【閲覧注意】見捨てられない、月の光【SS】

  • 1二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 17:38:03

    ちょっと重めなみすてま、いかがですか?

  • 2二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 17:44:34

    わたしは秦谷美鈴。中等部のトップユニット、「SyngUp!」のメンバーでした。
    現在は、SyngUp!は解散してしまいましたが。
    わたしには、まりちゃんという幼馴染がいます。
    まりちゃんも、わたしと一緒にSyngUp!のメンバーでしたが、今は喧嘩中で、高等部に進学してからはあまり話せていません。
    わたしは、まりちゃんをわたしで埋め尽くしたい、わたしがいないと生きられないようにしたいだけなのに…
    それに、わたしがお世話出来ていませんから、まりちゃんのことが心配です。

  • 3二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 17:59:07

    まりちゃんは、毎日レッスンを頑張っています。いえ、頑張りすぎていると言った方がいいでしょうか。
    あんなペースで走り続けていたら、あんなに、無理をしていたら、きっと壊れてしまう。
    わたしは、ゆっくりと自分のペースで歩いていくのが好みなので、まりちゃんとは対立してしまいがちです。
    無理矢理にでも、まりちゃんを止めてあげるべきなのでしょうか?
    でも、今のわたしの言うことを、まりちゃんは聞いてくれるのでしょうか?
    それに、まりちゃんが望んでいるなら、止めるのは本当にまりちゃんのためなのでしょうか?

  • 4二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 18:14:50

    まりちゃんと仲直り出来ずにいたある日のことでした。
    まりちゃんは、今日も全力で走っていました。
    きっと倒れるまでは、このままのつもりなんでしょう。
    そんな時、まりちゃんが荷物運びを頼まれているのを見ました。
    あれだけレッスンをした後に、あの量の荷物を?大丈夫なのでしょうか。
    「まりちゃん、わたしが運ぶの、手伝いましょうか?」
    「大丈夫、このくらい、1人で運べるから」
    わたしは安心していました。最悪の事態は起こらないだろう、そう考えていました。
    でも、まりちゃんが階段を降り始めたとき、まりちゃんが足を滑らせて、階段から………

    「まりちゃん!!!」

  • 5二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 18:37:24

    わたしらしくない、大きな声を出してしまいました。
    まりちゃんは、倒れていて動きません。
    わたしは慌ててまりちゃんに駆け寄りました。
    「まりちゃん!大丈夫ですか?」
    「み………みすず………?」
    かすかながら、まりちゃんの声が聞こえました。
    まりちゃんは意識はあるようです。ひとまず安心ですね。
    幸い近くに人は多かったので、まりちゃんはすぐに担架で保健室に運ばれました。
    そして、しばらくした後、まりちゃんは病院に運ばれました。

  • 6二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 18:59:31

    診断の結果は、わたしが最も聞きたくなかったものでした。
    まりちゃんは、骨折してしまいました。
    数ヶ月の間、アイドル活動は出来ないようです。
    まるで自分のことのように辛くて、悲しくて、わたしはずっと泣いていました。
    あの時、無理矢理にでも、わたしも運ぶのを手伝っていれば、まりちゃんを止めていれば。
    後悔しても何も変わらないことは分かっていましたが、そう考えずにはいられませんでした。
    きっと、まりちゃんは、わたし以上に辛くて、苦しいでしょう。
    ごめんなさい、まりちゃん。あなたを救えなくて。

  • 7二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 19:21:18

    まりちゃんが骨折してから数日後、わたしはまりちゃんに会いに行きました。
    正直、まりちゃんに何を言われるのか、まりちゃんに何を言うのが正解なのか分からなくて、わたしはとても、怖がっていました。
    「………まりちゃん」
    「………美鈴」
    「まりちゃん…本当にごめんなさい。わたしが、一緒に運んでいればよかったんです。なのに…こんな…」
    「美鈴は気にしなくていいよ。これは全部私のせいだから。それに、美鈴には今までずっと、迷惑かけちゃったし、私1人でなんとかするよ。だから、初星学園で、元気な私を待ってて」
    「まりちゃん………」

  • 8二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 19:40:25

    わたしは、まりちゃんの言う通りに、まりちゃんの帰りを初星学園で待つことにしました。
    しかし、これで本当に、よかったのでしょうか。
    やっぱり、まりちゃんは本当は怖がっているような、そんな気がしてなりません。
    でも、今わたしに出来ることは、少しでも早くまりちゃんの怪我が治ることを祈る、それだけでしょう。

  • 9二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 19:55:08

    まりちゃんが骨折してから数週間ほどして、わたしは徐々に様子がおかしくなっている気がしました。
    わたしの体が、心が、まりちゃんを求めている、そんな気がするんです。
    わたしもまりちゃんに埋め尽くされて、まりちゃんがいないと生きられなくなっていたのでしょうか。
    そんなことを考えていたら、誰かに話しかけられていました。
    「美鈴、美鈴、大丈夫?」「秦谷さん?大丈夫ですか?」「美鈴ちゃん、大丈夫?」
    「篠澤さん?それに、倉本さんと花海さんまで、わたしに何か用ですか?」
    「最近の美鈴、様子がおかしいから心配で」

  • 10二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 20:09:12

    「まあ、あなたたちにも、そう思われていたなんて…」
    「月村さんのこと、実は未練があるのでは?」
    「やっぱり、手毬と一緒にいたいんじゃないの?」
    「………でも、どうすれば………」
    「手毬ちゃんに自分の気持ち、全部伝えちゃえばいいんじゃない?」
    「そうすればきっと月村さんは受け入れてくれますわね」
    「うん、手毬もきっと、本当は美鈴のことを求めてる」
    「そうなのでしょうか?でしたら、今度、まりちゃんに会ってきますね」
    わたしは、もう一度まりちゃんと話す決心をしました。

  • 11二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 20:37:04

    骨折してから数週間、私はあの時の自分の発言を後悔していた。
    なんで、あんな怪我をしていたのに、あんな強がったこと言っちゃったんだろう。
    アイドルに戻れるのかすら分からなかったから、凄く怖かった。
    それなのになんで美鈴にあんなこと言っちゃったんだろう…
    私はもう、美鈴がいないと生きていけないかもしれないのに…
    それに、美鈴も納得していそうだったけど、本当は絶対美鈴も私を求めてるのかな?
    そんなことを考えていた時だった。
    病室のドアが開いて、見覚えのある人が入ってきた。

  • 12二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 20:51:12

    「………美鈴」
    「………まりちゃん」
    「来てくれたんだ」
    「まりちゃん、あなたが病院にいる間、わたしはずっと、とても寂しかったです。まりちゃんのいない生活が、ここまで辛いとは思っていませんでした。わたしは、まりちゃんと、ずっと2人でいたいです。まりちゃんがいないと、わたしは生きていけません。だから、怪我が治るまで、まりちゃんの面倒を見ていたいです」
    「美鈴………」
    「それに、まりちゃんも、本当は怖いのでしょう?わたしが欲しいのでしょう?今度はまりちゃんの番ですよ。わたしに全部、ぶつけてください」

  • 13二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 21:07:11

    「あのね、美鈴。私、今日までの間、凄く怖かった。あの時の言葉は、凄く強がってた。1人がここまで辛いなんて思ってなかった。本当は、ずっと美鈴と一緒にいたかった。私も、美鈴がいないと生きていけないんだと思う。だから、美鈴、私のそばにいて。これ以上、私を1人にしないで」
    「まりちゃん………」
    「美鈴、骨折しても、強がっても、私を見捨てないんだ。」
    「当然ですよ。まりちゃんのことは、絶対に見捨てません。だってわたしたちは、お互いに照らし合って、埋め尽くしあっているんですから」
    「美鈴………!」「まりちゃん………!」
    わたしは自然と、涙がこぼれていました。でも、それは、まりちゃんも同じでした。
    わたしたちは、2人で抱き合って、たくさん泣きました。

  • 14二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 21:25:34

    それからわたしは、毎日病院に行って、まりちゃんのお世話をしています。
    偶然なのかもしれませんが、お世話を初めてから、まりちゃんが退院出来る日が早まりました。
    そして、ついにまりちゃんの退院の日がやってきました。
    「やっと、初星学園に、アイドルに戻れるんだ」
    「ええ。ここまで本当に、長かったですね」
    「でも、最初予定より早く退院できたのは美鈴のお陰だよ」
    「どういたしまして。まりちゃん、1つ提案があるんです。まりちゃんが復帰するステージは、わたしと2人で上がりませんか?」
    「言われなくても、私もそのつもりだよ。だから、今日からリハビリ頑張るから、美鈴も手伝って、私がなるべく早く、ステージに上がれるように」

  • 15二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 21:42:18

    「はい、もちろんそのつもりですよ。ただ、もう無理だけはしないでくださいね?」
    「分かってる。もう怪我なんてごめんだから。でも、美鈴も、サボらないでね?」
    「ええ、まりちゃんのためなら、わたしも少しだけ、早歩きしましょう」
    そして、ライブ当日がやってきました。
    「自分でも信じられない。あの骨折から、ここまで早くステージに上がれるなんて」
    「それも、まりちゃんがリハビリを頑張ってきたからですよ」
    「美鈴が私をサポートしてくれたお陰だよ。本当に、ありがとう」
    「まりちゃんのお陰でわたしもやる気になれました。本当に、よく頑張りましたね」
    「美鈴、これからも私たちはずっと照らし合って行こう」
    「まりちゃん、わたしとあなたでもっと深く、お互いを埋め尽くし合いたいです」
    わたしたちは手を繋いで、ステージへと向かって行きました。
    END

  • 16二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 21:45:44

    以上です。
    百合書くの初めてなんですけど、シリアス系がやっぱり好きなんでこういう感じになりました。割とヴァンパイアの人に影響は受けてますね。
    次回何書こう、またダイスで決めようかな?

  • 17二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 21:50:07

    次回はdice2d14=12 4 (16) で書こうと思います

    書きずらい組み合わせだったら2枠目を変えます。13か14を引いた場合は???

    ちなみに私はこの辺の作者です。

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  • 18二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 21:50:44

    ヴァンパイアです
    乙でした
    最初からずっと見てたんですけどめっっちゃ好きです
    ハピエンで終わって良かった

  • 19二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 21:53:17

    星南と麻央か

    2人メインかもしくは3年組として書きます

    >>18

    まさか見てくれてるとは。またあなたの百合SS待ってます

  • 20二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 21:54:57

    >>18

    あなたのおかげであにまんでも百合が増えたと思うんだ

    本当にいつもありがとう

  • 21二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 23:12:51

    >>18

    おお、あにまん三大文豪のひとり、ヴァンパイアPじゃないですか

    新作待ってます

  • 22二次元好きの匿名さん25/10/05(日) 23:28:31

    >>21

    あにまん三大文豪……そんな仰々しい称号をいただけてありがたい限りですね…

    今私生活が忙しくて、それと同時にイラストの勉強もしてるので新作はもう少し先になると思います

    なのでスレ主さんのようにてまみす、もといに百合スレを書いてくださる方に感謝です

  • 23二次元好きの匿名さん25/10/06(月) 08:18:15

    素晴らしいてまみすの波動を感じました

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