- 1◆EPynOvGJx225/10/04(土) 18:41:24
- 2◆EPynOvGJx225/10/04(土) 18:43:15
- 3◆EPynOvGJx225/10/04(土) 18:46:07
ざっと2スレ分くらいのあらすじ
アメジオはミスコン会場の控室でサンゴと殴り合い敗北、頬を殴られ気絶する。目を覚ますとエクスプローラーズ本部の一室に拘束されており、現れたルーベラとインディにノノクラゲによる拷問を受ける。体に痺れが残るも介抱しにきたオニキスに目潰しをし部屋を脱出する。
廊下を這い、女子トイレや物置に隠れるが、アゲートに発見され平手打ちを受けて気絶する。次に目を覚ますと四肢は金属の枷に覆われ装置に拘束されていた。そこへスピネルとアゲートが現れ、アメジオは被検体として扱われていると知らされる。スピネルによって一年間の真相が明らかになり、アメジオとフリードが島の研究所で人間をポケモン化する研究に利用されていたと判明する。ポケモン化の進行によりアメジオの体には高い治癒能力が備わるも、副作用により体の成長は止まっていた。 - 4◆EPynOvGJx225/10/04(土) 18:48:10
スピネルはクムリ山で捕獲したユクシーを操りアメジオとフリードから実験に関する記憶を奪っていた。再びアメジオは記憶を奪われ、RVCと敵対していたころに巻き戻る。そこへハンベルとソウブレイズが現れ、装置を破壊してアメジオを救い出す。スピネルはテレポートで逃走する。
立ちはだかるルーベラとインディに勝利し、RVCやジル、コニアと合流する。記憶を失ったアメジオはRVCとの協力を拒んでいたがハンベル達に説得される。物置でユクシーを発見しケースを破壊して連れ出そうとするが、漏れ出したラクリウムの煙を吸ったアメジオは暴走してフリードを攻撃してしまう。やがて力尽きて意識を失い、ブレイブアサギ号の一室で目を覚ます。
フリードから自分がしたことを知らされ衝撃を受ける。フリードからラクリウムは人間をも狂暴化させるという仮説を聞いた後、父クレイブが現れる。再会を喜ぶクレイブに抱きしめられるもアメジオは拒絶する。さらに祖父ギベオンが消失したという事実を聞かされ動揺していると、そこへハンベルとソウブレイズが現れる - 5◆EPynOvGJx225/10/04(土) 18:51:41
続き
「アメジオ様。単刀直入にお聞きします。アメジオ様はスピネルに拘束される前、どちらにいらっしゃいましたか?」
「だからギベオン様と謁見していただろう!お前もその場にいた!」
アメジオが声を荒らげると、ハンベルは一呼吸置いた後、冷静な口調で告げた。
「アメジオ様。あなたは記憶を失っています」
再び部屋に沈黙が流れた。父やフリードはアメジオ同様目を見開き、アメジオとハンベルを交互に見つめている。
ハンベルは悩ましげに深く息をついた後、ひとつひとつ確認するように語り始めた。 - 6◆EPynOvGJx225/10/04(土) 18:54:00
「アメジオ様は当時、スピネルの動向を調べておいででしたね。あの後アメジオ様はナッペ山でスピネルに嵌められ、ギベオン様から謹慎処分を受けたのです」
「謹慎処分だと......?そんな記憶......」
アメジオは言いかけてやめた。自分から記憶を失っている事を肯定したくはなかったからだ。
「それだけではありません。アメジオ様はスピネルがブラッキーにラクリウムを使用して暴走させたのを目撃し、ラクリウムに不信感を持つようになりました」
アメジオの頭に本部での出来事が浮かんだ。スピネルの部下が用いたストロングスフィア。あれから放出されたピンクの煙はやはりラクリウムなのだろう。そしてそれを吸って本能のままに戦うナゲキとダゲキの姿は見ていて気分のいいものではなかった。
- 7◆EPynOvGJx225/10/04(土) 18:56:09
「アメジオ様はギベオン様がラクリウムを使うことを止めさせる為、RVCと協力してラクアでギベオン様と対峙しました。そして見事ギベオン様を倒し、テラパゴスによってラクアのラクリウムを消失させました。その際、ラクリウムと共にギベオン様のお体は消え去ってしまったのです」
「嘘だ……!そんな……こと……」
信じられるわけがなかった。記憶を失い、その失った記憶の中で既に祖父が亡くなっている事実など、とても受け入れられることではない。
「ブレイ」
いつの間にか隣にソウブレイズが立っていた。
「ソウブレイズ......」
アメジオは相棒の顔を見つめた。
※アメジオはdice1d3=3 (3)
(1.黙り込む2.泣く3.冷静になる)
- 8二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 18:57:04
続き読みたかったので嬉しいです!
ありがとうございます - 9◆EPynOvGJx225/10/04(土) 19:07:34
- 10二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 19:12:50
ここのアメジオどうなるか気になってたから再開ありがたい
- 11◆EPynOvGJx225/10/04(土) 21:39:35
- 12◆EPynOvGJx225/10/04(土) 22:20:12
記憶を失っているだけではなく、一年間も行方不明だったとはどういうことだろうか。突拍子もない発言に聞こえるのに父の顔は真剣で、とても嘘をついているようには見えない。
「私は仕事を辞め、ジルさんやコニアさんのようにお前を探し続けていた。どんなに探しても痕跡すら見つけられなかったが、一昨日の夜にハンベルから連絡が来て、お前がRVCの元にいて無事だと知った」
クレイブはアメジオの肩にそっと片手を置いた。
「記憶にはないだろうが、お前は昨日イベント会場で用事を済ませた後、仲間と落ち合うことになっていた。だから私もその場に駆けつけたんだ」
父の姿をよく見ると、服装がラフなだけではなく髪のセットも大雑把だ。社長を退き、身だしなみもままならず駆けつけたのだろうか。
- 13◆EPynOvGJx225/10/04(土) 22:32:18
「だが会場にお前の姿はなく、代わりにフリード博士と子供達を見つけた。だが彼らはスーツを着た怪しい男達に連れていかれてしまった。すぐにハンベルに連絡し、ジルさんとコニアさんは彼らの跡をつけた。情けないことだが、足でまといの私は安全な場所に待機していた」
「その安全な場所ってのがこのブレイブアサギ号って訳だ」
後ろに立つフリードが言った。
「一昨日オリオ達に連絡したんだが、あいつらソッコーで仕事を辞めて駆けつけてくれてな......いや、今細かいことはいいか。とにかく、アメジオが仲間になったことは俺たちの仲間にも伝えてあったから、あとの説明なり何なりは全部ハンベルさんが上手いことやってくれたんだ」
フリードの言葉にハンベルは軽く頭を下げると、アメジオに向き直る。
「アメジオ様、今はまだご納得いただけなくて当然かと存じます。ですが、彼らと話しているうちに段々と分かってくるでしょう。アメジオ様がRVCと協力し、彼らを信頼していたという事実を」
ハンベルが言い終えた時、ドアがノックされた。
※来たのはdice1d4=3 (3)
(1.オリオ2.モリー3.マードック4.ランドウ)
- 14◆EPynOvGJx225/10/04(土) 22:43:25
- 15◆EPynOvGJx225/10/04(土) 23:48:44
昨夜は確かに空腹を感じていたはずなのに、今は少しも食欲が湧かなかった。特にアメジオの心を重く沈めるのは、尊敬する祖父が消失したと告げられた事だった。
「アメジオ様、朝食をいただきましょう」
ハンベルに言われ、アメジオは渋々部屋を出た。皆の後に続いて廊下を歩き、広い部屋に辿り着く。
「あ、アメジオ!」
「目が覚めたんだね!よかったあ!」
部屋に入るなり、椅子を運んでいたドットとリコが駆け寄ってきた。
「「アメジオ様!」」
奥から皿を抱えたジルとコニアが現れ、アメジオの顔を見るなり皿をテーブルに置いて駆け寄ってくる。
「体調はどうですか?」
「ご無理はなさらないでくださいね」
アメジオが入り口で囲まれ文字通り立ち往生していると、背中に何かがぶつかった。
- 16二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 00:05:03
食欲ないのポケモン化の副作用とかかと思った…普通にショックだからか
- 17◆EPynOvGJx225/10/05(日) 08:47:57
- 18二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 09:20:57
このレスは削除されています
- 19二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 16:09:10
そういやウルトってアメジオを女子だと思ってたっけ?だいぶ懐かしいな
- 20◆EPynOvGJx225/10/05(日) 17:31:58
アメジオは目を伏せた。どう考えても初対面としか思えないのに、この少年のことも自分が忘れてしまっているだけなのだろう。
「ブレイッ」
隣に立つソウブレイズがウルトに向かって低く鳴いた。
「な、なんだよ......あ、ロイ!」
ウルトは廊下を歩いてきた人物に視線を移した。
「アメジオ!起きてたんだね!」
ロイはアメジオに駆け寄り笑顔を見せた後、壁際のウルトに向かって不満気な顔をした。
「ウルトってば一晩で展望室散らかして!食べ物の匂いに釣られて出ていってぼくにだけ片付けさせないでよ!」
「う、うるせえ!よくもオレ様を会場に置いてきやがって!」
「だから置いていったんじゃなくてエクスプローラーズに捕まってたんだってば!」
- 21◆EPynOvGJx225/10/05(日) 18:23:53
- 22◆EPynOvGJx225/10/05(日) 23:04:23
オリオに進められるままアメジオとクレイブは細長いテーブルの真ん中奥の席に座った。手伝おうとしたハンベルもオリオに制されてクレイブの隣の端の席に座る。
「ポケモン達はあそこでくつろいでるよ。マードックがフーズと木の実をたっぷり用意してくれたんだ」
オリオが顔を向ける方を見れば、壁際の床に陣取ったポケモン達が美味しそうに食べ物を頬張っていた。
ミーティングルームでは狭いのでキッチンで食事を取っているポケモンもいるそうだが、ソウブレイズとボールから出したアーマーガアはアメジオの後ろから動かなかった。
「二体とも久々にアメジオに会えて嬉しそうだな。沢山あるからたっぷり食べてくれ」
マードックが運んできた皿をアメジオの後ろの床に置いた。アーマーガアは木の実をついばみ、ソウブレイズは壁にもたれて長い刃で器用に食べ始めた。
- 23◆EPynOvGJx225/10/05(日) 23:32:59
(あれは......!)
もう一度壁際のポケモン達をよく見ると、マスカーニャやウェルカモの影でテラパゴスが美味しそうに木の実を食べている。自分が奪おうとしていたポケモンがすぐ側にいることに緊張が走ったが、さらにその隣でむしゃむしゃとポケモンフーズを頬張るマイナンを見つけそちらに気を取られた。
(マイナン......!見つかったのか)
アメジオがマイナンを見ていると、フリードがキッチンから取ってきたのかジュースのパックを片手に話し始めた。
「そういやエクスプローラーズのアジトでアメジオが倒れた後の話をまだしてなかったな。ジルとコニアにアメジオとユクシーを抱えて先に脱出してもらおうと話してたら、マイナンが足元にひょっこり現れてな。何事もなく元気そうで安心したぜ」
「マーイ!」
名前を出されたマイナンが口に入れた物を飲み込むと手を上げて返事をした。
「ユクシーはまだ意識が戻らなくてな。救護室のベッドに寝かしてある。今朝のモリーの話じゃ呼吸も安定してきたしそろそろ起きる頃だそうなんだが......」
アメジオはユクシーの話題に眉をひそめた。
※アメジオから見て左側に座るのはdice1d5=3 (3)
(1.リコ2.ロイ3.ドット4.モリー5.ランドウ)
- 24二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 07:09:02
マイナン無事で良かった
- 25◆EPynOvGJx225/10/06(月) 08:34:02
やがて準備が終わり、全員がテーブルを囲んで朝食を食べ始めた。朝食にしては豪華で美味しそうなメニューが並んでいたが、食欲のないアメジオは目の前のパンケーキやサラダから目を逸らし周囲の様子を伺った。
向かいに座るジルとコニアはRVCのメンバーと自然に会話している。たった一晩でこの船にすっかり馴染んでいる様子だった。アメジオは孤独を感じ、黙って空っぽの取り皿を見つめた。
「アメジオ?どうかした?」
食べ始めないアメジオに気づいたのか、隣に座るドットが不思議そうな顔でこちらを覗き込んでくる。
「まだ本調子じゃない感じ?食欲ないならこっちのリンゴ食べる?」
ドットはピックの刺さったリンゴが乗った皿を差し出してきた。
dice1d2=2 (2)
(1.取る2.取らない)
- 26◆EPynOvGJx225/10/06(月) 16:59:12
アメジオは差し出されたリンゴを受け取らなかった。
「あっ、ごめん……リンゴ好きじゃなかった?」
気まずそうに謝るドットに返事もできないでいると、その様子に気づいたのか全員が手を止めアメジオを見る。部屋は静寂に包まれた。
「皆さんにお伝えしたいことがあります」
静寂を破ったのはハンベルだった。落ち着いていながらはっきりとした口調で、先程アメジオが目覚めた部屋で話したことをもう一度全員に向かって語り始めた。
「以上はあくまでも仮説に過ぎませんが、十分にありえる話だと思います」
ハンベルが語り終える頃には、皆の表情は驚きと戸惑いに変わっていた。
「そんな......アメジオが今までのこと全部忘れちゃったなんて……」
リコは顔を暗くして俯いた。
「アメジオ様の記憶を奪ったなんて許せません!」
ジルが椅子から勢いよく立ち上がり食器がカチャリと揺れる。
「スピネルが犯人だとして、なんで記憶を奪うなんてこと……」
モリーが険しい顔をして口を開いた。
アメジオはdice1d2=1 (1)
(1.頭を整理する2.考えがまとまらない)