神輿は軽くてバカが良い編 第十五章 帰ってきた日常。そして・・・編

  • 1◆VLlUGaOg9c25/09/20(土) 21:11:38

    夢の中で出会った、平行世界のセイアとナギサの幽霊。
    彼女たちたちとの出会いを通じて、失われた世界の過去を知ったカナ。

    カナは無名の司祭を殴り飛ばし、その支配からプレナパテスを解放。
    プレナパテスの説得により、ミカ*テラーたちも降伏したことで漸く1連の事件は解決した。

    それから暫く、矯正局に収監されたミカ*テラーはミカから死した2人の伝言を伝えられるのだった。

  • 2◆VLlUGaOg9c25/09/20(土) 21:13:12

    ナレーション
     どれほどの時間が流れただろう。ミカが伝えた伝言も長かったので、相当な時間が経っているのは間違いない。
     年相応に子どもらしく、ぐずぐずと泣き続けていたミカだったが、やがて声も枯れて疲れが出てくると、
     少しずつ落ち着きを取り戻していった。

    ミカ*テラー「ぐずっ!・・・・・・伝えに来てくれて、ありがとう」

    ミカ「いいよ、このくらい。貴女の辛さは分かってあげられないけど・・・想像くらいは出来るから」

    ナレーション
     そうして冷静さが幾らか戻って来てから、ミカ*テラーは改めてミカに礼を言った。
     もうずっと会うことも、触れることも、話すことも出来ない。失ってしまった、でも大切な人。
     そんな2人の言葉を再び聞くことが出来たのは、彼女にとって大きな救いになった。・・・のかもしれない。

    ミカ*テラー「それから、その・・・ごめんなさい。痛かったよね」

    ミカ「・・・何言ってるの。あのくらい、平気だよ」

    ナレーション
     「もう治ったしね!」と、わざとらしく力こぶを作ったミカの肌には、確かに傷1つ残っていない。
     ミカ*テラー自身、かなり重傷を負わせてしまった自覚があったので、そのことには一安心した。

  • 3◆VLlUGaOg9c25/09/20(土) 21:42:42

    >>2

    ミカ「・・・でも、あのアリウスの子はまだ入院してるんでしょう?」


    ナレーション

     けれど、ミカ*テラーは忘れていない。面会が始まったばかりの時、ミカは確かに言っていた。

     「流石に退院はまだ時間掛かるから代わりに私が伝えに来たの」と、カナの負傷の深さを口にしていたのだ。


    ミカ「まぁ、確かにカナちゃんは一時期危なかったけど・・・今はモリモリお粥食べてるから」


    ナレーション

     まだ車椅子生活だと言うことを教えないだけの理性が、ミカにはあった。


    ミカ*テラー「でも・・・・・・」


    ナレーション

     ミカが車椅子のことを話さなかったとしても、ミカ*テラーの心に深い罪悪感が消えない。

     だから、尚も言葉を続けようとしたが・・・・・・


    ヴァルキューレモブ「おおっと、いけない。もうこんな時間か。面会は終わりだ、とっとと檻に帰るぞ」


    ナレーション

     ・・・のだが、面会を見守っていたヴァルキューレの生徒が遮った。

      実にわざとらしい言葉だった。そもそも、本来の面会時間はとっくの昔に過ぎている。

     それを分かった上で今の今まで、ヴァルキューレの生徒は見逃していたのである。

     その上で今更口を出したのだから、わざとらしいとしか言えなかった。

  • 4◆VLlUGaOg9c25/09/20(土) 21:50:46

    >>1

    代理モブ「訂正します。ミカ*テラーが現在収容されているのは矯正局ではなく、勾留所です」


    代理モブB「話考えながら書いてるから、こんなことになるのでしょうかね・・・」


    代理モブC「あと、申し訳ありませんが、10まで保守をお願いします」

  • 5◆VLlUGaOg9c25/09/20(土) 22:10:39

    >>3

    ヴァルキューレモブ「ああ、そうそう・・・その差し入れも、1度徴収して検閲するからな」


    ナレーション

     ヴァルキューレの生徒がミカの方へと手を出すが、ミカは差し入れなんか持って来ていない。

     手に持っているのは、カナを通じて伝えられた伝言の書かれた紙だけだ。


    ミカ「・・・そういう決まりなら仕方ないね」


    ナレーション

     しかし、地頭が良いミカは察しの良さを発揮し、すんなりとガラス越しに紙を差し出す。

     ヴァルキューレの生徒は慎重に・・・それこそ宝物でも扱うように紙を手に取り、丁寧に折り畳んだ。


    ヴァルキューレの生徒「ほら、立て。こっちにだって予定があるんだからな」


    ミカ*テラー「う、うん・・・分かった」


    ナレーション

     勿論、ミカ*テラーとしてはまだ色々と言いたいことがあった。けれど、彼女は罪を償う身だ。

     ヴァルキューレに迷惑をかける訳にはいかないし、そんなことをすれば亡き友人にも先生にも顔向け出来ない。

     だから、言われるがままに立ち上がった。


    ヴァルキューレの生徒「・・・まぁ、こんな紙切れ1枚だ。検閲も直ぐに終る。

               そうしたら直ぐに、この手紙をお前に渡してやるよ」


    ミカ「・・・っ!はい、ありがとう・・・ございますっ!」


    ナレーション

     不器用な警官の優しさに甘えながら、罪人は自らの檻へと帰っていった。

     自分の犯した罪と向き合う為、罪を償って、友人の願い通りに幸せを追うために。

  • 6二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 22:31:27

    たておつ

  • 7二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 22:33:24
  • 8二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 22:35:35

    たておつ
    人情だ

  • 9二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 22:36:43

    立て乙!

  • 10二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 22:51:16

    優しさが沁みる

  • 11二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 06:37:00

    立て乙

  • 12二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 08:19:08

    良い子だ、この警官

  • 13二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 15:35:34

    ほしゅ

  • 14二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 23:00:59

    ゴーストセイアとナギサの伝言を聞いたことでミカ*テラーも前に進めそうだね

  • 15◆VLlUGaOg9c25/09/21(日) 23:33:01

    《幕間 病室のある1日》

    ナレーション
     目が覚めたとはいえ、起きたばかりで粥を食べられるほど元気とはいえ、カナが重傷人なことは変わらない。
     ミネ団長からの退院許可が降りる訳も無く、そもそも立って歩くことすらままならず、入院生活は続いていた。

    精強誠実 最強迅速  アリウス アリウス アリウス分派♪

    ナギサ「・・・何ですか?その妙に厳つい歌は?」

    ああ、アリウス分派の歌を作ろうって話があるんだ。

    ナギサ「・・・・・・申し訳ありませんが、それでは軍歌です」

    そうか?

    ナレーション
     とはいえ、痛みや苦境に慣れたカナは療養生活でも明るさを絶やさず、なんやかんやで元気にやっていた。
     この日は何とか休みを捻出出来たナギサが見舞いに来てくれて、上機嫌に歌いながら笑っていた。
     ・・・尚、内戦経験世代のアリウス生たちが作ったお陰か?肝心の歌は妙に力強くて厳つかった。

    でも、強いのは大事だ。何時、どんな敵や罠と出くわすか分からない。

    ナギサ「普通はそんなに頻繁に戦いに巻き込まれることはありません・・・・・・まぁ、毒物の警戒は必要ですが」

    ナレーション
     と、二人して方向性は違うが妙に物騒な話をしていた。その時だった。
     コツンッコツンッと、焦るような靴の音が、あっという間に部屋の前へとやって来たのは。

    ティーパーティーのモブ「ナギサ様、休暇中申し訳ありません!ですが、至急ご確認頂きたいことが・・・っ!」

  • 16二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 23:34:15

    さてさて…、マイア達の出番はいつ来るのかねぇ…?

  • 17二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 04:28:13

    これはちょっと…元気いっぱいすぎるかなぁ(オブラート)

  • 18二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 11:39:08

    また仕事か…

  • 19二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 19:26:21

    忙しいな

  • 20◆VLlUGaOg9c25/09/22(月) 22:56:40

    >>15

    ナギサ「騒々しいですね。ここは病室ですよ?

        もっと静かに落ち着いて、ティーパーティーの一員として相応しい振る舞いを心掛けて下さい」


    ナレーション

     流石はトリニティを纏める生徒会長たちの一角と称賛するべきだろう。

     ナギサは駆け込んできた部下に対して落ち着いたまま、誰が見ても完璧な振る舞いで、優しく注意をしてみせた。


    ティーパーティーのモブ「も、申し訳ありません、ナギサ様…」


    ナギサ「次からは気をつけてくださいね。それで、一体何の御用ですか?」


    ティーパーティーのモブ「はい。まず7番地市街地の復興計画についてなのですが…」

    ナギサ「ああ。それでしたら執務机の上に詳細をまとめたファイルが…」


    ナレーション

     そうして部下の質問に対しても「今すぐ引き継ぎ資料読みなさい、ぶちこみますわよ」とは怒らず、

     ナギサは尋ねられたことについて丁寧に分かりやすく説明までして見せる。

     理想の上司に相応しい姿を見せていた。のだが・・・・・・


    ティーパーティーのモブ「それから、美術館の展示品補修について、ETOの実働隊編成会議について、

                百鬼夜行連合学園陰陽部との会談についての詳細も…」


    ナギサ「……」


    ナレーション

     矢継ぎ早に飛んできた質問の数々には流石に沈黙した。

     そもそもナギサは責任ある生徒会長。引き継ぎ資料ぐらい当然作成しているし、

     自分が関わっている仕事については全て引き継ぎ資料にまとめている。にも関わらず、1日と持たずにこの有様だ。

     流石のナギサも苛つきと心労で身を震わせ、それを誤魔化すように強く溜息を漏らすしか無かった。

  • 21二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 23:56:59

    引き継ぎが…引き継ぎが上手くいってない…

  • 22二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 04:35:30

    大変…

  • 23二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 08:34:50

    全部聞かれるのがトップの宿命とはいえこれは…

  • 24二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:07:52

    頑張れ

  • 25二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 19:50:02

    フィジカルもメンタルも酷使するからトップって大変よね…

  • 26◆VLlUGaOg9c25/09/23(火) 21:09:34

    >>20

    ナギサ「…もう全部持って来て下さい。ここで処理します」


    ナレーション

     少女は諦めた目をしていた。

     無理も無い。何日も昼夜を問わず働いて、膨大な業務の隙間を縫い。ようやく作り上げた引継ぎ資料だったのだ。

     雨だれが少しづつ石を穿つように、積み重なった仕事のストレスは限界ギリギリに近いところまで来ていた。


    あー・・・その・・・手伝うか?


    アツコ「じゃあ、その前に・・・これお願い出来るかな?」


    ナレーション

     居たたまれなくなったカナが恐る恐る提案するが、アツコが病室へと訪れてそれを遮った。

     ティーパーティーの生徒・・・今はアツコもティーパーティーだが、ナギサの配下に続いて現われた彼女もまた、

     特殊メイクかと見紛うほどの深い隈が出来ており、見開いたままの座った目で書類の大山を抱えていた。


    アツコ「本当は私かサッちゃんが代行として進める筈だったけど、もう結構元気そうだから………お願い、ホスト様」


    ナレーション

     積み上げられた山を前にして、流石のカナも身構えてしまう。

     が、明らかに大丈夫ではない狂気を感じる瞳を向けられ、それが自分が長らく仕事から離れていた所為だと思うと、

     「嫌だ」と言う訳にもいかず…


    …やるか、ナギサ。

    ナギサ「・・・はい、やりましょう」


    ナレーション

     患者と見舞客は、2人揃って哀愁を背負うとペンを手に取った。

  • 27二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 23:07:10

    カナはまだ自由に動けないとはいえ、目は覚めたから溜まった書類仕事を片付けないといけないか…
    あんまり無理すると団長に救護されそうだけど

  • 28二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 23:51:17

    ホストは辛いよ
    けど、この仕事の大変さもキヴォトスの危機を乗り越えられたからこそなんだよな

  • 29二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 07:01:02

    トップって大変だなぁ

  • 30二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 12:36:40

    保守

  • 31二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 18:58:49

    ティーパーティーは全員忙しいな…

  • 32◆VLlUGaOg9c25/09/24(水) 22:18:02

    ペラペラ・・・(紙を捲る音)・・・サラサラ・・・(文字を書く音)

    ナレーション
     書類にペンを滑らせる音だけが静かに響く。そんな穏やかながらに苦しい時間が、どれだけ経ったか?
     同じティーパーティーの生徒が補佐に就いてくれているとはいえ、トリニティの学園の生徒会業務は膨大だ。
     何しろ、積み重なった頭の痛い問題を1つまた1つと捌いている間に、新しい問題が雨霰のように沸いて出て来た。
     
    ・・・なぁ、ナギサ。
    ナギサ「・・・何です?カナさん」
    カイザーと防衛室、どうなったんだ?

    ナレーション
     仕事の手を止めないまま、カナはナギサに話しかけた。
     集中力という意味では余り褒められないが、仕事と会話を同時に熟せるほど手慣れたのは目覚ましい成長だ。
     カナにティーパーティーの業務を教えた身として、ナギサにとっては喜ばしさも感じられる場面である。
     ・・・・・・・・・素直に楽しめるような会話だったら、尚のこと良かったのだが。

    ナギサ「そうですね・・・・・・丁度良い機会です、1度休憩にしましょう。
        長くなりますし、片手間に話すようなことでもありませんので」

    ナレーション
     そう言うと、ナギサは自身のペンを机に置き、カナも続いてペンを置いた。
     疲れの所為だろう。少し頭が重たくて、身体が怠かったが、ナギサは何時ものことと軽く流して紅茶を啜る。
     ナギサはカフェインがなければ、頭が働かない身体になっていた。

    ナギサ「・・・結論から言えば、連邦生徒会及びシャーレは現在カイザーコーポレーションを強く糾弾しています。
        していますが・・・、カイザーが有する経済への影響の大きさから、大きく刺激することが出来ていません」

    ナレーション
     そうして、ナギサは語り始めた。カナが寝ている間、このキヴォトスで何があったのかを。

  • 33二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 23:58:31

    カナにとってカイザーコーポレーションは因縁のある相手だけど、しっかり落とし前を付けさせるのは難しいか…?

  • 34二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 07:05:09

    カフェイン…カフェイン…

  • 35二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 13:33:40

    何かやったのか

  • 36二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 21:19:16

    やっぱりカイザーの代わりにインフラをどうにかできる存在がいないと厳しいか

  • 37二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 21:19:38

    >>35

    むしろ何かやれるのか…?

  • 38◆VLlUGaOg9c25/09/25(木) 22:50:48

    >>32

    ナギサ「…ですが、連邦生徒会長が招集し、確かな成果を上げているシャーレの先生に対する誘拐。

      これは連邦生徒会に弓を引く行為ともとれます。それほど大事件を引き起こした主犯を野放しには出来ません」


    ナレーション

     カイザーはその巨大さ故に手を出すことが難しい、某海賊漫画における四皇のような存在だ。

     とはいえ、先生は連邦生徒会長によって設立されたシャーレの主であり、連邦生徒会長によって抜擢された人物だ。

     そんな先生を不当に傷つけておいて知らぬ存ぜぬで押し通されては、

     連邦生徒会長・・・引いては、連邦生徒会が軽んじられた。喧嘩を売られたにも等しい。

     今回ばかりは見逃す訳にもいかないのも事実であり、何としてでも落とし前はつけさせなければならなかった。


     ナギサ「そこで、浮かび上がった方針としては主に2つ。

         一つは、カイザーの頭…つまり総責任者であるプレジデントを指名手配して頭をすげ替えるというもの。

         ただこちらは、顔と名前を変えて別人に成り代わることで躱されてしまう可能性が高いです」

     

    ナレーション

     しかし、相手は仮にもキヴォトス中に根を張った悪徳財閥。生半可な手では通らない。

     何時ものように屁理屈としか思えない理屈を力尽くで通し、タコのように手を切り離して逃げられかねない。

     そんな巫山戯た真似を今度も赦しては、ただでさえ砂上の楼閣と化した連邦生徒会の威信が完全に死んでしまう。


    ナギサ「しかし、もう一つの方も課題がありまして……

        …複数の学園で共同してカイザーの経済圏に成り変わる新たな経済圏を築き上げるというものなんです」

    あー・・・・・・交渉が上手くいってないのか。

    ナギサ「はい・・・。こうしてもたついている間にも、悪逆非道のカイザーが何を企んでいるか分かりません。

        それは分かっているのですが、お互いに学園の長としての責任と義務がありますので・・・・・・」


    ナレーション

     「何でもいい」で通しては、とんでもない条件を押しつけられかねない。

     それが分かっているから生徒会長たちは、少しでも良い条件を取り付けようと奮闘せねばならず、

     結果として会議は踊りながらも進まない。そんな状態が何日も続いていた。

  • 39二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 23:50:30

    うぅむ、巨大暗黒メガコーポは伊達じゃないか…

  • 40二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 05:28:01

    デカイという事はそれだけで武器になるというわけだな

  • 41◆VLlUGaOg9c25/09/26(金) 06:18:12

    >>38

    代理モブ「Q.つまりどういうこと? 

         A.やられたことがことだから、何が何でもカイザー殴りたい。けど、足並みが揃わない」


    代理モブB「形は変わりましたがパヴァーヌ編とエデン条約編で先生が参戦した後なので、

          恩人に手を出されて、ミレニアムとトリニティのトップはカイザー殴るのに前向き。

          他の学園もカイザーの握ってたシェアの幾らかが手に入るので得するから反対派はいません。

          ただトリニティと山海経辺りは良い条件取り付けないと、下からの突き上げ食らいかねないので・・・・・・」


    代理モブC「キヴォトスにおける生徒会長は国家元首のような存在なので、利権問題が絡むとどうしてもね・・・・・・」

  • 42二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 12:42:23

    絶対リターンは欲しいもんなぁ

  • 43二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 19:46:04

    ああいう気質だから仕方がないが、
    トリニティと山海経は面倒くさいな…

  • 44◆VLlUGaOg9c25/09/26(金) 22:51:52

    >>38

    ナギサ「という訳ですので、復帰次第カナさんにも外交の仕事を回すことになるかもしれません」

    ああ、分かった。私が行くってなると、やっぱりミレニアムか?


    ナレーション

     名も無き神々の王女改め天童アリスと従者ケイの1件において、

     シャーレの名の下にアリウス分派はミレニアムに大きく貢献している過去がある。

     加えて、ミレニアムの会長を別人扱いで長らく匿っていたこともあり、アリウスとミレニアムの仲はかなり良好だ。

     アリウスがミレニアムとの交渉の席に着けば、少なくとも、感情的な部分から決裂することはほぼ有り得ない。

     

    ナギサ「いえ、セミナーの皆さんは話の出来る方なので特別に何か交渉する必要はありません。

        ただ理性的に話し合えば、お互いの望みを分かち合うことが出来るでしょう」


    ナレーション

     とはいえ、元々ミレニアムの生徒会は理性的で話の分かるメンバーが揃っている。

     倫理観の足りない子兎も居るには居るが、こういった学校間の交渉で表に出てくる首脳陣は総じて優秀だ。

     交渉相手が優秀かつ情に厚く、両校の距離感も近い。ミレニアムは、そんな理想の交渉相手なのである。

     あれこれ特別に気を揉んで胃を痛くするような相手ではない、癒やし枠なのだ。


    ナギサ「1番頭の居たい相手は敵意の強いゲヘナのマコト議長ですが、復帰早々に彼女の相手は酷でしょう。

        そうですね・・・・・・・・・百鬼夜行連合学院はどうでしょう?」

    百鬼夜行・・・・・・百鬼夜行・・・・・・キキョウの学校・・・だったか?

    ナギサ「はい。その桐生キキョウさんの母校です。

        陰陽部のニヤ部長は油断のならない方ですが、両校の友好は深く、信頼は難しくとも信用は出来る相手。

        カナさんの外交デビュー&復帰後最初の大仕事としては丁度良い相手かと」


    ナレーション

     こうして、カナの初外交の相手は入院中に決まったのである。

  • 45二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 06:09:25

    百鬼夜行か、良いね
    ついでに美味しいお茶菓子も食べに行こう

  • 46二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 12:36:14

    ニヤあいてなら、確かに初の外交相手としては適切かもしれないな

  • 47二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 16:26:22

    まあニヤなら変に吹っ掛けてくることは無いか

  • 48◆VLlUGaOg9c25/09/27(土) 23:11:11

    アツコ「じゃあ、それまでに・・・この仕事、片づけないとね」
    ・・・ああ、そうだな!

    ナレーション
     とはいえ、外交に赴くのは退院後の話。今は目の前にある、書類の山を捌かなければならない。
     まだ見ぬ百鬼夜行連合学院の自治区に想いを馳せる間もなく、アツコに現実を突きつけられたカナはペンを取った。
     どうやら無茶をやってまた大怪我をした自分たちの会長に対して、アツコは相当キレてるらしい。
     カナは戦わなければならない、現実と。

    ナギサ「・・・まぁ、その通りですね。まずは目の前のことから熟していかなければなりません」

    ナレーション
     一方、カナが寝ている間も働いていた筈のナギサの目の前にも、カナの目の前にある以上の書類が積まれている。
     既に疲れ切って目の色が死んでいるナギサは再び紅茶を流し込んで、同じようにペンを手に取った。のだが・・・・・

    ミネ「いけません」

    ナレーション
     ナギサの手を医者が掴んだ。
     話に夢中で一同は全く気が付かなかったが、カナの定期検診の時間が迫っていたのである。

    ミネ「カナ様の定期検診の予定でしたが、よもやナギサ様がこれほどに消耗しておられたとは・・・・・・
       ・・・いかに生徒会長とはいえ、医師としてこれ以上の無理は見過ごせません。救護を行います」

    ナレーション
     狂気を宿した意思の瞳を以て、ミネは僅か数秒でナギサを担ぎ上げる。

    ナギサ「えっ、あっ、離して下さい!まだ仕事が・・・っ!!」
    ミネ「ダメです。ナギサ様には今すぐ、強度の強い救護が必要ですっ!」

  • 49二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 06:54:00

    いいぞ団長!そのままベッドにぶち込んでやれ!

  • 50二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 12:46:57

    これはしゃーない

  • 51二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 21:08:44

    残念ながら当然

  • 52◆VLlUGaOg9c25/09/28(日) 23:04:32

    >>48

    おおっ!隙を突いたとはいえ、剛腕を活用した見事な確保術・・・・・・見習わないと。

    ナギサ「カナさんっ!?」

    ミネ「カナ様にも未だ充分な救護が足りていません。ですので、まずは定期検診をお願いします」


    セリナ「カナ様、車椅子です」

    分かった。ありがとう、セリナ。


    ナレーション

     救護騎士団長の壊す方ことミネの見事な手腕に、カナの兵士の部分が刺激されて思わず感嘆の声を漏らす。

     かくありたいと素直な尊敬を見せるが、そもそもカナは療養中の重傷人。訓練など以ての外だ。

     本人もそれが分かっているので、素直にセリナの用意した車椅子へとゆっくりと乗り移った。

     ・・・助けを得られず絶望するナギサを置いてけぼりにして。


    ミネ「それではセリナ、私はナギサ様の救護に入りますので、カナ様の方はお願いします」


    セリナ「はい、分かりました。ミネ団長」


    ナギサ「ですから、私にはまだ熟さなければならない仕事が沢山あるのですがっ!?ちょっと、ミネ団長っ!?」


    ナレーション

     まるで出荷されていく家畜を見送るように、ミネに担がれたままジタバタと藻掻くナギサを一同は見送った。

     分かっていたのだ、手遅れだと。ああなった以上、もうミネ団長の救護から逃れる術は無い。

     それにナギサが働き過ぎなのはカナもセリナも薄々感づいていたので、無理に止める必要も感じなかった。

     

    セリナ「・・・では、私たちも行きましょうか?カナ様」

    ああ。今日は何の検査だ?

    セリナ「採血とレントゲンと心電図、後はMRIもですね」

    う゛っ!・・・注射苦手だ。

  • 53二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 06:56:24

    注射は苦手なのか、、、かわいいね!

  • 54二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 12:06:54

    我慢我慢
    部下への示しがつかんぞ

  • 55二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 19:59:29

    >>54

    それな

  • 56二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 20:27:46

    休むのも仕事だからね

  • 57◆VLlUGaOg9c25/09/29(月) 22:48:41

    代理モブ「Q.カナちゃん、銃弾平気なのに注射苦手なの?

         A.キヴォトス人に刺さる針ですよ?それに何より抵抗したらダメなのが苦手らしいです」


    >>52

    《救護騎士団専用区画 渡り廊下》

    ナレーション

     正実のような治安維持組織という訳でも無いのだが、カナは色々と事件の中で怪我をすることが多い。

     その度に救護騎士団のお世話になっているので検査や治療にも慣れたモノではあるのだが、

     やはり、それでも痛みや恐怖が全て無くなる訳では無く・・・・・・

     今日の検査ラッシュも乗り越える頃にはすっかり気疲れしてしまっていた。


    疲れた・・・

    セリナ「はい、お疲れ様でした。経過は順調でしたよ。

        腕は骨の再生にもう少しかかりますが、車椅子はそろそろ卒業を視野に入れても良いかもしれません」

    本当かっ!?


    ナレーション

     ぐったりと車椅子に雪崩れかかりながら、車椅子を押して貰いながら病室へと戻っていたカナに朗報が入る。

     襲われてもマトモに応戦出来ないのが怖かったのもあるが、それを抜きにしても移動が自由になるのは大きい。

     カナは元より行動力のある少女だ。活動的な彼女にとって身体を自由に動かせない生活はかなり窮屈だったのだ。

     

    セリナ「はい。でも、戦闘訓練はまだダメですよ?まずは歩く練習・・・リハビリからです」

    分かった。確かに、暫く歩いてないからな。訓練は順番にやらないと。


    ナレーション

     検査の心労も何処へやら。近い内に自由に歩けるようになる想像をしただけで、カナは上機嫌に破顔した。

     そうして、セリナと仲良く談笑しながら、仕事と一緒に部屋に置き去りにしてしまったアツコが待つ病室へ、

     ゆっくりと帰って来たのだが・・・・・・

  • 58◆VLlUGaOg9c25/09/29(月) 22:51:34

    >>57

    ・・・あれ?扉開いてないか?

    ・・・本当ですね。確かに、閉めたはずなんですが・・・?


    ナレーション

     どういう訳か?セリナがしっかりと閉めた筈の病室の扉は開け放たれている。

     可笑しいなぁ?と、2人して首を傾げながらも、その時は特に気にも止めずに部屋に入ったのだが・・・


    ・・・アツコ?


    ナレーション

     病室で待っている筈の少女は、どこにも居なかった。

  • 59二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 23:57:58

    ドアが開いててアツコが居ない…事件の匂いがするな

スレッドは9/30 09:57頃に落ちます

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