- 1七色魔弾25/09/26(金) 16:07:16
- 2七色魔弾25/09/26(金) 16:09:25
前スレ
ここだけダンジョンがある世界の掲示板 第6329層|あにまん掲示板テンプラ…じゃなくてテンプレは>>2bbs.animanch.com設定スレ
ここだけダンジョンがある世界の掲示板 脳内設定スレ107|あにまん掲示板①ここは、「ここだけダンジョンがある世界の掲示板」から派生したスレです。スレ立て時現行スレhttps://bbs.animanch.com/board/5625727/姉妹スレhttps://bbs.…bbs.animanch.com姉妹スレ
ダンジョンマスター専用掲示板 その72.5|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/5241990/※脳内設定置き場として共用させていただいている姉妹的なスレのサブスレッドです。書き込む際にはこちらの1の規定を守ってお使い…bbs.animanch.com・次スレは>>185さん
・スレ立ては「その他話題」、画像は「いらすとや」のイラストを使用
・「このダンジョン一緒に攻略しようぜ!」など、特定メンバーでやりたい遊びはダンジョン攻略スレで進行
・ダンジョン攻略の他に、集まってするイベントはイベントスレで進行
・画像の貼り付けは原則禁止
・あくまで掲示板、直接名前を出すのは避ける
・プロレス系ロールは喧嘩にならないよう気をつける
・スレチの話題は禁止
・メタ会話は()or(※)で囲もう
・本スレ、関連スレ以外へのコテハン・話題を持ち込むのは原則禁止
>ルールは上記を守るだけ
>熟練者に成るもよし 初心者に成るもよしダンジョン関係に成るのもok trpgのキャラに成りきるのもokです!
>気軽に誰でも書き込んでくださいね!
- 3二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 16:26:10
- 4二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 16:27:35
【使用済みたて乙切手が1枚落ちてきた】
- 5混沌のアビシニアン◆tLDWeA4xXI25/09/26(金) 16:32:46
【保守あくび】
- 6混沌のアビシニアン◆tLDWeA4xXI25/09/26(金) 16:34:05
【保守のびー】
- 7混沌のアビシニアン◆tLDWeA4xXI25/09/26(金) 16:35:20
【保守毛づくろい】
- 8混沌のアビシニアン◆tLDWeA4xXI25/09/26(金) 16:36:58
なーご
【保守鳴き】 - 9煉獄の戦鎚主人25/09/26(金) 16:41:30
立て乙だ……
武具の材料を集めてくれる冒険者を探している……
・フローティングパウダーの納品
フローティングパウダーはつむじ風の吹きすさぶ渓谷に生息するインプ系モンスターから採取できる、きらめく粉。これをふりかけたものは軽くなる不思議な力がこもっていて、インプたちはそれを利用して岩や丸太のような重いものを風に乗せて飛ばしてくる。
支給する袋に一杯を目安に採取してほしい
報酬:メイジブレイド又は20000G
【メイジブレイド】20000G
魔法戦士、又は魔法使いが握るために作られた片手剣。刀身に付加されたいくつかの素材が流れる魔力で活性化することにより軽く、鋭くなる
追加効果:装備者の魔力に応じて軽量化、攻撃力アップ、追加無属性魔法ダメージが発生する
・願望鉄(20Kg/回)の納品
願望鉄は付近にいる存在の欲望を受けて鉱脈が成長する特殊な金属で、欲望や望みが大きいものほど容易に大量に採掘が可能。しかし鉱脈には大抵願望鉄を餌とするデザイアスパイダーというモンスターが住み着いており、近づいたものの欲望に応じた幻を見せ、邪魔者を追い払おうとする。
報酬:一回分につき70000Gもしくはブラッドダスト(性能が同じ、別の武器種の製造も可)
【ブラッドダスト】70,000G
鍛冶師のうちに秘めた飢えと凶暴性を形にした呪剣。飢えを体現するかのように持つ手に食らいつく
追加効果:攻撃のダメージが常に倍になる。この剣を使った攻撃は必要なスタミナが2倍になる。
呪いあり:一度装備したら解呪しない限り外れない
・ネイチャーゴーレムの素材の納品
ネイチャーゴーレムは土と植物で構成された自然発生するゴーレムで、高い自然治癒力と怪力が特徴。コア、土、そして植物サンプルを求む
報酬:15,000Gまたはネイチャーソード
【ネイチャーソード】15,000G
土と植物で出来た刀剣。この剣は生きているため、適切な栄養さえあれば自らを修復する。
追加効果:攻撃時、相手から生命力ドレイン(小)
消耗または破壊された場合自動修復する。自動修復中は装備者の生命力が徐々に減少する。 - 10煉獄の戦鎚主人25/09/26(金) 16:44:55
それと、未知の魔物に興味はないか……
いくつか情報が入っているのだが……
【特殊】魔物の調査と素材の納品
報酬:該当の素材を使った希望の装備を一つ
この世界には常に未知なる魔物が新たに確認され続けている。鍛冶屋としては新たな素材が気になるが、自分は戦う力を持たないため冒険者に任せたい。
現在判明している情報は外見のみ、名称さえも仮称にすぎないが、素材を納品してくれればそれを使って武具を作ろう
※外見だけのお題に好きなように強さと設定を盛ろうというクエストです。描写と設定から装備の追加効果が決まります
《現在の情報》
【草食キマイラ】
ウマの上半身、ウサギの下半身、鹿の角、カモの翼、ステゴサウルスの尾を持つキマイラ。人間を獲物と見なすことはないものの縄張り意識が強く、凶暴。
【アビサルエッグ】
見た目は真ん中にひび割れた穴が空き、その中から5つ目が覗く1mほどの何かの卵。卵のまま跳ね回り動き回る。
航海中、水深の深いところを通る時だけ水中から飛び出してくるらしい
【虚空のアギト】
空中を飛び回る、サメの顎。顎だけなのか、それとも顎以外見えていないのかは不明
【サバ戦隊】
きっちりとした陣形を取って宙を泳ぐ6匹前後のサバの群れ。統率はきっちりしていて別行動する様子は一切確認できない
【増える赤目ちゃん】
赤い目をした白くてのっぺりした何か。発見者が近寄ったところ、突然無数に分裂したという
※鍛冶屋の個人依頼の範疇に留めるため、魔物が人里を襲っているなど現在進行系の緊急事態は避けてください(現地勢&ギルドなにやってんねん案件になってしまうので)
※あとに残る深刻な影響はできれば控えていただけるとありがたいです(現地の崇拝の対象であり倒したことでこじれるなど) - 11赤耳剣-RN/Lv.1225/09/26(金) 16:53:57
(※たておつですわ!)
【残りは二体。《氷牙一閃(á+t+h)》は前回の戦闘後に覚えたばかりなので《雷鳴一閃(á+t+s)》程の練度が無く、魔法剣としての純粋攻撃力が低い。質量を加えて打撃攻撃とするにも水筒の中身は使い切ったので、女のMAT(魔法破壊力・知力)では一体を倒すのに二撃必要だろう】
【今の女のMANA(使用可能魔力)は27。《氷牙一閃(á+t+h)》は一回に付きMANAを3消費するので、一度使った今は残りMANAが24。あと8回は《氷牙一閃(á+t+h)》を使えるが、魔力回復ポーションも出来れば節約をしたい現状だ】
【深夜の見回り依頼の時にライト(携帯用照明魔道具)を使い続けるのに一度の見回りでMANAを2消費する、見回りが時間内に3回はあるので合計して6消費だ。戦闘がある場合にも備え、今の女の最大火力である《雷鳴一閃(á+t+s)》の消費が6である事を考えると二回使えるMANA12は残しておくべきだろう】
【戦闘力がありません、では"万が一"の時も想定して雇われている女が見せるべき誠意に欠ける】
【そう考えるとMANAは18残しておくべきで──この依頼で使える残りMANAは6となる】
【計算は完璧だ】
【……あれあれ、それじゃあ一匹倒す分のMANAが足りませんよう?】
【女が首をかしげる。いや、待つのだ。一体を倒すのに二撃必要なのであって二回分の発動が必要なわけではない。当然、二体を倒すのに四回分の発動が必要なわけでもない】
【一合分の時間である約10秒持続するのが《一閃(á+t)》系の技巧(スキル)であるので、ナイフの軽さなら女でも10秒で数撃を叩き込む事くらいは出来る】
【残るスケルトン二体は様子を見る様に女を挟んでだいたい対角に数mほどの距離を取っているので、女のSPD(反射神経・動作速度)とMOV(戦場機動・戦術理解)でも一撃ずつ上から下へ振り下ろす攻撃を行うなら届く範囲である】
【MANA消費が倍の6となるが、大気中の水分を凍らせて《氷牙一閃(á+t+h)》に質量の刃を与えることもできるので、丁度6を使いきれば倒しきることが出来るのだ】
【……なるほど!】
【女はそうした】
【街道に出没した骸動骨(スケルトン)の討伐依頼である】 - 12二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 16:57:36
よくわからんがすごいことはわかった
【IQ3の顔】 - 13二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 16:58:21
結構数値が出るタイプなんだな。まあレベル制冒険者ならそんなもんか……
- 14赤耳剣-RN/Lv.12→1325/09/26(金) 16:59:56
【 次回錬度更新(レベルアップ)時の MAT(魔法破壊力・知力)+MANA(使用可能魔力) への成長補正 +1 】
【 EX skill-[腕甲防御] 習得度 +1 】
【 戦闘勝利:《魔法剣士(ルーンナイト)》 練度向上 12→13 】
パッ、パリィがあると……腕を怪我しなくても攻撃が防げることがあるので良いですね……!
【今回の治療費(ポーション代)は0である】
【水筒代(おおきめのやつ)は200Gほど掛かった】 - 15二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 17:01:21
- 16二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 17:02:46
魔力量が数値で出てくるから、数値管理してれば突然の魔力切れが無さそうなのは結構便利だよなああいうの
- 17赤耳剣-RN/Lv.1325/09/26(金) 17:07:53
- 18二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 17:14:31
うちのパーティメンバーは出る奴だけど「買い物に行った時に値段とか見ないまま勘で値段考えて財布の中身を大雑把に重さで判断して買ってる人見てる気分」とは言ってたな
- 19二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 17:18:11
わかるようでわかんない例えだな?
- 20二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 17:44:31
がおー!
【エビフライが皿の上で四足歩行で立つ】 - 21魔剣の射手『ローラン』25/09/26(金) 17:52:26
たて乙だぜ
【畑で収穫の手伝い中】 - 22騒々神◆7Ne9e.LPTA25/09/26(金) 18:15:56
【ぐでーっとしてる】
- 23朽骨◆V0eCPpWRe625/09/26(金) 18:24:29
- 24二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 18:26:42
- 25バブーシュカのしっぽ職員25/09/26(金) 18:36:49
たておつです
…変わった揚げ物ですね
中身は…ブラックタイガーでしょうか - 26闇蛇輪25/09/26(金) 18:37:02
た、たてお、つ………
【先住民族マル=エネドゥラルのテントの中で寝床に突っ伏して呻いている】
【地上げ問題に関して今度はマル=エネドゥラルの民に話を聞きに行ったところ
まずは「大地の子どもたち」を知ってから話をしようと言われ馬に乗ることになったのである】
【……がアリッサはそもそも馬に乗るのは初めてな上、乗るのは馬とともに生きて慣れきっているマル=エネドゥラルの民が育てている戦馬である】
【結果としてあちこちが筋肉痛だしお尻は痛いしでこうして沈んでいるのだ】 - 27ムゥ◆Tp24yzWpm625/09/26(金) 19:21:18
【今日も今日とて……依頼を達成して報告書を出すが全員煤けている】
【報告書をだし終えるとギルドのそとでお互いの煤や灰をはたきあって汚れを落とす】 - 28闇蛇輪25/09/26(金) 19:22:26
【アリッサが寝床で呻いていると、テントの入り口のベルが鳴らされて一人の老人が入ってきた。
エキゾチックな衣装を身にまとい、体中におそらく宗教的な意味のある刺青を施したこの人は、ここのところアリッサとともに開発会社と話し合っている先住民族の代表者で「チーリス」と呼ばれていた】
あ、ごめんなさい!すぐ起きまっ………うぐ……
「ああ、どうかお気になさらずそのままで。初めて馬に乗った子供たちは皆そんなものですよ」
【慌てて起き上がろうとして痛みに呻くアリッサをチーリスは笑いながら制止した】
「……さて。あなたを一方的に巻き込んでしまったことはいくらこの老いぼれた頭と言えどわかります。
いずれ話さねばならぬことは承知しておりました。しかし我らと大地の子供たちを知らぬ「よそ者」のままでは話せぬこともございます。
正直に申し上げれば、あなたをあの開発会社の手先ではないかと疑っているものも一族にはおりますから――こういう場合にしきたりは一定の効果があります」
「して、我々の何をお知りになりたいのですか」
【アリッサは何から聞くべきかちょっと迷った。街の方ではマル=エネドゥラルの人々の情報はほぼ得られなかったのだ。
街の人々は彼らを敬意を持って扱っていたが、一定の距離を置いていたようで「馬を育てて草原に住む神秘的な人々」であることくらいしか分からなかった】
……変なことを聞くけれど、この草原にあなた達が住んでいるのはどうしてですか
昔から住んでるから、だけじゃない気がする - 29フライパンドラ◆UwIgwzgB6.25/09/26(金) 19:38:38
- 30闇蛇輪25/09/26(金) 19:46:02
「それは、この一帯は我々が偉大なる「金の風」と「黒き轟」から預かった土地であり、彼らの墓標でもあるからです」
………金の風、黒き轟……って何でしょう
【そう聞くとチーリスはちょっと困ったように笑った】
「とても説明が難しい。あなた達の呼ぶものであれば大いなる精霊、神の使い、祖霊、そのような。しかしどれでもありません」
「まだあの街もない時代のことです。この近辺で魔術師同士の戦いがありました。
彼らはもっと大きな軍勢の指揮官だったそうですが、その魔術のぶつかり合いは恐ろしい反発を招き、すべての兵隊を飲み込んで恐ろしい魔術嵐となりました」
【アリッサはチーリスの語る昔話に黙って耳を傾けた】
「その魔術嵐は実際の暴風雨を伴っていただけではありません。それに触れたすべての魔法は正しく動作しなくなり、魔術師やシャーマンは残らず力を奪われ、時には人の形を失うことさえあったと言います」
「我々マル=エネドゥラルの最初の人々はその魔術嵐から逃れてきたわずかな難民でした。
それを導いていた一組の男女が「金の風」と「黒き轟」と呼ばれる二人の魔術師だったのです」 - 31闇蛇輪25/09/26(金) 20:01:50
「二人は我々の祖先をこの草原へ導きましたが、いよいよ魔術嵐が追いつきつつあることを知ると、人々を集めてこう告げたそうです。
『私たちは行かねばならぬ。最後の贈り物としてこの大地をあなた達に預けよう』
『我ら二人の生きた証としてあなた達に大地から子供達を送ると約束しよう』」
「そうして金の風は美しい尾花栗毛の馬に、黒き轟は漆黒の馬に姿を変えると魔術嵐の雲へと駆けていきました。
その後をみたものは居ません。ただ、彼らが地平線に消えると同時に魔術嵐の雲はあっという間に薄れて吹き飛び、マル=エネドゥラルの民は生き残りました。
祖先はそれでも「金の風」と「黒き轟」を待ち続けましたが、彼らは帰って来ず骨の一つも見つかりませんでした。
その代わり、この草原には二人が姿を変えたそれのように立派な馬たちが現れ始めたのです。
これが約束の子どもたちに違いないと理解した我々は、偉大なる二人からの贈り物を守り、彼らから預かった土地で暮らしてきたのです」
………2頭の馬。雲……
【アリッサはなんとか身を起こし、『草原の地図』を取り出してチーリスの目の前に広げた。
それを見た瞬間、チーリスの顔から笑顔が消えてしわの奥にある目が鋭く光る】
「これをどこで手に入れなさった」
……知らない。売ってたのを買っただけで
【我ながらあんまりな返事だが、採取専門さんから出どころとか一切聞かなかったので他に答えようがない】 - 32闇蛇輪25/09/26(金) 20:16:08
【チーリスは少し唸った後、テントの外へ出ていくと1枚の巻いた布を持って戻ってきた。
それは布と糸で作られていて、インクではなく刺繍で綴られたものだったが1枚の絵だった。
一面の曇天に向かって走る2頭の馬。『草原の地図』に描かれたものと全く同じ構図だ。
違うのは、マル=エネドゥラルの刺繍には地図のようなものはなく、文字も共通語ではないことだ。
もちろんアリッサにマル=エネドゥラルの伝統文字は読めない】
……なんて書いてありますか
「これは去っていく「金の風」と「黒き轟」を当時の織り手が残した絵だと言われています。
『我らの導き手が去る。彼らが行かねば我々は滅び、行ってしまえば彼らを失う。
この刹那が、いっそ永遠であれば』
そう書かれています」
【『この刹那が、いっそ永遠であれば』――草原の地図に描かれた文言と一致する】
……何かあるんじゃないかと、調べに来ました
そしたらあなた達と会社の人が揉めていて
この位置は、何がありますか。もしかしたら会社の人はそれが欲しいのかもしれません
「調べたことはありません。我々に地を掘り返す必要はなかったのですから」
【チーリスは首を横に振った】
「この周辺も、その周りと同じく草原です。建物も石碑もない。
強いて言うなら、野生馬の群れがおります」
……野生馬
「マル=エネドゥラルは大人になれば、誰でも好きな馬に乗ることを許されます。乗ることができれば
そういった初めての馬を野生馬から選ぶとき、我々はよくこのあたりに行きます」
【ますますわからなくなってきた。
馬飼いのマル=エネドゥラルならともかく開発会社が野生馬の群れなんか貰ったって困るんじゃないだろうか?】 - 33ハサミ少年25/09/26(金) 20:16:12
立て乙ですよー
【もっちゃもっちゃと夕飯の餅入りエビチリを食べてる】 - 34闇蛇輪25/09/26(金) 20:19:22
- 35ハサミ少年25/09/26(金) 20:22:15
- 36『ドールプレイ』25/09/26(金) 20:29:30
【これまでのあらすじ】
【つい先日冒険者登録した新人冒険者『ドールプレイ』は先輩冒険者から紹介された武器や魔道具のテスター募集依頼を受ける】
ごめんなさぁい
私は依頼を受けてきt
「ヴォハハハハハ!!
テメェが『ドールプレイ』のボルトだな!? これからするテストの説明をするからテメェはただ“はい”と頷け小僧!」
え、いっt
「100の武器を実戦形式で100回ずつテストする! 使い方はワシが教えるから安心しろ!」
いや俺戦士じゃなくて魔術s
「試合終了の条件はどちらかが10カウントダウンするか地面に描かれた白線の外に出るか! 試合が終了した時点で周りに立っているヒールゴーレム4体が回復させるから絶対死なない!」
ちょっと話を
「辞めたくなったらいつでも言え! その時点まで行ったテスト分の報酬はキッチリ払ってやる!!」
待っt
「さあこの剣を持てボルト! 早速テストを始めるぞ!!」
【これからのあらすじ】
【100ある武器をそれぞれ100回ずつ実戦形式でテストするとかいうどう考えても登録して初めて依頼を受ける冒険者にやらせる内容ではないものをやる事になった『ドールプレイ』はボッコボコにボコされるのだった】 - 37ムゥ◆Tp24yzWpm625/09/26(金) 20:30:44
- 38ハサミ少年25/09/26(金) 20:32:17
- 39二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 20:33:24
- 40『ドールプレイ』25/09/26(金) 20:35:15
【大柄な体躯で豪快な言動の白髪爺さん】
【それが依頼人なのだが、剣を持たされてからのテストそのものは意外にも丁寧に行われた】
「おい背筋伸ばせ。握る力はもう少し弱くて良い」
【白髪爺さんはこちらと同じ武器を持って、見真似しやすい様に動きながら戦いを進めてくれた】
【全体の流れとしては、最初の20戦で武器の基本的な扱い方を教え、次の20戦で応用法を教える】
【このときの指導は白髪爺さんの教えが良く、魔術師だった『ドールプレイ』にも素直に飲み込めるものだった】
【それから次の60戦で仮想敵である魔物との戦闘をするらしい】
【らしい、というのは白髪爺さんが口頭でそう説明はしたものの、周囲には仮想敵になりそうなものはいなかったからだ】
魔物との戦闘って、その魔物はどこにいるんです? そこにいるヒールゴーレムとかなら俺勝てる気しないから嫌なんすけど…
「ああ、そりゃ俺だ」
【は? と呆けた声がした】
【いや確かに魔物じみた独特さを持つ爺さんではあるが。変身魔法でも使うつもりなのだろうか、などという思考が脳を巡る】
「まあ見てろボルト。
───象形拳、幻造行・狼」
【白髪爺さんが両手を地面に付けて姿勢を低く落とす。まるで四足歩行の生物が如き佇まいをもってして、変わる】
【あり得ない光景だった。先程まで剣を打ち合っていた相手である白髪の爺さんが、今は狼にしか見えないのだ】
【いいや、“それ”が白髪爺さんであることは分かる。だが、立ち振る舞いがあまりにも狼そのものなので、それに騙された脳が無意識に「今目の前にいるのは狼なのだ」と補正をかけてしまっている。仮にも一介の魔術師としてその筋道を推察してなお理解し難い現象だった】
いや、気色悪…
【それはそれとして、爺さんが本気になって狼の真似をしている光景にはドン引きだった】 - 41闇蛇輪25/09/26(金) 20:35:31
- 42二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 20:36:28
- 43『ドールプレイ』25/09/26(金) 20:37:15
(※すみません、もし問題になった場合には消します)
- 44ムゥ◆Tp24yzWpm625/09/26(金) 20:37:49
- 45ハサミ少年25/09/26(金) 20:40:29
- 46闇蛇輪25/09/26(金) 20:44:44
- 47ムゥ◆Tp24yzWpm625/09/26(金) 20:48:35
【もちもちとチリソースのかかった餅を食う4人】
ムゥ
『…甘辛いソースが淡白な餅にここまで合うんだね』
ジェーン
『期待してなかったけど…コレクセになるね!』
ハカナ
『甘辛いのがいいんでしょうか?食べやすいですね』
ミニ
『…』【もくもくと餅を仮面の目の穴に詰め込み仮面がソースまみれになってる】 - 48運命の司書25/09/26(金) 21:00:24
【リスの獣人が入ってきて…でかい時計を抱えた】
【その隣にいる羊の獣人は…サングラスに帽子にヘッドホン、だいぶパーティーピーポーだ】
ロスコ「えー、こんばんは。さて、今日の方はいるかな…」 - 49『ドールプレイ』25/09/26(金) 21:01:04
くっ、つよ…
【剣を振るう。教えられた通り、対獣の動きで】
【だが、“狼”には中々当たらない。小柄で素早く、逆にすれ違い様に爪で切り傷を付けられる。前半40戦で指導されて剣の腕前にちょっと自信を持ち始めてきた『ドールプレイ』の心は早々に折られそうになっていた】
「ワオーン!」
【また恐ろしいことに、狼の真似は本物と一寸違わぬ精度で行われている】
【剣を捨て、素手での戦闘をこなす白髪爺さんが与える傷は狼の爪牙で与えられる傷と何ら変わらない。(と言っても、『ドールプレイ』は狼に傷付けられた事はないので、恐らく狼に傷付けられてもこの様な傷になるのだろうという推測しかできていないが)】
【178cmある『ドールプレイ』よりも更に大きな身体を持つ筈の白髪爺さんに乗り掛かられる体勢になった時、己より軽いと実感できる程度の重さしか感じられなかった事には怖気が走った。「どう見てもその筋肉ならもっと重い筈だ!」などと】
っし、……!
【幸いであったのは、本当に“狼”の範疇でしかなかった事だろうか】
【初めのうちは牙で肉を抉られダウンしたり、速さで翻弄され場外に追いやられたりしたが、少しずつ慣れる事ができた】
【誘導してやれば場外にできるし、剣を上手く当てればダウンも取れる。登録したての冒険者としては上々の戦果を上げる事ができていた】
【そうして、初めの100戦を終える事になる】
お、終わったぁー…… - 50ハサミ少年25/09/26(金) 21:01:08
- 51運命の司書25/09/26(金) 21:04:40
- 52ハサミ少年25/09/26(金) 21:05:36
- 53運命の司書25/09/26(金) 21:08:21
ロスコ「ではよろしく~…」
【3人は闘技場へと向かった…】
【宙に浮かぶのは大きな時計。輝くような透明のそれは、遠く北を産地とするガラス製の電子時計を模したものだ】
【ただ1つの金属製の長い針が12を指したまま止まっている。その背後には、1冊の本が埋め込まれていた】
アリエス「さて。軽く説明を…我々の魔法技術により本の世界を闘技場に展開し、そこで出てきた相手と戦ってもらいます」
アリエス「本に対する難易度設定は12段階、時計をモチーフにしていることは既にお分かりかもしれません」
アリエス「本の中の世界に入るには…」
アリエス「カウントダウン9。1から順に数字を、難易度と同数まで唱えるのです」
- 54ハサミ少年25/09/26(金) 21:12:29
- 55運命の司書25/09/26(金) 21:14:41
【カウントダウンに合わせて、時計の針がゆっくりと動く…そして9を示した瞬間、それは辺りを完全に包み込む光を放った】
【冒険者は、何かに吸い込まれるような感覚を感じるだろう。】
【そして次に視界が開けた時…】
【その妖精は1人の少女だった】
【煌びやかな白とピンクのスカートに身を包み、背中にはステンドガラスを思わせる澄んだ緑色の羽が躍っている】
【周囲の地面が揺れ動き、いくつかの花を咲かせた。まるでその登場を祝福するかのように】
【おとぎ話の中から出てきたと言っても過言ではないだろう。実際そうだが】
【空に浮かぶ妖精はゆっくりと着地すると、冒険者の方を向いた】
「わたくしのことを知りたいと? ならば教えましょう、ついてきて」
【妖精が虚空に弦を引き絞るような動作をすると…弓が出現した。これまたステンドガラスじみて輝く、目を引く弓だ。既にそこには矢状のものが構えられている】
【指が弦を放れ、冒険者へ向かってそれが射られると…命中の寸前に風船に変化した】
【当然風船それ自体に殺傷力はあるはずはない。だが】
アリエス「見た目に油断しちゃいけません」
【風船の中がバチバチと言う音がする。何か火薬的な魔法が仕込まれていることは明らかだ】
【それは小型の花火…目の前で爆発すれば、常人は無事では済まないだろう】
- 56黒衣の少年◆2AXwRczk6.25/09/26(金) 21:15:58
【今より数日前のこと】
【とある村落で数日間肉体労働等の手伝いをする依頼に出かけていたゼノであったが……】
「貴様のその雰囲気……冒険者だな?」
確かに俺は冒険者だが、お前は何者だ
「そうであれば詳しく説明する必要もない、ワタシは殲魔教団の一員だ、忌まわしき魔を扱うその命……ここで絶たせてもらう」
まさか村の近くに殲魔の者がいたとはな、悪いが俺もここで死ぬわけにはいかない
「元より話する卓も無し、死合う前の会話もここまで……ここからは命のやり取りといこう」
俺もギルドからも睨まれている要注意団体の一つに狙われるようになるとはな……いいだろう、勝負だ
【ゼノは自身の武装であるバスタードソードとスナイパーライフルを構える、相手方の黒コートの殲魔の男も短剣を逆手持ちにし、ハンドガンの銃口をこちらに向ける】
【武具の内容こそ両端にあれど、その有り様はまさに鏡写しのような2人が戦い始める】
食らえッ!
【ゼノは開口一番ライフルを発砲して牽制、それと同時に躱すことを見越して大剣の一撃を抜き放って相手のスペースを狭める】
「甘い!そんな大振りの攻撃には当たらんぞ!」
【が、殲魔の男も負けず劣らずの体捌きで銃弾と斬撃を華麗にすり抜け、ハンドガンと短剣による高速連撃にてゼノを追い詰める】
(クッ……!この男、見かけは俺より数歳年上程度の若い見た目だが、持ち合わせている技はかなりの練度だ!)
【優美にして優雅、まるで王侯貴族の扱う宮廷剣術のような卓越した動きに翻弄されるゼノ】
【だが冒険者には冒険者のやりようと言うものもある、これまで記憶した“熟練の冒険者”たちの戦術を真似て攻撃を跳ね返す】
「ッ……!中々の手合いだな、敵であることが惜しいくらいだ」
それはこちらも同じだ……だが無駄話をするとは随分余裕だな、俺はまだまだ倒れないぞ!
【だが、激化しかけた2人の勝負に水を差すように地鳴りのような轟音がその場に迫ってくる】
【その音の正体は、この先の村落を狙おうとする魔物の大群の足音であった】 - 57ハサミ少年25/09/26(金) 21:26:21
はえ
【カウントダウンを終えると同時、ハサミ少年は間の抜けた声をあげる】
【気がつけば、目の前に少女がいた】
【しかもおとぎの国の妖精そのもののような見た目の少女だ。華奢で繊細なガラス細工のような見目に、思わず少しだけ戸惑う。
女性と刃を交わしたことはあるが、これまで相手をしてしたのは戦士としての心得がある者ばかりだ。斯様に柔い娘と対峙するのは始めてのことである。なんなら見た目だけなら思いを寄せている故郷の姫君よりもよほど可憐だ】
【愛剣たるハサミを手にわずかにためらっていると、少女はそのたおやな指を振るい弓を出した】
【これまたガラス細工のように麗しいそれをキリと引き絞り、流れるような所作で矢を放つ】
【ためらいがちにその場で足踏みしていた少年は、それを見てようやくとばかりに慌てて身を翻した】
【数テンポ遅れた事の始まり。しかし身に染み付いた戦士の所作のおかげか動き自体に淀みはなく、ひらりと迫る矢を躱してみせ───ようとした刹那、矢が風船へと変わった】
【よく見れば、風船の中にはぱちりばちりと火花が光っている】
……なるほど、そういう魔法ですか
【曲芸じみた絵面だが、本の中から魔物が飛び出す魔法よりかはよほど理解できる。要は当たらなければ良いのだ】
【くるりとハサミを回転させ、それぞれを分って二振りの直剣へと変えると少年は妖精の方へと向き直る】
【最初は戸惑ったが、術師であると理解できたならばやることは変わらない】
紫焔───まずは、様子見です!
【低く呟けば、双刃が紫の焔で包まれた。それは、相手の生命力を奪う呪の炎、少年の得意とする呪詛である】
【紫に燃え上がった双刃を構えて───二閃。勢いよく刃を振るう
すると、クロス状に重なった二本の炎の斬撃が妖精向けて走った】
- 58不貫羽毛25/09/26(金) 21:30:26
- 59『ドールプレイ』25/09/26(金) 21:30:38
【1つの武器のテストを終えたら小休憩を挟む】
【白髪爺さんがスポーツドリンクを持ってきて『ドールプレイ』へと手渡す。渡されたドリンクはどんどんと青年の喉に消えて行った】
それで、なんで俺がこんな戦士みたいな戦闘やらされてるんすか
俺の前職魔術師ですし、冒険者になったのはつい先日で戦士なんてのはそもそもやる気もないんですけど……
「だからだ」
【白髪爺さんは即答する】
だから、って…
「冒険者ってのは衝合被災者の受け皿だ。
戦士になるなんて少し前までは考えたこともなかった様な奴は少なくない。
だから、ワシらの作る武器は“剣を握ったばかりの素人”でも扱えるものでなくてはならない」
……はへぇー
ちゃんと考えてるんですね、そこら辺
「ヴォハハ!
ワシの事なんだと思ってるんだボルト!」
……………急に犬の真似する奇人?
【この次からのテストはもうちょっとだけ厳しくなった】 - 60二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 21:32:41
- 61二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 21:33:12
確かに学生だったのに急にコッチの世界に来ちゃった人もいるしなぁ……
- 62闇蛇輪25/09/26(金) 21:33:41
- 63不貫羽毛25/09/26(金) 21:35:23
- 64二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 21:36:57
- 65運命の司書25/09/26(金) 21:37:16
【妖精が手を振ると、虚空から紙の人形がいくつか出現した】
【防御のつもりだろう、それを炎に向かって放った…が、呪いにより即座に燃える。多少の減衰は入ったが…本人も慌てて避ける。羽の一部が炎に当たり溶けた】
【この妖精には欠点が1つある。再生能力は高いが、その分傷を負いやすい】
【そして本来早く行われる回復は、生命力が奪われることによって遅くなっているらしい】
ウ…とはいえまだまだ!
やるようですね…!
【刀持ちでも、遠距離から攻撃を放ってくるなら遠ざかるのには意味はあまりない。むしろ弓使いは距離を少し詰め、より早く攻撃を相手に到達させることを優先する】
【妖精の弓矢が、今度は地面に向かって放たれる。透明な光の矢が、地面へと突き刺さって溶けるように消えた】
【妖精の力は自然そのものの力。大地の生命力が呼び覚まされ、大輪を割かせた花がいくつも現れる】
【それらは一斉に冒険者の方へ向くと…勢いよく種を発射した】
【物理的に痛いだけかのように見えて、その種に表面にある粉は強い幻覚作用がある。目や傷口にでも当たれば戦闘はより難しくなるだろう】
- 66黒衣の少年◆2AXwRczk6.25/09/26(金) 21:39:28
魔物の群れだと……!?このままじゃ村が……!
「…………ここは一時休戦だ、冒険者」
「ワタシも殲魔の一員として魔物を見過ごすことはできん、不本意だが貴様と協力してアレらを倒すぞ」
何だと!?
【思わぬ提案に面食らってしまったが、この男を相手取りながらあの数を1人で捌き切るのは不可能に近い】
【であるのなら今は……】
良いだろう、俺も殲魔と協力なんて乗り気じゃないが仕方ない……!
群れの討伐は手早く済ませるぞ!
「言われなくとも……!」
【2人揃って魔物の大群の方へ向くと、そこからは互いの実力を補うようにして群れを討ち払っていく】
【大剣で薙ぎ払った集団の撃ち漏らしを短剣術により的確に仕留め、ハンドガンによる牽制で隊列が乱れた魔物たちをスナイパーライフルで掃討する】
【本来は敵であるこの2人は、これ以上ないほどに戦闘コンビネーションの相性が良かったようだ】
【そしてゼノたちの手によって、あっという間に魔物の群れは1匹残らず駆除されたのだった】
今のが最後の1匹か
「これで終わった……な、ならば続きを」
『うわーっ!すげ〜!!!これ兄ちゃんたちが全部倒したのか〜!?』
【と、戦いを再会しようとした2人の前に、また水を差すように今度は村の少年が現れ、魔物討伐の一部始終を見ていたのか、感激して2人の近くに寄って行った】
い、いや……これはだな
『なあ!一昨日から村の手伝いに来てる冒険者の兄ちゃんだろ?すげぇ〜こんなに強かったんだ!あとそっちの人も冒険者の仲間なんだろ?すごいや〜2人で村を襲おうとしてた魔物を倒してくれたんだ!』
「仲間というか、なんと言うかだな……説明するにもややこしくなるな……もういい、ヤメだ」
「お前を始末することはしない、それに……この村の人間たちはお前のように“忌まわしい魔”を使うことはしていない」
「そんな人たちの前でわざわざ殺しというのもな」
はあ……?殲魔ってそうなのか……?
【困惑した表情を浮かべるゼノに対して、少々呆れもあるようにため息をつく黒コートの男】
【そんな2人は村の少年に連れられて、村人たちの前で今日のことを英雄譚のように語られるのだった】
- 67闇蛇輪25/09/26(金) 21:43:03
- 68フライパンドラ◆UwIgwzgB6.25/09/26(金) 21:43:43
- 69不貫羽毛25/09/26(金) 21:46:12
- 70闇蛇輪25/09/26(金) 21:51:32
- 71ハサミ少年25/09/26(金) 21:51:54
【出現した紙人形に、ついと眉をつり上げる】
【呪は当たれば強いが当たらねば意味がない。どんな攻撃もそうだろうと言われればその通りだが、呪は特にその性が強いのだ。なにせ普通の炎のように予熱というものがない】
【さて、追加で攻撃を放った方がいいかと思考を巡らせば、結論を出す前に炎が紙人形を焼き尽くし妖精にも傷をつけた。
それを見て一人なるほどと頷く。下級冒険者-じぶん-でも突破できるあたり、かの妖精の硬さはそこまでらしい。生命奪取の呪で流れ込む妖精の生命力に得心した】
……妖術!
【と、そう思っている隙に妖精が動き出す】
【妖精が地面に放った矢が地面に溶け込むと同時、なんらかの術であると察した少年は冷静に地面に足で線を引いた】
【唐突な行動に不審を抱くものもいるかもしれないそれ、しかし少年は一貫して真剣な表情で】
【と、そうこうしている隙にいつしか地面には大輪の花が咲き、いくつもの弾丸が射出される】
焔陣!
【それを見て少年はすぐさま足で敷いた線を足先で蹴るように叩く。すると線から紫の炎の壁が立ち上った】
【紫焔の壁は弾丸の数割を燃やし、数割の威力を大幅に削減する】
【その隙に少年は後方へと飛び退るが、威力を殺しきれなかったいくつかの弾丸が少年を捉える。脇腹と腕に掠る弾丸。服で多少減衰されるが、肌が抉られる痛みに顔をしかめる】
【加えて、だ。少年は思考する】
【あのあからさまな大輪の花。この弾丸が、ただの弾丸であるとは思えない。なんらかの効果を及ぼす前に手を打たねば】
【そう考えた少年は、炎の壁に隠れるように身をかがめる】
【そのまま姿勢を低くし、魔力を足先に込めて───弾丸のように跳ね跳んだ】
【いわゆる縮地法の一種。仙人の超抜技巧を魔術で限定的に再現したもの】
【下級冒険者たる少年ではとても素早い踏み込み程度の力しかないが、それでも十分なスピードで妖精へと迫っていく】
【そして、妖精を切り裂かんと右腕のみで刃を振るった】
- 72『ドールプレイ』25/09/26(金) 22:00:50
【2つ目の武器は槍だった】
【特に特殊な仕掛けはない、シンプルなもの。先ほど聞いた理由を聞けば納得ではあるが】
「槍の長所は何と言ってもリーチの長さだ。距離を意識しろ」
槍の“長”所だけにリーチの“長”さってことですか?
「おういっぺん凍え死ぬかボルト」
【最初の40戦で行われる指導はすんなりと飲み込めた。このテスト形式の理由を聞いて納得できたからだろうか。それとも単に槍の方が自分に合っていたのか】
【さておき、40戦を終えて次は仮想敵との戦闘60戦。先程と同じく狼を相手にするのかと『ドールプレイ』は思っていたが、どうやら違うらしい】
「象形拳、幻造行・猫」
【両手を地面に付けて姿勢を低く落とすまでは同じだが、細かな振る舞いが違う】
【しなやかに、そして細い目つきでこちらを睨む姿からは“猫”が連想された。無意識下で行われる脳の補正が白髪爺さんを猫へと変えていく】
「にゃーお」
更に気色わる……
【その光景には更にドン引きだった】 - 73運命の司書25/09/26(金) 22:01:39
【こちらに近づくであろうことは理解していた。しかし…その速度は明らかに想定以上】
【ほぼ反射で剣を弓で弾く、軌道を反らして躱したと言った方が正しいか、それでも弓は破壊される】
【問題ない。これは妖精の力そのもの、再生は魔力を注げば可能、現に即座に修復した】
【剣の間合いの接近戦だが、翼で離れるのは厳しい。なら?】
流石ね。ちゃんと食らっても…向かってくる、それでこそ私がかつて相手した冒険者ってやつ!
【ほぼ反射的に妖精は矢を放った。ターゲットは冒険者本人ではなく…それらは分裂して小さな矢となり…地面に当たったいくつかは入射軌道と垂直な方向に光の輪を放った。どうやら着弾地点に光の輪を放つ効果付きの矢らしく、その輪は刃じみた鋭さで花を簡単に切り裂いた】
【ハッタリの効いた見た目ほど派手ではない、しかし対処の難しい攻撃。近距離で放ったこれを避けるために離れるなら本望、さらに多少の傷でもあれば御の字だろう】
(※この次がラストアタックです)
- 74アノマス◆UBru6zWM0.25/09/26(金) 22:02:30
『今日はウサイクロンとウィングロップの耳を用意していざ、教えてもらった《テルグ・アトリエ》へ。どちらもうさ耳カチューシャに生まれ変わる予定だ』
『《テルグ・アトリエ》は魔術関連品に「術式を刻む」プロと呼ばれる職人さん達が集う工房。魔術スクロールや転移スクロールも手掛けているそうで、専門に扱う魔獣皮で作られたそれは使用者からも評判が高い』
『術式を刻んでもらうのは先ほど挙げた二つの耳素材。最初は鞣し作業、次に加工技術が光る形づくり、最後に術式刻印と三段階工程を踏むとのこと』
『段階で分けたら少ないのに時間にするととても長く。一度見たらどんな人でも装備や魔道具、様々なものを作ってくれる方々への感謝と敬意が溢れるだろう』
『魔女清掃員さんの下で魔道具製作の勉強をしている事を話すと、アトリエの職人さん達と距離が近づき、こちらをみる目が少しあたたかく?なった気がする』
『見習い同然な私にとって宝そのものである時間は過ぎるのも早く、作業は既に最終工程を終えようとしていた。刻んでもらった術式は秘密……』
【今度は君が刻んだものを持ってきてくれるのを楽しみに、と言われた事を嬉しく思いながら少女は日記を締める】 - 75ムゥ◆Tp24yzWpm625/09/26(金) 22:03:47
- 76『ドールプレイ』25/09/26(金) 22:06:16
【それからは流れる様に時間が過ぎて行った】
【槍の次は弓。弓の次は盾。盾の次は搥。搥の次は銃。銃の次は斧。斧の次は双剣。双剣の次は、などと。様々な武器のテストをして、白髪爺さんはそのテストを終える度に何やらメモを取っていた】
【1つの武器のテストを終えるごとに挟む休憩の合間に、白髪爺さんと話している時間は少し楽しかった】
【白髪爺さんの子どもは花屋を営んでいると聞いた時は驚いた。「この爺さんの子が?」と少し失礼な考えが過り、実際に写真を見せてもらっても信じられない気持ちがまだある】
【白髪爺さんは子どもの頃、犬を飼っていたらしい。それがあの奇怪な形象拳に関わってくるのかと思ったが、ただずぅっと犬の自慢をされて終わった。あれが可愛かったこれが面倒だったと延々語られるのはちょっと対応に困るが、子どもの頃のペットを爺さんになっても覚えているのは素敵な事だと思う】
【白髪爺さん曰く、冒険者は何よりも先に緊急転移スクロールを買えとの事だった。まあ最もなことで、命あっての物資な以上は安全策は必要不可欠だろう。それには素直に頷いておいた】
【白髪爺さんは最近の流行りについて行けていないらしい。“おいヤミ”って何だ? と聞かれた時は少し困ったが、それももう古いですよと伝えておいた。白髪爺さんはショックを受けていた】
「─────象形拳、幻造行・像」
【30個めの武器テストくらいから、ドンとキツくなった】 - 77闇蛇輪25/09/26(金) 22:06:18
- 78不貫羽毛25/09/26(金) 22:07:52
- 79騒々神◆7Ne9e.LPTA25/09/26(金) 22:08:23
【黒嶮ノ拳 -こっけんのこぶし- を手入れ中の神】
……結構気に入ってるしいつかこれ強化するのもありかな - 80黒衣の少年◆2AXwRczk6.25/09/26(金) 22:08:25
【少年が事の一切を村中に広めた結果、ゼノと殲魔の男は2人揃って『村のヒーロー』扱いをされ、まるで祝事の如き宴の場を用意され、出歩けば村落の住人一人一人から感謝を言われるようになっていた】
『弟を助けてくれてありがとうございます!あの子、あんなに楽しそうに言いふらしていますが、それができるのもあの場にお二人が居てくれたからです、もしあの子が無事でなかったら……私は生きる意味を無くしていたかもしれません』
いやそんな……俺は冒険者としてやるべきことをしたまでで……
「ワタシたちは大層なことはしていません、ですが貴女の御令弟を守ることができたのならば、冥利に尽きると言うものです」
【あの少年の姉から感謝を伝えられ、少々気が引けているゼノと堂々と答える黒コート、これではどちらが冒険者なのか分からないようなものだ】
「聞いたか、あの人はワタシたちが運良く助けられたあの少年以外に家族が居ないらしい」
「ご両親は……魔物に殺され、原型すらも残らぬほどに食い荒らされたところを発見されたそうだ」
「…………二度目は、守れたようだな」
……俺たちの即興での協力にも意味があったってことだな、冒険者としてはちょっと納得いかないところもあるけど
ところで……これからどうする
俺は冒険者で、お前は殲魔……相容れない部分があるのは確実だろ?
「あと2日……この村にいる間は、冒険者のフリをして貴様に協力しよう、ワタシが殲魔だと名乗ってこの村に不和を起こすのは本意ではない」
「その後は互いに忘れよう、幸運にも拾った命だと思って別れるさ」
そうかよ、随分と変わった奴だな……
一応仲間のフリをするんだ、名前だけは聞いてやる
俺はゼノ・アンダーソン、お前は?
「……ハル、ワタシの名はハル・オーバードだ」
「あと2日のなんとも奇妙な関係だが、互いの利益となる立ち回りを心掛けよう」
【握手は敢えてしなかった、だがこの黒コートは案外気が合うところがあるのかもしれない……という考えが、一瞬脳裏をよぎったゼノであった】
- 81アノマス◆UBru6zWM0.25/09/26(金) 22:10:15
- 82『ドールプレイ』25/09/26(金) 22:10:30
【『ドールプレイ』は疲弊していた】
【今テストしている武器は魔剣。『空力を操る』魔法が込められていて、とても振りやすい武器だ。上手く扱えば相手の空気抵抗を上乗せさせられる所も好ましい】
【これまでテストした中で一番扱いやすい武器と言って良いだろう。けれど、その分相手をする白髪爺さんも容赦しなくなってきている】
「どうしたボルト、立て。この武器もあと52戦は残ってるぞ」
…………
【何よりキツイところは、何度も傷つけて傷つけられる戦いだろうか】
【試合が終わればヒールゴーレムに傷は全て治してもらえる。痛みも後に残らない。事実として、最初は軽々と戦闘を重ねられていた】
【だが、それを何度も何度も続ければ話も変わってくる。精神的に疲弊してくるのだ。だから、幾ら体が治っても立ち上がれない状態になってしまう】
【次にキツイのは積み重ねられている実感が薄いことだろうか】
【1つの武器をある程度習熟させた頃に違う武器に移ってしまう。自分の中に取り込んだ技術をすぐに捨ててゼロから武器の扱いを学ばねばならない。まるで賽の河原で石を積むような作業だ】
【分かっている。これはテストの内容が悪いのではなく、ただ単に持久力の求められる仕事であるというだけだ。成果の出ない作業を永遠に続ける事など魔術師時代に幾らでもあった】
【その時と違うのは、戦士の様に戦っているという事だけ】
【もう辞めてしまおうか】
【テストした武器の数は30を超えてから数えていないが、今やめても十分な報酬は出るだろう。紹介してくれたアオ先輩にも格好が付けられる程度には働いた】
【今やっている事自体、ただのテストなのだ。軽んじるつもりはないが、他の者でもやれる事には変わりない。元々そういう内容だったのだし】
「あー……その、なんだ」
【けれど、それをしたら】
「………休憩するか、ボルト」
【この人、悲しむだろうなあ】 - 83ハサミ少年25/09/26(金) 22:10:31
【キン、と甲高い音が鳴って攻撃が弾かれる】
【だがそれは想定の範囲内、今度は左腕の刃で追撃せんとしたその時、視界の外で修復された弓が戻ってきた】
【と、くらり。視界が眩む、先の花の弾丸に込められた効果だ、と察するのは簡単だった。
なるほど、幻惑か。厄介な、苦虫を噛みつぶしたような気分になりながら、体勢を立て直そうと足を強く踏みしめる。幸いにも取り込んだ幻惑毒の効果は多くない、気合で立て直せる】
【そうやって態勢を立て直そうとした隙に、要請はすでに次なる手を打っている】
【引き絞られた弓、閃く一矢。少年ではなく地面を目指した矢はいつしかいくつにも分かたれ、着弾した橋から光の輪を放つ】
【あるいは、正気の状態であれば距離を離すまいと無理にでも刃を振るい光輪を焼き払いでもしたかもしれない】
【だが、今の幻惑毒に侵された状態ではあまりに危うい】
【少年は一度退却せんと足に力を込め、先の縮地法を用いて後ろへと飛び退った】
- 84闇蛇輪25/09/26(金) 22:14:23
- 85『ドールプレイ』25/09/26(金) 22:16:04
……濁音じゃない
「ん、なんだ?」
【『ドールプレイ』が立ち上がる】
俺の名前は“ボルト”じゃなくて“ポルト”。半濁音なんだ
「……そうだったのか、すまないな。ポルト」
全くですよ
人の話も聞かずにいきなりテスト始めて、こんな重い戦闘をいきなりやらされて、こっちはとんだ迷惑だ
「………そうか」
けど、だから分かった事もある
【魔力を練る】
【細く、細くまで収縮させて、糸として扱えるよう形状を整える。慣れた作業だ。これまでの戦闘などより、ずっと】
【練り上げられた魔力の糸を己の身体に通し、結んでいく。骨から肉に、肉から神経に。産毛の先端に至るまで、徹底的に】
「テメェ、それは…」
俺は魔術師なんだから、最初から得意分野で勝負すべきだった
構わないでしょう? 衝合被災者だって何かしらの能力を持っている事はあるし、テストでする事も変わらない
【『ドールプレイ』は己の体を人形として操り、苦手な戦闘作業から得意な魔術作業へと切り替える】
さあ、『人形遊び』の時間だ - 86『ドールプレイ』25/09/26(金) 22:17:15
「─────ヴォハハハハハ!!!
調子に乗るんじゃねえぞポルトォ!!」
【ポルト・ヴェッキオはかつて魔術師であった】
【魔術の国で生まれ、魔術の学院で育ち、つい先日まで魔術のギルドにいた。だから、魔術の作業でならば……特に得意とする人形の作業であれば、どんな持久戦もこなす事ができる】
【となれば、あとは語るまでもないだろう】
【─────クエストクリアだ】
- 87運命の司書25/09/26(金) 22:17:40
【追撃、とばかりに妖精は迫った。下がったなら、この呪文が使えるだろう】
【天に手を掲げる。背に一瞬にして、星型の弾幕が形成された】
【夥しい量のそれらは、単体では明らかに攻撃に足りない。しかし…天空にて集約され、3本の光の剣として再設計される】
【爆発もしない。属性魔法を秘めた剣でもない。しかし…光輝く自然そのものの力により、見た目以上の質量を内包している】
【それだけで強力さとしては十分、上空から鋭い剣が、光の軌道を描いて冒険者へと差し迫る】
【…しかし、この技には明確な弱点がある。それは大振りな呪文故、小回りの利かなさと隙が大きくなるということ】
【即ち明確な勝線があるとするなら…これを躱すか止めるかして、懐に切り込むことだ】
(※これがラストアタックになります)
- 88アノマス◆UBru6zWM0.25/09/26(金) 22:19:15
- 89『ドールプレイ』25/09/26(金) 22:21:27
- 90闇蛇輪25/09/26(金) 22:24:39
- 91アノマス◆UBru6zWM0.25/09/26(金) 22:25:50
- 92ハサミ少年25/09/26(金) 22:28:03
【ぬかった、そう思った】
【直感だった。そして直後、その直感は正しいと理解した】
【空に浮かぶ弾幕に、少年の頬が引きつる】
【と、そうしているうちに弾幕は集約され三本の光の剣へと変わる】
【凄まじい力が込められたそれは、当たればただでは済まないだろう】
【だが───よく見れば隙がある。大規模な魔術ゆえか、どうも動きが鈍そうだ】
(かといってどうやって距離を詰めれば……)
【苦々しく表情を歪める少年だが、その時一つ案が閃く】
(……できれば、この手は使わずに勝ちたかったのだけど。仕方がないか)
……制縛霊鎖一陣 解放 歹に意を纏わせん
憑霊 魄落外道
【ぽつり、少年が何事かをつぶやく】
【と、同時に少年の体を紫の炎が包み込み──炎が消えれば、そこには一体の山犬が立っていた】
【山犬は低く姿勢を屈め、妖精向けて跳躍】
【人の体では到底避けきれぬ光の剣を、器用にも身をかがめながらすり抜けていく】
【そのまま一直線に駆け抜け、山犬は妖精の首元へ噛みつかんとその大顎を開けた!】
- 93騒々神◆7Ne9e.LPTA25/09/26(金) 22:28:37
うーむ……何するか
- 94『ドールプレイ』25/09/26(金) 22:31:50
- 95運命の司書25/09/26(金) 22:33:11
なっ…!
【驚いた表情を浮かべた妖精。剣を避けられ、山犬がかけてくる】
【防ごうにも、それなりの大魔法の最中…間に合わない】
【首元にその牙が入ると、ほどなくして妖精は消滅した】
【本の中の世界が閉じていく。辺りに光が満ちるとともに、冒険者は自分自身が何かから離れていくように感じる。】
【前触れもなく、気づけば相手は消えている】
【そして冒険者の手に、空から一凛の赤い花が降りてきた。毒などではない、ただの癒しの花だ…その花の匂いを嗅げば、たちまち幻覚や傷は消える事だろう】
アリエス「結構不思議な敵と思われたかもしれませんが…あれ、国を滅ぼす一歩手前まで行ったくらいの奴なんですよ」
アリエス「1体ならこうして倒せますが、一気に1000くらい発生したことがあって…以上な植物が大量に発生したそうです」
アリエス「フェアリーテイル。それが彼女の名前です」
【……。】
【ここは闘技場】
【開始前と変わらず、大きなガラスの時計が動いている】
アリエス「お疲れさまでした。…低難易度でも、意外と大物はまぎれています。一昨日戦ってたやつもそうでした」
アリエス「報酬はギルドの受付に処理を任せているので、そちらで貰ってください」
【これで終わり。】
【ただ…あのガラスの時計、前は12で止まっていたが、今は長針が逆方向に動いている。】
- 96運命の司書25/09/26(金) 22:34:53
- 97アノマス◆UBru6zWM0.25/09/26(金) 22:35:15
- 98@出先25/09/26(金) 22:40:19
……たておつ
「クァウ」
【真っ白な鳥人は「立て乙」を口にした。ついでにリボンドラゴンも小さくひと鳴き】
……ねこのこ、こねこ。こねこのこ、まごねこ
【大陸東部『クルルマ地方』のとある地域。どこを見ても仔猫ばかりの、人のいない町を歩いている】 - 99ムゥ◆Tp24yzWpm625/09/26(金) 22:40:33
- 100ハサミ少年25/09/26(金) 22:40:37
【深く、深く、妖精の首を抉るように噛み付く】
【口に広がる不可思議な味に不快になりながらも噛みつき続けていると】
【気がつけば、妖精は消滅していた】
【ふと気がつけば、手の中に一輪の花が握られていることに気がつく】
【何の気なしに香りを嗅げば、たちまちに傷も幻も癒えていった】
……うわー
【そりゃあアレが千体もいれば国の一つ二つは滅びような、と引きつった表情】
【自分が奥の手を出さねば勝てないような相手だ。上級冒険者ならば狩り尽くせるかもしれんが、並の小国では相手をできる兵も少なかろう】
……ふむん?
【報酬を受け取ろうか、と思ったとき、時計が不思議な動きをしていることに気づき怪訝な表情をする】
(※では残ります、戦闘ロール無い方で)
- 101運命の司書25/09/26(金) 22:44:14
【その瞬間、まるで部屋の照明を消したときのように、闘技場結界の中は完全な闇に包まれた。】
【……。】
【闇の中、10秒が経過したころ。】
アリエス「…戦闘後、やっぱり上位難易度のボスの予告があるとワクワクするじゃないですか」
アリエス「ちなみにまたしても何が起こるかは知りません」
アリエス「そもそも難易度設定を独自でやってんのは一般人が遊びやすいように6以下の難易度を綿密に設定するためです」
アリエス「11だの12だのは一般逸脱者に向けたものなんですが、しっかり冒険者の皆さんに突破されますね」
【冒険者の前に、ふと巨大な時計の紋章が姿を現した。】
【暗闇の中で淡く輝くそれは、周囲の様子を僅かに照らす…】
【いや、それにしてはやけに明るい。その光源は、冒険者の頭の上にある】
【あれはなんだ…黄色い手のひらサイズの、翼があるやつ…ヒヨコ…?】
【それは徐々に着地を開始し、頭の上に着地した。】
【そして冒険者は…何かおかしなことに気づくかもしれない。】
【異様に自分の声が反射していることに。まるで全く同じことを言っている自分が目の前にいるようなほどに、鮮明かつ大きな声だ】
【スクロールに浮かぶ文字…「Dia Easy ヒヨコ 難易度:2」】
【冒険者の脳裏に、どういう訳か1つの言葉が瞬いた】
【「カウントダウン"12"。」】
- 102人天狗◆vaIsXm.0Zk25/09/26(金) 22:45:46
「───秘剣・習(ならい)“無銘”」
【幅五尺、長さ五十尺の鉄鱗蛇に真正面から打刀の刃先を向ける】
【雷鳴の如き踏み込みから放たれた刺突が鉄鱗の前で止まると同時、蛇が硬直する】
【一撃で脳髄が撹拌され、神経中枢が液化した大蛇が灰褐色の液体と混ざった血を耳目から噴き出す】
【女剣士は血払いの後に静かに納刀した】
・・
「荒い」
【邪仙の拳打はより致命的で、より自在であった】
【“鋭さ”が足りていない。これでは金棒で殴りつける方が余程殺傷力ががあろう】 - 103アノマス◆UBru6zWM0.25/09/26(金) 22:46:10
- 104黒衣の少年◆2AXwRczk6.25/09/26(金) 22:48:09
【そんな話し合いがあったのが2日前のこと、そして今日、彼らは『仲間』という体で村落周辺の警護にあたっていた】
【ハルは殲魔ということを抜きにして見れば、少しキザったく貴族らしい一面が垣間見える変なところはあるが、普通に良い奴とも言える】
【時々、殲魔じゃなかったら良い仲間になれたかもしれないなんて雑念も入るほどに】
『今日もお疲れ様です、差し入れに来ましたよ』
「ああ、これはどうも……遅くまですみませんね」
『あ!昨日は詩集を貸してくださりありがとうございました、とても素敵なものでした!よければ今度感想でも言い合いませんか?知り合いに同じような趣味の人も居なくて……』
「ワタシで良ければいつでも、あと別の詩集についても持ってきますよ、ワタシも身近に詩を嗜む方がいるのは喜ばしいことですので」
『姉ちゃんとハル兄ちゃん、なんだか昨日から仲良いよなー、ゼノ兄ちゃんはどう思う?』
さあな、俺はそういうのはサッパリだからさ
【少年の話は適当に逸らしつつ、だがあれば誰がどう見ても一目瞭然だ、歳が近いのもあるのか、あの2人は互いに惹かれあっている】
【だがハルの方にはどこか引け目があるのか、彼女との会話中に少し寂しそうな顔をする時がある、自分が殲魔教団の一員であることを明かさない状況だからだろうか】
【そんな彼を見て、警護が終わって2人で村落に戻る前に少し話しかけてみた】
ハル……お前、本当に冒険者になってみないか?
多分、お前は冒険者に向いていると思うんだが
「……ハハ、馬鹿なことを」
「ワタシは殲魔の者だ、それだけは変わらないし、覆ることもない……これは教団に入ったその日から決められた運命みたいなものだ」
「忘れるんだ、互いにここでのことはな」
【そう、再び寂寥を飲み込むような表情で俯き、そのまま寝床についたハル】
【変えられない運命というものもある、だがそれではあまりにも残酷ではないかとも思う、だからこそゼノは明日彼と道を違う前に、もう一度だけギルドに勧誘してみようと考えた】
【この村落とも、ハルとも、明日でお別れだ】
- 105ハサミ少年25/09/26(金) 22:50:21
- 106騒々神◆7Ne9e.LPTA25/09/26(金) 22:50:50
……ひよこかぁ
【全身鎧のひよこさんを思い浮かべる神】 - 107“殲魔”の女25/09/26(金) 22:51:27
- 108人天狗◆vaIsXm.0Zk25/09/26(金) 22:51:40
「ほへぇ、つい先程まで闘技場をしていたので御座るかぁ…………中々白熱した戦であった様に御座るな?」
【温玉三つと四種のチーズと厚いベコーンを添えたクソデカカルボナーラを載せた盤を片手に女剣士はワインのボトルを掴んだ】
【運動量でカロリーを踏み倒すチャレンジ】 - 109闇蛇輪25/09/26(金) 22:53:18
- 110魔剣の射手『ローラン』25/09/26(金) 22:53:36
- 111運命の司書25/09/26(金) 22:54:59
- 112フライパンドラ◆UwIgwzgB6.25/09/26(金) 22:55:15
- 113二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 22:55:39
- 114赤耳剣-RN/Lv.1325/09/26(金) 22:56:06
- 115騒々神◆7Ne9e.LPTA25/09/26(金) 22:57:00
- 116“殲魔”の女25/09/26(金) 22:57:12
- 117魔剣の射手『ローラン』25/09/26(金) 22:58:14
- 118ハサミ少年25/09/26(金) 22:59:58
- 119騒々神◆7Ne9e.LPTA25/09/26(金) 23:01:22
- 120“殲魔”の女25/09/26(金) 23:02:30
- 121@出先25/09/26(金) 23:02:54
……あ。こんばんは、おやすみ、アノマス
【真っ白な鳥人はスクロール越しに翼を振った】
「フスフス」
【リボンドラゴンも尻尾を振った。真っ白な鳥人の真似だろうか】
【一日、真っ白な鳥人はこの町を歩いてみた】
【何処へ行けども、何をすれども、仔猫、仔猫、仔猫。「にゃあ」と鳴く声はすれど、「やあ」と呼びかける声は無い】
……わかったことは、みっつ
……ひとつ。このまちでは、とべない
【厳密には「飛ぶ気にならない」。飛ぼうと翼を広げると、何処からともなく仔猫が背や肩に飛び乗ってくるのだ】
……ふたつ。おなかがへらないし、のどもかわかない
【ある意味では最も不思議な現象である。が、真っ白な鳥人が最も気になったのは別の部分】
……みっつ。ねこが、いないばしょがある
【飛べないなりに町全体を歩いて回り、気付いたことだ。水辺にさえ仔猫はいるのに、何故かその声すらしない場所がある】
…………それが、ここ
【見回り中に見つけ、「先に全体を見てから来よう」と一度スルーし、今一度その場所へやって来た】
「クルルル、ゥー」
【中原や極東式の寺社にあるような建物……所謂「お堂」である】
- 122魔剣の射手『ローラン』25/09/26(金) 23:06:04
うし、完成っと
【でけえ鍋を抱えて戻ってきた】
【……乱雑に切られた野菜たちがまとめて煮込まれスープになっている】
いやあ、飯代が浮いて助かったぜ - 123運命の司書25/09/26(金) 23:08:51
アリエス「私たちが管理してないってだけで…他の誰かの想定通りのはずです」
ロスコ「まあ、ウチの司書の誰かがやったんだろう」
【冒険者の声に合わせて、時計がゆっくりと進んでいく。】
【しかし、さらなる不思議なことに】
13、14、15…
【Dia Basic ヒヨコ 難易度:7】
【Dia Hard 鳥 難易度:11】
【冒険者が数字を数えると、反射の声はさらなる、12から始まる数字を数え始めた】
【そんな馬鹿な、と思われるかもしれないが…本当に起こっていることだ】
【冒険者の頭の上からヒヨコが飛び立ち…カウントに合わせて、みるみるその姿が大きく、そして輝き始める】
【Crush Overload】
【そして…その翼が点火する。太陽のように輝くそれは、広がる闇を青々とした空へと変化させていく…!】
【限界と言う名のピリオドを遥かに超えた、光が示す先への翼】
【Dia Crush Overload "Philosophy" フェニックス 難易度:D12】
- 124運命の司書25/09/26(金) 23:10:01
【轟轟と燃える火の音と、ただ風が吹く音のみがこの場を支配していた】
【まるで重力などないかのように、それはゆったりと炎を纏った翼を動かしていた】
【それは雲1つ無い青空で】
【曇り1つ無い輝きで】
【その翼は完全なる自由の証】
【今や大きく、空に翼を掲げるフェニックスは…輝く不思議と未知の象徴そのものであった】
【そして、次第に景色がかき消えていく…】
【フェニックスは消失した】
【…闘技場に戻った。時計は12を指して停止したままだ。】
(※焦った…なんかなんか突然ホスト規制入りました) - 125人天狗◆vaIsXm.0Zk25/09/26(金) 23:10:38
「殲魔教団で御座るか………『悪い魔物は倒そう』というのは概ね同意できるで御座るが、それ以外の灰汁が強い部分もあるで御座るよな」
【“悪い”の定義も一概には決められないのだが、と女剣士はズルズル麺を啜った】 - 126二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 23:13:13
- 127ハサミ少年25/09/26(金) 23:14:17
- 128赤耳剣-RN/Lv.1325/09/26(金) 23:15:55
- 129二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 23:16:07
- 130魔剣の射手『ローラン』25/09/26(金) 23:17:35
みんながみんな寛容っつーわけじゃねんだなぁ
【ズゾゾゾゾゾと鍋から直接スープ飲んでる】 - 131運命の司書25/09/26(金) 23:18:57
「誰が言ったか、物語とは生き物である。生き物であれば成長することができる」
【その声の主は隣。いつの間にか、白い羽の華奢なハーピィが冒険者の隣に佇んでいた】
「この子は本の中の存在。そしてその作者は私…物語の世界を作る私たちの魔法は、本来物語の本筋を曲げることはない」
「子供向けの絵本の背景にいる一匹に過ぎなかった子には何の設定も無かった。だからこそ空白のノートに無限の可能性を書くことができたのよ」
「申し遅れたわ。私はウィルコ・アンセム…あいつらの知人ね」
アリエス「友人です」
ウィルコ「知人よ」
アリエス「友達の間違いですよね」
ウィルコ「知人であってるわよ」
ウィルコ「置いといて。…いや、ぶっちゃけ新難易度を制定するレベルのばけもんになったのは意外だったわ」
Dia Crush Overload "Philosophy" フェニックス 難易度:D12】
ウィルコ「ダブルプレイ難易度12。2人以上での攻略前提の相手よ。難易度表記はSランク級2人は最低必要って意味」
ウィルコ「きっちり強い上にフェニックス、復活能力で全然倒されない。死なないせいで延々と戦いが続くからルールから変えることにしたの」
ウィルコ「2人以上で挑んで、制限時間の間一人でも生き残れば勝ち。そうでもしないとゲームにならないわ」
ウィルコ「そして…今日の依頼はこれで終わり。報酬はギルドの方に一任してあるわ」
- 132二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 23:19:55
ドラちゃんの世界はドラゴンも魔物も敵以外の何物でもないから殲魔教団の方はわかりやすいのか
- 133“殲魔”の女25/09/26(金) 23:21:41
- 134人天狗◆vaIsXm.0Zk25/09/26(金) 23:22:00
「信教の違いなどには寛容であっても、純粋な生存競争から成る排斥思想がやがて過激化する例もあるで御座るからなぁ」
「"蛟淵碑"とかもそうで御座ったし」 - 135@出先25/09/26(金) 23:23:48
……うーん。どうしよう
【真っ白な鳥人の取れる選択肢は多くない。精々、お堂を無視して町を隅々まで調べなおすか……】
「フスフス、クォゥ」
…………あ
【……と。トコトコと着いてきていたリボンドラゴンが、するりとお堂に入っていってしまった】
……
【元は野生の個体であるとは言え、ずっと人間に囲まれて過ごしてきた。そんな彼(?)を放置はできない】
…………しかたない
【どの道、お堂には入るつもりだった。それが早まっただけである……真っ白な鳥人はそう結論づけ、後を追う】
【町にあれだけいた仔猫の声も姿も無いお堂の内側は、これまた不思議な状況だった】
……
【床や窓枠には薄らと埃が積もり、足跡一つ無い。だが、何故か壁には幾つも掛軸が掛けられている】
【「空前絶後」、「心地光明」、「不即不離」、「超絶怒涛」、「天道是非」、「千思万考」、「十人十色」、……】
…………
【そして、何より奇妙なのは】
………………ええ、と?
《……》
【お堂の中で天地逆さに立っている、虚無僧がいること】
- 136二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 23:23:58
- 137ハサミ少年25/09/26(金) 23:24:02
- 138闇蛇輪25/09/26(金) 23:25:16
- 139人天狗◆vaIsXm.0Zk25/09/26(金) 23:28:19
「そういった過激派の殲魔にとって"猿"って如何な獣か疑問で御座るのよな。所によっては人間種の祖か親戚なので御座ろ?」
- 140魔剣の射手『ローラン』25/09/26(金) 23:28:46
- 141フライパンドラ◆UwIgwzgB6.25/09/26(金) 23:29:05
- 142運命の司書25/09/26(金) 23:29:35
- 143“殲魔”の女25/09/26(金) 23:29:58
どちらかというと私達の場合「違うものは怖い」が先鋭化したクチだな
自分とは違うものが怖いから閉じこもったタイプとじゃあ殺してしまえばいいで吹っ切れたタイプ
それが私の所属する派閥だった
【もっとも、後者だとしても普通の殲魔より特段に穏健な派閥ではあるが】
私としては理解しがたい考え方だね
話が通じるなら分かり合う余地はあると、そう考えてしまう
【あるいはそれは、女の故郷が度を越して平和な土地だったからかもしれない】
【もっとも、そのおかげで穏健派な殲魔で収まっている以上自分の平和ボケした感覚には感謝しかないが】
はは、まあ仕方がないか。その警戒は正しい
【少し緩んだしかめっ面に諦めたような笑みを浮かべながら】
けど殲魔には穏健な者もいるんだ、それは覚えておいてくれ
私ではなく、私以外の穏健な者たちのために
- 144“殲魔”の女25/09/26(金) 23:31:37
- 145魔剣の射手『ローラン』25/09/26(金) 23:32:05
- 146ハサミ少年25/09/26(金) 23:32:54
- 147赤耳剣-RN/Lv.1325/09/26(金) 23:33:40
- 148運命の司書25/09/26(金) 23:33:56
(※忘れ!)
- 149ギルドワインバーン25/09/26(金) 23:35:34
- 150@出先25/09/26(金) 23:37:16
…………あ。こんばんは
【真っ白な鳥人はスクロール越しに小さく両翼を振った】
……やっぱり、ふしぎだよね
【掛軸の向きや埃の積もり方から見ても、重力は正常に働いている。つまり、虚無僧だけが逆になっている】
…………
《……》
【暫し、無言が続く。真っ白な鳥人と虚無僧だけの空間──「……zz」──では、ない】
……あ
【気が付けば、虚無僧の頭上──真っ白な鳥人から見れば、その直下──に、リボンドラゴンが寝ている】
【そう、真っ白な鳥人は彼(?)を追ってお堂に入ったのだった。ひとまずあの小さな竜種を回収して、それから──】
《──》
……っ!
【一歩、真っ白な鳥人が踏み出そうとした瞬間。虚無僧は一振りの刀を抜き、その切先をリボンドラゴンへ向けていた】
《────汝、答へる可し》
- 151人天狗◆vaIsXm.0Zk25/09/26(金) 23:38:26
- 152“殲魔”の女25/09/26(金) 23:40:07
- 153“殲魔”の女25/09/26(金) 23:42:55
- 154@出先25/09/26(金) 23:48:26
- 155転換◆u6dVBsXy1E25/09/26(金) 23:50:44
- 156人天狗◆vaIsXm.0Zk25/09/26(金) 23:51:51
「其もまた道理に御座るな」
【女剣士は盃を卓上に置き、腕を組んだ】
「拙者も御神に命じられて幾らか“妖”や化外の民を天誅して参ったが、題目は“民草の豊かな暮らし”に御座った。『真なる人』というのは、"人"への拘りなくば掲げまい──────少なくとも、統治の為ではなろうて」
- 157二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 23:52:43
転換さん、さんざ迷惑かけられてんのはわかるけどその人一応現役殲魔(穏健派)なんでそのう……
- 158“殲魔”の女25/09/26(金) 23:56:15
- 159赤耳剣-RN/Lv.1325/09/26(金) 23:57:38
へっ、変なドラゴンがッ!!
【まあこういうのが居る世界だから種族で見るってのもね】
サユリ・クニエダ……クニエダさん、ですね
【女とて"ドラゴン"に思う所が無いかと言われれば嘘になる】
【だがここでは"そういう"ものなのだし、女の世界の"ドラゴン"とここのドラゴンは名前が同じだけの別物だ】
【この世界は良くも悪くも寛容で、秩序あるケイオスの極地だろう。ならば適応した方が生きやすい】
【生きる為に、女も仲間も戦ったのだから。あの美しくも悍ましい毒の花の病に適応するよりかは、楽なものだ】
は、はい。私はマルグリット・ドラクロアと申します……何か困ったことがあったら、その時は頼らせて頂きますよぅ……
【獣耳をペタンと伏せた赤い癖毛の女は、誰かに手を差し伸べられる強さを持った彼女が、安らかに眠れる日が続く事を願った】
- 160不貫羽毛25/09/27(土) 00:02:42
⋯⋯難しいことはわからないのだけれど
お尋ね者なら全員ノせばいいのよ!
【脳筋の考え方である
実際のところ彼女にとって重要なのは”悪い行動”かどうか、思想も理由も行動のきっかけに過ぎないのだ】 - 161ギルドワインバーン25/09/27(土) 00:02:45
ぎゃっす
【お品書きぺちぺちして顔引っ込めた】
【営業に来ただけみたい】
《現在のおしながき》
【赤ワインブレス】
【白ワインブレス】
【ロゼワインブレス】
【アマローネブレス】
干しぶどうを使った濃厚な辛口ワイン
【アイスワインブレス】
自然凍結したブドウのみで造られたフルーティーで甘みの強いワイン。
【秘蔵レウネシア山葡萄ワインブレス】
レウネシア西部の絶峰で僅かにしか実らない高級山葡萄を使った、酸味が強くワイルドな味わいのワイン。
【スターワインブレス】
星属性のブドウで造られたワイン。希少属性の魔力を帯びている
【ノーブル凝縮ワインブレス】
栄養分も味わいもまるで濃縮したかのようにものすごく濃厚で芳醇、しかしアルコール度数は普通の不思議なワイン。不思議なことに希釈しても度数が下がらない
【アビスムーンワインブレス】
血のように鮮やかな赤色の不思議なワイン。その深い味わいはツウをも唸らせるほど。
飲むと魔力が大幅に回復し強化される他、しばらく体が輝きを放ち影が消える。度数が高いので注意
【ワイン〈夢心地〉】
黄色い夢の世界のぶどうから作られたワイン。夢が見る人と見る時によって違うように、このワインは飲む人と飲む時によってその味を変える。幸せなときはそれを祝福するように夢見る理想のワインに近く、悲しいときは力強く励ますように、覚悟が必要なときは活を入れるかのように辛口に。あるいはたんに今日の料理に合う味なだけかもしれない。夢は気まぐれだから
ぎゃお
【覗き込むトンチキワイバーン】
- 162@出先25/09/27(土) 00:03:03
- 163魔剣の射手『ローラン』25/09/27(土) 00:04:29
- 164騒々神◆7Ne9e.LPTA25/09/27(土) 00:05:37
- 165“殲魔”の女25/09/27(土) 00:07:15
あ、ああ。マルグリット嬢だね、よろしく頼むよ
【わずかに上擦った声。引きつった表情は何に怯えているのか】
うん、君がどうしても恐ろしいと感じた時、逃げたいと思った時は頼って
私でよければ、いくらでも力を貸そう
ひっ……
【思わず、といった様子で悲鳴が出た】
【あとで、申し訳なさそうに表情を歪める】
すまない、つい
……ダメだな、これは。すまない、今日はもうこのあたりで引き上げさせてもらう
すまなかったね、私なんかがいては君も商売あがったりだろう。なにせ酒が美味くなくなる
それでは、さようなら。いつか君の酒が飲める日が来ることを願っているよ
【それだけ言って逃げるように宿へ向かって行った】
- 166二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 00:08:19
- 167ギルドワインバーン25/09/27(土) 00:08:43
- 168人天狗◆vaIsXm.0Zk25/09/27(土) 00:08:50
「………むぅ、難しい話になってきたで御座るな」
【女剣士は酒を呑みながら頸を傾げた】
【一つの"恋"に自分なりの答えを出す為だけに修練を重ねる身だ。御神の題目に此れ幸いと乗って幾らか殺し合いも重ねたが、己以外に目を向ける機会は皆無であった】
「要は包丁と同じで使い方次第では御座らんか?別に全ての刃物が人斬りに使われる義務もなかろ」
【教義で心を救われる者がいるなら善し】
【教義で悪に堕ちた者がいるなら斬り殺して剣の糧にすれば善し】
【程々に適当に、自分勝手に女剣士は生きていた】
【倫理観を修羅の地に置き忘れた酒カスである】 - 169騒々神◆7Ne9e.LPTA25/09/27(土) 00:11:15
【チャリンとお代を払って明日どうするか考えながらゆっくり飲み始める】
- 170二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 00:11:27
それで正しいんだけど、人間レッテルで判断する生き物だから誰かが悪いことするとその誰かと同じ包丁持ってる人のことも悪いことすると考えちゃうもんなんだよねー
数年前までセントラリアでレウネシアが悪の国扱いされてたのと理屈は一緒
まあでも、あのお姉さんも殲魔ってだけで罪悪感覚えなくてもいいのにね。気持ちはわかるけど
- 171魔剣の射手『ローラン』25/09/27(土) 00:13:47
- 172人天狗◆vaIsXm.0Zk25/09/27(土) 00:14:33
- 173赤耳剣-RN/Lv.1325/09/27(土) 00:15:28
- 174@出先25/09/27(土) 00:16:04
《……》
【真っ白な鳥人は、「其」を「自身」に置き換えて考えた】
……どうして、「ある」のか。それは、わからない
【何故、自身は在るのか──『分からない』】
【生まれたからとしか言えないが、何故生まれたかは分からない。鳥人へ変じた理由も、同じく分からない】
……だからこそ、「ある」。わからないから、わかるために……そのために、「ある」
【では、何が自身を存在させるのか──『分からない』からだ】
【自身の生まれに関心は無い。だが、自身の前を吹く風が、広がる空が、眩い世界が、心を逸らせる】
【知らないものを、知らないことを、もっと知りたい。認識を色付かせる好奇心は、『分からない』ことに起因する】
……それが、わたしのこたえ
《…………》
【再び、沈黙が降りる……が、今度は直ぐに破られた】
《然らば、吾、問ふ》
……え
《……汝、求むる答へは、何処に在りや?》
- 175二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 00:16:53
あのお姉さんも弟子が出来てから大分落ちついたんだけどねー
ちょっと前だったらギルド酒場なんて絶対来ない人だったから - 176魔剣の射手『ローラン』25/09/27(土) 00:17:27
- 177ギルドワインバーン25/09/27(土) 00:17:40
- 178人天狗◆vaIsXm.0Zk25/09/27(土) 00:17:48
- 179騒々神◆7Ne9e.LPTA25/09/27(土) 00:18:51
- 180二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 00:19:13
……金貯めるより葡萄を馬車に5山ほど積んできたほうがいいんでないかな
- 181不貫羽毛25/09/27(土) 00:19:24
- 182ギルドワインバーン25/09/27(土) 00:20:30
- 183二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 00:20:46
- 184転換◆u6dVBsXy1E25/09/27(土) 00:21:02
【”これ”の本質は”魔”に寄っている】
【元人間であろうと───元人間であるからこそ───その手の組織から受ける排斥と対立は根強い。個人と組織の対立など、長期にわたって維持し続けられることはまず無いのだが。これに関しては個人の方が例外に過ぎた】
【”魔を排する”。その枠組みは名を変え手を変え、あるいは母体すら変えてあり続けてきた】
まあ、何だ……
【組織に関しては憎悪と言うよりは、うんざりという感覚である───ごく一部の、中核たりうる個人を除いてだが】
”あれ”が寄生した組織に関しては信用しないことにしていてね - 185二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 00:21:06
- 186人天狗◆vaIsXm.0Zk25/09/27(土) 00:24:34
- 187二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 00:25:36
真面目な宗教の話したあとですっごくアホな宗教が誕生しようとしてる
- 188不貫羽毛25/09/27(土) 00:25:49
- 189二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 00:26:12
- 190二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 00:26:36
立て乙
次スレって頭に巻けるんだ…… - 191騒々神◆7Ne9e.LPTA25/09/27(土) 00:27:11
- 192不貫羽毛25/09/27(土) 00:27:16
立て乙よ!
降ってきたり生きてたり面白いわね!次スレって - 193@出先25/09/27(土) 00:28:09
(※立て乙ですー!)
……うー、ん……?
【恐らくは、虚無僧は何かを守る為の仕掛けなのだろう。そして、問いかけはその手段】
【であれば、二段階あるのも不思議ではない……が、今度は知らない問いである】
……えー、と……
《……》
【虚無僧は、今度は急かしてこない。が、呑気に寝ているリボンドラゴンへ向けた切先も外さない】
【決して余談の許さない状況は続いている……と】
……ん
【ふと、真っ白な鳥人は思いつく。それは、少し前に教えて貰ったこと】
【もうこの世界にはいない、「先生」だった人が語ったこと】
…………こたえるよ
《然らば、吾、問ふ。汝、求むる答へは、何処に在りや?》
……それはね、
【真っ白な鳥人は歩き出す。返答の最中であるからか、虚無僧は動かない】
【向かうのは、壁に並ぶ掛軸の一つ。その前まで来て、虚無僧へ向き直る】
…………これ。わたしのもとめるこたえは、「ここ」に
【真っ白な鳥人が指し示すのは、「空前絶後」の掛軸、その一文字目。即ち──『空』である】
- 194魔剣の射手『ローラン』25/09/27(土) 00:29:05
- 195ギルドワインバーン25/09/27(土) 00:29:50
- 196赤耳剣-RN/Lv.1325/09/27(土) 00:29:57
【女は、まあまあ。まあまあまあまあまあまあまあまあまあまあ酒を浴びるように飲む冒険者たちを羨んだし、噛んだ唇から血が出る位には我慢もした。彼女は酔いも悪酔いも知る27歳である】
【何故我慢をするのか】
【これから依頼(しごと)だからである】
【 次回錬度更新(レベルアップ)時の MDF(魔法耐性・精神強度) への成長補正 +1 】
……あ、あっ、たておつ…ですよぅ - 197ギルドワインバーン25/09/27(土) 00:31:24
- 198人天狗◆vaIsXm.0Zk25/09/27(土) 00:33:07
「立て乙に御座るよー。肝機能の発達具合によっては普通に毒で御座るからな、酒」
「おおおおおおッッッ!!!!!」
【女剣士は、鬨の声(小声)を上げてデキャンタを受け取った】
【全身が禁断症状も斯くやと震えている姿は網代笠も相まって完全にヤバい人である】
「………の、飲んじゃうで御座るよ?良いで御座るのか?」
【誰に向けて喋ってんだ】
- 199魔剣の射手『ローラン』25/09/27(土) 00:34:04
- 200二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 00:34:11
200なら悪酔い