弱さとは罪なのだろう 2R

  • 1二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 23:15:04

    『谷間の世代』
    三冠ウマ娘が生まれ、そして怪我によって無期限休養。
    三冠ウマ娘去った後の世代は伸び悩み、後ろの世代のウマ娘たちに活躍を奪われた。

    そんな谷間の世代の一人、クレセントナイトの話です

    まさかの2スレ目だよ

  • 2125/10/24(金) 23:17:44

    今更なんですけどトリップってつけといた方が良いんですかね?

  • 3二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 23:20:43

    >>2

    立て乙

    あるに越したことはないね

  • 4◆7RUgR3YILE25/10/24(金) 23:24:56

    「クレナ……」
    「……トレー、ナー」
    帰ってきた時に振りかかったのは、重苦しい雰囲気。
    あれだけ大見得切っておいて、このザマではとても顔向け出来たものじゃない。
    何もかもどうでもいいと思えるぐらい気が滅入ってしまった。
    ……はは、去年の宝塚記念も、そんな感じだったかな。
    「……負けちゃった……」
    「……そうみたいだな」
    「先輩凄かった。私あんなの知らなかった。クラシックの時ずっと近くに居たはずなのに、あんな化け物じみた走り出来るなんて思わなかった」
    「負けたあの瞬間から……全部先輩の場所になっちゃった」
    「クレナのファンだっていたさ、ただ残念がっていただけで」
    「本当に?いつか私を見限ったりするかもしれないじゃん」
    「……じゃあ、俺が君の居場所になる」
    「……え?」
    「負けた時も、勝った時も、俺だけは絶対に、常に君の味方──居場所だ」
    「なに、それ……」
    「誰が人気になろうが関係ない、俺が君の走りを見たいんだ。文句あるか?」
    「ううん……あは、むしろあんた私のトレーナーなんだから当然の話でしょ?」
    ……なんでだろう、ちょっとだけだけど、落ち着いて来た。
    あんなに悔しくて自分が嫌で仕方なかったのに。
    こんな人が一人いるだけで、安心できる。
    ……不思議な感じ。


    ──私の負け。そして先輩の勝ち。
    あんなに強烈に先輩の力を思い知らされたのは初めてかもしれない。
    次のレースで先輩を倒しに行く時は……ちゃんと策を練らなきゃ。多分今回みたいな力勝負じゃ絶対に歯が立たない。
    あの絶対強者的な領域に、どうにか対抗しないと……。

  • 5◆7RUgR3YILE25/10/24(金) 23:34:27

    即落ち防止に各ウマ娘の戦績貼っておきます

    クレセントナイト
    15戦6勝 うちGIを2勝

    ルミナスロマンス
    18戦4勝 うちオークス優勝

    アヴニールラヴ
    10戦6勝 うちGI2勝

    ゾネデメリング
    7戦7勝 うちGI4勝

  • 6二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 00:16:21

    クレナ15戦とはクラシックから走り続けてにしては少ないな

  • 7二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 00:20:49

    >>6

    トレーナーと会うまで脚弱いままだったからなクレナ……

  • 8二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 00:53:12

    ひとまず10まであげ

  • 9二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 02:19:55

    世代の性質や十分なメインどころの数から出てくるとは考えにくいがティアラのもう1〜2人がまだ走ってるのかはちょっぴり気になる
    桜花賞と秋華賞は得てして二冠になりやすいというが1人にまとまってるならソードオブアイスみたいなゲストキャラとして現れたりとかはありそうか

  • 10二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 02:50:21

    これで10
    しかしなまるどころか飛躍的に進化した先輩は今までどうやってトレーニングしていたんだろう
    積極的に地に足つけれない時からめちゃくちゃプールで過ごしたり隙あらばウマレータに入って感覚だけは走らせたりとかもしたのかな

  • 11二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 08:38:23

    ウマレーターの有効活用か

  • 12二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 09:22:25

    よし追い付いた
    この話に題名をつけるならウマ娘トゥインクルスターナイトとかだろうか
    夜月星のどれかは入れたいところ

  • 13◆7RUgR3YILE25/10/25(土) 11:22:50

    宝塚記念が終われば、再びの夏合宿。
    もうすっかりこの恒例の流れにも慣れてしまった。
    シニア期三年目にもなれば、そらそうか。
    「どうすれば良いかな……」
    私はあの人に勝てるのだろうか。
    私にとって、勝つためのビジョンであるはずの領域が塗り替えられる程の暴力的な走り。
    ただ…ただ、あの人は……笑っていた。
    本当に楽しそうに。もはや勝利などどうでも良いかのように、軽やかな表情で私たちを怯ませ、敗北に導いた。
    アレはもう言うなれば別次元か何かの存在だろう。
    復帰戦で頭おかしいポテンシャル出して来ないで欲しい。
    「クレナせーんぱい」
    「アヴちゃん?」
    「ちょっと横良いですか、休憩中なので」
    「どうぞどうぞ」
    「ありがとございます!」
    砂浜でぼーっとしていると、突然アヴちゃんが隣にやって来た。
    一体なんのつもりなんだろう。
    「……先輩は、あの人に勝てると思えます?三冠ウマ娘ゾネデメリングに」
    「へ?」
    「正直言って、宝塚記念の展開は私にとって都合が良すぎるぐらいでした。最終直線に入る頃には先輩とゾネさんと少しのウマ娘しか体力が持ってなかったんですよ」
    まぁ、それはそうだろう。上手いことペースを作っていたから、それに釣られたウマ娘はあとは潰されるだけの流れだ。
    「それを力一つでブッ潰された。ちょっとヘコみますねーあれは」
    「私も同じだよ。全く分からないの。どう動けば良いのかも全然分からなくて、負け確定だと自分の中で刷り込まれてた。実際そうなったんだけど」
    「私もです。怖すぎでしょあの人」
    「それに関しては同意見、レース以外だと普通なのにね」

  • 14◆7RUgR3YILE25/10/25(土) 11:24:14

    先輩での話題が一致することがあまりないので新鮮だな、こういうの。
    全くあの人は、誰彼構わずいろんな形で記憶に刻みよってからに。
    「でーも!私は諦めたなんて言わないですよ!勝機を見出すんですから!!」
    「……どうやって?そもそもアレは勝機を見出しても良いモンなの?」
    「さぁ?」
    「さぁ……って」
    「やってみなくちゃ分かんないですよね?」
    「まぁそりゃそうだけども……」
    ……なるほど、この子は強いよ。
    「……先輩もいつか立ち上がれますよ。
    だって先輩は、誰よりも長く戦ってきてるんですから」
    ……ダメだねぇ私。後輩に励まされるようじゃ主役とか言ってらんないよ。
    しゃっきりしないとね。ルミスに怒られ……

  • 15◆7RUgR3YILE25/10/25(土) 12:33:38

    「あら、なになに、私に内緒で後輩とイチャイチャ?」
    「……は!?ルミス!?なんで!!?」
    「引退した身だけど、あなたのトレーナーのサポートとして着いていって良いかって聞いたらなんと通ったのよ」
    「マジか…何?そこまでやってくれるの?ルミス私のこと好きなの?」
    「ええ、惚れ込んでるわよ?」
    「はぁ……?」
    「……ああ、安心して頂戴?私は男の人と恋愛するから」
    そういう会話をしながら横目でアヴちゃんを見ると。
    「…………(*^-^*)」
    ああああああああ!!!!!

  • 16◆7RUgR3YILE25/10/25(土) 12:39:16

    「違うよアヴちゃん!!?そういう関係じゃないからね!!!?」
    「あたしお邪魔みたいなので失礼しますね!!」
    ドヒャア!という音すらしそうな勢いで去っていった。
    流石逃げウマ娘と言ったところか。褒めてる場合じゃないけどね!!!
    「ふふ、ごめんなさいクレナ、冗談のつもりだったんだけど」
    「おかげで妙な誤解生まれてたじゃん……!?」
    「それは災難ね、あなたトレーナーさんの方が好きでしょうし」
    「他人事な態度がなんか腹立つな……」
    ……まぁ別に悪い気はしなかった。
    周りと疎遠になった今、ほぼ唯一の友人になってしまったし。その友人に大事にされるというのは、ありがたいことだろう。

  • 17二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 19:09:50

    元友人との仲も修復できるといいな

  • 18◆7RUgR3YILE25/10/25(土) 20:08:29

    「でもホントに……良かったの?わざわざ時間使って来てもらって……」
    「良いのよ、暇なんだし。あなたは同期で仲良くしてくれた数少ないウマ娘だもの」
    「ありがとう……ねぇルミス、聞いてほしいことがあるんだけど」
    「何?告白?」
    「はたくよ??」


    「つまり、ゾネ先輩が強すぎて怖いから自信がなくなっちゃったって訳ね」
    「改めてそう言われると情けなさ過ぎて嫌になるな私…」
    「うーん……正直私もよく分からないけど、
    でもあなたが思うほど先輩は特別な存在ではないと思うわ、むしろあなたからすれば共感しやすいと思う」
    「え?どういうこと?」
    「多分、久しぶりに走れたあの人は楽しんでるだけじゃないかと思うの。去年の夏合宿、私に追いすがることを楽しそうにしていたあなたのようにね」
    ……ああ、あの時の。
    あれは、領域のきっかけが掴めそうになってハイになってたところがあったな、確かに。
    「それであそこまでのパフォーマンスが出せるって……?」
    「そう。恐らくはね。ゾネさんは今全力でレース楽しんでいると言っても過言ではないはずよ、少なくとも、レース映像では笑ってた、あの人は」
    笑ってた、か。
    あの時は一瞬で追い抜かれて届かなくて、顔なんか見れてなかったな……。見る余裕もなかった。
    「まぁほら、よく言うじゃない」
    「……努力している者は楽しんでいる者には勝てないって?」
    「あら、知ってたのね?でもね、あの人は才能の塊でもある。……まあ、元々の意味とはちょっと離れちゃうけど」


    ──天才は努力家には勝てないのよ

  • 19二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 20:19:16

    実際意識的な努力でも命懸けの狂気が宿るハングリー精神は楽しむものにすら届く牙を持つものだからね
    ……もしかしてそういうこと?

  • 20二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 23:43:15

    「トレーナー!!」
    「うおっ!!?なんだクレナ突然!!?」
    自分の場所に勢いよく飛び込んできたクレナ。
    全力で走ってきたからか髪が乱れているのに気づかぬほど興奮していた。
    「教えて欲しい!もっと早く走るためにできること!」
    肩を掴んでガタガタ振ってくる。
    おいやめてくれ、どういう風の吹きまわしか分からないけど、どういうわけか吹っ切れてくれてるっぽいのはありがたいけど君の目の前にいるのは人間だぞそんな勢いよくやられたら痛い痛い痛い痛い。
    「いや、ちょっ待っ、それは勿論協力するけど!まずはゆっくり座ってくれ頼む!」
    彼女が急にここまで息巻いてきた理由はよく分からないものの、トレーニングへの意欲が増してきたことには素直に喜びを覚えつつ椅子を勧める。
    彼女は若干息切れしながらも素直に席に着き、真剣な眼差しでこちらを見据えてくる。

    「で……どうしたんだ急に?今までより気合いが入っているように見えるが」
    「私に必要なのは結局努力!!そんで強い意思!!まずは先輩を超えるために必要なことを教わりたい!」
    「……具体的にどの部分だ?」
    「全部!技術もフィジカルもメンタルも!とにかく先輩に勝つためなら何でもやってやる!!」
    「わかったわかった!落ち着けって!!?」
    ……気合いの入った結論だ。
    今回の宝塚記念での惨敗は心を折ったかもしれないが、同時に心にエンジンをかけるトリガーになったのか?
    きっかけは、恐らく……。
    『──クレナの手伝いをしたいの、ついていっても良いかしら?』
    あの親友、だろうな。

  • 21二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 07:44:57

    ──
    ────

    「あの人に勝ちたいなら、まずはその物怖じしてしまったメンタルからどうするかね」
    「どうするたって……」
    「良い?私は去年の夏合宿のあの時、あなたに領域を当てられて私はすごく…怯んだ」
    「怯んだ?」
    「そう、ちょっとおぞましかったのよ。そのままあなたに捕まってあの模擬レースはおしまい。それが気迫や心の違いというものがもたらす物よ、きっと。気持ちが押し負ければ、きっと勝負の場にすら立てない。心当たりあるんじゃないの?あの宝塚記念で」
    ……確かにある。
    私が先輩相手にビビって闇雲に追いすがろうとしたのもそうだし…認められなかった、私があんなに呆気なく抜き去られるのが。情けなさ過ぎて。
    「だったら簡単よ」
    「え?」
    「あなたが、絶対に譲れないものを持ってもう一度挑めば良いのよ、絶対に先輩に気圧されないぐらいの、執念にも近しい…『想い』を」
    「想い……」
    「例えば……そうね。私なら大阪杯の時に、あなたへの尊敬、友愛、嫉妬、対抗心……色んな感情をまぜこぜにした結果、あなたの言う『領域』とやらは持たずとも、あなたへ迫ることぐらいは出来た」
    結局負けちゃったけどね、とルミスは微笑みながら話す。
    いや私に色々ぶつけすぎだろびっくりしたわ。
    「……私は、あの宝塚記念で『私こそ主役だ!』って気持ちで行こうと思ったんだ。
    でも、先輩にあの時迫って来られた瞬間、そんな気持ちが消し飛ばされちゃった」
    「…じゃあその理由だけじゃ足りないのよ、きっと」
    「うん。多分同じ心持ちで行っても同じ結果になる」
    だから、自分のため、自分に関することのためにだけじゃなくて。
    ……誰かのためにも、走ろう。

  • 22二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 08:02:56

    「ルミスはさ、私が勝つと嬉しい?」
    「それは…当たり前でしょ?」
    「負けると悲しい?」
    「推しが負けて残念に思わない子がいると思う?」
    「……トレーナーも同じなんだろうな」
    「…は?」
    「トレーナーは、私を拾ってくれた。独りでやけっぱちにも近い勢いで進もうとしてた私を、見つけてくれた」
    あの時の出会いがなければ。今の私はいない。
    あの日見た夢も忘れ去っていたかもしれない。
    今ならわかる。トレーナーは何よりも一番に、私の勝利を望んでくれている、私の背中をずっと押してくれている。
    だったら応えないといけない。期待に応えられるのなら本望だ。
    ……あの人が、笑ってくれるのなら。
    「……その恩返しのために?」
    「それもある。それにさ……私の夢が叶ったらどんな表情してくれるんだろうって想像したら…楽しくなってきちゃったんだよね」
    「……そう」
    あの人は私の居場所になるって言ってくれた。
    私の居場所を…安心させてくれる人を泣かせるようなウマ娘にはなりたくない。
    ……そのためなら。
    どんな目に遭おうが、耐えてやる。

  • 23◆7RUgR3YILE25/10/26(日) 08:30:35

    見返してみたらトリップつけ忘れてました、アホ~

  • 24二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 14:18:15

    ルミスちゃんもクレナちゃんもさらっとなんか凄いこと言ってる気がする

スレッドは10/27 00:18頃に落ちます

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