- 1二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:33:52
ここだけダイイチルビーが、アグネスタキオンのモルモットをしていた世界。
ダイイチルビーは、アグネスタキオンの母親である同世代のアグネスフローラのトレーナーに憧れていたが、圧倒的な力を誇るフローラに太刀打ちできなかった。しかし、それでもトレーナーを諦めることができず、「どうしてもトレーナーが欲しい」と心のどこかで願っていた。
その願いが呪いとなったのか、それともただそういう運命だったのか、アグネスフローラはオークスの最中に軽度の骨折、そこから重度の故障を発生し、ついぞレースの世界に戻ってこなかった。その結果としてアグネスフローラのトレーナーは、ダイイチルビーのトレーナーとなった。
彼女の願いが呪いとなったかは分からない。普通に考えればそんなことはありえない。それでもダイイチルビーは後悔し、己の欲望を恥じた。
その後悔を抱えたまま時は流れ、トレセンを卒業してしばらくした頃、社交の場においてダイイチルビーは、アグネス家当主となったアグネスフローラと再会した。ゆったりと歩くフローラの後ろには、2人の彼女そっくりな幼いウマ娘がいた。ひとりは既に優雅なお嬢様のようで、もうひとりは無口で、しかし光のない瞳でダイイチルビーの全てを見透かしているようだった。ダイイチルビーは怖くなった。目を合わせられなかった。だからずっと、アグネスフローラの瞳ばかりを見ていた。
挨拶もそこそこに、アグネスフローラとそのふたりの娘は彼女の横を通り過ぎていく。しかしそこで、ずっと無口で無表情で、恐ろしいほど深い赤の瞳をしたウマ娘が、ダイイチルビーにしか聞こえないような声で呟いた。
「もし母さんに何か負い目があるのなら、私に協力して欲しい。」と。
かくしてダイイチルビーは、まだ齢10にも満たないアグネスタキオンのモルモットとなったのである。 - 2二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:35:53
なんて文章量
こいつ、できる…