【学マス】【SS】大学生「もうすぐで卒業ですね」女子高生「もうすぐで卒業だよ」

  • 1二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 20:24:52

    ssスレです
    初めてのスレ立てなので不手際があるかもしれませんが何卒
    ゆっくり更新していこうと思いますができるだけすぐに完結までもっていこうとは思ってます
    それではどうぞ

  • 2二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 20:26:41

    大学生「もうすぐで卒業ですね」
    女子高生「もうすぐで卒業だよ」
    大学生「……」
    女子高生「……」
    大学生「……この学園で過ごした三年間はどうでしたか?」
    女子高生「んー、楽しかったよ。最後のほうはいい結果も出せたことだし」
    大学生「そうですね、あのライブは本当に素晴らしかった。曲に乗った美しい歌声も、流麗なダンスも、ステージ上に輝く姿も、完全にあのライブ会場と一体化していて夢のような時間でした。あの時は本当にこの瞬間のために生きているんだと、そう思ってしまうライブでした」
    女子高生「ふふっ、そう言われるとなんだかくすぐったいや。……まぁ優勝はできなかったんだけどね」
    大学生「いやいや、プロデューサーなしであのパフォーマンスを実現させたのはとんでもないことですよ。俺の存在意義を疑ってしまうレベルでした」
    女子高生「……そうだね」

  • 3二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 20:28:11

    女子高生「……そういえば、君がプロデュースしてた子どうだったの?」
    大学生「あー、実は彼女、冬のHIFには出なかったんですよ」
    女子高生「それは……どうして?」
    大学生「それじゃあ俺が担当アイドルとどういう一年間を歩んできたか話すとしましょう」
    女子高生「……」

  • 4二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 20:36:13

    大学生「最初はそうですね……彼女との出会いから話しましょうか」
    女子高生「……」
    大学生「今年度の入学式から少し経った頃、俺はアイドル科の生徒を見に行くために学園の主要施設を順に巡ろうとしてました。しかし簡単な下見のつもりだったのに間抜けにも迷ってしまったんです」
    女子高生「あの学園以外に広いもんね」
    大学生「まったくですよ。大学生にもなって迷子になるとは思いませんでしたよ。まぁそんなこんなで途方に暮れていたら声をかけられたんです『あのぉ……もしかして、迷ってます?』って」
    大学生「あの時は助かりましたよ。『行ったり来たりしているみたいだったから。迷っちゃったのかなぁって。もしよかったら、案内しましょうか?』って申し出てくれたので、そのまま案内してもらったんです」
    女子高生「……優しい子が居たもんだね。その子が今の担当アイドルなんだ」
    大学生「そうです、自己紹介をしあって、他愛のない会話を挟みながら主要施設を粗方紹介してもらって、ひと段落ついたときに言われたんです。『もしよかったら、私をプロデュースしてくれませんか?』と」
    女子高生「……なんか、運目的な出会いみたいだね」
    大学生「当初は本気でそう思ってましたよ、ただ道案内をしてもらっただけなのに。でも、この人だって、この人こそ俺の担当アイドルだって、そう思ったんです」
    女子高生「……盲目的な考えだね」
    大学生「ほんとにそうですよ。と言っても別に彼女を担当にして後悔はしていないんですけどね」

  • 5二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 21:12:09

    大学生「まぁそんなこんなで俺と彼女の活動が始まりました。彼女は歌が好きで大得意でした。よく『いつかトップアイドルになって、たくさんの人に私の歌を届けたいんです』と言っていたものです。だから彼女をトップアイドルにさせるためのプロデュース計画で、ダンスレッスンやビジュアルレッスンを重点的に頑張ったり、『初』のセレクションに出て、二人で初めてライブを完成させたり、NIAでファンを増やすために奮闘したり。そんなこんなで慌ただしくて忙しくて大変で、今思い返してみると、思わずふっと笑ってしまうような日々を送っていました」
    女子高生「そんなに上手くいてたのに、どうして?」
    大学生「『どうして冬のHIFにでなかったのか?』ですか?」
    女子高生「……うん」
    大学生「まぁゆっくり話させてください、ここから一気に現状につながりますから」
    女子高生「わかった。君のペースで、聞かせて」

  • 6二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 21:25:31

    大学生「ありがとうございます。まぁなんやかんやでNIAで上位入賞を果たせた功績をもとに、夏のHIFに出る事になったんです」
    女子高生「星南会長が一番星を取ったあの?」
    大学生「そうです。十王星南が一番星を取って、あなたが二位を取ったあのHIFです」
    女子高生「……」
    大学生「HIFに向けて、いつも以上に厳しいレッスンを経て彼女の苦手なダンスも克服してきて、さぁいざ本番」
    大学生「結果は七位でした」
    女子高生「今年度のHIFは特にレベルが高かったもんね」
    大学生「ええ、まぁそんなことはどうでもいいんですよ。どうでもよくはないですけど」
    女子高生「?」
    大学生「言い忘れていましたが彼女もあなたと同じ三年生で、今年がHIFに参加できる最後のチャンスでした。あれだけ練習に打ち込んできて、結果は七位で入賞もせず……そんな悔しい結果になってしまったわけです。自分のプロデューサーとしての不甲斐なさや、彼女の心情を考えると気が気じゃなかったのを今も鮮明に覚えています」
    大学生「そんな事を考えながら彼女にどう声をかけてやろうかと思いながら、彼女のいる控室のドアを開けたその時でした」
    大学生「彼女はすっごく喜んでいたんです」
    女子高生「?。それはいいことじゃないの?」
    大学生「ええ、もちろんいいことです。彼女にとってうれしいことが起こった、だから喜んでいる、喜ばしいことであるに違いません。だから俺は盛大に彼女を祝いました」
    女子高生「……一体何が君の中で問題だったの?」
    大学生「あの反応を見て確信したんです、してしまったんです、『ああ、この子はアイドルとしてはここまでだ』って」
    女子高生「どういうこと?」
    大学生「彼女は七位という上位の成果を収めてうれしかったんです。つまり一番星をとれなかったことに関して悔しがれなかったんです」
    大学生「そんな考えがぐるぐると脳みその中に残り続けながら冬のHIFに向けてのレッスンの日々が始まりました」
    女子高生「……」

  • 7二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 22:14:53

    保守

  • 8二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 22:31:59

    大学生「いつも通り得意なボーカルレッスンはほどほどに、苦手なダンスレッスンやビジュアルレッスンを重点的に行う。担当契約を結んで間もないころから続けていたレッスンの日々、NIAを始めてからあまり見る機会のなかったレッスンの日々」
    大学生「プロデューサーの仕事もある程度落ち着いて、彼女のレッスンを見る機会が多くなって気が付いたんです」
    大学生「夏のHIFを終えてからボーカルレッスン以外のレッスンのモチベーションが以前に比べて圧倒的に下がっていると。そこで俺は彼女とミーティングを開きました」

  • 9二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 23:18:12

    女子高生「どんなことを話したの?」
    大学生「まず、彼女がどうしてアイドルを目指したのか、そのきっかけを聞きました。その一つの質問で彼女の中にあったわだかまりがほどけていったのでしょう。彼女の内に秘めた思いがするすると出てきました」
    大学生「初めて見たアイドルのライブの、その歌声に惹かれたこと。いつしかその人と同じようになりたいと思い始めたこと。初星学園に入って一、二年生の頃は右も左もわからなくてうまくいかなかったこと。それでも歌うことだけは自分の中の希望であったこと、頑張ったこと。」
    大学生「たまたま出会った俺に、思い切ってプロデュースしてもらおうとお願いしたこと。プロデュースしてもらってから苦手だったダンスも楽しくなっていったこと。いろんな大会やライブを経て自分のなりたい姿がわからなくなっていって、練習が辛くなっていったこと。それでも歌うことだけは好きなままでいれたこと」
    大学生「気が付いたら俺の頬には涙が伝っていました、彼女は涙で顔がぐしゃぐしゃになっていました。」

  • 10二次元好きの匿名さん25/10/10(金) 23:46:23

    大学生「『何ですか、その顔。涙でぐしゃぐしゃになっちゃって』って俺が言うと彼女は『アイドルに何てこと言うんですか!』って大声で言って、たまらず二人で大笑いしました」
    女子高生「……それで、どうしたの?」
    大学生「彼女のなりたい姿をいっしょに紐解いていったんです。そうするとわかったんです。彼女はトップアイドルになってみんなに歌声を届けたいんじゃなくて、自分が何者であっても皆に歌声を届けて、たくさんのしあわせをつくりたいんだと。だから俺は彼女に歌手転向の道を進めました。そうすると彼女は『ありがとうございます、私のプロデューサー』と言ってくれました」
    大学生「それから俺と彼女は音楽芸能事務所に彼女の実績を売り込みに行ったり、彼女の歌声に惹かれて元々スカウトしてきていた事務所の資料をまとめたり歌手転向のためにいろいろやっていたので冬のHIFには出れなかったんです。まぁ元々出るつもりもなくなってたんですけどね」
    大学生「……さて、これで俺の方の身の上話は終わりです。次はあなたの番ですよ」
    大学生「姫崎莉波さん」
    莉波「……」

  • 11二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 00:23:53

    すごくよい

  • 12二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 08:43:13

    大学生「正直言って今年度の姫崎さんは異常でした。言葉を選ばずに言うのであれば一、二年前は対して売れていなかったアイドルが、破竹の勢いで売れ出して今や学園内外問わず有名で一時期は覇権を取ったアイドルとまで言われるほどですから。しかもプロデューサーも無しに一人でそこまで上り詰めた」
    大学生「一体何があなたをそうさせたんですか?」
    莉波「それじゃあ私がこの学園でどういう三年間を歩んできたか話すとしようかな。と言っても、内容はほとんど三年生の時の話になりそうだけどね」
    大学生「……」
    莉波「最初はそうだね……私がどうしてこの学園に入学したのかを話していこうかな」
    大学生「……」

  • 13二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 09:13:32

    莉波「まず、私がアイドルになろうと思った理由はね、昔子供のころに見てたテレビの歌のお姉さんに憧れたのがきっかけだったんだ。中学三年生の時に進路について考えていてね、将来の夢について考えたらやっぱりアイドルになりたいって思いがあって、お父さんに思い切って相談したんだ」
    莉波「そしたらお父さん『お前の一番好きなことをやりなさい』って背中を押してくれて、お母さんも説得してくれたんだ。元々私に酒蔵のお仕事を継がせようとしてたのに」
    大学生「いい親御さんに恵まれましたね」
    莉波「本当だよ。そんなこんなで初星学園に入学したんだ。あの時は私のアイドル人生は、夢はここから始まるんだってドキドキしてたなぁ」

  • 14二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 12:50:34

    莉波「入学してから少したって友達も出来てきた頃にね、クラスの子から『一緒にユニットを組まないか』って誘われて、思い切ってその話に乗ることにしたんだ」
    大学生「『lave☆しすたぁず』ですか?」
    莉波「そう、よく知ってるね。そのユニットの中で『りなぽよ』って名前で活動してたんだ」
    莉波「ユニットで妹キャラをやってて、ほかのメンバーの子の真似をして妹っぽい喋り方をしてみたり、髪型もツインテールとか可愛いのを試してみたりしたんだ。けど私、ほかの子に比べて背も高いし、雰囲気も大人っぽく見えるみたいで、ユニットの中で浮いちゃってたんだ。みんなと合わせようとはしたんだけど、そうすればするほど、なんだか空回りしちゃって、結局私だけ全然人気が出なくて、ユニットから外れちゃったの。」

  • 15二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 12:57:06

    大学生「それは……大変でしたね」
    莉波「うん、あの時は相当落ち込んだなぁ。それからは基礎レッスンに明け暮れる毎日で、あんまりステージに立つことも無くなって学園を卒業するのと同時にアイドルを引退しようと思ってたんだ」
    大学生「それなのに、どうして?」
    莉波「『どうしてそこから切り返そうとしたのか』かな?」
    大学生「……ええ」
    莉波「まぁ聞いててよ、すぐにわかるから」

  • 16二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 13:01:34

    莉波「あれは三年生になりたての、入学式が終わって少し経ったくらいの頃かな。学園内を行ったり来たりしていてなんか迷子になっていそうな人を見かけたの」
    大学生「……」
    莉波「私はその人に声をかけようとしたんだけど、声をかける前に気が付いたんだ。私は昔、この人と会ったことがあるって」
    大学生「それって……」
    莉波「そうだよ。あの時君が迷子になってるときに、私は君に気づいたんだよ。学P君」
    学P「……」

  • 17二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 13:04:48

    莉波「私がアイドルになるきっかけの一つである君に気づいて、私はいてもたってもいられなくなったんだ。けどもし話しかけて気付いてくれなかったらどうしよう、もしあの時のことを覚えていなかったらどうしようって考えると勇気が出なくって、なかなか声をかけることができなかったんだ」
    莉波「そしたらいつの間にか君の前には私じゃない別の女の子がいたんだ。それも、アイドル科の」
    学P「……」
    莉波「その子は私が君に言おうとしていたことを次々に言い出したんだ。私はそれをただ少し離れたところで見ることしかできなかった」
    莉波「これはあの時都合よく解釈しちゃった私が悪いんだけど、運命の相手を横取りさっれた気分だったな。幼少期に一緒に遊んだ年下だと思ってた男の子が実は年上で、しかもプロデューサー科の大学生になって私のいる場所に来た。運命だと思っても仕方ないよね」
    莉波「でも私はそれを掴むことができなかった。ものにするチャンスを逃した。寮に戻った時にかなり落ち込んで麻央に心配されちゃったんだけど、確かドラマを見て感動したとか言ってごまかしたんだっけ。まぁそんなこんなで新学期始まってすぐのころは落ち込んでたんだ。でも、そんな中でふと思ったの」
    莉波「もし私がここからすごい活躍をしたら、もし私が一番星を取ったら、君は私に注目するかもしれない、プロデュースがしたいと申し出てくれるかもしれない。大した実績も持ってない当時の私はそう思ったんだ、その一心でまたアイドルを頑張ってみようと思たんだ」
    莉波「生き汚い動機でしょ」
    学P「そんなこと……」

  • 18二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 13:08:34

    莉波「それからはずっと考えて、とにかくレッスンしたことくらいしか覚えてないかな。今更だったけど私のアイドルとしての方針を考えたときに元々憧れた姿って何だろうってなんだっけてなって、歌のお姉さんのことを思い出して、じゃあ私もそうやってみようかなってことでお姉さんキャラとして活動し始めたの。自分とかみ合わなくてうまくいかなかったらすぐに別のベクトルから攻めてみようと思ってたんだけど、かなりお姉さんキャラがはまってね、反響もよかったからそのままでいくことにしたの」
    学P「素のあなたにあっていますからね」
    莉波「ふふ、ありがとう。まぁ最初の方はけっこうぎこちなかったんだけど、『初』に出たころには段々慣れてきて自然な感じになってきたんだ。」
    莉波「そしてHIFに出るために実績を作りたくて、ちょうどそのころに開催されたNIAに出る事になったんだ。というか一番星を目指すには出るしかなかったんだ、私はもう、三年生だから」
    学P「……」
    莉波「NIAが始まってすぐの頃はいつもよりみっちりレッスンをしてるだけっだたんだけどNIAという大会の性質上、プロモーションのほうが大事だと思ったの。だから私はプロモーションを中心に活動することにしたんだ。はじめは動画サイトに自己紹介動画とか、流行ってたASMRの動画とか、レッスンの様子を取ってみた動画とか、だれでも私をどこでも見られるような環境にして、あとは積極的に地方ライブに行ったりしたの。あれは流石に骨が折れたなあ。でもその甲斐あってか知名度はどんどん上がっていったの。あとは何とか試験を乗り越えて、後半になってくるとファンが爆発的に増えたんだ」
    学P「あの時は一気にファン数を超えられて驚きましたよ。あれで一気に優勝が厳しくなった」
    莉波「……そっか。でもそのおかげで私は無事NIAを優勝することができたの。基礎レッスン、続けててよかったってほんとに思ったなあ」
    莉波「それからは一番星をになるために必死にレッスンに取り組む毎日だった」
    学P「……」
    莉波「今までプロモーションにあててた時間をレッスンに注げるから効率もかなり上がって歌もダンスもどんどん上達していくのがわかった、HIFの受付をしてからはさらにレッスンに打ち込んだ」
    莉波「そんなこんなでHIF本番。結果は二位だった」
    学P「……」

  • 19二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 13:12:12

    莉波「正直言ってあの時は負けるなんて一ミリも思ってなかったよ。あの時はとにかく今までにないパフォーマンスを出せて全能感がすごかったから、今ならトップアイドルにすらならべると思ってた」
    莉波「けどでもまだまだ足りなかった」
    莉波「決勝戦の星南会長すごかったなぁ、見たときは『負けるかも』っていう不安よりも『こんなライブがあるんだ』っていう感動のほうが大きかったんだから」
    学P「あのライブはどちらが勝ってもおかしくありませんでした。もし差ができたというのなら……」
    莉波「うん……そうだよ、やっぱり君はすごいなぁ。そんな事にも気づくなんて」
    莉波「あのライブで私と星南会長に会った違い、それはアイドルに対する熱意。私は動機が動機だからね、アイドルに対して百パーセントの熱意を持つことができなかった。感情論的だけど、やっぱりこれが一番大きいと思う」
    莉波「大会が終わった後、星南会長に『あなたの中に何があるのかはわからないけれど、無理はしなくていいのよ』って言われたんだ。なんでだろうね」
    学P「……」
    莉波「それからは冬のHIFに向けてまたレッスンに打ち込む日々、今度こそ一番星になるんだってただ頑張ってた。それくらいの頃かな、私にプロデュースの申し出が大量に来たんだ」
    莉波「NIAを優勝してからはちょこちょこそういうことはあったんだけど、HIF決勝戦のライブの反響がすごかったんだろうね。今までと比べ物にならないくらいプロデュースの申し出も事務所からもスカウトの量も増えたからびっくりしたなぁ。私も、アイドルとしてそれだけ大きく成れたんだって実感してうれしかったな。申し出の中に、君はいなかったけど」
    学P「……」

  • 20二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 13:18:48

    莉波「厳しいレッスンの日々の中でふと思ったんだ、私は今、何がしたくてこの学園にいるんだろうって」
    学P「……一番星になりたいからではないのですか?」
    莉波「もちろん一番星にはなりたいよ。でも、今まで頑張ってこれたきっかけは君にプロデュースしてほしいと思ったから。私は私がトップアイドルになりたいのか、君にプロデュースしてもらって、楽しいアイドル人生を送りたいのかわからなくなったんだ。だけどいくら考えてもわからなかった、突き進んだ先にしかその答えはないのかもしれないと思った。さらに一番星になってやろうって思いが強くなった」
    莉波「そして、冬のHIF本番に臨んだ」
    莉波「自分の中の答えを見つけたくて、自分の夢の形を知りたくてただひたすら自分の中にあるものすべてを賭けてライブに臨んだ」
    莉波「多分……いや、確実に今までの私の中で、今大会の中で一番のパフォーマンスを出すことができたと思う。自分で言うのもなんだけど、大会の中で私は飛び抜けてたと思う。だけど、勝てなかった、現一番星の咲季ちゃんに敵わなかった」

  • 21二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 13:41:25

    学P「敵わなかったってわけではありません、ただ……」
    莉波「うん、咲季ちゃんのほうがファンの心を大きく揺るがしていた、掴んでいた、あの大会の中で咲季ちゃんが一番”アイドル”だった」
    莉波「結局答えはわからなかった。でも、もういいかなって思えたんだ。レッスンはキツくて大変だったけど、試行錯誤するのは楽しかった、ライブの時の、ファンの反応を見るのが幸せだった。もう、それでよかったんだよ」
    莉波「だから学園を卒業したらアイドルは引退しようと思ってるんだ」
    莉波「私の身の上話ここまで。……学P君はこれからどうするの?」

  • 22二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 13:45:18

    学P「……俺の夢はトップアイドルを育て上げる事です。だから担当アイドルが、アイドルとして現状に満足してしまって落胆したんだと思います。でも俺は彼女をプロデュースしたことを、彼女をプロデュースしたこの一年間を、一ミリも後悔なんてしてません。だって、楽しかったから」
    莉波「楽しかった……?」
    学P「そう、楽しかったんです。彼女の魅力を詮索する日々も、軽口をたたきあった時間も、ともに改善点を探していたときも、すごく楽しかった。姫崎さんと同じです。それだけでこの一年間は良かったって思えるんです。だけど、まだまだ満足していない」
    学P「だって俺はまだ夢を叶えていないんですから。理由は、それだけです。それがあるからまだ走れる、走りたいと思える」
    莉波「……何が言いたいの?」
    学P「つまり、俺が今すべきこと、俺が今やりたいことが分かったってことです」
    莉波「やりたいこと?」
    学P「ええ、姫崎莉波さん」
    学P「あなたをプロデュースさせてください」

  • 23二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 16:19:11

    莉波「……」
    莉波「……――⁉」
    莉波「……びっ……くり、したぁ……」
    莉波「どうして……私なの?」
    学P「あなたがいいんです」
    莉波「でも私、もうアイドルに満足して、卒業したら引退しようと思てるんだよ?もしプロデュースしたとしても、君は後悔すると思うよ?」
    学P「そんなことはありません」
    学P「あなたはアイドルに満足なんかしていません。だってあなたは、アイドルが誰よりも好きだから。今はただ迷っている……心が迷子になっているだけなんです」
    学P「その心は俺が今見つけました。約束します。夢を叶え、あなたを絶対に幸せにすると」
    莉波「……――。」

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