- 1二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:40:20
『教え子に劣情を向けてはいけない』その一心で、この世に生を受けて廿余年、性の接触を受けることなく過ごしていくうちにふつふつと煮込まれ煮え沸った昂りを押さえつけるため、お兄ちゃんは毎朝毎晩の坐禅を始めた
初めのひと月は頭の中からひとときもカレンチャンの声、笑顔、ふと会話の流れで叩かれた肩の揺れ、隣でタブレットを覗き込む時鼻へ薫った甘い体臭、その全てが消えることはなかった
それでも坐禅への集中を続け、カレンとの担当契約が2年と11ヵ月を超えた頃──
お兄ちゃんは、遂に辿り着いた
終ぞ頭の中からも、心の一番大切な場所からも消えることなくカワイイを振り撒き続けたカレンチャン、その存在以外を坐禅で消し続けた結果。
『お兄ちゃん、おはよう❤️』
「お兄ちゃん、おはよう❤️」
「ああ、おはようカレン」
脳内をそのほっそりと長い脚で跨ぎ過ぎ、お兄ちゃんの脳内カレンチャンはイマジナリーカレンチャンとして具現化した
3年間ずっと隣にいて、別れてからも毎朝毎晩存在を想い続けたイマジナリーカレンチャンは、現実のカレンチャンと全く同じ挙動、全く同じタイム、全く同じ発言をサラウンドで行うまでに至った
ことここに来て、お兄ちゃんは一つの理解を得た。
……カレンが2人になったら、俺、耐えられないや。
「お兄ちゃん、大丈夫? 体調でも悪いの?」
『お兄ちゃん、大丈夫? 体調でも悪いの?』
ふたりのカレンが目の前、この世のものとも思えぬほどのカワイイ上目遣いでこちらを覗き込んでくる。
そのあまりの破壊力に心臓を破裂させそうなくらいに鼓動させながら、お兄ちゃんはいつものように平気な顔して耐え── - 2二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:42:08
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1.た。
2.られない。2人のカレンはここに融合し、後にはただ『あと1ヶ月を待てなかった男』という烙印と愛する彼女との新生活が残った。
- 3二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:45:23
それでこそお兄ちゃんだ
- 4二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:47:27
これぞ2レンチャンってね