- 1◆bV/yQnEhgU25/09/28(日) 20:56:47
- 2二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 20:59:18
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- 3二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 21:02:41
- 4◆bV/yQnEhgU25/09/28(日) 21:02:52
- 5二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 21:10:17
- 6二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 21:25:35
- 7二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 21:30:43
- 8二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 21:40:11
- 9二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 21:40:17
- 10二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 21:47:38
- 11ハルバード25/09/28(日) 21:51:52
- 12二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 21:55:22
(ゴブリンは戦技の内容や魔法使いちゃん?の描写を待機中です)(あと裏スレへの返事も)
- 13双玉杖の魔術師25/09/28(日) 22:01:33
- 14ハルバード25/09/28(日) 22:05:44
- 15二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 22:24:23
- 16ハルバード25/09/28(日) 22:31:13
- 17双玉杖の魔術師25/09/28(日) 22:36:28
- 18ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/28(日) 22:38:14
- 19双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/28(日) 22:43:32
- 20ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/28(日) 22:49:18
- 21双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/28(日) 23:02:09
- 22ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/28(日) 23:05:18
- 23双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/28(日) 23:14:41
- 24ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/28(日) 23:18:27
- 25双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/28(日) 23:31:49
- 26ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/28(日) 23:38:05
- 27双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/28(日) 23:53:07
- 28ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/29(月) 06:04:59
- 29双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/29(月) 19:04:41
- 30ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/29(月) 19:10:56
- 31双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/29(月) 19:22:23
- 32ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/29(月) 19:27:35
- 33ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/29(月) 19:30:05
- 34双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/29(月) 19:38:45
- 35ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/29(月) 19:45:44
- 36双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/29(月) 19:59:26
- 37ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/29(月) 20:04:32
- 38双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/29(月) 20:15:55
- 39ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/29(月) 20:19:56
- 40双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/29(月) 20:28:35
- 41ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/29(月) 20:32:14
- 42双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/29(月) 20:45:22
- 43ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/29(月) 20:50:30
- 44ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/29(月) 22:10:51
- 45フリゲータ◆mPThu6hceA25/09/30(火) 13:48:34
煤けた雲間に、遠い山々の稜線から夕焼けの色彩が滲んでいた。
崩れ落ちた城郭の狭間には朝方の豪雨が形作った泥溜まりが、鈍いさび色の輝きを乱反射している、崩落した要塞都市。
元々の住民達の代わりに都市に住み着いたのは、屍喰いのハイエナや魔物の類、徐々に夜の気配を放ち始める空に活気立ち。
家屋の廃墟から飛び出して来た獣の一団は今宵の狩りへと。
────────────屋根より飛び降り様、その胴体を斬り結ぶ、一つの人影があった。
双剣に纏わり付いて切れ味を鈍らせる返り血を掃い、そこかしこに転がる屍が吐き出す毒の臭気を吸い込まぬ様、套衣を首上まで引き上げて鼻と口元を覆う。
都市外門へと延びる大通りは坂道の上から街並みを見下ろし、フリゲータは小さく溜息を吐いた。
(この都市はもう駄目だな、“膿み人”がこんなに、……随分と、永い間捨て置かれていた様だ)
膿み人、滅びた街、都市に湧く魔物の一種。
見れば通りの両端から、うぞうぞと気味悪く蠢く苔や枯れた草、腐った泥の様な粘液を纏い身体を引き摺って歩く人型の姿が、夜を求めて路地の影から抜け出してくるところだった。
それが幾つも、幾つも、ある。 - 46双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/30(火) 18:31:42
- 47ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/30(火) 19:39:32
- 48双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/30(火) 19:57:06
- 49ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/30(火) 20:01:47
- 50双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/30(火) 20:04:22
- 51ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/30(火) 20:07:11
- 52双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/30(火) 20:21:23
- 53ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/30(火) 20:25:57
- 54二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 20:26:40
このレスは削除されています
- 55ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/30(火) 20:28:43
- 56双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/30(火) 20:32:00
- 57ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/30(火) 20:35:25
- 58女将の老婆◆bV/yQnEhgU25/09/30(火) 20:39:19
- 59ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/30(火) 20:41:40
- 60双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/30(火) 20:44:42
- 61ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/30(火) 20:46:47
- 62女将の老婆◆bV/yQnEhgU25/09/30(火) 20:51:59
- 63双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/30(火) 20:59:01
- 64ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/30(火) 21:00:15
- 65女将の老婆◆bV/yQnEhgU25/09/30(火) 21:06:55
- 66双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/30(火) 21:10:33
- 67ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/30(火) 21:14:48
- 68双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/09/30(火) 21:26:35
- 69ハルバード◆.a0KX1VzTY25/09/30(火) 21:31:42
- 70フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/01(水) 10:11:35
大小の灰石を丁寧に削り埋め合わせた石畳は、かつての都市の繁栄を思わせながらも、血腫の跳ねて滲んだどす黒いカーペットを敷いている。
膿み人の幾人か、いや、幾匹かが不意に坂上に陣取るフリゲータの様子に気付いたのを見止めれば、黒刃の双剣はちゃか、と翻り彼方の夕陽を反射して瞬いた。
漆黒の套衣にも、白磁の肌にも、貴人らしい純白のドレスシャツにも、既に赤黒く血化粧を纏い。
「────────────嘆かわしい、それでもこの都市を任された衛兵の姿ですか」
膿み人が苔や枯葉やどろどろの粘液の向こうに、僅かに輝かせる錆びれた戦鎧の有様に、毅然とした態度で刃先を手向ける。
声色に滲んだ苛立ちと哀れみ、けれど、既に人としての意識を喪失した膿み人が放つのは、地獄の底から絞り出すような呻き声のみで、そこに意思というものは介在しなかった。
言葉は響かず、坂上に立つ“新鮮な肉”にこそ蠢き、鈍間に這いずり迫り来る。
……眉を顰めて、剣を構え。
「……その手でどれだけの無辜の民を殺めてしまったのか」
其の衛兵の掌が、一歩一歩と石畳を這うことに、フリゲータは殊更不愉快そうな声色を溢した。
(※一応、絡み待ちという形でございますので、何方かお手隙でございましたら宜しくお願いいたします~)
- 71貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/01(水) 10:17:54
- 72フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/01(水) 10:44:19
- 73双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/01(水) 19:37:26
- 74ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/01(水) 19:39:49
- 75双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/01(水) 19:44:36
- 76貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/01(水) 19:50:43
(※おのれホスト規制!!!)
(※ありがとうございます!!!)
【蠢き呻き近づくは衛兵の『膿み人』。かつては都市を護っていたその腕は、今は空を切りただ目の前の肉を求めるのみとなっていた】
【しかし】
【その足元が突然凍りつく。
心臓があるはずのところからは凍れる魔力を纏った直剣の刃が突き出し────】
彼…彼女かもしれないが…に、闇明(あんめい)の導きがあらんことを……
【────低く艶やか、かつ凛とした声とともに、内側に刃からの凍気が浸透しきったことで動きを止め、絶命した】
只人、エルフ、ドワアフ、獣人、雷鋼の民……
盛期は多様な種族で賑わった都市も、よもや此処まで寂れるとはな
【腰だめの構えをしていたらしい、憂いを多分に含んだ溜息が一つ聞こえて、黙祷を終えた者は立ち上がり仕込み杖の剣刃にべっとりとついた血と泥を振り落とす。】
近隣の都市への警告の段階も、一つ上げなければならないだろうか
【────第一印象は、異形の美しさを持つ、海底から這い上がってきた魔性の女怪だろう。
額から後頭部までを覆うアンモナイトのように渦巻く三股に別れた殻、薄緑色の素肌が目を引き、静かなる気品と獰猛な妖艶さが感じられる貝人の女だった。
薄い羽衣めいた白く透ける布は起伏に富んだ素肌を強調し、下腹部はゴツゴツとした腹板で覆われ、腰元から伸びる海藻のような長く波打つヒレが風になびく】
貴公、大丈夫か?
【長く鋭い鬼のような2本角が生えた額と、目元からヒトならば鼻があるはずの平坦なところまでを覆う分厚い被膜を向け、身長がほとんどのヒトの2倍ぐらいもある貝人の姫は問いかける】
【被膜の下からは視線のようなものが、肉感的かつほどよく薄く形のいい唇からは、素の活気も感じさせ艶やかかつ滑らかで落ち着いた、姿の印象よりは若い女の声が向けられている】
スタミナ瓶だ
【鋭い爪を体内に格納し、ほっそりとした指が腰元の触手に埋もれたポーチを探り黄色の光を放つ瓶を取り出す】
いるかね?
- 77ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/01(水) 19:52:07
- 78双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/01(水) 20:04:42
- 79ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/01(水) 20:09:08
- 80双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/01(水) 20:17:52
- 81ハルバード25/10/01(水) 20:27:16
- 82双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/01(水) 20:39:53
- 83ハルバード25/10/01(水) 20:48:07
- 84ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/01(水) 20:53:07
- 85双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/01(水) 21:03:09
- 86ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/01(水) 21:14:39
- 87双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/01(水) 21:22:45
- 88フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/01(水) 21:27:40
膿み人の胸芯を貫く水銀色の瞬き、立ち昇る、木枯らしよりも冷たさの勝る白風。
見慣れぬ技、見慣れぬ佇まい、纏うは水面の香、────────────海棲種族か、と読み解き、フリゲータは手にした黒刃が切っ先を静かに下げた。
敵対者では無いのなら、今しがたは助けられたのだ、礼節は尽くさねばならない。
「必要ありません、手傷の一つも、負ってはおりませんから」
差し出された黄金色の瓶を片手で押し戻す、この程度で疲労する程、柔な娘ではないと。
事実として、海棲種族とはまた質感の異なる白磁色の肌に目新しい傷は一つとして無く、ただ片瞳側の眼窩を覆う黒い帯と、とうに古傷となった幾許かの戦傷のみが刻まれていた。
「我が名はブレガーティーが氏族、ワトキンス家が嫡女フリゲータ・セラエル・ワトキンス。
僭越ながら貴殿の名は何方か、さぞ名のある騎士か、冒険者であるとお見受けいたしましたが」
凛として、毅然、淀みの無い名乗り上げと返す問い、それは如何にも戦乙女の振舞いであって。
同時にそれは高貴の名、今の世にあって貴族階級の人間がこうして魔物狩りに壁の外へと出て来ることは物珍しいことでもある。
- 89ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/01(水) 21:28:00
- 90双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/01(水) 21:34:09
- 91ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/01(水) 21:42:06
【その様子にホッとハルバード使いは胸を撫で下ろして】
【魔術師のいうようにお爺さんを見る】
【その目は敵意を孕んでいた】
「あああ…ありがとうございます…、ありがとうございます…」
【その敵意に対してお爺さんは震えながらに頭を下げる】
「あの野盗達に、ま、孫が人質に…!」
「他の人を連れてくれば助けてやると言われ、魔が刺してしまったのです……!!!」
「こ、こんな老ぼれの命一つで済むなら安いものです」
「アイツらが倒れ、孫は逃げられるのですから」
【震えながらそこまで言い切りありがとうございますと、老人は繰り返す】
それでどうする?処遇は君に任せるよ
俺も巻き込んでしまった側だしね
【ハルバード使いは魔術師に処遇を託した】
- 92二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 21:50:43
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- 93貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/01(水) 22:07:14
そうか……良かったよ、スタミナが切れる頃に敵はやってくるからね
【押し戻された手とその力強さを見て、瓶の出番はないと思ったのか……腰元の海藻にしか見えない触手をかき分けてポーチを探り当て、中にしまい戻すと…ふ、とその唇を緩める。そして先ほどよりかは幾ばくか、軽い口調で語りかけた】
ふむ…………
【その立ち振舞い、自らとは異なるが先ほどまでの負傷は見当たらない白磁色の肌には幾ばくかのみの戦傷。片目を覆う帯を眼窩の輪郭も分からない分厚い被膜の中からの視線が上から下まで一瞥し──】
貴公……まさか、貴族なのか……?
【──戦貴族だと分かると、驚いたように唇を後頭部までに付いたアンモナイトじみた双巻殻を揺らす】
どうやら、"この世界の"貴族の精神は、まだ海溝の澱には成り果ててはないようだ……
【その淀みなく、人前ですることに慣れていることがわかる自己紹介を聞いて確信したのか、感慨深くそう呟くと】
私はミィル、ミィル・診ル…だ
ここより異なる世界の海棲人類、その王国の────姫、だった者さ
【王冠のようにも見える双巻殻を撫で、薄いショールの内側から主張する、薄緑色の豊満な胸を張り……貝人の女は朗々と答えた。
仕込み杖の先端のアンモナイト型の青い宝石が、夕日を反射して煌めく】
- 94フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/02(木) 09:36:17
人とは異なる生態の神秘、興味深いものを知る様に、海棲種族の一挙手一投足を見つめていた。
告げられる正体は幾許かの動揺をフリゲータの瞳に抱かせたが、数瞬、揺れた黄金の瞬きも、数度いつも通りの呼吸を繰り返す毎に落ち着きを取り戻し。
「……聞いたことがあります、時折、この世界では無い別の世界と次元が交雑する現象があるとか」
自身が僅かにでも知る情報と照らし合わせ、有り得る、と判断。
虚言でも何でも無い、何よりも嘘の気配がしない、だからこそ、続く行動は迷いなく。
とん、と、ミィルの眼前に片膝を突いて、胸元に手を宛がい頭を垂れる騎士の儀礼を手向ける。
「異界、異種族とは言え、……姫君にあらせられましたか、拝謁叶い、身に余る光栄と存じます。
戦場(いくさば)につき略式の礼儀にて失礼、ミィル殿下、願わくば、この後もその御力を以て助太刀を賜りたく」
恭しく、深く、頭を垂れたままで、────────────次の瞬間、しゅらり、と一度はベルトに提げた双剣を再び抜き放ち。
儀礼の為に畳んだ膝を発条にして跳び、ミィルの横合いを擦り抜ける、
刹那、閃いた二つの剣跡は。
・・・・・・
「────────────未だ、この場の全てを狩り終えておりません、露払いは私が」
いつの間にかミィルの背後に地べたを這いずり迫っていた、黒い粘液を微塵に斬り結ぶ。
それは遥かな坂下に居た、先程とはまた別の膿み人が延ばした粘液の触手だ。
魔物の手に墜ちた城塞都市は、緩やかに山間に隠れる夕陽と入れ替わりに顔を出した月光と、今だ殺意を以て二人を迎えている。
- 95貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/02(木) 10:19:54
(※このあとはどうします?この場の魔物全員との戦いをどう描くかですが…何ラリーかした後、あるいは1ラリー位を挟んで、あとはダイジェストで流して片付け終わったときの会話の場面にするという方法もありますが……)
ああ、ある者は世界嵐…ある者はしょうg────む
【呼応するように頷き、自身が巻き込まれたであろう現象を説明しようとしている途中で相手が跪いたのを見て】
しまった…この自己紹介だと、そうなってしまうか……
【顔と腕を小刻みに動かし、ヒトならば目を泳がすほどにおろおろしていた。
どうやら、貴族のオーラと名乗りに応えねばと思い、長年の冒険者生活で馴染む前にしていた版の自己紹介をしたという訳らしい】
コホン…顔を上げよ。畏まらなくても良いのさフリゲータ殿…
【自身もしゃがみ、柔らかい口調を織り交ぜ体を起こしてもらうために肩を軽く叩こうとする】
姫"だった"者と言っているだろう?
かの世界で国があったのも、この世界に来たのももうずっと昔のこと。
今の私は一介の冒険者に過ぎない、よって……
【しゃがんだまま、腰元の海藻めいた触手をぎゅっと収縮させ】
無論、貴公の助太刀をしようぞ。私も依頼でここに来た、目指す目標は同じだ。
【フリゲータが横を飛び抜け触手を微塵切りにすると同時、彼女がいる地点へと着弾しそうになった粘液の塊を────凍れる冷気をまとい伸びた鋭い触手の先で斬った】
一人より二人、大都市の成れ果てたちを相手にするには…数はいくらでも欲しいところだろう?
【ヒトならばウインクをしただろうか。僅かな茶目っ気とともに顔を向け、背中合わせへと並び立とうとする】
【彼女は、あくまで冒険者という立場として……魔物たちを屠るのだ】
- 96フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/02(木) 11:42:19
戦場のノブレス・オブリージュとは、礼節が形作る、己に恥じぬ振舞いこそが家名を貶めぬ振舞いである。
フリゲータは超然とした活気に満ちた戦貴族であった、異種族の、それも滅んだ皇族であったとしても、それは礼を尽くさぬ理由にはなり得ない。
一介の冒険者として扱うことなど、他でもない彼女自身が望んだとしても、しない。
ともすればそれは頑なな態度にすら映るかもしれない、けれども。
・・・・・ ・・・・・・・・・・・・
「然らば、御身と共に、災禍を討って立ちましょう」
それは勇ましく、迷いの無い意思の宣告、騒めき立つ魔物の群生に双剣は此度月光を翻し。
怯む素振りの欠片も見せずに立ち向かう、手首を自ら食んで噛み、皮膚を破って溢れ出す深紅の血液はフリゲータの身体周囲を円舞する赤色の刃として形を成す。
「参ります」
そうして、転げ落ちる様に通りを駆け出すのだ。
(※ではお互いに1レス程ダイジェストで魔物討伐シーンを流して、その後は事後シーンに参りましょうか~!)
- 97二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 11:59:13
このレスは削除されています
- 98貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/02(木) 12:00:20
(※痛恨のコテミス…!!!)
(※了解しました!!!私はこのレスの後のレスをもって、1レスということで……!!!)
ふむ……貴公は芯まで貴族なのだな…『良き』、貴族だ……
【引きこもっているものはともかく、民から取り立てる者や横暴に振る舞う者までも多くいる中で、その姿勢は眩しく思えた。】
分かった…貴公がそうするのならば、私も……妾も、そう振る舞おう
【凛と姿勢を伸ばし、仕込み杖を腰元の海藻型触手で握りしめて掲げ】
《月灯の礫》
【手始めに、自分の目の前────一度に集中が効くだけの数体の魔物や膿み人どもへと、正確に数個の月色の輝く球が真っ直ぐに放たれ、爆散し砕く】
討って討って、討ち果たしてみせようぞ!!!
【人外の脚力によって、魔物の血に染まった石畳を浅く砕きつつ────都市を染め上げんとする災厄へと、貝人の女王は獰猛に八重歯を剥き、両腕の爪を広げ、吶喊していくのだ】
- 99フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/02(木) 17:46:50
ただ二人きり、されどその戦刃が巻き起こすのは、嵐と見紛う烈風であった。
坂道を駆け降りながら、柔軟な手首の運動でのみ輪転する片剣が路傍より飛び出して来た四足歩行獣型の魔物の頸を刈り落とし。
俄かに夜の空気を帯び始め、細い裏道の暗がりに紛れて潜む膿み人が、粘液を触手として伸ばしてくるのを返す刃で断つ。
と、とん、とステップを踏む石畳、反対側の道から骸骨の姿をした不死人が放つ弓矢を、フリゲータは背中側に回った血の防御網が弾き、入れ替わり、赤色の刃はその一部を鋭利な棘へと変えて射出する。
「────────────甘い、軽い、遅い、鈍い!」
・・・・・・・ ・・・
その生前よりも、きっと、遥かに。
苛立った声色が紡ぐのは、生者の誇りさえ時に踏み躙る魔の生態への怒り、そうして或いは、みすみす魔物と取り込まれてしまった嘗ての都市の守護者達へ「情けなし」と糾弾する、憤り。
「されど、然らば!私がせめて討ち果たしましょう、この刃で以て!」
それこそが、今、この場に於ける己の使命であると。
踏み躙られた魂を、解放せんと。
- 100貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/02(木) 20:45:08
【一方────牙と爪、そして魔術が巻き起こすのは───雹混じりの吹雪と見紛うほどの激しい連撃だ。】
ぉぉおおおおお□□□□□□□□□□□ッッッ!!!
【坂道を駆け登り、この世のものとは思えぬ絶叫で魔物どもを怯ませ、通りすがりに喉笛や心臓部を鋭い手の爪、そして最大限まで伸ばした触手でひゅう、と斬り裂き、貫いて屠っていく】
《薄氷の四方》…!
【倒壊した家屋の中より飛び襲い来る烏型と、音もなく屋上より奇襲する梟型の魔物数体へと氷の足場を瞬時に作り出し、宙に"跳ぶ"】
咯ァァァッッッ!!!
【空中で胸を反らして反動で滞空時間を稼ぎつつ、落下の重力も含めて正確に位置を調整し、1番上の魔物から順に────その鱗に覆われ、今は惜しげもなくさらけ出された下半身、その片脚を高く振り上げ、踵落とし、もう一方の脚での膝蹴り、一回跳ねて腕を交差しての体重をかけたボディプレスによる押し潰し、爪による喉笛への掻き斬り……と、流れるような立体的討伐を成し遂げる】
【そして】
触手の扱い方なら、妾の方が上、じゃなぁっっっ!!!
【夕暮れも過ぎて暗くなっていく道の中空に跳ね上がりつつ、建物と建物の隙間に潜む膿み人が粘液弾を飛ばし、自らも粘液の触手を伸ばしてくるのを、自前の鋭い触手で弾き、逸らし、仕込み杖より氷の魔刃を飛ばして断つ。】
見えてるぞよ────《渦巻く氷柱》ッッッ!!!
【分散させた腰元の触手をクッションに降り立った石畳、割られた窓から顔を出した骸骨の姿をした不死人数体の放つ矢、そして腐食した屍体によって得られるリンから着火したのか鋭く投げてきた燃え盛る松明を、後ろ向きに振った仕込み杖から放たれた氷の竜巻が一歩早く打ち消し】
終わりじゃ────《月灯の芒-ススキ-》
【無い視線がそちらを見────正確に飛ばされた、月の光を放ち透き通る、細長い"槍"がその心臓部を砕き貫いた】
闇明(あんめい)の導きがあらんことを…!
【黙祷し、魔力瓶を飲み干す。乱れるショールもそのままに再び中空へと跳び上がり、今度は触手と仕込み杖からの吹雪で怯ませ鈍らせつつ接近し屠っていく】
【その荒々しくも優雅、そして哀悼を感じさせる乱舞は────成れ果てとなった者たち、その魂が抱えるであろう世の理不尽への怒りと嘆きをも、体現するようだった】 - 101双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/02(木) 21:27:07
- 102ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/02(木) 21:35:54
- 103双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/02(木) 21:47:07
- 104ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/02(木) 21:56:07
- 105フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/02(木) 22:01:58
血風散る散る、魔物狩りの夜は更けて往く。
屍の匂いに寄せられて城郭を越えんとする者達すらも、返す刃は赤く染め上げて。
そうして、やがて────────────
────────────────────────────────────
────────────────────────
────────────
────────────始まりは山間に顔を出したばかりであった月光が、いつの間にか空の頂点にある。
雲間より除く青白い顔は惨禍に濡れた二人の戦姫を照らし出していた、一体、幾十幾百の魔物を斬って捨てたことか。
城塞の外周、崩れ落ちた石壁の上に辿り着き、フリゲータはようやくその身を安らげた。
背負うのは、ただ、ただ、静けさに満ちた都市の跡。
「……」
道中、衛兵の屍が握り締めていた二振りの槍を拾い上げていた、地面へと突き立て墓標の代わりに。
瞼を閉じ、静謐と共に黙祷を捧ぐ。
- 106双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/02(木) 22:02:43
- 107ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/02(木) 22:06:33
- 108双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/02(木) 22:12:28
- 109ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/02(木) 22:20:12
- 110二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 22:21:22
このレスは削除されています
- 111貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/02(木) 22:24:18
【魔物狩りの夜は粛々と更けていく……闇空から襲い来る影すらも、戦刃と氷風は凌ぎ狩る】
【そして、夜も只中…月が煌々と輝き真上を染め上げた頃に】
ふー…………っ……
【石壁の上へと跳んだ後に、色々と大きな身体でもたれかかり休む貝人の姫。深く落ち着いて息を吐くと、予備の保温機能付きショールを巻いた豊かな胸が上下した。その美貌は返り血に塗れ、間近で浴びた氷によって凝固している】
闇明(あんめい)の────
【これまでしてきたように、建てられし墓標へと黙し、祈る。】
…………お疲れさまだよ、フリゲータ殿。
【しばらくして……返り血を拭い去り、共に一夜を戦い今まさに越えんとする戦友へと顔を向け、労いの言葉をかけた】
- 112双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/02(木) 22:30:26
…ここまで来て引き下がったりしないわよ
なんだか夜なのに少し明るい気もするけど…
さぁて、どんなサプライズを用意してるのかしら?
【好奇心が足を前に進ませる】
【その遮る枝葉を掻き分けて進むだろう】
- 113ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/02(木) 22:45:17
- 114双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/02(木) 23:10:50
- 115ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/02(木) 23:15:43
- 116双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/02(木) 23:24:45
- 117ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/02(木) 23:31:11
- 118双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/02(木) 23:39:46
- 119ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/02(木) 23:43:11
- 120フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/03(金) 10:40:34
「……疲れてなどおりません、殿下、ですが労いはありがたく」
戦働きを終えてなお、城外より再びこの都市へ這い寄ろうとする魔物がおるまいかと眼光を鋭くするフリゲータは、変わらず、勇ましい騎士の様でミィルを迎えた。
されど、言葉や振舞いにこそ疲労を滲ませずとも、その両腕は鈍色の血を巻きつけた双剣の重みに僅かに敗けて沈み。
ひとたび、魔法を解いた手首の傷口からは、ひた、ひたと液状化した彼女自身の血液が滴り落ちている。
都市一つを埋め尽くした魔物を斬って捨てて、疲れぬ者などある訳は無い。
・・・・・・
……そういう性格なのだろう、疲れていないなどと、強がりを言うのは。
「────────────殿下」
そしてまたも、跪いて頭を垂れる、良いと言っても融通の利かない娘であって。
「朝日が昇る頃に迎えの馬車を寄越すよう、当家の者に伝え手配してあります。
元々、私が万が一にも命を落とした場合は、その亡骸を辱められぬ様にと。
ですから、それまで暫しご休憩を取られては如何でしょう、その間、御身は私がお守りいたします」
- 121貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/03(金) 21:00:36
(※このあとは朝まで飛ばしますかね?)
・
そうかね?私には─────いや、なんでもない。礼には及ばぬとも…。
【その言葉から見えた強情とも、気丈ともいえる性格に心中で苦笑したものの、ただ疲れに凝り固まった肉が鳴る首を動かして頷くのみ】
怪我はしているだろう…
【しかし流れる鮮血に無い鼻を蠢かせ、しばらくすると独り言のように呟きつつそっとポーチから取り出したのは、安らぎを感じる火のような輝きが入った瓶……回復瓶のうち、その一種である。】
【直接渡すと受け取らないことが予想されたので、そっと近くに転がしておく】
【本来は怪我をしすぎて逆に興奮状態になっている冒険者へと使う手段なのだが、ここで役に立つとは…と妙な感慨に浸り】
─────むう。
【再びの跪礼に唸るも、先ほどの言動から分かっていたので言及はせず】
─────分かった、ならば御言葉に甘えて、しばし寝るとしよう。
【種族柄あまり睡眠は要らないのだが……と思いつつも、好意に甘えてその高い背をごろりと仰向けに─────】
その前に────《雪の天蓋》
【する前に。
仕込み杖の石突きをしゃんと床に突くと、氷属性の防御結界が張られた。一応の防護、かつ疲れているであろう"同胞"への気遣いである】
では……良き夜を。
【おやすみにあたる言葉を呟き、再び仰向けになって寝に入った】【無防備ではないか…というかその前に後頭部の双巻殻はどうしたのかと思うかもしれないが────】
すー……ふー……
【柔軟性があるようで、ぐにゃりと曲がっている】
- 122フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/03(金) 22:16:39
(※そうですね!朝まで飛ばしちゃっておきます!)
「この程度、手傷の内にも────────────、」
────────────入りません、と、言う前に。
跪いた足元にわざとらしく転げ置かれた薬瓶は、寒々しい夜の暗闇に仄かに暖かな光を灯していた。
何よりもその心遣いこそが胸を暖めてくれるもので、ほんの一瞬、躊躇いの後に拾い上げた瓶の蓋をゆっくりと開封する。
張り巡らされる結界は冷ややかな青、けれど、その内に居る己の身は不思議と寒気を感じず。
「……有難く」
眠るには硬い石床にて仮眠を取るミィルを背に、フリゲータは、与えられた薬瓶を呷りながら遠い山間へとまた視線を投げた。
ちりちりと煌めく星々は、暗澹の時代にも変わらぬ輝きを地上の存在へと注いでいる。
これが世界が始まって幾度目の夜なのか、たかだか20と数年しか生きていない己に分かる筈も無いが。
────────────────────────────────────
────────────────────────
────────────
ようやく顔を見せた朝焼けは、灰色の城塞都市を橙に染め変える。
ミィルが目覚めたのは、陽射しが頬をなぞる暖かさを受けてか、或いは、元々浅い眠りから自然に醒めることになるのか。
どちらであっても、目の前には、彼女が眠りについた時と全く変わらぬ位置、変わらぬ佇まいにて。
真っ直ぐに遠方を見張るフリゲータの姿がある、結局、本当に一睡もしなかったらしい。
- 123貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/03(金) 22:24:20
- 124フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/04(土) 10:01:42
「お早いお目覚めで、殿下、……丁度です」
この様な夜明けに慣れているのだろう、また一つの闇夜を越えて、ようやくフリゲータはその両手に携えていた剣を腰に収める。
それによる衣擦れと、僅かに遅れて聞こえて来たのは、城塞都市から伸びる街道をカラカラと車輪の回る馬車の音。
丁度、迎えがやって来たらしい。
石畳の上に停止する馬車は三台あった、その内一台からは身なりの整った壮年の執事と、数人の武装を施した兵士が姿を見せて。
続く二台から城塞都市へと続々散って往く兵士達を尻目に、フリゲータらの元へと駆けて来る。
『フリゲータ様、ご無事で何よりでございます、……そちらの方は?』
「昨夜知り合ったミィル殿下だ、彼方より訪れた亡国の姫君にあらせられる、丁重に扱え」
『はっ、仰せの通りに、後の始末は我々がいたします』
それは、ワトキンス家の寄越した事後処理の為の兵団であった、都市に積み上げられた屍の山は放っておけば次の魔物を呼び込む餌になる、そうならぬ様、そして不死人と言った新たな魔物を生み出さぬ様にと、彼らは遺体の埋葬や儀礼による浄化を行う為に連れられて来たのである。
「……殿下、この後は何処に向かわれますか」
- 125弓使い◆nlpuK6uPgM25/10/04(土) 10:40:15
【…忌み字の大図書館、その夥しい書庫の一角が陽炎の様に揺らぎ、その中心に人影が浮かび上がる】
……ふぅ。
【ややあって人影は明確な形と色を備え、軽装鎧と外套に身を包み短弓と雑嚢を背負い腰に短剣を携えた一人の少女の姿となる】
…良し、と。後は報告を済ませれば一仕事終わりね。
【周囲を見渡し一つ頷くと少女は書庫を出て行く】
「エドリアの本の再編集、確かに確認したよ。…こいつが報酬だ」
どうも。
【書庫の管理を司る一人である老婆から革袋に詰まった硬貨を受け取る】
…さて、当面の仕事は片付いたし…まずは腹拵えとしますか。
【その少し後、酒場の一席に料理の皿とエールのジョッキを前に喧騒を眺める少女…エリンシィルの姿があった】 - 126貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/04(土) 10:50:31
(※この後は、道中→都市に着く→別れorそのまま大図書館についていって、他のキャラたちと顔見せ…という流れでよろしいでしょうか…?)
なるほど、ちょうど来たところであったか…
おお…皆の者、お疲れ様ぞ……!!!
【兵士たち、そしておそらく執事であろう者に労いの言葉をかける。冒険者として、事後処理をしてくれるのはとてもありがたいのだ。】
…………うむ…。
【丁重に扱え、との指示に心のなかでは複雑な顔をする。国が亡びこの世界にやってきたのははるか昔、それ以来暮らしてきた身分は冒険者のため……端的に言えば、気まずいのだ。】
ふむ……このあと、此の後か……
【実を言うと、忌み字の大図書館-ギルド本部-に繋がる本を持っていることをついさっき思い出した…という面もあるのだが。】
そうだ……ここらで一番近くの都市にまで…連れて行ってくれないかね。
【しかし、今回は予想だにしなかった同業者-魔物狩り-との出会いがある。身分は違えど志は同じ、せっかく繋がれた縁をすぐに手放すのも惜しいと思い……近くの都市にまで、共に旅をすることにした。】
- 127フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/04(土) 13:57:59
(※それで参りましょう~、移動の道中に関しては特にそちらで振りたい話題が無ければ、カットして都市到着からの描写でも良いと思いましたが、どういたしますか?)
────────────ぼう、と、都市の各地で煙が伸びる。
それは捨て置かれた遺骸に放たれた埋葬の火より立ち昇るもの、僅かな闇に潜んだ魔物の残滓までも燃やし尽くして、やがて天へと至る。
遠いいつか、再興の時が訪れるまでは、この都市はそれはそれは大きな墓標としての役割を与えられるのだ。
「承りました、それでは参りましょう」
馬車を引く体力に優れた二頭の鹿毛馬を撫で、桶に汲まれた水を補給として与えてから、フリゲータは客車の扉を開けてミィルを誘う。
気品と機能性は両立されている、清潔な車内には僅かな暇にも休みが取れるよう安息の魔法灯の装飾が施されて。
- 128貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/04(土) 14:31:23
(※では、道中はカットして、都市到着からでお願いします…!!!)
おや、ありがとう…行こうか……!!
【ぎこちない動作で高い背を屈め、そっと馬車へと入る貝人の姫】
おお、これは安息の…!!高級品じゃあないか……!!
【豪華な内装を目にして歓声を上げ、そして】
すまないね…これだけ冒険者稼業をしていると、かつてはよく乗っていたものさえも珍しくなってくるものさ……
かの都市に、再興の時が来ることを祈ろう…
【気恥ずかしさに頬を掻き煙を見てしばし目を閉じ祈り】
さて、道中の暇つぶしだが…札遊戯や遊戯盤ならば、何種類か持っているが……するかね?
【向き直ると、ポーチから大きな盤やカードが入った小袋などを取り出してにっこりと笑みを浮かべる】
- 129フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/04(土) 16:02:32
(※了解いたしました~!)
魔法灯のカンテラが、からん、からんと揺れている。
それは薄いカーテン越しに射し込んで来る朝焼けと共に、アンバランスな二つの影を客車の壁に映し出した。
立場も種族も違えども、同じ夜を越えた戦友達の姿を。
「……随分と、色々なものが入っているのですね」
回復の小瓶に、遊び道具、まるでミィルの持つ鞄そのものが魔法道具であるかの様に飛び出してくる数々に、フリゲータはようやく緊張の解けた笑みを溢した。
車輪は力強く荒野を駆ける、窓枠を額にして流れ去る荒涼とした世界を、ほんのひと時、娯楽と安息に彩りながら。
────────────────────────────────────
────────────────────────
────────────
『フリゲータ様、もう間もなく到着いたします』
数刻程経ち、客車から御者席に通じる扉越しに、執事の声は目的地が近づいて来たことを伝えて来た。
外を見遣れば、今朝まで二人が滞在していた城塞都市の有り様とは比べ物にならない、巨城の石壁と外界と隔てる大堀が形作る大都市の遠景が、地平線を覆い隠していた。
卓上に広げた遊戯道具を鞄に仕舞い、客車内の整頓をする頃には、堀にかかった大跳ね橋へと馬車は差し掛かり。
「殿下、私はひとまず、先の城塞都市にてあったことをギルドに報告しようかと思っております。
如何なさいますか、場合によっては、お供をいたしますが」
- 130貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/04(土) 16:14:53
(※しまった……亜空間ポーチ的なものを、スレ主さまに見せるものに書いてなかった…!というかその場のノリで生えたポーチだから……うむ
現時点では普通のポーチということで……)
ふふ、長旅のときもあるからね…暇潰しには力を入れているのさ。
【ヒトならばウインクをしただろう、そんな動作で茶目っ気を出して明るく笑う。そして、慣れた動作でカードをシャッフルし……】
─────────────────────
了解した、私も一緒に行くとも…報告書は既に書いてあるからね。
【片付けたあとに報告書を取り出し見せ、またポーチにしまう貝女】
そのあとに……貴公さえよければ、酒場に行こう。あそこの料理は、とても旨いからね…異世界由来のものまであるほどだ。
【ちなみに、貝女もレシピを教えている者の一人である】
- 131フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/04(土) 17:28:14
「は……畏まりました、その様に」
些か畏まり過ぎた貴族、淑女の振舞いも、ミィルには最早慣れたものになっただろう、言ったところでどうせ聞く耳を持たないのだ。
都市の門に置かれた検問を抜け、馬車はよく整備された石畳の路道へと入って往く、途中、同様に門の外へと出かけて往く別の馬車や荷車を引く行商と擦れ違いながら、やがてその車輪は噴水を中心に広がる広場へと辿り着いて停まった。
・・
「ギルドへは通路を用います、お早く移動を」
執事が客車の扉を開くのを待ち、先んじて市内へと降り立ったフリゲータは、車体が広場からの視線を覆い隠す丁度その後ろに伸びた路地の陰へと、身体を滑り込ませて。
建物の壁にひっそりと立てかけられた戸板をずらし、その向こうに設けられた、人一人分が通れる程度の小さな“扉”を曝け出した。
指を掛けるドアノブの裏手には、古い、古い魔法陣が刻まれていて。
「────────────“水銀の鍵、梟、懐中時計、賢者の套衣、黒猫、砂の楼閣、黄金の蜂蜜酒”」
・・・・・・・・・・・
唱えるのは、鍵穴の存在しないその扉を開く、唯一の言葉。
それは彼女らが「ギルド」と呼ぶ、或いはその拠り所である「大図書館」への道を繋ぐ、彼女らだけが受け継いだ魔法の言葉。
「“開け”────────────」
同時に、ドアノブはからからと独りでに空回り始め。
ゆっくりと、内側へと開く。
- 132貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/04(土) 17:48:23
- 133フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/04(土) 20:51:55
「殿下はこちらへ、……ジェイド、扉の隠匿処置は任せる」
ちらちら浮遊する燐光が扉の向こうを照らし出している。
ジェイドと呼ばれた執事を地上に残し、フリゲータに続いて扉を潜れば、そこは上階へと緩やかに円を描いて昇る螺旋階段の続く仄暗い通路の様相だった。
等間隔でカンテラが灯された階段を昇って往くと、やがて突き当りに至り。
道を妨げる壁の縁を、フリゲータはぐいと強く押し込んだ。
────────────ゴ、ォ、ゴッ、ゴリッ、
「……嗚呼、眩しい」
錆びた車が軋む様な音と共に、壁は真横へとスライドして開く、それはどうやら、表から見れば本棚の様であった。
棚、棚、並ぶ棚、天井近くまでも埋め尽くす夥しい程の本、本、本、背表紙に描かれた見慣れぬ文字、文字、文字……。
『忌み字の大図書館』、冒険者達の間でそう呼称される空間は、変わらず表と隔絶された時が流れ続けている様子で。
『……お帰りなさいませ、フリゲータお嬢様、ご無事で何よりでございました、はい』
「“花橋のイコア”、受付に立てるほどに体調が回復したのですか」
『はい、はい、フリゲータお嬢様のお恵み下さった魔法薬が効きました、素晴らしく快調です』
設けられたカウンター裏に座る桜色の髪をした少女は、左腕いっぱいに植物の蔦を巻きつけた人間の冒険者であった。
親しそうにフリゲータと挨拶を交わしてから、その背後に連れそうミィルの方をじっと見遣って、にこり、と朗らかに微笑む。
『お帰りなさいませ、はい、お帰りなさいませ、……お磯の香りがいたしますね、お花が枯れてしまいますね?』
「失礼ですよ花橋のイコア、その方は……」
冒険者などと言うのは大概変わり者だ、そんな変わり者の集う大図書館に受付として通うのも、大概、変わり者なのだろう。
- 134貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/04(土) 21:03:35
螺旋階段……私の殻と同じで親近感があるね…
【と、呟きつつ登っていく貝女】
おや、貴公は…………?
【長い冒険者生活、どこかで見覚えがあったか?と首を傾げる】
【額から後頭部までを覆うアンモナイトのように渦巻く三股に別れた殻、額に生えた鋭く長い二本角、薄緑色の素肌、目元からヒトならば鼻があるはずの平坦なところまでを覆う分厚い被膜が目を引き、静かなる気品と獰猛な妖艶さが感じられる貝人の女だった。
薄い羽衣めいた白く透ける布は起伏に富んだ素肌を強調し、下腹部はゴツゴツとした腹板で覆われ、腰元から伸びる海藻のような長く波打つヒレが風になびく】
こほん、確かに、私は海棲人だが…花を枯らすような真似はしないさ。地上の花も、素晴らしいからね…!
私はミィル…ミィル・診ル。ここより異なる世界の海棲人類、その王国の姫だった者であり……しかし今は、一介の冒険者だ。よろしく頼むよ。
【三股の巻殻を撫で、薄いショールの内側から主張する、薄緑色の豊満な胸を張り。身長がヒトの二倍ほどもある、貝人の女は朗々と答える。
背中に背負う仕込み杖の先端のアンモナイト型の青い宝石が、魔法の灯りを反射して煌めいた】
貴公、体調は……大丈夫か?
【肉感的かつほどよく薄く形のいい唇からは、艶やかかつ落ち着き、しかし心配の声色が含まれた若い女の声が響く】
- 135ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/04(土) 21:07:36
【アレから時間が経ったあと、宿屋に魔術師を運んだ】
ふう、なんとかなったか
まさか頭ぶつけて気絶させちゃうなんてどんだけ不器用なんだ俺…
【自分の情けなさを自嘲する】
【魔術師の部屋の中で彼女の様子を見ながら目覚めるのを待っていた】
【読書をしながら待っている、読んでいる本の内容は詩集だった】 - 136双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/04(土) 21:12:46
- 137ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/04(土) 21:20:17
- 138双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/04(土) 21:25:19
- 139ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/04(土) 21:28:54
- 140双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/04(土) 21:34:25
- 141フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/04(土) 21:35:07
『ミィル様、ミィル様ですね、はい、私はイコアと申します、冒険者の皆様方からは“花橋のイコア”と、はい』
「時々ここで受付をしてくれています、……魔物の襲撃があったハイスタン要塞都市の現況について、報告を行いたいのですが、書類の取次をお願いしても良いですか?」
『はい、フリゲータお嬢様、それでは、まずはこちらにサインをお願いいたします』
カウンターにふわりと舞い落ちた紙切れの一枚と、インクの染みた万年筆は、魔法の施された代物。
フリゲータが慣れた様子で手続きを進めていくのを傍らに、問いを投げかけられた受付娘は、くり、と首を傾げて微笑んでいた。
『はい、はい、お磯の香りのミィル様、先日フリゲータお嬢様が魔法薬をお恵みくださいましたので。
とても、とても、良好でございますよ?お花も綺麗に咲いています、ね?』
「……そうですね、とても美しい花です」
……隙間から覗く痩せた細い腕、びっしりと蔦を這わせて深く根を下ろすそれは魔性の花であると、フリゲータさえうっすらと知っているものだった。
けれど、寄生された本人だけはそれを後生大切そうに、愛おしそうに。
その様を、ほんの少しだけ哀れみの情が籠った視線で見据えて、……それからサインを終えた紙切れは、しゅるしゅると宙に解けて消えて行く。
「殿下、報告書を下さいますか」
- 142ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/04(土) 21:37:40
- 143双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/04(土) 21:43:28
- 144ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/04(土) 21:45:53
- 145双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/04(土) 21:54:12
- 146ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/04(土) 21:57:43
- 147貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/04(土) 22:01:20
- 148双玉杖の魔術師◆B44tpzhq9ba725/10/04(土) 22:13:54
- 149ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/04(土) 22:27:22
分かったよ、お酒は飲ませないようにする
とりあえず料理には期待してくれ
絶対に満足できるから
【楽しそうに歩みを進めて行くと酒場に着く】
ここだ
【ドアを開くとドンチャン騒ぎが聞こえる事だろう】
【戦いの中で疲労を忘れる為に酒を飲むもの、仲間達と会議をするもの、一人粛々と英気を高めるもの、怪しげなものと皆様々な様子だった】
- 150二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 22:32:32
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- 151貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/04(土) 22:59:51
- 152フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/05(日) 10:39:05
(※問題無く、こちらで解釈しておきます!)
患いは艶花の香り、花弁を大きく広げて往くその様に、やがては身を亡ぼすと予感していても。
フリゲータにはどうしようも無い、深く根を張ったその花を、安易に焼き尽くしてしまうことさえ出来はしない。
だが、せめて少しでも、────────────普通に、“当たり前に接してやる”ことが救いになるのならば、そうしてやるのがノブレス・オブリージュであろう。
ミィルとの間に僅かに交わした目配せに、何も言葉を寄せずとも、心は乗せて。
・・・・・・・・・・・
『はい、承りました、こちらを、取次させていただきます』
とん、と、拍を打つ判子の音色、それを合図に魔法紙の筒は解かれて、傍らに置かれた本のページに挟み込まれて往く。
それは、ギルドを訪れる冒険者の誰もが読み解くことの出来る、共有の書物として。
この広大な図書館の蔵書が一冊と変わるのだ。
『完了いたしました、はい、素晴らしい成果でございますね、お疲れでございませんか?
是非、是非ともお休みくださいませ、お食事ならば併設の酒場にも、はい、または“表”のお店に貢献されるのも良いですね?』
「ありがとうございます、イコア、貴女も疲れたら休んでください」
手続きはそれで完了である、あとは、約束通り食事に向かうも、暫し休憩を取るのも良いだろう。
- 153貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/05(日) 18:49:47
- 154ザド◆qSxSCt4Z6M25/10/05(日) 22:22:18
…ふう(一人の青年が、火を纏った刀を鞘にしまう)
…これ、どうしよかな(周囲に大量の焼け焦げた魔物が転がっている) - 155二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 22:33:41
このレスは削除されています
- 156◆bV/yQnEhgU25/10/05(日) 22:35:40
(※別にいいっすよ、後からキャラシ出しても。既存の人でも二人くらい出してませんし)
- 157貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/05(日) 22:39:19
(※スレ主さん…!!!了解しました…!!!)
- 158亀の司祭◆bV/yQnEhgU25/10/05(日) 22:48:11
- 159フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/05(日) 23:54:35
一夜ひた走った疲労は肉体の芯に巣食う、特に、腹の中心が空になった様な頼りない感覚。
ワトキンスの屋敷に戻るのも時間はかかる、ならばこの場で軽く何かを入れておくのも良いだろう。
そう思い至り、自らの腹にそうっと手先を宛がって、視線を落とし、────────────。
「……であれば、お供をいたします、しかしその前に」
────────────渇いてシャツにこびりついた返り血、泥跳ねの痕、煤と灰の擦れた痕、それから、己の首筋や背筋に纏わりつく仄かな熱と湿り気。
それは今になってようやく違和感として表層に現れ出て、フリゲータはやや気まずそうに。
「浴場で、軽く、湯浴みをして来てもよろしいでしょうか?」
ノブレス・オブリージュ、清潔感を失っては、如何ともし難く。
- 160二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 00:31:01
このレスは削除されています
- 161貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/06(月) 09:13:49
- 162ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/06(月) 19:56:10
【酒場でメニューを開く】
どれにしようか…
【メニューの中にある画像一つ一つに目を通して思考の海に沈む】
【これは極めて重要な問題だ】
【なぜならこの酒場、相手する客の関係で量が並外れて多い】
【嬉しい、しかし問題がある】
一品を頼めばもう一品は食べれない…
【そうこの問題だ、この幸せすぎる問題に毎夜頭を悩ませている】
肉、魚、麺類、米、パン…
【どれもこれもが美味しそうだし実際美味い、幸せ】
【悩みに悩んだ彼は決める、そう前回は肉にしたから今回は魚にしようと】
赤青鯛の煮付け、これしかないな
【今日も究極の難問を解いてみせたその満足感と運ばれてて来るだろうワクワク感で思わず顔がニヤけて仕舞う青年なのであった】 - 163ザド◆qSxSCt4Z6M25/10/06(月) 21:19:42
- 164フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/06(月) 21:29:04
汚れた衣服を洗い流すのは水の魔法の原理、濡れた衣服を乾かすのは風の魔法の原理だ。
湯浴みをしている僅かな暇に洗浄を済ませたシャツに袖を通して、幾分か軽くなった身持ちは、大図書館にいつからか併設される様になった酒場へと向かう。
貴族、王族、……高貴な民は迫り来る終末から目を逸らし、門戸を閉じて籠る様になり、その多くは民衆の暮らしに見向きさえしなくなった、埃を被ったノブレス・オブリージュは幼い日のフリゲータが志したものと遠くかけ離れて。
そんな世界で、自ら望んで壁の外へと出ることを決めた冒険者という生き物が、こうして民衆よりも豊かな食事にありつけるというのは何の皮肉なのであろうか。
・・・・・・・
「せめてもっと広くに、この場所への道を繋げれば良いのですが」
それは叶わぬ願いだ、“ギルド”等と呼んでも組織立った括りではなく、ただの冒険者の寄り合い所帯。
その思惑も、思想も、統一出来たものではない限り、闇雲に門を繋げたところで理念は失われて往くばかりなのだから。
・・・・・
「……そこの青年、相席を失礼」
相席に腰を据え、メニューは朝方の腹具合にも収まる一番用意が簡単な軽食を求める。
表面が固くざらざらとしていてほんのりと塩気を効かせた保存期間の長いパンを薄めにスライスしたもの、それが乗せられた皿のふちには貴重な乳牛の乳から出来たバターを塗りつけてあって、茸と野菜から煮た出汁を取ったスープには塩漬けの肉塊を細かく賽の目に切って入れてありおかずには困らない。
「ふむ……南のサグワル地方には、未だ牛や豚を沢山飼っている農場が無事に生き残っていると聞きますが」
これも、そちらの地方の冒険者がひっそりと大図書館に仕入れたものだろうか。
- 165ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/06(月) 21:35:35
- 166貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/06(月) 21:53:34
そうであるね……この衰退していく世界に…希望の熾火が、安息の場所が、抗う者たちが在ることを…広めていきたいものだ。
【確かに、闇雲は良くないが…と呟きつつも、そう自らの理念を語る貝姫】
さて……着いたね。
ここが酒場だ、賑やかだろう────最も、その様子だとどうやら知っていそうだが……
【慣れた様子で初対面であろつ青年の隣に座るフリゲータに、貝姫は少し驚き】
……隣、失礼するよ…?
【フリゲータのそのまま隣に座った。】
・
さて……妾は………これでも頼むとするかの!
【うぅん、と大きく背筋と脚を伸ばし、注文するは】
スマッシュマッシュの黄金の右腕包み……これが美味いのなんの…!!!
【とある森の奥などに出現すると言われる、やたらパンチが強いキノコの魔物。食用になる身のうち、鍛え(?)上げられた腕の部分を使い包み焼きにしたものを注文した】
貴公──
【額から後頭部にかけて被さる三股のアンモナイトじみた巻殻を撫で、薄いショールの内側から主張する薄緑色の豊満な胸と、ヒトの二倍ほどもある背を屈めて椅子に座る。】
──妾も少し、失礼するぞよ。その者は連れでの……依頼で出会ったのじゃ。
【少しでも恐怖を和らげようと、その目元から本来鼻があるはずまでの顔半分を覆う分厚い被膜を向け、肉感的な唇を動かしそっと呟く。
背中に背負う仕込み杖の先端のアンモナイト型の青い宝石が、酒場の灯りを反射して煌めいた】
- 167ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/06(月) 22:19:01
- 168貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/06(月) 23:17:52
むぅ…………??
【分厚い被膜の内側からの眼差しは、気のせいか鋭くなり。視線を辿り、自身のたわわに実るものの方に着くと、笑みが浮かび】
くくく、会って早々、何を言い出すかと思ったら……!!
【思わずという調子で言い出されたその言葉を聞き、愉快そうにくつくつと笑い声を上げる貝姫】
【脚を、フリゲータさんに当たらない程度にばたぱたさせ、肩を小刻みに揺らして八重歯を剥き背を反らす。青年が目を奪われているであろう二つの果実が強調されるだろう】
"これ"に目を奪われるのは、雄として抗えぬ本能ぞ……ましてや貴公ほどの年頃は、健全に育っておる証というもの……気にせずとも、良いぞよ?
【この擦れて荒れきった世に、大層初心な反応を見たことによほど機嫌を良くしたのか。
んん?と揶揄うように、また微笑ましいものをみたというように……ほっそりとした手で、片方を少し下から重そうに(実際は特殊な構造によりヒトのものほどは重くもない)持ち上げて"これ"を示し。
によによと、その微笑みの種類を変える貝姫】
- 169亀の司祭◆bV/yQnEhgU25/10/07(火) 01:14:47
- 170ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/07(火) 06:25:16
- 171弓使い◆nlpuK6uPgM25/10/07(火) 06:29:44
……ん?
(食事を終え、のんびりとジョッキを傾けていると聞き覚えのある声が耳に入ってくる)
今のは…。
(視線を巡らせて見れば以前成り行きで加勢した事のある鉾槍使いの青年-と言ってエリンシィル自身の半分位しか生きていなかろうが-が二人の女性と話している…というかその片方、異形の美を持つ多種族の美女に揶揄われている)
……ふふっ。…あ、席を移るからこの食器を片付けて貰える?
(通りがかった給仕にチップを渡して席の片付けを頼むと半分位中身の残ったジョッキを手に立ち上がって)
こぉら。
(狼狽える青年に音も無く忍び寄って左手で軽く耳を捻る)
また、女性を不躾な目で見てたの?全く懲りないんだから。
(明らかに事態を面白がっている声音でくすくすと笑いながら告げるのだった)
- 172ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/07(火) 06:36:42
- 173ザド◆qSxSCt4Z6M25/10/07(火) 08:13:54
- 174貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/07(火) 09:14:19
妾はミィル・診ル……ここより違う世界より来た、海棲人類のうち貝人、ミル族の冒険者じゃ!よろしく頼むぞよ!
【ジョッキをワイングラスかのように軽々と持ち上げ。額から後頭部をアンモナイトの如き殻、それも三股に分かれたものが覆い突き出し、目元から顔半分が被膜で覆われた、薄緑色の肌の異形の女は自己紹介をした。今回は、冒険者として長年使ってきた版である。】
くく…そうかや??
ならば、そういうことにしておこうぞ……なんてな!うはははは!【赤くなった顔を見て、からからと高笑いする貝姫】【その手には早くも三杯目のジョッキが!コイツ出来上がってやがる!】
うぅむ、身長……種族の差こそあれ、貴公はそれこそまだ育ち盛りではないか?希望は持っておくものじゃよ、健全な青少年殿…んん?
【3mくらいはある背で見下ろしつつ、額に2本生えた鋭く長い角で刺さないように注意して。
ぽふぽふと、腰元から生えている昆布めいた平たく波打ち長い触手(少しぬめりがある)で青年の頭頂部を軽く叩こうとする。】
…ああ、よいよい。
昔はともかく、今の妾はごく一般の、妙な口調の冒険者ぞ?それに…こういった話にも、慣れておるから安心せい…な?
畏まらなくても良い…ほら、面を上げるのじゃ。
【手をひらひらと振り、ずずいと冒険者証(出身地は聞いたこともない国だ)を見せて軽い口調で促す貝姫。ちなみに、一般にしては「面を上げるのじゃ」が堂に入っている】
それに……
【>>171を見遣り、微笑みがさらに深くなる】
…ふふ、どうやら連れもいるようじゃしな……貴公もなかなか、隅に置けぬものよのう?
【なにを勘違いをしたのか、然り。といった表情で触手を引っ込めて、後方腕組み面をし始めた貝姫】【腕組みしたときに寄せられて強調された場所は…書くほどでもないだろう。】
- 175亀の司祭◆bV/yQnEhgU25/10/07(火) 09:14:52
むう…顔に出ていたか?失礼した。気を損ねないでくれ、拙僧も無辜なれど支配者の尾を踏んだがために追われる身となった人々を幾度も見てきた。罪より他に生きる道の無かった人々も。御仁の心映えについて何かを断じたわけではないのだ。
そして…疲れか。ああ、疲れん。力とその持続においては人並みから少々離れているという自覚がある。もっとも…疲労は拙僧を押し留める柵とはならん。
御仁こそどうだ?これだけのことをしたならば骨を休めたくもなろう。ここから西へ行くと、すでに忘れられて久しいと思しき古遺跡がある。そこに「大図書館」への「本」を置いておいた。使いたくなれば遠慮なく使ってくれ。
【冒険者たちの拠点へ転移するためのマジックアイテムを近くに設置したことを告げた】
- 176フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/07(火) 10:59:17
「────────────青年、強さとは肉体の強度を以てのみ言い表す言葉ではありませんよ」
ミィルへの不躾な言動にも、ミィルのそれを揶揄う様なやり取りにも、食事中に不要な会話には時折釘を刺す様な目配せのみで交わらなかった、そんな女貴族が不意に口を開いたのは同席する青年の言葉が波打って耳に届いたからだ。
スライスしたパンにバターを丁寧に塗り付ける傍ら、ぴたりとその手先を止めて、片瞳の齎す眼光は真っ直ぐに彼の目線を捉える。
有無を言わさぬ明瞭な意思と共に。
・・
「……戦士ですね、単純な膂力で言えば見たところ、私は貴方にも劣る、無論その辺りで暮らしている普通の娘よりは鍛えられているという自覚、自負はありますが。
肉体全体を占める筋肉の量も同じでしょう、これは男女の個体差とも言えますね」
背筋を伸ばした佇まいは凛としていながらも、確かに一見しては細い、肩掛けにした套衣が全体のシルエットを大きく見せてはいるものの例えば乳房の形などはミィルと比べてあまりにも貧相であるし、衣類の袖から垣間見える腕周りや腹回りはそう目立って筋肉が身に付いている訳でも無い、無論、布越しに分かる情報などたかが知れているのだが。
しかし、目の前にした青年との体格差は瞭然だ。
「それでも私は、おそらく今の貴方よりも強い」
────────────毅然と、言い放つ、そう言い切るのに一切の澱みも迷いも無い。
・・・・・・・・・・・・・
「他でもない私自身がそうであると信じているからです」
恥じ入ることは何も無い、自信があって何が悪い。
自負があって何が悪い、己は強い、誰よりも、……だからこそ誰よりも先んじて戦場の最前に赴く、フリゲータ・セラエル・ワトキンスは傍流となり果ててはいるが神代の英傑から受け継いだ血統への誇りと鍛え上げた己への誇りを兼ね持っている。
「……殿下も、お戯れが過ぎています」
それから、ちらり、と。
傍らで青年を揶揄い続ける海棲種族の姫君へ、釘を刺すのだ。
- 177ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/07(火) 12:38:35
- 178ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/07(火) 12:51:34
【彼女の言葉を聞いて表情が僅かに変わる】
【話の中での興奮の色は引き、別の感情が漏れ出ていく】
【一つは尊敬、誇り高き騎士であり貴族の彼女への憧れと惜しみない賞賛を送りたい気持ちになったのだ】
【二つ目は共感、自分を強いと思う、誇りやプライドを持つ事で高いパフォーマンスを発揮するのは騎士や戦士にとって王道で強い手で有用性もよく分かる、それを心の底から行えてるのならその人は強いのだと深い部分で理解が出来た】
【三つ目は後悔、強いという言葉は肉体だけでないと理解はしていたが上背が筋肉量に直結する関係上、戦士としてどうしてもそういう意識が強くなってしまったと反省する】
そうですね、俺もアナタの方が技術があって手札があって戦いが”上手い"と思います
あとそうですね、ちょっと戦士の、重武器使いの感覚で喋り過ぎました
特に俺は魔法も使えないんでそう意識に囚われ過ぎましたね、サーセン
【反省し軽くだが頭を下げる】
- 179貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/07(火) 14:23:16
うむ…改めて、よろしく頼むぞよ…ロベルト殿!
【触手を卓の下に引っ込めて、ペコリとお辞儀をした。】
おっと、それはすまなかった……貴公が目を向けている者は別におるのじゃな?
【一瞬、気まずそうな表情になるが、すぐに霧散して元のにまにま笑いを取り戻した】
ふぅむ、それで、その者との進捗は如何なものかの?なぁんての…!!
くふふふふふ…【>>176】ふっ!?
【……が、しかし。今まではちらちらと気にしてはいたものの何も言わなかったフリゲータに突然言われ……驚いたのかぎくりと首をそちらに動かし、ジョッキの中身を吹き出しかけて慌てて呑み込む】
ごほっげほっ……ん゛ん゛…
お…おう……そうじゃな……
【冷や汗を一つ垂らし、少々やりすぎたか…といったバツの悪い表情で黙り込んだ貝姫。打って変わってちびちびと残りを呑み始める】
うむ……なんか……こう…今の妾よりも、貴公のほうが…色々と上じゃな……うむ。
【貴族然とした覚悟、そして自負を朗々と語る姿を見て、割と最近は狩場と酒場を行き来するのみな自らはどうなのかと…珍しく内省した貝姫であった】
- 180ザド◆qSxSCt4Z6M25/10/07(火) 15:47:39
- 181弓使い◆nlpuK6uPgM25/10/07(火) 20:13:57
- 182ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/07(火) 21:12:52
- 183貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/07(火) 21:46:55
- 184亀の司祭◆bV/yQnEhgU25/10/07(火) 22:54:40
では縁があればまた会おう。全ての脆き人々が守られますように。
- 185弓使い◆nlpuK6uPgM25/10/08(水) 05:48:17
- 186貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/08(水) 08:06:13
うむ、そうじゃな……
【促すように手を椅子に示しつつ頷くと、皮膜の内側から視線のようなものを注ぎ、唇を湿すエルフを見遣る】
ほう……威力、属性、範囲、射程を上げる魔法とな!詠唱がほぼ要らないのも、この世界では珍しいことじゃな……当たると効果が消えるという欠点も、そも矢は当たれば大概刺さるものからして…、納得じゃ!
【話を聞く内に見当たらない瞳を輝かせるように、思わず顔が綻び前のめりに長身を傾ける】
うむ……少し特殊かのう?妾が今まで見てきたものは、大抵詠唱を必要とするものが多かったのじゃ。
しかし、エルフという異種、そして異なる環境と文化で育まれた魔術……興味深いのう!
【特殊過ぎる、との言葉に頷きつつも、改めて面と向かって聞く説明に心を躍らせる貝姫。薄緑色のほっそりとした両の拳は興奮に握りしめられた】
さて……お礼というのか、妾の使う魔術も説明しようぞ!
【立ち上がって誰もいない酒場の隅、広い空間に陣取ると】
[月灯の魔術]…貴公のものと同じく詠唱はほぼ要らぬ、魔術名のみで発動する。
魔力から氷や熱を生み出し放つ、こちらでは火と氷属性……そして、月属性とされるものじゃな。
【《月灯の礫》と呟くと、数個の月色の輝く球が貝姫の頭上に出現する】
夏に生温くなった水温を下げたり、冬に水面をふさぐ氷を除去するために作られての。
妾は主に、身や武器に纏わせたりするぞよ…こんなふうに、な!
【仕込み杖の刃に氷の刃を纏わせ、鞘より大振りに引き抜く。同時に腰元より生える昆布めいた触手にも氷を纏わせたので、抜刀と同時にスカートのごとくふわりと広がる。
余剰分の魔力は細かな氷の欠片に分けられ、酒場の明かりにきらきらとダイヤモンドダストの如く舞った】
【ちなみに、酒場の許可は取りつけている。魔術の披露で日銭を稼ぐことも多いのだ……この夏の客は、鑑賞よりも主に納涼目的が多かったのだが。】
- 187フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/08(水) 10:10:50
「いいえ、こちらも不躾な物言いでした、ご容赦を」
テーブルマナーに五月蠅くするつもりは無いし、あまつさえ相手は亡国とは言え王族なのだ、礼儀を失するは何よりも恥ずべきこと、……と、ばつが悪そうに口を噤んだミィルに向けて小さく会釈を見せ。
さくり、パンのふちに歯を立てて千切る、少しばかり温まる程度にトーストがされた表面をバターが溶けだした程好い塩気が馴染む。
きちんとした料理店や貴族の会食で振舞われる様な品とは違うが、これはこれで味わいがある。
「重武器使いでしたら私の兄がそう、今は善い戦士ですが、しかし昔は責任すら放棄して家を逃げ出す程に腑抜けていましたね。
……その頃の兄と比べれば、貴方はいくらも確りとしている、自信を持って良いですよ」
ちくりと実兄を刺しながら、堅苦しく装丁されたフォロー、若き戦士へ淡々と送り。
その間に名乗りを上げたエルフに視線を返す、歳若く見える、が、エルフの血が混ざっているのならば外見で年齢を推察することは不可能だろう。
「失礼……先刻より名乗りが遅れていました。
ブレガーティーが氏族、ワトキンス家嫡女、フリゲータ・セラエル・ワトキンスと申します、お見知りおきを」
- 188ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/08(水) 19:47:19
- 189弓使い◆nlpuK6uPgM25/10/08(水) 20:39:42
- 190フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/08(水) 20:39:47
「いいえ、私はあくまでも個人的な活動です」
すくり、スープの水面を木匙で撫でながら、フリゲータは青年の問いに僅かばかり首を左右に振って否定と答えた。
それはパーティーを組むことに対してのみの否、ではない、そもそも彼女の立場は彼らと比べて幾らか異なっている。
「都合良く大図書館への出入り手段を持ち得てはおりますが、冒険者ではありませんので。
ですから報酬なども支払いは受けておらず、一介の騎士であり、貴族であるという立場を崩してはいません」
兄、ウォルガンは昔の縁があり、未だ冒険者としての地位も持ち合わせていると聞くが。
「────────────故に、義務があるのです、民を守り導く高貴なる義務が」
・・・・・・・・・・・・・
真のノブレス・オブリージュ、この世界から失われて久しいそれを信念として掲げる。
- 191フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/08(水) 20:44:31
- 192弓使い◆nlpuK6uPgM25/10/08(水) 20:50:31
- 193◆bV/yQnEhgU25/10/08(水) 22:14:39
- 194貝人の姫◆cSqrBBTNDY25/10/08(水) 22:21:56
うむ……気にしないでくれ…妾も少し、羽目を外し過ぎたのじゃ。先(ほど)はどうもすまなかった…ロベルト殿…!
【手を再びひらひらと振り、改めて一冒険者として頭を下げる貝姫。割と若い奴を揶揄うことも楽しみにしているような奴だが、そこら辺は割と律儀なのである】
うむ、どうやらそのようじゃ……やはり、世紀の末にまっこと尊いものよ…!!
【しみじみと頷いている】
ちなみにじゃが……妾も基本は主にソロぞよ!
まあ、臨時パーティーで新米やベテラン等と組むこともあるが…その時は、その時じゃな。
エリンシィルど、の……は…お取り込み中かや?(小声)
【魔法について答えてくれた彼女に、自分も何か返したかったのか>>186の演舞を続けている貝姫】【視界の端に映って邪魔にならぬよう、そっと席に戻る】
- 195フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/08(水) 23:32:15
- 196弓使い◆nlpuK6uPgM25/10/09(木) 00:04:33
- 197ハルバード◆.a0KX1VzTY25/10/09(木) 06:57:37
【なんだろうか、結構重々しい会話があった、それ自体は全然良い】
【しかし…】
(殺気がすげえ!なんだこの視線の嵐、背中に穴が開くぞ!?)
【煌びやかで目見麗しい美女達、そこに好意的な目が周囲から向けられると同時にどうしてこんなボロ着のようなただの冒険者が?と不可解さを感じさせ、なんなら嫉妬や怒りも混ざった視線が青年をズタズタにしていた】
(くっ、くそ何か、何かないか?何かこの状況を打開する一手は………!!)
【思案に耽るも元がそこまで賢くないのだろう考えが浮かばない】
【だからお前はウツダが上がらないと見られるんだ】 - 198フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/09(木) 12:21:06
「────────────それは」
漏れ出る声は震えていた、……その自覚があって、次の言葉を紡ぐまでには幾許かの時間を要した。
酒場の椅子からゆっくりと立ち上がり、一つ、深く呼吸をする。
心臓が高鳴りを押える為の暇、瞼を落とし、また開く、今度の視線は鋭い。
「謀りならば、許されざる虚言ですよ、……分かっているのですか」
貴族に取り入る為に血縁を装う輩、社会的な恩恵を受ける為に偽りを述べる輩、心当たりはあるのだ、社交界にはそうした不埒な者も少なくない。
眼の前のエルフはその類では無いのか、そうであるならば、敬意を払うべき死者に泥を塗る許されざる蛮行だ。
だから、机に置いた掌は固く握りしめられて。
「……真のことなのですか」
────────────もう一度、震えてしまう声で。
- 199弓使い◆nlpuK6uPgM25/10/09(木) 21:32:29
…俄かに信じ難いのも、無理はありません。
(相手に合わせて静かに席を立つ。向けられる視線の鋭さ。心弱き者ならば即座に後も見ず逃げ出すかその場に崩れ落ち身も世もなく赦しを乞うだろう)
事実、この話が真である事を証し立てる証拠を、私は示す事が出来ません。
(心に疾しき事がある者なら一息の間も向かい合えないだろうその視線を真向から受け入れて)
ただ私は、頑是ない私を抱き上げたその胸の暖かさと。
(一歩近付く。フリゲータがその気なら彼女を一刀の元に斃す事も出来るだろう)
不自由な身をおして幼き私を鍛えたその腕の力強さと。
(紫の瞳はあくまでも静かにフリゲータの眼を見つめる)
…旅立ちの床にあって尚、輝きを保ち続けたその瞳の確かさに誓うだけです、この話は真であると。
(語り終えたエリンシィルは一つ吐息をつく)
…兄は、コーネルは。
(右手がゆるゆると上がる)
父様が望んだ、私が思い描いた通りの漢に育ったのですね。
(真剣そのものだった顔が、花が綻ぶ様に柔らかな微笑みへと変わる)
貴女を見ていれば解ります。フリゲータ、私の姪…。
(エリンシィルの右手が伸ばされ、硬く筋張っているが滑らかな指先がフリゲータの頬を優しく撫でた)
- 200フリゲータ◆mPThu6hceA25/10/10(金) 10:34:37
差し伸べられる右掌は、必然、失われた左瞳の死角へと滑り込む、それを見逃すのは己の急所たる首元を無防備にも他者に晒す愚かな行為だ。
本当ならば、払い除ける、もしくは右瞳の視界が捉えられる様に密かに姿勢を変えるところ。
しかし、フリゲータが彼女らしくなくも呆然とエリンシィルの顔貌から目を離せずにいたのは。
真剣にこちらを見据えるその表情に、幼少の頃に見た、溌溂として若かった父コーネルと似た面影を、一瞬であれど確かに感じ取ってしまったからだった。
「────────────、我が父コーネルは、私が最も尊敬し、生涯の目標とする偉大なる騎士です。
その父である、敬服すべき大祖父上ヴォルターの名は、一時たりとも忘れたことはありません」
……不意に、眼帯へと指を掛ける、朝焼けの酒場にて、少なくもそこにある衆目に晒されようとも構いはしない。
己の“弱さ”を覆い隠す黒い布きれ、結び目の解けるぷつりという小さな音と共に剥がれたその向こうには、固く閉じられ開かない瞼のみがある。
それが己の全てであるから、少しでも彼女を疑ったことへの戒めとして、見せねば、ならない。
「お会い出来て光栄です、叔母上……」
出会いとは数奇なものだ、いつ起こり得るのかも、分からないのだ。