神輿は軽くてバカが良い編 第十五章 帰ってきた日常。そして・・・編

  • 1◆VLlUGaOg9c25/09/20(土) 21:11:38

    夢の中で出会った、平行世界のセイアとナギサの幽霊。
    彼女たちたちとの出会いを通じて、失われた世界の過去を知ったカナ。

    カナは無名の司祭を殴り飛ばし、その支配からプレナパテスを解放。
    プレナパテスの説得により、ミカ*テラーたちも降伏したことで漸く1連の事件は解決した。

    それから暫く、矯正局に収監されたミカ*テラーはミカから死した2人の伝言を伝えられるのだった。

  • 2◆VLlUGaOg9c25/09/20(土) 21:13:12

    ナレーション
     どれほどの時間が流れただろう。ミカが伝えた伝言も長かったので、相当な時間が経っているのは間違いない。
     年相応に子どもらしく、ぐずぐずと泣き続けていたミカだったが、やがて声も枯れて疲れが出てくると、
     少しずつ落ち着きを取り戻していった。

    ミカ*テラー「ぐずっ!・・・・・・伝えに来てくれて、ありがとう」

    ミカ「いいよ、このくらい。貴女の辛さは分かってあげられないけど・・・想像くらいは出来るから」

    ナレーション
     そうして冷静さが幾らか戻って来てから、ミカ*テラーは改めてミカに礼を言った。
     もうずっと会うことも、触れることも、話すことも出来ない。失ってしまった、でも大切な人。
     そんな2人の言葉を再び聞くことが出来たのは、彼女にとって大きな救いになった。・・・のかもしれない。

    ミカ*テラー「それから、その・・・ごめんなさい。痛かったよね」

    ミカ「・・・何言ってるの。あのくらい、平気だよ」

    ナレーション
     「もう治ったしね!」と、わざとらしく力こぶを作ったミカの肌には、確かに傷1つ残っていない。
     ミカ*テラー自身、かなり重傷を負わせてしまった自覚があったので、そのことには一安心した。

  • 3◆VLlUGaOg9c25/09/20(土) 21:42:42

    >>2

    ミカ「・・・でも、あのアリウスの子はまだ入院してるんでしょう?」


    ナレーション

     けれど、ミカ*テラーは忘れていない。面会が始まったばかりの時、ミカは確かに言っていた。

     「流石に退院はまだ時間掛かるから代わりに私が伝えに来たの」と、カナの負傷の深さを口にしていたのだ。


    ミカ「まぁ、確かにカナちゃんは一時期危なかったけど・・・今はモリモリお粥食べてるから」


    ナレーション

     まだ車椅子生活だと言うことを教えないだけの理性が、ミカにはあった。


    ミカ*テラー「でも・・・・・・」


    ナレーション

     ミカが車椅子のことを話さなかったとしても、ミカ*テラーの心に深い罪悪感が消えない。

     だから、尚も言葉を続けようとしたが・・・・・・


    ヴァルキューレモブ「おおっと、いけない。もうこんな時間か。面会は終わりだ、とっとと檻に帰るぞ」


    ナレーション

     ・・・のだが、面会を見守っていたヴァルキューレの生徒が遮った。

      実にわざとらしい言葉だった。そもそも、本来の面会時間はとっくの昔に過ぎている。

     それを分かった上で今の今まで、ヴァルキューレの生徒は見逃していたのである。

     その上で今更口を出したのだから、わざとらしいとしか言えなかった。

  • 4◆VLlUGaOg9c25/09/20(土) 21:50:46

    >>1

    代理モブ「訂正します。ミカ*テラーが現在収容されているのは矯正局ではなく、勾留所です」


    代理モブB「話考えながら書いてるから、こんなことになるのでしょうかね・・・」


    代理モブC「あと、申し訳ありませんが、10まで保守をお願いします」

  • 5◆VLlUGaOg9c25/09/20(土) 22:10:39

    >>3

    ヴァルキューレモブ「ああ、そうそう・・・その差し入れも、1度徴収して検閲するからな」


    ナレーション

     ヴァルキューレの生徒がミカの方へと手を出すが、ミカは差し入れなんか持って来ていない。

     手に持っているのは、カナを通じて伝えられた伝言の書かれた紙だけだ。


    ミカ「・・・そういう決まりなら仕方ないね」


    ナレーション

     しかし、地頭が良いミカは察しの良さを発揮し、すんなりとガラス越しに紙を差し出す。

     ヴァルキューレの生徒は慎重に・・・それこそ宝物でも扱うように紙を手に取り、丁寧に折り畳んだ。


    ヴァルキューレの生徒「ほら、立て。こっちにだって予定があるんだからな」


    ミカ*テラー「う、うん・・・分かった」


    ナレーション

     勿論、ミカ*テラーとしてはまだ色々と言いたいことがあった。けれど、彼女は罪を償う身だ。

     ヴァルキューレに迷惑をかける訳にはいかないし、そんなことをすれば亡き友人にも先生にも顔向け出来ない。

     だから、言われるがままに立ち上がった。


    ヴァルキューレの生徒「・・・まぁ、こんな紙切れ1枚だ。検閲も直ぐに終る。

               そうしたら直ぐに、この手紙をお前に渡してやるよ」


    ミカ「・・・っ!はい、ありがとう・・・ございますっ!」


    ナレーション

     不器用な警官の優しさに甘えながら、罪人は自らの檻へと帰っていった。

     自分の犯した罪と向き合う為、罪を償って、友人の願い通りに幸せを追うために。

  • 6二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 22:31:27

    たておつ

  • 7二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 22:33:24
  • 8二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 22:35:35

    たておつ
    人情だ

  • 9二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 22:36:43

    立て乙!

  • 10二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 22:51:16

    優しさが沁みる

  • 11二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 06:37:00

    立て乙

  • 12二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 08:19:08

    良い子だ、この警官

  • 13二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 15:35:34

    ほしゅ

  • 14二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 23:00:59

    ゴーストセイアとナギサの伝言を聞いたことでミカ*テラーも前に進めそうだね

  • 15◆VLlUGaOg9c25/09/21(日) 23:33:01

    《幕間 病室のある1日》

    ナレーション
     目が覚めたとはいえ、起きたばかりで粥を食べられるほど元気とはいえ、カナが重傷人なことは変わらない。
     ミネ団長からの退院許可が降りる訳も無く、そもそも立って歩くことすらままならず、入院生活は続いていた。

    精強誠実 最強迅速  アリウス アリウス アリウス分派♪

    ナギサ「・・・何ですか?その妙に厳つい歌は?」

    ああ、アリウス分派の歌を作ろうって話があるんだ。

    ナギサ「・・・・・・申し訳ありませんが、それでは軍歌です」

    そうか?

    ナレーション
     とはいえ、痛みや苦境に慣れたカナは療養生活でも明るさを絶やさず、なんやかんやで元気にやっていた。
     この日は何とか休みを捻出出来たナギサが見舞いに来てくれて、上機嫌に歌いながら笑っていた。
     ・・・尚、内戦経験世代のアリウス生たちが作ったお陰か?肝心の歌は妙に力強くて厳つかった。

    でも、強いのは大事だ。何時、どんな敵や罠と出くわすか分からない。

    ナギサ「普通はそんなに頻繁に戦いに巻き込まれることはありません・・・・・・まぁ、毒物の警戒は必要ですが」

    ナレーション
     と、二人して方向性は違うが妙に物騒な話をしていた。その時だった。
     コツンッコツンッと、焦るような靴の音が、あっという間に部屋の前へとやって来たのは。

    ティーパーティーのモブ「ナギサ様、休暇中申し訳ありません!ですが、至急ご確認頂きたいことが・・・っ!」

  • 16二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 23:34:15

    さてさて…、マイア達の出番はいつ来るのかねぇ…?

  • 17二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 04:28:13

    これはちょっと…元気いっぱいすぎるかなぁ(オブラート)

  • 18二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 11:39:08

    また仕事か…

  • 19二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 19:26:21

    忙しいな

  • 20◆VLlUGaOg9c25/09/22(月) 22:56:40

    >>15

    ナギサ「騒々しいですね。ここは病室ですよ?

        もっと静かに落ち着いて、ティーパーティーの一員として相応しい振る舞いを心掛けて下さい」


    ナレーション

     流石はトリニティを纏める生徒会長たちの一角と称賛するべきだろう。

     ナギサは駆け込んできた部下に対して落ち着いたまま、誰が見ても完璧な振る舞いで、優しく注意をしてみせた。


    ティーパーティーのモブ「も、申し訳ありません、ナギサ様…」


    ナギサ「次からは気をつけてくださいね。それで、一体何の御用ですか?」


    ティーパーティーのモブ「はい。まず7番地市街地の復興計画についてなのですが…」

    ナギサ「ああ。それでしたら執務机の上に詳細をまとめたファイルが…」


    ナレーション

     そうして部下の質問に対しても「今すぐ引き継ぎ資料読みなさい、ぶちこみますわよ」とは怒らず、

     ナギサは尋ねられたことについて丁寧に分かりやすく説明までして見せる。

     理想の上司に相応しい姿を見せていた。のだが・・・・・・


    ティーパーティーのモブ「それから、美術館の展示品補修について、ETOの実働隊編成会議について、

                百鬼夜行連合学園陰陽部との会談についての詳細も…」


    ナギサ「……」


    ナレーション

     矢継ぎ早に飛んできた質問の数々には流石に沈黙した。

     そもそもナギサは責任ある生徒会長。引き継ぎ資料ぐらい当然作成しているし、

     自分が関わっている仕事については全て引き継ぎ資料にまとめている。にも関わらず、1日と持たずにこの有様だ。

     流石のナギサも苛つきと心労で身を震わせ、それを誤魔化すように強く溜息を漏らすしか無かった。

  • 21二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 23:56:59

    引き継ぎが…引き継ぎが上手くいってない…

  • 22二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 04:35:30

    大変…

  • 23二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 08:34:50

    全部聞かれるのがトップの宿命とはいえこれは…

  • 24二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:07:52

    頑張れ

  • 25二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 19:50:02

    フィジカルもメンタルも酷使するからトップって大変よね…

  • 26◆VLlUGaOg9c25/09/23(火) 21:09:34

    >>20

    ナギサ「…もう全部持って来て下さい。ここで処理します」


    ナレーション

     少女は諦めた目をしていた。

     無理も無い。何日も昼夜を問わず働いて、膨大な業務の隙間を縫い。ようやく作り上げた引継ぎ資料だったのだ。

     雨だれが少しづつ石を穿つように、積み重なった仕事のストレスは限界ギリギリに近いところまで来ていた。


    あー・・・その・・・手伝うか?


    アツコ「じゃあ、その前に・・・これお願い出来るかな?」


    ナレーション

     居たたまれなくなったカナが恐る恐る提案するが、アツコが病室へと訪れてそれを遮った。

     ティーパーティーの生徒・・・今はアツコもティーパーティーだが、ナギサの配下に続いて現われた彼女もまた、

     特殊メイクかと見紛うほどの深い隈が出来ており、見開いたままの座った目で書類の大山を抱えていた。


    アツコ「本当は私かサッちゃんが代行として進める筈だったけど、もう結構元気そうだから………お願い、ホスト様」


    ナレーション

     積み上げられた山を前にして、流石のカナも身構えてしまう。

     が、明らかに大丈夫ではない狂気を感じる瞳を向けられ、それが自分が長らく仕事から離れていた所為だと思うと、

     「嫌だ」と言う訳にもいかず…


    …やるか、ナギサ。

    ナギサ「・・・はい、やりましょう」


    ナレーション

     患者と見舞客は、2人揃って哀愁を背負うとペンを手に取った。

  • 27二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 23:07:10

    カナはまだ自由に動けないとはいえ、目は覚めたから溜まった書類仕事を片付けないといけないか…
    あんまり無理すると団長に救護されそうだけど

  • 28二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 23:51:17

    ホストは辛いよ
    けど、この仕事の大変さもキヴォトスの危機を乗り越えられたからこそなんだよな

  • 29二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 07:01:02

    トップって大変だなぁ

  • 30二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 12:36:40

    保守

  • 31二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 18:58:49

    ティーパーティーは全員忙しいな…

  • 32◆VLlUGaOg9c25/09/24(水) 22:18:02

    ペラペラ・・・(紙を捲る音)・・・サラサラ・・・(文字を書く音)

    ナレーション
     書類にペンを滑らせる音だけが静かに響く。そんな穏やかながらに苦しい時間が、どれだけ経ったか?
     同じティーパーティーの生徒が補佐に就いてくれているとはいえ、トリニティの学園の生徒会業務は膨大だ。
     何しろ、積み重なった頭の痛い問題を1つまた1つと捌いている間に、新しい問題が雨霰のように沸いて出て来た。
     
    ・・・なぁ、ナギサ。
    ナギサ「・・・何です?カナさん」
    カイザーと防衛室、どうなったんだ?

    ナレーション
     仕事の手を止めないまま、カナはナギサに話しかけた。
     集中力という意味では余り褒められないが、仕事と会話を同時に熟せるほど手慣れたのは目覚ましい成長だ。
     カナにティーパーティーの業務を教えた身として、ナギサにとっては喜ばしさも感じられる場面である。
     ・・・・・・・・・素直に楽しめるような会話だったら、尚のこと良かったのだが。

    ナギサ「そうですね・・・・・・丁度良い機会です、1度休憩にしましょう。
        長くなりますし、片手間に話すようなことでもありませんので」

    ナレーション
     そう言うと、ナギサは自身のペンを机に置き、カナも続いてペンを置いた。
     疲れの所為だろう。少し頭が重たくて、身体が怠かったが、ナギサは何時ものことと軽く流して紅茶を啜る。
     ナギサはカフェインがなければ、頭が働かない身体になっていた。

    ナギサ「・・・結論から言えば、連邦生徒会及びシャーレは現在カイザーコーポレーションを強く糾弾しています。
        していますが・・・、カイザーが有する経済への影響の大きさから、大きく刺激することが出来ていません」

    ナレーション
     そうして、ナギサは語り始めた。カナが寝ている間、このキヴォトスで何があったのかを。

  • 33二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 23:58:31

    カナにとってカイザーコーポレーションは因縁のある相手だけど、しっかり落とし前を付けさせるのは難しいか…?

  • 34二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 07:05:09

    カフェイン…カフェイン…

  • 35二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 13:33:40

    何かやったのか

  • 36二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 21:19:16

    やっぱりカイザーの代わりにインフラをどうにかできる存在がいないと厳しいか

  • 37二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 21:19:38

    >>35

    むしろ何かやれるのか…?

  • 38◆VLlUGaOg9c25/09/25(木) 22:50:48

    >>32

    ナギサ「…ですが、連邦生徒会長が招集し、確かな成果を上げているシャーレの先生に対する誘拐。

      これは連邦生徒会に弓を引く行為ともとれます。それほど大事件を引き起こした主犯を野放しには出来ません」


    ナレーション

     カイザーはその巨大さ故に手を出すことが難しい、某海賊漫画における四皇のような存在だ。

     とはいえ、先生は連邦生徒会長によって設立されたシャーレの主であり、連邦生徒会長によって抜擢された人物だ。

     そんな先生を不当に傷つけておいて知らぬ存ぜぬで押し通されては、

     連邦生徒会長・・・引いては、連邦生徒会が軽んじられた。喧嘩を売られたにも等しい。

     今回ばかりは見逃す訳にもいかないのも事実であり、何としてでも落とし前はつけさせなければならなかった。


     ナギサ「そこで、浮かび上がった方針としては主に2つ。

         一つは、カイザーの頭…つまり総責任者であるプレジデントを指名手配して頭をすげ替えるというもの。

         ただこちらは、顔と名前を変えて別人に成り代わることで躱されてしまう可能性が高いです」

     

    ナレーション

     しかし、相手は仮にもキヴォトス中に根を張った悪徳財閥。生半可な手では通らない。

     何時ものように屁理屈としか思えない理屈を力尽くで通し、タコのように手を切り離して逃げられかねない。

     そんな巫山戯た真似を今度も赦しては、ただでさえ砂上の楼閣と化した連邦生徒会の威信が完全に死んでしまう。


    ナギサ「しかし、もう一つの方も課題がありまして……

        …複数の学園で共同してカイザーの経済圏に成り変わる新たな経済圏を築き上げるというものなんです」

    あー・・・・・・交渉が上手くいってないのか。

    ナギサ「はい・・・。こうしてもたついている間にも、悪逆非道のカイザーが何を企んでいるか分かりません。

        それは分かっているのですが、お互いに学園の長としての責任と義務がありますので・・・・・・」


    ナレーション

     「何でもいい」で通しては、とんでもない条件を押しつけられかねない。

     それが分かっているから生徒会長たちは、少しでも良い条件を取り付けようと奮闘せねばならず、

     結果として会議は踊りながらも進まない。そんな状態が何日も続いていた。

  • 39二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 23:50:30

    うぅむ、巨大暗黒メガコーポは伊達じゃないか…

  • 40二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 05:28:01

    デカイという事はそれだけで武器になるというわけだな

  • 41◆VLlUGaOg9c25/09/26(金) 06:18:12

    >>38

    代理モブ「Q.つまりどういうこと? 

         A.やられたことがことだから、何が何でもカイザー殴りたい。けど、足並みが揃わない」


    代理モブB「形は変わりましたがパヴァーヌ編とエデン条約編で先生が参戦した後なので、

          恩人に手を出されて、ミレニアムとトリニティのトップはカイザー殴るのに前向き。

          他の学園もカイザーの握ってたシェアの幾らかが手に入るので得するから反対派はいません。

          ただトリニティと山海経辺りは良い条件取り付けないと、下からの突き上げ食らいかねないので・・・・・・」


    代理モブC「キヴォトスにおける生徒会長は国家元首のような存在なので、利権問題が絡むとどうしてもね・・・・・・」

  • 42二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 12:42:23

    絶対リターンは欲しいもんなぁ

  • 43二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 19:46:04

    ああいう気質だから仕方がないが、
    トリニティと山海経は面倒くさいな…

  • 44◆VLlUGaOg9c25/09/26(金) 22:51:52

    >>38

    ナギサ「という訳ですので、復帰次第カナさんにも外交の仕事を回すことになるかもしれません」

    ああ、分かった。私が行くってなると、やっぱりミレニアムか?


    ナレーション

     名も無き神々の王女改め天童アリスと従者ケイの1件において、

     シャーレの名の下にアリウス分派はミレニアムに大きく貢献している過去がある。

     加えて、ミレニアムの会長を別人扱いで長らく匿っていたこともあり、アリウスとミレニアムの仲はかなり良好だ。

     アリウスがミレニアムとの交渉の席に着けば、少なくとも、感情的な部分から決裂することはほぼ有り得ない。

     

    ナギサ「いえ、セミナーの皆さんは話の出来る方なので特別に何か交渉する必要はありません。

        ただ理性的に話し合えば、お互いの望みを分かち合うことが出来るでしょう」


    ナレーション

     とはいえ、元々ミレニアムの生徒会は理性的で話の分かるメンバーが揃っている。

     倫理観の足りない子兎も居るには居るが、こういった学校間の交渉で表に出てくる首脳陣は総じて優秀だ。

     交渉相手が優秀かつ情に厚く、両校の距離感も近い。ミレニアムは、そんな理想の交渉相手なのである。

     あれこれ特別に気を揉んで胃を痛くするような相手ではない、癒やし枠なのだ。


    ナギサ「1番頭の居たい相手は敵意の強いゲヘナのマコト議長ですが、復帰早々に彼女の相手は酷でしょう。

        そうですね・・・・・・・・・百鬼夜行連合学院はどうでしょう?」

    百鬼夜行・・・・・・百鬼夜行・・・・・・キキョウの学校・・・だったか?

    ナギサ「はい。その桐生キキョウさんの母校です。

        陰陽部のニヤ部長は油断のならない方ですが、両校の友好は深く、信頼は難しくとも信用は出来る相手。

        カナさんの外交デビュー&復帰後最初の大仕事としては丁度良い相手かと」


    ナレーション

     こうして、カナの初外交の相手は入院中に決まったのである。

  • 45二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 06:09:25

    百鬼夜行か、良いね
    ついでに美味しいお茶菓子も食べに行こう

  • 46二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 12:36:14

    ニヤあいてなら、確かに初の外交相手としては適切かもしれないな

  • 47二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 16:26:22

    まあニヤなら変に吹っ掛けてくることは無いか

  • 48◆VLlUGaOg9c25/09/27(土) 23:11:11

    アツコ「じゃあ、それまでに・・・この仕事、片づけないとね」
    ・・・ああ、そうだな!

    ナレーション
     とはいえ、外交に赴くのは退院後の話。今は目の前にある、書類の山を捌かなければならない。
     まだ見ぬ百鬼夜行連合学院の自治区に想いを馳せる間もなく、アツコに現実を突きつけられたカナはペンを取った。
     どうやら無茶をやってまた大怪我をした自分たちの会長に対して、アツコは相当キレてるらしい。
     カナは戦わなければならない、現実と。

    ナギサ「・・・まぁ、その通りですね。まずは目の前のことから熟していかなければなりません」

    ナレーション
     一方、カナが寝ている間も働いていた筈のナギサの目の前にも、カナの目の前にある以上の書類が積まれている。
     既に疲れ切って目の色が死んでいるナギサは再び紅茶を流し込んで、同じようにペンを手に取った。のだが・・・・・

    ミネ「いけません」

    ナレーション
     ナギサの手を医者が掴んだ。
     話に夢中で一同は全く気が付かなかったが、カナの定期検診の時間が迫っていたのである。

    ミネ「カナ様の定期検診の予定でしたが、よもやナギサ様がこれほどに消耗しておられたとは・・・・・・
       ・・・いかに生徒会長とはいえ、医師としてこれ以上の無理は見過ごせません。救護を行います」

    ナレーション
     狂気を宿した意思の瞳を以て、ミネは僅か数秒でナギサを担ぎ上げる。

    ナギサ「えっ、あっ、離して下さい!まだ仕事が・・・っ!!」
    ミネ「ダメです。ナギサ様には今すぐ、強度の強い救護が必要ですっ!」

  • 49二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 06:54:00

    いいぞ団長!そのままベッドにぶち込んでやれ!

  • 50二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 12:46:57

    これはしゃーない

  • 51二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 21:08:44

    残念ながら当然

  • 52◆VLlUGaOg9c25/09/28(日) 23:04:32

    >>48

    おおっ!隙を突いたとはいえ、剛腕を活用した見事な確保術・・・・・・見習わないと。

    ナギサ「カナさんっ!?」

    ミネ「カナ様にも未だ充分な救護が足りていません。ですので、まずは定期検診をお願いします」


    セリナ「カナ様、車椅子です」

    分かった。ありがとう、セリナ。


    ナレーション

     救護騎士団長の壊す方ことミネの見事な手腕に、カナの兵士の部分が刺激されて思わず感嘆の声を漏らす。

     かくありたいと素直な尊敬を見せるが、そもそもカナは療養中の重傷人。訓練など以ての外だ。

     本人もそれが分かっているので、素直にセリナの用意した車椅子へとゆっくりと乗り移った。

     ・・・助けを得られず絶望するナギサを置いてけぼりにして。


    ミネ「それではセリナ、私はナギサ様の救護に入りますので、カナ様の方はお願いします」


    セリナ「はい、分かりました。ミネ団長」


    ナギサ「ですから、私にはまだ熟さなければならない仕事が沢山あるのですがっ!?ちょっと、ミネ団長っ!?」


    ナレーション

     まるで出荷されていく家畜を見送るように、ミネに担がれたままジタバタと藻掻くナギサを一同は見送った。

     分かっていたのだ、手遅れだと。ああなった以上、もうミネ団長の救護から逃れる術は無い。

     それにナギサが働き過ぎなのはカナもセリナも薄々感づいていたので、無理に止める必要も感じなかった。

     

    セリナ「・・・では、私たちも行きましょうか?カナ様」

    ああ。今日は何の検査だ?

    セリナ「採血とレントゲンと心電図、後はMRIもですね」

    う゛っ!・・・注射苦手だ。

  • 53二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 06:56:24

    注射は苦手なのか、、、かわいいね!

  • 54二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 12:06:54

    我慢我慢
    部下への示しがつかんぞ

  • 55二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 19:59:29

    >>54

    それな

  • 56二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 20:27:46

    休むのも仕事だからね

  • 57◆VLlUGaOg9c25/09/29(月) 22:48:41

    代理モブ「Q.カナちゃん、銃弾平気なのに注射苦手なの?

         A.キヴォトス人に刺さる針ですよ?それに何より抵抗したらダメなのが苦手らしいです」


    >>52

    《救護騎士団専用区画 渡り廊下》

    ナレーション

     正実のような治安維持組織という訳でも無いのだが、カナは色々と事件の中で怪我をすることが多い。

     その度に救護騎士団のお世話になっているので検査や治療にも慣れたモノではあるのだが、

     やはり、それでも痛みや恐怖が全て無くなる訳では無く・・・・・・

     今日の検査ラッシュも乗り越える頃にはすっかり気疲れしてしまっていた。


    疲れた・・・

    セリナ「はい、お疲れ様でした。経過は順調でしたよ。

        腕は骨の再生にもう少しかかりますが、車椅子はそろそろ卒業を視野に入れても良いかもしれません」

    本当かっ!?


    ナレーション

     ぐったりと車椅子に雪崩れかかりながら、車椅子を押して貰いながら病室へと戻っていたカナに朗報が入る。

     襲われてもマトモに応戦出来ないのが怖かったのもあるが、それを抜きにしても移動が自由になるのは大きい。

     カナは元より行動力のある少女だ。活動的な彼女にとって身体を自由に動かせない生活はかなり窮屈だったのだ。

     

    セリナ「はい。でも、戦闘訓練はまだダメですよ?まずは歩く練習・・・リハビリからです」

    分かった。確かに、暫く歩いてないからな。訓練は順番にやらないと。


    ナレーション

     検査の心労も何処へやら。近い内に自由に歩けるようになる想像をしただけで、カナは上機嫌に破顔した。

     そうして、セリナと仲良く談笑しながら、仕事と一緒に部屋に置き去りにしてしまったアツコが待つ病室へ、

     ゆっくりと帰って来たのだが・・・・・・

  • 58◆VLlUGaOg9c25/09/29(月) 22:51:34

    >>57

    ・・・あれ?扉開いてないか?

    ・・・本当ですね。確かに、閉めたはずなんですが・・・?


    ナレーション

     どういう訳か?セリナがしっかりと閉めた筈の病室の扉は開け放たれている。

     可笑しいなぁ?と、2人して首を傾げながらも、その時は特に気にも止めずに部屋に入ったのだが・・・


    ・・・アツコ?


    ナレーション

     病室で待っている筈の少女は、どこにも居なかった。

  • 59二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 23:57:58

    ドアが開いててアツコが居ない…事件の匂いがするな

  • 60二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 06:50:48

    まだ抜け出しただけの可能性もあるから…(震え声)

  • 61二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 12:06:40

    >>36

    いつまで根も葉もないデマを引きずる気だ

  • 62二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 19:37:02

    不穏だ…

  • 63◆VLlUGaOg9c25/09/30(火) 21:46:04

    ナレーション
     少し時は巻き戻り、カナたちが戻る前の病室。そこでは、アツコが不機嫌さを隠さずに書類を纏めていた。

    アツコ「そりゃあ、目の前で死ぬかもしれない人を放っておくようなこと、カナは絶対したくないだろうけど・・・」

    ナレーション
     アリウス解放戦、アリスとケイの1件、家庭科実習の準備から始まった動乱、それに今回の平行世界からの侵攻。
     この短期間でアリウスは様々な事件に関わり・・・・・・その全てでカナは深い傷を負ってきた。
     それは目の前ので苦しむ誰かに寄り添おうとする、カナの真っ直ぐな優しさと行動によるモノで、
     実際そういうところが好きで、アツコはカナを担ぎ上げようと決めた訳だが・・・・・・・・・それにしても怪我し過ぎだ。
     こうも心配させてくれては、こうも何度も泣かされては、流石に不満の1つも言いたくもなった。

    アツコ「でも、もうちょっと、自分を大事にして欲しいな・・・・」

    ナレーション
     本当は仕事を滞納されたことは・・・・・・いや、凄く困るし、それはそれで頭にくるが、精々3割ぐらいだ。
     また無茶をして、人の気も知らないで大怪我負った上に死にかけて、毎晩心配で泣かされたのが嫌だった。
     やっと起きたと思ったら呑気に飯食ってた時もムカついたが、何より、またこんなことがありそうなのが嫌だった。
     きっと、カナは目の前で命を落とそうとしてる誰かがいたら、それが敵でも必死に手を伸ばす。伸ばしてしまう。
     そんな自分の大好きな優しさが、自分の大好きな家族を死に追いやっているのが・・・アツコは何より嫌だったのだ。

    アツコ「・・・ちょっと、頭冷やそう」

    ナレーション
     このままでは、カナの好きなところを嫌いになってしまいそうだったから、アツコは頭を冷やそうと書類を置いた。
     校舎内の売店にでも行けば、何か冷たいモノが売っているだろう。そう思って、部屋を出るべく扉へと手をかけた。
     までは良かったのだが・・・・・・

  • 64◆VLlUGaOg9c25/09/30(火) 22:05:37

    >>63

    アツコ「・・・えっ?」


    ナレーション

     開いた扉の先にあったのは、廊下ではない何処か別の場所。というか、アツコにとっては見覚えのある場所だった。

     照明はシャンデリア、窓硝子は新校舎…アリウス分校の聖堂の物と良く似たステンドグラスになっており、

     規則正しく書棚が並んで中央の道を空けて、道の先にはクラシックなデザインの机と椅子が置かれている。

     今回は用意された椅子は空席1つ。代わりに椅子に向かい合う方に、机の上に置物の如く陣取る生首が1つ。


    アツコ「えっ?あの、マダ・・・ベアトリーチェ・・・だよね?」


    ベアトリーチェ「それ以外の誰に見えるのですか。・・・いや、言いたいことは分かりますが」


    ナレーション

     机の上に居た・・・居た?ベアトリーチェは首から下がなく、頭だけが自立して生命活動を続けている。

     正しく、生きた生首と呼ぶに相応しい存在。元から得体の知れない女ではあるが、いよいよ妖怪染みている。

     アツコが驚くのも、無理は無い。そんな冗談のような存在を前にして、混乱するなという方が無理であった。


    ベアトリーチェ「これは例のカードの支払いによるモノです。

            想定はしていなかった訳ではありませんが、本当に本当に限界まで使うとは・・・・・・」


    ナレーション

     物理的に小さくなったからだろうか?それとも首から血が流れていないだろうか?

     見慣れたはずベアトリーチェの歯噛み顔が、なんだがアツコにはどこかマスコットのようにも見えた。


    ベアトリーチェ「・・・まぁ、それに関しては置いておきましょう。

            今回はそれとは別件の話です。突っ立っていないで早く座りなさい、アツコ」


    ナレーション

     やはりベアトリーチェは不遜な態度を崩さなかったが、それが却って、少し滑稽だった。

  • 65二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 00:07:14

    ゆっくりベアトリーチェになっちゃった…

  • 66二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 00:14:47

    めっちゃ関係ないけどカナの外見そろそろ決めない?

  • 67二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 07:04:33

    そんなにガッツリキッチリいけちゃうものだったんだ

  • 68二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 11:19:53

    ゆっくりマダムのエントリーだ!

  • 69二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 19:43:15

    草なんよwww

  • 70◆VLlUGaOg9c25/10/01(水) 22:18:09

    >>64

    アツコ「・・・」


    ベアトリーチェ「・・・無言でクリアリングするのは止めなさい。別に何も仕掛けていません」


    ナレーション

     中々愉快・・・もとい無力そうな姿になっているとはいえ、相手は因縁あるベアトリーチェ。

     アツコは最大限の警戒を持って周囲を見回しながら、ゆっくりと慎重に椅子に近づき、

     何か仕込まれていないか丁寧に調べ出した。のを、呆れたような目でベアトリーチェは止めたが、気にせず続けた。

     アツコ視点、罠を仕掛けているのに「罠がありますよ」等と正直なことを言うヤツは居ないのだ。


    アツコ「・・・・・・本当に何も無い?いや、もしかして椅子自体に何か埋め込んで・・・・・・」


    ベアトリーチェ「話を始められないので早く座りなさい。・・・座れ」


    ナレーション

     ベアトリーチェが苛つき始めたのを確認して、これ以上刺激するのは不味いと感じたのか?漸く、アツコは座った。

     ・・・ただし、直ぐに立ち上がって戦闘に入れるように身構え、銃の引金に指をかけながら。


    ベアトリーチェ「まったく、私も暇では無いというのに・・・椅子に座るだけでこれですか」


    アツコ「貴女がやったことを考えれば妥当だと思うけど?ベアトリーチェ」


    ベアトリーチェ「・・・言うようになりましたね」


    ナレーション

     どういう感情か?珍しいモノでも見つけたかのように、ベアトリーチェは幾つもの目を見開いた。

     つい数秒前までは怒り混じりに嘆息を吐いていたが、アツコの返答を聞いてからは驚愕の方が勝っている。

     その瞳はアツコを通して何処か遠くの・・・・・・懐かしいモノを見ているかのようだった。

  • 71二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 06:54:16

    アツコも成長しとるんやな

  • 72二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 06:59:11

    実際油断はできん

  • 73二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 12:20:03

    この世界のベアトリーチェは何を見てきたんだろう

  • 74二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 19:53:43

    状況的にはシリアスな筈なんだ
    ベアトリーチェがゆっくりになってる事に目を瞑ればだけど

  • 75二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 23:20:32

    ベアトリーチェはアツコ母のことを知っているから、アツコの発言にその面影を見たのかな

  • 76◆VLlUGaOg9c25/10/02(木) 23:28:48

    >>70

    ベアトリーチェ「・・・今回の要件ですが・・・端的に言えば警告です」


    ナレーション

     何かに感じ入ったのも少しだけで、ベアトリーチェは直ぐに気を取り直して本題に入る。

     ベアトリーチェが「警告」だと告げると、アツコの睨み付ける視線が更に強くなった。


    ベアトリーチェ「我々ゲマトリアの中でも・・・少々厄介な手合いが動き出しました。

            ・・・あれの中身は癇癪持ちの我儘な子どもですが、有する能力だけは本物です」


    ナレーション

     本当に良い印象の無い相手なのだろう。忌々しげな目で虚空を睨みながら、ベアトリーチェは吐き捨てる。

     思い出しただけでも、ムカつく相手だということが良く分かった。


    アツコ「・・・それで、そいつが私たちを狙ってるってこと?何の為に?」


    ナレーション

     アツコとしては「大人なのに生徒会長名乗ってた人が言えたこと・・・?」と中々辛辣な感想が浮かんでいたのだが、

     それを口にすれば、またベアトリーチェの怒りを買って無駄に話が長引くことが目に見えていたので呑み込んだ。

     ここまできて、こんなところで戦いになるのはバカらしいからだ。


    ベアトリーチェ「いえ、あれの・・・地下生活者の目的はシャーレの先生です」


    アツコ「先生がっ!?」


    ナレーション

     恩人の名が出てきたことで、流石のアツコも動揺から立ち上がった。

  • 77二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 07:07:38

    あいつホンマ…

  • 78二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 12:24:06

    能力だけは厄介よね

  • 79二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 18:30:30

    解き放ったの誰だよ…
    ここでもフランシスか?

  • 80◆VLlUGaOg9c25/10/03(金) 23:21:08

    >>76

    ベアトリーチェ「私は黒服たちとは違い、あの大人に対して然程強い思い入れはないのですが・・・・・・

            それでも、黒服たちが『主人公』と称したように、あの大人が齎す影響は今や絶大です。

            数多くの生徒の懐に潜り込み、多くの学園がその動向を注視せざるを得ない」


    ベアトリーチェ「それ故、認めざるを得ません。

            今、先生が失われれば・・・・・・このキヴォトスはその痛みに耐えられない」


    ナレーション

     先生が狙われているという事実に大きく動揺したアツコとは裏腹に、

     ベアトリーチェは心底面倒臭そうに冷めた言葉で話を続けた。本当に、彼女は先生を何とも思っていないらしい。


    ベアトリーチェ「・・・或いは、それも含めてあの子ども・・・連邦生徒会長の書いたシナリオなのかもしれません。

            ただの一個人にあれだけの権限を与えるなど、本来であれば正気の沙汰ではありませんからね」


    ナレーション

     むしろ、先生に多大な権限を託して姿を眩ませた連邦生徒会長、その計画の方に興味があるようだった。

     ベアトリーチェにとって、かの大人は然程強い思い入れのある相手でもなかったのだ。


    ベアトリーチェ「とはいえ、かの超人と言えど万能の神ではありません。

            どれほど高い頭脳、多くの情報を以てシナリオを書き上げたとしても所詮は子どもの仕事。

            私は、彼女のシナリオは既に多くのイレギュラーを抱えて破綻しつつあると考えています」


    ベアトリーチェ「特に運命先生と並び立ち、数多くの脅威を超え、その度に存在を刻みつけてきた生徒。

            あの大人に近しい存在……第二の主人公となりつつある神子柴カナの存在は大きな誤算でしょう」


    ナレーション

     ベアトリーチェは笑う。

     1度は死の淵まで追い詰められながら、それでも彼女の心を真っ直ぐに見据え、看破し、寄り添った子ども。

     『ベアトリーチェ』という悪役に本当の意味で打ち勝った、彼女にとっての主人公に想いを馳せて。

  • 81二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 07:42:35

    ベアおばもカナちゃんに首ったけ

  • 82◆VLlUGaOg9c25/10/04(土) 09:26:30

    >>80

    代理モブ「Q.つまり、どういうこと?

         A.黒服の推しは人気だけど、私は私の推ししか興味ないから!(意訳)」


    代理モブB「今作のベアトリーチェにとって自分を打ち破った敵はカナだし、

          自分を掬い上げてくれた理解者もカナなので、先生との接点は原作より薄味ですからね・・・・。

          物理的な戦闘でも前線派って戦ってたのは生徒たちですし、先生への印象がそんなに無いんです」


    代理モブC「だから黒服たちが先生ファンククラブやってるのを白い目で見ながら、

          自分は自分でカナファンクラブやってるんですね」

  • 83二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 10:01:18

    >>82

    そして貢ぎすぎてゆっくりベアトリーチェになっちまったと。君は黒服たちのこと笑えないよ。

  • 84二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 13:52:20

    けどその分、先生に対する敵意も薄いから悪い事ばっかりじゃないな

  • 85二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 22:07:51

    このレスは削除されています

  • 86◆VLlUGaOg9c25/10/04(土) 23:12:06

    >>80

    アツコ「何笑ってるの・・・っ!?」


    ナレーション

     とはいえ、アツコからしてみれば大切な親友にして、信じて担ぎ上げたリーダーを仇敵が語るのだから面白くない。

     普段は仲間が褒められると嬉しくて仕方が無いアツコだが、今回ばかりは「お前が言うな」案件である。

     何しろ、ベアトリーチェは長らくアリウスを虐げ、1度カナを瀕死に追い込んだ憎い相手なのだから。


    ベアトリーチェ「ふふっ。いえ、あの得体の知れない小娘に一泡吹かせられたと思うと愉快でしてね」


    ナレーション

     アツコの怒りなど何処吹く風。ベアトリーチェは上機嫌に笑い続けた。

     当然の話。今更、殊勝な態度を取るような女なら、母校で生徒会長を名乗って圧政支配などしない。


    ベアトリーチェ「・・・とはいえ、貴女たちにとってこれは朗報であると同時に凶報でもあります。

            地下生活者の標的は先生ですが・・・・・・いずれ、カナも何かしらの事件に巻き込まれるでしょう」


    アツコ「・・・どういうこと?」


    ナレーション

     アツコには理性がある。怒りを堪えながらも、大事なカナがまた何かに巻き込まれるとなれば黙っていられない。

     目先の怒りよりも大切な人の平穏。アツコは驚異的な理性で椅子に座り続けながらも、

     「また何か余計なことをしたのか?」という疑念を込めてベアトリーチェを睨みつけた。


    ベアトリーチェ「私が何もせずとも、もはや避けようとして避けられるものではありません。

            紡いできた繋がりが、与えてきた影響が、新たなる主人公を舞台から逃がさないでしょう」


    ナレーション

     ベアトリーチェの言葉通り、運命とはそういうもの。然るべき時、然るべき人物が必ず「そこ」に導かれる。

     その中心足り得る器を、ベアトリーチェはカナに見いだしていた。

  • 87二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 07:18:32

    まぁ、カナは紛れもなく主人公の器ではあるな。

  • 88二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 13:31:40

    この物語で主役たる定めか

  • 89二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 21:40:03

    またボロボロになっちゃうのかなぁ…

  • 90◆VLlUGaOg9c25/10/05(日) 21:47:30

    >>86

    ベアトリーチェ「あの予言の大天使でも最早未来は見通せないでしょう。

            得体の知れない連邦生徒会長の書いたであろうシナリオとは、既に大きく隔離しつつあります。

            であるからこそ・・・・・・・今回の地下生活者の企みもどう転がるか分かりません」


    ナレーション

     心底楽しそうに一頻り笑ったかと思えば、ベアトリーチェは一転して真剣な表情になった。

     「癇癪持ちの我儘なガキ」と称したが、それでも地下生活者の能力だけはベアトリーチェも評価している。

     だからこそ、ベアトリーチェは地下生活者という存在を非常に警戒していた。


    ベアトリーチェ「先程も言った通り、シャーレの先生はカナと同じく非常に大きな影響力を持ちます。

            ですので、地下生活者なんぞに殺されて、全てを台無しにしされては困るのです」


    アツコ「・・・分かった。カナもカードのお陰で助かったらしいから、今回だけは信じてあげる」


    ナレーション

     勿論、アツコには思うところが山ほどある。山ほどあるが、カナはベアトリーチェを許した。

     カナが生贄にされかけて、みんなでアリウス解放の為に立ち上がって戦った日、

     1番苦しめられた筈のカナがベアトリーチェを許したことを、アツコは良く覚えている。

     ・・・・・・それに、かつてアリウス分校の生徒会室だった部屋で彼女の過去の一端も知ったから、

     アツコは複雑な思いを抑え込んで、今のところはベアトリーチェを信用することにした。


    アツコ「それで、何をすれば良いの?」


    ベアトリーチェ「話が早くて助かります。

            ・・・・正直、相性だけならば、あれの持つ領域を感知できるだろうカナが最も適役ですが、

            アトラ・シハースでの怪我の治療が間に合わないでしょう。なので・・・・・・」

  • 91二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 23:25:54

    一体何をすることになるかな?

  • 92二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 08:12:10

    なので…?
    今だけ…?

  • 93二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 13:09:09

    >>92

    通販じゃねえよ

  • 94二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 14:15:18

    >>93

    ゲマネットベアおば…

  • 95二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 21:18:12

    ゲ~マネットゲ~マネット~

  • 96◆VLlUGaOg9c25/10/06(月) 21:54:36

    >>90

    だから、先ずは1人・・・出来たら2、3人、社員を捕まえて拷・・・尋問してだな。


    ミヤコ(通話)『あの、流石に容疑の段階でそれは不味いのでは・・・・・・?』


    ナレーション

     ベアトリーチェとの話し合いを終えて、ついでにトイレも借りて、

     病室へと戻ったアツコが見たのは、スマホを頭と肩に挟み、通話をしながら片手で紙にペンを走らせるカナの姿。

     話の内容からして作戦計画書の類いなのは直ぐに分かったが、真剣な表情で「お話」を提案するカナを前にして、

     一体今度は何が起こったのか?と、アツコは混乱すら頭を抱える羽目になった。


    ん?今、誰か・・・・・・アツコォッ!!心配した!一体何処行ってたんだっ!?


    ナレーション

     そうしていると、程なくしてカナはアツコに気が付いた。

     通話先の相手が心配になるほどの大声を上げ、自分の怪我も忘れて駆け寄ろうとしてベットから危うく落ちかけ、

     目に見えるほど大慌てしている姿を見れば、アツコも相当心配をかけてしまったことが一目で分かる。

     無茶をやらかしてアツコたちに心配させているいつもとは、まるで逆の立場だった。


    アツコ「ごめんなさい。ちょっと、呼ばれちゃって・・・」


    呼ばれ・・・誰にだ?


    アツコ「その・・・ベアトリーチェ」


    ナレーション

     想像していなかった名前に、カナは思わず「・・・えっ?」と困惑の声をあげる。

     カナのスマホの向こう側では、RABBIT小隊が状況を把握するべく聞き手に回っていた。

  • 97◆VLlUGaOg9c25/10/06(月) 22:01:46

    >>96

    ・・・もしかして、あれか?あのカード、結局砕けるまで使っちゃったから・・・・・・?


    ナレーション

     何故、ベアトリーチェがアツコ1人を狙って接触したのか?

     今更、あの儀式をやり直そうとするとはカナも思っていないが、だからこそ何を企んでいたのか分からない。

     もしかすると、例のカードを使い過ぎたから怒っているのでは?なんて、的外れな心配まで湧いて来ていた。


    アツコ「ううん。そういうのじゃない。ただ、ちょっと色々大変なこと聞かされちゃって・・・・・・・」


    ナレーション

     幸い、見た目には分からない程度にはアツコには異常が無かった。

     目立った怪我や痣も無ければ、様子が可笑しいということも無い。ただ、真剣な目で何かを訴えようとしていた。


    アツコ「その、無茶なのは分かってるんだけど・・・・もう1人のミカを釈放させられないかな?」

  • 98◆VLlUGaOg9c25/10/06(月) 22:07:51

    >>95

    代理モブ「夢のゲマネット ベアト~♪」


    >>97

    代理モブA「それはさておき、これで『病室でのある1日』は終了ですね。

          ここからはいよいよ、本格的に第二部へ・・・・・・といきたいところですが、現状2つのルートがあります」


    代理モブB「カナ主人公で百花繚乱編をやるか、ミカ*テラー主人公でアビドス3章をやるか・・・ですね。

          どちらか一方だけやるか、どちらもやるかは一端置いておくとして、

          どちらの話が見たいか?スレの読者の皆さんの意見を聞きたいと思います。多数決です」


    代理モブC「同率一位の場合は・・・・・・スレ主特権で1が好きに決めます。まだ何にも考えてませんけど」

  • 99◆VLlUGaOg9c25/10/06(月) 22:20:56

    >>98

    代理モブ「すいません。範囲決めてませんでしたね。

         範囲は>>109まで、範囲内までスレが埋まらない場合は明日の午後7時までにします」


    代理モブB「まぁ、1は「そんなに埋まらないでしょ」ぐらいに軽く構えていますが、

          万が一、多数決でスレが埋まったら大変ですからね」


    代理モブC「1の今の予想だと、僅差で百花繚乱編かな・・・?ぐらいに考えているそうです」

  • 100二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 23:03:32

    百花に1票

  • 101二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 23:12:58

    百花繚乱に一票
    ミカ*テラーの主人公の話も見たいけど、カナちゃんの活躍が見たい

  • 102二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 23:33:53

    めっちゃ悩む!
    でもカナの活躍が見れるなら百花繚乱でお願いします
    …できればその後にアビドス3章も見たいなって
    いやまあ無理そうでしたらこっちは忘れてください

  • 103二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 23:51:16

    アツコからミカ*テラー釈放の話が出てるからアビドス3章に1票入れます

  • 104二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 07:29:59

    うーん、どちらも魅力的だ。
    けど、どちらかと言えばアビドス3章かな?

  • 105二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 08:40:14

    ミカ*テラー釈放の話あるならアビドス3章で!

  • 106二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 12:23:49

    どっちも気になるけどカナちゃんが関わる百花繚乱に1票

  • 107二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 12:47:11

    ミカ*テラーの活躍が気になるからアビドス3章に一票

  • 108二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 20:12:13

    百花繚乱に一票

  • 109◆VLlUGaOg9c25/10/07(火) 20:14:20

    代理モブ「7時を超えたので、ここまでですね。
         集計結果は百花繚乱編4票、アビドス3章4票・・・同票ですね」

    代理モブB「予定通り、同票なので1のスレ主特権で決めますが・・・・・・正直、この結果は予想外ですね。
          朝一番に確認した時には百花繚乱編が優勢だったので、帰ってきてからビックリしました」

    代理モブC「という訳で、発表します。今回、スレ主特権で次の章に選ばれたのは・・・・・・百花繚乱編です!!」

  • 110◆VLlUGaOg9c25/10/07(火) 21:50:21

    >>108

    代理モブ「昨日の時点で指定範囲内のスレが埋まらない場合は翌日午後7時まで。と、告知していましたので・・・・・・

         申し訳ありませんが、無効票となります。いや、まぁ、結果的には百花繚乱編に決めたんですが」


    >>79

    《百鬼夜行連合学院 大通り》


    おおーっ!なんか、こう、見たこと無い感じがして・・・・・・凄い!


    ナレーション

     病室でナギサと初外交について話してから暫く、ようやくカナに退院の許可が下りた。

     それから数日ほど、トリニティ本校舎とアリウス分派が使用している新校舎を行ったり来たりした生活を送り、

     そうして遂に今日、初外交の為に百鬼夜行連合学院へと脚を運んだのである。


    スバル「気持ちは分かりますけど、少しは落ち着いたらどうですか?

        今のカナは私たちだけではなく・・・・・・・・・トリニティの代表でもあるんですよ?」


    ナレーション

     それも長らく入院していた上に退院してからも溜まった仕事やら何やらで忙しくしていた反動もあり、

     初めての百鬼夜行にはしゃぎ回っているカナ。それに対して、今回のお供のスバルは複雑な笑いを浮かべていた。

     

    スバル「というか、本当に私で良かったんですか?

        少し居なくなっただけで、誘拐を疑ってカイザーへの襲撃を企てるぐらい大好きなアツコじゃなくて?」

    カイザーは前科があったばっかりだったからな・・・・それに、アツコも好きだけどスバルも好きだぞ?

    スバル「すっ!?そ、それはちょっと卑怯じゃないですか・・・・・・!?」


    ナレーション

     揶揄うような、自嘲するような、どこか暗さを宿したスバルだったが、

     カナのストレートな「好き」を前にして思わず赤面を隠せなくなってしまう。

     少しの嘘も躊躇いも無い言葉だから、スバルは額面通り素直に受け取るしか無くて、余計にずるく感じた。

  • 111二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 23:20:08

    おや、スバルがお供なのか

  • 112二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 07:41:20

    スバル初登場だっけ?

  • 113二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 12:41:51

    昼保守

  • 114二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 15:36:18

    かわいい

  • 115二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 21:33:29

    このレスは削除されています

  • 116◆VLlUGaOg9c25/10/08(水) 22:32:13

    >>110

    卑怯・・・?ありがとう!

    スバル「別に褒めていませんよ!?いや、ある意味、兵士にとっては褒め言葉ですけど!」

    でも、スバルは私たちに意味も無い悪口なんてしないだろう?


    ナレーション

     「恋と戦いはあらゆることが正当化される」と言う言葉があるように、兵士にとって卑怯は褒め言葉に等しい。

     それは政治という戦場においても同じ事であり、スバルが悪意から言っていると信じていないカナにとって、

     卑怯と言われても褒められたとしか感じられなかった。


    スバルっ「また、カナはそうやって・・・っ!そういうところですよっ!?本当に!」


    ナレーション

     そうやって、カナは何時も通りに全幅の信頼を示してくるのだから、スバルとしては堪らない。

     何時ものことなのに毎回喜んでいる自分が気恥ずかしくて、にやけそうなる口元を必死に抑えているのに、

     スバルの気持ちを知ってか知らずか?カナは何時もの花が咲いたような笑顔を見せてくるのだ。

     そんなことをされたら、スバルは益々赤くなってしまう。

     

    ・・・やっぱり、スバルはまだトリニティが嫌いか?

    スバル「・・・本当、そういうところ良く見てますよね」


    ナレーション

     わざわざアツコを引き合いに出してまで自分で良いか念押ししたこと、 

     その表情に仕事への心配・・・というには毛色の違う仄暗さを宿していたこと、

     それにスバルという少女との思い出を合せれば、その心を察することはカナにとって難しくなかった。


    スバル「そりゃあ、ね。今のトリニティにかつてアリウスを追放した生徒は居ない。理屈では分かってます。

        分かってますけど・・・・・・それでも、ずっとアリウスを忘れてのうのうと生きてきたトリニティのことが、

        私は今でも好きになれません」

  • 117二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 01:45:00

    仲間の心情を慮れるカナちゃんは、やはりリーダーに相応しいお人…

  • 118二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 07:20:52

    保守

  • 119二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 15:41:17

    >>117

    せやね

  • 120◆VLlUGaOg9c25/10/09(木) 20:50:07

    >>116

    ナレーション

     カナやスバルたち、今の世代のアリウスはトリニティへの憎しみを聞いて育ってきた。

     ベアトリーチェの圧政が始まる前から、内戦が始まる前から、脈々と受け継いだ怨嗟の叫びを聞いて育ってきた。

     中にはベアトリーチェのそれよりも前に、過激な先輩方からアリウス流の「教育」を受けた者もいる。

     怨みは消えない等ということは無くとも、長く積み上げた「歴史」に打ち勝つのは簡単なことでは無い。


    …そっか。なら、スバルはそれでもいい。


    ナレーション

     だから、好きになれないというなら、憎いという感情を捨てられないなら、それは仕方が無い。

     誰にだって、譲れないことはある。それを毎回のように大怪我をしているカナには良く分かる。だから、赦した。


    スバル「それでいいって・・・・・・私がトリニティ憎さに何かするとは思わないの?」

    思わない。スバルは、仲間を裏切らない。


    ナレーション

     それに幾らトリニティが憎いからと、スバルはアリウスの仲間を裏切らない。

     カナはそう断言した。断言することが出来るから、信頼して一緒に来て貰ったのだ。


    スバル「・・そっか」


    ナレーション

     変わらない笑顔と信頼が眩しいほどに嬉しくて、スバルは完敗を悟って笑うのだった。

  • 121二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 23:58:10

    相手の抱えている憎しみを否定せず、その上で信じる…簡単には出来ない事ですよこれは

  • 122二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 06:24:31

    強い
    だからこそか

  • 123二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 11:48:33

    心が強ぇ女だ…

  • 124二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 20:27:20

    保守

  • 125◆VLlUGaOg9c25/10/10(金) 23:09:13

    >>120

    《百鬼夜行連合学院 陰陽部》


    ニヤ「いやぁ、それにしても・・・・・・随分我が校を気に入ってくれたみたいで嬉しいです、にゃは」


    ナレーション

     スバルとの話した後、少しだけ百鬼夜行の街を観光してから陰陽部へ訪れたカナは・・・何というか、かぶれていた。

     アリウス印の白ジャケットの上から、染井吉野の華の羽織を着て、紙にはお洒落に蜻蛉玉の簪を挿しており、

     百鬼夜行の街に溶け込んで、地元の生徒と間違われるのではないか?と思うほどにサマになっている。

     お付きのスバルも疲れた顔で大荷物を抱えていたが、カナとお揃いで藤の華の羽織と簪を身に身につけていた。


    ああ!トリニティともミレニアムとも雰囲気が違って、でも奇麗で格好良くて!何か、こう・・・・・・凄かった!


    ナレーション

     おまけに、カナが語彙力こそ死んでいるが、楽しかったとキラキラと目を輝かさせている。

     まるでテーマパークではしゃいで両親を振り回す小さな子どものような、純粋な好きと感動の心。

     それを自分たちの愛する母校に向けてくれているとあっては、ニヤたち陰陽部としては嬉しくない訳がない。


    カホ「はうっ!?こ、これは、まさか、カナさんはチセちゃんでは無いのに・・・」

    チセ「ありがとう、ね~」

    ニヤ((これはこれは、なるほどお噂通りの「たらし」ですね・・・・・)


    ナレーション

     友情に時間は関係無いと言うが、初対面でありながら、もう自分を含めた部員たちがカナを好きになり始めている。

     計算で出来る振る舞いとは思えない。ただ思うままに振る舞い、結果として周囲を惹きつける愛される才能。

     陰陽部のマスコットな後輩とも少し趣が違う、天性のアイドルを前にしてニヤは敬意と警戒を抱いた。


    ニヤ「にゃはは!それは良かったです。

       例の事件の復興がまだ終ってないので、開いてるお店が少なくて退屈ではないかと心配していたんですよ」

  • 126二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 05:43:36

    保守

  • 127二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 10:30:08

    これが…陽キャ…!

  • 128二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 11:31:17

    む、少し警戒されてしまったか

  • 129二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 15:38:15

    初対面の相手でもその懐にするりと入り込めるコミュ能力は、
    人心掌握に長けてるって事でもあるから警戒するのも仕方がないのかもね
    カナちゃんは無意識にやってるだろうから尚更ね

  • 130二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 23:37:04

    まぁ悪くなさそうで良かった

  • 131◆VLlUGaOg9c25/10/12(日) 00:02:57

    >>125

    そんなこと無い。確かに、ボロボロのところも沢山あったけど・・・・・・でも、みんな元気だった!


    ニヤ「そうでしょう、そうでしょう。ウチの自治区のお祭りへの熱意と火事場の底力は凄いんですよ?」


    ナレーション

     とはいえ、見た限りでは強い野心があるタイプでも無いようだし、百鬼夜行は元々トリニティとも仲が良い。

     既に「彼女の悲しむ顔を見たくない」と思わせているあたり、本当に恐ろしい才能ではあるのだが、

     同盟相手の学園のトップの1人という近過ぎない距離感も好都合。丁度良い距離を保てば良い友人になれるだろう。

     そこまで考えて、ニヤは警戒しながらもカナからの称賛を素直に受け取って喜んだ。


    ニヤ「いやぁ・・・本当に、お客様に喜んでいただけて良かったです。

       勿論それだけではありませんが、百鬼夜行にとって観光事業はとても大きなものですからね」


    ナレーション

     それに先のアトラ・シハースの1件・・・平行世界からの侵略は百鬼夜行も大きな被害を与えている。

     そんな中、百鬼夜行の主産業である観光について、外部からのお客様に満足して貰えたのは非常に大きい。

     感想の方は語彙力が無さ過ぎるが、百鬼夜行の自治区全体にとって大きな自信になる言葉だ。

     これにはニヤたち陰陽部一同もニッコリである。


    ああ、本当に驚いた。見るものがみんな奇麗なのもそうだけど、何て言うか、こう・・・みんなが元気で優しいんだ!

    どこに行っても凄く親切にして貰えて、すっごく楽しかった!流石は観光業で有名な百鬼夜行だな!


     ニヤ「にゃはは!本当に分かってますね、カナさん。百鬼夜行の観光業は本当に凄いんです。

        キヴォトス1・・・いえ、キヴォトスの外を含めても1番でしょう」


    ナレーション

     初対面の折、カナの純粋な称賛を前にして、素直に喜ぶだけでなく警戒を覚えた陰陽部部長のニヤ。

     その警戒心と責任感は流石の一言であり、実際、ニヤは学園のトップとしても申し分ない優秀な人物に違い無い。

     違い無いのだが、彼女にも欠点というものはあり・・・・・・・・・昔から、少し調子に乗りやすかった。

  • 132◆VLlUGaOg9c25/10/12(日) 00:13:10

    >>131

    代理モブ「説明するまでも無いかも知れませんが、ニヤは警戒こそしていますが滅茶苦茶良い気分になってもいます。

         カナが百鬼夜行を褒める度、すっごい上機嫌で「この人、凄く良く分かってますね」なんて考えています。

         早い話が既にちょっと浮かれてるのです」


    代理モブB「まぁ、相手に気持ち良く話させる1番の方法は、自分も同じ話題で気持ち良く話すことですので、

          外交相手とのアイスブレイクと考えると合理的で正しいことをしてはいるんですけどね」


    代理モブC「なんで、ニヤはカナの愛される才能を警戒していながらも、既に結構カナのことを好きになっています。

          「とんでもない人たらしですね」と「でも、私もこの人のこと好きです」が同居してる状態です。

          ハーレムモノのヒロインか何かですかね?」

  • 133二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 07:37:13

    この陽キャ、強すぎるっ!

  • 134二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 11:47:12

    こんだけべた褒めされればそうもなろう!

  • 135二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 20:34:45

    つよい

  • 136◆VLlUGaOg9c25/10/12(日) 22:06:07

    >>131

    スバル「あー・・・カナ?気持ちは分かったけど時間があるから・・・」

    あっ!そうだな、すまない。ちょっと、忘れてた。


    ナレーション

     話が弾んでいるのは良いことだが、カナもニヤも互いに忙しい身に違い無い。

     なので、お付きとして一歩引いた立場で比較的冷静でいられる立場のスバルが耳打ちでカナを急かした。のだが・・・


    まだ手土産を出してなかったな!

    スバル「いや、確かに、そっちもまだですけどぉっ!?」


    ナレーション

     カナは何故か持参した手土産のことだと思い込み、スバルへと笑いかける。

     「違う、そうじゃない」と思いながらも、しょうがないのでスバルは溜息を抑えながら前へと出て、

     抱えていた大荷物の中から幾つかの来ず積みを取り出して、ニヤへと差し出した。

  • 137◆VLlUGaOg9c25/10/12(日) 22:10:37

    >>136


    スバル「こちら、トリニティ総合学園を代表してお持ちしました」


    ニヤ「これはこれは、ご丁寧に・・・随分沢山ありまね?」


    ああ。こういうの初めてだから何が良いか分からなくてな。

    トリニティで色々探してから、百鬼夜行の自治区でも幾つか探した。・・・・・・もしかして、不味かったヤツか?


    ニヤ「いやぁ、これで何か要求なさるならまだしも、ただのお土産ならセーフでしょう」


    ナレーション

     ナギサの手作りロールケーキ詰め合わせにトリニティの老舗で仕入れたセイアオススメのお茶っ葉、

     目を閉じて斜め上を向いた謎のおじさん絵絵柄の包み紙を纏った焼き鳥屋「鶏の流儀」の持ち帰りセット等、

     数々の手土産はトリニティの財力・・・までは言わずとも、器の大きさを示すモノだ。

     突き返すことはしないが、これを受け取ったからにはニヤ・・・百鬼夜行の側も器の多きところを見せねばならない。


    ニヤ「お返しという訳ではありませんが、お時間がありましたら私自ら百鬼夜行を案内しましょう

       丁度、来週には復興の象徴を兼ねて「百鬼夜行燈籠祭」を開催する予定です。

       どうでしょう?どうせ1日で話し合いが済む訳ありませんし、仕事のついでに楽しんでいくというのは・・・」


    ナレーション

     そういう事情も手伝って、ニヤはカナとスバルは「百鬼夜行燈籠祭」へと招待されたのだった。

  • 138二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 05:20:06

    お土産攻撃は外交の基本よ

  • 139二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 12:25:43

    やったぜ

  • 140二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 19:34:58

    掴みは良い感じ、なのかな?

  • 141◆VLlUGaOg9c25/10/13(月) 22:38:59

    >>137

    お祭り!?お祭りがあるのか!?


    ナレーション

     これにはカナも大興奮。スバルが「ああ、これはダメだ」と諦めの境地に入るほどに興味津々だった。

     しかし、無理も無い。アリウスがトリニティと合併してアリウス分派となってから本当に色々なことがあったが、

     「お祭り」という一大イベントはカナもまだ未体験。存在だけは知っていても、参加したことは一度も無い。

     つまり、お祭りはカナが・・・・・・・アリウスがかつて憧れた「普通」の象徴の1つなのだ。

     

    ニヤ「百鬼夜行のお祭りは凄いですよ?ウチのお祭り運営員会は優秀で熱意がありますからね~。

       特に委員長のシズコさんは、お祭りのためなら後先考えずに突っ走るので、本当に見ていて飽きな――

       ――ではなく、とっても素晴らしい仕事をしてくれる方です。期待して良いですよ?」


    じゃ、じゃあ、は・・・花火とかもあるのか?


    ニヤ「にゃはは!勿論ですよ、特別におっきいの沢山打ち上げてもらいましょう。

       チセも、新しい公演のために練習してくれていますからね~?ん~素晴らしい1日になりますよ、これは」

    カホ「ニヤ様、幾ら何でも今からそんなこと・・・」

    チセ「私も頑張るね~」

    カホ「ち、チセちゃん・・・・・・!」


    わぁ・・・っ!


    ナレーション

     おまけに、招待した側のニヤがこれでもかとハードルを上げてくれる。

     期待するな、というのも無理の無い話。ニヤが喋る度に、カナの目はキラキラと輝きを増していった。だが・・・・・・


    ニヤ「ですが、ちょーっとだけ、問題もありましてねぇ?」

  • 142二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 05:08:49

    お祭りにテンション上がるカナちゃんカワイイ

  • 143二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 08:23:52

    おや…?

  • 144二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 13:19:31

    花火!いいね!

  • 145二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 21:22:05

    何か事件か?

  • 146◆VLlUGaOg9c25/10/14(火) 22:33:10

    >>141

    カホ「ニヤ様、それは・・・」


    ナレーション

     ニヤが懐から取り出した木箱を見て、カホが何か言いたげに声を上げる。

     カナとスバルも木箱をよく覗き込んでみると、ただ簡潔に「花鳥風月部 拝具」とだけ達筆に彫られた字が見えた。


    ニヤ「カホはただのイタズラだろうとは言ってたんですが・・・・・・ちょっと、時期とタチが悪いと思いましてねぇ」


    これは・・・手紙入れるヤツか?土産屋で似た感じのヤツを見た。


    ニヤ「ええ。何日か前、陰陽部に届いたものです。差出人は見ての通り・・・・・・花鳥風月部。

       なんとこれ、かの伝説の「怪談」に存在する部活でしてね・・・・・・

       つまり、時代を超えて送られてきた手紙というわけです♪」


    怪談・・・怖い話か?


    ナレーション

     カナの問いに頷くと、ニヤはいかにも神妙な面持ちで説明を始めた。

     聞けば、花鳥風月部とは今では人々の噂話や講談の中にだけ出てくるような、存在も定かではない部活だという。

     聞いてみれば、本当に悪戯としか思えないような、雲を掴むように突拍子も無い話。ではあるのだが・・・・・・


    ニヤ「まぁ、こういう変なイタズラ自体は、まぁまぁ良くあることなのですが・・・・・・・

       ・・・簡単には信じられない、突拍子も無い話が現実になるのを体験したばかりですからねぇ」

    カホ「それは・・・そうですが・・・」

    ニヤ「しかも、復興の象徴になる祭りの直前、カナさんという特別なお客様が来ています。

       そんなただでさえ大変な時に、よりにもよって「脅迫状」ですからねぇ」


    ナレーション

     いかにも悲しげに肩を落としてみせるが、そんなニヤの表情は変わないまま名前通りににやにやと笑っていた。

  • 147二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 06:48:54

    もうそのタイミングだったか

  • 148二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 09:14:13

    ちょっと話それるがカナの補佐役として今回スバル来ているのなんというか良いなぁ…
    カナは敵だろうと助ける勢いで突っ込んでいくからブラックマーケットの大人相手に妥協点を提案&承諾させれる話術と思考を持っているスバルは適任なのかもしれないって思うわぁ…トリニティ相手じゃないから嫌味も言わないだろうし
    ただ、トリニティから迫害されてきたアリウスの境遇と花鳥風月部を重ねてしまったら嫌味でてきそうでちょっと怖いが…

  • 149二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 18:24:59

    まぁ大丈夫やろ

  • 150◆VLlUGaOg9c25/10/15(水) 22:26:29

    >>146

    なるほど、敵の詳細が分からないのは困るな。ごう・・・「お話」するにも相手が要るからな。


    ニヤ「え?今、何か凄く怖いこと言いかけませんでした?」


    ・・・・・・?敵勢力を探るのに捕縛と「お話」は普通じゃないのか・・・?


    ナレーション

     カナは胡散臭い顔なんか意にも介することなく、ただ純粋に百鬼夜行に迫る危機を憂いていた。

     場に即した正しい反応だが、ニヤは何にも疑われない上、初手で物騒な発想が出てくるカナに少し引いた。


    ニヤ「に、にゃはは!そんなことしなくても、百鬼夜行には優秀な忍者がいますからねぇ。

       情報はそれでバッチリ・・・・・・と言えれば、気楽だったんですけどねぇ」


    ナレーション

     しかし、そこは名高き陰陽部の部長様。ごう・・・「お話」の中身に恐れを覚えながらも、即座に軌道修正に入る。

     百鬼夜行とトリニティは同盟校なのだ。お互いに争う理由なんてないし、そも昔から仲の悪いゲヘナが居る。

     自分たちに喧嘩を売るような余裕も理由も無い筈です。・・・・と、内心に言い聞かせながら、ニヤは笑った。


    分かんなかったのか。


    ニヤ「一応、まだ調査中ではありますけどねぇ・・・・」


    ナレーション

     現状、忍者たちの調査は思うような成果を上げられてはいないらしい。

     ただの手紙1枚だけが手掛かりでは仕方ないが、実際、何の情報も出てこないとなると不気味に感じる。

     これが考え無しのイタズラならば、単なる不良の仕業ならば、人の噂ぐらいは出てきても良いモノだ。

  • 151二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 23:57:54

    「お話」(優雅なトリニティスラング)

  • 152二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 05:04:09

    トリニティ仕草のなんと恐ろしいことよ

  • 153二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 12:18:31

    しゃーない
    同じ状況なら自分もそう思う

  • 154二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 20:49:59

    保守

  • 155◆VLlUGaOg9c25/10/16(木) 22:08:37

    ニヤ「それで、後手には回ってしまいますが警備を厳重にして対策を・・・・・・と言いたいところなのですが、
       その警備が1番の問題でしてねぇ」

    ナレーション
     脅迫状は不気味には違い無いが、こんな良くあることで一々イベントを中止していては何も出来ない。
     お祭りは中止出来ない以上、もう事件への対策は警備に頑張って貰う他無く、
     トリニティにおける正義実現委員会にあたる治安維持組織・・・・・・百花繚乱紛争調停員会に任せるしかない。
     

    警備ってことは・・・・・・キキョウが入ってるっていう・・・・・・
    スバル(小声)「(百花繚乱紛争調停委員会です)」
    そう、百花繚乱紛争調停委員会に何かあったのか?

    ナレーション
     ないのだが、ニヤはその警備にこそ1番の問題があると言う。
     1度同じ船に乗っただけとはいえ、キキョウも同じ戦場をともにした謂わば戦友。
     そんな彼女に一体何かあったのか?そう思うと、カナも不安そうに眉をひそめた。

    ニヤ「にゃはは!心配は要りませんよ、別に誰が怪我したとかではありません。
       ただ以前から委員長と副委員長が行方をくらましていて、活動がほぼ停止している状況でしてねぇ・・・・」

    え?やばくないか?

    ナレーション
     冷静に考えてみれば、普通にかなりやばい事態だ。
     百鬼夜行は観光で有名になるほど治安が良いが、それでも些細なことで銃撃戦が始まるキヴォトスに違い無い。
     そんな中で治安を護る・・・謂わば警察や軍隊にあたる組織が丸ごと活動停止というのは、間違いなく異常事態。
     これがゲヘナであったなら、1日と持たずに自治区が更地になっていたであろう大事件だ。

    ニヤ「そうなんです、やばいんですよ。でも、私たちとしても活動しない彼女たちを何時までも庇うのは難しく・・・・」

  • 156二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 01:33:44

    アリウス分派の一番の外交カードを出しやすい状態かな?
    案外、それを見込んで内情を明かしてそうだけど

  • 157二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 06:54:43

    やっぱ長いって紛争調停委員会は

  • 158二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 12:35:07

    ここマジでヤバいんだよな
    カナちゃんはどうするんだろ

  • 159二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 19:37:30

    保守

  • 160◆VLlUGaOg9c25/10/17(金) 23:24:04

    >>155

    ナレーション

     予算も土地も有限である以上、実績のない組織を何時までも厚遇は出来ない。

     身内に滅茶苦茶甘いセミナーでさえ、まったく実績をあげない部活には廃部勧告を行う。

     トリニティの生徒会でもあるカナには、ニヤの言いたいことが良く分かった。

     

    それは・・・・・・そうだな。ニヤは正しい。けど・・・何か・・・・・・っ!


    ナレーション

     しかし、トリニティの生徒会でもあるが故に、治安維持の重要性も良く分かる。

     加えて、戦友であるキキョウの所属・・・帰る場所の危機となれば、個人としても無視は出来ない。カナは、唸った。


    ・・・そうだ、キキョウ!キキョウはウトナピシュティムに乗った!百鬼夜行の代表として、だ!


    ニヤ「にゃはは、お見事!・・・と言いたいところですが、その実績で何とか時間稼ぎしてる状態でしてねぇ。

       それに彼女たちが活動を停止しているのも事実ですし、やはり根本的な問題を解決しなければ・・・・・・」


    ナレーション

     そうして唸りに唸って、何とか絞り出した策も時間稼ぎにしかなっていないらしい。

     ニヤの言う通り、百花繚乱が抱える問題の根本的な解決が必要になる。なるのだが・・・・・・ここでカホが顔を顰めた。


    カホ「あの、ニヤ様?大切なお客様とはいえ、流石に外部の方に対して色々と話しすぎでは?

       トリニティは同盟校ではありますが、完全中立のシャーレとはまた違いますし・・・・・・」

    ニヤ「という訳で、カナさんには是非とも百花繚乱の問題解決に協力していただけたらと・・・」

    カホ「ニヤ様っ!?聞いていらっしゃいますかっ!?」


    ナレーション

     しかし、悲しきかな。カホの忠言は右に左にと聞き流されてしまった。

  • 161二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 06:59:21

    カホちゃ~ん

  • 162二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 07:14:47

    お労しや、カホ上ww

  • 163二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 14:21:11

    我が道を行く

  • 164二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 21:43:39

    忠言は流すもの

  • 165◆VLlUGaOg9c25/10/18(土) 22:26:15

    >>160

    い、いや・・・・・良いのか?


    ナレーション

     カナは横目にカホを捉えながら、本当に良いのか?と慎重に確かめる。

     ニヤは聞き流した忠言だったが、直ぐ近くで聞いていたカナは聞き入れていた。


    ニヤ「いいんですよぉ!私だって、考えなしにあれこれ喋っている訳じゃありません。

       ですが・・・・・・そうですね。カホに納得して貰うためにも、もうちょっと詳しいことも喋っちゃいましょうか」


    ナレーション

     対するニヤも狼狽えず、まるで予定通りだとでも言うように・・・いや、もしかしたら本当に想定通りなのか?

     自分の望む方向へと、自然に話の流れを進めて見せる。こうなったら、カホもカナも黙って聞くしか無くなった。


    ニヤ「カナさんたちにも楽しんで貰ったように、観光業というのは百鬼夜行の自治区でも大きな存在です。

       ですが、色んな自治区からお客様を迎えるには、当然、安心して羽を伸ばせる場所でないといけません。

       百鬼夜行は治安の良い観光地ですが、だからこそ、その治安の良さを維持する努力が重要なんです」


    ナレーション

     おさらいの意味も込めて、改めてニヤは治安維持の重要性を力説する。

     他の学園の自治区に比べても百鬼夜行は治安が良いが、その治安の良さという安心の有無は信頼に直結する。

     平和が当たり前になれば危機感も薄れるものだが、その平和という安心は努力で護られた宝なのだ。と・・・・・・


    ニヤ「もちろん、百鬼夜行にも頼もしい生徒たちが沢山居ますからね。

       百花繚乱の助けなくとも、自らの手で脅威の火の粉を振り払い、事件を解決することあります」


    ナレーション

     カナたちは知らないが、実際に百花繚乱の助けなく事件を解決した事例が百鬼夜行にはある。

     最近でも、お祭り運営委員会が「外道ニャン天丸事件」や「ロスト・パラダイス・リゾート事件」を解決してる。

  • 166◆VLlUGaOg9c25/10/18(土) 22:45:38

    >>165


    ニヤ「ただ・・・・・・そんな彼女たちも四六時中、この広い自治区をパトロールしてくれる訳ではありません。

       そもそも百鬼夜行の自治区全体を見回るとなったら、相応の人数と連携が必要なので、

       他の部に委託するというのも現実的ではありませんし・・・・・・」


    ナレーション

     しかし、強いから、実績があるから、じゃあ治安維持が出来るかと言われると話は変わる。

     そもそも、生徒たちにもそれぞれの事情があるのだから、本業でもない治安維持に何時間もつかえない。

     仮に数多くの生徒たちが治安維持に協力しても、彼女たちが連携を取れる訳でもない。

     当たり前の話だが、治安維持組織の「代わり」なんて早々用意出来るモノでは無いのだ。

       

    ニヤ「・・・何より、彼女たち百花繚乱は百鬼夜行の治安の良さを象徴する。いわば、平和のシンボルです。

       それが無くなってしまうのは困りますし、何より・・・・・・寂しいですからね」


    ナレーション

     何時も何を企んでいるか分からないニヤだが、不思議と最後の一言だけは本音だと分かった。

  • 167二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 06:28:49

    本音と建前のバランスがいいよね。

  • 168二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 13:22:49

    強くてもメインのお仕事は別だからねぇ

  • 169◆VLlUGaOg9c25/10/19(日) 18:35:12

    >>166

    代理モブ「正直、舞台が百鬼夜行の外だった「出張!百夜堂海の家FC計画」は兎も角、

         「桜花爛漫お祭り騒ぎ!」や「不忍ノ心」の事件は本来なら百花繚乱が何とかする事案ですよね」


    代理モブB「イベントの事件は先生と生徒たちが何とかしましたが、先生はキヴォトス全体の先生ですからね。

          先生が幾ら凄くても、先生が居るから大丈夫にはならないんですよ」


    代理モブC「現実的な事情を抜きにしても、ニヤは飄々としていても百鬼夜行への愛校心はあると思うので・・・・・・

          ・・・アビドスほど分かり易い描写はありませんが、陰陽部は実質生徒会に近い仕事ですからね。

          政治屋なんて理想や愛校心が無いと出来ませんし、やろうとも思いません」

  • 170二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 22:33:12

    ようやっとる

  • 171◆VLlUGaOg9c25/10/19(日) 22:48:29

    >>166

    カホ「百花繚乱を復活させたい理由は分かりました。しかし、それなら何故、トリニティに依頼を?」


    ナレーション

     寂しい。なんて言われては、カホとしても強くは言えない。

     カホ自身、百鬼夜行連合学園という学校が大好きで、この自治区が大好きで陰陽部に入ったのだ。

     気持ちはよく分かるのだから否定する気はもうないが、それでも何故、外部の生徒を頼るのかは分からない。

     そんなに大切なことなら、それこそ百鬼夜行として動けばいい。カホはそう思っていた。


    二ヤ「トリニティではなく、トリニティ総合学園ティーパーティー アリウス分派ホストの神子柴カナさんに、です。

       トリニティが同盟校なのもそうですが、カナさんという「個人」への信用もあっての依頼ですからね」


    ありがとう。…でも、なんでだ?ニヤに何かしたか?


    ナレーション

     コテンッと可愛らしく小首を傾げたカナに対して、二ヤは心なしか少し優しい笑みで指を差す。

     …もっと正確に言えば、二ヤが指差したのはカナが身に着けていた羽織だった。


    二ヤ「その羽織と簪…いわゆる和装はキヴォトスだと百鬼夜行独特の文化です。

       カナさんは今回の外交の場に、重要な話し合いの場にそんな衣装を着てきました。

       …狙ったことかは知りませんけど、百鬼夜行の文化と在り方に寄り添うことを選んでくれましたからね」


    そうだったのか……っ!?


    ナレーション

     あくまでもトリニティ生としてティーパーティーの白い制服を着ながら、百鬼夜行の羽織を羽織る。

     カナは「これ可愛い!」だけの理由で身に着けていたが、その衣装には両校の双方を尊重する意思表示でもある。

     意識的か、無意識的にかは分からずとも、そんなカナの寄り添いの姿勢を二ヤは高く評価したのだ。


    二ヤ「そうなんですよぉ。それで、そんな信用出来る外部の方だからこそ、百花繚乱の件はお願い出来るんです」

  • 172二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 07:01:05

    なるほどなぁ

  • 173二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 12:29:00

    カナの好奇心旺盛なところがいい感じに作用したな

  • 174二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 20:43:03

    頼んだぞカナちゃん!

  • 175◆VLlUGaOg9c25/10/20(月) 22:20:29

    >>171

    代理モブ「よく見たら、画像が私たちじゃないですか……本当に申し訳ない」


    >>171

    カホ「だから、その外部の方でなければならない理由は何なのですか?」


    ナレーション

     外部の人間の中でもカナを選んだ理由は分かったが、肝心の百鬼夜行で動いてはならない理由が分からない。

     話が進んでも一向に得心がいかないカホが焦れてきたのを、二ヤは揶揄うように笑って言った。


    二ヤ「カホ、本当に分からないんですか?私たちは「陰陽部」ですよ?」

    カホ「だから、それがいった…い……っ!?」


    ナレーション

     試すような口振りで与えられたヒントから、答えに辿り着いたらしいカホは「あっ」と口を開けたまま固まる。

     そう、動けるはずがないのだ。二ヤたちはあくまでも陰陽部でしか無いだから。


    カホ「ただでさえ、成果をあげられていない活動に対して表立って支援を与えることは公平性の観点から難しい。

       これが他の学園なら生徒会としての権力を振るうことで、治安維持の名目で動くことも出来ますが……」

    二ヤ「私たち陰陽部は、百鬼夜行の代表であって生徒会ではありません。

       実質的な役割は近いですが、私たちに与えられた権限は通常の生徒会よりも少ないんです」


    ナレーション

     キヴォトスの各学園自治区における政治の中枢であり、学園から自治区全体を管理する行政機関。それが生徒会だ。

     陰陽部はあくまで百鬼夜行の代表であり、調停役でしかなく、百鬼夜行の統治者としての王権を持たない。

     彼女たちが生徒会の代わりとして、学園の調停者の地位を認められているのは一重にその公正さが故であり……

     …治安維持という大きな理由があったとしても、強権を振るうことは難しい立場にあった。

  • 176二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:55:25

    なるほど…トリニティではなくカナ個人と強調した意味も見えてくるな

  • 177二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 07:10:52

    保守

  • 178二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 08:53:05

    上手いこと考えるなぁ

  • 179二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 17:14:30

    陰陽部が治安維持のために動けないのは百鬼夜行での立ち位置が影響してるのね

  • 180◆VLlUGaOg9c25/10/21(火) 22:44:57

    >>175

    ああ、なるほど。善意の第三者の協力で自然に解決した……って風にしたいのか。


    ニヤ「にゃはは、ご名答~!やっぱり、カナさん頭いいですねぇ」


    ナレーション

     丁寧に陰陽部の立ち位置を説明されたことで、ようやくカナとスバルも納得した。

     ようするに、百花繚乱が友だちの助けをえて立ち上がる。よくある青春の1ページ。という形にしたいのだ。

     「ただの神子柴カナ」が主体となって百花繚乱に働きかければ、陰陽部は何の関係も無いように見える。

     実際はカナがニヤの依頼で動いていたとしても、そんなものは「はて、何のことですか?」で押し通せばいい。

     トリニティに限らず、政治とは本音と建前が入り混じるものだ。


    二ヤ「カナさんなら信用出来ますし、百花繚乱に顔見知りも居ますからね。

       本当は先生を彼女たちと引き合わせて、何とかして貰おうと思っていましたが……どうにも忙しいようで」


    ああ。なんか、アビドスが大変らしい。ホシノがモモトークで言ってた。


    ナレーション

     ニヤの言う通り、今のシャーレの先生はアビドスからの長期依頼でスケジュールががっちり埋まっている。

     それでも生徒第一主義の先生なら呼べば来てくれるだろうが、

     アビドスの件に百花繚乱の復活と、大仕事二つを並行させるのは流石に無茶が過ぎるというもの。

     なので今回ばかりは、頼れるシャーレの先生の助けは期待出来なかった。


    二ヤ「なので、カナさん。百花繚乱の皆さんのこと…宜しくお願いしますね」


    ナレーション

     口調はいつもの調子のまま変わらず、しかし、ニヤは深々と頭を下げた。

  • 181二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:39:02

    向こうがちょうど同時進行な世界線かぁ
    それはキツイ

  • 182◆VLlUGaOg9c25/10/22(水) 06:46:56

    代理モブ「原作で先生に対して、切羽詰まった感じで百花繚乱のことを話さなかった理由について、
         1なりに考えた結果、どうせ先生は百花繚乱のことで必死なユカリと引き合わせるだけで動いてくれる。
         そういう確信があったから、自分からは依頼しなかったと解釈しました」

    代理モブB「その点、カナは人格的には信用が出来ても、あのトリニティの首脳陣の一人。
          変にトリニティ側に事情を話されたりすると困ることになるかもですし、
          イベントストーリーで前から来てた先生と違い、カナは初めての百鬼夜行ですからね。
          信用は出来ても信頼はしない。だから、変な拗れ方をしないように裏側まで全部話した。という訳です」
        
    代理モブC「先生はアビドスにいますからね。仕方ありませんね」

  • 183二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 10:17:20

    ここで察してもらおうとすると明後日の方向に行きかねないからね

  • 184二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 18:10:14

    カナちゃんうまくやれるかな

  • 185二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 23:01:32

    あくまで知り合いだからね
    セーフ

  • 186◆VLlUGaOg9c25/10/22(水) 23:03:00

    >>180

    《桐生キキョウの家 客間》


    という訳で、ここに旗を立てる!


    キキョウ「いや、何が「という訳」なの?」


    ナレーション

     あの日、ウトナピシュティムに乗り込んだメンバーはみんなモモトークを交換した戦友である。

     キキョウも、あのカナが瀕死の重傷から回復して百鬼夜行までやって来たとなれば会わない訳にはいかない。

     ………短期間でもカナが無茶やる人物なのは良く知っていたので、キキョウなりに心配もしていたのだ。

     そうしてキキョウの家に招待されてから、百花繚乱に協力したいという旨を(スバルが)上手く話してくれた。

     ……次の瞬間の台詞がこれだ。いきなり旗が出てきて、流石の作戦参謀様も意図が分からず困惑するしかなかった。

     

     

    キキョウ「カナが百花繚乱を復活させたい事情は…まぁ、大体分かった。

         多分、ニヤ様あたりが何かを吹き込んだんだろうけど……話自体は正直ありがたいわ。歓迎する」


    ナレーション

     説明の折、ニヤから聞かされた裏事情を鑑みて、スバルは上手いこと陰陽部から依頼されたことを伏せていた。

     だが、そんなスバルの努力はキキョウの頭脳を前に露と消え、数秒と掛からずに陰陽部の関与を見破られてしまう。

     スバルは驚愕と徒労感に、がっくりと肩を落すしかなかった。


    キキョウ「私も、このまま百花繚乱を終わらせようとは思わない。諦めの悪さを……カナ、貴女から学んだもの。

         痛くても、辛くても、苦しくても……残された私たちは、私たちの道を歩き続けるしかない。でしょう?」


    ナレーション

     ウトナピシュティムでの旅路で、戦いから学んだことが、キキョウに諦めという逃げを許さない。

     絶望と苦痛の末に悪として散ろうとしたミカ*テラー、彼女を助けるために命を懸けて戦ったカナ。

     あの日、通信機越しに見た光景が、聞いた声が、今もキキョウの奥深く焼きついていた。

  • 187二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 07:26:28

    保守

  • 188二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 10:04:12

    お互いに印象強いの良いね

  • 189二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 17:53:13

    あの時もカナちゃんボロッボロになったもんなぁ

  • 190二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:54:19

    このレスは削除されています

  • 191二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 23:00:16

    >>186

    キキョウ「…でも、それが何で旗の話になるの?」


    ナレーション

     それはそれとして、キキョウは唐突なことを言い出したカナに対して説明を求める。

     話の流れからして、百花繚乱の為なのは想像に容易いし、キキョウは予想もある程度立てていたが……

     …それでも互いがすれ違わないためには具体的な説明が必要だ。


    襲撃ならまずは潜伏が大事だが、治安維持なら目立つのが大事…らしい。

    前にイチカが言ってた。正実の服が真っ黒なのは、目立ってみんなに見つけて貰うためでもあるって。


    キキョウ「不逞な輩に対しては警備の存在を示して牽制し、一般市民には安心の象徴として存在を認知してもらう。

         …合理的な戦略なのは認める。百花繚乱にも制服の羽織があるけれど……」


    ナレーション

     治安維持の観点から見て、維持する側の存在を喧伝するのは非常に重要なことだ。

     一般の人にいざという時に頼れる相手が居るというのは安心に繋がるし、何か起こっても通報してくれる。

     犯罪者側から見ても治安維持組織の前でことを起こすのはリスクが高く、そこに居るだけで牽制になる。


    足りない。とは言わないけど、百花繚乱は長いこと活動休止してた……んだよな?


    ナレーション

     …でも、それは治安維持組織としての信用と裏付けになる実績があればの話。

     そして信用とは積み重ねが生み出すもの、長く仕事を放り出している今の百花繚乱は失っているかもしれない。

     そうなったら、0から…いや、一度役目を投げだしたという-を背負いながら、また信用を積み重ねる必要がある。

     

    キキョウ「だからこそ、今まで以上に私たちの活動と存在のアピールが必要か……」


    それに、私が旗振りたい。ブンブンってやるの、きっと楽しい。

  • 192二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 23:11:33

    おい最後w

  • 193二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 23:44:15

    これは見事な賢さとおバカさの両立具合

  • 194二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 07:26:37

    保守

  • 195二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 12:35:02

    旗振りは楽しい
    棒を振り回すだけでも楽しいのにはためく旗が付いてるんだぜ
    楽しくないわけがない

  • 196二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 20:24:59

    >>195

    わかる(なお体力)

  • 197◆VLlUGaOg9c25/10/24(金) 22:30:57

    《百鬼夜行連合学園自治区 狸町》

    店員の少女「ちょっと、久しぶりで感覚忘れてるなぁ…」

    ナレーション
     少女は久方ぶりに実家の串焼き屋を手伝っていた。
     というのも、最近までは違う仕事を……百花繚乱紛争調停員会で働いていたのを、やめて出戻って来たのである。
     かつての少女は、アヤメ委員長に憧れて百花繚乱の門戸を叩き、青春を捧げて粉骨砕身したツワモノであった。

    店員の少女「アヤメ委員長も良くやってたよね。委員長やりながら、色んな店手伝うとか……仕事量おかしい」

    ナレーション
     少女も薄情者ではない。不意に懐かしい名前が出てくる程度には、未練がある。
     だが、しかし、今の百花繚乱はただの抜け殻だ。アヤメ委員長も、あの今一頼り甲斐のない副委員長もいない。
     初めの内は2人が帰る場所を守ろうと気を張っていた少女だったが、1人また1人と百花繚乱から人は去っていき、
     まとも活動もままならないまま月日だけが流れる中で擦り切れていき……とうとう、諦めてしまった。

    ズガァァンッ!!(爆発音)
    魑魅一座「アタシたちは百鬼夜行の昼飯を支配する魑魅魍魎—―‐―魑魅一座・昼飯流!」

    店員の少女「魑魅一座っ!?アイツ等、また……っ」

    ナレーション
     蛮行を前にして、少女は殆ど無意識に銃へ手を伸ばし…空を掴んだ。
     手が空を掴んだことで、「ああ、制式ライフルは百花繚乱を出た時に返したんだったな……」と、気がついた。
     気がついて、今更自分が出て何になる?と、自分に問いかけてしまい……答えられない無力感に立ち止まった。
     未練はある。あるから、銃を手に戦おうとした。だが、しかし、それでも、少女は百花繚乱をやめたのだ。

  • 198◆VLlUGaOg9c25/10/24(金) 22:59:23

    >>197

    御用改めだ!


    ナレーション

     声とともに現れたのは、見慣れた羽織りと見覚えのある顔だった。

     朝方に来た客だ。純白の制服に美しい所作、気安いながらも一歩後ろに控えた従者を連れた、どこかのお嬢様。

     珍しいタイプの客な上に、美味い美味いと声をあげて喜んでくれるから、一回会っただけなのに印象に残っていた。

     そんなお嬢様が百花繚乱の羽織を着て、旗を掲げた。色んな花が寄り集まり、百花繚乱の字を囲んだ旗印を。


    魑魅一座「なんだ、百花繚乱じゃないか」


    ナレーション

     魑魅一座の代表が嘲笑するが、お嬢様は怯まない。どころか、少しも動じずに堂々と旗を振って見せる。

     そんな彼女の代わりに、魑魅一座へと襲い掛かる少女たちの姿あった。


    魑魅一座「…旗?なんだか良く分からんが、ずっと休んでたお前等なんか、何が怖いもんか!

         お前等、やっちま――」

    ズダァン!!(発砲)

    魑魅一座「え゛ぇっ!?」

    魑魅一座のしたっぱたち「リーダーがやられたぁっ!?」「この人でなし!」「卑怯者ぉ!姿を見せろぉ!」


    ナレーション

     奇襲だ。それが旗振りお嬢様は囮。彼女が周囲の視線を引き付ける間に、彼女たちは銃を構えて引き金を引いた。

     青に白い花をあしらった羽織、約一名…お嬢様の従者だった生徒を除いて全員揃いの制式ライフル、そして旗。

     人数はずいぶん少なくなったが、それでも彼女たちはかつての誇りを宿した目で名乗りを上げた。


    キキョウ「御用改めよ!今回の一件、私たち百花繚乱が預かるわ!」

  • 199◆VLlUGaOg9c25/10/24(金) 23:19:50

    代理モブ「例の如く、次スレは明日になりますので本スレは好きにしてください」

    代理モブB「話の内容で言うなら、キキョウがまだ百花繚乱を諦めてないことでユカリもそれに賛同してる感じです。
          でも、レンゲはまだ修業部ですし、ナグサも帰ってきてはいません」

    代理モブC「なので今の百花繚乱は、名誉百花繚乱というなのゲスト…カナとスバルに、ユカリとキキョウの4人だけ。
          そんな即席少数精鋭なので、魑魅一座相手に囮作戦という手の込んだ戦術を用いたわけですね」

  • 200二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 08:51:16

    即席で少人数とはいえ復活した百花繚乱に元メンバーの子は何を思うかな?
    カナは初めて会う相手から所作が美しいと思われるほど成長したんだね

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