- 1二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 03:24:39
- 2二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 03:25:40
彼女、コバトノヒカリはデビューから10戦、一度も掲示板に載ることはなく、着順は全て下から数えた方が早かった。前に所属していたチームからついにクビを宣告され、故郷への強制送還が秒読みだった。
まさに崖っぷちの「行き場のない子」と言うやつだ。
見るに見かねた理事長から、そんな彼女を押し付けられたのが俺だった。
過去に数々の行き場のない未勝利ウマ娘を勝たせてきたが、まだベテランと呼ぶには早い、いわゆる中堅トレーナーだ。
実績はあった。だが、俺のスパルタ指導は、一部で「地獄の鬼トレーナー」と、かなり悪名を轟かせているためか、自ら希望し門戸を叩く新人は、毎年皆無だった。
俺からスカウトした場合の返答の結果については、もはや言うまでもないだろう。
その代わり誰もが担当するのを尻込みする、崖っぷちに片手でぶら下がっている、どうしようもないウマ娘を、理事長から押し付けられるのが常だった。 - 3二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 03:27:12
「お前なぁ……」
俺は深いため息をついた。
「ドアホ!トレーニング中に色仕掛けなんて、言語道断! それにその服!なんだ、その謎のシースルー素材は! レース場だったら審議対象だぞ!」
「えぇ〜?トレーナーさん、知らないんですかぁ♡?これ、今、流行りの『魅惑のデッドヒート』ってファッションですよぉ? ほらぁ♡、…見てぇ♡、…これぇ……♡」
コバトが短すぎるスカートの脚を組み替え、さらに胸を張り、胸元を強調する。そのたびに、やたらはだけた、申し訳程度の布面積の服装から、無駄に立派な色々が、こぼれ落ちるんじゃないかとヒヤヒヤする。 - 4二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 03:28:16
「黙ってろ! そもそもお前、色仕掛けなんてやめたらどうだ? レースで勝てば、もっとモテるし、チヤホヤされるんだぞ?」
「だってぇ…トレーナーさんは、アタシに興味なさそうだしぃ……」
コバトが拗ねたように唇を尖らせる。
「当たり前だ! 俺はトレーナーだぞ! 俺の興味があるのは、お前の脚力と根性と、あとその無駄な演技力だけだ!」 - 5二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 03:30:28
俺は立ち上がり、勢いよくホワイトボードを指差した。そこには、俺が徹夜で練り上げた地獄のメニューが書かれている。
「そんなことより、聞け、コバト。今日からお前は、俺が考案した、この『鬼の未勝利脱出プログラム』を完遂する。
まずは基礎体力トレーニングからだ。スクワット1000回、腹筋1000回、背筋1000回、腕立て1000回! そして、その後はランニング……」
コバトは目を丸くし、ポカンと口を開けていた。
「えぇ〜?トレーナーさん、アタシに死 ねって言ってるんですかぁ〜?アタシ、バカだし、落ちこぼれだしぃ、根性なしですよぉ……?」
「死ぬか勝つか、二つに一つだ! さあ、行くぞ!」
俺は、泣き言を喚くコバトを、グラウンドへと引きずっていった。
その日から、俺とコバトの、奇妙な二人三脚が始まったのだった。 - 6二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 03:32:46
「鬼トレーナーさぁん、アタシ、…もうダメぇ……」
コバトがゼェゼェと息をはきながら、芝生に仰向けに倒れ込み、涙目で訴える。
「何言ってるんだ! まだ腕立て伏せが551回とランニングが残っているぞ! 立て!」
「もう無理ぃ! …今ここでアタシを抱きしめてくれないならぁ、もぉ走れませぇん…♡」
「お前、実は余裕あるな?俺が抱きしめる前に、お前が抱えている未勝利の壁を壊せ!」
コバトが突然、仰向けのままトレセンジャージを脱ぎ捨て、謎の露出度の高い水着姿になって、甘ったるい声で言う。
「鬼トレーナーさん、アタシの汗ぇ、拭いてくださぁい……♡」
「うるさい! プール練もないのに、何で下に水着なんか着てきてるんだ!ちゃんと練習に合った服と、ジャージを着て、ちゃんとトレーニングの続きをしろ!」
俺はコバトの奇行に、慣れっこになっていた。最初は怒鳴っていた。が、最近では、もはや無表情でツッコミを入れることが日課になっていた。周囲のウマ娘やトレーナーたちは、皆一様にドン引きして、白い目で遠巻きに俺たちを見ていた。 - 7二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 03:34:35
トレーニングは地獄だった。トレーニングは朝早くから始まり、前半は鬼の基礎トレと坂路でのインターバル走、後半はトラックでのランニングをメインに、長所を伸ばすための効率的な、多種多様な練習メニュー。
コバトは毎度毎度、飽きもせずに「鬼トレーナーさん、ア、アタシ、…これから…そのぉ……は、外せない予定が…♡」と途中で逃げようとしたり、「今日の鬼トレーニングは、もうやめにしてぇ♡、これからアタシとデート行きましょうよぉ♡」と誘惑したりと、ここのトレセン食堂のショボい日替わり定食顔負けのレパートリーで、あの手この手でサボろうとしてくる。 - 8二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 03:36:41
しかし、俺は一切動じない。ただし、その厳しさの裏には、細心の注意を払っていた。
コバトが基礎トレで、おかしな身体の動きを見せたり、ランニングのフォームが少しでも足を引きずっていたり、歩き方に違和感があったりした瞬間、俺はすぐにトレーニングを中断させた。
「コバト、今日の練習はやめだ。歩き方がおかしい。すぐトレーナー室に戻るぞ」
「えぇ〜?トレーナーさん、今、始めたばかりだしぃ、こんなの全然大したことないですよぉ? アタシ、そこまでヘタレじゃないですってぇ……」
「言い訳するな。ウマ娘の怪我は、ちょっとした違和感から始まる。俺の見る目に狂いはない。無理をしてレースに出られなくなったら、それこそ意味がないだろう」
コバトは口を尖らせながらも、素直に従った。
俺は練習後、1日も欠かす事なく、彼女の脚に丹念にクールダウンとマッサージをした。
それと同時に、ほんの些細な怪我も見逃さないよう、念入りに骨や筋肉の異常が無いか、長時間かけて脚の先までチェックした。その行為は、コバトが仕掛けてくる色仕掛けに対する、俺なりの無言の抵抗だったのかもしれない。 - 9二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 03:38:23
そんなある日、トレーニングが終わり、ボロトレーナー室に戻ると、コバトが手作りのクッキーを差し出してきた。
「鬼トレーナーさん、これぇ……よかったら、食べてくださぁい♡」
恐る恐る一口食べると、驚くほど美味しかった。
「お前、こんなこともできるのか……」
「えへへ。これでもぉ、お菓子作りは得意なんですぅ。鬼トレーナーさんの好きな、甘くないやつにしましたぁ♡」
その日の夜、俺はトレーナー室に遅くまで一人残り、壊れかけの照明の下で、明日からのトレーニングメニューを組みながら、コバトがくれたクッキーを全て平らげた。不思議と身体に染み渡るように温かかった。 - 10二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 03:40:32
次の日からは、トレーニングの合間に、コバトが自作の弁当を差し出してきた。中身は俺の好みを研究した、栄養バランスの取れたヘルシーなものだった。
「トレーナーさん、最近疲れてるでしょお? それに、もう若くないのに、毎日そんな食事じゃあ、アタシが栄養補給してあげないとぉ、倒れちゃいますよぉ?」
「ドアホ!確かに見た目は老けた中年かもしれんが、俺はまだ20代だぞ!そんなに歳じゃない!!………だが気遣いには感謝する………ありがとう…」
「えへへ。よかったらぁ、アタシ、鬼トレーナーさんのお嫁さんになってぇ、お家で毎日ご飯作ってあげよっかぁ?♡」
「ドアホ!!そんな冗談は、G1にでも勝ってみせてから言え!!そんなことより、トレーニング再開だ!!」
鬼トレーニングから逃げるための、コバトの色仕掛けは変わらないが、その裏に隠された彼女の優しさが、少しずつ俺の心を溶かしていった。 - 11二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 03:41:46
トレーニングの成果は、徐々に現れ始めた。コバトのタイムは目に見えて向上し、走りのフォームにも無駄がなくなってきた。
トレーニング中の、毎度の色仕掛けも、泣き言も相変わらずだ。だが結局、担当になったあの日から、トレーニングに来なかったり、練習の途中で本当に逃げ出したことは、一度もなかった。
それ以上に、トレーニング中の些細な場面から、コバトの中に「勝ちたい」という気持ちが芽生えてきているのが分かった。
……そして、ついに迎えた未勝利戦当日。
「トレーナーさぁん!見ててくださいねぇ! アタシ、絶対に勝ちますからぁ!」
ゲートが開くと、コバトは一気に飛び出した。 - 12二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 03:43:55
「行け! コバト! お前は走れる! お前は強くなった! その脚で、未勝利の壁をぶっ壊せ!」
俺はレース場のスタンドで、コバトの走りを食い入るように見ていた。
……最終コーナーを回ったところで、コバトは群衆の中から先頭に躍り出た。コバトの派手な色の長髪が目立つようにたなびく。観客から歓声があがった。
しかし、後方から一人の、別の派手な髪色のウマ娘が猛追してくる。一際、歓声が大きくなる。
……そして、そのままコバトは、そいつの猛追に付いて行くことができず、あっさりと抜かされていった…。
俺は思わず、自分自身で驚く程の大きな声で、コバトに届くように叫んでいた。
「コバト! 粘れ! ここで踏ん張れ!今のお前ならやれる!自分を信じろ!!」
最後の直線、コバトは苦しさに顔を歪め、歯を食いしばりながらも、鬼トレーニングで鍛えられた驚異的なスタミナと、持ち前の根性を発揮し、さらにスピードを上げた。
そして大歓声。
ゴール板を一人の派手な髪色のウマ娘が、トップで駆け抜けた。
それは、コバトだった。
2着とはギリギリのハナ差。
まさに、死力を尽くした『デッドヒート』だった。 - 13二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 03:45:57
……レース後、掲示板と俺の顔を、何度も交互に見ながら、コバトは荒い息と嗚咽と共に、俺に駆け寄ってきた。
「トレーナーさぁん!ゆ、夢じゃないよね?…アタシ、ホントに勝ちましたぁ……はじめて…!はじめて勝てましたぁ…!」
コバトの目からは、今まで見たこともないキラキラとした光が、いくつもこぼれ落ちて、止まることがなかった。 - 14二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 03:47:10
「ああ、夢じゃない。これで未勝利脱出だ。おめでとう。よくやった…コバト。お前は本当に……」
その言葉を遮るように、コバトが涙を流しながら俺に抱きついた。
「トレーナーさぁん!約束、覚えてますよねぇ?」
「や、約束?」
「アタシが勝ったらぁ、アタシを抱きしめてくれるって……♡」
「そんな約束、してないぞ!」
俺は慌ててコバトから離れようとしたが、彼女は長い耳をくねらせ、眼に涙を溜めたまま笑顔で俺を覗き込み、離さない。 - 15二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 03:48:21
「えぇ〜、じゃあ♡、初勝利したアタシがぁ♡、鬼トレーナーさんに『魅惑のデッドヒート』を仕掛けたらぁ…、どぉしますかぁ?♡」
俺は頭を抱え、再び深いため息をついた。
未勝利を脱出しても、俺の苦難は、まだ始まったばかりのようだった。だが、不思議と、以前のような嫌な感じはしなかった。
このウマ娘と俺の『デッドヒート』は、もしかすると、これからなのかもしれない…
END? - 16二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 07:22:14
- 17二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 07:30:24
良いものを読むと続きが欲しくなる
「夢じゃないよね」って口調が崩れるとことかだーいすき! - 18二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 10:41:10
- 19二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 15:59:17
乙です
王道には王道の良さがあるよね - 20二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 16:02:21
- 21二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 19:47:51
- 22二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 20:10:15
理事長は実績あるトレのトレーナー室を修理してやってくれ
- 23二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 00:04:12
- 24二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 05:44:36
トレーナーさんとの出会いは、最悪だった。
というか、アタシの人生が、もう最悪のどん底だった。
デビューから10連敗。一度も勝てないアタシのことを、みんなは「落ちこぼれ」「未勝利の子」って、影でコソコソ笑ってた。元いたチームからもクビを宣告されて、実家に帰されるのも時間の問題。そんな時、理事長さんに呼び出されて、この場所に来た。 - 25二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 05:45:56
校舎裏の、ボロボロのプレハブ小屋。中に入ると無愛想で、なんか怖そうな人が立っていた。
「……今日から俺が、お前のトレーナーだ。知っての通り一部では『地獄の鬼トレーナー』とか呼ばれてる…。よろしく、コバトノヒカリ」
ああ、もうダメだ、って思った。
せっかく、トレーナーさんが替わったのに、これじゃあ、またすぐに担当をクビにされるのがオチだ。 - 26二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 05:47:16
だから、アタシはいつものアレを試した。落ちこぼれのアタシが唯一、得意なこと。
ちょっとだけ可愛い声を出して、セクシーなポーズをとってみる。
「トレーナーさぁん♡…アタシとぉ、イケないこと…しちゃいませんかぁ♡?」
今まで、アタシに色仕掛けをされて、慌てない男のヒトはいなかった。男のヒトはみんな、すぐにアタシの色気にデレデレになって、甘やかしてくれた。 - 27二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 05:48:48
でも、トレーナーさんは違った。
「ドアホ!トレーニング中に色仕掛けなんて、言語道断!」
アタシはびっくりして、ポカンとしてしまった。
でも、その顔は、アタシのことがどうでもいいから怒っているんじゃなくて、アタシが本当の自分じゃない演技をしているって、心底呆れて怒っているような、そんな顔だった。
そんな顔、今まで誰にもされたことがなかったから、ちょっとだけ悔しくなった。
だから、アタシは決めた。
この人の前でだけは、意地でも、いつものアタシを続けてみよう。
もしかしたら、この人はアタシを、ちゃんと見てくれる人かもしれない。 - 28二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 05:51:32
トレーニングは、本当に地獄だった。
できるわけない。スクワット1000回、腹筋1000回、背筋1000回、腕立て1000回……。
なんなの?◯ンパン◯ンの、◯イタマなの?
いつものアタシを続けるって決意したけど、こんなの無理だよ。できないよ。
アタシはすぐ楽したくなる自分が、嫌になるくらい弱かった。
アタシは泣き言を言って、ずる休みしようと、今日も得意だった色仕掛けをしてしまう。
「鬼トレーナーさぁん、アタシ、…もうダメぇ……」
でも、トレーナーさんはアタシの言葉に、全然動じない。
むしろ、アタシがズルしようとするたびに、アタシの気持ちを、本当のアタシを全部見抜いて、いつもアタシに正面から向き合ってくれた。
「お前、実は余裕あるな?俺が抱きしめる前に、お前が抱えている未勝利の壁を壊せ!」
他の人は、アタシのワガママに呆れて、すぐに離れていったのに。
でも、このトレーナーさんは違った。
アタシがどんなにサボろうとしても、どんなにズルしようとしても、絶対にアタシから目を離さなかった。 - 29二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 05:53:24
ある日のこと。
アタシはいつものように、トレーニングの途中で、疲れてフラフラになってしまった。
「コバト、今日の練習はやめだ。フォームがおかしい。すぐトレーナー室に戻るぞ」
トレーナーさんは、いつもの厳しい声で、アタシにそう言った。
アタシは、やった!サボれるかも、と少し嬉しくなった。 - 30二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 05:55:15
でも、トレーナーさんの顔をよく見ると、いつもの「鬼」の顔じゃなくて、心配そうな顔をしていた。
ボロボロのトレーナー室に戻ると、トレーナーさんは顔を上げて私を見ることもなく、一言もしゃべることなく、一心不乱にアタシの脚を丹念に丹念にマッサージしてくれた。
その手は、ゴツゴツしていて…、でも、すごく優しかった。
怪我がないか、アタシの脚を触りながら、真剣に何度も何度も確認してくれた。
アタシは、その手に触れられながら、なんだかじんわり胸が温かくなった。
こんなにも、うれしいものなんだって…。
この人、アタシの事を、ちゃんと大切に思ってくれている。
そう思ったら、アタシは、もっとこの人と一緒にいたくなった。
もっと、この人のことを知りたい、この人のために何かしてあげたい。 - 31二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 05:56:18
そう思って、頑張ってトレーナーさんの好きそうな、甘くないクッキーを焼いてみた。
それから、毎日のお弁当も、トレーナーさんが喜んでくれるように、いっぱい練習して工夫してみた。
トレーナーさんは、照れくさそうにしながらも、ぶっきらぼうに「ありがとう」って言ってくれた。
その顔は、本当に優しくて、アタシは、この人の笑顔を、もっと見たいって思った。 - 32二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 05:58:57
そして、運命の未勝利戦の日。
アタシは、ゲートを出たとき、過去の、どのレースよりずっと速く走れてる自分に驚いた。
鬼トレーニングで鍛えられた力が、身体の底からグツグツ湧き出てくるみたいだった。
「行け!コバト!お前は強くなった!その脚で、未勝利の壁をぶっ壊せ!」
トレーナーさんの声が聞こえた。
……正直、あの子の猛追には、絶望した。
また、ダメなんだ、負けるんだって思った。
でも、アタシは、苦しかったけど、もっともっと速く走れた。
だって、トレーナーさんの声が、アタシに勇気をくれたから…。 - 33二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 06:00:31
そして、ゴール板を、アタシが一番に駆け抜けた。
初勝利。
アタシは、嬉しくて、嬉しくて、…本当に嬉しくて涙が止まらなかった。止められなかった。こんなこと初めてだったよ…。
トレーナーさんが、アタシを「よくやった」って、褒めてくれた。
そして、アタシは、ずっとしたかったことを、この人に、思いっきりしてみた。 - 34二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 06:02:29
トレーナーさんに、思いっきり抱きつくこと。
「トレーナーさぁん!約束、覚えてますよねぇ?」
「や、約束?」
「アタシが勝ったらぁ、アタシを抱きしめてくれるって……♡」
トレーナーさんは、自分で言ったこと忘れちゃってたみたいで、慌ててアタシから離れようとしたけど、アタシは絶対に離さない。
だって、アタシは、この人と、もっともーっと一緒にいたいから。
それに、アタシの『魅惑のデッドヒート』は、これからが本番なんだから。
未勝利の壁を壊した、このアタシが、次は、この鬼トレーナーさんの、固い心を、溶かしてみせるんだから!
END…? - 35二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 10:25:20
掛かってしまっているかもしれませんね
- 36二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 17:43:33
地方の子いいね
- 37二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 22:15:49
- 38二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 05:33:28
- 39二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 06:38:12
gj
良いお話だった - 40二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 16:27:46
地方の子は現役長い子も多いし、じわじわ攻めてったらいつかはね…
- 41二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 22:34:44
早くタジタジになれ鬼トレーナー
「嘘偽りない」感情の発露を直視して逃げられなくなれ!!!!
あと誤字あったので報告させていただきます
END…?←ここ「めっちゃ続く」の間違いかと
なんというかその、続き読ませてくださぃぃ…めっちゃ好きなんですぅぅ…
- 42二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 04:30:51
続くのならライバルとか出てきたりするのかな
- 43二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 13:39:08
中央や他の地方から移籍してきた子とかね
- 44二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 17:39:43
乙です〜
名前の元ネタ?はわからんけどこれが名作なのはわかる
良作をありがとうございます - 45二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 23:33:38
いつかはお互いマジ惚れになるのかしら
- 46二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 04:14:25
正しいトレーニングをすれば、ちゃんと伸びる子だったんだね
怪我をさせないようにしてる描写が良き - 47二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 09:59:23
相性自体も良かったのかも
- 48二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 18:49:14
自分と合う指導者に出会えるかは、スポーツ選手全般にとって大切なことだからね