【閲覧注意・🎲】ここだけ不知火カヤの中身が、大体ボンドルド卿だった世界線 Part.22

  • 1ホットドリンク大好き25/10/17(金) 21:55:41

    【あらすじ】

    おや、どういうワケかサオリさんの『状態』が正常に戻っていますね。
    ミカさんの方で何かあったのでしょうか?
    『果実』の効果を振り切るとは・・・実に、興味深い。

  • 2ホットドリンク大好き25/10/17(金) 21:56:52

    サオリ:
    (なんか戻った・・・。)

    ミカ:
    (なんか戻れたけど大丈夫なのかな・・・コレ。)

    アル:
    (よく分からないけど、丸く収まったし良い事よね!)

  • 3ホットドリンク大好き25/10/17(金) 21:58:59
  • 4ホットドリンク大好き25/10/17(金) 22:00:40
  • 5ホットドリンク大好き25/10/17(金) 22:01:48
  • 6ホットドリンク大好き25/10/17(金) 22:03:18
  • 7ホットドリンク大好き25/10/17(金) 22:04:41
  • 8ホットドリンク大好き25/10/17(金) 22:06:52
  • 9ホットドリンク大好き25/10/17(金) 22:08:31
  • 10二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 22:12:28

    保守

  • 11二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 06:00:13

    保守

  • 12二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 12:00:14

    保守

  • 13二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 18:00:13

    保守

  • 14二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 00:00:14

    保守

  • 15ホットドリンク大好き25/10/19(日) 04:59:43

    ────────────────────

    ミカ:
    「─── ・・・で、カヤちゃんと一緒に乗り込んできたってワケ?
    あはは! 勇気あるね☆ ・・・それとも特に何も考えて無かっただけかな?」

    アル:
    「考えならあるわ!
    普段お世話になっている人に頼られたら、応えるのがアウトローの流儀ってものじゃない?」

    ミカ:
    「・・・。」
    (やっぱり良い子だな、この子・・・私と違って。)

    カヨコ:
    「・・・。」
    (社長・・・それは別に『アウトローの流儀』では無いと思う・・・。)

    ムツキ:
    「・・・。」
    (やっぱり面白いな~、アルちゃん。)

    ハルカ:
    「・・・。」
    (アル様が そう言うなら そうなんでしょう。)

    アル:
    「え!? 私なにか変なこと言った??」

  • 16ホットドリンク大好き25/10/19(日) 05:00:43

    ミカと合流することに成功したアル達 便利屋68は、当初の計画通りアリウスの路地裏を進んでいた。
    ハルカを先頭に、時折遭遇する『複製(ミメシス)』を撃破しながら進む。

    アル:
    「・・・こほん。
    でも良かったわ。 ミカさんも私達と同じ目的みたいで。」

    ミカ:
    「まぁ・・・責任はとらなきゃだからね。」

    アルの屈託のない笑顔に対して、ミカは視線を逸らした。
    今は、その無垢な好意が辛かった。

    アル:
    「セイアさん・・・だったかしら?
    何があったのかは詳しく知らないけど、彼女も きっと許してくれるわよ。」

    ミカ:
    「・・・そうかな?」

    道すがらボンヤリと事情を聞いていたアルが、ミカを励ます言葉を口にする。
    その裏表のない善意に、ミカは縋るように口を開いた。

  • 17ホットドリンク大好き25/10/19(日) 05:01:44

    ミカ:
    「う~ん・・・万が一セイアちゃんが許してくれても、世間は許してくれないんじゃないかなぁ・・・。」

    アル:
    「え? 友達と仲直り出来る以上に大事なことってあるの?」

    ミカ:
    「・・・え?」

    アル:
    「例え皆が敵でも、友達が味方なら・・・それはもう許されたようなものじゃないかしら?」

    ミカ:
    「・・・。」

    少し呆けた表情をしていたミカだったが、やがて その言葉を受け入れて穏やかな顔になった。

    ミカ:
    「・・・そっか。 そういう見方も出来る・・・かもね。」

    考えてみれば そうかもしれなかった。
    確かに、どうでも良いような『その他 大勢』に許されたところで『友達』から絶交されていれば意味がないように、逆を言えば『その他 大勢』に許されていなくても『友達』と仲直りさえ出来ていれば救いはあったと言えるのかもしれない。

    そして、それは確かにミカにとって救いだった。

    ────────────────────

  • 18二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 12:00:15

    保守

  • 19二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 18:00:15

    保守

  • 20二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:00:21

    保守

  • 21二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 06:00:13

    保守

  • 22二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 12:00:13

    保守

  • 23二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 18:00:13

    保守

  • 24ホットドリンク大好き25/10/20(月) 22:19:48

    ────────────────────


    <─── トリニティの医務室>


    ???:

    「ん・・・うぅ・・・。」


    鉛のように重い身体に鞭打ち、寝台から背を起こす。

    その吐き気を催すような気だるさが、確かに自分が戻って来たことを感じさせた。


    ───── チリンチリン・・・


    誰かが整えてくれたであろう病人服を緩めながら、枕元のベットサイドテーブルに備え付けてあった呼び鈴を鳴らした。


    ・・・。


    少しの静寂。

    そして直ぐに、慌ただしい足音が響き始めた。


    ───── (扉が弾ける音)

  • 25ホットドリンク大好き25/10/20(月) 22:23:31

    サンクトゥス分派 生徒:
    「─── セイア様! お目覚めになられましたか!!」

    セイア:
    「あぁ、なんとかね。
    それよりも君、トリニティ内に駐留しているシャーレ顧問の護衛・・・SRTのRABBIT小隊を呼び出してくれないか?
    この先の展開には どうしても彼女達が必要でね。」

    サンクトゥス分派 生徒:
    「え、は? しかしセイア様は重症で・・・───」

    押しとどめようとする世話役の生徒に対し、セイアは いつになく明るい口調で答えた。

    セイア:
    「いや、私は元気だとも。
    確かに本調子ではないかもしれないがね。
    しかしそれでも、ここ最近では最も調子が良いよ。」

    サンクトゥス分派 生徒:
    「は、はぁ・・・。」

    要領を得ない顔をする世話役を振り切り、ベットから抜け出して着替えを探す。
    幸いにして いつもの服の替えは用意してあった。

    セイア:
    「さ、分かったら仕事をしてくれたまえ。
    この先の行動がトリニティの運命を変える・・・今までより ずっと朧気だが、確かにそれを感じるんだよ。」

    ────────────────────

  • 26二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 06:00:13

    保守

  • 27二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 12:00:13

    保守

  • 28二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:00:13

    保守

  • 29二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 00:00:16

    保守

  • 30ホットドリンク大好き25/10/22(水) 04:32:49

    ────────────────────


    <─── トリニティ外周・・・>


    モエ:

    「はぁ・・・退屈だなぁ・・・。」


    サキ:

    「文句を言うな。 これも立派な任務だぞ。」


    トリニティ校舎の外周にあたる部分を、RABBIT小隊は巡回していた。

    校舎といってもトリニティには無数にあるが、RABBIT小隊は その内の一つを警護していた。


    ミヤコ:

    「サキの言う通りです。

    私達は先生からセイアさんの安全を任されたのですから。」


    先頭に立つミヤコが胸を張る。

    実際、ミヤコの目から見てもトリニティの警備体制は現在おざなりであり、悪意のある侵入者が狙うなら今という確信があった。

    だからこそ、気合いもより入る。


    モエ:

    「いや・・・ミヤコは先生にチョロいから良いかも知れないけどさ。

    私としてはこう・・・ホラ、今は非常時なんだから、もっと刺激的なことがあっても良いと思うのよ。」


    ミヤコ:

    「誰がチョロいですか、誰が。」

  • 31ホットドリンク大好き25/10/22(水) 04:35:07

    ミユ:
    「・・・私は・・・何事も無い方が良いと思うけど・・・。」

    サキ:
    「ミユの言う通りだ。 任務に刺激など必要ない。
    大切なのは上官・・・この場合 先生の指示を守るということだ。」

    モエ:
    「はぁ~・・・皆まじめだねぇ~・・・。
    あ~・・・何かトラブルでも起こらないかなぁ・・・。」

    ミヤコ:
    「・・・あまり そういうことを言わない方が良いですよ。
    カヤ先輩に訓練メニューを組んで頂いた時も そうでしたが そういうことを言ってると───」



    サンクトゥス分派 生徒:
    「失礼、RABBIT小隊の皆様。 セイア様が お呼びです。」



    ミヤコ:
    「─── 嫌になるほど刺激的な目に合わせられることになります。」

    モエ:
    「うぇ・・・。」

    モエは防衛室での鬼畜な訓練を思い出し、思わず吐き気を催した。
    ────────────────────

  • 32二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 12:00:14

    保守

  • 33二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 18:00:13

    保守

  • 34二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 00:00:17

    保守

  • 35二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 06:00:14

    保守

  • 36二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 12:00:14

    保守

  • 37ホットドリンク大好き25/10/23(木) 15:49:58

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    カヤ:
    『どうでしょう、ミヤコさん。 ・・・お楽しみ頂けているでしょうか?』

    ミヤコ:
    「逆に聞きますけど、楽しめていると思います?」

    ミヤコ達RABBIT小隊は、未知の生態系が築かれた原生林に訓練と称して放り込まれていた。
    空も地面も、果てには地下にも、凶暴な原生生物がひしめいている。

    そんな中、ようやくミヤコ達はセーフハウスを築くことが出来たところだった。

    カヤ:
    『そうですか、お楽しみ頂けているようで何よりです。』

    ミヤコ:
    「・・・。」

    ミヤコは立場も忘れて、通信越しの先輩を殴りたくなった。
    セーフハウスの中で、ミヤコのジャブが宙を切る。

  • 38ホットドリンク大好き25/10/23(木) 15:51:34

    ミヤコ:
    「それで・・・そろそろ お話頂いても良いのではないですか?
    ・・・なぜ、今回 突然 我々を こんなところに放り込んだのか。」

    カヤ:
    『突然? いえ、前もって約束したではありませんか。』

    ミヤコ:
    「?」

    カヤ:
    『シロとクロの異空間で共に戦った時、訓練をつける約束をしましたよ。』

    ミヤコ:
    「・・・あぁ。」

    ミヤコは そういえば といった様子で声を上げた。
    確かにそんな約束をした気がする。
    しかし、想像していた訓練と実際の訓練の内容が乖離し過ぎていて、頭の中で その約束と今回の事件が結びつかなかった。

  • 39ホットドリンク大好き25/10/23(木) 15:52:34

    カヤ:
    『それで・・・今回この原生林に放り込んだ理由・・・でしたね。』

    カヤの声の雰囲気が変わる。
    それなりの付き合いになってきたミヤコには、ここからは真面目な話になると理解することが出来た。
    いや、先程までも本人としては真面目なのだろうが。

    カヤ:
    『ミヤコさん、強い生徒が戦闘不能に陥る原因として最も多いのは何だと思いますか?』

    ミヤコ:
    「・・・想定していない長期戦、連戦などでしょうか?」

    カヤ:
    『素晴らしい。
    それもまた正解です。
    しかし私は それも含めて、『想定外』こそが強者を〇す原因であると考えています。』

    ミヤコ:
    「『想定外』・・・ですか。」

  • 40ホットドリンク大好き25/10/23(木) 15:55:33

    カヤ:
    『そう、『想定外』。
    ・・・例えばミヤコさん。
    貴方の挙げてくれた『想定していない長期戦や連戦』。
    ・・・これは逆を言えば、想定できていれば切り抜けられたとも言えませんか?』

    ミヤコ:
    「全てを完全に想定することは不可能だと思います。
    例えば今回の場合、短期決戦を想定した装備で長期の消耗戦を耐えることは不可能です。」

    カヤ:
    『おや、私は その状況下で相手の装備を奪って戦い抜いた生徒を知っていますよ?』

    ミヤコ:
    「・・・。」

    カヤ:
    『今、貴方と私の『想定』の明暗を分けたのは一重に経験です。
    特に今回の場合は『装備が尽きたら相手の装備を奪えば良い』となる経験を持っているか否かで、土壇場の行動が変わってくることになります。
    ミヤコさん、これは極めて重要な事実を指し示していると思いませんか?』

  • 41ホットドリンク大好き25/10/23(木) 15:57:01

    ミヤコ:
    「『どんな状況でも手はある』・・・ですか?」

    カヤ:
    『その通り・・・要は経験です。』

    ───── (破裂音)

    セーフハウスの壁を突き破って、黒ずくめの防衛室スタッフが雪崩れ込んで来た。

    ミヤコ:
    「─── っ! 総員、戦闘態勢!!」

    カヤ:
    『あぁ、言い忘れていましたが、今回この原生林のフィールドには あなた方以外にも防衛室スタッフが小隊規模で何チームも配置されています。
    もし彼女達に敗北すれば、訓練は最初からとしましょう。
    ・・・さて、あなた方は いつ原生林から脱出できるでしょうね?』

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

  • 42二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 00:00:18

    保守

  • 43二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 06:00:14

    保守

  • 44二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 12:00:14

    保守

  • 45二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 18:00:12

    保守

  • 46二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 00:00:14

    保守

  • 47ホットドリンク大好き25/10/25(土) 01:16:05

    ────────────────────

    サキ:
    「・・・あれは酷かったな。」

    ミユ:
    「何回も何回も防衛室の人達に蜂の巣にされて・・・うぅ・・・。」

    モエ:
    「正直 死ぬかと思った・・・。 ・・・もう二度とやりたくないなぁ。」

    ミヤコ:
    「しかし・・・カヤ先輩の言葉通り、経験を積めたことは確かです。
    あの死線を乗り越えたからこそ、今の私達があります・・・─── 着きましたよ。」

    ミヤコ達はセイアの派閥、サンクトゥス分派の生徒に連れられて、セイアの待つ医務室へと通された。
    医務室といっても派閥の首領に相応しい格質を備えた個室であり、SRTにあるような機能性と許容量を重視した それとは まるで違う。

    モエ:
    「大っきぃ~・・・この部屋の施工費だけで武装ヘリ飛ぶんじゃないかな?」

    サキ:
    「当然だろう。
    この中にいるのはトリニティの生徒会長の一人だぞ?
    要人警護の観点から言えば、それだけ金を掛けた部屋に居てくれる方が助かる。」

    モエ:
    「あ~、そういう視点もあるかもねぇ・・・。
    ・・・ねぇ、案内の人。 この部屋の壁って撃ってみても───」

  • 48ホットドリンク大好き25/10/25(土) 01:17:22

    ミヤコと案内の人:
    「「ダメです。」」

    サンクトゥス分派の生徒(案内の人):
    「・・・勿論 防弾ではありますが、
    万一 内部にいらっしゃるセイア様に弾丸が当たればコトです。 ・・・お止め下さい。」

    ミヤコ:
    「その通りです。
    私達はトリニティの警備体制をチェックしに来たワケではないのですよ。」

    二人に強く言われ、モエは渋々引き下がった。
    案内の生徒は それを見て安堵とも呆れともつかない(あるいは両方か)溜息を漏らすと、扉に備え付けられたドアノッカーで扉をノックした。

    扉から鈍い音が鳴る。

    セイア:
    『入りたまえ。』

    中から落ち着いた生徒の声がした。
    その声の抑揚には、上流階級の人間特有の、有無を言わせない空気がある。
    つい先程まで重症で意識を失っていたとは思えないプレッシャーに、RABBIT小隊の面々は緊張した面持ちになった。

  • 49ホットドリンク大好き25/10/25(土) 01:19:07

    サンクトゥス分派の生徒:
    「・・・どうぞ、お入り下さい。」

    案内の生徒は、扉を開けると頭を下げてRABBIT小隊に先へ行くよう促した。

    ミヤコ:
    「・・・。」

    ミヤコは深く息を吸うと、トリニティの生徒会長の居室へと足を踏み入れた。

    ───── (扉の閉じる音)

    ミヤコ:
    「失礼しま───・・・っ!?」

    セイア:
    「あぁ、突然 呼びつけて すまないね。」

  • 50ホットドリンク大好き25/10/25(土) 01:21:54

    そこでミヤコが目にしたものとは───









    ─────(窓のフレームが軋む音)

    セイア:
    「早速なのだけど、ここ持っててくれないかい?
    ベットの足に繋いだのは良いのだけど、どうにも不安定でね。」

    部屋にあった予備の服やシーツ等を繋げて作ったロープで、窓から秘密裏の脱出を図るトリニティ生徒会長の姿だった。

    ────────────────────

  • 51二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 09:00:15

    保守

  • 52二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 15:00:14

    保守

  • 53二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 21:00:12

    保守

  • 54二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 03:00:13

    保守

  • 55二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 09:00:14

    保守

  • 56二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 15:00:14

    保守

  • 57ホットドリンク大好き25/10/26(日) 16:29:54

    ────────────────────

    ミヤコ:
    「つい勢いで手伝ってしまいましたが・・・。」

    サキ:
    「・・・今からでも戻った方が良いんじゃないか?」

    ミヤコ達はセイアに連れられ、本来セイアが留まっていなければならないはずの校舎から離れたところに来ていた。

    セイア:
    「そういうワケには いかないのだよ。
    もし今から戻れば、私の派閥に属してくれている生徒達といえど説得に時間が掛かる。
    そうこうしている間に機を逃すからね。」

    ミヤコ:
    「・・・その、『機』とは何なのですか?」

    セイアは振り返って答えた。

    セイア:
    「トリニティ・・・いや、それだけではないな。
    このキヴォトス全体を襲うであろう未曾有の危機、その内の一つを未然に食い止める機会だよ。」

    ミヤコ:
    「証拠は・・・あるんですか?」

    セイア:
    「逆に聞くが、あると思うのかい? こんな荒唐無稽な話に。」

  • 58ホットドリンク大好き25/10/26(日) 16:33:36

    それを口にすると、セイアは興味を失ったとでも言うように前に向き直った。
    ミヤコにサキが近寄って耳打ちする。

    サキ:
    (ミヤコ・・・今からでも拘束して戻った方が良い。 明らかに正気じゃないぞ。)

    ミヤコ:
    (しかし・・・トリニティの生徒会長の一人には預言の力があると聞いたことがあります。
    彼女が そうだとしたら・・・?)

    サキ:
    (だとしても、危険過ぎる。
    私達の任務は彼女の警護だ。 断じて”お守り”じゃない。)

    ミヤコ:
    (・・・もう少しだけ様子を見ましょう。
    本当に気が触れているだけなら、機会は幾らであるはずです。)

    小声で話し合っていると、不意にセイアは足を止めた。

  • 59ホットドリンク大好き25/10/26(日) 16:36:13

    セイア:
    「着いたよ。 ・・・さて、通してくれるかい君達。」

    そこはセイアと同じくトリニティの生徒会長が一人、聖園ミカを捕らえていた校舎だった。
    現在は脱獄中であり、その調査に多くの人員が割かれている。

    それを証明するかのように、セイアの行く手を数人のトリニティ生徒が阻んでいた。

    見張りの生徒:
    「申し訳ありません、セイア様・・・。
    この先は現在 調査中でして・・・ティーパーティーの方といえど お通しするワケには・・・。」

    恐らく調査員であり、部外者が入らないように見張りを任されているのであろう生徒が、困った様子でセイアに対応していた。
    ミヤコとサキは顔を見合わせる。

    ミヤコ:
    (・・・拘束しましょう。)

    サキ:
    (あぁ・・・。)

    そうして気が触れただけと判断したサキが、セイアの肩に手を伸ばし───

    ────────────────────

  • 60二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 00:00:15

    保守

  • 61二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 06:00:14

    保守

  • 62二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 12:00:15

    保守

  • 63二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 18:00:14

    保守

  • 64二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 00:00:16

    保守

  • 65二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 06:00:15

    保守

  • 66二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 12:00:16

    保守

  • 67二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 18:00:15

    保守

  • 68ホットドリンク大好き25/10/28(火) 18:58:36

    ────────────────────

    サキ:
    (─── っ!!)

    その手がセイアの肩を掴む前に、強烈な違和感に気が付いた。
    その手がピタリと止まる。

    同じタイミングで、RABBIT小隊の面々の動きもピタリと止まった。

    モエ:
    (・・・この感覚───)

    ミユ:
    (・・・カヤ先輩の訓練で何度も・・・何度も味わった───)

    ミヤコ:
    (・・・『待ち伏せ(アンブッシュ)』。)

    その感覚は、凶暴な原生生物の巣、あるいは狙撃手と罠師で構成された防衛室チームの狩場に入り込んだ時に似ていた。

    セイア:
    「─── それは可笑しいな。」

    ミヤコ達の違和感を言語化するように、セイアが再び口を開く。

    セイア:
    「君達のことは書面で確認したよ。
    『パテル分派 首領「聖園ミカ」の脱獄経路の調査と追跡』・・・。
    うむ、確かに それは大事なことだ。 ─── 平時であればね。」

  • 69ホットドリンク大好き25/10/28(火) 19:01:03

    見張りとして行く手を阻んでいるトリニティ生徒達の表情から困惑の『仮面』が剥がれ落ちた。
    スンッ・・・と、まるで作り物めいた無表情が露出する。
    場の緊張感が一気に高まった。

    セイア:
    「私達ティーパーティーが不在の間に代理として陣頭指揮を執っていたのは『救護騎士団』の蒼森ミネと『シスターフッド』の歌住サクラコの両名だ。
    だが正直、現段階で正当性は ともかく、彼女達にトリニティ全体を統率出来るだけの求心力があるとは思えない。
    特に多方向からの揺さぶりによってトリニティ自体が離散の危機にある今では特にね。
    ・・・となると、実際に陣頭指揮を執ったのは『武力』という名の求心力のある剣先ツルギだろう。
    彼女は普段の振る舞いからは想像もつかないほど理知的な人物だ。
    そんな彼女が、この非常時に こんな『小事』に これだけの人材を投じるはずがない。
    自身の権限で動員できる人員は、全て戦闘に投入したはず・・・。 となると───」

    セイアは見張りの生徒の背後を覗き見た。
    そこには有時に備えて待機する、何人もの戦闘態勢の生徒達がいた。

    セイア:
    「─── 君達は何処から湧いて出たのだろうね。」

  • 70ホットドリンク大好き25/10/28(火) 19:02:17

    見張りの生徒:
    「・・・。」

    セイア:
    「・・・隠すのは止めた方が良い。
    ─── 『I.O.(イノクラティア・オクルス)』。
    シスターフッドから異端認定を受けて追放された、かの一派。 ・・・君達が、そうなんだろう?」

    その名を口にした瞬間、見張りの生徒から人間のソレではない声が飛び出た。

    見張りの生徒:
    【×○■▲#&’*@¥!!!】

    壊れた楽器のような、それでいて電子音のようなソレ。
    それを耳にした瞬間、ミヤコ達の身体は反射的に動いていた。










    ───── カチャリ

    ミヤコ:
    「・・・動かないで下さい。
    動いた瞬間、貴方の後頭部に弾倉一杯の弾丸を集中砲火します。」

  • 71ホットドリンク大好き25/10/28(火) 19:04:04

    次の瞬間には、ミヤコ達は異形の天使達を取り押さえていた。
    全身が金属の外骨格で覆われ、骨格すら人のソレから逸脱した異形の怪物。
    その中でも近接戦闘に特化した形質を持つ者達の突撃をいなし、逆にカウンターを決めたのだ。

    取り押さえられた異形:
    【・・・なぜ対応 出来る? 理論上、完璧な奇襲だったはずだ。】

    取り押さえた異形の天使から、不気味な合成音声のような機械音で問いかけられる。
    ミヤコは奇襲の第二波が無いことを確認すると、しかし警戒は解かずに絶えず周囲を確認しながら答えた。

    ミヤコ:
    「・・・似たような奇襲を何度も受けた『経験』があったので。」

    実際、待ち伏せを生存戦略とした原生生物や奇襲に特化した防衛室の一隊と比べると、むしろ この異形達の『待ち伏せ(アンブッシュ)』は ”素直過ぎる” とも言えた。
    理論上 完璧だったが故に、訓練を積んだミヤコ達からすると ”捻り" が無かったのだ。

    取り押さえられた異形:
    【・・・なるほどな。】

    機械仕掛けの異形は何か納得したらしく、敗北を認めたかのように全身の力をダラリと抜いた。

    ────────────────────

  • 72二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 03:01:15

    保守

  • 73二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 12:01:08

    保守

  • 74二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 21:00:14

    保守

  • 75ホットドリンク大好き25/10/29(水) 23:04:06

    ────────────────────

    セイア:
    「ふむ、どうやら私の護衛の方が優秀だったようだね。」

    見張りの異形:
    【・・・。】

    人の顔を持っていれば苦虫でも噛み潰したような表情をしていそうな唸り声を異形の天使は上げた。
    全身が金属やプラスチックなどの無機物で形作られた その異形は、背から生えた翼こそ天使を模しているが、全体的に悪魔か異教の恐るべき神々に近い。

    見張りの異形:
    【・・・やむを得ません。】

    異形の頭部から、何か黒板に爪を立てたかのような不快な音が響く。



    すると、今まで一般的なトリニティ校舎に見えていた、見張りの生徒の背後にそびえる、聖園ミカを幽閉していた牢獄が、正に化けの皮がポロポロと剥がれ落ちるように その本来の姿を現した。

    ─── それは機械仕掛けの要塞であった。

  • 76ホットドリンク大好き25/10/29(水) 23:05:39

    モエ:
    「『位相反転フィールド』・・・?」

    ミヤコ:
    「知っているんですか?」

    モエは足元の異形に銃口を押し付けながら頷いた。

    モエ:
    「SRTの機密兵器一覧にあったヤツだよ。
    確か・・・一定の条件を満たさないと秘密の空間位相に入り込めないとかいう最新技術。
    カタログスペックだとエネルギーをバカみたいに食う割に効果が地味だったから どこに使うんだよと思ってたけど・・・。
    なるほど、こう使うワケか。」

    サキ:
    「・・・規定だとSRTの機密にアクセスできるのは許可された生徒か生徒会役員のみのはずだが?」

    サキの冷静なツッコミに、モエは視線を逸らして鼻歌を流すことで答えた。

    ミヤコ:
    「・・・まぁ、今回は助かったワケですから、詳しくは追及しないでおきましょう。」

    サキ:
    「・・・次から正規の申請を通せよ?」

    モエ:
    「考えとく。」

  • 77ホットドリンク大好き25/10/29(水) 23:07:22

    SRTが軽口を叩き合っていると、不意に空から異音が響いた。
    絹を裂くような その高音は、一瞬の内に爆発的な大音量となって鼓膜を強く揺さぶった。



    見張りの異形:
    【─── 少し早いですが、『トリニティ制圧シーケンス』の実行をします。】

    見張りの異形の背後に、何体もの5m級の異形がジェット音を響かせながら現れた。
    それと同時に待機していた他の異形は腕部の銃器を構え始め、『位相反転フィールド』によって隠されていた無数の兵器が起動し始める。

    その様相は、正に地獄の蓋が開いたかのようだった。

    セイア:
    「まぁ、待ちたまえ。」

    その緊急事態の中にあって、セイアは冷静に見張りの異形に語り掛けた。

    見張りの異形:
    【・・・なにか?】

    見張りの異形がセイアに答えると同時に、異形の天使達から兵器群に至るまでの全体の動きが一時停止する。

  • 78ホットドリンク大好き25/10/29(水) 23:09:42

    セイア:
    「別に私は君達の所業を暴きに来たワケではないんだ。
    それよりも協力を仰ぎに来た・・・といった方が正しいだろうね。 ─── 代表者に取り次いでくれないかい?」

    見張りの異形:
    【ふむ、なるほど・・・。 ・・・少々お待ちを。】

    再び見張りの異形の頭部から異音が響く。
    少しすると兵器群がシャットダウンし、異形の天使達は銃口を下げた。

    見張りの異形:
    【・・・承認が下りました。
    我々の代表・・・このシーケンスにおけるリーダーの下に ご案内します。】

    セイア:
    「助かるよ。」

    異形の天使に連れられ、セイアは機械仕掛けの要塞へと足を向ける。
    ミヤコ達もまた、互いに顔を見合わせた後にセイアの後を追った。

    ────────────────────

  • 79二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 06:00:15

    保守

  • 80二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 12:00:17

    保守

  • 81二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 18:01:02

    保守

  • 82ホットドリンク大好き25/10/30(木) 21:39:32

    ────────────────────

    シーケンス・リーダー:
    「どうも どうも!
    ようこそ いらっしゃいました!
    私が今回の『作戦(シーケンス)』の指揮を執っている者です!
    セイア様に おかれましては───」

    セイア:
    「あぁ、前置きは要らないよ。 事は一刻を争うからね。」

    シーケンス・リーダー:
    「それは それは! 一体どのような用件でしょうか!?」

    機械仕掛けの異形に案内された先、要塞化された校舎の中でも比較的 穏やかな内装の部屋にセイア達は通されていた。
    他の部屋や通路は狂気染みた光と金属光沢によって、正気度を奪うような様相を見せている。

    サキ:
    (何だか五月蠅いヤツだな・・・。 本当に奴らの代表なのか?)

    ミヤコ:
    (・・・信じる他ないでしょう。 確かに怪しくはありますが・・・。)

    通された部屋の中で待っていたのは、明らかに怪しげな生徒だった。
    I.O.(イノクラティア・オクルス)の正装である白い修道服こそ纏っているものの、天使の羽が腰の辺りから覗いている以外は、路地裏にでも居そうな闇商人の雰囲気である。

    セイア:
    「─── 『次元転移装置』を使わせて貰えないかい?」

  • 83ホットドリンク大好き25/10/30(木) 21:41:43

    シーケンス・リーダー:
    「・・・。」

    シーケンス・リーダーの表情が固まる。
    そして次の瞬間には、その異形な本来の姿を現わし、穏健な仮面を かなぐり捨てて机越しにセイアへと迫った。

    RABBIT小隊:
    「「───っ!!」」

    ミヤコ達は反射的に その異形へと銃口を突きつけることで動きを押さえ込みに掛かる。
    銃のグリップと銃床から、尋常ではない強い力を感じた。

    その姿は、正に機械仕掛けの悪魔だった。
    山羊の頭骨のような金属パーツが、セイアの顔スレスレまで迫る。

    シーケンス・リーダー:
    【・・・どこで知った、その情報。
    『次元転移装置』の存在は、我々でも数少ない者しか知らない最高機密だぞ。】

    セイア:
    「情報漏洩を気にしているのなら、心配 要らないよ。
    そういうものが『ありそうな気がした』だけだからね。」

    シーケンス・リーダー:
    【・・・厄介な。】

    異形と化したシーケンス・リーダーは、ゆっくりと身体を引いた。
    その身体から、ミヤコ達の銃口が離れる。

  • 84ホットドリンク大好き25/10/30(木) 21:42:46

    シーケンス・リーダー:
    【・・・確かに、ここには物資輸送用の『次元転移装置』がある。
    ・・・それは認めよう。
    だが、それを使って何をしようと?】

    セイア:
    「うん、話が早くて助かるよ。
    なに、難しいことはない。
    それを使って、私達をアリウスへと送って欲しい。」

    その言葉を聞いたシーケンス・リーダーは、異形でも分かるレベルで難色を示した。
    同時に、ミヤコ達RABBIT小隊の面々も動揺を示す。

    ミヤコ:
    「『私達』・・・ですか!?」

    セイア:
    「うん? 逆に聞くが、私だけ行って何か出来るとでも??」

    ミヤコ:
    「・・・。」

    開き直られてしまい、ミヤコは何も言い返すことが出来なかった。
    どの道、セイアだけを送り出すことなど出来るはずもない。
    ・・・いや、今からでも拘束して連れ帰るか。
    そこまでミヤコが考え始めたとき、難色を示していたシーケンス・リーダーが口を開いた。

  • 85ホットドリンク大好き25/10/30(木) 21:44:13

    シーケンス・リーダー:
    【・・・申し訳ないが あなた方をアリウスに送り出すことは出来ない。】

    セイア:
    「それは どうしてだい?」

    シーケンス・リーダー:
    【『作戦(シーケンス)』および戦略に反するからだ。
    我々が あなた方をアリウスに送り出すことは、我らが首領を裏切ることになる。】

    セイア:
    「ふむ、最初の印象は どこへやら。
    君は”私達”が思っていたより ずっと真面目な性根をしていたようだね。」

    ミヤコ:
    「・・・。」

    シーケンス・リーダー:
    【愚者でいた方が有利なこともある。 ・・・さて。】

    シーケンス・リーダーが指を鳴らすと、ミヤコ達の背後の扉から異形の天使が何体も雪崩れ込んで来た。
    そして一斉に銃口を上げる。

    シーケンス・リーダー:
    【我々の存在を認識した あなた方を帰すワケにはいかない。
    交渉が決裂した以上、我々の下で拘束させて頂く。】

  • 86ホットドリンク大好き25/10/30(木) 21:46:07

    サキ:
    「クソッ!」

    ミヤコ:
    「───!」

    シーケンス・リーダー:
    【抵抗はしないで頂きたい。 ・・・さもなくば、ヘイローの保証は出来ない。】









    ───── スッ・・・

    一触即発の緊張感の中、静かにセイアが手を上げた。

    シーケンス・リーダー:
    【・・・何か?】

    質問の意を受けると答えざるを得ないのがI.O.の性分なのか、この状況にありながら少し面倒臭そうにしながらもシーケンス・リーダーはセイアに発言を促した。

  • 87ホットドリンク大好き25/10/30(木) 21:49:57

    セイア:
    「ぱーれい。」








    シーケンス・リーダー:
    【・・・は?】

    セイア:
    「・・・パーレイだよ。
    あの有名な海賊の映画を知らないのかい?」

    シーケンス・リーダー:
    【知らないことはないが・・・なぜ今?】

    セイア:
    「責任者と話がしたいということさ。」

    シーケンス・リーダー:
    【責任者は私だが・・・。】

    セイア:
    「あぁ、すまない。
    少し ややこしい事を言ってしまったね。
    そちらの最高責任者、I.O.の首領『ヴィルトゥオーソ』と話がしたいのだよ。」

  • 88ホットドリンク大好き25/10/30(木) 21:51:47

    シーケンス・リーダー:
    【・・・。】

    シーケンス・リーダーは、頬を掻くような、酷く人間くさい動作を見せた。

    シーケンス・リーダー:
    【・・・少し待て。】

    非常に面倒臭そうに、しかし出来るからにはやらざるを得ないのか、壊れた楽器のような しゃがれた声で、確かにシーケンス・リーダーは了承の意を示した。

    シーケンス・リーダーの頭部から、通信の際に発生する異音が響き始める。

    その最中、ミヤコがセイアに耳打ちした。

    ミヤコ:
    (百合園 生徒会長・・・何か ここから打開策があるのですか?)

    セイア:
    (あぁ、勿論だとも。
    私の勘が正しければ、そろそろ解決の頃合いだ。)

    ミヤコ:
    (本当ですか・・・?)

    疑わしそうにするミヤコだったが、その疑惑は直ぐに晴れることになる。

  • 89ホットドリンク大好き25/10/30(木) 21:53:49

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


    <─── 数分後>


    シーケンス・リーダー:

    【・・・失礼。

    命令系統が更新されました。

    我々は現段階よりシャーレの指揮下に入り、あなた方をサポートします。】


    セイア:

    「そうかい。 それは良かった。」


    ミヤコ:

    「・・・。」


    世の中には不思議な力もあるのだと、ミヤコは思った。


    ────────────────────

  • 90二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 06:00:39

    保守

  • 91二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 12:01:01

    保守

  • 92二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 20:29:49

    保守

  • 93二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 03:01:12

    保守

  • 94ホットドリンク大好き25/11/01(土) 04:16:52

    ────────────────────

    シーケンス・リーダー:
    「こちらが、件の次元転移装置になります!」

    戦闘態勢を解き、異形の姿から元の生徒の姿に戻ったシーケンス・リーダーは、手で眼前の巨大装置を指した。
    そこには、横向きに倒れたロケットのような構造物があった。
    見る人が見れば、超巨大な弾丸にも見えなくは無い。

    セイア:
    「ふむ・・・思ったより大きいんだね。」

    シーケンス・リーダー:
    「ははっ! 非生命体であれば、もっと小型の次元転移装置で良いのですが!」

    元の姿に戻って、態度も元の騒々しいものに戻ったシーケンス・リーダーが笑う。

    モエ:
    「うぇ~・・・本当にコレで行くの?
    見た感じ、あれレールガンと同じ構造だよね?」

    シーケンス・リーダー:
    「よく お気づきになられましたね!
    本装置は、レールガンと同様に、並列配置された導体レール間に高電流を流すことで、飛翔体に対してローレンツ力を発生させます。これにより、初速は理論上マッハ20以上に達し、加速プロセスは───」

    サキ:
    「待て待て待て待て待て!
    マッハ20!? 殆どロケットじゃないか!!」

  • 95ホットドリンク大好き25/11/01(土) 04:18:26

    シーケンス・リーダー:
    「はい! 基礎設計はロケットのものを採用しています!
    しかし、本装置における加速機構は、化学推進ではなく電磁的推力による位相加速を採用しており、推進ベクトルの生成はローレンツ力場によって直接空間座標に干渉する形で───」

    ミヤコ:
    「・・・で、安全なんですか?」

    シーケンス・リーダー:
    「えぇ! 約3G程の負荷が掛かりますが!」

    ミヤコ:
    「・・・。」

    セイア:
    「つまり・・・普段より身体が3倍重く感じるということかな。
    ・・・まったく、病み上がりに酷いことをするものだ。 何か良い薬はないかい?」

    シーケンス・リーダー:
    「テンソル緩和補助剤(グラヴィオール)を処方いたしましょう!
    血圧変動を抑える成分を含み、心肺への急激な負担を防ぎます!」

    セイア:
    「そうか、頂こう。」

  • 96ホットドリンク大好き25/11/01(土) 04:19:37

    ミユ:
    「あの・・・他の方法は無いんですか・・・?」

    シーケンス・リーダー:
    「加速を伴わないものということですか? 勿論ございますよ!」

    ミユ:
    「(パァー) じゃ、じゃあ・・・!」

    シーケンス・リーダー:
    「─── 但し、強力な電磁力を伴うので生命体以外 運搬できません!
    分かり易く言えば、素寒貧で現地に行かなければならないということです!!」

    ミユ:
    「うぅ・・・やっぱり こっちで良いです・・・。」

    任務の成功と乙女の純情という二重負荷を前に、ミユは屈した。

    セイア:
    「何をしているんだ。 早く行こうじゃないか(モグモグ)」

    貰った薬のキャンディを頬張りながら搭乗口にセイアが立つ。
    RABBIT小隊の面々も、渋々セイアの後に続いた。

  • 97ホットドリンク大好き25/11/01(土) 04:20:42

    中は外観から想像出来るより遥かに手狭で、元々3人乗りらしいところを無理やり5人乗れるように調整した後が見受けられた。

    ミヤコ:
    「これ・・・本当に大丈夫なんですよね!?」

    明らかに「たった今 溶接しました」と言わんばかりの内装に、ミヤコは語気を荒げる。
    しかし無情にも搭乗ハッチは閉じられ、カウントダウンが始まった。

    管制室:
    『テンソル緩和フィールド、臨界安定域に到達。
    位相共鳴コア、振動数ロック完了。
    慣性キャンセラー、出力固定。
    空間断層スキャン、干渉値ゼロ。
    転移座標、確定。
    オルビス・ライン、全系統オールグリーン。
    転移カウント、Tマイナス60秒より開始。』

    ミヤコ:
    「・・・。」

    何か色々言いたいことがあるミヤコだが、RABBIT小隊の隊長なので黙って急拵えの危なそうな席につくことにした。
    隊長じゃなければ危なかった。
    もし隊長じゃなければ怒りに耐えられず、目の前のハッチを爆破して あの巫山戯たシーケンス・リーダーに1マガジン分の弾丸を食らわせに行くところだった。

  • 98ホットドリンク大好き25/11/01(土) 04:22:36

    もう1席の急拵えの席にはサキが着いた。
    心なしか普段より鉄帽が輝いて見える。
    ミヤコは本気で次から鉄帽を携帯しようか悩んだ。
    最終的に正気に戻って、明らかに機動性が削がれるから止めた。
    実戦的に考えて。

    管制室:
    『次元転移10秒前・・・。
    9、8、7、6、5 ───』

    気が付くと発射は5秒前に迫っていた。
    既に備え付けられていた酸素マスクを被り、シートベルトは しっかりと絞めた。

    ───── ガリッ

    何かを噛み砕く音が聞こえた。
    何だろうと考え、先刻セイアが口にしていたキャンディが噛み砕かれた音だと理解した。
    どうやら舐めきれなかったらしい。

    管制室:
    『─── 4、3、2、1 ・・・ よい旅を。』

    ・・・これで死んだら毎晩 枕元に立ってやろう。
    そう思った次の瞬間、ミヤコの身体は強烈なGに晒された。

    ────────────────────

  • 99二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 12:00:44

    保守

  • 100二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 18:00:45

    保守

  • 101二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 00:00:16

    保守

  • 102二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 06:00:15

    保守

  • 103二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 12:00:52

    保守

  • 104二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 18:01:13

    保守

  • 105ホットドリンク大好き25/11/02(日) 18:06:33

    ────────────────────

    ───── (衝撃音)

    ・・・。
    ・・・・・・。
    ・・・・・・・・・。

    ミユ:
    「う、うぅ・・・。」

    サキ:
    「つ、着いた・・・のか?」

    自動車の衝突事故のような強烈な衝撃を経て、加速式の次元転移装置は停止した。
    ミヤコは這うようにして搭乗口のハッチを開ける。

    ───── ガコンッ

    重い音と共にハッチが開いた。
    外から冷たい空気が入り込んでくる。
    ミヤコは身体を乗り出して周囲を確認した。

    ミヤコ:
    「・・・少なくとも、知っている景色ではありませんね。」

    そこはまるで廃墟のような街だった。
    まるで空爆でも受けたかのように建物は吹き飛び、場所によっては未だ火が燻っている。

  • 106ホットドリンク大好き25/11/02(日) 18:08:47

    セイア:
    「どうやら着いたようだね。」

    セイアが軽い足取りで見知らぬ土地に降り立った。

    セイア:
    「・・・間違いない。
    この場所こそが、アリウス自治区だよ。」

    ミヤコ:
    「ここが・・・。」

    軽く背景を調べていたミヤコからしても、そこは酷い有様だった。
    現在進行形で戦場と化していることを考慮しても、自治区全体に活気の跡というものが無さ過ぎる。
    記憶にあるもので言えばSRTの任務で行った貧民街(スラム)が近く、自治区全体に重苦しい空気が漂っている。
    それは言わば、人間の昏い感情に由来する匂いとも言えるものだった。

    サキ:
    「・・・嫌な匂いだ。」

    同じものを感じ取っているのか、サキが鼻を摘まんだ。
    確かに硝煙や建物が焼け焦げた匂いこそするが、常在戦場の校風を持つSRT生が、それを悪臭と捉えるはずもない。

    モエ:
    「うぇ・・・。」

    ミユ:
    「うっ・・・。」

  • 107ホットドリンク大好き25/11/02(日) 18:11:13

    モエとミユも、サキほど露骨ではないが嫌な顔をする。
    SRTのカリキュラムに、シャーレの業務の一部が組み込まれるようになってから、SRT生徒は こういった人の感情に由来する匂いに敏感になるようになってきた。

    ミヤコ:
    「・・・。」

    その嗅覚によれば、ここは酷い。
    まるで感情の肥溜めだ。

    ─── 地獄というものが本当にあるのなら、こういう場所のことを指すのだろう。

    セイア:
    「さて・・・私の勘が正しければ この辺りに居るはずだが・・・。」

    その中にあって、セイアは誰かを探しているようだった。
    ロケット型の次元転移装置の周りをウロウロと歩く。

    ミヤコ:
    「あの・・・危険ですから離れないで頂けると・・・。」

    セイア:
    「問題ないよ。
    どの道、ここにいる限り常に危険なのだから。」

    ミヤコ:
    「・・・。」

    屁理屈ではあるが、どこか覚悟を感じさせる言葉にミヤコは ぐぅの音も出せなかった。

  • 108ホットドリンク大好き25/11/02(日) 18:17:43

    ミヤコ:
    (しかし・・・任務は任務です。)

    セイアを護衛する為に、ミヤコはRABBIT小隊の隊長として指示を出そうとした。
    しかし その前に、モエに肩を叩かれる。
    その顔には明らかに「不味いよ」と書かれていた。

    ミヤコ:
    「・・・どうしました。」

    モエ:
    「・・・6時の方向から、なんか沢山きてる。」

    モエの報告から少し遅れて、背後から地響きのようなものが聞こえ始めた。

    ミヤコ:
    「・・・。」

    ───── スゥー・・・

    ミヤコは軽く息を吸った。

    ・・・。



    ミヤコ:
    「─── 総員! 迎撃態勢!!」

    セイアを背後に、RABBIT小隊 全員分の火力を6時の方向に集中させる。

  • 109ホットドリンク大好き25/11/02(日) 18:19:05

    ───── (破砕音)

    そして次の瞬間、建物群から土煙が上がり数人分の人影が飛び出してきた。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    アル:
    「なんでこうなるのよ───!!」

    ミカ:
    「それ、こっちのセリフなんだけどっ!!?」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    セイア:
    「あぁ、見つかったようだね。」

    叫び声を上げるミカとアル、そして その背後から迫ってくる無数の『複製(ミメシス)』を眺めながら、セイアは他人事のように口を開いた。

    ────────────────────

  • 110二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 03:00:20

    保守

  • 111二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 09:01:02

    保守

  • 112二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:00:40

    保守

  • 113二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 00:04:43

    保守

  • 114二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 09:00:15

    保守

  • 115二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 15:00:20

    保守

  • 116二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 21:00:47

    保守

  • 117ホットドリンク大好き25/11/04(火) 21:48:03

    ────────────────────

    ───── ドドドッ

    セイア:
    「・・・とはいえ、ここまでの数は予想外だったかな。」

    ミヤコ:
    「─── 言ってる場合ですか!!」

    相手がトリニティの生徒会長の一人ということも忘れ、ミヤコは叫ぶ。
    セイアは今、全力疾走するミヤコとサキの二人に抱えられていた。

    ハルカ:
    「あの・・・代わりましょうか・・・?」

    ミヤコの怒号に肩を跳ねさせたハルカが怖ず怖ずと尋ねた。
    それをサキが手で制す。

    サキ:
    「いや、結構だ!
    それよりも・・・はぁっ、はぁっ・・・迎撃に、集中してくれ!」

    便利屋68とミカに合流することに成功した、RABBIT小隊とセイアだったが、その背後からは無数の『複製(ミメシス)』が襲い掛かってきていた。
    これを少しでも防ぐ為に、リロードが済んだ生徒から順番に迎撃し続けている。

  • 118ホットドリンク大好き25/11/04(火) 21:54:18

    アル:
    「はぁっはぁっ・・・とはいえっ、数が多すぎるわっ・・・! どうにかして撒かないと・・・!!」

    アルが息を切らしながら そう言った。
    彼女だけでなく、他の生徒にも明らかに疲労が溜まってきていた。
    弾薬も無限ではない、このまま迎撃を続けることは不可能だ。

    セイア:
    「・・・これは、誤算だった。
    何らかの脅威が来ることは分かっていたが、こういう性質のものだとは・・・。」

    護衛二人に抱えられて体力を消耗していない、この中で今現在 最も深く冷静に物事を考えられるであろうセイアが一人ごちる。
    セイアからしても この展開は想像の埒外だった。
    脅威が来ることは何となく予感していたが、あくまで迎撃可能なレベルだと思っていた。
    それが まさか、まるで高波のような物量の兵力が押し寄せてくるとは。
    神秘の変質に伴って病的な肉体への負荷こそ無くなったのは良いが、現実と夢の区別が付かなくなるほど明晰な未来予知は不可能になっていた。

    セイア:
    「・・・。」

    ここに来てセイアは、初めて焦りに近い感情を覚えた。
    しかしそれは手詰まりから来る焦燥感ではなく、どちらかというとギャンブルで大穴に賭ける時の感覚に近かった。
    上手くいけば一気に状況は好転する。
    しかし最悪の場合、『やっと仲直りできるかもしれない、気に食わない友人』を失うかもしれなかった。

  • 119ホットドリンク大好き25/11/04(火) 22:01:16

    セイア:
    「・・・ミカ。」

    セイアは どこか恐る恐るといった様子で隣を並走するミカに声を掛けた。

    ミカ:
    「な、なに・・・かな。」

    ミカもまた、息を切らしながら、しかし やはり恐る恐るといった様子で応えた。

    セイア:
    「君に・・・酷いことを頼みたい。」

    ミカ:
    「・・・えっと?」

    全神経が、互いへと集中する。
    この薄氷の上のような空気感を維持する為に、必死に言葉を選ぶ。

    セイア:
    「─── 悪いが、囮になってくれないかい?」

    ミカ:
    「─── えっ、嫌だけど?」

    つい口から出た言葉の内容の悪さを理解して、二人は同時に口元を押さえた。

    ────────────────────

  • 120二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 06:00:16

    保守

  • 121二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 12:00:15

    保守

  • 122二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 17:50:03

    また規制される前にクソコラ透過

  • 123二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 23:04:47

    保守

  • 124二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 06:00:57

    保守

  • 125二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 12:01:09

    保守

  • 126ホットドリンク大好き25/11/06(木) 15:37:54

    >>122


    (|) < 「すき屋の牛丼にも、学ぶものはあるのですよ。」


    スオウ < 「・・・そうか?」


    (|) < 「いいですか?450円という価格設定は、原材料の調達から店舗オペレーションまで、徹底的に合理化された結果です。牛肉は自社グループで一括管理され、タレは工場で均質に調合。店舗では加熱と盛り付けだけで済むように設計されていて、調理というより“組み立て”に近いものです。。このプロセスなら、アルバイトでも数分で提供できますし、味のばらつきもほぼゼロになります。しかも、並盛で733kcalというエネルギー効 ───」


    スオウ < 「・・・。(無視して牛丼を食べ始める)」

  • 127ホットドリンク大好き25/11/06(木) 19:47:02

    ────────────────────

    銃声が鳴り響く非常事態でありながら、ミカとセイアの間には気まずい空気が流れていた。
    互いに次の言葉を探しているのだが、初手でミスった上に元々 気が合う方でもないので適当な手札が見当たらない。

    その沈黙に耐えかねたミヤコは、抱えているセイアに耳打ちした。

    ミヤコ:
    (取り敢えず謝りましょう?
    言いたいことは分かりますが、流石に さっきのは言葉が悪いと思います。)

    セイア:
    (・・・確かに。)

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 128ホットドリンク大好き25/11/06(木) 19:48:02

    反対ではミカにアルが耳打ちをしていた。

    アル:
    (えっと・・・多分、友達なのよね・・・?)

    ミカ:
    (えっと・・・どう、なのかな?)

    アル:
    (なんで疑問形なの・・・?
    よく分からないけど、とりあえず謝るところから入りましょう?)

    ミカ:
    (だよね・・・。)

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 129ホットドリンク大好き25/11/06(木) 19:49:10

    一拍おいて、二人は意を決して口を開いた。

    ミカ・セイア:
    「「えっと(その)・・・。」」

    ・・・完全に被った。
    再び気まずくなる。

    あまりの間の悪さに白目を剥くアルとは対照的に、イラッとしたミヤコはセイアを抱える腕に力を込める。

    ミヤコ:
    (・・・緊急事態なんですから、作戦があるなら早く説得して下さい。)

    セイア:
    (・・・分かっているとも。)

    ミヤコは溜息をついた。
    なんだか小さい子供2人の仲立ちをしている気分になる。

  • 130ホットドリンク大好き25/11/06(木) 19:50:40

    セイア:
    「・・・ミカ、取引をしよう。」

    アル:
    (えぇっ!?)

    少しして、セイアは何故かミカに取引を提案した。
    よく分からないけど まず仲直りする必要があると認識しているアルからすると、最悪の手をとったように見えた。

    しかし、セイアからすれば必死に絞り出した誠意である。

    ミカ:
    「・・・なにかな?」

    何で今?と思う気持ちはあれど、流石に ここで毒を吐くと会話が完全に途切れる気がしたので必死に抑え込む。

    セイア:
    「まず、私は君と これからも友人でありたいと思っている。 ・・・これは本当だ。」

    ミカ:
    「・・・。」

    それはミカからしても本心である。
    取り返しのつかないことを幾つもしたが、それでも仲直りできるものならしたい。

  • 131ホットドリンク大好き25/11/06(木) 19:51:40

    セイア:
    「だが、その為には過去を清算しないといけない・・・分かるかな?」

    ミカ:
    「・・・まぁ。」

    当然といえば当然だろう。
    過ちには償いが必要である。

    セイア:
    「・・・君に背後の邪魔者たちを足止めして欲しい。
    償いに、きっとナギサとの仲立ちを私が務めると約束しよう。」

    ミカ:
    「・・・・・・うん?」

    思ってた取引の斜め上の条件を出されて、ミカが変な声を上げる。
    それに対し、セイアが珍しく耳を自信なさげに垂れさせた。

  • 132ホットドリンク大好き25/11/06(木) 19:52:51

    セイア:
    「・・・やはり足りないかな。
    君に命を懸けて欲しいと懇願するには。」

    ミカ:
    「えっと・・・?」

    セイア:
    「それならば私がサンクトゥス分派の首領を降りる・・・というのは どうだろう。
    もっとも、それだけでは君への償いに足りるか分からないが・・・。」

    ミカ:
    「いや、そういうワケじゃないんだけどね・・・?」

    ではどういうワケなのかとセイアが首を捻る。
    ミカは思わず自らの胸の内を吐露した。

    ミカ:
    「セイアちゃんは・・・怒ってないの? 私が・・・セイアちゃんを殺そうとしたこと。」

    セイア:
    「・・・?
    何を言っている?
    あの件は私が君の前で倒れてしまったことで相殺されただろう?」

  • 133ホットドリンク大好き25/11/06(木) 19:55:17

    ミカ:
    「え? そうなの??」

    セイア:
    「・・・そうか。
    いや、私の悪い癖だな。
    こんな簡単な事実も見逃してしまうとは。」

    セイアは緊張した様子で軽く息を吸って・・・吐いた。

    セイア:
    「・・・すまなかった、ミカ。
    アレは決して、君を責めたワケではないんだ。
    ただ少し・・・気が動転してしまって・・・。
    本当にすまない。 君を呼んだのは・・・ただ君と仲直りしたかっただけだというのに。」

    ミカ:
    「・・・。」

    セイア:
    「何度も言うようだが、君と友人であり続けたいのは本当だ。
    ただ・・・それを実現する為には、君に酷いことを頼まなければいけない。 ・・・分かって欲しい。」

  • 134ホットドリンク大好き25/11/06(木) 19:57:56

    ミカ:
    「・・・あははっ!」

    ミカは突然笑い出した。
    呆然とするセイアだったが、しかしミカは構わず一頻り笑い続ける。

    ミカ:
    (・・・そっか、何も終わりじゃなかったんだ。
    ただ・・・まだ私達は話し合えてなかっただけで。)

    心が一気に軽くなっていくのを感じる。
    都合が良いことは分かっていても、これでナギサとも仲直りできたら飛び上がってしまうかもしれない。

    アルの言っていた通り、世間体など何とつまらないことか。
    大切な繋がりさえ持てていれば、それで人間は生きていけるではないか。

    ミカ:
    「ひぃーっ・・・はぁ・・・ごめんごめん、真面目な顔で おバカなことを言うセイアちゃんが面白くて、つい。」

    気が楽になると、そんな毒も平然と言える。
    そんな関係に戻れそうなことが、今は酷く嬉しかった。

  • 135ホットドリンク大好き25/11/06(木) 19:59:32

    セイア:
    「こっちは真剣なのだが・・・。」

    ミカ:
    「分かってるって。
    囮・・・だっけ? 良いよ良いよ、引き受ける。 任せて☆」

    ミカは軽いノリで了承すると、その場で足を止めて『複製(ミメシス)』の集団の前に立ちはだかる。

    セイア:
    「・・・必ず、また会おう。」

    そう言い残して、セイア達はミカの背後に抜けていった。

    ミカ:
    「・・・うん、約束するよ。」

    誰にも届かぬ約束を、口の中で転がす。
    その飴玉からは、ほのかに幸せの味がした。

    ───── (銃声)

    突っ込んできたミメシスの一団を、1マガジン分の銃弾で蹴散らす。
    自分達を追い立てていた、高波のようなミメシスの集団の足が止まる。

    ミカ:
    「・・・次、消えたいのは誰?」

    空になった弾倉が、カランッと無機質な音を立てて地面に落ちた。
    ────────────────────

  • 136二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 23:27:54

    保守

  • 137二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 06:00:32

    保守

  • 138二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 12:00:16

    保守

  • 139二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 18:00:28

    保守

  • 140二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 23:02:52

    保守

  • 141ホットドリンク大好き25/11/08(土) 00:56:31

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    ────────────────────

    セイア:
    「─── と、いうことがあってね。」

    ナギサ:
    「そうですか・・・ミカさんが。」

    ティーカップを置きながら、ナギサは思い詰めた表情で呟いた。

    ナギサ:
    「状況は分かりました。
    ・・・すみません、私のミスで このような大事になってしまい・・・。」

    セイア:
    「・・・そういうのはよそう、ナギサ。
    それを言ったら私の力が発動したタイミングも最悪だったし、残されたミカの行動も正直良くなかった。
    これは誰かの責任というものでもなく、トリニティ全体が後手に回っただけのことなんだ。」

    ナギサ:
    「・・・はい。」

    二人が紅茶を傾けて話し合っている横で、同じように茶と茶菓子を摘まんでいたカヨコが口を挟む。

    カヨコ:
    「話は纏まったみたいだね。
    それなら、これから どうするかについて話し合いたいんだけど。」

  • 142ホットドリンク大好き25/11/08(土) 00:59:18

    ナギサ:
    「そうですね。」

    セイア:
    「君の言う通りだ。 丁度良い、進行は君に任せよう。」

    カヨコ:
    「・・・まぁ、いいけど。」

    カヨコは不承不承といった様子で、会議の司会を務めることを了承した。
    軽く手を叩いて全体の注目を集める。

    カヨコ:
    「─── それじゃあ、私達の現在の状況を纏めよう。
    ・・・まず、私達は聖園ミカと別れた後、目的を達成する為に至聖所(バシリカ)に向かう・・・はずだった。」

    セイア:
    「そこに私が待ったを掛けた。
    最終目標が至聖所なのは賛成だが、先にナギサの救出を優先すべきだ主張したね。」

    ミヤコ:
    「・・・私も、それを支持しました。」

    セイアの勘が当たることを目の当たりにしてきたのもあるが、ミヤコ自身も人命の救出を優先すべきだと思ったのもある。

  • 143ホットドリンク大好き25/11/08(土) 01:02:59

    カヨコ:
    「・・・それにウチの社長が流されて、現在に至る・・・と。」

    アル:
    「うっ・・・。」

    カヨコ:
    「・・・でもまぁ、結果的には社長の判断は悪くなかったと思う。
    百合園セイアと桐藤ナギサ・・・ティーパーティーの内、現在進行形で権力を握っている二人を押さえられたのは大きい。」

    モエ:
    「この場には実質2部隊が揃ってるワケだし、戦力の幅が広がるよねぇ。」

    その意味を理解している生徒達がウンウンと頷き合う。
    当事者の内、アルとナギサは良く分かってない顔をしていた。

    ナギサ:
    「・・・すみません。
    状況が飲み込めないのですが、私とセイアさんが揃うと何か良いのですか?」

    アル:
    「・・・2部隊揃ってると何か良いことがあるの?」

  • 144ホットドリンク大好き25/11/08(土) 01:04:06

    その疑問に司会のカヨコが答える。

    カヨコ:
    「2手に別れることで、戦略を2倍速で達成させられる・・・それに尽きるかな。
    社長、私達の依頼内容を覚えてる?」

    アル:
    「勿論よ。
    敵の本拠地である至聖所を押さえることよね。」

    カヨコ:
    「そう、『敵の本拠地を押さえる』。
    そしてそれはカヤ防衛室長の、『アリウスを押さえる』という戦略を達成する為の戦術に過ぎない。
    戦略全体を考えれば、ここで もう一つの戦術が生まれてくる。」

    セイア:
    「『分裂したトリニティ戦力の再結集』・・・だね。」

    カヨコ:
    「そう、『アリウスを押さえる』という戦略を達成するには、戦力は多ければ多いほど良い。
    対して『敵の本拠地を押さえる』という戦術は、元々 奇襲を想定した作戦だし少人数で良い。
    ・・・だから、私達は ここで二手に別れるのが最善手だと思う。」

  • 145ホットドリンク大好き25/11/08(土) 01:06:59

    アル:
    「なるほど・・・じゃあ私達が『敵の本拠地を押さえる』で、ミヤコさん達が『分裂したトリニティ戦力の再結集』・・・になるかしら。」

    ミヤコ:
    「そういうことでしたら───」

    カヨコ:
    「───いや。」

    早速 行動に移そうとしたミヤコを、カヨコが手で制す。

    カヨコ:
    「・・・私は役割を交換すべきだと思う。
    私達 便利屋68がナギサ生徒会長を護衛して『トリニティ戦力の再結集』、RABBIT小隊がセイア生徒会長と『敵の本拠地を押さえる』・・・これで行こう。」

    ────────────────────

  • 146二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 09:00:37

    保守

  • 147二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 15:01:05

    保守

  • 148二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 21:01:23

    保守

  • 149ホットドリンク大好き25/11/09(日) 02:16:56

    ────────────────────

    アル:
    「えっ、どうして?」

    アルの素朴な疑問に、カヨコが腰と頤に手を当てて真剣に答える。

    カヨコ:
    「・・・装備不足、かな。
    私達は連戦に次ぐ連戦で装備が疲弊してる。
    弾薬も もう心許ない。
    このままだと、敵本拠地で不意のエンカウントをした時に対応できない。」

    ムツキ:
    「え~っ、そこのところのギリギリを攻めるのが楽しいんじゃん。」

    カヨコ:
    「・・・ごめん。
    でも、今回の依頼は いつもと違う匂いがするの。 ・・・リスクは出来るだけ避けたい。」

    カヨコの嗅覚は、久しく嗅いでいなかった『死の気配』を嗅ぎ取っていた。
    ”最悪の可能性”が脳裏をよぎってしまい、カヨコの手が震える。

    ムツキ:
    「・・・ま、いいけどね。」

    カヨコの恐怖を察したムツキが、自らの意見を引っ込める。
    楽しいことは、生きていてこそ楽しめるものだ。

  • 150ホットドリンク大好き25/11/09(日) 02:18:05

    ミヤコ:
    「─── 装備の疲弊による役割の交代は理解しました。
    ・・・ですが、なぜセイア生徒会長が我々と同伴することになっているのでしょう?
    我々としては、ナギサ生徒会長と共に比較的安全な区域にいて下さると助かるのですが。」

    会話が途切れたタイミングで、ミヤコが自身の疑問を差し込む。
    その疑問に、ナギサが同意した。

    ナギサ:
    「その通りです。
    セイアさん・・・悪いことは言いませんから私と一緒に行きましょう。
    その・・・失礼だとは思いますが、セイアさんに何か出来るとは思えないですし・・・。」

    セイア:
    「そういう前置きで、本当に失礼なことを言うことがあるか。
    ・・・まったく。 この件については私から説明しよう。」

    セイアはコホンッと小さく咳払いをした。

    セイア:
    「RABBIT小隊と共に行くことは、私が望んだのだよ。
    理由については勘・・・という他ない。」

    ミヤコ:
    「勘・・・ですか。」

    ミヤコの脳裏に、I.O.(イノクラティア・オクルス)との一幕がよぎる。
    普通であれば無視できる要素だが、とりわけセイアの勘・・・となると決して無視は出来ない。
    大雑把とはいえ、彼女の未来予知の能力は ほぼ必中と言って良い。
    つまり、ここでセイアを連れていかないと悪い未来に進むということになる。

  • 151ホットドリンク大好き25/11/09(日) 02:19:36

    ミヤコ:
    「・・・。」

    セイア:
    「・・・頼む。
    私を連れていって欲しい。
    もう、未来を諦めたくはないんだ。」

    セイアはジッとミヤコの瞳を見つめて、不退転の姿勢を見せた。
    その目には確かに覚悟の光が宿っている。

    ナギサ:
    「セイアさん・・・。」

    見たことがないような友人の必死な姿に、ナギサの言葉が詰まる。
    その姿を見てなお、引き留めることは出来なかった。

  • 152ホットドリンク大好き25/11/09(日) 02:21:05

    ミヤコ:
    「・・・(溜息)。」

    形勢の不利を悟り、ミヤコは軽く溜息をついた。
    そして、諦めたかのように笑う。

    ミヤコ:
    「分かりました。
    貴方が作戦に加わることを認めます。
    ・・・ただし、私の指示を しっかりと聞くようにして下さいね。」

    セイア:
    「・・・! 勿論だとも。」

    セイアは晴れやかに笑った。
    その笑顔はナギサから見て、何か憑き物というか殻を破った、年相応の子供らしい表情に見えた。

    ────────────────────

  • 153二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 09:00:34

    保守

  • 154二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 15:00:43

    保守

  • 155二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 21:00:18

    保守

  • 156二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 03:00:51

    保守

  • 157二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 09:00:28

    保守

  • 158二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 15:00:45

    保守

  • 159二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 21:00:17

    保守

  • 160二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 23:37:47

    保守

  • 161二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 06:04:06

    保守

  • 162ホットドリンク大好き25/11/11(火) 08:41:54

    ────────────────────


    <十数分後・・・>


    セイア:

    「─── さて、ようやく着いたね。

    ・・・間違いない、此処こそが敵の本拠地、至聖所(バシリカ)だよ。」


    ミヤコ:

    「そうですか・・・ここが。」


    サキ:

    「それは良かったが・・・大丈夫なのか、コレ?」


    サキは足元を靴裏で叩く。

    そこには一面の極彩色と宇宙のコントラストが広がっていた。


    モエ:

    「んー・・・変なエネルギーの力場が発生してるね。

    でもまぁ、そんなに強くないし問題ないんじゃない?」


    ミユ:

    「うぅ・・・怖いぃ・・・。

    もしかしたら次の一歩を踏み出した瞬間、宇宙に引き摺り込まれてしまうかも・・・。」


    セイア:

    「ふむ、問題はないと思うが・・・そうだね。」


    セイアは その辺りに転がっていた小さな瓦礫を掴むと前方に放り投げた。

    コンッと硬質な音を立てて、瓦礫が転がっていく。

  • 163ホットドリンク大好き25/11/11(火) 08:43:22

    セイア:
    「見ての通り、少なくとも足元の宇宙に引き摺り込まれることはないよ。
    ・・・それよりも気にするべきは上だね。」

    ミヤコ:
    「上・・・?」

    ミヤコは何気なしに至聖所の天井を見上げ、SUN値が一気に減少する感覚を覚えた。









    ???:
    【─────(唸り声)】

    そこには、天井を這いずる、”竜の成り損ない” のような悍ましいキメラが居た。
    背中から極彩色の槍の穂先が生えた その異形は、ミヤコ達の様子を頭部の無数の瞳でジットリと舐めるように見つめている。

    ミヤコ:
    「─── っ!」

    全身に怖気が走り反射的に銃口を向けそうになるミヤコだったが、心の中の冷静な自分が待ったを掛け、次の瞬間には考えるより先に身体が勝手に小隊全員に待機のハンドサインを送っていた。

  • 164ホットドリンク大好き25/11/11(火) 08:44:26

    サキ:
    (どうして止める? 早く先制攻撃を仕掛けるべきだ。)

    サキの耳打ちを聞きつつ、しかしミヤコは目を細め、口元に手を当てて考えていた。

    ミヤコ:
    (・・・おかしい。
    こちらにはセイアさんがいるとはいえ、私達が至聖所に入ってから攻撃の機会は幾らでもあったはず。
    それなのに、セイアさんが忠告するまで・・・いえ、私達が明らかに気付いた素振りを見せてからも攻撃を仕掛けてくる気配がない。
    ・・・これは ───)

    セイア:
    「─── 何かを守っている。 ・・・そういう動きだね。」

    モエ:
    「ゲーム的に考えると・・・奥のアレに近づくか、こっちから攻撃しない限り待機・・・って感じかな。」

    モエの視界の先には、極彩色の奇妙な光を放つ巨大な結晶があった。
    ステンドグラスの向こう側から光を受ける その水晶は、まるで生きているかのように蠢いている。

    サキ:
    「じゃあ どうするんだ? このまま睨み合いを続ける・・・ってワケにもいかないだろう?」

    ミユ:
    「・・・距離をとって、遠くから私が狙撃するのは どうでしょう?」

    控えめに、しかしゲーム的に考えると えげつない裏技を提案するミユに対し、セイアは「いや、そこまで する必要はないよ」と答えた。

  • 165ホットドリンク大好き25/11/11(火) 08:45:59

    セイア:
    「・・・それに、そろそろ頼んでいた援軍が到着する頃合いだ。」

    ミヤコ:
    「援軍・・・? そういえば確かに先程、通信機で ───」



    ───── ドゴォッッッ



    ミヤコが最後まで言い終わるより先に、至聖所の天井が爆発により砕け散った。

    ???:
    【───── !!!】

  • 166ホットドリンク大好き25/11/11(火) 08:47:56

    竜モドキのキメラが、張り付いていた天井から落ちて至聖所の床に伏せる。









    ???:
    『─── やぁ、友よ。』

    砕け散った天井から、月を背景に ゆっくり降りてくる巨大な影があった。
    そのシルエットは天使に似て、しかし その実態は人々の想像する天使とは遠く掛け離れた ”機械仕掛けの異形”。

    ヴィルトゥオーソ:
    『君をボコボコにしに来た。
    悪いとは思うが、私の青春の為に一回 〇んでくれ。
    ・・・大丈夫、後で ちゃんと再生してあげるから。』

    機械仕掛けの天使は、そう言って至聖所に降り立った。

    ────────────────────

  • 167二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 15:00:15

    保守

  • 168二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 20:46:18

    おばんとよ

    キショスレが更新されていたようなので引き続き見ていくとよ

    過疎ランキング上位だったこのスレをお借りするとよ

    よふかしするっすよ|あにまん掲示板いやもう目がギンギンに冴えちゃって眠れないんすよbbs.animanch.com
  • 169二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 20:47:36
  • 170二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 20:48:53

    続きからとよ

    https://bbs.animanch.com/board/5856384/?res=71

    普通に寝落ちかスレ放置とよ

    でも是非の前にブ要全無

  • 171二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 20:49:55

    https://bbs.animanch.com/board/5856384/?res=72

    荒らしが出たとよ?

    大変とよね。でもスレ違いとよ

  • 172二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 20:50:56

    https://bbs.animanch.com/board/5856384/?res=73

    そういえば。同じようなことを私も言われたような……とよ

    私の場合は。『誰がやっているか』ではなくどんなスレ内容か。でやることを決めてるとよ

    エミュになってない。自分語り殺到。すきあらばセクハラ。キショスレと同一内容ならGOとよ

  • 173二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 20:52:12

    https://bbs.animanch.com/board/5856384/?res=74

    何をしているか。ならばこの通りとよ

  • 174二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 20:53:13

    https://bbs.animanch.com/board/5856384/?res=75

    ご苦労様。とよ(他人事)

  • 175二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 20:54:18

    https://bbs.animanch.com/board/5856384/?res=76

    アホというよりか。スレ主として出来損ないとよ

    エミュやる気なし。モブネタに反応鈍し。イチカをよく知らず興味もないと判断。とよ

  • 176二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 20:55:19

    https://bbs.animanch.com/board/5856384/?res=77

    この人はイチカキショスレ主とホシノキショスレ主が別人だとどうして断定できるとよ?

    どちらか。あるいは両方のスレを立てた当事者でなければわからない情報のはずとよ

  • 177二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 20:56:19

    https://bbs.animanch.com/board/5856384/?res=78

    https://bbs.animanch.com/board/5856384/?res=79

    https://bbs.animanch.com/board/5856384/?res=80

    血眼になっておつかれさまとよ

    でも。スレ違いではなかとよ?

    この人達が荒らしと見る人もいるのでは?とよ

  • 178二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 20:57:19

    https://bbs.animanch.com/board/5856384/?res=81

    スレ違いしつつ。スレ違いを謝る。どこかおかしくてうけるとよ

  • 179二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 20:59:32

    このレスは削除されています

  • 180二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:01:02

    このレスは削除されています

  • 181二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:02:15

    このレスは削除されています

  • 182二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:04:51

    このレスは削除されています

  • 183二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:06:36

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  • 184二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:08:29

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  • 185二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:09:36

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  • 186二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:10:42

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  • 187二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:12:34

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  • 188二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:14:35

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  • 189二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:16:28

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  • 190二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:17:44

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  • 191二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:19:01

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  • 192二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:21:07

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  • 193二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:22:08

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  • 194二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:23:24

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  • 195二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:24:59

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  • 196二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:26:21

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  • 197二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:27:22

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  • 198二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:28:26

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  • 199二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:32:13

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  • 200二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:33:14

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