[オリキャラ・オリ学園]ようこそ先生、呪われた地へ….outfilme2

  • 1125/09/21(日) 07:55:47

    あらすじ(ネタバレを含みます)


    ルイスパリッシュ統合学園…今は亡き学び舎にして祝福がありふれていた地

    いつしかそこは呪いに満ち、未だ改善の手も不確かな……闇と恐怖に塗り替えられた地で

    今日も彼女達は呪いを観察し倒し、そして保護する…学校と人を。忘れられないために…

    これは呪われた地で活動する、ルイスパリッシュ観光協会の些細な記録。


    と、言う感じのイベスト概念?ssスレです。

    前スレ

    [オリキャラ・オリ学園]ようこそ先生、呪われた地へ….outfilme|あにまん掲示板あらすじ(ネタバレを含みます)いなくなってしまった友達を探す「夜目」が効くというトリニティの生徒マナ先生と彼女は突如、既に廃校となった呪われた地、ルイスパリッシュ統合学園へと迷い込む謎の異形蔓延るかつ…bbs.animanch.com

    まとめ

    オリキャラ・オリ学園ssスレ ようこそ先生、呪われた地へ… まとめ | Writeningあらすじ# トリニティ総合学園に用事で赴いていた先生は ブラックマーケットに行こうとしているという生徒、日向マナと出会う。 "夜目"が効くという彼女はいなくなってしまったという「友達」を探す…writening.net
  • 2125/09/21(日) 07:58:35

    人物・組織


    「シャーレ」

    先生

    言わずと知れたシャーレの先生

    生徒の頼みを聞き、廃校となった呪われた学園へと

    友達探しを手伝うことになる。


    「トリニティ」

    日向マナ

    トリニティ総合学園1年生

    入学数か月前にいなくなった友達を探しに

    呪われた学園へと関わっていく。

    本人の特技として、"夜目"が効くとのこと。


    使用銃器


  • 3125/09/21(日) 08:02:01

    [ルイスパリッシュ統合学園]
    三つの学園、ルイシアン農業校、デルタ商業校、セイブル工業校が
    一つに統合されてできた学園で、三大校に匹敵するとも言われていたが
    突如現れた異形達により学園が荒廃、尽力及ばず土地ごと閉鎖という
    異例の措置をもって閉校となった。
    在籍していた生徒たちは例外なく他校へ編入している。
    学園では3校時代から、新入生は献杯と呼ばれる葡萄水と祈祷を行う行事があり、
    これらを行った生徒たちは"夜目"が効き「暗視」が使えるという。
    学園の下地にしたのは元のゲームと同じルイジアナ州

    ルイスパリッシュ統合学園では、生徒間によるアルコール類の醸造、流通、消費が行われていたのが
    観光協会のメンバーから示唆されている。

    [ルイスパリッシュ観光協会]
    当時の生徒会メンバーを筆頭に他学園に転入した一部の生徒たちによる連邦生徒会非認可の課外活動組織。
    目的は、ルイスパリッシュ統合学園の復興、保護、保全
    現在は、学園を忘れてもらわないために歴史や資料の管理
    イベントの開催も計画しているが、異形の存在により上手くいっていない。
    異形からとれる"証拠"や噂を聞きつけて侵入してくるならず者たちの
    取り締まりも行っており、協会員全体の練度は高い。
    行政に反していると理解しても活動を行うのは、愛しく懐かしき学園を想う心。ただそれだけである。
    デルタ商業高の4番目に大きい駅を協会本部として再利用、活動拠点にしている。

  • 4125/09/21(日) 08:05:07

    [ルイスパリッシュ観光協会]

    周藤リコ

    ルイスパリッシュ観光協会の協会長

    本人曰くお飾り会長

    迷い込んだ先生とマナを歓迎し力を貸す。


    使用銃器



    木ノ下サヨコ

    観光協会の実質的なNo.2でまとめ役

    迷い込んだ先生とマナが最初に会った協会員

    キヴォトスでは珍しく槍を使う。

    現ミレニアムサイエンススクール2年生。


    使用銃器



    籔島ニィナ

    迷い込んだ先生とマナが最初に出会った協会員の一人

    平坦で間延びした口調が特徴的な現ヴァルキューレ警察学校2年生。


    使用銃器


  • 5125/09/21(日) 08:06:54

    山城リリ

    ルイスパリッシュ観光協会で鉄道復旧委員会をやっている。

    明るく快活な人物だが、鉄道復興の想いは強い。

    現ゲヘナ学園2年生、ゲヘナでも小さな鉄道を営んでいる

    初代スレ53が考案してくれた生徒


    使用銃器


    桂城スズ

    ルイスパリッシュ観光協会で鉄道復旧委員会をやっている

    黒い狼耳が特徴的な長身スレンダーな現ゲヘナ学園2年生

    初代スレ85が考案してくれた生徒


    使用銃器



    一五呂イコ

    ルイスパリッシュ観光協会で広報を担当している、現トリニティ総合学園3年生。

    丁寧な口調だが、言葉に含みを持たせがちな天然のカッコつけ


    使用銃器


  • 6125/09/21(日) 08:08:55

    「???」

    三木クシロ

    いなくなってしまったマナの友達

    闇に囚われていたマナの友達、未だ抜け出すことはできないが

    自分の意思で闇から友達の元へ会いに行くと決めた。


    使用銃器


  • 7125/09/21(日) 08:12:34

    本編は既に終わっておりますが、笛版そしてこれから投下予定のサイドストーリーに

    ねじ込めるかもしれないので……もしよろしければ下記を参照して生徒さんを作ってみてください。


    こちらのスレの52からの引用です

    [オリキャラ・オリ学園]ようこそ先生、呪われた地へ…|あにまん掲示板「…生……、先生…」誰かの声が聞こえる…たしか私は…「先生!」上から強く呼びかける声に私は飛び起きた。呼びかけくれていた彼女は、飛び起きた私に少し驚いていたがホッと胸をなでおろしていた。周りを見渡すと…bbs.animanch.com

    下記を守っていただければルイスパリッシュの生徒を

    想像していただいて構いません。


    ・1年生はいない。

    ・現在は他学園の生徒

    ・武器は1890年代の代物(分かりづらかったら下記のwikiを参照)

    武器 - Hunt: Showdown 日本語攻略 Wikiハンターは武器を2つ所持することができ、それぞれの武器はLarge(3マス), Medium(2マス), Small(1マス)の3つのカテゴリに分かれている。 装備できる武器は2丁で計4マス。詳しくは下記のように制限される。 プライマリにLargeの武器を装備 → セカンダリはSmallのみ装備可能。 プライマリにMediumの武器を装備 → セカンダリはMediumかSmallを装備可能。 プラjpngamerswiki.com
    Hunt: Showdown Wikihuntshowdown.fandom.com

    だいたい、このあたりを守ってもらえれば

    お好きに作ったり、協会内での役職とかも

    勝手に生やして貰っても大丈夫です。


    こちらが物語の下地にしたゲームのsteamページです

    Steam:Hunt: Showdown 1896歴史に失われた澱んだ水場で、腐敗生物を狩れ。時を超越した邪悪な存在を相手取り、異形のモンスターたちと血眼で襲いくる他のハンターたちと死闘を繰り広げろ。ソロで、チームで、このハイリスクハイリターン・タクティカルPvPvE FPSを生き残れ。この世界にヒーローはいない。己のすべてを賭け、ハントに飲み込まれてゆけ。store.steampowered.com
  • 8125/09/21(日) 08:21:48

    全然出来上がって無い中のサイドストーリー2スレ目です。
    見てくださってる皆さまには申し訳ありませんが、ゆっくりですが設定やあらすじ、ss投下をやっていきます。

    todoリスト
    ・ss[協会結成前夜]
    ・ルイスパリッシュ制服
    ・観光協会のキャラデザ(画像メーカー)

    必須はこの3つでしょうか……頑張ります。

    ターゲット以外の異形のスクショを貼っていなかったので、改めて設定と共に投下します。
    画像は英語wikiからの引用です。

  • 9125/09/21(日) 08:37:04

    [異形]

    闇から出づる人ならざる亡者たち

    普段は、昼夜問わず学園内を彷徨い音に敏感、見つけると襲い掛かってくる。

    倒しても倒しても何処からともなく現れており、調査を行った者たちは

    ここはある意味、時間が止まった悪夢と称した。


    歩兵

    1800年代後半の服装をした男女の異形

    腐敗の様なただれた肌とうなり声をあげ、普段はよろよろとした動きで彷徨っているが

    生者をみつけると、小走りで近寄って襲い掛かる。

    耐久力は低く、拳銃なら2,3発、頭を狙えば素手でも一撃で仕留めることが出来る。

    歩兵に限らず、異形の者は総じて耳が良い。不用意に銃を構えるのは得策とは言えない。


    装甲兵

    丸まった枯れ木の様な固い外皮装甲に覆われた膨れた異形。

    動きは遅いが、有り余る堅牢さを持っており頭部も外皮で隠れているため

    高い破壊力を持つ武器以外では、正面切って戦闘するのは正気ではない。

    肥大した片腕のかぎ爪も特徴。


    感染者

    胸部から突き破った毒蟲の巣を持つ、女性の異形。

    体に毒を持つ虫を巣くわせており、常に周囲を飛んでいる。

    感知範囲が広く、見つかると毒蟲をけしかけてくるので非常に厄介。

    弱点の頭部も、向き出た巣の影響で、背中側に垂れ下がっており狙いづらい。

    本体が倒れれば蟲も息絶える。

  • 10125/09/21(日) 08:45:38

    肉頭

    ぶよぶよと肥え太った頭の無い人型の異形と、周囲を這うヒルにより構成される異形。

    異形は頭が無く、高い髄力と脂肪により強固で強い力を持ち相手取るのは非常に厄介である。

    周囲のヒルは肉頭の頭部の代わりを担っており、下手にヒルに手を出すと

    肉頭に伝わる可能性があるため、手を出すのは避けるのが良い。


    猟犬

    骨がむき出しのまさに地獄から這い出てきたような猟犬。

    常に複数で活動しており、見つかると素早い動きで、鋭利な牙と爪による失血に見舞われる。

    歩兵もそうだが、稀に頭部に鉄兜を被っている個体も報告されている。


    異常者

    常に燃え盛っている痩せこけた人型の異形

    見つかると、走って襲い掛かってくるが何より厄介なのが

    銃撃を受けると爆発し周囲を燃え上がらせるため非常に厄介。

    それ以外では爆発も起きないため、近接であれば比較的安全に処理ができる。


    ウォーターデビル

    水中に潜む触手の群体の異形

    水に入るまで姿を見せないため、視認は難しく水面に浮かぶ小さな飛沫や波紋で確認が可能

    触手は鋭利なのか、振り回すそれは肌を切り裂きこちらに絡みつく。

    生命の源流ですら呪われてしまったと言うのか…

  • 11二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 08:59:23

    たておつ

  • 12二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 11:12:10

    たて乙ー
    まぁまったり行きましょう
    主も根詰めすぎない様にね
    楽しみにしてるからさ

  • 13125/09/21(日) 18:18:58

    前スレでワイルドハントとの絡みを想像したあらすじを書きましたが
    ミヨがまさかの部長だったため没案になりました。
    それと、こちらの都合でルイスパリッシュの生徒の詳細な設定を纏めることになったので
    出来上がったらこちらにも投下します。
    1生徒1レスに収まりきらないと思うので、writening使う予定です。

  • 14二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 22:55:44

    ワイルドハントとの絡みはもっと見てみたかったけど、ゲーム本編の設定と噛み合わなくなるなら仕方ないね

  • 15125/09/22(月) 00:35:23

    >>14

    とはいっても、イベントも目前ですし

    受け渡し役と思われるフユや怪力娘のリツ

    EXでタイプライター打ってるミヨ等目白押しなので

    また何か思い付くかもしれません。

  • 16二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 00:50:19

    のんびり構えていきましょう
    イイネタが涌いてくるかもですし

  • 17二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 01:44:57

    はい

  • 18二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 10:05:04

    保守

  • 19125/09/22(月) 18:05:10

    試しにPicrewの適当なメーカーで、マナを作ってみました。
    ストローハットは無かったです…

  • 20二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 20:23:10

    かわいい

  • 21二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 21:15:43

    不安そうな感じが実に良いですねえ

  • 22二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 23:23:03

    良いね

  • 23二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 08:22:14

    保守

  • 24二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 14:27:17

    不安そうな表情がいいな

  • 25125/09/23(火) 21:54:20

    いま、生徒達の設定を纏めています
    ようこそ先生(ryって、ネームド8人もいたんですね……
    あっ、前スレ埋めてくださった方々ありがとうございます。

  • 26二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 23:11:47

    改めてオリキャラの人数を数えると結構いるね

  • 27二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 08:12:21

    散らばるからねぇ

  • 28二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 17:02:56

    保守

  • 29125/09/24(水) 22:13:24

    イベントを見てますが、フユとイコを絡ませてみたいですね
    カッコつけ(故意)とカッコつけ(天然)……収拾付くでしょうか

  • 30二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 23:49:01

    お互いカッコつけキャラならいい感じに意気投合しそうな気もするね

  • 31二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 08:27:55

    お互い細かく語らず良いよね…良い…になってそう

  • 32二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 15:36:49

    読めるなら是非ともお話読みたいなぁ
    好きですよ主のお話

  • 33二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 22:15:03

    保守

  • 34125/09/26(金) 00:00:22

    また、あらすじ的なのを投下します。
    タイトル的なのは思いついてないのでまだありません。

  • 35125/09/26(金) 00:02:18

    ミレニアム農業同好会、科学と叡智の学び舎で基盤と数式とは違い緑溢れる農作物を生育、
    研究している部活…ではなく同好会である。
    学園の一角、農場と共に備えられた同好会室兼住居では、家主のサヨコはソファに体を沈めながら
    どこか上の空でゲーム機を弄っているリコを、哀れみや労りが混じったなんともいえない視線を向けていた。

    「はぁ……」

    サヨコは知っていた。課外活動の観光協会と現在通っているミレニアムでの農業同好会、
    2つの代表を曲がりなりにも務めている
    目の前の彼女はその実、人見知りというほど対面に出れないわけでは無く人付き合いが好きという訳でもないが取り繕うことはできる
    面倒な性格をしている事を……つまりは、ここ連日の報告や会議、企業の相手から容量限界(キャパオーバー)を
    迎えているのだと転校前からの付き合いから見抜いていた。

    「はぁ……」

    そんな彼女の様子を見て、本日2度目のため息が漏れた。
    正直死んだ目で感情も無くゲームをしているのは、大変鬱陶しい……ではなく心配だ。とサヨコは思う。
    本音はともかく、こうなると引きこもってゲームをし始めるのはいつもの事だが、不健康極まりないしリコはそういった弱音を
    気づかれていたとしても無いように振る舞うのを……やっぱり鬱陶しいな。と考えを改め直したサヨコは
    スマホを取り出して何かを操作すると、すぐさま荷造りを始めた。

  • 36125/09/26(金) 00:03:43

    「かい……リコ先輩。」
    「おやぁ?どうしたんだい?」

    つい、普段から呼んでいる名称を使いそうになったのを寸でのとこで抑えて、サヨコはリコに先程用意した荷物を突き出した。

    「はい。」
    「おやぁ?」

    サヨコは、スマホを通じて1つのチケットをリコに差し出す。

    「これもです。」
    「おやぁ?」

    そして、未だなんなのか分かっていないリコを駅まで送る。

    「じゃ、楽しんできて。リコ先輩。」
    「おやぁ?」

    あれよあれよと列車に乗せられたリコは、スマホの旅行アプリに表示された「百鬼夜行連合学園1泊2日」のチケットが表示されていた。

    「なるほどねぇ…休暇というよりはリフレッシュしてきて。ってとこかねぇ…?
     それだったら部屋に籠らせて欲しいものだけど……折角の厚意、ほんと申し訳ないねぇ。」

    リコは衣服が入った荷物を網棚に置いて、長方形のハードケースを自身の横に立てて座席に腰を下ろすと、
    暫し車窓から流れる景色を楽しむことにした。

  • 37125/09/26(金) 00:05:19

    列車に多少揺られ、宿に荷物を置いたころにはお腹と背中がくっつく程ではないが、体が栄養を求めている。
    座席に張っていた根を剥がすのも込めてリコはハードケースを背負い、周辺を散策することにした。


    暫く百鬼夜行の風光明媚なミレニアムと真逆で、かつての母校とはまた違う自然との融和をしている学園内を
    感心と共に歩いていると、香ばしい脂とたれが焼けこげる匂いが漂ってきた。
    焼き鳥屋がパフォーマンスも兼ねて軒先で串を炭火で炙っている光景は、一瞬にしてそれなりだった食欲を呼び起こし
    考える間もなく、リコはここで食事をしようと店員さんに話しかけた。

    「ごめんなさい、ただいま満席でして…」

    なんとも残念なことにお店は繁盛中、リコは仕方なく持ち帰りで食べようか。と言おうとした瞬間、
    店内から別の店員さんが出てきてリコに提案した。

    「相席でよろしいのでしたら、お1人様ご用意できます。」
    「お相手さんがよろしかったら、ぼくは構わないよぉ。」

    リコが了承したのを聞き、すぐさま席に案内される。店内は百鬼夜行の生徒やご飯を食べに来た大人で溢れていてどこのテーブルも
    焼き鳥が盛られた皿が重なっていることから、当たりのお店を引けた。と期待が高まる。

    「こちらになります。すいませんナグサさん、相席ありがとうございます。」
    「うん……私は大丈夫。」

    案内された座席には、藍色の羽織をかけた新雪のように白く陶器のように均整の取れた美しい少女
    百花繚乱紛争調停委員会委員長、御稜ナグサが逆手に持ったねぎま串を口から外し、
    既に積み上がっている串の山の標高を伸ばしていた。

  • 38125/09/26(金) 00:06:41

    「お茶でも飲んだら、水やりするか…」

    リコを半ば無理矢理送り出したサヨコは、同好会室に戻ってお茶を入れようとしたところテーブルの上にある物を見てしまい一瞬動きが止まる。
    無造作に置かれていたそれ、ルイスパリッシュの外…ミレニアムでリコが使用している半自動拳銃P50が
    無骨な存在感を放ちながらも静かに佇んでいた。

    「……水やりしちゃうか。」

    サヨコは銃を渡し忘れていたことに文字通り目を背け、スマホで散水ドローンに指示を飛ばしながら農場へ出るため室内を後にした。

  • 39125/09/26(金) 00:10:15

    自称お飾り会長と自称コスプレ女を絡ませたいなと本編書いてる時から思っていたので形にしてみました。
    難点は、百花繚乱とナグサが普段何してるか分からないというのが……特にナグサ
    あと水着イベで、割とボケる面白い人だと判明したのでエミュの難度も高いのが……

  • 40二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 08:27:19

    焼き鳥女か
    良いよね愉快で

  • 41二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 10:13:24

    愉快な人と愉快な人が出会った
    それだけでもう面白いこと間違いないですよ

  • 42二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 19:33:16

    ほしゅ!

  • 43125/09/26(金) 22:34:33

    >>41

    >愉快な人と愉快な人が出会った


    リコって愉快な人枠だったのか……

  • 44二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 06:24:21

    良い女は
    皆愉快なんですよ
    知らんけど

  • 45125/09/27(土) 14:50:17

    前スレで作ったの合わせて、3つのメーカーでマナを作ってみました。

    私はストローハットは無いですが、1が雰囲気に合ってると思ってます


    1


    2


    3

  • 46125/09/27(土) 15:57:48

    >>45

    もうひとつ


    4

  • 47二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:17:51

    かわいい

  • 48二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:29:37

    どれも中々にかわいいですねえ

  • 49二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 07:21:06

    色んなマナが見られていいね

  • 50二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 14:28:56

    動機はともかく先輩を旅行に送り出すサヨコ優しい

  • 51二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 21:33:26

    保守 

  • 52125/09/28(日) 21:41:27

    進捗報告です。協会結成前夜冒頭までは書けました。
    どうでもいいことですが、画像メーカーは4番目のを使おうと考えてます。
    雰囲気は1番目がいいとは思うのですが、パーツが4番目は多いので…
    おそらく明日改めてマナの画像とプロフを投下できると思います。

    スレ画描いてくれた人に申し訳ないですね今更ながら……

  • 53二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 05:45:04

    はい

  • 54二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 12:01:14

    新しいマナの画像も楽しみだけど、書いてもらったイラストもまとめておけると良さそう

  • 55二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 12:08:47

    >>52

    お待ちしてます。

  • 56125/09/29(月) 18:06:07
  • 57二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 18:50:18

    ひぃっ!
    クシロちゃん生気がない!?

  • 58二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 23:23:04

    妖怪みたいになってる…

  • 59二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 23:38:27

    >>56

    マナとクシロの情報まとめかんしゃあ!

    2人ともルイスパリッシュ観光協会で活動するようになったんだね

  • 60二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 08:14:34

    保守

  • 61125/09/30(火) 11:35:32

    申し訳ありませんが、諸事情で明日の夜まで保守しに来ることが出来ません。

  • 62二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 13:03:31

    >>61

    時間迫ってきたら保守を手伝いますよ

  • 63125/09/30(火) 13:48:58

    書き込めなくなる前に…

    画像メーカーでいちおう生徒全員分昨日作ったのですが、スズとリリにちょっと納得いってないです

    道具借りてる立場なのであまり言えないですが、ギャルっぽい雰囲気やクール美人な雰囲気が難しいなと…


    スズ


    リリ

  • 64二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 16:12:29

    あら可愛い
    これはこれで

  • 65二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 22:40:52

    耳可愛いね

  • 66二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 06:58:24

    このレスは削除されています

  • 67二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 14:46:37

    思った通りにキャラの雰囲気を出すのは難しいね

  • 68二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 16:23:26

    オリキャラを出力するのって難しいよね
    髪型一つだけで苦労する

  • 69二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 22:24:33

    保守

  • 70二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 07:06:13

    保守

  • 71125/10/02(木) 11:18:08
  • 72二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 12:08:59

    乙ですよ!
    これでまた戦える…

  • 73二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 19:49:45

    リリとスズの設定もいいねぇ

  • 74二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 23:28:04

    料理上手なスズのメニューを食べるリリはカロリーを気にしてるみたいだけど、鉄道の運行で結構運動してそうだから平気な気もするね

  • 75二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 08:20:06

    保守

  • 76二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 14:35:16

    >>74

    汗かくからねえ、汽車の運転は

  • 77二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 15:39:37

    タイトルからコイツを思い出して空目した。

  • 78125/10/03(金) 19:14:24

    先に謝罪しておきます。画力が本当に終わってるのをご容赦ください。


    ルイスパリッシュ統合学園の制服のデザインです

    生徒会等の学園運営に携わるものは専用のループタイ、ベスト以外にニット素材のカーディガンは別にある

    指定のローファーがあるが、商業科普通科以外の新入生は1ヵ月もすると

    自腹で購入したブーツを履くようになる(舗装されてない道ですぐ汚れてしまうため)



    観光協会は基本的にルイスパリッシュの制服に各々何かしらアレンジした着こなしをしている


    リコ:シャツとベスト、上着ににロングコート、ブーツ、スカートもしくはパンツ


    サヨコ:ブレザーとシャツ、上着にコート、タイは無し、ロングブーツ


    ニィナ:ブレザー、シャツ、ベスト、帽子、厚手のトレッキングシューズ


    リリ:裾を結んだへそ出しシャツ、タイは直接首に巻いてチョーカー風、スズとお揃いのジャケット、ロングブーツ


    スズ:ブレザー、シャツ、上着にリリとお揃いのジャケット、ブーツ


    イコ:ブレザー、シャツ、ベスト、ループタイ、ブーツ


    クシロ:拾い物のケープ、左右違いの拾ったブーツ

  • 79二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 23:56:21

    お疲れ様!
    画力は…コツコツ積み重ねないとどうしようも無いよねぇ

  • 80二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 08:11:48

    ルイスパリッシュ保守委員会!

  • 81125/10/04(土) 14:10:12
  • 82二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 22:06:08

    >>81

    イコは含みを持たせた発言をするから広報としての活動が振るわなかったけど、マナの協力で改善されたのはいいね

  • 83二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 07:10:17

    保守

  • 84二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 14:53:28

    ニィナちゃんかわよ

  • 85二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 16:14:22

    イコちゃんの
    「ああ、趣味嗜好からなんとなくそう言う感じ」
    って分かるぜつみょうな表情がなんとも
    ニィナちゃんの「んべ。」って感じに出されてる舌先が
    彼女の退屈な事は嫌いだよ
    って言う自己主張に感じるね

  • 86二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 21:33:51

    最近はキャラのイメージ出しやすくなってありがたいね

  • 87125/10/05(日) 23:07:51

    >>67

    >>68

    >>86

    今回使わせて頂いたキャラメーカーやAI含め、ハードルは下がったと同時に思い描く通りというのはやはり難しいな…と。

    それでもイメージに近しいキャラが作れて共有できるのはいいですね

    一番のベストは描ければいいのですが、私の画力がアレなので>>79さんの言う通り積み重ねるしかありません。


    出力された生徒にレスしてくださってありがとうございます。

    ssとして、設定や容姿を表現出来たら一番良いのですけど……力不足で申し訳ありません。

    明日中には残り2人の設定を投下すると思います。

    todoリストも残りはssのみ、スレは折り返し目前……危機感を感じています。頑張ります……

  • 88二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 06:30:17

    はい

  • 89二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 12:22:19

    >>87

    無理はしなくて良いんですよ

    ゆっくり行きましょ

  • 90二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 12:23:58

    待ちますよ

  • 91125/10/06(月) 13:13:47
  • 92二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 20:27:07

    サヨコちゃんが実に苦労人気質な顔立ち…
    リコ会長は「ぇ~」ってしてないで仕事してください!

  • 93二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 00:02:41

    サヨコちゃんのパサッとしたポニテ良いな

  • 94二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 08:47:33

    かわいい

  • 95二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 16:50:18

    サヨコとリコはかなり身長高かったんだね

  • 96125/10/07(火) 21:51:39

    >>95

    この方のレスを参考に設定しました

    リコとニィナの身長はもう少し下げても良かったかな?

  • 97二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 22:37:46

    このレスは削除されています

  • 98二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 06:31:27

    朝保守パリッシュ

  • 99125/10/08(水) 11:22:55

    クシロが使ってた銃をダイスで決めます


    1


    2


    3


    4


    5


    dice1d5=5 (5) になります。

  • 100二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 19:21:27

    クシロは近未来的な銃を使ってたんだね

  • 101二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 20:14:33

    こんなSFなビジュアルなのに実在する銃なんだから世の中怖いねえ…

  • 102二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 22:49:47

    なんというか…シュッとしてんなぁ

  • 103125/10/08(水) 23:37:38

    >>100

    >>102

    いちおう、クシロの銃を説明させて頂くと、Pistllo 77°というチェコの企業が開発した

    9mm口径のピストルカービンです。銃全体が77°で構成された直線的なデザインに各所に配置された

    ハンドルやボタン類というユニークさと実用性を合わせた銃になっています。

    え、これ実在するの?ゲームよりSFな実銃

    ダイスとは言え、私が候補に挙げたのが当たるのは本末転倒な気が……除外しなかったのが悪いですね


    観光協会のssではありませんが、ss書いてきたので投下します。

  • 104125/10/08(水) 23:43:14

    [blind the bright]

    「ねぇ、クシロ…どれがいいと思う?」
    「んー……気に入ったのでいいよ、マナが。」

    大小色々な銃がケースや壁に立ち並ぶガンショップ。私とクシロは、進学に合わせて新しくする銃を選びに来ていた。
    正直、どれがいいかはよく分からない。
    練習で使っていた銃ですら私には大きかったから、小さいのがいいのかな……拳銃とか?
    それともクシロと同じのにする?隣で棚に掛けられている銃を眺めているクシロの肩には、
    どこか直線的な見た目の銃が下げられてる。
    2人そろって商品棚を眺めていると、初老の犬の店員さんがカウンターの向こうから声をかけてきた。

    「お嬢ちゃんたち、何かお探しかな?」
    「あっ、え…えっとその……銃を…」

    わたわたと言葉を紡いでいると、クシロが私の代わりに答えてくれた。

    「…銃が欲しいけど、どれか分からない。この子、マナの。」
    「あぁ、なるほど…新入生かな?ふむ……」

    店員さんは私を頭から爪先まで、視線を動かすと手を見せて欲しいと頼み込んだ。
    少し不安に感じたけど、クシロが寄り添うように私の隣にいてくれてるのを衣擦れ合う肩から感じた。
    私はおずおずと手のひらを向けてカウンターに腕を置く。店員さんは測るように私の手から腕を品定めすると、
    うん。と、ひと言だけ呟いて手を戻すように言った。

  • 105125/10/08(水) 23:45:44

    「少し古いが…これとかどうかな?軽くて扱いやすい…君の小さな手にもしっくり来る筈だ。」

    カウンターの上に置かれたのは、銀色の回転式拳銃。店員さんが言うには新品だけど古いモデルらしく
    通常よりもお安く提供できると言われた。
    許可を貰って手に取ってみた……確かにクシロにさえ小さいと言われる私の手でもしっかり握れる。重さもそれほど…
    これにしちゃおうかな…?けど、銃弾がいくつ入るかも考えた方がいいかもしれない……

    「ねぇ、クシロは……」
    「…なに?」

    思わずクシロにも意見を求めようとして…やめた。私が決めなきゃいけないから……
    うーん、でも……悩んでいると店員さんが察したのかもう一つ銃を出した。

    「なら、少し高くなるがこれも付けよう…単発式の散弾銃だ。
     リボルバーだけじゃ不安なんだろう?これがあれば下手な腕でも関係ない、"お守り"だよ。」
    「お守り……」

    銃の腕には自信が無いし、持っておいて損はない……かな?
    値段もそれなり、むしろお得かもしれない。うーん……私はクシロに意見を求めようとして、止めた。
    クシロはいつも私の意思を汲んでくれる、私のお願いを支えてくれる……けど、それだけじゃ駄目だから…

    「マナ……」

    名前が呼ばれた気がしたけど、気づかずに私は購入の手続きを進めた。

  • 106125/10/08(水) 23:47:38

    「どう?クシロ。」
    「いいと思う。」

    腰と背中に差した2丁の銃をアピールするように歩きながら、その場でクルリと回る。
    ふわりと舞うスカートと共に被っていた麦わら帽子が目の前に落ちてくる。
    塞がる視界ともつれる足をクシロは受け止めてくれた。

    「大丈夫?」
    「ごめん、ありがとうクシロ。」

    私より大きな腕に抱かれて、彼女の髪からふわっと石鹸の様な香りが鼻をくすぐる。
    クシロ……シャンプーとかに頓着しないのかな?今度お気に入りの勧めてみよう。
    姿勢と帽子を直して立ち上がると、目の前にはアクセサリーを売っている露店が見えた。
    私は、そのままクシロの手を引いて露店を覗きにいった。



    「いらっしゃい。」

    妙齢の猫の店員さんが低い軒先から顔を出して、好きに見ていって。と促す。
    チェーンやネックレス、アンクルにキーホールダーが煌びやかな装飾や彩色を施されて並んでて
    まるで露店1つが作品の様に思えた。
    綺麗だなぁ、可愛いなぁ。と思わず呟きながら品々を見ていると商品の値札が見えてしまい、
    さっきまで感じていた感嘆とした気持ちは、どこかへ消えてしまった……。

    もしかして、この装飾は本物……クシロにあまり触らないように注意しておこう。

    「ねぇ、クシロ。この商品……クシロ?」

  • 107125/10/08(水) 23:52:07

    クシロは1つのアクセサリーを手に取って、じっとそれを眺めている。目を奪われるというのが正しいのかも…
    彼女が眺めている物は、すべすべとした質感の装飾が付いた小さな十字(ロザリオ)

    「気に入った?」
    「えっ……あっ、あの…」
    「ふふっ、なんでそんな安物がここに紛れてるか気になるでしょ。」

    店員さんの発言に、ロザリオの値札を見ると「¥1,000」と書かれてる。他の商品の1/5程しか無かった。
    全然そんなことに気づかなかったけど、私はコクっと頷く。

    「それに使われてるのはね、真鍮とビーチグラス。ただのガラス片なの。」
    「こ…こんなに、き…綺麗なのに……ですか?」
    「えぇ、素敵でしょ。」

    店員さんに言われなければ、この綺麗な装飾も本物の宝石かと思っていた。
    それくらいに綺麗だから……たぶんクシロもそう思っている。
    店員さんは視線を私からクシロに向けて、口を開いた。

  • 108125/10/08(水) 23:53:47

    「ここに並んでいる装飾と比べたらそれは偽物でしょうね。
    けど……それを見て綺麗と思った感情は何よりも本物なの。」
    「あの……私……」

    クシロは十字を見ながら口ごもる。横目で私を見る彼女と目が合った。
    私はクシロの手を取ると店員さんに言った。

    「あ、あの…これ、くだ……さい。2つ。」
    「マナ……うん…ください、これ。」
    「ふふっ、毎度。2つで2千円ね。」





    帰路についてる最中、露店で買ったロザリオを空にかざしてみる。赤いグラスと真鍮色の十字…うん、良い。
    クシロも大切な物を見つけたように、静かに十字を見つめてる。

    「クシロ、お揃いだね。」
    「……うん、お揃い。…マナと。」

  • 109125/10/08(水) 23:55:36

    暫くして、私とクシロは進学予定のルイスパリッシュ統合学園に体験入学に来ていた。
    広大な学園に4つの科、観光地の様に巡ったオリエンテーションもいよいよ終盤。
    この学園で新入生になると行うイベントの疑似体験が行えると私達参加者は、校舎の前に集められていた。

    「イベントって何だろう?」
    「"献杯"って書いてあった…パンフレット」
    「献杯?」

    「持ってきたよぉ…献杯用の葡萄水。」
    「お、ありがとうございます副会長。」
    「ぼくは会長のとこに行くからここは任せていいかい?」
    「おっけ。向こうお願いしまーす。」

    副会長と呼ばれた人が案内を担当してくれてる人に緑色に焼けた瓶を手渡していなくなった。
    瓶から赤い液体が紙コップに注がれて参加者全員に渡される。
    担当してくれてる生徒曰、入学したら祈祷と共にこれを飲むのが習わしと説明された。
    今回は簡単に行くからねー。の掛け声のあとに鈴が2度3度鳴らされて、飲むように促される。

    うッ……し、渋い…

    「けほっ……ク、クシロ…これ渋くない?
     ……クシロ?」
    「……あっ、うん。そうだね…」

    クシロ、上の空……なにかあったのかな?
    一株の不安を胸中に残して体験入学はつつがなく終わった。
    その後、この不安は私に起きた1つの変化とともに起こってしまった。

  • 110125/10/08(水) 23:56:55

    それはたまたま、勉強途中に椅子に座ったまま伸びをしたとき
    両手を前に突き出したら、目の前が夜みたいに真っ暗になってその奥に微かな光が見えた。
    最初は何が何だか分からなくて椅子から転げ落ちたけど……見えるだけで特に害は無い
    怖かったけど何度か試してみて、これは探してる物を見えるようにするのと夜が少し身近になると分かった。
    言葉にしづらいけど、あえて言うなら私は"夜目"が効くようになった……このことをクシロには言えていない
    心配させちゃうと思ったから。

    いよいよ進学先を明確に決めなければいけなくなる時期に2つの報せが私を襲った。
    ルイスパリッシュ統合学園の廃校と三木クシロの失踪…
    夜目が効くことに、少しばかり自信の様な物が出来上がりつつあった私の目は真っ暗に染まっていった。



    それから、私はトリニティ総合学園へと進路を変えた。
    荘厳で壮大なこの大きな学園は私をちっぽけにひとりぼっちになった現状をありありと写している。
    それくらいこの学園に圧倒されていた。でも、そんなのはすぐに気にならなくなった…
    彼女をクシロを探さなくちゃいけないから……
    最初はヴァルキューレに捜索願を出した。だけど、証拠も目撃証言も少なくて
    消えたとしか言いようのない状況に捜査は難航してるって聞いた。
    受験も進学も終わり、捜査も頭打ちを過ぎた頃、連邦生徒会長の失踪が起こって……
    クシロの捜査は有耶無耶になった。
    ネットでも聞き込みも人と上手に話せない私には情報を集めるなんて難しい……光が見えるまでは…

  • 111125/10/08(水) 23:58:56

    ある時、学校の知り合いの探し物を見つけた時に気づいた。
    "夜目"を使えばクシロの場所が分かるんじゃ……すぐに夜を覗いた。真っ暗闇の中に見える微かな光
    確信が持てたあの光にクシロがいる。だって……私が最初に見たのと同じクシロがいることを示す炎(橙)の揺らめき。
    すぐに、その方向を調べた。場所はブラックマーケット、近づかないように言われている犯罪の温床……
    クシロに会うには行くしかない。

    「これで何度目っすか……」
    「あ、あの…わ、私、ちょっと友達に…」
    「嘘つけブラックマーケットに行こうとしてたでしょ!」
    「ほら、これ以上やると牢屋か一時停学にしなきゃいけないから。大人しくね。」

    何度もブラックマーケットに向かおうとしても、近場や学園内で正義実現委員会や
    怪しまれた自警団に連れ戻されたのが続いた。
    停学になるとブラックマーケットに行けなくなる…クシロに会えなくなる……それだけはいやだ。
    力づくでここから逃げる…?けど、私にそんな力無い……ぐるぐると夢物語な打開策を講じていると
    私を囲んでいる正実の後ろから"大人"の人の声が聞こえてくる。
    やがて、正実の糸目の人と何か話した後、危険な事しないように。と言葉を残して正実の方々は去っていった。

    少しの間、私と大人の人は見つめ合う…この妙な空気を変えるようにその人は口を開いた。

    "とりあえず、シャーレに行こう。ここだと話したいことも話しにくいと思う。
    君の名前は……"
    「ひ、日向マナ…です。」

    シャーレの先生……この人とならクシロに会いに行けるのかな…。



    blind the bright  fin.

  • 112125/10/09(木) 02:38:26

    [In search of closed-off light]

    光が差し込んでるかも分からない……墨汁を撒き散らした半紙のような闇の中
    マズルフラッシュが化物を写し出し倒れた……私の目の前で

    「はぁ…はぁ……はぁぁ…」

    良く分からない化物は、ずっと湧いて出てくる…惰性のように持ってる銃が軽くなっているのが伝わる。
    ザリっ。と土を踏みしめる音が背後から聞こえた。
    振り向くと丸く大きい体の化物がかぎ爪を振るおうとしている。銃を構えてコッキングハンドルを引く……その場からピクリとも動かなかった。

    「あれ…壊れた……!?」

    爪が振り下ろされる。すぐさま後ろに下がって躱した。
    引き金を引いてみても銃は何とも言わない……なら…こうする。
    ストック側を掴んでバットの様に垂直に構える……そして、振り下ろす。目一杯、何度も何度もなんども…

    「はぁ…はぁ……」

    気づいた。化物が動かなくなった時に銃にお揃いのアクセサリーを付けていたのを……
    最近こういうのを忘れるのが増えたような気がする。今が何時なのか…時間とかも分からないけど……
    奇跡的に汚れが付いていない青いビーチグラスの装飾のロザリオを引きちぎってポケットに入れた。ここなら安全……
    そよ風に紛れて聞こえてきた、息遣いが疲れた体を急がせる。私は静かに、この夜を歩き出した。
    いつ折れてもおかしくない銃を肩に構えて……
    囚われてる…?いつの間にか、私はずっと夜が明けない場所を彷徨ってる……

  • 113125/10/09(木) 02:40:22

    「ねぇ、クシロ…どれがいいと思う?」
    「んー……気に入ったのでいいよ、マナが。」

    昔から私と一緒にいる友達マナ。今日は彼女に誘われて新しい銃を買いに来ていた。
    お互い銃にそこまで詳しくない…けど、ここ(キヴォトス)では必要。
    真剣に悩んでる……マナなりに…。私はどうしよう……新しいのに変える…分からない。
    これを使い続ける…いつまで?
    気が付けば、マナは店員さんにたじたじとしている。代わりに挨拶をすると店員さんは必要な銃を見繕い始めた。

    マナがいる…肩が触れる近さに。銃が置かれた、カウンターに…マナは手に持って確認している
    彼女の小さい手でもしっかりと保持出来てる。それでも悩むマナを見て店員さんはもう一つ銃を出した。
    目が揺れてる……いつもだったら私に助けを求めてくる。クシロはどれがいい?って……
    マナの好きなように。いつも私が言う言葉……本当に彼女が好きな物を?分からない。
    そして、マナは……私に目を合わせなかった。自分で決めた。

    マナみたいに自分で決めれたのかな……?自分で銃を選ぶことになったら…
    ショッピングモールでオススメされたのをそのまま買った私の銃。
    なんだか重かった……いつもは軽さも重さもどうでもよかった。この肩に掛かる銃が…



    「あれ…?ここ、どこ……」

    夢遊病の様に彷徨う事が増えた。気が付くと化物が目の前にいてビックリする。
    そのときは銃で撃つか刺す。壊れたから……自分で直して使ってる。ここに落ちているのを拾って
    靴も汚れてはけなくなっちゃったから、左右同じじゃないけどちゃんと履いてる。

  • 114125/10/09(木) 02:41:54

    ここは肌寒い気がして、上着も拾った。背伸びをしたら、おへそが見えちゃうから……
    それと、付ける気にはなれなかった。お揃いのアクセサリーはポケットに入れたまま…

    未だに自分の好きが分からない。けど、マナに誘われた露店でこのロザリオを見た時
    目が離せなかった……なんでだろう…




    「ここに並んでいる装飾と比べたらそれは偽物でしょうね。
     けど……それを見て綺麗と思った感情は何よりも本物なの。」
    「あの……私……」

    店員さんの言葉を聞いて、私は何かを言おうとした。何を言おうとしたんだろう
    分かってる。これをください。たったそれだけ……なのにマナみたいに言葉が詰まって…

    「あ、あの…これ、くだ……さい。2つ。」

    言わせちゃった…言わなきゃいけないことを
    私は何をしているんだろう……

    「クシロ、お揃いだね。」
    「……うん、お揃い。…マナと。」

    本当に…?帰り路、綺麗な十字は私に圧し掛かるように問いかけた。

  • 115125/10/09(木) 02:45:47

    夜の中でも光が見える……両手を目の前にかざすと揺らめきが映る
    これが何かはわからない。いや、1個だけ分かる。
    この夜を見ていたらここにいたんだ。私は……



    マナが進学先に選んでいたルイスパリッシュ統合学園の体験入学
    そこで飲んだ、"献杯"……

    「けほっ……ク、クシロ…これ渋くない?
     ……クシロ?」
    「……あっ、うん。そうだね…」

    違ったみたい。マナは……
    そうだね。って返したけど、私は美味しかったよ……

    それ以降、闇とそこに揺らめく光が見えるようになった。この光が何か分からないけど
    マナに繋がっていることは初めから分かっていた。何故か……
    でも、私は広がる闇に透き通るような孤独と安心を感じていた気がする。宵闇に身を預けて……
    気が付いたら、夜と闇が入れ替わっていた。

  • 116125/10/09(木) 02:52:50

    無意識の内に歩いてるんだよね……夢遊病って
    言葉にするのは変だと思うけど、そのとき止まり木のように安らかで体に穴が開いたように寒くて安らぐ……
    歩く場所が私が分からなくなるくらい。それでいイ……

    駄目。そう思っちゃ……なんデ?

    前はそんなこと思わなかったのに、淋しくて肌寒くて上着を抑えて光を求めて歩く。
    虫みたい…白熱電球に惹かれてるみたいに。そして光に手を伸ばす、マナがいる気がして…
    何かを掴んだ温かさが掌に広がるけどすぐに冷えていく……
    マナに会いたい光に向かわないと…大丈夫、気が付いたら光を掴んでいルかラ…

    あれ…?起きてるよね、私…
    ここ、どこだっけ……光探さないと、なんで?人がいるかラ…?
    違う。マナが見えるから……また掴み損ねル?じゃあ、もう一回……まだ手を翳せば光が見える…

    だから…

    もっと、もっと、もッと、モッと……モット光を……!!



    ……ほんとうに?




    In search of closed-off light  fin.

  • 117125/10/09(木) 02:57:00

    本編中にやっておけば良かった。マナとクシロの掘下げssです。
    前スレはそうでしたが、スレ画の人物出てこない状態はこれで回避できたはず……
    クシロのssは抽象的主観的過ぎて読みづらいかもしれません。申し訳ないです。

  • 118二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 10:22:30

    本編開始前のマナとクシロの性格や関係が分かっていいね

  • 119二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 17:39:54

    保守パリッシュ!

  • 120二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 22:26:40

    うへぇかなりヤバい感じに

  • 121二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 00:34:34

    いいねえ、この感じ…
    上手く言えないんですが
    年頃の女の子の進学のイベントのソワソワ感とか
    大事な友達とペアのグッズ買って喜んじゃったりとか
    フワフワと遠いところに行っちゃう感じとか
    伝われ!この感想!

  • 122二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 08:38:28

    保守

  • 123二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 16:41:58

    マナはクシロを探すためにブラックマーケットに行こうとするのはかなり行動力あるよね

  • 124二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 22:44:45

    悪党が蔓延ってるのにねえ

  • 125二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 05:26:24

    ほしゅ

  • 126二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 13:45:20

    このレスは削除されています

  • 127125/10/11(土) 20:03:44

    感想ありがとうございます。
    なんとかssを投下してこのスレで最後にできるようにします。

  • 128二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 23:32:54

    ほしゅ

  • 129二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 07:08:43

    保守

  • 130二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 14:59:54

    楽しみにしてます

  • 131125/10/12(日) 20:20:40

    早めの保守…だけでは味気ないので自分語りお許しください。
    笛に届いた感想含めて、下地にさせて頂いたHunt Showdownを知っている方から
    設定の落とし込みが上手いとお褒めの言葉を頂き、とても嬉しかったです。
    この作品は、他作品の設定だけを借りてクロスオーバーでオリキャラという
    箇条書きにすると、かなり好き嫌い別れる部類の作品なので好意的な感想は本当にありがたいですし
    いまこうして付き合って下さってる皆様にも感謝しております。

  • 132二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 06:02:56

    こちらこそ

  • 133二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 13:17:52

    このレスは削除されています

  • 134二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 21:22:29

    面白かったからええんやで

  • 135二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 04:35:24

    保守

  • 136二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 12:23:45

    好き

  • 137二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 19:52:06

    このレスは削除されています

  • 138二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 00:08:03

    待つよ

  • 139125/10/15(水) 00:45:38

    >>92

    サヨコ「誤解しないでほしい。会長は仕事はちゃんとやってる。」

    リリ「そうだよ!サヨコちゃんの書類の不備をチェックしたり判子押したり、備品の整理とか観光協会のお掃除

       外で調査してきたあーし達におやつとお茶用意してくれるんだからね。」

    スズ「……それ、雑用じゃないか?」

    イコ「生徒会の時からなので今に始まったことじゃありませんよ。」

    ニィナ「リコ先輩、肩書は立派―」


    リコ「………」

  • 140二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 08:49:11
  • 141二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 09:30:52

    >>139

    何かの物語で

    「隊長はチームを回すために雑用をやるのが仕事」

    みたいな事を言われてたなぁ

  • 142二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 17:52:42

    観光協会は人手が多いわけじゃないから、会長が色々動かないといけないのも仕方ないかな?

  • 143125/10/15(水) 20:58:54

    こちらのオリキャラのヘイローを描くスレで

    ヘイローを描きたい|あにまん掲示板なんでもいいからヘイローを描きたいので使っていいオリキャラとかいい感じの設定とか欲しいスレ画はとあるスレで沢山書いてたやつbbs.animanch.com

    リコ、サヨコ、ニィナ、マナの4人のヘイローを描いて貰いました


    スレの方ではヘイローのモチーフを説明して下さってるので

    他の方々のヘイロー共々覗いてみてください。

  • 144二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 23:11:49

    >>143

    モチーフやイメージを考えてヘイロー描いてくれたのはすごいですね!

  • 145二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 02:30:00

    >>143

    素敵ですねぇ、オリジナルヘイロー

    デザインにもちゃんと意味が込められてて

    素敵だ…

  • 146二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 10:00:25

    かわいい

  • 147二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 17:20:28

    ほしゅ!

  • 148二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 22:08:01

    >>143

     ここ( https://bbs.animanch.com/board/5738489/?res=46 )ですね。


     ……ところで、三木クシロのヘイローは闇堕ち前後で形とか色とかが変わってるんでしたっけ?

  • 149125/10/16(木) 22:15:08

    >>148

    特にそういった描写は無いですね(容姿含めヘイローの事全然考えていなかったとも)

    今書くとしたら、外周が綻んで煙の様なエフェクトが出てるって描写するかもしれません

    というか笛版でそうしようかな?

  • 150二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 04:10:49

    生徒の状態の変化でヘイローが変質するのは良い演出だと思いますねえ

  • 151二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 11:24:49

    保守

  • 152二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 18:31:58

    ほしゅ

  • 153二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 02:05:53

    そういえばマナが暗視を使えるようになったのは体験入学で献杯用の葡萄水を飲んだのが理由だけど、他の参加者も使えるようになった人いるのかな?

  • 154125/10/18(土) 09:48:12

    >>153

    いたかもしれません。暗視の条件は葡萄水+祈祷で行われる"献杯"

    体験入学時は葡萄水だけ本物の簡易的なものだったので、

    マナとクシロの波長が合ってしまったから使えるようになった感じです。

  • 155二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 16:25:11

    何か他にもストーリー作れそうですね
    暗視を手に入れた生徒が

  • 156二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 01:18:14

    >>154

    疑問に答えてくれてありがとうございます

  • 157二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 09:58:25

    保守パリッシュ!

  • 158125/10/19(日) 15:08:13

    今日明日中に書き終えれるか分かりませんが、
    とりあえず、協会結成前夜前半投下します。

  • 159125/10/19(日) 15:12:57

    [結成前夜 side:a]

    高層ビルの摩天楼が立ち並び、その下では日夜、新たな技術と研究が進められている叡智の学び舎
    ミレニアムサイエンススクール
    本校舎や部活棟からも外れにあるその一角、人工物の海とは真逆の緑と土色の牧歌的な景色が作られていた。

    ミレニアム農業同好会。寂しき別れと新たな出会いが待ち受ける時期にとある事情で
    他校から編入してきた生徒2人が運営している
    新進気鋭とも言える勢力だがミレニアムは研究、発展そして限りある財源の為に部活動設立には厳格な規定が設けられている
    故に、彼女達は同好会という後ろ盾の少ない立場を獲得し最近になって下地や基盤を作り上げた。
    かつての母校の種や息吹を再び芽吹かせるという思惑と共に……だが、どこか違う顔を浮かべる
    母校と同じ青い空を見上げる同好会の1人
    サヨコの胸中は、自然農法を謳って実らせた作物の様に歪な心模様が巣食っていた。

    「久しぶりー、サヨー」
    「ニィナ…」

    雲が風によって形を崩し流れ始めたと同時に、あの日以来聞いていなかった抑揚の無い平坦な声がオレを呼び止めた。
    振り返ると、いつ見ても変わらない表情で最後に会った時と変わった制服の旧友。
    どう生きてたら、あの顔でへらへらとした雰囲気を出せるのか……久々に会うと
    そんな気にもならなかったことを考えてしまう。それにしても……

    「あなた、本当にヴァルキューレいったんだ。」
    「そうだよー、似合うー?」

    帽子を片手で抑えながらその場でくるりと回って白い制服をアピールしてくる
    適当に、似合ってるんじゃない?と煽てていると、不意に今の…このミレニアムの制服が
    似合ってるか何故か気になった。
    変な事考えるな。と、被りを振る前にニィナの声がオレの思考を切り替わらせる。

  • 160125/10/19(日) 15:16:18

    「ねー、アレってリコさんー?」
    「そうだけど…アレってあなた……」

    彼女の言い方に気を取られてる時には、既に遅かった。
    漂う火薬の香りと目の前で頭を仰け反らしているリコ先輩……
    目線を横にずらすと白煙を吐いている銃を構えているニィナがいた。

    「ニィナ!な、なにを…!?」

    遅いと分かっていながら次弾を撃たせないようにシリンダーごとニィナのリボルバーを握りこむ。
    突然発砲してどうしたんだ!という気持ちが喉元迄でせり上がっているのに、彼女の表情を見たらそこで押し留まる
    見慣れている筈の何を考えているか分からない変わらない表情なのに、とても冷たい物を見る目をしていた。

    「久しぶりー、リコさんー」
    「おやぁ?何かと思えば…久しぶりだねぇニィナ。今日はどうしたんだい?」
    「んー…顔を見に来ただけ―。」

    握った銃を簡単に手放す。するりとオレの前を横切ってリコ先輩と何気ない会話を始める2人に
    自分だけ切り取られたフィルムの様に置いて行かれる不思議な浮遊感がオレを支配する……
    意味が分からない、なんなのこれ…?
    いつの間にか会話を終わらせたニィナが帰るねー。とオレの横を過ぎ去る瞬間耳元で囁いた。

    「このままじゃ、リコ先輩死んじゃうかもねー」
    「は?」

  • 161125/10/19(日) 15:17:34

    「じゃあねー…サヨー、リコさん-」

    ニィナはオレの手から銃を抜き取ると、こちらを振り返ることも無く去っていった……ってそんなことより

    「リコ先輩!大丈夫ですか?」
    「ん?うん大丈夫だよぉ…いやぁ、びっくりしたねぇ。」

    前髪をかき上げて撃たれた痕を見せ大丈夫とアピールしてるけど薄っすらと赤くなっている額を見て
    ひとまず冷やすよう伝えてリコ先輩を部室に戻らせた。
    いや、違う…戻らせたのは半分正解で半分間違いだ。ニィナの言ったことがずっと反芻してる…
    リコ先輩の顔を見ると余計に酷く……
    考えを改めるように手の中のカサカサとした違和感を開く。どうせニィナが銃を持ってく時に同時に仕込んだんだ…

    「ほらね…」

    折り目も合わせられてない杜撰に畳まれた紙を広げる。

    『電話』

    思わず口から笑いが漏れた。お願いみたいな命令……ニィナからしたらオレがこの後電話することは分かっているんだ。
    深呼吸して空を見上げる……あの場所と同じ空。だけど、どうして違うという感情が生まれるのか…
    分からないでいた。

  • 162125/10/19(日) 15:19:15

    最初は、モモトークに上げられた1つの写真からだった。
    実習中の生徒が撮ったであろう木々が写ったありふれたルイスパリッシュの風景、そこに紛れていた1つの人影…
    タイムラインに埋もれていったそれは同じ人影を見たという口伝と合わせて瞬く間に目撃件数の増加と合わせて
    再び噂の頂点に押し上げられた。それが事実になるその日まで……

    次に起きたのは野生動物の死骸、熊や狼に襲われたのとは違って貪られたというより
    襲われたと言うのが正しい損壊具合だった
    いま思い返すとこの時から鳥や虫の鳴き声が少なく静かになっていった気がする。
    広がる噂、不安というには余りにも濃く大きくなっていく影……そしてルイシアンの森の中、それは現れた。
    ボロボロの衣服に蕩けた目、青く変色した肌と本来見えてはいけない露出した肉……後に歩兵と呼ばれる異形が
    生徒を襲ったと報せが入ったのは、秋風が刺すような冬の息吹に変わり始めた頃だった。
    以後、少なくない異形との接触情報に歩兵以外の異形の出現……肌を撫でる夜風の様にいつの間にか伸びている影のように
    オレ達のルイスパリッシュの安寧をゆっくりと侵食していった。

    「ひっ……!?あ、ありがとう副会長。」
    「大丈夫かい?」

    体液を滴らせながら異形の頭から刀がずるりと引き抜かれた。
    巡回調査に来ていたオレとリコ先輩の前で異形に追われていた生徒をリコ先輩は音もなく助けた。
    異形は総じて音に敏感だ、最初は銃で対応していたが気づけば何処からともなく忍び寄ってくる
    だから手が震えても目を背けたくても近づく必要があった。
    近づいてきた闇に、次は自分たちが近づく必要を駆られているみたいで
    対抗策があってもそれを良しと考えるものはオレの知る限りではいなかったと思う。
    だって、それよりも早く心は限界を迎えてしまうから……

  • 163125/10/19(日) 15:22:04

    「また1人此処を去ったな…サヨコ。」
    「…そうですね、会長。」

    まだ朱肉が乾ききっていない認め印が押された編入届を、遠くを思うかのように生徒会長は眺めている。
    異形が現れて少なくない時間が流れた。対処は出来ても進展はしない、徐々に安全圏を奪われているのが現状だ
    例え異形の化物でも人に近い何かを害するのは、勇気を削り恐怖が巣食う。そうまでして得るものは、ろうそくみたいな一時の安心。
    事実、屋内に潜む大型の異形の出没に加えて激しい暴雨に晒されたかのように劣化する街並み……
    影が濃くなり萎縮するしかない状況を目に写し続けたらどう思うかなんて簡単なことだ。
    昨日までは安全圏であることを教えてくれた、スマホの右上に表示されているアンテナは今日の時点で1本。
    3つの地区のだいたい中心部にある新校舎、その生徒会室にいるオレと生徒会長の安全の担保は何処にもなくなっている証だった
    調整していた得物の槍から手を離して闇を覗く。デルタ地区方面にある大きな光が消えた。
    白い雷……浄化が始まったな。
    暗視と呼ばれるオレ達生徒に宿った祝福は、今やルイスパリッシュを蝕む異形が"強く"見える事から祝福では無く
    "呪い"だったのではないか…と、まことしやかに噂されている。暗視を解いた瞬間、見計らってたのか会長が話しかけた。

    「サヨコは、次どうするか決めた?」
    「えぇ…オレはミレニアムを考えてます。あそこなら農業やれそうなので。」
    「考えてるってことは……まだ編入届とかは書いてないんだな。」

    はい。とも、これから。とも答えられなかった。
    在籍する生徒は減っていっても統合学園であるここが新校舎しか機能していなくても、まだ…と言う諦め(希望)があった
    学園も生徒もシロアリに喰われた木のように気丈に振る舞っているだけだとしても……

    「リコもさ…ミレニアムらしいんだ。後輩に先輩を頼む…って言うのもおかしな話だけどさ
     アイツは1人にすると抱えた物の重さを知らないまま沈んでいってしまうような奴だ。
     だから、まぁ…挨拶するだけの付き合いでいいから繋がりを持っていて欲しい。」

    そうお願いされた時、なんだか不快な気持ちを持った気がする。なんだったかな……
    会長は言い終えると椅子を回転させて体ごと窓を向いた。頭の羽が顔を隠して何を考えて感じているか分からなかった。
    あっ、思い出した……気に喰わないんだ。

  • 164125/10/19(日) 15:23:49

    「ブモォ」
    「おっと……ごめんね、ベニテング。心配させた。」

    過去に引きずられ過ぎて、ブラッシングがおざなりになっていたのを注意される。
    怒ってるわけじゃなくて良かった。と安堵しつつ丁寧にブラシで彼女の肌を撫でる。尻尾はゆらゆら気持ちよさそうに揺れていた。
    ルイスパリッシュから連れてきた畜産動物の内の1匹、ジャージー種の乳牛ベニテング
    1年生だった時、3年生がルイシアンの森から突如連れてきたはぐれ牛。親や兄弟と思われる仲間も見つからず
    そのまま農業科で飼育される事が決まった。そういえばニィナに初めて会ったのもベニテングが農業科に来たとき
    今日みたいにふらっと現れては、まだ名前が無かった彼女の名付け親じゃんけんに自然に混ざった上に一人だけチョキを出して
    オレ達が呆気に取られている間に、ベニテングと名付けたら形ばかり頭を下げて去って行った。これがニィナとの初邂逅。
    それからもベニテングに会いに来ては可愛がってたから愛着は合ったんだと思う。
    そうでなきゃ普通科がわざわざ牛舎まで来ない。と思いたい…

    「モー」

    ベニテングがこちらを見て鳴いた。どうかしたか?と目を合わせると、その目は私の手……
    ニィナがメッセージを残した手を見ていた。どうかしているのはオレの方なのかもしれない。

    ブラッシングを終えて牛舎の外、壁に寄り掛かってスマホの電話帳をニィナに合わせる。
    軽く息を吐いて受話器をタップ。ワンコール…ツーコール……スリーコールが始まる瞬間繋がった。

    『遅いー』
    「こっちにもやることがあるんだ。少しくらい気を長く持って欲しい
     あなた、今はお巡りさんでしょ。」
    『えー、わがままー』
    「なにが我儘なんだよ…」

    「ねぇ、リコ先輩が死ぬ。ってどういうこと?」

    適当なやりとりも程々に本題に入る。

  • 165125/10/19(日) 15:25:20

    『んー?そのままの意味、いつものリコさんだったら不意打ちは避けるか弾いてたー
     それにー、なんだか沈んでいきそう。どうでもいいみたいにー』
    「っ!?」

    ニィナの言葉に、あの時の生徒会長とのやりとりが浮上した。
    オレはリコ先輩を繋ぎとめれてない……いや、自分の機嫌くらい自分で取って欲しい。それが難しくても…
    でも、それだとオレがリコ先輩と一緒にいる理由は無いんじゃない……自縛していたものに気づきかけた瞬間
    ニィナがオレの後ろ髪を引っ張った。

    『壊したいくらい嫌いなんだよねー、退屈でつまらないことー』

    あなたがそういう主義なのは嫌というくらい知ってる。だから、ヴァルキューレを選んだんじゃないの…

    『ヴァルキューレはさー、つまんなくないけど"退屈"でー、退屈ではないけど"つまんない"ー
    ルイスパリッシュだけだったんだー…"退屈じゃなくてつまんなくもない"のはー。』
    「ニィナ……」
    『だから復活させる、ルイスパリッシュ』
    「は?」
    『詳しいことはイコ先輩に聞いてー。じゃあねー、サヨー。』
    「えっ、ちょっと…!ニィナ!?」

    無情にも言いたいことだけ言ってニィナは通話を切った。
    ルイスパリッシュを復活?何を言ってるんだ?また、いつもの如く適当を言ってるのではないか、そう思っても
    電波という雲よりも薄い壁を通した彼女の言葉を頭から否定できる力がオレには無かった。
    それに……ニィナの嫌な事は良く知ってる。オレはモモトークを開いて、イコ先輩にメッセージを送った。

  • 166125/10/19(日) 15:29:55

    牧歌的なルイスパリッシュとも無機質なビルが立ち並ぶミレニアムとも違う。目に入る全てが舞台のセットみたい……
    そういえば始めてかな、トリニティに来るのは……スマホに指示された地図の通りに街を歩いていると
    まだ寒さが残るというのにテラス席でティーカップに口づけている小柄なピンク髪が1人…

    「久しぶりです、イコ先輩」
    「変わりないようですね、サヨコ。」

    毎日のように会っていたのに、どうしてか続く言葉が出てこない。それを察したのかイコ先輩は目で座るように促した。

    「制服に着られてますね。」
    「イコ先輩は、似合ってますよトリニティの制服。」
    「コツは折り合いをつける事ですよ。サヨコはまず折り目を正すところからでしょうか?」

    相変わらず回りくどい表現をするな、この人……でも、そのらしさがオレを安心させる
    店員さんがオレの前に紅茶を運んできた。紅い色と湯気と共に昇る甘い香りがさらに胸中を解した。

    「さて、ニィナから聞いてきたのでしょう?」
    「うん…ルイスパリッシュを復活させるって聞いた。
     ニィナの事だから既に動いてるんでしょう……イコ先輩、どうすればルイスパリッシュを復活できる?
     どうすれば、リコ先輩を死なせずに済むのか教えて欲しい。」

    不明慮な希望と期待が無意識と言っていいくらいに口を突いて出る。
    何故だかミレニアムで感じていた違う。という違和感は何処にもいなかった。

    「えっ、無理ですよ。」

    「……は?」


    結成前夜 side:a  fin.

  • 167二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 15:46:40

    おぉぉ…
    良いですねぇ、この物語が始まる前の
    雷鳴がゴロゴロ鳴いてる様な曇り空の様な感覚
    ここから強い雨が降って雷が光って晴れ間に変わるんですよね!
    期待して待ってます!

  • 168二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 22:55:19

    そんなにアッサリ…

  • 169二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 07:53:03

    人間関係って難しいね

  • 170二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 15:40:06

    ほしゅほしゅ

  • 171125/10/20(月) 21:39:18

    申し訳ありません。後半今日中は無理でした…
    近日中には投下できるようにします。

  • 172二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 04:20:00

    無理しなくて良いんですよ

スレッドは10/21 14:20頃に落ちます

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