もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart27（再建て）

[1 二次元好きの匿名さん 25/10/15(水) 22:32:55]

※落ちてしまっていたので建て直しました。書き込んでくださった方、申し訳ありません。

アグネスが士官学校（ザフトアカデミー）卒業後、親のコネでミネルバに着任し、ルナマリアが入れ替えに月軌道艦隊に着任したいたら…、という何番煎じかわからないSSの27スレ目です。

同時多発攻撃に対応すべくカスピ海を発ったアグネス、テルメズ攻防戦の終結を以て彼女達の長い夜は漸く明けようとしています。

トルキスタン地域3都市に押し寄せたブルーコスモスゲリラはミネルバの奮戦により退けられ、国境の要所テルメズの連合軍も対ロゴス同盟軍に降伏しました。中央アジア戦線崩壊の危機は一先ず遠退いたように思われます。

ユーラシア連邦から独立を図る中央アジア各国政府はどうにか急場を凌ぎ、南方からの友軍を迎えようとしています。一先ずこの戦いは『ザフト・対ロゴス同盟側の勝利』と言って差し支えないでしょう。

しかし、同盟側の被害も甚大なものです。

各国の交通の要所たる4都市何れも深刻な被害を受け、テルメズ攻防戦に参戦した汎ムスリム会議軍は甚大な損害を被りました。東奔西走したグラディス提督以下パイロット隊・乗員の疲労も限界に達しています。

ブルーコスモスゲリラが跳梁跋扈し、カザフスタン地域北部を地球連合の大軍が席巻する中、中央ユーラシアの混沌が収まるまで道は長いように思われます。本来の任務も抱え、ミネルバは何処に舵を切るべきなのでしょうか。

おつきあいをいただければ。

[2 二次元好きの匿名さん 25/10/15(水) 22:35:50]

落としてしまったスレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart27｜あにまん掲示板

前スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart26｜あにまん掲示板

1スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たら｜あにまん掲示板

2スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart2｜あにまん掲示板

[3 二次元好きの匿名さん 25/10/15(水) 22:38:34]

3スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart3｜あにまん掲示板

4スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart4｜あにまん掲示板

5スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart5｜あにまん掲示板

6スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart6｜あにまん掲示板

[4 二次元好きの匿名さん 25/10/15(水) 22:41:14]

※落としてしまった7スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart7｜あにまん掲示板

再建てされた7スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart7（再立）｜あにまん掲示板

8スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart8｜あにまん掲示板

9スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart9｜あにまん掲示板

[5 二次元好きの匿名さん 25/10/15(水) 22:43:36]

10スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart10｜あにまん掲示板

11スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart11｜あにまん掲示板

12スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart12｜あにまん掲示板

13スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart13｜あにまん掲示板

[6 二次元好きの匿名さん 25/10/15(水) 22:46:52]

14スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart14｜あにまん掲示板

15スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart15｜あにまん掲示板

16スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart16｜あにまん掲示板

17スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart17｜あにまん掲示板

[7 二次元好きの匿名さん 25/10/15(水) 22:49:12]

18スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart18｜あにまん掲示板

19スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart19｜あにまん掲示板

落としてしまった20スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart20｜あにまん掲示板

再建てした20スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart20（再建て）｜あにまん掲示板

[8 二次元好きの匿名さん 25/10/15(水) 22:52:00]

21スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart21｜あにまん掲示板

22スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart22｜あにまん掲示板

23スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart23｜あにまん掲示板

24スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart24｜あにまん掲示板

25スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart25｜あにまん掲示板

[9 二次元好きの匿名さん 25/10/16(木) 00:11:10]

お疲れ様でした
保守します

[10 二次元好きの匿名さん 25/10/16(木) 00:15:48]

もう一つ保守　

[11 二次元好きの匿名さん 25/10/16(木) 00:35:45]

※前スレの会話から始めます。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ミス・コニールに笑顔でお礼を言われ、内心胸を撫で下ろす。

プラントは『現地の民の味方』のままで居られたようだ。少なくとも彼女にとっては。

本当は不安だった。

『地球連合軍統治下の方が良かった』、『地球連合もプラントも結局同じ』と思われていたらどうしようと。杞憂だったみたいね。彼女はちゃんと恩義を感じてくれている。

アグネス「どういたしまして。いろいろ大変だったでしょう？」
コニール「うん。でも、それはそっちもだろう？」
アグネス「まあ、そうね」

大変どころでは無かったし、現在も大変だ。でも、それはお互い様だろう。二人して『やれやれ』とジェスチャーをする。不思議な友情を感じるわ。

アスラン「ふ…」、メイリン「ふふふ…」、シン「はぁ―」

周囲の人間の反応は気にしてはいけない。幸い空気自体は悪くない。

コニール「あの後、月の戦いがあっただろう？レクイエムなんて兵器が出て来て。デストロイも。本当に世界はどうなるんだろうって。私達は見ている事しかできないから」

そう言えば、レクイエム・ダイダロス基地攻防戦は世界中継されていたか。デュランダル議長め、上手いことやってくれたものだ。お陰で助かっているわ。

いや、あれもこれもマッチポンプの疑い濃厚だったわね…。諸悪の根源よ、あの男。全く助かっていないわ！ともあれ、返事を。

アグネス「そうね。心配してくれてありがとう」
コニール「いや…。西ユーラシア政変もあったし、カスピ海とコーカサス山脈の向こうは戦場だから。他人事じゃないっていうか…」

ミス・コニールは『いろいろ』の部分をもう少し話したいらしい。

[12 二次元好きの匿名さん 25/10/16(木) 00:45:03]

まあ、言いたいことは山ほどあるだろう。宣撫工作も兼ねて聞こうではないか。

アグネス「貴女にとって他人事じゃないと言うと？」
コニール「いや…。この辺りもファウンデーション王国の周りとか西とかもう滅茶苦茶で。プラントが悪い訳じゃないって分かっているけど。何時まで続くんだろうって」

その話か…。生憎私も答えを持ち合わせていない。

チラッとアスランの方に目を遣る。半分は外国人の彼はどう思っているのだろう？

アスラン「それは…」

駄目だわ。言葉に詰まっている。そも他人を当てにするべきでは無い。自分の言葉で答えないと！

アグネス「（一応、『ロゴスが打倒されて、地球連合内の穏健派と講和が結ばれるまで』と答える事は出来る。プラントの公式見解もそれに近いだろう）」

ならばそう言うべきか。分からない。私は曲がりなりにも政治将校だ。軽々に口にするべきではない。

コニール「デュランダル議長はロゴスを倒せば平和が来るって言っていた。その後、政変が起きて…。何が何だか」

ああ…。政変もあったか。確かに『外野（ではない）』の一般民衆から見れば意味不明ね。

私も理解できている自信は無い。自信は無いが―。黙っている訳にも行かない。同盟国市民、それも元レジスタンス闘士の前だ。揺らぐな。

アグネス「混乱させて申し訳ないわね。プラントの対ロゴス戦略に変更は無いわ。休戦の為には彼らの力を削ぐ必要がある。結局はそれが和平への近道だわ」
アスラン「…」

さっきは内心で議長を責めた。でも、開戦時の核攻撃は彼の仕業ではない。前大戦にしてもそうだ。『ロゴス・ブルーコスモスは世界の深刻な脅威』、ここまでは確かな事なのだ。此れで彼女の答えになっただろうか。

コニール「やっぱり！そうだな」
アグネス「ええ！そうよ」

[13 二次元好きの匿名さん 25/10/16(木) 07:02:40]

保守

[14 二次元好きの匿名さん 25/10/16(木) 11:46:47]

復活ありがとう！

[15 二次元好きの匿名さん 25/10/16(木) 19:10:54]

アスランの複雑な気持ちが出てるなあ
これからどう動くアスラン

[16 二次元好きの匿名さん 25/10/16(木) 23:56:32]

保守

[17 二次元好きの匿名さん 25/10/17(金) 01:46:52]

コニール「それで…。勝ったらどうなる？」

彼女の質問は続く。緑色の瞳に見つめられ、答えに迷う。私も知らないから―。

アグネス「将来の講和条約の中身は何とも言えないわ。対ロゴス同盟陣営内の話に限るなら、ガルナハンは自由都市にして自治権を承認する方針よ。今、話し合われている。安保は地元部隊とプラントと汎ムスリム会議が担う」

少し迷ったが、ここまでは公開情報だ。話しても大丈夫だろう。

コニール「ああ！知っている。本当だったんだ。自治権…要は独立か！やった！」
アグネス「そうね…」

ミス・コニールの歓声に良心がチクリと痛む。『敵は彼ら』、『ロゴスを討て。さすれば平和な世界が訪れる』

話していて、自分に呆れてしまう。結局、私もデュランダル議長と同じことを言っている。戦時中で仕方ないとは言え他に言い様は無かったものか。

まだ、無邪気さの残る少女と向き合いながら思う。

アグネス「（もし道徳の教科書のように『漸進的であれ、世界の民衆と協力して平和を目指す』を正解とするなら―、何と愚かしい物言いだろう。欺瞞の極みだわ）」

でも、そんな綺麗事など彼女達は真っ平御免だろう。彼女達は雲の上の英雄が夢想する空想の大衆ではない。

『今は唯、束の間の平和が欲しい。誰かに決められた物でも投げ渡された物でも構わない…』
戦禍に呑まれた人々－ミス・コニールのような普通の人達－の本音ではないか。プラントの一般国民も同じこと。

人間は理想や誇りの為に自らを犠牲に出来る生き物だが、全員がそうと言う訳ではない。私だってそうだ。

パタパタパタパタ！パタパタパタパタ！パタパタパタパタ！パタパタパタパタ！

対岸からヘリコプターが向かって来る。コニール達が乗る後発便だろう。別れの時が近い。

[18 二次元好きの匿名さん 25/10/17(金) 06:29:08]

保守

[19 二次元好きの匿名さん 25/10/17(金) 12:31:23]

軍を私物化する連中と過激派ブルコスをどうにかしないと協調路線に行けないの辛い

[20 二次元好きの匿名さん 25/10/17(金) 20:46:18]

『今は唯、束の間の平和が欲しい。誰かに決められた物でも投げ渡された物でも構わない…』
これってやんわりとしたD…

[21 二次元好きの匿名さん 25/10/18(土) 04:38:07]

夕闇を過ぎるヘリコプターのライトに目を遣る。待合場所に人が集まって来る。

メイリン「コニールさん、アグネスさん。そろそろ…」
アグネス「そうね」、コニール「…」

メイリンの知らせに少し乾いた声で応じる。見送りの刻だ。

コニール「私、今、学校通っているんだ！」
アグネス「え…？」

ミス・コニールの突然の告白に吃驚する。近況を話すなら今しかない、と考えたのだろう。
紛争が収まったから復学したってことかな。

アグネス「ナチュ…貴女の地域の制度だと中等教育課程かな？」
コニール「そう！ちゃんと中学、高校を出て…。ジッダの大学に行きたい。プラントと汎ムスリム会議が組んで設けるってやつ！」

一大決心を私に知らせてくれる。復興プログラムの話ね。ルナマリア達とも話した件だ。

アグネス「頑張っているのね！応援するわ！」
コニール「うん…。ありがとう」

銃からペンへ。大事な事だけど、中々難しいのよね。

看護師「おお！」、シン「へぇー。いいね！」、メイリン「うんうん」
アスラン「そうか！」

アスラン達も初耳だったみたい。皆感心している。

[22 二次元好きの匿名さん 25/10/18(土) 10:52:06]

保守

[23 二次元好きの匿名さん 25/10/18(土) 20:06:03]

小さいけどとても良いニュースだ

[24 二次元好きの匿名さん 25/10/18(土) 22:02:07]

コニール「いや…、そんな。ハハァ…」
アスラン「いや、君は凄い」

照れ笑いするミス・コニール。生真面目に応じるアスラン。まったく何とも賑やかだ。

アグネス「（実の所、感心しているのは私も同じ。先程の考えは微修正するべきね。0か100じゃない。決して彼女達は怠惰な人間ではない。元より勇敢で挑戦的な人達なのだ。私がそうであるように）

皆、選び取りたいんだ。『よりマシな物』を。勝ち馬にも乗りたい。その為なら全力で戦う覚悟はある。そして―『世界全体がより良い物になるなら、それに越したことは無い』－と願う。民衆の温度感は此れぐらいだろう。

アグネス「（いずれにせよ。プラントは選ばれる側に居ないと、勝ち馬にならないとね。ミス・コニールに見限られない為にも、また共に戦って貰うためにも）」

決意を新たに！さて、そろそろ本当に時間だわ。ヘリが着艦する！ミス・コニールが置いて行かれたら大変だ。

アグネス「ミス・コニール、教えてくれて本当にありがとう。学業成就を祈念するわ。まだいろいろ話したいけれど…。そろそろ…」
コニール「ああ…。こちらこそありがとう！」
アグネス「どういたしまして。アスラン先輩？」
アスラン「うん。一緒に行こう」

6人で連れ立って歩き―私は歩いていないが―待機位置まで彼女を送る。今のうちに別れの挨拶を済ませておこう。
車椅子を操縦しながら目線でアスランを促し、彼から順番に言葉を交わしていく。

アグネス「どうか健康に気を付けて。世界がどうあれ、結局は自分の体が資本よ」
コニール「ありがとう。アグネスさんこそ体に気を付けて。本当に」
アグネス「勿論よ。ありがとうね」

心の籠った言葉が胸に沁みるわ。

視線の先、ヘリコプターの待機位置には人影が6つ。搭乗予定者3人と見送りだ。
ミネルバからはトライン副長とハイネ先輩、チャンさん。グラディス提督は休養中ね。仕方ない。

[25 二次元好きの匿名さん 25/10/19(日) 05:34:44]

保守

[26 二次元好きの匿名さん 25/10/19(日) 12:43:56]

保守

[27 二次元好きの匿名さん 25/10/19(日) 18:23:42]

軍人組と看護師さん合わせて8人で整列する。

トライン副長が短い挨拶を述べる。

アーサー「－それでは皆さん、ご健勝をお祈り申し上げます」
ガルナハン市民代表「ありがとうございます。我々もミネルバの皆さんの武運長久をお祈り申し上げます」
ハイネ「全員、敬礼！」

最後はビシッと決めて市民一行をお見送りする。ここは締めないとね。

ミス・コニール達はヘリ搭乗後、窓越しに手を振ってくれる。惜別の思いが込み上げる。

アグネス「（ちゃんと会って、お見送りできて良かったわ。やっと肩の荷が下りた気がする）」

風切り音と共にヘリコプターは浮き上がり、艦から徐々に遠ざかる。

パタパタパタパタ！パタパタパタパタ！パタパタパタパタ！パタパタパタパタ！パタパタパタパタ！

名残惜しいが、これで用件は済んだ。後は病室に戻ってお休みするだけ…。

アーサー「特務隊はこのままブリーフィングルームへ。次の任務について話が有る」
看護師「え…？」
アグネス・一同「了解！」

操縦ボタンに手を伸ばす直前にトライン副長から指示が飛ぶ。何の任務だろう？
うーん、流石に戦闘任務では無いと思うが。連戦し過ぎだ。忙しない。

アグネス「（それも含めて説明があるはず。ともあれ、皆と一緒に降りよう）」

トライン副長を含む特務隊5名と看護師さんでブリーフィングルームに向かう。メイリンとチェンさんはブリッジへ。

[28 二次元好きの匿名さん 25/10/19(日) 18:59:27]

どうせすぐ仕事が舞い降りる剣してくる

[29 二次元好きの匿名さん 25/10/19(日) 22:34:01]

>>28

一日戦闘しなかったら全回復するというゲーム理論はやめるんだ！

[30 二次元好きの匿名さん 25/10/20(月) 02:12:31]

ブリーフィングルームに入るとルナマリアが先に着いていた。

彼女の敬礼にトライン副長と一緒に答礼する。

ルナマリア「お疲れさま」
アグネス「ええ、貴女も」

所定の位置に向かう途中、小声で挨拶を交わす。
顔色を見る限り、ルナマリアは元気そうね。いざと言う時、頼りになるわ。

アーサー「さて。早速だが…。ブリーフィングを始めよう。余り猶予が無い」
アグネス・一同「はい！」

部屋の明かりが消され、スクリーンモニターに中央アジアの地図が投影される。

アーサー「本艦は此れよりモビルスーツ輸送任務を実行する。ゲイツR14機をファウンデーション王国首都イシュタリアへ運ぶ予定であったが…」

そうそう。ガルナハンに工業部品を下ろせたのだから、次はイシュタリアに向かわないと。

アーサー「しかし知っての通り戦況は激変した。王国のカバーだけでは足りない。ザフトは中央アジア地域の独立維持の為、モビルスーツ部隊の大規模な配置転換を求められている」

仕方ない。どの戦線も苦しいが搔き集めるしかないだろう。中央アジア進駐に向け、ある程度は準備していたはずだ。

アーサー「それと…急報だ。カザフスタン独立政府軍が首都アスタナを奪還した。ブルーコスモス等、武装組織を撃退したとのことだ」

スクリーンが操作され、カザフスタン北部が拡大される。よくやった！首都の色が味方の物に変わっているわ。最初に陥落と聞いた時は焦ったけれど。持ち直せたか！

アスタナで蜂起した武装組織は独立政府支配地域内で孤立していた。地球連合軍本隊は遥か北方だ。政府崩壊を回避できれば取り返せる状況にはあったのだ。

[31 二次元好きの匿名さん 25/10/20(月) 10:21:12]

保守

[32 二次元好きの匿名さん 25/10/20(月) 14:09:51]

忙しない
本当に忙しない

[33 二次元好きの匿名さん 25/10/20(月) 21:19:21]

孤立する状況で決起とか、何したかったんだろうね、その武装組織…

[34 二次元好きの匿名さん 25/10/20(月) 22:11:47]

>>29

回復しなくても振ってくるだろ

[35 二次元好きの匿名さん 25/10/21(火) 01:49:33]

アグネス「（とは言え、地球連合軍も想定の範囲だろう。捨て石だ。侵攻初期にカザフスタン地域を撹乱、指揮統制機能を一時的に麻痺できれば良し。首都陥落で政府が瓦解すれば、なお良し）」

『独立直後の不安定な政体ならいける！』と踏んだのだろう。首都蜂起と機を一にした外敵の侵攻は他人事ではない。

アーサー「事は一刻を争う。カザフスタン独立政府からプラントにアスタナの防衛隊派遣が要請された。そこでだ」

トライン副長の説明は続く。ここからが本題なのだろう。映像が切り替わり、任務の詳細が表示される。

アーサー「国防委員会からの命令だ。我々はアスタナのヌルスルタン国際空港にゲイツR14機とガズウート4機とパイロットを輸送する。パイロットとガズウートはガルナハン防衛隊から抽出した。昼間に乗艦済みだ」
アグネス「！？」

周囲に緊張が走る。重大な命令変更だわ。

アグネス「（確かに目下の情勢ではファウンデーション王国、イシュタリアよりカザフスタン独立政府、アスタナを優先するべき。軍事面だけで考えるならね）」

しかし、国家間の約束を一方的に違えては今後の外交に支障が生じるのではないか。

アーサー「ファウンデーション王国に供与するモビルスーツはカーペンタリアから移送する。ファウンデーション王国には通知済みだ。我々はアスタナの後はオーストラリアに飛ぶ」

航路が表示される。ガルナハン-アスタナ間、アスタナ-カーペンタリア間、カーペンタリア-イシュタリア間は宇宙空間を飛行予定だ。

『ミネルバを極超音速大型輸送機としてモビルスーツの大量輸送任務に当てる』と言うことか。融除シールドもメンテ済みと、参ったな。

アグネス「（『疲れた』『休みたい』とか泣き言を言うのは軍人らしくない。とは言え、皆の疲労は無視しえない程度には蓄積している。乗り越えられるかな…）」

[36 二次元好きの匿名さん 25/10/21(火) 08:05:18]

保守

[37 二次元好きの匿名さん 25/10/21(火) 17:01:13]

保守

[38 二次元好きの匿名さん 25/10/21(火) 18:57:53]

最早原作と別√走ってるから比較する意味もないけど今原作だとどの辺りの時期だっけ？

[39 二次元好きの匿名さん 25/10/21(火) 23:31:59]

>>38

原作における『35 話 混沌の先に』の前後です。この世界における西ユーラシア政変のタイミングは原作と同じです。

原作においてデュランダル議長がロゴス糾弾演説を行ったのが『33話 示される世界』。

程なくエンジェルダウン作戦が実施（『34話 悪夢』）。

演説に呼応した東アジア共和国艦隊が『36話 アスラン脱走』前半でジブラルタルに入港しています（「接近中の地球軍艦艇オブジェクト729は東アジア共和国より合流した友軍である」）。

機動戦士ガンダムSEED DESTINYの年表は不明な部分が多いですが、33話と36話の間は短く見積もって1か月程度の期間が経過していると私は想像しています。あくまでSSを書く上での仮定です。本当はもっと短いかも知れません。

【中国の海南島、三亜市からジブラルタルまでマラッカ海峡経由、ケープ回りで22500㎞。東アジア共和国艦隊が全艦、毎時30ノットの速力を発揮しても17日。

派遣前の国内手続きや準備、外交的根回し、道中の補給・寄港等を考慮するなら1か月あるいは1.5か月は必要。

艦隊が国家を離反して義勇軍として独自行動を取ったケースでも、あの規模の大艦隊では同程度の期間はかかるはず】

その1か月か1.5か月間の中頃に相当する出来事とイメージして書いています。繰り返しになりますが、期間に関しては私の勝手な想像です。

[40 二次元好きの匿名さん 25/10/22(水) 04:07:51]

それからミネルバの直掩はレジェンドとインパルス、セイバー、カオスの4機とのことだ。

アーサー「18機を輸送する都合上、艦載できる機体は限られる。4人、4機で効率よく護衛を務めて欲しい」
アグネス、ルナマリア「了解！」

気持ちを切り換えよう。私とルナマリア、ショーンとデイルで艦を守る。ギーベンラート小隊再結成ね。

アーサー「ヴェステンフルス小隊は別行動だ。トルキスタン地域上空を周回してブルーコスモスゲリラの攻撃に備えよ。ヴォワチュール・リュミエールの機動力を最大限活用するように。飛行経路は追って指示する」
ハイネ、アスラン、シン「了解！」

ハイパーデュートリオンエンジンとヴォワチュール・リュミエールを搭載するデスティニーならではの任務と言えよう。

アーサー「カオスやガイア等はガルナハンの守備に当たる。アビスはカスピ海に、ザフト軍カスピ海小艦隊と連携する。どのポイントに向かうかは教えられない。私からは以上だ。質問は無いか？」

疑問はあれども質問は思いつかないわね。皆も同じようだわ。

アグネス、一同「はい！」
アーサー「良し。解散、ベストを尽くそう！」

トライン副長の退出を見送るや皆で更衣室へ駆け出す。私とルナマリアは未だ命令を受けていないが、どうせ直ぐだ。今のうちに着替えておこう。

アグネス「（ああ…。そう言えば今晩の夕食、食べられなかった。栄養飲料は飲んだけど、寂しいわね）」

こんな時に考える事ではないかも知れないが―、私にとっては大事なことだ。思い出せて良かった。戦闘マシーンじゃないんだ、私は。

メイリン「コンディションレッド発令、コンディションレッド発令。ミネルバ、発進シークエンススタート。本艦は此より発進します。各員所定の作業に就いて下さい。繰り返します、本艦は此より発進します。各員所定の作業に就いて下さい」

流れ出すメイリンの艦内放送、俄かに艦内が慌ただしくなる。よーいドンの合図が出てしまった。走り切るしかない。

[41 二次元好きの匿名さん 25/10/22(水) 11:58:26]

無事に帰ってお腹いっぱい食べるんや

[42 二次元好きの匿名さん 25/10/22(水) 20:16:28]

保守

[43 二次元好きの匿名さん 25/10/22(水) 21:07:25]

ご飯食べようとするたびにブルコス出撃が

[44 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 00:00:45]

訂正　✖アーサー「カオスやガイア等はガルナハンの守備に当たる」
　　　〇アーサー「ガイア等はガルナハンの守備に当たる」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
男女で分かれ、私と看護師さん、ルナマリアで更衣室に突入する。

メイリン「FCSコンタクト。兵装要員は全ての即応砲弾群をグレードワンへ設定。パイロットは搭乗機にて待機せよ。繰り返す。パイロットは搭乗機にて待機せよ」

案の定、お呼びが掛かったわ。先回りして正解だった。

ルナマリア「もう！急かさないでよ…。アグネス。あんた、身体、大丈夫？」
アグネス「ありがとう！見かけほどじゃないわ」
看護師「…」

強がりを言ってみる。看護師さんも一緒だ。今、バイタルチャックをして下さっている。弱音は吐けないわ。一緒で無くとも吐かなかったと思うが。

アグネス「ルナマリアはどう？」
ルナマリア「うーん、まだ大丈夫かな」
アグネス「流石！」

お互い励まし合う。同性のパイロットとして彼女が居てくれて良かった。私一人なら潰れていたと思う。

エレベーター前でヴェステンフルス小隊に追いつく。

ハイネ「良し！ミネルバ特務隊パイロット全員揃ったな。正念場だ。トライン副長も仰っていたようにベストを尽くし、結果を出そう！」
アグネス・一同「はい！」

格納庫に降りると中はモビルスーツでぎゅうぎゅう詰めだ。何しろ今は25機を無理やり積んでいる。
適正な数にするには、何を置いてもデスティニー3機を発進させる必要がある。

[45 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 07:38:27]

そういやこのデスティニー色はどうなってんだ？
シン機とハイネ機はあれでアスラン機はジャスティスカラーにしてんのかな？