【TSしのぎゆ・みつおば注意】義勇者の伝説へⅥ【鬼滅DQ】

  • 1二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:26:01

    TS冨岡義勇でDQⅢルックスB勇者(女勇者)やりたいと思い軽率にぼうけんの書を作った6スレ目です
    プレイログと茶番
    TSCP注意:しのぎゆ&みつおば
    しのぎゆのスタートラインどこ?ここ?&みつおばはみつりくんが過保護になってる気がする
    鬼滅の刃本編軸の記憶有な実質後天的TS
    基本ギャグのラブコメで完走目指しています
    自己満足スレですがコメント・保守・ハートをいただけると励みになります

    プレイ環境:HD-2Dリメイク版ドラゴンクエストⅢそして伝説へ…(Switch版)
          難易度「楽ちんプレイ」

  • 2二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:27:46
  • 3二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:29:54

    前回のハイライト

    ぎゆう:趣味詰将棋
    しのぶ:賢者でイメチェン
    みつり:ドレス姿見たかった
    おばない:靴下は気になる

    以上です

  • 4二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:31:17

    さいごの鍵を握り締めテドンの村へと戻ってきた
    牢屋の扉をがちゃりと開ける

  • 5二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:34:05

    すると囚人の幽霊が向こうから語り掛けてきた

    「おお…!やっと来てくださいましたね
     このときをずっと待っておりました…
     運命の勇者が……私のもとを訪ねてくださるこの時を…」

  • 6二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:36:33

    「さあこのオーブを…」
    そう言って緑色に光り輝く玉を囚人の幽霊は取り出した
    やはりあのラクガキに書いてあったことは本当だったのだ

  • 7二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:38:39

    …ナニヲシテイル…

    どこからか地獄の底から響くかのような声が聞こえてきた

  • 8二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:41:26

    その瞬間、囚人の幽霊は暗い風の渦のようなものに飲み込まれていってしまった
    「これはなんだ?」

  • 9二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:46:43

    「ココハワレラノナワバリ…
     …コウフクナモウジャノラクエン…
     …イキルモノ…カッテ…ユルサレナイ…!」
    幽霊?亡霊?…いや違う、こいつらはモンスターだ

  • 10二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:48:24

    ボス6戦目よみのばんにん&ファントム
    HD2Dリメイク追加ボス
    隙あらば仲間を呼ぶため全体攻撃・複数攻撃手段がないと相当きつい
    集団で味方全体に魔法攻撃してくるのも痛い

  • 11二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:50:16

    賢者のおばないが今回の要
    しのぶも賢者だがキモであるマジックバリア(魔法攻撃軽減)及び
    バイキルト(味方物理攻撃力アップ)をまだ習得していないためこちらはベホイミで回復にまわる
    集団バギマはマジックバリアをはっているかいないかでダメージが雲泥の差
    バイキルトでぎゆうを強化して弱点であるいなずま斬りを叩きこむ
    500くらいダメージ出してくれます

  • 12二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:51:38

    とにかく数を同時に減らしたいので全体攻撃は大事、みつりに岩石落とし連打
    しのぶも手がすいているときはイオラ

  • 13二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:54:51

    バイキルトいなずま斬りが効果的すぎて先によみのばんにんがいなくなり最後にファントムを落として撃破
    賢者2枚体制はやはり強かった

  • 14二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:58:26

    よみのばんにんたちを倒すと地面にまばゆい緑の光が溢れた
    ぎゆうはグリーンオーブを手に入れた

  • 15二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 20:01:49

    「世界にちらばるオーブを集め…
     氷と雪の大地、レイアムランドの祭壇に捧げるのです…
     あなたがたにならきっと新たな道が開かれるでしょう…」
    そう伝えると満足したのか囚人の幽霊はその姿を火の玉に変えた

  • 16二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 20:03:31

    「次はレイアムランドか…」
    「また初めて聞く地名ね」
    「だが氷と雪の大地という特徴から場所はかなり限られるな」
    「極北か…あるいは極南でしょうね」
    これで集めたオーブは3つ
    世界にちらばるオーブは6つあるとのことなのでこれでようやく半分である
    だが、一応これを捧げるという祭壇も確認した方がいいかもしれない

  • 17二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 20:05:25

    レイアムランドはランシールからさらに西へと進んだ先にあった
    情報通りに氷と雪に閉ざされた大地に1つのほこらがあった
    ほこらというわりにはここには屋根がない
    塔のような作りで長い梯子がその塔にかかっていた

  • 18二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 20:07:35

    勇者一行がするするとその梯子を上まで登ると
    そこには大きな卵と二人の少女が待ち構えていた

  • 19二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 20:10:04

    「「わたしたちはたまごを守っています
      世界中に散らばる6つのオーブをきんの台座に捧げたとき…
      伝説の不死鳥ラーミアは蘇りましょう」」
    オーブを集めろと言われて集めていたがいったいなんのためにオーブが必要なのかわかっていなかった
    しかしここにきてオーブを集める目的がやっとわかった

  • 20二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 20:12:23

    「「あなたのまとう気配…とある方を思い起こさせます
      その佇まいも瓜二つ
      たった一人でこの祭壇を訪れたお方…
      強く優しい魂を持った真の勇者…
      しかしあるときから…姿を消してしまいました」」
    きっと自分が追いかける父のことだろうとぎゆうは思った

  • 21二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 20:15:04

    「「どうか急いでください
      こうしている間も闇はさらに暗く深く広がっています
      この世界に希望の光を照らすために…
      6つのオーブを集めこの祭壇に捧げてください」」
    少女は巫女らしい
    急いでと言われても…正直どこにあるかもわからないオーブを集めるのはどれくらいかかるかわからない
    魔王の脅威が迫っている危機的事態ではあるが自分には自分ができるだけしかできない

  • 22二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 20:25:28

    ぎゆうは金の台座にあるたまごにそっとふれてみた
    手のひらに温かさが伝わってくる
    命が確かにそこにある、そんな実感がわく

  • 23二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 20:28:31

    まだオーブは3つしか集められてはいないが、とりあえずその3つを捧げていこうということになった
    たまごのまわりを囲むようにある台座を調べてみる
    それぞれ色の違う紋章がついている
    おそらくそれぞれに対応した色のオーブを捧げればいいのだろう

  • 24二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 20:36:02

    貼り忘れ

  • 25二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 20:40:28

    ぎゆうは緑色の紋章がついた台座にグリーンオーブを捧げた

  • 26二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 20:47:11

    すると、その両側に緑色の炎がともる
    なるほど、これでオーブの力を引き出されるということか

  • 27二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 20:50:21

    ぎゆうは続けて赤の紋章がついた台座にレッドオーブを

  • 28二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 20:51:26

    紫の紋章がついた台座にパープルオーブを捧げた

  • 29二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 20:55:33

    とりあえず今の自分にできるのはここまでだ
    「他の3つのオーブも早く見つけないとな」
    「次はどこにいけばいいのかしら」
    「あの旅の扉のほこらから続く先も気になるが」
    「…そういえばさいごの鍵で開けないといけない扉、まだあったのを思い出しました」
    「?…どこだ?」
    「ランシールです、きえさりそうを買った」
    「言われてみれば神殿に全く入れなかった気がするわ」
    「案外そういう大きなことを忘れてしまうものか」

  • 30二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 21:45:00

    ランシールにルーラして神殿の建物の扉を左右から開けていく

  • 31二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 21:47:22

    「イエローオーブは人から人へ世界中を巡っているそうじゃ
     たとえやまびこの笛であってもそれを探し出すことは難しいであろうな」

    「わしには見える
     もし旅先で別れた仲間がいるとすればその者が希望をもたらすであろう」

    突然何か予言めいたことを言われたが意味がさっぱりわからない
    だが、これまでも頭の中に響く予言は役に立ってきたし、これも今後役にやつ予言なのかもしれない
    一応は覚えておくことにした

  • 32二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 21:55:04

    最後に中央の大きな建物に入る
    一歩入っただけでいかにも左右の建物とは違うと感じた

  • 33二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 21:57:29

    「よくきたぎゆうよ!
     ここはくじけることのない真の勇気を試される神殿じゃ
     挑戦に挑むのはそなたらの先頭に立つ者のみ
     たとえ一人でも戦う勇気がぎゆうよ、そちにはあるか?」
    →はい
     いいえ

    突然言われて特に考えることもなく答える

  • 34二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 21:59:47

    すると、自分一人だけ奥へと連れていかれ
    「ではゆけ!ぎゆうよ!」
    と送り出されることとなった

  • 35二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:02:27

    答えたらいきなり仲間とすぐに別れる展開になるとは思っていなかったぎゆうは内心焦る
    少しだけ…と3人のいる場所に戻ろうとしたら
    「どうした?やはり怖くなったのか?」
    と聞かれた
    怖くなったと言い出すのは嫌だが準備くらいはさせてほしい
    →はい
     いいえ

  • 36二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:03:50

    「無理もないことだ
     では引き返すがよい」
    「……」

  • 37二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:05:08

    「あれ?冨岡さん?」
    「どうした冨岡」
    「冨岡さん、何かありましたか?」
    すぐに戻ってきたぎゆうに3人は驚く
    「…しの…」
    「え?」
    「…しのびあししてくれ、胡蝶」

  • 38二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:07:32

    「…っふ、ぷふっ!!
     何かと思えばしのびあしですか」
    しのぶが我慢できずに吹きだす
    「確かに使うと使わないでは雲泥の差だが」
    おばないが少々呆れたように言う
    「でも一人で行くのは心細いわよね、準備は大事だわ」
    みつりがうんうんと理解を示す

  • 39二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:08:34

    何はともあれしのびあしを使ってもらって改めて仕切り直し
    ぎゆうは一人で挑戦に挑むことにした

  • 40二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:11:02

    道中、魔性をなくしたモンスターを保護した
    まもの使いであるみつりがいなくても保護できるものなのかと今更ながら知った
    (それなら甘露寺も転職を考えてもいいのかもしれないな)

  • 41二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:14:25

    岩山の中央に切り開かれた洞窟の入り口を見つけぎゆうはその中へと入っていった

  • 42二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:16:01

    洞窟の内部は相当整備された神殿だった
    ランシールの神殿、本殿はこちらのほうなのだろうか
    そのわりにこちらには魔物がたっぷりと蔓延っている
    いつもは仲間と連携して倒していく敵を一人で対処せざるをえないのが煩わしい
    ああだこうだとやかましいところもある仲間たちだが彼らの存在がありがたいことは自分が一番よく理解していた

  • 43二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:18:02

    この中でも新たにモンスターを保護することができた
    といっても、やすやすと保護することはできなかった
    何度か逃げられてしまい、苦肉の策で匂い袋を使ってようやく保護できたのだ
    今までこんなことはなかったはずだが、それはまもの使いの力によって必要なかったことなのかもしれない

  • 44二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:19:32

    階段を降りるとやたらと広いフロアに出た
    あちこちに階段があり、その一つ一つを確認していく

  • 45二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:23:29

    その一つを登った先にだいちのよろいを見つけた

  • 46二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:24:30

    はがねのよろいを装備していたぎゆうの守備力がなんと29も上がることに驚いた
    ここまでの重装備は職業的に他の仲間たちではおそらく装備できないだろう
    一人のときに勝手にではあるが自分用の装備にさせてもらうことにした

  • 47二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:26:29

    他の階段は登りばかりだったが唯一下りの階段を見つけて降りる
    おそらく、ここが順路であるだろう
    その先はなにやら細い通路が長く続いていた

  • 48二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:28:09

    通路を進んでいくぎゆうに突然壁の像が話しかけてきた
    「引き返せ!」
    少しばかり驚いたが引き返せと言われて引き返せるものではない

  • 49二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:30:11

    「引き返したほうがいいぞ!」
    今度は命令ではなく助言のように言われて少しばかり気になった
    これまで助言に従ってここまでやってきたぎゆうにとって助言を無視することは慣れていない

  • 50二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:31:54

    だが…ここは試練の神殿だ
    これを振り切るのも試練なのではないだろうか?
    そう思って意を決してぎゆうは前へ前へと進んでいった

  • 51二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:33:12

    そしてたどり着いた小部屋に輝く青い玉を見つけた
    ぎゆうは駆け寄って確認しようとする
    すると…

  • 52二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:35:04

    「ニンゲン!ソレヲヨコセッ!!」
    突然ウォーロックというモンスターが現れた
    (こいつ、オーブを奪うつもりか…?)

  • 53二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:37:04

    ぎゆうはオーブを自分の背にする
    「フン…アラガウツモリカ
     ナラバ…ココデケシトバシテクレヨウ!」

  • 54二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:38:13

    ボス7戦目ウォーロック&リリアック
    リリアック撮影し忘れましたがバンパイア系の見た目の手下です
    一人で戦うことを前提としたボスなので正直、たいして強くない
    デイン系が弱点なのでいなずま斬りをガンガンやりたいところですが
    バイキルトをしてくれる仲間はいないのでコツコツと削る
    うかうかしているとマヌーサ(幻惑)されるので物理攻撃が当たりにくくなるので
    その後はライデインを連発することで勝利

  • 55二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:39:47

    貼り忘れ

  • 56二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:41:35

    「グッ…
     タカラマオウサマノジャマ…
     ゼンブゼンブハカイ!
     グッ…ゲッ…オユルシ…オユルシ…
     グフッ…!」
    ウォーロックはまるで何かに怯えているようだった
    ウォーロックが息絶えると一匹の蝙蝠がその場を飛び去っていった
    (あれは…もしやリリアック?)

  • 57二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:43:03

    とにもかくにもモンスターを撃退でき、ぎゆうはブルーオーブを手に入れた!

  • 58二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:44:42

    ぎゆうが元来た道を急ぎランシールまで戻る
    すると心配そうな表情でに待っている仲間たちの姿が見えてきた
    「!!…冨岡さん!よかったぁ!」
    「やっと戻ってきたか」
    「心配しましたよ…でも無事でよかったです」

    「これこれ、仲間うちで騒がぬように」
    呆れたように神官が言う

  • 59二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:48:17

    「ともかく…よくぞ無事で戻った!
     どうだ?一人で寂しくはなかったか?」
     はい
    →いいえ

    いいえと答えてはみたものの…寂しいとは思わなかったものの
    心細いものだと常にうっすらと感じていたのでどこかこの答が後ろめたい
    一人が基本の鬼殺の任務と違い、常に3人の仲間とともに戦うことに慣れきってしまっているのを感じた

  • 60二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:52:36

    「ではお前は勇敢だったか?
     いや…それはお前が一番よく知っているだろう」
    この神官にやたらと見透かされているような感覚になった

    決して自分は勇敢などではない
    勇敢というのは自分の父オルテガのような者のことを言うのだろう
    だが…勇敢であることを周囲から期待される
    オルテガの子供だからと…

  • 61二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:53:51

    ちょうど夕刻だったのもあって今日はランシールに宿をとる
    「一人でブルーオーブを見つけ出すなんてすごいわ!」
    仲間たちがお祝いにと少し奮発したお酒と料理を用意する
    「じゃあ、みなさんで乾杯しましょうか!」
    ポルトガの祝宴以降、酒を控えるようにしていたぎゆうであるが
    「明日くらいは昼まで寝ていればいいだろう」
    と、珍しくおばないも労ってくれるようなのでついつい杯に手が伸びる
    全員が笑いあっていられるこの時がとても嬉しい
    特に一人きりで試練をこなしてすぐともあれば感慨も深い

  • 62二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:56:18

    酒がまわり、ふわふわと浮き立つ幸福な気持ち…
    うっかりと意識を手放したのはいつだったのだろう?
    たしか、おばないが顔を赤くしてうつらうつらとしだしたのを
    みつりが抱きかかえて部屋に戻ると言ったのは覚えている
    …それから…それから…?

  • 63二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:58:00

    意識が戻ったとき、ぎゆうは温かなベッドに横になっていて…いや、ここはいやに温かすぎる
    瞳を開けると夜の闇はすでになく、周囲の状況が容易に見て取れるようになっていた
    目の前の状況にぎゆうは目を見開く
    ぎゆうの視界に映ったのは男の胸板
    温かいはずだ…人肌に包まれているのだから

  • 64二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:00:20

    「…っ!?」
    あまりの状況に声もない
    (酒を飲みすぎてやらかしたか…?)
    記憶を思い出そうと懸命に思考を巡らせても一切それは戻ってこない
    だが、自分を抱きしめている相手がしのぶだとわかると安堵し、少し冷静になれた

  • 65二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:02:19

    「おい、胡蝶」
    気持ちよく眠っているところをぎゆうに起こされしのぶは不満そうに眉間にしわを寄せながら目を覚ます
    「…なんです、冨岡さん…まだ昼にはしばらくあるじゃないですか」
    「いいから腕の力を緩めろ、動けない」
    そう自分で言っておいてようやく、しのぶの力を振りほどけないことに気づく
    いつかの…アッサラームでは簡単に腕を動かせたはずだったが…一切、あのときは力を入れていなかったというのか
    「全くもう、あなたという人は…
     昨晩、私の服を離そうとせずにいたのは冨岡さんじゃないですか」
    服…お互い、かなり乱れてはいるが着衣したままのようだ
    「…それは、記憶にないがすまなかった」

  • 66二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:04:07

    しのぶの話ではみつりたちが部屋を出ていった直後に自分も酔いつぶれて寝てしまったらしい
    しのぶがぎゆうを担いでぎゆうの部屋に運びベッドに下ろそうとしたところ
    赤ん坊がするようにしのぶの服をぎゅうっと握って離さなくなったらしい
    なんとか服を脱いで脱出しようかとも思ったが試行錯誤するうちに酔いのせいか
    なんだかとても面倒くさくなりまあいいかとそのまましのぶも寝てしまったという

  • 67二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:05:36

    「面倒くさいで済ましていいことか…」
    「あらぬ疑いの元になる、ですか?」
    「そうだ、もし相手が俺じゃなかったら少女と同衾したとあれば責任を取らされているぞ」
    「そりゃ普通はこの状況で何もなかったわけないでしょうからね…」

  • 68二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:07:19

    案の定、他の仲間の二人から疑いの目を投げかけられることになった
    特にみつりは興味津々のようで、でもあんまりにもストレートに聞くのは失礼よね?と
    そわそわと聞きだす言葉を考えあぐねているようだった
    結局、ずっと視線を向けられているのにたまりかねてしのぶがみつりにこっそりと
    「冨岡さんに手を出したら負けだと思うんですよね」
    とだけ言ってこの話はおしまいにした

  • 69二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:10:05

    いくら今の体の欲を持て余し気味だからといって、
    忠告したにも関わらず全く自分に警戒を一切抱こうとしない、
    こちらがその気になれば簡単に組み敷けるだろう相手に手を出すのはあまりにも安易すぎる
    「あの人はいつまで私のこと女だと思ってるんでしょうね?」
    しのぶは独り言をつぶやいた

  • 70二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:11:12

    昼からの行動となってまず一番に向かったのはメダルおじさんだった
    キリよく50枚のメダルが集まったのでほうびに期待がかかる

    「よし!これでぎゆうはメダルを50枚集めたので
     ほうびにドラゴンテイルをあたえよう!」

    ドラゴンテイル…優秀な武器ではあるが盗賊のときにしのぶも装備していたが
    賢者になって装備できなくなってしまってすでに1本持て余しているのにさらに追加でもらっても…
    最近はなんだかメダルおじさんからもらえるほうびに大当たり感がなくなってきた気がする

  • 71二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 06:09:22

    閑話休題保守代わり
    それぞれの身長
    ぎゆうちゃん:164㎝
    しのぶくん:172㎝
    みつりくん:181㎝
    おばないちゃん:150㎝

  • 72二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 12:10:15

    保守

  • 73二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 18:08:06

    ぎゆうたちが集めたオーブは4つ
    残るは二つ、レイアムランドの祭壇にある台座の紋章の色からすると
    あとはイエローオーブとシルバーオーブなのだろう
    しかし、シルバーオーブに関する情報は今のところ全くないうえに
    イエローオーブに関しては「人から人へ世界中を巡っていてやまびこの笛であってもそれを探し出すことは難しい」という
    なんとも希望も持てないような情報があるだけだった
    いや、もしかしたら自分たちはオーブにつながる情報を得ているのかもしれない
    それがオーブへと繋がっているということがわからないだけかもしれない
    世界地図のすべてを踏破するまでにはまだまだ至っていないのだ

  • 74二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 18:47:27

    海賊の家のある大陸の東海岸は南部くらいしか訪れていなかったのを思い出し
    船で海岸線を南北に移動してみることにした
    すると北部の山脈が多少途切れてできた平原に小さな家が建っているのを見つけた

  • 75二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 21:54:52

    町や村ではない
    ただ一軒ぽつりと建つ家
    ほこらや宿屋でもなさそうだ
    本当に小さくて簡素な家の扉を開けてみた

  • 76二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 21:57:18

    家の中には少し変わった格好をした老人がいた

    「わしここに町つくろう思う
     町あればきっとみんなよろこぶ
     商人いないと町できない
     レベル低くてもいい
     商人なら文句ない
     だれか来ないか……」

  • 77二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 21:59:12

    「あのおじいさん、開拓者なんだわ」
    「商人…伊黒さんが以前は商人でしたが転職してしまっていますからね」
    「それ以前に、ここに仲間を置いていけという話だろう
     魔王討伐の旅をしているのに仲間が抜けるのは困る」
    「…最初から魔王討伐目的ではなく町の開拓目的だとして商人を募ってみてはどうかね」

  • 78二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:01:38

    本来ならば魔王やらオーブやらとは関係なさそうな話ではあるが

    旅先で別れた仲間がいるとすればその者が希望をもたらす

    ランシールで聞いた予言はこのことを言っていたのではないだろうか?
    ぎゆうたちは協力してみることにした

  • 79二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:03:00

    アリアハンのルイーダの酒場で開拓の気概のある商人はいないかと店主のルイーダに尋ねる
    本来、アリアハンを旅立つ勇者のためにアリアハン王が用意した仲間を募集する施設がこのルイーダの酒場だ
    しのぶ、みつり、おばないと、よく見知った3人が押し掛け仲間になったおかげで
    本来の役割を利用するのはこれが初めてだった

  • 80二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:04:02

    「紹介できそうな商人はいるけれど、仲間がいっぱいね
     誰か一人預けてからでないと連れ出せないわよ」
    そう言われて、「では自分が残る」と言い出したぎゆうに3人だけでなくルイーダも含めてツッコミを入れられる
    「勇者をお預かりはできないわ」
    ルーラでここアリアハンと開拓地を飛ぶだけですむので仲間3人のだれを残してもいいといえばいいのだが
    ほんの少しの間だけでも可愛い奥さんと離れることに耐えられなさそうな旦那さんを気遣って
    「私が残りますね」としのぶが手をあげた
    「じゃあ、しのぶさんしばらくお休みだわよ」

  • 81二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:05:16

    そして開拓の気概のある商人を紹介され仲間になったのだった
    「はじめまして
     トルヌコと申します、ヌコとお呼びください」
    「よろしくね、ヌコさん」
    「協力感謝する」
    性格がおっちょこちょいなのが少し気になるが、とはいえ、やる気は十分のようだ

  • 82二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:06:38

    トルヌコを連れてルーラで開拓地へ戻ると老人は大喜びした
    「トルヌコここ置いていく
     お願い聞いて欲しい」
    →はい
     いいえ

  • 83二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:08:04

    「それほんと?トルヌコ旅あきらめる
     骨ここに埋めるかも
     それでいいか?」
    →はい
     いいえ
    当然、そのために連れてきた人選だ

  • 84二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:09:59

    「おおそれありがたい!
     わしトルヌコとふたり町づくりはじめる!すぐ!」
    「では私はここに残ります
     お世話になりました
     さようならぎゆうさん」

  • 85二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:11:14

    「お礼教える
     この大陸のまんなか
     スーの村ある
     井戸のまわり調べろ」
    老人は感謝をこめて何かしらの情報を話してくれた
    スーの村、そういえば、そんな名前をエディンバラの大臣が何か話していたような気がする

  • 86二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:12:33

    トルヌコと別れ、さてしのぶを迎えに行こうとアリアハンにルーラしたところ

    『そろそろトルヌコの様子を見にいってみよう』
    という気持ちが急激にわいてきてぎゆうは困惑する

    「え?もう?」
    「さっき別れたところだろう」
    「いや…何故かそんな気がして…」

  • 87二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:13:40

    慌ててルイーダの酒場でしのぶを呼び出すと開拓地へとルーラしようとして
    ぎゆうははたと呪文の詠唱をやめる

  • 88二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:14:45

    あの『???』という開拓地は『トルヌコバーク』という名に変わっていた

  • 89二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:15:48

    「いつのまに…」
    「町の名前をつけたんですね」
    あらためてルーラでトルヌコバークへ飛ぶ
    すると着いた先にはすでに一軒の道具屋が建っていた
    簡易的な露店ではなく、なかなかしっかりとした作りの店だ

  • 90二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:17:22

    道具屋に入るとそこにはトルヌコがいて商売をしていた

  • 91二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:18:39

    品揃えはなんとも少ないが始めたばかりでは仕方がないだろう

  • 92二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:19:56

    「やあよく見るとぎゆうさんじゃないですか!おなつかしい!
     見ていてください
     私はきっとここを大きな町にしてみせます!」
    トルヌコの意気込みはすごいものがある

  • 93二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:21:12

    老人にも話を聞こうと思って老人の家を訪れると
    以前の簡素な家ではなくこれまたしっかりとした作りの家が建っていた
    「さっそく店できた
     これあなたのおかげ
     ありがとう、ありがとう」
    老人はぎゆうたちにとても感謝しているようだった

  • 94二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:23:22

    トルヌコバークの様子を一通りみてよかったと安心したぎゆうたちはひとまず
    アリアハンへと戻ることにしてルーラをした
    すると…

    『そろそろトルヌコの様子を見にいってみよう』
    という気持ちがまたもや急激にわいてきてぎゆうは衝撃を受ける

  • 95二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:26:13

    「いやいやさすがにそれはないですよ冨岡さん」
    「さっき行ったばかりだろう」
    「…でも、さっきも別れてすぐだった気がするのにもうお店ができていたわ?」
    「「「…」」」
    みつりの発言に3人は顔を見合わせる
    「…一応確認していいか?」

    再度トルヌコバークにとんぼ帰りする
    なんと、そこはさらに姿が変わっていた

  • 96二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:29:00

    大きな敷地を更地にして何やらそこに巨大な建築物を建てようとしているトルヌコがいた

    「やあぎゆうさん!
     私ですよ、トルヌコです
     今度はここに劇場をつくるんです」

    「えっ!劇場?すごいわアッサラームみたい」
    「町の名物にするつもりか?確かに出来たら人を集める観光名所になるだろうが」

  • 97二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:31:07

    「宿屋もできたようだな」
    「本当ですね、すごい勢いで発展してますね
     ちょっと異常なくらい」

  • 98二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:34:32

    ぎゆうたちは老人の元へ行くと

    「町どんどん大きくなる
     このさき楽しみ!あなたのおかげ」

    と、見るからに浮かれている様子だった
    ふと、ぎゆうたちはこの老人に教えてもらったスーの村のことを思い出す
    一体どこにあるのかと思い、老人に詳細を聞いてみた

  • 99二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:35:49

    どうやらスーの村はこの町のある大陸を南側から回りいくつもの川の流れる土地を
    北上したところにあるという
    そこまで遠くないようなのでこのまま向かってみようかということになり
    トルヌコバークを後にして船に乗り込む

  • 100二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:38:33

    山脈を横目に半島を回り込むと大きな川が見えてきた
    その川はいくつも枝分かれしているのが見て取れる
    途中立札があるのに気づき読んでみる

    ↑川の先 スー

    ←西の山の向こう アープの塔


    道は間違ってはいないらしい
    ぎゆうたちは川を遡っていくことにした

  • 101二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:41:49

    それにしても枝分かれがすぎる川だ
    ある支流に入り先に進んでいくも行き止まりに当たってそれ以上は進めなくなる、
    ということを何度か繰り返しているうちに夜になった
    近い場所にあると思って気軽に行ってみようと思ったのが間違いだったかもしれない

    とはいえ、そうやって迷い込んだその先で魔性をなくしたモンスターを
    保護できたので全くの徒労といういうわけでもなかったが

  • 102二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:46:31

    何度目かのやり直しの遡上の末、ぎゆうたちはようやくスーの村を見つけた

  • 103二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:48:12

    村の中にはいると独特の建物に驚く
    まるで家とテントを合わせたかのような建物ばかりが立ち並ぶ

  • 104二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:50:26

    その中の一軒に入ると老人が話しかけてきた

    「ここからちょうど東
     海岸の小さな草原に町あったか?」
    →はい
     いいえ

    すぐにトルヌコバークを思い浮かべたぎゆうたちははいと答える

  • 105二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:52:44

    「おお!それよかった!」

    にこにこと嬉しそうにする老人の顔がトルヌコバークの老人にそっくりだということに気づく
    そういえば、あの老人の格好は変わっているなと思ったがこの村の住民たちが
    着ている服にそっくりのようだ

    「きっとあのおじいさん、この村の出身なんだわ」
    「ひょっとするとこのおじいさんと兄弟なのかもしれませんね」

  • 106二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 06:09:56

    その老人はスーの村の井戸のまわりを調べろと言っていた
    井戸を見つけしのぶがレミラーマ(宝の在り処を探す呪文)を唱える

  • 107二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 06:16:20

    すぐに青い光の反応があった
    調べるといかずちの杖を見つけた
    ベギラマの効果のある杖だ
    勇者賢者は自力習得済なので呪文の使えないまもの使いのみつりが持つことにした
    現在みつりが装備している炎の爪の使用効果のメラミは火力は高いものの単体敵対象だが
    ベギラマは敵グループ対象なので使い分けるといいだろう
    もちろんみつりはいかずちの杖を装備することはできないので道具として所持するだけにとどまるが

  • 108二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 12:35:30

    保守

  • 109二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 18:33:14

    とりあえず目的の物は入手したので、何かオーブの手がかりがないかと村で聞き込みをしてみる

    「北の海、グリンラッド呼ばれる氷に覆われた島ある
     その島の草原偉大なる魔法使い住むという」

    「グリンラッド…どこかで聞いたことがある気がする」
    「えーとえーとどこでだったかしら?」
    「…海賊の家でしたっけ?」
    「骨をグリンラッドのじじいにくれてやったと聞いた気がするな」
    「偉大な魔法使いをじじい呼ばわりしているのか」
    「それ何の骨なんでしたっけ?」
    「たしか幽霊に会える骨だった気がするわ」

    あちこちで役に立つのか立たないのかわからないような情報の洪水を浴びているおかげで
    そろそろ記憶があやふやになってきている

  • 110二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 18:36:38

    一応、今のところこれといった次の目的地もないことだし
    グリンラッドを目指してみてもいいかもしれない
    海賊たちはじじいと呼んでいたが偉大な魔法使いなら何か役に立つ呪文を
    教えてくれたり重大な情報を握っていたりしてもおかしくはないだろう

    そう話しながら村を歩いていると少し変わった馬がいるのに気づいた
    白馬?なのに緑色の鬣をしている
    明らかに他の馬とは違っている

  • 111二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 19:05:57

    「お馬さんこんにちわ
     素敵なたてがみね」
    みつりが馬に話しかける

    「私はしゃべる馬のエド
     皆さんにいいことを教えましょう
     もしかわきのつぼを見つけたら北西の海の岩場の前で使うのですよ」
    「「「馬がしゃべった!?」」」
    「ありがとう、もう見つけて使ったわ
     エドって名前の書いてあるお手紙のおかげで見つけられたの
     あなたの書いたものだったのね」
    他の面々はどうやって蹄で書いたのかも気になったが
    みつりは一切気にしていないようだ

  • 112二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 19:10:40

    グリンラッドは北の海にあるということで一旦旅の扉のほこらまでルーラする
    そういえばこの旅の扉のほこらで使っていない旅のとびらがあったなと思い出す
    とりあえず今はグリンラッドを目指すがその次には旅のとびらに入ってみてもいいかもしれない

    ぎゆうたちは旅の扉のほこらから船を使い、さらに北の海へと進む
    すると先ほどの島よりもさらに大きな島が見えてきた

    その島のほとんどは雪と氷におおわれているが一部だけが草原だった
    そしてそこに明かりを見つけた

  • 113二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 19:12:57

    草原、ただひたすら草原
    グリンラッドはそんな地だった
    冷たい風が吹きすさびどこまでもかけてゆく

  • 114二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 19:14:49

    ところどころに明かりの燭台とあちこちに宝箱

    まほうのよろいを見つけ、賢者のおばないが装備する

  • 115二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 19:16:25

    そしてここにも魔性を失ったモンスターがいて保護をした

  • 116二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 19:17:49

    この草原でただ唯一の建物に入る
    中には一人の老人がいた
    この人物が偉大な魔法使いだろうか

  • 117二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 19:20:17

    「こうして人に会うのは何年振りじゃろう
     おおそうじゃ
     いつぞや海賊たちがおかしな骨を置いていって以来じゃな
     まあよい
     ところでお前さんたちへんげの杖を知っておるか?」
     はい
    →いいえ

  • 118二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 19:22:19

    「何にでも化けられるという杖じゃよ
     サマンオサの王が持っていると聞いておるが…
     さいごのかぎがあれば旅の扉のほこらの旅の扉を使いサマンオサに行けるというぞ」

  • 119二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 19:28:21

    偉大な魔法使いに期待しすぎたのだろうか?
    ぎゆうたちは少し微妙な顔をする
    彼から得られた情報はまたよくわからないような情報だった
    突然、へんげの杖と言われたがそれはこの魔王討伐の旅に必要なものなのだろうか?

    だがしかし、まだ、次に旅の扉のほこらの旅の扉から旅立とうと思っていたのとは
    目的が合致するので特にそれを変える必要はなかった

    勇者一行はグリンラッドを出て再び旅の扉のほこらへ戻り
    その中の一つの旅の扉に飛び込んでみることにした

  • 120二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 19:30:07

    旅の扉を通ってついた場所は「旅人の教会」という場所だった

  • 121二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 19:38:20

    教会にいた神父は神父らしからぬ様子でそわそわといったりきたりで
    普通の神父のようにおいのりをしたりのろいをといたりの役目も果たせないようだ

    「噂ではサマンオサの王が人代わりしたらしい
     勇者サイモンが右の旅の扉より追放されたのも王の命令と聞く」

    勇者サイモン?
    4人の頭の中に「???」というマークがひたすら浮かぶ
    初めて聞く話だが、勇者といえば
    この世界ではオルテガのことを指すのではなかったのだろうか??

  • 122二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 19:41:41

    「サマンオサはこのほこらの南西
     ここを出たらまず北、やがて西へ
     山沿いをぐるりと進まれるがよかろう」


    旅人の教会を出て神父に言われた通りに道を進む
    「勇者とはなんなのだろうな」
    「読んで字のごとく勇ましい者、でしょうかね」
    「たしかに勇者は一人しかいないなんてことはないのかもしれないけど…」
    「まさか他にも勇者と呼ばれている者がいるとはな」

  • 123二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 19:44:20

    道すがら魔性をなくしたモンスターを保護する

    目的地のサマンオサまではかなりの距離があって
    一昼夜がぐるりと回ってしまった

  • 124二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:17:30

    歩いて歩いてようやくサマンオサが見えてきた
    ここもまた城と城下町のようだ

  • 125二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:19:36

    サマンオサの城は特にこれと言って華やかさだとか壮麗さだとかといった印象は受けない
    どちらかというと質実剛健とでもいうのだろか
    飾り気のない城だった

  • 126二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:21:35

    そしてサマンオサ城下町はこれが城下町なのかというほどにぎわいがなかった
    町ゆく人々はどこか暗い顔をし、町中にはあちこちに兵士の姿が見える

  • 127二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:22:59

    町に入ってすぐ、その兵士の一人から詰問を受ける

    「貴様、そこで何をしている!
     牢にブチ込まれたくなければ怪しい行動は控える事だ!」

  • 128二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:27:42

    「いったい何だと言うんだ」
    特に怪しい行動などとっていなかったというのに(というか町に入ったばかりだというに)
    まるでこちらが犯罪者だとでも決めつけるかのような兵士の態度にぎゆうは怪訝な顔をする

    「あの兵士も何やら苛立っているように見えました
     かなりこの国は訳ありのようですね」
    「王の人が変わってしまったという話だが少し調べてみたほうがいいようだな」
    「できるだけこっそりと…ね
     さっきみたいに兵士さんに目を付けられたら困るもの」

  • 129二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:31:33

    勇者一行はまずは武器防具屋に入ってみた
    ここの店の品揃えはなかなかのものがある
    しのぶにだいまどうローブを購入した

    しかし、購入後店主がひそひそと耳打ちをしてきた

    「お客さんたち旅の人だろう?
     悪いことは言わない、できるだけ早くこの町からは出ていくといい
     特に城には近づかないうちにな」

  • 130二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:34:28

    「やはり城か…」
    「王様のせい…みたいね」
    「確かへんげの杖を持っているという王か」
    「王様のことについて聞いてみましょうか」


    「多くの人たちが毎日牢に入れられたり死刑になっているんです
     昔はお優しい王様だったのに…」

  • 131二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:38:27

    先ほどの兵士の心証がもう少し悪ければ自分たちも捕まっていたりしただろうかと冷や汗が出てくる
    なるほどこれでは武器屋の店主がはやく町を出ろというのも頷ける
    だが…勇者たるものこれをほっておくわけにはいかないのだ

    ぎゆうたちが教会の前を通り過ぎようとしたとき

    「あんたぁ~なんで死んだのよお~?
     うっうっ…」
    女性の鳴き声が聞こえてきた

  • 132二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:39:40

    「ねえ、もう父ちゃんは帰ってこないの?
     どこかへ行ったの?」
    傍らの子供がその女性に尋ねる

  • 133二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:43:04

    神父が棺に祈りを捧げる

    「天にまします我らが神よ
     戦士ブレナンの冥福を祈りたまえ」

    集まった人々は皆、沈痛な面持ちだ

  • 134二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:45:33

    「王様の悪口を言っただけで死刑だなんてあんまりですよ!
     これじゃおちおち商売もできませんよ!」

    先ほど道具屋を覗いたときに店主が不在で買い物ができなかったが
    この男性が道具屋の店主なのだろう
    戦士ブレナンという人物は町の人々の信頼も厚い人物だったに違いない

  • 135二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:49:31

    町の人々に話を何度も聞いていると皆口をそろえて城には近づくなという
    だがしかし、問題解決のためにはどうしても城に潜入する必要があるといえるだろう

    ぎゆうたちは城へ続く道を並んで歩いていく
    すると後ろから声をかけられた

    「そこのキミ!」

  • 136二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:56:20

    4人は後ろを振り返る

    「いきなり呼び止めてすまない
     君たち旅の人だろ?」

    声をかけてきた人物を一目みるとぎゆうはその場で固まった
    ただただその人物の顔をじっと見つめる

    その人物はどうも剣士のようだった
    脇に剣を携えており、凛とした佇まいからかなりの剣術の使い手だということが察せられた
    切れ長の瞳が涼やかな印象で体格もよく、いかにも町の娘たちがほっておかないだろう美男子だ

  • 137二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:58:51

    「旅人が何も知らずに王の城に行くと危険だと思ってね」
    物腰柔らかく、親切そうな青年はぎゆうたちに忠告をする

  • 138二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:01:53

    「この国の王はいわれのない罪で無実の人々を捕え厳しい処罰を与える…
     そんな危険な人物なんだ
     …私の父サイモンもその犠牲となった一人
     10年ほど前、王に逆らった罪で捕えられどこかの牢獄に幽閉されてしまった
     以前のサマンオサ王は寛大な心を持った偉大な王だと評判だったようなんだが…」

  • 139二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:04:59

    「ある時から人が変わったように恐ろしい性格になってしまったらしい
     君たちも気を付けてくれ
     特にウカツに城に近づいたりしないようにね」

  • 140二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:09:02

    「それじゃあ、お嬢さんお気をつけて」
    にこやかにそう笑いかけられながら言われてぎゆうはようやくはっとする

    そしてしどろもどろといった様子で目線をあちこちに動かす

    もし、この町の通りすがりの人がこの様子を見ていたとしたら
    旅の少女が剣士の美青年に一目惚れの恋をしたのかとでも思うことだろう
    だが…

  • 141二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:11:45

    「えぇ…?他人の空似ってやつですかね…?」
    「いや、それにしても…あまりにも似すぎていないか?」
    「びっくりしちゃった…あの人、本当に…」

    顔立ちも体格も
    『冨岡義勇』
    にそっくりだったのだ

  • 142二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:36:21

    彼は旅人の教会で話に聞いた「勇者サイモン」の息子らしい

    (勇者の息子…)

    ぎゆうは考えをぐるぐると巡らせる
    自分は勇者の娘だとしてこの世界を旅してきたが勇者の子は他にもいた
    彼のほうが勇者にふさわしいのではないだろうか…?その考えが頭に浮かぶ

    サマンオサの城に潜入してみようと決めたがずっとぎゆうの心はここにあらずな状態のままだった

  • 143二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:38:55

    サマンオサの城の正面入り口に4人は向かう

    (まるで自分自身の姿をしていた…)
    (俺は何故今この姿なんだ…?)

  • 144二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:43:33

    ところが城に入ってすぐバリケードのようなものが設置してあって
    入れたのは本当に入口のみ、奥へと進むことはできなかった
    左右に立っている兵士たちが鋭い視線をなげかけてきたがどこか疲れているような気配がした

    (俺は…今の姿は仮の姿だとばかり思っていた)
    (本当なら俺は男で…何故かこんな姿になってしまっているだけだと)

  • 145二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:51:17

    「このままじゃ中に入れないわ」
    「う~ん…どこか忍び込めるような場所ありますかねえ?」
    城の周囲を探ると奥まった場所に正面の扉よりずっと小さな扉を見つけた
    「ここは城の勝手口だ
     ご用聞きの者か?」
    →はい
     いいえ

    (漠然といつか本来の自分に戻るようなそんな気がしていたが)
    (…まさか…ずっとこのまま…?)

  • 146二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:57:44

    「では入るが良い」
    詳しく調べずに城に入れるとはかなりのザル警備と言わざるを得ない
    だがありがたく利用させてもらうこととする

    (…っ)
    ぎゆうはごくりと息を飲みこんだ
    (そんなはずは…ないと言い切れるだろうか)

  • 147二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 22:08:15

    勝手口を入ると台所でせわしなく働く女性がいたので声をかける
    「邪魔をしないでください
     食事が遅れると私たち死刑になってしまいますっ」
    焦っている台所女中が苛立った声をあげる

    「それだけで死刑…この国ではいくつ命があっても足りぬようだな」
    おばないが山のように積まれたごちそうを横目で見ながらつぶやく

    (伊黒は…)
    かつての男だったときの印象が相当に薄れてしまっているような気がした
    もちろんこの世界で出会った最初から小柄で華奢で見るからに女性ではあったのだが…
    女であることを受け入れている…?

  • 148二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 22:20:15

    城を奥に進み、中庭に出るとそこには美しい一人の姫君がいた
    物憂げな表情をしている姫君にみつりがためらうことなく声をかける

    「姫にはお父様が別人のように思えてなりませんわ
     あんなにやさしかったお父様なのに…」


    (甘露寺は…)
    天真爛漫な性格は変わっていない…と思う
    だが、常に伊黒を気遣い、大切な宝物を守るかのようにいつでも身を呈する様は
    「女の子なら殿方に守ってほしいもの」と言っていたのとは真逆だ

  • 149二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 22:37:14

    階段室で「早く塔の手すりを修理してもらわないと危ない」
    と言っていた部屋女中の言葉を確かめに塔に登ってみた
    「なるほど確かに壊れていますね
     これはこのまま下に飛び降りれそうかも」
    しのぶはためらわずに身を乗り出す
    「何をしてるんですか、冨岡さん、ほら、早く行きますよ」
    ぐいっと腕を引っ張られ、一緒になって飛び降りる

    (胡蝶は…)
    体を密着させたとき、ランシールでのことをとっさに思い出した
    容易く振りほどけない腕、まごうことなき男の胸板…今更、本当に今更だが
    (胡蝶は男かもしれない…)
    そう思ってぎゆうはこれ以上考えるのをやめた

  • 150二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 06:12:59

    飛び降りた先にはこんなところにも魔性をなくしたモンスターがいて
    モンスターじいさんのことを伝えると大喜びで走っていった
    この暗い雰囲気のサマンオサには似つかわしくないのだが
    ここにもモンスターバトルロードがある
    次に自分たちが挑戦するのはなんのランクだったか…
    ぎゆうにとってはそれを深く思い出すこともなんだか煩わしく感じた

スレッドは10/24 16:12頃に落ちます

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