- 1二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 00:01:51
- 2二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 00:03:27
先生「それでアコ、今日は話があるって事だったけど、なにかな?」
先生は風紀委員からの呼び出しでゲヘナに来ていた。
アコ「はい先生、最近ゲヘナ郊外で起きている事件について、少しお話しを聞いて頂きたく」
先生「事件?」
アコ「はい。ここ1ヶ月程ゲヘナ郊外、しかも他校との境界付近で不良生徒や犯罪組織が相次いで捕縛されておりまして」
先生「風紀委員会が頑張ってるんだね」
アコ「いえ、実はこの件に関しては風紀委員が介入する頃には鎮圧されていて...しかも、それが複数回」
「最初は仲間割れなどと思いましたが、事情聴取によるとそうではないようで」
「そうなると、他の武装組織の暗躍や他校からの越境行為が考えられます」
先生「この件について万魔殿は?」
アコ「把握はしているかと。しかし、こちらに何も言ってこないと言うことは、向こうも調査中なのだと思います。」
先生「わかった。この後、万魔殿に行ってマコトにも話を聞いてくるね。もし万が一、他校と
喧嘩になりそうな時は間に入るよ」
アコ「よろしくお願いします」
この後先生は少しの間アコと近況や賭けの話をしてから、万魔殿に向かうことにした。 - 3二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 00:04:48
マコト「キキ、よく来たな先生。話の要件はわかっている。最近のゲヘナ郊外での件だろう」
先生「話が早くて助かるよ。マコトは何か知らないかい?」
マコト「万魔殿でも調査しているところだ。詳細を掴み、風紀委員の無能っぷりを奴らに示してやれば、私の方が上なのだと証明するいい材料になる」
「それに、他校の仕業ならこれを口実に色々交渉できるからな!」
先生「万魔殿もまだ、全容把握は出来てない...か。何かわかったら教えてね」
マコト「キキ、あぁいいとも。私がいかにヒナよりも優れているのかが分かる報告を楽しみにしていると良い!」 - 4二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 00:06:17
〜先生が帰ってしばらくして〜
イロハ「諜報部で不明勢力を誘い出す?」
サツキ「マコトちゃん本気?」
万魔殿の執務室に呼び出された二人はマコトの思いつきを聞いて呆れた声を上げる。
マコト「あぁ本気だとも!諜報部員を紛れ込ませている不良グループが幾つかある。そいつらに郊外で問題行動を起こさせ、事前に万魔殿の人員を配置しておけば捕らえられずとも、情報は手に入るはずだ」
本当にこの先輩は、と呆れとも納得ともとれる眼差しをイロハはマコトに向ける。
サツキ「わかったわ。諜報部には通達しておきます。『諜報部と戦闘部隊との連携しての正体不明勢力の捕縛、又は情報の取得』以上が作戦内容でいいかしら?」
マコト「あぁ、それでいい。だが、出来る限り速やかにな!風紀委員に捕まってしまっては元も子もない!キキキ、ヒナの悔しがる顔が目に浮かぶぞ!」
イロハは「ヒナ委員長は別に悔しがらないんじゃないか?」とは思ったが、藪をつつく趣味はないので言葉にするのはやめ、仕事をするために執務室を後にするのだった。 - 5二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 00:07:46
〜数日後〜
マコト「何っ!?全滅だと!?」
先日の作戦が決行され、マコトは結果報告を待っていた。あれから数日、ヒナも動いたらしいが尻尾を掴み損ねていると聞いている。
そんな中、自分の策が上手くいけば風紀委員に、ヒナにどんな嫌味を言ってやろうかと考えていれば、入ってきた報告は全滅である。
全員が病院送りにされ、これではメンツがとサツキに渡された報告書に目を通した瞬間、マコトの顔からは感情がスッと消え去った。
イロハ「マコト先輩?」
しばらく黙り込み報告書を繰り返し読むマコトに、ただならぬ雰囲気を感じたイロハの声に、マコトが答えたのはさらに数分後だった。
マコト「イロハ、この報告書を風紀委員長か行政官に渡してきてくれ。それと私の執務室に来るようにと」
イロハ「呼び出しの件はわかりました。が、良いんですか?せっかくの情報を...」
マコト「構わない。必ず、ヒナかアコ行政官に渡せ」
「サツキは先生に連絡を。チアキはイブキの相手を頼む」
いつもとは違いテキパキと指示をするマコトに違和感を覚えつつ、イロハは風紀委員会に向かった。 - 6二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 00:08:48
アコ「万魔殿の部隊が全滅?」
チナツ「はい、郊外での作戦行動中に、とのことです」
風紀委員会の一室、そこで情報部から上がってきた報告をチナツが読み上げる。
アコ「このクソ忙しい時にざまあないですね。やはり万魔殿アホ議長なんかより、ヒナ委員長の方が数倍優れて_」
ヒナ「アコ、今は報告の続きを聞きましょう」
アコ「ーー失礼しました。」
チナツ「続きと言っても彼方も情報を絞っていて、詳しい作戦内容まではわかりません。しかし、場所などから察するに例の不明勢力絡みなのは間違いないかと」
イオリ「大方、自分たちで誘い出して捕まえる気だったんだろ」
おそらくは、とチナツも同意する。今後の対応については、とチナツが言い掛けた時
「会議中に失礼します。」と事務をしていた風紀委員が入室してきた。 - 7二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 00:19:03
このレスは削除されています
- 8二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 00:19:09
アコ「会議中だとわかっていながら何ですか、まったく...って」
風紀委員に付き添われ、部屋の前で待つイロハに気づく
アコ「万魔殿の方がどのような御用件でしょうか?現在は役員全員多忙ですので、変なイチャモンでしたらまた後日お願いします」
にこやかにイロハに対して毒を吐くアコを気にするでもなくイロハは自分の仕事をする。
イロハ「最近話題の不明勢力に対して、万魔殿で作戦行動を行いまして、その報告書をお届けに」
キツネに摘まれたような顔をする風紀委員会の面々。これは面白いものを見たと内心思ったイロハは、そんな事は表情に出さずに続ける。
イロハ「マコト議長からこの報告書は必ず風紀委員長か行政官に渡せと言われていますので、受領をお願い出来ますか?それと確認後、万魔殿にお越し下さい」
そこまで言って「では」と一礼して帰っていくイロハを風紀委員の面々はただ、眺めるしかできないのであった。 - 9二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 00:27:28
続きが気になる
- 10二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 01:07:50
イオリ「どういう風の吹き回しだ?」
チナツ「意図が掴めませんね...」
下級生二人が怪訝な表情でイロハが居た扉を睨む。
イオリ「万魔殿から情報を回して来るなんて、偽情報でこっちの足引っ張る気じゃ...」
イオリはそこまで言い掛けて、3年生の様子がおかしい事に気がつく。
イオリ「委員長?アコちゃん?どうしたんだ?そんな怖い顔して...」
3年生2人の顔は間違いなく強張っており、イオリもチナツも気圧されていた。しかし、3年はそれどころではなかった。
アコ「ヒナ委員長...これは...!」
ヒナ「ええ、間違いないわね...。イオリ、チナツ、悪いのだけれど少しの間お願い出来るかしら」
チナツ「え、えぇ、業務の引き継ぎに関しては問題ないと思います。が...」
チナツの困ったような視線がヒナ、アコ、イオリの間を行ったり来たりしている。
ヒナ「気にしないで、2人は普段通りに業務を行なってちょうだい」
それだけ言って2人は準備をし、万魔殿に向かうのであった。困惑したままの下級生2人はスッキリしないながらも業務に戻って行った。 - 11二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 03:07:13
先生「雷帝の遺産...ってことはこの間のシェマタみたいなモノって事だよね?」
万魔殿の一室に先生、マコト、サツキ、ヒナ、アコの5人が集まって、先生は報告を受けていた。
マコト「あぁ、全滅した部隊からの報告、撮影データを私とヒナで確認して間違いないと結論付けた」
マコトの発言を受け、先生はヒナを見る。ヒナも首を縦に振る。
マコト「量産型強化外装といったタイプの兵器で生徒が着用して使用する、まぁ所謂パワードスーツというやつだ」
先生「シェマタみたいにかっこいい名前がついてるのかと思ったけど...」
マコト「先生はゴミ箱に入れる紙クズにいちいち名前をつけるのか?」
先生「....ごめんなさい」
「冗談はさておき、こいつは自己学習、自己修復、自己改造が可能で、戦闘経験を重ねる度に強化されていくから時間が経てば経つほど手に負えなくなる」
先生が詳しいんだね、と言うと
ヒナ「先生がキヴォトスに来る少し前だったかしら。この兵器の量産工場を解体しているの」
マコト「当時の量産計画書や工場、学園に残されていた報告書などを確認し、予備パーツ含め漏れなく溶鉱炉行きにした筈だったのだが...」
いつものマコトならしないような不安や焦り、困惑が混じり合った表情で机の上の報告書を睨む。 - 12二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 03:50:02
先生「でも話を聞いた限りではすごく強くなる以外は、そこまで怖くなさそうなんだけど...」
視線をマコト、ヒナに移す。
マコト「あぁ、ここまでの情報ならそう感じるだろうな......先生、生体コンピュータというものを知っているか?」
先生「SFなんかでよく聞くけど...急だね?」
マコト「バイオコンピュータ、ニューロンコンピュータ、呼び方は色々あるが優れた能力を有しているというのは共通しているな」
「そして、人の脳というのは学習効率がとてもよく、瞬時の状況判断など優れているという。そして、それはかのミレニアムでも再現は出来ていないそうだ」
「そこで雷帝は考えた。人の脳を模したコンピュータが用意出来ないなら、人を組み込んでしまえば良い、と」
そんなこと!と先生は思わず立ち上がり声を荒げる。そんな先生を、マコトは片手で制し座らせる。
マコト「先生の言わんとする事はわかる。唾棄すべき、非人道的な行いだ。この兵器はな先生、徐々に装着者の意識を乗っ取り、一つのパーツとしてしまうのだよ」 - 13二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 06:31:32
このレスは削除されています
- 14二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 06:49:30
先生「...これを使用しているのは」
ヒナ「個人までは特定出来ていないけれど、使用者がゲヘナの制服を着用しているのは確認出来ているわ」
先生「なら、私も見過ごすわけにはいかないね。何かわかったり、行動を起こす前には必ず教えてね」
マコトとヒナは首肯し、この報告会はお開きになるのだった。
マコト「問題なのは現在対象を捕捉出来ていない事だ。誘き出そうにも先の作戦で学習された可能性が高い。こちらの人員で問題を起こしても恐らく出てこないだろう」
アコ「見分けなんてつくのでしょうか?それっぽい格好をさせれば...」
サツキ「そもそも先生が囮作戦なんて承諾してくれるかしら?」
ヒナ「やるにしてもあの人なら、付いてくるって言いかねないわ」
マコト「先生の問題を抜きにしても人選がなぁ...。包囲が完成する前にやられる様では話にならんが、風紀委員やウチの人員は使えんし..」
「その役目、私たちが引き受けてもよろしくってよ」
全員が声のした方を見る。執務室の扉にはいつの間にか美食研究会のハルナとアカリが立っていた。 - 15二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 06:51:08
ハルナ「その役目、私たちが引き受けてもよろしくってよ」
マコト「キキキ、食事にしか興味を示さない美食研究会がどう言う風の吹き回しだ?」
ハルナ「ふふ、これもまた、美食に至るための重要な道筋という事です」
美食研以外の全員が何言ってんだと思っているが、ハルナは続ける。
ハルナ「このゲヘナで最低なエクレアが提供されたとお聞きしました。そんなものを見過ごしていては、今後の食への探究に集中できませんし、何より美食研究会の名折れですわ」
アカリ「それに私たちは普段から風紀委員さんに追いかけられて逃げ回るのは慣れていますし、問題行動を起こしてもおかしくない。囮役には最適ではないでしょうか?」
さらっと言ってのけるアカリに、ヒナは手を額に当てて溜め息をするしかなかった。
アコ「...言い分はわかりましたが、この作戦において重要な役目です。途中で気が変わられても困りますし、信用できないかと」
サツキ「でも、自分たちから言い出してくれたし、言い分は筋が通っている。それに他の案もいいのは出ていないのだし...」
マコト「...わかった。お前らも囮役として作戦に組み込もう」
ヒナ「いいの?」
マコト「あぁ、こいつらが言う通り、囮役としてはこれ以上ない適役だ。それにこいつらとてあの時代を知る3年生だ。この一件に関しては信用しても良かろう」
ハルナ「ふふ、賢明な判断ですわね。では、作戦が固まりましたら、ご連絡を」
ハルナはそういうと執務室から去って行った。
この後マコト、ヒナを中心に作戦を詰める。美食が問題を起こし、釣れれば当該ポイントまで引っ張り、ポイントに入ったら万魔殿と風紀の砲撃隊、戦車隊による爆撃。その後、戦闘部隊で包囲し、ヒナでトドメをさす。単純だがゲヘナでの最適解であろう。
マコト「では以降は万魔殿、風紀委員各々で人員の配置を検討しよう。そうだな、明日の18時に再度集まり最終確認。明後日の朝に作戦開始としよう」
アコ「ハルナさんたちへの連絡は?」
ヒナ「私がしておくわ。」
マコトが「なんで連絡先知ってるんだ」という顔になり、それに気づいたヒナがさらりと
「前に捕まえた時に『美味しいお店を知っていれば情報交換を』とか言って教えられたのよ」と溜め息混じりに答えたところで解散となった。 - 16二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 07:04:55
〜風紀委員〜
ヒナ「砲撃部隊の指揮はマコトが指揮を執るから従う様に徹底させて」
アコ「わかりました。包囲部隊の指揮は?」
ヒナ「それはこちらが中心となるから、アコが...」
ヒナとアコで作戦を詰めているところにノックが響く。扉の方を見ると
アコ「あら、戦闘部隊の班長さんがいかがしましたか?」
そこには戦闘部隊の班長である3年生、つまり2人の同期が立っていた。
班長「行政官殿と委員長殿だけで楽しそうな事してるって聞いたからな」
悪戯っぽい笑みを浮かべながら答える。立場の違いはあれど2年と少し、共に修羅場を潜って来た仲である。
班長「アレの兵器が使われてるんだろ?作戦は?」真面目な表情となり、2人に近づく。
ヒナ「美食が囮となって我々と万魔殿で包囲、殲滅する事になっているわ」
班長「なるほど、って美食も協力するのかよ」
アコ「なので今人員配置などの話し合いをしていたところです。戦闘班長として何か意見は?」
班長「3年は全員やる気だ。万魔殿と協力してなら人手不足も如何とでもなるから、ローテ無視で3年だけで固める」
ヒナ「では、細かい配置なんかは任せても?」
ああ!と答える。実力ではイオリの方が上だが、このゲヘナで3年間真面目に訓練と実戦を重ね、同期と後輩たちの信頼を得て班長という立場に立つこの同期を2人も信頼していた。
班長「出来ればこれが最後で、後輩たちには影もチラつかない様にしたいな」
小さな声で漏れた本音に、ヒナたちも頷く。
アコ「そうですね。...では行政官として命じます。作戦を戦闘部隊員に通達し、人員と配置の整理を!」
班長「了解!」
最後に軽く笑い合い3人は各々の仕事に戻っていった。 - 17二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 07:07:03
〜食堂〜
フウカ「ふぅ、片付けも仕込みも終わったし、アイツらが来る前に」
ハルナ「あらフウカさん、いらしたのですね。」
(눈_눈)
(눈_눈)「何の用?もう片付けまで済んでるから料理はないわよ」
ハルナ「少しお夜食を、と思ったのですが...何もありませんの?」
ハルナはフウカに期待の眼差しを向ける。相手がハルナでも、自分の料理を期待しているこの眼差し料理人として、給食部部長として無碍になんかできないのであった。
フウカ「はぁ...冷凍しようと思ってたお米があるから、おにぎりで良ければ」
ハルナ「それはもちろん!フウカさんのおにぎりを頂けるなんて、こちらに来た甲斐がありましたわ」
フウカはささっとおにぎりを握る。それだけだとなんだか、給食部として負けた気がするのでだし巻き卵を焼いて、おにぎりと一緒に出してやった。
ハルナ「ふふ、ではいただきますね」
ハルナはニコニコと舌鼓を打つ。そんなハルナを見て、拉致被害さえなければ、まぁいい友人なんだろうなぁとか考えていた。
ハルナ「やはり、フウカさんのお料理はとても美味ですわ。塩味を感じつつお米の甘さを際立たせる塩加減。外側はしっかり、でも中はふっくらとした握り加減。だし巻き卵も絶品です」
(눈_눈)「なに急に、褒めても美食活動とやらには協力しないわよ」
ハルナ「いいえ、私は単純にフウカさんのことを高く評価しているのです。これからもフウカさんに料理の腕を磨いてもらう。それはまさに美食の探究なのではと」
フウカはじゃあ拉致るのやめてよね!と言おうとした時にハルナの顔に少しの寂しさを感じた。
フウカ「なんかあったの...?」
ハルナ「...ふふ、秘密というのもまた、美食に欠かせないスパイスということで」
フウカは心配したことを後悔した。
ご馳走様と言ってハルナは去っていく。違和感を感じたフウカだったが、この時、フウカはある重大な事に気が付いてはいなかった。 - 18二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 07:14:15
Gガンのデビルガンダムから自己増殖抜いたアギトのG4みたいな感じかこの遺産
- 19二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 10:07:25
〜万魔殿〜
サツキ「作戦該当区域、またその周囲への避難は完了したわ。それと温泉開発部に協力してもらって発破準備も進めてるわ」
マコト「ご苦労。作戦人員の選定と配置は?」
サツキ「そちらも風紀委員と協議して完了済みよ。みんなこれを最後にしてやるって意気込んでたわよ」
それを聞いてマコトは少し笑みが溢れた。みな考える事は一緒か、と
イロハ「マコト議長、私たちはどのように動けば?」
ここまで大々的に動いているのだ。隠し通せるものでもない。イロハは執務室の入り口に立ち、声をかける。
マコト「イロハか。お前たち2年生以下は通常業務だ。なんだったら休暇を取ってもいいぞ!私が許す!」
イロハ「...それ本気で言ってます?」
イロハの声色には少しの怒気が混じっているが、マコトはどこ吹く風と取り合わない。
マコト「キキキ、本気だとも。あぁ、先生への連絡は私からするからな!」
「明日は少し騒がしくなるからイブキのことを頼んだぞ!私はこれからヒナをからかいに行ってこよう」
そう言うとイロハ横を通る時にイロハの頭をポンとして去っていった。 - 20二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 12:37:24
〜ゲヘナ郊外〜
メグ「うん、うん、ごめんね部長。そういう訳だから、明日は温泉開発出来ないや。うん、他の3年生のみんなも一緒。うん、大丈夫!うん、それじゃ」
モブ「部長?なんか言ってた?」
メグ「建物の強度計算と爆薬量間違えるなってさ!あと、今後の温泉開発に差し支えるから怪我しないようにって」
モブ「まったくあの部長は」
温泉開発部の中で笑いが起きる。心配だと素直に言えばいいものを。それにこっちだって伊達に3年生ではない、カスミに教わったとは言え爆破作業にずっと従事してきたのだ。抜かりはない。たぶん。
メグ「ごめんねみんな。温泉開発以外のことさせて。怪我もするかもしれないし...」
モブの1人がメグの背中を何言ってんだと叩く。
モブ「これが終わればまた元通り。それにあれを放っておいてせっかく作った温泉を更地にされたんじゃ、元も子もないじゃないか」
だからこれも温泉開発の一環さと笑い合う。
メグ「みんな...よーし、じゃあこれが終わったらご褒美にこの辺一帯ぜーんぶ温泉にしちゃおうー!」
どうせ明日の戦闘でこの辺りは更地になるのだ。それぐらい報酬としてやらせてもらってもいいだろうと、士気を高めながら作業を進めていくのだった。 - 21二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 13:16:50
〜救急医療部〜
セナ「薬品は在庫分もすぐに取れるように手配を、病床も可能な限り用意して下さい。予備のベッドを使って簡易的なものでも構いませんので」
セナはテキパキと他の部員に指示をする。セナも搬送や処置にと人員配置を考える。前線に近い搬送員には3年生を使うとして、処置を下級生だけにするのか、自分はどのように動こうか、そんなことを考えているとモモトークが鳴る。見ればマコトだった。
『作戦従事者は安全を鑑みて、先生への口外を禁じる』
要約するとそんな事が書かれていた。確かに先生は小口径1発でも命の危機に陥りかねない。しかし...
セナはため息をひとつ吐き、電話をかけた。 - 22二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 16:46:19
〜マコト&ヒナ〜
ヒナ「先生への報告は...」
マコト「事後だな。我々の問題だ、そんな事に巻き込んで流れ弾にでも当たってみろ。悔やんでも悔やみきれん」
ヒナ「そうね、そうかもしれないわね。...でも、事後報告なんてしたら先生、すごく怒るわよ?」
マコト「キキキ、確かにすごく怒られるだろうな。私だけ怒られたのでは流石の私でも泣いてしまうかもしれん。だから、私以外の弾除けが必要だからな。お前にも一緒に怒られてもらうぞ、ヒナ」
ヒナ「ふふ、確かに2人でたくさん謝れば怒られる時間は半分になりそうね」
マコト「キキキ、弾除けがなくなっては困るからな。...のたれ死んでもらっては困るぞ」
2人の最終確認は深夜まで続けられるのだった。 - 23二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 18:18:39
ー翌日ー
「ぎゃーーーーー!!!、」ドカーーン
ゲヘナ郊外にて開かれている飲食店、闇企業が怪しまれずに集まるためだけに開かれている
そんな店が吹き飛んだ。
ハルナ「まったく、入った途端に早く帰れと言った態度にお粗末な料理、こんな食への冒涜を美食研究会として許せませんわ」
そんな喧騒の中をハルナはお怒りと言った様子で店を睨みつける。
悪モブ「こんガキが!!ふざけたことしやがって!!」
そんな店の中からゾロゾロと武装したロボ兵たちが現れた。
悪モブ「この損害はテメェらで払わせてやるからな!覚悟し」ドカーーン
テンプレとも思えるセリフを言い切らないうちに榴弾がぶち込まれる。
ハルナ「アカリさん、怒るのもわかりますが、今回は...」
アカリ「ええ、だから1発で済ませています♪」
アカリの目には確かな怒りが燃え上がっている。
悪モブ「クソが!ぶっ殺してやる!」
それを合図に銃撃が始まる。が、すぐに悪党どもの中心で爆発が起こる。
ハルナ「アカリさん!?」
アカリ「今のは私じゃありませんよ?」
2人は顔を見合わせてすぐに周囲を警戒する。すると、上空から何かが降ってきた。それは2人の前方に立つ。 - 24二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 20:19:27
「美食研究会、黒舘ハルナ、鰐渕アカリ、カ」
「秩序ヲ乱ス存在ヲ確認、排除ヲ遂行」
それは警告も無く、腕を突き出し手首の辺りの機械が動いたかと思うとガトリングが飛び出す。
ハルナとアカリが物陰に飛び退いた一瞬後には、2人がいた所に斉射されていた。
ハルナ「アカリさん、行きますわよ!」
2人は隠していた原付に乗り込み走り出す。
ハルナは逃走するにも徒歩では部が悪いと考えて昨夜、給食部の原付をお借り(無断)してきたものである。
フウカが食材運搬で使うためにパワーを上げているのは知っているので、二人乗りでも充分にスピードも出る。
相手は翼のような物を生やしながら低空で追ってきている。
アカリ「牽制はお任せを♪」
後ろに乗っているアカリは器用にバランスを取りながら牽制射撃を行い、時々グレネードを放つ。
ハルナも細かく路地に入ったりして射線を通さないように走る。
そろそろゴールに着こうかという時に相手の両肩からミサイルのような物が放たれる。
アカリ「ハルナさん!」
いち早く気づいたアカリがハルナを抱き抱えるように原付から飛び降りる。数瞬後にミサイルの直撃を受けて、原付は爆発した。 - 25二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 20:22:11
このレスは削除されています
- 26二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 20:24:34
「美食研究会、黒舘ハルナ、鰐渕アカリ、カ」
「秩序ヲ乱ス存在ヲ確認、排除ヲ遂行」
それは警告も無く、腕を突き出し手首の辺りの機械が動いたかと思うとガトリングが飛び出す。
ハルナとアカリが物陰に飛び退いた一瞬後には、2人がいた所に斉射されていた。
ハルナ「アカリさん、行きますわよ!」
2人は隠していた原付に乗り込み走り出す。
ハルナは逃走するにも徒歩では部が悪いと考えて昨夜、給食部の原付をお借り(無断)してきたものである。
フウカが食材運搬で使うためにパワーを上げているのは知っているので、二人乗りでも充分にスピードも出る。
相手は翼のような物を生やしながら低空で追ってきている。
アカリ「牽制はお任せを♪」
後ろに乗っているアカリは器用にバランスを取りながら牽制射撃を行い、時々グレネードを放つ。
ハルナも細かく路地に入ったりして射線を通さないように走る。
そろそろゴールに着こうかという時に相手の両肩からミサイルのような物が放たれる。
アカリ「ハルナさん!」
いち早く気づいたアカリがハルナを抱き抱えるように原付から飛び降りる。数瞬後にミサイルの直撃を受けて、原付は爆発した。
ハルナ「アカリさん!返事を!」
原付から投げ出され、ダメージを負いながらも体勢を立て直す。周囲を見れば無惨な姿になった原付と倒れ伏したアカリを見つける。駆け寄って肩を揺するが反応はない。頭部からは出血も見られ、1人では動かせそうにない。
そんなことお構いなしと、爆炎から姿を現す漆黒の鎧。翼と尻尾が生え、アンテナだろうか、頭部には角のように見える何か。それはまさに悪魔の姿そのものだった。
ハルナ「ッ」
ハルナは咄嗟に銃を構える。流石にアカリを守りながら戦うことも、逃走することも出来ない。ならばこの忌々しい悪魔に一矢報いなければ、そう考えた時だった。
メグ「発破っ!!」
周囲の建物で爆発が起こり、道という道を塞ぐ。そして、美食研の2人と悪魔の間に炎の壁が現れた。
ハルナ「メグさん!?」
メグ「2人とも早く退いて!」
メグが壁作っている間に美食研の2人は温泉開発部員に担がれて運ばれる。 - 27二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 20:48:55
悪魔が煩わしそうに炎を振り払うとそこにはすでにメグは居なかった。
「確カ温泉開発部ノ下倉メグ...不良ドモガ集マッテナニヲ」
一瞬考えるために足を止めた。その瞬間に轟音と共に周囲が吹き飛ぶ。これは、迫撃砲?あのテロリストどもにそんな装備も、ここまで正確に打ち込める技術も人員もいないはず、そんなことを考えながら耐える。ダメージはあるが耐えられない程ではない。あの不良どもを処刑するには問題ないだろう。
砲撃が止み、各部のチェックをしていると誰かが近づいてくるをセンサーが拾った。そちらに目を向け
「ヒナぁ!ヒナ委員長ジャナイカァ!」
そう叫んだ。 - 28二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 21:00:16
作戦通り当該地区に誘導が終わり迫撃砲による爆撃が始まった。アカリが負傷してしまったのは残念だが、美食研究会、温泉開発部と役目をやり終えた。後は私の仕事だ。
相手の前に立つ。相手と視線が合う。その瞬間に「ヒナァ」名前を呼ばれた。ヒナは自分が動揺していることを自覚した。
名前を呼ばれたからではない、自分は良くも悪くも有名だから。では何故か。それは相手の外殻から露出した顔が知っているじんぶつだったから。
ヒナ「貴女...○○...よね...?」
ヒナの知った顔。風紀委員会の同期。目立った活躍はないけど、真面目でよく話しかけてくれていた同期。そんなよく知った顔が、見たことない様な邪悪な笑みを浮かべる。
○○「ァァヒナァァァ見テクレコレヲ!ツヨクナッたンダ、ソノ辺ノ不良ドモナら一瞬ダ!大人ノ犯罪者集団ダッテ楽勝ダッ!」
大仰に腕を広げて叫ぶ。
○○「コレデ!コレデヤット!」
○○「オマエを守っテやれる!」 - 29二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 21:02:42
○○「後輩ヲ!友ヲ!ヒナを!守れル様ニ!コの"力"ヲ手ニ入れタンダ!」
その声はクリスマスのプレゼントをもらえた子供の様に本当に嬉しそうで
〇〇「ヒナ!オマエを苛ム全テヲ!」
しかし、その言葉は全てを憎むように
「お前ヲ煩わせるバカナ不良ドモも!」
「オマエヲ困ラセテ喜んデル、マコトノアホモ!」
「仲間と言イナガラ、オ前ヲ頼ルシカなイ弱い私たちも!」
「全部全部!全部潰シテヤル!」
「ダカラ!安心シロ!ヒナァァァァァ!!」
ヒナ「...そうだったの、貴女はそんな風に考えていたのね...」
ヒナは静かに歩み寄り
「誰もそんなこと頼んでいないわ、思い上がらないで」
冷たく言い放ち、銃口を向ける。
〇〇「オマエヲ護ロウと...なのに、何故銃口ヲ向ケル!?何故そんナ目デ見ル!?何故!何故!何故ダ!ヒナァァァァ!!」
怨嗟の咆哮により、火蓋は切って落とされた。 - 30二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 21:04:02
〇〇「ヒナァ!」
ヒナ「...」
戦闘は余りにも壮絶だった。援護にと周りを囲っている誰もが手を出せない。目で追うのも辛い様な高速で動き回りながら、お互いに弾幕を張り、その弾幕を潜り抜けて超接近戦となる。その肉弾戦と言っていい距離で撃ち合い、牽制のためか拳や足、銃床や尻尾での攻撃も加わる。
そんな戦闘に首を突っ込める者はここには居なかった。しかし、ほぼ互角かと思われた戦闘だったが、徐々にヒナが相手を追い詰めているのがわかるようになってきた。そして、
ヒナ「ここ」
ヒナの一斉射が相手の胴体を完璧に捉えた。 - 31二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 21:05:15
確実に捉えた。手応えもあった。かつてこれで終わらなかった相手など居ない、無意識のうちにヒナはそう考えて
ヒナ「ッ....!?」
土煙から飛び出してきたモノ、機体から伸びた尻尾のようなものは一瞬にしてヒナの足を絡め取り、ありえない速度で地面に引きずり回す。
身体が浮いたかと思った瞬間、建物に叩きつけられ3棟程薙ぎ倒したところで止まった。
ダメージはあるが動けない程ではないと判断し、反撃に思考を回し始めた瞬間、本能的に身を捩った。
元々、頭があった場所に深々と突き刺さる鉄の棒。おそらく建材で使われる物であろうそれが、自分ですら目視出来ない速度で撃ち込まれた事実に背中に冷たいモノを感じた。
ヒナ「私ですら直撃はマズイ、他の人なら尚のこと...」
あれを乱射されるのはマズイとヒナは全速力で距離を詰める。
○○「ひNAぁぁァあaぁ!!」
ヒナが銃撃を浴びせ、○○は尻尾で拘束しようと伸ばす。ヒナが距離を取れば、○○は鉄棒を射出しようと構える。それだけはさせまいと射出部がある腕を上方に跳ね上げる。
そんな攻防を繰り返し、着実にダメージを重ねている。対峙している自分にすら聞こえるほどの警告音が頻繁に聞こえるようになってきた。後少し、後少しでこんな悪夢を終わらせられる。そんな風に思った瞬間だった。○○は鉄棒を明後日の方に向ける。咄嗟に視線をやれば負傷者を救助している救急医療部の子が... - 32二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 21:27:10
ヒナは無意識のうちに射線に割り込もう身体が動いていた。しかし、それは互角の相手との戦闘では致命的な隙だった。急速に照準をヒナに変更し、腹部に鉄棒を受けたヒナは大きく吹き飛ぶ。
それでも腹部を押さえつつ立ち上がる。しかし誰が見ても戦闘など行えるダメージではないのは明らかだった。
それは○○も同様だったが
マコト「マズイ!逃げられる!止めろ!」
○○は最初に見せた飛行形態に変形し逃亡しようとしている。
今逃せば学習され、次は歯が立たなくなる!そう考えてマコトは叫ぶ。
間に合わない!誰もがそう思った時、戦場に白い閃光が走った。 - 33二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 21:28:32
イオリ「普段もそうやって素直に頼めってんだ!」
いつの間にか背後に居たイオリがバックパックを撃ち抜いていた。
チナツ「支援班は救急医療部と協力して負傷者の収容を急いで下さい!砲撃隊はこちらの合図に合わせて下さい!」
イロハ「戦車隊の再編完了。支援砲撃の指示をお願いします。」
チアキ「弾幕を絶やさないように!絶対逃がさないよう撃ち続けて下さい!」
何処かから出てくる後輩たち。
対象を釘付けにする見事な連携で弾幕を張り、負傷者たちを回収していく。万魔殿も風紀委員もその他部活も関係なく動いていた。
ヒナ「貴女たち...どうして...」
イオリ「どうしてじゃないですよ!困ってる先輩たちを助けに来たんですよ!」 - 34二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 21:30:59
○○「Garrrrrrrr!ジャマダ!ウセロ!」
威嚇はするが先程の戦闘でのダメージにより、反撃は殆ど出来ない。機銃をばら撒く程度だ。しかし、逃走に終始すれば...
そう考えているところに、接近していたイオリの強力な一撃が打ち込まれる。
イオリ「お前の気持ちは痛いほど解る!自分の力じゃ解決できない無力感も!委員長に頼るしかない情けなさも!」
「ボロボロなのに大丈夫しか言わなくて!頼ってくれない疎外感も!」
「でも、だからって!これは違うだろ!何のために強くなりたかったんだ!あんたは!」
素早い動きで翻弄しつつ強力な一撃を的確に決めるイオリ、その間隙をフォローする弾幕。
チナツ「イオリ!迫撃砲来ます!」
すっと、イオリが引いた瞬間に撃ち込まれる砲撃に着実にダメージを重ねていく。 - 35二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 21:44:59
○(何のため.......守るために......何を....?)
○(...風紀を...仲間を...委員長を...ヒナを...)
周りの様子が目に映る。倒れ伏したかつての仲間たち。最悪な、雷帝の時代を共を乗り越えた仲間たち。頼るしかなくて、疲弊している姿を見てられなくて、支えてやりたかった委員長...ヒナが...血を流して...
○「あぁ....」(あぁ..私は)『error:生体コアにノイズを検知』
○「あああああぁ」(また苦労を)『error:生体コアに深刻なダメージを検知』
○「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」(...滑稽...だな)『error』『error』『error』『error』『error』『error』.......
○「あぁaaaaaa..」(1番憎んでたはずの雷帝の兵器に手を出して)『erro..』
○(守りたかったヒナを、仲間を傷つけて)『err...』
○(後輩に説教されて気づくなんて)『e...』
ヒナ「止まった...?」 - 36二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 21:47:40
〇〇「もう私じゃ..止められない...んだ」
そんな呟きが聞こえた瞬間、けたたましくなるビープ音にオートモードという自動音声のアナウンスが聞こえる。ヒナがマズイと思い最後の力を振り絞ろうとした時
「イオリ、左後方に退いて!チアキ達は腕の動きに注意して!腕と反対方向の子達で牽制するんだ!チナツは砲撃隊に3秒後斉射指示!イロハの戦車隊はそれに合わせて!」
ヒナ「先...生...?どうして...?」
先生「無茶をしようとしてる生徒が居るって連絡を受けてね。様子を見に来たんだよ」
ヒナに優しく微笑みながら無線で指示を飛ばす。そんな先生の指示を受けた後輩たちの活躍で、〇〇の動きは確実に封じ込められていく。
そして、少しして〇〇は完全に沈黙した。先生は「中の子の救助を!」と言いながら1番に駆け出していく。それにセナが続く。
助け出された〇〇はほとんど意識がないらしく、タンカで運ばれる際もうわごとのように「ごめんなさい」と繰り返し呟いていた。 - 37二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 21:56:45
セナ「ヒナ委員長、あなたも重傷ですのでこちらに」
ヒナ「私は大丈」
セナ「それは我々が判断しますので、こちらに」
ヒナは珍しくセナの圧に負けてタンカに乗せられて行った。
先生は周りを見る。困っている生徒はいないか、自分に手伝える事はないかと。
途中でフウカと美食研究会の2人を見かけたが、フウカの形相が恐ろしすぎて声をかけられなかった。あんな形相になる程心配していたなんて、なんだかんだ仲がいいんだなと思う事にして立ち去った。 - 38二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 21:58:02
マコト「先生!?何故ここに!?」
作戦が終了し、ヒナが搬送されたため現場指揮をするために出てきたマコトは驚愕していた。
先生「やぁマコト、お疲れ様。今朝方、イロハ達から連絡を受けてね。飛んできたんだけど間に合ってよかったよ」
マコト「そ、そうだな!いや、先生には本当に助けられた!後片付けは私がキッチリやっておくので、イロハ達と万魔殿で寛いで来るといい!私はちょっと忙しくなるから待たせては先生の仕事に差し支えるからな!報告は後日送ろう!」
マコトの目はかつてないほどに泳いでいた。弾除けにと期待していたヒナはいない。サツキは後方指揮に残してきてしまった。他の三年生も軒並み怪我をしていて処置中だろう。
マコト「そもそもイロハには私から先生に言うと言ってあっただろう!何故だイロハ!?」
イロハ「セナ先輩から相談を受けまして。先生への報告を意図的にしていないようですが、と。そこで私から朝一で報告をしました。」
マコトは遠くでヒナの処置をしているセナを睨む。偶然か、目が合ったセナは「何か?」と言わんばかりに首を傾げる。
マコトが文句の言う先を探していると
先生「マコト」
マコト「は、はい」
先生「何かあった時は報告してねって約束したよね?」
マコト「それはすまなかった!本当に謝る!だから、そんな恐ろしいオーラを纏いながら笑顔なのはやめてくれ!」
青ざめるマコトに先生はフッと雰囲気を軽くした。
先生「私が説教してもいいんだけど、どーしてもマコトに説教したいって人が来てるから、その人にお願いするよ」
先生のそんな言葉にマコトは内心で喜んだ。先生に怒られないのなら、たとえどんな相手に御高説されたとて、このマコト様には釈迦に説法というものだと!しかしそんな考えは
イブキ「マコト先輩」
「お説教ね」
いとも簡単に砕け散るのであった。
fin - 39二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 22:05:22
スレ主です。
まずはここまで見ていただいた方々に最大限の感謝を述べさせて下さい。
これまでYouTubeなどでssを見るだけで満足していましたが、この話だけは頭から溢れて、形にしたいという欲求が高まったので、書かせて頂きました。
キャラへの理解度、文法や表現など無学を恥じるばかりで、お目汚ししてしまい申し訳ありませんでした。
しかし、今は初挑戦で形にすることが出来た達成感を感じています。
本当に本当にありがとうございました。