原因が明らかにならないことに不満はあるけれど、実際自分でも生活に不便は感じていない。色が変わるという分かりやすく大きな変化から半ばパニックになっただけで、冷静になれば目の機能に問題なければ特に気にすることでもない気がしてきた。
「最近は本当に変なことばかりね…なんなのよ。」
頭を押さえため息を吐きつつ、私は病院をあとにした。 - 63スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/21(日) 21:53:17
こんばんは
今回はエリ女後のスティルです
身だしなみを整えるとき鏡を使わないなんてことふつうないですよね
少なくともレース場の控室にも設置されてあるはずです
すなわちアルヴの右目が赤くなったタイミングは… - 64二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 21:59:22
>>49でいう急加速したタイミングか
あの世界のレース映像に残ってるかもなぁ
- 65二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 06:49:53
レース中が一番出現率が高くなるしな…
- 66二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 15:14:44
どんどん染まっていくアルヴがどうなってしまうのか楽しみなような怖いような
- 67二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 22:05:12
でも紅に侵食されて「こんなのは自分の意思じゃない」と抵抗しながらも、次第に本心から好きになってしまい完全にシンクロしてしまうと思うと浮き立つ気持ちになりませぬか兄上
- 68二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 00:35:31
オラワクワクすっぞ!
- 69スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/23(火) 08:34:10
おはようございます
昨日はスレを覗く暇もなかったですが、今日こそ続き出します - 70二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 08:59:29
きっかけが紅でも恋心はアルヴ本人のものなんだよね…
- 71二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 16:34:25
待ち
- 72アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/23(火) 21:51:32
「え、え…っと、アルヴさん。わ、私に何かご用でひょうかっ?!」
「…そんなに怖がられても困るのだけど。」
「そ、そうですよね。ごめんなさい。あはは…」
とある日の昼休み。私はゼンノロブロイに話しかけていた。
身体面の問題…目の話がひと段落したので、もうひとつの問題__心境の変化について、を解消するためだ。
なぜゼンノロブロイなのかと言えば、読書をよく嗜み知見が深く、相談に値すると思ったから。あの子のクラスメイト、という意味で顔を覚えていたのもある。
...
カフェテリアのあまり目立たない隅の席を確保し、テーブル越しに向き直り話し始める。
「…それで、私にお話とは?」
「…感情。私が最近感じるようになった心理的な変化について知りたいの。」
「心、ですか。」
「ええ、読書家のあなたならそういった感情の機微についても詳しいと思って。
構わないかしら?」
「は、はい!私でお役に立てるのであれば!」
「じゃあ…まず始まりは10月末ごろのことね…」
そうして私は今まで感じたことについて順を追って説明していった。相手がスティルインラブのトレーナーであるという事実は隠して。 - 73アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/23(火) 21:54:24
ふと声を聞くとそれに注意を引きつけられてしまったり、離れようと思ってもつい声をかけてしまったり、果ては相手に他の異性と自分を比べるよう迫ったりしてしまった。
そしてそれらの感情の変化に強い戸惑いを感じている…と説明した。
...
「…といったところかしらね。
あなたはどう思う?」
「そ、そそっ…」
ひと通り話し終えロブロイのほうを見ると頬を赤くしうつむき加減でもじもじしている。
なにか変なことを聞いてしまったかしら…自分自身おかしいと思っているから相談しているので今更ではあるけれど。
「なに?」
「それは、ですね、」
すう、はあ、と深呼吸してロブロイは意を決したように口を開く。
「アルヴさん、の、その気持ち。
それはきっと、『恋』です!」
「…『恋』?」
「そうです、恋です。
ふとしたときに相手のことが気になってしまうとか、
相手に自分のことをもっと見てほしいと思ってしまうとか、
これらは恋愛感情の表れだと、思います。」
__恋。
恋慕。恋愛感情。
その言葉を聞いたとき、私の中にあったモヤモヤした違和感がストンと固まって輪郭を持ったような気がした。同時に体温が上がって身体が熱くなってきた。
私が、恋。今、私はどんな表情をしているのだろうか。 - 74スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/23(火) 21:57:47
こんばんは
今回はアルヴが自身の感情について自覚する場面です
本当はここから先のロブロイとの会話シーンまで全部一気に書ききるつもりでしたが、文章量が長くなり過ぎて再構成することにしたため一旦ここまでです - 75二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 02:29:32
ここで気づかされたからこそ、この後加速していくんだろうか
- 76二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 08:39:07
まぁ羨望から思慕に変わる恋もあろうて
- 77二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 17:30:05
ラストシーン絶対いい顔してるわ
- 78二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 21:17:31
あれば良いな 欲しいなってのはよく見られる奴だからね……
- 79アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/24(水) 22:18:49
「…恋、だとしてそれで、私はどうするべき?」
「ええっと、アルヴさんがどうしたいか…によりますけど…
進展させるのであればやはり、趣味などの共通点を近づくきっかけにする、
というのが王道でしょうか。」
「共通点、ね…」
私はあの人のことをどれだけ知っているだろう?どれだけの時間を共にしただろう?
答えは「ほとんどない」だ。はあ、とため息をつく。
「なにも、知らないわね。」
「そ、そうなんですか…。その場合ですとえっと…毎日の挨拶から、とかですかね…
単純接触効果、というのもありますし」
私と彼の共通点…趣味なんて当然知らない。
だってたまにトレーニング中に顔を見るくらいで__
トレーニング…
そう思案したとき、私の頭にひとつの電流が走った気がした。 - 80アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/24(水) 22:20:41
「!…これだわ!」
「何か、思い当たることが…?」
「ええ、確実にあの人に会って、かつほぼ毎日時間を取る方法がある。
ありがとう。あなたのおかげで思い至れたわ。」
「それはいったい…?」
「それは…」
言いかけて止める。相手がスティルインラブのトレーナーであることは知られたくない。
ロブロイはあの子のクラスメイトである以上、私の事情が漏れたら面倒だ。
「相談してもらって申し訳ないのだけれど、あの人の素性に関わるからそこは教えられないわ。ごめんなさい。」
「あ、いえこちらこそすみません。相手のことは秘密、という条件での相談でしたもんね。
その…頑張ってください!」
「ええ、ありがとう。」
また何かあったら相談してくださいね!と張り切るロブロイに礼を告げ、今日の相談は解散となった。
彼女と別れた私は閃いた策を実行に移すため、その足でトレセン内の事務窓口に向かうことにした。 - 81スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/24(水) 22:30:53
こんばんは
なんとかギリギリ仕上がった…
アルヴが思いついたことで展開が大きく動く(予定)のでお楽しみに
ただ展開がでかいということは筆の進みがさらに遅いということなのだ… - 82二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 00:27:18
- 83二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 08:00:43
移籍願いをしに行くのかしら
- 84二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 12:40:33
- 85二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 13:07:03
同期で同室で自分と違ってシンギュラリティに出会えた幸せになって欲しい友人が破滅するネオユニに悲しき未来…
- 86二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 20:59:50
木曜10時のメロドラマ感がするねぇ…
ドロドロがわかってても過程が気になるやつ - 87スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/25(木) 22:21:53
- 88二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 02:02:20
この後の展開が楽しみすぎる
- 89二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 08:32:32
ユニちゃんは魂の出会いを大切にしたいタイプだから、この役回りはロブロイになるよね
- 90二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 17:39:25
アルヴさんと仲良さそうなネームドというと、魂でいうなら繁殖時代のママ友のシーザリオがかなり親密だったらしいね
- 91二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 23:23:31
- 92二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 08:47:35
それでも止まれないだろうな
- 93スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/27(土) 09:39:47
おはようございます
昨日は忙しくレスもできず失礼しました
鋭意制作中ですので今しばらくお待ちいただきたく
この先さらに事態が変化したらネオユニが介入する展開は避けられないかなと考えているところですが、いかんせんエミュが難しいので気安く登場させられない…
- 94二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 18:07:18
まぁまだ今の段階では火はついてないから…
- 95トレーナー◆6fSpQJ.bhOh425/09/27(土) 21:54:41
街ではイルミネーションが輝きすっかりクリスマスムードな12月の夜。今年の目標レースがすべて終わりひと段落、と言いたいところだが、まだトレーナー室で事務作業を行っていた。
終わったらスティルとどこか出かけようか…と考えていると
コンコン
とノックが聞こえる。スティル…いやこの遅い時間ならたづなさんだろうか。
「どうぞ。」
ガチャ
「失礼するわ。」
「アドマイヤグルーヴ…」
ノックの主はアルヴことアドマイヤグルーヴだった。スティルが同じレースによく出る都合で何度か顔を合わせたことはあるが、わざわざトレーナー室にまで来る間柄ではない。
なんの用だろうか、と聞く前にアルヴは左手のクリアファイルから1枚の紙を差し出した。
「契約書?」
「ええ、私と担当契約をしてちょうだい。」
「えっ…え?」
「聞こえなかったかしら?私と担当契約を…」
「いや、ごめん聞こえてはいるよ。…君の担当トレーナーは?」
「もう契約を解消してきたわ。」
「え゙っ」
トレーナーとウマ娘が方針の不一致等で現役中に契約破棄するケースはないわけではない。しかし普通は後任のトレーナーが決まってから行う。現役中にトレーナー不在の状況はまずいからだ。 - 96トレーナー◆6fSpQJ.bhOh425/09/27(土) 21:56:30
「次のトレーナーを決める前に契約破棄するなんて急すぎるよ。
引継ぎとかいろんな問題が」
「だからあなたと契約すれば問題ないでしょう?」
「それに、俺にはスティルが…」
「チームにすればいいじゃない。」
「それは…」
頭を抱える。アドマイヤグルーヴは才能あるウマ娘だ。彼女がトレーナー不在のままであるのは良くない。けれど、やはりスティルのことを大事にしたい。
…代わりのトレーナーを探す手伝いをする、これでなんとか断れないだろうか。しばし考え、そう結論を出す。
「アルヴ、申し訳ない けれ ど」
アルヴのほうに向き直り断りの言葉を言おうとした。そのとき、彼女と目が合った。
彼女の、”紅い目”と。
同時に強い頭痛とめまいに襲われる。視界がぼやけて、声が響く。 - 97トレーナー◆6fSpQJ.bhOh425/09/27(土) 21:59:21
『わ た し と
契 約 し て』
それは……できな…
『わ タ し ト
契 $ し て』
俺は…スティ ルを…
『ワ タ し ヲ
※ し テ』
『ワ タ シ を
愛 シ テ』 - 98トレーナー◆6fSpQJ.bhOh425/09/27(土) 22:01:16
......
...
「ありがとう。これで契約成立ね。」
アルヴの言葉でハッとする。自分は今、なにを…?
手元の契約書を見るとそこには、自分の字で書かれた契約の署名があった。
今、書いたのか?自分で?
戸惑う自分をよそにアルヴは契約書を手に取りそのまま元のクリアファイルに収めてしまった。
「これは私のほうで申請しておくわ。」
「ああ、ヨ ろしク 頼ム。」
待ってくれ。そう言いたかったはずなのに、自分の喉から絞りだされた言葉はまったく違っていた。
ガチャ…キィ…バタン
アルヴが部屋から出ていくと途端に身体から力が抜けた。数分話しただけのはずなのに、なんだかすごく疲れた気がする。
不可解な現実から目をそらすように、椅子にもたれかかり目をつむる。
頭が重い。今日は、もう寝よう。 - 99二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 06:55:23
ああ、これでもう後戻りできなくなった…
- 100二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 11:07:04
トレーナーの行動にも干渉してる…もうスティル育成シニア半ばくらいの影響出てない?
- 101二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 11:11:39
どっちにもHtRの血は入ってるからなあ
- 102二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 11:38:40
時期的には紅ちゃんが出てこなくなってスティルが引退を視野に入れる辺りですね(バレンタインで金鯱賞での引退決意)
……傍目から見るとスティルの引退が既に内定して、次の育成バとしてアルヴと双方の合意が取れたみたいに見えないか? - 103スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/28(日) 21:09:29
こんばんは
今日も更新はありません
もう更新頻度を隔日固定にしてしまおうか…
この世界線では今のところまだスティルの引退は決定されていません
アルヴの移籍を受けてスティルがどう決断するかについても注目です
- 104二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 21:37:12
そういえば引退を持ち掛けてきたのは金鯱賞の割と直前だったね
- 105二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 22:04:54
エリザベス女王杯で内なる紅が出てこないことを確信して、年内までは様子見、年明けでやっぱり出てこないし走る理由自体が消えて、バレで引退決意、みたいな感じだっけ
穏やかな生活を夢見る暇もねえなあ - 106二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 07:29:05
アルヴさんが加入してきたとなると様子見している場合じゃないもんね
- 107二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 16:47:35
- 108スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/29(月) 22:14:04
こんばんは
今日は1シーン作れると思ったんですけど間に合わなかった…
あとちょっとなので明日には絶対上げます - 109二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 06:17:25
お待ちしておりまする
- 110二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 10:10:51
お疲れ様
- 111二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 18:34:27
一昨日はぱかライブで筆進まなかったろうからね
- 112アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/30(火) 22:18:23
...
トレーナー室を去った私の手には1枚の用紙。
「ふふっ…」
"トレーナーに契約を申し込む”
我ながらとても大胆なことを思いついたものね、とすこしおかしくなって笑みが漏れる。
かつての私ならこんなこと絶対しなかったでしょう。私もずいぶん変わってしまった。
けれど、あれだけ戸惑っていたはずなのに不思議と嫌な気はしなくなっていた。
私の感情が「恋」だったとして、別にまだどうするか結論を出したわけではない。ただ、私はまだこの感情を育てるにしても、抑え込み見ないふりをするにしても、決断できるほどあの人のことも私自身の感情も知らない。だからもっと時間をかけて知る必要がある。
トレセン学園に在籍する生徒およびトレーナーが最も時間と経験を持てる場がトレーニングなのだから、それを利用しない手はない。この手を選んだのはそういうわけだった。
…あの子、スティルインラブの様子も近くで見ておきたいし。
「にしても、ずいぶんあっさりだったわね。」
先ほどの彼とのやり取りを思い出す。 - 113アルヴ◆6fSpQJ.bhOh425/09/30(火) 22:44:04
___________________________
「アルヴ、申し訳ない けれ ど」
「?」
サラサラ…
「いや、ゼヒ、契約しヨう」
「あら、ありがとう。これで契約成立ね。」
___________________________
一度躊躇したように思えたけれど、すぐ契約書にサインしてくれた。
案外あの人も私のこと、見ていてくれたのかしらね。
「ふふっ」
珍しく今日は口角が上がってしまう。
心もち軽い足取りで私はトレーナー室に続く廊下をあとにした。 - 114スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/09/30(火) 22:45:29
こんばんは
トレーナー室でのやり取り後のアルヴです
もう少し文章を凝りたかったんですが、難しい… - 115二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 23:42:05
トレーナーもアルヴもほぼ自覚できていない……
スティルが一番現状の認識が出来てしまうのだろうか - 116二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 07:24:17
- 117二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 17:00:11
だって知りようがないんだもの…
- 118二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 23:16:24
育成でもスティルとトレーナー以外には素と別個認識はされてなかったはずだしね
- 119二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 08:32:49
気づくにはもう少し時間が要りそうだな
- 120二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 17:14:40
スティルに指摘されるまでは難しそうかも
指摘できるメンタルが残ってればいいけど… - 121二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 23:17:53
クリスマスの後と言えば初詣イベントと福引イベント
さて、内なる紅もいない素ティルはアルヴさんからこれらのイベントを奪われずに済むのでしょうか…? - 122スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/10/03(金) 00:27:13
こんばんは
今日は仕事の都合でさっきまで家に帰ってこれなかったのとホスト規制で外から書き込みできなかったので放置状態になってました
明日も忙しいので続きを出すのは土曜日になるかもしれません
おまたせしてすみません - 123二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 01:36:57
最近規制強いですよね
- 124二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 08:58:24
お疲れ様です
- 125二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 18:15:04
認識できたとして対処が難しいな…
- 126スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/10/03(金) 23:05:25
こんばんは
予想通り今日も時間がなかった…
明日こそは急ピッチで1シーン書くのでどうかお待ちください - 127二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 08:21:40
おつです
- 128二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 14:22:07
>>87で名前は触れられてたけど、エアグルーヴもアルヴの目が急に赤くなったから心配はしてそうだよね
- 129二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 20:46:47
ドゥラメンテとはまだ親しくなる前だっけ
- 130スティル◆6fSpQJ.bhOh425/10/04(土) 21:51:05
「「あけましておめでとうございます。」」
年が明けシニア級になったお正月。トレーナー室にてトレーナーさんとお互い挨拶を交わす。
...
「…それで、今の調子はどうかな?」
「まだ、違和感があります。
もともと私の中にいたものがなくなってしまったので。」
「そうか…」
エリザベス女王杯の直前から私の内にいた紅は一切気配が感じられなくなってしまった。
それから数ヶ月経った現在でも状況は変わっていない。
「でも、少し…」
「落ち着いてる?」
「はい。私の心を振り回すことがなくなった、という意味で少し安心している自分がいます。」
「そっか。…これからのことは、慎重に考えていこう。」
「はい。ありがとうございます。」
私はもはやトリプルティアラの頃の私ではなくなってしまった。それでもトレーナーさんはこうして寄り添ってくれる。
とても、とても安心できる。けれどずっと迷惑をかけるわけにはいかない。進むべきか降りるべきか、早く決めないと。
「…」
「よし!どこか出かけようか!初詣に神社とか!」
「え、はい。…新年、ですしね。」
珍しくトレーナーさんが強く明るい語気で提案してくる。…私が思い悩んでいるのに気づいているのでしょう。本当に優しい方。 - 131スティル◆6fSpQJ.bhOh425/10/04(土) 21:52:56
「じゃあ早速出かけ…
コンコン
「あ、どうぞ。」
ガチャ
「失礼するわ。」
突然響いたノック。トレーナーさんの返事に合わせて開いたドアから現れた相手は意外な人物だった。
「「アルヴ(、さん)…」」
「あら、あけましておめでとう。」
そこにいたのはアルヴさんだった。お正月から私のトレーナー室に来るなんて一体何のために?私もトレーナーさんも戸惑いの声を上げる、が、トレーナーさんのほうが私より困っているように見えた。私が先に声をかける。
「アルヴさん、何かご用ですか?」
「当然、用があるから来たのよ。節目の挨拶は大事でしょう?」
私のトレーナーさんに対してわざわざ挨拶をするような間柄だっただろうか、という疑問が過るけれど間違ってはいない…と思った矢先、アルヴさんの口から信じられない言葉が続けられた。
「…『私の』トレーナーでもあるもの。」
「…え?」 - 132スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/10/04(土) 21:57:12
こんばんは
大変お待たせしました今日は年明けのシーンです
さっそく昨年末の爆弾案件に着火の気配が… - 133二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 22:10:47
今のスティルにそもそも爆発するだけの胆力があるだろうか
まあ育成開始間もない時点でもラモーヌに食い下がれたし、あれよりはハードル低いだろうけど… - 134二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 07:50:10
ゆっくりでいいので続きお待ちしております
- 135二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 16:06:26
爆発するための紅が完全にアルヴへ移ってたら難しいな
- 136二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 16:09:30
タップとかも金鯱賞でスティルとの対戦を期待していたので、このスレの進行だと反応が面白くなりそう(前評判と2人が逆転してる、逆転してない?)
- 137スレ主◆6fSpQJ.bhOh425/10/05(日) 22:10:02
- 138二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 01:23:16
当時のレーススケジュールだと金鯱賞が5月だから、アルヴはその前にネオユニの勝った大阪杯にも出走してるんだよね
アプリでのスケジュールだと順番が入れ替わっちゃってる - 139二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 01:40:23
へー、競馬の方は詳しくないけどそういうこともあるか
まあレース場変更は再現できても日程は変えられないよなあ - 140二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 08:39:16
最近で言うと宝塚記念がちょっと前にずらされてるね
- 141二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 18:00:37
大阪杯とホープフルステークスはG1としての歴史がかなり浅いから色々とね
- 142スティル◆6fSpQJ.bhOh425/10/06(月) 22:56:03
「あ、アルヴ!それは…」
「あら、まだこの子に言ってなかったの?」
「それは…その、だってあれは」
慌てた様子のトレーナーさんが間に入ってアルヴさんを制止しようとする。
普段のトレーナーさんが決して見せない、焦りの見える態度。その姿に少し、ほんの少しだけ疑念が湧き、トレーナーさんに問いかける。
「どういうことか、説明していただけないでしょうか。トレーナーさん。」
「スティル…そうだね、ごめん。」
私の言葉で少し落ち着いたトレーナーさんはぽつぽつと事情を話してくれた。
昨年末にアルヴさんがやってきて契約を迫り、気づいたらサインしてしまっていた。私へのメンタル的な影響を考えて伝えるタイミングに迷っていた、と。
「スティルのことを蔑ろにするつもりはない。誓って。そのことだけは信じてほしい。
今後アルヴとどうするかについてはきちんと話し合ってスティルにも伝えるから。」
「…わかりました。」
なんとか肯定の言葉を絞り出す。
なぜアルヴさんがトレーナーさんに契約を申し込んだのか。なぜトレーナーさんはそれを了承してしまったのか。疑問点はまだある。けれど今それを2人に問い詰めても私が余計に混乱しそうだった。だから今は一旦飲み込み、あとで個別に話を聞こう。そう思った。この気まずい空気を早く変えたかったのもあるかもしれない。
「トレーナーさん、初詣、行きましょう。」
「え、ああ。そうだね。」
それに、トレーナーさんの目…その目は確かに私をまっすぐ見ていた。だからきっと大丈夫。…大丈夫。
「アルヴさんも、ご一緒にいかがですか?」
「あら、いいの?」
「ええ…チームメイト、ですから。」
私はトレーナーさんにいつもよりちょっと、ほんのちょっとだけ近くを歩くようにしながらトレーナー室を3人であとにした。