【閲覧注意】俺は闇のトレーナー

  • 1二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 00:22:24

    生まれも育ちもロクなもんじゃない
    幸い小賢しい程度には頭は悪くなかった
    だから勉強してトレーナーになった
    金なんてなかったから大検とって大学なんか行けなかったから独学でトレーナー免状を獲った
    それでも経験も実力も実績もあるわけじゃない
    だから口八丁でだまくらかすように担当契約を結んだ
    特に優しく 時に寄り添うように 時に一生添い遂げるかの如く
    実績つんで金になればそれでいい
    そのために他人を騙すことに心が痛む? 良心?
    そんなものは親の腹のなかに置いてきた
    いや……俺が腹の中にできる前からそんなものありゃしない
    こいつらを利用して俺はのしあがる

  • 2二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 00:32:29

    4人の担当になってわかった事がある
    こいつら全員クセがつよい
    距離感も近い
    スーパークリークなんか隙あらば俺を抱っこしようとする
    サクラローレルは俺が女慣れしてないとわかるとからかってくる
    ジェンティルドンナはベタベタはしてこないが俺に金属球を握りつぶせとか言ってくる
    カレンブーケドールは一見大人しく優等生に見えるがふと気がつくと背中側から俺を抱き寄せてる
    甘くて良い匂い…眠くなってくる…幸せ…
    とは言え多少我がつよかったりクセが強いほうが競争では有利だろう
    クリークは体調…というより調子の良し悪しの良しを待たせるべき
    ローレルが一番足元は弱いのだろう、プールや坂路で自分の心臓、心肺を意識させトレーニングの充実を感じさせる
    ジェンティルドンナは彼女の自主性に任せつつこちらから提案する形でトレーニングを誘導する
    筋量が増えてスピードが落ちないよう留意すれば彼女のセンスにまかせていい
    ブーケはまず自信をつけさせるべきだろう、才能・基礎能力は他の3人にも負けてない。 自分ががむしゃらに勝ちをもとめれば一流にも勝てる事をまず自信をつけさせ覚えてもらう

    こいつらの成績実績が俺の一生の食い扶持になる
    楽して稼ごうとは思ってないが世の中金だ
    金があれば幸せなんて言わないが――金がないと不幸だ
    幸せも逃げる、不幸がまいこむ
    だから金だ
    世の中は金だ
    こいつらはそのための金のなる木だ
    俺はクリークに差し出されるサンドイッチに食らいつきながら気を引き締めた

  • 3二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 00:34:45

    甘くて良い匂い…眠くなってくる…幸せ

    おいおいおい終わったわこいつ

  • 4二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 00:37:39

    もう既に取り込まれつつあるじゃねーか
    まあ、この4人育ててたら絶対食いっぱぐれないところはある

  • 5二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 00:39:53

    (心に)闇(を持ってる)のトレーナー

  • 6二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 00:41:17

    だまくらかすとは言ってるがクリークとローレルとブーケは「ほっとけないなこの人」で契約してそう

  • 7二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 00:45:33

    サクラローレルの大目標はシンプルでわかりやすい
    最強ウマ娘ナリタブライアンを倒して凱旋門賞を勝ちたい
    一方スーパークリークの目標はコレ以上なく曖昧だ
    みんなを笑顔にしたい、誰かに勇気を与えたい、自分の担当になってくれた俺を喜ばせたい
    ジェンティルドンナは誰もを打ち破る『強者』である事、その証明
    カレンブーケドールはレースを一生懸命走れればそれでいい

    一見ジェンティルドンナの目標は明確なようでとても曖昧だ
    強者である証明とはどうすればよいのか、イメージしやすいのは春秋グランプリの宝塚・有馬記念
    それともクラシック三冠だろうか
    いや、ならばもっとわかりやすいものでいい、ジェンティルドンナらしく
    俺はジェンティルドンナにティアラ三冠を提案する
    最強の王道のクラシック三冠でない理由は簡単だ
    クラシックに集う強者をクラシックで勝手に争ってもらう
    そこでクラシックを勝った真の強者――そいつを、そいつらをシニアグランプリ、王道路線で打ち破る
    皐月賞勝利者を大阪杯天皇賞・秋で ダービー勝者を宝塚記念で 菊花賞勝者を天皇賞春で
    その方がよほど【強者】にふさわしい、万人が納得する
    その言葉にジェンティルドンナは愉快そうに、満足そうに笑った
    俺ならそれをさせられるとドンナに言い切って
    内心では鼻で笑う
    もしそれが出来なくても俺には最低限の実績が残る もしできれば最高、そうでなくてもこの路線ならジェンティルドンナの実力ならG1を1勝2勝は固い
    ジェンティルドンナのやる気をあげるためなら俺は彼女が求めるであろう言葉を吐くし彼女を全身全霊で支える
    そこに愛情がなくてもそれがトレーナーのしごとなのだろう
    良心? 良識?
    そんなものがあるなら俺みたいな人間は生まれてない

  • 8二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 00:46:39

    クリークローレルブーケはたぶんどっかしらで結託してトレーナーの闇を浄化しようとする
    ドンナは参画しないが止めもしない

    トレーナーが意固地になって自らの闇にしがみつき、クリークローレルブーケに自らの闇をさらけ出すように暴言をはいた時に初めてドンナが動きフィジカルとメンタル両面で完膚なきまでに叩きのめす

    心身ボロボロのトレーナーをクリークローレルブーケが癒し、今度こそ浄化に成功する……といったところか

  • 9二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 00:57:23

    皆の笑顔のために走りたい
    俺が一番理解できない理由と目標をニコニコしながら挙げたのはスーパークリークだ
    元々は別トレの所属だったがあまりにひどいもので声をかけた

    ――そんなんで走っても逆効果だから1ヶ月ぐらい休んだらどうだ

    誰かのため、他人のため、担当トレーナーのため
    一番くだらない理由で走っていた。 だから自分の体調も本質も状況も理解出来てない
    明らかにオーバーワークだし脚ではなくおそらくは内臓疲労からくる過労
    元々脚ではなく体質が弱いのだろう
    だからクリークの担当トレーナーにかけあって強制的にでも休ませるべきだと頼んだところ担当トレーナーは激怒
    そりゃそうだ、新人のクソみたいな男に突然担当のトレーニングに口出しされたのだから
    プライドが傷つくのも当然だしこんな無礼な男に口出しされるいわれはないだろう
    だが――俺からしたら重賞クラス、いやG1クラスの素材であるクリークを無駄に教科書のようなトレーニングを強要するほうがよほど『勿体ない』 なぜ金の玉子をドブにすてるのか理解できない
    多少口汚く口論をし、強引にクリークの休養を勝ち取って
    そしてクリークに逆スカウトされた
    『放っておけない』と言われたが自分がどのような状況かわからないのに他人の心配とは恐れ入る
    こういうタイプは何か合っても適当に誠実そうにしてればなんでも許すし多少の無茶なローテもこなすだろう
    良いように使えそうだ それに才能は十二分にある、おそらくステイヤーだがハイスピードの先行力は中距離でも通用しそうだ――今は単に調子が上がってないだけなのだから焦らなくて良い
    それとああ、この卵焼きうまいな、甘くて……うんおかわり
    ジェンティルドンナにクラシックではなくティアラをすすめたのも今回は同期にあたるクリークを3000mのある菊花賞に挑戦させたいからだ。
    もしかしたらダービーや皐月賞も好走するかもしれない、間に合えばだが
    ところで「今回は」ってなんだろうな?
    まあどちらでもいい、菊花賞を目標にそこまではゆっくり、ゆっくりでいいのだ

  • 10二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 00:59:16

    ちょいちょい危うい場面こそあれど虚勢を張れているのでドンナ的にもポイント高いですねこれは

  • 11二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 01:06:49

    無自覚に胃袋掴まれかけてるのいいですねいいですね

  • 12二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 01:08:09

    一番『勿体ないな』と思ってこちらから積極的に声をかけたのはブーケだ
    才能、素質は超一流だが控えめな性格のせいかポジショニング争いが原因の敗走が多い
    無茶に突っ込む、多少のぶつかり合いを歯ぁ食いしばって耐える、はねのける
    それぐらいの根性と性格の悪さ強さがなければ戦えない
    とはいえ性格の問題なのでここをどんな理屈で言いくるめてもレースではなんの役にも立たない
    ならばしっかりと戦ってもらおう――鬼婦人ジェンティルドンナと
    徹底してジェンティルドンナと並走させる
    残念ながら逃げのスピードを維持できるほどの筋持久力はない。バ群とポジショニングの問題なら逃げに転向すべきだがおそらくブーケのスピードを一番活かせるのは先行だ
    ならば最も「強い」先行能力をもつジェンティルドンナとガンガンにやりあってもらう
    最初は涙目だったブーケもドンナとの交流も含め、遠慮なく戦って良い事を覚えてきた
    もちろんジュニアですら鬼婦人と言われるドンナとぶつかり合いで勝てるわけはないが――そのメンタルがあれば十分だ
    あとは多少格下の連中と模擬レースを組んで……たった一言
    「あいつらは来年クラシックでドンナのライバルになる強者たちだ」
    と適当に嘘をつく
    模擬レースでバ群に揉み負けず走ったブーケを最大限の笑顔で称賛する
    あれだけの猛者相手に一歩も譲らなかったことを勝利そのものより褒める
    嘘、虚言、世辞、だまくらかし
    それだけでブーケは戦える
    これならメイクデビューも安泰だろう……次のカモたちが集まる模擬レースをチェックしなければ

  • 13二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 01:21:37

    サクラローレルは3人より1年早くメイクデビューしたクラシック組
    元々は引退すら考えてたらしい
    ナリタブライアンに憧れ、一緒に走りたいと
    しかし蓋をあければ最強のナリタブライアンを倒したいと
    その時のローレルの表情は俺もゾクリと恐怖を覚えるほどだった
    しかし彼女の脚は脆すぎた。 あまりに弱く才能とスピードはピカイチなのに脚がそれに耐えられない
    ふむふむ
    それは――今までのやり方が間違ってるだけだ
    俺はそういった。 ちなみに何か根拠があったわけじゃない。
    練習風景のそのスピードと類まれなるスタミナは確かにG1級だった
    だから口からでまかせをいっただけだ
    ――壊れるかもしれないならいいじゃないか
    ――引退するぐらいなら――こわれるかもしれないその脚で
    ――俺にG1くれよ 引退するなら脚壊れたらでいいじゃん
    正直ナリタブライアンに勝てるかどうかなんかわからない。 というかそんなのおそらく無理だ
    ジュニアのナリタブライアンは明らかに日本URAの未来を背負って立つレジェンドの片鱗がみえている
    あの独特の走法、すべてをくらい尽くすような豪脚、あの『強さ』は当代ではなく歴史上最強なのではないか
    さらに1世代上のビワハヤヒデより明らかに違う最強にふさわしい強さだ
    でも、そんなのはどうでもいい
    サクラローレルという素質の才能がこのまま引退するのは『勿体ない』
    だから俺ならお前を強くできるとでまかせを言った
    俺ならナリタブライアンに勝たせられる
    そこまで言い切った
    ローレルは結局契約を打ち切って何一つ――実績も才能も誠実さもないクソなトレーナーと契約をした
    ……ブライアンに勝てるとしたら――菊花賞だろうか
    ローレルはそこまで我慢できるだろうか
    それまでローレルには脚に、トモに筋肉をつけて心肺を徹底して鍛えてもらう
    筋肉で徹底して骨を弱い脚を固め補強し――それでもその重さに負けなければ
    菊花賞に――間に合えばいいが

  • 14二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 01:28:52

    トレーナー室
    ソファに座り紅茶を嗜むジェンティルドンナに声を掛けられる
    ――貴方はその椅子に座ってる時――鬼気迫る表情してるわね
    トレーナー室は紅茶の匂い、誰の香水かしらないがやたら甘いいい匂いがする
    そんな中俺がどんな表情をしてるかなんか考えたこともない
    そもそも鬼気迫るといってもそんな感情的になにかをしてるわけじゃない
    ローレルのトレーニングのためにプールと坂路の空きを確保して
    ブーケが気持ちよく勝てるちょうどいいカモが出る模擬レースを探して
    クリークの体質改善になりそうな書籍やレポートを探して
    正直ドンナは一番手がかからない――彼女のトレーニング内容を再確認するだけでいい
    だからそんなに自分が鬼気迫るような顔をしてるという事にピンとこない
    元々そういうムスっとした顔なのだろう。 とはいえそれでは担当達の信用は得られないかもしれない
    君たちの人生とレースに命かけてるんだからそんな顔にもなるかもね
    と俺が答えるとドンナはつまらなそうにため息をついて紅茶に視線をおとすだけだった

    ――貴方に利用されるのは結構。 でも貴方におべっかを使われて喜ぶほど安くありませんわ

  • 15二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 01:34:44

    ――他の子たちはわからないけれど
    ドンナは前置きをしてから紅茶をすすり
    ――貴方が心の底から担当たちの人生のために、レースのためにその身を粉にしてるなんて思ってませんわ。 そんな生易しいモノじゃないもの、貴方のその表情

    ――まるで、自分が人生をかけてレースを走ってるみたい

    俺はタブレットでドンナから顔を隠したまま、そんなことはないよ
    と白々しく答える。 ドンナは元々本質を見抜くような鋭さと年不相応な達観さがある
    だが、もし俺の本性を知ってもなお担当契約を結んでいるのはなぜだろうか?
    簡単な事だとドンナは笑って立ち上がる
    トレーナーの椅子にゆっくりと歩み寄り、そっと俺の頭をその手で撫でて
    ――貴方はこの学園で、一番真剣に生きてるわ。強者としてはそれで十分――素質はね
    なにが強者だ
    生まれも育ちも恵まれてそこから上を目指すのが強者だろうに
    俺は他人を利用して生きるだけの寄生虫だ

    ――それでも、私は貴方が好ましいわ

  • 16二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 01:43:21

    どうやら本性はドンナにはバレてるらしい
    幸い担当契約は解除されないしドンナとの関係も良好ならばそれでいい
    俺は彼女の成績を実績に。 そのために必要な事をするという事はなにも変わらない
    むしろメンタルケアのためにおべっかやお世辞、心にも無い誠意を装う必要もない
    それはとても楽だ
    しかし
    しかしそれは……本当に彼女に『支え』が必要な時、自分はどうすれば良いのか

    後日
    そんな事を悩んでいるとクリークに昼食に誘われる
    テラスのカフェではなくベンチのある噴水でお弁当らしい
    クリークは世話好きで家庭的、料理もできる良妻系――いやお母さん系と言うべきか
    問題はいつでもどこでも「あーん」でお弁当をたべさせようとするところだろうか
    ――はい、手作りのお弁当ですよ
    とベンチで早速あーんをさせようとするクリークを制しようとしてやめる
    クリークはこう見えて気分屋というか、メンタルが競争能力に直結する
    気分が良い時のクリークはまるで翼が生えたような大跳びで軽やかに走るのだ
    悩みが合ったり気分が晴れてないと明らかにその精細を欠く
    だからできる限りクリークが喜ぶように「甘えるフリ」をする必要がある

  • 17二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 01:50:31

    素直にあーんをさせられ、むぐむぐと肉団子を食べる
    甘酢の聞いた優しい味だ、家庭的な料理というのはこういうものをいうのだろうか
    とても美味しい、クリークは料理が上手なんだね
    嬉しそうに満足そうに
    鏡をみて何千回と練習した笑顔を見せる
    クリークは嬉しそうにニコニコしながら他の料理もあーんさせてくれる
    メンタルがトレーニングや競争に直結するというのは
    要は俺のためなら頑張れる、という構図をつくればいい
    そのための茶番ならいくらでも、喜んで
    実際お弁当は美味しい、家庭の味、お母さんの味、そういうのはあまりわからないが美味しいものにはちがいない
    お弁当を食べ終えて
    食休みをしようと思ったら身体を引き寄せられる
    視界がぐるっとまわって――頭が柔らかいものに包まれた
    膝枕……視界は空へ、それをふさぐようにクリークの笑顔が俺を覗き込んでいる
    これも全部クリークのメンタルのため
    俺は甘いクリークの匂いを感じながらウトウトとしてしまっていた

  • 18二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 01:54:18

    (膝からクリークの顔見えるかな…まあ細かいことはええか!)

  • 19二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 02:01:36

    トレーナー室の隣は空室だ
    日当たりがやたらいいそこは空室もエアコンもガスコンセントもある
    そんな空き部屋をそっとあけ、その内側のビニールの膜をくぐる
    むせ返るほどに甘いたくさんの花の匂い
    空き室を利用してDIYで作った温室で花の世話をしてるのはカレンブーケドールだ
    ブーケは俺を見つけると笑顔を向けてくれる
    自信と気の強い部分がつけばバケそうな少女はやはり花に囲まれてるのが好きな乙女だ
    ブーケは今日咲いた花の話を嬉しそうにしてくれる
    花に興味なぞあるわけないがここで育ててる花の知識はインターネットで頭に全部叩き込んでいる
    ブーケのおかげですっかり花に詳しくなった。 副会長…エアグルーヴと多少の花壇談義できる程度には
    クリークとは違う方向だがブーケもメンタルケアが重要だ
    ブーケは一人ぼっちじゃない、自分がいつでも見てる、ブーケはすごいウマ娘だ
    褒めて、ほめて、おだてて、肯定する
    実際のところまるきり嘘というわけでもない
    彼女の素質はクリークやドンナにも並ぶほどだと思う、どこかでこの気質やレース運びが覚醒すればだが
    一歩譲る、その繰り返しで善戦ムスメの印象だがそれだけ譲って善戦できるほうが恐ろしいのだ
    ブーケを全肯定し褒めているとブーケの瞳が潤んで頬がとろけたような顔になる
    俺はにこやかにブーケを抱きしめ、背中をぽんぽんと叩いてあげる
    もちろん『商品』と間違いをおこすつもりはないがスレスレギリギリなぐらい、ハグし身体を密着させる

  • 20二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 02:05:38

    そろそろ離れようとした俺に優しく抱きつくブーケ
    まってブーケもうおしまい、まってブーケあっいい匂い
    甘くていい匂いで頭ぽーっとする
    ――この花の蜜って、海外で媚薬のおまじないにつかわれるそうですよ
    まって、まってまって俺と君は担当契約、間違いあったら契約解除
    だから待ってブーケ、あっブーケ柔らかくてぎゅっとされると気持ちいい
    私がぎゅうってしてるだけ、ですから♡
    と耳元で囁かれて足を絡まされ、まるで食虫植物のツタに絡みつかれたようにうごけない
    太ももやら身体やらすっごい擦りつけられた気がする
    しかし乙女で清楚なブーケがそんな事をするわけがない。 するわけがない
    だからあれは気の所為なのだ
    なにもなかった……あの温室では何もなかった
    そうつぶやきながら俺はトレーナー寮で眠りについた

  • 21二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 02:16:00

    今現在一番ハードにトレーニングをしてるのは実のところサクラローレルだ
    プール、坂路など足元に負荷がかからない競技で徹底して筋肉を身体をいじめ抜く
    芝ダートのメニューは最高速度を出すためでなくあくまでフォームやポジショニングピッチゲートその他のため
    それでも脚はガラスのような軋みをあげるが容赦はしない
    故障するなら今しかないのだ。夏秋に故障すれば菊花賞が絶望的になる
    それまでに身体を作れるか脚が故障するかをギリギリを探りながら身体をいじめ抜くしない
    しかし大したものだ。 脚が壊れるという恐怖は想像を絶するだろうにローレルはそのメニューをしっかりこなす
    ――トレーナーさんって、マゾですよね?
    休憩中、ローレルが突然言った言葉に俺は飲み物を吹き出した
    ローレルはからかい上手なお姉さんといった子ではあるがこんな直球で言う言葉ではないだろう
    はいはい、そういうのは卒業してからね
    とローレルを優しく撫でると、逆にローレルが俺の頬を撫でてきた
    ゾクゾクと震える俺に、ローレルが目を細める
    ――そうですね、今シちゃったらブーケさんやドンナさん、クリークさんに怒られちゃいます♪
    とあっさりローレルは離れた
    芝にすわったままローレルはじっと俺をみつめてくる
    俺はその話を聞かなかったことにして立ち上がろうとしたらローレルが遮るように押し倒してきた
    くそ、こんな子供になにときめいてんだ俺は
    学生の本文だなんだを言うつもりはない
    そんな事にうつつを抜かせば自分の実績も将来も金もパーだ
    ローレルもドンナもクリークもブーケもそんじょそこらのどこにでもいるウマ娘じゃない
    才能の塊、その輝きは宝石というのも陳腐なほどだ
    だからローレルやブーケのこういうのはとても困る
    とはいってもローレルは本気じゃなく大人をからかう女子高生なのかもしれないが

  • 221◆D0W.QptMV4qr25/10/09(木) 02:17:14

    寝ます
    素人の話なので細かいとこはそうだねプロテインだねでお願いします
    ローレル=クラシック
    ドンナクリークブーケ=ジュニア
    です

  • 23二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 02:27:26

    お疲れさまです
    長編になりそうですね
    続きを期待してます

  • 24二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 02:28:42

    俺は結構好きよもう半分ぐらい堕ちてそうで草だけど

  • 25二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 02:31:27

    あれこれドンナ以外全員ヘビの目してる?

  • 26二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 03:00:42

    クリークはそうでもないけどブーケとローレルはもうマークしてないか

  • 27二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 03:14:15

    メチャクチャ真剣にローレルを勝たせようとしてるんだな

  • 28二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 03:18:57

    闇(笑)じゃないけどいい奴っぽいのにこのトレなにがあってこんな闇抱えちゃったんだよ

  • 29二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 07:26:19

    育ちが悪いせいで成長期に栄養とれなくてクリークやドンナと同じくらいの背丈だと私性合

  • 30二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 08:07:49

    面白いぞ
    文章量が多いのにスルスル読める

  • 31二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 10:38:56

    >>26

    マークと言うかマーキング済みというか…

  • 32二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 10:52:52

    闇トレだろうと光トレだろうと自分なりの育成理論ができあがってる新人トレは強い
    昔そんな自称下衆トレがいたなあと思う

  • 33二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 10:59:17

    これジェンティル以外もトレーナーが自分たちを利用しようとしていることに気づいてなお惚れてついてきてるっぽさそうなのが芸術点高い

  • 34二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 11:03:33

    クリークのお世話を遠慮してはいけない
    俺は闇のトレーナーであり確かに俺自身の過去も人生も自分自身もクソだとは思ってはいる
    だが人間関係――他人までクソだというつもりも無いし思ったことはない
    クリークは他者を思いやる優しい心の持ち主だ
    慈愛に満ちた女性、というのは彼女にピッタリの言葉だろう
    そんな彼女の気持ちや思いやりに応えるためにはそれを遠慮してはいけない
    誰だって自分がなにかしてやろうと思った時にそれを遠慮されたら肩透かしをくらうだろう?
    差し伸べた手の行き場にこまるはずだ
    だからその優しさや思いやりは遠慮なくうけるべきだ
    正直毎日のようにお弁当を作らせているという事に多少の申し訳なさもあるがそれを遠慮するより
    ――とても美味しい。毎日クリークにお弁当を作ってもらってとても嬉しいよ
    そう微笑むのが彼女にとって幸せなのだろうと思う
    彼女は人のために多少無理、無茶をしている方がやりがい、張り合いがあるのだろう
    正直俺には何一つ理解はできない。 それどころか覚めた気持ちでいることもある
    きっとそれは俺自身が真っ当な人間じゃないからなのだろうな
    俺は甘酢あんのかかった肉団子をクリークにあーんしてもらいながらそんな事を考えていた

  • 35二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 11:14:35

    >>28

    ロクでも無い生まれってのが誇張や闇(笑)のトレーナー的要素ではなく、本当においたわしい生まれ育ち環境だったんじゃねぇかな

  • 36二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 11:16:35

    >>25

    >しかしそれは……本当に彼女に『支え』が必要な時、自分はどうすれば良いのか

    これの伏線回収が成された暁には、盛れなくドンナも同じになるぜ(と作者さんにプレッシャーをかけてみる←冗談です)

  • 37二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 11:17:54

    クリークが俺に「なぜそんなに一生懸命になってくれるのか」と聞いてきた
    正直そんなに必死にやっているつもりもない
    トレーナーというのはもっとこう――うまくいかないもので苦労や不満不具合の連続だと思ってた
    俺自身仮面の「いい人」を演じる努力も練習も幼少からしてきたが俺が考えてた以上にトレセン学園の生徒はいい子が多いしクリーク達はその中でも飛び抜けて「良い子」たちだ。 手がかからない
    正直言うとトレーナーというのはチョロい職業なのではないかと思ってしまう
    彼女たち一人一人を把握しそれぞれに合うトレーニングや応対をするサービス業だ
    おそらくはトレーナーという人種は本来もっと担当と一心同体になってレース人生を歩むのだろう
    だからレースにまければウマ娘と同じように悲しみ、心を痛め、憤るのだろう
    俺は彼女たちにそこまで寄り添う気もつもりもないからきっと楽に感じられるのだ
    ここまでいい加減なトレーナーでもオモテヅラだけよければいい人、一生懸命だと評価される
    トレーナーだからね。 クリーク達に人生を捧げるのは当たり前の事だよ
    一生懸命でもなんでもない俺はクリークに笑顔で応える
    クリークは目を丸くして――少しだけ顔を伏せたがすぐににこやかに微笑んだ
    ――私、勝ちますね。 メイクデビュー
    ああ、そうあってくれ。 メイクデビューだけじゃなく目標の菊花賞までとりあえず頑張ってくれ、俺の報酬のために
    とはいえ、毎日のようにお弁当を作ってもらってるのも多少は気が引ける
    なにかお返しをすべきだろう

  • 38二次元好きの匿名さん25/10/09(木) 11:27:43

    ――クリークさんが喜びそうなモノ……ですか?

    若い子の流行、趣味、傾向というのはすぐに代わってしまうものだ
    こういうのはインターネットでいくら調べてもその時代その世界に精通していなければわからない
    例えばアニメに興味無いやつがインターネットでアニメの人気作品を調べても実際の傾向やファンの空気がつかめないようなものだ。 社会的なヒットをした大人気作品ばかり並ぶことだろう
    こういうのはやはりウマ娘に相談するのがいい
    俺はカレンブーケドールに正直に事情を説明し相談することにした
    お弁当のお礼がしたいが最近の女の子が喜びそうなものがわからない、と
    温室と化した空き部屋でブーケはすこし考えるように天井を仰ぎ
    ――哺乳瓶とか、ガラガラでしょうか?
    ???
    何を言ってるのかちょっとわからない
    困ったように首を傾げるとブーケは慌てて両手を振る
    忘れてほしい、とブーケは笑って
    クリークさんは趣味らしい趣味というより託児所で子供のお世話や学園でも他人のお世話をしている
    だから欲しいものはプレゼントというより絆創膏だったり、飴玉とかの小さなお菓子だったり
    贈り物とは少し離れてそうだと、ブーケも思案してしまっていた
    そういえば飴玉をよく口に入れられてる気がする
    何かをお世話したり構うのが好きなのはよく分かるしそれは彼女の長所だろう

スレッドは10/9 21:27頃に落ちます

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