「ss」「リー清」清夏が極月学園に入学した話ーーリーリヤ編

  • 1二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:53:37

    カテゴリー間違ってしまいましたので再投稿します!!迷惑をかけて申し訳ございません!!
    とある日、急にいなくなった友人が、N.I.Aのステージに出場し、リーリヤを潰した話。今度はリーリヤ編何だけど、代わりに清夏編も後日完成した次第に投稿します。
    読んでいただいた方々に意見や感想だど是非教えてください。創作の一番のモチベになります!
    本当のタイトルは「non-parallel」です。
    ※ピクシブで投稿したものの再録になります。既に内容を知ってる人は懐かしみながら読んでくれると嬉しいです。

  • 2二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:55:32

    何年もあとになって、リーリヤは幼い頃、親友と一緒にライブを観に行ったあの日をはっきりと思い出せる。
    眩い灯りの下、ファンたちの歓声に包まれながら、二人はサイリウムを重ねて誓い合った——「絶対、一緒にアイドルになろうね」
    それなのに、どうして今のあなたは、あんな場所に立っているの?
    リーリヤは、ステージの中央で真っ黒な演出服に身を包み、久しく会っていなかった友人に向かって手を伸ばす。
    ——遠い。
    と思わず、そう感じた。
    「久しぶりだね、清夏ちゃん……」
    されど細い声は、一瞬にして歓声の波に呑み込まれてしまった。

  • 3二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:56:37

    「葛城さん?葛城さん!」
    「あ、はい!すみません、どうしたんですか?」
    リーリヤに記憶中に呼びもしたのは、彼女のプロデューサーだ。
    「何を見ていますか?」
    プロデューサーは優しい人だ。
    初星学園の数多くの優秀なアイドルの中から、この外国出身でまだ日本語さえうまく話せない彼女を選び、彼女のわがままな急な予定変更にもいつも根気よく付き合い、一歩一歩丁寧に支えている。
    もし清夏ちゃんまだいるなら……
    彼女は再びスマホを見て、壁紙には空色とオレンジ色のサイリウムを重ねた写真が映っている。
    「親友との、昔の写真です」
    「そうですか…」
    彼女はそのまま沈黙を続けながら、プロデューサーの次の質問を待っていた。そもそもプロデューサーが必ず質問しなければならない理由などなく、それはただの予感に過ぎなかった。
    「葛城さん、今何時か知っていますか?」
    プロデューサーは確かに問いかけた。しかし、彼女にはその期待が叶えられなかったように感じられた。改めて考えると、自分が一体何を期待しているのか、彼女自身もわからなかった。
    と言っても、彼女は相手の話に乗りながら、画面上の数字を見た。
    「あ、本当だ、もう帰らないと……」
    彼女はあたふたと荷物を片付け始めた。プロデューサーはその間に、二つ目の質問を投げかけた。
    「葛城さん、最近は少し頑張りすぎていませんか?」
    「頑張りすぎ、というのは?」
    「もちろん、葛城さんの性格は分かっているつもりです。でも、ここ最近は少し前と違うように見えて……。何と言えばいいのか、何かに追われているような、そんな感じがして。焦っていらっしゃるんですよね?もしかして、あのご親友のことでしょうか」
    プロデューサーはつい彼女の期待に応えてくれた。しかし、心奥から湧き上がってきたのは満足ではなかった。「親友」という二文字の角が、そのまま胸を刺し通されたようで、彼女は鋭い痛みを感じた。
    「ううん、この前清夏ちゃんに会いました」
    「そうですか、ようやく…と言いたいですが…」
    彼女は手を止めた。
    プロデューサーの声が、まるでファスナーの噛み合わない歯のように聞こえて、どうしようもなく胸が苦しくなった。
    「どうやら、嬉しい再会とは言えませんね」
    「違うんです、清夏ちゃんは約束を捨てたんじゃない。今でもちゃんとアイドルをやっています!」
    声は勝手に彼女の口から飛び出した。

  • 4二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:56:40

    前スレがあるなら前スレを貼れ

    あと

    >ピクシブで投稿したものの再録になります

    はいいけれど他人が転載、加筆するのは問題だから本人証明してくれや

  • 5二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:57:45

    「これでいいですか?」
    彼女はどこかがおかしい、と思って、吐き気さえ覚えた。それでも無理やり言葉を絞り出した。
    「はい,これでいい…ほんとに…よ、かった…」
    レッスン室は、怖いほど静まり返っていた。けれど彼女の頭の中は、もうぐちゃぐちゃだった。いくつもの声が耳元でごちゃ混ぜになって、訳のわからないことを囁き続ける。胸にはぐるぐるした感情が詰まって、息ができないほどだった。
    彼女はこの苦しさから逃げたい、その感情を叫びたい。しかし誰かにミュートボタンを押しされたみたい、何か目に見えないプレッシャーに押されて、彼女はただ、もっともらしい言葉を口にするしかなかった。記憶はぐちゃぐちゃに乱れて、親友に関する映像は、保存ミスの画像みたいにモザイクだらけになっていた。なのに、プロデューサーの声だけは妙に鮮明に聞こえていた。
    「葛城さん、プロデューサーの前に、強がらなくてもいいですよ。」
    他の言いたいことがあるでしょう?と、 プロデューサーの優しさは彼女の理性を打ち砕く最後の一石になった。
    「センパイ、私……別に、これでいい――」
    「……いいわけ、ありません!」
    「一緒にアイドルになるって約束したのに! 一生の親友でいようって言ったのに! こんなふうに黙って離れてて、どこが親友なんですか?あの約束、一体何だったんですか?!」
    「私に才能がなかったからですか? 努力が足りなかったからかですか? 私、清夏ちゃんを……がっかりさせたんですか?」
    「センパイ、私……わたし……っ」
    友情という堤防が音を立てて崩れ落ち、感情は堰を切ったように溢れ出し、二筋の涙となって頬を伝った。
    「恐らく紫雲さんは自分なりの事情があるんでしょう」
    プロデューサーの声また続いていた。
    視界にどこから二つの影は差し込んだ。彼女はそのうちの一つを掴んてみたら、自分のタオルでした。
    「じゃ当面で聞かればいいんじゃない?」
    「センパイ、何でも知っているくせに、ずるいです」
    「ごめんなさい、でも葛城さんには自分の口で言い出して欲しい。紫雲さんのことは、N.I.Aのステージで聞きましょう」

  • 6二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:01:58

    このレスは削除されています

  • 7二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:03:06

    「リーリヤ、この振りはこう…」
    「どうして?」

    「リーリヤ、いつもの笑顔は可愛いのに、何で練習の時ゾンビ顔になるのよ」
    「どうして?」

    「大丈夫、リーリヤは絶対アイドルになるんだ。だって、昔からやりたいこと全部できるじゃん」
    「どうして?」

    「リーリヤ、約束、したんだよ…」
    「どうして!」

    記憶から現実に戻った時、リーリヤはすでに控室にいた。さっきのオーディションもう終わっていて、壁にかけられたモニターには相手の顔が映されていた。
    「清夏ちゃん…」
    彼女は相手の顔と記憶にある顔と重ねてみた。濃いアイメイクも、やや鋭い目尻も、笑い時に白い歯がのぞく癖さえも——紫雲清夏という名を隙なく結びついていたる。
    …はずなのに、その何千回、何万回と見つめたその緑色の瞳に、かつての友人の存在が皆目も感じられない。
    「葛城さん、出番ですよ」
    「センパイ、清夏ちゃんのダンス…」
    「うん、素晴らしかったより、むしろ…こわかった」
    たとえ古くて低解像度の画面でも、友人のパフォーマンスの余熱は、なおも彼女の視線を灼くように燃え続けていた。すべてを焼き尽くす勢いで四肢を振り回しながら、黒い影は烈火のごとく、この公演を見つめる全員を席巻した。
    リーリヤの手が震えている。しかし、それは失敗を心配してのことではなく、野獣のように、火に対する遺伝子に刻み込まれた恐怖から来るものだった。彼女は初めて、アイドルという憧れた道に、こういう感情を生み出した。心臓は胸を突き破らんばかりに鼓動し、汗が全身を覆っているのに、彼女はまるで故郷の冬に戻ったかのように、寒気が簡単に服や肌を突き抜け、内臓にまで入り込み、神経を凍らせていた。でも彼女にマフラーを分け与え、温もりをくれるあの人はもういなかった。葛城リーリヤはただ勇気を振り絞ってみて、足を前に踏み出そうとした。
    「それでは、行ってきます」
    彼女の視界が霞んでいる。気がついたら、自分がもう吹雪の中で迷い、一人ぼっちになった。

  • 8二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:04:06

    >>6

    宣伝行為は禁止だしリンク貼っただけじゃなんの本人証明にもならないが

  • 9二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:04:36

    惨敗。
    リーリヤを含め、紫雲清夏は「神童」の名にふさわしい圧倒的なパフォーマンスで、アイドル全員をーー勝負とすら呼べないほど、打ち負かした。
    彼女の前では、デビュー間もないアイドルたちのステージなど、まるで子どもの遊びのように見えてしまう。
    それでもリーリヤは、そんなことを一切気にしなかった。
    息を整えることすら忘れ、ただ一直線に、ステージを降りるなり清夏の控室へと駆け出した。
    久しぶりに──毎日毎日思い続けてきた親友の背中が、ただいま、一歩前に立っている。
    「清夏ちゃん!!」
    「久しぶりね、リーリヤ」
    相変わらず軽やかな口調だが、声が少しかすれて聞こえる。
    「どうしたの、そんなに急いで…」
    「どうしたって、清夏ちゃん何で極月学園にいるの?」
    「あたしどこに行きたいとリーリヤに関係ないでしょう?」
    「じゃ何でなにも話してくれないの?一緒にアイドルになるって約束したじゃない!?」
    「アイドルってどこでもなれるでしょう」
    「でも、何で一言も言わずに…私たちは親友じゃないの?」
    親友、口でこの言葉を出す時にも、リーリヤはまだ清夏は何らかの事情や、あるいはやむを得ない理由で離れた、と信じている。
    「実は、あたしはちょっと苦手なんだ、リーリヤのそういうとこ」
    しかし、現実は彼現実は容赦なく彼女に痛烈な一撃を与えた。
    「えっ…」
    なにか「ドン!」で地面に落ちた。視界が一瞬で暗くなり、彼女はまるで魚になったかのように、何の前触れもなく火炉へ投げ込まれ、皮膚が焼かれ、すべての感覚が一気に遠ざかっていくのを感じた。どれほど必死にもがいても酸素を取り込むことはできず、恐怖が体の隅々にまで広がっていく。頭が今にも崩れ落ちそうになり、全力で踏みとどまって、ようやくその場に倒れ込まずにいられた。
    「いつもあたしに憧れて、追いかけたいとか、そういう責任を勝手に駆けてくれると困っちゃう…」
    「でも、最初私にアイドルを見せてくれたのは清夏ちゃんだし、私を日本に連れて来るのも清夏ちゃん、今まで私を導いているのが清夏ちゃんだよ!」
    「じゃ、先のパフォーマンス何なの?あなたは言ったあたしを追いかけていた成果が、その見苦しものなの?」
    「それは…それは…」
    「そろそろ終わらせようか、子ども遊びの約束を…」

  • 10二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:05:55
  • 11二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:05:59

    とりあえず本人証明どうこうは気にしなくていいぞ、スルーして削除しな
    ちょいちょいいるんだ、難癖付けたいだけのやつ

  • 12二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:06:27

    宣伝禁止はわかりました。けど、本人の証明はどうしればいいですか?

  • 13二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:07:53

    >>11

    いやプロフかどっかで「あにまん晒し中」とか入れればすむ話じゃん…

    無断転載か?って思われながら投稿するほうがあれだろ

    っていうかそもそも宣伝自体が禁止だが

  • 14二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:08:53

    おっけー
    ありがとう、そうします!

  • 15二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:09:45

    他人の作品晒して叩かせる目的の奴がいるから本人かどうかは最低限出すといいぞ
    まあそもそもあにまんの規約は読んでからあにまん使おうね…

  • 16二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:11:08

    >>12

    わかりました(宣伝し続ける)

  • 17二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:12:07

    このレスは削除されています

  • 18二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:13:07

    (匿名掲示板で自分のSNSのリンクを晒すの危ないぞ…)

  • 19二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:13:14

    すべてのもがきは無駄だった。命綱を切れたとたん、リーリヤ最後の力を失い、地面に倒れ込んでいった。床にはきらきらとした破片が散らばっていて、それは涙のようでもあり、水晶のようでもあった。意識の最後に残ったのは、ハイヒールが床と触れる音だけで、それはゆっくりと希望の死を告げるかのように遠ざかっていった。
    「さよなら」
    -------------------------------------

  • 20二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:14:33

    「もう終わりだよ、リーリヤ」
    「清夏ちゃん!!」
    目の前は見慣れた天井だった。月の遺骸は床に横たわっている。
    「今は何時…」
    リーリヤはスマホを手に取り、何度も画面を見返して、ようやく今は午前三時のことを頭に入った。
    オーディションからもう一週間が過ぎたが、毎晩親友に捨てられる夢にうなされて目を覚ましている。
    今夜また眠れない夜だった。彼女は起き上がり、月明かりを頼りに机の前に座って鏡の中の自分を見つめた。
    目と鼻の境目はすっかり影に覆われていて、目は充血し、目尻も腫れてひどい状態だった。まるでアニメの中で何かウイルスに感染したロボットのパイロットのようだった。
    頭の中は真っ白で、何か考えようとしてもすぐに諦めてしまった。友人だけでなく、まるで時間さえも自分を見捨てたように感じる。この一週間、自分が何をして、どう過ごしてきたのか、もうまったく思い出せない。
    ──もういい、どうせすべて終わったのだから。このままでいい。
    と考えながら、葛城リーリヤは力を抜き、闇に四肢を食われ、静寂に沈みゆく。
    「ディン・ドン!」
    この静かさを破ったのは、プロデューサーからのメッセージだった。
    「まだ起きていますか?寮の入口でお待ちしています」

  • 21二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:15:49

    二人は前後に連なって街を歩いていた。
    こんな深夜に呼び出されたリーリヤは困惑を感じる。
    真夜中に呼び出されたリーリヤは疑問に思ったが、すぐに問いかける気持ちを打ち消した。今の彼女にとっては、口を利くことさえ億劫で、ただ機械のように前を行く人の足跡を辿りながら足を運んでいた。
    「やっぱり、寝てなりませんでしたね。」
    「……」
    「先生から、葛城さんが今週ずっと授業を欠席していると聞きました。体調は悪いですか?」
    「……」
    「紫雲さんに何を言われましたか?」
    「あぁ…」
    身体は、馴染みのある名前に反射的に反応してしまった。
    「言いたくなくても構いません。これはお二人だけのことですから。でも、葛城さんのプロデューサーとして、どうしてもお伝えしなければならないことがあります」
    「センパイ、私は…」
    彼女は顔を上げたが、どうしてもその男の顔に視線を定められなかった。
    「葛城さんは何のためこの学園に来ましたか?」
    「それは、清夏ちゃんと…」
    その名前を口に出そうとした瞬間、巨大な悲しみが彼女の喉をぎゅっと締め付けた。
    「と…約束したから」
    息は喉を削るように荒く、彼女は声帯を無理に押さえつけて、かろうじて砕けた言葉を吐き出した。
    「では、まだ覚えていますか。その約束を」
    「い、一緒にア…アイドルになります。」
    錆びた釘を飲み込んだかのような痛みが、四方八方から体を貫き、心臓の奥に残る――友人と自らの手で裂かれた傷痕へと突き刺さる。喉に広がる鉄錆の味をこらえながら、彼女はそれでも、一語ずつを必死に紡いでプロデューサーの問いに答えた。
    「そして、葛城さんは、約束を諦めましたか?」
    「私…」
    「プロデューサーとして、俺は葛城さんの選択を尊重します。ここでアイドルをやめたいと言うのであれば、俺は一言も反対しません。ですが、葛城さんは本当にその約束を捨てたいと考えているわけではないと、私は思うのです」
    「でも、清夏ちゃんは…」
    「彼女は何を言いました?」
    「『私たちの約束は、もう終わりました』と…」
    体に残ったわずかな温もりまでも奪われ、涙は頬を伝って静かに地面に消えた。
    「私ががっかりさせたから、清夏ちゃんは離れていったんだ!私には才能もないし、全然目立たないし、アイドルなんてなれっこない…なれ…ないんだから!」
    積もり重なった悲しみが言葉となり、夜気に溶けて静かな波紋を描い。

  • 22二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:17:17

    「『自分はアイドルになれない』と――葛城さんは本当にそうお考えなのですか?」
    絶望の沼に沈みかけた彼女の背を、ふいに温もりがそっと支えた。揺れる視界では相手の顔を確かめることもできず、ただ男の変わらぬ声だけが静かに耳へと流れ込んでいった。
    「確かに葛城さんは自信が足りないかもしれません。でも、そのことで努力を諦めたことは一度もありません。むしろ、頑張りすぎるくらいで、私はよく困ってしまうほどです」
    「でもそれは清夏ちゃんのことがあっての…」
    「俺はそう思いませんよ。ほら、葛城さん」
    男が突然立ち止まり、彼女は指の先に目を向けた。そこには舞台のような建物が建ち、膝の半分ほどの高さの地面には、まばらに青苔が這っていた。
    「葛城さんには、改めて思い返してほしいのです――約束をしたときの気持ちを」
    「約束時の…気持ち?」
    「紫雲さんは葛城さんの心にどんな大切な存在がわかっています。でも違うんです。葛城さんはもっと大切なことをきっと忘れてしまいました」
    記憶の最も奥に埋もれていた一ページがめくられると、厚い埃の下には、舞台で輝く姿があった。
    「一緒にアイドルになろう!一緒に、アイドルに…なる。いっしょ…アイドル!」
    「紫雲さんは転校する理由がわかりません。ただ、彼女はまだアイドル活動にやっています。続けていて、恐らく誰よりも必死に頑張っていると思います。そうではないですか?」
    「葛城さんより彼女のことを知る人はいないはずです。だから、ちゃんと確かめないのですか?彼女が葛城さんのもとを離れた理由、その言葉を口にした理由、そして極月に行った理由を」

  • 23二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:18:39

    プロデューサーの言葉は、漆黒の中で道を照らす灯火のようだった。なぜか突然、彼女は思い出した――練習の時に持っていたリュックのファスナーの歯がずれていたように、友人の言動にもひとつまたひとつ、違和感が潜んでいたことを。
    約束を諦めと言いながらもアイドル活動を続けて、炎みたいなパフォーマンス、前髪に隠した表情、そして去るときの異様にゆっくりとした足取り。
    ひとつひとつの断片が思考の中から整理され、パズルが少しずつ形を成すにつれて、彼女はあの馴染みの香りを再び感じた――自分の親しい友人のもので、少しツンとする香水の匂いだった。
    金色の光が東の空から昇り、闇を切り裂けて、リーリヤの顔を照らした。
    「センパイ!清夏ちゃん最近のステージ映像がありますか!?」
    「もう準備してきましたよ」
    彼女はプロデューサーを見て、
    彼女はプロデューサーの方を見たが、目に映ったのはただ、まばゆい朝の光だった。
    「ありがとうございます!」
    ああ、この温もり…懐かしいな――
    と、彼女は目をこすりながら、考え込んでしまった。

  • 24二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:20:21

    「センパイ、実は前に清夏ちゃんが私のことを、『やりたいならきっとできる』って言ってくれたんです」
    最終オーディションの控室に、リーリヤは鏡にの自分を見込んでいる。不眠のせいでできたクマは、まだ完全には治っていなかった。ありがたいことに、先輩が見つけてくれたスタイリストは腕が立ち、あっという間にこの問題を解決してくれた。彼女はずっと、清夏ちゃんのその言葉は、本当は制作さんにこそ送られるべきだと思っていた。
    「それは俺も賛成ですね。ところで、先に会いに行きませんか?」
    「大丈夫です。この後で行きます。」
    リーリヤは頭を振りながら言った。
    「清夏ちゃん本当に凄い人、明るくて、誰からも好かれるし、ダンスも上手いです」
    「どうした、負けるのが怖いですか?」
    「そうですね…子どもの頃からずっと、私は清夏ちゃんに勝てるとは思ったことがありません」
    彼女は目を瞑って、心臓の鼓動を感じている。体内を血が巡り、全身に力がみなぎっていくのを実感した。
    「でも、今日は負けない!」
    「センパイ知っていますか?清夏ちゃんこの前と言葉、めっちゃ酷かったんです。『私のことを目標にするなんて、嫌い』とか」
    「おや、それは確かに酷かったですね」
    「だから、私は今度絶対彼女を負かして、好きなところも嫌いなところも全部ぶつけてやります」
    「よりに一発殴ってやろう、アニメみたいに」
    プロデューサー笑ながら、一言付け加えた。
    「うん、そうですね。絶対に勝ったら、思いっきりやってやります!これこそ『親友』ってもんですよね」
    「心配する必要はなさそうね」
    「はい、センパイ!行ってきます!」
    「いってらっしゃい、俺のアイドル」

  • 25二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:22:37

    「おめでとう、リーリヤ」
    「清夏ちゃん…」
    「これで、あたしの仕事も終わりかな」
    相変わらずの黒い服装だが、友人の姿は今や遠くて届かないものではなく、堵とも寂しさともつかない声色はリーリヤに聞こえて、家出してきた子どもみたいに響いた。
    「清夏ちゃんの…おバカ!!!」
    リーリヤは前に踏み出し、ゆっくりと腕を上げて、そのまま相手をぎゅっと抱きしめた。
    「ちょっ!リ、リーリヤ、苦しい、息ができなくなちゃう…」
    「清夏ちゃんのバカ!仕事が終わったって何なのよ!そんなアニメの自己犠牲キャラみたいなセリフ、中二病かよ!?」
    「は?な…何を言ってんの?」
    「どうせ、自分の足が怪我して約束を果たせないって思って、せめて私の背中を最後に押したんでしょ!」
    「ちが…違うの、そんなわけじゃ…」
    計画していた再会の場面は、一瞬にして吹き飛び、彼女は押し寄せる感情に身を任せるしかなかった。長い別れの間に、彼女は伝えたいことがたくさんたくさん、山ほどあった。良いことも、悪いことも、嬉しいことも、辛いことも、悲しいことも、怒りも、共有したいことも、叫びたいことも――無数の言葉は、結局、ヒステリックな感情の発散に変わった。
    「自分がトラウマを克服する勇気がないなら、弱虫のことを素直に認めだよ!いつも自分の逃げることを言い訳を探して、清夏ちゃんのそういうところ、大嫌い!!!」
    「極月学園までに行ってわざわざ私のライバルになって、悪役ぶって約束を捨てるなんて言って、自分に酔ってるだけじゃない!どこからの、熱血漫画にハマってる小学生かよ!」
    「リ、リーリヤは何かわかるよ!?先生に一生立てないかもしれないって医者に言われた気持ち、分かる!?踊り出すたびに、あの引き裂かれるような痛みが記憶から蘇ってくる、その感覚が分かる!? 分かるわけ……!」
    「分かんないよ! 分かるわけないでしょ!でも清夏ちゃんはちゃんと踊ってるじゃん!N.I.Aの最後まで来たじゃん!約束を捨てたとか言いながら、なんでここまで頑張ってるの!?今ここに立ってる清夏ちゃんは、一体何なの!?何も言ってくれないから、分かるわけないでしょ! 全部一人で抱え込んで、どうして私に分かれって言うの!」

  • 26二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:23:47

    「清夏ちゃんの……バカ!」
    リーリヤは力いっぱい背伸びして、頭で清夏の顎をぐいっと突き上げた。
    「いたっ!何すんのよ!?」
    「私は確かに清夏ちゃんのことを憧れています。でも、私はアイドルになりたい理由が清夏ちゃんじゃない!勘違いしないでよ」
    「約束を忘れた人は、清夏ちゃんのよ!」
    「……」
    リーリヤは清夏を放し、二歩ほど後ずさりして、涙を浮かべた瞳で彼女を見つめた。
    「私のライブを見てて、私の、N.I.A優勝者のライブ。その後、もし逃げたいなら、思いっきり逃げればいい」
    -------------------------------------
    「いたた…」
    廊下の角を曲がるとリーリヤは壁にもたれかかっているプロデューサーと出くわした。
    「こんな葛城さんの様子を見る日が来るなんて思いませんでした。頭、痛くないか?」
    「あははは、なんで言うか…流れに任せちゃったって感じかな。」
    「でもかっこいいと思いますよ……紫雲さんの顎大丈夫かな?それは一発殴よりだいぶひどかった」
    落ち着いたあと、さっきの自分の行動を思い出すと、熱さが一気に頬を駆け上った。彼女は片手で風を扇ぎながら、プロデューサーの視線を避けている。
    「そういえば、そのセリフ本当に大丈夫ですか?もし紫雲さんのそのまま諦めたら…」
    「大丈夫です!清夏ちゃんは絶対約束を諦めたりしない。今度は私が前に進む番だ。だって、彼女は私の…」
    「『親友』、でしょう?」

  • 27二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 00:26:30

    以上です!ありがとうございました!

  • 28二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 08:36:49

    ほんとごめん、非常に失礼だとは思うんだけど、日本語が堪能じゃなかったりする?
    もしくは日本の人じゃなかったり
    内容も発想もとても面白かったけど、誤字脱字・表現の齟齬がかなり目立つ…
    気にしすぎかもしれないけど、みんなはどう思う?
    できるんだったらpixiv版も修正した方がいいよ

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています