【閲覧注意】ごーよくさん

  • 11主25/10/16(木) 19:44:40

    怒鳴り声と何かガサガサと聞こえる
    ギシギシと、傷んだ床が鳴る
    今すぐ逃げてしまいたい
    少し前まで出ていた涙はとっくに枯れてもう出ない

    背を向けて縮こまっていた

    ‪”‬背中向けるな‪”‬

    そう何度言われたか覚えてない
    けど、怖いものから逃げたくて
    背を向けた

    足音はもう聞こえなかった

    [啓悟]

    殴られる
    そう感じ目をぎゅっと閉じた
    けど、いつまで経っても、痛みは来ず、俺は恐る恐る後ろを見た

    [こうやって話すのは初めましてだね]
    「…誰…?」

    [剛翼、君の個性だよ]

    ※個性の性格の独自解釈
    若干のキャラ崩壊等が含まれます
    それ以外にもあるかもしれません
    苦手な方はブラバをお願いします

  • 2二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 19:53:32

    ごーよくさん…

  • 31主25/10/16(木) 19:55:13

    「個性…?」
    俺は個性の事になんて全く詳しくなかった
    [そ、啓悟の個性、剛翼!]
    俺はゆっくりと立ち上がり、「ごーよく」と名乗る男の顔を見る
    多少の違いはあれど、目の前に立っているのは少し大きな俺
    [やっと話せて嬉しいよ、俺…啓悟にずっと無視されてると思っててさ、結構ショックだったんだよね]
    ごーよくの手が俺に伸びる

    殴られる

    きゅっ…と目を瞑る

    だが、先程のように痛みはなかった
    ほんのりと頭が暖かくなったような気がした

    [これからも仲良くしてね、啓悟]

    訳が分からない
    きっと夢だ、俺はおかしくなった
    父に殴られすぎて頭が壊れたんだ

    …でも、もうこの際、壊れててもいい

    [今日からは安心して過ごして、俺が居るから]
    「…うん」

  • 4二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 19:57:55

    ごーよくさんはホークスの姿してんのかな

  • 51主25/10/16(木) 19:58:23

    けど、俺が待っていたような生活は訪れなかった
    殴られ、蹴られの毎日
    ごーよくさんは、助ける素振りすら見せてくれなかった
    ただ、ずっとほんの少しだけ笑って、俺が殴られ終わったら、何事もないように話しかけてくる

    [なんで助けてくれないの?とか思ってる?]
    「…」
    [ごめんね]

    ただ、俺が羽を掴まれると、少しだけ苦しそうな顔をする
    それが…何となく嫌で、羽だけは何とか守っていた

    俺は、父にも母にも個性が話しかけてきたと教えた
    だが、父は気味が悪いと話は聞いてくれなかった
    母は興味など無さそうにしていた

  • 6二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 19:59:49

    幻なのかな…

  • 71主25/10/16(木) 20:01:05

    [啓悟は毎日楽しい?]
    なんて答えていいのかわからなかった
    楽しい毎日なんて想像ができない、分からない
    「ごーよくさんは?」
    [俺?俺は…]
    [啓悟と一緒に居れて、楽しいよ]
    「個性って…何?」
    ごーよくさんは、ものすごく返答に迷っていた
    難しいことを聞いてしまったらしい
    [あー…まぁ、難しいことは俺もよく分からないけど…]
    [俺は、啓悟のココに居るよ]
    そう言って俺の羽を指差す
    [お父さんからの暴力からは助けてあげられないかもだけど]
    [絶対傍に居るから]

    [俺と啓悟はずっと一緒!]

  • 8二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 20:02:52

    AFOさん頼む、ごーよくさんを啓吾から奪わないでくれ

  • 91主25/10/16(木) 20:16:53

    今度は、その言葉の通りだった

    少し間だけ、どこか行ってくれないかな…なんて思った日もあった
    けど、本当にずっと一緒に居てくれて…
    ごーよくさんの真似をして、「笑う」ってこともしてみたりした
    「ごーよくさんの真似…できてる?」
    [ははっ、うん、いい笑顔、俺、鏡とかガラスとかに映らないから自分の顔見れなくてさ]
    [俺と啓悟は、年齢とか体とかはほんの少し違うけど、俺と啓悟は…まぁ、双子?とか兄弟?みたいなものだから]
    [きっと俺はいつも今の啓悟と同じぐらい、いい笑顔してるんだろうな俺]
    ごーよくさんの事が、ほんの少しづつ分かっていくのが、本当に嬉しかった
    [けど…啓悟に触れないのだけは残念…かな]
    [啓悟に触れたら…こんなとこすぐに出ていって、啓悟にもっと広い世界を見せてあげれるのに]
    [例えば…ヒーローとかね]

    ごーよくさんは色んなことを知ってる
    けど、俺にはよくわからなかった、難しい話だったから

    「ヒーローって何?」
    [俺もさ、よく知らないけど…]

    「何となくさ…啓悟にはなって欲しかったり…なって欲しくなかったりするな」

    いつも笑ってるごーよくさんが、この瞬間ほんの少しだけ怖かった

  • 10二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 20:17:59

    ちょっと不穏入った…?

  • 11二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 20:19:57

    ごーよくさんがどこまで知ってるか分からないけどヒーローになったら…ホークスにとって苦しいこと沢山させられるから止めたいのか?

  • 121主25/10/16(木) 20:33:40

    「…?」
    [あー…気にしないで…冗談だから]
    [じゃ、ヒーローについて話そ────]
    ごーよくさんが話しかけた時、突然羽がビリビリとよく分からない感覚に襲われた
    ごーよくさんも初めての体験だったようで感触は感じなかったが、俺の手を握っていた
    そして深く息を吸った後俺に話しかけてきた
    [啓悟、聞く余裕ないかもだけど聞いて]
    [君は人を助けたい?]

    俺はなんと返したか、よく覚えていなかったが…
    気づいたら、家の外を出て大勢の人を火の手から遠ざけていた
    羽根が焼け、だんだんと減っていった

    ごーよくさんのことも、もちろん心配だった
    俺が個性を使うことなんて、今もこの先も絶対ないと思っていたからだ

    消えてしまったらどうしよう

    「…!」
    俺は、ごーよくさんのことよりも、家に帰ったあとの恐ろしい出来事を想像してしまった

    心臓が締め付けられるような、胃の奥がドッと重くなるような感覚
    帰らなきゃ…早く…
    けど、ごーよくさんは?助けた人は?

    体が熱くなり涙が自然と出てくる
    どうしよう、どうすれば…

    [偉いよ、啓悟]

  • 13二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 21:31:37

    ごーよくさん!
    無事だった……のか…?

  • 141主25/10/16(木) 23:14:02

    「ごーよくさん!」
    「…平気?」
    [いや、聞いて欲しいんだけどさ!最初啓悟が個性使った時、身体の力が抜けてくからさ!?このまま死ぬんじゃないかって思ったんだけどさ…!]
    すごい勢いで話してくる…
    [なんか、すごい疲れただけで、全然生きてた]
    [って…そんなことよりもさ!ほんと偉いよ啓悟!]
    ごーよくさんが抱きしめてくる
    もちろん感覚は無かったが、ふと、ごーよくさんの背中を見ると生えていた羽は今の俺と同じぐらい小さくなっていた
    [あと…ごめんね啓悟…多分啓悟も疲れたよね]
    [俺のせいだ…俺が変なこと言ったせいで…]
    「帰ろ、ごーよくさん」
    「ヒーローの話…教えて」
    俺がそう言うと、剛翼さんはいつもの様に笑ってくれた

    ──────────
    外に出たことが当然バレてしまい、誰にも見られてないと言った俺の言葉も無視して、蹴られ続けた
    ごーよくさんが、ヒーローの話をする間もなく、家に帰ってすぐに暴力を振るわれた
    本当にすごく疲れた

    でも…なんだろうな…
    暖かいな

  • 151主25/10/16(木) 23:15:40

    [目、覚めた?大丈夫?]
    「疲れてただけやけん…大丈夫」
    ゆっくりと身体を起こした
    [お父さん達はもう寝たから、一応今は安全だよ]
    [今日の啓悟は、間違いなくヒーローだった]
    「あ、そうだ…ヒーローの話」
    [そうだね、ヒーローっていうのはさ]
    [強くて、みんなを安心させられて、他の人の為に命を賭けて守れる人…かな]
    ごーよくさんが、俺の方を指さす
    [その人とか、正にヒーローって感じ]
    「本物…見たことないから…分からない」
    前に母が買ってくれたぬいぐるみを強く抱きしめる
    [なら、テレビでもいいから見よっか、今の時間帯でもテレビはやってるだろうし]
    ごーよくさんが、手招きをする
    俺は物音を立てないようにゆっくりと、テレビの前に来た
    寝ている母のそばにあったリモコンをそっと拾いテレビを付ける
    音が流れても母も父も起きる様子はなかった
    [エンデヴァーって言うんだね、知ってた?]
    「…えんでばー」
    テレビに写るヒーローは、ヒーローという言葉以外でなんと言えばいいのか分からなかった
    [かっこいいね]
    「うん」
    [啓悟がヒーローになったらさ、もしかしたらエンデヴァーと一緒に仕事できるかもね]
    ごーよくさんに言われるまで将来なんて考えたことが無かった
    […きっと、啓悟ならかっこいいヒーローになれるよ]
    さっきの怖い顔はどこに行ったんだろうかと言うほど、穏やかな顔をしていたが、ごーよくさんはどこか寂しそうだった

  • 16二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 23:19:37

    あ…
    この鋼翼さん、AFOにとられてそのまま消滅しちゃった後の…?

  • 171主25/10/16(木) 23:43:59

    […啓悟]
    「ん」
    [眠たい?]
    「…うん」
    [そっか、じゃあ、寝る前にちょっとだけ話そっか]
    ごーよくさんは、膝を抱えて座る俺の横にしゃがみ込む。
    姿はぼんやりしてるのに、近くにいる気がした
    [ヒーローってさ、守るだけじゃなくて、“大丈夫だよ”って言える人なんだ]
    「…ごーよくさんみたいに?」
    [俺?うーん、そうなれたらいいけどなぁ]
    小さく笑って、俺の髪を撫でる仕草をする
    触れないはずのその手が、不思議とあたたかい
    [今日は頑張ったね、啓悟]
    「…また、怒られるかもしれん」
    [うん、でも、俺がいる]
    「ほんとに?」
    [ほんとに!]
    ごーよくさんは、俺にとって、親のような…兄のような存在だった
    安心する、いつも一緒に居てくれる
    ごーよくさんが話してくれる明るい未来が来るような気がする
    途方もない希望が見えるような気がする
    [おやすみ、啓悟、また明日]

  • 181主25/10/16(木) 23:55:35

    そこから数日経った
    ごーよくさんは、何時でも俺と話してくれた
    どうしようもなく悲しい時も、ちょっとした嬉しいことも
    共有できる人間が居て、俺は幸せで…楽しかった
    ──────────
    ドタドタと母がなにか焦っている音が聞こえた
    [見てくる?]
    「うん」
    だが、俺は少し怖かった
    もしかしたら…母が…なんて考えてしまったからだ
    [一緒に行くから、大丈夫]

    「あん人、捕まっちゃったって…」
    「どうしよう啓悟…車ば盗んで逃げて…そんで捕まっちゃったって」

    「…エンデヴァーに」

    架空は現実に
    ヒーローは実在した
    「ごーよくさん…」
    ごーよくさんは何も言わずに、俺の肩に手を置いていた

    そんな衝撃の余韻に浸る暇もなく
    母は俺の手を引き、その日の内に家を出た

    けれど、この母に生活能力があるはずも無かった
    「ケーサツ…行こ」
    ごーよくさんは俺に正しさというものを教えてくれた
    俺は正しくあろうとした
    けれど…俺の言葉に耳を貸してはくれなかった

  • 19二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 06:50:25

    どうなっていくかな…

  • 20二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 11:58:40

    ほしゅ

  • 211主25/10/17(金) 13:04:45

    ──────────
    『今後、ご家族ごとこちらで全面支援させていただきます』
    母と見たことないスーツの大人が何か話していた
    俺は本当にどうでもいいことを考えていた
    ごーよくさんはやっぱり、まだ大人じゃない
    けど…なんか前より大人に見える
    [啓悟]
    「なに?」
    [啓悟は、今楽しい?]
    「…毎日楽しいよ」
    [良かったね]
    どうでもいい会話、ごーよくさんの笑顔
    それが俺を安心させた
    ──────────
    状況もよく分からない中、俺はとっても大きなビルの中に連れて行かれた
    ごーよくさんは不安がっている俺を慰めるように背中をさすってくれた
    『啓悟くん』
    名前を呼ばれ、思わず足が止まってしまった
    『大丈夫、ここには君を脅かす人は居ないよ』
    『君には…やってもらうことがいくつかあるけど、平気かい?』
    「…ごーよくさん…」
    [啓悟が思ったことを言ってみて]
    「…はい」
    『一応質問なんだけど、今君には私以外の人間の声が聞こえてる?』
    「…はい」
    『…』
    『不安にさせること言ってごめんね、答えてくれてありがとう』
    『1度体を洗おうか、いつまでも汚れたままじゃ心も落ち着かない』

  • 221主25/10/17(金) 16:51:46

    幼い俺の頭にはあまりのも情報量が多かったが
    ひとまずお風呂に入れさせられた
    服を脱ぎ、案内してくれた人は洗い終わったら呼んでくれと言っていた
    シャワーの温度がほんの少しだけ緊張を和らげさせてくれた
    けど…どう体を洗えばいいか分からない
    ごーよくさんに聞こうとしたタイミングで、風呂場のドアが開いた
    俺はビクッとなり、羽で体を隠す
    「同性でも裸を見られるのは嫌でしたねすいません」
    すぐに出ていこうとする男の人の手に少しだけ触れる
    「…身体…洗い方…分からなくて」
    「…そうでしたか」
    「触られるのは嫌ですか?」
    俺は首を横に振る
    「じゃあ、そこに座って目を閉じててください」
    「あの…」
    「目良善見です、好きに呼んでください」
    「目良さん…ありがとうございます」
    目良さんの手は、湯よりもずっと優しかった
    泡立った指が髪をゆっくり撫でていく
    「目良さん……個性が見えるって、変ですか?」
    「個性が見えるとは?」
    「人みたいに…話したり、動いたりして」
    目良さんはしばらく黙ってから、穏やかに答えた
    「……その人に、意地悪をされたりは?」
    「ずっと優しくて……俺と、ずっと一緒にいてくれて」
    「素敵な個性ですね」
    そう言って、また髪を洗う手が動いた
    「変じゃ…ないですか?」
    「寧ろいい事です、変じゃないですよ」
    何となく、目良さんはとてもいい人なのだと思った

  • 231主25/10/17(金) 18:32:16

    身体を洗ってもらったあと、体を拭き、用意されていた服を着た
    俺がこの後どうしようか分からずに戸惑っているとごーよくさんから声をかけてくれた
    [いやぁ、綺麗になると気分がいいね]
    「ごーよくさん!」
    久々に声をかけてくれ、俺は思わず大声で名前を呼んでしまった
    [ごめんごめん、心地よかったから俺、寝かけてさ]
    […目良って人、きっといい人なんだろうね]

    「啓悟くん、お話中悪いですが、まだ君にはやってもらわないことがいくつかあります」
    「大丈夫ですか?」
    [頑張ろう、啓悟]
    ごーよくさんが、励ましてくれる
    俺は、頷き目良さんについて行った

    「エンデヴァーが好きですか?」
    ちらりと横目で目良さんが、俺が抱えていたぬいぐるみを見る
    俺は小さく頷く
    「彼のようなヒーローになりたいですか?」
    「なりたいです」
    「…君なら、必ずなれますよ」
    あの時のごーよくさんと同じで、目良さんがほんの少し怖い顔をしたような気がした
    俺と話するのが…嫌なの…かな
    「君のお友達の名前はなんて言うんですか?」
    「ごーよくさん」
    「漢字…は、無理ですよね…ごーよく…」
    目良さんは自分の手に指を当てて、何かしていた
    「多分…剛に翼で…剛翼ですかね?」
    「…?」
    [難しい話ですいません、着きましたよ]

  • 24二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 19:09:40

    ごーよくさんも目良さんも、どっちも一瞬怖くなるのは何なんだろうか…
    どっちもヒーローになれる、って話の時なのが…

  • 251主25/10/17(金) 19:29:50

    「そこの扉に入ってくれれば、職員が居ますので、その人たちと話してください」
    「目良さんは?」
    「私は…これでもそこそこ忙しいので」
    俺は軽くお辞儀をする
    「啓悟くん、君は本当にヒーローになりたいですか?」
    「まだ…ヒーローはよく分からないです」
    「けど…俺もあの人みたいになりたい」
    「多分、また同じことを聞かれると思います、君が思ったことを職員に言ってください」
    目良さんは軽く手を振り、俺から離れていった
    「ごーよくさん…俺嫌われてる…?」
    [いや?歓迎は…されてるか分からないけど、嫌われては無いと思う]
    「けど…目良さんさっき嫌そうな顔した…から」
    [目良さん疲れてそうだったら、意識しない内にそういう顔しちゃったんじゃない?]
    俺は無理やり自分を納得させた
    扉に手をかける
    俺はゆっくり、扉を開けた
    ──────────

    『啓悟くん、この名前とは今日限りでさよならだ』
    『今日から君にはここで、特別なヒーローになる為の専用プログラムをこなしてもらう』
    『厳しい訓練になるけど大丈夫かい?』
    俺は頷いた
    「俺も、この人みたく、悪い奴をやっつけられるヒーローになれますか」
    「俺を救ってみてくれたみたく、みんなを明るく照らせますか?」

  • 261主25/10/17(金) 19:32:01

    そこからは、常人なら耐えられず根をあげるような訓練が続いた
    辛い、苦しい、なんてことはあんまり考えなかった
    職員の誰かに褒めてもらうよりも、ごーよくさんに「頑張ったね」って頭を撫でられる方が好きだった

    「ごーよくさん、お疲れ様」
    [啓悟もお疲れ様]
    俺は、目良さんに買ってもらったジュースを飲みながら、少し休憩をしていた
    [俺も自由に飲み食いしたいよ…いいなー、啓悟]
    ごーよくさんも疲れてるみたいで、地べたに横になっていた
    個性なのに、疲れるなんて…変なの
    なんて思いながら、自分の羽を少し触ってみた
    前より硬くしなやかになったような気がする
    そういえば、ごーよくさんも少しだけ大人になった気がする
    個性も身体機能の1つ、個性を伸ばせば、ごーよくさんも成長するのか?
    [どうしたの?そんな見つめて]
    「ごーよくさんは、辛くない?」
    [俺は辛くは無いけど、啓悟が辛いなら、俺も辛いかな]
    「俺は大丈夫だから…ごーよくさんも平気だね」
    [うん、そうだね…でも、羽の手入れは忘れないでね]
    [俺のチャームポイントは集中的にケアしてね]
    「それ…どこ…?」
    ごーよくさんは笑ってまた触れもしないのに、俺の頭を撫でた
    「ん…ごーよくさんやめて」
    [ははっ!やだね、啓悟のお願いでもそれは聞けないな〜]
    感覚なんてないはずなのに、何故かそれがくすぐったくて俺は笑った

    ごーよくさん、ごーよくさん
    恥ずかしくて言えないけど、ごーよくさんが大好きだよ
    ずっと一緒に居ようね

  • 271主25/10/17(金) 19:46:21

    息を吸うのも辛い
    疲れた、気を抜いたら気絶しそうだ
    あれから数日しか経ってないのに、訓練がより厳しくなった
    でも、まだまだこれからもっと辛くなるらしい
    [偉いね啓悟…少し休む?]
    「まだ…いい…」
    公安に来てから、エンデヴァーさんの映像は山ほど見れた
    あの人もどれだけ苦しいことも耐えて、努力し続けてきたんだろう
    「頑張らないと…」
    ごーよくさんが俺に話しかけようとするが、言葉が思いつかないのだろう、何も話さない

    頑張らなきゃ、頑張らないと

    気合いを入れ直すように、俺は息を吸って吐いた
    静かになった部屋の扉が少し空いていることに気づく

    『不気味ですよね…やはり、検査がもう一度必要なのでは?』
    『そう思った職員は俺たち以外にも結構居てもう3回はしたらしい…』
    『んで、それ以上やったら、あの子の負担になるから、もうできないらしい』
    『しっかし、不気味だよな〜個性と話せるなんてさ…』
    『家庭環境で、心が壊れてしまったとか…?』
    『いや、精神面も安定してるらしい…全く…いくら個性が強いからって、あんなイカれたガキ連れてくるなんて』
    『ちょ、先輩声が大きいですって…!会長に聞かれてたら!』
    『悪い悪い… けど、お前もそう思わねぇか?』

    俺はそっと扉を閉じた

  • 28二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 19:56:00

    おう、公安
    この時期ではまだだろうけど、ガチで個性そのものが喋れる子もいるんだぞ(常闇くん)

  • 29二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 22:50:54

    ( ᵕ •̥ · •̥ )ノ( > · < ᵕ )

  • 30二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 08:03:16

    保守

  • 311主25/10/18(土) 11:53:50

    そんな俺を、ごーよくさんはそっと羽で覆ってくれた
    [俺が見えるだけで啓悟をビョーキ扱いねぇ…]
    [ココに来てから謝らなきゃいけないことが沢山だ]
    [ねぇ、啓悟は、俺が居なくなったら…寂しい?]
    確かに、いつもうざったいぐらい毎日ベタベタしてくる
    けど、それ以上に俺のことを気にかけてくれる
    「寂しい」
    [俺が居ることで、皆が啓悟のこと嫌っても?]
    俺は答えに困った
    こういう質問をされたら、なんて答えればいいんだろう
    [ごめん、今のは意地悪だったね]
    [啓悟、最近笑ってくれなくて…心配なんだよね]
    「…大丈夫、平気」
    平気なんかじゃない
    俺がまるで化け物かのようにみんなが接する
    そんなことをされ続けて平気なわけがない
    [俺とお話しながらじゃないと寝れないのに?]
    [いや、それプラス、エンデヴァーのぬいぐるみを抱きしめながらじゃないと寝れないよね〜]
    「…何」
    [寝言で[ごーよくさん、ごーよくさん]って言ってるの知ってるんだよ?]
    [最近は、目良さんにお手紙も書いてたね、漢字ものすごく間違ってたけど…すごい嬉しそうでさ〜]
    [でも、上手く書けないとき、俺のことチラチラ見てきてね〜]
    俺は、次々に俺のことを言われ、なんだか恥ずかしくなり耳を塞いだ
    [ははっ!照れちゃった?啓悟は、全然平気なんかじゃない]
    [けど、俺が居ると…少し気が楽でしょ?]
    確かに、さっきまでの嫌な感じは少し治まった気がする
    [無理する度に俺が止めてあげるから、安心して]
    「…ありがと、ごーよくさん」

  • 321主25/10/18(土) 16:12:49

    ごーよくさんの話はもう他人にしないと決めた
    けど、どうしても誰かに話したい時は目良さんに話すことにした
    ほんの少しだけ、職員のみんなが話しかけてくるようになった
    何がそんなに不気味なのか俺にはよく分からなかった

    「目良さん、個性と話せる人って居ないんですか?」
    「そうですね…見た事はありませんが、個性と話せる個性を持った人間…そもそも個性が幽霊のように着いて纏う個性」
    「ホークスの例は、今まで一度も耳にしたことはありません」
    「そうですか」
    「同じような人間を私は探しています、ホークスの悩み事をわかってくれる人間がいれば…」
    「大丈夫です、目良さんが素敵な個性って言ってくれたから」
    目良さんが、口角を緩めて笑ってくれた
    「剛翼さんは、どんな性格なんですか?」
    「楽観的だけど、心配性」
    [啓悟、そんなこと思ってたの?楽観的なのは認めるけど心配性じゃない]
    「独特な性格ですね、彼は私の事どう思ってますか?」
    [目良さんは、俺のお気に入り、啓悟に優しくしてくれるからね]
    「好きらしいです、俺に優しくしてくれるから」
    [好きな訳じゃなくて!お気に入り!]
    こういう時ごーよくさんはめんどくさい
    「お母さ…いや、お兄さんみたいな存在なんですね」
    「今この会話を聞いてるなら、剛翼さん、ホークスの事頼みましたよ」
    [目良さんカッコつけるタイプなんだ…]

  • 33二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 19:42:44

    お母さんって言いかけたな、目良さん

  • 34二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 22:59:45

    でも確かにこれはお母さん

  • 35二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:54:59

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  • 361主25/10/19(日) 00:35:20

    目良さんと話した後、また俺は訓練へと向かった
    『今日は時間がありますから、救助訓練をしましょうか』
    「救助訓練?」
    『はい』
    ごーよくさんはその言葉を聞き、ため息を吐いていた
    別にごーよくさんは、俺に個性を使って欲しくない訳では無いが、単純に疲れるから嫌なのだろう
    でも、しょうがない…ごーよくさんは俺の個性なんだもん…

    『今日はこの建物内で、避難に遅れた一般市民を助けてもらいます』
    『ですが、今のホークスなら、簡単にこなせてしまう内容な為、照明を落として救助にあたってもらいます』
    「分かりました」
    俺が建物に入ると、うっすら声が聞こえてきた
    『照明落とします、夜間救助、開始!』
    照明が消え、真っ暗になる
    [電気消えただけってわかってても…夜って嫌なんだよね〜]
    「なんで?」
    [啓悟が寝て話さなくなっちゃうから、寂しい]
    ごーよくさんが俺の緊張を解してくれる
    『ホークス、通信チェック中、応答を──』
    「こちらホークス、異常なし」
    [ほんとに?]
    俺は首をかしげた
    だが、次のタイミングで、ダッ!と足音が聞こえてきた
    ヴィランが襲ってくることも想定して、安全に市民を救助させる…
    確かに…明るかったらこれぐらいできたかもだけど…
    「っぐ…」
    力加減はされているが、タックルをモロに食らった
    まだ目が暗闇に慣れてない…
    …このまま気絶するまで殴られる…?

  • 371主25/10/19(日) 00:48:21

    [啓悟、俺を使って]
    なんで?どうやって…?
    [いいから、何が知りたいの?]
    …次に来る…攻撃
    剛翼が反応する
    何となく次に来る攻撃はどこかわかったが、確信が持てない
    [啓悟、左]
    俺はごーよくさんの言葉を聞き、すぐに避けた
    また剛翼が反応する
    [下…フェイント…上…右…]
    暗闇に目が慣れてきた
    ヴィラン役の人の体勢が一瞬崩れる
    俺にはパワーが無い…けどそこは…
    [俺でカバーする]
    転けかけたヴィラン役の人の服にスピードを乗せた剛翼の羽根をぶつける
    数十枚使い、ヴィランを服ごと壁に拘束する
    抵抗しようとするヴィランの首元に、まだ武器としては使えない羽根を突きつける
    「大人しくしてください」
    『…いやぁ、凄いねホークス…』

    上の階に行くと、剛翼がほんの少しの息遣いを感じ取り、その方向へ歩いていくと救助者が物陰に隠れていた
    「大丈夫ですか?怪我はありませんか?」
    「立てますか?ヴィランはもう居ません、安心してください」
    『えぇ、大丈夫、ありがとうねホークス』
    そのまま救助者を助け、無事に訓練成功
    「ありがとう、ごーよくさん」
    [ううん、俺は啓悟が剛翼で感じたことを言葉にしただけ]
    「え…でも、ごーよくさん居なかったら…俺」
    [俺の啓悟がこの程度で負けるはずないでしょ?それにこれは俺のことを信用してくれた啓悟のお陰で成功したんだから]
    「頑張ったね、偉い!啓悟!」

  • 381主25/10/19(日) 01:08:40

    『彼が話しているところを聞きましたか?その詳細を──』
    『…お前もそっち側か…ったく…』
    『話してたさ、けど、こっちに動きを悟られないようにか、はたまた声が聞こえなくなったのか、俺と戦ってる間は話してなかったよ』
    『でも、いいね、もし本当に個性と話せるなら、相当連携が取れてる』
    『もしかして、最初にホークスの噂流してたのお前?』
    『…』
    『まぁいいよ、ストレスだろ?気持ちはわかるぜ?』
    『それに…ここで心折っといた方が…あの子にとって…楽だろうからな』
    ──────────
    「ねぇ…ごーよくさん」
    [なぁに?]
    「今日分かったんだけどさ…俺の個性…もしかしたら…人をさ…殺しちゃう個性なんじゃないかって…」
    「…とっても強いけど…一歩間違えたらって…」
    [使い方を間違えなければ大丈夫だよ]
    [ほら、啓悟の好きなエンデヴァーだって、あんな大火事になりそうな個性持ってるのにさ!ヴィランは死なせずに、市民も死なせずに、いつも助けて勝ってくれる…俺はあんまあの人好きじゃないけど…]ヤケチャウ
    「でも…」
    [悪い予感がするのはわかるよ、不安だよね]
    [啓悟の不安な気持ちは羽からビンビン伝わってくるから]
    [大丈夫って自信を持っては言えないけどさ…]
    [啓悟は正しい人間になりたいって思ってるでしょ?]
    [なら、大丈夫]
    俺は膝を抱え込んだ
    たまに楽観的なごーよくさんに腹が立つ
    けど…言ってることは多分間違いなく、俺のことを思ってくれた言葉
    …訓練より…こっちの方が辛いな

  • 39二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 07:42:49

    すごいなんとも言えない気持ちに…

  • 401主25/10/19(日) 13:15:18

    昼間のこともあってからか、俺は中々寝付けなかった
    母とは別々に暮らしていた
    公安からのちょっとした配慮だ
    母がどうしてるだとか、そんなこと考えもしなかった
    軽薄だと思われるかもしれないが、考えることに意味を感じなかった
    「…ごーよくさん」
    [あれ、啓悟、まだ寝てなかったの?]
    分かってるくせに…
    「寝れない…」
    [そっかそっか…]
    [子守唄でも歌う?]
    「ごーよくさん、歌下手だから…いい」
    [ひどくなーい…?]
    ごーよくさんは、[うーん…]と悩んだ後、立ち上がった
    [外、行ってみる?]
    「外…」
    父の映像がフラッシュバックする
    ドバっと、身体中嫌な汗をかいた
    [もうお父さんも居ないんだから、安心して]
    [啓悟にどうしても見てほしいんだ]
    手を差し伸べられる
    俺はその手にそっと自分の手を重ねた
    ごーよくさんは、ニコッと笑ってくれた
    俺は起き上がり、俺はそのままごーよくさんについて行った

  • 411主25/10/19(日) 13:44:12

    ごーよくさんと一緒に、息苦しい夜を抜け出すのは、なんとなく背徳的で…それでいて呆れるほど楽しい
    屋上の扉に手をかける
    重い扉を開けた瞬間目の前に広がってきたのは、どこまでも続く星空
    […啓悟、息しなきゃ死んじゃうよ?]
    言われて気づいた
    俺はそれほどまで、この光景に夢中になってたらしい
    [最近さ、啓悟が寝た後何となく星空を眺めるのが習慣になってたんだよね]
    [啓悟が寂しがるから、すぐに戻ってたんだけどさ…なんか最近星がどんどん増えてさ]
    [これは啓悟に見せなくちゃって思って今日…あっ!流れ星!]
    「流れ星?」
    [今通ったあれだよ、あの星にね、3回願い事をすると叶うんだってさ]
    また、流れ星が光放ちながら落ちてきた
    [休みたい…休みたい…休みたい]
    …切実な願い…俺への当てつけ?
    「ごーよくさん…明日の訓練お休みにする…?」
    [いや、冗談…]
    [けどさ、個性達が暇を持て余す世界が来ればいいよねーって]
    [俺みたいに人格?とかあるか分かんないけどさ、使われっぱなしじゃ可哀想でしょ?]
    [そうだな…俺たち個性が暇になったらヒーローも暇になるね]
    [きっとそこにあるのは、笑っちまうぐらい明るい世の中なんだろうね]
    [啓悟は、何お願いした?]
    キラキラ輝く流れ星を見ながら俺は願った

    ヒーローが、個性達が暇を持て余す世の中にしたい

  • 421主25/10/19(日) 15:23:29

    そこから、数年後、俺はようやくヒーローになった
    ヒーロー業界において、俺は本当に色んな意味で早かったらしく、注目を浴びた
    大変なことまみれだったけど、今じゃ別に…
    18になったら事務所でも立ち上げようかな…
    「剛翼」
    「…ごーよく」
    「はぁ…ごーよくさん」
    [俺、思春期来た啓悟きらーい]
    こんなこと言うごーよくさんだけど、長い時間ずっと喧嘩もせずに過ごしてくれた
    「あ…で、ごーよくさん、なんか今日俺の訓練とか担当してくれてた職員の人がなんかソワソワしてるんだけど…なんだろ?」
    [啓悟の誕生日はまだだし…そもそも祝ってくれないしね]
    ごーよくさんは俺の肩を叩く
    [ま、大丈夫、大丈夫!俺もいるんだしさ]
    「余計不安なんすけど」
    数秒の間があったあと、俺たちは二人で爆笑した
    こんなくだらない事で笑える俺たちは本当に幸せ者だ

    咳払いが聞こえ、俺は視線をそちらに向けた
    『すいません、ホークス、少しこちらへ』
    「任務ですか?」
    『…詳しいことは後で話します』
    いつになく真剣…というか…

    怖かった

    これから何を話されるか、分からなかった
    ごーよくさんと話してた時間がまるで嘘だったみたいに冷たい空気が俺たちを覆った

  • 431主25/10/19(日) 15:31:47

    部屋の中の空気が、急に変わった
    そこに入った瞬間、まるで酸素が抜けたみたいに呼吸が重くなった
    机の上には、書類と、一枚の写真
    『これは、次の任務だ』
    「……任務?」
    『詳細は極秘だ、対象は──この人物』
    写真が俺の前に滑らされる
    一瞬、何かの冗談かと思った
    でも、冗談を言うような空気じゃない
    部屋の温度が一度下がったように感じた
    ‪”‬極秘‪”‬という言葉を聞き、俺は困惑した
    「えっと……え? この人、俺……捕まえる、とかじゃなくて?」
    『抹消だ』
    息が詰まった
    その単語の意味を理解するまで、五秒くらいかかった
    …いや、理解したくなかった
    『危険因子の排除これもヒーローの役目だ』
    「……排除って……え?」
    「“排除”って、どういう……?」
    自分の声が掠れているのがわかった
    頭の中では、言葉の意味を何度も繰り返していた
    排除、抹消、対象
    どれも「人を殺せ」と言っている
    [……啓悟]
    ごーよくさんの声が、すごく遠くで聞こえた
    まるでガラス越しみたいに
    『これは重要任務だ、君ならできる』
    その信頼しているという言葉が、
    胸のどこにも届かなかった

  • 441主25/10/19(日) 15:33:48

    「……俺……ヒーロー、なんですけど」
    抵抗するように俺はその言葉をつぶやいた
    『ああ、だからこそ、だ』
    その言葉で、思考が完全に止まった

    ヒーローだから…
    だから…殺…す?

    意味が繋がらない
    繋がった瞬間、全部壊れてしまいそうだった

    手が震えていた
    何を言えばいいのかわからない
    ただ、ごーよくさんの声だけが、少しだけ届いた

    [……啓悟、聞かなくていい、もう帰ろう]
    [啓悟…]

    『受けてくれるかい?』
    断れない、断ったらどうなるか、そんなの…
    この状況から察せと言われているようなものだ

    「はい」

    ただ、俺は、この日初めて、ヒーロー社会の輪郭が初めて歪んで見えた

  • 45二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 17:47:31

    公安の闇……

  • 461主25/10/19(日) 19:13:15

    俺は扉を閉めた後、すぐに剛翼に詰め寄った
    「知ってたの?」
    自分でも驚くほど冷たい声
    思えば、剛翼は俺がヒーローになりたいと言うのを優しく否定してたような気がする
    剛翼と目良さんのあの顔にも合点がいった様な気がした
    [知らない…本当に知らない…知ってたなら全力で止めた]
    […俺はさ…なんか…その…そういう…人の闇?みたいなの敏感に感じとっちゃうからさ…嫌な予感がしてたってだけで…]
    「なんで言わなかった?」
    [ヒーローになりたいって言う啓悟に、こんなこと言えるわけない]
    [ただ、俺は…啓悟に幸せになって欲しくて…!]

    「人を殺すことになっても?」

    俺は一息ついた
    冷静になれ、‪”‬ホークス‪”‬…剛翼は何も悪い事はしてない
    「…少し取り乱した…ごめん」
    [俺こそごめん…話さなくて]
    何となく気まづかった
    俺はごーよくさんに喧嘩腰だったことは過去1度もない
    こんなとこで、取り乱してどうする?
    俺は今から…人を…

    正しいヒーロー社会の為
    …きっとこれからすることは間違ってない

    間違って…ない…よね?

  • 471主25/10/19(日) 23:01:12

    俺はターゲットを確認した後、屋上から飛び降りた

    すぐに羽を広げ、ターゲットを追う

    一応武器は支給された、けど…

    俺が剛翼以外の武器は使わないと判断したのか、扱い慣れないハンドガンだ

    ──────────

    内部に入るのは簡単だった

    というかあっさりすぎて、逆に不安になってきた

    まるでドラマかのような作られた現場

    ターゲットは、スーツケースの中から札束を取り出し数えていた

    …もしかしたら…全部フィクションで

    これだって実銃なんて入ってなくて

    全部ドッキリでした!で…終わればいいのに

    ため息をつきかけるが、ごーよくさんに口元を抑えられる

    …そうだ、慎重に行かなくちゃ


    剛翼で天井にあった電気を壊し、部屋を暗くする

    月明かりだけが差した空間

    俺はすぐにターゲットの上にのしかかりターゲットの額に銃を押し当てた

    ターゲットは「待ってくれ」「死にたくない」

    と、テンプレートのような事を言う

    俺は引き金を引こうと指に手をかけた

    俺が殺る、俺がこの人を…

    [啓悟、俺を使って、俺を使って殺して]

    冷や汗が垂れた

    今この迷ってる時間すら、本当はあってはならない


    俺は…

    1 ハンドガンで殺した

    2 …剛翼を使って殺した

    dice1d2=2 (2)

  • 48二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:05:25

    ごーよくさん…

  • 491主25/10/19(日) 23:12:53

    俺はハンドガンを捨て、羽根を1本手に取り、ターゲット額に思い切り突き刺した
    吐き気が止まらなかった
    今目の前で、誰かが、生きている価値がないと判断した人間を俺が殺している
    生まれてから、一度も離れたことのない大切な…‪”‬家族‪”‬を使って殺している

    早く死んで欲しい、もうこの苦しみから開放されたい
    でもいちばん苦しいのはごーよくさんだ俺じゃない
    俺はごーよくさんになんて言えばいい?謝って済む問題か?

    気づけば、ターゲットは絶命していた
    任務成功、排除完了

    俺はフラフラとその場を離れた
    死体の処理はあっちがしてくれるらしい
    …ははっ…そうじゃなきゃ困る…こんなに疲れたんだから

    本当に身勝手な子供だ
    責任を誰かに擦り付けたくてたまらない
    強烈な吐き気が俺を襲い、俺はその場で吐いた
    「…ぅ‪”‬えっ…ぐっ…ぅ…お‪”‬ぇっ…」
    汚いだとか臭いだとか、もうよく分からない
    クラクラする…気持ち悪い

    俺は…ごーよくさんを使って…人を

    殺した 殺した 殺した
    殺してしまった
    取り返しがつかないことをした

  • 501主25/10/19(日) 23:21:50

    全部ごーよくさんのせいにしたいとも、一瞬思ってしまった
    ごーよくさんが自分を使えと言ってきた
    だから殺した
    違う、それは言い訳だ

    帰ろう…帰って早く血を流したい
    汚い…汚い…汚いのは?俺自身か?
    …人を殺すのはこんなに気分が悪くなるものなのか?
    快楽殺人とは?
    「ごーよくさん…ごめん…」
    震える声で俺は謝った
    目の前にはごーよくさんが立っていた
    俺のことをじっと見たあと、抱きしめてくれた
    「汚いから…触らないで…ごーよくさん…俺は人殺しなんだから」
    [汚くなんかないよ、啓悟は人殺しなんてしてない]
    [俺が全部やった、啓悟は何も悪くない]
    [だから、泣かなくていいよ]
    ごーよくさんにそう言われ、俺は初めて自分が泣いてることに気づいた
    それがなぜだかものすごく悲しくなってしまい、涙が止まらなくなった
    「違う…もん…俺が全部…全部ッ…!」
    [違うよ、啓悟、啓悟は悪くない]
    [大丈夫、大丈夫だから、泣かないで]
    俺はいつまで子供なんだ?
    なんでいつもごーよくさんに頼るんだ?
    「俺が悪いのに…っ…ごーよくさんなんて…嫌い…」
    [いいよ、嫌ってくれても…でも、俺は啓悟のことずっと大好きだからなぁ…]
    ごーよくさんはいつも通りに笑ってくれる
    それが本当に、本当に苦しくて…
    自分が…大嫌いになった

  • 511主25/10/19(日) 23:25:58

    ホークスの精神は

    1 回復傾向に向かった

    2 ずっと荒れている

    3 だんだん酷くなっていく


    dice1d3=3 (3)


    ごーよくさんは啓悟の事を

    1 幸せになって欲しいと思っている

    2 今ある苦しみから少しでも解放してあげたいと思っている

    3 楽にしてあげたいと思っている


    dice1d3=3 (3)


    レス乞食かもしれませんが、思いつきで立ててしまった為スローペースで進みますので、気楽にレスしていってくれるととても嬉しいです

  • 52二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:29:30

    わぁ……悪化してってるぅ…

  • 531主25/10/19(日) 23:37:34

    あの日から、何となく空を飛ぶことも億劫になった
    人を殺した
    しっかり身体も服も洗ったはずなのに、あの時の匂いが取れない
    暗闇が苦手になった、あの時を思い出してしまって、またなにかやらかすかもしれないから
    上層部から謝罪されたが、どうでもよかった
    誰かを殺したなんて事実が消える訳じゃないんだから
    『ホークス、体調は大丈夫?』
    「だいぶ良くなりました、平気です」
    『けど、最近やつれてるように…』
    「夏バテです、心配しなくて大丈夫ですから」
    大人の前では、平気なフリをした
    別に辛くも何ともなかった
    俺がいくら苦しくても、「あぁ、可哀想に」なんて意味の無い言葉を言って何もせずにどこかに行ってしまうだけだから

    「…食事、また取りませんでしたね」
    「最近お腹空かないんですよ、歳かな?」
    「無理し過ぎです、私もできる限り協力しますから…少し心と体を…」
    「…普通に生きてる目良さんに何がわかるんですか」
    「俺の気持ちなんて誰も分からない、同じ人なんていないから」
    「ねぇ、目良さん」
    「俺ならココの人間全員を再起不能にするのに、どのぐらいかかりますか?」
    「ホークス…!」
    「…冗談っすよ…そんな顔しないでください」

    [面白くない冗談だね、啓悟]
    「…だね」

  • 54二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:42:05

    ホークスの目に常にハイライト無さそう

  • 551主25/10/20(月) 01:21:04

    人は1分間に1人死ぬ

    それだけ…その1分の間に、俺が1人殺めただけ

    いいなぁ…ごーよくさんみたいに楽観的に考えられたらなぁ

    なんでここの人たちは平然と仕事ができるんだろう

    俺に任務をくれたあの人だって、今は何ら変わらず普通に過ごしてる

    イライラする…

    このイライラはどうしたら治まる?

    俺は羽を広げた

    「そうだ」

    とても簡単な話

    鳥籠を壊せばいい

    [啓悟]

    「邪魔する気?」

    [啓悟がすることは全部…肯定する]

    [けど…啓悟に苦しい思いはして欲しくない、俺が変わってあげたいって…思ってる]

    俺はゆっくりと羽を閉じた

    唇が震えていた

    涙が出かけていた

    [なにかしよっか、啓悟…少しは楽になるよ]


    ホークスは

    1 少し散歩に出かけることにした

    2 美味しいものを食べに行くことにした

    3 何も出来ずに寝ることにした


    dice1d3=2 (2)

  • 56二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 02:15:36

    美味しいもの食べて元気になってくれぇ………

  • 57二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 06:40:57

    焼き鳥食べておいで…

  • 58二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 12:06:17

    ほしゅ

  • 591主25/10/20(月) 14:41:22

    お腹が鳴り、まだ飯を食ってないことに気づく

    …正直食欲そんな無いけど…食べた方が…いい…よな

    俺は、ため息を着いたあと、外に出ることにした

    ──────────

    時期的なものなのだろうか、屋台が幾つか出ており、その中に焼き鳥屋の屋台を見つける

    俺はしばらく立ち止まって、屋台の灯りをぼんやりと眺めていた

    人混みのざわめきも、少し遠くで鳴る笑い声も、全部現実味がなかった

    屋台のおじさんが、手際よく串を返している

    パチ、パチと脂がはねる音


    焼き上がった串を二本、受け取る

    少し熱い紙皿

    ベンチに腰を下ろして、一口かじる

    …思ったより、うまかった

    温かくて、ちゃんと肉の味がした

    [美味しい?]

    「うん」

    俺は小さく笑った

    ごーよくさんは、その笑い声に合わせて羽を小さく揺らした


    風が冷たくて、少しだけ涙が出そうになった

    でも、それが冷たい風のせいなのか、わからなかった

    もう一口、焼き鳥をかじる

    ごーよくさんは、羽で俺を抱き寄せた


    ホークスは

    1 精神面が安定した

    2 まだ精神は荒れたまま


    dice1d2=2 (2)

  • 601主25/10/20(月) 14:48:10

    [……よかった]
    ごーよくさんの声は、いつもより静かだった
    温かい羽の中で、俺は目を閉じる
    胸の奥が、じわじわと焼けるように痛い
    「なんで、そんな顔…」
    [どんな顔?]
    「…優しい顔」
    [だって、啓悟が美味しそうにしてるから]
    俺は空を見上げた
    屋台の煙が、夜空の星をかすませている
    あのとき見た星空も、もう思い出せない
    記憶の中で、全部ぼやけていく
    「……俺さ」
    声が勝手に震えた
    「ヒーローって言葉聞くと、吐き気がする」
    「……何で、俺がこんなことになんなきゃいけなかったんだろ」
    しばらく沈黙が流れた
    ごーよくさんは何も言わなかった
    ただ、羽の先で俺の背を撫でていた
    優しすぎて、余計に惨めだった
    「俺が夢見てたヒーローっていうのは、全部ハリボテで…」
    「本当は…薄汚くて…本物の正義なんてものは存在しない」
    [啓悟…]
    「ごーよくさん、俺…辛い」
    「辛いけどさ…誰も助けてくれない」
    「だって、ヒーローは助けてくれる存在だもん…助けられる存在じゃダメだ」
    [俺が居る…だから…大丈夫]
    「…いいよ、無理しなくて…ありがと、ごーよくさん」

  • 61二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 17:05:36

    ホークス曇ってきたな……ちょっと喜んでいる自分がいる

  • 621主25/10/20(月) 20:01:06

    屋台の灯がひとつ、またひとつ消えていく
    遠くで、提灯が風に揺れる音がした
    人の声はもうない
    ごーよくさんの羽の中で、俺はずっと黙ってた
    息をするたびに、胸が痛い
    何を言えばいいのか分からない
    何を考えたらいいのかも、もう分からない
    [……啓悟]
    声がした瞬間、涙が零れた
    止めようとしても、頬が勝手に熱くなって、喉が痛くなる
    「何も、分からない…」
    「俺…何が正しいのか、もう分からない」
    「ヒーローでいたいのか、生きてたいのか…」
    「それすら分かんない…」
    ごーよくさんは、何も言わなかった
    「俺、どうしたらいいんすか…」
    「誰を信じたらいいんすか…」
    「助けてほしいなんて、言っちゃいけないのに…」
    [言っていいよ]
    [俺が聞く]
    時間が解決してくれるさ、きっとすぐに忘れる
    そんな簡単な言葉すらくれないごーよくさん
    「…ごーよくさんなんか…嫌いだ」
    [そっか〜、嫌いか〜]
    ごーよくさんは皮肉めいた返事はしなかった
    ただ、俺が言ったことを確認するように

    嫌いなんかじゃない…
    ごーよくさんは俺のために…自分を使えと言ってきた
    最低だ

  • 63二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 20:20:42

    このレスは削除されています

  • 641主25/10/20(月) 20:21:53

    ゆっくりと朝日が差してきた

    眩しく堪らなかった

    ベットの上で羽を広げて俺は寝ていたのだろうか?

    いつ家に帰ったかもよく覚えてない

    「…」

    大人なら、一瞬の逃げ道は用意できただろう

    酒やタバコ

    けど、本当に一瞬の逃避行でしかない

    ごーよくさんも、あの日から積極的に話すことはなくなった

    …別に‪…いや…寂しい

    ははっ…ほんと、俺、ごーよくさんが居ないとダメなんだな

    [よく眠れた?]

    「…多分寝てない」

    [そっか]

    「脳裏に焼き付いてるせいかな…ずっと血の匂いがする」

    「洗っても落ちない、ずっと気持ち悪いのが張り付いてる」

    「変だ…なんでごーよくさんじゃなくて俺が苦しんでる?」

    俺は頭を抱えた

    目の前がぼやけてきた

    耳鳴りがしてきた

    なんで俺が苦しむ?本当に辛いのはごーよくさんだ

    違う、こんな命令をした公安だ…それも違う…あんな悪人がはびこるこの世界が…

    「ふふっ…ははっ!あはは!」

    何を言ってるんだろう俺は

    起きたばっかりなのに疲れたな…


    …何をしよう

    >>67

  • 65二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 20:29:51

    掃除をしてみる

  • 66二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 20:45:15

    風呂

  • 67二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 20:51:01

    二度寝

  • 681主25/10/20(月) 21:19:55

    何をしようかと考えてるうちに、眠くなってきた
    …怒られたってもう何も感じないだろう
    俺は目を閉じて二度寝することにした
    ──────────
    [啓悟、今日は月が綺麗だよ]
    [知ってる?月が綺麗ですねって…えーと…誰かが…なんだっけ…ふふっ…ごめん、思い出せないや]
    [けーいご…]
    目の前にいるのは間違いなくごーよくさん
    でも、ごーよくさんにしては幼すぎる
    俺が子供だった時のごーよくさんより幼い…
    [早く啓悟とお話したいな]
    [啓悟はね、個性はとっても強いけど、まだまだ幼いからね…俺がお兄さんしなきゃいけないんだ]
    [苦しくはないけど…寂しいな…]
    座っているごーよくさんの隣にいるであろう俺は雑な布切れに巻かれ、眠っていた
    まだ赤子と言える年齢だろう
    […少しだけならいいかな]
    幼い俺のほっぺたをつつくごーよくさん
    [ははっ、可愛いね啓悟、多分柔らかいんだろうなぁ…いいなぁ…]
    何してるんだ…ごーよくさん
    これは俺の記憶じゃない
    [大好きだよ啓悟、何があってもずっと一緒]
    [俺は、啓悟を守るために生まれてきた]
    [だからさ…俺が啓悟を守る代わりに…啓悟にはずっと笑ってて欲しいな]
    幼い俺が、ほんの少し笑う
    […!]
    そんな俺を見てごーよくさんも笑った

  • 69二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 01:14:45

    すごいほのぼのしたのが来た…

  • 70二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 06:47:34

    保守

  • 711主25/10/21(火) 08:18:02

    …弟が産まれたばかりの兄のようだ
    俺は、その光景をただ、ジッと見ていた
    場面が切り替わる

    俺が殴られ、蹴られている場面
    [啓悟!]
    ごーよくさんは苦しそうに唸る俺に触れようとする
    [っ…クソっ…なんで!]
    父が拳を振り上げる
    俺が固く目を瞑る
    ごーよくさんが止めようとするが、その拳はごーよくさんをすり抜け、俺へと直撃した

    [守れない…なんで?俺は啓悟の為に…]
    [啓悟のためになったことなんて…何も…]
    ごーよくさんは、膝を抱え込み、涙を滲ましていた

    [啓悟、俺はね、啓悟のためだったらなんでもする]
    ごーよくさんが後ろから現れ、俺の肩に手を置いた
    不思議と感覚があった
    […罪悪感なんて感じなくていいって言っても…啓悟はいい子だからなぁ…]
    肩に添えられた手が俺の頭の上に乗せられ撫でられる
    [啓悟、君が俺で人を殺したことそれは、誰かにとっては間違いだったかもしれない]
    [でも、それを選ばなければ、君は命令に逆らって殺されていたかもしれない]
    [俺は、薄情者かもしれないけど、啓悟が生きてるだけでいい…]
    [どちらを選んでも地獄なら、生き残る方を選んだ啓悟を責める理由は俺にはない]
    [罪は、なくならない、人の命を奪った事実も消えない]
    [けどね、啓悟、俺は君が世界一かっこよくて強い子だって知ってる]

  • 72二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 08:19:13

    このレスは削除されています

  • 731主25/10/21(火) 08:20:21

    [俺がいくら穢れたっていい、これからはずっと啓悟を守りたいから]

    「…けど…」

    [言語化が難しいね]

    […人を殺したこと、忘れろなんて言わない、忘れちゃいけない]

    [もう啓悟はその道を選んじゃったんだから]

    [人生は選択の繰り返し、辛いね]

    [俺は、何も出来ないから啓悟を見てることを選んだ]

    [啓悟も俺も苦しかった]

    ごーよくさんが俺の方を見る

    [選んで選んで選んで…その過程も、結果も全部間違いかもしれない]

    [もしかしたら今よりずっと苦しいかもしれない]

    [けど、もう選んじゃったから、変えられない、啓悟はその選択肢から逃げることはできない]

    [何回だって言うけど、俺が居る]

    ごーよくさんが笑って見せた

    まだ手が気持ち悪いような気がした

    そんな俺の手をぎゅっと握ってくれる


    目の前にはまた、幼い俺と幼いごーよくさん

    仲良く二人で寝ている


    ここまで説得されて、俺はどうすればいい?

    諦めるのは本当に簡単だ、すぐにでもできる


    「ごーよくさん…俺は…」


    1.2 前を向いて、進むことにした

    3 もう無理だと言った


    dice1d3=2 (2)

  • 74二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 12:07:24

    進んだか……

  • 751主25/10/21(火) 15:58:45

    「ごーよくさん…俺は…」
    「誰かを殺したその手で、これから誰かを救っていく」
    「許されないかもしれないけど、せめて生きる意味を探したい」
    [啓悟、それが“守る”ってことなんだ]
    「……俺も、そう思えるようになりたい」
    ごーよくさんが頷き、
    [君がそうやって苦しみながら歩く限り、俺は君の中で生きる]
    [大丈夫、俺は離れない]
    [ずっと見とくよ]
    […ん、そろそろ時間だね、またね、啓悟]
    ごーよくさんは笑って、俺を抱きしめた
    ──────────
    目が覚める
    [おはよ、啓悟]
    「おはようって時間帯じゃないっすか…」
    [まぁね]
    心が軽くなり、考える余裕ができた
    あーぁ…こんな時間帯に起きたら怒られる
    ドアをノックされる
    俺はため息を着いたあと、「どうぞ」と返した
    「ホークス…その…」
    「俺の事…怒ります?」
    「いえ、ホークスが心配で」
    「ははっ、もう大丈夫です、ごーよくさんに教えてもらいましたから」
    「空元気…ですか?」
    「いえいえ、本当に元気です」
    「…良かったです」
    「そんなしんみりしないでくださいよ目良さん、心配かけてすいませんでした」
    「大丈夫です、元気なホークスの顔が見れて良かった」
    お母さんみたいなのが2人も居て…俺は恵まれてるな…

  • 761主25/10/21(火) 16:31:22

    そこからまた数年
    慣れてしまったなんて言う言葉はあまり使いたくはないが
    このヒーロー社会をより良くするために俺は、戦い続けた
    血にまみれ、ヒーローと呼べる姿ではない
    けど…憧れが、原点が消えてくれない
    でも、そのお陰で俺は今日まで生きてこれてる

    「ごーよくさん、なんか歳とらなくなりました?」
    [確かに、今の俺たち完全に双子だね]
    「ついにごーよくさんに歳が追いついちゃったか…老けたなぁ」
    [老いも大事だよ啓悟、俺みたいに強くなれる!]
    「ははっ、そうっすね」
    [それと、何回も言うけどチャート3位おめでとう!]
    「いやぁ…もう少し下の方で頑張りたかったんすけどね…」
    [啓悟の魅力は誰よりも俺が知ってるからね、逆に3位なんて納得いかない]
    「まぁ、オールマイトさんとエンデヴァーさんだからね…流石にあの人たちに追いつける気がしない」
    [大丈夫、啓悟は俺のナンバーワンだから]
    人生で俺はごーよくさんに何回バグをされるのだろう
    「ごーよくさん…もう俺成人してますから…ハグはちょっと…」
    [昔の啓悟はそんなこと言わなかったのに…!そんなふうに育てた覚えは無いよ…!]
    育てられたことないって言おうと思ったが…ほとんどごーよくさんに育ててもらったようなものだ
    [さて…啓悟、ここから先どうするの?]
    「インターンがもうすぐ始まる」
    「一応、何人か推薦した、ま、来てくれるかどうかは分かんないけどね」
    [啓悟と似たような個性?]
    「まぁ、1人はエンデヴァーさんの息子さん…多分エンデヴァーさんの事務所行くと思うけど…」
    「で、もうひとりは…」

  • 77二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 17:17:00

    今めっちゃわくわくしてる…

  • 78二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:16:56

    常闇&黒影とお揃いになるのか…

  • 791主25/10/21(火) 21:51:57

    ──────────
    「お、来た来た、待ってたよ、常闇踏陰くん」
    少し緊張しているのか周りをキョロキョロと見る常闇くん
    「ひとつ…聞いてもいいだろうか」
    「なんでも聞いて?」
    「俺は何故声をかけられた?」
    「鳥仲間」
    「お巫山戯で…?」
    「いーや…1割本音半分は1年A組の人から話を聞きたくて」
    「君らを襲った敵連合とかいうチンピラのね」
    「んで、どうせなら俺について来れそうな優秀な人ってことで、上位から良さげな鳥人を」
    常闇くんは、素直に話し始めた
    けど、まぁ、俺があえて煽るように言ったせいか、不機嫌そうだった

    それが職場体験の時の話

    そして、今回のインターン
    「久しぶりだね、常闇くん」
    正直来てくれるとは思わなかった
    印象最悪だと思ったし…
    まぁ、でも、俺はナンバースリー、トップヒーローを目指すなら、チャート10に入ってるヒーローの事務所に来るのは当たり前っちゃ当たり前
    [ごめん、啓悟…この子の事覚えてなかった]
    …確かに、SKに任せっきりであんまり話したことは無い
    ごーよくさんが覚えてないのも無理はないだろう
    今回は常闇くんに色々伝えたいこと、聞きたいことが山ほどある
    けど、それには…
    『ホークス!すぐ近くのコンビニで強盗が!』
    「分かりました、すぐ行きます」
    俺に着いてきてもらわなきゃね

  • 801主25/10/21(火) 22:01:11

    「事後処理お願いします〜」

    [啓悟]
    「どうしました?」
    [なんであの子なんだっけ?]
    「えぇ…」
    俺は後ろから着いてくる常闇くんにチラリと視線をやる
    「あの子の個性は、黒影、今常闇くんの動きをカバーしてる子…それが黒影」
    「理由わかった?」
    「…ごーよくさん〜?」
    俺は空を飛びながら、ごーよくさんと話していた
    地上からは俺の声は聞こえないだろう
    常闇くんからもギリギリ聞こえない程度の声で話している
    「まぁ、要するにあの子の個性は話せる」
    [それって俺と同じってこと?]
    「さぁね…そこを聞くために呼んだっていうのは誇張しすぎだけど…」
    「ごーよくさんも気になるでしょ?」
    […あの子の個性とかと話せたらどうしよう…俺啓悟としか話したことないから…]
    「ははっ!大丈夫ですって!そんなこと有り得ませんから!」
    [ま、そうだね、俺は啓悟が居ればいいし]
    [ていうか、常闇くんもうそこまで来てるよ]
    「分かってる」
    最高速度は出してないとはいえ、ここまで着いてこれるか…
    俺はさらにスピードを加速させた

  • 811主25/10/21(火) 22:09:20

    数日経ち、大分常闇くんのことが分かってきた
    SK達が、「お疲れ様でしたー」と言い帰っていく
    俺は、SK達と同様に帰ろうとする常闇くんに声をかけた
    「常闇くん」
    手招きをする俺に、常闇くんはゆっくりと近づいた
    ──────────
    「夜間飛行とシャレこもうよ」
    「ホ!ホークス!!我々は風になっている!」
    「飛ぶの初めて?」
    嫌がられるかと思ったら、案外楽しそうにしてくれていた
    「残りの4割さァ、常闇くんがもったいないことしてるなーと思ったからなんだよね」
    「空はね、良いよ、物事を俯瞰して見れるから」
    「?」
    「後進育成とかする気はないんだけどさ、」
    「…もったいない事とは?」
    「弱点の近距離カバーに尽力もいいけど、得意を伸ばすことも忘れない方がいい」
    「君は、もっと自由に動ける」
    「ホラ…鳥仲間のよしみさ」

    「飛べるやつは飛ぶべきだよ」
    「地面に縛り付けられる必要なんてない」

  • 821主25/10/21(火) 22:23:30

    「で!常闇くん、残りの4割の話したでしょ?」

    「また割って話して、残りの1割」

    「常闇くんの個性について少し教えて欲しい」

    「…個性?ホークスの見ての通りだ」

    「あー…そうじゃなくて…その、なんて言えばいいかな…」

    俺は口ごもった

    「俺さ…自分の個性と話せるんだよね」

    「あなたの個性は…個性と話せる個性では…無…いや、自分の個性と話…す…?」

    常闇くんはそこそこ混乱していた

    いや、当たり前だ…こんなこと急に言われても困る

    「えっと、俺の個性、剛翼は見ての通りこの大きな翼なんだけどさ」

    「剛翼自身が話しかけて来るんじゃなくて…俺そっくりの人型のになった剛翼が話しかけてくる…みたいな…?」

    「…???」

    ダメだ、常闇くん完全に宇宙猫状態だ…

    「見えない…?ここにいるんだけど」

    「黒影は、他の個性が見えたりしたことがあるか?」

    「異形トカ、発動シタラ分カル個性以外見エナイ…フミカゲト同ジ」

    [個性なのに実態があっていいなぁ]

    「本当に見えない?ここにいるよ?存在感しかないよ?」

    「個性同士なら有り得ないかな…」

    「ここまで必死なホークスは初めてだ…」

    2人とも目をこらしてホークスの隣を見た


    2人は

    1.2 見えない

    3 2人とも見える

    4 黒影にしか見えない

    5 常闇にしか見えない


    dice1d5=1 (1)

  • 83二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:28:07

    見えないかぁ…

  • 841主25/10/21(火) 22:33:35

    「すまない、ホークス…俺達にはまだ潜らなければいけない試練が多いようだ…」
    「ゴメン…ホークス」
    「いや、いいよいいよ…大丈夫…俺は…」
    [そうだよね…だって俺啓悟の個性だもん…啓悟以外に見えなくても不思議じゃないよね…]
    俺の横でしゃがんで、ひと目でわかるほど不貞腐れてるごーよくさん
    「だが、ホークス…俺はあなたの事務所に行く前にあなたのことを調べた…」
    「そんな情報はひとつも…」
    「公表してないからね、ほら、みんなから見たら独り言ブツブツ言ってるヤバいヒーローでしょ?」
    「それに…公安の偉い人達から人に話すなって言われたからさ」
    「そんな大事なことを話してくれて感謝するホークス」
    「っ…はは!常闇くんってホント変な子だね」
    「何かあったら、役に立てるかは分からないが、俺にも話してくれ」
    「俺モ聞く!」
    「ありがとうね、2人とも」
    常闇くんと黒影を抱きしめる
    抱きしめた瞬間…これはさすがにやりすぎたと思ったが
    常闇くんは、どう反応すればいいか慌てるだけで嫌がってる様子はなかった
    黒影は喜んでた
    [癖、移っちゃったね、啓悟♪]
    俺はほんの少しだけごーよくさんを睨んだ
    ごーよくさんはすっかり機嫌を治したようで笑っていた

  • 85二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 00:49:27

    抱き締めてるのがなんか微笑ましい

  • 86二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 06:45:41

    保守

  • 87二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 12:12:22

    ほしゅ

  • 881主25/10/22(水) 12:22:45

    常闇くんが帰ったあと、俺は自室からぼーっと星を眺めていた
    [いい子達だね]
    「でしょ?」
    [将来はSKにするの?]
    「常闇くん次第かなぁ、人の人生左右できるほど偉くないし」
    [そっか]
    「寒くなってきたね、ごーよくさん」
    [だね、啓悟、風邪引かないように気をつけてよ?]
    「分かってますって…でも、ちょっと緊張気味ですね今」
    「下半期ヒーロービルボードチャートJPがもうすぐだ」
    [あれ…そんな早かったっけ?この間お祝いしたばっかりな気がするけど]
    「時間ってのは早いんすよ、ごーよくさん」
    [確かに、啓悟はいつの間にか大人になってたしね]
    [あー…あの子たちぐらいの啓悟とまたお話したいなぁ…]
    「今の俺じゃ嫌っすか?」
    [今の啓悟と昔の啓悟じゃいい所が全然違う!もちろん今の啓悟も好きだよ]
    「過保護〜」
    [ふふっ、でもさ、啓悟なんで緊張してるの?またあの発表形式じゃないの?]
    「あぁ、今回会場に集まってヒーローから一言コメント話すみたいな感じらしいですよ」
    [おお!じゃあ、啓悟が好きなエンデヴァーに会えるね]
    「そこがちょっと心配で…多分エンデヴァーさん俺みたいなタイプいちばん嫌いだと思うんすよね」
    […エンデヴァーの個性嫌い…俺が燃えるもん]
    「ははっ、まぁ、お互い良い悪いはありますから、ごーよくさんも手伝ってくださいね」
    「見てくれてるだけで俺は嬉しいですから」
    [啓悟の言うことならなんでも聞くよ、啓悟二笑ってて欲しいから]

  • 89二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 12:25:47

    羽根は燃えちゃうからねぇ…

  • 901主25/10/22(水) 20:08:31

    『敵連合に取り入れ、ホークス』

    「は?ちょっと待ってください、意味がわからない」
    「そっち捜索チーム組むんでしょ?グラントリノさんとかが」
    『どこで聞いた?まだ公表してない話だ』
    『…そういう所よホークス、貴方は───』
    ここの人達は、長々と話すのが相変わらず好きだ
    …さっきの一言が、頭から離れない
    敵連合に取り入れ…?
    『────同じ過ちを繰り返す事になる』
    「取り入る間、奴らが出す被害は?目を瞑れって?」
    『瞑れる男だと見込んでの頼みだ』
    『名誉名声に頓着がなく、ただただ、長期目標を見据えて動く、君程適任な者はいないと考えている』
    いい加減にしてくれ
    俺の事を不気味がって遠ざけて、都合が悪くなったら俺を使う
    「本当に必要なんですか?」
    『だからこその提案よ、表と裏から追い詰める事で確実に退路を断つ』
    「提案!断れないってわかった上で、そーゆー言い方するんだもんな、人が悪い」
    『否定はしないわ、ホークス、神野であなたの都合がつかなかったのは幸いだった』
    なんで今昔のことがフラッシュバックする?
    ねぇ…ごーよくさん…
    「…俺が穢れて皆が安心できるようになるのなら、喜んで引き受けますよ」

  • 91二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 20:18:12

    あぁ……また曇ってきちゃった…
    なんか嬉しい

  • 921主25/10/22(水) 20:26:23

    […受けて良かったの?]
    「断れないって言ったでしょ」
    [ねぇ…啓───]
    「ごーよくさん、俺の事啓悟って言うのやめません?」
    「 …連合にもしも、俺のことがバレたら面倒だ」
    [でも、啓悟以外に俺と話せる人は…]
    「あのね、ごーよくさん…俺、本当はこの名前捨てなきゃいけないんですよ」
    […あんなの、間に受けなくたって…]
    「ごめんね、ごーよくさん、でも決めた事だから」
    […いいよ、啓悟が決めたことなんだもん、俺はそれに従うだけだ]
    [なんて呼べばいい?]


    「「ホークス」」


    「ヒーローを裏切るなんざ、ナンバースリーも落ちたもんだな?」
    「酷い言い草だけど、まぁ、否定はしないよ」
    「テメェ自身も分かってると思うが、ヒーローが簡単にこっちの信用を得られると思うなよ?」
    「はいはい、分かってるって」
    「それで?俺は何をすれば、連合の信用を得られる?」
    「あぁ、情報と、俺たちの仲間になるって行動で証明してくれ」
    「…それは、荼毘の独断?」
    「ナンバースリーを簡単にリーダーに会わせられるかよ」
    「ははっ、ごめんごめん、それもそうだ」
    俺はホークス、早すぎる男
    ‪”‬俺‪”‬が穢れて皆が安心できるのなら…
    [ホークス…]
    心配しないで、ごーよくさん
    …上手くやるから

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