- 1二次元好きの匿名さん22/04/27(水) 02:04:17
ある日のトレーニング前、予定時刻より少し早めにトレーナー室にやって来たウオッカが唐突に質問を投げかけてきた。
「なぁ相棒、確か海外に住んでたことあるんだよな?」
「? ……ええ、イギリスに10年程」
「じゃあさ、当然英語はペラペラなんだよな?」
最初は意図が分からなかったが、少し気恥しそうにしている彼女の様子を見て察した。
「なるほど、英語の勉強を見て欲しいのですね?それならそうと最初から言えば良いのに……。尤も、そういう所が可愛いのですが」
「かっ、可愛いって言うなっていつも言ってるだろ!?恥ずかしいからやめ――っ?!」
顔を真っ赤にして捲し立てる様が却っていじらしかったので、私は彼女に詰め寄ると唇にそっと人差し指を当てた。動きを止めたその唇は普段の荒々しい口調とは裏腹に、小ぶりで柔らかくて、綺麗な桜色をしている。
常々「カッコいいウマ娘になりたい」と語っており実際に少しずつカッコ良さに磨きを掛けている彼女だが、本質的な部分はまだまだ可愛らしい少女である。そしてその可愛らしさは、担当トレーナーである私だけが知っている……そう思うと、柄にもなく血が騒いでしまうのだ。
「褒められたら素直に喜ぶことも、レディの嗜みですよ?」
そう囁く私のことを、彼女は顔を更に赤くして呆然と見上げていた。
……だがここまで書いてふと思ったんだ、なんかコレジャナイ気がすると。