【TS/CP注意】義勇者の伝説へ【鬼滅×DQ】

  • 1二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 19:17:28

    TS冨岡義勇でDQⅢルックスB勇者(女勇者)やりたいと思い軽率にぼうけんの書を作りました
    プレイログと茶番
    TSCP注意:しのぎゆ(ぎゆしの?)&みつおば(おばみつ成立済)
    ※しのぎゆは期待するほどないと思いますがDQⅢの物語のこのプレイヤーの解釈はこうなんだなと既プレイの方は察して下さい
    鬼滅の刃本編軸の記憶有な実質後天的TS
    基本ギャグのラブコメ少々

    プレイ環境:HD-2Dリメイク版ドラゴンクエストⅢそして伝説へ…(Switch版)
          難易度「楽ちんプレイ」

  • 2二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 19:18:50

    「やった!炭治郎が戻っていった!」
    「これできっと生き返れるよね!」
    「なんとか押し戻せたようだな」
    常世から手で必死に押し戻し、現世の者たちにと炭治郎を引き渡した
    「よかった…これで全部終わったようだな」
    「本当に…全部、ですね」
    力を合わせた皆がともに笑顔で顔を見合わせ
    「そうだな」
    「「「「「「「!?」」」」」」」
    ここにいるはずのない人物がいることに驚いた

    「冨岡!?」
    「生きてたんじゃなかったの?」
    「え?え?なんで?」
    「よもや!!」
    「水柱様?」
    「貴様、どうしてここにいる!!」
    「冨岡さん、理由を説明してください」

  • 3二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 19:20:38

    「さっき、炭治郎を引き上げようとしてうっかり足をすべらせて落ちてしまった」

    「そんなことってあるの?」
    「嘘だろ…」
    「このままでは死んでしまいますよ」
    「いかん、現世とここをつなぐ入口が閉じかかっている!」
    「急いで戻れ!!」
    「皆で入口を広げて押せ!」

    全員大慌てで冨岡を全力で押そうとしたとき、入口がふいに上部からすっと下へと移動した
    「しまっ!?」
    「きゃあ!!」
    「甘露寺っ!?」

    「なんということだ、冨岡のみならずしのぶと甘露寺と伊黒まで常世から出ていってしまった」
    「これってどうなるんだ?」
    「まずいな!ずっとここで皆の戦いぶりを見ていたが
     甘露寺と伊黒は肉体はまだ現世にあるもののとても魂が戻れる状態ではないし
     胡蝶にいたっては鬼に吸収され全く肉体が残っていない!」
    「生き返れないとは思うけど魂の行き場所がなくて何が起こるかわからないってこと?」
    「南無…冨岡も他の者の影響をうけて無事にもとの肉体に魂が戻れるかどうか…」

    魂はあらぬ場所へ魂はあらぬ姿へ

  • 4二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 19:22:52

    (どこだここは…名前を呼ばれた気がする…)

    (あちらのほうから…)

  • 5二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 19:31:30

    (なんだ?俺のことが詳しく知りたいだと?)

    ~声の主の質問に冨岡義勇が答えそうな回答入力~

    「あなたのことがわかったような気がします」

    「質問の意図がわからない」

    「もうすぐあなたは目覚めるでしょう」

    「おい、まて…!?」

  • 6二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 19:36:34

    (とても心地よい…ずっと聞いていたくなるようなこの声は…)

    「起きなさい、起きなさい私の可愛い義勇や」

  • 7二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 19:37:56

    奇遇も奇遇
    子孫である1の主人公CV花江くんなんだよな

  • 8二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 19:39:14

    「おはよう義勇、もう朝ですよ」

    「!?蔦子姉さっ…」

    「今日はお城の王様に旅立ちの許しをお願いに行く日だったでしょう?」

    (いや…ちがう、蔦子姉さん…じゃない、母さん、母さんだ…)

  • 9二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 19:44:14

    「さあさあ、早く支度をしなさいな」

    「わかった」

    ベッドから降りて傍らに置いてあった服に着替えようとすると自らの体に何か違和感を覚える
    筋肉質ではあるが自分の体とは思えない柔らかさ
    特に胸部のふくらみは明らかに女性のものだった

  • 10二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 19:49:04

    混乱する義勇がわけもわからぬまま母に連れ出されて町を歩き、大きな城の前へとたどり着いた

    「王様にちゃんと挨拶するのですよ?
     さあ、いってらっしゃい」

    (旅立つ…王様の許可…父…)

    ぐるぐると回る頭に記憶を整理しようとする
    おぼろげながらも少し「今の自分」を思い出してきた

  • 11二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 19:56:37

    >>7

    Ⅰ&ⅡHD2Dリメイクがとても楽しみです

  • 12二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 20:04:29

    「おお!!お主が勇者オルテガの子、義勇か!!」

    (何故こんなことになったかはわからないが…)
    今の自分はこの世界の勇者の娘らしい
    この娘として生きてきた記憶はあるにはあるのだがどうにもとってつけたような感覚で
    鬼殺隊として生きたあの人生から突然あの世に行き、そして突然今が始まったかのような気がする

    「敵は魔王バラモスじゃ!!」

  • 13二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 20:20:07

    王様のありがたくも長々とした話も終わったが心ここにあらずな冨岡義勇はあまり熱心に
    王様や大臣、兵士の話を聞いていなかった
    途方に暮れて城内をあちらこちらへとうろつく

    (いきなり魔王退治を命じられたが無惨を倒してこいというのに等しいのではないだろうか
     これからどうすれば…ん?)

    引き寄せられるかのように一つの壺が気になった
    (?…何か頭の中で誰かに指示されているかのような?)

  • 14二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 20:26:56

    「ちいさな、メダル?」

    『義勇よ、助言を聞く気はあるか?』
    (??夢の中の声の主に似ているような似ていないような…?)
    『信じるかはお前の自由だが少しお前の手助けをしてやろう』

    夜まで待ち、それと同じ物をもう1枚手にいれれば旅がぐっと楽になるだろう

    「夜まで…か」

  • 15二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 20:31:04

    この町アリアハンの東にある家は一家の主人が扉の前にずっと立っていることで有名だが
    さしもの主人も夜になると家の中へと戻っていく

    もしやと思い、その家を夜半に尋ねると…

  • 16二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 20:34:17

    (本当にちいさなメダルがあった…しかしこれが何の役に立つというのか)
    その家を出たところで義勇はまた足を止める

    目の前にある井戸が気になり、吸い寄せられる

  • 17二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 20:40:52

    井戸の中はおよそ普通の井戸としての利用はできないだろうと思うくらいの地面、
    そしてなんと井戸の中とは思えない大きな空間には家が建っていた
    その家の壁面には義勇が手にするちいさなメダルとは比較にならないほど大きなメダルが飾られている

    その家に入ってみると意外や意外、何人も人がいた

    「よくぞ来た!わしは世界中のちいさなメダルを集めているおじさんじゃ!!
     おお!ちいさなメダルを持ってきたのかね!
     よし!これで義勇は2枚のメダルを集めたのでとげのムチを与えよう!」

  • 18二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 20:45:27

    とげのムチ、複数体のグループの敵に対して攻撃のできる強い武器だ
    ここ、アリアハンの町の武器屋ではこんな武器は扱っていないし、もし扱っていたとしても
    旅立ちに対して王様から受け取ったゴールドでは購入もできないような武器だろう

    (本当にあの声は助言をしているのだろうか?)

  • 19二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 20:47:11

    疑ってみたところで今の自分には判別がつかない
    しかし、どうにも疑り深くなってしまうのはこの性格のせいだろうか?

  • 20二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 20:52:37

    『パラメータの伸びは悪くはない性格だ』
    (!?)
    『王にルイーダの酒場で仲間を集めろと言われていなかったか?
     すでにお前を待っている者たちがいるぞ』

    いっぴきおおかみらしく一人旅でもしようかと半ば思っていたのだが
    お告げ?予言?の声がそう言うならばと一応、町の北西にあるルイーダの酒場に向かった

  • 21二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 21:10:15

    「あ~っ!!冨岡さんだぁっ!!」
    「貴様、何をしていた、遅すぎる」
    「お待ちしてましたよ、冨岡さん」

    ルイーダの酒場の扉を開けた途端、いきなり声をかけられてぎょっとした
    しかし、その声をかけてきた面々を認識するとさらにぎょっとした

    よく見知った面々…の面影はあるのだが別人の3人がそこにはいた
    どこが別人かというと、主に性別が

  • 22二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 21:17:51

    あっけにとられている義勇におかまいなしにその面々はわっと話しかけてくる

    「予測はしていましたが、やはり冨岡さんは女性になっていましたねえ」
    「冨岡さんとっても可愛いわ!」
    「貴様のとばっちりでこんな世界に来る羽目になってしまったんだぞ、どう責任をとらせようか…ネチネチ」

    「…胡蝶?」
    「はい?なんでしょう?」
    「…甘露寺?」
    「冨岡さん、この姿でもわかってくれるのね!」
    「…まさかと思うが伊黒か?」
    「まさかとはなんだまさかとは」

  • 23二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 21:23:52

    しのぶくん
    ルックスA
    性格でんこうせっか
    職業盗賊
    しのぶくんはイケメンじゃないと嫌だ!!おっさんとかじーさんとか嫌だ!
    髪の色はこれ銀髪らしいけどなんか紫に見えたからいいや本当の紫はド紫でイマイチだし
    プレイヤーのDQⅢの本命CPは男盗賊×女勇者

  • 24二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 21:28:01

    みつりくん
    ルックスA
    性格いのちしらず
    職業魔物使い
    みつりくんはガタイのいいイケメンじゃないと嫌だ!!おっさんとかじーさんとか嫌だ!
    HD2Dリメイク版からの新職業バランスブレイカー
    モンスターときゃっきゃうふふするみつりくんは絶対可愛い

  • 25二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 21:32:23

    おばないちゃん
    ルックスB
    性格いっぴきおおかみ
    職業商人
    おばないちゃんかわいいよおばないちゃん
    HD2Dリメイク版で同じ職業ルックスでも4種から選べるようになっていちばん可愛いと思った見た目
    性格がぎゆうちゃんとかぶっているが結構似ているがゆえの同族嫌悪だと思うのでヨシ

  • 26二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 21:59:23

    「とりあえず、こんな世界にきてしまったからには仕方ありません
     この世界で求められる我々の使命とやらでも果たしましょうか」
    「何やら上機嫌のようだな、胡蝶?」
    「あら、伊黒さんわかります?
     こんなしっかり上背もあって筋肉もついている体になれましたからね♪
     この世界には鬼はいないので今更鬼の首が切れるかどうかは関係ないかもしれませんが
     魔王討伐には役立ってくれるでしょうから」
    「しのぶちゃんとってもかっこいいわ!きゅんとしちゃう!」
    「甘露寺さんこそとってもたくましくて素敵ですよ」
    キャッキャとはしゃぐ大の男二人を義勇は少し遠巻きに見る
    元の姿だったらばさぞかしほほえましい光景だったに違いないのだが今は違和感がぬぐえない

  • 27二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 22:29:51

    だがしかし、もっと違和感があるのは伊黒だった
    元の姿の胡蝶よりも更に小さいのではないだろうかと思う彼、いや、彼女は
    口元を覆う包帯もなく、甘露寺を見つめてうっすらと笑っているように見える
    恋する少女の顔を伊黒に見出してしまい頭が混乱する
    否、自分とて今はうら若き16歳の少女だろうと首を横にぶんぶんとふり、伊黒に声をかける

    「旅の目的と本来の俺たちのことをお前たちが知っているのなら話は早い」
    「何の因果かこの世界で生きてきた記憶はあるが実質は突如として生まれ変わったようなものだ
     自分の意思によらず使命を勝手に求められているというのは気に食わないが
     …甘露寺の傍に在れるのなら悪くはない」

  • 28二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 22:43:02

    手持ちの装備品や道具をわけ、不足する分は武器屋防具屋道具屋で揃えようかと思ったが
    「いやですねえ、冨岡さん
     私の職業なんだと思ってます?
     アリアハン周辺くらいならモンスターから盗んだり拾ったりで十分ですよ」
    「そうか(胡蝶の口からそんな言葉が出るとは…)」

    「柱と違って給金が自由に使えるわけではない
     貴様は無駄遣いするだろうから路銀は俺が管理しよう」
    「そうか(甘露寺の食費にならないだろうか…)」

    「町から出るの初めて!!なんだかとってもドキドキしちゃう」
    「そうか(俺自身も初めてなのだが大丈夫なのだろうか…)」

    「冨岡さ~ん?言葉が足りませんよ~?」

  • 29二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 23:08:20

    町の外はモンスターがあふれるこの世界
    さほどの時間もたたずにモンスターの群れと遭遇した

  • 30二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 23:23:59

    「きゃあ!?スライム可愛いわ!!」
    「気をつけろ甘露寺!
     魔性をもった魔物は見た目によらず狂暴だ!」
    「ここは私にまかせてください」

    一番すばやさが高いからととげのムチを装備した胡蝶が一閃、すべてのスライムを薙ぎ払った
    「甘露寺さんの剣技みたいで楽しいですね」

    スライムのむれをやっつけた!
    それぞれ経験値をかくとく!ゴールドを手に入れた!
    しのぶはやくそうをぬすんでいた!
    おばないはさらに3ゴールドを見つけた!

    (なんだこのパーティ…追いはぎか何かか)

  • 31二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 00:04:45

    「冨岡さん、最初にどこに行けばいいのかしら?」
    「レーベの村へ行けと言われた」
    「アリアハン大陸の北西方面の村でしたっけ?」
    「地図をもらっているのだろう…おい、なんだこの地図は
     アリアハンとレーベしか書き込まれていないが」
    「自分で見つけた場所しか書き込まれない地図らしい
     レーベはサービスだと言われた」
    「それはそれとしてレーベで何をするんです?」
    「…鍵、たしかとうぞくの鍵を探せと」
    「とうぞくの鍵?しのぶちゃん盗賊だから何か知ってる?」
    「いえ、知らないですね
     とうぞくの鍵がレーベにあるんでしょうかね?」
    「大方そんなところだろう…冨岡、ふらふらと寄り道するな」
    「いや、頭の中でお告げがあって…あちらにアイテムが落ちていると」

  • 32二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 00:11:30

    「本当にアイテムが落ちていたわ…すごいわ冨岡さん!」
    「お告げとはいったい何なんだ?」
    「たまに頭の中で助言をくれる声だ」
    「信用できるんですか、それ」
    「今のところは信用に足る助言のようだ」
    「頭の中かぁ…なんだかこの世界に来るときにみんなが話しかけられたっていう声みたいね」
    「用心しつつ利用できるならばしたほうがいいのかもしれませんね」

  • 33二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 00:16:49

    慣れない装備にもすぐに順応したのはやはり元柱の身体能力・戦闘センスというべきか
    道中に現れるモンスターもなんなく撃破して4人はレーベの村へとたどり着いた

  • 34二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 00:23:34

    城下町であるアリアハンと比べるととてものどかで田舎の雰囲気がするレーベの村
    とうぞくの鍵の手がかりを求めて村のあちこちを探索してみる
    しかし、とうぞくの鍵は見当たらず、見つけたのは鍵のかかった扉だけ
    その赤い扉はきっととうぞくの鍵で開くのではないかと思ったが肝心の鍵はない
    「おかしい…レーベの村でとうぞくの鍵が手に入るのではなかったのか」
    スンとした顔をして途方に暮れる義勇に伊黒がネチネチと小言を言う
    「そもそも貴様の言った情報は確かだろうな?ちゃんと話は聞いていたのか?」
    「ま、まあまあ、伊黒さん、もう少し探してみましょう?
     やみくもにあちこち探すんじゃなくって人に聞き込みしてみたらどうかしら?」

  • 35二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 07:28:54

    あちこちの人に聞きまわる
    とうぞくの鍵を求めて村中を聞き込みするとか普通だったらどう考えても異常者か犯罪者としか思われないだろう
    だが、この世界の住人はそれを気にする様子もない
    なんなら住居に勝手に入っていってタンスやツボや樽からアイテムを持っていっても咎める様子もない
    アリアハンの町で子供が話していたが、それらは入れておいて忘れてしまった忘れ物らしい
    だから勝手に持っていっても大丈夫、入れた本人はきれいさっぱり忘れているのだからという
    この村でも聞き込みの最中に元持ち主だと思われる人の前でアイテムを拝借してみたが平然としていた
    その人物に話を聞くとやっと手がかりになりそうな情報が見つかった

    「この村の東にある家、赤い扉で鍵がかかっているでしょう?
     ああいう扉をあけるのにとうぞくの鍵っていうものが必要なんですが
     噂ではアリアハンの西の小島のナジミの塔に住む老人がその鍵を持っているそうですよ」

  • 36二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 07:39:59

    「ナジミの塔だと?」
    「確かにアリアハンを出てすぐに海の向こうに塔が見えたけど」
    「あんな近くにあったんですね…」
    「しかし、あそこは島だ、船もなく渡れない」
    「ねえ、この村に来る前にちょっとうろうろして見かけた海沿いの洞窟って…」
    「入口だけ見て引き返したが、洞窟がかなり続いているようだったな」
    「島とつながっているかもしれない、ということですね」
    「行ってみましょう!冨岡さん、いいかしら?」
    自分が口をはさむ暇もなくぐいぐいと話を進める仲間たち
    人によってはともすれば疎外感を感じてしまうかもしれないが冨岡義勇は気にするそぶりもなく
    (頼りになるな)
    と思ってそんな仲間たちを見ていた
    いや、自分も彼らの中に入っているという認識なのだろう、どこか楽しそうだった
    男の時と違って言葉少なでも機嫌よく笑みを見せる少女には周囲の他人も優しかったし仲間たちも当たりがどこか柔らかく感じた

  • 37二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 07:46:07

    「だが、その前に」
    一旦、アリアハンに戻ろうと提案する
    「あら?どうして?」
    「さきほどちいさなメダルを見つけた
     メダルおじさんにこれが3枚目になったらほうびをやると言われている」
    「なんだその聞くからに怪しげな名称の人物は」
    「だが、とげのムチをくれたのもその人物だ」
    「うーん…旅の役に立ちそうなものをくれるというなら急がば回れとも言いますし行ってみますか?」

    アリアハン城下町に戻ると南東の井戸へと向かう
    「え?井戸の中なの?」
    「そうだ」
    「怪しすぎますよ、そのメダルおじさん」
    「信じない信じない…」
    「信用できるかは会ってから判断しろ」

  • 38二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 07:51:49

    井戸の中の家に初見の3人は驚くも義勇は気にせずその家の扉を開けた
    その家の主人はごくごく普通の、というか、わりかし身なりのいい男性だった
    「よし!これで義勇はメダルを3枚集めたので皮のドレスをあたえよう!」
    ちいさなメダルで本当に役に立つ装備品をくれるんだと3人は感心する
    絶対に何かだまされてる…と思っていたのだが

  • 39二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 08:07:48

    「世間知らずの女の子を騙してよからぬことをしてるんじゃないかって思ってたんですけどねえ」
    「心外!?」
    「ふふ、冗談ですよ
     …でも、今の冨岡さんはかわいい女の子なんですからもっと用心したほうがいいですよ?」
    「こいつがそんな周りの人間を警戒できるとも思えないがな」
    「伊黒さんも気を付けて?とっても可愛いもの!心配だわ
     …私のそばから離れないでほしいの、絶対守るから」
    「君の心配には及ばないが離れたりはしない
     こちらこそ絶対に君を守る」

    「さて、この装備ですが、『皮のドレス』ルックスB専用装備ですね
     冨岡さんが着ればいいんじゃないですか?」
    「伊黒も着れるだろう」
    「俺はHPが高いからそんなものなくても問題はない」
    「回復呪文ホイミが使えるの冨岡さんだけだし、冨岡さんの防御が高いほうがいいんじゃないかしら」

  • 40二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 08:14:23

    不本意ながら皮のドレスとやらを着用してみる
    女性の姿になったとはいえ、これまでは旅人の服という男女差のないズボン姿だったため
    特に体の違いを意識することもなかったのだが、さすがにこれは気にせざるをえない
    スカートというものはこんなにも心もとないものだったのか
    これよりもはるかに短い丈のスカートの隊服を着用していてよく甘露寺は鬼殺ができていたものだと感心する

    「おい、とっとと着替えたら出てこい、出発するぞ」

  • 41二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 08:17:20

    ナジミの塔のある小島を眺めながらぐるりと海岸線沿いを歩いてアリアハン大陸の南西に向かう

  • 42二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 08:22:27

    『岬の洞窟』
    以前立ち寄ったときは周辺のフィールドよりも強い敵がいて深入りできなかったが
    レベルのあがった今ならとくに気にすることもなく進んでいけそうだ
    うねうねと入り組んだ自然の洞窟は外気よりも何度か気温が低い
    ひんやりとした空気がそこはかとない緊張を持続させるのに役立っていた

  • 43二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 08:26:37

    右へ左へ時には上へ下へと進んでいくと突然人工的な建築物の中にたどり着いた
    「ここは…?」
    「どうやら地下水路かなにかのようですね」
    「おあつらえ向きに大きな階段がある、地上へ出れるのではないだろうか」
    「行ってみましょナジミの塔の小島につながってるかも」

  • 44二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 08:34:11

    「当たりだ、甘露寺」
    大きな階段を登ると、そこは小島…どころかナジミの塔そのものだった
    「すごい、遠くから見えてたよりもずっと広いわ!」

  • 45二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 08:41:24

    塔の内部へと進んでいくとこれまで見かけなかったモンスターが現れる
    「気をつけろ」
    「これは毒を使うモンスターのようですね」
    モンスター個々の強さも強いがそれ以上に数が多い
    とげのムチで対処してはいるが対処しきれず被弾を甘んじて受け入れなければならない
    すばやさの高いしのぶやほどほどのみつりと比較してぎゆうとおばないはモンスターよりも後ろ手に回ることもあった
    いばらのムチ以外にも複数敵に攻撃できる手段があれば…
    そう思いながら見つけた宝箱を開けると
    「ブーメランだ」

  • 46二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 08:58:06

    必ず先制できるスピードを持つしのぶがブーメランを装備しモンスター全体に攻撃
    固い、HPが多い難敵にはみつりがとげのムチで重めのグループ攻撃を追撃する
    もしモンスター種が多くてそれでも残っていたらおばないが石つぶてを投げぎゆうが銅の剣でとどめを刺す
    劇的に戦闘が安定することになり、ナジミの塔の探索は上へ上へと進んでいった

  • 47二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 09:12:14

    みんなが1度は妄想したドラクエIN推し…!素晴らしい…私も3リメイクやり直そ…

  • 48二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 10:15:55

    >>47

    Ⅲはパーティメンバーに固有の名前がないので妄想してなんぼなところがありますよね

  • 49二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 13:31:45

    何階も階段をのぼり、無骨な塔の内観にも慣れた頃
    階段の先が急にとある部屋の中になって驚いた

  • 50二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 13:35:44

    こっくりこっくりと居眠りをする老人
    ここは彼の家なのだろうか?こんな塔の頂上に住まうなんて驚きだ

    「もしもーし?大丈夫ですか?」

    しのぶが声をかけるとふにゃふにゃと寝ぼけながら老人は目を開いた
    「わしはお主にこのとうぞくの鍵を渡す夢を見た
     じゃからこれはお主に渡そう」
    そんな理由で大丈夫か?と聞きたくなるが老人は義勇にとうぞくの鍵を譲ってくれたのだった

  • 51二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 16:53:31

    無事にとうぞくの鍵を手に入れることができた4人
    これで赤い扉の鍵をあけることができます
    レーベの村の赤い扉の家が気になることですし早速戻って…と思いきや

    「またですか冨岡さん」
    「次はちいさなメダル5枚でほうびがあるとメダルおじさんが言っていた」
    「今度は何がもらえるか楽しみね!」
    「甘露寺が装備できるものだとありがたいな」

  • 52二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 16:56:08

    なんだかんだほうびを楽しみにしていた面々にメダルおじさんは上機嫌で応える

    「よし!これで義勇はメダルを5枚集めたのでほうびにガーターベルトをあたえよう!」

    「「「「…」」」」

  • 53二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 17:02:18

    「ガーターベルト?」
    「ガーターベルトだわ…」
    「ガーターベルトとは…」
    「本当にガーターベルトですね」

    「ええと、まあ想像はつきますが商人の伊黒さん、鑑定をどうぞ」

    「…ガーターベルトは装飾品のようだ
     これを身に着けていると自分のセクシーさをアピールしたくなるようだ
     ちなみにこれは女性専用の装飾品のようだ
     呪われてはいないようだから気軽に装備できるだろう
     お店に持っていけば975ゴールドで売れるな
     そんなところだ」

  • 54二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 17:12:08

    「俺は前回もらった皮のドレスを着ているからそれは伊黒が着るといい」
    「なっ…!?貴様逃げる気か!!」
    「前回、押し付けて逃げたのは伊黒だろう
     俺の頭の中でお告げが『勇者は後で勇者だけの性格変更方法がある』と言っているしこれは伊黒が着るべきだ」

    「そんなに気になさってますが伊黒さんの服装ならこれを身に着けても外からは見えないのでは?」
    「そうね、スカートじゃないから…」

    全員から説得されてしぶしぶとガーターベルトを着用する
    性格いっぴきおおかみ→セクシーギャル

  • 55二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 17:22:52

    (伊黒さんがセクシーギャル!!きゃあぁあ!!なんだかドキドキしちゃうわ
     あんなちっちゃくて可愛いのに服の下にはセクシーな下着をつけてるなんて!!)
    必死で言葉には出さないようにしながら身悶える甘露寺に機嫌最悪な伊黒は気づいてはいない

    「さっさと次の目的地に行くぞ!!」

    アリアハン城の地下からナジミの塔やレーベ方面に抜ける地下水路にとうぞくの鍵があれば入れるとの情報を聞き
    勇者一行は薄暗い地下水路に入っていった

  • 56二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 17:31:56

    暗い道を進んで出た先はとても明るい草原のほこら
    「レーベの村から近い場所にこんなほこらがあるとは知らなかったわね」
    これならここから地下水路を通ってナジミの塔に行けたのにと思いつつ知らなかったならば仕方がない
    頭の中のお告げの声もすべてのことを助言してくれるわけではないらしい

  • 57二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 17:35:08

    だが、ここの名称である「ほこら」には鍵がかかっていて
    それは今、自分たちが所持しているとうぞくの鍵ではあかない鍵らしい
    ほこらがなんなのか気になりつつ、とうぞくの鍵で開けられるであろう赤い扉の家のあるレーベの村へと戻っていった

  • 58二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 17:40:44

    鍵で閉ざされた扉を開けるときは少しワクワクする
    果たしてその向こうには何があるのか?
    秘密を暴きたいといういたずら心は誰の中にもあるものだろう
    だが、予想していたよりも「ヤバイもの」が出てきてしまったときは一気にワクワクは消えうせ
    それは困惑や恐れに変わってしまう

    扉を開けたらこんな大きな壺がごうごうと燃え盛る火にかけられているとは

  • 59二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 17:46:11

    「これは…なんだ?」
    「わかりません、ちょっと大きすぎて壺の中がどうなっているかも見えませんし」
    「これだけ火を燃やしていながら見張ってもいないとは」
    「火事になっちゃったらどうするのかしら?」

    どう考えてもここの家の住人はかなり危ない人物のようだ
    できるだけ遠巻きに壺の隣を通り過ぎ階段を使って二階へとのぼる
    そこには一人の老人が壺のことなど気に掛ける様子もなくのんびりと本を読んでいた

  • 60二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 17:51:42

    4人が老人に声をかけるのを躊躇していると老人は勇者一行に気づいたようで逆に声をかけてきた
    「この家には鍵をかけておいたはずだが…
     とうぞくの鍵を持っているのか
     ということはお主は勇者オルテガの子供!」
    義勇は怪しい人物に自分のことが認知されているということに内心だらだらと冷や汗を流す
    「オルテガのようにアリアハン大陸から旅立つのじゃな?
     …ならばこれが必要となろう」

  • 61二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 17:56:50

    「これは…?」
    「わしが作った魔法の玉というアイテムじゃ
     これがあれば固い壁でも粉みじん!
     きっとお主の道を切り開いてくれるじゃろう」

    道を切り開いてくれる(物理)
    いや
    道を切り開いてくれる(魔法)

    「宇随の火薬みたいなものか」
    「持ち歩いて危なくないのかしら」
    「あのつぼで作った…っていうのもおかしな話ですが」

  • 62二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 18:04:23

    魔法の玉の老人の話ではここアリアハン大陸からは他の大陸から海をへだてて孤立した存在らしい
    確かにアリアハン城でもらった地図も大陸一つが記されていただけだった
    他の大陸へ渡るための道が東にあるいざないの洞窟から旅立つことらしいのだが
    勇者オルテガが旅立った後、洞窟は封印されてしまっているとのことだ
    魔王討伐のためにはいつまでもこの大陸でくすぶっているわけにもいかない
    4人はレーベの村をあとにすると東方へと足を進めることにした

  • 63二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:47:07

    レーベの村から東へ東へ
    山脈沿いに進んだあと、遠くに海岸線が見えてきたため今度は方角を変えて南下する
    すると小さな建物が見えてきた

  • 64二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:48:22

    中に入るとそこはちいさなほこらという場所だということがわかった
    こんな辺鄙な場所にも人はいるだろうか?

  • 65二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:53:25

    ここにもとうぞくの鍵で開けられる扉がある
    そっと扉を開くと奥には人が居住しているだろう空間があった
    そして一人の老人が静かにたたずんでいた

    「魔法の玉はお持ちかな?」
    そう尋ねる老人に持っていると答えると
    「ならばいざないの洞窟にお行きなされ
     泉のそばのはずじゃ」
    と返された。

    レーベの村で魔法の玉をくれた老人と同じようなことを言う老人だ
    よく似ているし実は兄弟…とかなのかもしれない
    そうでもないとこの人物の存在意義がわからない
    勇者一行は顔を見合わせてからちいさなほこらをあとにした

  • 66二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:55:06

    いざないの洞窟があるという泉はそこから近かった
    山間も森も切れ目があり、まるで勇者一行を誘うかのような地形をしていた

  • 67二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:58:24

    「ここがいざないの洞窟があるという泉か」
    勝手に何やら神秘的な泉を想像していたのだが実際はどこにでもありそうな
    ごくありふれた普通の泉のように見えた
    父オルテガが旅立ったという情報が何か特別なもののような気にでもさせていたのだろう
    だんだんと現在の自分に馴染んできている…のだろうか?

  • 68二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:59:50

    建物の中に入り地下へと続く階段を降りていく
    すると開けた空間に一人の老人が立っていた

  • 69二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 21:05:15

    「ねえ、冨岡さん」
    「なんだ胡蝶」
    「この世界、おじいさんばかりいません?」
    「そうか?」
    「あ、やっぱりしのぶちゃんもそう思ってた?」
    「…確かにここに来るまで、ナジミの塔のとうぞくの鍵をくれた老人、
     レーベの村の魔法の玉をくれた老人、ちいさなほこらの道しるべの老人、
     そしてここにいる老人と老人のオンパレードだな」
    「言われてみればそうか…」

    たまたまなのか、それともなんらかの理由で偏りが生じている世界だとでもいうのか

    「まあ、とりあえず…」
    魔法の玉をくれた老人が言っていた情報とはここのことなのだろう
    いざないの洞窟というわりに洞窟はなく、建物には大きな壁がある
    「ここの壁を壊せということなんでしょうね」

  • 70二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 21:07:37

    調べてみれば周辺に落ちている岩はかつて壁の一部だったもののようだ
    この目の前にある壁画のような壁は修復として作られたものだろう

    「魔法の玉を仕掛ける、すぐに離れろ」

  • 71二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 21:08:56

    「急げ!!」
    「こちらへ!!」

    仕掛けたと同時に全員で慌てて離れる

  • 72二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 21:10:25

    シュウウウ…

    火花を散らす魔法の玉の様子はやはり宇髄が使っていた爆薬のようでもあり、
    形状は花火のようでもあり…よもやここで花火でも打ちあがってしまいはしないかと心配したが

  • 73二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 21:13:13

    どおおおおぉぉ…ぉぉんっ!?

    大きな音を立てて魔法の玉は壁を巻き込んではじけ飛び、残ったのはとても大きな穴だった
    「すごい威力だわ…」
    「これを持ち歩いていたのかと思うと恐ろしくなってしまうな
     誤作動でもおこさなくてよかった」

  • 74二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 21:17:02

    いつの間にやら自分たちと一緒になって爆発から逃げていた老人が嬉しそうに笑う
    世界へと旅立っていく若き勇者に餞別としてせかいの地図を渡してきた
    今まで旅してきたアリアハン大陸もそれなりに大きく感じてはいたのだが
    さらにこの先に広がる世界はこれまでとは比べ物にならないほどの広さがあるらしい
    この先の未知なる冒険に胸が高鳴っていく…

  • 75二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 21:21:39

    …と、思ったその矢先
    話の展開的に、この壁の向こう側には新しい大陸の世界が広がっている!と思っていた
    勇者一行に残念な現実が突き付けられる
    壁の向こうには一面に広がる洞窟…

    「…そりゃそうですよね、いざないの洞窟、ですもんね」
    「すぐに新大陸にいけるほど甘くはないということか」
    「洞窟を抜けないとダメなのね」
    「仕方ない、長丁場になりそうだが危なくなればリレミトで戻るとして先に進もう」

  • 76二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 22:33:52

    このいざないの洞窟はとても広く、内部は崩れ落ちた床のせいで真っすぐには進めない作りとなっている
    あちこちの分岐をいったりきたりしながら先へ続く道を見つける
    だが、ただ手を焼いているだけではなく様々なアイテム・装備品を入手することもできた

    「わあ!!ふわふわで可愛い装飾品ね」
    「甘露寺がつけるといい」
    「本当?うれしいわ、ありがとう」

  • 77二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 22:37:46

    「くさりがま…?ムチではないのか」
    「どうも違うみたいですね、こんな形状の武器だと悲鳴嶼さんの日輪刀を思い出します」
    「グループ攻撃はできないのか」
    「これは冨岡さんが使ったらどうかしら」

  • 78二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 22:39:02

    画像貼り忘れ

  • 79二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 22:52:57

    「なんだかどんどんレベルが上がっていく気がしますね」
    どのような仕組みなのかは不明だがこの世界ではレベルアップをするごとにHP・MPが回復をするらしい
    満身創痍になって一時撤退もありえると思っていたのだが存外に先へと進めてしまっている
    モンスターは次々と襲ってきてはいるのだが

    「!?…なんだあいつら人間か?」
    「モンスター…のはず」
    「人型のモンスターもいるのね…鬼を思い出しちゃう」

  • 80二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 22:54:27

    長々と続く道を歩き続け、やっとのことで見つけたその場所は見るからに『何かある』と思わせる様子をしていた

  • 81二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 22:58:34

    青白い光が渦巻いているその場所
    ここが他の大陸へと旅立てるという旅の扉に違いない
    だが

    「…冨岡さん、お先にどうぞ」
    「おい、お前ら押すな…」

    何も気にせずに飛び込めるほど不用心ではない
    だが用心したところで結局は飛び込むしかないのだが

    「抵抗するな冨岡、さっさと人柱になれ」
    「俺は人柱じゃない」

  • 82二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:06:26

    「じゃ、じゃあ、みんなでいっせーの!で飛び込みましょう?
     不安なのはみんなおんなじだし…」
    甘露寺の提案を皆飲み込む
    誰か抜けがけをしないようにお互いに手をつなぎ息を飲む
    甘露寺が緊張しながらもできるかぎり大きな声で掛け声をかけ
    4人は地面を蹴って青白い渦の中に飛び込んだ

    視界にはただただ青白い光しかうつらない
    手をつないでいるはずの仲間たちの姿さえ見えない
    落下をしているかのような内臓が浮き上がる感覚に握りしめる手に思わず力が入った

    永遠に続くかと思われたその時間は実際のところ数十秒程度のものだったようだ
    気づけば見知らぬほこらの中に4人は立っていた

  • 83二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:14:21

    「新しい大陸についたのか?」
    「…そうであってほしいところだな
     今しがたの移動方法はどうにも気分が悪くなる
     何度も繰り返すのはごめんだ」
    「伊黒さん大丈夫?私は意外と平気だったけど、休んだほうがいいかしら?」
    「いや、そこまでではない、心配をかけてすまない」
    「外の様子を調べてみましょう
     今までより強いモンスターもいるかもしれませんから慎重に」

    ほこらの扉を開け、階段を登るとそこは地上部分が朽ち果てた建物跡地のようだった

  • 84二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:46:43

    「モンスターの殺気は感じないわ」
    「魔物使いの甘露寺さんがそういうならとりあえずは安心ですね」
    「おい、冨岡、ふらふらとどこに行く」

    「いや、こっちに…」

  • 85二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:49:23

    草むらをガサガサとあさる義勇に3人は怪訝な顔をする…が
    「ひょっとしてお告げかしら?」
    「それならいいんですが…」
    「そうでなかったとしたらとんだ奇行だ」

    「あった!」

  • 86二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:53:51

    全体攻撃のできるブーメランにこれまで大変に助けられてきたので2本目が入手できたのはありがたい
    だが、こんななんでもない草むらに落ちているとは…ひょっとしてこの新大陸では
    ブーメランはごくありふれた武器だったりするのだろうか?
    町にたどり着いて確認したい、そう思ってこのいざないのほこらから旅立とうとしたところ
    突然目の前に一匹のスライムが現れたのだった

  • 87二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:59:57

    4人は驚いて立ち止まる
    (なんだ?こちらの様子を伺っている?)
    (アリアハン周辺に生息するスライムがなぜこんなところに?)
    (さきほど甘露寺さんがモンスターの殺気は感じないと言っていたのに?)
    (この子…普通のモンスターと違う気がするわ)

    「おーい!!待て!!待つんじゃあ!?」
    どこかから大声をかけられる

    「ふぅ、間に合ったか
     …お主、よくこのスライムに攻撃しなかったな」

  • 88二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 00:05:01

    ((((またおじいさんだ))))

    モンスターじいさんと名乗るその老人は勇者一行に説明を続ける
    「この世界にはごくまれに魔性が消えておとなしくなるモンスターが現れるのじゃ」

    このモンスターじいさんはそういったモンスターを保護しているらしい
    義勇たちは見込みがあると言われそんなモンスターを旅先で見つけたら自分を紹介してほしいと言われた

  • 89二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 00:10:19

    「この先の町ロマリアにはそんなモンスター同士の力比べの場…
     モンスター・バトルロードもある」

    気づけば遠目に大きな町の姿が見える
    新大陸冒険の拠点にできそうだ
    モンスターじいさんも普段その町に住んでいるらしい

    「まずはロマリアに行ってみましょうか」

  • 90二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 00:15:47

    ロマリアの町はアリアハンの町と同じように城下町のようだ
    遠くからでも壮大な城がよく見える
    美しい青い屋根と、そびえ立つ2つの塔が目立っている

  • 91二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 00:19:27

    あまりにも近距離だったためか道中でモンスターにあうこともなくロマリアにたどり着いた
    ロマリア城は圧巻というべき壮麗さで町並みもそれにあわせたかのように美しかった

  • 92二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 00:28:11

    故郷という補正があるにしろどこか温かみを感じるアリアハン城、城下町と比べると
    ロマリア城、城下町は自分が浮いているのではないかと心配になる
    そんなはずはないのに町行く人々もみんなどこかおしゃれな気がしてくる
    居心地の悪さからか武器防具屋、道具屋のかんばんが立っている建物についつい逃げ込んでしまった
    すると、そこは例のモンスターじいさんの言っていたモンスター・バトルロードが地下にある施設だったらしい
    地下に降りると、さすがにロマリアの町の雰囲気とは一変してほっとする

  • 93二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 00:42:26

    やはりモンスターじいさんはここにいた
    それにさきほど保護したスライムもモンスターじいさんの傍らでうれしそうに駆け回っている
    このモンスター・バトルロードでは最大3対3のモンスターで力比べをする施設のようだが
    まだこの小さなスライム1体しかいないので、これでバトルロードに挑もうとするのは
    全くもって無謀というほかないので今回は施設の見学だけにした

    「よぉし!バトルロード攻略と魔性を持たないモンスター探し頑張るぞぉ!」
    バトルロードの勝者には賞金と賞品が出ると知った甘露寺がこれは私の役目と言わんばかりに意気込む
    「落ち着け甘露寺、意気込みすぎだ
     戦力を十分に整えて慎重にいこう」
    と伊黒がたしなめる
    バトルロードには参加費が必要になるらしく
    戦力をしっかり整えてからでなければお金を無駄にしてしまう

  • 94二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 08:04:32

    バトルロード参加は先に見送ると地上に戻る
    町の他の施設は機能的にはアリアハンと変わっている感じはしない
    武器防具屋、道具屋、宿屋に教会、そして民家
    ただ、街並みの雰囲気が違いすぎて異国に来たのだと実感する
    建築様式が違うのだろう
    特に城は柱を多用していて極端に壁が少ない

  • 95二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 08:11:58

    城がこんなスカスカでは敵襲があったときにひとたまりもないのではないだろうか?
    一応、町の周囲には城壁があり、外敵からの攻撃の備えにはなっているのだが
    モンスターの中には飛行の能力を持ったものもいるはずだ
    それともこの周辺のモンスターにはその手のものは極端に少ないのだろうか
    そんなことを考えている義勇だがそういえば御館様のお屋敷もそのもの自体は外から隠してはあったが
    建物自体は障子も多く実質このスカスカと変わらないような気がしてきた

  • 96二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 08:15:49

    「一応この地の王に謁見しておいたほうがよいでしょう」
    「領地内を勇者を名乗って放浪する集団は先に話を通しておかねば危険因子と見なされかねないからな」

    胡蝶、伊黒の意見で王に謁見することになった
    故郷のアリアハンならば国民と謁見もしてくれようが他国でそんな簡単にお目通りができるのかと
    心配になったが、案外簡単に謁見がかなってしまった

  • 97二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 08:21:33

    豪奢な内装の謁見室にて王と王妃が玉座に座っている
    見るからに気さくそうなロマリア王が話しかけてくる

    「その身なり…そうか義勇じゃな?
     そなたの国の王から知らせは受けておる」

    アリアハン王が先にロマリア王に勇者一行が旅立ったと連絡を入れておいてくれたらしい
    それならば話は早い
    旅立つときに少しのゴールドと装備品しかくれなくてケチだとか思ってすまないアリアハン王

  • 98二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 10:53:43

    だがそれだけですんなりと話が終わるわけではないらしい
    突然ロマリア王は勇者一行に依頼をしてきたのだ

    「カンダタというものがこの城からきんのかむりを奪って逃げたのじゃ」

    「カンダタからきんのかんむりを取り戻すことができたらそなたを勇者と認めよう」

    別にロマリア王に認められなくても構わないのだがとぼそっとこぼすと
    ダメダメ!!冨岡さん勇者様なんだから困っている人は助けなきゃと慌てて甘露寺が彼女にしては小さな声で言う

  • 99二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 11:03:13

    「しかしモンスター退治ではなく賊退治とは…」
    謁見の間から退室すると義勇はじっとしのぶを見る
    「なんですか?何か言いたそうですね」
    「勇者の仲間として認められている盗賊という職業と何が違うんだろうな」
    「私の職業の盗賊はあくまでモンスター退治の戦闘技能職としての名称ですよ」
    「大昔に世界を救った勇者の相棒だったという伝統的な職業らしいな」
    「世界を救うのは戦士、魔法使い、僧侶だけじゃないのよね」

  • 100二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 11:05:59

    「ところで冨岡さん、新大陸にもきましたしそろそろきちんと装備品を見繕ったほうがいい時期かもしれません」
    「そうだな」
    「モンスターバトルロードのところの1階にあるお店でものぞいてみる?」
    「品揃えがよければいいのだが」

  • 101二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 11:24:30

    ロマリアの武器防具屋をのぞいてみると予想通りここではブーメランが店売りされていた
    今よりも強い武器防具も取り扱っているのだが買い替えるのに少し悩んでしまう
    それというのも多少攻撃力には劣っていても全体攻撃・グループ攻撃のできる武器のが一気にモンスターを一掃できるからだ
    ブーメラン2つ、とげのムチ1つからあえて大金をかけて新調するのはためらってしまう
    1ターンでモンスターをどうにかできることも多く被弾する機会も少ないため今のところは防具にもあまり不足を感じていない
    だがさすがにいまだ旅人の服ではこころもとないのでしのぶにレザーマントをみつりにてつのまえかけを購入することにした

  • 102二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 11:36:01

    ロマリアからきんのかんむりを奪って逃げ出したというカンダタをまずは追跡しなければならない
    ロマリアの町を出ると北方になにやらバリケードのようなものがあるのが遠目に見えた

  • 103二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 11:38:27

    崖の間にあるこの道はロマリア街道というらしい
    そこに大勢の兵士たちが集まっていた

  • 104二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 11:42:42

    ロマリア王は自分たちにカンダタに奪われてしまったきんのかんむりを取り戻すように言ったのだが
    それはそれとして自国の兵を動かして奪還作戦を展開しているらしい

    「それもそうか」

    まだ信用のおけない『勇者』だけには任せておけないのだろう
    ロマリア王の軽いノリにつられていたが王冠を失ったとなれば普通は国の威信にもかかわる大事だ
    兵士長が兵士たちにまずは北の町カザーブを目指すように指示を出す
    特に何も情報のない勇者一行もこれを参考にすることにした

  • 105二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 11:48:03

    その様子を見ていた旅の商人たちもこそこそと話している
    賊たちは北西の山脈の向こうの古い塔をアジトにしているとのこと
    手持ちの世界地図で確認すると北西の山脈はとても広大でその向こうの平原に行くには
    北のほうからぐるっと回りこんでいくしかなさそうだ
    なるほど、だから北の町を目指せということか

  • 106二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 11:51:55

    しかしバリケードを通り過ぎた義勇はおもむろに西へと歩き出す

    「待て冨岡!どこへ行くつもりだ!話はちゃんと聞いていたか?」
    「西からは海があって回り込めませんよ?」
    「…すまないが先にこちらから行く」
    「冨岡さんまた何かお告げがあったのね」

    しばらく歩くと建物が見えてきた

  • 107二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 11:55:10

    どうやらここは関所らしい
    カンダタの逃走を防止するため現在はここの関所は完全に通行止してあるらしい
    だが義勇が用があるのは関所の建物ではなく、その外にある…

  • 108二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 12:03:26

    つぼの中に入った小さなメダルだった
    「これで8枚目だ」
    嬉しそうにする義勇がアリアハンのメダルおじさんのところに持っていくと言い出したとき
    さすがに3人は
    「遠すぎる」
    「今からあのいざないの洞窟を通って帰るつもりですか?」
    「早くカンダタ退治しなきゃ勇者として認めてもらえないんじゃ…」
    と反対したが義勇はゴソゴソと道具袋から道具を取り出した

    『キメラのつばさ』
    今まで使う機会はなかったが一度行ったことのある場所へひとっとびで移動できるアイテムだ
    これならすぐに行って帰ってくることができる

    「え、アイテム使ってまで行きたいんですか?仕方ありませんね」

  • 109二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 12:30:49

    キメラのつばさを使ってアリアハンまでひとっとび旅
    急上昇と急降下が予測されたため旅の扉でそういった移動が苦手だと判明した伊黒は目をつぶって移動することにした
    もちろんその状態では着地のときに地面にぶつかってしまうので甘露寺が伊黒を抱きかかえている
    「いや、甘露寺、大丈夫だ!?
     一人でもなんとかするから!!」
    「気にしないで伊黒さん!これくらいお安い御用だわ!」
    お姫様だっこに焦って赤面する伊黒と上機嫌の甘露寺をよそにマイペースな義勇はキメラのつばさを使った

  • 110二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 12:33:46

    「よし!これで義勇はメダルを8枚集めたのでほうびにやいばのブーメランを与えよう!」

    メダル8枚の報酬は確かにアイテムを使ってでも価値のある報酬だった
    ブーメランの完全上位互換
    ロマリアの店売りの武器を購入しなくてよかった

  • 111二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 12:39:54

    1つも武器を買わずに複数攻撃部隊の完成である
    すばやさを考えての武器のわりふりをした

    ぎゆう:ブーメラン
    しのぶ:やいばのブーメラン
    みつり:とげのムチ
    おばない:ブーメラン

  • 112二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 12:44:42

    行きと同じやりとりを伊黒と甘露寺が繰り返すがさきほどよりは伊黒は観念したようで少し大人しい
    キメラのつばさでロマリアまで戻ることにした

    さて、それではようやく北方のカザーブの町に向けて出発!
    …してすぐの道すがらとある場所で4人は足をとめた

    「あ、あの子…」

  • 113二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 12:49:38

    おばけアリクイがいたがどうも大人しい様子だ

    「殺気がない…この子、モンスターじいさんが言っていた
     魔性の消えたモンスターなんじゃないかしら」

    おばけアリクイにモンスターじいさんのことを教えるとうれしそうに走っていってしまった
    こうやって仲間モンスターを集めるのかと皆ようやくモンスターじいさんが言っていた話を納得した

  • 114二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 12:58:35

    さらにそこから北へ北へと足を進める
    少し蛇行したような行軍だったためか道中で一度、夜をむかえてしまい
    日中よりも強力なモンスターに大きめの傷を皆、負わされてしまった

    「…ホイミ」
    「ありがとうございます、冨岡さん」
    「甘露寺、上やくそうを使うといい」
    「ありがとう…ごめんなさい、私がもっとはやくやすらぎの歌を使っておけばよかったわ」
    「気にするな、モンスターの息の根を先に止めておかなければさらに攻撃を受けていただろう」
    「次の町でまた装備を見直す必要があるな」

    夜が明け、北方の山々に囲まれた場所に町が見えてきた

  • 115二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 13:03:57

    緑多き町カザーブ
    アリアハンやロマリアなどの城下町と比べるととても小規模な町で
    ともすると村と言っても差し支えないような大きさだった
    しかし喧騒にあふれる城下町よりはおだやかなゆったりとした空気のこちらのほうが義勇は好ましいと思った
    木々の間を通ってくる風がとても心地よい

  • 116二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 13:09:15

    素朴なつくりの武器防具屋にて特に防御面で不安のあるしのぶとみつりにうろこの盾を購入した
    仲間のHP表示が赤くなるととてもひやっとする
    この世界の「しに」は呪文などで生き返らせることもできる本当の死の状態ではないらしいのだが
    それにしたって仲間を死なせたくはないのだ

  • 117二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 13:22:54

    カンダタがひそんでいるという古い塔、
    シャンパーニの塔はここカザーブの町からは南西にあるらしい
    カザーブの町には例のロマリアの兵士たちの姿はなかったのだが
    もう先に出立してしまっているのだろうか?
    先に彼らがカンダタを倒してきんのかんむりを取り戻したとしたら
    それはそれで大変めでたい事ではあるのだが、自分は勇者として認められないのだろうか

  • 118二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 13:25:57

    カザーブ近辺は山岳地帯だったが、そこから大きな橋をわたったあとはずっと平原と森林が続いていた
    やはり山登りをするよりかは楽なので結構な距離があったはずだが
    思ったよりも早くシャンパーニの塔を見つけることができた

  • 119二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 13:27:33

    貼り忘れ

  • 120二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 13:32:26

    このシャンパーニの塔というのはどうも不思議な塔で
    左右非対称、4階から上の部分が一方に偏っているという構造をしているのが外観からもみてとれた
    シンメトリー好きというわけでもない人間でもどこかしら気持ち悪さを感じてしまう
    内部構造も円形に近い多角体が偏っている

  • 121二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 13:36:35

    こんな塔の中にも賊とは無関係の人間がいることに驚く
    兵士ですらない彼らがいったい何をしにここにきているかは謎だが
    どうも4階以上はカンダタ一味がアジトとして使っているという情報を教えてくれた

    「4階以上がカンダタ一味のアジトだとして、3階までも普通にモンスターがいますね」
    「見たことない強いモンスターもいるわ…慎重に進まなくっちゃ…あら?」

  • 122二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 13:39:23

    「こいつも魔性の消えたモンスターか?」
    「こんな普通のモンスターがたくさんいるような場所にも普通にいるんですね」
    「気を付けないと間違って攻撃してしまいそうだな」

    モンスターじいさんのことを話すとバブルスライムは喜んだ

  • 123二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 13:46:54

    「わあ、かわいい!
     バブルスライムさんのお名前は何て呼ぼうかしら」
    「毒を持ったモンスターですよね?
     甘露寺さん、せっかくですから私に名前をつけさせてもらえません?」
    「うん、いいよ!しのぶちゃんつけてつけて!」

    「う~ん、そうですねえ…」

  • 124二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 13:53:41

    「アワオで」
    「え?」
    「…なんですか?冨岡さん」
    「いや、別に…」

    「じゃああなたは今日からアワオね!」
    「ピキ?」
    「甘露寺、これは喜んでいる…のか?」
    「きっと喜んでいるわ!」

    胡蝶のネーミングセンスはどこかずれているなと内心思う冨岡義勇だった

    ※本来ゲーム内で勝手に名づけられる固定名ですがしのぶセンスを感じたので

  • 125二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 13:56:28

    「ん?あれ?」
    「どうした甘露寺」

    「なんだか…私、モンスターさんと今までよりもっと仲良くなれるようになった気がするわ」

  • 126二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 14:03:05

    このレスは削除されています

  • 127二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 14:06:00

    「魔物使いとしての成長だろうか?」
    「強くなるわけではなく仲良くなれるのが…成長ですか?」
    しのぶは少々怪訝な表情をする
    「どうなのかな…魔性の消えていない襲ってくるモンスターとは仲良くなれる気はしないのだけど」

    「!?…敵襲だ!」
    話に気を取られていて気づいたときにはモンスターからの先制になっていた
    幸いそこまでの被害を出さずに敵を退ける
    すると

  • 128二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 14:18:37

    「レベルアップもしてないのに特技を覚えたわ」
    「なるほどそういうことか
     仲間にしたモンスターの数が増えるほど成長する他の職業とは違った特性が魔物使いにはあるということだな」
    「面白いですね
     甘露寺さん、そのとおぼえっていう特技、気になるので次の戦闘で使ってみてください」
    「うん、わかったわ!」


    しばらく後の戦闘
    「よぉし!じゃあ行くよ『とおぼえ』!
     すぅうう…」

    「ワオーンワオーンワオーン!!」
    みつりはしみわたるようなとおぼえをした

    「えっ、甘露寺が鳴くのか?」
    「ちょっと、なんか狼が寄ってきましたよ!?」
    「モンスターに攻撃して去っていったぞ!」

    敵全体にランダムで4回攻撃強力な技である

  • 129二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 18:46:06

    「そこの宝箱、取り忘れないでくださいね」
    アワオととおぼえに気を取られていて忘れそうになっていた宝箱を開けると

  • 130二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 18:49:48

    このレスは削除されています

  • 131二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 18:52:40

    まどうしの杖が入っていた
    実は呪文での攻撃手段があるのはこのパーティではぎゆう一人だけである
    道具として使用するとメラの効果のある杖
    これでも役に立ってくれることもあるかもしれない
    盗賊・魔物使い・商人は魔法はほとんど覚えないのだが多彩な特技は覚える

  • 132二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 18:55:31

    とくにしのぶのとうぞくのはな(フロアに残ったアイテムの数がわかる)や
    みつりのやせいのかん(仲間になるモンスターの気配がわかる)や
    おばないのあなほり(そのフィールドで遭遇するモンスターのドロップ品やゴールドを入手)は冒険の道中にはうれしいものばかりだ

  • 133二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 18:59:49

    4階にたどり着くとそこは外だった
    下から見たときにはわかりにくかったが3階までの屋上としてのこの4階フロアに
    無理やりにさらに建物を増築したのではないかという作りになっていた

    増築部分の建物のドアを開けるといかにも賊のアジトの倉庫といった
    収奪品がざっくばらんに置かれているような部屋だった

  • 134二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:01:01

    用心しながら5階へのぼるとそこには賊がたむろしていた

  • 135二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:03:05

    「なんだ貴様らは!」
    「親分に報告だ!」

    いかにも下っ端の子分のようなセリフを言って賊たちは6階へと階段を登っていった

    「とうとうカンダタがいるのね!」
    「油断をするな!」

  • 136二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:05:01

    6階への階段を下っ端を追って登ると一目みて
    (こいつが親玉のカンダタか)とわかる風体の男がふんぞり返っていた

  • 137二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:08:01

    「「「「変態…」」」」
    覆面マスクにパンツ一丁ではそういう評価を下すのも無理はない
    ぬすんだきんのかんむりをかぶっているせいで更に珍妙な恰好になっている
    本人はそれを本当によしと思っているのだろうか

    (思っているんだろうな)

    当たり前のように動揺もせず話始めたカンダタを見てぎゆうはそう思う

  • 138二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:11:04

    「よくここまで来られたな!褒めてやるぜ!」

    余裕しゃくしゃくといったカンダタに対して先手必勝と鬼殺で鬼を葬るかのように
    4人は武器をとり、攻撃をしかけたが…

  • 139二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:13:04

    カンダタがぱちんと指をならすと床が抜け落ちてしまった
    さすがにブーメランではさしもの義勇も水流飛沫・乱を繰り出すことはかなわず
    そのまま下の階に落下してしまった

  • 140二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:18:04

    「くっ…せめて銅の剣でも装備していれば…」
    「今、気にするべきはそこではない」
    「急いで6階にもどらなきゃ!」
    「ふざけた真似をする人たちですね…!」

    大慌てで元の部屋に戻ったがそこはもぬけの殻

    「あやつめ、どこに行った!」
    「…まさかと思うけど…」
    甘露寺が部屋の右部分を指さす

    なんと壁がぽっかりとない

    「ここから落ちて逃げて行ったのか」
    「追いかけましょう」

  • 141二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:22:30

    4人が飛び降りて着地するとカンダタ一味はまだその場にとどまっていた
    まさか馬鹿正直に飛び降りてまで自分たちを追ってくるとは思ってはいなかったようだ

  • 142二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:24:24

    ぎゆうたちの姿に少しばかりたじろいたもののカンダタ一味は戦闘態勢をとる

    「ロマリア王から奪ったきんのかんむりを返してもらおう!」

  • 143二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:27:53

    初のボス敵戦闘
    カンダタ一体
    手下一体×3

    手下がグループになっていないことに少しだけ戸惑ったがグループ攻撃のとげのムチはともかく
    全体攻撃のやいばのブーメラン、ブーメラン×2の前では敵ではない
    途中で多少のホイミとやすらぎの歌をはさみながらなぐる、とにかくなぐる

  • 144二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:30:03

    みつりのとおぼえで敵の数を減らして残りはカンダタ一体のみ
    ぎゆうのブーメランを食らい、カンダタも倒れた

  • 145二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:32:19

    こちらの力を示した途端、さきほどまでえらそうにしていたカンダタの態度は一変

    「まいった!きんのかんむりを返すから許してくれよ!
     な!な!」
    急に命乞いを始めて驚いた

  • 146二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:38:42

    「何を馬鹿なことを」
    見逃せるはずがないだろうと迫ってもただただ情けなく命乞いをするばかり
    まさか王冠を盗むなどと大犯罪を犯した人間がこんな小物とは…

    「お縄につくべきですよね」
    「当然だ」
    「でも反省してるみたいだし…人の命を奪ったりしたわけじゃないし…」
    「更生の機会を与えようというのか、優しいな甘露寺は」
    鬼と比べればまだ許せる、という究極の選択

    そうこうしているうちに

    「見つけたぞ!盗賊カンダタ!」

  • 147二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:43:56

    ロマリア街道で見かけた兵士長の声が響いた
    カザーブでもシャンパーニの塔でも見かけないと思っていたロマリア兵
    なんのことはない、勇者たちと比べて進軍がとても遅かっただけだったようだ

    「カンダタ一味をつかまえろ!」
    「野郎ども逃げるぞ!」

    小物にありがちな逃げ足だけは速いという厄介な特性

    「まて~!!」
    「あばよー!!」

  • 148二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:50:53

    「すみません兵士長、カンダタを取り逃しました」

    わざわざ報告しなくても見ていたからわかりきったことではあるが軍隊では報告は必須なのだろう
    カンダタを取り逃しはしたが、きんのかんむりは無事に奪還することができた

    「アリアハンの若者よ、感謝する
     そのかんむりは是非君自身の手でロマリア王に届けてくれ」

    これでロマリア王に勇者として認められるだろうとほっと胸をなでおろす

  • 149二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:53:39

    「これでロマリア西の関所の通行止めも解除されるだろう」
    「お言葉ですが兵士長…あの関所は通行止めを解除されただけでは通れないかと」
    「ああ、そうだった
     通行止めになっていなくともあの関所を通るには
     まほうの鍵というものが必要なんだ」

    「とうぞくの鍵ではなくまほうの鍵…?」
    新しいアイテムの名前の登場にぎゆうは困惑する

  • 150二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:59:05

    「本来ならまほうの鍵を君たちに礼として渡したいところだが
     あいにくそのアイテムは持っていなくてな」
    「それならば聞いたことがあります!
     確か南の砂漠のピラミッドに祀られているとか」

    ロマリア西の関所を通った先には海洋先進国のポルトガがあり、
    この先の冒険で船を使いたいならばポルトガを訪ねることは必須だという
    まほうの鍵を求めてピラミッドへ行く必要があるようだ

  • 151二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 20:04:48

    「私たちはカンダタの行方を追う
     旅の無事を祈る!」
    話を終えるとロマリア兵たちは足早に去っていった

    残された勇者一行は
    とにもかくにも目の前に落ちているきんのかんむりを拾い上げる

    「旅路はとてつもなく長くなりそうだな」
    やれやれといった口調でつぶやくぎゆうに
    「最後までご一緒しますよ、冨岡さん」
    としのぶが声をかけた

    ~第1章はじまり~シャンパーニの塔~完

  • 152二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 20:10:37

    プレイヤーです
    自分だけが楽しければそれでいいとスレ立てしたスレに
    コメント・ハートを下さった方ありがとうございます
    大変はげみになります

    ある程度きりのいいところまで撮り貯めができたら続きのスレを立てたいと思います
    時間かかってしまいそうなのであまり過度な期待はしないでお待ちいただければ幸いです
    プレイヤー自身は本当に楽しくて仕方ないので続けたいとは思っています

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