三浦皇成「どうすりゃいいんだ…」

1二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 22:53:06

9月26日、発表されたスプリンターズSの枠順
ウインカーネリアン三浦は死枠の16番だった
ネットに響くファンのため息、どこからか聞こえる「G1勝利はおあずけだな」の声
無言で帰り始める騎手達の中、進化する三浦皇成は独りトレセンで泣いていた
新人時代に手にした栄冠、喜び、感動、そして何よりG1を勝てるツキ…。それを今の枠順で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ…」三浦は悔し涙を流し続けた。どれくらい経っただろうか、三浦ははっと目覚めた。どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ
冷たいソファーの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って戦略を練らないとな」三浦は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、三浦はふと気付いた
「あれ…？お客さんがいる…？」
いつのまにか中山競馬場にいた三浦が目にしたのは、中山競馬場外まで埋めつくさんばかりの観客だった。はち切れんばかりに旗が振られ、地鳴りのように歓声が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする三浦の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「皇成、もうすぐスタートだ。早く行くぞ」声の方に振り返った三浦は目を疑った
「し…鹿戸先生？」「なんだミュラー、居眠りでもしてたのか？」「ラ…ランドオブリバティ？」
「なんだ三浦、勝手にランドオブリバティを競走中止にさせおって」「グランプリボス…」
三浦は半分パニックになりながら出馬表を見上げた
1番ピューロマジック、2番ヨシノイースター、3番ダノンマッキンリー、4番ママコチャ、5番カンチェンジュンガ、6番ナムラクレア(ルメール→内川)
7番サトノレーヴ、8番ペアポルックス、9番ドロップオブライト、10番ラッキースワイネス、11番トウシンマカオ、12番ヤマニンアルリフラ、13番ジューンブレア、14番カピリナ、15番ルガル、16番ウインカーネリアン
暫時、唖然としていた三浦だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲一つ無かった
「勝てる…勝てるんだ！」
ほしのあきから鞭を受け取り、コースへ全力疾走する三浦皇成、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった…

しばらくして、ウィナーズサークルで勝利インタビューを受ける三浦皇成が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った