- 1二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 22:46:37
今日は多くの人にとっては普通の日。
でも、特定の人にとっては最も特別な日なのである。
始業のベルが鳴る前に、私は本日の主役に声をかけに行った。
「ブルボンさーん!お誕生日おめでとー!」
「はい。ありがとうございます」
あこがれのあの子は今日も無表情。
誕生日でもいつも通り。
「テンションは平常運転だねー。はいこれ、誕生日プレゼント」
「…ステータス『うれしい』を検知。中身は…何でしょうか」
「ふっふっふー。それは開けてみてからのお楽しみなのだー」
ちょっと前ならほんとに喜んでるかわからなかったと思う。
でもちょくちょく話しかけて好感度が上がった(はず)の今ならわかる。
ブルボンさんは尻尾に感情が出るのだ。
さっきより尻尾の振りがちょっとだけ大きくなっている。
「…大きさは手のひらサイズ。梱包ラベルから近所の装飾品店と断定。学生の平均お小遣いとお店のラインナップから推測…中身は『ヘアピン』、でしょうか」
「…!おおっとぉ、正解されてしまったー。まぁまぁ、とにかく開けてみて」 - 2二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 22:47:56
ガサガサ…
「…っ!うさぎ…」
「アハハ…フラワーちゃんに聞いたんだ。ブルボンさんどんなのが好きかなって…ど、どうかな…」
「……かわいい……」
「!」
ブルボンさんから…『かわいい』が出た!?
表情は相変わらずだけど!『かわいい』って言ってくれた!
「…その…『着用』の許可をもらえますか?」
「っ!モチロン!つけてつけて!」
固唾をのんでその光景を見つめる。
同時に私は無意識のうちに、ポケットのスマホに手を伸ばしていた。
「…どう、でしょうか」
ヘアピンを付けたブルボンさんが顔を向けた瞬間、私は神速でスマホのシャッターを切っていた。
この一瞬だけなら、あの『皇帝』より速かったかもしれない。 - 3二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 22:49:17
「…あの…?」
「かわいい」
「?」
「ブルボンさん、めっちゃかわいいわ…」
「…?かわいいのはうさぎの方で、私はかわいくはありません」
「何をおっしゃるうさぎさん。あなたは今、この世で一番かわいいウマ娘ですよ」
「しゃべっているのはうさぎではなく私ですが…」
しかしほんとにかわいいなーブルボンさん。
レースではあんなにかっこよく先頭を駆け抜けるのに、普段はこんなかわいい天然さんだもんなー。
「…そうですか。かわいい、ですか…」
「…もしかしてブルボンさん、照れてる?」
「…エラーです。今まで『かわいい』とはあまり言われたことはなかったので」
「…ありがとう、ございます」
「!」
今、確かにブルボンさんが笑った気が───
キーンコーンカーンコーン
「…チャイムが鳴りました。席にお戻りください」
「げ、もうそんな時間!?…とにかくブルボンさん、誕生日おめでとう!よい一日を!」
「はい。よい一日を」
今日はなんだか、いい日になりそうだ。
スマホに映るブルボンさんを見て、私はそう思った。 - 4二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 22:50:25
おしまい
ストーリーの素直ちゃんとの絡みが書きたかった
ハッピーバースデーブルボン - 5二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 22:53:40
良いものを見た。
ハッピーバースデーブルボン - 6二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 23:04:51
今日はお誕生日だからね
ブルボンssいっぱいでうれしいね