- 1二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 20:56:46
- 2二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 21:02:43
やたらと星条旗の主張が強いウマ娘アポロちゃん
- 3二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 21:05:52
スプートニク「旧ソ連の衛星が由来のタイキシャトル産駒です、あと中の人ネタでアグネスタキオンさんとも親しくさせてもらっています」
- 4二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 21:11:46
全員もれなく天文部に入ってる
- 5二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 21:16:57
恐らく日本で一番有名な探査機の名を冠したハヤブサ君
故障してもへこたれず偉業を達成して何度も何度もくじけたけど色んな人の助けで無事に現役を終えられたんだろうな… - 6二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 21:27:30
アポロの幼少期は壮絶そのもであり、火事に巻き込まれてなんとかアポロは命からがら避難できたが、牧場は全焼。多くの関係者や他馬は焼死した。
- 7二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 21:38:48
ファンの名前なんかを刻んだ襷とかを勝負服に組み込むISAS系の名前を持つウマ娘……
- 8二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 21:41:44
勝負服が宇宙服みたいになってるウマ娘がいる
- 9二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 22:20:43
- 10二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 22:23:44
ボイジャーって海外遠征行ったまま二度と戻ってこれなさそうなんだけど
- 11二次元好きの匿名さん25/10/11(土) 23:48:47
誰よりもフロンティアで走り続けるボイジャーか
- 12二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 07:42:10
すごい偏見だけど1頭あたりの馬主や生産者の人数がめっちゃ多そう
- 13二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 11:28:11
現役がクソ長いソユーズちゃん
- 14二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 11:33:42
- 15二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 11:44:26
ボイジャーに積んでる金のレコードがサウンズオブアースと呼ばれてるな
- 16二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 12:00:44
JAXAとかNASAが法人馬主か組合馬主してそう
- 17二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 13:42:15
ラストランでアポロコールされるのか
- 18二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 17:09:04
- 19二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 17:16:49
- 20二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 17:33:33
スプートニクニ号「イヌが好きなんですよねえ。ライカって言うんですけど。」
愛犬ライカを愛でる様子が度々見られる - 21二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 17:35:07
- 22二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 17:37:26
米ソ冷戦中に生まれた宇宙機たちは色んな意味でヤバそう
マジで国を相手にガチバトルしてたからなあ - 23二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 17:52:25
長期間圧倒的な産駒数を送り出す名種牡馬ソユーズ
- 24二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 18:23:20
ボストークイチゴウはどっかの有名海外G1を日本馬で初めて勝ったのかな?
凱旋門賞でも取ってもらうか - 25二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 18:34:41
晴れの良馬場大好きで世界最速を目指してる熱血ウマ娘、パーカーソーラーちゃん
ダイタクヘリオスの周りをぐるぐるして色々観察するのが日課 - 26二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 18:35:31
宙の三女神
スプートニク
ボストーク
アポロ - 27二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 18:45:12
旅好きなボイジャー姉妹
ステイゴールドと仲が良く、たまに旅の道連れになっている - 28二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 18:48:37
母スペースシャトルの産駒の6兄弟
エンタープライズ、コロンビア、チャレンジャー、ディスカバリー、アトランティス、エンデバー - 29二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 19:08:21
カッシーニ
正円型のレースコースを作るぞー!と意気込んでるダイタンな女の子
右耳にリング状の耳飾りをたくさんつけている
好みのタイプは水泳が得意な人で好きな人とはひとつになりたいと夢見ている
大好物はドーナツ - 30二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 19:09:26
彗星探査機のディープインパクト
年代も馬とモロ被りというね - 31二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 19:24:10
ひなたぼっこしながらのお昼寝が大好きでトレーナーに度々探されているイカロスちゃん(ソーラーセイルネタ)
- 32二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 19:31:14
- 33二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 19:32:29
はやぶさは史実からしても主人公だしがっつりアニメ作られてると思うんだ 有名なのでストーリーは割愛
そうすると2期ではやぶさ2に繋がるわけだけど史実の陣営が「この子にドラマはいらない」(計画通りにミッションを成功させたいから)という覚悟ガンギマリがフィーチャーされてはやぶさとは毛色の違う熱血ストーリーになりそうでウキウキします
それとすいせいのぞみあかつきのPLANET三姉妹やあかつきとイカロスの同期コンビも外せないですよね - 34二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 19:38:28
- 35二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 20:26:54
宇宙探査機って最期が泣けるんだよなあ
無機質な機械にも感情移入してしまうぐらいだからウマ娘とかに落とし込んだら号泣してしまうこと間違いなし - 36二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 21:30:07
ハヤブサをオグリキャップに重ねるなら有馬記念とかは勝ってそうよね
一時期故障してたり、勝てなくなった時期もありそう - 37二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 22:26:36
ハヤブサ先頭!ハヤブサ先頭!
ハヤブサ1着!ハヤブサ1着!ハヤブサ1着!
右手を挙げた武豊!
ハヤブサ1着!ハヤブサ1着!
見事に引退レース、引退の花道を飾りました!
スーパーホースです!ハヤブサです! - 38二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 23:10:00
PLANET三姉妹
国際競争で世界各国のメンバーたちと人気を分け合い好走した名馬すいせい
すいせいの妹としてGI制覇を期待されながらもレース中に故障発生でこの世を去るのぞみ
2頭の妹としてGI級と評されつつ不調で低迷、最終的に復活しGIを制覇するあかつき
MUSES三姉妹
コーナーでの加速が上手い普通の馬ひてん
のぞみの同期で、長きにわたり重賞戦線を走り多くの馬の台頭、引退を見続けてきたはるか
皆さんご存じ末妹はやぶさ
こんなところか? - 39二次元好きの匿名さん25/10/12(日) 23:38:07
スプートニク(イチゴウ)
国際的な競馬市場黎明期に登場した
国の代表として海外G1の多くを制した名馬
史上初めて国内の枠を超えてG1に挑み、勝利を掴んだ馬として世界各国の注目を集めた
スプートニク・ショックと呼ばれる偉業にして大事件は国籍問わず多くのライバルたちに火を付け、第一次競馬ブームを引き起こした
って言う世界線を幻視した - 40二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 07:51:03
この世界において競馬自体は1600年代ごろからレースとしての原型ができ始めた(アイザック・ニュートンの著作『自然哲学の数学的諸原理』)
ただあくまでローカルな娯楽、暇つぶしの域を出なかった
それが大きく動き始めたのが1900年代のことで馬を本格的なレースとして走らせるための科学的な研究が行われるようになった(コンスタンチン・ツィオルコフスキーによって初めて宇宙飛行が理論的に可能であると証明された。) - 41二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 08:01:57
- 42二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 08:15:34
- 43二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 08:47:43
- 44二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 08:54:05
平地競走で活躍後、今でも現役で障害競走に挑み続けているボイジャープラン産駒ファーストボイジャーとボイジャーⅡ・・・。
- 45スレ主25/10/13(月) 09:01:49
- 46二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 09:56:44
- 47二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 10:30:34
- 48スレ主25/10/13(月) 10:38:11
- 49二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 10:44:41
- 50二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 11:17:12
ハッブルテレスコープ(Hubble Telescope)は不調を抱えながらデビューして、画期的な治療法でそれを克服してからはいよいよ手がつけられない成績を残したんだろうな。なお不調克服前から圧倒的な強さを誇っていた模様。
ハッブル宇宙望遠鏡 - Wikipediaja.wikipedia.org日本語だと10文字になるけど英字18文字に収まってるからいいよね。
- 51二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 11:56:47
宇宙開発って試作機から失敗を学んでどんどん改良を重ねてすばらしい結果を生み出す探査機とかを作るから血統をつないでいく競馬と通ずるものがあるよね
- 52二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 12:32:59
真田志郎トレーナー率いるJAXA探査機姉妹
- 53二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 14:48:05
アメリカから導入した牝馬から始まったヒマワリ牝系。
輸入され牧場移送の道中であの洞爺丸台風に遭遇し、同輩馬や厩務員等が全滅する中九死に一生を得たと言う。
その産駒は常に天気を味方につけたと言われ、歴代牝系にもその馬場運が受け継がれ、幾度かの断絶の危機を乗り越え、今や日本以外でもその存在を無視できない一大牝系を築き上げて現在に至る。 - 54二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 17:02:51
アポロ1
後に歴史に残る大偉業を成し遂げるアポロ11のお父さん
その馬生は波瀾万丈そのものであり、幼少期に牧場が全焼し、多くの関係者や他馬が焼死してしまった
アポロ1はなんとか生き延び、調整を終えてレース出走に漕ぎ着ける
しかし、思うようには行かずOPを2着が最高戦績での引退という国を挙げた育成馬としては落ちこぼれの烙印を押された
一応国が目をかけており、育てるにも相応のコストをかけたため子どもが化ける可能性にかけて種牡馬入り
これが大成功し、アポロ11やアポロ13と言った名馬を輩出する名種牡馬となり、再評価されたのだった - 55二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 18:56:49
- 56二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 19:10:44
このレスは削除されています
- 57二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 21:29:12
- 58二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 22:02:02
ディープ・インパクトとかいう彗星に高速で弾丸打ち込んで調査したっていう最高にロックな探査機がいてな
しかも途中でエポキシって名前に変更されてるから名称変更制度を使った珍しい馬扱い - 59二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 23:12:08
中央が宇宙航空産業で言うところのアメリカのNASA、日本のJAXA、ヨーロッパのESAみたいなもので、地方が民間の企業なのかな?
- 60二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 23:38:28
ハヤブサの僚馬ミネルヴァ
レース途中で逸走しそのまま帰らず - 61二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 23:47:48
ispaceのハクトRとか地方で活躍して中央入りしたんだろうな
M1の意思をついでM2が頑張って惜しいところまで行ったな
HAKUTO-R ミッション2 - Wikipediaja.wikipedia.org - 62二次元好きの匿名さん25/10/13(月) 23:53:15
はやぶさ2はまだ6年くらい現役だから来年ハヤブサの名をつけた馬がデビューして充分走って引退してもまだまだミッション中のはずだ
- 63二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 08:39:52
スプートニク1が海外G1初優勝の時の新聞記事
衝撃!?
ソ連のスプートニク1がアメリカのワシントンDCインターナショナル(G1)を優勝した。
東側諸国の競馬界で存在感を放っていたスプートニク1が多くの強豪を抑えての1着となった。
我が国のペンシルやアメリカのグレープフルーツと言った馬が参加していたがペンシルは4着グレープフルーツは2着に終わった。 - 64二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 08:57:56
キューブサットみたいな小型衛星たちは、さしずめ零細血統だろうか
- 65二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 09:13:12
- 66二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 10:01:56
零細血統ではあるものの、俗にいうエリート血統の馬に比べて扱いやすく、所有や飼育にかかる費用も少ないからなんだかんだ細々と存続し続けるんだろうね
- 67二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 10:08:47
マーズクライメイトオービターはまだ(マイルとメートルの違いに)気付いてないと思います
- 68二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 10:17:11
- 69二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 10:28:51
絶対の強さは時に人を退屈させる味があるよね
- 70二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 18:28:27
ボイジャーやハッブルテレスコープは現役期間がチョー長いから国際的なG1レースにちょくちょく顔を出すっていうね
- 71二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 18:45:34
ボイジャーセカンドはグランドスラムしてそう
- 72二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 21:00:27
- 73二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 21:20:56
グローバル・ポジショニング・システム系は位置取りが上手そう
- 74二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 21:52:16
- 75二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 21:59:00
ただでさえ遠征臆さず長距離無双の現役期間超長いバケモンやん
- 76二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 22:19:23
日本からメアネクタリスレース場へ送り出されたスリムちゃん、月の重力に戸惑いパドックで激しく転倒。「その下半身でスリムは詐欺でしょ」などと評される。
日本ウマ娘による月面GⅠ初勝利を成し遂げた。帯同していたレヴワンちゃん、ソラキューちゃんの撮ったスリムちゃんのガッツポーズがバズったことで、日本レース界でにわかに月面を目指す動きが目立ち始めている - 77二次元好きの匿名さん25/10/14(火) 23:27:59
スプートニク1はデビューから連勝し、3戦3勝で二歳馬の頂上決戦かつソビエト三冠の一つM.I.カリーニン記念に挑みそのまま制覇
その後2戦して2着1回、3着1回とまずまずの成績を収める
三歳馬になったスプートニクは3連勝したのちバリショイ・フセサユツニー賞、いわゆるソビエトダービーを制覇
そしてワシントンDCインターナショナルに招待され、運命の優勝を果たしたって流れかな - 78二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 07:19:21
宇宙望遠鏡ウマ娘のヒミツ
彼女らはとんでもなく目がいいので肉体の微細な動きを視認したり肉眼で天体観測したりできる - 79二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 09:50:23
米ソ冷戦時代の宇宙機ウマ娘たち
もはや国同士の代理戦争に発展したレース界隈は極度にピリついていた
あの時代はとにかく成績を残すことが全てであり、大きな進歩もあったが今の時代では考えられないほど血みどろの戦いだったとあの時代を生きたとあるウマ娘は語る - 80二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 12:27:22
スプートニク以降ソ連の大躍進が始まる
国を挙げた支援も相まってルナ一族やボストーク家の台頭でレース界はソ連一強状態になる
欧米各国はそりゃあ歯がゆい思いもしたんだろうなあ - 81二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 13:08:21
スターリンク一族は、レースに出てるイメージが無いな
- 82二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 16:47:16
- 83二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 19:28:16
スプートニクの解像度上げるためにもss書こうかな
赤子の鳴き声が聞こえる。それはひどく吹雪の吹く季節だった。
「おめでとうございます。元気なウマ娘が生まれましたよ。」
ここノヴォズナメンカ、小さな片田舎唯一の医者が赤子を抱き上げて私に手渡す。
銀の髪を持ったかわいらしいウマ娘だ。
「よかった。本当によく頑張ってくれたな。」
「ありがとう、あなた。」
私の夫も赤子が無事に生まれたことに安堵し、出産直後の私を労ってくれた。
「二人で考えた名前、あなたの名前はスプートニクよ。」
ソビエト連邦の辺境、ノヴォズナメンカに生まれ、どこにでもいる名もなきウマ娘としてその一生を過ごすはずがなんの因果か中央レースに赴き、果てには世界を巻き込む偉業を成し遂げることを誰も予想だにしなかったのだ。 - 84二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 19:50:34
七年後・・・・・
「朝だー!」
大きく窓を開けたかと思えば外から流れ込んでくる心地よいと言うには些か鋭い冷気を鼻孔いっぱいに吸い上げて口から白い息を吐く。
「相変わらず元気だな。窓の景色だって何度も見た光景じゃないか。」
「分かってないねえ、お父さん。この銀景色は何回見ても飽きないよ。キラキラ光って綺麗じゃん。」
階段からのそのそと降りて来るお父さんはまだ眠いのか十全にその眼を開けていない。
「二人とも~朝ご飯できてるよ。」
「「はーい。」」
私たちはお母さんの呼びかけに応えて、席に着く。
今日は私の大好物なジャガイモがふんだんに使われている。
「おいしそう!いただきます!」
「はい、めしあがれ。」
お母さんは微笑んで食事を始める。
ああ、私はこの時間が大好きだ。 - 85二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 20:15:39
「この野菜おいしい。採れたて?」
「ああそれは向かいの家のオリガさんちの野菜よ。今日の朝におすそ分けにどうぞってね。」
「じゃあ、後でお礼を言ってこっちからも何かあげないとなあ。ジャガイモまだ余ってたっけ?」
お父さんがそう尋ね、お母さんがちょっと待っててとおもむろに席を立って貯蔵庫へ探しに行く。
しばらくして、
「うん、まだまだ余ってるわ。今度持って行って。」
「私が行く!オリガとまた遊びたい。」
「はは、その前にお前は学校があるだろう。渡しに行くのはそのあとだな。」
「え~。学校なんていいじゃん。私が家事とか動物のお世話すればお父さんやお母さんの仕事も早く終わるし。私そっちのほうがいい。」
お父さんは困ったような嬉しそうな顔をしてこう言った。
「ありがとう。気持ちは嬉しいけど子どもは学校でいっぱい勉強して都市部で稼げるようになった方がいい。それにお前はウマ娘だ。上手くいけば中央のレースで活躍できるかもだぞ。家事も動物の世話も全部大人に任せておきなさい。」
「中央ってなんかすごいレースやってるところ?私そんなに足速くないよ?」
「足の速さだけがすべてじゃないさ。まあ、中央は無理でも地方のレースで活躍できれば儲けものだ。」 - 86二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 21:15:47
わしゃわしゃと私の髪を触るお父さんを横目にお母さんは食べ終わった食器を片付けながら言った。
「ほらスプートニク。そろそろ学校の時間でしょ。早く食べて支度しなさい。あなたも早く家畜に餌をやる準備をしないと。」
「あ、ああ。分かってるよ。今すぐ準備します…」
二人はいつもこんなこんな感じだ。基本的にお父さんはお母さんに勝てない。これがいわゆる尻に敷かれているってことなのかな?
とそんなことを思いつつ私はお皿をシンクに持っていく。
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。気を付けていくのよ。」
「分かってる。」
このやりとりもいつものことだ。私は学校に行くための道のりにのる。
私が通う学校は村の少し外れにある唯一の学校だ。通っている生徒は私が住んでいるノヴォズナメンカだけでなくいろんなところからやってくる。小中高を兼ねており、全校生徒は60名ほどである。
そして普通の人間とウマ娘が一緒に授業を受けている。
大きな都市、それこそモスクワやサンクトペテルブルクなんかはウマ娘専用の学校があるみたいだけどノヴォズナメンカのような田舎はたいてい共有だ。
しばらく歩いていると後ろから元気な声がした。 - 87二次元好きの匿名さん25/10/15(水) 23:27:44
「お~い、スプちゃん。おはよー!」
「あっ!おはようオリガ。今日も元気だね。」
私の近所に住む人間、オリガ。私より八つも年上であるが物心ついた時から遊んでくれて親しみを込めて私は彼女を呼び捨てにしている。
「野菜ありがとね。とってもおいしかった。」
「それはよかった。わたしとお母さんで育てた野菜なんだよ。今、お母さんにいろいろ作物の栽培方法とか聞いてるんだあ。」
「すごいなあ。オリガはもういろんなことに挑戦してるんだね。」
オリガは努力家だ。それでいて人当たりもいい。学校や周辺の人たちからの信頼も厚い。
「うん。自分でやれることどんどん探していかないとね。こんなご時世だし。」
この国は今のところ平和を保っているけど地方に対する支援が十分かと言われたらそうでもない。
少なくとも何もしないで生きていけるほどこの国は甘くないのだ。
「スプちゃんも将来のことちゃんと考えないとね。なんか将来の夢とかあるの?」
「う~ん、特に思いつかないなあ。強いて言うならレースで走ること?」
ふとお父さんの言葉がよぎった。中央で走るということ。
「あー走るね。うちの学校はそういったカリキュラムはないから中央で走るにしろ地方で走るにしろ別の場所で学びに行くしかないね。まあ、スプちゃんが活躍するってなった時はわたしも応援しに行くよ。」
オリガはそう笑顔で語るのだった。 - 88二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 06:55:02
概念語りからSSまで発展するの、まさに架空馬・オリウマって感じ
- 89二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 07:00:35
あかつきちゃんは緑の髪でツインテで好物がネギです
金星でコールドスリープしてたらよその惑星からやってきた知的生命体に発見されます - 90二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 07:28:20
マーズ・クライメイト・オービターはマイルレースだけ調子でないとか、マイルレースで故障したとか、グランアレグリアにだけは絶対勝てなかったとかになるのかな…
- 91スプートニクSSの人25/10/16(木) 12:26:35
あれ以来ずっと考えてた、自分はどうしたいのか。学校の休み時間の間にテレビを見ている職員がいた。
そこに移っていたのは、
『ブリザンド!ブリザンドが前に出る!ものすごい末脚だ。一人また一人と抜かしていく。そのまま一バ身二バ身突き放す!突き放す!突き放す!
しかし、外からジェルジーネツが追いすがる!さあ、どちらが栄光を手にするのか…!』
どうやらレースの映像を見ているようだった。大人たちは子どものように沸き立っている。
『ゴールイン!ソビエト・ダービーを制したのはブリザンド!ジェルジーネツ惜しくも届かず。その差、クビ差。ブリザンドが意地を見せつけました。』
「いや~手に汗握るレースだったねえ。何度見ても心が躍る。」
「しかしやはり中央はレベルが違いますね。迫力というか、圧迫感というか。テレビ越しからでも伝わってきますよ。」
各々が感想を言い合っている中先生の一人が私に気づいて声をかけてきた。
「おや、スプートニクじゃないか。どうしたんだ?」
「あっ、先生からプリントを置きにいってほしいって頼まれて。」
「ああ、そうか。じゃあ俺が預かろう。」
「先生、さっきの奴って…」
「ソビエト・ダービーだよ。生涯で一度しか挑戦できない特別なレース。これに勝てば勝った本人だけでなくその一族に絶対的な箔が付くレベルの栄誉になる。だから中央に在籍しているすべてのウマ娘はこの王冠を狙ってる。」
ソビエト・ダービー・・・一目見ただけでもすごいって分かった。私もあんな風に走れたらなあ。
「決めた。先生!私、いつかソビエト・ダービーに出場して優勝する。ソ連イチのウマ娘になります!」
そう高らかに言い切った私に職員室にいた先生たちは面食らった表情をして、「えっ」と素っ頓狂な声を出したのだった。 - 92二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 13:17:53
こういうのを見ると想像力の豊かさを感じる
- 93二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 14:51:46
ハッブル宇宙望遠鏡がウマ娘化したら大柄な巨乳のモノクルつけた娘になると思います
- 94二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 18:10:45
マイルは呪われてるよね!?ってマイル戦後いっつも思ってそう
- 95二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 21:01:01
元が科学技術の結晶だからウマ娘たちみんなIQ高そう
- 96二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 21:05:10
アメリカ版ハヤブサ号と呼ばれる戦績を残したオシリスレックス号
おそらくケツが凄い。レモンポップ並みに凄い - 97二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 22:01:06
- 98スプートニクSSの人25/10/16(木) 23:55:27
学校から帰った私はこの出来事を話した。
「そうか!しかしダービーとは大きく出たな。まだ小さいのにもうそんなでっかい夢を持つようになったか。」
「簡単な道のりではないでしょうけど私たちはあなたのことを応援しますよ。」
正直、大分荒唐無稽な夢を語っている自覚はあったから何か言われるかもしれないと腹を括っていたが杞憂だったようだ。
さて、ダービーに出るには中央に入らなければ始まらない。そのためにも地方で成績を残して中央のトレーナーにスカウトされる必要がある。ソ連の特色として中央も地方もレースの運営をしているのは国営のウマ娘競技会それすなわち地方での一線級の活躍がそのまま中央入りの近道になる。中央に行けば腕のトレーナーもつくそうだ。
とりあえずは地方のレースで勝利を重ねることを目標して頑張っていこうと思う。 - 99二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 07:10:44
トレーナーの多くが収容所経験してたりしてない?
- 100二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 08:39:25
この時代のトレーナー修羅場潜ったことのあるやつ多そうでちびるわ
- 101二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 17:59:24
「ハレー艦隊」と呼ばれた世代がいそう
- 102二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 18:24:50
二度と帰ることのない冥王星への旅、ニューホライズンズ
遠征先の冥王星に着いたときに「♡」付きの写真を送ってきた - 103二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 19:45:50
日本宇宙機で凱旋門獲ってそうなのどれだろう?
- 104スプートニクSSの人25/10/17(金) 21:48:06
場面は変わり、ソビエト中央ウマ娘学園の理事長室にて、
「なぜ君がここに呼ばれたか分かるかね。」
「いえ、皆目見当がつきません。私が何か問題を起こしたのでしょうか?」
実のところ心当たりはある。ただそれを問題と提起するにはあまりにも納得がいかない。私はさも清廉潔白な囚人のごとく白を切る。
「そうか私が直接言葉にしなければ分からないか。君は中央のトレーナーになってからというもの一度もウマ娘を担当していないな。それでは困るのだよ。我が国は労働を最も重んじていることは知っているな。労働者に正義あり、トレーナーである君の役目はウマ娘を勝利へ導き、祖国の偉大さを高めることにある。それを放棄し、ましてや賃金をもらっておきながらウマ娘一人受け持たないとはどういう了見だ?」
目の前に鎮座している理事長の圧に私は吹き出しそうになる。あたかも向こうに絶対的な正当性があるかのようにふるまうかの者にこれほど恐ろしいまでの茶番を見せつけられては返す言葉もない。
「理事長、私はただ惰性を貪っているわけではないのですよ。中央に在籍している様々なウマ娘を観察し、その才覚を測っているのです。私が指導するにふさわしいウマ娘を。」
「それで?お眼鏡に適った娘はいたのかい?」
「いいえ。誰もかれも低レベルです。私が指導するに値しない。」
そう言うと理事長は深く、大きなため息をついた。
「いいかね。君のその仕事への姿勢は学園だけでなく、人民ウマ娘競技委員会でも問題になっている。君のトレーナーとしての優秀さは分かっているつもりだ。難関のトレーナー試験を一発、それも過去最高得点で合格だ。我々はその才能に免じて大抵の我儘は容認してきたがそろそろ限界だ。今年中に担当を見つけ、実績を残しなさい。でなければ君はクビだ。活躍を期待しているよ。セルゲイ=コロリョフ君。」 - 105二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 00:18:14
月面探査はなんか牝馬三冠路線みたいなイメージあるな
古くはアポロ計画、日本からはかぐや、中国も嫦娥計画を進めているし、まさに群雄割拠 - 106二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 00:22:51
- 107スプートニクSSの人25/10/18(土) 08:15:23
- 108二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 09:29:18
106ですがどうぞご自由に。
あと、スターリン&ベリヤ時代なら仕事を(死ぬ気で)やらない=シベリアで木の数を数える仕事ですが、フルシチョフのスターリン批判後なら即シベリアにはならず、その他の辺境(ただし再起の芽は無い)で済むかも(甘いか?)。
- 109二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 12:16:07
- 110二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 12:33:40
競馬でアポロって言うとアポロの呪いを思い出す
- 111二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 16:38:47
- 112二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 17:25:10
西側ではフォン・ブラウントレーナーが頑張ってるのかな
- 113二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 18:27:13
東西の天才トレーナーが担当するウマ娘同士が競い合うという熱い展開だね
- 114スプートニクSSの人25/10/19(日) 00:11:19
私は理事長室を後にし、廊下の途中で一つため息をつく。まあ、予想はしていたが少々面倒になったなと悪態を隠せずにいた。気分は最悪、されど腹は空くもので一旦食事を摂ってこのわだかまりを晴らすとしよう。そう思い立った私は食堂に赴き、いつものスープとパンを頼む。透明に透き通ったスープは具材のうまみを極限まで引き立て体の芯まで染み渡る。これにパンを浸して食べるのは格別であり、数少ない楽しみでもある。そんな私の至福の時間を邪魔する者が現れた。
「やあ、コリョロフ君。相変わらず無味乾燥な食事をしているのだね。」
「なんだ君か。私は今最高の気分だったのだがね。君のおかげで気分最悪だ、グルシュコ。」
彼とはどうもウマが合わない。彼は私の嫌がることを的確にしてくるのだ。たとえば今私の至福の時間を邪魔立てするとかね。
「まあ、そう言わないでくれ。聞いたよ、君今年中に担当見つけて成績残さないとクビになるんだってねえ。上の連中のことだ。クビとは名ばかりのどこか地方に飛ばされるかもしれないね。・・・あー、ずっと前から疑問だったんだが、どうして君は頑なに担当を取らないのかね。君ほどの才があればウマ娘を栄光に導いてやることだってできるだろうに。私の担当がダービーで優勝したように。」
「分かっていないな。お前も上の連中もだ。現在のソ連にはスターがいない。私のすべてを費やしてもいいと思えるような、そんなスターが。西側のウマ娘を見てみろ。悔しいが歴史も伝統も実力も全てあちらが上だ。私はね、世界を取りたいんだ。内に秘めた圧倒的な才を持つウマ娘。それが中央にいないのだ。今のウマ娘は東では勝てても西には勝てない。だから私は傍流を続けているのだ。」 - 115スプートニクSSの人25/10/19(日) 00:12:25
「ほう…世界とな。それは近々開催されるという例のワシントンのレースかい?」
「そうだ。以前から構想されていたレースがようやく現実味を帯びてきた。世界初の全国を巻き込んだ国際レースの開設。今までの権威あるG1レースは出走できるウマ娘の国に制限があったり、出走費を払わねばならないものもあったりと何かと不都合が多かったからな。このワシントンのレースは世界各国の強者を招き、NO1を決める。これまでと違い、純粋に実力があれば出走できる。そしてアメリカは間違いなくソ連のウマ娘を招待するだろう。どちらがより優れたウマ娘を抱えているか。国の誇りを賭けた戦いだ。」
「なるほどね。それで祖国の勝ち目は?」
「十中八九負けるだろうな。少なくとも今のままでは。」
私は料理を完食し、トレイを持って片付ける。そう今のままではだめだ。だからこそ私は見極めなければならない。世界を相手取れるようなそんなウマ娘を。確実に勝利へ導くために。 - 116スプートニクSSの人25/10/19(日) 08:31:44
- 117二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 11:43:15
ディープインパクトって「あなたの名前を彗星へ送ろう」キャンペーンで約62万5000人分の名前を文字通り彗星に打ち込んだからマジで多くの人の想いを背負ってるんだよなあ
ファン投票とかあったらすごそう - 118スプートニクSSの人25/10/19(日) 14:30:33
私がダービーでの優勝を目標に掲げてから早7年が経過した。あれから私は本格化の時期に向けてお父さんやお母さんの助けも借りてノヴォズナメンカで修業を積んだ。ソ連のウマ娘の訓練体制は盤石とは言えない。膨大なウマ娘に対してトレーナーの人数が不足しているのだ。これはウマ娘競技に割かれている国のリソースが他国と比べて少なく、そもそもソ連は建国してから日が浅いことも要因だろう。加えて先の世界を巻き込んだごたごたもあってソ連全体に十分な最新のウマ娘の訓練設備を配置できないでいた。なので私はこうやって村で細々とレースに向けた練習をしていた。幸いウマ娘のトレーニングに関する書籍や情報はノヴォズナメンカのような辺境の村にも行き渡っている。今日も私は雪が降りしきる中、コースに見立てた道を走っている。凍えるような寒さに私は白い吐息が絶えず横切っていく。ノルマを終え、タイマーで測っていたお父さんのもとに駆け寄る。
「うん、いい感じだ。これなら十分レースで通用するはずだ。あとは地方のレースで実力を示して、中央のトレーナーの指導を受けていけばいい。」
「ありがとう、お父さん。ここまで私の我儘に付き合ってくれて。」
「はは、水臭いことを言うな。お前は俺たちの娘だ。可愛い娘が夢に向かって邁進してるんだ。それを全力で応援してやるのが親の務めってもんだ。」
両親には感謝してもしきれない。私の夢のために献身的に支えてくれた。すると向こうからオリガがやって来た。
「おーい、二人とも。ご飯できたよ。」
「オリガちゃん、すまないね。忙しいだろうに妻の手伝いをしてもらって。」
「いいんですよ。わたしがしたくてやってるんですから。それにスプちゃん、そろそろレースに出るんでしょ?だったら友達として精一杯応援してあげないと。」
「オリガ・・・」
ああ、こんなに素敵な友人にも恵まれて。みんなの献身に報いるためにもレースでいい成績を残さなきゃ。私は目標達成の決意をさらに強くするのだった。 - 119二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 19:19:39
キューブサット一族の一人である日本のオリガミサット1は地道ながらもオープン戦で実戦積んだり、時には地方に赴いて頑張ってたよね
小さいのによくやるよ - 120二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 20:09:48
- 121二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:03:59
ウマ娘たちのプラネタリウムの需要が凄いことになってそう
トレセンにも最新のプラネタリウムドームが作られてそうではある - 122二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:22:08
- 123二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 07:03:04
星と宇宙にまつわるイベントが多そう
- 124二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 11:39:41
- 125スプートニクSSの人25/10/20(月) 19:20:29
そしてデビューレース当日、朝を迎えた私は姿見の前でひとつ深呼吸をする。鏡に映る自分はちょっぴり緊張していそうではあった。けれど決意に満ちた瞳と笑みを浮かべている。もちろんノープレッシャーなわけではない。それ以上に初めて他のウマ娘と鎬を削る戦いをすると思うとワクワクが止まらないのだ。これが闘争心というものだろうか。朝ごはんも早めに済まして私たち家族はレース会場であるボリショイ・レーニネツ会場に向かうバスに乗り込む。私たちの隣には同じ学校のウマ娘の家族もいた。一緒に併せをやったのはいい思い出だ。彼女と私は違う時間帯に走るので今回のデビュー戦では競うことはないがその後は地方レースでぶつかることもあるだろう。バスはそのまま20分ほど走り続け、会場前のバスターミナルで停車する。
「ここが今日のレースの会場かあ。大きいな。」
鉄骨とコンクリートで築かれたスタンドは、あまりにも巨大だった。白く無機質な壁面に、国旗のシンボルカラーである赤が威圧的に彩られ、それはまるで巨大な要塞のようだった。それもそうか。多くのウマ娘が競い合う国内では十分な大きさのレース場が必要だ。
「スプートニク。頑張ってこい。」
「落ち着いて、リラックスよ。」
「ありがとう。お父さん、お母さん。行ってきます。」
私は両親の応援を背にレースの準備をするべく、会場内に入っていくのだった。私は控室にて体操着に着替える。私はレースの展開を考えていた。学校の他のウマ娘と併せをしていて分かったことだが私には特定の脚質というものがない。私の戦術は近くのウマ娘に併せて走ること。それが逃げでも先行でも差しでも追い込みでも変わらない。ついていって相手が疲れたところを抜くというのが私の考える戦術だ。強いて弱みを挙げるとするなら差しや追い込みだと全員追い抜かすのに時間がかかることがあると言ったところだろうか。
「おっといけない、そろそろパドック入りの時間だ。」 - 126スプートニクSSの人25/10/20(月) 19:22:26
私はパドックの前に待機し、自分の番が来るのを待つ。周りのウマ娘を見てみるとその様子は三者三様だ。緊張に震えている者、自信たっぷりに不敵な笑みを浮かべる者、何をするでもなくただ静かに待っている者。私はどうだ?自分の手のひらを見つめ自問自答してみる。緊張はある。でもレースへの期待と勝利への渇望に溢れてる。うん。大丈夫だ。いける。そう確信し、私の番が来たことを確認して一歩、また一歩、歩みを進める。
『続いて6番、スプートニク。8番人気です。』
「スプートニク!ファイトだ!」「スプちゃん頑張って!」
みんなも応援してくれている。このレース絶対勝つ!
私はダートでの準備運動を終え、ゲートに入る。
運命へのゲートが今開かれた! - 127二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:25:25
- 128二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 20:18:37
いくつか候補はあるかな
太陽までの道のりと灼熱の過酷さを考えれば最も長く、最も権威あるステイヤーの頂上決戦のアスコット・ゴールドや世界一過酷でエキサイティングなレースの代名詞グランドナショナルを勝ってそうではある
- 129二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:16:34
スプートニクの続きができてる!!
- 130二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 07:13:18
人民英雄になりそう
- 131二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 10:12:00
人工物最速を踏まえれば短距離戦の最高峰のブリーダーズカップ・スプリントやキングチャールズ3世ステークスが似合いそう
- 132二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:25:28
こんなスレがあったのか
- 133スプートニクSSの人25/10/21(火) 22:18:22
『スタートしました。11人のウマ娘の初の晴れ舞台。初白星は一体誰の手に。』
ゲートが開いた。皆が一斉に飛び出していく。そんな中で私はいいスタートダッシュを決めることができた。ゲートスタートは不慣れで不安要素ではあったが乗り切った。とりあえず私がとる戦略としては逃げてる子をマークする。私の脚であれば十分逃げの速度に追走できる。
『さあ、位置が定まってきました。逃げる二人がいます。先頭は3番タルコルム。続いて6番スプートニク・・・』
「あの子随分先頭にいるのね。」
「あいつは好きなように走ればいい。きっとそれが最善になる。間近で走りを見てきた俺が言うんだ。間違いない。」
残り600メートル、ついに展開が動いた。後ろの子たちがギアを上げてきた。そして追走してた子のスピードも徐々に落ちてきている。
「潮時ね。」
そう短く言って私はその子を切り捨てるように追い抜かした。ゴールが眼前に現れる。自分でも信じられないほど足が軽い。周りの空気を取り込む度に酸素とは別に熱く力強いものが駆け巡る。
「そうか。これが闘争か!」
楽しい。あこがれから始まったダービー目標だけど走ることにこれほど喜びを見出したのは初めてだった。やっぱり私はウマ娘だ。
『スプートニクだ!スプートニクが先頭に躍り出る!逃げる逃げる!他のウマ娘も必死に追いつこうとするが届かない!そのままゴール!』
私は1着で駆け抜けた。 - 134二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 07:28:24
ハラショー!!
- 135二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 12:10:38
ウイニングライブの曲目も共産思想強めなんだろうなぁ…
- 136二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 20:29:00
スプートニクのSS見てたら自分も書きたくなってきた
ニューホライズンズで書きたいけど、冥王星探査って競馬で例えると何に当たるんだ……? - 137二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 20:53:17
- 138スプートニクSSの人25/10/22(水) 22:11:33
「勝った…」
私の初陣は白星に飾られた。未だ駆動する熱と響く鼓動はスイッチ切られてもなお動き続けようとする機械の如く。一歩、自分の夢に近づいた。その実感がどうしようもなく心地いい。
『それではただいまよりスプートニクによるウイニングライブを始めます。』
一瞬の静けさは歓声に変わる。大丈夫だ。事前にお母さんや学校の先輩に見てもらったし、無様な踊りはしないはずだ。私は閉じていた眼をゆっくり開いて歌い出す。
「Расцветали яблони и груши,
Поплыли туманы над рекой.
Выходила на берег Катюша,
На высокий берег на крутой.」
カチューシャ。ソ連のウマ娘がウイニングライブで扱うのに定番の曲。数十年前に作詞作曲されたそれは瞬く間にソ連中で人気を博し、数々の替え歌が作られたほどだった。ウマ娘たちはこの流行りにのり、こぞってウイニングライブに採用したため、いつしか大抵のウマ娘は踊ったことのある定番曲の地位を得た。時間はあっという間で、気づけばライブは終わっていた。なんとかミス無く踊れたという安心感とレースほどでは無いにしろ熱を帯びた体から滴る汗を拭って舞台を降りる。最後にウイニングライブを聴いてくれた人たちに感謝のお辞儀を忘れずに。
ウイニングライブを終え、私は家族のもとに駆け寄る。
「すごいじゃないかスプートニク!文句なしのレースだったぞ!」
「本当に頑張ったわね。お母さん誇らしいわ。」
父や母からの労いは火照った体に染み渡る。私をここまで支えてくれて夢を1番に応援してくれたのは二人だった。
「スプちゃん。いいスタートを切れたね!ウイニングライブも完璧だったし、この調子で走っていこう!」
「わざわざありがとうオリガ。応援しに来てくれて嬉しかった。」
「当然よ。友達の晴れ舞台だもの。その勇姿をしっかりと目に焼き付けないと。」
オリガも時間を作って来てくれた。そう、私は両親だけでなく友人にも恵まれた。こうして声をかけて鼓舞してくれる人や同じレースに立とうとする学校のウマ娘や先輩からのアドバイスもあった。自分をここまで連れてきてくれたこの奇跡全てにありがとうと感謝の気持ちを伝えたい。帰りのバスに乗車して帰路につく。どうやら今夜は私の初勝利祝いで豪勢な食事だそうだ。 - 139スプートニクSSの人25/10/22(水) 22:14:44
「腕によりをかけて作ったのよ。オリガちゃんも手伝ってくれてね。」
「スプちゃんの勝利祝いだからね。おかわりもあるよ。」
なんと肉が贅沢に使われた料理がズラリと並んでいる。しかもちょっといいやつ。随分と奮発したなあ。ノヴォズナンメカのような辺境の村とモスクワの中心都市とでは生活水準がまるで違う。以前よりも嗜好品や物品には手が届きやすくなったとはいえ、まだまだそんな気軽に手を出すことのできる代物は多くない。
「あなたのデビュー祝いのためにコツコツ貯金してたの。」
「お前の新たな世界の門出だ。貧相では格好がつかん。遠慮せず食べなさい。」
「あの…私もちゃっかり同席しちゃってますけど本当に頂いていいんですか?」
「もちろんよ。オリガちゃんにはいろいろ助けてもらってたしそのお礼と思って。」
私の周りの大切な人たちと食卓を囲み、温かさを迎えて美味しさを楽しむ。レース時とはまた違った幸福が私を包み込んでくれる。こういう何気ない日常がヒトをウマ娘をより幸せにしてくれるのだろう。決して極楽な生活では無いけれど、十分過ぎるだけの幸福がここにはあるのだろう。ダービー勝ってみんなに恩返ししたいな。 - 140スプートニクSSの人25/10/22(水) 23:34:31
- 141二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 06:44:28
レース場に赤い風が吹きすさぶ
アグネスタキオンが何故か盛り上がってそう - 142二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 10:07:22
存在しない記憶から運命的な何かを感じ取ってそうよねw
- 143二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 10:15:09
宇宙開発だとバチバチに競い合ってるかと思ったら、意外に冷戦中の米ソで国際協調してたりもするから面白い
- 144スプートニクSSの人25/10/23(木) 19:50:14
翌日、学校にて
「スプートニク、お前デビュー戦勝ったんだって?すげえな。」
「レース観てたよ。前のウマ娘を抜かしてびゅーんってさあ。」
「うちのクラスにレース勝つ子が現れるなんてねえ。」
クラスのみんなから詰め寄られた。どうやらうちの学校でデビュー戦を勝ち上がったのは私だけらしく物珍しさに集まってきようだ。デビュー戦に限った話では無いが大抵のレースは各地のウマ娘が集う。それこそ地方のレースでは名の知れた実力校や実力者も出走してくる。私が勝ったあのレースも一度は聞いたことのある学校からやって来た娘もいた。そしてソ連国内にいる競争ウマ娘の人数を考えれば熾烈な争いになるのは当然のこと。最後まで1勝もできないまま引退する者も少なくない。たかが1勝、されど1勝。それだけ勝利の価値は重いのだ。群がるみんなをなんとか掻き分け、廊下に出る。賑やかななのは好きだが、これでは落ち着かない。一旦外の空気を吸うことにした。
学校のチャイムが鳴り、各々帰る準備をしている。そこで私は次のレースを何にするか迷っていた。中央に行く近道は中央のウマ娘も地方のウマ娘も出走できる交流戦を勝つのが最適だ。となると次走は、
「これだ。アレイスク記念。」
人民ウマ娘競技委員会が指定した認定競争。これに勝つことができれば中央のウマ娘と戦うことのできる交流戦に挑戦できる。次なる目標を定めた私はさっそく登録するために家に直行するのだった。 - 145二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 23:46:12
それこそハレー艦隊とかね
- 146二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 23:50:52
ヒントたすかる
試しに世界最長距離のレースはなんだ……って調べたら、平地なら4014mのゴールドカップ、障害競走ならフランスのル・リオン・ダンジェ競馬場のアンジュ・ロワール・チャレンジが7300mって出て吹いた
ネトケがル・リオン・ダンジェ競馬場のレース映像を上げてたけど、過酷……
過酷な障害コースを多数見ているだろう欧州メディアをして「最もクレイジーなコースの1つ」と言わしめる、🇫🇷ル・リオン・ダンジェ競馬場のクロスカントリーコース。 <a href="https://twitter.com/AtTheRaces/status/1552572316449513472" target="_blank">twitter.com/AtTheRaces/sta…</a> — netkeiba (netkeiba) 2022年07月28日
- 147二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 07:05:56
飛び降りる障害とか三段の急な下り坂(後で上り坂にも)とか下ったところに生垣障害があるとか凄いな
- 148二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 10:15:07
- 149二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 19:46:16
- 150スプートニクSSの人25/10/24(金) 21:16:08
アレイスク記念当日
「よし。コンディションもばっちり。いける。」
そう意気込んだ私はパドックへ歩を進める。アレイスク記念は認定競争という枠に定められ、中央のウマ娘と戦うことのできる交流戦の出場枠を賭けて各いろんな地域からウマ娘が集まってくる。その中には当然私よりも実績や経験を積んでいる者もいるため戦いは熾烈を極めるだろう。だが中央に行って、ソビエトダービーを目指す以上避けては通れない道だ。
『8番、スプートニク。デビュー戦で勝利して見せた彼女。このまま勢いに乗って交流戦の切符を手に入れることができるのか。』
パドックに入り、多くの視線にさらされる。やはりデビュー戦の時よりも多くの人たちが見にきている。しかし私はそんな中でも勝って見せる。ターフで念入りに準備運動していると溢れんばかりの大歓声がレース場を包み込んだ。どうやら今パドック入りしたウマ娘に向けられているようだった。
『さあ、大本命真打登場!このウマ娘を語らずしてレースは始まらない!堂々の1番人気、バルティカンセオリー!』
やはりかと私は心の中で思った。バルティカンセオリー、今までの戦績は12戦9勝2着が2回。そして現在3連勝中で地方で最も勢いのあるウマ娘の一人と言っていいかもしれない。レースの映像を見た感じ、後方待機策で一気に抜かす戦術を得意としている。今回も私は先頭の娘をマークするつもりだ。彼女の末脚にぶち抜かれないように気を付けなくては。
「チッ!むかつく奴だぜ。持ち上げすぎなんだよ。」
この毒づいているウマ娘も相当な実力者。デビューから今まで3連勝中だ。右も左も格上ばかり。ちょっと緊張してきたなあ。
『さあ、すべてのウマ娘が出そろいました。21人の中から交流戦の出走権を得られるのはただ一人。運命のゲートが今… 開かれた!』 - 151スプートニクSSの人25/10/24(金) 21:21:56
ゲートが音を立てて開く。瞬間、
「しまった!」
『おおっと、スプートニクが出遅れた!』
最悪だ。まさかここにきて初歩的なミスをするなんて。いや、落ち着け。レースはまだ始まったばかり。それに私の強みはどんな脚質にも対応できるところじゃないか。ここは切り替えて後方のウマ娘をマークしよう。ちょうど有力バのバルティカンセオリーが走っている。彼女に付いてチャンスを伺うんだ。
『ここで21人のウマ娘の位置が定まってきた。先頭は逃げ宣言ルービカ。快調に飛ばしていく!2番手にレ―ヴィッツ。これもなかなか恐ろしい存在!・・・
そしてここにいました。本命バルティカンセオリー。後方でじっくりと足をためる。そしてそれをマークするかのようにスプートニクが虎視眈々と狙っている!』
クッ!さすがにペースが最初の時とは段違い。プレッシャーもひりひり感じる。けれどなぜだろうか。今私はどうしようもなく楽しんでいる。心臓の高鳴り。早く駆動する脚。認定戦でこれなのだ。もしこれが交流戦、果てはダービーだったらどんな景色、どんな夢を見せてくれるというのか!
「はあっ!」
『さあ、ここでバルティカンセオリー、スパートをかける!残り500メートル!みるみる他のウマ娘を追い抜かしていく!そして突き放す!もうだれも追いつけないか?!』
「くっそ!追いつけねえ。」
レース前に悪態をついていた娘の脚はもう限界。
「よし、このままゴールに!」
バルティカンセオリーは勝利を確信した。しかし、
『あ~っと!なんということだ!一人のウマ娘がぴったりと追いつく!スプートニクだ!スプートニクが追いすがる。』
「そんな!?ありえない。」
バルティカンセオリーはこの状況を否定したかった。しかし現実はまざまざと突き付けて来る。彼女にとって名もなきウマ娘の背中をただ見ることしかできないことを。
『スプートニクが抜いた!そのままゴール!なんということだ!勝ったのはスプートニクだあ!」
「「うお~~!すげえ!」」
歓声と驚愕が響き渡る。このアレイスク記念はダークホース、スプートニクの勝利で終わった。 - 152>>13625/10/24(金) 22:08:48
《夏の中京レース場、スプリント戦をクラシック級のウマ娘が制しました!
記録は……なんとレースレコード!?》
僕がはじめてそのウマ娘を見たのは、夏の中京レース場で開催されたG3「CBC賞」。
かつてG2だったこのレースは、日本でも3例しか無いグレード格下げという憂き目を背負ったレースでもある。
「それではウィナーズサークルからお届けします! シニア混合のスプリント戦勝利ということで、やはり目指すところはスプリンターズ――」
「菊花賞です」
「――はい?」
その場にいた全員の頭の上に、クエスチョンマークが見えた。
たった今、芝1200mというスプリント戦を勝ったウマ娘が、芝3000mの長距離レースを目標にするとは、誰も予想打にしない出来事だったのだ。
「より最速に、より遠くまで。それが……冥府で待っているおじいちゃんの夢でしたから。
この勝利はいわば、夢へのスイングバイ――なのです」
右耳に飾られたトンボを模した髪飾りを優しく撫でながら、彼女は混じり気のない笑顔で言い切ったのを、僕はウィナーズサークルの外から見た。
彼女の名前はニューホライズンズ。
これから怒涛の長距離路線を駆ける彼女の勝利は、スプリント最速レコードから始まり――数奇な運命の末、ロイヤルアスコットレース場・芝4014mへ至る。
その最初の笑顔を、僕はきっと忘れることはないだろう。 - 153>>13625/10/24(金) 22:15:14
- 154二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 23:12:45
- 155二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 09:02:01
- 156二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 09:10:03
難しいお題を形にしただけで十分尊敬モノですわ。
- 157二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 18:37:29
偏見だけどここのウマ娘Among Us好きそう
後universe sandboxが人権ゲームになってそう - 158スプートニクSSの人25/10/25(土) 23:08:00スプートニクSS改訂版 | Writening赤子の鳴き声が聞こえる。それはひどく吹雪の吹く季節だった。 「おめでとうございます。元気なウマ娘が生まれましたよ。」 ここノヴォズナメンカ、小さな片田舎唯一の医者が赤子を抱き上げて私に手渡す。銀…writening.net
早めのSS改訂版
表現とか変わってるところもあります。あと結構設定とか世界観が変わってるんですけど書きやすさとかコッチの方が面白そうだなってな感じな理由で変更がされてます。
コロリョフくんとか登場人物は改訂版の方でも出す予定ではあるので、新鮮な気持ちでSSを見れるということでご愛敬。時たま加筆修正することもあるんでその都度告知しようかなって思います。
- 159二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 08:49:22
- 160二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 09:09:59
- 161二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 16:08:57
パーマーの固有の元ネタだっけ
- 162スプートニクSSの人25/10/26(日) 19:29:55
- 163スプートニクSSの人25/10/26(日) 23:45:06
- 164二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 07:02:46
- 165二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 16:16:30
- 166スプートニクSSの人25/10/27(月) 23:08:57
ホームですでに停車している列車に乗り込み、切符に記された座席に向かう。私が今回乗る列車はいくつもの部屋に区分けされたコンパートメント車両。一部屋二人で寝台が備え付けられ、長時間の移動を想定した車両だ。なお、今回の列車はウマ娘たちのために貸し切りされたもので防犯対策もばっちりである。
「う~ん、どうしようかな。何もすることないし。」
定められた部屋に荷物を置いて、手持無沙汰になっているとがらがらと後ろのドアが開いた。
「あっ、もしかして同室の子?」
「そうだよ。えっと・・・」
「私の名前はアリュミニイ。ここからここから北西にあるダブニって町から来たんだ。君は?」
「私はスプートニク。ノヴォズナメンカっていう村から来た。この列車に乗ってるってことは中等部に行くってことだよね?同級生として仲良くしてほしい。」
「こちらこそ。君とはなんとなくだけど長い付き合いになりそう。」
こうして旅の道ずれができた私は長い移動に退屈することなことはなかった。
「そういえばさ、スプートニクってさ中等部入ったらやりことって言うか、目標ってあるの?」
列車に揺られること1時間と少し、そんなことを尋ねてきた。
「私はソビエト・ダービーに勝ちたい。昔からの夢。」
「ソビエト・ダービーか。大きい夢だね。てことは中央目指してるの?」
驚いた声色で私の掲げた言葉を反芻する。
「うん。そのためにも中等部のうちにレースに勝たないと。アリュミニイはどうなの?」
「私か。どうだろうね。スプートニクみたいに明確な目標は無いんだ、実は。事なかれ主義だから安定した、私に向いてそうな道に進むよ。幸いウマ娘は選択肢が多いからね。」
幾度目かの会話のあと、列車は音を立てて停車した。ようやく着いたのだ。目的地ノヴォシビルスクに。 - 167二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 06:53:26
ロシア・ソビエトの競馬事情って全然わからんがソビエトダービーは実際あるんだな(ボリショイ・フシエソユツニー賞の通称)
- 168二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 10:03:18
ソビエト関係のレース事情って情報少ないよね
- 169二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 10:44:55
- 170二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 19:10:54
- 171二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 19:44:27
遠目にサムネ見てたらナイターのダートコースに見えてきた
- 172スプートニクSSの人25/10/28(火) 22:07:29
ノヴォシビルスク。人口150万人以上抱える大都市だ。人口規模はソ連の中でも第三位であり、ソ連有数の大都市である。スプートニクが通う学校はそこにあるノヴォシビルスクウマ娘学園。学園内に併設されている大規模な寮で生活することになる。
「ここがノヴォシビルスクか。初めて来たけどやっぱり大きい。人もこんなにいっぱい。」
「スプートニクはノヴォシビルスクは初めてなんだね。」
「アリュミニイは来たことあるの?」
「うん。パパの仕事の関係でね。列車でここに来るために川を渡るための橋があったでしょ?あれ、私のパパの会社が建設を請け負ったんだよ。で、仕事のついでにってことでここに来たの。」
なるほどと思った。では、荷造りが落ち着いた頃合いで彼女にこの街の案内でもしてもらうことにしよう。そうしてノヴォシビルスクの街並みを楽しみながら学園までの道を歩いていく。
「これが学校なの?とても信じられない。」
「やっぱりそう思う?私も何度か見たことあったけど改めて見ると大きいなあ。」
二人が驚いてしまうのも無理はない。ノヴォシビルスクにあるどの建造物よりも広大で巨大だったのだ。学内に入り、あらかじめ伝えられた寮の部屋に向かう。
「いやあ、スプートニクと同じクラスでよかったよ。私の友達はみんな他のクラスに割り当てられちゃったからさ。」
「私も。私はあまりウマ娘の知り合いがいなかったからアリュミニイがいてくれて助かる。」
どうやら同じクラスだったようだ。エレベーターは混んでいそうなので階段を使うことにした。談笑しながら歩を進めていき、階段の登りを繰り返す。三度目にアリュミニイの足が止まる。
「じゃあ、私3467号室だから、ここで。」
「うん、じゃあまた今度。ちなみに私は4007号室だから。」
「オッケー。じゃあまた会おうね。」 - 173スプートニクSSの人25/10/28(火) 22:09:48
手を振るアリュミニイに応え、スプートニクは自分の号室へと赴く。カードキーを差し込み、ぴーっと電子音がなり、開錠される。そこにはそこそこの広さの個室があった。シングルサイズのベッドにユニットバス、冷蔵庫が備え付けられている。
「とうとう、新しい学校か。」
ベッドの上で寝転がる。ぐるぐると思考が回る。
「なにしようかな。」
学校が始まるまでにあと1週間ほどある。それまでノヴォシビルスクの散策もするもよし、トレーニングに励むもよし。こうしてノヴォシビルスクのスプートニク学園生活は幕を開けたのだった。 - 174スプートニクSSの人25/10/28(火) 23:30:20
- 175二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 09:23:14
ディープインパクトのヒミツ①
占いやオカルトに苦手意識がある。
(ディープインパクトが彗星の調査のために弾丸を打ち込んだ際にロシアの占星術師が宇宙の自然のバランスが破壊されたとしてNASA相手に多額の訴訟を起こしている。) - 176二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 18:10:07
ロシアってのがなんとも…
- 177スプートニクSSの人25/10/29(水) 19:55:27
結局スプートニクはこの一週間は学園内の散策とトレーニングに費やした。広大な学園内を歩き回るだけでも1日を費やせそうだった。幸いトレーニング施設は今の段階でも使えるのでその恩恵に預かることにしたのだ。
「皆さんようこそ我がノヴォシビルスクウマ娘学園に。学園長のミハイル・セルビッツです。まずは皆さんがこの学園に入学してきたことを嬉しく思います。開校以来、数多のウマ娘がこの学園にやってきましたが、誰もが自らの目標に向かって懸命に努力してきました。今年入学してきた皆さんにも先達の後ろ姿を見て己のなすべきことに励み、社会へ羽ばたいてほしいです。」
入学式で学園長からの激励の言葉をもらい、終えた後は各々のクラスに向うことになった。スプートニクが教室に着くと何人かはすでにおり、話に花を咲かせていた。椅子を引き、着席する。
「おっ!いた。一週間ぶりだね。」
「おはようアリュミニイ。改めてクラスメイトとしてよろしく。」
「こちらこそ。」
軽い握手を交わして、話もそこそこにドアから先生らしき人物が入室してくる。
「はーい、皆さん席に着いてください。」
先生の一声に皆がゾロゾロと着席していく。
「では、まずは自己紹介から。私は皆さんのクラスの担任教師となりましたエレモフ・エリザヴェータです。科目は数学を担当しています。さて、皆さんはこのノヴォシビルスクウマ娘学園に入学してきたわけですがこの学園について改めて私の方から説明させていただきます。この学園は中高一貫校であり、全国に20ヶ所以上あるウマ娘の教育機関の一つです。生徒数は4000人弱。皆さんはこの学園での生活や活動を通して進路を決めていくことになります。工学や建築、芸術や軍事、政治や農業はもちろんウマ娘競技者としての道も開かれています。皆さんが行きたいと思う進路を見極めて自身と祖国の発展や幸福のために邁進してください。それと、学園在籍中にレース等に参加することもできますがそれと並行して学業に関しても取り組まなければならないのでバランス良くローテを組みましょうね。」
あらかた説明が終わり、初日に行われる行事はひと段落ついた。ここからは自由行動であるが。 - 178スプートニクSSの人25/10/29(水) 19:56:46
「アリュミニイ、時間が空いてるのであればノヴォシビルスクを散策しない?街の把握も兼ねて貴方にも案内してもらいたいんだけど。」
「もちろんいいよ。私も久しぶりのノヴォシビルスクを楽しみたいし。」
意見の合意を得た。一度、自分の部屋に戻り、校門前の集合に定めた。学園を出発して建物の通りを見据える。幾層にも窓が取り付けられた建物はノヴォズナメンカやクルンダではお目にかかれないものだ。しばらく歩いていると
「ここは…」
「ショッピングモールだね。大抵のものはここで揃うよ。学園の購買部に無いものはここで買うって感じかな。しかもここは映画館があるから遊ぶにはうってつけ。」
アリュミニイがそう説明する。さらにしばらく歩いて、一際大きい建物の前に止まる。
「ノヴォシビルスクを語る上ではこれは外せないでしょ。国立オペラ・バレエ劇場。ソビエト有数の劇場だよ。」
なるほど外観だけでも圧倒されるものだ。
「今日はさ、せっかく来たんだしこれを一緒に観ない?」
アリュミニイの手には劇場予定のパンフレットが握られていた。
「『くるみ割り人形』?」
「そう、あの有名なチャイコフスキーのくるみ割り人形が上映されるんだって。これは観なきゃ損だよ。」
「くるみ割り人形か。本では読んだことあったけど劇で観るのは初めて。うん、是非観たい。」
音楽に合わせて演者が踊る。その演技、演出どれをとっても一級品。流石は最高峰の劇場が織りなす劇といったところか。
「クララは幸せだったんだろうね。たとえひと時で終わる夢だとしても。」
アリュミニイは神妙な顔で言う。
「幸せな記憶は小さな箱に閉まっておくのがいいと聞いたことがある。多分これもその類。」
「スプートニクは、王子様は本当にいたと思う?ただの夢幻じゃなくて。本当に。」
「分からない。でもきっとクララはそう信じてると思うよ。うん、それが一番。」
国立オペラ・バレエ劇場を抜け、スプートニクとアリュミニイは夕焼けの空の中を歩く。
「スプートニク。私はひと時の幸せより永遠の幸せがいいな。」
「みんなそうじゃない?幸せは長い方がいい。」
「確かにね。でも私は短いのはいらない。長く積もった確実がほしい。」
劇場への自分に対する返答のつもりなのだろうか。二人はそれ以上同じ話題は表に出すことはなかった。 - 179二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 20:35:45
みちびきはグローバルポジョションシステム系が日本で華開いてほしい。
センチメートルオーダーの正確さでレースをしたり、レースの位置の解説がやたら正確だったり、マイルちゃんの位置版的なね… - 180二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 20:39:47
サイレンススズカ先輩と仲良しのルナクルーザーちゃん
ダートや障害をもろともせずに走る姿は「六本足」の異名でがつくほどで…
最近チームのオーナーが「お前んところの六本足は砂しか走らんのか」と言われたので同じ走法の芝の子を育成してるとか,。 - 181二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 20:51:25
インテルサット先輩とかグーグルルーン先輩とか見るたびに「先輩たちの遺志は…!」って言うんだけど毎度「勝手に亡き者にすんじゃないよ!」って突っ込まれてる
大洗の海岸の辺りに実家というか拠点があるけど、インターネットが毎度海外判定になるのが悩みらしい
あとキズナ先輩のパワーに憧れてる
- 182二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 23:23:32
- 183二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 09:19:14
宇宙工学とか宇宙物理学が専門かな?
- 184二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 09:34:37
HTV-X、ISS到着おめでとう
レース引退後は運送業なんだろな - 185二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 19:06:29
あかん脳内にザコシショウが…
- 186二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 19:06:53
エルコンドルパサー(曲のほう)が収録されてるんだっけ
- 187スプートニクSSの人25/10/30(木) 20:13:33
翌日以降、本格的に授業が始まった。
「この数式の答えを…では、スプートニクさんお願いします。」
「はい、x=12です。」
「正解です。よくできました。」
初等部の頃よりも授業の難易度は上がった。しかし幸いにもスプートニクには人並み程度には勉学の出来が良かった。
「スプートニク、ここの問題ってどうやって解いた?」
休み時間にアリュミニイが問いの理解を求めてスプートニクに尋ねてきた。
「ああ、そこはこうやって解けば…」
ひとまずは勉強においてドロップアウトする心配は無用に思われる。それよりもスプートニクはとある選択授業に心の重きを置いているのだ。
「はいじゃあこれからレースに向けて練習をしてもらうんだがその前に幾つか前提知識を頭に入れてもらう。既に知っているやつもいるだろうが念のためな。まず我が国のレースは中央と地方に分けられる。中央は人民ウマ娘競技委員会が直接創設し、制定したレースの総称で、これに出走できるのは原則モスクワにあるソビエト中央ウマ娘学園に在籍しているウマ娘だけだ。中でもソビエトクラシックに定められた3つのレース。M.I.カリーニン記念、ソビエトダービー、ソビエト社会主義共和国賞、これら3つのどれかでも勝てばその一族に多大な栄誉が与えられるだけでなく、幾つもの特権が手に入る。中央の奴らはこの王冠を賭けて争っているというわけだ。一方地方では各地域に存在する評議会が発起人となり、人民ウマ娘競技委員会に草案を提出して、正式に認められたレースのことだ。さて、この授業を受講しているということは少なくともウマ娘競技者を目指している奴が多いってことだと思うがお前たちが目指すべき目標はなんだと思う?当然中央に行くことだ。だがそれだけじゃない。そこで勝つんだ。中央に行くだけなら死ぬ気でやれば出来る。中央のエリート共をぶっ倒してレースに勝ってこそ意味がある。地方の学園から中央のレースに勝つウマ娘を輩出するのはノヴォシビルスクを含めた全地方学園の悲願だ。中央に行くためには地方のウマ娘でも出走できる人民ウマ娘競技委員会が定める交流戦を勝利するのが1番の近道だ。その交流戦に出走するために、認定戦と呼ばれる全国の地方ウマ娘が集うレースで優勝しなくてはならない。もちろん中央と地方とではレベルが桁違いだ。だがだからこそお前たちは成し遂げる価値がある。お前たちの存在の証左を示せ。」 - 188スプートニクSSの人25/10/30(木) 20:18:30
授業の最初にトレーナーが言った言葉を思い出す。スプートニクは少しずつではあるがその厳しい戦禍の最中に脚を運びつつあった。
「はぁ、はぁ、はぁ。流石にキツいなあ。」
「大丈夫?はいコレ水。」
「ああ、ありがとう。」
スプートニクは息も絶え絶えなアリュミニイに飲料水を手渡す。汗でぐっしょり濡れた髪と体操着はその疲労度合いを物語っているだろう。
「しっかし、スプートニクは凄いね。」
「何が?」
スプートニクは、アリュミニイの賛辞に首を傾げる。自分には特別優れたところなど無いと思っているのだ。
「私は別にレースに関して何かに秀でてるとは言えないと思うけど。能力測定でも平均値、体力に至ってはちょっと下って感じだったけど。」
「ああ、そういうことに言ってるんじゃないの。スプートニクその様子だと結構体力消耗してる感じじゃん?それなのに疲労を表に出さないっていうか。なんか精神力の強さを感じるよ。」
確かにスプートニクは体力はすっからかんではあるものの息を切らさず騒ぎ立てることもない凪の姿勢である。この点に関してはスプートニクの中である程度の見当がついている。
「多分、ここにくる前。地元のノヴォズナメンカで基礎体力を増やすトレーニングをしたからだと思う。結局のところ体力は伸び悩んで、疲労に慣れたせいか顔に出すことをしなくなることを覚えるばかりだったけど。」
二人が話し込んでいると、
「後3分で休憩終了だ。準備しておけ。地味な訓練だろうがこういった基礎が未来の勝利する自分を形作るんだ。」
トレーナーが休んでいるウマ娘に檄を飛ばす。
アリュミニイは膝に手を置いて反動のままに立ち上がる。スプートニクの方へ向き直り、
「もうひと頑張りだね。行こっか。」
「うん、頑張ろう。」
今日も訓練に身を投じるのだった。 - 189二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 23:18:42
- 190二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 06:49:17
ガリレオは欧州で有名な競走馬がいるから名前かぶっちゃうなぁとか思ったり思わなかったり
それこそディープインパクトもそうだし、探査機の命名と競走馬の命名って意外とセンスが近い所あるのかも - 191二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 10:04:08
馬と宇宙機って意外にも共通点ってあるよね
- 192スレ主25/10/31(金) 19:08:21
- 193二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 23:15:15
埋め
- 194二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 08:49:16
すまぬ…
新スレのほうを落としてもうた - 195二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 16:26:32
こちらはまだ5レス有ります。次の打ち上げには間に合います。

