- 1二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:06:07
- 2二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:07:24
- 3二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:09:57
10まで待機
- 4二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:11:47
待機
- 5二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:13:56
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- 6二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:16:41
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- 7二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:18:47
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- 8二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:21:14
待機
- 9二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:22:43
立て乙
- 10二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:23:29
10まで完了
- 11二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 22:05:19
待機
- 12二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 22:32:08
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- 13二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 05:46:42
乙ニキ
- 14二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 07:41:16
保守
- 15スレ主25/09/28(日) 12:41:07
身を起こすと、ミーシャはすっとそこから離れた。
先に起こされたのか、サーシャは椅子に座り、ぼーっと眠たそうな瞳を虚空に向けている。
二人ともすでに魔王学院の制服を着ていた。
「あなたの夢を一緒に見た」
ベッドにちょこんと座っているアルカナが言った。
「竜人らしき者どもが、俺の妹を狙っている夢か?」
「そう」
あれも妙だったな。
二千年前に地底世界はない。竜人はまだいなかったはずだ。
それとも、彼らの先祖はすでに地上にいたのか?
「なにか思い出したか?」
「わからない。けれど、あの夢をどこかで見たような気がするのは、なぜだろう?」
自問するように彼女は呟く。
「やはり、わたしが、あなたの妹だったからなのだろうか」
アルカナと俺の夢を重ねて見たのがあれならば、そう考えるのが妥当ではある。
まあ妥当な考えよな 朝弱いサーシャ可愛いよね…… - 16スレ主25/09/28(日) 12:42:30
アルカナが問うが、サーシャはぼーっとしている。
ミーシャがとことこと彼女のそばにより、優しく訊いた。
「サーシャ、夢は見た?」
「……うん……あのね、小さい可愛いアノスと、妹の夢を見たわ……」
ぼんやりとした口調でサーシャが言う。
「他には?」
「……他に? うーん……うーん……見てない……」
眠たそうにサーシャは言う。
「二人にはわたしたちの夢を監視してもらった後に、彼女らの転生前の夢を見るようにした」
「なにも見ていない理由は?」
俺はアルカナに問う。
「……記憶がない。そもそも転生していないか、あるいは、わたしたちよりも忘却が強いのだろう」
しれっと小さい可愛いアノスとやたらべた褒めなのがポイント - 17二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 12:44:47
幼化アノスはいいぞ……
- 18スレ主25/09/28(日) 12:45:09
ベッドから降りて、ゆるりとドアへ歩いていく。
視界の隅で虚ろだったサーシャの目が、急にカッと見開かれた。
「ちょっ、ちょっとアノスっ……服っ! ま、丸見えだわっ……!」
唐突に覚醒したサーシャが俺を指さす。
とはいえ、シーツを纏っているから、丸見えというわけではない。
まあ、半裸で生徒たちの前に出ては威厳をたもてぬと言いたいのだろう。
「心配せずとも、このまま上に行くつもりはないぞ」
魔法陣を描き、俺は魔王の装束を纏った。
「しかし、今日はずいぶんと目覚めがいいようだな」
そう口にすると、サーシャは顔を真っ赤にして、そっぽを向く。
「……べ、別に、そういうわけじゃ……そんなんじゃ、ないんだもん……」
サーシャは椅子の上で身を縮め、ごにょごにょと一人呟いている。
やはりまだ寝ぼけていたか。
ミーシャ派だったけど最近サーシャ派に傾きそうな今日この頃
でもミーシャとアノス様のデートは今でも大好きなんだよなぁ - 19スレ主25/09/28(日) 12:46:47
「アノスは気にしてる」
ミーシャが言う。
「なにを?」
と、サーシャが訊き返した。
「アヒデが祭礼の妨害をしようとしてること」
「うーん、でも、別にアノスのせいじゃないわ。それは、<羈束首輪夢現>をかけてなければ、あからさまに神はいないって吹聴することはなかったかもしれないけど。でも、あいつがやってたのってもっとひどいじゃない。神の言葉だって嘘をついて、信徒を思うように操ってたわけでしょ」
<創造の月>を強化するために、多くの竜人を自害させもしていた。
「アノスに会ってなかったら、今頃、誰にも気がつかれずに、もっとひどいことしてたんじゃないかしら」
くはは、と俺は笑った。
「な、なんで笑うのよっ」
「なに、心優しい配下を持ったものだと思ってな。確かに俺のせいではないな。わざわざこの国のためにアヒデを始末してやる義理もない。ガデイシオラと内通しているところを暴いてやったのだから、感謝してほしいぐらいだ」
アヒデが一方的に迷惑かけてきただけだから別にアノス様何一つ悪くないよね
- 20スレ主25/09/28(日) 12:48:40
「心苦しい?」
ミーシャが無機質な瞳でじっと俺の顔を覗く。
「俺がか?」
「ちょっとだけ?」
「今しがた言った通り、元々彼らが抱えていた火種だ。俺がご丁寧に消してやる義理もない。神のものは神へ、ジオルダルの愚者はジオルダルに返せというものだ」
ふふっとミーシャが笑う。
「サーシャが言ったから」
心を見透かしたように彼女は言う。
「アノスのせいじゃないって」
「お前はすぐに俺を買いかぶる。それほど優しくはない」
ふるふるとミーシャが首を横に振った。
「優しい」
「ねえ。なに、こそこそ話してるの? わたしに言えない話?」
俺とミーシャは同時に答えた。
「世間話だ」「世間話」
ますます怪しいといった目でサーシャが見てくる。
うーむミーシャが1歩リードですなぁ - 21スレ主25/09/28(日) 12:49:55
やがて、声が響いた。
『ジオルダルの民よ、聞きなさい』
それは聞き覚えのある男の声だ。
『この世界に、我らが望む神はいません。神とはただの秩序であり、我らを救う存在ではないのです。<全能なる煌輝>エクエスは、初代教皇が作り出した虚構。それが存在しないということを、現教皇ゴルロアナは今も隠蔽し続けているのです』
ざわざわと信徒たちが騒ぎ始める。
アヒデの声だった。
『私はジオルダル枢機卿アヒデ・アロボ・アガーツェ。神託者として、その事実を知り、あなた方に真実を伝えに参りました。神はいません。<全能なる煌輝>エクエスは真っ赤な嘘。その証拠に、二千年続いた来聖捧歌はここで途絶えます。神が本当にいるのでしたら、この歌が途絶えることはないはず。それを持って、この地底に神はいないことの証明といたしましょう』
ふむ。<思念通信リークス>か。
神竜の歌声は竜鳴に似た効果がある。
ジオルヘイゼ一帯が竜域に覆われているようなもののため、魔力の発信源が特定し辛い。
相変わらずお元気そうで……
- 22スレ主25/09/28(日) 12:51:56
「……異端者アヒデ。来聖歌人を、エルノラ司祭をどこへやりましたっ!? このような暴挙、神がお許しになるはずがありませんっ」
「神がお許しならない? ヒャハハハハッ、神などただの秩序、ただの現象にすぎないというのがまだおわかりになりませんか?」
反論しているのはアヒデだ。
ずいぶんと人が変わっているように思えるのは、悪夢がいつまで経っても覚めぬからか。あるいは、それが素なのかもしれぬな。
「戯れ言をっ! そのような言葉に騙される私たちとお思いですかっ!?」
「さて、では、探してみるといいでしょうねぇ。しかし、あなた方には決して見つけることができないでしょう」
自信ありげにアヒデは笑う。
「なぜなら、エルノラ司祭はわたしなのですよ。わたしが魔法で変身していたのです。あなた方はそれに、まんまと騙されたというわけですっ!」
「……来聖歌人になりすましたのですか……? なんという大罪を……!」
「大罪? ハハハハハッ、それがどうかしましたか? 来聖捧歌は、これで途絶えるのです。ようやく神はいないとジオルダルの誰もが悟る。さあ、そろそろいいでしょう。ここまでやれば、いい加減に夢から覚めるはず……」
必死だねえ…… - 23スレ主25/09/28(日) 12:53:34
「そろそろお前も気がつき始めた頃ではないか、アヒデ。これは現実だ。お前はこれまで積み重ねてきた嘘を自ら暴露し、すべてを失ったのだ。いい加減に認めるがよい」
「……不適合者……」
ぎりっとアヒデは奥歯を噛む。
「……いやっ、……いやぁっ……!! これは夢ですっ! こんなことが、こんな馬鹿な現実が、あり得るわけがないのですっ……!!」
大きく口を開き、アヒデが炎を吐き出そうとする。
だが、それより遙かに早く、俺は奴に接近していた。
「ごっ……はっ……」
アヒデの土手っ腹に右腕をねじ込む。
だが、手応えがおかしい。
「……これは、夢……そうでしょう? 夢でなければ……おかしいでしょう? そうでなければ、このわたしの、努力が報われないではないですか……せっかく手に入れた枢機卿の地位も、従順な神の力も、思い通りに動くわたしの信徒たちも……どれだけの努力を積み重ね、手に入れたと思うのですかっ……!」
「嘘で手に入れたものなど虚構にすぎぬ。ゆえに、悪夢に飲まれたのだ。お前は初めから、なに一つ持ってはいなかったのだ」
ぐしゃり、と臓物を握り潰す。
すると、奴の体が土くれと化した。
ふむ。思った通りだな。
<根源死殺ベブズド>の手でも、根源がつかめなかった。
「魔法で作った偽物か。本体は別の場所にいるはずだ」
偽物作って安全圏からやる辺り実にアヒデって感じ
- 24スレ主25/09/28(日) 12:54:43
「お願いいたします、エレン。あなたならば、神聖なる来聖歌人を務めることができるでしょう。どうか、私たちを助けると思って……」
「え……えっ? で、でも、今からじゃ練習する時間も?」
イリーナは静かに首を振った。
「ディルヘイドと言いましたか。あなたの国の歌でいいのです。来聖捧歌は新しい歌の風をジオルヘイゼにもたらす儀式。あなたの歌を、魔王聖歌隊の歌と作法をこの地にもたらしてくれれば、それで構いません。どうか、どうかエレン、この通りです」
イリーナが深く頭を下げる。
恐る恐るといった風に、エレンが俺を見た。
「お前たちの歌が、神を信じるこの地底の民にどう響くのか、俺も見てみたいものだ」
言葉一つで、エレンの瞳から迷いが消え失せる。
「イリーナさん、わかりました。どこまでできるかはわかりませんが……」
「やってくれるのですか?」
こくり、とエレンはうなずく。
「昨日、聖歌を聴かせてもらったお礼です。今度はあたしたちの国の歌を、平和を願う魔王の歌を、聴いてください」
こいつらを自由に歌わせてはいけない!非常事態だけど!だけどさ! - 25二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 12:55:09
もうコイツ(アヒデ)との付き合いも長くなってきましたね。……嫌な付き合いではありますけど
- 26二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 13:15:09
今更だけど6章のプロローグの夢でアルカナがシャワーを浴びる時に木でカーテン代わりを作ってあげてたけど
このアノスの羞恥心のなさから考えるにアノスがやらないことをしているから夢は偽の記憶っていう伏線だったのかな?
- 27125/09/28(日) 13:15:55
- 28二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 20:22:37
>>27 ここまでくると、逆にいつ退場するのかが見物ですねぇ
- 29二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 23:26:11
このレスは削除されています
- 30二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 07:29:12
保守
- 31二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 09:50:55
待機
- 32二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 14:01:18
保守
- 33二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 16:11:30
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- 34二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 20:50:45
保守
- 35二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 22:30:33
待機
- 36二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 00:46:06
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- 37二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 07:36:45
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- 38二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 14:05:52
待機
- 39二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 22:23:12
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- 40二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 23:20:52
待機
- 41スレ主25/09/30(火) 23:25:53
「「「魔王賛美歌第六番『隣人』」」」
格調高い弦楽器の音が流麗に響き渡る。
空を思わせるその響きは、空のないこの地底の音楽とはどこか違った趣おもむきがあり、爽快にジオルヘイゼの街を覆っていく。
竜人たちは祈りを捧げながらも、聞き覚えのない音楽に耳を楽しませ、その洗練された音に心奪われてしまったかのように魔力を震わせた。
これからどんな厳かな聖歌が始まるのか。
前のめりの姿勢で耳を傾けた信徒たち、その――
「あー、神様♪ こ・ん・な、世界があるなんて、知・ら・な・かったよ~~~っ♪♪♪」
「「「ク・イック、ク・イック、ク・イックウッウー♪」」」
――出鼻を挫くかの如き、極限の転調とぶちこまれたサビ。
しかし、その驚きが、逆に信徒たちの心をわしづかみにしていた。
その心を放さないよう、魔王聖歌隊は跳ねるようなリズムとメロディで歌い上げる。
「開けないでっ♪」
「「うっうー♪」」
「開けないでっ♪」
「「うっうー♪」」
「開けないでっ、それは禁断の門っ♪」
軽快な伴奏に合わせ、聖歌隊は愉快に歌う。
こんなにも愉快な聖歌を、地底の民は知らなかったに違いない。
皆、度肝を抜かれていた。
何が面白いって歌ってる連中は大真面目に作詞作曲してるっていう - 42スレ主25/09/30(火) 23:28:08
やがて、八歌賢人の一人が口火を切った。
「古代魔法語は、神のもたらした言葉とも言われている」
すると、他の八歌賢人たちもそれに続く。
「ク・イック、異国の教えながら、素晴らしく、そして深い言葉だ」
「ときとして、我々は理屈だけで考えてしまう。しかし、神の前に理屈などなんの意味もなさない。それはただ人が決めただけのこと」
「この歌は、その原初の気持ちを、思い出させてくれる」
「それにク・イック以外にも深い意味が込められている。隣人、これは人と人の関係のみならず、国と国の関係を表しているのだろう」
「私もそう思う。見知らぬ国同士、これまでかかわり合いもなく、過ごしてきた。その禁断の門を開けるのを、私たちはいつも躊躇ってしまう」
「魔の手に思えたものは本当に魔の手だったのか。いや、違う。私たちの曇った目が、恐れる心が、その手を、魔の手へと見せたのだ」
「だが、不浄を恐れず、禁断の門を開き、入ってきた。入らないはず、入れないはずの門の中へ。国と国との交流が始まったのだ。すなわち、隣人を愛せよ」
「新しい世界の幕開けだ。その勇気は、禁断の門を解き放つ勇気だけは、教典にはない教え、魔王はそれを、訴えようというのか」
「この歌を聞いただけで、彼の求める国が、そして彼が素晴らしい人物なのだということがわかる」
「ああ、なんとありがたい。それに、この音楽を聴いていると、心の底から楽しさが溢れ出してくるようだ。この曲には神が宿っている。神が心を躍らせろと言っているのだろう」
絶賛であった。
絶賛でありましたか…… - 43スレ主25/09/30(火) 23:31:01
これまで交流のなかった異国の地。
けれども、歌は国教をいとも容易く越える。
ク・イック――わけがわからないけど楽しいからいいじゃん。
その言葉を体現するかのように、魔王聖歌隊の少女たちも、ジオルダルの信徒たちも、この来聖捧歌の舞台で、道理などすっ飛ばして、賛美歌が作り出す最高の楽しさに、ただただその身を委ねていたのだった――
歌詞を読んでてあまりに頭が痛くなったけど皆楽しいからヨシ! - 44二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 23:40:12
皆、幸せなんやなぁ
- 45二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 04:10:55
まさかアニメでこれ聞けるとは全く思わなかった…
- 46二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 06:20:27
>>45 まず《涅槃七歩征服》がアニメで見れるとは思わなかったゾ……
- 47二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 12:59:40
待機
- 48二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 13:54:14
待機
- 49二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 19:21:31
待機
- 50二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 22:53:28
このレスは削除されています
- 51二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 07:26:17
保守
- 52二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 08:39:50
待機
- 53二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 14:19:25
待機
- 54二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 14:42:19
待機
- 55二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 21:18:32
待機
- 56二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 22:57:12
このレスは削除されています
- 57二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 01:12:18
待機
- 58二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 07:53:41
保守
- 59二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 14:23:06
待機
- 60二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 19:52:09
待機
- 61二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 22:36:02
このレスは削除されています
- 62スレ主25/10/03(金) 23:15:54
「なあ。地上の歌はいいもんだな。今度、うちにも歌いに来てはくれまいか?」
ふむ。おかしな男が現れたな。
「気をつけて」
アルカナが警戒心を剥き出しにし、その壮年の男を睨む。
「八神選定者の一人、アガハを治める剣帝、預言者ディードリッヒ・クレイツェン・アガハ」
「おうよ。わかっているのならば、話は早かろう」
ディードリッヒはまっすぐ俺の元まで歩いてきて、手を差し出す。
「同じ八神選定者だ。聖戦にて戦うこともあろうが、恨みっこなしで行くとしようや、地上の魔王さんよ」
なかなか剛胆な男だな。
「アノス・ヴォルディゴードだ」
ディードリッヒと握手を交わす。
ニカッと彼は歯を見せて笑った。
こんなワイルドな感じで預言者 - 63二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 23:17:46
ワイルドかつ豪胆で、更に性格も良いおじさん王様やで(ニッコリ)
- 64スレ主25/10/03(金) 23:19:39
「こいつは未来神ナフタ、俺を選んだ選定神だ。預言者と呼ばれているのも、ま、ナフタがいるおかげでなぁ」
ディードリッヒが言う。
未来神か。ナフタが本当に未来の秩序を司るのならば、アヒデのときとは違い、預言者という肩書きも眉唾物ではないのだろうな。
「つまり、ここで俺に挨拶をすれば、回り回ってお前は教皇のもとへ辿り着くことができる。その未来をすでに見てきたというわけか?」
「おうよ。もう一つ預言するなら、アヒデという男は、神竜の霊地に姿を現すことになるだろうよ」
一度、姿を現した場所には二度は行かないだろう、と俺が考えるとでも思ったか?
あれだけの竜人がいる場所だ。人混みに紛れ、逃げるつもりだとしても不思議はない。
アヒデの時とは違いって当たり前みたいにディスられてんの草 - 65スレ主25/10/03(金) 23:21:41
「よう、ジオルダルの元枢機卿さんよ。俺のいねえ間に好き勝手なことをしてくれたではないか?」
アヒデの顔面が蒼白に変わる。
「……でぃ、ディードリッヒっ……!?」
「王竜の落とし前をつけてもらわねばなるまいな」
「おのれぇっ……!!」
アヒデが手にした盟珠に魔法陣が積層される。
<憑依召喚アゼプト>・<力竜デイロ>が発動した。
竜の力を得たアヒデは、ディードリッヒの腕をつかみ、そのまま引きはがしにかかる。
だが、びくともしなかった。
アヒデは口を開き、炎を吐き出そうとする。
それが予めわかっていたかのようにディードリッヒは手で口を塞ぐようにわしづかみにして、反魔法を張った。
「ぐほおぉぉっ……!!」
吐き出された炎が逆流し、愚か者の内蔵を焼く。
「ク・イック、ク・イック、ク・イック……♪」
歌を口ずさむ余裕を見せながらも、アヒデが怯んだ一瞬の隙に、そのままディードリッヒは奴を地面に組み伏せる。
「ウッウーッ♪ てところか。大人しくしな」
屈辱に顔を染めながらも、アヒデは叫んだ。
割と珍しい主人公サイド以外のキャラがちゃんと強いシーン
- 66スレ主25/10/03(金) 23:24:31
「しかし、未来が見えるというのは妙なものだな。たとえば、俺が悪戯心でお前の預言を外そうと思えば、つれて行かぬ未来もあったのではないか?」
「なあに、未来神ナフタのことをお前さんが知ることも含めての預言だ。お前さんは、悪戯心よりも義理を優先する男だというだけの話よな」
アヒデの居場所も、俺がディードリッヒを教皇に会わせようという気になることも、俺が悪戯心など決して起こさぬということも、すべてわかっていたか。
未来が見えるというのは、本当のようだな。
「予知ができるというに、なぜ王竜を盗ませた?」
「先が見えすぎるというのも、これが案外困りものなのだ。王竜を守ろうとすれば、今度は別のものが守れまいて。本来は目に見えぬ危機を、取り除かねばならぬものでなぁ」
自らの国の守護竜を捨ておく未来が、最善だったか。
「ふむ。その預言とやらは、どのぐらい先の未来までわかっているのだ?」
「そうさなぁ」
遠くを見つめながら、ディードリッヒは言った。
「地底の終わる日ぐらいまでは、預言できるだろうよ」
最善の未来を選んだ結果か… - 67二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 23:25:58
この王様、デキる……!?
- 68二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 06:51:00
魔王学院第一回インフレ章が6章だからここから敵サイドが普通にアノス相手に善戦してくるんだよね
- 69二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 14:20:47
このレスは削除されています
- 70二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 19:42:20
待機
- 71二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 23:37:37
このレスは削除されています
- 72二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 07:33:26
待機
- 73二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 14:18:27
待機
- 74二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 17:38:25
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- 75二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 23:12:25
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- 76二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 06:19:24
待機
- 77二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 11:49:47
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- 78二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 14:40:02
待機
- 79二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 22:48:19
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- 80二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 22:55:34
本スレ、間違えて落としちゃった。おのれ、ホスト規制め……
- 81スレ主25/10/07(火) 01:19:40
と、そのとき、俺がつかんでいたアヒデの頭が僅かに揺れた。
「ヒャハッ、ヒャハハハハハッ!!」
アヒデの口から、狂ったような笑い声が響く。
「教皇ゴルロアナッ! とうとう、とうとうここまでやってきましたよっ。あなたに、言葉をかけられるときがっ! 聞けっ、聞くがいいっ! 神などいないっ! <全能なる煌輝>エクエスなど、先祖の竜人が作りあげたただの妄想なのですっ!」
辺りはシーンと静まり返る。
大聖門の横に並んでいる聖職者たちは、皆アヒデに見下すような視線を向けている。
だが、なによりも絶望的な表情を浮かべていたのは彼自身だった。
「……なぜ、悪夢が……終わらない……」
彼はジオルダルの民に神がいないことを吹聴して回った。
教団の長である教皇にさえ、そのことを直接伝えた。
これ以上、できることなどないだろう。
『アヒデ。なんの魔法をかけられたのか存じませんが、もう悟ったことでしょう。これは夢ではありません。現実でございます』
「……現……実…………」
まるで未来をなくしたかのように、ぽつりとアヒデは呟いた。
薄々は気がついていたのだろう。
それでも必死に目を背け続けてきたのだ。
だが、最早、限界だ。
「……これが、わたしの現実だというのですか……? わたしの積み重ねてきた、わたしの信仰は、わたしの地位はっ……」
長かった……いや本当長かった……
やっぱきついよねホスト規制
- 82スレ主25/10/07(火) 01:21:01
『たとえ夢の中であろうと信徒ならばただ一心に神を信じ、祈りを捧げ続けるべきでありましょう。違いますか?』
「……すべては、この暴虐の魔王に、悪魔にそそのかされて……!」
『あなたの心は常に自由でした。よろしいですか。神を信じるというのは口先だけで行うものではありません。我々でさえも、あなたの愚かな本性が見えるというのに、神がどうしてその嘘に気づかないとお思いでしたか』
すげなく言われ、アヒデは絶望に染まった表情を浮かべる。
「……お、お待ちくだ――」
『あなたを破門といたします。二度とこのジオルダルの地を踏むことは許しません』
呆然とするアヒデの頭をディードリッヒがつかみあげた。
「ってことだ。お前さんにゃ、王竜を盗んだ罰として、生贄になってもらう」
「……馬鹿な……!! そんなっ、そのような非道な真似を、神がお許しになるは――ごふぅっ……!!」
ディードリッヒがアヒデの腹部に拳をめり込ませる。
強烈な魔力に根源ごと揺さぶられたか、彼は意識を手放したように、がくりと項垂れた。
「神を信じてもいない輩が、言う台詞ではあるまいて」
哀れで無様…… - 83スレ主25/10/07(火) 01:22:21
『アガハの剣帝ディードリッヒ。用件はわかりました。返答より先に、まずはあなたにお尋ねしましょう、魔王アノス。それとも不適合者の方がよろしいでしょうか?』
「どちらでも構わぬ」
『では、神より与えられし称号の方を。不適合者よ、あなたはこのジオルダルに何用で参ったのでしょう?』
「平たく言えば、見聞を広めにな。地底の者がなにを思い、どのように暮らしているのかを知るために来た」
そう言うと、続いて教皇が問う。
『では、私になんの用がおありなのでしょう?』
「訊きたいことがあってな。選定審判について、それから痕跡神リーバルシュネッドの何処いどこだ」
『よくわかりました』
一拍おいて、ゴルロアナは信徒に教えを伝えるかのように、厳かに言った。
『神は言われました。救世をなす者には、多くの人々が救いの手を求める。しかし、そのすべての手をとれば、神への祈りが疎かになり、救済はかなわない。あなた方は、あなた方のやり方でただ一人を選びなさい。その者の手を、救済者はとるでしょう』
「ふむ。俺とディードリッヒ、どちらか一人の話だけを聞くので、どちらが話をするのかは、お前たちで勝手に決めろということか?」
『その通りでございます』
したたかに潰し合いさせに来てる…… - 84スレ主25/10/07(火) 01:25:44
「恐らくその男は強い。全力で戦うがいい」
「あなたに従おう」
彼女は両手をすっと持ち上げ、ゆっくりと手の平を天に返す。
屋内のため直接は見えぬが、地底の天蓋に、<創造の月>が浮かぶ。
「魔族の王よ、予言いたします」
両眼を閉じた神が、両手で持った水晶を俺の方へ向ける。
「この目が開くとき、ナフタにはすべての未来が見えるでしょう。起こるべきすべての未来が、あらゆる奇跡が、未来神ナフタの手の内にある。あなたの手の隙間から、勝利という未来はこぼれ落ち、抗う可能性すら消え果てる」
当たり前のように彼女は言う。
「風邪をこじらせて死ぬ者もいる。転んで命を落とす者もいる。あらゆる者が神のサイコロを振り、その結果この世を生きている。ナフタに挑むのならば、あなたを最悪の日が襲うでしょう」
「ほう。ではこちらも、一つ予言しておくぞ、未来を司る神よ」
佇むナフタに、俺は言葉を突きつけてやる。
「その目を開いた瞬間、お前の敗北が確定するだろう」
今までの選定者の感じで1番強そうなんだよねディードリッヒ、いやまあ今までが小物臭すぎた言ったらそうなんだけど
- 85二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 06:58:01
どちらかというとアヒデとガゼルが例外枠なんだけど最初に戦った選定者がこの二人だからデフォルトに見える罠
- 86二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 09:29:53
ディードリッヒもナフタもガチで強いんだよな
- 87二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 14:28:38
待機
- 88二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 20:27:10
保守
- 89二次元好きの匿名さん25/10/07(火) 22:27:30
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- 90二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 01:00:57
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- 91二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 08:06:53
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- 92二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 13:24:57
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- 93二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 16:00:23
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- 94二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 21:28:35
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- 95二次元好きの匿名さん25/10/08(水) 22:37:37
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- 96二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 07:38:57
保守
- 97二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 10:19:57
本スレまた落ちたんで、暫くはお休みですかねぇ。需要があるようだったらまた建てます
- 98二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 14:06:01
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- 99二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 18:43:19
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- 100二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 21:19:41
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- 101二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 23:01:02
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- 102二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 07:42:01
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- 103二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 13:00:16
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- 104二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 14:31:20
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- 105二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 21:01:28
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- 106二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 23:24:26
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- 107二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 02:49:07
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- 108二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 07:53:37
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- 109二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 14:25:26
保守
- 110二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 16:49:24
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- 111二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 21:50:36
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- 112スレ主25/10/11(土) 21:51:29
明日からまた軽くやってくぞー!しばらく間を空けててすいません!
- 113二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 21:52:30
>>112 いえいえ、お気になさらず。スレ主さんの反応、何時も楽しみに見させてもらっています。これからも何卒、よろしくお願いしますm(_ _)m
- 114二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 22:57:48
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- 115二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 05:55:59
未来神戦はついにエギルか
- 116二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 07:45:23
保守
- 117二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 10:52:40
待機
- 118スレ主25/10/12(日) 11:57:46
「その槍を抜くことはもうできません。選択は二つに一つ。このまま負けを宣言するか、カンダクイゾルテの槍に根源を貫かれ、滅ぶか」
目を閉じたまま、しかしまっすぐ俺の方を向き、ナフタは言い放つ。
「選ぶのはあなた」
「もっと先を見据えてみろ、未来神。<未来世水晶>とやらが台無しになるぞ?」
ナフタは表情を崩さず、水晶の槍へ向けて魔力を放つ。
「汝の根源を、串刺しの刑に処す」
グジュ、と音を立てて、カンダクイゾルテが俺の腹部を更に深く貫く。
さりとて、俺は泰然と目の前の神を睨んだままだ。
「忠告したはずだがな」
根源を串刺しにし、俺の体を貫通した槍は、しかし穂先が黒く錆びついている。
うわーアノス様がやられたー
- 119スレ主25/10/12(日) 12:00:06
驚愕をあらわにする聖騎士たちをよそに、一人、うんうんとうなずいている男がいた。
誰あろう、司教ミラノである。
「今日も奇跡が起きておりますなぁ」
数歩前へ足を踏み出しながら、俺は口を開く。
「未来に触れる術がなくとも、お前が攻撃する限りは俺に触れねばならぬ」
俺を貫いているということは、その槍に触れているということだ。
「さっさと槍を抜いた方がいいぞ。根源から噴き出す魔王の血が、カンダクイゾルテを腐らせる前にな」
「<未来世水晶>カンダクイゾルテは、この世界の数多の未来、それは世界の形に等しいでしょう。あなたの行いは、世界と自分とどちらが先に滅ぶか比べようというもの。結論は火を見るよりも明らかでしょう」
「確かに、道理だな」
ボロッと水晶の穂先が崩れ落ちる。
「俺の血は世界をも腐食する」
カンダクイゾルテが真っ黒な錆びと化し、ボロボロと崩れ落ちては、辺りに霧散する。
魔王の血は、よほどの攻撃でなければ使えぬ。
その護りを受けとめるだけの威力がなければ、世界に致命的なダメージを与えてしまうかもしれぬからな。
もはや血ですら武器になる男 司教様慣れてる……
- 120スレ主25/10/12(日) 12:02:22
「ふむ。カンダクイゾルテで作られた世界か」
「ナフタは宣誓します。この世界は、すべてがあなたにとって最悪の結果になるように限局します。あなたの勝利はこの世界では選ばれません」
「面白い。世界ぐらい用意せねば俺には届かぬ」
泰然と奴を見据え、俺は言った。
「さあ、未来よ。挑んでみよ」
言葉と同時、地面という地面がパリンと砕け散った。
<飛行フレス>で宙に浮かぶと、その途方もなく巨大な穴から、水晶の槍が無数に飛んできた。
<四界牆壁ベノ・イエヴン>で穴を塞いでみたが、水晶の槍はそれを容易くすり抜け、俺を貫く。
次の瞬間、周囲にある建物から、ぬっと水晶の槍が出現する。
頭上の天蓋からも同じく水晶の槍が現れ、上下左右から一斉に撃ち放たれた。
次々と槍がこの身を削る中、目の前の時計台がそのまま切り離されたかのように宙に浮かび、鋭く尖らせた屋根ごと突っ込んでくる。
無数の水晶の槍が俺の体を縛りつけ、その時計台の槍が押し潰さんばかりの勢いで突き刺さった。
全身から大量の血が滴る。
「これだけ血を流すのは久しぶりだな」
このレベルでやっと戦えるのやっぱおかしいですよね⁉︎
- 121スレ主25/10/12(日) 12:04:03
火が水が、雷が大地が、樹木が、天蓋が、ありとあらゆるものが俺を襲う。
それはまるで奇跡の如く。
しかし、牙を剥く世界のすべてを、俺はよせつけなかった。
「起源魔法にて、二千年前の暴虐の魔王アノス・ヴォルディゴードと創造神ミリティア、破壊神アベルニユーから魔力を借りた」
その上で、現在の俺自身の魔力をそこに上乗せする。
「まともな場所では使えぬ禁呪だ。俺とて、二度しか使ったことはない」
漆黒の粒子が生き物のように渦を巻き、魔法陣の砲塔に絡みつく。
その余波だけで、周囲の水晶という水晶が、みるみる砕け散り、粉みじんに割れていく。
水晶の世界が、ヒビ割れ、崩壊を始めた。
「ゆえに、その目を開き、くれぐれもうまく限局するのだな。この魔法を放ったが最後、最悪でもカンダクイゾルテの世界は滅ぶ」
言葉もなく、呆然とこちらへ顔を向ける未来神へ、俺は言った。
「限局できねば、現実の世界ごと滅び去る」
黒き粒子が砲塔を中心に七重の螺旋を描く。
水晶の地面に底の見えぬ亀裂が入る。
亀裂の先もまた見えず、それは限局世界を文字通り、二つに割っていた。
むしろ2回はこれ使ってるんだよな… - 122スレ主25/10/12(日) 12:06:22
静かにナフタはうなずく。
彼女の体に亀裂が入った。
「……ナフタは敗北を宣誓します。どれだけ未来を限局しても、無は一になりません。あなたの敗北する未来は、ただの一つも存在しませんでした」
ピシィ、と未来神の体に無数のヒビが入り、彼女は崩壊していく。
どれだけ限局しようとも、俺と対峙する以上、彼女の未来は滅びのみ。
未来の結末が、ナフタを終わりに近づけているのだ。
神は秩序に逆らえぬ。
この結果を知りたくないから、ナフタはあえて目を開かなかったのだろうがな。
「だから、初めに予言しただろうに」
滅紫けしむらさきに染まった魔眼を向け、ゆるりとナフタのもとへ歩いていく。
未来を閉ざすように、ナフタの両眼を手で覆う。
その体の崩壊が、ぴたりと止まった。
「幾億の奇跡を重ねようとも、俺の最悪には決して届かぬ」
何をどうすりゃ勝てるんだよこれ - 123二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 12:20:26
ナフタやっぱ強いな
流石未来神 - 124二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 14:39:47
世界を滅ぼす終末の火、やっぱ馬鹿強ぇな……
- 125二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 17:31:20
どうやればアノスに勝てるかはアニメ範囲外の話かな…
- 126二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 18:22:11
霊神人剣なら魔王の血を無効化してクリティカルヒットできる。だからその秘奥で地道に削るのが一番的なことを当時感想欄で先生が返信してましたね
魔王の血はここ初出だけど、ここまでだとアノス様の根源に直接ダメージ入ってるのは全部霊神人剣かその効果が残っていた時(ジェルガ)なの描写うまいよね - 127二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 22:52:14
待機
- 128二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 06:38:13
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- 129二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 11:52:02
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- 130二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 14:02:19
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- 131二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 19:12:31
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- 132二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 22:59:53
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- 133二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 00:55:46
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- 134二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 08:07:48
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- 135二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 13:48:05
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- 136二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 14:12:02
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- 137二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 15:48:39
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- 138二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 22:24:50
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- 139二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 02:14:29
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- 140スレ主25/10/15(水) 06:43:01
動揺する聖騎士たちに、司教ミラノは落ちついた声を発した。
「なにを驚くことがありましょうか、聖騎士のお歴々。そう、彼はあの天父神さえも、盟珠なしに従えるほどの御方なのですから」
「なぁぁっ……!? あ、あのっ!? あの天父神を、秩序を生む秩序、<全能なる煌輝>エクエスの輝きに、最も近き神を、盟珠なしにっ!?」
「ええ、ご存知ありませんでしたか?」
「確かか、司教ミラノっ!? それは、確かなことなのかっ?」
「<全能なる煌輝>エクエスに宣誓しましょう。私はこの目でそれを確かに見ました。ああ、しかし、この地底で一番最初に彼を知ったのが私だとすれば、他に知る者はいないのかもしれませんなぁ」
「なんという奇跡に立ち会ったものだ、貴公は……」
「だ、だとすればっ、常軌を逸しているどころではないぞっ! なにもかもを超越しているっ!? あの男、本当に人かっ!? 人の姿をした神ではないのかっ!? いや、いや、それどころか……」
「……ま、さ、か…………彼は…………あの御方は………………?」
「はてさて、どうでしょうなぁ? 不適合者、ずいぶんと皮肉めいた称号をつけられたようですが、あるいは自身で名乗っているのかも? 我々には計り知ることさえ及ばぬ尊き存在なのかもしれませんなぁ」
司教様もう慣れてるのも凄いけどちゃんとアノス様の凄さ受け止めてるの大物感あるわ
- 141スレ主25/10/15(水) 06:50:48
大聖門の前で膝を折ったアルカナに、ディードリッヒは無造作に近づいていく。
そうして、彼女の目前で立ち止まると、<竜ノ逆燐ノジアズ>を消し、ニカッと笑った。
「ま、俺の負けだ」
ディードリッヒが差し出した手を、アルカナが取る。
彼女は立ち上がり、彼に言った。
「命の取り合いではない。癒すのが困難な傷を負った時点で、わたしの負けなのだろう」
「あいにく、こいつは、あちらさんとの勝負なものでな。今の一撃でお前さんを殺せたなら、引き分けと言い張ってもよかったかもしれぬが、そうはいくまいて」
ディードリッヒが俺に視線をやった。
「取り決めでは、長くもちこたえた方が勝者だ。お前がアルカナに負けを認めさせたのなら、決着はつかぬ。引き分けだ」
奴は豪快に笑った。
「誰がどう見ても、お前さんが先にナフタに勝ったであろう。取り決めだからと引き分けた顔をしていては、アガハの王として民にも臣下にも示しがつくまいて」
それに、とつけ加え、ディードリッヒは大聖門を親指でさす。
「奴さんも、それで両方と話そうという気にはなるまいよ」
思わず、笑みがこぼれる。
「なかなか潔いことを言う。ディードリッヒ、お前の国に興味が湧いてきたぞ」
ニカッと笑い、奴は言う。
爽やかな男だ
- 142スレ主25/10/15(水) 06:54:20
「なあに、こいつは未来神ナフタの審判というものでな」
あごに手をやりながら、ディードリッヒは言う。
「勝たねばならぬ戦いがあったとしよう。未来を知り、決して勝てぬとわかっていたならば、さあ、どうする?」
鷹揚にディードリッヒが問いかける。
「挑まず逃げろというのが預言者の仕事ではあるまいよ。覆らぬ預言に意味などない」
奴にとっては、俺こそが決して覆らぬ預言の象徴であろう。
ゆえに挑んだというわけだ。この先、自らが不利になろうとも、その未来を覆そうとした。
「見事な覚悟だ、地底の王よ」
ディードリッヒが豪放に笑う。
「お前さんが気にかけていることを、一つ預言しておいてやろう」
「ほう。ありがたいことだ。アガハの剣帝の言葉、拝聴するとしよう」
姿勢を正し、俺はまっすぐディードリッヒに視線を向ける。
奴は言った。
「地上の魔王。不適合者アノス・ヴォルディゴードを選定者に選んだのは、創造神ミリティアだ」
やはり、という想いと、まさか、という想いが胸中に渦を巻く。
嘘をつくような男にも見えぬことだしな。
「も一つ、おまけだ。こいつは俺の事情も絡むがよ。ゴルロアナとやり合うんなら、お前さんにとっても、確実に滅ぼすがよかろうて。ディルヘイドを危険に曝したくなければな」
「ふむ。忠告はありがたく受け取る。だが、俺の答えはわかっていよう」
ディードリッヒはニカッと笑い、踵を返した。
「アガハでまた会おうや、魔王」
終始好感持てる選定者だったぜ、アノス様選ぶ神逆にミリティアしか心当たりないよね - 143二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 08:33:24
アヒデとは大違いで草ですよ
- 144二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 14:09:11
待機
- 145二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 21:17:41
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- 146二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 23:40:40
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- 147二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 07:41:03
保守
- 148二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 13:18:38
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- 149二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 14:36:27
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- 150二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 22:38:54
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- 151二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 02:34:03
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- 152二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 07:30:45
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- 153二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 14:16:28
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- 154二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 21:48:37
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- 155二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 22:32:44
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- 156二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 08:06:09
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- 157二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 14:10:49
保守
- 158二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 16:00:23
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- 159二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 20:55:34
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- 160二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:12:48
保守
- 161二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 02:35:03
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- 162二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 07:43:51
保守
- 163二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 09:47:43
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- 164二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 14:03:50
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- 165二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 19:29:17
保守
- 166二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:21:18
このレスは削除されています
- 167二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 01:22:46
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- 168二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 07:00:34
待機
- 169二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 14:05:59
保守
- 170二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 21:19:32
待機
- 171二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 22:32:40
待機
- 172スレ主25/10/20(月) 23:17:07
「初めまして、アノス。そして選定の神アルカナ。私がジオルダルの教皇、ゴルロアナです」
祈ったままの姿勢で、教皇は言う。
その声は聖歌祭殿に大きく反響した。
俺はそのまま、ゴルロアナの眼前まで歩を進める。
「アノス・ヴォルディゴードだ」
手を差し出す。
しかし、握手には応じず、教皇は両手を組んだままだ。
「どうかお許しを。私はジオルダルの教皇。この国のために、いかなるときも祈りをやめることは敵いません」
「それは非礼な挨拶をした」
ゴルロアナに視線を合わせるように跪き、同じように両手を組む。
アルカナが俺の背後に立った。
この辺の寛大さ好き - 173スレ主25/10/20(月) 23:18:40
「あなたのことは存じております。あなたが初めてエーベラストアンゼッタにいらしたとき、私も聖座の間におりました」
ジオルダルの聖騎士ガゼルもいたことだしな。
アヒデと関係の深い選定者があの場にいたというのは、さして驚くことでもない。
「全能者の剣リヴァインギルマの審判を乗り越えたあなたが、神と対等以上の力を持つということも存じております」
ゴルロアナの語気が強まる。
「しかしながら、だからといって痕跡神を起こすに足る正当な理由がありましょうか? あなたがリーバルシュネッドなど取るに足らぬとおっしゃるのならば、かの神に頼る必要もまたないでしょう。かの神に頼るというのならば、それなりの礼儀を持って接するべきではないでしょうか?」
「お前の言うことももっともだ。つまり、こういうことだな。眠れるリーバルシュネッドが、納得して起きれば文句はない、と」
一瞬、ゴルロアナからは唖然とした空気が漂う。
「眠っている神をどうやって納得させるおつもりでしょうか?」
「それはこれから考える。少なくとも叩き起こすことはせぬと約束しよう。それならば問題あるまい」
笑みを浮かべ、俺は教皇の端正な顔を見つめる。
ノープランだけどまあ出来るだろうなってなるのがアノス様 - 174スレ主25/10/20(月) 23:20:11
私が傷つきます。ジオルダルのすべての信徒が悲しみに暮れるでしょう」
それを聞き、アルカナは悲しげな表情を浮かべる。
「ふむ。ゴルロアナよ。子供ではないのだ。それぐらいは我慢せよ。実害がないというのに、神のすることにいちいち口を出さずともよかろう」
僅かに、教皇は俺の方を向いた。
「信じているのだろう、神を」
「ええ、ですから、こうして祈り、願っているのでございます。神が地に堕ちることを、嘆かぬ信徒がいるとでもお思いでしょうか」
「くだらぬ。神に泣いてすがるばかりが信仰とは聞いて呆れる。祈ってばかりではなく、たまには祈られる身になってみるのだな」
ゴルロアナの言葉をそう一蹴してやる。
「神を信じぬあなたのお気持ちはよくわかります。しかし、くれぐれもお忘れのなきよう。私たちは、今日に至るまで、あなたのおっしゃるそのくだらぬことに心を捧げ、命を賭してきたのでございます」
なんかアヒデ臭してきたな教皇 - 175スレ主25/10/20(月) 23:23:58
「それよりも良い解決策を思いついた。こういうのはどうだ?」
俺の言葉に、怪訝そうにゴルロアナは耳を傾ける。
「ジオルダルをディルヘイドに併合させてみよ。俺の統治下に入り、魔王に従い続けるのならば、この国の憂い、この地底の一切の問題を解決してやろう」
敬虔な表情でゴルロアナは言った。
「それは愚かな提案というものでございます。私たちは神を信じる者。それ以外の者に従うことが、どうしてできましょうか」
「わかったか? それはこちらとて同じことだ」
ゴルロアナは目を閉じて、祈るように言った。
「国と国、人と人が分かち合えないのは、ときに致し方ないこと。私たちはただ神を信じ、この道を行くのみです」
煙に巻くように言っているが、これは神の教えに合致するなら、ディルヘイドなどいくらでも侵略するという意味だ。
「だから、ぶち壊してやると言っているのだ。つまらぬ審判がなくなれば、地上に危害が及ぶ恐れもあるまい」
無論、完全にその危険がなくなるわけではないだろうが、選定神の力を借りられなければ、大した脅威にもならぬ。
「恐れながら、こちらは異教の国を相手に、これでも譲歩をいたしております」
言葉に怒気を込め、教皇は言う。
「それ以上を求めるというのでしたら、相応の罰を受けていただくことになります」
どうやら、結論は出たようだ。
俺は立ち上がり、ゴルロアナを見下ろした。
「立つがいい。お前の神を滅ぼしてやろう。選定審判がそれほど神聖だというのならば、そこで負ければ、少しは俺の言い分を認める気にもなろう」
少し頭良くなったアヒデって感じだな教皇
毎回思うけどなんで敵対するキャラってアノス様の強さ見てこんな強気なんだろ…… - 176二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 00:11:20
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- 177二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 00:18:33
まあ教皇の態度はアレなんですが、自陣のリーバルシュネッドが相応に強大ですからね……神が全てという教皇の主張も理解できるくらいには。あらゆる未来を内包する未来神ナフタ(ディードリッヒ陣営)、この世の全ての過去を司る痕跡神リーバルシュネッド(ゴルロアナ陣営)。お世辞抜きに、神々が普通に強い(白目)
- 178二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 03:12:37
>>175 教皇もまあ……普通に強いんすよね
- 179二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 08:02:09
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- 180二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 14:02:53
待機
- 181二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:54:43
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- 182二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:03:09
アヒデは詐欺師で神なんて信じてないけどゴルロアナは心から神を信じてるのは大きい違い
あと相手の価値観を無視して何とかするから教えろでアノスが挑発してるのが悪いし
ゴルロアナはアルカナが背理神なの知ってるからアルカナから遠ざけてアノスを救おうとしているのもある - 183二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 01:52:44
待機
- 184二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 07:44:25
待機
- 185二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 09:17:01
待機
- 186二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 14:03:59
待機
- 187二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 20:17:19
保守
- 188二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 23:05:28
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- 189二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 07:56:49
保守
- 190二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 13:48:55
- 191二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 14:12:05
建て乙
- 192二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 14:13:06
建て乙
埋め - 193二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 14:14:08
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- 194二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 14:15:09
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- 195二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 14:16:10
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- 196二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 14:17:17
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- 197二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 14:18:17
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- 198二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 14:19:26
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- 199二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 14:24:03
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- 200二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 14:25:13
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