- 1二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:16:45
宇宙猫難民ニャアンが、おそらく元宇宙犬難民で今はキシリア様の飼い犬のエグザベくんとニャンニャンするだけの話です。
※注意
・エグニャア
・一部キャラクターの擬獣化
・おとぎ話パロ?&パラレル世界(宇宙コロニーが宇宙村になっててMSはあるのに生活はシルバニアってる)
・人道的でない(生命倫理の欠如)したキャラクター有(フラナガン博士)
・スレ主はドスケベ卑しか雌猫のドスケベを書きたいだけ
・上記含めた諸々の二次創作要素が苦手な方はブラウザバックお願いします
元ネタ
【閲覧CP注意】エグザベ君とニャアンだけどさ17【エグニャア】|あにまん掲示板とりあえず先輩後輩にはなるんだろうそのような頼れる先輩と熱心な後輩の助け合いルートかもしれないもしくはさらに進んで恋人になるルートなのかもしれないとにかく良い関係で二人とも良い方向に行って欲しい不穏な…bbs.animanch.com上記より抜粋
- 2二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:19:26
- 3二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:20:26
- 4二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:23:02
ニャアンの首筋に顔を埋め、においを嗅ぐ。
「ん……」
くすぐったそうに、彼女の口からかすかな吐息がこぼれる。
しっとりと汗ばんだ肌の香りが、彼を駆り立てる。
首筋を舐める。
「ひぁっ」
反応もかわいい。
それに、このまま食べてしまいたいほど美味しい。
エグザベは身震いするニャアンを抱きしめる。
「んっ……」
ニャアンの耳がぴくりと動く。
抱きしめられるのが好きなのか、彼女は彼にもたれて体重を預ける。
こうもかわいらしい反応を返されると、雄としてやり甲斐を感じずにはいられない。
今度は本当に『食べる』をする。
傷つけないように、痛くないように、優しく首筋に噛み付く。
「〜〜〜〜っ」
ニャアンは身体を縮こませる。
彼の背中に回された両手が、衣服を強く掴んだ。 - 5二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:24:17
- 6二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:25:34
寝室に入り、ニャアンをベッドに寝かせると、そのままエグザベは彼女に覆い被さる。
衣服ごしに、ニャアンの身体中にキスを落とす。
少しでも嫌がるそぶりを見せたら、彼はすぐにそれはやめて別のアプローチをする予定だった。
けれどニャアンは、キスのたびに身体をびくつかせ、か細く甘い声を漏らす。
そして、吐息混じりの言葉を漏らした。
「口にも……」
今にも消え入りそうな声。
そのかわいらしいおねだりは、ニャアンの一挙一投足に注視しているエグザベでなければ聞き逃していただろう。
「……口に、何?」
意地悪をしているわけではない。
勘違いだったら、それで間違った行動を取ったら、嫌な気持ちになるのは彼女だから。ちゃんと確認を取らねばならなかった。 - 7二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:28:13
- 8二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:29:24
- 9二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:31:23
- 10二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:32:30
- 11二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:34:21
彼女の頭部に添えられていた右手は、今彼女の腰を掴んでいる。
しっとりと汗ばむ肌が、吸い付いて離れない。
本当に、細い。そしてしなやかで綺麗だ。
くびれをなぞるように伸びた腹斜筋に触れると、彼女の身体がわずかに揺れる。
まだ下着で隠されたままの、彼女の膨らみに指を這わせる。
「……!」
刺激が強すぎたのか、ニャアンは思わずぎゅっと目を瞑る。
下着ごしに、少し手のひらで圧力を与える。
息を吐く音と、身震い。
頂上の部分に、指を走らせる。
「ひぅっ!」
ただでさえ敏感な彼女の、さらに弱い部分。
親指で圧力を加える。
「ぁ……」
すぐにその部分は硬さを帯び、そのまましごくように指を走らす。
「ぁ……あっ……」
ニャアンは陶然といった様子で、与えられる刺激に肩を震わせる。
大人っぽい子だが、その表情は無防備で、どこかあどけない。 - 12二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:37:07
本来のエグザベであれば、その表情を見て我に返り、まだ子供になんてことを、などと思うのかもしれない。
しかし薬物によって強制的に発情期を誘発され、さらに目の前の雌は自分を求めてくれている状況の彼はそうでない。
何もわからぬままただ快楽に身を任せている目の前の雌の姿は、これから始まる行為への加速装置にしかならなかった。
エグザベは片手で彼女の下着のホックを外した。
「ぁ……だ、め……」
ニャアンは胸部を隠そうとしたが、その腕を掴んで阻んだ。
「見られるのは嫌?」
「変だから……」
「どこも変じゃないよ」
なだらかな膨らみの頂上のそれは、ぷっくりと膨らんでおり、やや反り気味で、血色を帯びた色と合間ってとてもかわいらしいものだった。
ニャアンの表情は羞恥に歪んでいる。 - 13二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:39:50
「かわいいし……それに美味しそうだ」
それを口に含むとニャアンは背中をしなるように浮かす。
「ゃっ……ぁっ……」
軽く吸うと、ニャアンは身を捩る。
「だめ……だめ……」
震えた声。
彼女は掴まれた腕を振り解こうともがくが、びくともしない。
舌で転がし、唇で喰む。
「〜〜〜〜〜〜っ!」
弄ばれるために作られた場所みたいだな、君のは。
エグザベはその場所から口を離すと、ニャアンを掴んでいた腕を離して、両手で弄んでやった。
「ぁ゛……! ぁあ……! だめっ、だめっ、ほんとうに……!」
ニャアンは力無き声で何度も「だめ」を繰り返した。
やだ、やめて、ではなく『だめ』
両腕を自由にしてやったのに、その手は彼を突き飛ばすわけでもなくシーツを掴んで今この瞬間の快楽を堪えて、尻尾はエグザベのものと絡み合ったまま。
なぞって、撫でて、圧して、つまんで……
刺激に比例するかのように彼女の声にならない甘い鳴き声が激しくなる。 - 14二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:41:30
- 15二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:47:12
- 16二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:48:15
投下おしまい
前スレリンク貼り忘れてた(ごめん)
(CP・閲覧注意)ようこそ ジオン村へ|あにまん掲示板宇宙猫難民ニャアンが、おそらく元宇宙犬難民で今はキシリア様の飼い犬のエグザベくんとニャンニャンするだけの話です。※注意・エグニャア・一部キャラクターの擬獣化・おとぎ話パロ?&パラレル世界(宇宙コロニー…bbs.animanch.com次の投下は明日の夕方以降です。
フフフ……
- 17二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:51:03
なんてSザベくんだ!
やっぱり男はオオカミ・・・ - 18二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 00:03:48
かわいい猫ちゃんが狼さんにおいしく食べられちゃう!
- 19二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 07:09:54
僕はまだってオイ…保湿
- 20二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 13:55:10
保守
- 21二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:32:28
- 22二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:34:35
- 23二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:36:57
- 24二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:38:13
- 25二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:39:34
- 26二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:40:37
- 27二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:41:59
- 28二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:43:58
準備は万端になったその部分に、硬くなったものを擦り付ける。
「ぁ……う……」
ニャアンは指の隙間からそれを見て、身震いをする。
「昨日は君が僕にこういうことをしてたよね」
昨晩、エグザベがソファに横たわってまどろんでいたとき。
ニャアンが毛布の中へ潜り込んできたのはそのまま受け入れた。
彼女が身体を寄せて、彼のにおいを嗅いでいても、わざわざ起きて止めることはしなかった。
だがその後、彼女の動きがどこか違う意図を帯びた瞬間、エグザベの意識は一気に覚めた。
彼女が自身の下腹部をエグザベの下半身に擦り付けている。
生理的反応でその部分が硬くなったら、それに気付かれたら。
「ああいうことしたら、どういう気持ちになるかわかった?」
「ごめん……なさい……」
擦り付けているだけなのに、彼のものはどんどん湿り気を帯びてゆく。
エグザベは彼女の両手を掴み、そのまま絡み合わせる。
綺麗な顔は涙でぐしゃぐしゃになっている。 - 29二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:45:52
「やめとく?」
ニャアンは彼の目をちらりと見て、次に自分の下腹部とそれに擦り付けられているものを見ると、首をわずかに横に振った。
「────ぁ゛っ!」
一瞬の出来事。
痛みは一瞬のほうが良いだろう、という気遣い。
先ほどまで閉じられていた場所が、今はぱっくりと開かれて彼のものを根元まで咥え込んでいる。
「〜〜〜〜〜〜〜っ!」
痛み、息苦しさ、そして何かが壊れるような感覚。
しかし満たされる感覚も同時に生まれ、ニャアンを包み込んでいた。
繋がったまま、エグザベは彼女の手を強く握り、首筋や胸部に口付けを落とし、戯れる。
すぐにでもこの狭くて熱い場所を味わいたかったが、彼女の身体が今内部に入り込んでいるものに馴染むのを待つために堪える。 - 30二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:47:01
だんだんと緊張していた内部がうねりを上げて、彼女の最深部が締め上げてくる感覚がしてくる。
ゆっくりと、その最深部に彼のものが強く押し付けられる。
「ひぅ……っ!」
雌猫の鳴き声。
「ここも弱いんだね」
律動が始まる。
「はっ……ぁ゛……ぁ゛……」
涙まじりの鳴き声。
よく下準備をしたからか、涙を流しているものの、表情は発情した雌猫のそれだった。
エグザベは目の前の雌に意識をすべて奪われ、思考も理性も掻き消されていた。
ただただそれを貪り喰らい尽くす。
彼女の内側を抉り取るような激しい動きは苛烈さを増してゆく。
「ぁ゛ぁ゛……あ」
すでに2度の絶頂を迎えているニャアンの身体は鋭敏を極め、激し過ぎる刺激に耐え切れないのか、もはや意識が朦朧としている有様だった。 - 31二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:48:36
ふとエグザベは寝室に備え付けられた姿見が目についた。
体勢を変える。
エグザベはニャアンを抱いたまま、彼女の身体を背中が自分に向くように起こし、背後から抱き込む。
「ぇ……?」
ニャアンは状況が理解できていないのか、掠れた声を上げる。
「前を見て」
言われた通り彼女は前を見る。
目の前には鏡。
「ぃ……いや……」
ニャアンは思わず目を瞑って俯いてしまうが、エグザベは背後から彼女の顎に触れて無理矢理前を向かせる。
「ぅわ、ぁ……」
鏡に映る自身の姿に。ニャアンはみじめな声を上げる。
自分の身体が、自分の女性の部分が、血の気を含んで赤くなり、濡れそぼって、背後から自分を抱きしめている男のものを根元まで咥え込んでいる。
ぱっくりと開かれたその部分は、ぴくぴくと痙攣して男のものを求め続けている。
グロテスクとも言えるこの状況にありながら、自分の顔は紅潮し、惚けて、溶けたようになっている。
「かわいいよ。とっても」
「やっ……ぁ……」 - 32二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:49:40
背後からの衝撃。
ニャアンの身体が跳ね上がったが、背後からしっかりと抱き寄せられており、その衝撃を逃せずに受け止めた。
その動きもだんだんと激しくなり、エグザベは吐息混じりにニャアンの耳元で囁く。
「しっかり受け止めて」
「ぇ……?」
激しい奔流。
同時に、ニャアンの内部に入り込んでいるものの形が変化している感覚。
「う、ぇ……」
あまりの苦しさに、ニャアンはえずくような声を上げた。
ただでさえ狭い場所で、入り口に栓をするために彼の根元が膨らみを帯びている。
それはイヌ科の生き物の特有の生理現象である。
彼女を離さないように、出したものを一滴たりともこぼさせないように、鍵をかけてしまっている。
「〜〜〜〜〜〜っ!」
身体の中で暴れる熱い液体の感覚に、ニャアンは内部を溶かされるのではないかと錯覚し、反射的に身じろぎするが、それは絶対にこぼれることはないし、離れることもない。 - 33二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:51:03
エグザベはニャアンを抱え込んだまま、ベッドに横たわる。
「ごめん……こうなるとしばらく抜けないから。しばらくこのまま」
「くるしぃ……」
エグザベのニャアンを抱きしめる力が強くなる。
「頑張って」
ニャアンのわずかに張っている下腹部を、エグザベが撫でる。
内部は彼のものと、彼から出されたもので満たされている。
こんな狭い場所で、よく頑張ったと思う。
その一方で、すべてを受け入れてくれたニャアンへの愛しさが込み上げ、エグザベは彼女の首筋に口づけし、そのまま顔を埋めた。
「本当にかわいい」
ニャアンの耳はピンと立ってぴくぴくと落ち着きなく動き続けている。
エグザベの耳は後ろへ軽く倒されている。
しかし彼らの尻尾は絡み合ったまま離れようとしない。
いつからそうだったのか、あるいは最初からずっと絡み合ったままだったのか。
結局二人は繋がったまま一晩を過ごした。 - 34二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:52:17
投下おしまいです。
保湿コメント感謝です。
次の投下は明日の夕方以降です。
フフフ……エグニャックス! - 35二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:58:17
遂にネコチャンが美味しく頂かれてしまった・・・
- 36二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 18:31:15
うおっドスケベ……
あの、繋がったまま朝を迎えるのえっちすぎて大好きなんだよな……
翌日二人はちゃんと訓練に行けるのか!?色んな意味で
あと絶対シャワー浴びてもお互いの匂いが取れなくて部隊の犬の子たちにバレるよね
えっちだ - 37二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 20:32:52
隊員A「ネコチャンから隊長のにおいがする…ヒソヒソ」
隊員B「ネコチャン歩き方が内股気味だ…ヒソヒソ」
こういうことですかわかりません! - 38二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 22:05:03
この世界婚約指輪ならぬ婚約首輪つけたりするのかな…いやスケベなやつじゃなくてね
- 39二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:42:36
気ぶりギャン小隊らしき一団いて草
- 40二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 06:36:24
保湿
- 41二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 14:39:36
辱めニャアンいいですねぐへへ
ありがとうエグザベくん いやエグザベさん - 42二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 14:43:19
潮吹きと鏡プレイとは叡智が過ぎるw
設定年齢23歳と17歳、6歳の年齢差が、初々しさと淫靡さを両立させてくるかんじ
同年齢だと好奇心の強さか耳年増感が勝つ気がするし、もっと年の差が離れると叡智さの雰囲気が変わりそう - 43二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:22:30
- 44二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:23:42
- 45二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:25:46
- 46二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:26:49
「先にシャワー浴びてきなよ。僕はその間にシーツを交換しちゃうから」
エグザベが半身だけ起こし、床に落ちている自身の衣服を拾う。
ベッドシーツは昨晩の行為でぐちゃぐちゃに乱れて様々な体液が付着していた。
ニャアンは彼が衣服を身に付けたのを確認すると起き上がり、毛布で身体を隠しながら浴室に向かった。
脱衣所に備え付けられた洗濯機に体液で汚れた毛布を放り込むと、改めてニャアンは自身の身体がひどく生々しい状態になっていると自覚させられる。
すぐにシャワーを浴びて、彼女はどろどろになっていた自身の下半身に手を伸ばす。
震える指をその内部に入れて、中を確認する。
どろりと、粘度の高い白濁とした液体がこぼれ出た。
「もったいない……」
思わず彼女は呟いた。 - 47二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:28:24
*
車は訓練所とは別の場所へ向かっていた。
エグザベは運転中、ハンズフリーで訓練所にスケジュール変更の連絡を入れていた。
「どこに向かっているんですか」
「病院だよ。緊急避妊薬、必要だろ?」
「……」
ニャアンはやや思案げな顔になり、俯く。
到着したのは一昨日にも訪れた総合病院だった。
婦人科は男性の立ち入りが制限されており、エグザベは落ち着かない様子で待合室の椅子に腰を下ろした。
ニャアンはすぐに診察室へ呼ばれ、わずか数分ほどで診察を終えて戻ってきた。
「もう終わったの?」
エグザベが立ち上がる。
ニャアンは彼の姿を見て違和感を覚える。
「(なにかいつもとちがう気がする……)」
具体的にそれが何かは出てこないまま、ニャアンは病院を出ようとする。 - 48二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:29:41
- 49二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:31:14
*
ワ゛ャン隊の隊員の平均年齢は非常に低く、隊長のエグザベでさえまだ23歳だった。
最年長の隊員もエグザベと一つか二つしか年が違わない。
それでも全員成人はしており、17歳のニャアンはその中で唯一の子供だった。
午前のミーティングでは、エグザベが突然のスケジュール変更を詫び、今後の予定を伝えていた。
隣にはニャアンが控えており、一人だけ訓練内容が異なる彼女は、どこか所在なさげにしている。
ワ゛ャン隊の隊員の多くは犬の獣人だ。
嗅覚に優れた彼らはすぐに違和感を察したし、そうでない者も、二人の様子を見れば何かがあったことに気付いた。
いつもはきちんと仕舞われているエグザベの尻尾が、今日は仕舞い忘れたのか外に出ており、その大きなふさふさの尾がニャアンの細く長い尻尾と絡み合っている。
当人たちはそれに気づいていないのか、エグザベは至って真面目な顔で話を続け、ニャアンは感情の乏しい表情のまま、ミーティングが終わるのを待っている。 - 50二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:34:34
「エグザベ隊長の尻尾、初めて見たね」
ミーティング終了後、二人しかいない女性隊員の一人が、小さな尻尾をぱたぱたと振り回しながら、もう一人に声をかけた。
小柄な彼女は、まさに小型犬のようだった。
ぴんと立った耳を揺らし、瞳をきらきらと輝かせている。
「あの二人のにおい、すごかったよね」
「すごかったし、尻尾もなんかいちゃついてたし、子ネコちゃんもなんか歩きづらそうだった」
もう一人の女性隊員は声こそ落ち着いていたが、耳は忙しなく動き、尻尾はちぎれんばかりに揺れていた。
「お前ら、あんまり無粋なことを言ってやるなよ」
数少ない非獣人の隊員が、苦笑まじりに二人の会話へ割って入った。
「隊長も男だったってことだよ。俺たちは気づかないふりをしてやろうぜ」
「子ネコちゃんはまだ17歳だよ? 心配だよぉ」 - 51二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:36:11
小柄な女性隊員が口を尖らせて言う。
その耳の先はわずかに伏せられ、尻尾が落ち着かない。
「あんなにおい撒き散らされて、同じ獣人としちゃ黙って見てられないね」
もう一人の女性隊員が同意する。
「そのにおいって、どんなにおいなんだよ」
非獣人の隊員が首を傾げる。彼にはそれがどんな感覚なのかまるでわからない。
小柄な女性隊員は顔を真っ赤にして視線を逸らした。
「すごーーーく、いやらしいにおいだよ」
「いやらしいにおいだったな、嗅いでるこっちも気がおかしくなる」
二人の女性獣人の耳と尻尾が同時に激しく動く。
「そういえば、午後のミーティングの内容ってなんだろうな」
非獣人の隊員が話題を変えようとする。
「キシリア様とギレン総帥の会談の護衛任務については昨日話したばっかりだしねぇ」
「わざわざ隊長が招集するんだ、きっとすぐに伝えたいことがあるんだよ」
そんな他愛のない会話を交わしながら、二人の女性獣人と一人の非獣人の隊員は、訓練に戻っていった。 - 52二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:37:15
投下おしまい。
次の投下は0時前後の予定です。
保湿とコメントありがたいです。
ドスケベは光ですからね。 - 53二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:40:46
バレテーラ
- 54二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:56:13
尻尾に気づかないとはエグザベ君も動揺してるな
- 55二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 21:06:25
わんこ系獣人って、犬種によって外見さまざまなのかな?
柴犬、シェパード、ビーグルぽい耳とシッポとか
ボルゾイ、サルーキ系は超絶美形 - 56二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:25:32
*
「よし、みんな集まったね」
午後のミーティング。
午前中とは違い、エグザベの尻尾はきちんと仕舞われている。
彼がいつも尻尾を隠すのを隊員たちは不思議に思っていたが、『隠し事ができない』からだと知って、皆納得した顔をしている
「エグザベ隊長、ニャアンさんがいません」
隊員の一人が声を上げる。
エグザベは軽く頷き、平静に答える。
「ニャアンはシミュレーター訓練中。これから話すことは、君たちに伝えておかなければならないことだ。そして相談したいこともある」
エグザベは銀色のアタッシュケースを会議室のテーブルの上に置く。
「これは新型の狂犬病の治療薬だ。フラナガン博士が、ワ゛ャン隊の犬の獣人の人数分を提供してくれた」
隊員たちはざわめく。
「分かっていると思うが、新型の狂犬病は犬の獣人にしか発症せず、感染力自体は弱い。こうして会議室に集まって会話した程度では感染しないだろう」
「だが、一度発症してしまえば生存率はほぼゼロだと報告されている」
エグザベは深呼吸をひとつして、次の言葉を選んだ。 - 57二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:28:25
- 58二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:33:00
「ここにある……君たちのために用意された治療薬を、一つ分けてほしい」
エグザベが頭を下げる。
「どうしても治療をしたい人がいる」
「彼は僕の同期であり友人で……今は新型の狂犬病で意識不明の重体だ」
エグザベの脳裏に、医療施設で眠るミゲルの姿が浮かぶ。
エグザベは言葉に詰まりそうになりながら続ける。
「それだけじゃない……彼はギレン派のスパイだ。先のジフレドのパイロット候補だった二人の獣人に新型の狂犬病を発症させ、猫の獣人であるニャアンに至っては直接手にかけようとした」
部屋の温度が一段と下がるような感覚。
先にジフレドのパイロット候補だった二人の獣人もまた、エグザベの同期であり友人であることは言わずとも皆わかった。
誰も即座には言葉を返せない。
「だが取り調べを受ける前に、彼は新型の狂犬病に罹ってしまった」 - 59二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:37:01
- 60二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:42:19
「だがきっと、全て謎のままにして彼を闇に葬ったら、とても恐ろしいことになると僕は思っている。根拠はない。全て僕が勝手に考えていることで……そんな理由で君たちの中の誰かを犠牲にしてはならないとわかっている」
しばらくの沈黙。
重い空気が会議室を満たす。
やがて隊員の一人が声を上げる。
ワ゛ャン隊にいる数少ない非獣人の隊員だ。
「俺も絶対に発症しないから、あくまで中立の立場から言うけど……俺は隊長がそうしたいならすればいいと思う。本当にここにいる犬の獣人たちの命を軽く見てるなら、最初から治療薬のことなんて隠すだろうし」
彼は続ける。
「どうせ俺たちの命は軽い。ここの獣人の誰かが一人犠牲になるなら、寂しくないように俺も一緒に死んでやる」
小さなざわめきと共に、ひとり、またひとりと反応が出る。
獣人の一人が静かに言った。
「自分たちは、隊長に命を預ける覚悟があるからここにいるんですよ」
口々に隊員たちは声を上げる。
「顔をあげてください!」
「ニャアンちゃんを手にかけようとした理由もちゃんと聞くべきだ!」
「隊長、僕たちの中の一人の命を賭けるんだ。ちゃんと真相とやらを突き止めてきてください!」
その言葉に、エグザベの肩から力が抜ける。
そして震える声でワ゛ャン隊の隊員たちにお礼と謝罪の言葉を述べた。 - 61二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:43:58
投下おしまい。
次の投下は明日の夕方以降の予定です。
わんちゃんはいろんな犬種います。
女性隊員はプードル系とシェパード系のイメージです。
ミゲルの生殺与奪…どうしよう - 62二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 01:16:12
そうだそうだ!みんなの前でどんなプレイをしたか赤裸々に話すべきだ!
- 63二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 09:19:51
公開尋問w
- 64二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 13:37:40
- 65二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 15:25:45
ミゲル、他の同期二人が何とか助かってくれるなら生きててくれた方が嬉しいけどねえ……
それはそれとして初めてであんなになっちゃったのは発情期のせいであってそうじゃない私はあんなにいやらしい女じゃない!ってやるニャアンが発情期じゃないときにもいいところいじめられて潮吹いちゃって完堕ち調教済みのいやらしい女ですって卑しか雌猫晒してほしい
私こんなえっちな女じゃない、ぜんぶ少尉のせい、ひどい、ってぐすぐす泣きながらうんうんそうだね君の全部僕が責任取るからねって挿入されててほしい - 66二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 15:46:18
ミゲルと同期ズの犬種はなんだろう
- 67二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 15:55:14
ミゲルはスペイン系ルーツなのでスパニエル系?
なんかミゲルってエグザベや他の同期二人よりももとになった犬種の体格とか小さめな気がする
金髪はゴールデンレトリバーとかかも - 68二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:45:52
訓練が終わった。
エグザベの運転する車の助手席で、ニャアンは小さく息を吐いた。
「何かあった?」
「ワ゛ャン隊の女の人たちから……私とエグザベ少尉はどんな関係なのかって聞かれました」
ニャアンは横目でエグザベを見る。
「あなたが尻尾をしまい忘れたせいです」
「それはごめん。それで、君はなんて答えたの?」
「枕でおもちゃとだけ」
エグザベの表情からは感情が窺い知れない。
ニャアンは声を落として問いかけた。
「エグザベ少尉、私たちの関係って、なんですか?」
エグザベは前を向いたまま答える。
「僕は君とつがいになりたいかも」
ニャアンは赤くなった顔を隠すように、窓の外へ顔を向ける。
「それは……責任感から?」
「それはもちろんあるけど、君が僕のことを好いてくれているし、僕はそれが嬉しいし、君のことが好きになった」 - 69二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:46:54
- 70二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:47:55
- 71二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:49:55
- 72二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:51:05
- 73二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:52:38
- 74二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:54:54
- 75二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:57:56
彼は嘘をついている。
しかしそれを指摘する勇気が出ず、ニャアンは小さく息をついた。
「キシリア様が知ったら、村の空気を汚すなと言うはずです」
言いたいことはたくさんあった。
寂しかった。
また置き去りにされるのかと思って怖かった。
しかしニャアンはそのどれも喉の奥で飲み込んだ。
「……もしかして、ずっと起きてた?」
エグザベの問いに、ニャアンは小さく頷く。
「今日の訓練、大丈夫そう?」
「……今から少し寝られたら、なんとかなると思います」
「そっか。じゃあそうしよう」
エグザベは上着を脱ぐ。
二人は再び寝室へ戻る。
ベッドに横たわると、ニャアンはためらいもなくエグザベを抱きしめ、胸に顔をうずめた。
彼の体温が伝わり、鼓動が響く。 - 76二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:59:53
- 77二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:00:59
- 78二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:04:20
投下おしまい
保湿コメント本当にありがとうございます
早くスケベ書きたいです
ミゲルは某ピクサーの某リメンバーミーをに出てくる黒いワンちゃんのことを考えながら書いてました。
主人公もミゲルくんだし…黒いワンちゃんアレブリヘになっちゃうし…
しかしこっちのミゲルくんはメキシコやんけ!って思いました。
スパニッシュもかわいい。グラナダはいぬいぬしい空間で絶対癒されますね。 - 79二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:17:47
乙です
このエグザベくんは獣人なせいかスレ主さんの他作品より合理的でS度が高いように感じる
>>5のいくらでも時間をかけるつもりの余裕もオスメスの力関係あってこそというか
今も何か含みがあるのにそれほど動揺しないし他にどんな顔を隠し持っているのやら
- 80二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:29:09
発情期のオオカミは攻撃的で独占欲が強くなるらしいからね…
- 81二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:41:03
不穏な空気が漂うとドキドキしちゃうね・・・
- 82二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:55:02
そこで癒しのプードルちゃんとシェパードちゃんですよ
- 83二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 21:04:39
ニャアンに心配かけないように狂犬病の件を調べているだけにしては妙な雰囲気を漂わせるエグザベくん
時々不穏な単語も出るし続きが気になりますね…
それはそれとして狼ザべ君と猫ニャアンのガオガオニャンニャンな夜はもっと気になりますね… - 84二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:32:38
────昨晩。
エグザベはニャアンが眠りに落ちたのを確認すると、物音を立てぬよう家を抜け出していた。
上着を羽織り、車に乗り込む。
彼が向かったのはミゲルが入院している医療施設だった。
車を医療施設からやや離れた場所に止めると、医療施設の門の外にある配送用の出入口のシャッターの隙間から身を滑り込ませた。
院内の地図を頭に描き、迷うことなくミゲルの病室へ向かう。
病棟には、居残りの研究員と夜勤の看護師が巡回しているだけで、人影はほとんどなかった。
記憶を頼りに進み、ミゲルの病室へ繋がる扉を見つける。
幸いなことにロックはかかっていない。
外側からのみ自由に出入りできる構造のようだった。
機械の低い鳴動と、管を通る水の音、そしてミゲルの微かな呼吸音が聞こえる。 - 85二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:34:57
- 86二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:37:24
- 87二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:43:10
ミゲルは、もつれる舌と乾いて掠れた喉から、かろうじて声を絞り出した。
「……イヌマグヌッコを、止めろ……」
唇を震わせながら、断片的に言葉を紡いでいく。
「キシリアは……アースノイドや……敵対勢力を……家畜に……」
「特定の遺伝子にしか……発症しない病を……管理のために……」
エグザベは、一語一句を逃すまいと耳を澄ませた。
「ぼく、たちは……人間、だろ……?」
ミゲルの手が震えながら伸びる。
その先には、ベッド脇の生命維持装置のパネル。
「何を……!」
エグザベはそれに気づき、咄嗟に手を伸ばした。
だがミゲルの動きは、衰弱していることが嘘のように素早い。
彼は震える指先で、装置を乱暴に操作した。
生命維持装置の稼働を乱すこと。
それだけがミゲルの目的だった。 - 88二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:44:28
- 89二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:48:40
- 90二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:49:51
投下おしまい。
コメントありがとうございます。
次の投下は明日の夕方以降。
早くスケベ書きたいです。
ごめんよミゲル…… - 91二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 00:01:35
こんなシリアスな展開なのにイヌマグヌッコで笑ってしまう
- 92二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 00:12:27
イヌマグヌッコって犬と猫だけなのかな?
サルの獣人とかになっちゃったらかなり悲しいな - 93二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 08:00:56
保湿
- 94二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 11:42:27
やるべきことに囚われた男はニャアンを置いて行ってしまう……
しかしエグザベくんもだいぶ立場が厳しいよね
本編で全然情報与えられてなかったけど、じゃあ情報があればちゃんと動けたのかっていうと……っていう逃げ場のなさ
ギレン派はクローン強化人間とかやってるし連邦も強化人間使ったテロやってるしで実験動物にされる可能性がデカいしサイド6はジオンや連邦に睨まれたくないので逃げ場にはならない
その上でキシリア派はこれ
本編ならまだキシリア派は大人しく従ってれば身の安全だけは保障されたかもしれないけど、こっちの世界線だとエグザベくんはまだ知らないとはいえ子供は取り上げられて実験動物にされるのが既定路線
シャリアに助けを求めるにしてもキシリアとギレン同時キルのためにはイオマグヌッソ(コ)の竣工式で二人が同じ場所に来てくれないと駄目なので現時点ではシャリアすら味方にはなってくれない地獄
ここから入れる保険ってあるんですか!? - 95二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 17:45:50
なんとか…こうシルバニアパワーでこう…ふわふわっと……
- 96二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 19:14:07
- 97二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 19:15:22
- 98二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 19:17:16
*
医務室での一時間弱の仮眠の後、ニャアンは昼食を取るように言われ、ワ゛ャン隊の女性隊員二人と同じテーブルに座ることになった。
一人は明るくて小柄なプードル系の獣人。
もう一人はシェパード系の獣人で、落ち着いた雰囲気を漂わせているが、耳と尻尾は常に忙しなく揺れている。
「ニャアンちゃん、グラナダ村は慣れた?」
「ここは他の村と勝手が違うから、最初のうちは体調を崩すことも珍しくない。エグザベ隊長はそういうのの察しが悪いから、なんかあったらいつでも相談してよ」
グラナダ村に来てからニャアンの身体は変化を続けている。
彼女はそれに振り回され続け、自己同一性もちっぽけな自尊心もすでにめちゃくちゃだった。
「ありがとうございます……」
純粋な親切が嬉しかった。
世間話が続く中、ニャアンがぽつりと呟いた。
「……つがいって、どんな感じなんですか?」 - 99二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 19:19:16
スプーンを持ったまま、プードルの女性が目を丸くした。
「えっ!? いきなり!? どうしたの?」
「急に知りたくなりました」
ニャアンの真面目な声音に、二人の犬の獣人は一瞬だけ顔を見合わせ、質問の意図を察して、耳と尻尾をぶんぶんと動かし始めた。
「うーん……犬のつがいはね、すごく近いよ」
先に口を開いたのは、おしゃべり好きなプードルの女性隊員だった。
「相手のにおいを嗅ぐと落ち着くし、体温が伝わると安心する。一緒に寝ると、心臓の音が揃う気がするんだ。ああ、でもこれって全人類共通かも」
顔を赤くしながら、続ける。
「発情期が来たら気になる相手とくっつくけど、終わるとケロッとしてまた別の相手を選ぶ不届者もいるんだよ。うーん、これも人間と同じかなぁ」
隣のシェパードの女性隊員が、軽く補足する。
「気が合えば長く一緒にいるけど、そうじゃなければ自然と離れる。犬のつがいはあんまり人間の恋人同士と変わんないよ」
その言葉にプードルの女性は苦笑しながら、自分の耳をぴくぴくと動かした。
「わたしも昔つき合ってた人とはそんな感じだったなぁ。一緒に寝ると落ち着くし、においが心地よくて。もちろん好きって感情はあるけど、とにかく安心するの……戦争なんてなければ、今も一緒だったかも」
「……」
その言葉に、ニャアンは思わず息を詰めた。 - 100二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 19:20:36
空気の変化を察したのか、シェパードの女性が少し声を落として話題を変える。
「狼のつがいは、私たち犬と結構違うよ」
本当に知りたかったことはこっちだろうと、彼女は語りかける。
ニャアンの耳がぴくりと動いた。
「狼の獣人ってさ、一途な奴が多いんだって。普通に恋人作って恋愛関係を築くこともあるけど、つがいは別格。一度つがいになると一生その相手だけ。片方が死ぬまで他の異性には目もくれないんだって」
「……生涯の相手、ってことですか?」
ニャアンの食事の手が止まる。
昨日、エグザベから『つがいになりたいかも』と言われた。
彼の口調はいつもと変わらず、特別な響きには聞こえなかった。
だからその言葉の意味を『恋人のようなもの』だと思っていた。
本当に彼は、自分と生涯を共にしてくれるのだろうか。
「言い忘れてた!」
プードルの女性が、照れ笑いを浮かべながら口を挟む。
「狼の発情週ってすごいんだって!」
その言葉にニャアンの耳がピンと立つ。 - 101二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 19:22:17
「だいたい一週間、毎日交尾! その後もいっぱいイチャイチャするって聞いたよ!」
「ま、毎日……?」
ニャアンの頬がみるみる赤くなっていく。
その様子が面白くて堪らないのか、二人の犬の尻尾はもはや千切れんばかりに揺れている。
「狼の交尾って、なんかお互いの絆を深め合うための儀式とか聞いたよ!」
ニャアンは両手を膝の上に置き、俯いてしまった。
好奇心とお節介が、二人の女性隊員を興奮させる。
「ニャアンちゃん、犬だ狼だ言っても結局人類だし、実際に毎日ってわけじゃないと思うよ? 無理したら身体壊すし」
シェパードの獣人は呟く。
「そうそう! 誰とは言わないけど、あの人って機体の操縦めっちゃ荒いし!」
「わっ、私の話じゃないです……!」
ニャアンは声を絞り出す。
二人の女性は顔を見合わせ、少し意地悪な笑みを浮かべた。 - 102二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 19:23:18
投下おしまい。
保湿とコメント大変ありがたいです。
次の投下は0時前後です。
スケベさえ書ければよかったのに…