もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart27

[1 二次元好きの匿名さん 25/10/06(月) 22:45:12]

アグネスが士官学校（ザフトアカデミー）卒業後、親のコネでミネルバに着任し、ルナマリアが入れ替えに月軌道艦隊に着任したいたら…、という何番煎じかわからないSSの27スレ目です。

同時多発攻撃に対応すべくカスピ海を発ったアグネス、テルメズ攻防戦の終結を以て彼女達の長い夜は漸く明けようとしています。

トルキスタン地域3都市に押し寄せたブルーコスモスゲリラはミネルバの奮戦により退けられ、国境の要所テルメズの連合軍も対ロゴス同盟軍に降伏しました。中央アジア戦線崩壊の危機は一先ず遠退いたように思われます。

ユーラシア連邦から独立を図る中央アジア各国政府はどうにか急場を凌ぎ、南方からの友軍を迎えようとしています。一先ずこの戦いは『ザフト・対ロゴス同盟側の勝利』と言って差し支えないでしょう。

しかし、同盟側の被害も甚大なものです。

各国の交通の要所たる4都市何れも深刻な被害を受け、テルメズ攻防戦に参戦した汎ムスリム会議軍は甚大な損害を被りました。東奔西走したグラディス提督以下パイロット隊・乗員の疲労も限界に達しています。

ブルーコスモスゲリラが跳梁跋扈し、カザフスタン地域北部を地球連合の大軍が席巻する中、中央ユーラシアの混沌が収まるまで道は長いように思われます。本来の任務も抱え、ミネルバは何処に舵を切るべきなのでしょうか。

おつきあいをいただければ。

[2 二次元好きの匿名さん 25/10/06(月) 22:56:07]

前スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart26｜あにまん掲示板

1スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たら｜あにまん掲示板

2スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart2｜あにまん掲示板

3スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart3｜あにまん掲示板

[3 二次元好きの匿名さん 25/10/06(月) 22:58:43]

4スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart4｜あにまん掲示板

5スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart5｜あにまん掲示板

6スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart6｜あにまん掲示板

※落としてしまった7スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart7｜あにまん掲示板

再建てされた7スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart7（再立）｜あにまん掲示板

[4 二次元好きの匿名さん 25/10/06(月) 23:00:54]

8スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart8｜あにまん掲示板

9スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart9｜あにまん掲示板

10スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart10｜あにまん掲示板

11スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart11｜あにまん掲示板

[5 二次元好きの匿名さん 25/10/06(月) 23:02:54]

12スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart12｜あにまん掲示板

13スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart13｜あにまん掲示板

14スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart14｜あにまん掲示板

15スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart15｜あにまん掲示板

[6 二次元好きの匿名さん 25/10/06(月) 23:05:03]

16スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart16｜あにまん掲示板

17スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart17｜あにまん掲示板

18スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart18｜あにまん掲示板

19スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart19｜あにまん掲示板

[7 二次元好きの匿名さん 25/10/06(月) 23:07:27]

落としてしまった20スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart20｜あにまん掲示板

再建てした20スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart20（再建て）｜あにまん掲示板

21スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart21｜あにまん掲示板

22スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart22｜あにまん掲示板

[8 二次元好きの匿名さん 25/10/06(月) 23:09:50]

23スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart23｜あにまん掲示板

24スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart24｜あにまん掲示板

25スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart25｜あにまん掲示板

[9 二次元好きの匿名さん 25/10/06(月) 23:25:58]

たておつです
ブルコス側が自爆テロ起こすとはね
余計な事してくれたもんだ

[10 二次元好きの匿名さん 25/10/06(月) 23:26:46]

とりあえず、保守～！

[11 二次元好きの匿名さん 25/10/07(火) 00:41:43]

着陸支援を黙々とこなす。ヘリコプターは30機目、空港周辺には2個中隊の歩兵が展開している。
テルメズ司令部は別動隊が占拠済みだ。ミネルバはマザーリシャリーフを北上、アムダリヤ川左岸上空に達している。

タリア「ご苦労だったわね。アグネス、ルナマリア、ショーン、デイル。後はヴェステンフルス小隊と汎ムスリム会議軍に任せて良いわ。帰投しなさい」

コックピット回線から新たな指示が届く。ハイネ先輩達より私達の方が疲労を溜めていると言うご判断ね。

アグネス・一同「了解！」

返事と同時に緊張が途切れかける。いけない。帰艦するまで気を抜くな！

メイリン「両カタパルトハッチ開放。要員待機。レジェンド、インパルス着艦どうぞ」
アグネス「レジェンド、着艦します」

私とルナマリアはカタパルトから、ショーンとデイルは甲板エレベーターから帰艦する。
全機、全員生存、本当に良かったわ。数万人が平気で蒸発する戦場を駆けたからこそ、猶更そう思う。

アグネス「（まあ、それは良い。良いとして…。私はもう、へろへろのくたくただ。意識落ちそう）」

もう少し頑張れ。機体をハンガーに。昇降機に看護師さんとヨウランが乗り込んでいる。
見っとも無い所は見せたくない…。散々見せているから今更か。コックピットを開放！

看護師「アグネスさん、ご無事で良かった…」、ヨウラン「お疲れさん。いや、本当凄いぜ」
アグネス「ありがとうございます、看護師さん。ヨウラン、お疲れさま。あんたも凄いわよ」

挨拶を交わし、車椅子に移してもらう。昇降機が降りるや即、バイタルチャック。
―体温・脈拍・血圧－看護師さんが渋い顔をしている。まあ、止む無し。

看護師さん「第二医務室に先生がお持ちです。さぁ！」
アグネス「はい。お願いします」

[12 二次元好きの匿名さん 25/10/07(火) 08:04:38]

保守

[13 二次元好きの匿名さん 25/10/07(火) 16:11:32]

もうベッドに縛りつけとこうぜ！

[14 二次元好きの匿名さん 25/10/07(火) 23:45:04]

看護師さんに車椅子を押され、慌ただしく格納庫を後にする。

アグネス「あの…その…。もうちょっと皆と話したいのですが…。パイロット隊の皆とも…」
看護師「明日お話ししましょう。身体あってこそですよ！」

少し強い口調で注意を受ける。車椅子の上から覗く彼女の表情は心配そのものだ。意地悪で言っているのではない。

アグネス「（そう言えばドクターストップを受けていたわね。上から押し切られたけど。仕方ないわ。仰る通り、ルナマリア達と健闘を称え合うのは明日するのが賢明ね）」

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ！ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ―ゴロゴロゴロゴロゴロ！

エレベーターから通路、第二医務室まで。看護師さんの車椅子捌きはパワフルだ。

彼女の気持ちを推察するに『患者を一刻も早く休ませよう。彼女が厄介事を押し付けられる前に』と言った所だろう。ありがたいご配慮だ。

医務室に到着！自動扉よ、『開け胡麻！』

アグネス「ただいま戻りました」
主治医「アグネスさん！良くぞ、ご無事で。うーん…。ちょっと診て見ましょう」
アグネス「お願いします」

満面の笑みで迎えられたかと思えば、即、難しい顔をされる。人の心の動きは忙しない。

主治医「バイタルは…ふーむ。悪いですね。痛かったり気持ち悪かったりする箇所は有りますか？」
アグネス「全体的に気持ち悪いです。くらくら眩暈がします。心臓の調子もおかしいかも。出撃した以上、当然ではありますが…。不思議と足は痛くありません」
主治医「それは―良くないですね。アグネスさん、貴女、突然死寸前ですよ」

怖い事を言われてしまった。確かに、毎日、脳内麻薬大分泌で危ういとは思っていた。

[15 二次元好きの匿名さん 25/10/08(水) 00:45:36]

アグネス「（此処で死んだら大損よ。私は上に行く人間なのだから！しっかりしろ、アグネス・ギーベンラート！）」

一通り問診が終え、ごろんとベッドに寝かされる。赤ちゃんに戻った気分だわ。

看護師「点滴、チクッとしますね。栄養剤と抗炎症剤、鎮痛剤、睡眠薬が入っています。しっかり休んで下さいね」
アグネス「はい。ふぁーぁ…」

点滴が討たれた直後、意識が暗転する。全身の力が抜け、身も心もベッドに沈んで行く。

アーサー「本艦は此れより大気圏を離脱する。総員、衝撃に備えよ」

靄の向こうで艦内放送が聞こえる。ベルトが巻かれた気配がする。為すがままだ。当分、起き上がれそうにない。

―どれぐらい経ったのだろう―
パチリ！意識が浮き上がる。スッキリした目ざめだ。薬がしっかり効いたのだろう。

看護師「ああ。アグネスさん、おはようございます。
アグネス「看護師さん…。おはようございます」

毛布の中をモゾモゾ動く。此処は何処であれから何時間立ったのだろう？

アグネス「此処は…。えーっと…あれから…」
看護師「ガルナハン沖です。12時間経ちました。しっかりお休み出来ましたね」

そう言われ、肩を動かして見る。本当だ。軽いわ。微笑みを交わし合う。

アグネス「はい。大分楽になりました。ありがとうございます」
看護師「いえいえ」

一先ず自分のことは分かった。周囲はどうなったのだろう？今どういう状況なのか。時差ボケが凄いわ。

[16 二次元好きの匿名さん 25/10/08(水) 08:54:03]

保守

[17 二次元好きの匿名さん 25/10/08(水) 09:33:38]

保守

[18 二次元好きの匿名さん 25/10/08(水) 16:58:03]

身も蓋もない突然死寸前宣言ェ…

[19 二次元好きの匿名さん 25/10/08(水) 19:53:07]

コーディネーターかつ20にもなってないのに突然死寸前って相当だぞ…

[20 二次元好きの匿名さん 25/10/08(水) 21:47:00]

睡眠薬も入っていたとはいえ、半日ぐっすりはマジでまずいって

[21 二次元好きの匿名さん 25/10/09(木) 02:47:17]

看護師「じゃあ、先生をお呼びしますね」
アグネス「その前にお伺いしたいことが…ミネルバは今、どうなっていますか？艦内外の状況を教えていただければ」

私が身を起こして尋ねると、看護師さんも目線を合わせてお答えくださる。

看護師「ガルナハンに戻り、午後に火力プラント部品の供与式典が挙行されました。部品の引き渡しも完了したと」

何と！
『ガルナハン市に新型火力プラントの部品を引き渡すこと』はカスピ海行きの任務の一部。まさか寝ている間に達成されているとは思わなかった。

アグネス「肩の荷が一つ下りました。立ち会えなくて残念ではありますが」
看護師「実はアグネスさんを起こすべきか相当迷いました。最終的には先生のご指示でそのままに…」

気まずそうに事情を伝えてくれる。責めたくて言った訳ではない。ただの愚痴と言うか感想よ。

アグネス「変なことを言って申し訳ありません。適切なご判断と思います。無理して顔を出しても仕方ありません」
看護師「そう言ってもらえると助かります。パイロット隊代表はアスランさんがお務めに。現地の人達は、それはもう喜んでくれて―」

ああ…そう言えば、ガルナハン戦時、パイロット隊の最上位はアスランだった。
ハイネ先輩は未だ合流していなかった。ルナマリアは月戦線に居た。

アグネス「（思い返すと不思議な気分ね。半年も経っていない出来事が10年以上前のように感じるわ。動乱の時代とはそう云うものなのだろうけど。あの頃は気楽だった、何て言ったら怒られてしまうかな？）」

センチメンタルな気分になり掛けていると、次の爆弾が投げ込まれる。

看護師「それと…。グラディス提督が式典後、過労で体調を崩されまして」
アグネス「ええ！？」
看護師「先ほど、第一医務室から艦長室に移られて。お休みされています」
アグネス「ああ…。なるほど。うーん」

[22 二次元好きの匿名さん 25/10/09(木) 08:43:02]

そういえば以前も議長に振り回された挙句過労死寸前で入院していましたね提督
ここのタリアさんはメサイアで心中せずとも身体を壊して儚くなってしまいそうで...

[23 二次元好きの匿名さん 25/10/09(木) 11:21:24]

本当に、なんなのこの過労死チキンレース……

[24 二次元好きの匿名さん 25/10/09(木) 19:57:57]

うーん、これは何人か（アグネスと提督はほぼ確定かもしれん）は戦後長期入院待ったなしになるのでは？

[25 二次元好きの匿名さん 25/10/10(金) 00:14:35]

保守

[26 二次元好きの匿名さん 25/10/10(金) 03:21:45]

突然の報を受け、思わず、自分の胸元に視線を落とす。

アグネス「（どんな反応を返せば良いか…。分からない。まさか『何時かこうなると思っていました』と言う訳にも行かない。私も他人の事をあれこれ言えるような状態じゃない）」

でも、看護師さんは心配されているはずよ。艦と己の身命、両方とも危ないのだから。

アグネス「（出来れば『ご心配なく』と言いたい所だけれど―。不用意なことは言えない。指揮官の健康問題は士気に直結する。正直、私も不安だわ。何て言おう…）」

迷いながら彼女に視線を遣る。すると何かを察したかのように彼女は続ける。

看護師「でも、早めに分かって良かったです」
アグネス「え？」
看護師「式典後、提督ご本人から受診して下さいました。トライン副長に勧められたと」
アグネス「グラディス提督から…」
看護師「はい！何かあってからでは遅かったです！」

えへん、と腰に手を遣る彼女のポーズ、何だか面白いわ。確かに医療従事者としてはそうかも。

でも少し意外な印象を受ける。グラディス提督はご自身の弱みを人に見せるのが苦手な人だと思っていた。
医療班は例外かな。軍内でも特殊なポジションだし、以前、倒れたこともあったから。

アグネス「（あるいは『タリア・グラディス』の中で何かが変わったのか…。きっとそうであって欲しい。ご本人にとってもご子息の為にも。過去は過去、未来は未来、今は今よ）」

世界の在り様も町の形も変わるなら、人の心の内も変わったって良い。『私がそうであるように』何て言ったら不遜かな。

さて、話は大体わかったわ。ササっと制服に着替えよう。このまま寝ているのは性に合わないわ。

[27 二次元好きの匿名さん 25/10/10(金) 05:57:45]

ブルーコスモス「物量で攻め続けろーー」

[28 二次元好きの匿名さん 25/10/10(金) 12:26:00]

☆　

[29 二次元好きの匿名さん 25/10/10(金) 13:34:08]

>>26

＞さて、話は大体わかったわ。ササっと制服に着替えよう。このまま寝ているのは性に合わないわ。

寝ていなさい！いいから寝ていなさい！！貴女は未だに重傷者なの！！！（医療関係者一同）

[30 二次元好きの匿名さん 25/10/10(金) 14:59:33]

＞さて、話は大体わかったわ。ササっと制服に着替えよう。このまま寝ているのは性に合わないわ。

良いから寝なさい！！

[31 二次元好きの匿名さん 25/10/10(金) 18:40:41]

>>29

なんならアグネスだけじゃなくてタリア含めた他のミネルバクルーにも大人しく寝とけって言いたい立場だろうなぁ

ギルが失脚してもミネルバの労働環境は改善されません！

[32 二次元好きの匿名さん 25/10/11(土) 04:23:42]

そうだわ。良い事を思いついた！

アグネス「看護師さん、一人で制服に着替えられるか、試しても良いですか？」
看護師「今日は待って下さい。次のステップは体力が回復してからにしましょう」

きっぱり断られてしまったわ。そろそろと思ったのだけれど、まだ無理みたいね。

看護師「でもナイスファイトですよ。明日以降、頑張りましょうね」
アグネス「ありがとうございます。頑張ります」

確かに疲れが抜けきっていない。無理しても碌なことにならないわ。一歩ずつね。
考えを改め、大人しく介助を受ける。スカートは看護師さんに履かせてもらう。自分でも動けるだけは動くけれどね。

看護師「それと別件で。ミネルバを訪問中のお客人－ガルナハンの元レジスタンスの少女－より言付けが。『心よりお見舞いを申し上げます。早期の体調回復を祈念いたします』と」
アグネス「元レジスタンスの少女…。ミス・コニール！ミネルバに乗艦しているのですか？」

勢い込んで尋ねる。浅黒い肌の少女の勝気な顔が瞼の裏に浮かぶ。

看護師「式典後、交流会がミネルバ甲板で開かれまして。今はアスランさん達とご一緒と思います」
アグネス「そうでしたか…」

元気にしているだろうか。余計なお世話かも知れないが―会いに行きたい。せっかく制服に着替えたのだ！何を話すでもない。でも彼女の『その後』を知りたい。知っておかなければいけない気がする。

私達はカスピ海の辺、南コーカサスを舞台に世界に向けヒーローショーをして見せた。プラントの国益の為、ミネルバは『解放者』になる必要が有った。それはそれで良い。国家戦略的に必要な事だった。戦争は力だけでは勝てない。

アグネス「（でも、『君達は自由だ』と言ったきりで放置を決め込むような人間になりたい訳ではない。個人的な感傷だけではない。戦略的に考えても赤点になる。だから我等は再びこの地に来たのだ）」

『お久しぶりです。今後のご多幸をお祈り申し上げます』くらいは自分で伝えるべきだ。戦友としての礼儀であろう。

[33 二次元好きの匿名さん 25/10/11(土) 13:33:13]

保守

[34 二次元好きの匿名さん 25/10/11(土) 22:03:36]

懐かしいキャラの再登場来たな

[35 二次元好きの匿名さん 25/10/12(日) 03:36:26]

今日はお休みします。明日の夜に続きを書き込みます。

[36 二次元好きの匿名さん 25/10/12(日) 06:15:21]

アグネス、義理堅くなったなぁ（小並感）。しかし無茶するなよ？

[37 二次元好きの匿名さん 25/10/12(日) 14:47:54]

>>35

お待ちしてます

[38 二次元好きの匿名さん 25/10/12(日) 23:14:52]

保守

[39 二次元好きの匿名さん 25/10/12(日) 23:37:14]

私の業務用デバイスから、取り急ぎアスランにメールで一報入れる。『差し支えなければ、私もミス・コニールにご挨拶に伺いたい』と。艦内通信は繋がらなかった。

当人同士、会っている最中だから仕方ない。私から直接向かおう。いざ！電動車椅子へ。

アグネス「看護師さん、甲板に向かいます。先生によろしくお伝えください」
看護師「よろしくありませんよ！もうッ！その前にバイタルチェックです」

看護師さんは前のめりな私を引き留め、何時も通り体温・血圧・脈拍をチェックする。結果次第では外出できない。自分の身体はどうなっているのか。ハラハラする。

看護師「それと水分補給を。これ、飲んでください。栄養も入っているので」
アグネス「あ…。ありがとうございます」

差し出された栄養補給飲料の受け取り、ゴクゴク飲む。パワーが漲って来た！

看護師「うーん、これなら。ちょっと出るぐらいなら…。先生なんて言うかな…。仕方ありません！私も一緒に向かいます」
アグネス「ありがとうございます。お願いします」

良かった。普通に回復しているじゃない。今度こそ、電動車椅子の操縦は自分で出来る。

パタパタパタパタ！パタパタパタパタ！パタパタパタパタ！

私達が右舷甲板に上がると、ちょうど艦橋裏のヘリポートから大型ヘリコプターが発進するところだった。

パタパタパタパタ！パタパタパタパタ！パタパタパタパタ！パタパタパタパタ！

あの場所が目的で使用されるのは珍しい。何時もモビルスーツの足場にしていた。そして、このタイミングでヘリが出ると言うことは…。

アグネス「（交流会が終わって、ガルナハン市民代表をお送りしている所か。ニアミスしちゃったかな？）」

―連絡が届いて居れば、いや、そもそも急な事だった。止むを得ない―。

[40 二次元好きの匿名さん 25/10/12(日) 23:54:29]

メイリン「アグネスさーん！」、シン「おーい！アグネス！」

声がした方に目線を遣る。夕闇に沈んだ空、大きく手を振るメイリン、片手に自分用のデバイスを持っている。傍にシンとアスラン。―そして―ミス・コニール！元気そうね。彼女も手を振ってくれている。
私も遠目にアスランと敬礼を交わし、皆に手を振って応える。

アグネス「お持たせしました！今、そちらに…」
アスラン「俺達が行く！そこで待って居てくれ」

上官（？）を呼びつけるとは、怪我もしてみる物ね。こうして月明りの中、再開が叶う。看護師さんは初対面ね。

アグネス「今晩は。お久しぶりです。ミス・コニール。お変わりはありませんか？」

丁寧に話しかける。ここはしっかり決めないといけないところ。

コニール「あ…ああ。こんばんは。特務隊アグネス・ギーベンラート。元気にやっているよ。あんたは…。大変そうだな。大丈夫か？」
アグネス「見かけほどは…。ご心配には及びません」
コニール「そ…そうか」

良し！挨拶ノルマ完了、もう口調は崩して良いだろう。あれ？『特務隊アグネス・ギーベンラート』とな。

アグネス「おお…。ガルナハンまで特務隊就任が伝わっているとは！」
コニール「知っているよ。『月光のワルキューレ』って二つ名も」
アグネス「広報局、凄い！」

デュランダル議長の手先と敵視していた機関を思わず褒めてしまったわ。大したものだ。もっとも、ガルナハンはプラント陣営みたいなもの。それに月戦線以降が大変過ぎて『月光の』と言われてもピンと来ないが…。まあ、良い。

アグネス「時間は？迎えのヘリコプターは大丈夫なの？」
コニール「私は後発だから、少しは。会えて良かった…。本当に」
アグネス「こちらこそ。貴女の事もガルナハンの事も、ずっと気になっていたわ」
コニール「そうか…。ありがとう」

[41 二次元好きの匿名さん 25/10/13(月) 09:46:59]

保守

[42 二次元好きの匿名さん 25/10/13(月) 19:11:32]

ほしゅ

[43 二次元好きの匿名さん 25/10/14(火) 04:12:31]

今日はお休みします。明日の夜に続きを書き込みます。

[44 二次元好きの匿名さん 25/10/14(火) 12:27:55]

保守

[45 二次元好きの匿名さん 25/10/14(火) 21:57:46]

保守

[46 二次元好きの匿名さん 25/10/15(水) 03:06:39]

ミス・コニールに笑顔でお礼を言われ、内心胸を撫で下ろす。

プラントは『現地の民の味方』のままで居られたようだ。少なくとも彼女にとっては。

本当は不安だった。

『地球連合軍統治下の方が良かった』、『地球連合もプラントも結局同じ』と思われていたらどうしようと。杞憂だったみたいね。彼女はちゃんと恩義を感じてくれている。

アグネス「どういたしまして。いろいろ大変だったでしょう？」
コニール「うん。でも、それはそっちもだろう？」
アグネス「まあ、そうね」

大変どころでは無かったし、現在も大変だ。でも、それはお互い様だろう。二人して『やれやれ』とジェスチャーをする。不思議な友情を感じるわ。

アスラン「ふ…」、メイリン「ふふふ…」、シン「はぁ―」

周囲の人間の反応は気にしてはいけない。幸い空気自体は悪くない。

コニール「あの後、月の戦いがあっただろう？レクイエムなんて兵器が出て来て。デストロイも。本当に世界はどうなるんだろうって。私達は見ている事しかできないから」

そう言えば、レクイエム・ダイダロス基地攻防戦は世界中継されていたか。デュランダル議長め、上手いことやってくれたものだ。お陰で助かっているわ。

いや、あれもこれもマッチポンプの疑い濃厚だったわね…。諸悪の根源よ、あの男。全く助かっていないわ！ともあれ、返事を。

アグネス「そうね。心配してくれてありがとう」
コニール「いや…。西ユーラシア政変もあったし、カスピ海とコーカサス山脈の向こうは戦場だから。他人事じゃないっていうか…」

ミス・コニールは『いろいろ』の部分をもう少し話したいらしい。