- 1二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 17:26:42
「次にレースで勝ったら王子様風のお祝いをする」とプリンセスと約束したものの王子様風のお祝いとは一体？と考えている内にプリンセスが勝利し、期待の眼差しでこちらを見てくるプリンセス。悩んだ末に片膝をついてプリンセスの手の甲に口づけをするとプリンセスの顔が真っ赤になって「あ、あにょっ！トレーナーさん！？その、わたくしてっきりプリファイの伝説のトレーナーのセリフを言ってもらえるのだと…うぁぁああ〜〜！！ちょっくら走ってきますわ〜〜！」とコースを疾走し、一連の流れを見た観客はウイニングランの演出と思い大盛り上がりする中トレーナーだけがもしかして何か勘違いしてた？と頭を抱える概念。
- 2二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 17:27:09
そしてまた次のレースでプリンセスが勝利しウィナーズサークルに入るトレーナーとカワカミプリンセス。しかしその日は大雨でバ場状態も最悪、後方から伸びて差し切ったプリンセスの体は泥だらけとなっていた。観客からはあのパフォーマンスが出るのか？とガヤガヤしだし、仕方なくトレーナーがプリンセスの手を取ろうとすると「トレーナーさん…その、とても嬉しいのですが私こんなに泥だらけでお姫様らしくありませんし、トレーナーが汚れてしまいますわ」と節目がちにプリンセスが呟く。しかしその言葉を聞いてむしろ迷いが消え、水溜まりの上に跪き泥のついたプリンセスの手に口づけをするトレーナー。服は汚れ顔にも泥がついたトレーナーが自分を指差し、これで僕もプリンセスと一緒だね、と優しく微笑むのを見てプリンセスもはちきれんばかりの笑顔を浮かべ、大歓声の中ウイニングランをするのであった。
みたいなSS読みたいよね… - 3二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 17:28:20
私はオープン杯の弱きものですがプリンセスの号外を見て思いつきました。
みんなもプリンセスを引けっ！引くんだっ！ - 4二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 17:28:30
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- 5二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 17:29:34
これは紛れもなく王子様の器…
- 6二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 17:56:25
- 7こんな感じか分からないんだけど22/04/24(日) 18:07:10
──１着はカワカミプリンセス！カワカミプリンセスです！
実況の声がレース場全体に響き渡り、会場が大いに盛り上がる。チャンピオンズミーティングでも彼女は変わらず元気にパワフルに走り、その強さを証明してくれた。
「……さて、どうしたものか」
出走をする前控室で彼女にお願いされていたことを思い出す。
『トレーナーさんトレーナーさん！もし私が１着を取れましたら、今日は王子様風的な感じでお祝いして欲しいんです！』
そう言ってこちらが聞き返す間もなくゲートへ向かって行く彼女の後姿を見つめながら王子様風とは……？とずっと頭を悩ませていた。実は今もどういう風に祝えばいいか全然分かっていない。
王子様と言えば何だろうか……色んな本で出てくる王子様を思い出してみる。王子様は格好良くて素敵で、そして何よりお姫様を助けてくれて、そして……。
「これ、かなぁ……？」
一つ思いついた物があるが、これが本当に王子様風なのかはわからない。
ただ結局他に思いつく事もなかったのでこれにしようと心に決めて彼女を待つことにした。
しばらくするとウィナーズサークルにプリンセスと二人で呼ばれる。
記者の人に「トレーナーさんが王子風のお祝いをしてくださいますの！」とニコニコしながら答えた後、こちらに期待の眼差しを向けてくる彼女へ手を出して、と伝える。
そのまま素直に前へ出してくれるので、彼女の前で膝を突き、差し出された手を取った。
「１着おめでとう、プリンセス」
これが王子様風のお祝いになるかは正直怪しいところだが、それでも彼女への想いをしっかりと込めながら、少し長めに彼女の手の甲へ口づけをした。 - 8こんな感じか分からないんだけど22/04/24(日) 18:07:39
（……これで良かったかな？）
そう思いながら顔を上げると、会場がしんと静まり返っている事に気が付いた。
プリンセスも自分の目の前で驚きの表情のまま固まってしまっていたので、もしかして失敗しちゃった……？と思っていると、彼女の頬が徐々に赤く染まっていく。
「あ、あにょっ……トトト、トレーナーさん？そ、その私てっきりトレーナーさんがプリファイの『伝説のトレーナー』の台詞を言ってくださるものとばかり思っていまして……っ！」
その言葉を聞いてやってしまった事に気が付く。よくよく考えれば当たり前の事なのになぜ少し前の自分はそれに気が付かなかったのだろう、こちらの顔も真っ赤になってしまう。
「う、うあああぁぁぁぁぁ……嬉しいです、とっても嬉しいですけれど……それと同じくらいとっても恥ずかしいですわ！！！すみませんトレーナーさん、私ちょっくら走ってきますわね！！！」
そう言ってウィナーズサークルから飛び出し真っ赤っかのままコースを疾走する彼女を見て、しんとしていた観客が一斉に盛り上がる。
「まさに王子様とお姫様だな！」「ウイニングランの演出としてはちょっとやり過ぎじゃない……？まぁ確かに楽しいけどさ」「あっあっあっ……トレーナーしゃんとカワカミしゃん……推せる……っ！！！」と言いながら彼女のウイニングランに歓声を上げてくれる。どうやらウイニングランの演出として見ていてくれたようだ。
ほっと胸を撫で下ろしながらも思いっきり勘違いしていた事には間違いないので、これからしばらくの間はこの事を思い出して恥ずかしくなるんだろうな……と頭を抱えながら、彼女の走る姿を眺めるのであった。 - 9二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 18:13:24
あっ♡脳が再生する♡
- 10二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 18:19:54
ほんとにSSを書いてくれる人が来るとはたまげたなぁ…
- 11二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 18:28:24
- 12二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 18:34:34
もっと軽率にトレーナーは担当ウマ娘の手の甲にキスをしてほしい
いや軽率にするな 3年間じっくり歩んだ上で色々な想いを込めて手の甲に口づけしろ - 13二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 18:54:00
ちょっとデジたんと一緒に昇天してきますね…
- 14こんな感じか分からないんだけど22/04/24(日) 19:02:56
そして次のチャンピオンズミーティング、生憎の不良バ場に加え大粒の雨が降り注ぎコースのコンディションは最悪と言っていい程だった。
そんな中でもプリンセスは自慢の末脚で後方から一気に駆け上がり、勝利をもぎ取ったのだった。
泥だらけになりながらも笑顔で勝利を喜ぶ彼女は自慢のお姫様だ。そう思いながら二人でウィナーズサークルへ向かう。
「今日はあのパフォーマンスあるのかな？」「いやぁ～どうだろうね、天気も悪いし」「でもまた見てみたいよね、王子様と姫って感じのやつだし！」「あぁ……あんなのをもう一度見てしまったらデジたんは死んでしまう……でも見たい……でも死んじゃう……でも死んでも見たいです！！！」
ウィナーズサークルに入ると、観客席から前回のパフォーマンスを期待するがガヤガヤと聞こえてくる。
ようやく前回のを忘れかけていたというのにまた思い出してしまい少し顔を赤くしてしまうが、勘違いとはいえ前回あのパフォーマンスをしたのは自分で間違いなかったので観客の声には応えなければ、と少し悩みながらも彼女に向き直る。
「プリンセス、手を……」
「……すみませんトレーナーさん、今日はちょっとダメですわ」
手を出して、と言おうとすると彼女がその言葉を遮る。
えっ？と声を出して彼女を見ると、泥が撥ねて汚れてしまった顔を曇らせながら少し伏し目がちに呟く。
「キスをしてくれるのは少し恥ずかしいですけど嬉しいんです、ただ……今日はこんなに泥んこになっちゃって、まるで昔外で遊び回っては服を汚していた、お姫様を目指す前の私みたいな格好になっちゃっていますでしょう？これじゃあ全然姫らしくないですし、それにトレーナーさんも泥んこになっちゃいますから……王子様からのキスは、頂けませんわ」
ですから今日は他のパフォーマンスをしましょう！と笑うんだけどいつも彼女の笑顔を見ている自分は気が付く、作り笑いだと。 - 15こんな感じか分からないんだけど22/04/24(日) 19:03:15
「わかった、手は出さないでいいよ」
そう伝えると彼女は少し寂しそうな顔を一瞬だけ見せ、しかしすぐに笑顔を作り「では何をしましょうか！」と聞いてくる。
「ううん、する事は変わらないよ」
「……？どういう、事ですか？」
先程の彼女の表情を見て迷いは消えた。ここでお姫様を笑顔にする事が出来なければ、それこそ王子様失格だろう。
躊躇なく水たまりに膝を落とし、彼女の前で跪く。服が汚れるが構うものか、今はそれよりも大切なことがある。
「ト、トレーナーさん！？服が汚れてしまいますわよ！？」
「いいんだ、これで」
驚いている彼女にそう言って、泥で汚れた彼女の美しい手を優しく握る。
「１着おめでとう、プリンセス」
前回と同じお祝いの言葉を彼女へ伝えて、前回と同じように彼女の手の甲へ口づけをした。 - 16こんな感じか分からないんだけど22/04/24(日) 19:03:27
「……トレーナーさん……？」
目をパチクリさせて驚いた表情をする彼女に優しく微笑み、自分の顔に指を差してこう言った。
「これで僕も君と同じ泥んこだね、これなら問題ないでしょ？」
「…………っ！！！」
彼女の表情が驚きから少しずつ笑顔に変わっていく。
「トレーナーさん……っ！はい、泥んこのお姫様と泥んこの王子様で一緒ですわね、ふふっ！」
最後には泥だらけでも、いや泥だらけだからこそ輝くはちきれんばかりの笑顔を向けてくれるので、こちらも自然と微笑んでしまう。
「ほら、観客の皆が呼んでいるよ？ウイニングラン、楽しんできてね」
「はいっ、行ってきますわトレーナーさん！姫のウイニングラン、しっかりと見ていてくださいませ！」
そう言って元気良くウィナーズサークルを飛び出し、コースを走り出した。泥だらけのままで、でも満面の笑みを浮かべて観客へ手を振りながら駆けて行く彼女は、この場にいる誰よりもお姫様らしかった。
（……俺も少しは『伝説のトレーナー』に近付けたかな？）
そう思いながら、彼女のウイニングランを見届けるのだった。 - 17二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 19:04:55
しゅき…
- 18二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 19:12:45
あっちょっと昇天する
- 19二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 19:18:32
ありがてぇ、ありがてぇ…
- 20二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 20:15:16
美しい…これ以上の芸術は存在しない
- 21二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 22:51:04
このレスは削除されています
- 22二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 22:53:16
いい概念にはいいSSが付き物だ…素晴らしい
- 23二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 10:05:08
よく頑張った...
- 24二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 10:58:33
デジたんも昇天しますわこれは…
- 25二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 19:55:56
スレ主の概念も好きだし他の方が書いたSSも好きだわ…やはりプリンセスと王子様は万病に効く…