もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart27（再々建て）

[1 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 21:35:29]

※建て直しました。書き込んでくださった方、何度も申し訳ありません。

アグネスが士官学校（ザフトアカデミー）卒業後、親のコネでミネルバに着任し、ルナマリアが入れ替えに月軌道艦隊に着任したいたら…、という何番煎じかわからないSSの27スレ目です。

同時多発攻撃に対応すべくカスピ海を発ったアグネス、テルメズ攻防戦の終結を以て彼女達の長い夜は漸く明けようとしています。

トルキスタン地域3都市に押し寄せたブルーコスモスゲリラはミネルバの奮戦により退けられ、国境の要所テルメズの連合軍も対ロゴス同盟軍に降伏しました。中央アジア戦線崩壊の危機は一先ず遠退いたように思われます。

ユーラシア連邦から独立を図る中央アジア各国政府はどうにか急場を凌ぎ、南方からの友軍を迎えようとしています。一先ずこの戦いは『ザフト・対ロゴス同盟側の勝利』と言って差し支えないでしょう。

しかし、同盟側の被害も甚大なものです。諸都市は深刻な被害を受け、参戦した汎ムスリム会議軍も甚大な損害を被りました。東奔西走したグラディス提督以下パイロット隊・乗員の疲労も限界に達しています。

しかし、時代の急流は彼女達に翼を休ませる暇を与えてはくれません。

ガルナハンでの民生支援任務を済ませたミネルバの次なる任務はモビルスーツの大量輸送。宙と大陸と大洋を跨いだ航海が始まります。

地球連合軍がカザフスタン地域北部を席巻する中央アジア戦線、ブルーコスモスゲリラの跳梁跋扈も収まらぬ中、アグネス達は己が務めを果たすことが出来るのでしょうか。

おつきあいをいただければ。

[2 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 21:39:59]

前スレと前々スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart27（再建て）｜あにまん掲示板

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart27｜あにまん掲示板

26スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart26｜あにまん掲示板

1スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たら｜あにまん掲示板

[3 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 21:42:28]

2スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart2｜あにまん掲示板

3スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart3｜あにまん掲示板

4スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart4｜あにまん掲示板

5スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart5｜あにまん掲示板

[4 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 21:45:46]

6スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart6｜あにまん掲示板

※落としてしまった7スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart7｜あにまん掲示板

再建てされた7スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart7（再立）｜あにまん掲示板

8スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart8｜あにまん掲示板

[5 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 21:46:08]

頑張れ
最後まで期待して待ってる

[6 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 21:47:56]

9スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart9｜あにまん掲示板

10スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart10｜あにまん掲示板

11スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart11｜あにまん掲示板

12スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart12｜あにまん掲示板

[7 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 21:50:51]

13スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart13｜あにまん掲示板

14スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart14｜あにまん掲示板

15スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart15｜あにまん掲示板

16スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart16｜あにまん掲示板

[8 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 21:53:16]

17スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart17｜あにまん掲示板

18スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart18｜あにまん掲示板

19スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart19｜あにまん掲示板

落としてしまった20スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart20｜あにまん掲示板

[9 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 21:56:14]

再建てした20スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart20（再建て）｜あにまん掲示板

21スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart21｜あにまん掲示板

22スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart22｜あにまん掲示板

23スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart23｜あにまん掲示板

[10 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 21:57:49]

24スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart24｜あにまん掲示板

25スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart25｜あにまん掲示板

[11 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 22:05:40]

復活有難う…！
ずっとホスト規制で書き込めなかった…！

[12 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 22:06:32]

続き来たー

[13 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 22:32:27]

出先で保守しそびれた…
昼休みには一度見てたのに
すまぬ…

[14 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 23:37:14]

何回も落として立て直すくらい保守が厳しいならその他話題カテに移住するのはどう？
あっちならスレ落ち猶予時間が3日あるから保守を気にせずのんびり進行できる

[15 二次元好きの匿名さん 25/10/23(木) 23:50:14]

スレ主さんのやりやすい所が一番だが個人的にはロボカテだと見にきやすくてありがたいなぁ
どちらにせよ今まで思いつきで書き込んでたけど保守時間も少し意識するわ…

[16 二次元好きの匿名さん 25/10/24(金) 00:45:43]

ハイネ「じゃあ、俺達は先に行く。二人も頑張れ！」
ルナマリア、アグネス「はい！」

ハイネ先輩、アスラン、シンの背中を見送る。自分の機体の下に駆けながら。ぼうっと立ち止まっている暇はない。

レジェンドの足元にはヨウランが待って居た。大型昇降機に乗るのを手伝ってくれる。

ヨウラン「疲労は取れたか？行けそうか？」
アグネス「頑張るだけよ！整備班の方は大丈夫？」
ヨウラン「同じだ。頑張るだけさ！」

空元気はお互い様のようだわ。エイブス班長、ヴィーノ達も大変だろう。何せ、機体の数が多い。何時ものこと、と言えばそうだが。

アグネス「一緒に乗り切りましょう！」
ヨウラン「そうだな。良し！」

看護師さんに車椅子からコックピットに移してもらう。

看護師「バイタル、良くなってきています！どうか、そのまま。お気を付けて！」
アグネス「ありがとうございます。行ってきます」
看護師「行ってらっしゃい」

ハッチを閉め、コックピットデバイスを起動する。モニターが立ち上がり、コックピット回線がブリッジと繋がる。

アーサー「全艦に告ぐ。作戦決行前にファウンデーション王国、イングリット・トラドール国務秘書官閣下よりお言葉を頂戴する」

トライン副長の指示はコックピット回線だけでなく艦内放送でも流れている。

アグネス「（トラドール国務秘書官！ガルナハンのホテルからミネルバに戻って来ていたのか。何で…そうか！王国はこの輸送任務の一方の当事国だ。見届けに来たのね）」

[17 二次元好きの匿名さん 25/10/24(金) 01:30:42]

>>13　>>15

ありがとうございます。

>>14

ありがとうございます。『その他話題カテ』は3日と初めて知りました。

どちらが良いか迷いましたが、当面はロボカテで進行します。

　

[18 二次元好きの匿名さん 25/10/24(金) 07:34:47]

>>17

保守

以前のスレ持続12時間の時は余裕あったなあ

[19 二次元好きの匿名さん 25/10/24(金) 12:04:42]

保守です

[20 二次元好きの匿名さん 25/10/24(金) 18:20:20]

ここでイングリットかぁ…

[21 二次元好きの匿名さん 25/10/24(金) 19:26:54]

>>20

裏事情を知ってれば揺さぶりをかけるチャンス！とか思えるけど、実際にはいろいろな面で脅威なんだよなぁ…

[22 二次元好きの匿名さん 25/10/25(土) 01:23:46]

トラドール国務秘書官の姿が通信モニターに映り込む。
何時も通りの冷静な面持ちだ。大作戦を前に泰然としているのは流石と感心する。

どんな話をするのだろう？

イングリット「ファウンデーション王国、国務秘書官のイングリット・トラドールです。
世界に安寧をもたらさんと奮闘する、勇敢なるザフト軍、月軌道艦隊旗艦ミネルバに我が国を代表して最大限の敬意を表します。ファウンデーション王国民は恒久平和を目指すプラント国民と志を同じくします」

当たり障りのない話のようだわ。正直、このタイミングは勘弁して欲しかった。外交的な意味は承知しているが―。

イングリット「王国の前線基地ではシュラ・サーペンタイン国防長官の直卒する近衛師団が出撃準備を終えています。地球連合軍が輸送任務を妨害せんとした場合、我が軍は敵基地に斬りこみ、本作戦を側面支援する用意があります」

おや…？なるほど。ザフト軍とファウンデーション王国軍、カザフスタン独立政府軍は指揮権の統一こそしていないが事実上の共同作戦になる、と言うことね。

半分は政治的ポーズだろう。

近衛師団と言えば聞こえが良いが、ディンとジンしかない部隊だ。戦力として当てにならない。そもそもブラックナイツスコードに良い印象が無い。共闘相手としてあらゆる意味で心許ない。精神的支援と受け取るべきよ。

イングリット「この困難な作戦をファウンデーション王国とプラント、カザフスタン独立政府、三国で共に乗り越えましょう。互いの武運を心底より祈念します」

取り合えず敬礼する。まあ、側面支援、大いに結構。出番が有れば頑張ってもらおうではないか。多分ないけどね。

スピーチが終わり、ヴェステンフルス小隊の発進シークエンスが再開される。

メイリン「ハイネ・ヴェステンフルス、シン・アスカ。デスティニー発進スタンバイ。全システムオンライン。左右ハッチ開放。射出システムのエンゲージを確認。カタパルト推力正常。進路クリアー。ヴェステンフルス機、アスカ機、発進どうぞ！」

ハイネ「ハイネ・ヴェステンフルス、デスティニー、行くぜ！」
シン「シン・アスカ、デスティニー、行きます！」

オレンジ色とトリコロールカラーのデスティニーがカタパルトから射出される。

[23 二次元好きの匿名さん 25/10/25(土) 07:55:55]

ファウンデーションは一般兵もいるのかなあ
一般兵無しで軍の運用は無理だと思うけど、作中で人が登場してないから実体がどんなもんか見えないんだよね…

[24 二次元好きの匿名さん 25/10/25(土) 14:02:49]

アコード達以外ではっきり映ったファウンデーション軍人はオペレーターぐらいか

[25 二次元好きの匿名さん 25/10/25(土) 14:05:57]

>>24

他にはスラムで逃げる民間人を後ろから撃ってた人ぐらい？

[26 二次元好きの匿名さん 25/10/25(土) 21:30:36]

ほとんどPMCか何かで頭数そろえてるのかも……

[27 二次元好きの匿名さん 25/10/26(日) 00:22:57]

平行してアスランの発進シークエンスも進む。彼は甲板から行く。

アビー「アスラン・ザラ。デスティニー発進スタンバイ。全システムオンライン。甲板エレベーター開放」

競り上がるザラ機のカラーはトリコロール。政変時に奪取した時のままだ。拘りが無いのか、未だに彼がザフトに染まり切れないのか、その両方なのか。

アグネス「（アスランは今、何の為に戦っているのだろう？『平和のため』なのは良いとして。アスハ代表やオーブのこと、きっと割り切れていない…）」

他人の心配所では無いが、どうしても気になってしまう。
やっぱり心配だわ。作戦後に一声かけよう。

アビー「進路クリアー。ザラ機、発進どうぞ！」
アスラン「アスラン・ザラ、デスティニー、発進する！」

デスティニー3機はミネルバ上空で合流、同時にヴォワチュール・リュミエールを展開する。
次の瞬間、ヴェステンフルス小隊はカスピ海を北東方向、万里の彼方へ飛び去っている。

アグネス「（正に絶大な機動力ね。ウイングユニット良いなぁ。レジェンドに着けられる箇所は無いけど）」

3人を見送ったなら今度は私達の番だ。
モビルスーツ格納庫の中をゲイツR3機が歩き回る。小隊出撃で空いた格納スペースに機体を入れるのだ。

良し！バッチリね。

マリク「各部チェック完了。メインエンジン出力上昇中。定格まで30秒。発進準備完了」
アーサー「抜錨」
マリク「水流ジェット、接続！」

巨大な艦体が小刻みに震え出す。発進シークエンスは最終段階に移行している。

[28 二次元好きの匿名さん 25/10/26(日) 08:10:50]

保守

[29 二次元好きの匿名さん 25/10/26(日) 12:45:39]

前スレの疑問の解消ありがとうございます
そっかぁ、アスランはデフォルトのままか～

[30 二次元好きの匿名さん 25/10/26(日) 19:04:01]

男3人組もずっとMSで飛びっぱなしだし、疲労溜まってるだろうな

[31 二次元好きの匿名さん 25/10/27(月) 01:04:06]

アーサー「提督。何時でも行けます」

気遣わし気なトライン副長の声が回線から流れる。どうやら作戦の指揮は通常通り彼女が取るようだ。

アグネス「（過労気味のグラディス提督の体調が気掛かりだわ。艦長室で休んで少しはマシになったのだろうか…）」

タリア「よろしい。ミネルバ前進、第一戦速」

応える彼女の声は凛としたもの。疲れを微塵も感じさせない。流石！

タリア「進路このまま。両舷第二戦速」
マリク「はい」

提督の指示の下、ミネルバは沖合に向け進み始める。いざ動き出すと速い速い。ガルナハンの夜景がすっかり遠くなる。

タリア「ブリッジ遮蔽。全隔壁閉鎖。タンホイザー起動！」
アーサー「本艦は此れより大気圏を離脱する。ブリッジを装甲区画に遷移。全艦、大気圏離脱に備えよ。タンホイザー起動！」

波頭を越え、艦首が湖面から浮き上がる。空を睨む陽電子破砕砲『タンホイザー』

チェン「プライマリー兵装バンク、コンタクト。出力定格。セーフティ解除」
タリア「撃て！」

上空に向け陽電子砲が放たれる。巻き起こされる電磁ストームと圧力波、全開にされるスラスター！

ぐんぐん宙が迫って来る。もうカスピ海の端と端が見える！ガルナハン（西暦時代のアスタラ付近）からカザフスタン地域アスタナまで。宇宙を飛び、極超音速で駆けるなら23分程度しかかからない。

私達の出番はミネルバ降下時だ。地上からの攻撃に備えて先んじて大気圏を突破する。

アスタナ周辺は味方勢力圏内だが油断できない。ブルーコスモスゲリラが潜んでいるかもしれないし、巡航ミサイルも脅威だ。

[32 二次元好きの匿名さん 25/10/27(月) 08:15:33]

保守

[33 二次元好きの匿名さん 25/10/27(月) 13:24:53]

提督もアグネスも休め…って言いたいけど休めねえなこれ…

[34 二次元好きの匿名さん 25/10/27(月) 21:30:49]

保守

[35 二次元好きの匿名さん 25/10/28(火) 02:33:43]

湾曲した地球を滑るようにミネルバは行く。眼下では暗黒の大地に都市の明かりが点々と連なる。夜の中央アジアを2日連続で見渡すことになるとは！人生分からないものね。

10分経過、そろそろウズベキスタン地域とカザフスタン地域の『国境』、アラル海上空に差し掛かった頃だろうか。

この地は人類の愚行の象徴だ。灌漑用水の過剰使用により、かつての大湖は3つに分かたれた。北アラル海と西アラル海、バルサケルメス湖。

そして干上がった湖底はアラルクム砂漠となった。『人類史上最悪の環境災害の一つ』と言う言葉は的を射たものと言えよう。

もっとも私達はご先祖の事を一方的に責められる立場にはいない。前大戦、今大戦が引き起こした環境被害はアラル海の消滅と比較にならない規模だ。

ユニウスセブン落下テロにより絶滅してしまった生物種もいたかも知れない。『人工的に整えられた環境も環境の内』と捉えるなら、プラントに対する核攻撃もそうだ。

アグネス「（進歩と発展って難しいわね。他人事じゃないわ。今考える事じゃないけど…）」

アラル海を越えた先にはキプチャック草原が広がる。黒海から天山山脈北嶺まで続く雄大な平原だ。ジョチ・ウルス、カザフ・ハン国の故地でもある。

アスタナが近づいてきた。いよいよか。

アーサー「ギーベンラート小隊へ。マハムール基地より入電。カザフスタン地域、タラズ市のタラズ空港にバビを主力とした飛行部隊の移動が完了している。援護するとのことだ」
アグネス・一同「了解！」

トライン副長から通達、味方が間に合ったか。セーフ！

アグネス「（中央アジア戦役が始まった時から動いていたのだろう。偶に勘違いしそうになるけど、ミネルバだけが戦っている訳じゃない。他の部隊も各々、務めを果たしている）」

ただ、タラズからアスタナまで920㎞以上距離がある。直接、ミネルバが援護してもらうと言うより、輸送後のモビルスーツ部隊を空襲から守る役目となるだろう。

[36 二次元好きの匿名さん 25/10/28(火) 06:47:34]

また連合が襲って来そう

[37 二次元好きの匿名さん 25/10/28(火) 12:21:44]

ブルコス「どこで攻撃を仕掛けるの？今でしょ！」

古い、古い思い出さ……（自爆）

[38 二次元好きの匿名さん 25/10/28(火) 20:03:13]

>>37

ブルコス、ステイ！

[39 二次元好きの匿名さん 25/10/29(水) 01:54:59]

トライン副長の背後からはグラディス提督とブリッジクルーのやり取りが聞こえる。

タリア「ザフト軍本部並びにカザフスタン独立政府と回線を固定。現地状況をリアルタイム共有」
バート「了解」

ブリッジの緊迫した空気が回線から伝わってくる。心臓がドクドクする。時間の流れが妙に遅く感じる。

テンギス湖上空に到着。カザフスタン中央北部に位置する塩湖。

まだか？まだか…。

アーサー「大気圏突入まで、あと120！」
タリア「ギーベンラート小隊発進せよ」
アグネス・小隊一同「了解！」

やっとお呼びが掛かった。さぁ、行こう。

メイリン「アグネス・ギーベンラート、レジェンド。ルナマリア・ホーク、フォースインパルス。両機発進スタンバイ。発進シークエンスを開始します。左右ハッチ開放」

レジェンドとインパルスはカタパルト、セイバーとカオスは甲板エレベーターだ。エレベーターのオペレーションはアビーが担当している。

メイリン「カタパルトオンライン。射出推力正常。針路クリアー。レジェンド、インパルス、発進どうぞ！」
アグネス「アグネス・ギーベンラート、レジェンド、出ます！」
ルナマリア「ルナマリア・ホーク、インパルス、出るわよ！」

全機、発艦。セイバーとカオスはモビルアーマー形態に変型する。そのまま4機で合流して大気圏突入に備える。

役割を決めておこう。今回の任務は敵の撃破ではない。ミネルバを無事に着陸させることが至上命題だ。

アグネス「ショーン、先行して。セイバーの空中機動力を活かして地上の索敵をお願い。艦の進路上を隈なく。ブルーコスモスゲリラが潜伏している可能性がある。自走リニア榴弾砲に注意して、見落とさないように」

[40 二次元好きの匿名さん 25/10/29(水) 02:16:59]

セイバーは重力圏内で高速飛行が可能だ。この4機の中では一番の適任だろう。

これまでのように敵の大軍が待ち構えている訳ではない。空力防盾が下方からの攻撃を防いでくれる。単機でも防御は十分可能と判断した。

アグネス「一応、アスタナ周辺には地球連合軍は居ないことになっている。でも油断大敵よ。ドッペルホルン無反動砲装備機を見つけた場合は何を置いても排除すること」
ショーン「了解！」

勿論、難しい役目をショーン一人に押し付けるつもりはない。私達も続く。彼を先行させるのは単にセイバーの機体性能を考慮してのもの。

アグネス「デイル、一緒にショーンに続くわよ。撃ち切れなかった敵はカオスとレジェンドの大火力で吹き飛ばす。セイバーが孤立しないよう、全力を！」
デイル「おう！」

備えるべきは自走リニア榴弾砲だけではない。巡航ミサイルも脅威だ。ミネルバ単独でも迎撃可能ではある。でも飽和攻撃を仕掛けられたら話は別だ。

アグネス「ルナマリア、インパルスはミネルバを標的とする巡航ミサイルに備えてやや後方を飛行して。迎撃は頼んだわよ」
ルナマリア「了解！」

良し！あとは征くのみ！

アグネス「ブリッジ、ギーベンラート小隊、降下開始します」
タリア「了解。頼んだわ」

ビームシールド展開、圧縮された空気の壁と格闘しながら我等は地上を目指す。熱圏突破！

瞬く間に中間圏、成層圏を通過して対流圏に突入する。先頭のセイバーは赤い流れ星と化している。

アグネス「（と言うか、私達4機が端から見れば流星群みたいなものだ。何せ後ろには守るべきミネルバが居る。地上に激突するくらいの勢いで進むしかないわ）」

[41 二次元好きの匿名さん 25/10/29(水) 07:42:27]

保守

[42 二次元好きの匿名さん 25/10/29(水) 15:57:40]

保守

[43 二次元好きの匿名さん 25/10/29(水) 20:45:14]

多少の連合機で妨害しても各個撃破されて終わりだろうが…

[44 二次元好きの匿名さん 25/10/30(木) 00:48:11]

勿論、本当に地面に激突する訳には行かない。スラスターの逆噴射を強める。Gが辛いが我慢だ。

レーダーに感あり！光点が12個！カザフスタン独立政府軍のスピアヘッド中隊…味方だ。

アスタナ司令部「こちらカザフスタン独立政府軍アスタナ防衛司令部。地上に接近中のミネルバ・モビルスーツ隊へ。貴君らの来援に心からの感謝を。ヌルスルタン国際空港から半径20㎞圏内、地上及び空中に敵影無し。ゲリラ残党はジェットストライカー装備ダガーL3機ほか、北東方向に潰走した。追撃中だ」

現地司令部から入電。これは朗報かも知れない。敵が逃げた方向はミネルバの経路から見て逆向きだ。
しかし安心するのはまだ早い。

アグネス「ミネルバ・モビルスーツ隊所属、特務隊アグネス・ギーベンラートです。ゲリラに自走リニア榴弾砲は？」
アスタナ司令部「ない！奴等、逃走時に捨てて行った」

では一先ず、安心と言った所か。逃走したダガーLがドッペルホルン無反動砲を装備して戻ってくる可能性もあるが…。いや、無いな。換装・移動する間に捕捉される。

アグネス「ショーン、聞いた通りよ。市内で蜂起したゲリラの残党の脅威判定は下げて良い。ただ、他の部隊の散発的攻撃リスクは残っている。命令通りに」
ショーン「了解」

アスタナ市の輪郭がはっきりしてきた。この都市はカザフスタン地域中央北部のイシム川沿い、広大な草原地帯の中にある。眩い都市の輝きと周辺の暗闇が印象的だ。

ショーン「偵察飛行、開始！」
アグネス「了解」

先行して降りたセイバーは地上を這うように偵察飛行を開始する。ヌルスルタン空港周辺の安全を再確認する為に。

私とデイルも続いて降下する。夜の海のように暗い郊外、いざ近づいてみると市内の明かりは疎ら。所々、黒煙も上がっている。先刻まで戦場になっていたのだ。仕方ないわ…。

[45 二次元好きの匿名さん 25/10/30(木) 10:05:35]

保守

[46 二次元好きの匿名さん 25/10/30(木) 18:49:00]

保守

[47 二次元好きの匿名さん 25/10/31(金) 00:45:36]

光学カメラに目を凝らす。市内外の各所にカザフスタン独立政府軍が布陣している。

ミネルバの降下は彼らにも伝えられている。安全を確保すべく軍用車が引切り無しに走り回っている。歩兵も忙しそうに駆け回っている。ありがたい事だ。

ただ、彼らを全面的に信用するわけにもいかない。中に敵が紛れていないとも限らないのだ。

何れにせよ、明かりが欲しい。不審な動きに気付けないし、友軍を誤爆したら取り返しが付かない。

アスタナ司令部「照明弾発射の用意が有る。撃ち上げよう！」
アグネス「お願いします」

渡りに船とはこの事よ。たちまち照明弾が100発以上撃ち上げられる。照射された光で空港周辺は真昼のようだ。

アグネス「（2時の方向にマイバリク湖、空港の南東に位置。12時の方向に市街地。敵影無し。不審な動きをしている『味方』もいない）」

ショーンはどうだろう？地上擦れ擦れを偵察している。市内上空も旋回している。

アグネス「ショーン。敵影、不審な動きをする味方は居る？報告して」
ショーン「ヌルスルタン空港半径30㎞には見当たりません」

ふむ。私と同意見か。デイルにも聞こう。ルナマリアは後方、ずっと上空だから聞けない。

アグネス「デイル。空港周辺に敵あるいは不審な味方は？」
デイル「見当たらない。独立政府軍に追い払われたんじゃないか？」
アグネス「予断は持たないで。でも、頃合いね」

コクピット回線からミネルバブリッジに呼び掛ける。

アグネス「ミネルバブリッジへ。こちらギーベンラート小隊。空港周辺地域の安全を確認。地上に敵性勢力の対空兵器なし。巡航ミサイルにご注意ください」
アーサー「了解。本艦は此れより大気圏に突入する。プロトコルR2発令。全艦大気圏突入に備えよ。冷却システムオンライン。融除シールド作動」

[48 二次元好きの匿名さん 25/10/31(金) 09:55:53]

保守

[49 二次元好きの匿名さん 25/10/31(金) 17:24:21]

このまま何もなく降下してくれぇ…

[50 二次元好きの匿名さん 25/11/01(土) 00:11:27]

一応保守

[51 二次元好きの匿名さん 25/11/01(土) 00:32:57]

トライン副長の指示の下、ミネルバは降下を開始する。圧縮された空気の熱で艦底は真っ赤に熱せられ、さながら隕石が落下してくるような光景だ。

アグネス「（地球連合がミネルバを攻撃するのなら、今だけど…。どうかな？）」

巡航ミサイルを撃ち込むにしても、侵攻中の北カザフスタンから300㎞以上の距離がある。半端な数では意味がない。体面の為に形ばかりの攻撃を仕掛けてくる可能性もあるが…。

ミネルバの索敵はバートさんにお任せしよう。私は地上を！降下先であるヌルスルタン国際空港を光学モニターで隅々まで確認する。所々、黒煙が上がり、空港施設も損壊している。首都攻防戦の被害だろう。

アグネス「（空港の格納庫は無事みたい。でなければ『モビルスーツ隊を寄越してくれ』とは言わないか）」

もっとも格納庫にしまえば安全と言うものでもない。独立政府軍もそこは分かっている。2個防空中隊が守備に着いている。主力はブルドックと自走リニア榴弾砲、搔き集めたらしい。

アグネス「（疑いたくは無いが、あの中に『もしブルーコスモス派将兵が紛れ込んでいたら』と考えるとゾッとする。背部プラットフォーム折って備えておこうか？いや、同盟関係に傷がつく…）」

背部プラットフォームは折らない。自分の判断と反射能力が頼りだ。
遠距離からの巡航ミサイルはミネルバとインパルスに任せれば良い。私は友軍の監視に全力を注ごう。

アグネス「ショーン、偵察飛行を続けて。少し範囲を広げて。デイルは私と一緒に空港上空を守るわよ」
ショーン、デイル「了解」

まるで神経がヤスリ掛けされているようだ。何時、何処からブルーコスモスに攻撃されるかも分からない。巡航ミサイルの脅威。友軍さえ何処まで信じて良いかも分からない。

アグネス「（ああ…。なるほど、これこそがブルーコスモスゲリラの引いては地球連合軍の攻撃と言うことね。神経戦。実物のミサイルよりずっと効果があるわ）」

それが分かったからと言ってどうなるものでもないが…。背部プラットフォームを折らない決断をしたのは正解だった。ビーム突撃砲を仮初にも空港に向けていたらどうなっていた事か。離間の計に自分から掛かる所だった。

そのまま耐えること暫し。レーダーと光学モニターを目を皿にして見つめ続ける。やがて空港上空にミネルバ！
降下成功だ！レジェンドとカオスは二手に分かれて道を空ける。

[52 二次元好きの匿名さん 25/11/01(土) 08:52:25]

保守

[53 二次元好きの匿名さん 25/11/01(土) 16:38:03]

今のところは良かった…のかな？

[54 二次元好きの匿名さん 25/11/01(土) 21:30:48]

離間の計…
ブルコスってそこまで考えてるのかなあ
（ヒャッハー顔を思い浮かべつつ）

[55 二次元好きの匿名さん 25/11/02(日) 00:32:07]

赤い主翼を大きく広げたミネルバは、揚陸艦と言うより飛行艇のように見える。

タリア「ギーベンラート小隊、ご苦労だったわね。本艦は此れよりザフト・アスタナ防衛モビルスーツ隊を空港に降下します。ショーンはそのまま、アグネスとデイルは艦を直掩せよ」
アグネス、ショーン、デイル「了解！」

降下の目標ポイントは空港滑走路南側。レジェンドとカオスで艦の左右両脇を固める。上空はインパルスが守っている。セイバーは索敵を続行だ。

ミネルバはモビルスーツ隊降下の為、速度を限界まで落とし、地表ギリギリまで接近する。

空港の敷地に入った！艦首が滑走路上で2時の方向を向く。

メイリン「左右ハッチ開放。ザフト・アスタナ防衛モビルスーツ隊、降下スタンバイ」

空いたハッチからガズウート2機が飛び降りる。続いてもう2機も。

ガズウートが飛び降りる！？
二足歩行形態になっているが大丈夫か！

アグネス「（うぉ…！良かった。ガズウート4機、着地に成功している。マリクさんと各パイロットの腕のおかげね）」

山場は越えた。後は同じようにゲイツR14機を下ろすだけ…。

バート「レーダーに感あり。1時方向よりミサイル40！距離100000」

ゲイツR2機が両ハッチから飛び降りる中、バートさんの報が届く。

そうそう上手く事は運ばないらしい。
今のミネルバは荷下ろし作業で隙だらけだ。敵から見れば絶好の好機、逃す手はないだろう。

連合はこの瞬間をずっと待って居たのか…。

[56 二次元好きの匿名さん 25/11/02(日) 07:35:09]

保守

[57 二次元好きの匿名さん 25/11/02(日) 14:19:13]

やっぱりな

[58 二次元好きの匿名さん 25/11/02(日) 21:32:22]

ミサイル40発ですくないなと感じた俺は毒されてるな

[59 二次元好きの匿名さん 25/11/03(月) 01:06:30]

巡航ミサイルが40。レジェンドのレーダーにも映ったわ。

バート「着弾まで残り420！敵の標的は不明。本艦並びに降下したモビルスーツ隊、空港施設、空港防衛隊と推測」
アーサー「トリスタン、CIWS、クルヴェナール、誘導砲塔、起動。ミサイル発射管、全門ディスパール装填」

焦ることは無い。着弾まで間がある。
ミネルバの武装とモビルスーツ隊、空港防衛隊で連携すれば、艦と空港の防衛は十分可能だ。

タリア「アグネス、ルナマリア、デイル。三人は迎撃に向かって。市街地が標的の可能性もある。極力、市域の外で落撃墜すること」

なるほど、アスタナ市に被害を出したら私達の負け、と言う訳ね。

アグネス、デイル「了解！」

高エネルギービームライフルを構え、背部プラットフォームを前傾させ『GDU-X7 突撃ビーム機動砲』2基10門を起動する。ミサイルロケットの光を光学モニターでも視認する。

アグネス「ルナマリア、デイル。レジェンドが先行する。後ろから付いて来て。墜とせるだけ墜とすから、撃ち漏らしはお願い」
ルナマリア、デイル「了解！」

スラスターは全開、北北東に突き進む。飛行すること180秒経過！目前に迫るミサイル。

巡航ミサイル群は間隔を空けて接近中だ。大ビーム砲やビーム弾幕で一度に撃墜されない為の工夫と推測する。

やり辛い…。先ずは手前から撃つ！

アグネス「高エネルギービームライフル、『GDU-X7 突撃ビーム機動砲』、発射！」

ミサイル5発を撃墜！ビームライフルを3連射して3つ、突撃ビーム機動砲2基で2つ。

即時にプラットフォームを変形、前に折り『GDU-X5 突撃ビーム機動砲』6基12門を撃ち放つ。後続するミサイル6発を撃墜！

[60 二次元好きの匿名さん 25/11/03(月) 08:38:16]

さすアグ

[61 二次元好きの匿名さん 25/11/03(月) 17:43:50]

保守

[62 二次元好きの匿名さん 25/11/03(月) 20:21:53]

アグネス「（不味い！まだ29残っている）」

巡航ミサイル群の勢いは止められない。
何時ものように『撃ちまくれば墜とせる』飛び方をしていない。

抜かれた！頭上、足元、左右…。巡航ミサイルが飛び越していく。

アグネス「ルナマリア！デイル！墜として」

ビームライフルのチャージが終了。後尾を飛行していたミサイル3発は撃ち落とす。

まだ減らせる！ビームシールド全力展開！最後尾のミサイルに体当たりを仕掛ける！

ピピピ―！警報音が喧しい。良し！成功。モニターが一瞬真っ赤になったが、これで残り25発だ。

後続のカオスは高エネルギービームライフルを3連射、起動兵装ピットから『ファイヤーフライ 誘導ミサイル』24発を発射している。

内ビーム2発が命中！ファイヤーフライは12発が命中。
機体の向きを変え、『カリドゥス改 複相ビーム砲』発射とビーム突撃砲が発射される。
ミサイル3発を撃墜！

巡航ミサイルは残り8発だ！ルナマリア、お願い。

インパルスを抜かれたら市街地上空に到達してしまう。

ルナマリア「このぉー！！」

ルナマリアは必死にビームライフルを発射！3発を爆散させて見せる。

だが…。ここまでだ。5発は撃ち損じた。インパルスの守りをすり抜けて…。

[63 二次元好きの匿名さん 25/11/03(月) 20:32:36]

ルナマリア「えぇい！」

インパルスがミサイルに急接近、体当たりするようにCIWSを撃ち掛ける。1発撃墜に成功！

アグネス「4発撃ち漏らしました！巡航ミサイルが市街地上空に達します」
タリア「了解！」

しくじったわ…。失敗した。最悪だ。

アグネス「（私がビーム突撃砲をもっと上手く…。止せ、それ所じゃない）」

レジェンドとカオス、インパルスで巡航ミサイルを必死に追尾しているが…。間に合わない。

簡単に開けラメ手はいけない。地上のアスタナ防衛部隊はブルドックと自走リニア榴弾砲で迎撃を図っている。彼らの執念により巡航ミサイル2発が撃墜される。

残り2発はそのまま空港へ。立塞がるはミネルバ。艦から迎撃用ミサイル『ディスパール』4発が発射される。

命中！撃墜成功。空港とモビルスーツ隊、空港防衛隊は無事だ…。
素直に良かった、と思うべきなのだろうか？いや、私は失敗した。本当に危うかった。

アグネス「（巡航ミサイルを撃ち漏らしてしまった。レジェンドの機体性能的にまだまだ墜とせるはずだったのに。
疲労の蓄積と怪我のせいか、単に私の技量不足か。今考えても仕方ない。切り替えて行こう）」

タリア「アグネス、ルナマリア、ショーン。ご苦労、戻ってきなさい。モビルスーツ降下を再開します」
アグネス・一同「了解」

巡航ミサイル対処後の輸送任務は驚くほどスムーズに進んだ。艦内に残っていたゲイツR12機を送り出し、グラディス提督は現地司令官とモニター越しに挨拶を交わした。

これで用件は済んだ。駆け足だけど、あとは国防委員会がフォローしてくれるだろう。と言うか、するべきだ！

[64 二次元好きの匿名さん 25/11/03(月) 23:07:15]

端から見ると”一つ漏らさずミサイルを迎撃する有能なミネルバ隊”なんだよなぁ

[65 二次元好きの匿名さん 25/11/04(火) 07:34:26]

ここのアグネスは自分を追い詰め過ぎるほどの完璧主義者だからなぁ

[66 二次元好きの匿名さん 25/11/04(火) 16:32:09]

ほし

[67 二次元好きの匿名さん 25/11/04(火) 23:55:27]

>>65

カウンセリングの効果…良い話を聞いて感動しても、日々の仕事に追われると飛んで行っちゃうんだよな

[68 二次元好きの匿名さん 25/11/05(水) 01:35:01]

タリア「ギーベンラート小隊、ご苦労だったわね。帰艦せよ。本艦は此れよりカーペンタリア基地に向かいます」
アグネス、ルナマリア、ショーン、デイル「了解」

大気圏離脱を前に撤収命令が出る。ミネルバは今、滑走路の北東側。大気圏離脱に向け飛行高度を上昇させている。

アグネス「インパルスとカオスが先。次はセイバー、最後が私」

着艦の順番を指示した後、カオスを空中旋回させる。油断してはいけない。私が敵将なら今が狙い時よ。

アグネス「（うむ。敵の追加攻撃は無し…。戦力を温存しているのか、単に余力が無いのか、何とも言えない）」

何れにせよ。私達に出来るのはここまでだわ。後は独立政府軍と他の隊に頑張ってもらうしかない。

先に行かせた3機の着艦を確認！次は私だ。

アグネス「アグネス・ギーベンラート、レジェンド着艦します」

レジェンドの帰艦を合図にしたようにミネルバは艦首を上昇させ始める。ここから一気に宙に抜けるのだ。

アーサー「全艦に告ぐ。本艦は此れより大気圏を離脱する。タンホイザー起動！」
タリア「撃て！」

号令と共にヌルスルタン空港の遥か上空に電磁ストームが発生。ミネルバはアスタナ市に別れを告げ、天空に駆け上がる。アスタナからカーペンタリアまで約10120、1時間40分ほどの旅路になる。

メイリン「コンディションをレッドからイエローに移行します」

アグネス「はぁー。疲れた…」

メイリンの艦内放送を聞き、長い溜息をつく。やっと緊張を緩めることが出来るわ。

[69 二次元好きの匿名さん 25/11/05(水) 09:34:30]

壮絶なシャトルランなんだよなぁ

[70 二次元好きの匿名さん 25/11/05(水) 18:50:51]

保守

[71 二次元好きの匿名さん 25/11/06(木) 00:47:18]

コックピットハッチを開き、足を労わりながらぐっと体を伸ばす。気持ちいい。

パチパチパチパチ。パチパチパチパチ。パチパチパチパチ。

整備班の皆が拍手をしてくれる。今になってようやく達成感が湧いてきた。
敵の妨害を撥ね退け、中隊規模のモビルスーツを一度に輸送。大したものじゃない！

足元から昇降機が競り上がる。看護師さんとヨウランが乗っているわ。

看護師「アグネスさん。バイタルチェックしますね」
アグネス「ありがとうございます」
看護師「気分はどうですか？痛かったり、気持ち悪かったりする部位はありますか？」
アグネス「気分は…。正直、疲れ気味です。痛みや気持ち悪さは特に感じません」
看護師「そうですか。数値は…むむむ」

何時も通りバイタルチェックを受け、二人に電動車椅子に乗せてもらう。

格納庫に降りると、ルナマリア、ショーン、デイルが駆け寄ってきてくれた。

ルナマリア「お疲れ。ねえ、カーペンタリアまでどうする？」
アグネス「小休憩しましょう。二人ずつ交代に。『搭乗機にて待機』の命令は受けていないけど、何かあるといけないから」

艦内通信でトライン副長にも許可を取り、4人でコイントスして組分けと順番を決める。
結果は私とルナマリア、ショーンとデイルのペア。私達2人が先に休憩になった。

アグネス「じゃあ、お先に。私達、レクリエーションルームで少し休むわ。時間までには戻るから」
ショーン「行ってらっしゃい」

私とルナマリアと看護師さんの3人でレクリエーションルームに向かう。手狭になった部屋で何をするでもない。
ただ、少しは休んで調子を整えないと後半の任務に差し障る。

[72 二次元好きの匿名さん 25/11/06(木) 09:36:51]

保守

[73 二次元好きの匿名さん 25/11/06(木) 19:16:12]

保守

[74 二次元好きの匿名さん 25/11/06(木) 20:02:26]

休み？ないよんなもん

[75 二次元好きの匿名さん 25/11/06(木) 23:20:23]

私とルナマリアと看護師さんの3人でレクリエーションルームに向かう。

入室すると室内モニターが点けっぱなしで、艦外の景色が映し出されている。

眼下に広がる丸い地平。ミネルバは東アジア共和国上空の宇宙空間を通過中だ。ジュンガル盆地と天山山脈は既に遥か後方。

アグネス「（東アジア共和国か…。クラーゼク国防委員のお話によると、彼の国は地球連合を離脱して、対ロゴス同盟に付く用意があるらしい。果たしてどこまで本気なのか？）」

どう転ぶのだろうか。彼らの国内事情は知らないが、旗色を明らかにするべき時は来ている。

ルナマリア「ヴェステンフルス小隊はどうしているかな？」

モニターを見ながらぼんやりしていると、ルナマリアに尋ねられる。

アグネス「他のエリアにも目を配りながら、カザフスタン地域に向かうんじゃない？
敵の第二波攻撃が有るかも知れない。国防委員会としても、わざわざ輸送した部隊が一晩持たずに撃破されるような事態は避けたいはずよ」

ルナマリアは軽く頷き、ポツリと溢す。

ルナマリア「そうね…。シン達も大変ね」
アグネス「皆、大変よ」

少ししんみりした空気になってしまう。

これは不味いわ。ルナマリアも参っている。テンション上げておかないと持たない。

アグネス「ねえ。紅茶でも飲まない？看護師さんも」
看護師「良いですね」、ルナマリア「ええ」

[76 二次元好きの匿名さん 25/11/06(木) 23:24:50]

茶菓子は無し。
3人で向き合い、静かにカップを傾ける。何かを賑やかに話せる気分では無い。

アグネス「モニター切り換えてニュースでも見る？」
ルナマリア「今はいいかな。明るい話題は無いだろうし」

確かに。どうせ流れてくるのは戦争と地球連合の混乱のニュースばかりだろう。
もうお腹一杯だ。

看護師「何かこう…。気持ちが明るくなるような話題があれば良いんですけどね」
アグネス「動物園で象が赤ちゃんを産んだとか？」
看護師「そうそう！そんな感じの」

まあ、このご時世では難しいでしょうね。暗い話題に埋もれてしまう。

アグネス「（久しぶりに…でもないけど、ミーアの歌が聞きたいな。カーペンタリアに着いたら録画を見ようかしら）」

プラントの彼女は元気にしているだろうか。軍楽隊のお仕事、上手く行っていると良いな。

短い休憩時間はあっという間に終わってしまう。
カップを片付けて格納庫に戻り、ショーン、デイルと交代だ。

アグネス、ルナマリア「行ってらっしゃい」
ショーン、デイル「行ってきます」

カーペンタリアまで残り50分。どう過ごそう…。そうだ！コックピット内でコッソリ仮眠を取ろう。

アグネス「ルナマリア、私、レジェンドに乗って待機するわ」
ルナマリア「奇遇ね。私もそう思っていたわ」

[77 二次元好きの匿名さん 25/11/07(金) 00:00:31]

ルナマリアは悪戯っぽい笑みを浮かべて答える。考えていることは同じか。

『搭乗機にて自主的に待機。目を瞑って時間を過ごす』と。

どうせ、コックピット回線から命令が届けば、一瞬で意識は覚醒するのだ。パイロットスーツを着ているから風邪をひくことも無いだろう。

アグネス「ヨウラン！レジェンド乗れる？」
ヨウラン「おお…。熱心だな。いいぜ。乗れるよ」
アグネス「ありがとう」

操縦席に深く座り、瞼を閉じる。

―意識が落ちるまではあっという間だった―

アーサー「コンディションレッド発令。本艦は此れより大気圏に突入、カーペンタリア湾に着水する。プロトコルR2発令。全艦大気圏突入に備えよ」

アグネス「うおっ！」

トライン副長の声で目覚める。もうカーペンタリア湾か…。早い速い。

コクピットデバイスで状況を確認。ミネルバはカーペンタリア基地沖合上空に達している。

私達を出迎えるべく、カーペンタリア湾内はボズゴロフ級が展開、基地の滑走路からは護衛のバビ隊が発進している。

今回の降下は敵の襲撃を過度に警戒しなくてもいい。地上から攻撃される恐れは無いのだ。とは言え、『まさか』は有り得る。何時でもレジェンドを起動できるよう準備しておく。

アーサー「これより着水する。全艦、衝撃に備えよ」

暫し後、微かな振動がミネルバ全体に伝わる。降下成功。久しぶりのカーペンタリアだ。
上陸する間もなく直ぐに中央アジアに戻るのだけど、でも嬉しいわ。

[78 二次元好きの匿名さん 25/11/07(金) 08:43:19]

保守

[79 二次元好きの匿名さん 25/11/07(金) 18:31:25]

保守

[80 二次元好きの匿名さん 25/11/08(土) 00:02:34]

メイリン「コンディションをイエローからグリーンに移行します」

着水後、ミネルバはカーペンタリア基地に入港する。ようやく肩の力を抜くことが出来るわ。

看護師「お疲れさまです」
アグネス「こちらこそ。ありがとうございます」

レジェンドから降りて看護師さんとお礼を言い合う。

アグネス「ヨウランもありがとう。整備班はまだ休めないのね。大丈夫？」
ヨウラン「どういたしまして。交代で休むから。平気だ」
アグネス「そう。良かった。お疲れさま」

整備班に挨拶を済ませ、格納庫を後にする。更衣室までルナマリアと一緒だ。

看護師「病室に戻って仮眠しましょう。やっぱりベッドに横にならないと」
アグネス「はい…。ああ、その前に！甲板に上がっても良いですか？」

このままでは息が詰まる。少しで良い。外の空気を吸いたい。景色も見たい。短時間で構わない。
ゲイツRの積み込みと融除シールドの補充、艦内各部のチャックに数時間は掛かる。その間を有効に使いたい。

看護師「分かりました。ご一緒します。カーペンタリア、私もどんな所か気になりますし」
ルナマリア「良いわね。行きましょう」

甲板に昇って夜空を見上げる。潮風が心地いい。赤道を跨いだ為、季節が変わっている。南半球は今、夏だ。

視線を陸に向けると基地内に見慣れぬ団地が築かれている。何だろう？

アグネス「あれは…。避難民の収容施設かな？」
ルナマリア「そうじゃない？全員を一度に本国に連れて行くのは難しいだろうし」

[81 二次元好きの匿名さん 25/11/08(土) 00:10:24]

ザフトがガルナハンを確保した事とファウンデーション王国独立の結果、コーカサスとカスピ海周辺はプラントの影響下に入った。インド洋の制海権はザフトが握っている。

これでユーラシア-ペルシャ湾-インド洋-大洋州のルートで人道回廊が敷ける。そのルートで避難してきた人達の為のものだろう。

看護師「あれ？お二人とも、あそこ。連絡橋にグラディス提督とトラドール国務秘書官が！」

看護師さんが指さした先。グラディス提督とトラドール国務秘書官が護衛と共に連絡橋を渡っている。

アグネス「おそらくカーペンタリア司令部で臨時会議があるのでしょう。モビルスーツ引き渡しの手続きとか」

カーペンタリア基地司令部としては同盟国の高官が入港しているのに無視はできない。簡易的にでも顔合わせはしておかないと、今後の連携に差し支える。

ルナマリア「ちょっと！それ大丈夫？ほら…トラドール国務秘書官って」

大丈夫かと聞かれれば、大丈夫ではない。
ブラックナイツには高度な心理的洞察力がある、として全艦で対策を取ったばかりだ。

アグネス「グラディス提督がご一緒だから、上手くフォローして下さるはずよ」
ルナマリア「そうね」

半分は自分に言い聞かせる。ザフトにとって地上最大にして最重要の拠点、カーペンタリア基地、厄介者に足を踏み入れさせたくない。

情報漏えいが心配だ。王国に直接関係する情報がこの基地に在るかは微妙だけど。

もっとも、トラドール国務秘書官にしてみれば、カーペンタリアまで来て手ぶらで帰るわけには行かないのだろう。顔を売るくらいしておかないと。この辺り本当に難しい。

看護師「そろそろ戻りましょうか？」
アグネス「はい…」

[82 二次元好きの匿名さん 25/11/08(土) 00:21:53]

甲板を降り、ルナマリアと別れて第一医務室に戻る。入室すると意外な人物が待って居た。

タッド・エルスマン「ご苦労さま。大変な任務だったな」

エルスマン博士が軍医殿や主治医の先生と打ち合わせ中だった。

アグネス「エルスマン博士！お戻りでしたか」
タッド・エルスマン「ああ。艦がファウンデーション王国に向かうと聞いて。一先ず自室で休んでいた」

そうだったのか。任務中だったから気が付かなかった。

それにしても、博士が乗艦されたと言うことはモビルスーツ輸送任務から避難民輸送任務まで一度に実施するのだろうか？あるいは何往復かするのだろうか？

情勢が流動的過ぎて読めないわ。乱世にはありがちな事なのだろうけれど。

タッド・エルスマン「両足の診察をしたい所だが…。貴女は先ず寝なさい。働き過ぎだ」
アグネス「はい。その積もりです」

第一医務室は取り込み中なので第二医務室でお休みすることになった。
看護師さんにベッドに寝かせてもらい、毛布に包まる。

看護師「お休みなさい。アグネスさん」
アグネス「おやすみなさい」

出港と同時にコンディションレッドで起こされると思うけれど。いや、だからこそ、しっかり寝ないとね。
瞼を閉じ、手足をゆっくり伸ばして呼吸を整える。

アグネス「（ファウンデーション王国に着いたら…。港を出たら、また大変…だ…わ）」

羊を数える暇なんてない。眠りに落ちるまであっと言う間だ。

[83 二次元好きの匿名さん 25/11/08(土) 00:27:57]

所用で明日は書き込めません。次は日曜日の夜になります。どなたか、もしよろしければ保守をお願いします。

[84 二次元好きの匿名さん 25/11/08(土) 08:04:57]

保守

[85 二次元好きの匿名さん 25/11/08(土) 15:43:52]

それゆけアグネス（ベッドへ）

[86 二次元好きの匿名さん 25/11/08(土) 22:04:00]

保守っと