- 1二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:06:07
- 2二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:07:24
- 3二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:09:57
10まで待機
- 4二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:11:47
待機
- 5二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:13:56
待機
- 6二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:16:41
待機
- 7二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:18:47
待機
- 8二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:21:14
待機
- 9二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:22:43
立て乙
- 10二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:23:29
10まで完了
- 11二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 22:05:19
待機
- 12二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 22:32:08
おつ
- 13二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 05:46:42
乙ニキ
- 14二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 07:41:16
保守
- 15スレ主25/09/28(日) 12:41:07
身を起こすと、ミーシャはすっとそこから離れた。
先に起こされたのか、サーシャは椅子に座り、ぼーっと眠たそうな瞳を虚空に向けている。
二人ともすでに魔王学院の制服を着ていた。
「あなたの夢を一緒に見た」
ベッドにちょこんと座っているアルカナが言った。
「竜人らしき者どもが、俺の妹を狙っている夢か?」
「そう」
あれも妙だったな。
二千年前に地底世界はない。竜人はまだいなかったはずだ。
それとも、彼らの先祖はすでに地上にいたのか?
「なにか思い出したか?」
「わからない。けれど、あの夢をどこかで見たような気がするのは、なぜだろう?」
自問するように彼女は呟く。
「やはり、わたしが、あなたの妹だったからなのだろうか」
アルカナと俺の夢を重ねて見たのがあれならば、そう考えるのが妥当ではある。
まあ妥当な考えよな 朝弱いサーシャ可愛いよね…… - 16スレ主25/09/28(日) 12:42:30
アルカナが問うが、サーシャはぼーっとしている。
ミーシャがとことこと彼女のそばにより、優しく訊いた。
「サーシャ、夢は見た?」
「……うん……あのね、小さい可愛いアノスと、妹の夢を見たわ……」
ぼんやりとした口調でサーシャが言う。
「他には?」
「……他に? うーん……うーん……見てない……」
眠たそうにサーシャは言う。
「二人にはわたしたちの夢を監視してもらった後に、彼女らの転生前の夢を見るようにした」
「なにも見ていない理由は?」
俺はアルカナに問う。
「……記憶がない。そもそも転生していないか、あるいは、わたしたちよりも忘却が強いのだろう」
しれっと小さい可愛いアノスとやたらべた褒めなのがポイント - 17二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 12:44:47
幼化アノスはいいぞ……
- 18スレ主25/09/28(日) 12:45:09
ベッドから降りて、ゆるりとドアへ歩いていく。
視界の隅で虚ろだったサーシャの目が、急にカッと見開かれた。
「ちょっ、ちょっとアノスっ……服っ! ま、丸見えだわっ……!」
唐突に覚醒したサーシャが俺を指さす。
とはいえ、シーツを纏っているから、丸見えというわけではない。
まあ、半裸で生徒たちの前に出ては威厳をたもてぬと言いたいのだろう。
「心配せずとも、このまま上に行くつもりはないぞ」
魔法陣を描き、俺は魔王の装束を纏った。
「しかし、今日はずいぶんと目覚めがいいようだな」
そう口にすると、サーシャは顔を真っ赤にして、そっぽを向く。
「……べ、別に、そういうわけじゃ……そんなんじゃ、ないんだもん……」
サーシャは椅子の上で身を縮め、ごにょごにょと一人呟いている。
やはりまだ寝ぼけていたか。
ミーシャ派だったけど最近サーシャ派に傾きそうな今日この頃
でもミーシャとアノス様のデートは今でも大好きなんだよなぁ - 19スレ主25/09/28(日) 12:46:47
「アノスは気にしてる」
ミーシャが言う。
「なにを?」
と、サーシャが訊き返した。
「アヒデが祭礼の妨害をしようとしてること」
「うーん、でも、別にアノスのせいじゃないわ。それは、<羈束首輪夢現>をかけてなければ、あからさまに神はいないって吹聴することはなかったかもしれないけど。でも、あいつがやってたのってもっとひどいじゃない。神の言葉だって嘘をついて、信徒を思うように操ってたわけでしょ」
<創造の月>を強化するために、多くの竜人を自害させもしていた。
「アノスに会ってなかったら、今頃、誰にも気がつかれずに、もっとひどいことしてたんじゃないかしら」
くはは、と俺は笑った。
「な、なんで笑うのよっ」
「なに、心優しい配下を持ったものだと思ってな。確かに俺のせいではないな。わざわざこの国のためにアヒデを始末してやる義理もない。ガデイシオラと内通しているところを暴いてやったのだから、感謝してほしいぐらいだ」
アヒデが一方的に迷惑かけてきただけだから別にアノス様何一つ悪くないよね
- 20スレ主25/09/28(日) 12:48:40
「心苦しい?」
ミーシャが無機質な瞳でじっと俺の顔を覗く。
「俺がか?」
「ちょっとだけ?」
「今しがた言った通り、元々彼らが抱えていた火種だ。俺がご丁寧に消してやる義理もない。神のものは神へ、ジオルダルの愚者はジオルダルに返せというものだ」
ふふっとミーシャが笑う。
「サーシャが言ったから」
心を見透かしたように彼女は言う。
「アノスのせいじゃないって」
「お前はすぐに俺を買いかぶる。それほど優しくはない」
ふるふるとミーシャが首を横に振った。
「優しい」
「ねえ。なに、こそこそ話してるの? わたしに言えない話?」
俺とミーシャは同時に答えた。
「世間話だ」「世間話」
ますます怪しいといった目でサーシャが見てくる。
うーむミーシャが1歩リードですなぁ - 21スレ主25/09/28(日) 12:49:55
やがて、声が響いた。
『ジオルダルの民よ、聞きなさい』
それは聞き覚えのある男の声だ。
『この世界に、我らが望む神はいません。神とはただの秩序であり、我らを救う存在ではないのです。<全能なる煌輝>エクエスは、初代教皇が作り出した虚構。それが存在しないということを、現教皇ゴルロアナは今も隠蔽し続けているのです』
ざわざわと信徒たちが騒ぎ始める。
アヒデの声だった。
『私はジオルダル枢機卿アヒデ・アロボ・アガーツェ。神託者として、その事実を知り、あなた方に真実を伝えに参りました。神はいません。<全能なる煌輝>エクエスは真っ赤な嘘。その証拠に、二千年続いた来聖捧歌はここで途絶えます。神が本当にいるのでしたら、この歌が途絶えることはないはず。それを持って、この地底に神はいないことの証明といたしましょう』
ふむ。<思念通信リークス>か。
神竜の歌声は竜鳴に似た効果がある。
ジオルヘイゼ一帯が竜域に覆われているようなもののため、魔力の発信源が特定し辛い。
相変わらずお元気そうで……
- 22スレ主25/09/28(日) 12:51:56
「……異端者アヒデ。来聖歌人を、エルノラ司祭をどこへやりましたっ!? このような暴挙、神がお許しになるはずがありませんっ」
「神がお許しならない? ヒャハハハハッ、神などただの秩序、ただの現象にすぎないというのがまだおわかりになりませんか?」
反論しているのはアヒデだ。
ずいぶんと人が変わっているように思えるのは、悪夢がいつまで経っても覚めぬからか。あるいは、それが素なのかもしれぬな。
「戯れ言をっ! そのような言葉に騙される私たちとお思いですかっ!?」
「さて、では、探してみるといいでしょうねぇ。しかし、あなた方には決して見つけることができないでしょう」
自信ありげにアヒデは笑う。
「なぜなら、エルノラ司祭はわたしなのですよ。わたしが魔法で変身していたのです。あなた方はそれに、まんまと騙されたというわけですっ!」
「……来聖歌人になりすましたのですか……? なんという大罪を……!」
「大罪? ハハハハハッ、それがどうかしましたか? 来聖捧歌は、これで途絶えるのです。ようやく神はいないとジオルダルの誰もが悟る。さあ、そろそろいいでしょう。ここまでやれば、いい加減に夢から覚めるはず……」
必死だねえ…… - 23スレ主25/09/28(日) 12:53:34
「そろそろお前も気がつき始めた頃ではないか、アヒデ。これは現実だ。お前はこれまで積み重ねてきた嘘を自ら暴露し、すべてを失ったのだ。いい加減に認めるがよい」
「……不適合者……」
ぎりっとアヒデは奥歯を噛む。
「……いやっ、……いやぁっ……!! これは夢ですっ! こんなことが、こんな馬鹿な現実が、あり得るわけがないのですっ……!!」
大きく口を開き、アヒデが炎を吐き出そうとする。
だが、それより遙かに早く、俺は奴に接近していた。
「ごっ……はっ……」
アヒデの土手っ腹に右腕をねじ込む。
だが、手応えがおかしい。
「……これは、夢……そうでしょう? 夢でなければ……おかしいでしょう? そうでなければ、このわたしの、努力が報われないではないですか……せっかく手に入れた枢機卿の地位も、従順な神の力も、思い通りに動くわたしの信徒たちも……どれだけの努力を積み重ね、手に入れたと思うのですかっ……!」
「嘘で手に入れたものなど虚構にすぎぬ。ゆえに、悪夢に飲まれたのだ。お前は初めから、なに一つ持ってはいなかったのだ」
ぐしゃり、と臓物を握り潰す。
すると、奴の体が土くれと化した。
ふむ。思った通りだな。
<根源死殺ベブズド>の手でも、根源がつかめなかった。
「魔法で作った偽物か。本体は別の場所にいるはずだ」
偽物作って安全圏からやる辺り実にアヒデって感じ
- 24スレ主25/09/28(日) 12:54:43
「お願いいたします、エレン。あなたならば、神聖なる来聖歌人を務めることができるでしょう。どうか、私たちを助けると思って……」
「え……えっ? で、でも、今からじゃ練習する時間も?」
イリーナは静かに首を振った。
「ディルヘイドと言いましたか。あなたの国の歌でいいのです。来聖捧歌は新しい歌の風をジオルヘイゼにもたらす儀式。あなたの歌を、魔王聖歌隊の歌と作法をこの地にもたらしてくれれば、それで構いません。どうか、どうかエレン、この通りです」
イリーナが深く頭を下げる。
恐る恐るといった風に、エレンが俺を見た。
「お前たちの歌が、神を信じるこの地底の民にどう響くのか、俺も見てみたいものだ」
言葉一つで、エレンの瞳から迷いが消え失せる。
「イリーナさん、わかりました。どこまでできるかはわかりませんが……」
「やってくれるのですか?」
こくり、とエレンはうなずく。
「昨日、聖歌を聴かせてもらったお礼です。今度はあたしたちの国の歌を、平和を願う魔王の歌を、聴いてください」
こいつらを自由に歌わせてはいけない!非常事態だけど!だけどさ! - 25二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 12:55:09
もうコイツ(アヒデ)との付き合いも長くなってきましたね。……嫌な付き合いではありますけど
- 26二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 13:15:09
今更だけど6章のプロローグの夢でアルカナがシャワーを浴びる時に木でカーテン代わりを作ってあげてたけど
このアノスの羞恥心のなさから考えるにアノスがやらないことをしているから夢は偽の記憶っていう伏線だったのかな?
- 27125/09/28(日) 13:15:55
- 28二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 20:22:37
>>27 ここまでくると、逆にいつ退場するのかが見物ですねぇ
- 29二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 23:26:11
このレスは削除されています